JP5759607B1 - 工作機械用芯出し冶具 - Google Patents
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したがって、特許文献2は加工の無人自動化を行う際に大きな障害となっていた人間の介在を不要とし、ワークの交換や傾きや平行度の微調整等の段取り作業を含めて、問題を、作業者の熟練に頼らず、ワークの姿勢を簡便に、かつ、短時間に精度良く調整でき、無人自動化にも対応可能としたものである。
また、上記可動ベースは、中心に被工作物取付孔を有し、そこに前記被工作物を取付けて前記工作機械側の固定ベースに固定するもので、前記被工作物取付孔に配設する前記被工作物の大きさ及び形状を問うものではない。前記固定ベースと前記被工作物との間で直角座標位置の特定の芯出し位置(X軸=0,Y軸=0)が一義的に決まればよい。
そして、上記締付ボルトは、前記固定ベースの特定面と前記可動ベースの特定面が嵌合され、その嵌合状態で前記固定ベースと前記可動ベースを一体に螺合するものである。
前記被工作物を取付ける可動ベースは、被工作物取付孔に対して、直角座標位置のX軸の一方またはY軸の一方の芯出し位置、または直角座標位置のX軸の一方及びY軸の一方の1対の締付ボルトの締付け及びその解除を行えば、芯出し位置(X軸=0,Y軸=0)が一義的に決まる。
前記工作機械側の固定ベースと前記可動ベースの中心点を通る前記直角座標(X軸,Y軸)に平行する傾斜面を45〜80度とすることについて、傾斜面を45度未満の場合には、前記工作機械側固定ベースと前記可動ベースとを締付けても、自己に割り当てられている特定位置に留まることなく締め付けられる。また、傾斜面が80度を超えると、前記工作機械側の固定ベースと前記可動ベースとを締付けると、両者が傾いた状態で締め付けられ。両者が噛み合ってしまう可能性がでてくる。したがって、傾斜面は45〜80度とすると、前記工作機械側の固定ベースと前記可動ベースと本来の位置に摺動するから、当該値が好適である。
ここで、上記保護枠体は、前記可動ベースに設けた嵌合機構側の反対面側に配設された被工作物に対して、他の部材との衝突または落下による衝撃を直接受けないようにするガードであり、形式的には、工作機械側の前記固定ベースの特定面と前記可動ベースの特定面で形成する直角座標位置(X軸,Y軸)にある前記被工作物の周囲及び垂直方向(Z軸方向)を囲うものである。また、必ずしも前記保護枠体を金属で形成する必要性はなく、合成樹脂、合成ゴム、木材等を使用することもできる。
ここで、工作機械側の上記固定ベースには、前記可動ベースと同様に中心に切削工具が通過する貫通孔を設けたもので、工作機械をフライス盤から放電加工機に代えた場合でも、工作機械用芯出し冶具の取替えを必要としないで処理可能とするものである。ここで、切削工具が通過する貫通孔は必ずしも中心に限定するものでなく、工作機械の作業性から設定できる。しかし、視認される芯出し位置の関係から、中心に切削工具が通過する貫通孔を設けることが望ましい。
ここで、上記4個の凹状部及び凸状部からなる嵌合機構は、前記4個の凹状部または凸状部を特定位置のみで4個が嵌合する構成としたもので、特定の形状の4個が合致したときのみ嵌合可能とすることができる。勿論、前記4個の凹状部または凸状部の形状によって2ヵ所で嵌合する構成とすることも、4個所で嵌合可能とすることもできる。
前記工作機械側の固定ベースの特定面と前記可動ベースの特定面で形成する直角座標位置上の垂直方向に嵌合を行う嵌合機構は、その中心点を通る前記直角座標(X軸,Y軸)に平行する両側に45〜80度の傾斜面を形成した4個の凹状部及び凸状部からなる凹凸が形成されているから、締付ボルトで前記固定ベースと前記可動ベースを一体に締付ければ、その一体化により被工作物に対して狂いのない加工が可能となる。
また、前記工作機械側の固定ベースと前記可動ベースとが一義的に決定できるから、工作機械側に取付けられた固定ベースは特定の旋盤であっても、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、歯切り盤、マシニングセンター、型彫り放電加工機、ワイヤ放電加工機等であっても、そこで特定の被工作物の芯出し位置を設定しておけば、1種類の加工機械の使用に限定されることなく、前記工作機械側ベースを予めまたは順次、複数台の工作機械側に取付けておけば、複数の工作機械の使用が可能となる。
そして、前記工作機械側の固定ベースの特定面と前記可動ベースの特定面に形成している両側に45〜80度の傾斜面を形成した凹状部及び凸状部からなる嵌合機構は、例えば、4個が同時に嵌合する位置を特定すれば、特定の位置でのみ嵌合が行われ、方向性を持たせることもできる。両側に45〜80度の傾斜面を形成した4個の凹状部及び凸状部からなる嵌合機構を90度置きに嵌合可能な位置を設定すれば、4個所の位置で嵌合させることができる。
更に、前記被工作物を取付ける可動ベースは、その被工作物取付孔に対して、直角座標位置のX軸の一方またはY軸の一方の芯出し位置、または直角座標位置のX軸の一方及びY軸の一方の1対の締付ボルトの締付けまたはその解除を行えば、芯出し位置(X軸=0,Y軸=0)が一義的に決まるから、その都度芯出しを行う必要がない。
したがって、請求項1の構成に加えて保護枠体を有するから、前記工作機械側の固定ベースの特定面と前記可動ベースの特定面で形成する直角座標位置(X軸,Y軸)にある前記被工作物の周囲及び垂直方向(Z軸方向)を囲うことにより、前記可動ベースに設けた嵌合機構側の反対面側に配設された被工作物に対して、他の部材との衝突または落下による衝撃を直接受けない。また、保護枠体は、合成樹脂、合成ゴムで形成し、作業中の被工作物をその状態で保管することもできる。そして、切削加工等の加工屑が飛散しないので、周囲を汚すことがない。
図1乃至図9において、例えば、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、歯切り盤、マシニングセンター、型彫り放電加工機、ワイヤ放電加工機等の加工する工作機械側に取付けられる被工作物50の芯出し位置を特定する工作機械側の固定ベース10は、公知の技術によって工作機械のベッド、テーブルに配設され、例えば、公知のフライス盤用芯出し冶具、ダイヤルゲージ等の芯出し冶具を使用して取付けられる。工作機械側の固定ベース10は複数形成しておき、使用する旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、歯切り盤、マシニングセンター、型彫り放電加工機、ワイヤ放電加工機等の工作機械側に夫々取付けておくこともできる。
なお、被工作物50としては、小物部品の事例で説明するが、本発明を実施する場合には、工作機械側の固定ベース10等が相対的に被工作物50のサイズに対応するだけであり、小物部品に限られることなく使用が可能である。
そして、中央の固定ベース10の接続孔12は、冶具取付ボルト77と螺合するものであるが、例えば、ワイヤ放電加工機のワイヤ電極等が貫通し、工作機械の適正に合致した形状とすることもできる。このため、本実施の形態の工作機械側の固定ベース10の接続孔12は、切削工具が通過する貫通孔として小径または大径となったり、その形状が四角形或いはそれ以上の多角形または特殊な形状となる場合もある。何れにせよ、被工作物50の取付け及び取外しが自在で、再度の取付けの場合には、芯が移動しない構造のものが好ましい。
凸状部13,15はY軸方向に配設され、凸状部14,16はX軸方向に配設されている。凸状部13,15、凸状部14,16は、直角座標位置のX軸=0,Y軸=0,Z軸=0の位置から等しい距離だけ離れた位置に配置されている。同様に、各凸状部13,15、凸状部14,16には、直角座標位置のX軸=0,Y軸=0,Z軸=0の位置から等しい位地に締め付け孔13a,14a,15a,16aが形成されている。
また、発明者は、角度θL=θRを30、45、60、70、80、90度と変更して実験を行った。その結果、凸状部13,14,15,16の直角座標位置のX軸とY軸に沿った両側の角度θLと角度θRは45〜80度の傾斜面となっている。この凸状部13,14,15,16の直角座標位置のX軸とY軸に沿った両側の角度θLと角度θRの45〜80度からなる傾斜面は、工作機械側の固定ベース10と可動ベース20が機械的に結合したとき、両者間に外力のエネルギが伝わり易くなっている構造である。より好ましくは、角度θL=θRは60乃至80度の範囲である。
逆に、直角座標位置のX軸とY軸に沿った両側の傾斜面の角度θLと角度θRを、80度以上とすると、工作機械側固定ベース10と可動ベース20のZ軸方向の変化では、固定ベース10に対する可動ベース20の滑り結合により、また、締付ボルト41,42,43,44の締付けにより、分離する際に噛み合って分離ができなくなるという問題が、角度が大きくなれば大きくなるほどその可能性が高くなる。
したがって、発明者の実験によれば、直角座標位置のX軸とY軸に沿った両側の45〜80度からなる傾斜面の角度θLと角度θRが安定した使用となることが確認された。勿論、この趣旨で使用すれば、他の形状とすることもできる。
被工作物50を取付ける可動ベース20には、被工作物取付孔21に装着された固着部54に対して、直角座標位置のX軸の一方のみ、またはY軸の一方のみ、または直角座標位置のX軸の一方及びY軸の一方の1対のロックネジ45,46,47,48の締付けまたはその解除を、1対のロックネジ45,46,47,48または2対のロックネジ45,46,47,48で行えば、芯出し位置(X軸=0,Y軸=0)が一義的に決まるから、その都度芯出しを行う必要性がない。
しかし、固定ベース10の凸状部13,14,15,16と可動ベース20の凹状部23,24,25,26が特定の角度の場合のみ嵌合する嵌合機構40としたときには、工作機械に対して間違いのない方向性の嵌合が可能になる。この特定の角度の場合のみ嵌合が行われる形態は、固定ベース10の凸状部13,14,15,16と可動ベース20の凹状部23,24,25,26の傾斜角度、即ち、角度θLと角度θR及びそれらの寸法または配置の何れでも設定できる。
即ち、Y軸方向の凸状部13,15は、凸状部14,16と同様に、幅X2−X1である。固定ベース10の上面から垂直距離h1を形成し、そこから左側角度θLで高さを凸状部間隔H1としている。また、固定ベース10の上面から垂直距離h1を形成し、そこから右側角度θRで凸状部間隔H1の高さとされている。ここで、左側角度θLは右側角度θRに等しいことになる。また、X軸方向の凸状部14,16は、凸状部13,15と同様に、幅Y2−Y1である。
可動ベース20の下面から垂直下方に、垂直距離h2だけ下方に間隔を設け、そこから左側角度180−θLで垂直距離h2を含む高さを凹状部間隔H2としている。同様に、右側角度180−θR側でも垂直距離h2を含む高さを凹状部間隔H2としている。
ここで、締付ボルト41,42,43,44が螺合されても、固定ベース10の凸状部13,14,15,16は、可動ベース20の凹状部23,24,25,26との面接触が噛み合うことなく当接する。また、固定ベース10の凸状部13,14,15,16と可動ベース20の凹状部23,24,25,26は、固定ベース10と可動ベース20のX軸方向、Y軸方向に摺動しない構造となっており、固定ベース10の接続孔12を中心とする回転力が加えられても、効率よく伝達され、相手側の回転力となって伝達される。
なお、左側角度θL及び右側角度θRが形成する斜面と、左側角度180−θL及び右側角度180−θRが形成する斜面は、使用に伴って摩耗するが、その摩耗による誤差は面を広くしており変化が少ない。
しかし、本発明を実施する場合には、凸状部13,14,15,16の高さ、その位置、傾斜面の角度θLと角度θRを変更することによって、また、凹状部23,24,25,26についてもその谷の深さ(凸状部13,14,15,16の逆)、その位置、傾斜面の角度180−θLと180−角度θRを変更することによって、特定の被工作物50の方向でないと嵌合しない構造の嵌合機構40とすることができる。
即ち、工作機械側の固定ベース10の取付け側は、鋼鉄、真鍮、黄銅等からなる取付板71が4本のボルト72によって取付対象物の挿通孔71aに挿通され、図1の取付孔11に締め付けられている。
冶具取付ボルト77は、厚手のリング状の環状部材76、一方の面が四角または六角を有し、環状部材76側を環状とした取付用ブロック75と、ワッシャ74、ロックナット73がワッシャ74を除き順次螺合されている。
ここで、取付板71、ボルト72、ロックナット73、ワッシャ74、取付用ブロック75、環状部材76、冶具取付ボルト77は工作機械に取付けるワンタッチ固定具70を構成している。勿論、ワンタッチ固定具70の構成は、この構成に限定されるものではない。
したがって、取付部ブロック75と環状部材76で形成された個所に、工作機械側の固着具で特定方向に引っ張りながら固定するワンタッチ固定具70となる。この実施の形態では複数個所固着する必要がないので、作業能率が効率的である。
したがって、図9に示す型彫り放電加工機100の電極110がその軸心を中心とした制御が可能となる。勿論、旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、歯切り盤、マシニングセンター、ワイヤ放電加工機等においても、同様に可動ベース20に取付けた被工作物50を移動することにより、各工作機械の芯出しを行うことなく、被工作物50を取付けた可動ベース20の取付け加工を行うことができる。
工作機械側の固定ベース10の特定面と可動ベース20の特定面で形成する直角座標位置上の垂直方向に嵌合を行う凹状部23,24,25,26及び凸状部13,14,15,16からなる嵌合機構40は、その中心点を通る前記直角座標(X軸,Y軸)に平行する両側に45〜80度の傾斜面を形成した4個の凹状部23,24,25,26及び凸状部13,14,15,16からなる凹凸部が形成されているから、締付ボルト41,42,43,44で工作機械側の固定ベース10と可動ベース20を一体に締付ければ、一体化され、被工作物50に対して狂いのない加工が可能となる。
したがって、保護枠体30を有するから、工作機械側の固定ベース10の特定面と可動ベース20の特定面で形成する直角座標位置(X軸,Y軸)にある被工作物50の周囲及び垂直方向(Z軸方向)を囲うことにより、可動ベース20に設けた嵌合機構40側の反対面側に配設された被工作物50に対して、他の部材との衝突または落下による衝撃を直接受けない。また、合成樹脂、合成ゴムで形成し、作業中の被工作物をその状態で保管することもできる。そして、切削加工等の加工屑が飛散しないので、周囲を汚すことがない。
この突出した断面四角錐台形は、片側または両側が傾斜面で形成されており、その傾斜面には、凹状部23,24,25,26の窪みの傾斜面が面で接合されるものであり、かつ、直角座標位置(X軸,Y軸)での結合となるから、X軸方向の移動が阻止され、また、Y軸方向の移動も阻止されるから、固定ベース10に連結された可動ベース20に取付けられた被工作物50の加工が無理なく容易にできる。
勿論、被工作物50の設定位置をノギスまたはマイクロメータで測定し、特定の位置に設定してもよい。
12 接続孔
13,14,15,16 凸状部
20 可動ベース
21 被工作物取付孔
23,24,25,26 凹状部
30 保護枠体
40 嵌合機構
41,42,43,44 締付ボルト
50 被工作物
Claims (4)
- 工作機械側に取付けられ、前記工作機械側に取付けられる被工作物の芯出し位置を特定する工作機械側の固定ベースと、
前記被工作物を被工作物取付孔に取付けた状態で前記工作機械側の固定ベースに固着自在な可動ベースと、
前記固定ベースと前記可動ベースは、その中心点を通る直角座標のX軸方向とY軸方向に形成した凹状部及び凸状部とし、しかも、前記凹状部及び前記凸状部の前記中心点を通る直線に平行する対向面を45〜80度の傾斜面に形成し、前記固定ベースと前記可動ベースとの嵌合を行う嵌合機構と、
前記嵌合機構の前記凹状部または前記凸状部を有する前記固定ベースと、前記凸状部または前記凹状部を有する前記可動ベースとの嵌合状態で前記固定ベースと前記可動ベースを一体に締付ける締付ボルトと
を具備することを特徴とする工作機械用芯出し冶具。 - 前記可動ベースに設けた嵌合機構側の反対面側に、前記被加工物を囲う保護枠体を取付けたことを特徴とする請求項1に記載の工作機械用芯出し冶具。
- 前記工作機械側の固定ベースには、前記被工作物を切削する切削工具が通過する貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械用芯出し冶具。
- 前記固定ベースと前記可動ベースの凹状部及び凸状部からなる嵌合機構は、4個の前記凹状部及び4個の凸状部を特定位置でのみ嵌合させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の工作機械用芯出し冶具。
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