JP5761253B2 - Zn−Si−O系酸化物焼結体とその製造方法およびスパッタリングターゲットと蒸着用タブレット - Google Patents

Zn−Si−O系酸化物焼結体とその製造方法およびスパッタリングターゲットと蒸着用タブレット Download PDF

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本発明は、スパッタリングターゲットや蒸着用タブレット等に利用されるZn−Si−O系酸化物焼結体とその製造方法に係り、特に、スパッタリング法に利用された場合には異常放電が抑制され、イオンプレーティング等の蒸着法に利用された場合にはスプラッシュ現象が抑制されて長時間の連続成膜を可能にさせるZn−Si−O系酸化物焼結体とその製造方法に関するものである。
高い導電性と可視光領域での高い透過率とを有している透明導電膜は、太陽電池や液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンスや無機エレクトロルミネッセンス等の表面素子、タッチパネル用電極等に利用されている他、自動車窓や建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、冷凍ショーケース等の各種の防曇用の透明発熱体としても利用されている。
そして、上記透明導電膜として、例えば、酸化錫(SnO2)系の薄膜、酸化亜鉛(ZnO)系の薄膜、酸化インジウム(In23)系の薄膜等が知られている。
上記酸化錫系では、アンチモンをドーパントとして含むもの(ATO)やフッ素をドーパントとして含むもの(FTO)がよく利用されている。また、酸化亜鉛系では、アルミニウムをドーパントとして含むもの(AZO)やガリウムをドーパントとして含むもの(GZO)がよく利用されている。そして、最も工業的に利用されている透明導電膜は、酸化インジウム系のものである。その中でも錫をドーパントとして含む酸化インジウム膜、すなわちIn−Sn−O系膜はITO(Indium tin oxide)膜と称され、特に、低抵抗の透明導電膜が容易に得られることから広く用いられている。
これ等の透明導電膜の製造方法としてはスパッタリング法がよく用いられている。スパッタリング法は、蒸気圧の低い材料の成膜や精密な膜厚制御を必要とする際に有効な手法であり、操作が非常に簡便であるため工業的に広範に利用されている。
そして、スパッタリング法では、薄膜の原料としてスパッタリングターゲットが用いられる。この方法は、一般に約10Pa以下のガス圧の下で、基板を陽極とし、スパッタリングターゲットを陰極として、これ等の間にグロー放電を起こしてアルゴンプラズマを発生させ、プラズマ中のアルゴン陽イオンを陰極のスパッタリングターゲットに衝突させ、これによってはじきとばされるターゲット成分粒子を基板上に堆積させて薄膜を形成するというものである。また、上述した透明導電膜については、イオンプレーティング法等の蒸着法を用いて製造することもなされている。
ところで、上述したITO等の酸化インジウム系材料は工業的に広範囲に用いられているが、希少金属のインジウムが高価であること、インジウム元素のような環境や人体に悪影響を与える毒性を有する成分を含むことから、近年では非インジウム系の透明導電膜材料が求められている。そして、非インジウム系の材料として、上述したAZOやGZO等の酸化亜鉛系材料、FTOやATO等の酸化錫系材料が知られている。特に、酸化亜鉛系材料は、資源として豊富に埋蔵されており、低コスト材料であるだけでなく、環境や人体にも優しい材料として注目されている。また、酸化亜鉛系材料は、ITOに匹敵する特性を示す材料としても注目されている。
但し、ITOに匹敵するような高透過率、低比抵抗の透明導電膜を、酸化亜鉛系材料を用いて安定して製造することは現実的には困難で、その要因の一つに、成膜時に発生する異常放電があった。すなわち、酸化亜鉛系材料を用いてスパッタリング法により透明導電膜の成膜を行う場合、上記異常放電(アーキング)が多発し、安定した成膜が困難であった。上記異常放電が多発する原因は、酸化亜鉛系材料中に比抵抗の高い部分(抵抗値が高い相)が局所的に存在し、この部分が成膜時に帯電されるためであった。他方、酸化亜鉛系材料(蒸着用タブレット)を用いてイオンプレーティング法等の蒸着法により透明導電膜の成膜を行う場合においても、酸化亜鉛系材料中に局所的に存在する比抵抗の高い部分に起因してプラズマビームや電子ビームによる均一な昇華が困難となり、均一な蒸発ガスに混じって数μm〜1000μm程度の大きさで蒸発材料(蒸着用タブレット)が飛散し、この蒸発材料が蒸着膜に衝突するスプラッシュ現象が発生し易かった。そして、スプラッシュ現象により蒸着膜にピンホール欠陥等が生じるため、蒸着法による成膜においても高透過率、低比抵抗の透明導電膜を安定して製造することは困難であった。
そこで、このような問題を回避するため、特許文献1においては、Al、Ga、In、Ti、Si、Ge、Snの内いずれか1種以上の添加物元素が含まれた酸化亜鉛系焼結体を提案している。すなわち、特許文献1では、酸化亜鉛と添加元素の酸化物を予め混合し、これを仮焼して、ZnM24あるいはZn2MO4(Mは添加元素)等といったスピネル型複合酸化物相を形成させた後、この仮焼粉末と未仮焼の酸化亜鉛粉末を混合して本焼成を行うことにより、本焼成工程での新たなスピネル型複合酸化物相の形成を防止し、空孔の発生を抑制している。このような酸化亜鉛系焼結体をスパッタリングターゲットとして用いると、上記異常放電を低減させることは可能であるが、完全に消失させることは困難であった。そして、成膜の連続ラインにおいて一度でも異常放電が生じれば、その成膜時の製品は欠陥品となってしまい、製造歩留まりに悪影響を及ぼすという問題がある。
また、酸化亜鉛系の透明導電膜は、一般に、耐熱性や耐湿性が劣っているため、熱や湿度で負荷のかかる環境下において、透過率や比抵抗といった特性が、時間の経過と共に劣化し易い傾向にある。そこで、特許文献2においては、得られる透明導電膜の耐湿性を改善する目的で、GaおよびSiを所定量含み、酸化亜鉛を主成分とする酸化物系スパッタリングターゲットが提案されている。但し、特許文献2に記載の発明においては、Si酸化物の結晶粒子を200μm以下にすることで放電の安定化を図っているが、完全に異常放電を消滅させることはできなかった。
このような技術的背景の下、本出願人は、酸化亜鉛を主成分とし、更に添加元素としてアルミニウムとガリウムを含有する酸化物焼結体において、アルミニウムとガリウムの含有量を最適化し、かつ、焼成中に生成される結晶相の種類と組成、特にスピネル結晶相の組成を最適に制御することで、スパッタリング装置で長時間の連続成膜を行なった場合でも、パーティクルが生じ難く、高い直流電力投入下でも異常放電が生じないターゲット用酸化物焼結体を提案している(特許文献3参照)。
そして、特許文献3に記載の酸化亜鉛系焼結体を用いることにより、従来よりも低抵抗で高透過性の高品質透明導電膜を成膜できるようになったが、ITOに匹敵する高透過率の透明導電膜を安定して製造することは依然として困難であった。
特開2008−63214号(段落0022−0032参照) 特許第4067141号(請求項1、2参照) 特許第4231967号(段落0013参照)
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、スパッタリングターゲットや蒸着用タブレットに利用され、スパッタリングターゲットに利用された場合には上述の異常放電が抑制され、蒸着用タブレットに利用された場合には上述のスプラッシュ現象が抑制されると共に、ITOに匹敵する高透過率の透明導電膜を安定して成膜できるZn−Si−O系酸化物焼結体とその製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、酸化亜鉛を主成分とし、酸素親和性が高いSiを添加元素として含有しかつ他の添加元素を含有しないZn−Si−O系酸化物焼結体に関して、その製法を最適化すると共に、焼成中に生成される添加元素の単体酸化物相(SiO相)、複合スピネル結晶相、特に、焼結体中の結晶粒界付近への酸化物相の析出を制御することにより、スパッタリング装置で長時間の連続成膜を行っても異常放電やパーティクルの発生が抑制されかつ高い直流電力投入下でも安定成膜が可能なスパッタリングターゲットとして利用でき、更に、イオンプレーティング等の蒸着装置で長時間の連続成膜を行っても上述したスプラッシュ現象が抑制される蒸着用タブレットとして利用可能なZn−Si−O系酸化物焼結体が得られることを見出すに至った。また、得られたZn−Si−O系酸化物焼結体を、スパッタリングターゲット若しくは蒸着用タブレットに用いて得られる透明導電膜が透過性に優れ、ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池の電極等として有用であることを見出すに至った。
すなわち、請求項1に係る発明は、
酸化亜鉛を主成分とし、Si以外の添加元素を含有しないZn−Si−O系酸化物焼結体において、
700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させると共に900〜1400℃の焼成温度で上記酸化物焼結体が製造され、かつ、
Siの含有量がSi/(Zn+Si)原子数比で0.1〜10原子%であり、
Si元素がウルツ鉱型酸化亜鉛相に固溶していると共に、
CuKα線を使用した焼結体粉末のX線回折、並びに、透過型電子顕微鏡を用いた焼結体薄片の電子線回折による2つの検出方法でSiO2相および珪酸亜鉛(Zn2SiO4)であるスピネル型複合酸化物相が検出されないことを特徴とする。
次に、請求項2に係る発明は、
スパッタリングターゲットにおいて、
請求項1に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体を加工して得られることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
蒸着用タブレットにおいて、
請求項1に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体からなることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、
請求項1に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法において、
ZnO粉末およびSiO粉末を、純水、有機バインダー、分散剤と混合し得られるスラリーを、乾燥、造粒する第一工程と、
得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る第二工程と、
得られた成形体を焼成し、焼結体を得る第三工程を有すると共に、
上記焼結体を得る第三工程が、700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させる工程と、成形体を焼成炉内において900℃〜1400℃で焼成する工程からなることを特徴とし、
請求項5に係る発明は、
請求項4に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法において、
上記第三工程において、900℃〜焼結温度までの温度域を昇温速度3℃/分以下の速さで昇温させることを特徴とし、
請求項6に係る発明は、
請求項4に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法において、
上記第一工程において、ZnO粉末とSiO粉末、ZnO粉末とSiO2粉末を混合し仮焼して得た仮焼粉末、および、純水、有機バインダー、分散剤を、原料粉末であるZnO粉末、SiO2粉末および仮焼粉末の合計濃度が50〜80wt%となるように混合し、10時間以上混合攪拌して上記スラリーを得ることを特徴とし、
請求項7に係る発明は、
請求項6に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法において、
ZnO粉末とSiO粉末を混合し900℃〜1400℃の条件で仮焼して上記仮焼粉末を得ていることを特徴とし、
請求項8に係る発明は、
請求項4〜7のいずれかに記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法において、
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末とSiO2粉末を用いることを特徴とする。
本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体は、
700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させると共に900〜1400℃の焼成温度で上記酸化物焼結体が製造され、かつ、
Siの含有量がSi/(Zn+Si)原子数比で0.1〜10原子%であり、
Si元素がウルツ鉱型酸化亜鉛相に固溶していると共に、
CuKα線を使用した焼結体粉末のX線回折、並びに、透過型電子顕微鏡を用いた焼結体薄片の電子線回折による2つの検出方法でSiO2相および珪酸亜鉛(Zn2SiO4)であるスピネル型複合酸化物相が検出されないことを特徴としている。
このZn−Si−O系酸化物焼結体を加工して得たスパッタリングターゲットを用いると、生産効率を上げるために直流電力密度を高めて直流スパッタリングを行う際にも、従来のAZOやGZO等のターゲットで課題となっていた異常放電(アーキング)が発生することがない。更に、連続成膜で長時間使用しても、ターゲット等の表面に付着した膜剥がれによるパーティクルも発生し難い。このため、欠陥製品がほとんどない歩留まりの高い量産成膜を可能にする効果を有する。
また、本発明のZn−Si−O系酸化物焼結体からなる蒸着用タブレットを用いると、イオンプレーティング等の蒸着装置で連続成膜を長時間行なっても、上述のスプラッシュ現象が起こらないため、スパッタリングターゲットとして用いた場合と同様、欠陥製品がほとんどない歩留まりの高い量産成膜を可能にする効果を有する。
更に、本発明のZn−Si−O系酸化物焼結体から得られたスパッタリングターゲット若しくは蒸着用タブレットを用いて成膜された透明導電膜は、酸素との結合性が高いSiを含有していることから透過率に優れるため、フラットパネルディスプレイやタッチパネル、発光デバイスおよび太陽電池等の透明電極として好適に利用できる効果を有する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
1.Zn−Si−O系酸化物焼結体
酸化亜鉛を主成分とし、Si以外の添加元素を含有しない本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体は、700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させると共に900〜1400℃の焼成温度で上記酸化物焼結体が製造され、かつ、Siの含有量がSi/(Zn+Si)原子数比で0.1〜10原子%であり、Si元素がウルツ鉱型酸化亜鉛相に固溶していると共に、CuKα線を使用した焼結体粉末のX線回折、並びに、透過型電子顕微鏡を用いた焼結体薄片の電子線回折による2つの検出方法でSiO2相および珪酸亜鉛(Zn2SiO4)であるスピネル型複合酸化物相が検出されないことを特徴とし、スパッタリングターゲット若しくはイオンプレーティング等の蒸着用タブレットとして用いられる。尚、本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体においては、構成元素が実質的に亜鉛(Zn)、シリコン(Si)および酸素(O)から成っていればよく、不可避不純物の混入を制限するものではない。
本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体において、Siの含有量が、Si/(Zn+Si)原子数比で10原子%を超えた場合、Zn−Si−O系酸化物焼結体中にスピネル型等の酸化物相が生成されてしまう。これ等の酸化物相は高抵抗あるいは絶縁性物質であるため、上述したスパッタリング成膜時の異常放電を誘発し、また、上述したイオンプレーティング等蒸着時のスプラッシュ現象を誘発してしまう。特に、SiO2は、Zn−Si−O系酸化物焼結体中の結晶粒界に析出する傾向もあり、この析出を抑制できなければ、上述した異常放電やスプラッシュ現象を完全に消失させることは不可能となる。
他方、Siの含有量が、Si/(Zn+Si)原子数比で0.1原子%未満の場合、後述する自由電子キャリアが乏しく、生成する化合物相に関係なく導電性が不十分となるため、成膜時の異常放電が発生してしまう。
また、本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体において、酸化物焼結体中のウルツ鉱型酸化亜鉛相は六方晶のウルツ鉱構造のものを指し、酸素欠損、亜鉛欠損の非化学量論組成のものも含まれる。酸化亜鉛相は、このような非化学量論組成の状態をとることで自由電子を発生させて導電性が向上するため、スパッタリング成膜時の異常放電やイオンプレーティング等蒸着時のスプラッシュ現象を抑制する効果を持つ。また、このウルツ鉱型酸化亜鉛相は上述したようにSi元素を固溶している。この元素が亜鉛サイト(ウルツ鉱型酸化亜鉛相)に固溶することで自由電子キャリアが発生し、導電性が向上することから、スパッタリング成膜時の異常放電やイオンプレーティング等蒸着時のスプラッシュ現象の抑制に寄与する。
2.Zn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法
本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法は、原料粉末を、純水、有機バインダー、分散剤と混合し、得られるスラリーを、乾燥、造粒する「第一工程」と、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る「第二工程」と、得られた成形体を焼成し、焼結体を得る「第三工程」とで構成されている。
[第一工程]
第一工程で得られる「造粒粉」は、2通りの方法で製造することができる。
(第一の方法)
ZnO粉末およびSiO2粉末を原料粉末とし、純水、有機バインダー、分散剤と混合して、原料粉末濃度が50〜80wt%、好ましくは60wt%となるように混合し、かつ、平均粒径0.5μm以下となるまで湿式粉砕する。この際、特に原料として用いるZnO粉末とSiO2粉末の平均粒径を共に1.0μm以下とし、混合粉末の平均粒径を0.5μm以下と微細化する。更に、上記湿式粉砕においては、粒径2.0mmを越えるボールを用いた「ボールミル」では1.0μm以下の粒径を有する粒子を解砕するのに適していないため、粒径2.0mm以下のものを用いる「ビーズミル」を用いることが好ましい。この製法により、ZnO粉末、および、SiO2粉末等の凝集を確実に取り除き、後工程で発生するSi系酸化物の凝集を防ぐことができる。粉砕後、30分以上混合攪拌して得られたスラリーを乾燥・造粒して「造粒粉」を得る。
(第二の方法)
ZnO粉末およびSiO2粉末と、ZnO粉末およびSiO2粉末を混合し仮焼して得た仮焼粉末とを原料粉末とする。上記仮焼粉末を製造する際は、900℃〜1400℃、好ましくは900℃〜1200℃で仮焼するが、ZnM24あるいはZn2MO4(Mは添加元素)等といったスピネル相で表される中間化合物相が最も生成され易い700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させることが重要となる。
次に、ZnO粉末およびSiO2粉末と、上記仮焼粉末とを原料粉末とし、純水、有機バインダー、分散剤と混合し、原料粉末濃度が50〜80wt%、好ましくは70wt%となるように混合し、かつ、10時間以上混合攪拌して得られたスラリーを乾燥・造粒して「造粒粉」を得る。この第二の方法においても、特に原料として用いるZnO粉末とSiO2粉末の平均粒径を共に1.0μm以下とすることで、ZnO粉末、および、SiO2粉末等の凝集を確実に取り除き、後工程で発生するSi系酸化物の凝集を防ぐことができる。
[第二工程]
スパッタリングターゲットを成形する場合は、上記「造粒粉」を用いて98MPa(1.0ton/cm2)以上の圧力で加圧成形を行い成形体とする。98MPa以下で成形を行うと、粒子間に存在する空孔を除去することが困難となり、焼結体の密度低下をもたらす。また、成形体強度も低くなるため、安定した製造が困難となる。ここで、加圧成形を行う際には、高圧力が得られる冷間静水圧プレスCIP(Cold Isostatic Press)を用いることが望ましい。
他方、蒸着用タブレットを成形する場合は、上記「造粒粉」を、例えば、金型中で加圧する機械プレス法等により加圧成形して成形体を得る。成形体を得る工程では「造粒粉」を49MPa(0.5ton/cm2)〜147MPa(1.5ton/cm2)の圧力で成形すると、所望の相対密度を有する焼結体が得易いため好ましい。尚、上記プレス成形で用いる金型は、エッジ部分をC面取りの形状として成形体にC面取りを施すと、成形体や成形体を焼結させた焼結体を取り扱う際に欠け等を防止でき、好ましい。
[第三工程]
第二工程で得られた成形体を、常圧で焼成することにより、Zn−Si−O系酸化物焼結体が得られる。焼成温度は、900〜1400℃、好ましくは1100℃〜1300℃で焼結を行う。焼結温度が900℃未満では、必要な焼結収縮が得られず、機械的強度の弱い焼結体となってしまう。また、焼結収縮が十分進んでいないため、得られる焼結体の密度や寸法のバラつきが大きくなる。900℃以上の領域では、焼結が進行しかつ焼結体中の結晶粒子内部にSi原子が均一に存在するようになる。但し、必要以上に高い温度で熱エネルギーを与えると、不純物として添加しているSi濃度の高い領域が粒界に隣接した結晶粒子内部に形成されて焼結体としての導電性を阻害する原因となるが、この現象が1400℃を超えたところから発生し始めることを本発明者等は確認している。また、焼結温度が1400℃を超えると、酸化亜鉛(ZnO)の揮発が活発化し、所定の酸化亜鉛組成からずれることとなるため好ましくない。
加えて、ZnM24あるいはZn2MO4(Mは添加元素)等といったスピネル相で表される中間化合物相が最も生成され易い700〜900℃の温度域を、昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させることが重要となる。上記昇温速度で昇温させるにより中間化合物相の生成が抑制され、700〜900℃以外の温度範囲における昇温速度を3℃/分以下の速度とすることでSi元素の拡散固溶が促進されることを本発明者等は確認している。そして、これ等の焼成プログラムで焼結体を製造することにより、Si系酸化物の析出やスピネル相をはじめとする中間化合物相の生成を抑制することができる。
得られた焼結体は、必要に応じて所定の形状・寸法に加工され、スパッタリングターゲットとして使用する場合は、所定のバッキングプレートにボンディングを行なう。
3.透明導電膜とその製造方法
透明導電膜は、成膜装置中で、スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法若しくは蒸着用タブレットを用いたイオンプレーティング等の蒸着法によりガラス等の基板上に形成される。得られる透明導電膜の組成は、本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体を原料としているため、酸化物焼結体の組成が反映される。また、本発明により得られる透明導電膜は、結晶相で構成されており、実質的にウルツ鉱型酸化亜鉛相からなり、Si元素が全てこのウルツ鉱型酸化亜鉛相に含まれていることが好ましい。
また、得られるウルツ鉱型酸化亜鉛相は、ガラス等の基板に垂直方向にc軸配向する。そして、結晶性が良いほど(すなわち、結晶粒子が大きいほど)キャリア電子の移動度が増大し、優れた導電性を有する。また、キャリア電子の移動度は、膜厚が厚くなることでも結晶性が向上することから増大する。
本発明では、上記Zn−Si−O系酸化物焼結体から得られるスパッタリングターゲット若しくは蒸着用タブレットを用い、特定の基板温度、圧力といった成膜条件を採用することで、Si元素を含有する酸化亜鉛よりなる透明導電膜を基板上に形成することができる。
本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体を用いてスパッタリングあるいはイオンプレーティング法等の蒸着法により得られる透明導電膜の組成は、上述したように酸化物焼結体の組成と同様である。この組成に関しては、Si元素の量が多すぎると酸化亜鉛相に固溶できず、Si酸化物相が析出して薄膜の結晶性が劣ってしまい、電子キャリアの移動度低下に伴う導電性悪化が顕著となる。この場合、基板の加熱成膜を行なうことでSi元素の固溶度を向上させることは可能である。しかし、高温成膜は特殊な成膜条件であり、かつ、室温成膜を含めた幅広い量産成膜条件で導電性の高い透明導電膜を得るためには、Si元素の含有量は上述した範囲内、すなわち、Siの含有量についてはSi/(Zn+Si)原子数比で0.1〜10原子%に抑えることを要する。
次に、成膜に用いる上記基板としては、ガラス、樹脂、金属、セラミック等その材質によって特に限定されず、透明でも非透明のものでもよいが、透明電極の成膜に用いる場合に透明基板が好ましい。また、基板が樹脂の場合は、板状、フィルム等様々な形状のものを使用でき、例えば、150℃以下の低融点を有するものでも適用できる。但し、この場合は、加熱しないで成膜を行うことが望ましい。
Si以外の添加元素を含有しないZn−Si−O系酸化物焼結体から得られる透明導電膜は、含有する上記元素のイオンがドーパントとして亜鉛イオンサイトに置換した酸化亜鉛を主成分とするN型半導体の導電性結晶膜である。珪素(Si)イオンは正四価であるが、三価以上の元素が正二価の亜鉛イオンサイトを置換することで膜中の自由電子キャリアが発生し、優れた導電性を有する。
次に、スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により透明導電膜を製造するには、スパッタリングガスとしてアルゴン等の不活性ガスを用いると共に、直流スパッタリングを用いることが好ましい。例えば、5×10-5Pa以下まで真空排気を行なった後、純Arガスを導入し、ガス圧を0.1〜1Pa、特に0.2〜0.8Paとし、0.55〜5.0W/cm2の直流電力密度(直流電力/ターゲット面積)を印加して直流プラズマを発生させ、プリスパッタを実施することができる。このプリスパッタリングを5〜30分間行った後、必要により基板位置を修正した上でスパッタリングすることが好ましい。本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体から得たスパッタリングターゲットを用いた場合、高い直流電力を投入しても異常放電の発生なく安定した高速成膜が可能となる利点を有する。
また、本発明に係るZn−Si−O系酸化物焼結体から作製された蒸着用タブレット(ペレットあるいはターゲットとも呼ばれる)を用いた場合にも、同様の透明導電膜を形成することが可能である。例えば、イオンプレーティング法では、蒸発源となる蒸着用タブレットに、電子ビームやアーク放電による熱等を照射すると、照射された部分は局所的に高温になり、蒸発粒子が蒸発して基板に堆積される。このとき、蒸発粒子は電子ビームやアーク放電によってイオン化する。イオン化する方法には様々な方法があるが、プラズマ発生装置(プラズマガン)を用いた高密度プラズマアシスト蒸着法(HDPE法)は、良質な透明導電膜を形成するのに適している。この方法では、プラズマガンを用いたアーク放電を利用するが、プラズマガンに内蔵されたカソードと蒸発源の坩堝(アノード)との間でアーク放電が維持される。カソードから放出される電子を磁場偏向により坩堝内に導入し、坩堝に仕込まれた蒸着用タブレットの局部に集中して照射する。この電子ビームによって、局所的に高温となった部分から、蒸発粒子が蒸発して基板に堆積される。気化した蒸発粒子や反応ガスとして導入されたO2ガスは、このプラズマ内でイオン化並びに活性化されるため、良質な透明導電膜を形成することが可能となる。
以下、本発明の実施例について、参考例と比較例並びに参考比較例を挙げて具体的に説明する。但し、以下の実施例により本発明の技術的構成が限定されるものではない。
[実施例1]
[酸化物焼結体の作製]
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末およびSiO2粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が3.0原子%となる割合で調合し、かつ、純水、有機バインダー、分散剤と混合して、原料粉末濃度が60wt%となるように混合すると共に、混合タンクにてスラリーを作製した。
次に、粒径が0.5mmである硬質ZrO2ボールが投入されたビーズミル装置(アシザワ・ファインテック株式会社製、LMZ型)を用いて、原料粉末の平均粒径が0.5μm以下となるまで湿式粉砕を行った後、30分以上混合攪拌して得られたスラリーを、スプレードライヤー装置(大川原化工機株式会社製、ODL−20型)にて噴霧および乾燥し、「造粒粉」を得た。尚、原料粉末の平均粒径の測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−2200)を用いた。
次に、得られた「造粒粉」を、冷間静水圧プレスで294MPa(3ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、得られた約200mmφの成形体を、大気圧焼成炉にて、700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分の速さで昇温させ、かつ、700〜900℃以外の温度範囲における昇温速度を3℃/分とし、最高焼成温度を1300℃として20時間焼成し、実施例1に係る酸化物焼結体を得た。
ここで、得られた酸化物焼結体の端材を粉砕し、CuKα線を使用した粉末X線回折測定による生成相の同定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、酸化物焼結体は、電子線回折からも、ウルツ鉱型構造である母相の中にSiO2相が単体で存在していないことが確認された。
[透明導電膜の作製]
得られた実施例1に係る酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、無酸素銅製のバッキングプレートに金属インジウムを用いてボンディングし、実施例1に係るスパッタリングターゲットを得た。
次に、得られた実施例1に係るスパッタリングターゲットを用い、直流スパッタリングによる成膜を行った。直流マグネトロンスパッタリング装置(トッキ製、SPF−530K)の非磁性体ターゲット用カソードに上記スパッタリングターゲットを取り付けた。
一方で、成膜用の基板には、無アルカリのガラス基板(コーニング♯7059、厚みtが1.1mm)を用い、ターゲット−基板間距離を60mmに固定した。
そして、5×10-5Pa以下まで真空排気を行なった後、純Arガスを導入し、ガス圧を0.3Paとし、直流電力200Wを印加して直流プラズマを発生させ、プリスパッタリングを実施した。
十分なプリスパッタリング後、スパッタリングターゲットの中心(非エロージョン部)の直上に静止して基板を配置し、非加熱でスパッタリングを実施して膜厚200nmの透明導電膜を形成した。
その結果、スパッタリングターゲットにはクラックが発生しておらず、成膜初期から10分間で異常放電等も発生しなかった。
また、得られた膜の透過率を分光光度計(株式会社日立製作所製)にて測定したところ、基板を含めた可視域(400nm〜800nm)の透過率は87%であり、基板を含めた近赤外域(800nm〜1200nm)の透過率は85%であった。ここで、膜自体の透過率を、[(基板を含めた透過率)/(基板のみの透過率)]×100(%)で算出したところ、実施例1に係る透明導電膜の透過率は、可視域で89%、近赤外域で92%であった。
また、四深針法抵抗率計ロレスタEP(株式会社三菱化学アナリテック製、MCP−T360型)を用いて、得られた膜表面の比抵抗を測定したところ、比抵抗値は8.5×10-4Ω・cmであった。
よって、実施例1に係る透明導電膜は、可視域だけでなく近赤外域の透過率に優れており、可視光透過を必要とするディスプレイ等のデバイス用途だけでなく、近赤外域の高透過性が要求される太陽電池用途としても有用であることが確認された。
ここで、全実施例と参考例に係る酸化物焼結体の構成成分と製造条件、製造工程での割れの有無、焼結体の用途等について表1にまとめて示し、上記焼結体の分析結果、成膜時の状況(但し、「成膜時の異常放電等」欄は、スパッタリング成膜の場合には異常放電やパーティクル発生の有無を示し、イオンプレーティング成膜の場合にはスプラッシュ現象の有無を示している)、透明導電膜の特性等について表2にまとめて示している。
[実施例2、3、比較例1、2]
焼成温度を1400℃(実施例2)、900℃(実施例3)、1500℃(比較例1)、800℃(比較例2)とした以外は実施例1と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、全ての焼結体において六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、実施例2、3および比較例2で得た酸化物焼結体は、電子線回折からも、ウルツ鉱型構造である母相の中にSiO2相が単体で存在していないことが確認された。しかし、比較例1では、焼成温度が高すぎたためかSi濃度の高い領域が粒界に隣接した結晶粒子内部に形成されており、SiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
これ等スパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、実施例2および3では共にクラックは発生しておらず、成膜初期から10分間で異常放電等も発生しなかった。一方で、比較例1および2においては、異常放電が10分間で20回〜30回発生していた。比較例1においては導電性に乏しいSiO2相の存在が、また、比較例2においては焼結不足による焼結体強度の低さにより発生したクラックが異常放電に寄与していると考えられる。また、比較例1では結晶粒が粗大化していることから焼結体強度が低く、加工中に20枚中4枚で割れが発生している。加えて、比較例2では焼成温度が低いことから焼結が進行しておらず、加工中に20枚中12枚で割れが発生した。比較例1および2に係る酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定し、算出したところ、可視域において89%(実施例2)、88%(実施例3)、77%(比較例1)、81%(比較例2)であり、近赤外域において93%(実施例2)、92%(実施例3)、79%(比較例1)、81%(比較例2)であった。
また、比抵抗値は、8.6×10-4Ω・cm(実施例2)、9.0×10-4Ω・cm(実施例3)、8.5×10-4Ω・cm(比較例1)、8.8×10-4Ω・cm(比較例2)であった。
比較例1および2で得られた透明導電膜は、異常放電の影響による透過率の悪化が生じていると考えられ、このような透明導電膜は、高透過性を要する透明電極膜として適用することはできないことが確認された。
尚、比較例に関しても、全比較例と参考比較例に係る酸化物焼結体の構成成分と製造条件、製造工程での割れの有無、焼結体の用途等について表3にまとめて示し、上記焼結体の分析結果、成膜時の状況(但し、「成膜時の異常放電等」欄は、スパッタリング成膜の場合には異常放電やパーティクル発生の有無を示し、イオンプレーティング成膜の場合にはスプラッシュ現象の有無を示している)、透明導電膜の特性等について表4にまとめて示している。
[実施例4、5、比較例3、4]
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末およびSiO2粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が0原子%(比較例3)、0.1原子%(実施例4)、10原子%(実施例5)、15原子%(比較例4)とした以外は実施例1と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、実施例4、5および比較例3の焼結体において六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。一方、比較例4の焼結体においては、上記ZnO相に加えて珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが確認された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、実施例4、5および比較例3で得た酸化物焼結体は、電子線回折からも、ウルツ鉱型構造である母相の中にSiO相が単体で存在していないことが確認された。しかし、比較例4では、不純物として添加したSi濃度が高かったせいか、固溶されなかったSiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
これ等のスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、実施例4および5では共にクラックは発生しておらず、成膜初期から10分間で異常放電等も発生しなかった。一方で、10分間で発生した異常放電が比較例3においては20回〜30回、比較例4においては100回〜120回発生していた。比較例3および4に係る酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において89%(比較例3)、88%(実施例4)、90%(実施例5)、78%(比較例4)であり、近赤外域において90%(比較例3)、94%(実施例4)、89%(実施例5)、76%(比較例4)であった。
また、比抵抗値は、7.8×102Ω・cm(比較例3)、9.0×10-4Ω・cm(実施例4)、8.1×10-4Ω・cm(実施例5)、8.2×10-4Ω・cm(比較例4)であった。
比較例3および4で得た透明導電膜は、異常放電の影響による透過率の悪化が生じていると考えられ、このような透明導電膜は、高透過性を要する透明電極膜として適用することはできないことが確認された。
[参考例6〜12、参考例7の2、参考例9の2、参考例12の2]
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末、SiO2粉末、添加元素として第三金属元素の酸化物粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が3.0原子%、第三金属元素をMとして、M/(Zn+Si+M)原子数比が2.0原子%の条件で、第三添加元素がMg(参考例6)、Al(参考例7)、Ti(参考例8)、Ga(参考例9)、In(参考例10)、Sn(参考例11)、Al+Ga(参考例12)、および、M/(Zn+Si+M)原子数比が10原子%の条件で、第三添加元素がAl(参考例7の2)、Ga(参考例9の2)、Al+Ga(参考例12の2)とした以外は実施例1と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、全ての焼結体において六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、得られた酸化物焼結体は、電子線回折からも、ウルツ鉱型構造である母相の中にSiO2相が単体で存在していないことが確認された。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
これ等のスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、全てのターゲットでクラックは発生しておらず、成膜初期から10分間で異常放電等も発生しなかった。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において90%(参考例6)、90%(参考例7)、88%(参考例8)、88%(参考例9)、89%(参考例10)、89%(参考例11)、88%(参考例12)、83%(参考例7の2)、81%(参考例9の2)、82%(参考例12の2)であり、近赤外域において91%(参考例6)、91%(参考例7)、91%(参考例8)、91%(参考例9)、90%(参考例10)、91%(参考例11)、92%(参考例12)、82%(参考例7の2)、80%(参考例9の2)、80%(参考例12の2)であった。
また、比抵抗値は8.0×10-4Ω・cm(参考例6)、5.7×10-4Ω・cm(参考例7)、8.2×10-4Ω・cm(参考例8)、5.0×10-4Ω・cm(参考例9)、7.1×10-4Ω・cm(参考例10)、7.5×10-4Ω・cm(参考例11)、5.4×10-4Ω・cm(参考例12)、7.8×10-4Ω・cm(参考例7の2)、6.1×10-4Ω・cm(参考例9の2)、7.2×10-4Ω・cm(参考例12の2)であった。
よって、参考例6〜12、7の2、9の2、12の2に係る透明導電膜は、可視域だけでなく近赤外域の透過率に優れており、可視光透過を必要とするディスプレイ等のデバイス用途だけでなく、近赤外域の高透過性が要求される太陽電池用途としても有用であることが確認された。
[比較例5]
粒径が3.0mmである硬質ZrO2ボールが投入されたボールミル装置を用いて、原料粉の平均粒径0.5μm以下となるまで湿式粉砕を行った以外は実施例1と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
しかし、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が生じていたせいか、ウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されなかったSiO2相が存在していた。また、上記ボールミルでは0.5μm以下まで粉砕する為に24時間を要しており、生産性が著しく低いだけでなく、粉砕の間にボールから磨耗、混入したZr成分が4000ppm検出されており、この製法では、高い生産性、品質を必要とする量産工程として利用することができない。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で10回〜20回発生していた。このような酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において82%、近赤外域において83%であり、比抵抗値は9.8×10-4Ω・cmであった。
[比較例6]
平均粒径が1.3μmのZnO粉末および平均粒径が1.5μmのSiO2粉末を原料粉末とした以外は実施例1と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
しかし、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、酸化物焼結体は、原料粉末の粒径が大きく、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されず、SiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で20回〜30回発生していた。このような酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において85%、近赤外域において85%であり、比抵抗値は1.2×10-3Ω・cmであった。
[実施例13]
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末およびSiO2粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が3.0原子%となるようにそれぞれ秤量した。
次に、ZnO粉末とSiO2粉末それぞれ60wt%ずつと、純水、有機分散剤とを、原料粉末濃度が60wt%であるスラリーとなるように混合し、混合タンクにてスラリーを作製した。
得られたスラリーは、スプレードライヤー装置(大川原化工機株式会社製、ODL−20型)にて、噴霧および乾燥し、粒径が300μm以下である混合粉末を得た。
得られた混合粉末を大気圧焼成炉にて、700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分の速さで昇温させ、かつ、700〜900℃以外の温度範囲における昇温速度を3℃/分とし、最高焼成温度を1200℃として20時間焼成し、焼成後粉砕することで300μm以下の仮焼粉末を得た。
次に、得られた仮焼粉末と、上記秤量した残りのZnO粉末とSiO2粉末とを、純水、有機バインダー、分散剤とを、原料粉末濃度が70wt%であるスラリーとなるように調合し、混合タンクにてスラリーを作製し、スプレードライヤー装置にて噴霧および乾燥し、粒径が300μmである造粒粉を得た。
そして、得られた造粒粉を、金型中で加圧成形(三庄インダストリー製、ウエーブ成形プレス機)して、直径30mm、高さ40mmの円柱型成形体を200個得た。
得られた成形体を、大気圧焼成炉にて、700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分の速さで昇温させ、かつ、700〜900℃以外の温度範囲における昇温速度を3℃/分とし、最高焼成温度を1000℃として20時間焼成し、酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、200個全ての焼結体において六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、得られた酸化物焼結体は、電子線回折からも、ウルツ鉱型構造である母相の中にSiO2相が単体で存在していないことが確認された。
次に、得られた焼結体を蒸着用タブレットとして用い、イオンプレーティング法による成膜を行った。成膜には、高密度プラズマアシスト蒸着法(HDPE法)が可能な反応性プラズマ蒸着装置を用いた。具体的な条件としては、蒸発源と基板間距離を0.6m、プラズマガンの放電電流を100A、Ar流量を30sccm、O2流量を10sccmとして、真空蒸着装置内に蒸着用タブレットを連続的に供給しつつ、非加熱で成膜を実施して、膜厚200nmの透明導電膜を形成した。その結果、全ての蒸着用タブレットにおいて安定した成膜が可能であり、自動運搬時による欠け、クラックの発生が無く、安定した成膜が可能であった。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において90%、近赤外域において92%であり、比抵抗値は7.9×10-4Ω・cmであった。
[実施例14、15、比較例7、8]
焼成温度を1400℃(実施例14)、900℃(実施例15)、1500℃(比較例7)、700℃(比較例8)とした以外は実施例13と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
実施例1と同様に、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、全ての焼結体において六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相のピークのみが検出され、SiO2相単体や珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークは検出されなかった。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、実施例14、15および比較例8で得た酸化物焼結体は、電子線回折からも、ウルツ鉱型構造である母相の中にSiO2相が単体で存在していないことが確認された。しかし、比較例7では、焼成温度が高すぎたためかSi濃度の高い領域が粒界に隣接した結晶粒子内部に形成されており、SiO2相が存在していた。
得られた焼結体を蒸着用タブレットとして用い、真空蒸着装置内に連続的に供給しつつ、電子ビームを照射し蒸着を行った。その結果、実施例14および15の蒸着用タブレットにおいては安定した成膜が可能であったが、比較例7ではSiO2相への帯電や過焼結による熱衝撃への耐性不足から、成膜時のタブレット割れや異常放電、スプラッシュ現象が発生した。加えて、比較例8の焼結体においては、焼結不足から自動運搬時および成膜時に割れが発生した。これ等比較例7と8に係る酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において90%(実施例14)、90%(実施例15)、86%(比較例7)、88%(比較例8)であり、近赤外域において93%(実施例14)、91%(実施例15)、88%(比較例7)、89%(比較例8)であった。
また、比抵抗値は、8.2×10-4Ω・cm(実施例14)、8.0×10-4Ω・cm(実施例15)、8.9×10-4Ω・cm(比較例7)、8.7×10-4Ω・cm(比較例8)であった。
比較例7および8で得た透明導電膜は、成膜の不安定さから透過率への悪影響があったと考えられ、このような透明導電膜は、高透過性を要する透明電極膜として適用することはできないことが確認された。
[比較例9]
平均粒径が0.4μmのZnO粉末およびSiO2粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が4.0原子%となる割合で調合し、粒径3.0mmの硬質ZrO2ボールが投入されたボールミル装置を用いて、原料粉の平均粒径が0.3μm以下となるまで乾式粉砕を行い、造粒粉を得た。
次に、得られた造粒粉を、真空ホットプレスで15MPa(150kg/cm2)、1000℃の条件にて焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は全て3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相、および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が生じていたせいか、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されずSiO相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で10回〜20回発生していた。このような酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
次に、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において82%、近赤外域において79%であり、比抵抗値は7.0×10-4Ω・cmであった。
[参考比較例10]
平均粒径が0.1μmのZnO粉末、SiO2粉末およびAl23粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が1.1原子%、Al/(Zn+Si+Al)原子数比が3.5原子%となる割合で調合し、純水、有機バインダー、分散剤と混合し、原料粉末濃度が60wt%となるように混合し、混合タンクにてスラリーを作製した。
次に、粒径が3.0mmである硬質ZrOボールが投入されたボールミル装置を用いて、18時間湿式粉砕を行った以外は実施例1と同様の条件にて造粒粉を得た。
得られた造粒粉を、冷間静水圧プレスで294MPa(3ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、得られた約200mmφの成形体を、大気圧焼成炉にて、最高焼成温度を1300℃として大気中で5時間焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は室温から800℃までを1℃/分とし、800〜1300℃までを3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が生じていたせいか、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されずSiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で3回発生していた。このような酸化物焼結体では異常放電が抑制されてはいるものの、異常放電を完全に無くすことはできず、高い生産性を必要とする量産工程では歩留まり悪化につながるため利用することができない。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において82%、近赤外域において75%であり、比抵抗値は8.0×10-4Ω・cmであった。
[参考比較例11]
平均粒径が0.1μmのZnO粉末、SiO2粉末およびGa23粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が0.85原子%、Ga/(Zn+Si+Ga)原子数比が4.0原子%となる割合で調合し、純水、有機バインダー、分散剤と混合し、原料粉末濃度が60wt%となるように混合し、混合タンクにてスラリーを作製した。
次に、粒径が3.0mmである硬質ZrOボールが投入されたボールミル装置を用いて、18時間湿式粉砕を行った以外は実施例1と同様の条件にて造粒粉を得た。
次に、得られた造粒粉を、冷間静水圧プレスで294MPa(3ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、得られた約200mmφの成形体を、大気圧焼成炉にて、最高焼成温度を1300℃として大気中で5時間焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は室温から800℃までを1℃/分とし、800〜1300℃までを3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相、および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が生じていたせいか、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されずSiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で3回発生していた。これ等のような酸化物焼結体では異常放電が抑制されてはいるものの、異常放電を完全に無くすことはできず、高い生産性を必要とする量産工程では歩留まり悪化につながるため利用することができない。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において82%、近赤外域において76%であり、比抵抗値は7.5×10-4Ω・cmであった。
[参考比較例12]
平均粒径が0.1μmのZnO粉末、SiO2粉末およびAl23粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が0.7原子%、Al/(Zn+Si+Al)原子数比が4.7原子%となる割合で調合し、純水、有機バインダー、分散剤と混合し、原料粉末濃度が60wt%となるように混合し、混合タンクにてスラリーを作製した。
次に、粒径が3.0mmである硬質ZrO2ボールが投入されたボールミル装置を用いて、18時間湿式粉砕を行った以外は実施例1と同様の条件にて造粒粉を得た。
得られた造粒粉を、冷間静水圧プレスで98MPa(1ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、得られた約200mmφの成形体を、大気圧焼成炉にて、最高焼成温度を1500℃として大気中で5時間焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は室温から1000℃までを1℃/分とし、1000〜1500℃までを3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相、および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が、かつ焼成温度が高すぎたためかSi濃度の高い領域が粒界に隣接した結晶粒子内部に形成されており、SiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で3回発生していた。このような酸化物焼結体では異常放電が抑制されてはいるものの、異常放電を完全に無くすことはできず、高い生産性を必要とする量産工程では歩留まり悪化につながるため利用することができない。また、このターゲット製造条件においては、焼成温度が1500℃と高すぎるためか、結晶粒が粗大化しており焼結体強度が低く、加工中に20枚中4枚で割れが発生している。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において85%、近赤外域において76%であり、比抵抗値は5.0×10-4Ω・cmであった。
[参考比較例13]
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末、SiO2粉末およびAl23粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が6.8原子%、Al/(Zn+Si+Al)原子数比が3.1原子%となる割合で調合し、粉砕は行わず乾式混合のみを行い、造粒粉を得た。
次に、粒径が3.0mmである硬質ZrO2ボールが投入されたボールミル装置を用いて、18時間湿式粉砕を行った以外は実施例1と同様の条件にて酸化物焼結体を得た。
得られた造粒粉を、冷間静水圧プレスで98MPa(1ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、得られた約200mmφの成形体を、大気圧焼成炉にて、最高焼成温度を1400℃として大気中で20時間焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は全て3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相、および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が生じていたせいか、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されずSiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で10回〜20回発生していた。このような酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において79%、近赤外域において77%であり、比抵抗値は4.3×10-3Ω・cmであった。
[比較例14]
平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末およびSiO2粉末を原料粉末とし、Si/(Zn+Si)原子数比が5.0原子%となる割合で調合し、これ等の原料粉末を粒径が3.0mmである硬質ZrOボールが投入されたボールミル装置を用いて、20時間混合、乾燥し、混合分を得た。
この混合粉末を大気圧焼成炉にて、昇温速度を3℃/分とし、最高仮焼温度を1300℃として大気中で2時間焼成を行い、仮焼粉末を得た。この仮焼粉末について、上記と同様にボールミル処理を行い、この仮焼粉末と上記と同様のZnO粉末とを、Si/(Zn+Si)原子数比が3.0原子%となる割合で調合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、混合粉末を得た。
次に、得られた造粒粉にポリビニルアルコールを添加し造粒粉とした後、この造粒粉を用いて一軸加圧成形機で98MPa(1ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、更に冷間静水圧プレスで294MPa(3ton/cm2)の圧力を掛けて成形し、約200mmφの成形体を得た。得られた成形体は大気圧焼成炉にて、大気中600℃で1時間脱脂後、最高焼成温度を1400℃として大気中で2時間焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は全て3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相、および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粉砕・混合が不十分で凝集が生じていたせいか、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されずSiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で20回〜30回発生していた。このような酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において80%、近赤外域において78%であり、比抵抗値は9.5×10-4Ω・cmであった。
[参考比較例15]
平均粒径が5.0μmのZnO粉末、SiO2粉末、Al23粉末およびMgO粉末を、それぞれSi/(Zn+Si)原子数比が0.5原子%、(Al+Mg)/(Zn+Si+Al+Mg)原子数比が5.1原子%となるよう秤量、準備した。
次に、ZnO粉末とAl23粉末を混合した後、大気圧焼成炉にて、昇温速度を3℃/分とし、最高温度を1000℃として仮焼し、AZO粉末である仮焼粉末(1)を得た。
一方、上記SiO2粉末とMgO粉末を、AZO粉末作製と同様に1000℃で仮焼し、仮焼粉末(2)を得た。
次に、上記仮焼粉末(1)および(2)を、更に混合し、再仮焼した後、再仮焼粉末を、粒径が3.0mmである硬質ZrO2ボールが投入されたボールミル装置を用いて、平均粒径が1.0μm以下となるまで粉砕し、造粒を行った。
得られた造粒粉を49MPa(500kg/cm2)の圧力を掛けてプレス成形し、得られた約200mmφの成形体を、大気圧焼成炉にて、最高焼成温度を1400℃として酸素雰囲気中で5時間焼成し、酸化物焼結体を得た。このとき、昇温速度は全て3℃/分とした。
実施例1と同様、得られた酸化物焼結体の粉末X線回折測定を行ったところ、六方晶のウルツ鉱構造をとるZnO相、および、珪酸亜鉛(Zn2SiO4)のスピネル型複合酸化物相に起因するピークが検出された。
また、得られた酸化物焼結体の端材をFIB加工により薄片化し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)搭載の透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、酸化物焼結体は、原料粉末の粒径が大きく、巨視的なスケールでしか均一に分散されなかったSiがウルツ鉱型構造である母相の中に固溶されず、SiO2相が存在していた。
次に、得られた酸化物焼結体を、直径が152.4mm(6インチ)で、厚みが5mmとなるように加工し、スパッタリングターゲットを得た。
このスパッタリングターゲットをスパッタ装置(トッキ製、SPF−530K)に装着した後、実施例1と同様の条件にてスパッタリング法による成膜に使用した後、ターゲットの状態を確認した結果、異常放電が成膜初期から10分間で20回〜30回発生していた。このような酸化物焼結体では、高い生産性を必要とする量産工程では利用することができない。
また、実施例1と同様にして得られた膜自体の透過率および比抵抗値を測定、算出したところ、可視域において88%、近赤外域において89%であり、比抵抗値は9.0×10-4Ω・cmであった。
Figure 0005761253
Figure 0005761253
Figure 0005761253
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本発明のZn−Si−O系酸化物焼結体によれば、スパッタリングターゲットに利用された場合には異常放電等が抑制され、蒸着用タブレットに利用された場合にはスプラッシュ現象が抑制されるため、ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池の電極等に用いられる透明導電膜の成膜材料として利用される産業上の利用可能性を有している。

Claims (8)

  1. 酸化亜鉛を主成分とし、Si以外の添加元素を含有しないZn−Si−O系酸化物焼結体において、
    700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させると共に900〜1400℃の焼成温度で上記酸化物焼結体が製造され、かつ、
    Siの含有量がSi/(Zn+Si)原子数比で0.1〜10原子%であり、
    Si元素がウルツ鉱型酸化亜鉛相に固溶していると共に、
    CuKα線を使用した焼結体粉末のX線回折、並びに、透過型電子顕微鏡を用いた焼結体薄片の電子線回折による2つの検出方法でSiO2相および珪酸亜鉛(Zn2SiO4)であるスピネル型複合酸化物相が検出されないことを特徴とするZn−Si−O系酸化物焼結体。
  2. 請求項1に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体を加工して得られることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. 請求項1に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体からなることを特徴とする蒸着用タブレット。
  4. 請求項1に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法において、
    ZnO粉末およびSiO粉末を、純水、有機バインダー、分散剤と混合し得られるスラリーを、乾燥、造粒する第一工程と、
    得られた造粒粉を加圧成形して成形体を得る第二工程と、
    得られた成形体を焼成し、焼結体を得る第三工程を有すると共に、
    上記焼結体を得る第三工程が、700〜900℃の温度域を昇温速度5℃/分以上の速さで昇温させる工程と、成形体を焼成炉内において900℃〜1400℃で焼成する工程からなることを特徴とするZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法。
  5. 上記第三工程において、900℃〜焼結温度までの温度域を昇温速度3℃/分以下の速さで昇温させることを特徴とする請求項4に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法。
  6. 上記第一工程において、ZnO粉末とSiO粉末、ZnO粉末とSiO2粉末を混合し仮焼して得た仮焼粉末、および、純水、有機バインダー、分散剤を、原料粉末であるZnO粉末、SiO2粉末および仮焼粉末の合計濃度が50〜80wt%となるように混合し、10時間以上混合攪拌して上記スラリーを得ることを特徴とする請求項4に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法。
  7. ZnO粉末とSiO粉末を混合し900℃〜1400℃の条件で仮焼して上記仮焼粉末を得ていることを特徴とする請求項6に記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法。
  8. 平均粒径が1.0μm以下のZnO粉末とSiO2粉末を用いることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のZn−Si−O系酸化物焼結体の製造方法。
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