以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。また、以下においては、本発明の画像処理装置および表示装置を搭載した撮像装置を例に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の機能構成を示すブロック図である。図1に示す撮像装置1は、少なくとも、撮像部10と、表示部11と、入力部12と、記録部13と、記録媒体14と、制御部15と、を備える。
撮像部10は、制御部15の制御のもと、所定の視野領域を連続的に撮像して、時間的に連続する複数の画像データ(動画データ)を生成する。撮像部10は、複数のレンズから構成され、被写体像を結像する光学系と、光学系の光量を調整する絞りと、光学系が結像した被写体像を受光して光電変換を行うことによって画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、撮像素子の状態を露光状態または遮光状態に設定するシャッタと、撮像素子が生成した画像データに対して所定のアナログ処理を行う信号処理部と、信号処理部から入力されるアナログの画像データに対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成して制御部15へ出力するA/D変換部と、撮像素子の撮像タイミングを発生するタイミングジェネレータと、を用いて構成される。
表示部11は、制御部15の制御のもと、撮像部10が生成した画像データに対応する画像を表示する。ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データに対応する画像を所定時間(たとえば3秒間)だけ表示するレックビュー表示、記録媒体14に記録された画像データに対応する再生画像を表示する再生表示、および撮像部10が連続的に生成する画像データに対応するライブビュー画像を順次表示するライブビュー画像表示等が含まれる。表示部11は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)からなる表示パネルおよび駆動ドライバ等を用いて構成される。なお、本実施の形態1では、表示部11および後述する制御部15が表示装置として機能する。
入力部12は、撮像装置1に関する各種の動作を指示する指示信号の入力を受け付ける。入力部12は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り換える電源スイッチ、撮像装置1に静止画撮影の指示を与えるレリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチおよび撮像装置1に動画撮影を指示する指示信号の入力を受け付ける動画スイッチ等を用いて構成される。
記録部13は、制御部15を介して入力される画像データ、撮像装置1の処理中の情報、撮像装置1を動作させるための各種プログラムや本実施の形態1に係るプログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データ等を記録する。記録部13は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)およびFlashメモリ等を用いて構成される。
記録媒体14は、制御部15を介して入力される画像データを記録する。記録媒体14は、撮像装置1の外部から装着されるメモリーカード等を用いて構成され、図示しないメモリI/Fを介して撮像装置1に着脱自在に装着される。記録媒体14は、後述する制御部15が処理を施した画像データまたは動画データが書き込まれる。また、記録媒体14は、制御部15によって記録された画像データまたは動画データが読み出される。
制御部15は、撮像装置1を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)を用いて構成される。なお、本実施の形態1では、制御部15が画像処理装置として機能する。
ここで、制御部15の詳細な構成について説明する。制御部15は、判定部151と、抑制部152と、表示制御部153と、を有する。
判定部151は、撮像部10の視野領域が変化したか否かを判定する。具体的には、判定部151は、撮像部10が生成した時間的に前後する画像データに対応する2つの画像の一致度に基づいて、撮像部10の視野領域が変化したか否かを判定する。たとえば、判定部151は、撮像部10が生成した時間的に前後する画像データに対応する2つの画像に対して動き判定を行うことによって、撮像装置1に生じる動き、たとえばユーザによるパンニング操作やチルト操作その他の撮影画面変更操作を判定する。
抑制部152は、判定部151によって撮像部10の視野領域が変化したと判定された場合、撮像部10が生成する画像データに対応する画像に含まれる視覚的に視認可能な情報量を抑制した抑制画像データを生成して表示制御部153または外部機器(たとえば画像表示装置等)へ出力する。具体的には、抑制部152は、撮像部10が生成する画像に含まれる視覚的に視認可能な撮影情報として、コントラスト、彩度、解像度および画素数のいずれか1つ以上を低下させる画像処理を行って抑制画像データを生成する。もちろん抑制部152は、視認可能性が人の目の使い方などに影響を受ける可能性もあるので、他の表現を使うと、情報表示時のデータの空間的な変化量、あるいは時間的な変化量(これは空間的な変化が少ないと連動して小さくなる)、または記録時のデータ量を抑制する処理を行ってもよい。
また、抑制部152は、画素数を減らしたり、画素間のデータ変化を減らしたりしてもよく、各画素の情報量の変化を減らす処理によっても、同様の効果を得ることが出来る。抑制部152は、例えば、明るい屋外などで液晶などの発光型の表示素子を見ると、外光が重なって良く見えなくなるが、このように、全体的にオフセットを持たせて明るくしても、画像の変化が少なくなって、ちらつきが見えにくくなるが、もちろん、このようにオフセット分、画像のデータを増やしても本発明の目的の結果を得ることが出来る。また、変化が少ないのは、圧縮した時に、データ量が減るような処理に相当するので、記録時間や容量的にも有利な方向となる。眼球移動が急速の(サッカード)時、網膜上の像の動きが激しくても、知覚が抑制されない効果を生理学の分野では、サッカード抑制と呼んでおり、この抑制効果を機器の側でも補助しようとするという側面を持つのが本発明の考え方である。もちろん、眼球移動を伴わずとも、不快感や違和感、品位などに繋がる画像表現もあり、これもまた、本発明では、対策するようにしている。この変化量は、人間の眼の反応速度からすると、1/10秒くらいの差異における画像変化で判定すればよく、1/30秒とか1/60秒とかのフレームレートの場合、その何コマかの間の変化で検出すれば良い。
表示制御部153は、撮像部10が生成した画像データに対応する画像を表示部11に表示させる。また、表示制御部153は、判定部151が撮像部10の視野領域が変化したと判定した場合、抑制部152が生成した抑制画像データに対応する抑制画像を表示部11に表示させる。さらに、表示制御部153は、撮像装置1に関する操作情報を表示部11に表示させる。なお、本実施の形態1では、表示制御部153が表示部11に抑制部152が生成した抑制画像データを出力する出力部として機能する。
以上の構成を有する撮像装置1が実行する処理について説明する。図2は、撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS101:Yes)について説明する。この場合において、制御部15は、撮像部10に撮像を実行させる(ステップS102)。
続いて、判定部151は、撮像部10によって生成された時間的に前後する画像データに対応する2つの画像(以下、単に「時間的に前後する2つの画像」という)の変化量が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS103)。この変化量は、画像の明るさの分布や明るさそのものの変化という判定でも良く、動きベクトルのように、どのように変化していったかを分析するような判定でもよく、いずれの場合も変化が大きいときに閾値が上がることを想定している。
図3は、撮像装置1がユーザによってパンニング操作される際の状況を示す図である。図4は、図3の状況下で撮像装置1が撮像する視野領域を模式的に示す図である。なお、図3および図4では、撮像装置1がユーザのパンニング操作によって、撮像装置1が略水平方向(矢印a1)へ移動することで、被写体O1が含まれる視野領域から被写体O4が含まれる視野領域までを連続的に撮像する際の状況を示す。また、図4の画像F1〜F4が撮像装置1の移動によって撮像された視野領域の画像に相当する。さらに、図3では、ユーザは、一定の速度で撮像装置1を略水平方向へ移動させるパンニング操作を行う場合について説明する。
図3および図4に示すように、判定部151は、ユーザによって撮像装置1がパンニング操作を行った場合において、撮像部10が生成する時間的に前後する2つの画像の変化量が第1の閾値であるか否かを判定する。具体的には、判定部151は、2つの画像の変化量として、画素毎にパターンマッチングを行って画像情報、たとえば明るさ情報(輝度や色相)の変化量を算出し、この算出した結果が第1の閾値以上であるか否かを判定する。より具体的には、図5(a)および図5(b)に示すように、判定部151は、撮像部10が生成した時間的に前後する2つの直前画像LV1(図4の画像F1の視野領域に相当)および最新画像LV2a(図4の画像F2の視野領域に相当)の一致度を画素毎に算出し、直前画像LV1に対する最新画像LV2aの変化量が第1の閾値上、たとえば撮像部10の視野領域における3/4以上変化しているか否かを判定する。なお、図5においては、第1の閾値として撮像部10の視野領域における3/4以上としているが、たとえば撮像部10の視野領域における1/2以上であってもよいし、2/3以上であってもよく、適宜変更することができる。もちろん、撮影シーン、たとえば夜景、ポートレート、風景および被写体に応じて第1の閾値を変更することができる。また、鑑賞時の環境によって、これを変化させても良い。つまり明るい時には、表示画像のコントラストが低下したように見えるが、暗黒時では、コントラストがはっきりして、余計に不快に感じられることがある。つまり、このような場合は、想定される表示再生環境を想定して変更しても良い。
ステップS103において、判定部151が撮像部10によって生成された時間的に前後する2つの画像の変化量が第1の閾値以上であると判定した場合(ステップS103:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS104へ移行する。
続いて、判定部151が撮像部10によって生成された時間的に前後する2つの画像の変化量が第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、判定部151は、2つの画像の変化量として、画素毎または所定の領域毎に分割した分割領域毎(ブロック毎)に画像情報の差や変化量を算出し、この算出した結果が第2の閾値以上であるか否かを判定する。より具体的には、図6(a)および図6(b)に示すように、判定部151は、撮像部10が生成した時間的に前後する2つの直前画像LV1および最新画像LV2b(図4の画像F3の視野領域に相当)の一致度を画素毎または領域毎に算出し、直前画像LV1に対する最新画像LV2bの変化量が第2の閾値以上、たとえば、撮像部10の視野領域における4/5以上変化しているか否かを判定する。なお、図6において、第2の閾値は、第1の閾値よりも大きく設定されればよい。また、判定部151は、撮像部10が生成する時間的に前後する2つの画像内において、直前画像が最新画像に対して重畳する視野領域がなくなった場合も第2の閾値以上として判定する。この第2の閾値も、撮影環境下で変化させてもよく、再生鑑賞時の環境によって、これを変化させても良い。つまり明るい時には、表示画像のコントラストが低下したように見えるが、暗黒時では、コントラストがはっきりして、余計に不快に感じられることがある。つまり、このような場合は、想定される表示再生環境を想定して閾値を変更しても良い。
ステップS104において、判定部151が撮像部10によって生成された時間的に前後する2つの画像の変化量が第2の閾値以上であると判定した場合(ステップS104:Yes)、撮像装置1は、ステップS105へ移行する。
続いて、抑制部152は、撮像部10が生成した最新の画像データに対応する最新画像のコントラストを低減する画像処理を行って視覚的に把握可能な情報量を抑制した抑制画像データを生成する(ステップS105)。なお、抑制部152は、コントラストに換えて彩度または明るさ(輝度やゲイン)を低減させる画像処理を行ってもよい。さらに、抑制部152は、コントラスト、彩度および明るさのいずれか2つ以上を組み合わせた画像処理を行って情報量を抑制した抑制画像データを生成してもよい。また、画像を縮小したり、周辺部をかすませたり、枠を設けたりしても、画面内における画像の変化は小さくなる。前述のように全体にオフセット信号を持たせても、画像変化が小さくなって、目の疲れや違和感がなくなる方向になる。このような画質調節は、撮影時に行ってもよいが、再生時に行うようにしてもよいので、画像変化抑制信号を付与するだけでも良い。
続いて、表示制御部153は、抑制部152によって生成されたコントラストが低減された抑制画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS106)。具体的には、図7に示すように、表示制御部153は、抑制部152によって生成されたコントラストが低減された抑制画像データに対応するライブビュー画像LV10を表示部11に表示させる。これにより、ユーザが撮像装置1に対してパンニング操作を行った場合において、現在の被写体O1から所望の被写体O4までに写る雑多な被写体O2,O3のコントラストを低減させて、パンニング操作時における画像内で視覚的に視認可能な情報量を抑制させているので、動画撮影時または動画再生時に視野領域が急激に変化したときであっても、ユーザに快適に視認させることができる。なお、図7においては、コントラストの低減をハッチングで表現した。ステップS106の後、撮像装置1は、後述するステップS110へ移行する。
ステップS104において、判定部151が撮像部10によって生成された時間的に前後する2つの画像の変化量が第2の閾値以上でないと判定した場合(ステップS104:No)、撮像装置1は、ステップS107へ移行する。
続いて、抑制部152は、撮像部10が生成した直前の画像データに対応する直前画像の解像度を低減する画像処理を行って抑制画像データを生成する(ステップS107)。なお、抑制部152は、撮像部10が生成した直前の画像データに対応する直前画像の解像度に換えて、圧縮率や画素を間引いて抑制画像データを抑制してもよい。
その後、表示制御部153は、抑制部152によって生成された解像度が低減された抑制画像データに対応する直前画像を、最新画像に重畳したライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS108)。具体的には、図8に示すように、表示制御部153は、抑制部152によって生成された解像度が低減された抑制画像データに対応する直前画像を、最新画像に重畳したライブビュー画像LV11を表示部11に表示させる。これにより、ユーザが撮像装置1に対してパンニング操作を行った場合において、被写体O1から所望の被写体O4までに撮像される直前画像を順次残像させ、パンニング操作時における画像内で視覚的に視認可能な情報量を抑制させているので、動画撮影時に視野領域が変化したときであっても、動画の再生時にユーザに快適に視認させることができる。なお、図8においては、残像を点線で表現した。ステップS108の後、撮像装置1は、ステップS110へ移行する。
ステップS103において、判定部151が撮像部10によって生成された時間的に前後する2つの画像の変化量が第1の閾値以上でないと判定した場合(ステップS103:No)、撮像装置1は、ステップS109へ移行する。たとえば、図9(a)および図9(b)に示す場合、判定部151は、撮像部10が生成した時間的に前後する2つの直前画像LV1および最新画像LV2c(図4の画像F1の視野領域に相当)の一致度を算出し、直前画像LV1に対する最新画像LV2cの変化量が第1の閾値以上でないと判定する。具体的には、図9(a)および図9(b)に示すように、撮像部10の視野領域がほぼ変化していない場合、時間的に前後する2つの画像の変化量が第1の閾値以上でないと判定する。
続いて、表示制御部153は、撮像部10が生成した最新の画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS109)。具体的には、図10に示すように、表示制御部153は、撮像部10が生成した最新の画像データに対応するライブビュー画像LV12を表示部11に表示させる。ステップS109の後、撮像装置1は、ステップS110へ移行する。
ステップS106、ステップS108およびステップS109の後、入力部12を介して静止画撮影を指示する指示信号が入力された場合(ステップS110:Yes)、制御部15は、撮像部10に撮影を実行させ(ステップS111)、撮像部10が生成した画像データを記録媒体14に記録する(ステップS112)。
続いて、入力部12を介して撮像装置1の電源がオフされた場合(ステップS113:Yes)、撮像装置1は、本処理を終了する。これに対して、入力部12を介して撮像装置1の電源がオフされていない場合(ステップS113:No)、撮像装置1は、ステップS101へ戻る。
ステップS110において、入力部12を介して静止画撮影を指示する指示信号が入力されていない場合(ステップS110:No)、撮像装置1は、ステップS114へ移行する。
続いて、撮像装置1が動画撮影中である場合(ステップS114:Yes)、制御部15は、表示部11が表示する表示画像に対応する画像データを記録媒体14の動画ファイルに記録する(ステップS115)。
その後、入力部12を介して動画撮影を終了する指示信号が入力された場合(ステップS116:Yes)、制御部15は、撮像装置1の動画撮影を終了する動画終了処理を実行する(ステップS117)。たとえば、制御部15は、記録媒体14の動画ファイルに対して動画時間やデータ量を示す情報をメタ情報として記録する。ステップS117の後、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。
ステップS116において、入力部12を介して動画撮影を終了する指示信号が入力されていない場合(ステップS116:No)、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。
ステップS114において、撮像装置1が動画撮影中でない場合(ステップS114:No)、撮像装置1は、ステップS118へ移行する。
続いて、入力部12を介して動画撮影を開始する指示信号が入力された場合(ステップS118:Yes)、制御部15は、撮像装置1の動画撮影を開始する(ステップS119)。具体的には、制御部15は、記録媒体14に、撮像部10が順次生成する画像データを時系列に沿って記録するための動画ファイルを作成する。ステップS119の後、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。
ステップS118において、入力部12を介して動画撮影を開始する指示信号が入力されていない場合(ステップS118:No)、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。
次に、ステップS101で撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:No)について説明する。この場合において、撮像装置1が再生モードに設定されているとき(ステップS120:Yes)、表示制御部153は、記録媒体14に記録された画像ファイルまたは動画ファイルそれぞれのヘッダに記録されたサムネイル画像を表示部11に一覧表示させる(ステップS121)。
続いて、入力部12を介して表示部11が表示する画像一覧から再生する画像ファイルが指定された場合(ステップS122:Yes)、撮像装置1は、ステップS123へ移行する。これに対して、入力部12を介して表示部11が表示する画像一覧から再生する画像ファイルが指定されていない場合(ステップS122:No)、撮像装置1は、ステップS121へ戻る。
ステップS123において、入力部12を介して指定された画像ファイルが動画ファイルの場合(ステップS123:Yes)、表示制御部153は、動画ファイルに記録された動画データに対応する動画の再生表示を開始する(ステップS124)。
続いて、判定部151は、時間的に前後する2つの画像の変化量が第3の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS125)。具体的には、判定部151は、表示部11に表示させた直前の画像と最新の画像との変化量が第3の閾値以上であるか否かを判定する。判定部151が時間的に前後する2つの画像の変化量が第3の閾値以上であると判定した場合(ステップS125:Yes)、撮像装置1は、ステップS126へ移行する。これに対して、判定部151が時間的に前後する2つの画像の変化量が第3の閾値以上でないと判定した場合(ステップS125:No)、撮像装置1は、後述するステップS133へ移行する。
ステップS126において、表示部11が表示する現在の画像から所定の時間内に画像の変化量が安定する安定画像がある場合(ステップS126:Yes)、抑制部152は、安定画像の解像度を低減する抑制処理を実行する(ステップS127)。
続いて、表示制御部153は、抑制部152が解像度を低減した安定画像を現画像に重畳して表示部11に表示させる(ステップS128)。これにより、予告効果によってユーザに安心感を促すことができる。
その後、動画が終了した場合(ステップS129:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS130へ移行する。これに対して、動画が終了した場合(ステップS129:No)、撮像装置1は、ステップS125へ戻る。
ステップS130において、入力部12を介して再生する画像の切換があった場合(ステップS130:Yes)、撮像装置1は、ステップS121へ戻る。これに対して、入力部12を介して再生する画像の切換がない場合(ステップS130:No)、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。
ステップS126において、表示部11が表示する現在の画像から所定の時間内に画像の変化量が安定する安定画像がない場合(ステップS126:No)、撮像装置1は、ステップS131へ移行する。
続いて、抑制部152は、直前の画像の解像度を低減する抑制処理を実行する(ステップS131)。
その後、表示制御部153は、抑制部152が解像度を低減した直前の画像を現画像に重畳して表示部11に表示させる(ステップS132)。ステップS132の後、撮像装置1は、ステップS129へ移行する。
ステップS133において、表示制御部153は、画像データに対応する画像を表示部11に表示させる(ステップS133)。ステップS133の後、撮像装置1は、ステップS129へ移行する。
ステップS123において、入力部12を介して指定された画像ファイルが動画ファイルでない場合(ステップS123:No)、表示制御部153は、画像データに対応する画像を表示部11に全画面表示させる(ステップS134)。ステップS134の後、撮像装置1は、ステップS130へ移行する。
ステップS120において、撮像装置1が再生モードに設定されていない場合(ステップS120:No)、撮像装置1は、ステップS113へ移行する。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、動画撮影時にパンニング操作やチルト操作その他の撮影画面変更操作によって視野領域が急激に変化した場合であっても、ユーザに動画の再生時に快適に視認させることができる。
また、本発明の実施の形態1によれば、判定部151が撮像部10の視野領域が変化したと判定した場合、抑制部152が撮像部10によって生成された画像データに対応する画像に含まれる視覚的に視認可能な情報量を抑制した抑制画像データを生成し、表示制御部153が抑制部152によって生成された抑制画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる。これにより、フレーム間で変化が大きい最新画像は、直前画像からの変化量を小さくして表示部11で表示されるので、動画撮影時または動画の再生時にユーザに快適に視認させることができる。このような、視認可能な情報量を抑制する処理(つまり、情報表示時のデータの空間的な変化量、あるいは時間的な変化量を抑制する処理)は、一律に行う必要はなく、パンニング開始時と途中で処理を変えても良く、パンニング時の画像変化の激しさによって処理を変えても良い。
なお、上述した本発明の実施の形態1では、ユーザによって撮像装置1が略水平方向へ移動するパンニング操作が行われた場合であったが、ユーザによって撮像装置1が略垂直方向へ移動するチルト操作が行われた場合や、その他の撮影画面変更操作であっても適用することができる。
また、本発明の実施の形態1では、ライブビュー画像の表示時に、抑制部152が撮像部10によって生成された画像データに対応する画像に含まれる視覚的に視認可能な情報量を低減していたが、たとえば、記録媒体14に記録する画像データのみに対して情報量を抑制してもよい。
また、本発明の実施の形態1では、判定部151が時間的に前後する2つの画像を用いて、撮像部10の視野領域が変化したか否かを判定していたが、必ずしも時間的に隣接している必要はなく、所定のフレーム間毎、たとえば撮像部10が生成する画像データの奇数フレームまたは偶数フレームを用いて撮像部10の視野領域が変化したか否かを判定してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2に係る撮像装置は、上述した実施の形態1に係る撮像装置と構成が異なるうえ、実行する処理が異なる。このため、以下においては、本実施の形態2に係る撮像装置の構成を説明後、本実施の形態2に係る撮像装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る撮像装置と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。ただし、先に書いた事項で、ここでも対応するブロック、機能部分は、同様の働きをすることは、繰り返しを省略しただけで、そのまま適応可能なことは言うまでもない。
図11は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の機能構成を示すブロック図である。図11に示す撮像装置1aは、撮像部10aと、表示部11と、入力部12と、記録部13と、記録媒体14と、手振れ補正部16と、動き検出部17と、タッチパネル18と、通信部19と、制御部20と、を備える。
撮像部10aは、複数のレンズを用いて構成され、所定の視野領域から集光して被写体の被写体像を結像するレンズ部101と、レンズ部101が結像した被写体像を受光して被写体の画像データを生成する撮像素子102と、を有する。撮像素子102は、被写体の画像データを連続的に生成して制御部20へ出力する。
手振れ補正部16は、撮像装置1aに生じる手振れを補正する。具体的には、手振れ補正部16は、撮像素子102を撮像部10aの光軸Lと直交する垂直面内で撮像素子102を移動させるとともに、光軸Lと直交する水平面内で撮像素子102を移動させることによって、撮像装置1aに生じる手振れを補正する(ボディ内手振れ補正)。手振れ補正部16は、複数の超音波アクチュエータおよびアクチュエータ駆動部を用いて構成される。手振れ補正部16は、制御部20の制御のもと、撮像素子102を垂直面内および水平面内で移動させる。なお、手振れ補正部16は、撮像素子102に換えて、レンズ部101を垂直面内および水平面内で移動させることによって、撮像装置1aに生じる手振れを補正してもよい(レンズ内手振れ補正)。
動き検出部17は、撮像装置1aに生じる動きを検出し、この検出結果を制御部20へ出力する。具体的には、動き検出部17は、撮像装置1aに生じる加速度および角速度をそれぞれ検出し、この検出結果を制御部20へ出力する。動き検出部17は、加速度センサおよびジャイロセンサ等を用いて構成される。
タッチパネル18は、表示部11の表示画面上に重畳して設けられる。タッチパネル18は、外部からの物体のタッチを検出し、この検出したタッチ位置に応じた位置信号を制御部20へ出力する。また、タッチパネル18は、ユーザが表示部11で表示される情報、たとえばアイコン画像やサムネイル画像に基づいてタッチした位置を検出し、この検出したタッチ位置に応じて撮像装置1aが行う動作を指示する指示信号や画像を選択する選択信号の入力を受け付けてもよい。一般に、タッチパネル18としては、抵抗膜方式、静電容量方式および光学方式等がある。本実施の形態2では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。
通信部19は、所定の無線通信規格に従って、外部の機器と無線通信を行って画像データを含む画像ファイルを送信または受信する。ここで、所定の無線通信規格は、IEEE802.11bおよびIEEE802.11n等である。なお、本実施の形態2では、いずれの無線通信規格であっても適用可能である。また、通信部19は、ネットワークを介して外部の機器と画像ファイルやコンテンツデータ等の各種情報を双方向に通信を行うための通信デバイスを用いて構成される。通信デバイスは、他の機器との間で電波信号を送受信するアンテナと、アンテナが受信した信号を復調処理するとともに、送信する信号を変調処理する送受信回路等で構成される。また、通信部19は、撮像装置1aの起動時において、その存在を報知する識別情報(機器ID)を含む通信信号を定期的に送信する。なお、通信部19は、撮像装置1aの外部から装着されるメモリーカード等の記録媒体14に設けられていてもよい。さらに、通信部19は、ホットシューを介して撮像装置1aに装着されるアクセサリに設けられていてもよい。
制御部20は、撮像装置1aを構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置1aの動作を統括的に制御する。制御部20は、CPU等を用いて構成される。なお、本実施の形態2では、制御部20が画像処理装置として機能する。
ここで、制御部20の詳細な構成について説明する。制御部20は、判定部201と、抑制部202と、表示制御部203と、を有する。
判定部201は、撮像部10aが生成した時間的に前後する画像データに対応する直前の直前画像と最新の最新画像とを重ねて画素毎に差を判定することによって、撮像部10aの視野領域が変化したか否かを判定する。具体的には、判定部201は、直前画像と最新画像それぞれの画像中央部の画素値の差を加算するとともに、直前画像と最新画像それぞれの画像周辺部の画素値の差を加算し、画像中央部と画像周辺部それぞれの差を加算した値が所定の閾値以上の場合、撮像部10aの視野領域が変化したと判定する。ここで、画像中央部とは、画像の中心を含む2/3の領域である。また、画像周辺部とは、画像中央部を除く領域である。
抑制部202は、判定部201によって撮像部10aの視野領域が変化したと判定された場合、撮像部10aが生成する画像データに対応する画像に含まれる視覚的に視認可能な情報量を抑制した抑制画像データを生成する。具体的には、抑制部202は、撮像部10aが生成する画像に含まれる視覚的に視認可能な撮影情報として、コントラスト、彩度、解像度および画素数のいずれか1つ以上を低下させる画像処理を行って抑制画像データを生成する。
表示制御部203は、撮像部10aが生成した画像データに対応する画像を表示部11に表示させる。また、表示制御部203は、判定部201が撮像部10aの視野領域が変化したと判定した場合、抑制部202が生成した抑制画像データに対応する抑制画像を表示部11に表示させる。さらに、表示制御部203は、撮像装置1aに関する操作情報を表示部11に表示させる。なお、本実施の形態2では、表示制御部203が出力部として機能する。
以上の構成を有する撮像装置1aが実行する処理について説明する。図12は、撮像装置1aが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図12において、まず、撮像装置1aが撮影モードに設定されている場合(ステップS201:Yes)について説明する。この場合、制御部20は、撮像素子102に撮像を実行させる(ステップS202)。
続いて、判定部201は、時間的に前後する直前の直前画像と最新の最新画像とを重ねて画素毎に差を判定する判定処理を開始し(ステップS203)、直前画像と最新画像それぞれの画像中央部における画素の差を加算した値(以下、画像中央部における画素の差を加算した値を「C」という。)を算出するとともに(ステップS204)、直前画像と最新画像それぞれの画像周辺部の画素の差を加算した値(以下、画像周辺部の画素の差を加算した値を「P」という)を算出する(ステップS205)。なお、画像中央部とは、画像の中心を含む矩形状の領域である。また、画像周辺部とは、画像内において画像中央部を除く領域であって、画像内の有効画素領域の画像中央部から外縁までの領域である。また、判定部201は、画像中央部および画像周辺部それぞれの全ての画素を用いて判定する必要はなく、画素を所定の間隔で間引いて差を算出してもよい。具体的には、判定部201は、画像中央部および画像周辺部それぞれの所定の画素列、たとえば奇数列または偶数列の画素の差を加算した値を算出してもよい。
図13は、直前画像内における位置と情報量との関係を模式的に示す図である。図14は、最新画像内における位置と情報量との関係を模式的に示す図である。図13および図14において、直線L1上における情報量としての明るさを例に説明する。また、図13(b)および図14(b)において、横軸が各画像の位置を示し、縦軸が明るさを示す。
図13(a)に示すように、直前画像LV20において被写体O1の顔を横切った直線L1の明るさは、図13(b)に示す曲線Im1となる。図13(a)に示す状態からユーザが撮像装置1aに対して水平方向にパンニング操作を行った場合、図14に示す最新画像LV21を得ることができる。このとき、最新画像LV21における被写体O1の顔を横切った直線L1の明るさは、図14(b)に示す曲線Im2となる。判定部201は、図13(b)の曲線Im1と図14(b)の曲線Im2とを比較する(図15を参照)。
図15は、図13(b)の曲線Im1と図14(b)の曲線Im2とを仮想的に重ねた際の明るさと位置との関係を示す図である。図16は、図13(b)の曲線Im1と図14(b)の曲線Im2との明るさの差分と位置との関係を示す図である。
図15に示すように、ユーザは、時間的に前後する直前画像と最新画像のような2フレームの画像の一部に差異Dがある画像を見ただけでも、ストレスを感じる。さらに、ユーザは、動画でパンニング操作があった場合、パンニング操作に応じて撮像装置1aの視野領域が変化するうえ、色の成分や被写体が変化するので、不快になってしまう場合があった。具体的には、図16に示す曲線Im12のように、振幅が大きいほど直前画像から最新画像への画像変化が大きいと考えられる。そこで、判定部201は、曲線Im1と曲線Im2それぞれの差分を算出することによって、直前画像L20に対する最新画像L21の画像変化を判定する。即ち、判定部201は、直前画像および最新画像それぞれの画素値の絶対値を加算することによって、直前画像L20に対する最新画像L21の画像変化の変化量を数値化する。
図12に戻り、ステップS206以降の説明を続ける。
ステップS206において、判定部201は、画素中央部における画素の差を加算した値Cの絶対値|C|と画像周辺部における画素の差を加算した値Pの絶対値|P|との和|C|+|P|が所定の閾値以上であるか否かを判定する。判定部201が和|C|+|P|が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS206:Yes)、撮像装置1aは、後述するステップS207へ移行する。これに対して、判定部201は、和|C|+|P|の値が所定の閾値以上でないと判定した場合(ステップS206:No)、撮像装置1aは、後述するステップS212へ移行する。
ステップS207において、判定部201は、Cを画像中央部の画素数で除算した平均値CAがPを画像周辺部の画素数で除算した平均値PA以上であるか否かを判定する。判定部201がCの平均値CAがPの平均値PA以上であると判定した場合(ステップS207:Yes)、撮像装置1aは、後述するステップS208へ移行する。これに対して、判定部201がCの平均値CAがPの平均値PA以上でないと判定した場合(ステップS207:No)、撮像装置1aは、後述するステップS210へ移行する。
ステップS208において、抑制部202は、撮像部10aが生成した最新の画像データに対応する最新画像における画像周辺部のコントラストを低減する画像処理を行って抑制画像データを生成する。具体的には、図17に示すように、最新画像のコントラストを低減させる画像処理を行って、最新画像の明るさを曲線Im2から曲線Im3になるように振幅を低減する。
続いて、表示制御部203は、抑制部202によって生成されたコントラストが低減された抑制画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS209)。具体的には、図18に示すように、表示制御部203は、抑制部202によって生成されたコントラストが低減された抑制画像データに対応するライブビュー画像LV30を表示部11に表示させる。これにより、ユーザが撮像装置1aに対してパンニング操作を行った場合において、現在の被写体O1から所望の被写体O4までに写る雑多な被写体O2,O3のコントラストを低減させて、パンニング操作時における画像内で視覚的に視認可能な情報量を抑制させているので、動画撮影時または動画の再生時に視野領域が急激に変化したときであっても、ユーザに快適に視認させることができる。なお、図18においては、コントラストの低減を点線およびシェーディングで表現した。ステップS209の後、撮像装置1aは、後述するステップS213へ移行する。
ステップS210において、抑制部202は、撮像部10aが生成した最新の画像データに対応する最新画像の彩度およびコントラストを低減する抑制処理を行って抑制画像データを生成する。
続いて、表示制御部203は、抑制部202によって生成された彩度およびコントラストが低減された抑制画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS211)。具体的には、図19に示すように、表示制御部203は、抑制部202によって生成された彩度およびコントラストが低減された抑制画像データに対応するライブビュー画像LV31を表示部11に表示させる。これにより、ユーザが撮像装置1aに対してパンニング操作を行った場合において、現在の被写体O1から所望の被写体O4までに写る雑多な被写体O2,O3のコントラストを低減させて、パンニング操作時における画像内で視覚的に視認可能な情報量を抑制させているので、動画撮影時または動画の再生時に視野領域が急激に変化したときであっても、ユーザに快適に視認させることができる。なお、図19においては、彩度およびコントラストの低減をハッチングおよび点線で表現した。ステップS211の後、撮像装置1aは、後述するステップS213へ移行する。
ステップS212において、表示制御部203は、撮像部10aが生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる。ステップS212の後、撮像装置1aは、後述するステップS213へ移行する。
ステップS213〜ステップS222は、上述した図2のステップS110〜ステップS119にそれぞれ対応する。
ステップS201において、撮像装置1aが撮影モードに設定されておらず(ステップS201:No)、再生モードに設定されている場合(ステップS223:Yes)、撮像装置1aは、記録媒体14に記録された画像データに対応する画像を再生する再生表示処理を実行する(ステップS224)。ステップS224の後、撮像装置1aは、ステップS216へ移行する。
ステップS201において、撮像装置1aが撮影モードに設定されておらず(ステップS201:No)、再生モードに設定されていない場合(ステップS223:No)、撮像装置1aは、ステップS216へ移行する。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、動画撮影時にパンニング操作やチルト操作によって視野領域が急激に変化した場合であっても、ユーザに快適に視認させることができる。
なお、上述した本発明の実施の形態2では、ユーザによって撮像装置1aが略水平方向へ移動するパンニング操作が行われた場合であったが、ユーザによって撮像装置1aが略垂直方向へ移動するチルト操作や、斜め方向の視野角度変更が行われた場合であっても適用することができる。もちろん、急速なズーム操作など画面内情報が急に変化する操作でもこれらの考え方は適用でき、このような効果は、先の実施形態でも同様に言えることである。
また、本発明の実施の形態2では、判定部201が時間的に前後する2つの画像を用いて、撮像部10aの視野領域が変化したか否かを判定していたが、必ずしも時間的に隣接している必要はなく、所定のフレーム間毎、たとえば撮像部10aが生成する画像データの奇数フレームまたは偶数フレームを用いて撮像部10の視野領域が変化したか否かを判定してもよい。ここでは、通信部なども設けた実施例で説明しているが、撮影中の画像や撮影された画像は、遠隔の視聴者が見られるようにネットワークで通信可能としても良い。この場合、室内のTVなどで視聴する場合を想定しなければならないが、室内でコントラストが高い映像を見ながら、パンニングがあったりすると、屋外の小さなモバイル機器を手に持って見る場合より、生理的に耐え難いので、送り先によって閾値などを変更しても良い。
(実施の形態2の変形例)
次に、本実施の形態2の変形例について説明する。上述した実施の形態2では、判定部201は、時間的に前後する直前画像および最新画像それぞれの画素毎に明るさを比較していたが、本実施の形態2の変形例では、時間的に前後する直前画像および最新画像それぞれを所定の領域毎に分割し、この分割した領域毎に明るさの比較を行う。
図20は、直前画像内における位置と情報量との関係を模式的に示す図である。図21は、最新画像内における位置と情報量との関係を模式的に示す図である。図22は、図20(b)の領域毎の明るさと図21(b)の領域毎の明るさとを仮想的に重ねた際の明るさと位置との関係を示す図である。図23は、図21(b)の領域毎の明るさと図22(b)の領域毎の明るさとを仮想的に重ねた際の明るさの差(輝度差)と位置との関係を示す図である。図20〜図23において、直線L2上における情報量としての明るさを例に説明する。また、図20(b)、図21(b)、図22および図23において、横軸が各領域の位置を示し、縦軸が明るさを示す。
図20(b)、図21(b)および図22に示すように、判定部201は、直前画像LV20および最新画像LV21を所定の領域毎に複数の領域に分割し、この領域内の明るさの最大値と最小値の差分DImを比較する。具体的には、図22および図23に示すように、判定部201は、直前画像LV20および最新画像LV21それぞれの領域内の明るさの最大値と最小値の差分DImを比較し、その差分をDDImとして領域毎に判定し、その差分(輝度差)が大きいほど画像内における情報量の変化が多いと判定する。
以上説明した本発明の実施の形態2の変形例によれば、動画撮影時にパンニング操作やチルト操作その他の撮影画面変更操作によって視野領域が急激に変化した場合であっても、ユーザに快適に視認させることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3に係る撮像装置は、上述した実施の形態2に係る撮像装置1aと構成が異なるうえ、実行する処理が異なる。具体的には、撮像装置に対してパンニング操作またはチルト操作その他の撮影画面変更操作があった場合、撮影条件を変更して視覚的に把握可能な情報量を低減させる。このため、以下においては、本実施の形態3に係る撮像装置の構成を説明後、本実施の形態3に係る撮像装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態2と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図24は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置の機能構成を示すブロック図である。図24に示す撮像装置1bは、撮像部10aと、表示部11と、入力部12と、記録部13と、記録媒体14と、手振れ補正部16と、動き検出部17と、タッチパネル18と、通信部19と、ピント駆動部21と、制御部22と、を備える。
ピント駆動部21は、制御部22の制御のもと、レンズ部101を光軸Lに沿って移動させることによって、撮像部10aのピントを調整する。たとえば、ピント駆動部21は、制御部22の制御のもと、レンズ部101を光軸Lに沿って移動させることによって、撮像部10aのピントを被写体に対して合焦させる。ピント駆動部21は、ステッピングモータ等を用いて構成される。
制御部22は、撮像装置1bを構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置1bの動作を統括的に制御する。制御部22は、CPU等を用いて構成される。なお、本実施の形態3では、制御部22が画像処理装置として機能する。
ここで、制御部22の詳細な構成について説明する。制御部22は、判定部221と、抑制部222と、表示制御部223と、を有する。
判定部221は、撮像部10aの視野領域が変化したか否かを判定する。具体的には、判定部221は、撮像部10aが生成した時間的に前後する画像データに対応する2つの画像の一致度に基づいて、撮像部10aの視野領域が変化したか否かを判定する。たとえば、判定部221は、撮像部10aが生成した時間的に前後する画像データに対応する2つの画像に対して動き判定を行うことによって、撮像装置1bに生じる動き、たとえばユーザによるパンニング操作やチルト操作その他の撮影画面変更操作を判定する。
抑制部222は、判定部221によって撮像部10aの視野領域が変化したと判定された場合、撮像部10aが生成する画像データに対応する画像に含まれる視覚的に視認可能な情報量を抑制した抑制画像データを生成する。具体的には、抑制部222は、撮像部10aが生成する画像データに対応する画像に対して露出値を上げる画像処理、たとえば露出オーバーする画像処理を行って抑制画像データを生成する。また、抑制部222は、ピント駆動部21を駆動して撮像素子102が生成する画像データに対応する画像のピントがぼけるようにレンズ部101のピントを調整する。
表示制御部223は、撮像部10aが生成した画像データに対応する画像を表示部11に表示させる。また、表示制御部223は、判定部221が撮像部10aの視野領域が変化したと判定した場合、抑制部222が生成した抑制画像データに対応する抑制画像を表示部11に表示させる。さらに、表示制御部223は、撮像装置1bに関する操作情報を表示部11に表示させる。なお、本実施の形態3では、表示制御部223が出力部として機能する。
以上の構成を有する撮像装置1bが実行する処理について説明する。図25は、撮像装置1bが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図25に示すように、まず、撮像装置1bが撮影モードに設定されている場合(ステップS301:Yes)について説明する。この場合、制御部22は、撮像素子102に撮像を実行させる(ステップS302)。
続いて、判定部221は、時間的に前後する直前画像と最新画像とに基づいて、直前画像の画面全体から最新画像の画面全体(視野領域全体)が移動したか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、判定部221は、時間的に前後する直前画像および最新画像それぞれの画素の情報量が第1の閾値以上であるか否かを判定する。なお、第1の閾値は、撮像素子102のフレームレートに応じて適宜変更することができる。判定部221が直前画像の画面全体から最新画像の画面全体が移動したと判定した場合(ステップS303:Yes)、撮像装置1bは、後述するステップS304へ移行する。これに対して、判定部221が直前画像の画面全体から最新画像の画面全体が移動していないと判定した場合(ステップS303:No)、撮像装置1bは、後述するステップS311へ移行する。
ステップS304において、判定部221は、時間的に前後する直前画像と最新画像とに基づいて、最新画像の移動方向が直前画像の画面全体に対して1/3以上であるか否かを判定する。判定部221が最新画像の移動方向が直前画像の画面全体に対して1/3以上であると判定した場合(ステップS304:Yes)、撮像装置1bは、後述するステップS305へ移行する。これに対して、判定部221が最新画像の移動方向が直前画像の画面全体に対して1/3以上でないと判定した場合(ステップS304:No)、撮像装置1bは、後述するステップS311へ移行する。
ステップS305において、判定部221は、最新画像のコントラストが所定の閾値より小さいか否かを判定する。判定部221が最新画像のコントラストが所定の閾値より小さいと判定した場合(ステップS305:Yes)、撮像装置1bは、後述するステップS306へ移行する。これに対して、判定部221が最新画像のコントラストが所定の閾値より小さくないと判定した場合(ステップS305:No)、撮像装置1bは、後述するステップS311へ移行する。
ステップS306において、判定部221は、最新画像内における被写体が所定の閾値より明るい被写体であるか否かを判定する。判定部221が最新画像内における被写体が所定の閾値より明るい被写体であると判定した場合(ステップS306:Yes)、撮像装置1bは、後述するステップS307へ移行する。これに対して、判定部221が最新画像内における被写体が所定の閾値より明るい被写体でないと判定した場合(ステップS306:No)、撮像装置1bは、後述するステップS309へ移行する。
ステップS307において、抑制部222は、撮像部10aが生成した画像データの露出値を上げる画像処理を行う。具体的には、抑制部222は、撮像部10aが生成した画像データの露出値を、たとえば、+0.0から+2.0に上げる補正を行う。
続いて、表示制御部223は、抑制部222が露出値を上げた画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS308)。具体的には、図26に示すように、表示部11がライブビュー画像LV40を表示している場合において、パンニング操作があったとき、表示制御部223は、抑制部222が露出値を上げた画像データに対応するライブビュー画像LV41、ライブビュー画像LV42を表示部11に表示させる。その後、表示制御部223は、パンニング操作が終わった時点でライブビュー画像LV43を表示部11に表示させる(図26(a)→図26(b)→図26(c)→図26(d))。これにより、ユーザが撮像装置1bに対してパンニング操作を行った場合、画像データの露出値が自動的に上がり、再生時に露出オーバの画像が表示される。この結果、パンニング操作時における画像内で視覚的に視認可能な情報量を抑制させているので、動画撮影時または動画の再生時に視野領域が急激に変化したときであっても、ユーザに快適に視認させることができる。ステップS308の後、撮像装置1bは、ステップS312へ移行する。
ステップS309において、抑制部222は、ピント駆動部21を駆動し、レンズ部101を光軸L上に沿って移動させることによって、被写体に対するピント位置を調整する。
続いて、表示制御部223は、ピント位置が調整された状態で撮像部10aが生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる(ステップS310)。具体的には、図27に示すように、表示部11がライブビュー画像LV50を表示している場合において、パンニング操作があったとき、表示制御部223は、抑制部222によってピント位置が調整された状態、たとえば、被写体に対してぼけるようにピント位置(合焦位置)からレンズ部101が離れた状態で撮像部10aが生成した画像データに対応するライブビュー画像L51、ライブビュー画像LV52を表示部11に順次表示させる。その後、表示制御部223は、パンニング操作が終わった時点で抑制部222によってピント位置が被写体に対して合焦された状態で撮像部10aが生成した画像データに対応するライブビュー画像LV53を表示部11に表示させる(図27(a)→図27(b)→図27(c)→図27(d))。これにより、ユーザが撮像装置1bに対してパンニング操作を行った場合、被写体に対して自動的にピント位置が調整されるので、再生時にぼけた画像が表示される。この結果、パンニング操作時における画像内で視覚的に視認可能な情報量を抑制させているので、動画撮影時または動画の再生時に視野領域が急激に変化したときであっても、ユーザに快適に視認させることができる。ステップS310の後、撮像装置1bは、ステップS312へ移行する。
ステップS311〜ステップS323は、上述した図12のステップS212〜ステップS224にそれぞれ対応する。
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、動画撮影時にパンニング操作やチルト操作によって視野領域が急激に変化した場合であっても、ユーザに快適に視認させることができる。
なお、本発明の実施の形態3では、抑制部222が撮像部10aによって生成された画像データの露出値を上げて表示部11で表示される画像を露出オーバとしていたが、たとえば、撮像部10aが生成する画像データの画素数を減らして表示部11に表示させてもよい。具体的には、抑制部222は、撮像装置1bに対してパンニング操作があった場合、撮像部10aが生成する画像データに対応する画像の画素数を抑制する画像処理を行って抑制画像データを生成し、表示制御部223は、抑制部222が生成した抑制画像データに対応するライブビュー画像を表示部11に表示させる。たとえば、図28に示すように、表示部11がライブビュー画像LV60を表示している場合において、撮像装置1bに対してパンニング操作があったとき、表示制御部223は、抑制部222が生成した抑制画像データに対応するライブビュー画像LV61,ライブビュー画像LV62を表示部11に順次表示させる。その後、表示制御部223は、パンニング操作が終わった時点で撮像部10aが生成した画像データに対応するライブビュー画像LV63を表示部11に表示させる(図28(a)→図28(b)→図28(c)→図28(d))。これにより、動画撮影時または動画の再生時に撮像装置1bの視野領域が急激に変化した場合であっても、パンニング操作中の画像の画素数を低下させて、ユーザが視認可能な情報量を低下させているので、ユーザに快適に視認させることができる。
(その他の実施の形態)
また、本発明に係る画像処理装置は、デジタル一眼レフカメラ以外にも、たとえデジタルカメラ、デジタルビデオカメラおよび撮像機能を有する携帯電話やタブレット型携帯機器等の電子機器、動画撮影時に視野領域を変更可能な顕微鏡装置および内視鏡装置のプロセッサ部にも適用することができる。
また、本発明に係る撮像装置は、本体部に対してレンズ部が着脱自在であってもよいし、本体部に対してレンズ部が一体的に形成されていてもよい。
また、本発明に係る画像処理装置に実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本発明に係る画像処理装置に実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。さらに、本発明に係る画像処理装置に実行させるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。