JP5786839B2 - エポキシ樹脂組成物および接着構造体の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および接着構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂組成物を接着剤として用いた接着構造体の製造方法に関するものである。
特許文献1には、エポキシ樹脂の硬化剤として、下記の式(IV)に示されるフェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物が開示されている。
Figure 0005786839
特開昭61−183318号公報
ところで、一般的に、エポキシ樹脂と硬化剤とが配合されたエポキシ樹脂組成物は、接着性が高いことからエポキシ樹脂系接着剤として広く用いられている。しかしながら、一般的なエポキシ樹脂系接着剤は、高耐熱性のエンプラであるポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと記す)との接着性が低かった。
これに対して、本発明者らの実験結果より、エポキシ樹脂の硬化剤として、上記したフェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物は、一般的なエポキシ樹脂系接着剤よりもPPSに対する接着性が高いことがわかった。このため、このエポキシ樹脂組成物は、PPSで構成された被着体を接着するための接着剤として有用である。
しかし、このエポキシ樹脂組成物は、ゲル化時間が長く、下記の問題があることもわかった。
少なくとも一方がPPSである2つの被着体を接着して接着構造体を製造する際では、2つの被着体の少なくとも一方に液状のエポキシ樹脂組成物を塗布し、2つの被着体を貼り合わせる貼り合わせ工程と、エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させる硬化工程とを行う。
ここで、貼り合わせ工程で2つの被着体を貼り合わせた後、エポキシ樹脂組成物がゲル化する前に、貼り合わせたものを硬化工程に移動させると、治具等で固定していても、2つの被着体に位置ずれが生じる可能性がある。そこで、貼り合わせ工程を行った後、エポキシ樹脂組成物がゲル化するまで、貼り合わせたものを静置させる。
このとき、上記したフェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物は、ゲル化時間が長いので、静置時間が長くなり、貼り合わせ工程から硬化工程に移るまでの時間が長くなってしまう。このように、フェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物は、短いゲル化時間が要求される用途に適していない。
なお、上記した問題は、2つの被着体の少なくとも一方がPPSで構成されている場合に限らず、2つの被着体の両方がPPS以外の材料で構成されている場合においても、同様に生じるものである。
本発明は上記点に鑑みて、硬化剤としてフェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物よりも、ゲル化時間が短いエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、エポキシ樹脂組成物を接着剤として用いた接着構造体の製造方法において、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェニレンスルフィド骨格ジアミンが配合されたエポキシ樹脂組成物を用いた場合と比較して、静置時間を短縮することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、主成分としてのエポキシ樹脂と、下記の一般式(I)に示されるフェニレンオキサイド骨格を有するジアミンとが配合されており、前記ジアミンは、一般式(I)中のベンゼン環がすべてパラ位で繋がっていることを特徴としている。
Figure 0005786839
(式中のXはメチル基または水素であり、nは〜10の整数を示す。
これによれば、後述する実施例からわかるように、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物と比較して、ゲル化時間が短いエポキシ樹脂組成物を提供できる。
請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を液状態で、2つの被着体の少なくとも一方に塗布し、2つの被着体を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
貼り合わせた2つの被着体を静置する静置工程と、
静置工程後、エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させる硬化工程とを有することを特徴としている。

これによれば、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェニレンスルフィド骨格ジアミンが配合されたエポキシ樹脂組成物と比較して、ゲル化時間が短いエポキシ樹脂組成物を用いるので、静置時間を短縮できる。
実施例で合成した硬化剤1のDSC測定結果である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、を配合したものであり、硬化剤として、少なくとも、下記の一般式(I)に示されるジアミンを用いたものである。
Figure 0005786839
ここで、一般式(I)中のXはメチル基または水素であり、nは1〜10の整数を示す。
一般式(I)で示されるジアミンは、骨格に、下記の式(II)で示されるPPSに類似した結晶構造のフェニレンオキサイドを有するものである。
Figure 0005786839
一般式(I)で示されるジアミンは、固形物であり、この固形物を融解した際の粘度が低く、汎用エポキシ樹脂への溶解性に優れるものである。
一般式(I)で示されるジアミンは、式中の全てのベンゼン環がパラ位で繋がっているものであっても、そうでないものであっても良いが、式中の全てのベンゼン環が酸素原子を介してパラ位で繋がっていることが好ましい。換言すると、式中のベンゼン環のうち、両端に位置するベンゼン環を除く全てのベンゼン環のパラ位に酸素原子が位置することが好ましい。なお、この場合、両端のアミノ基もベンゼン環のパラ位に位置することが好ましいが、パラ位に位置しなくても良い。
一般式(I)で示されるジアミンとしては、例えば、下記の式(III)で示されるジアミンが挙げられる。式(III)で示されるジアミンは、一般式(I)中のXが水素であり、nが3であり、式中の全てのベンゼン環がパラ位で繋がっている化合物である。
Figure 0005786839
式(III)のジアミンのように、nが10以下であるのは、nが10より大きくなると、エポキシ樹脂への溶解性が低下するだけでなく、エポキシ樹脂に溶解したとしても、エポキシ樹脂組成物の粘度が高く、PPSへの接着作業性が悪くなってしまうからである。
また、式(III)のジアミンのように、式中の全てのベンゼン環がパラ位で繋がっている場合、ジアミン分子は平面構造となり、ジアミンの結晶性が高くなるとともに、ジアミンの分子同士の相互作用が高くなる。その結果、エポキシ樹脂組成物の硬化物の強度やガラス転移点(Tg)等の物性値が高くなる。
エポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂は液状のものが好ましく、液状のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA(後述の実施例1、4のエポキシ樹脂1)、ビスフェノールF、水素添加されたビスフェノールA、水素添加されたビスフェノールF等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型、あるいは、これらの水添による脂環型のグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;さらには骨格がポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリル、シリコーンである柔軟性エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は単独でも2種類以上を併用しても良い。特に、ビスフェノール型のエポキシ樹脂が、物性、接着性に優れるエポキシ樹脂として好適に用いられる。
また、作業性に影響しない範囲で固形のエポキシ樹脂を併用しても良い。固形のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールのオリゴマー型の他、フェノールノボラック型、3官能フェノール誘導体型、4官能フェノール誘導体型、アラルキル型多官能性樹脂、ジシクロペンタジエン型、ビフェニル型、ナフタレン型(後述の実施例2、3のエポキシ樹脂2)、フルオレイン型、ジフェニルエーテル型、スチルベン型などが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤として、一般式(I)のジアミンを単独で用いたり、一般式(I)のジアミンと他のアミン系硬化剤とを併用したりしても良い。
他のアミン系硬化剤としては、液状のエポキシ樹脂組成物を得やすくするという観点より、液状のものを用いることが好ましい。
液状のアミン系硬化剤としては、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン(実施例3の硬化剤3)等の液状の芳香族ポリアミンが挙げられる。
また、その他にも、液状のアミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、メタキシリレンジアミン等の脂肪族ポリアミンや、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ポリアミンや、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等のポリエーテル骨格ジアミンが挙げられる。
また、作業性に影響しない範囲で固形の硬化剤を併用しても良い。固形の硬化剤としては、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドラジド等のアミン系、ノボラック型フェノールに代表されるフェノール系が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、有機成分としてはエポキシ樹脂が最も多く配合されており、すなわち、エポキシ樹脂が主成分であり、一般式(I)に示されるジアミンは、エポキシ樹脂の硬化剤として機能する配合比で配合されていれば良い。
例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として、一般式(I)に示されるジアミンを単独で使用する場合、エポキシ樹脂中のエポキシ基と一般式(I)に示されるジアミン中のNH基との当量比が、エポキシ基:NH基=1:1となるように、エポキシ樹脂と一般式(I)に示されるジアミンとを配合することが好ましい。
また、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として、一般式(I)に示されるジアミンと他のアミン系硬化剤とを併用する場合、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤全体中のNH基との当量比が、エポキシ基:NH基=1:1となるように、エポキシ樹脂と硬化剤とを配合することが好ましい。この配合比にすることで、得られる硬化物のガラス転移温度Tgが高くなり、機械的な物性が良好となる。
なお、エポキシ基とNH基とを過不足無く反応させるためには、エポキシ基:NH基=1:1の場合が好ましいが、エポキシ樹脂組成物における接着性以外の物性を向上させる目的で、エポキシ基とNH基の当量比をエポキシ基:NH基=1:1からずらしても良い。例えば、エポキシ基:NH基=1:0.5〜1:2の範囲内となるように、エポキシ樹脂と硬化物とを配合しても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂、硬化剤の他に、エポキシ樹脂組成物の硬化物の強靱化のために、エラストマーを配合しても良い。エラストマーとしては、ポリエーテルスルホン(以下、PESと略す)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂以外の他の硬化性樹脂を配合したり、フィラー等を配合したりしても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次のようにして製造される。例えば、上述した液状のエポキシ樹脂と固形の一般式(I)に示されるジアミンとを混合し、これらを加熱して一般式(I)に示されるジアミンを均一に溶かすことで、液状のエポキシ樹脂組成物が製造される。
そして、このようにして製造された液状のエポキシ樹脂組成物を接着剤として用いて、少なくとも一方がPPSである2つの被着体を接着して接着構造体を製造する際では、次の工程を行う。2つの被着体の少なくとも一方の表面にエポキシ樹脂組成物を液状態で塗布し、2つの被着体を貼り合わせる貼り合わせ工程を行う。その後、エポキシ樹脂組成物がゲル化するまで、貼り合わせたものを静置させる静置工程を行う。その後、エポキシ樹脂組成物を所定の硬化条件で加熱して硬化させる硬化工程を行う。
ここで、一般式(I)のジアミンは、一般式(I)中のOをSに置き換えたジアミンと比較すると、Oの方がSよりも電気陰性度が高いので、エポキシ基に対するNH基の反応性が高くなる。このため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、背景技術の欄に記載したフェニレンスルフィド骨格ジアミンを用いたエポキシ樹脂組成物と比較して、ゲル化時間が短い。ここでいうゲル化時間とは、エポキシ樹脂組成物を塗布するために、エポキシ樹脂組成物を液状態としたときから、エポキシと硬化剤との反応進行により、ヘラ等の道具で触ったときにエポキシ樹脂組成物が道具に付着しない状態になるまでの時間である。エポキシ樹脂組成物を液状態としたときには、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とを加熱して、液状のエポキシ樹脂組成物を製造したときや、冷却固化されたエポキシ樹脂組成物を再加熱して液化させたときが該当する。
このため、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いることで、静置時間を短縮でき、貼り合わせ工程から硬化工程に移るまでの時間を短縮できる。なお、ゲル化時間は、エポキシ樹脂組成物を液状態としたときの加熱温度によって異なる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とが反応して、エポキシ樹脂の結合が強化されて硬化する際に、硬化剤が骨格にPPSと類似した結晶構造のフェニレンオキサイドを有するので、PPSとの相互作用が高く、PPSとの接着性が優れている。
なお、ここでは、2つの被着体の少なくとも一方がPPSで構成されている場合を説明したが、2つの被着体の両方がPPS以外の材料で構成されている場合にも、本発明のエポキシ樹脂組成物を接着剤として用いることが可能である。
また、ここでは、本発明のエポキシ樹脂組成物の用途として接着剤を説明したが、本発明のエポキシ樹脂組成物の用途は接着剤に限られない。本発明のエポキシ樹脂組成物は、一般的なエポキシ樹脂組成物と同様に種々の用途での使用が可能である。
表1に、本発明の実施例および比較例におけるエポキシ樹脂組成物の配合比、当量比、硬化性と接着性の評価結果を示す。表1の配合比は質量比である。
Figure 0005786839
実施例1では、表1に示す配合比にて、液状のエポキシ樹脂1と固形の硬化剤1とを混合し、これらを130℃で加熱して硬化剤1をエポキシ樹脂1に均一に溶解させ、エポキシ樹脂組成物を得た。硬化剤1は、本発明者が合成した式(III)のジアミン、すなわち、両末端にアミノ基を有するフェニレンオキサイドオリゴマー(アミン末端フェニレンオキサイドオリゴマー)である。
そして、得られたエポキシ樹脂組成物について、ゲル化時間を測定した。また、ゲル化時間の測定とは別に、得られたエポキシ樹脂組成物を被着体に接着し、所定条件で硬化させて、せん断接着試験を行った。
実施例2は、実施例1に対して、エポキシ樹脂1を室温固形のエポキシ樹脂2に変更したものであり、その他は実施例1と同じである。
実施例3は、硬化剤1、3を併用したものであり、その他は実施例2と同じである。
実施例4は、エポキシ樹脂1と硬化剤1の他に、エラストマーとしてのPESを加えて混合したものであり、その他は実施例1と同じである。
比較例1〜3は、それぞれ、実施例1に対して、硬化剤1を硬化剤2〜4に変更したものであり、その他は実施例1と同じである。硬化剤2は、本発明者が合成したフェニレンスルフィド骨格ジアミンである。
各実施例および比較例におけるエポキシ樹脂組成物の構成材料、硬化剤1、2の合成方法、せん断接着試験におけるエポキシ樹脂組成物の硬化条件、試験方法は次の通りである。
[材料]
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールA型、製品名DER331J、ダウケミカル日本製
・エポキシ樹脂2:ナフタレン型、製品名HP−4710 DIC製
・硬化剤3:ジエチルトルエンジアミン、製品名jERキュアW、三菱化学製
・硬化剤4:ジアミノジフェニルスルホン、製品名ARADUR 9664−1、ハンツマン製
・エラストマー:PES、製品名スミカエクセル5003PS、住化ケムテックス社製を100μm以下に粉砕して使用
[硬化剤1の合成方法]
NN−ジメチルアセトアミドを反応溶媒として、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび、p−クロロニトロベンゼンを当量比でOH:Cl=1:1.1の割合で仕込む。80℃まで昇温の後、炭酸カリウムを当量比でOH:炭酸カリウム=1:1.1の割合で添加した後、125℃で5時間反応させる。反応溶液をイオン交換水に投入して再沈殿を行い、ろ過により固形物を得る。さらに、熱メタノールにて洗浄の後、ろ過により固形物を得る。得られた固形物を乾燥させて両末端にニトロ基を有するフェニレンエーテルオリゴマー(n=3)を収率90%で得た。
次にイソプロピルアルコールとテトラヒドロフランの混合溶液を反応溶媒として、ニトロ基を有するフェニレンエーテルオリゴマーおよびパラジウムカーボン(重量比 ニトロ基を有するフェニレンエーテルオリゴマー:パラジウムカーボン=1:0.05)を仕込む。55℃に昇温後、水加ヒドラジン(当量比 ニトロ基:水加ヒドラジン=1:4)を1時間かけて添加する。さらに60℃で5時間反応させると末端のニトロ基がアミノ基に還元される。パラジウムカーボンを熱時ろ過により除去した後、減圧濃縮を行い仕込んだ溶媒の2/3を留去する。次に留去した溶媒と同量のイソプロピルアルコールを新たに仕込み、80℃まで昇温した後、冷却することで固形物が析出する。固形物をろ過で取り出した後、乾燥させる事で両末端に アミノ基を有するフェニレンエーテルオリゴマー(n=3)を収率85%で得た。得られた化合物の示差走査熱量(DSC)測定結果を図1に示す。126℃付近に目的物の融点を示す鋭いピークが確認された。なお、図示しないが、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によって得られた化合物の純度を確認している。
[硬化剤2の合成方法]
NN−ジメチルアセトアミドを反応溶媒として、ジチオジフェニレンスルフィドおよび、p−クロロニトロベンゼンを当量比でSH基:Cl基=1:1.1の割合で仕込む。60℃まで昇温の後、炭酸カリウムを当量比でSH:炭酸カリウム=1:1.1の割合で添加した後、120℃で5時間反応させる。反応溶液をイオン交換水に投入して再沈殿を行い、ろ過により固形物を得る。さらに固形物を熱エタノールで洗浄後、乾燥させて両末端にニトロ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマー(n=3)を収率80%で得た。
次にイソプロピルアルコールを反応溶媒として、ニトロ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマーおよびパラジウムカーボン(重量比 ニトロ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマー:パラジウムカーボン=1:0.05)を仕込む。70℃に昇温後、水加ヒドラジン(当量比 ニトロ基:水加ヒドラジン=1:4)を1時間かけて添加する。さらに80℃で5時間反応させると末端のニトロ基がアミノ基に還元される。パラジウムカーボンを熱時ろ過により除去した後、冷却することで固形物が析出する。固形物をろ過で取り出した後、乾燥させることで両末端にアミノ基を有するフェニレンスルフィドオリゴマー(n=3)を収率75%で得た。
[エポキシ樹脂組成物の硬化条件]
130℃−1時間+180℃−5時間
[せん断接着試験]
被着体としてPPSを用い、JIS K 6850に準じて室温で実施し、接着強度を測定した。
被着体サイズ:長さ100mm×厚さ3mm×幅20mm
重ね合わせ幅:5mm
試験速度:5mm/min
また、試験実施後において、被着体と樹脂組成物の破壊状態を観察した。
(表1に示す結果について)
表1に示すように、実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物は、いずれも、比較例1のエポキシ樹脂組成物と比較して、ゲル化時間が短いことが確認された。
また、実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物のせん断接着強度は、比較例1のエポキシ樹脂組成物と同様に17〜18MPaであり、せん断接着試験後では、PPSが破壊していた(基材破壊)。一方、比較例2、3のエポキシ樹脂組成物のせん断接着強度は7〜9MPaであり、せん断接着試験後では、硬化したエポキシ樹脂組成物と被着体との界面で剥離していた(界面剥離)。このことから、実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物は、比較例1のエポキシ樹脂組成物と同様に、PPSに対する接着性が優れていることが確認された。
なお、実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物は、一般式(I)のXが水素であり、nが3であるジアミンを用いたものであったが、一般式(I)のXをメチル基とした場合や、一般式(I)のnを1〜10(3を除く)とした場合のジアミンを用いても、実施例1〜4と同様の結果が得られることが容易に推測される。

Claims (6)

  1. 主成分としてのエポキシ樹脂と、
    下記の一般式(I)に示されるフェニレンオキサイド骨格を有するジアミンとが配合されており、
    前記ジアミンは、前記一般式(I)中のベンゼン環がすべてパラ位で繋がっていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0005786839
    (式中のXはメチル基または水素であり、nは〜10の整数を示す。)
  2. 前記nが3であることを特徴とする請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記Xが水素であることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. エラストマーとしての熱可塑性樹脂が配合されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1ないしのいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を液状態で、2つの被着体の少なくとも一方に塗布し、前記2つの被着体を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    貼り合わせた前記2つの被着体を静置する静置工程と、
    前記静置工程後、前記エポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させる硬化工程とを有することを特徴とする接着構造体の製造方法。
  6. 前記2つの被着体の少なくとも一方は、ポリフェニレンスルフィドで構成されていることを特徴とする請求項に記載の接着構造体の製造方法。
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