JP5767866B2 - 安全帯のランヤード接続用フック - Google Patents

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Description

本発明は、主として高所作業の際に使用する安全帯のランヤードに用いるフックに関するものであり、特には安全帯のランヤードと安全帯のベルトとを接続するためのフックに関する。
高所作業者用の安全帯は、胴ベルト型とハーネス型に大別され、一般的に作業者が身に付けるベルトと、ランヤードと呼ばれる構造物掛止用のフックを一端に備えたロープ(又はベルト)とから構成される。この作業者が身に付けるベルトとランヤードの接続には、ランヤードの他端が前記ベルトに直付けされたタイプや、フック等により取り外しができるタイプがある。いずれのタイプでも、通常、胴ベルト型安全帯の場合は腰部に設けられたD環(又はB環)に、ハーネス型安全帯の場合は背中に設けられたD環に接続される。ここで、ランヤードが取り外しできるタイプの場合であっても、構造物掛止用のフックは頻繁に取り外しを行うが、D環接続用のフックを取り外す頻度は低い。これは、保管されるときも一度ベルトのセットされたランヤードは、殆どの場合取り外されることがないからである。また、このD環接続用のフックは、作業の支障にならないように、フック等の金具を出来る限りコンパクト且つ軽量にすることが望まれている。
これらの安全帯は、万一作業者が落下したときに、その落下を阻止するものであるが、落下阻止時に人体に加わる荷重を低減するために、ショックアブソーバと呼ばれる衝撃緩衝体を備えたものが多い。また近年は、ランヤード自体に衝撃吸収機能を持たせた細幅織りベルトが、多く使用されるようになっている。この衝撃吸収機能付きベルトは、製造工程上、D環に直付けすることは困難であり、フック等でD環に接続されることが多い。また、必要な作業現場のみでランヤードを使用する場合も、ランヤードが取り外しできるタイプのハーネス型安全帯が使用されている。
ここで、安全帯に用いられている一般的なフックは、掛止対象物に掛ける鉤部、及びロープ等を連結するための環部を具備した本体と、鉤部を閉口するための外れ止め装置と、外れ止め装置の回動をロックするための安全装置とで構成されている。しかしながら、この構造では、外れ止め装置と安全装置とロープ等を連結するための環部が別々の位置にあるため、全長が長くなり、その結果として重くなる。そのため、安全帯として装着した場合、作業者に疲労がたまり易くなるので、できるだけコンパクトで軽量なフックが求められている。
また、前記の一般的なフックは、外れ止め装置と安全装置とを手で押さえて回動させる構造のため、極めて希ではあるが、何らかの外力が両方の装置に同時に加わると開口する可能性がある。特にハーネス型安全帯の場合はD環が背中に設けられているので、何らかの要因で外れ止め装置と安全装置とが開口してしまっても確認ができないため、危険性が増す。このようなことから、一般的なフックはランヤード接続用フックとして好ましくない。
従来の安全帯のランヤード接続用フックとしては、特許文献1の特開2006−116140号のものがある。これは、ロープの捩れ防止機能を有する安全帯のランヤード接続用フックを、軽量、コンパクトにしたものであるが、部品の構成自体は一般的なフックと同じであるので同様の危険性が残っており、且つD環へのフック掛止部分が平板であり、D環と接する幅が広いので、D環の円弧部分に沿っていない。よって、作業者が作業位置を移動するときに、ランヤードが作業者の左右方向に移動するが、このときにランヤード接続用フックがD環の円弧部分をスムーズに回動しないことがあり、作業の支障となることがある。また、D環との接触が平板の両端2点での局部接触になり易いので、部分摩耗による強度低下が懸念される。
また、ロープ同士を接続するための従来技術として、特許文献2の特許第2627858号のものがある。これは、安価なロープの結合具を提供するために、鉤部が互いに対向する2つのフック体をプラスチックで成型し、基部に通したロープを中心として回動できるように2つの鉤部を組み合わせ、両鉤部が重なった状態に保持するストッパを設けたものであるが、安全帯のランヤード接続用フックとして用いるための幾つかの性能が不足している。例えば、落下衝撃荷重に耐えうる強度や耐荷重機構、十分な安全性を備えたロック装置、荷重の負荷のオン・オフが繰り返されたときの耐久性等である。
特開2006−116140号公報 特許第2627858号公報
本発明が解決しようとする主な問題点は、安全帯に用いられている一般的なフックは全長が長く、そのために重くなる点である。また特許文献2の技術は、ロープに張力が加わっているときに外れないことを主とし、部品点数が少なく安価なことを目的とする技術的思想のものであり、安全帯のランヤード接続用フックとして備えるべき性能が不足しているために接続用フックとしては用いられない点が課題である。
また、外れ止め装置と安全装置とを手で押さえて回動させる一般的なフックの構造では、極めて希ではあるが、何らかの外力が両方の装置に同時に加わると開口する可能性がある点が課題である。
そこで本発明は、掛止・解除の頻度が比較的低い安全帯のランヤード接続用フックとして、全長を短くしたコンパクトで軽量なフックであり、且つ安全帯用フックとしての強度と耐久性、並びに十分な安全性を備えたフックの提供を目的としている。
上記目的を達成するため、安全帯のランヤードと安全帯のベルトとを接続する接続用フックを、鉤部が互いに対向する2ケのフック体で構成し、それぞれの基部側に設けた正円の連結孔を中心に2ケのフック体が回動して重合し、そのときに荷重を2ケのフック体で分担して受けさせる。そのため、一方の第1フック体は間隔をあけて平行に配置した略同一の平面形状を持つ2枚の板状部分である2枚の立片と、該2枚の立片の一部の外周部を繋ぐ板状の連結部分である連結辺で構成することにより、該2枚の立片と連結辺を横断する断面をコの字形状に形成し、他方の第2フック体が回動して第1フック体の中に重合収納するようにしている。
この方式は従来から開示されている技術であるが、本発明は、同心的に配置された第1フック体の連結孔と第2フック体の連結孔に、同時に中空軸体を配置し、第2フック体をその連結孔を中心に回動自在として、中空軸体を第1フック体のコの字形状を形成する2枚の立片に軸止している。ここで、中空軸体の内径は安全帯のランヤード用ベルトが挿通できる径であり、この中空軸体は、第1フック体と第2フック体が回動するための軸と、安全帯のランヤード用ベルトを連結するための環を兼ねているので、接続用フックの全長を短く、コンパクトにできる。
また、第1フック体の鉤部に荷重保持体を設け、第2フック体の鉤部に荷重保持体に嵌合する嵌合用切り込みを設け、第2フック体が基部側に設けた連結孔を中心に回動して第1フック体のコの字形状を形成する2枚の立片間に重合収納されて、対向した2ケのフック体の鉤部によって内周が合致した重合掛止孔が形成され、これと同時に第1フック体の荷重保持体と第2フック体の嵌合用切り込みとが嵌合するように構成されている。このように2ケのフック体が重合したときに、荷重保持体に嵌合用切り込みが嵌合することにより、荷重負荷時に単体では片持ち状態である第1フック体の鉤部が両持ち状態となり強度的に有利となる。更に第2フック体の鉤部に加わる荷重は、鉤部内側の溝底部と嵌合用切り込みに分担されて強度的に有利となる。従って、安全帯のランヤード接続用フックとしての強度を有するための部材を軽量化できる。
次に2ケのフック体の重合をロックする機構として、第2フック体の基部に連結孔を中心として鉤部方向に張り出したカム状部材を設け、そのカム状部材の張出部頂点より鉤部基部端までの張出部分を切欠してロック辺を形成する。このロック辺と係合するロック爪を、第1フック体の基部近傍に、第1フック体を形成するコの字形状を形成する2枚の立片間で回動自在に軸止し、そのロック爪がカム状部材を押圧する方向に付勢するバネを配置する。ここで、第2フック体が基部側に設けられた連結孔を中心に回動して第1フック体に重合収納され、対向する2ケのフック体の鉤部によって内周が合致した重合掛止孔が形成されるときに、ロック辺とロック爪とが係合することにより、2ケのフック体で形成された重合掛止孔が保持される。
このように第1フック体と第2フック体が回動するための軸が、カム状部材及びロック辺が回動するための軸を兼ねているので、接続用フックの全長を短く、コンパクトにできる。また、ロック辺とロック爪とを係合することにより、2ケのフック体で形成された重合掛止孔が確実に保持できる。
更に、ロック爪を第1フック体に軸止する爪軸を第1フック体のコの字形状を形成する2枚の立片の外側に突出させ、その突出部分に開放つまみを設けて、爪軸とロック爪を固着している。この開放つまみをバネの付勢に抗して回動することにより、ロック辺とロック爪との係合を解除できる。ここで、開放つまみを突起のない形状にして、作業者が自分の意志により摘んで廻さないと回動しないようにすることにより、意図せず外れる可能性を極めて低くできる。
本発明の接続用フックは、中空軸体が第1フック体と第2フック体が回動するための軸と安全帯のランヤード用ベルトを連結するための環を兼ねること、及び第1フック体と第2フック体が回動するための軸がカム状部材及びロック辺が回動するための軸を兼ねることで、コンパクト化と軽量化が図れる。また、2ケのフック体が重合したときに、荷重保持体と嵌合用切り込みが嵌合することにより、荷重が負荷されたとき、第1フック体の鉤部は片持ちが両端支持となり、第2フック体の鉤部は曲げ荷重が少なくなるので、安全帯のランヤード接続用フックとしての強度を有しつつ、大幅な軽量化が図れる。更に、2ケのフック体の重合時には、ロック辺とロック爪とが係合して2ケのフック体で形成された重合掛止孔を保持し、重合解除のためのロック爪の回動を開放つまみで行うことにより、意図せず外れる可能性が極めて低く、十分な安全性を備えている。また、本発明の接続用フックは、構造が簡単で部品点数が少ないので、低コストで製造が可能である。
本発明の実施形態に係る接続用フック1が「開状態」で示された斜視図である。 本発明の実施形態に係る接続用フック1が「閉状態」で示された斜視図である。 本発明の実施形態に係る接続用フック1が「開状態」で示された一部断面の正面図及びロック爪16の断面図である。 本発明の実施形態に係る接続用フック1が「閉状態」で示された一部断面の正面図及びA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る接続用フック1のハーネス型安全帯3への接続状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るリベット連結式接続用フック2が「開状態」で示された斜視図である。 本発明の実施形態に係るリベット連結式接続用フック2が「閉状態」で示された斜視図である。 本発明の実施形態に係るリベット連結式接続用フック2の胴ベルト型安全帯7への接続状態を示す説明図である。 ベルト式ランヤードに使用されている従来のフック6を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施の形態について説明する。図1及び図2は本発明の実施形態に係る接続用フック1が「開状態」及び「閉状態」で示された斜視図であり、図3(a)及び(b)は同じく「開状態」で示された一部断面の正面図及びロック爪16の断面図であり、図4(a)及び(b)は同じく「閉状態」で示された一部断面の正面図及びA−Aの断面図である。これらの図に示すように、接続用フック1は、第1フック体11、第2フック体12、荷重保持体13、中空軸体15、開放つまみ162を有し爪軸161に固着されたロック爪16、並びにバネ17から構成される。
尚、「閉状態」とは第1フック体11と第2フック体12が重合した状態をいい、「開状態」とは第1フック体11と第2フック体12の重合が解かれた状態をいう。
図1乃至図4に示すように、第1フック体11は間隔をあけて平行に配置した略同一の平面形状を持つ2枚の板状部分である2枚の立片と、該2枚の立片の一部の外周部を繋ぐ板状の連結部分である連結辺で構成することにより、断面をがコの字形状に形成され、一端側である基部側に連結孔112が設けられ、他端側に鉤部111が設けられている。また、第2フック体12は平板形状に形成され、一端側である基部側に連結孔122が設けられ、他端側に鉤部121が設けられている。これら連結孔112と連結孔122を、それぞれ回動の中心として、第2フック体12が第1フック体11のコの字形の中に重合収納され、開状態から閉状態となる。図4(a)に示すように、この閉状態のときに重合掛止孔14が形成される。以後、この方式を「フック体重合方式」という。
図9はベルト式ランヤードに使用されている従来のフック6を示す説明図である。このフック6は、安全帯に用いられている代表的なフックの方式であり、掛止対象物に掛ける鉤部62とランヤード用ベルト4等を連結するための環部を具備したフック本体61と、鉤部62を閉口するための外れ止め装置63と、外れ止め装置63の回動を阻止する安全装置64とで構成されている。この安全装置64が定位置にあるときは外れ止め装置63が回動しないが、安全装置64を回動させて別位置にすることにより外れ止め装置63が回動する。
このフック6に大きな荷重が加わったときにフックとしての機能を失う時点は、フック本体61の鉤部62がある程度変形すると、鉤部62と外れ止め装置63との間に隙間が生じ、掛止対象物が外れる可能性が生じる時点である。(安全帯のフックは、生じた隙間が定められた大きさになった状態を破断状態と定めている。)これに対して、フック体重合方式は、2つのフック体11,12の鉤部111,121が相対した状態で重なっているので、両方のフック体11,12の鉤部111,121が完全に切断するか、180°近く変形しないと開口しない。従って、強度的に有利な構造である。
また、従来のフック6の構造では、外れ止め装置63と安全装置64とランヤード用ベルト4等を連結するための環部が別々の位置にあるため、全長が長くなり、その結果として重くなる。そのため、安全帯として装着した場合、作業者に疲労がたまり易くなるので、できるだけコンパクトで軽量な接続用フック1が求められている。
本発明の基本となるフック体重合方式は従来から開示されている技術であるが、本発明は、第1フック体11の連結孔112,112と第2フック体12の連結孔122とに、中空軸体15を内嵌する。第2フック体12の連結孔122は、第2フック体12が中空軸体15を中心に回転できるよう、中空軸体15の外径より大きい孔とされており、第2フック体12を回動自在として、中空軸体15を第1フック体11のコの字形状を形成する2枚の立片113,113に軸止(図4(b)参照)している。また、この中空軸体15の内径は安全帯のランヤード用ベルト4が挿通できる径であり、この中空軸体15は、第1フック体11と第2フック体12が回動するための軸と、安全帯のランヤード用ベルト4を連結するための環を兼ねているので、接続用フック1の全長を短く、コンパクトにできる。
尚、本実施例では、図4(b)に示すように、第2フック体12が回動するための間隔を保持するため、第1フック体11のコの字形状を形成する2枚の立片113,113間にスペーサーカラー151を配置しているが、これは必須条件ではない。
また、第1フック体11は板材を折曲してコの字形状に形成しているが、コの字形状とせず、板材2枚で間隔を保つようにしてもよく、ロストワックス等で製作してもよい。更に本実施例では、第1フック体11の2枚の立片と連結辺で形成する断面をコの字形状とし、第2フック体12を平板形状に形成したが、第1フック体11と第2フック体12の両方をコの字形状とし、それぞれ一方のコの字形状を形成する立片が他方のコの字の中に収納されるようにしてもよい。但し、材質は定められた強度(11.5kN以上の引張強度)を有さなければならないので、鉄製やアルミ製が望ましい。ここで「定められた強度」とは、「安全帯の規格」及び「安全帯構造指針」に定められた規格値である。
図3(a)乃至図4(b)に示すように、第1フック体11は、鉤部111の先端近傍のコの字形状を形成する2枚の立片113,113に第1貫通孔を設け、そこに荷重保持体13が軸止されている。また、第2フック体12の鉤部121に荷重保持体13の径より大きい幅の嵌合用切り込み123が設けられている。この第2フック体12が基部側に設けた連結孔122を中心に回動して第1フック体11のコの字形の中に重合収納されて、対向する第1、第2のフック体11,12の鉤部111,121によって内周が合致した重合掛止孔14が形成される(図4(a)参照)と同時に、第1フック体11の荷重保持体13と第2フック体12の嵌合用切り込み123とが嵌合するように構成されている。
このように第1フック体11と第2のフック体12が重合したときに、荷重保持体13と嵌合用切り込み123とが嵌合することにより、荷重負荷時に単体では鉤部111が片持ち状態である第1フック体11の鉤部111が両持ち状態(両端支持)となる。従って、安全帯のランヤードを接続する接続用フック1としての強度を有するための部材を軽量化できる。ここで、第1フック体11の鉤部111のコの字形状を形成する2枚の立片113,113に設ける第1貫通孔の位置は、荷重負荷時にフック1が前記の定められた強度(11.5kN以上の引張強度)を有し、且つ出来る限りコンパクトとなるよう計算及び実験で算出された位置である。
一方、第2フック体12に荷重が加わるとき、単体では鉤部内側の溝底部126一箇所で荷重を受けるが、重合状態では溝底部126と嵌合用切り込み123に分担される。しかも、溝底部126に加わる荷重は大きな曲げ荷重となる(曲げモーメントが大きい)が、嵌合用切り込み123に加わる荷重は殆どが引張荷重となって、曲げ荷重は小さく(曲げモーメントが小さい)なり、これは強度的に非常に有利である。また、この第2フック体12の鉤部121に設ける嵌合用切り込み123の深さ及び幅も、第1フック体11と同様に荷重負荷時にフック1が前記の定められた強度を有し、且つ出来る限りコンパクトとなるよう計算及び実験で算出された位置である。
ここで、本発明の接続用フック1が従来のフック6に比して強度的に有利なことを再度説明する。先ず、基本構造であるフック体重合方式は、2ケのフック体11,12の鉤部111,121が完全に切断するか、180°近く変形しないと開口しないので、強度的に有利な構造である。更に、従来のフック6は片持ちの曲がり梁であるが、第1フック体11は両端支持ばりとなりモーメントが小さくなり(単純計算で片持ちばりの1/4)、荷重保持体13を強くすれば第2フック体12に加わる荷重はかなりの割合で引張荷重となる。本発明の接続用フック1は、この利点を生かして各部品の大幅な軽量化が図れる。
また、荷重保持体13は、第2フック体12が回動して第1フック体11の中に収納され重合掛止孔14が形成されるときに第1フック体11と第2フック体12との位置を決める「開→閉の当たり」の役割も果たしている。つまり、作業者は、第1フック体11を固定し、荷重保持体13と嵌合用切り込み123の底が当たるまで第2フック体12を回動させることで、重合掛止孔14を形成できる。
尚、本実施例では、第1フック体11に第1貫通孔を設け、荷重保持体13をピン状のリベットで構成して第1フック体11に軸止したが、ボルトで締結してもよい。また、第1フック体11を形成する板材をコの字形状の内側に折り曲げて荷重保持体13としてもよい。また図示しないが、本実施例とは逆の方式で、第2フック体12に荷重を保持する部材を設け、第1フック体11に切り込みを設けても効果は同じである。
続いて、第1フック体11と第2フック体12との重合をロックする機構について説明する。図1及び図3(a)に示すように、第2フック体12は、その基部に連結孔122を中心として鉤部121方向に張り出したカム状部材124が設けられ、そのカム状部材124の張出部頂点より鉤部121の基部側に、急激に陥入してロック辺125を形成した切欠が施されている。本実施例では、カム状部材124の張出部頂点より鉤部121の基部端までの張出部分を切欠してロック辺125を形成している。
言い換えると、カム状部材124は第2フック体12に一体的に設けられており、連結孔122との同心円を基円部分(張り出していない部分)として、円周の約1/4が張り出されたカム状であり、その張出部頂点より片側の張出部分を、鉤部121の基部端付近まで切欠し、張出部頂点より連結孔122の中心に向かうロック辺125が形成されている。
また、第1フック体11には、その基部近傍に第2貫通孔が設けられており、第2フック体12のロック辺125と係合するロック爪16が、第1フック体11のコの字形状を形成する2枚の立片113,113の間で回動自在に、爪軸161により軸止されている。そして、第1フック本体11を形成する連結辺114とロック爪16との間にバネ17が配置されて、ロック爪16が第2フック体12のカム状部材124を押圧する方向に付勢している。これにより、作業者が、第1フック体11を固定し、第2フック体12を回動させたとき、カム状部材124と接触しているロック爪16は、バネ17に抗して徐々に押し上げられ、ロック辺125の位置で急激に係合して、閉状態が保たれるようロックされる。このロック辺125とロック爪16とが係合したときに、それぞれの係合面の傾斜(角度)が合うように、ロック辺125の係合面とロック爪16の係合面が形成されている。
このように、第1フック体11のロック爪16と第2フック体12のロック辺125が係合することにより、第1フック体11の鉤部111と第2フック体12の鉤部121との内周が合致して形成された重合掛止孔14が保持される。
本発明は、第1フック体11と第2フック体12が回動するための軸と、カム状部材124及びロック辺125が回動するための軸とを兼ねているので、接続用フック1の全長を短く、コンパクトにできる。また、カム機構を採用してロック辺125とロック爪16とを係合することにより、第1フック体11と第2フック体12とで自動的に重合掛止孔14が形成され、形成された重合掛止孔14が確実に保持できる。
図3(a)及び(b)に示すように、ロック爪16を第1フック体11に軸止する爪軸161は、第1フック体11のコの字形状を形成する2枚の立片113の一方の外側に突出した形状であり、その突出部に開放つまみ162が一体的に設けられており、ロック爪16が開放つまみ162を有する爪軸161に固着されている。作業者は、この開放つまみ162をバネ17の付勢に抗して回動させることにより、ロック辺125とロック爪16との係合を解除できる。また、この開放つまみ162は突起のない形状とされており、作業者が摘んで廻さないと回動しない構造となっているので、作業中に構造物と接触したりしても、意図せず外れる可能性が極めて低い。
尚、本実施例では、開放つまみ162を爪軸161と一体的に形成したが、爪軸161と別体で製作して、爪軸161に固着してもよい。
また、本実施例では、爪軸161に開放つまみ162を設け、バネ17の付勢に抗して開放つまみ162が回動することにより、ロック辺125とロック爪16との係合が解除される構造であるが、ロック爪16と一体で形成、またはロック爪16に固着した開放用のレバーを連結辺114等より突出するように設けてもよい。
図5は、本発明の実施形態に係る接続用フック1のハーネス型安全帯3への接続状態を示す説明図である。図5に示すように、ランヤード用ベルト4に連結された接続用フック1は、ハーネス型安全帯3の背中部分に設けられたD環5に掛止される。この接続用フック1は、意図せず外れることがないための設計手法として、掛止する際の操作性を重視していないが、コンパクトで軽量であり、作業の支障となることが少ない。また、特許文献1のランヤード接続用フックに比べ、本発明のD環5への掛止部分である重合掛止孔14は、D環5の円弧部分に沿ってスムーズに移動できる。従って、作業者が作業位置を移動するときに、ランヤードが作業者の左右方向に移動しても、作業の支障となることが抑制される。
以上のように、本発明の接続用フック1は、中空軸体15が第1フック体11と第2フック体12が回動するための軸と安全帯のランヤード用ベルト4を連結するための環を兼ねており、また、第1フック体11と第2フック体12が回動するための軸とカム状部材124及びロック辺125が回動するための軸とを兼ねているので、コンパクト化と軽量化が図れる。また、第1フック体11と第2フック体12が重合したときに、荷重保持体13と嵌合用切り込み123が嵌合することにより、安全帯のランヤードを接続するフックとしての強度を有しつつ、更に大幅な軽量化が図れる。このように、機能・強度・安全性等に必要な部品を兼用しているので、部品点数が少なくなり、低コストでの製造が可能である。特にハーネス型安全帯3の場合は、D環5が背中に設けられているため、接続用フック1の掛止状態が確認できないため危険性が高いが、本発明の接続用フック1を使用することにより、意図せず外れる可能性が極めて低くなり、十分な安全性を確保できる。
図6乃至図8は、前記実施形態の変形例であるリベット連結式接続用フック2が「開状態」及び「閉状態」で示された斜視図、並びに胴ベルト型安全帯7への接続状態を示す説明図である。図8に示すように、リベット連結式接続用フック2はランヤード収納体8にリベット81を軸止することにより連結され、胴ベルト型安全帯7のB環71に掛止される。
図6及び図7に示すように、リベット連結式接続用フック2の構成要素は接続用フック1と同じであり、第1フック体(リベット連結式)21、第2フック体(リベット連結式)22、中空軸体(リベット連結式)25等より構成される。接続用フック1との相違点は、接続用フック1の中空軸体15にはランヤード用ベルト4が挿通されるが、リベット連結式接続用フック2の中空軸体25にはリベット81が挿通される点である。従って、中空軸体25の内径は、リベット81を挿通して、ランヤード収納体8が回動可能に軸止できる径である。
1 接続用フック
11 第1フック体
111 鉤部
112 連結孔
113 コの字形状を形成する2枚の立片
114 連結辺
12 第2フック体
121 鉤部
122 連結孔
123 嵌合用切り込み
124 カム状部材
125 ロック辺
13 荷重保持体
14 重合掛止孔
15 中空軸体
151 スペーサーカラー
16 ロック爪
161 爪軸
162 開放つまみ
17 バネ
2 リベット連結式接続用フック
21 第1フック体(リベット連結式)
22 第2フック体(リベット連結式)
25 中空軸体(リベット連結式)
3 ハーネス型安全帯
4 ランヤード用ベルト
5 D環
6 従来のフック
7 胴ベルト型安全帯
8 ランヤード収納体

Claims (3)

  1. 安全帯のランヤードと安全帯のベルトとを接続するために、基部側に設けた連結孔を中心に回動する、鉤部が互いに対向する2ケのフック体から成り、一方の第1フック体を、間隔をあけて平行に配置した略同一の平面形状を持つ2枚の板状部分である2枚の立片と、該2枚の立片の一部の外周部を繋ぐ板状の連結部分である連結辺で構成することにより、該2枚の立片と連結辺を横断する断面をコの字形状に形成し、他方の第2フック体を第1フック体の前記コの字形状の中に収納するようにした接続用フックであって、
    同心的に配置された前記第1フック体の連結孔と前記第2フック体の連結孔に、同時に中空軸体を配置し、前記第2フック体を該連結孔を中心に回動自在とし、前記中空軸体が前記第1フック体の前記2枚の立片に設けた前記連結孔に軸止されており、前記中空軸体の内径が安全帯のランヤード用ベルトが挿通できる径とされており、
    前記第1フック体の鉤部に2枚の立片間を橋絡状態に配置された荷重保持体が設けられ、前記第2フック体の鉤部に前記荷重保持体に嵌合する嵌合用切り込みが設けられており、
    前記第2フック体が基部側に設けた連結孔を中心に回動して前記第1フック体の中に重合収納され、対向する2ケのフック体の鉤部によって内周が合致した重合掛止孔が形成され、同時に前記第1フック体の荷重保持体と前記第2フック体の嵌合用切り込みとが嵌合するように構成されていることを特徴とする安全帯のランヤード接続用フック。
  2. 前記第2フック体の基部に、前記連結孔を中心として鉤部方向に張り出したカム状部材が設けられており、該カム状部材の張出部頂点より鉤部基部側に、急激に陥入してロック辺を形成した切欠が施されており、
    前記ロック辺と係合するロック爪が、前記第1フック体の基部近傍に、該第1フック体を形成する前記2枚の立片間で回動自在に軸止されており、
    バネが、前記カム状部材を前記ロック爪が押圧する方向に付勢するよう配置されており、
    前記第2フック体が基部側に設けられた連結孔を中心に回動して前記第1フック体に重合収納され、対向する2ケのフック体の鉤部によって内周が合致した重合掛止孔が形成され、同時に前記ロック辺と前記ロック爪とが係合することにより、2ケのフック体で形成された前記重合掛止孔が保持されることを特徴とする請求項1に記載の安全帯のランヤード接続用フック。
  3. 前記ロック爪を前記第1フック体に軸止する爪軸が、該第1フック体の前記2枚の立片の片方の外側に突出しており、該突出部分に開放つまみが設けられ、前記ロック爪が前記爪軸に固着されており、
    前記バネの付勢に抗して前記開放つまみが回動することにより、前記ロック辺と前記ロック爪との係合が解除されることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の安全帯のランヤード接続用フック。
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