JP5784546B2 - フィン嵌合装置 - Google Patents
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Description
放熱フィンと金属ベースを別体化することで、押出成形やダイキャスト成形で必要な金型強度の制約などが無く、狭いフィンピッチや長いフィン長を実現でき、半導体装置の設置面積の小型化や、高温に発熱するパワー素子の小型化による低コスト化に貢献している。
例えば、金属ベースに、フィン溝とプレス溝を交互に形成し、フィン溝に放熱フィンを挿入しておいて、上方からプレス刃をプレス溝に押圧し、プレス溝を拡幅させることで、1枚の放熱フィンを、両隣のプレス溝の縁と嵌合させる方法が提案されている。(例えば、特許文献1)
このとき、放熱フィンがフィン溝の底部に完全に接触する事が放熱性能確保の上で重要である。
しかし、特許文献1に記載の製造方法では、放熱フィンを溝に沿って自立させる方法が提案されていない。
また、放熱フィンのフィン溝に対する位置決めも困難であった。
したがって、放熱フィンの高さ寸法に寸法誤差が有った場合には、放熱フィンをフィン溝の奥部に一様に押し当てることができなかった。
これにより、金属ベースと各放熱フィンの伝熱性にバラツキが生じ、製品の歩留まりが良くないという課題があった。
発熱体に装着する金属ベースと、金属ベースの熱を放熱する放熱フィンを、放熱フィンの間に挿入したプレス刃により嵌合するフィン嵌合装置において、
基礎となるベースプレートと、
嵌合前の放熱フィンを、載置するフィン台と、
フィン台を、水平に支持する中間プレートと、
金属ベースのフィン溝が、放熱フィンの上端面に対向するように金属ベースを支持するアッパープレートと、
ベースプレートに垂直に一端が固定され、中間プレート、アッパープレートの順に、中間プレートとアッパープレートとが摺動可能に挿通されるシャフトと、
ベースプレートと中間プレートの間に介在して中間プレートを支持する伸縮自在の第1の弾性部材と、
中間プレートとアッパープレートとの間に介在して、中間プレートに対してアッパープレートを支持する伸縮自在の第2の弾性部材とを備えたものである。
基礎となるベースプレートと、
嵌合前の放熱フィンを、載置するフィン台と、
フィン台を、水平に支持する中間プレートと、
金属ベースのフィン溝が、放熱フィンの上端面に対向するように金属ベースを支持するアッパープレートと、
ベースプレートに垂直に一端が固定され、中間プレート、アッパープレートの順に、中間プレートとアッパープレートとが摺動可能に挿通されるシャフトと、
ベースプレートと中間プレートの間に介在して中間プレートを支持する伸縮自在の第1弾性部材と、
中間プレートとアッパープレートとの間に介在して、中間プレートに対してアッパープレートを支持する伸縮自在の第2弾性部材とを備えたものなので、
放熱フィンを金属ベースに対して垂直に押し付けながら、プレス刃で放熱フィンを金属ベースに嵌合することができる。
これにより、金属ベースのフィン溝の底と放熱フィンの端面の間に隙間ができず、金属ベースの熱を放熱フィンに効率良く伝導できる。
以下、本願発明の実施の形態1に係るフィン嵌合装置を、図を用いて説明する。
図1は、フィン嵌合装置100の断面模式図である。
図2は、フィン嵌合装置100の一部省略側面図である。
図2においては、図1のフィンガイド板7、プレス刃8を省略して描いている。
四角形のベースプレート1の四隅に、このベースプレート1から垂直にシャフト2を固定している。
中間プレート3は、金属ベース9に、これから嵌合しようとする放熱フィン91を載置するためのフィン台4を水平に固定する板である。
中間プレート3の中央部には、開口部32を設けていて、その開口部32の縁にフィン台4を固定して架設している。
貫通穴31の内径は、シャフト2の外径より大きく、中間プレート3はシャフト2に案内されて、フィン嵌合装置100の上下方向に摺動して移動可能である。
アッパープレート5には金属ベース9に応じた切り欠き部を設けてあって、この切り欠き部が金属ベース9を位置決めする。
また、中間プレート3とアッパープレート5との間のシャフト2の周囲には、バネ6b(第2弾性部材)を備えている。
これにより、中間プレート3は、ベースプレート1とアッパープレート5との間の任意の位置でバネ6a、6bによって支持されることとなる。
バネ6aには、バネ6bのバネ定数よりもバネ定数が大きいものを使用する。
このようにすることで、金属ベース9を上方からプレス機で押圧したときに、アッパープレート5と中間プレート3が下方に押し下げられ、かつ中間プレート3とアッパープレート5の距離が小さくなる。
先述のように、中間プレート3の開口部32の上には、梯子形状のフィン台4が設置されている。
フィン台4の枠に渡した桟41の上に、放熱フィン91が垂直に桟41の長手方向に載置される。
隣り合う桟41と桟41の間は、隙間42となっている。
そしてこの隙間42の部分は、中間プレート3の開口部32と重なる部分なので、中間プレート3の上下の空間に連通している。
図に示すように、フィン台4の桟41の上に放熱フィン91が載置され、桟41と桟41との間の隙間42の中をフィンガイド板7と、プレス刃8が交互に貫通している。
また、図1に示すように、桟41の上に載置された放熱フィン91の両面には、端部がベースプレート1に固定されたフィンガイド板7とプレス刃8が、放熱フィンの厚みより僅かに広い間隔で存在するので、放熱フィン91を置くだけで図1の左右方向の位置決めがされる。
また、フィン台4の桟41には、図2に示すような位置には、位置決め凸部44を設けている。これにより図示しない放熱フィン供給装置により、放熱フィン91を、その長手方向に位置決めできる。
なお、桟41の幅を、放熱フィン91の厚みより小さくすると、桟41がフィンガイド板7やプレス刃8と干渉することはない。
図5(b)は、金属ベース9のフィン溝96に放熱フィン91を挿入した状態を示す図である。
金属ベース9は、プレス刃8により荷重を与えられるプレス溝95と、放熱フィン91を挿入するフィン溝96とを備える。
プレス溝95の両側壁は、両側に隣接する2つのフィン溝96の、それぞれ一方の側壁を兼ねている。
したがって、放熱フィン91をフィン溝96に挿入すると、同時にプレス溝95の側壁に沿って放熱フィン91を挿入することとなる。
まず、アッパープレート5の切り欠き部に合わせて、金属ベース9を位置決めセットする。
次に、図示しない放熱フィン整列・供給手段により、放熱フィン91がプレス刃8とフィンガイド板7の間に位置するフィン台4の桟41の上に供給・セットされる。
その後、金属ベース9の上方よりプレス機(図示しない)等の加圧手段でプレス圧を加えると、バネ6a、バネ6bのバネ定数(バネ強さ 6a>6b)の違いにより、バネ6bが
バネ6bが圧縮される側に、中間プレートが移動する。すなわち桟4上の放熱フィン91が金属ベース9に対して、アッパープレート及び中間プレートの移動量に応じてバネ力により押される。
図6(b)は、放熱フィン91と金属ベース9の嵌合直後の状態を示す断面拡大図である。
なお、以下において使用する「上」「下」は、図6における上下を指すものとする。
バネ6bが圧縮されると、アッパープレート5に位置決めされた金属ベース9が下降し、放熱フィン91の上端が、フィン溝96の奥まで挿入されて、フィン溝96の上端に突き当たる。
これに連動して、フィン台4が載置されている中間プレート3がシャフト2の外周面を摺動して下方に移動する。
バネ6aが収縮すると、プレス刃8が、金属ベース9のプレス溝95に突き当たり、バネ6a及び6bはそれ以上収縮せず、プレス圧がプレス刃8の金属ベース9のプレス溝95に接した部分に付与されるため、プレス溝95の両側壁を、図6(b)に示すように左右に押し広げる。
このように、プレス溝95の壁面の変形によって、両隣の2枚の放熱フィン91が金属ベース9のフィン溝96の一方の側面に押圧、固定される。
これにより、プレス刃8がさらにプレス溝95を過剰に変形させることを防止できる。
これにより、金属ベース9のフィン溝96の底(図では上端面)と放熱フィン91の端面の間に隙間ができず、金属ベース9の熱を放熱フィン91に効率良く伝導できる。
また、バネ定数の異なる2つのバネ6a、6bを使用し、放熱フィン91を金属ベース9に挿入するまでの工程と、プレス刃8を用いた嵌合工程を分離しているので、精度良く放熱フィン91をフィン溝96内に倣わせた後、プレスによる嵌合を実施できる。
また、プレス刃8によるプレス溝95の所定量の変形工程が終了すると、フィンガイド板7が金属ベース9のフィンガイド板当接部97に突き当たるので、過剰な圧力によって製品を破損させることがない。
このように、冷却効率の高い歩留まりの良いヒートシンクを製造できる。
なお、本願では金属ベース9に対して放熱フィン91を勘合する例を示したが、金属ベースに限らず、上面に平坦面のあり、かつプレス加圧によって破損しない機械強度を有する樹脂を金属ベースと一体化した形態であっても同様にヒートシンクを構成できる。この時、この樹脂の中に発熱部を有する電子回路を内蔵しておけば、発熱部の発熱をヒートシンクに効率よく伝達でき、電子回路の冷却効率を高めることができる。またこの形態において、電子回路と外部配線電極は、樹脂の側面から突き出すように構成することで、プレス加圧が直接電極にかからず、破損を防止できる。
以下、本願発明の実施の形態2に係るフィン嵌合装置を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図7は、フィン嵌合装置200の側面図である。
本実施の形態では、フィン台204の各桟41の下部に伸縮機構としてクッション15を備えている。
図8(a)は、フィン台204の平面図である。
図8(b)は、連結シャフト245とスペーサ243の関係を示す図である。
図8(c)は、フィン台204の側面模式図である。
図8(c)の天地関係は、実際のフィン嵌合装置200の天地関係に合わせている。
フィン嵌合装置200の他の構成は、図2と同一である。
桟241の両端部には、天地方向に細長い長穴247を貫通させている。
この長穴247の部分にスペーサ243の円柱状の摺動ガイド248が挿入されている。
摺動ガイド248と一体として構成されている円柱状の空間保持部249が、桟241と隣の桟241との間に空間を確保する。
そして、摺動ガイド248と空間保持部249の中心に連通して開けた穴を連結シャフト245が貫通している。
それぞれの連結シャフト245の両端部は、図示しない端板に固定され、フィン台204の枠を構成する。
このように設定することにより、連結シャフト245の両端を端板にボルトで締め付けても、桟241は、隣り合うスペーサ243の空間保持部249の間で、上下方向に自由に摺動できる。
また、放熱フィン91の取り分けや、放熱フィン91の高さ寸法にばらつきがあった場合でも、各放熱フィン91を載置する桟241の各々に、上下の自由度(遊び)を有するので寸法のばらつきを吸収し、各々の放熱フィン91を確実に金属ベース9のフィン溝96の奥部に押し当てながら金属ベース9に嵌合できる。
2 シャフト、3 中間プレート、31,51 貫通穴、32 開口部、
4,204 フィン台、41,241 桟、42 隙間、243 スペーサ、
44 位置決め凸部、245 連結シャフト、247 長穴、248 摺動ガイド、
249 空間保持部、5 アッパープレート、51 貫通穴、65 連結板、
6a,6b バネ、7 フィンガイド板、8 プレス刃、9 金属ベース、
91 放熱フィン、95 プレス溝、96 フィン溝、97 フィンガイド板当接部。
Claims (8)
- 発熱体に装着する金属ベースと、前記金属ベースの熱を放熱する放熱フィンを、前記放熱フィンの間に挿入したプレス刃により嵌合するフィン嵌合装置において、
基礎となるベースプレートと、
嵌合前の前記放熱フィンを、載置するフィン台と、
前記フィン台を、水平に支持する中間プレートと、
前記金属ベースのフィン溝が前記放熱フィンの上端面に対向するように、前記金属ベースを支持するアッパープレートと、
前記ベースプレートに垂直に一端が固定され、前記中間プレート、前記アッパープレートの順に、前記中間プレートと前記アッパープレートとが摺動可能に挿通されるシャフトと、
前記ベースプレートと前記中間プレートの間に介在して前記中間プレートを支持する伸縮自在の第1弾性部材と、
前記中間プレートと前記アッパープレートとの間に介在して、前記中間プレートに対して前記アッパープレートを支持する伸縮自在の第2弾性部材とを備えたフィン嵌合装置。 - 前記フィン台は、水平にかつ互いに平行に配置された複数の桟の上に、前記放熱フィンを、前記桟に沿うように立てて載置する梯子形状を有し、
前記ベースプレートに垂直に固定されて前記放熱フィンを案内するフィンガイド板と前記ベースプレートに垂直に固定された前記プレス刃とが交互に、
前記放熱フィンが前記フィンガイド板と前記プレス刃との間に挟まれて、前記フィン台と共に前記シャフトの軸方向に移動可能となるように、
隣り合う前記桟の間の各隙間を、前記金属ベースに向かって挿通されている請求項1に記載のフィン嵌合装置。 - 前記桟の横幅は、前記放熱フィンの厚みより小さい請求項2に記載のフィン嵌合装置。
- 前記フィンガイド板の長さは、前記プレス刃が前記放熱フィンを前記金属ベースに嵌合させると同時に、前記フィンガイド板の先端が前記金属ベースのフィンガイド板当接部に突き当たる長さである請求項2又は請求項3に記載のフィン嵌合装置。
- 前記桟は、前記フィン台の枠に対してそれぞれ他の前記桟から独立して上下に摺動する遊びを有する請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のフィン嵌合装置。
- 前記フィン台の各前記桟と前記中間プレートとの間に伸縮機構をそれぞれ備えた請求項5に記載のフィン嵌合装置。
- 前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記シャフトを挿通したバネである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のフィン嵌合装置。
- 前記第1弾性部材の押圧抵抗力を、前記第2弾性部材の押圧抵抗力より大に設定する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のフィン嵌合装置。
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