JP5758447B2 - 光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に非有効部におけるガラスロッドの耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上した光ファイバ用母材の製造方法に関する。
一般的に、光ファイバ用母材の製造方法においては、光ファイバ作製時にコア又はコアにクラッドが堆積された構造となるガラスロッド(以下、ガラスロッドと略記することがある)を作製し、該ガラスロッドの外周上に、火炎加水分解法や熱分解法で生成させた石英ガラス多孔質粒子(スート)を成長、堆積させ、石英ガラス多孔質体を形成させて多孔質ガラス母材とする。次いで、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化するために、加熱炉中で多孔質ガラス母材を加熱処理して、焼結処理及び必要に応じて脱水処理を行い、光ファイバ用母材を得る。
ここで、石英ガラス多孔質体を形成する方法としては、例えば、種棒の先端にスートを堆積させて鉛直方向に成長させるVAD法、該VAD法等によって形成させた石英ガラス多孔質体を透明ガラス化した後、得られたガラス母材を必要に応じて延伸してから、その外周上にスートを堆積させるOVD法(外付け法)等が例示できる。
石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する方法としては、一般的に、多孔質ガラス母材を垂直に吊るし、加熱炉内でヒータに対して所定の速度で移動させるか、又は加熱炉内で多孔質ガラス母材に対して所定の速度でヒータを移動させることで、石英ガラス多孔質体を一端から他端まで傾斜焼結させる方法が例示できる。
このような透明ガラス化法では、加熱炉内の温度は、ヒータの表面温度を放射温度計等で測定したり、予めヒータ印加電力と加熱温度やその他の特性との相関を確認しておき、印加電力を調整したりすることで、制御している。このように加熱炉内の温度を制御することで、透明ガラス化する温度を適切な範囲に維持している。なお、スートに含有される水分を除去するために通常行われる脱水工程では、脱水温度が1000℃程度であるのに対し、焼結による透明ガラス化の温度は1500℃程度であり、より高温である。
また、光ファイバ用母材を製造する際には、多孔質ガラス母材の両端側に相当する部位を非有効部とし、該非有効部間に相当する部位を有効部として、通常は、得られた光ファイバ用母材の有効部を光ファイバの製造に使用する。そして、ガラスロッドの両端部にダミーロッドを融着させたものを使用して、その外周上に石英ガラス多孔質体を形成させ、中心軸方向においてダミーロッドが存在する部位(前記融着部より先端側の部位)を非有効部、前記ガラスロッドが存在する部位を有効部とすることがある。この場合、光ファイバ用母材を製造後、非有効部からダミーロッドを取り出し、再度光ファイバ用母材の製造に利用することがある。
近年、光ファイバ用母材及び光ファイバ素線の需要拡大に伴い、これらの大量生産が進められる中、母材の大型化、製造時間の短縮及び線引きスピードの高速化等が求められている。特に母材の大型化は、単位長さあたりの製造コストを低減するのに有効であり、種々検討が行われている。
例えば、特許文献1では、大型多孔質ガラス母材の透明ガラス化方法の最適化について開示されており、透明ガラス化されない未焼結部の改善と、透明ガラス化温度を上げ過ぎた場合の母材の延伸の抑制を目的に、透明ガラス化温度、母材の移動速度、ガスの供給条件を最適化する方法が提案されている。
特開2003−81657号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、多孔質ガラス母材を加熱領域中で移動させる際に、石英ガラス多孔質体の移動方向側の先端部よりもその反対側の先端部において、透明ガラス化温度を低くし、移動速度を速くしている。この場合、反対側の先端部では、石英ガラス多孔質体を支持しているダミーロッド(非有効部のガラスロッド)で、外周上の温度が高く且つ中心部の温度が低くなるという、径方向の温度差が生じる。そして、大型の多孔質ガラス母材を製造する際には、質量が大きい石英ガラス多孔質体を支持するために、ダミーロッドも太径化する必要があり、径方向の温度差は一層拡大してしまう。ダミーロッドの径方向で大きな温度差が生じると、この温度差に依存して粘度差が生じ、径方向でガラス内部に残留する歪みの差も大きくなってしまう。その結果、ダミーロッドは耐衝撃性が低下し、製造された光ファイバ用母材を装置から取り外したり、運搬したりする際に、振動や衝撃が加えられることで、ダミーロッドの割れや折れ等の破損が生じ易いという問題点があった。また、このようなダミーロッドは、耐熱衝撃性も低下するので、光ファイバ用母材の製造に再利用した際にも、急加熱により割れや折れ等の破損が生じ易いという問題点があった。これは、ダミーロッドの径方向における温度分布に依存して外周上に大きな引張応力が残留する場合に顕著となる。また、再利用時の破損を防止するために、再利用前にダミーロッドに対してアニール等の再処理を行って歪みを開放する手法も考えられるが、再処理中に破損が生じる可能性があるだけでなく、工程数が増加するため、コストアップしてしまうという問題点もあった。そして、石英ガラス多孔質体の質量増加の影響も受け、このようなダミーロッドの破損が一層増幅されるという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する工程を有し、特に非有効部におけるガラスロッドの耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上し、大型化にも対応可能な光ファイバ用母材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明の光ファイバ用母材の製造方法は、ガラスロッドの外周上に石英ガラス多孔質体が堆積されてなり、且つ光ファイバの製造に使用される有効部と、該有効部の両端に隣接する非有効部とを備える多孔質ガラス母材を、加熱炉中のヒータにより加熱処理することで、前記石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する光ファイバ用母材の製造方法であって、前記加熱炉中において、石英ガラス多孔質体がその一端から他端へ向けて前記ヒータによる加熱領域中を通過するように、前記多孔質ガラス母材を、その中心軸方向にヒータに対して相対的に移動させて加熱処理する第一工程と、該第一工程後、前記移動方向とは反対側の非有効部がヒータ近傍に到達した時点で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させる第二工程と、該第二工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度に加熱温度を保持し、前記非有効部の加熱処理を所定時間継続する第三工程と、該第三工程後、石英ガラスの徐冷点に200℃を加算した温度以下まで、加熱炉内の加熱温度を低下させる第四工程と、該第四工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度まで加熱温度を上昇させることなく、得られた石英ガラス母材を加熱炉外へ取り出す第五工程と、を有し、前記第三工程終了後から前記第四工程開始時までの、前記非有効部のガラスロッドの径方向における温度差が100〜250℃であることを特徴とする。
本発明の光ファイバ用母材の製造方法においては、前記多孔質ガラス母材が20kg以
上であることが好ましい。
また、本発明の光ファイバ用母材の製造方法においては、前記第二工程において、前記移動方向とは反対側の非有効部全体が、前記多孔質ガラス母材の中心軸方向において、前記ヒータと重なる状態で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させることが好ましい
た、本発明の光ファイバ用母材の製造方法においては、前記第一工程における加熱温度が1400〜1600℃であることが好ましい。
また、本発明の光ファイバ用母材の製造方法においては、前記第四工程において、加熱炉内の加熱温度を1000〜1350℃まで低下させることが好ましい。
本発明によれば、特に非有効部におけるガラスロッドの耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上した光ファイバ用母材が得られる。なかでも大型の光ファイバ用母材の製造において、顕著な効果を発揮する。その結果、光ファイバ用母材の取り扱いが容易となるだけでなく、非有効部から取り出されたガラスロッドは、再処理を行うことなく、光ファイバ用母材の製造に再利用できる。したがって、高品質な光ファイバ用母材を安価に製造できる。
多孔質ガラス母材を例示する概略縦断面図である。 第一工程における、ゾーン加熱炉内での多孔質ガラス母材を例示する概略縦断面図である。 第二工程における、相対的な移動を停止させた場合の、ゾーン加熱炉内での母材を例示する概略縦断面図である。 非有効部におけるガラスロッドの直径が20mmであると仮定した場合の、ガラスロッド内部の温度と保持時間との関係を示すグラフであり、(a)は保持時間ごとの径方向の温度分布を、(b)は保持時間とガラスロッド中心部における温度との関係を、それぞれ示す。 非有効部におけるガラスロッドの直径が30mmであると仮定した場合の、ガラスロッド内部の温度と保持時間との関係を示すグラフであり、(a)は保持時間ごとの径方向の温度分布を、(b)は保持時間とガラスロッド中心部における温度との関係を、それぞれ示す。 非有効部におけるガラスロッドの直径が40mmであると仮定した場合の、ガラスロッド内部の温度と保持時間との関係を示すグラフであり、(a)は保持時間ごとの径方向の温度分布を、(b)は保持時間とガラスロッド中心部における温度との関係を、それぞれ示す。 ガラスロッドの中心部と外周上との温度差を250℃とするために必要な保持時間とダミー径との関係を、補正前及び補正後について示すグラフである。 ガラスロッドの中心部と外周上との温度差を100℃とするために必要な保持時間とダミー径との関係を、補正前及び補正後について示すグラフである。 図7及び8における補正後のデータを併記するグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
<光ファイバ用母材の製造方法>
本発明の光ファイバ用母材の製造方法は、ガラスロッドの外周上に石英ガラス多孔質体が堆積されてなり、且つ光ファイバの製造に使用される有効部と、該有効部の両端に隣接する非有効部とを備える多孔質ガラス母材を、加熱炉中のヒータにより加熱処理することで、前記石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する光ファイバ用母材の製造方法であって、前記加熱炉中において、石英ガラス多孔質体がその一端から他端へ向けて前記ヒータによる加熱領域中を通過するように、前記多孔質ガラス母材を、その中心軸方向にヒータに対して相対的に移動させて加熱処理する第一工程と、該第一工程後、前記移動方向とは反対側の非有効部がヒータ近傍に到達した時点で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させる第二工程と、該第二工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度に加熱温度を保持し、前記非有効部の加熱処理を所定時間継続する第三工程と、該第三工程後、石英ガラスの徐冷点に200℃を加算した温度以下まで、加熱炉内の加熱温度を低下させる第四工程と、該第四工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度まで加熱温度を上昇させることなく、得られた石英ガラス母材を加熱炉外へ取り出す第五工程と、を有することを特徴とする。
本発明においては、加熱処理による透明ガラス化工程において、透明ガラス化過程にある石英ガラス多孔質体も、特に断りの無い限り、石英ガラス多孔質体と言うことにする。
同様に、透明ガラス化工程においてコアとなる過程のガラスロッドも、特に断りの無い限り、ガラスロッドと言うことにする。そして、透明ガラス化過程にある多孔質ガラス母材も、特に断りの無い限り、多孔質ガラス母材と言うことにする。
本発明において、「ガラスロッド」とは、通常のOVD法等の外付け法で石英ガラス多孔質体の堆積に供されるものであり、光ファイバにおいてはコア又はコアにクラッドが堆積された構造に相当するものである。ガラスロッドは公知のもので良く、VAD法、CVD法又はOVD法等、公知の方法で作製されたものが例示できる。
ガラスロッドは、そのまま石英ガラス多孔質体の堆積に供しても良いが、両端部にダミーロッドを融着させたものが好ましい。ここで、ダミーロッドは、通常の光ファイバ用母材の製造に使用されるもので良く、所望の光ファイバ用母材のサイズに応じて、十分な強度を有するように径のサイズを調整すれば良い。このようにすることで、ダミーロッドが融着されたガラスロッドの大部分を有効部とすることができる。本発明において「ガラスロッド」とは、このようなダミーロッドを融着させたものも含むものとする。
[多孔質ガラス母材]
多孔質ガラス母材は、公知の方法で作成すれば良い。例えば、ガラスロッドを石英ガラス多孔質体堆積装置にセットし、VAD法又はOVD法等のスート堆積法により、原料ガスからガラス微粒子合成用バーナで合成したガラス微粒子を、ガラスロッドの外周上に堆積させれば良い。このようにして作製された多孔質ガラス母材の概略縦断面図を図1に例示する。
図1に例示する多孔質ガラス母材1においては、直径Dのガラスロッド2の一端に直径Dの第一のダミーロッド3が融着され、他端に第二のダミーロッド4が融着されている。そして、ガラスロッド2の外周上全面と、第一のダミーロッド3及び第二のダミーロッド4の外周上のうちガラスロッド2側には、連続して石英ガラス多孔質体5が堆積されている。さらに、石英ガラス多孔質体5は、ガラスロッド2の中心軸方向において、ガラスロッド2と第一のダミーロッド3との融着部(以下、第一の融着部と略記することがある)23に対応する部位から第一のダミーロッド3の先端部30側へ向けて、その外径が漸次小さくなるテーパ状とされ、同様に、ガラスロッド2と第二のダミーロッド4との融着部(以下、第二の融着部と略記することがある)24に対応する部位から第二のダミーロッド4の先端部40側へ向けて、その外径が漸次小さくなるテーパ状とされている。このようにテーパ状に成型する方法は公知の方法で良く、特に限定されない。これらテーパ状部位は、それぞれ同じ形状であることが好ましい。そして、石英ガラス多孔質体5は、ガラスロッド2の外周上では、その中心軸方向のいずれの位置においてもほぼ同じ外径となっており、中心軸方向における長さはHである。ガラスロッド2、第一のダミーロッド3、第二のダミーロッド4及び石英ガラス多孔質体5はいずれも同心状に配置されていることが好ましい。
多孔質ガラス母材1のうち、ガラスロッド2の中心軸方向において、第一のダミーロッド3の外周上で石英ガラス多孔質体5がテーパ状とされている部位は、第一の非有効部11であり、同様に、第二のダミーロッド4の外周上で石英ガラス多孔質体5がテーパ状とされている部位は、第二の非有効部12である。第一の非有効部11及び第二の非有効部12の中心軸方向の長さは、それぞれH11及びH12である。そして、多孔質ガラス母材1のうち、前記第一の非有効部11と第二の非有効部12との間の部位は、直径D10の有効部10である。有効部10は、光ファイバ用母材とされた時に、光ファイバの製造に使用される部位である。第一の非有効部11及び第二の非有効部12の中心軸方向の長さは、それぞれH11及びH12である。そして、多孔質ガラス母材1のうち、前記第一の非有効部11と第二の非有効部12との間の部位は、直径D10の有効部10である。有効部10は、光ファイバ用母材とされた時に、光ファイバの製造に使用される部位である。
このように、多孔質ガラス母材1において、石英ガラス多孔質体5の両端部近傍に相当する部位は、それぞれ第一の非有効部11及び第二の非有効部12となっており、石英ガラス多孔質体5はテーパ状である。本発明においては、必ずしも非有効部がテーパ状である必要性はないが、テーパ状である方が、非有効部を基点とする多孔質ガラス母材1の割れを防止する高い効果が得られる点で好ましい。そして、石英ガラス多孔質体5は、非有効部の一部でテーパ状とされていても良いが、ここに示すように非有効部の全体に渡ってテーパ状とされていることが特に好ましい。また、いずれか一方のみの非有効部(第一の非有効部11又は第二の非有効部12)がテーパ状とされていても良いが、両方(第一の非有効部11及び第二の非有効部12)が共にテーパ状とされていることが特に好ましい。
本発明において、多孔質ガラス母材の大きさは特に限定されない。そして、多孔質ガラス母材の質量が大きい方が一層優れた効果を発揮する。質量が大きい多孔質ガラス母材には、ガラスロッドとして直径の大きいものが有効であるが、このようなガラスロッドは外周面の面積が大きい。この場合、後記する透明ガラス化工程において、非有効部のガラスロッドにかかる力が大きくなるが、面積が大きいので、ガラスロッドの径方向における温度差を小さくできれば、同方向における残留歪みの差を一層小さくできる。したがって、前記温度差を従来よりも小さくできる本発明の製造方法は、質量が大きい多孔質ガラス母材に好適なのである。
なかでも、本発明の効果が一層発揮されることから、多孔質ガラス母材は15kg以上のものが好ましく、20kg以上のものが特に好ましい。
得られた多孔質ガラス母材は、加熱炉中においてヒータにより加熱処理を行い、堆積した石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する。本発明は、本工程以降、前記第一〜第五工程を有することを特徴とする。以下、各工程について詳しく説明する。
[第一工程]
第一工程では、多孔質ガラス母材を、その中心軸方向にヒータに対して相対的に移動させて加熱処理する。ここで「多孔質ガラス母材をヒータに対して相対的に移動させる」とは、多孔質ガラス母材とヒータとの相対的な位置関係を変化させることを指し、より具体的には、(A)ヒータを固定して多孔質ガラス母材を移動させること、(B)多孔質ガラス母材を固定してヒータを移動させること、(C)ヒータ及び多孔質ガラス母材をこれらの相対的な位置関係が変化するように共に移動させること、のいずれかを指す。これらの中では、(A)が最も簡便で好ましい。
このように移動させることで、石英ガラス多孔質体がその一端から他端へ向けて前記ヒータによる加熱領域中を通過するようにし、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化していく。図2は、前記(A)の一実施形態を説明する図であり、ゾーン加熱炉内での多孔質ガラス母材を例示する概略縦断面図である。ここで「ゾーン加熱炉」とは、加熱炉内の一部の領域に設定された加熱領域を、加熱対象物を通過させることで加熱処理を行う加熱炉を指すものとする。
図2に示すように、ゾーン加熱炉6には、所定箇所を包囲するようにヒータ60が配置されており、ヒータ60間の領域(以下、主要加熱領域と略記する)600を多孔質ガラス母材1が、ガラスロッド2の中心軸方向に上から下へ向けて矢印の方向に移動可能とされている。多孔質ガラス母材1の移動方向におけるヒータ60の長さはLであり、本発明においてヒータ60は、H>Lであるものが好ましい。
第一工程では、第二の非有効部12から有効部10を経て第一の非有効部11までが順次加熱されるように、多孔質ガラス母材1を、上から下へ向けて移動させる。以上の点においては、公知の加熱処理方法を適用できる。
第一工程における多孔質ガラス母材1の移動速度は、石英ガラス多孔質体5を十分に透明ガラス化できる限り特に限定されないが、70〜200mm/時間であることが好ましく、100〜150mm/時間であることがより好ましい。
第一工程における加熱温度は、1400〜1600℃であることが好ましく、1400〜1550℃であることがより好ましい。
[第二工程]
第二工程では、第一工程後、前記移動方向とは反対側の非有効部がヒータ近傍に到達した時点で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させる。ここで、ヒータ近傍とは、ヒータにより十分加熱可能な領域のことを指す。
図3は、相対的な移動を停止させた場合の、ゾーン加熱炉内での母材を例示する概略縦断面図である。ここでは、第一の非有効部11の先端部110が主要加熱領域600中に配置された状態を例示している。本発明においては、第一の非有効部11がヒータ60の近傍に到達した時点で、相対的な移動を停止させれば良い。そして、第一の非有効部11の少なくとも一部が、主要加熱領域600中に存在する状態で、相対的な移動を停止させることが好ましく、第一の非有効部11全体が主要加熱領域600中に存在する状態で、相対的な移動を停止させることがより好ましい。このように、多孔質ガラス母材1の中心軸方向において、ヒータ60の近傍又はヒータ60と重なる状態で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させることで、第三工程での非有効部の加熱処理が一層効果的に行われる。
一方、相対的な移動速度を低下させる場合には、第一の非有効部11がヒータ60の近傍に到達した時点で低下させれば良い。そして、第一の非有効部11と有効部10との界面が主要加熱領域600に到達した時点で低下させることが好ましい。低下させた時の相対的な移動速度は、ヒータ60により第一のダミーロッド3が十分加熱可能な速度であれば良く、第一のダミーロッド3の径方向における中心部と外周上との温度差が小さくなる速度ほど好ましい。前記温度差は、第一のダミーロッド3の直径に依存するので、この直径に応じて適宜設定することが好ましいが、直径によらず遅いほど好ましく、通常は、10mm/時間以下であることがより好ましい。
その後は、第一の非有効部11において石英ガラス多孔質体5が十分透明ガラス化された後の任意の時期に、相対的な移動を停止させれば良い。
図2では、固定配置されたヒータ60に対し、多孔質ガラス母材1をガラスロッド2の中心軸方向に上から下へ移動させる場合について説明したが、固定配置された多孔質ガラス母材1に対し、ヒータ60をガラスロッド2の中心軸方向に下から上へ移動させても良い。この場合、ヒータ60は、多孔質ガラス母材1との相対的な位置関係が上記と同じになるように停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させれば良い。
さらに、本発明においては、ヒータ60及び多孔質ガラス母材1をこれらの相対的な位置関係が変化するように共に移動させても良い。この時、ヒータ60及び多孔質ガラス母材1は、(C−1)互いに同じ方向に移動させても良いし、(C−2)互いに逆方向に移動させても良い。例えば、(C−1)の場合には、ヒータ60及び多孔質ガラス母材1を共に上から下へ移動させるのであれば、多孔質ガラス母材1の移動速度をヒータ60の移動速度よりも大きくすれば良いし、ヒータ60及び多孔質ガラス母材1を共に下から上へ移動させるのであれば、ヒータ60の移動速度を多孔質ガラス母材1の移動速度よりも大きくすれば良い。また、(C−2)の場合には、ヒータ60を下から上へ、多孔質ガラス母材1を上から下へそれぞれ移動させれば良く、それぞれの移動速度は任意に設定できる。この場合も、ヒータ60及び多孔質ガラス母材1は、これらの相対的な位置関係が上記と同じになるように停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させれば良い。
[第三工程]
第三工程では、第二工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度に加熱温度を保持し、前記非有効部の加熱処理を所定時間継続する。
これにより、石英ガラス多孔質体が透明ガラス化された母材が得られると共に、非有効部におけるガラスロッド(図3においては、第一の非有効部11における第一のダミーロッド3)は、外周から中心部に至るまで十分に加熱され、その径方向における温度差が十分小さくなり、母材の質量がガラスロッドの径方向において比較的均等にかかるようになる。ここで「比較的均等」とは、耐衝撃性及び耐熱衝撃性が実用上問題ないレベルとなる差であることを指す。その結果、残留応力の径方向における差が小さくなり、非有効部におけるガラスロッドに残留する径方向の歪みも小さくなり、耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上する。またこのような効果は、例えば、図3においては、第一の非有効部11における第一のダミーロッド3だけではなく、主要加熱領域600で十分加熱されるガラスロッドにおいても発現される。具体的には、第一のダミーロッド3のうち、石英ガラス多孔質体5が積層されずに露出されている部位や、有効部10におけるガラスロッド2のうち、第一の非有効部11近傍の部位においても、同様の効果が発現される。
保持する加熱温度は、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度であればいずれでも良く、例えば、前記第二工程における透明ガラス化温度と同じでも良いし、さらに昇温又は降温させても良い。ただし、ガラスロッドの径方向における温度差を一層小さくするという観点からは、第二工程の温度に対して同等以上であることが好ましい。また、工程を簡略化するという観点からは、第二工程の温度に対して同等以下であることが好ましい。すなわち、工程を簡略化しつつ本発明の効果を十分発揮させるためには、第二工程の温度と同等であることが好ましい。
一方、加熱温度が高過ぎると、非有効部におけるガラスロッドは、その粘度が低下して、該ガラスロッド自体の質量や支持している有効部の質量により延伸され、最終的には、透明ガラス化された母材が落下する、あるいは、母材下部が炉芯管下部に接触して、炉芯管が破損する可能性がある。これに対し、加熱温度が低過ぎると、本発明の効果が十分得られない。
保持時間は、この時の加熱温度やガラスロッドの直径に応じて適宜調整することが好ましい。保持時間が長過ぎると加熱温度が高すぎた場合と同様の、保持時間が短か過ぎると加熱温度が低過ぎた場合と同様の状態となる。
好ましい保持時間は、非有効部におけるガラスロッドの直径の関数として表すことができる。例えば、図1に例示する多孔質ガラス母材1の場合には、保持時間Yは、式「0.020D −0.597D+3.588≦Y≦0.022D +0.280D−13.104(ただし、Y<0となる場合には、Y=0とする。)」の範囲であることが好ましい。これについて、以下、さらに詳しく説明する。
一般に熱伝導方程式は、下記(1)式で表わされる。
Figure 0005758447
式(1)中、θは温度、tは時間、∂は熱拡散係数、q(x)は熱源をそれぞれ表す。さらに、∂は下記(2)式で表わされる。
Figure 0005758447
式(2)中、Kは熱伝導係数、cは比熱、ρは密度をそれぞれ表す。
上記式(1)及び(2)を用いて、母材の非有効部におけるガラスロッドの形状を円柱で近似し、その外周上の温度を、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する温度とし、ガラスロッド内部に熱源が存在しないと仮定して、q(x)=0として、有限要素法、有限差分法、有限体積法等を用いて、非有効部におけるガラスロッド内部への熱伝導速度を計算し、ガラスロッド内部の温度と保持時間との関係を算出すると、図4〜6に示すグラフが得られる。図4〜6中、(a)は保持時間ごとの径方向の温度分布を、(b)は保持時間とガラスロッド中心部における温度との関係をそれぞれ示すグラフである。(a)において、例えば、横軸の「半径方向位置」が「0m」とは、中心部であることを示す。そして、図4は非有効部におけるガラスロッドの直径(以下、「ダミー径」と略記する)が20mm、図5はダミー径30mm、図6はダミー径40mmの場合について、それぞれ算出した時の代表的な結果である。
これらの結果から、ダミー径が大きくなるほど中心部まで温度が上昇するのに時間を要することが判る。例えば、ダミー径が20mmの場合には、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差を250℃以下とするためには、90秒程度の保持時間が必要だが、同様の温度差にするために、ダミー径が30mmの場合には5分程度、ダミー径が40mmの場合には15分程度の保持時間がそれぞれ必要であることが判る。
ここに示す結果は、熱伝導だけを見積もった場合のものなので、透明ガラス化過程の多孔質ガラス母材がヒータに対して相対的に移動し、輻射や対流がある、実際の加熱炉中の場合と、完全に結果が一致するわけではない。しかし、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する温度が1500℃程度と比較的低いため、輻射が及ぼす影響は小さいと考えられ、ガラスロッド内部の温度は、主にガラスロッド表面から内部への熱伝導により支配され、対流の影響は僅かであると考えられる。そこで、上記結果は、ほぼ実際のガラスロッド内部の温度と保持時間との関係を示しているとみなし、これらの結果を、実験事実と整合するように補正する。図7は、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差を250℃とするために必要な保持時間とダミー径との関係を示す。ここに示すように、補正前のグラフは2次曲線で近似できる。一方、実際には、例えば、ダミー径が20mmである場合、保持時間が0でもガラスロッド中の残留歪みは小さく、耐衝撃性及び耐熱衝撃性が良好であることが判っている。これは、透明ガラス化過程の多孔質ガラス母材をヒータに対して相対的に移動させているために、ヒータの熱はガラスロッドの径方向だけでなく、中心軸方向(移動方向)にも拡散しており、上記計算時とは初期値が異なることが原因であると推測される。そこで、ダミー径が20mmである場合の保持時間90秒を0へオフセットさせ、全体的に保持時間を短くする方向へオフセットさせる相関を適用する。
同様に、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差を100℃とするために必要な保持時間とダミー径との関係を、補正前及び補正後の両方について図8に示す。
さらに、図7及び8における補正後のデータを併記したグラフを図9に示す。
図9より、それぞれの曲線を2次曲線で近似することにより、ダミー径(横軸)をX(mm)、保持時間(縦軸)をY(分)とした場合、式「0.020X−0.597X+3.588≦Y≦0.022X+0.280X−13.104」で表される関係を満たすことが好ましいことが判る。すなわち、保持時間をこのような好ましい範囲とすることで、非有効部におけるガラスロッドは、外周上から中心部に至るまで十分に温度が伝達され、温度差が小さくなるので、径方向の残留歪みの差が小さくなり、耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上する。
本発明においては、第三工程終了後から第四工程開始時までの、非有効部のガラスロッドの径方向における温度差は、100〜250℃であることが好ましい。このような好ましい範囲とすることで、ガラスロッドの径方向における温度差は少ないが、ゼロではないため、ガラスロッドの加熱に伴う延伸が抑制されると共に、母材を支持することにより生じる前記ガラスロッドの径方向における残留歪みの差が十分小さくなり、該ガラスロッドの耐衝撃性及び耐熱衝撃性が顕著に向上する。
[第四工程]
第四工程では、第三工程後、石英ガラスの徐冷点に200℃を加算した温度以下まで、加熱炉内の加熱温度を低下させる。ここで「加熱温度」とは、母材を加熱する温度のことを指す。
第三工程後に、透明ガラス化された母材を、例えば、直ちに加熱炉外に取り出すなど急冷した場合には、急冷開始時の環境温度に依存して、非有効部のガラスロッドにおける径方向に新たな残留歪みが生じてしまう。その結果、最終的に光ファイバ用母材とした時に、さらに径方向の残留歪みの分布が大きく変動してしまう。しかし、第三工程後に急冷することなく一旦所定の温度にまで徐々に母材の温度を低下させることで、母材の径方向の温度分布が急激に変化することがなく、第三工程終了時から径方向の残留歪みの分布がほとんど変動しない。本発明においては、第三工程後に、特に石英ガラスの徐冷点に200℃を加算した温度まで加熱温度を一旦低下させることで、径方向の残留歪みの分布変動を抑制する。この時、断熱材等で覆われ保温効果を有する加熱炉内で温度を低下させることにより、母材の急冷が回避される。
石英ガラス多孔質体を透明ガラス化した後は、径方向の残留歪みの分布変動を抑制するために、通常は、加熱炉内の加熱温度を石英ガラスの徐冷点以下の温度まで低下させてから、得られた母材を加熱炉外に取り出すことが好ましい。しかし、本発明においては、上記第三工程を行うことにより、従来法とは異なり、非有効部のガラスロッドにおける径方向の残留歪みの差が小さいので、加熱炉内の加熱温度が石英ガラスの徐冷点以上の段階で母材を加熱炉外に取り出しても、径方向の残留歪みの分布変動が抑制される。本発明者らは、鋭意検討を行った結果、石英ガラス母材を加熱炉外に取り出しても良い加熱炉内の加熱温度の上限は、石英ガラスの徐冷点に200℃を加算した温度とすれば良いことを初めて見出した。なお、この上限温度は、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度よりも低い温度である。
このように、加熱炉内の加熱温度の上限を設定することにより、加熱炉内での降温時間を短縮でき、製造効率を低下させることなく、良好な品質の光ファイバ用母材が得られる。
そして、第四工程においては、通常、加熱炉内の加熱温度を1000〜1350℃まで低下させることが好ましく、1200〜1350℃まで低下させることがより好ましい。
[第五工程]
第五工程では、第四工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度まで加熱温度を上昇させることなく、得られた石英ガラス母材を加熱炉外へ取り出す。
本工程では、第四工程後、加熱炉内の加熱温度を上昇させることなく、石英ガラス母材を取り出すことが好ましい。第四工程後、必要に応じて、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度よりも低い温度まで、加熱炉内の加熱温度を上昇させてから石英ガラス母材を取り出しても良いが、工程が煩雑になる。
<光ファイバ用母材、光ファイバ用母材製造用ガラスロッド>
本発明の光ファイバ用母材は、上記本発明の製造方法で製造されたことを特徴とする。
また、本発明の光ファイバ用母材製造用ガラスロッドは、上記本発明の製造方法で製造された光ファイバ用母材のうち、前記第三工程において加熱処理を所定時間継続した非有効部から取り出されたことを特徴とする。
上記本発明の製造方法によれば、特に、前記第三工程において加熱処理を所定時間継続した非有効部におけるガラスロッドの耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上する。このような光ファイバ用母材は、取り扱いが容易である。そして、製造する光ファイバ用母材が大型であるほど、このような優れた効果を発揮する。さらに、前記非有効部から取り出されたガラスロッド(ダミーロッド)は、耐衝撃性及び耐熱衝撃性が向上しているので、アニール等の再処理を行うことなく、光ファイバ用母材の製造に再利用できる。したがって、高品質な光ファイバ用母材を安価に製造できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本実施例においては、非有効部のガラスロッドにおける径方向の残留歪みの分布を評価する方法として、以下の方法を適用した。残留歪みの評価方法としては、ストレインビュアー等が挙げられるが、ガラスロッド外周上の歪み評価等が非常に困難なためである。
評価方法;透明ガラス化された母材の加熱炉内での降温(本発明においては第四工程)後、非有効部のガラスロッド外周上の円周方向にヤスリで幅1mm、深さ0.5mm程度の溝(キズ)を約半周分設け、24時間以内にキズの成長に伴う割れの有無を確認した。
(実施例1)
ダミー径が35mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約20kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、図2に示すようにゾーン加熱炉を使用して、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1480℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で10分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、206℃、7.2分〜23.6分である。次いで1350℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、いずれにも割れは生じなかった。
(実施例2)
ダミー径が40mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約50kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1490℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で15分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、220℃、11.7分〜33.3分である。次いで1300℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、いずれにも割れは生じなかった。
(実施例3)
ダミー径が45mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約80kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1500℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で30分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、159℃、17.2分〜44.0分である。次いで1250℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、いずれにも割れは生じなかった。
(実施例4)
ダミー径が35mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約20kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1480℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で20分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、126℃、7.2分〜23.6分である。次いで1350℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、いずれにも割れは生じなかった。
(実施例5)
ダミー径が40mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約50kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1490℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で30分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、121℃、11.7分〜33.3分である。次いで1300℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、いずれにも割れは生じなかった。
(実施例6)
ダミー径が45mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約80kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1500℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で40分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、110℃、17.2分〜44.0分である。次いで1250℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、いずれにも割れは生じなかった。
(比較例1)
ダミー径が35mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約20kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1480℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で5分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、344℃、7.2分〜23.6分である。次いで1450℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、10本中4本のガラスロッドに割れが生じた。
(比較例2)
ダミー径が40mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約50kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1490℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で10分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、290℃、11.7分〜33.3分である。次いで1400℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、10本中6本のガラスロッドに割れが生じた。
(比較例3)
ダミー径が45mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約80kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1500℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で15分間保持した。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、270℃、17.2分〜44.0分である。次いで1250℃まで降温後、光ファイバ用母材を加熱炉外へ取り出した。本法により10本の光ファイバ用母材を作製し、非有効部のガラスロッドを評価した結果、10本中3本のガラスロッドに割れが生じた。
(比較例4)
ダミー径が35mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約20kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1480℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で30分間保持したところ、非有効部のガラスロッドが延伸され、母材が落下してしまった。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、84℃、7.2分〜23.6分である。
(比較例5)
ダミー径が40mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約50kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1490℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で40分間保持したところ、非有効部のガラスロッドが延伸され、母材が落下してしまった。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、83℃、11.7分〜33.3分である。
(比較例6)
ダミー径が45mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約80kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1500℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で60分間保持したところ、非有効部のガラスロッドが延伸され、母材が落下してしまった。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、56℃、17.2分〜44.0分である。
(比較例7)
ダミー径が20mmであるガラスロッドを使用して外付けデポジションを行い、約15kgの多孔質ガラス母材を得た。次いで、実施例1と同様に、加熱炉内に固定配置されたヒータに対して、多孔質ガラス母材を100mm/時間の速度で上から下へ移動させることで、1460℃で透明ガラス化を行い、第一の非有効部の一部が主要加熱領域中に配置された状態で母材を停止させ、そのままの温度で5分間保持したところ、非有効部のガラスロッドが延伸され、母材が落下してしまった。なお、先に述べた方法による、ガラスロッドの中心部と外周上との温度差、加熱温度の好ましい保持時間は、それぞれ、62℃、0分〜1.3分である。
本発明は、光通信の分野で利用可能である。
1・・・多孔質ガラス母材、2・・・ガラスロッド、3・・・第一のダミーロッド、5・・・石英ガラス多孔質体、6・・・ゾーン加熱炉、10・・・有効部、11・・・第一の非有効部、60・・・ヒータ、110・・・第一の非有効部先端部、600・・・主要加熱領域

Claims (5)

  1. ガラスロッドの外周上に石英ガラス多孔質体が堆積されてなり、且つ光ファイバの製造に使用される有効部と、該有効部の両端に隣接する非有効部とを備える多孔質ガラス母材を、加熱炉中のヒータにより加熱処理することで、前記石英ガラス多孔質体を透明ガラス化する光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記加熱炉中において、石英ガラス多孔質体がその一端から他端へ向けて前記ヒータによる加熱領域中を通過するように、前記多孔質ガラス母材を、その中心軸方向にヒータに対して相対的に移動させて加熱処理する第一工程と、
    該第一工程後、前記移動方向とは反対側の非有効部がヒータ近傍に到達した時点で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させる第二工程と、
    該第二工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度に加熱温度を保持し、前記非有効部の加熱処理を所定時間継続する第三工程と、
    該第三工程後、石英ガラスの徐冷点に200℃を加算した温度以下まで、加熱炉内の加熱温度を低下させる第四工程と、
    該第四工程後、石英ガラス多孔質体を透明ガラス化できる温度まで加熱温度を上昇させることなく、得られた石英ガラス母材を加熱炉外へ取り出す第五工程と、
    を有し、
    前記第三工程終了後から前記第四工程開始時までの、前記非有効部のガラスロッドの径方向における温度差が100〜250℃であることを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  2. 前記多孔質ガラス母材が20kg以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
  3. 前記第二工程において、前記移動方向とは反対側の非有効部全体が、前記多孔質ガラス母材の中心軸方向において、前記ヒータと重なる状態で、相対的な移動を停止させるか、又は相対的な移動速度を低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
  4. 前記第一工程における加熱温度が1400〜1600℃であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
  5. 前記第四工程において、加熱炉内の加熱温度を1000〜1350℃まで低下させることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
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