JP5785394B2 - ヒト臍帯から前駆細胞を単離及び保存するための最適化され、定義された方法 - Google Patents

ヒト臍帯から前駆細胞を単離及び保存するための最適化され、定義された方法 Download PDF

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Description

本発明の目的は、ヒト臍帯マトリックスから前駆細胞を単離及び保存するための、最適化され、定義された方法を提供することにある。
本発明において「前駆細胞」とは、表面及び定義された増殖培地において、接着及び拡大/増殖でき、培養中の大部分の細胞が、細胞表面マーカーCD44、CD73、CD90及びCD105を発現し、大部分の細胞が、細胞表面マーカーCD14、CD31、CD34及びCD45の残存発現しか示さず、大部分の細胞が、約1.7/24時間の一定の複製係数、一定の繊維芽細胞様形態ならびに骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、心筋細胞及びグリア/神経細胞などの特殊化細胞への部分分化又は最終分化の能力を維持しながら、最大18の拡大/増殖段階を受けることができる細胞の種類を意味する。
本発明の目的は、最新技術に、処理される組織サンプルと関連して、より効率的には、臍帯量及びジスペンデド(dispended)時間あたりの単離される幹細胞数に関連して、100%有効性を得ることができるロバスト(robust)法を加えることにある。
本発明の技術革新の根幹は、基本的には、細胞単離工程を3つの独立した細胞回収段階に分割すること、及びいくつかの技術的パラメータを手順に沿って最適化することからなる。このようなパラメータは、最新技術では、いままで記載されていないか、定義されていないかのいずれかであった。
3段階回収法は、単離工程に沿った3種の異なる独立した起源からの解離細胞の逐次回収に基づいている。段階1−組織消化反応が実施される細胞培養フラスコの表面に接着できる第1次細胞回収。接着は、消化培養期間が終わった直後に、消化溶液の存在下のままで、室温で30分間、フラスコを水平位置に静止したままで生じる。次いで、培養条件で接着細胞を培養し、コンフルエンスがほぼ100%に達するまで拡大及び増殖させる。段階2−段階1後における、消化溶液の遠心分離の結果得られた上清からの第2細胞回収。次いで、これらの細胞を、培養条件で培養し、細胞培養フラスコの表面に接着できるものを、コンフルエンスがほぼ100%に達するまで拡大及び増殖させる。段階3−段階2における遠心分離の結果得られた沈渣からの第3次細胞回収。これらの細胞は、接着、拡大及び増殖を伴わずに、直接凍結保存することができる。
手順に沿って最適化される技術的パラメータに関しては、これらは、1−機械的操作の種類及び最初の臍帯画分寸法、2−臍帯血管内の血液凝固の有無、3−酵素の種類、個々の、又は組み合わせた作用及び消化溶液中の酵素濃度、4−消化溶液の組成、5−消化反応の間のpHの漸進的変化、6−培養期間/時間、7−撹拌の種類(中程度又は激しく)、8−培養雰囲気の種類(乾式又は湿式)及び9−凍結保存の際の細胞密度である。
解離細胞回収のための3段階法の組合せと上記の技術的態様の最適化によって、細胞投与に基づく細胞療法における使用と、より一致した方法を生成した。これは、方法のロバスト性(100%有効性)及び比較的短期間内に得られる高い細胞収率による。さらに、さらなる使用のために細胞生存力を最大化するための凍結保存法も最適化した。
新しく開発した方法を用いれば、細胞画分の直接凍結後、及び細胞の大部分の、2つの独立した、エクスビボでの1回の接着及び拡大/増殖段階後(P0の最後)、9日で、処理される臍帯サンプルの100%から(最新技術では前例のない事実)約8.6(±0.1)×105個細胞/処理された臍帯1gの収率を得ることが可能である。このような効率は、1つの臍帯(平均長35cm)から、合計3.0×109個細胞を得る可能性を意味する。次に、細胞の特徴によって、例えば、処理される臍帯画分の100%から、35日(P6の最後)で、6継代を通じて、5.0×105個細胞/cm2の一定播種材料を用い、平均7.7×1015個細胞を得ることが可能となる。結局、このような効率は、最新技術中に存在する同様の手順を用いて同数の細胞を得るために必要とされる時間を約56%低減させることを意味する。先に記載されたものによれば、同じ初期播種材料を使用して1.0×1015個細胞近くの数を得るには、最小で80日が必要であろう(特許文献1、非特許文献1参照)。
新規方法は、細胞療法に対して具体的に開発されているが、遺伝子療法手順において使用されるべき、薬理学的組成物及び化粧用組成物の基礎であるべき、分子又は分子化合物の製造のための細胞を作製するための細胞バンクの作製に、細胞培養支持体のための細胞層を製造するのに、遺伝子操作によって細胞株を製造するのにも適している。
前駆細胞(幹、胚、未分化又は原始的)は、相当な期間、自己再生能を有する、中でも、その他の種類の、より特殊化した細胞への部分分化又は最終分化のいずれかの能力を有す細胞の種類である。
胚性前駆細胞のずば抜けた分化能力にもかかわらず、研究又は/及び治療のためのこれらの利用には異論があり、深刻な倫理的問題及び安全性の問題を呼び起こしてきた。したがって、この領域における研究は、骨髄、骨膜、海綿骨、脂肪組織、滑膜領域、骨格筋、乳歯及び最終的な歯の歯髄及び嗅粘膜から得られるものなどの代替非胚幹細胞の同定及び評価に焦点を合わせてきた(非特許文献2、非特許文献3参照)。これらの組織から単離された細胞は、インビトロ及びインビボの両方で、とりわけ、軟骨細胞、脂肪細胞、骨芽細胞、筋芽細胞、心筋細胞、星状細胞及び腱細胞へ分化する能力を有することがすでに実証されている(特許文献2、非特許文献4、非特許文献5参照)。非胚性供給源から単離され、非造血性の特殊化細胞に分化でき、3つの胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)に由来するこのような前駆細胞は、間葉系幹細胞と命名されている。
間葉系前駆細胞の利用に対する主要な制限は、臨床診療の際に、すなわち、細胞回収の際に生じる。間葉系細胞の採取は、常に、ドナーにとって侵襲的方法、例えば、全身麻酔さえも伴い得る外科的処置(例えば、骨髄からの幹細胞の採取のような)を伴う。さらに、間葉系幹細胞は稀であるので、得られる最終細胞数は通常少ない。
別の方法として、成体前駆細胞の可能性ある供給源として臍帯組織が記載されている(非特許文献6参照)。例えば、臍帯血は、主に、造血性(血液系列)ではあるが、前駆細胞の豊富な供給源であることがわかっている。間葉系幹細胞は、限られた数で臍帯血中に存在するので、この組織からこれらの細胞を単離する試みは、いくらかの苛立たしさをもたらしてきており、極めて多量の血液を使用して、最も成功した試みでさえ、処理された組織サンプルの総数に対して60%の成功率を超えなかった。結局、単離細胞の起源についての依然として持続する懸念は、つまり、細胞の起源が本当に血液であったか、その他の胎児組織であったかということである(特許文献3、Biebackら,2004年参照)。
その他の報告には、その他の臍帯構成組織からの、臍帯血よりも相当に間葉性の豊富な間葉系幹細胞の単離が記載されている。これらの手順のいくつかの例は、Whartonゼリー(特許文献4、特許文献5、非特許文献7、非特許文献8参照)、臍帯静脈(特許文献6、非特許文献6参照)、動脈組織(非特許文献9参照)又は羊膜などのその他の内層組織(特許文献7)によっても知られる臍帯マトリックスに基づいている。
詳細な分析によって、記載された手順は、いずれにせよ、得られる細胞の性質の点で制限されたものであり、単離される細胞の数における成功率及び効率の点ではむしろ曖昧であると示されている。実際、これらの手順の制限された性質は、常に、主に、臍帯構造内の特定の組織又は地理的位置に不必要に集中することによって、単離された細胞集団の表現型多様性の喪失をもたらした。さらに、結局、得られ得る幹細胞の実際の数について、常に、不確実性が残っていた。
したがって、例えば、間葉系幹細胞の供給源として、もっぱら羊膜に基づいているCell Research Corporation手順は、すでに内皮系統の傾向のある細胞を創造する(特許文献7参照)。
さらに、記載された方法のうち、今までのところ、細胞療法手順において適用されるのに十分に信頼のおけるものであるよう、処理した成功した組織サンプルの数の点で有効性を実証したものはない。言い換えれば、臍帯マトリックスからの間葉系細胞単離の成功率は、臍帯血又はさらに骨髄からよりも高いが、これまでに、最終結果が、細胞療法適用のために十分にロバストであるよう、処理された組織サンプルの数の点で単離について100%の成功率を保障する方法はない(非特許文献10参照)。
さらに、臍帯血管の抽出(特許文献4、特許文献5、非特許文献7、非特許文献8参照)、又は機械的浸軟(特許文献8参照)などの構造的操作の不要な工程を取り入れることが、既存の手順を標準化及び再現するのを難しくしており、決して、細胞療法適用のための十分な細胞数を保証することがない。
さらに、過剰な組織操作は、前駆細胞表現型を維持することを望む場合には望ましくない細胞分化を誘導する(非特許文献11乃至非特許文献13参照)。
また、制限は、臍帯血管に基づく手順自体であるとも示している。これらの手順は、動脈又は臍帯静脈の複雑な抽出を含み、間葉系幹細胞の内皮下及び内皮系統への分化の可能性を制限する(特許文献6、非特許文献6、非特許文献9、Sarugaserら,2005年参照)。
最後に、なお複雑なものは、それ自体が、間葉系幹細胞の供給源としてWhartonゼリー(WJ)に基づく手順である。これらの報告は、一貫しておらず、また、適用される方法論の定義及び基準がないことの一因ともなっている。したがって、特許文献4、非特許文献7及び非特許文献8は、複雑な、再現するのが困難な最初の血管抽出を実施しながら、細胞単離のために残存する組織を処理し、特許文献5はまた、臍帯血管を採取するが、残存する組織を使用する代わりに、細胞単離のために血管の周りにまだ結合している組織を処理し、最初のものを廃棄している。とはいえ、すべての著者が、彼らの手順をもっぱらWJに基づいていることが確認できることでは一致している(特許文献4、特許文献5、非特許文献7、非特許文献8参照)。これらのアプローチ間の相違は、理にかなったものではなく、これら2種の手順のいずれかにおける、存在する組織の過剰の組織操作は、前駆体表現型維持に対する望ましい効果を弱め、その結果、一般の人々の単離及び凍結保存サービスにおける単離された前駆細胞の利用を危険にさらすこととなる。
最新技術には、有効性及び効率が保証され、再現され得るような、簡単で、ロバストで定義された手順に基づく方法がないことは明らかである。ひとたび、間葉系幹細胞が、細胞療法において提供可能になれば、患者に、細胞単離に使用される方法が、治療薬の必要な質及び量の両方を提供することを保証することが必要である。最新技術において、これまでに記載された手順によって示される保証がないことを考えると、本発明が上記の特徴を有する方法の必要性を抑えると予測される。
国際公開第2006/071794号 国際公開第2007/020611号 国際公開第03/070922号 国際公開第1998/01779号 国際公開第2004/072273号 国際公開第2005/001081号 国際公開第2004/019357号 国際公開第2006/101548号
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本発明は、コラーゲン、臍帯マトリックスの支持物質(Whartonゼリー)の特異的消化による選択戦略に基づいて、ヒト臍帯から、特定の間葉系特徴を有する前駆細胞を単離するための選択方法を、最新技術に加えることを目的とする。
細胞遊離は、最初の組織の機械的操作を行わずに起こり、従って、元の細胞表現型が無傷で残っており、細胞生存力が維持されることは確実である。本発明において、「機械的操作」とは、臍帯の羊膜下、血管間及び血管周囲領域中の任意の組織の浸軟及び/又は粉砕及び/又は臍帯血管の抽出及び/又は臍帯マトリックス(Whartonゼリー)中に存在する細胞の安定性、結果として、表現型及び生存力に干渉し得る任意のその他の機械的効果を意味する。
機械的操作がないことに加え、解離細胞回収及び工程に沿ったいくつかの技術的パラメータの最適化のために3つの独立段階を取り入れることによって、前記方法が、簡単で、ロバストで、有効性の点で100%信頼のおけるものになり、時間に関連して得られた細胞の数の点で高効率のものになる。結果として、前記方法は、さらなる自己使用のための単離に起因する間葉系幹細胞の、細胞療法サービスならびに凍結保存に適用できる。
最新技術においては、これまで言及されていないか、定義されない様式で記載されているかのいずれかである、細胞単離及び個々の技術特徴の最適化に逐次3段階工程を取り入れることの結果が、各変数を取り入れた後に得られた総細胞収率によって評価された。総細胞収率は、接着及び拡大/増殖の段階を受けていない液体窒素の気相中で直接凍結されている小細胞部分及び組織消化直後の第1の接着選択段階及び消化生成物の遠心分離直後の第2の接着選択段階のいずれかから、これまでに単離された細胞の2群に対応する。これら両接着選択段階は、接着及び拡大/増殖の1段階を受け、対応する培養物が最大コンフルエンスに達するとすぐに、任意の継代の前(P0の最後)に凍結保存される。
本発明において「継代(P)」とは、新規拡大/増殖段階を開始するために、接着及び拡大表面、ならびに増殖培地の総容積を同時に増大するための、定義された増殖培地中での、その拡大/増殖によって、ほぼ100%の増殖表面で接着細胞がコンフルエンス(細胞密度)に達した後の接着細胞のトリプシン化に先行する再接種を意味する。
本発明において「最大コンフルエンス」とは、細胞の単層によって均一に覆われている培養支持体の増殖表面を意味する。
3段階法を含む3種の逐次回収段階は、以下のとおりである。段階1−細胞培養フラスコの表面と接着でき、ここで、まだ、消化溶液の存在下で、組織消化反応が実施される第1次細胞回収。段階2−消化溶液の遠心分離からの、上清及び培養培地からなる溶液中で別の細胞培養フラスコの表面と接着できる第2次細胞回収。段階3−段階2における遠心分離に起因する沈渣から第3次細胞回収。これらの細胞を、接着及び拡大/増殖を行うことなく直接凍結保存する。
次に、最適化された技術的パラメータは、以下のとおりであった。
1−1cmのヒト臍帯の画分が約1gの重量であることを考慮し、約1:2:2:37の組織量(g)、消化フラスコの底の表面積(cm2)、消化容積(ml)及びフラスコの総容積(ml)の一定割合を維持する、消化反応に使用される予定の最初の組織画分の寸法。羊膜を除去した後、いくつかの種類の分画法を調べた(下部(5cm画分)、中間部(2.5cm画分)、上部(0.3cm画分)及び刻んだ組織)。すべての分画はメスを用いて実施され、サンプルは、正確に同じ条件を使用して処理された。2.5cmの画分を使用して、P0の最後での総細胞/臍帯量/時間の点で、最良の収率が得られると結論づけた。
2−組織血管(1静脈及び2動脈)内の血液凝固の有無。インビトロで、赤血球の溶解は毒性であり、細胞生存力を低下させることがわかっている。したがって、血液凝固の存在下又は不在下で、消化を実施した場合の細胞収率を比較した。後者のために、メスを使用して、血管を縦軸方向に切開し、開口部から凝血塊を除去できるようにした。血液凝固は、総細胞収率に対して負の効果を有すると結論づけた。
3−酵素の性質、組織消化工程において使用される酵素の濃度及び個々の作用又は組み合わせた作用。消化がない場合の、従って、酵素の不在下での、培養培地の存在下での培養フラスコとの直接細胞接着、及び単一酵素を用いた組織解離:0.075%(w/v)コラゲナーゼII又は2.0%(w/v)プロナーゼを調べた。コラゲナーゼII単独の利用が、最も効率的なアプローチであったので、次いで、この酵素を、その他の酵素と、具体的には、トリプシン0.125%(w/v)(EDTA 0.260mMの存在下又は不在下)と、ヒアルロニダーゼ0.5%(w/v)単独と、プロナーゼ2.0%(w/v)と組み合わせたヒアルロニダーゼ0.5%(w/v)と組み合わせた。コラゲナーゼII 0.075%(w/v)とトリプシン0.125%(w/v)の組み合わせた作用によって、P0の最後での総細胞/臍帯量/時間の点で最良の収率が得られた。さらに、0.260mM EDTAの存在下で、0.125%(w/v)のトリプシン濃度を維持しながら、コラゲナーゼIIの濃度を変更した場合には(0.0375%、0.075%及び0.15%w/v)、0.075%(w/v)のコラゲナーゼIIの濃度が、これまでに最適化した条件定数を維持しながら最良の結果を提供することを確認した。
4−消化溶液の組成。いくつかの酵素消化溶液組成、すなわち、20% FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補給したα−Mem、緩衝生理食塩水、例えば、EDTAを補給したHBSS、より具体的には、186mg/ml CaCl2・2H2O、400mg/ml KCl、60mg/ml KH2PO4、200mg/ml MgSO4・7H2O、8000mg/ml NaCl、350mg/ml NaHCO3、90mg/ml NaH2PO4・7H2O、1000mg/mlグルコース及び76mg/ml(0.260mM)EDTA、5mM CaCl2を補給した先のHBSS溶液、5mM CaCl2を補給した25mM HEPESバッファーを調べた。0.260mM EDTAを補給した緩衝生理食塩水(HBSS)が、最良の収率をもたらした。
5−消化反応の間のpHの漸進的変化の監視。pHを、消化工程に沿って監視し、培地の酸性化に気づいた。平均して、0.260mM EDTAを補給したハンクス塩溶液(HBSS)中で、コラゲナーゼII 0.075%(w/v)とトリプシン0.125%(w/v)の組み合わせた作用を使用した場合に、初期pHは7.2であり、4時間の培養後に6.4に低下し、16時間後に5.9に低下した。培地酸性化は、長期の培養期間(16時間)後の細胞単離における効率の欠如を説明できる。長い培養期間後には、より完全に消化されているという事実にもかかわらず、培地酸性化が細胞生存力にとって不利となる。したがって、溶液pHは、培養期間を計画する場合には考慮するパラメータであり、生存単離細胞を計数することによって決定されるように、方法の効率にとって不利となる6.4を下回ってはならない。16時間でより完全な消化が観察されたが、より長期間行うことは、細胞生存力に負の影響を与え、顕著な培地酸性化につながることがわかった。
6−消化反応のための培養期間/時間:いくつかの培養期間を調べた(2時間、4時間、6時間及び16時間)。4時間の培養によって、最良の収率が得られると結論づけた。
7−消化反応の培養期間の間の撹拌の種類(中程度又は激しく)。培養は、それぞれ、1分あたり100振動(opm)及び1分あたり140振動(opm)からなる、中程度又は激しい振動速度のいずれかで、環状振盪しながら、水浴中で実施した。100opmの中程度の撹拌が、細胞収率の点で良好な結果につながった。
8−酵素消化の培養の雰囲気(乾式又は湿式)。培養を37℃で、2種の異なる環境、湿式及び乾式で実施した。この試験のために、組織サンプルを、熱交換が水及び飽和空気の両方によって起こる、浸漬した環状振盪器で、又は熱交換が乾燥した空気によって起こる、乾式チャンバーのいずれかで並行して処理した。乾式チャンバーでの培養が、良好な細胞収率をもたらした。
9−1段階の接着及び拡大/増殖を受けた後の細胞の凍結保存効率における細胞密度の効果。1mlの細胞懸濁液を、10%ジメチルスルホキシド(DMSO)及び90%ウシ胎児血清(FBS)からなる溶液中、種々の密度(細胞/ml)で、液体窒素の気相中で、POの最後に凍結した。各条件について、解凍後の細胞生存力(生細胞/総細胞)及び細胞回収率(解凍後に計数した生細胞/凍結保存前に計数した生細胞)を決定した。得られた結果より、3×106個細胞/mlの細胞密度が、凍結保存後の生細胞の適切な維持及び回収を確実にする可能性が、調べた条件下では最も高いことが示された。
また、一般に、上記の最適化に鑑みて、本発明は、ヒト臍帯から前駆細胞を単離するための選択方法に基づき、ここで、各臍帯は、血液が枯渇しており、常に、無菌環境で、48時間以内に処理される場合には、好ましくは、室温で、グルコース及び抗生物質を含有する緩衝食塩水中で実験室に輸送される。長期の保存期間のためには、2〜8℃の範囲の間の温度が賢明である。
臍帯を処理すること及び前駆細胞を単離することを含む以下の工程は、無菌条件下、垂直流動層流フードチャンバーで実施する。
最初に、組織採取の間、空気と接触しており、従って、微生物汚染をより起こしやすい内層構造である羊膜をはがし、臍帯を新しい塩溶液で洗浄する。
一般的には、所望の前駆細胞を単離するための方法として、組織の機械的操作を含まず、適用できる場合には、臍帯血管内の血液凝固を除く臓器の内部構造の任意の抽出を含む、最適化された組織分画に由来する規定の寸法の画分を用いて開始する。
臍帯組織からの細胞の遊離は、平均して、1cmの臍帯の画分が1gの重量であることを考慮し、約1:2:2:37の組織量(g)、組織が拘束される消化フラスコの表面積(cm2)、消化溶液の容積(ml)及び消化フラスコの総容積(ml)間の確立された比例関係に留意して、臍帯マトリックスに対して行われる酵素的消化によって促進される。
酵素的消化を進めるために、指定の組合せの酵素を、指定の最小pHで、培養期間の間、規定の組成を有する溶液中、指定の濃度で使用し、撹拌及び培養雰囲気の種類も同様に指定されている。
解離細胞の回収は、3段階で進行し、第1段階では、組織消化反応が実施される細胞培養フラスコの表面と接着できる細胞の集合を回収する。接着は、消化培養期間が終わった直後に、室温で、10〜120分間の範囲、好ましくは、30分間、フラスコを水平位置に静止したままで生じる。第2段階では、段階1後、消化溶液の遠心分離に起因する上清から、細胞の新規集合を回収する。段階1及び段階2の両方で、細胞を、培養条件で培養し、細胞培養フラスコの表面と接着できるものが、コンフルエンスがほぼ100%に達するまで、1段階の拡大/増殖を受ける。最後に、段階3では、段階2における遠心分離に起因する沈渣から細胞の集合を回収し、一連の接着及び拡大/増殖を全く受けさせることなく、直接、凍結保存する。
逐次細胞回収及び先に記載されたすべてのその他の最適化された因子を、方法が、選択され、単離される細胞数の点で、100%の有効性及び最大効率を示すよう最適化した。次いで、得られた細胞集団は、表面及び規定の増殖培地において接着及び拡大/増殖できる細胞によって同定され、これでは、培養中の大部分の細胞が、細胞表面マーカーCD44、CD73、CD90及びCD105を発現し、大部分の細胞が、細胞表面マーカーCD14、CD31、CD34及びCD45の残存発現しか示さず、大部分の細胞は、約1.7/24時間の一定の複製係数、一定の繊維芽細胞様形態ならびに骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、心筋細胞及びグリア細胞などの特殊化細胞への部分分化又は最終分化の能力を維持しながら、最大18の拡大/増殖段階を受けることができる。
さらに、本発明は、さらなる使用のために細胞生存力の点で効率を最大化することを目的として、一連の接着及び拡大/増殖を受ける細胞の凍結保存のための細胞密度(細胞/容積)を最適化する。
新規方法を用いれば、どの臍帯サンプルを用いても、最新技術では前例のない事実、細胞画分を直接凍結した後、及び、エクスビボでの接着及び拡大/増殖(P0の最後)の2つの独立した段階の後、9日で、約8.6(±0.1)×105個細胞/臍帯1gの収率を得ることが可能である。このような効率は、1つの臍帯(採取後の平均長35cm、約35g)から、合計3.0×109個細胞を得る可能性を意味する。次に、単離された間葉系幹細胞は、通常、175cm2増殖面を有する細胞培養フラスコにおいて、7ラウンド(6継代、P6)の接着及び拡大/増殖の間、5.0×105個細胞/cm2の一定播種材料を用い、一定の約1.7/24時間の複製係数を示すので、35日で平均7.7×1015個の細胞を得ることが可能である。これは、5.0×105個細胞/cm2の同一の一定の初期播種材料を用いて、同数の細胞に達するために80日が必要であろう、最新技術に記載される同様の手順を使用して同じ細胞数に達するのに必要とされる時間の56%の獲得を意味する(特許文献1、非特許文献1参照)。
細胞療法手順において主に適用されるべき新規方法を開発したが、細胞バンキング、遺伝子療法手順、薬理学的組成物及び化粧用組成物、分子又は分子化合物の製造、細胞培養支持体のための細胞層の製造及び遺伝子操作による細胞株の製造などのその他の目標にも適している。
臍帯マトリックス由来細胞を用いたフローサイトメトリーの結果。細胞は、CD44(97%陽性細胞)、CD73(99%陽性細胞)、CD90(97%陽性細胞)及びCD105(95%陽性細胞)、すべて間葉系間質細胞の陽性マーカーに対する、PE又はFITCと結合している抗体を使用して免疫標識した。 臍帯マトリックス由来細胞を用いたフローサイトメトリーの結果。細胞は、間葉系統の負のマーカーであるとわかっている抗原(CD14、単球系統(<1%陽性細胞)、CD34、造血系統に特異的(1.2%陽性細胞)、CD31、内皮マーカー(1%陽性細胞)及びCD45(1.1%陽性細胞)、汎白血球マーカー)に対するPE又はFITCと結合している抗体を使用して免疫標識した。 細胞接着及び拡大/増殖後の細胞凍結保存の効率に対する細胞密度の効果。A−種々の細胞密度の解凍後生存力(生細胞/総細胞×100%)。B−細胞回収率(解凍後に回収された生細胞/凍結された生細胞の最初の数)。試験した条件(1mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する1.5ml滅菌クライオチューブ(cryotube))について、3×106個細胞/mlの細胞密度を用いて最良の結果が得られた。 解凍細胞のインビトロでの拡大。観察された複製係数は、1.7/24時間であり、凍結保存の前にこれらの細胞について観察されたものと同様であった。解凍の36時間後に(24時間後に培地交換を行い)、80〜90%の範囲のコンフルエンスが観察された。A−培地交換前の解凍の12時間後の前駆細胞。B−解凍の36時間後の前駆細胞(24時間後に培地交換を実施した)。バーは100μm。 骨芽細胞、脂肪細胞及び軟骨細胞への単離された前駆細胞の分化。A−正常増殖培地中での対照細胞(非分化細胞)の細胞形態。B−造骨性分化。細胞を造骨性分化培地に播種し、3週間維持し、その後、アルカリホスファターゼを用いて染色した。C−脂肪生成分化。十分にコンフルエントな細胞培養物に脂肪生成分化培地を加え、細胞を3週間維持し、その後、オイルレッドOで染色した。D−軟骨形成分化。細胞を、軟骨形成分化培地中で、遠心分離管中に再懸濁し、4週間維持した。次いで、細胞をアルシアンブルー及びヘマトキシリンで染色した。バーは100μm。 単離された前駆細胞の心筋細胞への分化。A−正常増殖培地、10% FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補給したα−Mem中での対照細胞(非分化細胞)の細胞形態。B−心筋分化後の細胞形態。C−DAPIで、及びトロポニンT(特異的心筋細胞マーカー)に対する抗体で印を付けた対照細胞(非分化細胞)。DAPIで印を付けられた核のみが観察される。D−DAPIで、及びトロポニンTに対する抗体で印を付けた分化細胞。DAPIで印を付けられた核及びトロポニンTで印を付けられた細胞骨格の両方を観察することができる。 単離された前駆細胞の、グリア細胞/神経細胞への分化。A−正常増殖培地、10% FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補給したα−Memにおける対照細胞(非分化細胞)の細胞形態。B−グリア/神経分化の細胞形態。C−DAPIで、及びβ−チュブリンIII(特異的神経タンパク質)に対する抗体で印をつけた対照細胞(非分化細胞)。DAPIで印を付けられた核のみが観察される。D−DAPIで、及びβ−チュブリンIIIに対する抗体で印を付けた分化細胞。DAPIで印を付けられた核及びβ−チュブリンIIIで印を付けられた細胞骨格の両方を観察することができる。
本実施形態の方法の適用に先立って、ヒト臍帯を血液と分離し、採取後72時間内に処理される場合には、好ましくは、室温で、又は48〜144時間の範囲の期間内に処理される場合には、2〜8℃の範囲の間、好ましくは、4℃で、乾燥で、又は好ましくは、186μg/ml CaCl2・2H2O、400μg/ml KCl、60μg/ml KH2PO4、200μg/ml MgSO4・7H2O、8000μg/ml NaCl、350μg/ml NaHCO3、90μg/ml NaH2PO4 7H2O、2000μg/mlグルコースならびに1%のペニシリンとストレプトマイシンの等モル混合物を含有する滅菌溶液中に浸漬し、HBSSなどの滅菌生理食塩水溶液を伴わずに、又は好ましくは、伴って、滅菌密閉容器で実験室施設に輸送しなくてはならない。生理食塩水には、栄養分及び抗生物質、例えば、1g/Lグルコース、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補給してもよい。
前記方法は、無菌環境、例えば、ラミナーフローフードの内側で実施すべきである。臍帯を、ハンクス緩衝生理食塩液(HBSS)で3回洗浄し、滅菌ピンセットを用いて臍帯の周囲の羊膜を除去する。
次いで、メスを用いて、臍帯を約2.5cmの画分に横方向に分画する。ヒト臍帯の平均密度(ほぼ1g/cm)を考慮して、各画分は、約2.5gの組織に相当する。
血液凝固が、これらの画分中に存在する場合には、メスを用いて除去すべきである。以下の工程では、7つの2.5gの血液凝固のない画分の各群を独立に処理する。
約1:2:2:37の組織量、フラスコの底面積、消化容積及びフラスコ総容積間の一定割合を維持しながら、0.075%(重量/総消化容積)の濃度のコラゲナーゼIIと0.125%(重量/総消化容積)の濃度のトリプシンの組み合わせた作用によって、pH緩衝した消化溶液を含有する滅菌、密閉フラスコ中で実施する7画分の各群の解離から細胞を得、これでは、フラスコを、培養時間、温度、加熱環境、周囲湿度及び撹拌の規定の条件下、より詳しくは、各々約2.5cm(2.5g)を有し、血液凝固を含まない7つの臍帯画分の群から出発し、35mlの消化溶液の容積を使用し、総容積650ml及び615ml−消化中の7画分の水中容積という消化の際のヘッドスペースを有するT175などの非通気型、密閉培養フラスコ中で培養し、消化溶液は、酵素を除いて、186μg/ml CaCl2・2H2O、400μg/ml KCl、60μg/ml KH2PO4、200μg/ml MgSO4・7H2O、8000μg/ml NaCl、350μg/ml NaHCO3、90μg/ml NaH2PO4・7H2O、1000μg/mlグルコース及び76μg/ml(0.260mM)EDTAからなり、pH6.4以上を維持し、酵素反応液を、100振動/分(opm)の一定速度での撹拌のもと、密閉乾式培養器中、37℃の一定温度で4時間培養する。
組織解離から得られた細胞の回収は、3段階で実施する(3段階法)。
第1段階では、解離した組織から、より詳しくは、消化が、室温で5〜300分、好ましくは、30分の期間行われたフラスコの静置水平培養から、細胞を回収する。消化上清を、未消化組織はいずれも吸引を避けながら、ピペッティングによって50ml遠心分離管に移す。未消化組織はいずれも廃棄する。この時点で、消化フラスコに、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、グルタミン、抗生物質及び10%のウシ胎児血清(FBS)を補給した基本培養培地35mlを加える。非通気型フラスコカップを、フィルター含有通気型カップと置き換え、消化フラスコを、7%CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養する。最大表面コンフルエンスが達成されるまで、72時間毎に総培養培地の交換を実施して、水平培養期間(選択期間)の間に接着する細胞の増殖を促進すべきである。
第2の回収段階では、細胞を、室温で、50ml遠心分離管中、350gで10分間の消化上清の遠心分離から回収する。遠心分離後、35mlの上清を、フィルター含有通気型カップを備えた静置培養フラスコ(T175)に移し、35mlの、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、グルタミン、抗生物質及び10%のウシ胎児血清(FBS)を補給した基本培養培地を加える。次いで、最大表面コンフルエンスが達成されるまで、フラスコを、7% CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養し、細胞接着及び拡大/増殖を促進するよう、総培養培地を72時間毎に交換する。
最初の接着及び拡大/増殖ラウンド(P0の最後)の後に、第1段階及び第2段階から得られた細胞集団を凍結保存する。これは、1.5ml滅菌クライオバイアル(cryovial)中に、約3×106個細胞/mlの最終濃度、したがって、1.0mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを得るための、0.5mlの所望の総細胞数を含有する細胞懸濁液と、同容積の、10%のジメチルスルホキシド(sulfoxyde)(DMSO)を含有するウシ胎児血清(FBS)の溶液の混合物の、液体窒素の気相中での直接凍結保存からなる。
第3段階及び最終段階の細胞回収は、2mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する2.5mlの滅菌クライオバイアル中での、1℃/分の温度低下速度で速度制御冷凍庫を使用して−80℃に低下させた、2mlの、10%のジメチルスルホキシド(DMSO)を含有するウシ胎児血清(FBS)からなる溶液に再懸濁した、先に記載された消化上清の遠心分離によって得られた細胞沈渣の直接凍結保存からなる。
凍結保存された細胞は、必要な場合いつでも、37℃の水浴中での急速解凍法によって回復させることができる。次いで、細胞を、同じ温度の培養培地に1:10の希釈係数で再懸濁する。その後の拡大期は、5.0×103〜2.0×104個細胞/cm2の間の播種材料密度を使用し、72時間毎の総培地交換を行って実施され得る。細胞は、通常、1.7/24時間の複製係数を示す。
機械的操作の種類/量及び画分寸法の最適化。
約1:2:2:37の組織量(g)、消化フラスコの底の表面積(cm2)、消化容積(ml)及びフラスコの総容積(ml)の一定割合を維持し、1cmのヒト臍帯の画分が約1gの重量であることを考慮して、機械的操作の種類及び最初の組織断片の大きさを最適化した。羊膜を除去した後、いくつかの種類の臍帯分画を調べた。下部(5cm画分)、中間部(2.5cm画分)、上部(0.3cm画分)、及び刻んだ組織。すべての分画をメスを用いて実施し、サンプルを、正確に同じ条件を使用して処理した。2.5cmの画分を使用して、P0の最後での総細胞/臍帯量/時間の点で、最良の収率が得られると結論づけた。表1に、得られた結果を定性的に要約する。
表1:分画最適化:細胞収率。
臍帯血管(1静脈及び2動脈)内の血液凝固の有無に対する最適化。
赤血球の溶解は毒性を有し、インビトロにおける細胞生存力を低下させることがわかっている。したがって、血液凝固の存在下又は不在下で消化を実施した場合の細胞収率を比較した。後者の実験のために、血液凝固をメスを用いて除去した。血液凝固が、P0の最後での総細胞/臍帯量/時間の点で、収率に対して負の効果を有すると結論づけた。表2に、得られた結果を定性的に要約する。
表2:血液凝固:細胞収率に対する効果。
酵素の性質、個々の又は組み合わせた酵素の作用及び消化溶液中の酵素濃度に対する最適化。
最初の組織から単離される所望の特徴を有する細胞の数の点で、収率を最大にするために、酵素消化に関して2種の初期アプローチを適用した。消化を行わない、従って、酵素の不在下での、培養培地の存在下での、培養フラスコとの直接細胞接着、及び単一酵素、0.075%(w/v)コラゲナーゼII又は2.0%(w/v)プロナーゼを用いる組織解離。
コラゲナーゼII単独の利用が、最も効率的なアプローチであったので、次いで、この酵素を、その他の酵素と、具体的には、トリプシン0.125%(w/v)(EDTA 0.260mMの存在下又は不在下で)と、ヒアルロニダーゼ0.5%(w/v)単独と、プロナーゼ2.0%(w/v)と組み合わせたヒアルロニダーゼ0.5%(w/v)と組み合わせた。
これらの試験のために、最適な画分の大きさ2.5cmを使用し、約1:2:2:37の組織量(g)、フラスコの底の表面積(cm2)、消化の容積(ml)及びフラスコの総容積(ml)の割合を一定に維持した。
結果から、P0の最後での総細胞/臍帯量/時間の点で、コラゲナーゼII 0.075%(w/v)とトリプシン0.125%(w/v)の組み合わせた作用によって最良の収率が得られることが示された。さらに、0.260mM EDTAの存在下、0.125%(w/v)のトリプシン濃度を維持しながらコラゲナーゼIIの濃度を変更した場合(0.0375%、0.075%及び0.15% w/v)には、0.075%(w/v)のコラゲナーゼIIの濃度が最良の結果を提供することが確認された。表3に、得られた結果を定性的に要約する。
表3:酵素の性質、組み合わせた作用及び濃度:細胞収率に対する効果。
酵素溶液の化学組成の最適化。
いくつかの酵素消化溶液組成、すなわち、20% FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補給したα−Mem。緩衝生理食塩水、例えば、EDTA、さらに詳しくは、186mg/ml CaCl2・2H2O、400mg/ml KCl、60mg/ml KH2PO4 、200mg/ml MgSO4・7H2O、8000mg/ml NaCl、350mg/ml NaHCO3、90mg/ml NaH2PO4・7H2O、1OOOmg/mlグルコース及び76mg/ml(0.26OmM)EDTAを補給したHBSS、5mM CaCl2を補給した先のHBSS溶液、5mM CaCl2を補給した25mM HEPESバッファーを調べた。
これらの試験のために、これまでに最適化した条件、すなわち、コラゲナーゼII 0.075%(w/v)及びトリプシン0.125%(w/v)からなる酵素の組合せを維持した。
0.260mM EDTAを補給した緩衝生理食塩水(HBSS)について最良の結果が得られた。表4に、得られた結果を定性的に要約する。
表4:酵素溶液の組成:細胞収率に対する効果。
酵素消化培養時間及びpH漸進的変化の最適化。
いくつかの培養期間を調べた。2時間、4時間、8時間及び16時間。得られた結果から、最良の培養期間は、4時間であった。16時間で、より完全な消化が観察されたが、より長期間は、細胞生存力に対して負の影響を有し、相当な培地酸性化につながることがわかった。表5に、得られた結果を定性的に要約する。
表5:培養時間及び酵素消化溶液のpH:細胞収率に対する効果。
消化の間の撹拌様式(中程度又は激しい)の最適化。
酵素消化溶液の培養を、中程度(100opm)又は激しい(140opm)振動速度のいずれかで環状振盪しながら水浴中で実施した。100opmの中程度の撹拌が、細胞収率の点でより良好な結果につながった。表6に、得られた結果を定性的に要約する。
表6:撹拌速度:細胞収率に対する効果。
酵素消化の間の培養雰囲気の最適化(乾式又は湿式)。
酵素消化溶液の培養を、2種の異なる環境、湿式及び乾式において37℃で実施した。この試験のために、組織サンプルを、熱交換が水及び飽和空気の両方によって起こる、浸漬した環状振盪器、又は熱交換が乾燥空気によって起こる、乾式チャンバーのいずれかで並行して処理した。乾式チャンバーでの培養が、良好な細胞収率をもたらした。表7に、得られた結果を定性的に要約する。
表7:培養環境:細胞収率に対する効果。
凍結保存中の細胞密度の最適化。
凍結保存後の細胞回収に対する細胞密度の効果を評価するために、細胞を、0.5mlの細胞懸濁液と、FBS(90%)及びDMSO(10%)を含む同容積の溶液を含有する1.5mlのクライオチューブ中、1×106〜10×106個細胞/mlの間の範囲の種々の密度で、液体窒素の気相中で、P1の最後に凍結した。
細胞を、最低30日間、凍結保存し、次いで、37℃に維持した水浴中にクライオチューブを入れることによって解凍した。解凍した細胞を、37℃に予熱した培養培地10mlに再懸濁した。総細胞及び生存細胞を計数し、続いて、組織培養フラスコ(NUNC)中、1:10の希釈係数で播種した。
24時間後、培地を新鮮培地と交換し、細胞を上記のように維持した。
凍結保存のための最適細胞密度を決定するために、各条件について解凍後の細胞生存力(生存細胞/総細胞)及び細胞回収率(解凍後に計数した生存細胞/凍結保存前に計数した生存細胞)を求めた。得られた結果より、3×106個細胞/mlの細胞密度が、調べた条件(1mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する1.5mlクライオチューブ)下で、凍結保存後の生細胞の適切な維持及び回収を確実にする可能性が最も高いことが示された。
解凍細胞のインビトロ拡大能をモニターした。細胞は、通常、凍結保存前に観察された値と同様の、1日あたり1.71倍加の複製係数を示した(図4)。
開発した方法を使用した、ヒト臍帯からの前駆細胞の単離。
臍帯が採取された施設の倫理委員会からの承認及び母親からのインフォームドコンセントを得た後、出産後いくつかの臍帯を採取した。臍帯を胎盤から分離し、血液を枯渇させ、栄養分及び抗生物質、例えば、1g/Lグルコース、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補給した滅菌生理食塩水、HBSSを含有する滅菌密閉フラスコ中で実験室施設に輸送した。
施設への輸送は、室温で実施した。方法は、ラミナーフローフードの内側の無菌環境で実施した。
各臍帯は、ハンクス緩衝生理食塩水(HBSS)で3回洗浄し、滅菌ピンセットを用いて臍帯の周りの羊膜を除去した。
次いで、メスを用いて、各臍帯を約2.5cmの画分に横方向に分画した。ヒト臍帯の平均線密度(1g/cm)を考慮すると、各画分は、約2.5gの組織に相当する。これらの画分では、同定された血液凝固は、メスを用いて除去した。7つの2.5gの血液凝固のない画分の各群を独立に処理した。
細胞は、約1:2:2:37の組織量、フラスコの底面積、消化容積及びフラスコ総容積間の一定割合を維持しながら、0.075%(重量/総消化容積)の濃度のコラゲナーゼIIと0.125%(重量/総消化容積)の濃度のトリプシンの組み合わせた作用によって、pH緩衝した消化溶液を含有する滅菌、密閉フラスコ中で実施した7画分の各群の解離から得た。フラスコは、規定の期間、温度、加熱環境、周囲湿度及び撹拌のもと、より詳しくは、各々約2.5gを有し、血液凝固を含まない、7臍帯画分の群から出発し、35mlの消化溶液の容積を使用し、総容積650ml及び615ml−消化中の7画分の水中容積という消化の際のヘッドスペースのT175のような非通気型、密閉培養フラスコ中で培養し、これでは、消化溶液は、酵素を除いて、186mg/ml CaCl2・2H2O、400mg/ml KCl、60mg/ml KH2PO4、200mg/ml MgSO4・7H2O、8000mg/ml NaCl、350mg/ml NaHCO3、90mg/ml NaH2PO4・7H2O、1000mg/mlグルコース及び76mg/ml(0.260mM)EDTAからなり、pHを6.4以上に維持した。酵素反応液を、100振動/分(opm)の一定速度での撹拌のもと、密閉乾式培養器中、37℃の一定温度で4時間培養した。
組織解離から得られた細胞の回収は、3段階で実施した。
第1段階では、解離した組織から、より詳しくは、消化が、室温で5〜300分、好ましくは、30分の期間行われたフラスコの静置水平培養から細胞を回収した。消化上清は、任意の未消化組織を避けながら、ピペッティングによって50ml遠心分離管に移した。すべての未消化組織を廃棄した。この時点で、消化フラスコに、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、グルタミン、抗生物質及び10%のウシ胎児血清(FBS)を補給した基本培養培地35mlを加えた。非通気型フラスコカップを、フィルター含有通気型カップと置き換え、消化フラスコを、7%CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養した。細胞での表面コンフルエンスが達成されるまで、水平培養の間に接着した細胞の増殖を促進するよう、72時間毎の総培養培地の交換を7日間実施した。
第2の回収段階では、細胞を、室温で350g、10分間の、上記から得た50mlの遠心分離から回収し、遠心分離後、35mlの上清容積を、フィルター含有通気型カップを備えたT175などの静置培養フラスコに移し、同じ培養フラスコに35mlの、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、グルタミン、抗生物質及び10%のウシ胎児血清(FBS)を補給した基本培養培地を加え、培養フラスコを、7% CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養し、最大コンフルエンスが達成されるまで、接着及び細胞拡大/増殖を促進するよう、培養培地を72時間毎に交換した。
最初の拡大サイクルの最後(P0の最後)に、第1及び第2段階から得られた細胞集団を凍結保存した。これは、1.0mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する1.5mlの滅菌クライオバイアル中、約3×106個細胞/mlの最終濃度を得るための、0.5mlの所望の総細胞数を含有する細胞懸濁液と、同容積の、10%のジメチルスルホキシド(DMSO)を含有するウシ胎児血清(FBS)の溶液との混合物の、液体窒素の気相中での直接凍結保存からなるものであった。
解離された組織からの第3及び最終段階の細胞回収は、1℃/分の温度低下速度で速度制御冷凍庫を使用して−80℃に低下させた、消化上清の遠心分離によって得られた細胞沈渣の直接凍結保存からなるものであり、これでは、細胞を、2mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する2.5mlの滅菌クライオバイアル中、2mlの、10%のジメチルスルホキシド(DMSO)を含有するウシ胎児血清(FBS)の溶液に再懸濁した。
凍結保存した細胞を、37℃の水浴中での急速解凍法によって31日後に回収した。次いで、細胞を、同じ温度の培養培地に1:10の希釈係数で再懸濁する。その後の拡大工程は、5.0×103〜2.0×104個細胞/cm2の間の播種材料密度を使用し、72時間毎の総培地交換を行って実施され得る。細胞は、通常、18継代の間、1日当たり1.7倍加の増殖速度を示す。
単離された前駆細胞のうち間葉系表現型の証明。
前駆体間葉系細胞のための選択培養培地において接着し、増殖する能力を超越して、単離細胞をフローサイトメトリーによってP1の最後に特性決定した。
細胞が、P1の最後に80%〜90%のコンフルエンスに達した時点で、培養培地を除去し、細胞表面をリン酸バッファー(Ca2+及びMg2+を含まない)で洗浄した。0.25%のトリプシンを加え、細胞がフラスコ表面から剥離するとすぐに、2容積の培養培地を加えた。次いで、細胞懸濁液を、350gで10分間遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を含有する沈渣を、2×106〜10×106個細胞/mlの間の最終細胞濃度を達成するよう、ブロッキング溶液(dPBS中、0.2% BSA)に再懸濁した。室温で10分間の培養期間の後、蛍光マーカー、フィコエリトリン(PE)又はフルオレセインイソチオシアネート(FITC)とコンジュゲートしている一次抗体を含有する各試験管に100μlの細胞懸濁液を加えた。細胞懸濁液を、20〜40分間、氷中で振盪及び培養し、光から保護した。この期間の後、各試験管に1.5mlのdPBSを加え、細胞を再懸濁し、350gで5分間遠心分離した。上清を廃棄し、細胞を含有する沈渣を、500μlのパラホルムアルデヒド中に、1%で再懸濁した。
細胞懸濁液は、さらなる使用まで4℃で保存した。フローサイトメトリーをBD Biosciences製のFACScaliburで実施し、間葉系細胞の陽性マーカーとしてCD44、CD73、CD90及びCD105表面抗原を検出した。このために、FITC又はPEとコンジュゲートしている一次抗体を使用した(図1)。負のマーカーCD14、CD31、CD34及びCD45表面抗原の存在を調べた。これらは、造血(CD34)、単球(CD14)、内皮(CD31)及び汎白血球(CD45)系統に対して特異的であり、これらの抗体のすべてをFITCとコンジュゲートした(図2)。予想通り、単離した間葉系細胞の大多数が、CD44、CD73、CD90及びCD105に対して陽性であり、上述の負のマーカーに対しては陰性であるか、残存的にのみ陽性であると示した。
単離細胞の前駆体表現型の実証:造骨性分化。
本発明の詳細な説明に従って、ヒト臍帯の画分から単離した前駆細胞は、種々の特殊化した細胞種に分化する能力を示した。この実施例では、これらの細胞の、骨芽細胞への分化能が実証されている。
細胞をP3で、10%ウシ胎児血清(FBS)、10mM β−グリセロリン酸塩、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、50μg/mlアスコルベート−2−ホスフェート、100nMデキサメタゾンを補給したα−Mem基本培地(デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及びウルトラグルタミンを含む)を含有する造骨性分化培地中に2.0×104個細胞/cm2の密度で播種した(非特許文献14参照)。
全培地を、1週間に2回、3週間の間交換し、その後、アリザリンレッド及びアルカリホスファターゼを使用する特異的染色手順を実施し、両方とも陽性であった。アリザリンレッド染色に関しては、組織培養フラスコから培地を注意深く吸引し、細胞を4%パラホルムアルデヒドを用いて室温で10分間固定化した。
細胞を、PBSで洗浄し、特異的染色溶液、アリザリンレッドS、40mM、pH4.2とともに、室温で15分間培養した。アリザリンレッドS溶液を除去し、細胞を水で注意深く洗浄した(非特許文献15参照)。
アルカリホスファターゼ(Sigma−Aldrich社製)試験の場合にも、細胞を、4%パラホルムアルデヒドを用いて室温で10分間固定化した。次いで、細胞を、PBSで洗浄し、2.5mlのクエン酸溶液中に浸漬し、30秒間培養のために放置した。
次いで、クエン酸溶液を除去し、細胞を脱イオン水(milliQ)で洗浄し、染色溶液、ニュートラルレッドとともに2分間培養した。次いで、溶液を除去し、細胞を水で注意深く洗浄した(非特許文献16参照)。試験は、造骨性分化について陽性であった(図5)。
単離された細胞の前駆体表現型の実証:脂肪生成分化。
細胞を脂肪細胞に分化させるために、細胞をP3で、10% FBS、100u/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補給したα−Mem基本培地(デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及びウルトラグルタミンを含む)中、2.0×104個細胞/cm2の密度でプレーティングし、この培養培地で維持した。コンフルエントの時点で、培地を、10% FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、10μg/mlインスリン、200μMインドメタシン、0.5mMイソブチル−1−メチルキサンチン及び1μMデキサメタゾンを含むDMEM−LGからなる脂肪生成分化培地に交換した(非特許文献17参照)。
全培地を1週間に2回、3週間の間交換し、その後、オイルレッドOを用いる特異的染色アッセイを実施し、脂肪生成分化が確認された。このために、培養培地を、吸引によって組織培養フラスコ(NUNC)から注意深く除去し、4%パラホルムアルデヒドを用いて細胞を、室温で10分間固定化した。次いで、細胞を、PBSで洗浄し、濾過したオイルレッドO溶液とともに(2:3)、室温で少なくとも10分間培養した。次いで、オイルレッドO溶液を除去し、細胞を水で注意深く洗浄した(非特許文献17参照)。試験は、脂肪生成分化について陽性であった(図5)。
単離された細胞の前駆体表現型の実証:軟骨形成分化。
軟骨形成分化のために、細胞をP3で、1.1×l06個細胞/mlの最終密度に再懸濁し、コニカル15ml試験管中にプレーティングし、軟骨球体(chondrospheres)を形成させた。使用した培養培地は、1% FBS、6.25μg/mlインスリン、10ng/ml TGFβ1及び50μMアスコルベート−2−ホスフェートを含むDMEM−LGからなる軟骨形成分化培地とした(非特許文献17参照)。
全培地を、1週間に2回、4週間の間、軟骨球体の形成を妨げないよう注意深く交換し、その後、アルシアンブルー及びヘマトキシリンを用いる特異的染色アッセイを実施し、軟骨形成分化が確認された。このために、全培地を、吸引によって試験管から除去し、軟骨球体をPBSで洗浄した。次いで、軟骨球体を寒天中に浸漬し、液体窒素気相中で凍結した。
ミクロトームを使用して、寒天を5μm厚の組織切片に切断した。これらの切片を、1%アルシアンブルーを用いて染色し、室温で5分間培養し、次いで、PBSで洗浄した。顕微鏡スライド上に固定された標本を、ヘマトキシリン溶液に通し、室温で5分間培養した。ヘマトキシリンは、PBSでの最終洗浄工程によって除去した(非特許文献18参照)。試験の結果、軟骨形成分化について陽性であった(図5)。
単離された細胞の前駆体表現型の実証:心筋分化。
心筋分化が18日間で起き、その間に、種々の培養培地を使用した(非特許文献19参照)。細胞を、3000個細胞/cm2の密度で、オルニチンでコーティングした16ウェルチャンバースライドにプレーティングした。細胞を、10% FBS、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補給したα−Mem基本培地(デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及びウルトラグルタミンを含む)からなる培地C0にプレーティングした。プレーティングの24時間後、培養培地を、10% FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、10ng/ml β−FGF及び10μM 5−アザシチジンを補給したDMEM−LGからなる別の培地(培地C1)と置換した。
培地C1中の細胞をプレーティングした24時間後、2回目の培地交換を実施して培地C2にした。培地C2は、10% FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン及び10ng/ml β−FGFを補給したDMEM−LG基本培地からなるものであった。細胞を、培地C2で2週間維持し、72時間毎に培地を交換した。
並行して、対照(非分化)細胞を、5000個細胞/cm2の密度でプレーティングし、培地0で維持した。分化期間の後、心筋細胞に対して特異的な、代表的な筋肉タンパク質、心筋トロポニンTに対する一次抗体を用いて免疫蛍光アッセイを実施した。アッセイのために細胞の位置を定めるために、核酸に対して特異的な蛍光色素、DAPIを用いて細胞核を染色した。予想された通り、典型的な心筋細胞形態をすでに示している、心筋分化手順に付された細胞だけが、蛍光シグナルを生じた(図6D)。
単離された細胞の前駆体表現型の実証:神経性分化/グリア分化。
神経性分化が、12日間で起き、その間に、種々の培養培地を使用した(非特許文献19参照)。細胞を、3000個細胞/cm2の密度で、オルニチンでコーティングした16ウェルチャンバースライドにプレーティングした。細胞を、10% FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン(Sigma)、5ng/ml β−FGF、0.5μMレチノイン酸及び1mM 2−メルカプトエタノールを補給した基本IMDM培地からなる培養培地(培地N1)にプレーティングした。
プレーティングの3日後、培地N1を、10% FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、1mMサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)及び100μMアスコルベート−2−ホスフェートを補給した基本IMDM培地を含有する培地N2と交換した。
プレーティングの3日後、培地N2を、10% FBS 100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、1mMサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)及び10μMヒドロコルチゾンを補給したIMDM基本培地を含有する培地N3と交換した。
最後に、プレーティングの3日後、培地N3を、10% FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、20ng/ml FGF−1、10ng/ml SHH、10ng/ml NGF、25ng/mlビトロネクチン、100μMアスコルベート−2−ホスフェート、100μMイソブチルメチルキサンチン、10μMフォルスコリン及び20nM PMAを補給したIMDM基本培地からなる培地N4と交換した。
並行して、対照(非分化)細胞を、5000個細胞/cm2の密度でプレーティングし、培地N0で維持した(心筋分化手順を参照のこと)。
分化期間の後、ニューロン細胞に対して特異的な、β−チュブリン、III型に対する一次抗体を用いて免疫蛍光アッセイを実施した。アッセイのための細胞の位置を定めるために、核酸に対して特異的な蛍光色素、DAPIを用いて細胞核を染色した。予想された通り、典型的なグリア形態をすでに示している(図7B)神経性分化/グリア分化手順に付された細胞だけが、蛍光シグナルを生じた(図7D)。

Claims (11)

  1. ヒト臍帯から細胞を単離するための方法であって、
    a)前記ヒト臍帯を血液から分離し、採取後72時間以内に処理される場合には室温で、又は、48〜144時間の範囲の時間内に処理される場合には2〜8℃の範囲の間、乾燥で又は186μg/ml CaCl2・2H2O、400μg/ml KCl、60μg/ml KH2PO4、200μg/ml MgSO4・7H2O、8000μg/ml NaCl、350μg/ml NaHCO3、90μg/ml NaH2PO・7H2O、2000μg/mlグルコースならびに1%のペニシリンとストレプトマイシンの等モル混合物を含有する滅菌溶液中に浸漬し、滅菌密閉容器で実験室施設に輸送する回収工程と、
    b)186μg/ml CaCl2・2H2O、400μg/ml KCl、60μg/ml KH2PO4、200μg/ml MgSO4・7H2O、8000μg/ml NaCl、350μg/ml NaHCO3及び90μg/ml NaH2PO・7H2Oを含有する溶液での3回の臍帯洗浄工程と、
    c)滅菌ピンセットを用いて実施される、外膜(羊膜)除去工程と、
    d)前記臍帯を、メスを用いて、その縦軸に沿って横方向に分画して、2.5cmの長さの画分を得る分画工程と、
    e)凝血塊が同定された位置でメスを用いて切開を行い、前記凝血塊を除去する、d)から得られた前記画分からの血液凝固除去工程と、
    f)e)から得られた画分を7つの群にし、7つの群が、以下の工程で独立に処理される、グループ化工程と、
    g)1:2:2:37の組織量(g)、フラスコの底面積(cm2)、消化容積(ml)及びフラスコ総容積(ml)間の一定割合を維持しながら、0.075%(重量/総消化容積)の濃度のコラゲナーゼIIと0.125%(重量/総消化容積)の濃度のトリプシンとを組み合わせた作用によって、pH緩衝した消化液を含有する滅菌密閉フラスコで実施され、前記フラスコを、培養時間、温度、散熱、周囲湿度及び撹拌の規定の条件下で、より詳しくは、各々2.5cm(2.5g)を有し、血液凝固を含まない、7臍帯画分の群から出発し、35ml容積の消化液を使用し、総容量が650mlであり、消化時には615mlと7つの群を浸漬させた容量との差分からなるヘッドスペースを有する非通気型密閉培養フラスコ中で培養し、消化液は、酵素を除いて、186μg/ml CaCl2・2H2O、400μg/ml KCl、60μg/ml KH2PO4、200μg/ml MgSO4・7H2O、8000μg/ml NaCl、350μg/ml NaHCO3、90μg/ml NaH2PO・7H2O、1000μg/mlグルコース及び76μg/ml(0.260mM)EDTAからなり、pH6.4以上を維持し、酵素反応液を、100振動/分(opm)の一定速度での撹拌のもと、密閉乾式培養器中、37℃の一定温度で4時間培養する、f)から得られた7画分の各群の細胞解離工程と、
    h)g)に記載されるように、前記組織から解離した細胞を、消化が行われたフラスコで、室温で5〜300分の範囲で行う静置水平培養と、前記消化液の消化後の上清である消化上清を、任意の未消化組織の吸引を避けながら、前記溶液のピペッティングによって50mlの遠心分離管に移すことと、次に、前記消化反応を行ったフラスコからのすべての未消化組織の除去を続け、前記遠心分離管に、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、グルタミン、抗生物質及び10%のウシ胎児血清(FBS)を補給した基本培養培地35mlを加え、非通気型フラスコカップが、フィルター含有通気型カップと置き換えられており、最大表面コンフルエンスが達成されるまで、接着及び細胞成長/増殖を促進するよう、72時間毎に培養培地を交換して、7%CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養を続けることによって回収する第1次細胞回収段階と、
    i)g)に記載のとおりに、前記組織から解離し、h)に記載されるようにして得られた前記消化上清中に含まれる細胞を、h)から得た前記50ml遠心分離管を、室温、350gで10分間遠心分離し、遠心分離後に、前記35mlの上清を、フィルター含有通気型カップを備えた静置培養フラスコに移し、同じ培養フラスコに、35mlの、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、グルタミン、抗生物質及び10%のウシ胎児血清(FBS)を添加した基本培養培地を加え、前記培養フラスコを、7%CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養し、最大表面コンフルエンスが達成されるまで、接着及び細胞成長/増殖を促進するよう、前記培養培地を72時間毎に交換することによって回収する第2次細胞回収段階と、
    j)g)に記載のとおりに前記組織から解離した細胞を、i)に記載のとおりに前記消化上清の遠心分離によって得られた細胞沈渣として回収し、2mlの、10%のジメチルスルホキシド(DMSO)を含有するウシ胎児血清(FBS)からなる溶液に再懸濁し、2mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する2.5mlの滅菌クライオバイアル(cryovial)中、1℃/分の温度低下速度で速度制御冷凍庫を使用して、−80℃に低下させて直接凍結保存する、第3次細胞回収段階と、
    k)最終細胞密度が、1.0mlの細胞懸濁液及び0.5mlのヘッドスペースを含有する1.5ml滅菌クライオバイアル中、3×10 6 個細胞/mlのものであるよう、10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する、0.5mlの細胞懸濁液及び0.5mlのウシ胎児血清(FBS)の溶液の混合物の液体窒素の気相における前記直接凍結保存からなる、細胞培養が最大表面コンフルエンスに達した後の、h)及びi)に記載されるように始まった細胞集団の凍結保存段階と
    を含むことを特徴とするヒト臍帯から細胞を単離するための方法。
  2. 細胞の大部分が、間葉系細胞にとって適当な表面及び培養培地において接着及び増殖する能力を有し、細胞の大部分が、細胞表面マーカーCD44、CD73、CD90及びCD105を発現し、細胞の大部分が、細胞表面マーカーCD14、CD31、CD34及びCD45を発現せず、細胞の大部分が、24時間で1.7倍になる増殖速度と繊維芽細胞様形態を維持しながら、前記最大表面コンフルエンスに達するまで、接着及び拡大/増殖からなる最大18段階の拡大能力を有し、細胞の大部分が、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、心筋細胞及び神経細胞に、部分的に、又は最終的に分化する能力を維持することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 最初の接着及び拡大サイクル(P0)の最後に、臍帯1グラムあたり8.6(±0.1)×10 5 個細胞を生じることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 前記工程k)を伴うまたは伴うことなく全身又は局所的な投与経路によって患者に細胞を投与し、患者への投与前では細胞はいかなる分化にも供されない細胞治療手順へ適用することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の方法。
  5. 前駆細胞又は幹細胞増殖、分化および移植効果の支持体として、単離した細胞を使用することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の方法。
  6. 単離した細胞をサイトカイン又はケモカインの合成によって免疫調節能による治療に使用することを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 単離した細胞を、病的患部腫瘍増殖が存在する領域に遊走及び/又は接着する細胞の能力による細胞治療に使用することを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項記載の方法。
  8. 前記細胞を、天然又は合成の分子又は分子化合物タンパク質、ペプチド、小有機分子、オリゴ糖、多糖、プロテオグリカン、脂質又はそれらの任意の組合せの局所投与のための担体として機能させることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項記載の方法。
  9. 細胞が、中間の凍結保存段階を伴って又は伴わずに、中間の細胞拡大段階を伴って又は伴わずに全身又は局所的な投与経路によって患者に投与され、細胞を事前に、部分的又は最終的に分化した、ヒト身体の任意の細胞種骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、心筋細胞及びグリア細胞を含めた神経細胞と平滑筋細胞、骨格筋細胞、腱細胞、線維芽細胞、毛包細胞、内分泌腺細胞神経前駆細胞グリア細胞以外の神経細胞、並びに、結膜上皮、皮膚上皮、角膜上皮、網膜上皮、肝臓上皮、腎臓上皮、膵臓上皮、小腸上皮、結腸上皮、膀胱上皮、子宮上皮、咽頭上皮及び喉頭上皮由来の細胞への誘導インビトロ分化を受ける細胞療法手順に適用されることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 無傷の細胞、細胞抽出物又は細胞成分を含有する薬理学的組成物から単離した細胞を使用することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 哺乳類細胞培養のための表面及び/又は表面層及び/又は支持体の製造において、前記薬理学的組成物を使用することを特徴とする請求項10に記載の方法。
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