JP5766724B2 - 弾性ポリマーブレンド及びそれらの製造方法 - Google Patents

弾性ポリマーブレンド及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本明細書の実施態様は弾性ブレンド及びこのような弾性ブレンドの製造方法、更に特別には、プロピレンをベースとするエラストマーのブレンドに関する。
ポリオレフィンポリマー及びポリマーブレンドは多種の用途におけるそれらの多用性及び適用可能性について知られている。特に、多くのポリオレフィンポリマー(プロピレンとエチレンの如きその他のα-オレフィンのコポリマーを含む)が、良好な延伸性、弾性、及び強度を必要とする適用における使用に良く適している。このようなポリマーはしばしば2種以上のプロピレンコポリマーのブレンドを含み、2種以上のコポリマーを機械的にブレンドすることにより、又はコポリマーのインライン反応器ブレンドにより製造し得る。
従来技術で知られている多くのポリオレフィンブレンドは中間貯蔵目的のためにペレットに成形され、その後に物品、例えば、繊維、フィルム、不織布、押出被覆物、及び成形物品に成形される。しかしながら、これらの組成物の幾つかが時間の延長された期間にわたって不十分なペレット安定性を示し、ペレットの凝集をもたらし、ペレットの不十分な注型適性及び流動性を生じることが知られている。このようなポリオレフィンコポリマーのインライン反応器ブレンドの生成がポリマーペレットの安定性特性を改良すると示されていたが、このようなペレットは依然として輸送及び長期貯蔵中に凝集する傾向を有し、こうして易流動性ペレットが必要とされる場合には処理の問題を呈する。結果として、多くの既知のポリオレフィンブレンドペレットが凝集を防止するために、低密度ポリエチレンダストのように、ダスチングされる。しかしながら、このようなダストの使用は或る種の適用に問題であり得る。何となれば、それらがフィルム中のゲルレベルを増大し、食品接触適用における使用に許容できず、又はプラント環境中の増大されるダストのために清掃問題を生じ得るからである。更に、このような既知のポリマーブレンドの典型的に低い融点がしばしば長期貯蔵中にポリマーペレットの平坦化又はその他の変形をもたらし、これがまた易流動性であるポリマーブレンドの能力に悪影響する。
こうして、望ましい延伸性、弾性、及び強度特性を維持しつつ上昇した融点を有するポリオレフィンポリマーブレンドについての要望が依然としてある。更に、長期ペレット安定性を有し、かつダスチングされないで易流動性であるこのような改良されたポリマーブレンドから成形されたペレットについての要望がある。
それ故、本明細書に記載された実施態様の目的はポリオレフィンポリマーブレンドの生成方法及びこれらの方法における使用のための触媒系を提供することであり、この場合、得られるポリマーは許容し得る機械的性質及び長期ペレット安定性を有する。理想的には、このような触媒系はまた(プロピレン)重合条件下で高い触媒活性を示すべきである。更に、本明細書に記載された実施態様の目的は本明細書に記載された方法及び触媒系から製造されたポリマー組成物を提供することである。これらのポリマー組成物は同じコモノマー含量を有する従来知られているポリマーと較べて有利に狭い組成分布及び高い融点を示す。結果として、本明細書に記載されたポリマーは種々の最終使用適用に所望される改良された性質、例えば、ペレット安定性、弾性、及びその他の機械的性質を示す。
本明細書に記載された実施態様はポリマーブレンド及びそれらの製造方法に関する。一つ以上の実施態様において、本明細書に記載された実施態様は第一ポリマー及び第二ポリマーを含むポリマーブレンドを含む弾性ポリマー組成物に関するものであり、この場合、第一ポリマーは70〜90質量%のプロピレンから誘導された単位及び10〜30質量%のエチレン及び/又はC4-C10α-オレフィンから誘導された単位を含み、また第二ポリマーは88〜98質量%のプロピレンから誘導された単位及び2〜12質量%のエチレン及び/又はC4-C10アルファ-オレフィンから誘導された単位を含む。これらの弾性ポリマー組成物は更に二つ以上の下記の性質を特徴とする:75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;110℃〜145℃の融点;45℃より高いビカー軟化点;500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して)、又は促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力。
更なる実施態様において、本明細書に記載された実施態様はモノマーを第一反応器中で重合して第一ポリマーを含む溶液を生成し、モノマーを第二反応器中で重合して第二ポリマーを含む溶液を生成し、第一ポリマー溶液を第二ポリマー溶液と合わせてポリマーブレンド溶液を生成し、そのポリマーブレンド溶液を処理(processing)して弾性ポリマー組成物を製造することを含む弾性ポリマー組成物の製造方法に関する。このような方法において、第一ポリマーは70〜90質量%のプロピレンから誘導された単位及び10〜30質量%のエチレン及び/又はC4-C10α-オレフィンから誘導された単位を含み、第二ポリマーは88〜98質量%のプロピレンから誘導された単位及び2〜12質量%のエチレン及び/又はC4-C10アルファ-オレフィンから誘導された単位を含み、その弾性ポリマー組成物は二つ以上の下記の性質を特徴とする:75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;110℃〜145℃の融点;45℃より高いビカー軟化点;500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して)、又は促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力。これらの実施態様又はその他の実施態様において、第一反応器及び第二反応器中で使用される触媒は互いに異なる。
種々の触媒系を使用して調製された一連のポリマーブレンドについてのエチレン含量の関数としての融解温度を示す。
本明細書に記載された実施態様はポリオレフィンポリマーブレンド及びそれらの製造方法に関する。更に特別には、本発明の実施態様は第一反応器中で生成された第一のプロピレンをベースとするポリマーと第二反応器中で生成された第二のプロピレンをベースとするポリマーのブレンドを含む。本明細書に記載されたポリマーブレンドは単一反応器中で調製された同様のブレンドと較べた場合に改良されたペレット安定性を示し、かつ格別の機械的性質及び弾性特性を有する。更に、本明細書に記載されたポリマーブレンドは早期の二重反応器方法で調製された同様のブレンドより高い融点を有し、こうして同様の二重反応器方法に対してペレット安定性特性の改良を与える。ポリマーブレンド、それらの製造方法、及びこれらの方法で使用される触媒系が以下に大いに詳しく記載される。
ポリマーを含むブレンド
好ましい実施態様において、第一ポリマーが第一反応器中で調製され、また第二ポリマーが第二反応器中で調製される。第一ポリマー及び第二ポリマーは典型的にはオレフィンをベースとするポリマーであり、或る実施態様では、夫々がプロピレンをベースとするホモポリマー又はコポリマーである。本明細書に使用される“コポリマー”という用語は少なくとも2種の異なるコモノマー型(α-オレフィン及びジエンから誘導されたコモノマーを含む)を共重合することにより調製される物質を意味することが意図されている。一種以上のその他の異なるコモノマー型がまたコポリマー中に含まされてもよく、その結果、コポリマーの定義はターポリマーだけでなく、4種以上の異なるコモノマー型を含むコポリマーを含む。本明細書に使用される“モノマー”又は“コモノマー”という用語はポリマーを生成するのに使用されるモノマー、即ち、重合の前の形態の未反応の化学化合物を表すことができ、またそれがポリマーにとり込まれた後のモノマー(また本明細書で“[モノマー]誘導単位と称される)を表し得る。異なるモノマーが本明細書で説明され、プロピレンモノマー及びエチレンモノマーを含む。
本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが夫々プロピレンと一種以上のコモノマーのコポリマーである。コモノマーは線状又は分岐であってもよい。一つ以上の実施態様において、線状コモノマーとして、エチレン又はC4-C10α-オレフィン(1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、及び1-デセンを含むが、これらに限定されない)が挙げられるかもしれない。分岐コモノマーとして、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、及び3,5,5-トリメチル-1-ヘキサンが挙げられるかもしれない。一つ以上の実施態様において、コモノマーとして、スチレンが挙げられる。
或る実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが夫々プロピレンとエチレンのコポリマーである(またその他のコモノマーを同様に含んでもよい)。例えば、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じであってもよく、また異なっていてもよく、夫々が60質量%から98質量%までのプロピレンから誘導された単位及び2質量%から40質量%までのエチレンから誘導された単位を含んでもよい。或る実施態様において、第一ポリマーが5質量%から40質量%までのエチレン誘導単位、もしくは8質量%から35質量%までのエチレン誘導単位、又は10質量%から30質量%までのエチレン誘導単位を含んでもよい。同じ又はその他の実施態様において、第二ポリマーが2質量%から12質量%までのエチレン誘導単位、又は3質量%から8質量%までのエチレン誘導単位を含んでもよい。本明細書に記載された実施態様の一実施態様において、第一ポリマーが第二ポリマーより大きいエチレン含量を有する。例えば、第一ポリマーが第二ポリマーより少なくとも5質量%、もしくは少なくとも10質量%、又は少なくとも15質量%、或いは少なくとも20質量%多いエチレン誘導単位を含んでもよい。
本明細書の一つ以上の実施態様において、第二ポリマーが一層少ない量のエチレンを含んでもよく、その結果、第二ポリマーがエチレンとプロピレンのランダムコポリマー(RCP)であってもよい。RCP 及びそれらの典型的な性質が当業界で公知である。例示のRCP は典型的には2〜8質量%のコモノマー、又は2.5〜5質量%のコモノマーを含む。一つ以上の実施態様において、RCP コモノマーがエチレンである。
必要により、第一ポリマー及び第二ポリマーがまた一種以上のジエンを含んでもよい。“ジエン”という用語は二つの不飽和部位を有する炭化水素化合物、即ち、炭素原子を連結する二つの二重結合を有する化合物と定義される。状況に応じて、この特許中の“ジエン”という用語は重合前のジエンモノマー(例えば、重合媒体の一部を形成する)、又は重合が始まった後のジエンモノマー(また、ジエンモノマー単位又はジエン誘導単位と称される)を広く表す。本明細書に記載された実施態様における使用に適した例示のジエンとして、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン(例えば、1,4-ヘキサジエン)、ヘプタジエン(例えば、1,6-ヘプタジエン)、オクタジエン(例えば、1,7-オクタジエン)、ノナジエン(例えば、1,8-ノナジエン)、デカジエン(例えば、1,9-デカジエン)、ウンデカジエン(例えば、1,10-ウンデカジエン)、ドデカジエン(例えば、1,11-ドデカジエン)、トリデカジエン(例えば、1,12-トリデカジエン)、テトラデカジエン(例えば、1,13-テトラデカジエン)、ペンタデカジエン、ヘキサデカジエン、ヘプタデカジエン、オクタデカジエン、ノナデカジエン、イコサジエン、ヘネイコサジエン、ドコサジエン、トリコサジエン、テトラコサジエン、ペンタコサジエン、ヘキサコサジエン、ヘプタコサジエン、オクタコサジエン、ノナコサジエン、トリアコンタジエン、及び1000g/モル未満の分子量(Mw)を有するポリブタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖非環式ジエンの例として、1,4-ヘキサジエン及び1,6-オクタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。分岐鎖非環式ジエンの例として、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、及び3,7-ジメチル-1,7-オクタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。単環脂環式ジエンの例として、1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シクロオクタジエン、及び1,7-シクロドデカジエンが挙げられるが、これらに限定されない。多環脂環式縮合環ジエン及び橋かけされた環ジエンの例として、テトラヒドロインデン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ(2.2.1)ヘプタ-2,5-ジエン、並びにアルケニル-、アルキリデン-、シクロアルケニル-、及びシクロアルキリデンノルボルネン[例えば、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン、及び5-ビニル-2-ノルボルネンを含む]が挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルケニル置換アルケンの例として、ビニルシクロヘキセン、アリルシクロヘキセン、ビニルシクロオクテン、4-ビニルシクロヘキセン、アリルシクロデセン、ビニルシクロドデセン、及びテトラシクロドデカジエンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、ジエンが5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、1,4-ヘキサジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、1,6-オクタジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、1,3-シクロペンタジエン、1,4-シクロヘキサジエン、ビニルノルボルネン(VNB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、及びこれらの組み合わせから選ばれる。一つ以上の実施態様において、ジエンがENB である。
一種以上のジエンが含まれる場合、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なる量のジエン誘導単位を含んでもよい。或る実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが夫々0.05質量%から6質量%までのジエン誘導単位を含む。更なる実施態様において、第一ポリマーが0.5質量%から5.0質量%までのジエン誘導単位、又は1.0質量%から3.0質量%までのジエン誘導単位を含む。同じ又は異なる実施態様において、第二ポリマーが0.1質量%から1.0質量%までのジエン誘導単位を含む。
第一ポリマー及び第二ポリマーが5,000,000g/モル以下の重量平均分子量(Mw)、3,000,000g/モル以下の数平均分子量(Mn)、10,000,000g/モル以下のz平均分子量(Mz)、及びアイソタクチックポリプロピレンを基準線として使用してポリマーの重量平均分子量(Mw)で測定して0.95以上のg'インデックスを有してもよく、これらの全てがゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定し得る。分子量は示差屈折率検出器(DRI)又は低角レーザー光散乱(LALLS)検出器と共に通常のGPCを使用して測定されてもよい。分子量、例えば、Mnの一層低いモーメントが、DRIを使用して得られる。一層高いモーメント、例えば、Mw及びMzが、DRIを使用して得られる。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なるMwを有し、夫々が5,000〜5,000,000g/モルのMw、もしくは10,000〜1,000,000のMw、又は20,000〜500,000のMw、或いは50,000〜400,000のMWを有し、この場合、Mwは本明細書に記載されるように測定される。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なるMnを有してもよく、夫々が2,500〜2,500,000g/モルのMn、もしくは5,000〜500,000のMn、又は10,000〜250,000のMn、或いは25,000〜200,000のMnを有し、この場合、Mnは本明細書に記載されるように測定される。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なるMzを有し、夫々が10,000〜7,000,000g/モルのMz、もしくは50,000〜1,000,000のMz、又は80,000〜700,000のMz、或いは100,000〜500,000のMzを有し、この場合、Mzは本明細書に記載されるように測定される。
第一ポリマー及び第二ポリマーの分子量分布(MWD=(Mw/Mn))(時折、“多分散性インデックス”(PDI)と称される)は同じであってもよく、また異なっていてもよく、1.5から40までであってもよい。或る実施態様において、第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方のMWDが40、もしくは20、又は10、或いは5、又は4.5の上限、及び1.5、もしくは1.8、又は2.0の下限を有し得る。一つ以上の実施態様において、第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方のMWDが1.8〜5である。Mn、Mw、Mz、及びMWDを測定するための技術が34(19) MACROMOLECULES, 6812-6820 (2001)、及び37(11) MACROMOLECULES, 4304-4312 (2004)に示されている。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが0.95以上、もしくは少なくとも0.97、又は少なくとも0.99のg'インデックスを有してもよく、この場合、g'が基準線としてアイソタクチックポリプロピレンの固有粘度を使用してポリマーのMwで測定される。本明細書中の使用につき、g'インデックスが以下のように定義される。
Figure 0005766724
式中、ηb はポリマーの固有粘度であり、かつηl はそのポリマーと同じ粘度平均分子量(Mv)の線状ポリマーの固有粘度である。ηl = KMv α 、K及びαは線状ポリマーについて測定された値であり、g'インデックス測定に使用した装置と同じ装置で得られるべきである。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なる密度を有してもよく、これが室温でASTM D-1505試験方法により測定して0.85g/cm3から0.92g/cm3まで、もしくは0.86g/cm3から0.90g/cm3まで、又は0.87g/cm3から0.89g/cm3までであってもよい。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーがASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して0.2g/10分以上の溶融流量(MFR、230℃で2.16kgの重量)を有し得る。第一ポリマー及び第二ポリマーのMFRは同じであってもよく、また異なっていてもよい。或る実施態様において、第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方のMFR(230℃で2.16kgの重量)が0.5g/10分から2000g/10分まで、又は1g/10分から1500g/10分までである。或る実施態様において、第一ポリマーが0.5g/10分から100g/10分まで、もしくは2g/10分から30g/10分まで、又は3g/10分から20g/10分までのMFRを有する。同じ又はその他の実施態様において、第二ポリマーが0.5g/10分から2000g/10分まで、もしくは1g/10分から1600g/10分まで、又は5g/10分から1200g/10分までのMFRを有する。
第一ポリマー及び/又は第二ポリマーがASTM D1646に従って測定して、100未満、もしくは75未満、又は60未満、或いは30未満のムーニー粘度、ML (1+4)@125℃を有してもよい。第一ポリマー及び第二ポリマーのムーニー粘度は同じであってもよく、また異なっていてもよい。
一つ以上の実施態様において、第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方が後に記載されるDSC操作に従って測定される融解熱(Hf)を有してもよく、これは0.5ジュール/グラム(J/g)以上であり、かつ80Jg以下、もしくは75J/g以下、又は70J/g以下、或いは60J/g以下、又は50J/g以下である。第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方が1J/g以上、又は5J/g以上である融解熱を有してもよい。別の実施態様において、第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方が0.5J/gから75J/gまで、もしくは1J/gから75J/gまで、又は3J/gから35J/gまでであるHfを有してもよい。或る実施態様において、ポリマー及び組成物がそれらの融点(Tm)及びHfに関して特徴づけられ、これらの性質がコモノマーの存在又は立体不規則性(これはポリマー鎖により結晶の形成を阻害する)により影響され得る。一つ以上の実施態様において、第一ポリマーもしくは第二ポリマー又はその両方のHfが1.0J/g、もしくは1.5J/g、又は3.0J/g、或いは4.0J/g、もしくは6.0J/g、又は7.0J/gの下限から、30J/g、もしくは35J/g、又は40J/g、或いは50J/g、もしくは60J/g、又は70J/g、或いは75J/g、又は80J/gの上限までの範囲である。第一ポリマー及び第二ポリマーのHfが同じであってもよく、また異なっていてもよい。
第一ポリマー及び第二ポリマーの結晶度はまた結晶度の%(即ち、結晶度%)に関して表し得る。一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なる結晶度を有し、ポリマーの一方又は両方の結晶度%が0.5%から40%まで、もしくは1%から30%まで、又は5%から25%までであり、この場合、結晶度%が以下に記載されるDSC操作に従って測定される。基準目的のために、ポリプロピレンの最高のオーダーについての熱エネルギーは189J/gと推定される(即ち、100%結晶度が209J/gに等しい)。
このレベルの結晶度に加えて、第一ポリマー及び第二ポリマーが単一の広い融解転移を有してもよく、又は第一の広い融解転移及び高温での一層狭い第二の融解転移を示してもよい。本明細書の目的のために、最高温度ピークの最大がポリマーの融点と考えられる。この状況における“ピーク”は基準線中のシフトなしに最大を形成する正から負へのDSC曲線の一般の傾斜(熱流対温度)の変化と定義され、この場合、DSC曲線がプロットされ、その結果、吸熱反応が正のピークで示されるであろう。
第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ又は異なる融点を有してもよく、或る実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーの一方又は両方が110℃以下、もしくは100℃未満、又は90℃未満、或いは80℃以下、もしくは75℃以下、又は25℃から80℃まで、或いは25℃から75℃まで、もしくは30℃から65℃までの融点(DSCにより測定される)を有する。これらの実施態様又はその他の実施態様において、第二ポリマーの融点が第一ポリマーの融点より高く、105℃より高く、もしくは110℃より高く、又は115℃より高くてもよい。
相転移が夫々、DSCを使用して、サンプルを固体状態及び溶融物から加熱及び冷却して測定された。結晶化温度(Tc)及び融解温度(Tm)測定がTAインストルメントMDSC2920又はQ1000 Tzero-DSC及びその売主により提供された標準分析ソフトウェアを使用して分析されたデータを使用して行なわれた。典型的には、ポリマー3〜10mgがアルミニウムパンに入れられ、室温でその装置に装填された。サンプルが-130℃又は-70℃に冷却され、次いで10℃/分の加熱速度で210℃に加熱されてガラス転移及び溶融挙動を受け取られたままのポリマーについて評価した。次いでサンプルが5分間にわたって210℃で保持されてその熱履歴を壊した。結晶化挙動が溶融物からのサンプルを10℃/分の冷却速度で周囲温度以下の温度に冷却することにより評価された。サンプルが10分間にわたってその低温に保持されて固体状態で充分に平衡にし、定常状態を得た。第二加熱データがこの溶融-結晶化サンプルを10℃/分で加熱することにより測定された。こうして、第二加熱データが制御された熱履歴のもとに結晶化されたサンプルについての相挙動情報を与えた。吸熱融解転移(第一及び第二の溶融物)及び発熱結晶化転移が転移温度及びピーク温度の開始について分析された。融解温度は、特に示されない限り、第二溶融物からのピーク融解温度であった。多くのピークを示すポリマーにつき、一層高い溶融ピーク温度が報告された。ガラス転移温度値は熱容量変化(ΔCp)がその合計値の半分(平衡液体と平衡固体状態の間のステップ変化)である温度により特定され、その点でサンプルの半分が失透された。DSC曲線の下の面積がHfを測定するのに使用され、これがまた結晶度を計算するのに使用された。8.7kJ/モル及び4.1kJ/モルが100%結晶性ポリプロピレンについての平衡融解熱として採用された(B. Wunderlich著Thermal Analysis, Academic Press, New York, 1990, 418頁からの単結晶測定)。プロピレン値(%)が下記の式を使用することにより計算された:
プロピレン結晶度=[曲線の下の面積(J/g)x42g/モル/8700(J/モル)]*100%。
第一ポリマー及び/又は第二ポリマーは更に13C NMRにより測定して、75%以上、80%以上、82%以上、85%以上、又は90%以上の3プロピレン単位のトリアドタクチシティを有してもよい。或る実施態様において、第一ポリマー、第二ポリマー、又はこれらの両方のトリアドタクチシティが50%から99%まで、もしくは60%から99%まで、又は75%から99%まで、或いは80%から99%まで、又は60%から97%までの範囲である。トリアドタクチシティは米国公開特許出願第2004/0236042号に記載された方法により測定される。
ポリマーブレンドの調製
本明細書に記載された型のポリマーからつくられた粒子は一般に触れると軟質であり、粘着性であり得る。これらの性質は多くの最終用途適用に望ましいが、これらのポリマーは貯蔵問題及び取扱問題を呈し得る。例えば、これらのポリマーからつくられた、ポリマー粒子(当該工業ではペレットと普通称される)は特に周囲温度での長期倉庫貯蔵後に、凝集する(又は制限された流れを示す)傾向を有する。しばしば、ポリマーペレットが流れ問題又は凝集問題を軽減又は排除しようと努めてダスチングされる。しかしながら、このようなダストの使用は望ましくない。何とならば、それがポリマーフィルム中の増大されたゲル形成、食品接触適用における非許容性、又は空気中及びプラント環境中の表面上の増大されたダストによる健康上の危害及び清掃上の危害の如き問題を呈し得るからである。
ポリマーペレットの凝集はペレットの製造後の最初の数時間又は数日中にペレットの貯蔵及び取扱中のポリマーペレットの変形から生じることが発見された。詳しくは、製造後に、ポリマーペレットは一般に球形、円筒形、ディスク状である形状、又はその他の形状(ペレットの外表面が平らな表面とは反対のように湾曲される)を有する。一般に、ポリマーペレットは易流動性である。何とならば、ペレットの湾曲表面が最小の接触表面を有し、こうして互いの後に自由にスライドするからである。しかしながら、或る状況下では、湾曲ペレット表面が、特にかなり垂直の寸法を有する容器中で貯蔵された場合に、互いに対し押しやるペレットの結果として貯蔵中に平坦化されるようになり得ることが発見された。ポリマーペレットの表面のこの平坦化が起こる場合、接触面積がかなり増大し、ペレット表面が互いの後にスライドする能力を低下し、その後の処理工程で粒子の凝集又は制限された流れをもたらす。
表面の平坦化に対するペレットの耐性はポリマーの結晶サイズ及び結晶度に関係し、その他の特性の中でも、ポリマーペレットの硬度を測定することにより測定し得る。一般に、一つの実施態様において、少なくとも50のショアーA硬度(ASTM 2240)が低下された凝集傾向を有するペレットを与えることが測定された。別の実施態様において、少なくとも55のショアーA硬度が低下された凝集傾向を有するペレットを与える。更なる実施態様において、少なくとも60のショアーA硬度が低下された凝集傾向を有するペレットを与える。多くの低結晶度のポリマーからつくられたペレットが製造後にこのレベルの硬度を達成し得るが、このレベルの硬度が得られる前に数日を要することがある。何とならば、ペレットが、特にプロピレンをベースとするポリマー及びコポリマー(この場合、結晶化速度がエチレンをベースとするポリマー及びコポリマーよりも遅いことが知られている)について、経時で徐々に結晶化するからである。本明細書に記載された方法は製造後の時間の短い期間で硬度を得るためにポリマーペレットの結晶化の速度を速くし、これは長い貯蔵期間後でさえも、ペレットが自由に流れることを可能にする。
本明細書に記載された方法及びブレンドの或る実施態様において、第一ポリマーが第二ポリマーとブレンドされてポリマーブレンドを生成し、これは、ペレット形態に処理された場合に、第一ポリマー単独から製造されたペレットと較べて、時間の比較的短い期間で(すなわち、ペレットの初期の冷却後の40分以内、もしくは30分以内、又は20分以内、或いは15分以内に)少なくとも50、もしくは少なくとも52、又は少なくとも55、或いは少なくとも57、又は少なくとも60のショアーA硬度を得るのに充分な結晶化の状態を得るであろう。
更に、ポリマーブレンドの融解温度を上昇することはまた貯蔵条件下のポリマーペレットの平坦化を防止するのに利用できる。本明細書に記載された方法及びブレンドの或る実施態様において、第一ポリマーが第二ポリマーとブレンドされて100℃より高く、もしくは110℃より高く、又は115℃より高く、或いは120℃より高い融解温度を有するポリマーブレンドを生成する。或る実施態様又はその他の実施態様において、ポリマーブレンドの融解温度が110℃〜145℃、もしくは115℃〜140℃、又は120℃〜135℃である。
この開示の目的のために、先に記載された、第一ポリマーが一般に低結晶度のポリマーと考えられてもよく、一方、先に記載された、第二ポリマーが一般に高結晶度のポリマーと考えられてもよい。低結晶度のポリマーからつくられたペレットの凝集傾向は低結晶度のポリマーを高結晶度を有するプロピレン誘導単位を含む少なくとも一種の高結晶度のポリマーとブレンドすることにより低減又は排除し得ることが発見された。この開示の目的のために、プロピレン誘導単位を含む高結晶度のポリマーは少なくとも94質量%のプロピレン誘導単位を含み、少なくとも100℃の融解温度を有するポリマーを意味する。本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、高結晶度のポリマーがRCPである。
本明細書に記載された方法及びブレンドの或る実施態様において、第一の低結晶度のポリマーの溶液及び第二の高結晶度のポリマーの溶液がポリマーを別々の直列又は平行の重合段階で生成する方法によりブレンドされる。例えば、第一の低結晶度のポリマーが第一反応器中で生成されてもよい。第一ポリマーの溶液を含む、第一反応器からの流出物が、第二反応器に移され、そこでは第二の高結晶度のポリマーを生成するのに必要な触媒及びモノマーが接触され、その結果、第二ポリマーの溶液が第二反応器中で第一ポリマーの存在下で生成される。これが直列反応器方法と称される。
第一ポリマー及び第二ポリマーの両方が溶液重合反応器中で生成されてもよい。これらの方法から生じるポリマー成分の溶液を合わせることが第二コポリマーの重合中に第一ポリマーと第二ポリマーの緊密なブレンドを与える。次いでブレンドされたポリマーが第二反応器から取り出され、通常の加工装置及び技術を使用してポリマー粒子、ペレット、繊維、フィルム、不織布、又はその他の完成物品に加工される。
また、第一の低結晶度のポリマーが第二反応器中で生成される第二の高結晶度のポリマーと平行に第一反応器中で生成されてもよい。平行重合方法において、第一ポリマー及び第二ポリマーが平行の反応器中で生成され、夫々のポリマーの溶液を含む、夫々の反応器からの流出物が、流出物をブレンドするための装置に送られてブレンドされたポリマー成分の溶液を生成する。次いでブレンドされたポリマーが溶液から回収され、通常のプロセス装置及び技術に従ってポリマー粒子、ペレット、繊維、フィルム、不織布、又はその他の完成物品に加工される。一つ以上の実施態様において、本明細書に記載されたポリマーブレンド生成方法が更に弾性ポリマーブレンドをペレットに成形する工程を含む。このような実施態様において、得られるペレットがダスチングされないで易流動性であり、貯蔵安定性を示す。
重合条件及びその中の使用に適した触媒を含む、本明細書に記載されたポリマーブレンドの製造に適した直列方法及び平行方法の両方の更に詳細な記載が、米国公開特許出願第2004/0024146号及び同第2006/0183861号に見られる。
本明細書に記載された実施態様の別の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーが高圧溶液方法で生成されてもよい。重合条件及びその中の使用に適した触媒を含む、このような方法が、米国公開特許出願第2009/0163642号に更に詳しく記載されている。
本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、本発明のポリマーブレンドがモノマーを第一反応器中で重合して第一ポリマーを含む溶液を生成し、モノマーを第二反応器中で重合して第二ポリマーを含む溶液を生成し、第一ポリマー溶液を第二ポリマー溶液と合わせてポリマーブレンド溶液を生成し、ポリマーブレンド溶液を処理してポリマーブレンドを生成することにより生成される。
第一反応器及び第二反応器中で使用される触媒系は同じであってもよく、また異なっていてもよい。本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、第一ポリマーを生成するために第一反応器中で使用される触媒系は第二ポリマーを生成するために第二反応器中で使用される触媒系とは異なる。
第一ポリマー及び第二ポリマーの製造に有益な触媒系
本明細書に記載された第一ポリマー及び第二ポリマーは一種以上の触媒系を使用して調製される。本明細書に使用される“触媒系”は少なくとも一種の遷移金属化合物(また、触媒前駆体と称される)、及び活性剤を含む。遷移金属化合物(触媒前駆体)及び活性剤を重合反応器の上流で、又は開示された方法の重合反応器中で溶液中で接触させることは触媒系の触媒活性成分(触媒)を生じる。あらゆる所定の遷移金属化合物又は触媒前駆体が種々の活性剤と触媒活性成分(触媒)を生じて、本明細書に記載された実施態様の方法に配置し得る広い一連の触媒を与えることができる。本明細書に記載された実施態様の触媒系は少なくとも一種の遷移金属化合物及び少なくとも一種の活性剤を含む。しかしながら、本開示の触媒系はまた一種以上の活性剤と組み合わせて一種より多い遷移金属化合物を含んでもよい。このような触媒系は必要により不純物脱除剤を含んでもよい。これらの成分の夫々が以下に更に詳しく記載される。
本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーを生成するのに使用される触媒系がメタロセン化合物を含む。或る実施態様において、メタロセン化合物が一般式(In1)Y(In2)MX2を有する橋かけされたビスインデニルメタロセンである。式中、In1及びIn2はMに結合され、Yにより橋かけされた同じ置換又は未置換インデニル基であり、Yは橋かけ基(In1をIn2と連結する直接の鎖中の原子の数は1から8までであり、その直接の鎖はC又はSiを含む)であり、かつMは3族、4族、5族、又は6族の遷移金属である。In1及びIn2は置換又は未置換であってもよい。In1及びIn2が1個以上の置換基により置換されている場合、置換基がハロゲン原子、C1-C10アルキル、C5-C15アリール、C6-C25アルキルアリール、及びN又はP含有アルキル又はアリールからなる群から選ばれる。この型の例示のメタロセン化合物として、μ-ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル及びμ-ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
その他の実施態様において、メタロセン化合物が一般式(In1)Y(In2)MX2を有する橋かけされたビスインデニルメタロセンであってもよく、式中、In1及びIn2がMに結合され、Yにより橋かけされた同じ2,4-置換インデニル基であり、Yが橋かけ基(In1をIn2と連結する直接の鎖中の原子の数が1から8までであり、その直接の鎖がC又はSiを含む)であり、かつMが3族、4族、5族、又は6族の遷移金属である。In1及びIn2が2位でメチル基により、また4位でC5-C15アリール、C6-C25アルキルアリール、及びN又はP含有アルキル又はアリールからなる群から選ばれた置換基により置換されている。この型の例示のメタロセン化合物として、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ハフニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ハフニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(N-カルバジル)インデニル)ジルコニウムジメチル、及び(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(N-カルバジル)インデニル)ハフニウムジメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
また、本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、メタロセン化合物が米国特許第7,601,666号に開示された一つ以上の式に合致してもよい。このようなメタロセン化合物として、ジメチルシリルビス(2-(メチル)-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ(f)インデニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(2-(メチル)-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ(f)インデニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ(f)インデニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(2-(メチル)-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ(f)インデニル)ジルコニウムジクロリド、及びシクロプロピルシリルビス(2-(メチル)-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ(f)インデニル)ハフニウムジメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーを生成するのに使用される触媒系の活性剤がカチオン成分を含む。或る実施態様において、カチオン成分が式[R1R2R3AH]+を有し、式中、Aは窒素であり、R1及びR2は一緒になって-(CH2)a-基(式中、aは3、4、5又は6である)であり、窒素原子と一緒に、4員、5員、6員又は7員非芳香族環(これに、隣接環炭素原子を介して、必要により一つ以上の芳香族又はヘテロ芳香族環が縮合されていてもよい)を形成し、かつR3はC1、C2、C3、C4もしくはC5アルキル、又はN-メチルピロリジニウムもしくはN-メチルピペリジニウムである。その他の実施態様において、カチオン成分が式[RnAH]+を有し、式中、Aが窒素であり、nが2又は3であり、かつ全てのRが同じであり、C1-C3アルキル基であり、例えば、トリメチルアンモニウム、トリメチルアニリニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルアニリニウム、又はジメチルアンモニウムである。
本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、第一ポリマー及び第二ポリマーを生成するのに使用される触媒系の活性剤がアニオン成分、[Y]-を含む。或る実施態様において、アニオン成分が式[B(R4)4]-を有する、非配位アニオン(NCA)であり、式中、R4はアリール基又は置換アリール基(その1個以上の置換基は同じ又は異なり、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ハロゲン化アリール基、及びハロアルキルアリール基からなる群から選ばれる)である。一つ以上の実施態様において、置換基がペルハロゲン化アリール基、又はペルフッ素化アリール基(ペルフルオロフェニル、ペルフルオロナフチル及びペルフルオロビフェニルを含むが、これらに限定されない)である。
一緒になって、本明細書に記載された触媒系のカチオン成分及びアニオン成分が活性剤化合物を生成する。本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、活性剤がN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、又はトリフェニルカルベニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートであってもよい。
先のパラグラフに挙げられたメタロセン化合物、カチオン活性剤成分、及びアニオン活性剤成分のあらゆる組み合わせから得られるあらゆる触媒系が本明細書に明らかに開示されると考えられるべきであり、本明細書に記載された実施態様に従って一種以上のオレフィンモノマーの重合に使用されてもよい。また、2種の異なる活性剤の組み合わせが一種以上の同じ又は異なるメタロセンとともに使用し得る。
本明細書に記載された実施態様の方法に適した活性剤として、アロミノキサン(又はアルモキサン)及びアルミニウムアルキルがまた挙げられる。理論により束縛されないが、アルモキサンは典型的には一般式(RxAl-O)n(これは環状化合物である)、又はRx(Rx-Al-O)nAlRx 2(これは線状化合物である)により表されるオリゴマーのアルミニウム化合物であると考えられる。最も普通に、アルモキサンは環状化合物と線状化合物の混合物であると考えられる。アルモキサン一般式中、Rxは独立にC1-C20アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、これらの異性体等であり、かつnは1-50の整数である。一つ以上の実施態様において、Rxがメチルであり、かつnが少なくとも4である。メチルアルモキサン(MAO)だけでなく、溶解性を改良するために若干の高級アルキル基を含む変性MAO、エチルアルモキサン、イソ-ブチルアルモキサン等が本明細書に開示された方法に有益である。
更に、本明細書に記載された実施態様における使用に適した触媒系は、上記遷移金属化合物及び活性剤に加えて、付加的な活性剤(補助活性剤)及び/又は脱除剤を含んでもよい。補助活性剤は遷移金属錯体と反応し得る化合物であり、その結果、活性剤と組み合わせて使用される場合に、活性触媒が生成される。補助活性剤として、アルモキサン及びアルミニウムアルキルが挙げられる。
本発明の或る実施態様において、脱除剤が毒の反応を“きれいにする”のに使用されてもよく、そうしないと毒が触媒と反応し、それを失活するであろう。脱除剤として有益な典型的なアルミニウム又はホウ素アルキル成分は一般式RxJZ2により表され、式中、Jはアルミニウム又はホウ素であり、RxはC1-C20アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びこれらの異性体であり、かつ夫々のZは独立にRx又は異なる1価のアニオンリガンド、例えば、ハロゲン(Cl、Br、I)、アルコキシド(ORx)等である。例示のアルミニウムアルキルとして、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、トリ-イソ-ブチルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリメチルアルミニウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示のホウ素アルキルとして、トリエチルホウ素が挙げられる。脱除化合物はまたアルモキサン及び変性アルモキサン(メチルアルモキサン及び変性メチルアルモキサンを含む)であってもよい。
本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、第一ポリマーを生成するために第一反応器中で使用される触媒系は第二ポリマーを生成するために第二反応器中で使用される触媒系とは異なる。このような実施態様において、第一反応器及び第二反応器中で使用される触媒系は異なる遷移金属成分を有するが、同じ又は異なる活性剤を使用してもよい。第一反応器及び第二反応器の両方中の使用のための例示の活性剤として、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、及びトリフェニルカルベニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートが挙げられる。
或る実施態様において、第一ポリマーを生成するのに使用される触媒系が一般式(In1)Y(In2)MX2を有する橋かけされたビスインデニルメタロセンである遷移金属成分を含み、式中、In1及びIn2がMに結合され、Yにより橋かけされた同じ置換又は未置換インデニル基であり、Yが橋かけ基(In1をIn2と連結する直接の鎖中の原子の数が1から8までであり、その直接の鎖がC又はSiを含む)であり、かつMが3族、4族、5族、又は6族の遷移金属である。In1及びIn2が置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。In1及びIn2が1個以上の置換基により置換されている場合、置換基がハロゲン原子、C1-C10アルキル、C5-C15アリール、C6-C25アルキルアリール、及びN又はP含有アルキル又はアリールからなる群から選ばれる。一つ以上の実施態様において、第一ポリマーを生成するのに使用される遷移金属成分がμ-ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチルである。
或る実施態様において、第二ポリマーを生成するのに使用される触媒系が一般式(In1)Y(In2)MX2を有する橋かけされたビスインデニルメタロセンである遷移金属成分を含み、式中、In1及びIn2がMに結合され、Yにより橋かけされた同じ2,4-置換インデニル基であり、Yが橋かけ基(In1をIn2と連結する直接の鎖中の原子の数が1から8までであり、その直接の鎖がC又はSiを含む)であり、かつMが3族、4族、5族、又は6族の遷移金属である。In1及びIn2が2位でメチル基により、また4位でC5-C15アリール、C6-C25アルキルアリール、及びN又はP含有アルキル又はアリールからなる群から選ばれた置換基により置換されている。一つ以上の実施態様において、第一ポリマーを生成するのに使用される遷移金属成分が(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ハフニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ハフニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(N-カルバジル)インデニル)ジルコニウムジメチル、又は(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(N-カルバジル)インデニル)ハフニウムジメチルである。
本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、第一ポリマーが第一反応器中でμ-ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル及びN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート又はN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレートを含む触媒系を使用して重合され、また第二ポリマーが第二反応器中で(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル及びN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート又はN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレートを含む触媒系を使用して重合される。
ポリマーブレンドの性質
本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、上記二重反応器方法により生成されたポリマーブレンドが、ニート形態で、70質量%から98質量%まで、もしくは75質量%から95質量%まで、又は80質量%から93質量%まで、或いは82質量%から92質量%まで、又は85から90質量%までの第一ポリマー及び2質量%から30質量%まで、又は5質量%から25質量%まで、或いは7質量%から20質量%まで、もしくは8質量%から18質量%まで、又は10質量%から15質量%までの第二ポリマーを含んでもよい。別の実施態様において、ニート形態で、本明細書に記載されたポリマーブレンドが80質量%から95質量%までの第一ポリマー及び5質量%から20質量%までの第二ポリマーを含む。その他の実施態様において、ニート形態で、本明細書に記載されたポリマーブレンドが82質量%から90質量%までの第一ポリマー及び10質量%から18質量%までの第二ポリマーを含む。
本発明の更なる実施態様において、ポリマーブレンドが3質量%から30質量%まで、もしくは5質量%から25質量%まで、又は10質量%から25質量%まで、或いは12質量%から18質量%まで、又は13質量%から18質量%までのエチレンの全エチレン含量を含んでもよい。
或る実施態様において、本明細書に記載されたポリマーブレンドがASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して、0.1g/10分から15g/10分までの溶融流量(MFR、2.16kg質量@230℃)を有し得る。更なる実施態様において、ブレンドのMFRが1.0g/10分から7g/10分まで、又は2g/10分から6g/10分までである。
その他の実施態様において、本明細書に記載されたポリマーブレンドがASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して、6g/10分から100g/10分までの溶融流量(MFR、2.16kg質量@230℃)を有し得る。更なる実施態様において、ブレンドのMFRが10g/10分から50g/10分まで、又は15g/10分から25g/10分までである。
或る実施態様において、ポリマーブレンドが10,000g/モルから200,000g/モルまで、もしくは20,000g/モルから150,000g/モルまで、又は30,000g/モルから100,000g/モルまでのMnを有し得る。同じ又は別の実施態様において、ポリマーブレンドが100,000g/モルから400,000g/モルまで、もしくは150,000g/モルから300,000g/モルまで、又は200,000g/モルから250,000g/モルまでのMwを有し得る。
ポリマーブレンドがまた1.5から10まで、又は1.9から5.0までのMWDを有し得る。加えて、ポリマーブレンドが0.94から1.0まで、又は0.95から0.98までのg'を有し得る。
本明細書に記載されたポリマーブレンドが、或る実施態様において、100℃より高く、もしくは110℃より高く、又は115℃より高く、或いは120℃より高い融点を有し得る。同じ又は別の実施態様において、ポリマーブレンドが110℃〜145℃、もしくは115℃〜140℃、又は120℃〜135℃の融点を有し得る。加えて、ポリマーブレンドのHfが45J/g未満、もしくは40J/g未満、又は35J/g未満、或いは30J/g未満、もしくは25J/g未満、又は20J/g未満であってもよい。
本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、ポリマーブレンドが45℃より高いビカー軟化点を有し得る。ポリマーのビカー軟化点はASTM D1525に従って測定される。更なる実施態様において、ポリマーブレンドのビカー軟化点が55℃より高く、もしくは65℃より高く、又は70℃より高く、或いは75℃より高い。
本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、ポリマーブレンドがASTM D412による応力歪試験により測定して、600psi(4137kPa)未満、もしくは500psi(3447kPa)未満、又は400psi(2758kPa)未満の300%の歪における引張応力(300%モジュラス)を有し得る。同じ又は別の実施態様において、ポリマーブレンドがASTM D790により測定して、15%未満、もしくは12%未満、又は10%未満の残留伸びを有し得る。同じ又は別の実施態様において、ポリマーブレンドがASTM D790-A (0.05'/分)により測定して、2000kpsi(13790kPa)より大きく、もしくは22000kpsi(15169kPa)より大きく、又は2500kpsi(17237kPa)より大きく、或いは3000kpsi(20684kPa)より大きい1%割線モジュラスを有し得る。
本明細書に記載された実施態様の或る実施態様において、ポリマーブレンドが50より大きく、もしくは60より大きく、又は65より大きく、或いは70より大きいショアーA硬度測定を有する。ショアーA硬度はASTM D2240に従って測定される。同じ又は別の実施態様において、ポリマーブレンドから成形されたペレットが促進貯蔵安定性試験で10N未満、もしくは7N未満、又は5N未満、或いは2N未満のペレット分離のための平均最大力を有する。促進貯蔵安定性試験のための操作は以下のとおりである。ポリマーペレット35gがガラスとの直接を避けるためのガラスとペレットの間のマイラーの薄いフィルムとともに50ccのカラスビーカー(直径40mm)に入れられる。重り(1160g)がペレットと重りの間の直接の接触を避けるための重りとペレットの間のタイガフロル(Tygaflor)の薄いフィルムとともにペレットの上に置かれる。次いでそのビーカーが50℃で7日間にわたってオーブン中で貯蔵される。そのビーカーがオーブンから取り出され、室温に冷却される。オーブン試験の終了時に、ペレットが易流動性であり、又は凝集もしくは集成され得る。凝集又は集成の或るレベルが観察される場合、凝集又は集成ペレットのシリンダーがプレートに平行に置かれるシリンダーとともに引張試験機中で二つの平行なプレートの間に置かれる。二つのプレートが50mm/分の速度で圧縮様式で移動され、凝集又は集成ペレットを分解する力が測定される。これらの試験が2回反復で行なわれ、二つの値の平均が報告される。凝集ペレットが試験の終了時に個々のペレットとして易流動性であるが、集成ペレットが集成ペレットの一層大きいチャンク(これらは脱集成し得ない)に分解する。
本明細書に記載された実施態様の一つ以上の実施態様において、ポリマーブレンドが二つ以上の下記の性質を有することを特徴とし得る:75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;110℃〜145℃の融点;45℃より高いビカー軟化点;500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して)、又は促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力。
本明細書に記載された実施態様のポリマーブレンドからつくられたポリマーペレットは最終用途適用に所望されるポリマーの機械的特性、例えば、強度及び弾性を変化又は悪影響しないで、格別のペレット安定性を示す。ペレット安定性はポリマーペレットが輸送、取扱、及び貯蔵中に易流動性である能力を含む。更に、本明細書に記載された方法に従ってつくられたポリマーペレットはペレットのダスチングについての必要を最小にし、又は排除しつつそれらの易流動性特性を維持する。理論により束縛されたくないが、上記第一ポリマー及び第二ポリマーの調製に異なる触媒系を使用することは第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ触媒系を使用して調製されるブレンドと比較して第二ポリマー中の立体及び位置上の欠陥の一層低い濃度をもたらすものと考えられる。第二ポリマー中の欠陥の一層低いレベルが第二ポリマー中に生じ、それ故、ポリマーブレンドは、第一ポリマー及び第二ポリマーが同じ触媒系を使用して調製されるブレンドよりも高い融点、高いモジュラス、及び一層厚いポリマー結晶(等しい結晶度で上昇された融点をもたらす)を有する。これらの因子の全てが合わさって改良された構造保全性及びペレット安定性を有するポリマーペレットをもたらす。
以上の説明が下記の非限定実施例を参照して更に記載し得る。
例1−5
第一ポリマー及び第二ポリマーを含む本発明のポリマーブレンドを種々の触媒系を使用して調製し、第二ポリマーの性質を測定した。全てのブレンドについて、第一ポリマーはジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル及びジメチルアニリニウムテトラキス(ヘプタフルオロナフチル)ボレートを含む触媒系を使用して調製されたプロピレン-エチレンコポリマーであった。第二ポリマーは下記のとおりの触媒系を使用して調製されたプロピレン-エチレンRCPであった。
例1:(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル前駆体とN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート活性剤
例2:(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル前駆体とN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート活性剤
例3:(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル前駆体とN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート活性剤
例4:(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル前駆体とN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート活性剤
例5:(μ-ジメチルシリル)ビス(インデニル)ハフニウムジメチル前駆体とN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート活性剤
図1はエチレン濃度の関数としての第二ポリマーのピーク融点を示す。図1に示されたように、例1〜4の第二ポリマー成分(これらは第一ポリマーとは異なる触媒系を使用して調製された)は、例5の第二ポリマー成分(これは第一ポリマーと同じ触媒系を使用して調製された)よりも高い融解ピーク温度を等しいエチレン濃度で示す。
参考例6および7-11
ポリマーブレンドを先に示されたのと同様の二重反応器方法で生成した。第一ポリマー、プロピレン-エチレンコポリマーを、第一反応器中でμ-ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル及びN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレートを含む触媒系を使用して調製した。参考例6および例7-10について、第二ポリマー、プロピレン-エチレンRCPを、第二反応器中で(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル及びN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレートを含む触媒系を使用して生成した。例11(比較例)につき、第二ポリマー(また、プロピレン-エチレンRCP)を、第二反応器中で第一ポリマーと同じ触媒系を使用して生成した。第一ポリマー、第二ポリマー、及び参考例6および例7-11の夫々についての得られるポリマーブレンドの特性を表1に示す。
Figure 0005766724
参考例6および例7〜11のポリマーブレンドの機械的性質を試験し、結果を表2に報告する。
Figure 0005766724
表2に示されたように、本発明のポリマーブレンド(例7-10)は一般に例11の比較ポリマーブレンドと較べた場合に一層高い融解温度、一層高いビカー軟化温度、及び同様の弾性特性(永久歪、100%モジュラス、200%モジュラス、300%モジュラス)を有する軟質ポリマーである。更に、本発明のポリマーブレンドの1%割線モジュラスがまた若干高い。これらの性質の全てが当業界で知られている同様のポリマーブレンドと比較した場合に改良されたペレット安定性特性とともに望ましい強度及び弾性特性を有するポリマーブレンドをもたらす。
これらの改良されたペレット安定性特性を貯蔵安定性試験により確かめた。試験を以下のように行なった。参考例6および例7〜11の夫々について、二つのポリマーサンプルを調製した。夫々の例からの一つのサンプルをデュポンから入手し得る、0.25%HA2454コアチレン(Coathylene)LDPEダストでダスチングし、一方、一つのサンプルをダスチングされずに残した。サンプルを前記貯蔵安定性試験方法に従って貯蔵した。エージング期間の終了時に、夫々のサンプルを目視観察した。例11(比較ポリマー)からのダスチングされなかったサンプル以外の全てのサンプルについて、ポリマーペレットがエージング期間の終了時に充分に分離されたままであった。更なる試験をダスチングされなかった例11サンプルについて行ない、ペレットの完全分離を得るのに必要とされる平均最大力が5.5Nであった。
便宜上の目的のために、種々の特別な試験操作を或る性質、例えば、残留伸び、曲げモジュラス、ビカー軟化温度、ショアーA硬度等を測定するために先に同定する。しかしながら、当業者がこの特許を読み、組成物又はポリマーが特許請求の範囲に同定された特別な性質を有するか否かを測定したい場合には、公表され、又は良く認められている方法又は試験操作に従ってその性質を測定し得るが、特別に同定された操作が好ましい。夫々の請求項は、異なる操作が異なる結果又は測定を生じ得る程度まででさえも、このような操作のいずれかの結果をカバーすると見なされるべきである。こうして、当業者は請求項に反映される測定された性質の実験上の変化を予想すべきである。全ての数値は一般の試験の性質に鑑みて、“約”又は“およその”記述値であると考えられる。
本明細書の組成物の種々の局面を記載したので、本発明の更なる特別な実施態様として、下記の文字入りのパラグラフに示された実施態様が挙げられる。
A. 第一ポリマー及び第二ポリマーを含むポリマーブレンドを含む弾性ポリマー組成物であって、第一ポリマーが70〜90質量%のプロピレンから誘導された単位及び10〜30質量%のエチレン及び/又はC4-C10α-オレフィンから誘導された単位を含み、また第二ポリマーが88〜98質量%のプロピレンから誘導された単位及び2〜12質量%のエチレン及び/又はC4-C10アルファ-オレフィンから誘導された単位を含み、かつ弾性ポリマー組成物が二つ以上の下記の性質:(i) 75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;(ii)110℃〜145℃の融点;(iii) 45℃より高いビカー軟化点;(iv)500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して);又は(v) 促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力を特徴とする弾性ポリマー組成物。
B. ポリマー組成物が5質量%から20質量%までの第二ポリマーを含む、パラグラフAの弾性ポリマー組成物。
C. ポリマー組成物が10質量%から18質量%までの第二ポリマーを含む、先のパラグラフのいずれかの弾性ポリマー組成物。
D. ポリマー組成物が65℃より高いビカー軟化点を有する、先のパラグラフのいずれかの弾性ポリマー組成物。
E. ポリマー組成物が70℃より高いビカー軟化点を有する、先のパラグラフのいずれかの弾性ポリマー組成物。
F. ポリマー組成物が12%未満の残留伸び値を有する、先のパラグラフのいずれかの弾性ポリマー組成物。
G. ポリマー組成物がASTM D412による応力歪試験により測定して、400psi(2758kPa)未満の300%歪における引張応力を有する、先のパラグラフのいずれかの弾性ポリマー組成物。
H. ポリマー組成物が12質量%から20質量%までのエチレンを含む、先のパラグラフのいずれかの弾性ポリマー組成物。
I. モノマーを第一反応器中で重合して第一ポリマーを含む溶液を生成し、モノマーを第二反応器中で重合して第二ポリマーを含む溶液を生成し、第一ポリマー溶液を第二ポリマー溶液と合わせてポリマーブレンド溶液を生成し、そのポリマーブレンド溶液を処理して弾性ポリマー組成物を製造することを含む弾性ポリマー組成物の製造方法であって、第一ポリマーが70〜90質量%のプロピレンから誘導された単位及び10〜30質量%のエチレン及び/又はC4-C10α-オレフィンから誘導された単位を含み、かつ第二ポリマーが88〜98質量%のプロピレンから誘導された単位及び2〜12質量%のエチレン及び/又はC4-C10アルファ-オレフィンから誘導された単位を含み、かつその弾性ポリマー組成物が二つ以上の下記の性質:75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;110℃〜145℃の融点;45℃より高いビカー軟化点;500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して);又は促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力を特徴とする、弾性ポリマー組成物の製造方法。
J. ポリマー組成物が5質量%から20質量%までの第二ポリマーを含む、パラグラフIの方法。
K. ポリマー組成物が10質量%から18質量%までの第二ポリマーを含む、パラグラフI-Jのいずれかの方法。
L, ポリマー組成物が65℃より高いビカー軟化点を有する、パラグラフI-Kのいずれかの方法。
M. ポリマー組成物が70℃より高いビカー軟化点を有する、パラグラフI-Lのいずれかの方法。
N. ポリマー組成物が12%未満の残留伸び値を有する、パラグラフI-Mのいずれかの方法。
O. ポリマー組成物がASTM D412による応力歪試験により測定して、400psi(2758kPa)未満の300%歪における引張応力を有する、パラグラフI-Nのいずれかの方法。
P. 第一ポリマーを第一反応器中で遷移金属化合物及び活性剤を含む触媒系を使用して重合し、その遷移金属化合物が一般式(In1)Y(In2)MX2を有する橋かけされたビスインデニルメタロセンであり、式中、In1及びIn2はMに結合され、Yにより橋かけされた同じ置換又は未置換インデニル基であり、Yは橋かけ基(In1をIn2と連結する直接の鎖中の原子の数は1から8までであり、その直接の鎖はC又はSiを含む)であり、かつMは3族、4族、5族、又は6族の遷移金属であり、またIn1及びIn2が1個以上の置換基により置換されている場合、置換基がハロゲン原子、C1-C10アルキル、C5-C15アリール、C6-C25アルキルアリール、及びN又はP含有アルキル又はアリールからなる群から選ばれ、かつ活性剤がN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、又はトリフェニルカルベニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートである、パラグラフI-Oのいずれかの方法。
Q. 第二ポリマーを第二反応器中で遷移金属化合物及び活性剤を含む触媒系を使用して重合し、その遷移金属化合物が一般式(In1)Y(In2)MX2を有する橋かけされたビスインデニルメタロセンであり、式中、In1及びIn2がMに結合され、Yにより橋かけされた同じ2,4-置換インデニル基であり、Yが橋かけ基(In1をIn2と連結する直接の鎖中の原子の数が1から8までであり、その直接の鎖がC又はSiを含む)であり、かつMは3族、4族、5族、又は6族の遷移金属であり、かつIn1及びIn2が2位でメチル基により、また4位でC5-C15アリール、C6-C25アルキルアリール、及びN又はP含有アルキル又はアリールからなる群から選ばれた置換基により置換されており、かつ活性剤がN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム-テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、又はトリフェニルカルベニウム-テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートである、パラグラフI-Pのいずれかの方法。
R. 第一ポリマーを第一反応器中でμ-ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル及びN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート又はN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレートを含む触媒系を使用して重合し、かつ第二ポリマーを第二反応器中で(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)インデニル)ハフニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ハフニウムジメチル、(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(N-カルバジル)インデニル)ジルコニウムジメチル、又は(μ-ジメチルシリル)ビス(2-メチル-4-(N-カルバジル)インデニル)ハフニウムジメチルから選ばれた遷移金属化合物、及びN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート又はN,N-ジメチルアニリニウム-テトラ(ペルフルオロナフチル)ボレートから選ばれた活性剤化合物を含む触媒系を使用して重合する、パラグラフI-Qのいずれかの方法。
S. 更に弾性ポリマー組成物をペレットに成形する工程を含み、ペレットがダスチングされないで易流動性である、パラグラフI-Rのいずれかの方法。
T. 更に弾性ポリマー組成物をペレットに成形する工程を含み、ペレットが貯蔵安定性を示す、パラグラフI-Sのいずれかの方法。
U. パラグラフA-Hのいずれかの弾性ポリマー組成物を含む一種以上のポリマーペレット。
V. ペレットがダスチングされないで易流動性であり、かつ貯蔵安定性を示す、パラグラフUのポリマーペレット。
或る実施態様及び特徴が数的上限の組及び数的下限の組を使用して記載された。特に示されない限り、あらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が意図されていることが理解されるべきである。或る下限、上限及び範囲が下記の一つ以上の請求項に現れる。全ての数値は“約”又は“およその”示された値であり、当業者により予想されるような実験誤差及び変化を考慮する。
請求項に使用される用語が先に定義されない場合には、それは当業者が少なくとも一つの印刷刊行物又は発行特許に反映されるようにその用語に与えた最も広い定義を与えられるべきである。更に、この出願で引用された全ての特許、試験操作、及びその他の書類はこのような開示がこの出願と不一致ではない程度まで、またこのような組み入れが許される全ての司法権について参考として充分に含まれる。
以上が本明細書に記載された実施態様の実施態様に関するが、本発明のその他の、また更なる実施態様がその基本的な範囲から逸脱しないで推考されてもよく、その範囲は下記の特許請求の範囲により決められる。

Claims (4)

  1. 第一ポリマー及び第二ポリマーを含むポリマーブレンドを含む弾性ポリマー組成物であって、
    第一ポリマーが70〜90質量%のプロピレンから誘導された単位及び10〜30質量%のエチレン及び/又はC4-C10α-オレフィンから誘導された単位を含み、ASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して2g/10分から30g/10分までの溶融流量(MFR、230℃で2.16kgの重量)を有し、
    第二ポリマーが88〜98質量%のプロピレンから誘導された単位及び2〜12質量%のエチレン及び/又はC4-C10アルファ-オレフィンから誘導された単位を含み、ASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して5g/10分から2000g/10分までの溶融流量(MFR、230℃で2.16kgの重量)を有し、
    弾性ポリマー組成物が10質量%から18質量%までの第二ポリマーを含み、かつ弾性ポリマー組成物が下記の性質:(i) 75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;(ii)120℃〜135℃の融点;(iii) 65℃より高いビカー軟化点、及び弾性ポリマー組成物が1つ以上の下記の性質:(iv)500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して);又は(v) 促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力を有することを特徴とする弾性ポリマー組成物。
  2. ポリマー組成物が70℃より高いビカー軟化点を有する、請求項1記載の弾性ポリマー組成物。
  3. ポリマー組成物が12質量%から20質量%までのエチレンを含む、請求項1又は2記載の弾性ポリマー組成物。
  4. モノマーを第一反応器中で重合して第一ポリマーを含むポリマー溶液を生成し、モノマーを第二反応器中で重合して第二ポリマーを含むポリマー溶液を生成し、第一ポリマー溶液を第二ポリマー溶液と合わせてポリマーブレンド溶液を生成し、そのポリマーブレンド溶液を処理して弾性ポリマー組成物を製造することを含む弾性ポリマー組成物の製造方法であって、
    第一ポリマーが70〜90質量%のプロピレンから誘導された単位及び10〜30質量%のエチレン及び/又はC4-C10α-オレフィンから誘導された単位を含み、ASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して2g/10分から30g/10分までの溶融流量(MFR、230℃で2.16kgの重量)を有し、かつ
    第二ポリマーが88〜98質量%のプロピレンから誘導された単位及び2〜12質量%のエチレン及び/又はC4-C10アルファ-オレフィンから誘導された単位を含み、ASTM D-1238(A)試験方法に従って測定して5g/10分から2000g/10分までの溶融流量(MFR、230℃で2.16kgの重量)を有し、
    弾性ポリマー組成物が10質量%から18質量%までの第二ポリマーを含み、かつその弾性ポリマー組成物が二つ以上の下記の性質:75質量%〜90質量%の全プロピレン含量;120℃〜135℃の融点;65℃より高いビカー軟化点、及びその弾性ポリマー組成物が1つ以上の下記の性質:500psi(3447kPa)未満の300%歪における引張応力(ASTM D412による応力歪試験により測定して);又は促進貯蔵安定性試験で10N未満のペレット分離のための平均最大力を有することを特徴とする、弾性ポリマー組成物の製造方法。
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