JP5757809B2 - 積層体および該積層体を有するタッチパネル - Google Patents

積層体および該積層体を有するタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、特定の粘着剤層を有するタッチパネル形成部材用の積層体、および、この積層体を有するタッチパネルに関する。
現在主流で用いられているタッチパネルには、大別して抵抗膜式タッチパネルと静電容量方式のタッチパネルとがあり、これらは共に各種材料の積層体であり、その貼り合わせには主にアクリル系粘着剤が使用されている。
タッチパネルは、耐久性試験や加速試験において高温高湿の環境におかれることから、高い透明性が求められ、さらに、高い耐熱性、耐湿熱性などの特性が必要とされる。またタッチパネルは、前記のごとく各種材料の積層体であり、タッチパネル装置の最表面に配置されることから、外部からの水分の各層間などへの浸入によって白化現象を生ずることがあり、また、積層体を構成する各層の貼着の際、空気を巻き込むことによる発泡、および積層する材料から発生するアウトガスによる発泡などが問題になる。
また、これまでのタッチパネルの主流であった抵抗膜方式のタッチパネルにおいては、ポリカーボネート(PC)あるいはインモールドフィルム(IMF)の貼り付けのために種々の粘着剤が使用されてきた。
しかしながら、PC等の材料上の特性として、高温条件で材料由来のアウトガスが発生するとの特性があり、また、湿熱条件では水分がPC等のフィルムから流入し、微小な水滴として析出することによる粘着剤層の白化現象を抑えることが難しいという問題もある。さらに、IMFはサブミクロンオーダーの段差を有するために、その段差に粘着剤が追従できずに泡を巻き込むという問題もある。
従来は、上記のような問題を、粘着剤を構成するポリマーに、該ポリマーの構成モノマーとしてアクリル酸などの酸成分を配合することと、高分子量化により解決していた。即ち、酸成分は混入した水分を分散させて析出させないという機能を有しており、粘着剤層に浸入した水分は酸成分の分散力によって粘着剤層内に分散され析出することがなかったので、粘着剤層が白化するのが防止され、また酸成分は水素結合を形成すること、そして、ポリマー分子量を大きくすることによる高い凝集力によって、高温における泡の発生を抑えていたのである。
ところで、近時、マルチタッチ化をはじめとする機能の充実化に伴い静電容量方式のタッチパネルが抵抗膜方式のタッチパネルに代わって主流になりつつある。この静電容量方式のタッチパネルにおいては、抵抗膜方式のタッチパネルで要求されていた特性は当然必要となるが、それに加えて、粘着剤が回路を形成している導電層と直接接触するために、粘着剤が導電層の特性に影響を与えないという特性が必要になる。導電層は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)または銀のような金属あるいは金属酸化物で形成されており、酸との接触により腐食を起こし、その抵抗値が上昇してしまうので、従来使用されていた酸成分を用いて耐熱性、耐湿熱性などの特性を確保するという手段は用いることができない。
このようなITOや銀等の金属あるいは金属酸化物からなる透明電極の腐食に関しては、特許文献1(特開2010-77287号公報)には、アルコキシアルキルアクリレートを主成分とする重合体を含む粘着剤層が開示されており、この特許文献1では、重量平均分子量が40万〜160万のアルコキシアルキルアクリレート系のポリマーであってカルボキシル基含有モノマーを使用しないポリマーを用いることが開示されている。
このようにカルボキシル基含有モノマーを使用せずに重量平均分子量40万〜160万のアルコキシアルキルアクリレート系のポリマーを使用することにより、ITOなどの金属あるいは金属酸化物からなる透明電極の腐食に関しては改善されるものの、耐湿熱白化性、耐熱発泡性などの性能に関しては充分な効果を得られていない。また、タッチパネルを構成する積層体を製造した後には、それらを所望の大きさ、形状にカットすることが行われるが、前記ポリマーを使用したタッチパネルにおいては、このカットにおける作業性(粘着剤がカット手段に付かないことなど)も充分とはいえない。
さらに特許文献1は、タッチパネル等において、印刷段差(画面の額縁として印刷されたものにより形成される、タッチパネルを構成する積層体における一定の層における段差である)等の段差を有する部材を含むものが増えてきており、携帯電話などにおいて枠状の印刷部分が施された部材を有するタッチパネルなどが用いられていることに言及している。そして、特許文献1には、当該文献に記載の発明における粘着剤は、この印刷段差を埋める性能(段差追従性)が高く、しかも高温での粘着力や耐久力にも優れている旨の記載がある。
しかしながら、特許文献1に開示されているポリマーの重量平均分子量は40万〜160万(実施例で実際に合成されたポリマーの重量平均分子量は、多くが100万であり、最低のものでも60万である)と非常に大きいので、これを溶媒に溶解して塗布液を調製する際に固形分の量が多くなるとポリマー溶液の粘度が高くなりすぎる。タッチパネル用途、特に静電容量方式のタッチパネルにおいては、表面支持体とITOなどの導電性膜とを接着するために厚膜の粘着剤層を形成する必要があるが、重量平均分子量が40万〜160万のアルコキシアルキルアクリレート系ポリマーを用いたのでは固形分含量の高い塗布液を調製することができないので、固形分含有量の低い塗布液を調製し、繰返し塗布する必要があり、一度の塗工で必要とされる厚さの粘着剤層を形成することが困難である(厚膜塗工性が不十分である)との問題を有している。また、このような高粘度かつ高分子量のポリマーでは、段差追従性も不十分である。
特許文献2(特開2009-79203号公報)にも、重量平均分子量が40万〜160万(実施例では多くが100万を超え、最低のものでも60万である)のアルコキシアルキルアクリレート系ポリマーを含有する粘着剤組成物が開示されているが、これも特許文献1と同様、耐湿熱白化性、耐熱発泡性、カット作業性および段差追従性などの特性が充分とはいえない。
特開2010-77287号公報 特開2009-79203号公報
本発明は、金属あるいは金属酸化物からなる導電膜を有するタッチパネル用の積層体において、当該積層体を構成する粘着剤層が、耐熱性(耐発泡性)、耐湿熱安定性(耐湿熱白化性)に優れ、金属あるいは金属酸化物に対する腐食性がなく、さらに厚膜塗工性、カット作業性および段差追従性に優れている積層体、および、これを用いたタッチパネルを提供することを目的としている。
本発明の積層体は、基材と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層された積層体であって、前記粘着剤層は、
(A)架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10重量%およびマクロマー0.1〜30重量%を含むモノマー(全モノマーを100重量%とする)を共重合させて得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満である(メタ)アクリル系ポリマーと、
(B)架橋剤とを含み、
前記マクロマーは重合性不飽和基を有し、ガラス転移温度は50〜180℃であり、重量平均分子量は500〜10万であり、前記架橋性官能基が水酸基であり、前記架橋剤がイソシアネート架橋剤であることを特徴としている。
前記マクロマーを構成するモノマーは、メタクリル系モノマーまたはスチレン系モノマーであることが好ましく、前記粘着剤層が、さらに窒素含有(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマーを重合してなる(メタ)アクリル系低分子量体を含むことが好ましい。
記(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、その構成モノマーとして窒素含有モノマーを含むことが好ましく、前記マクロマーと前記(メタ)アクリル系低分子量体とが、少なくとも1種の共通の構成モノマーを有することが好ましい。
また、前記導電層は、通常金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜であり、前記粘着剤層の厚みは、通常10〜1000μmである。
本発明のタッチパネルは、表面支持体と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層された積層体を含むタッチパネルユニットと、該タッチパネルユニット上に積層されたフラットパネルディスプレイとからなり、前記積層体が、本発明の積層体であることを特徴としている。当該タッチパネルは、好ましくは静電容量方式のタッチパネルである。
前記積層体においては、通常前記表面支持体の前記粘着剤層と対面する面の縁部に額縁印刷がなされており、当該額縁印刷の厚さは、通常10〜50μmの範囲内にある。
さらに、前記導電層は、通常金属酸化物としてITOを用いた回路パターンであり、該回路パターンに前記粘着剤層が直接接触しており、当該回路パターンの厚さは通常10〜100nmの範囲内にあり、また、前記表面支持体の厚さは、通常25〜2000μmの範囲内にある。
本発明の積層体における粘着剤層は、実質的に酸成分を含有していないので、ITO、ATO、銀などの金属あるいは金属酸化物からなる配線の腐食による劣化を有効に抑えることができる。
さらに、前記粘着剤層を構成する(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、重量平均分子量(Mw)が5万以上40未満であるので、溶媒中において固形分を高濃度に保つことができ、粘着剤層の形成の際に一回の塗工工程で充分な厚塗りをすることができ、しかも前記粘着剤層は、段差追従性およびカット作業性に優れている。
そして、架橋剤によって架橋構造が形成されるので、本発明の積層体における粘着剤層は、耐熱性および耐湿熱安定性にも優れている。
従って、本発明の積層体における粘着剤層は、ITO、ATOなどの金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜に対して腐食をおこしにくく、さらに白化、発泡も発生しにくい。
図1は、本発明の積層体を組み込んだ抵抗膜方式のタッチパネルにおけるタッチパネルユニットの例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の積層体を組み込んだ静電容量方式のタッチパネルにおけるタッチパネルユニットの例を模式的に示す断面図である。 図3は、静電容量方式のタッチパネルにおける端部の額縁印刷の構成の例を模式的に示す断面図である。 図4は、タッチパネルの端部に形成された額縁印刷部分への粘着剤層の粘着状態を模式的に示す断面図である。 図5は、タッチパネル用の積層体に生ずる発泡の状態を説明するための断面図である。 図6は、タッチパネル用の積層体に生ずる白化現象の発生を説明するための断面図である。
次に本発明の積層体およびタッチパネルについて具体的に説明する。
[積層体]
本発明の積層体は、基材と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層されたものである。以下、各構成層について説明する。
〔基材〕
前記基材は、一般にタッチパネルの最表面を構成する表面支持体などとして機能するものであり、そのような表面支持体としての機能、すなわち、一定の強度、透明性を有していれば特に制限されない。
基材を構成する材料の例としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーおよびガラスが挙げられる。
本発明における基材は、単層構成の層であってもよく、複数の層が積層されて各層の特性をまとめた複層構成の層であってもよい。
〔粘着剤層〕
本発明の積層体における粘着剤層は、上述の通り特定の(メタ)アクリル系ポリマー(A)と架橋剤(B)とを含む。以下、各成分について説明する。
<(A)(メタ)アクリル系ポリマー>
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーと、マクロマーと、任意にその他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体である。以下、各構成モノマーについて説明する。
(架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー)
前記(メタ)アクリル系モノマーにおける架橋性官能基とは、架橋剤(B)と架橋反応を起こすことのできる官能基であって、酸性基以外の基のことであり、架橋後の凝集力を向上させる観点から、特に、水酸基が好ましい。
水酸基を含有する(メタ)アクリル系モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートおよび8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
これらの中でも、重合の容易さ、架橋性の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
以上説明した架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーは、単独であるいは2種以上を組合わせて使用することができる。
このような架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーは、上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合に用いられる全モノマーに対して、0.1〜10重量%の量で共重合されており、好ましくは0.8〜9重量%、架橋剤との反応性、粘着剤層の凝集力調整の容易さから、より好ましくは1.2〜6重量%の量で共重合されていることがより好ましい。この共重合割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造において、モノマーの仕込み割合をこの割合に合わせることにより達成される。
(マクロマー)
上記マクロマーは、重合性不飽和基を有する、重量平均分子量500〜10万の重合体である。
前記重合性不飽和基としては、エチレン性不飽和二重結合などが挙げられる。
マクロマーの重合性不飽和基は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマーとラジカル重合反応を起こし、(メタ)アクリル系ポリマー(A)中に取り込まれる。そして(メタ)アクリル系ポリマー(A)として見ると、マクロマーに基づく側鎖が形成されることになる。
この側鎖により、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の分子同士が密集することが防がれ、それにより本発明の積層体における粘着剤層は柔軟な構造になるので、段差追従性に優れている。
そしてこのマクロマー自体は、Foxの式により求めたガラス転移温度が50〜180℃、好ましくは80〜150℃という高い温度にあるので、これが取り込まれた(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含有する前記粘着剤層は、耐熱発泡性にも優れている。
前記マクロマーの重量平均分子量は、段差追従性の観点から、500〜10万であり、好ましくは1000〜5万である。なお、本明細書において重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量であり、以下同様である。
マクロマーを構成する重合体鎖(主鎖)部分のモノマーの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレートおよびt−ブチルメタクリレートなどのメタクリル系モノマー、スチレンおよびα−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー、ならびにアクリロニトリル等が挙げられる。本発明の積層体における粘着剤層の凝集力、ならびに後述するアクリル系低分子量体を添加する際の該低分子量体と(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性の観点から、これらの中ではメチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートおよびスチレンが好ましい。
以上説明したマクロマーの製造は、公知の種々の方法に従って実施することができる。
例えば、(1)リビングアニオン重合でマクロマーを構成するポリマー鎖(リビングポリマーアニオン)を製造し、これにメタクリル酸クロリド等を作用させる方法;
(2)メルカプト酢酸のような連鎖移動剤の存在下で、メチルメタクリレート等のラジカル重合性モノマーを重合させ、末端にカルボキシル基を有するオリゴマーを得た後、これをメタクリル酸グリシジル等と反応させる方法;
(3)カルボキシル基を含むアゾ系重合開始剤の存在下に、メチルメタクリレート等のラジカル重合性モノマーを重合させ、末端にカルボキシル基を有するオリゴマーを得た後、メタクリル酸グリシジルでマクロマー化する方法などの方法が挙げられる。
さらにマクロマーは市販もされており、例えば、末端がメタクリロイル基であって、主鎖構成モノマーがメチルメタクリレート(MMA)であるマクロマー(製品名:45%AA−6(AA−6S)、AA−6;東亞合成株式会社製)、主鎖構成モノマーがスチレンであるマクロマー(製品名:AS−6S、AS−6;東亞合成株式会社製) 、主鎖がスチレン/アクリロニトリルの共重合体であるマクロマー(製品名:AN−6S;東亞合成株式会社製)、主鎖構成モノマーがブチルアクリレートのマクロマー(製品名:AB−6;東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
以上説明したマクロマーは、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合に用いられる全モノマーに対して、0.1〜30重量%の量で共重合されており、凝集力及び相溶性の観点から好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0.1〜20重量%の量で共重合されている。この共重合割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造において、マクロマーの仕込み割合をこの割合に合わせることにより達成される。またマクロマーは、単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(その他のモノマー)
(メタ)アクリル系ポリマー(A)には、以上説明した架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーおよびマクロマー以外のその他のモノマーが共重合されていてもよい。
その他のモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレートおよびジデカ(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、
メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびエトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
これらのアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレート及びアルコキシアルキレン(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合に用いられる全モノマーに対して60〜99.8重量%、好ましくは66〜99.0重量%、さらに好ましくは74〜98.6重量%の割合で用いられることが好ましく、さらには、上記モノマー中でアルコキシ(メタ)アクリレートおよびアルコキシアルキレン(メタ)アクリレートの合計が20重量%以上となるように使用することが、粘着剤層の水分による白化をより抑制する上で好ましい。
さらに、その他のモノマーとして、窒素含有モノマーを含有することも好ましい。窒素含有モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、
ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム等の窒素系複素環含有モノマー、
シアノ(メタ)アクリレート等のシアノ基含有モノマーを挙げることができ、このような窒素含有モノマーを、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合に用いられる全モノマーに対して、5重量%以下、さらには、0.1〜4重量%の範囲で共重合させることで粘着剤の凝集力を向上させ、さらに、イソシアネート系架橋剤による架橋を促進することができる。この共重合割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造において、モノマーの仕込み割合をこの割合に合わせることにより達成される。
その他、本発明において使用できるモノマーとしては、酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート;スチレン、α―メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレンなどのアルキルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系単量体などが挙げられ、これらは(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合に用いられる全モノマーに対して、0〜10重量%の範囲で使用することができる。この共重合割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造において、モノマーの仕込み割合をこの割合に合わせることにより達成される。
((A)(メタ)アクリル系ポリマー)
上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、公知の方法により製造することができるが、溶液重合により製造することが好ましい。溶液重合においては、重合溶媒として、例えば酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、アセトンなどを使用することができる。
具体的には、反応容器内に重合溶媒、モノマーを上記で説明した重量割合で仕込み、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で重合開始剤を添加し、反応温度50〜90℃程度に加熱し、4〜20時間反応させる。
溶液重合に用いる反応開始剤としては、アゾ系開始剤および過酸化物系開始剤を挙げることができる。これらの反応開始剤は、モノマー100重量部に対して、通常は0.01〜5重量部の範囲内の量で使用される。また、上記重合反応中に、重合開始剤、連鎖移動剤、モノマー、溶媒等を適宜追加添加してもよい。
上記のような条件において、得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、公知技術に従って、使用する溶媒の種類および量、重合開始剤の種類および量、反応時間、反応温度などの反応条件を調整することにより調節することができる。
例えばこのようにして得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、重合モノマーとして酸性基を有するモノマーを使用していないため、酸性基を実質的に有していない。ここで酸性基を実質的に有していないとは、作為的に酸性基を配合しないことを意味し、酸価で表すと通常は0.5mgKOH/g以下である。
なお、酸性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、リン酸基を有するモノマーおよび硫酸基を有するモノマーなどを挙げることができる。本発明において(メタ)アクリル系ポリマー(A)には、上記のような酸性基含有モノマーは共重合されていない。このように酸性基含有モノマーを共重合させていないので、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、金属あるいは金属酸化物からなる回路と直接接触してもこれらを腐食することがなく、本発明の積層体における粘着剤層に、前記回路の抵抗値を長期間にわたって変動させないとする特性を賦与することができる。
さらに、(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、重量平均分子量が5万以上40万未満、好ましくは10万〜38万の範囲内にある。
従来使用されていた粘着剤では重量平均分子量が40万〜160万程度の高分子量のアクリル系ポリマーが使用されていたが、本発明では上述のように(メタ)アクリル系ポリマーとして比較的分子量の低いものを用いることにより、粘着剤層が軟質になり段差追従性が良く、さらにこの粘着剤層を有する積層体の製造の際に気泡を巻き込みにくくなる。
なお、重量平均分子量が5万未満の(メタ)アクリル系ポリマーを用いても、後述する充分な凝集力が得られない。一方重量平均分子量が40万以上の(メタ)アクリル系ポリマーでは、段差追従性に乏しく外観不良を引き起こす。また、高粘度化するために厚膜塗工適正に劣る。
以上説明した(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記ポリマーのFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、通常は−70℃〜0℃、好ましくは−70℃〜−30℃の範囲内にある。このようなガラス転移温度(Tg)を有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)を用いることにより、常温で優れた接着強度を有する粘着剤層を得ることができる。
<(B)架橋剤>
本発明の積層体を構成する粘着剤層は、架橋剤(B)を含んでいる。
この架橋剤(B)が(メタ)アクリル系ポリマー(A)の架橋性官能基と架橋して高分子を形成し、本発明の粘着剤層に高い凝集力を与え、これにより優れた耐熱発泡性が達成される。具体的には、本発明の積層体における粘着剤層のゲル分率は、通常は50〜80%、好ましくは60〜70%の範囲内にある。なお、本発明においてゲル分率は以下のようにして求める。
23℃で7日間熟成後の粘着剤層サンプル約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30ccを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定し、次式により求める。
Figure 0005757809
前記架橋剤(B)としては、(メタ)アクリル系ポリマー(A)における架橋性官能基と架橋することができる限り特に制限されないが、イソシアネート架橋剤が好ましい。
イソシアネート架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどの分子中に二個以上のイソシアネート基を有する化合物:それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと付加反応させた化合物やイソシアヌレート化合物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンなどと付加反応させて得られた、ウレタンプレポリマー型の分子内に二個以上のイソシアネート基を有する化合物を挙げることができる。
これらの中でも、粘着剤層の被着体、すなわち、ガラスやポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の基材および導電層への馴染み性を向上させ貼り合わせ時の泡の巻き込みを低減することができ、高温でのアウトガスを抑制できる点でキシリレンジイソシアネートおよびそのトリメチロールプロパン付加体が好ましく、また、貼り付け面の段差追従性を向上させ、耐熱発泡性を良好にすることができる点でヘキサメチレンジイソシアネートおよびそのトリメチロールプロパン付加体、ならびにイソシアヌレート化合物が好ましい。
このような架橋剤(B)は、単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよく、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して通常0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部含まれている。
<(メタ)アクリル系低分子量体>
本発明の積層体における粘着剤層は、基材及び被着体への馴染み性の向上及び(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相互作用による凝集力の向上の観点から、窒素含有(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマーを重合してなる、酸性基を実質的に有さない(メタ)アクリル系低分子量体を含むことが好ましい。
前記窒素含有(メタ)アクリル系モノマーの例としては、上述の窒素含有モノマーが挙げられ、これらの中でも、粘着剤の凝集力を向上させ、さらに、イソシアネート系架橋剤による架橋を促進することができる観点からジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびアクリルアミドが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系低分子量体が窒素非含有(メタ)アクリル系モノマーを構成モノマーとして有していてもよいことはもちろんであり、そのようなモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレート、ジデカ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートおよび8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、スチレン系およびα−メチルスチレンが挙げられる。これらの中でも、重合性、(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性の観点から、(メタ)アクリル系低分子量体に対して、アルキル(メタ)アクリレートを80〜99重量%の割合で用いることが好ましい。
また、(メタ)アクリル系ポリマー(A)との相溶性の観点から、(メタ)アクリル系低分子量体とマクロマーとが、少なくとも1種の共通の構成モノマーを有することがより好ましい。
以上説明した(メタ)アクリル系低分子量体の重量平均分子量は5000以上5万未満である。またこのような(メタ)アクリル系低分子量体は、公知の種々の方法により製造することができる。
このような(メタ)アクリル系低分子量体は、単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよく、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して通常0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部含まれている。
<その他の成分>
本発明の積層体における粘着剤層には、本発明の積層体における粘着剤層の効果を損なわない範囲で、さらに酸化防止剤、金属腐食防止剤、光安定剤、粘着賦与剤、可塑剤、帯電防止剤、架橋促進剤、リワーク剤などを配合することもできる。
前記金属腐食防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール系化合物、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物が挙げられる。
これらのその他の成分の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整される。
〔導電層〕
本発明の積層体における導電層は、金属あるいは金属酸化物からなる単層の構造であってもよいし、当該層に更に電極板等が積層した複層構造であってもよい。複層構造の場合には、本発明の積層体における粘着剤層は、電極板と接する。
また前記金属あるいは金属酸化物としては、ITO(インジウムティンオキサイド)、ATO(アンチモンティンオキサイド)、酸化錫などが挙げられる。これらは透明性に優れているので、タッチパネルにおける透明導電膜として好適である。
さらに、前記電極板の構成材料としては、透明性の高いガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートおよびポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
導電層は好ましくは、静電容量方式のタッチパネルにおいて主流の、金属あるいは金属酸化物からなる単層構造である。
〔積層体の製造方法〕
本発明の積層体は、以上説明した基材と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層されてなる。
当該積層体の製造方法は特に限定されないが、例えば
(1)基材上に粘着剤層を形成する粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成し、さらにその粘着剤層上に導電層を形成する方法
(2)導電層上に粘着剤層を形成する粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成し、さらにその粘着剤層上に基材を積層する方法
(3)予め剥離ライナー上に粘着剤層を形成しておき、これ(粘着剤層)を基材上に転写し、剥離ライナーを剥離し、さらに転写された粘着剤層を、粘着剤層が導電層に接するようにして、基材とともに導電層に貼着する方法
(4)予め剥離ライナー上に粘着剤層を形成しておき、これ(粘着剤層)を導電層上に転写し、剥離ライナーを剥離し、さらに転写された粘着剤層を、粘着剤層が基材に接するようにして、導電層とともに基材に貼着する方法が挙げられる。
ここで、基材上または導電層上に前記粘着剤組成物を塗布する際、または剥離ライナー(例:剥離処理PET等)上に粘着剤層を形成する際には、粘着剤層形成成分を、公知の粘着剤と同様に、溶媒で適当な濃度に希釈し、それを基材または剥離ライナー上に塗工して、乾燥する。これにより、粘着剤層が形成される。
なお、前記塗工の方法に特に制限は無いが、例えばグラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーターまたはスプレーコーターなどを用いて塗布することができる。
本発明で用いる(メタ)アクリル系ポリマー(A)、架橋剤(B)、および必要に応じて使用される(メタ)アクリル系低分子量体を溶媒中に含有する塗布溶液は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)が低いことから、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、トルエンなどの溶剤中で容易に不揮発分の濃度を調整することができる。そのため、そのような塗布溶液を用いることにより、塗工後の粘着剤層の厚さを容易に所望の厚さにすることができる。特に前記塗布溶液は、容易に不揮発分含量を高くすることができ、例えば不揮発分を10〜70%、好ましくは30〜60%の範囲内で調整することが可能であるので、所望の厚さの粘着剤層を少ない塗布回数で形成することができる。
また、このように不揮発分含量の高い溶液を用いることにより、塗工・乾燥後の塗膜のレベリング性が向上し、さらに乾燥時間も短縮され作業性が向上する。さらに揮発溶剤量が少ないので環境への負荷も小さくなる。
このような特性を利用して、本発明の積層体における粘着剤層は、上記塗布溶液を、乾燥後の膜厚が10〜1000μmの範囲内の厚さ、好ましくは25〜500μmの範囲内の厚さになるように塗布することにより得られる。
この粘着剤の塗布溶液は、剥離ライナー上に塗布される場合には、ライナー上に塗布し、溶媒を除去した後、形成された粘着剤層の表面(剥離ライナーに接していない面)に、もう一つの剥離ライナーを貼着して、通常は0〜50℃の温度で1日〜10日養生し、架橋剤(B)による架橋を行う。
これにより、形成された粘着剤層のゲル分率が、通常は50〜80%、好ましくは60〜70%の範囲内になる。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、表面支持体と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層された積層体を含むタッチパネルユニットと、ディスプレイとからなるタッチパネルであって、前記積層体が、本発明の積層体であることを特徴としている。すなわち、本発明の積層体における基材は、本発明のタッチパネルにおける表面支持体として機能する。
図1および図2に示すように、タッチパネルユニットには、抵抗膜方式タッチパネルのユニット(図1参照)と、静電容量方式タッチパネルのユニット(図2参照)とがある。
図1に抵抗膜方式タッチパネルユニット10-1の例を示す。図1に示されるように、抵抗膜方式のタッチパネルユニット10-1は、貼り合わせ剤30によって間隙34が形成されるように上部積層体11-1と下部積層体13-1とが離間して結合してなり、間隙34内には有効にスペースを確保するためにスペーサー32が配置されている。
上部積層体11-1には、間隙34に面して金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜27-1が配置されている。この透明導電膜27-1は、ITO(インジウムティンオキサイド)、ATO(アンチモンティンオキサイド)酸化錫などの透明性を有する導電材料で形成されており、通常は図1に示すようにポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはガラスからなる上部電極支持体25-1の表面に形成されている。
上部積層体11-1の最表面には表面支持体21-1が配置されており、この表面支持体21-1は通常は透明性の高いガラスあるいはポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明フィルムである。
上記表面支持体21-1と上部電極支持体25-1とを接着するために、粘着剤層23-1が形成されている。以上説明した上部積層体11-1が、本発明の積層体に該当する。
また、下部積層体13-1には、同様に間隙34に面して金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜27-2が形成されており、この透明導電膜27-2は、ITO(インジウムティンオキサイド)、ATO(アンチモンティンオキサイド)、酸化錫などの透明性を有する導電材料で形成されており、通常は図1に示すようにポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはガラスからなる下部電極支持体25-2の表面に形成されている。
下部積層体13-1の最深部にはディスプレイの表面と対面するように深部の表面支持体21-2が形成されており、この深部の表面支持体21-2はガラスあるいはポリカーボネートなどの透明性の高い部材から形成されている。
下部積層体13-1において、深部の表面支持体21-2と下部電極支持体25-2とを接着するために、粘着剤層23-2が形成されている。以上説明した下部積層体13-1もまた、本発明の積層体に該当する。
また、上記貼り合わせ剤30として本発明の積層体における粘着剤層を構成する粘着剤が使用されることもある。
なお、上記透明導電膜27-1および27-2は、回路パターンとして形成されており、表面支持体21-1の上から指などで圧力を加えることにより、圧力が加わった部分の間隙34が消滅して透明導電膜27-1および27-2が接触して通電し、加圧部分を検知するように形成されている。
抵抗膜方式のタッチパネルユニット10-1において、表面支持体21-1の厚さは通常は25〜2000μmであり、上部透明導電膜27-1の厚さは通常10〜100nmであり、上部電極支持体25-1の厚さは通常は25〜2000μmである。これらを積層する粘着剤層23-1の厚さは上述の通り、10〜1000μmの範囲内にある。
同様に抵抗膜方式のタッチパネルユニットにおいて、深部の表面支持体21-2の厚さは通常は25〜2000μmであり、下部透明電膜27-2の厚さは通常10〜100nmであり、下部電極支持体25-2の厚さは通常は25〜2000μmである。これらを積層する粘着剤層23-2の厚さは上述の通り、10〜1000μmの範囲内にある。
また、抵抗膜方式のタッチパネルユニット10-1において、中央に形成されている間隙34の幅は、通常は100〜300μmの範囲内にある。
他方、静電容量方式のタッチパネルユニット10-2は、図2に示すように、一般にはガラス、ポリカーボネートなどの透明性の高い部材からなる中央支持体60を挟んで上部積層体15-1と下部積層体15-2とが対向配置された構造を有していることが多い。
静電容量方式のタッチパネル10-2における上部積層体15-1では、中央支持体60に接触して透明導電膜57-1が配置されており、最表面には、カバーガラスあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)等の光透過性部材からなる表面支持体51-1が配置されている。この透明導電膜57-1と表面支持体51-1とを接着するように粘着剤層53-1が配置されており、この粘着剤層53-1は、透明導電膜57-1と直接接触している。以上説明した上部積層体15-1が、本発明の積層体に相当する。
一方、静電容量方式のタッチパネルユニット10-2における下部積層体15-2では、中央支持体60に接触して透明導電膜57-2が配置されており、最深部には、カバーガラスあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)等の光透過性部材からなる表面支持体51-2が配置されている。この透明導電膜57-2と最深部の表面支持体51-2とを接着するように粘着剤層53-2が配置されており、この粘着剤層53-2は、透明導電膜57-2と直接接触している。以上説明した下部積層体15-2もまた、本発明の積層体に該当する。
静電容量方式のタッチパネルユニット10-2において、最深部の表面支持体51-2は、ディスプレイと対面するように配置される。
上記静電容量方式のタッチパネルユニット10-2において、上部表面支持体51-1の厚さは通常は25〜2000μm、上部透明導電膜57-1の厚さは通常は10〜100nmであり、両者を接着する粘着剤層53-1の厚さは上述のように10〜1000μmである。また下部積層体15-2において、下部透明導電膜57-2の厚さは通常は10〜100nmであり、最深部の表面支持体51-2の厚さは通常は25〜2000μmであり、両者を接着する粘着剤層53-2の厚さは上述のように10〜1000μmである。また、上記上部積層体15-1と下部積層体15-2との間にある中央支持体60の厚さは、通常は25〜2000μmの範囲内にある。
なお、上部透明導電膜57-1および下部透明導電膜57-2は、回路パターンを形成している。また、図2に示す静電容量方式のタッチパネルユニット10-2においては、上部積層体15-1および下部積層体15-2を、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ独立に設けられた二系列の回路とすることにより、上部積層体15-1または下部積層体15-2の一方を省略することもできる。
静電容量方式のタッチパネルにおいては、タッチパネルユニット10-2の表面に指が接触することによる接触部分の静電容量の変化を読み取ってタッチパネルを駆動させる。
上記のようなタッチパネルユニットには、例えば図2にAで示す上部表面支持体51-1の縁部の、表面支持体51-1の粘着剤層53-1と接触する面に額縁印刷が施される。この額縁印刷部分を図3に拡大して示す。図3において額縁印刷部分は付番62で示されている。この額縁印刷部分62の厚さ(t0)は通常10〜50μmであり、その断面はほぼ矩形に形成されている。粘着剤層53-1は、上述したように予め剥離ライナー上に形成された粘着剤層を導電層上に転写し、剥離ライナーを剥離して露出した粘着剤層の面に基材(表面支持体51-1)を貼着することなどにより形成されるので、粘着剤層が硬質で形態追従性に乏しいと、図4(イ)に示すように額縁印刷部分62の端部であって表面支持体51-1との間に、粘着剤層53-1が表面支持体51-1および額縁印刷部分62の縁部のいずれにも接触していない空隙64が形成されてしまう。この部分は本来は図4(ロ)に示すように、空隙64を形成せずに表面支持体51-1および額縁印刷部分62の縁部に粘着剤層53-1が密着しなければならない。
しかしながら、従来のように重量平均分子量が40万〜160万のポリマーである粘着成分をベースにした粘着剤においては、こうした非常に微細な形態の変化に粘着剤層の形状が変化しきれずに、空隙64が形成されてしまうのである。
表面支持体、粘着剤層および(支持体を有することもある)透明導電膜が積層された本発明の積層体を構成する粘着剤層53-1は、上述のように特定の組成を有し、重量平均分子量(Mw)が5万以上40万未満の(メタ)アクリル系ポリマー(A)を用いると共に、好ましくは特定の組成を有する(メタ)アクリル系低分子量体を用いているので、これらを架橋剤(B)で架橋して高い凝集力を付与した状態であっても、非常に優れた形態追従性を有しており、額縁印刷部分62の周辺に空隙64が形成されることがない。
また、本発明のタッチパネルが、図5に示すように支持体51-2としてポリカーボネート(PC)のようにアウトガスの発生し易い部材を用いた場合、例えば耐熱試験条件80℃で試験を行うと支持体からのアウトガスが発生して支持体と粘着剤層との間に気泡66を生じさせることがある。また、アウトガスが発生しない支持体を用いたとしても、支持体と粘着剤層との接着の際に泡68を巻き込むことがあり、温度変化によってこの気泡が成長すれば発泡原因となる。本発明のタッチパネルにおける粘着剤層は、特定の組成を有し、重量平均分子量(Mw)が5万以上40万未満の(メタ)アクリル系ポリマー(A)を用いると共に、これを架橋剤(B)で架橋しているので、非常に高い凝集力を有しており、上記のようなアウトガスによる発泡および巻き込み気泡の成長による発泡を高い凝集力によって抑え込むことができる。従って、本発明のタッチパネルでは、上記のような発泡は殆ど観察されないようにすることができる。
また、タッチパネルでは、耐久試験条件(60℃、90%)でタッチパネルを放置すると、図6に示すように、支持体及び端部から水分が浸入することがある。温度が高い条件では、この浸入した水分が析出することはないが、温度が下がると浸入した水分が析出してタッチパネルが白化し、ヘイズが著しく悪化する(図6)。本発明のタッチパネルを形成する粘着剤層は、前述のように凝集力が高いだけでなく、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の分子量が低いことから流動性が高く水分が分散しやすく、また(メタ)アクリル系ポリマー(A)の構成モノマーであるマクロマーの嵩高さにより形成される側鎖の空間の影響により水分を分散しやすいので、白化現象によるヘイズの悪化が極めて発生しにくい。
さらに、本発明のタッチパネルにおける粘着剤層には酸性基が実質的に含有されていないので、金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜にこの粘着剤層が直接接触したとしても、透明電極膜の抵抗値の変化は最大でも10%程度であり、この変化量はタッチパネルを駆動させる上では全く問題にならない量である。
上記のように本発明のタッチパネルは、粘着剤層として特定の組成を有する重量平均分子量5万以上40万未満の(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、架橋剤(B)と、好ましくは特定の組成の(メタ)アクリル系低分子量体とを有する粘着剤層を用いて、支持体(基材)と導電層(例:透明導電膜)とを粘着しており、前記粘着剤層は優れた形態追従性を有しており、縁部に形成された額縁印刷部分に空隙が形成されることなく、また、巻き込みによる発泡およびアウトガスによる発泡の両者を抑えることができ、さらにマクロマー由来の側鎖の嵩高さの影響で粘着剤層が白化してヘイズが悪化することもほとんど無い。
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下に示すようにして、(メタ)アクリル系ポリマー(A)(以下の製造例で示した、重合溶媒に溶解した状態のもの)、(メタ)アクリル系低分子量体を製造し、これらと架橋剤(B)とを混合して粘着剤組成物を調製し、以下の種々の特性の評価を行った。
〔測定方法〕
<重量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を求めた。
(GPC測定条件)
測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー社製)
(1)TSK−GEL HXL−H (ガードカラム)
(2)TSK−GEL G7000HXL
(3)TSK−GEL GMHXL
(4)TSK−GEL GMHXL
(5)TSK−GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cm3となるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0cm3/min
カラム温度:40℃。
<ゲル分率>
23℃で7日間熟成後の粘着剤組成物約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30ccを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥重量を測定し、次式により求めた。
Figure 0005757809
<ヘイズ(耐白化性)>
粘着剤組成物を剥離シート((シリコーンで剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)上に塗布し、80℃条件で5分乾燥して粘着剤層(厚み50μm)を形成し、当該層の剥離シートと接していない面に剥離シートを積層した。
このようにして得られた粘着シートの片側の剥離シートを剥がして、露出した粘着剤層面に厚み25μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離シートを剥がして、露出した粘着剤層面を厚み2mmのポリカーボネート(PC)板に貼り合わせて試験片を作成した。次いで、50℃、5atmのオートクレーブで20分間処理した後、1時間静置して試験片を作成した。
作成した試験片の耐久試験前のヘイズを測定した後、60℃、湿度90%環境下に静置した。500時間後試験片を取り出し、常温下で1時間静置した後ヘイズを測定し、耐久試験前のヘイズ値との差(白化の度合い)を求めた。なお、ヘイズの測定には、MH−150(村上色彩技術研究所(株)製)を用いた。
<耐発泡性>
<ヘイズ>の項で述べた方法と同様にして得られた粘着シートの片側の剥離シートを剥がし、ITOを蒸着した厚み25μmポリエチレンテレフタレートフィルムを、ITOが粘着剤層に接するようにして貼り合わせて、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離シートを剥がして、露出した粘着剤層面を厚み2mmのPC板と貼り合わせて試験片を作成した。次いで、50℃、5atmのオートクレーブで20分間処理した後、1時間静置して試験片を作成した。
80℃環境下に静置し、500時間後試験片を取り出し、常温下で1時間静置した後目視にて外観を観察した。
(評価) (内容)
◎ :目視では粘着剤層に気泡は確認できない
○ :目視で僅かに気泡が確認できる
△ :実用可能な程度であるが、目視ではっきりと気泡が確認できる
× :大きな気泡が確認できる。また、粘着剤層が基材または被着体から浮いている。
<ITO腐食性>
10mm×100mmにカットしたITO蒸着PETフィルムに、<ヘイズ>の項で説明したのと同様の方法で得られた粘着シートを10mm×60mmにカットして貼り付け、50℃×5atmで20分間オートクレーブ処理を行った。次いで、1時間室温で静置した後、60℃、90%RH環境下に500時間置き、23℃、65%RHで1時間静置した後、ITO蒸着フィルムの抵抗値を測定し、あらかじめ測定しておいた試験前の抵抗値と比較し、抵抗値の変化率(試験後の抵抗値R/試験前の抵抗値R0×100(%))を求めた。なお、抵抗値の測定には、テスター(三和電気計器(株)製、;デジタルマルチメーター PC510)を用いた。
<カット性>
<ヘイズ>の項において説明したのと同様の方法で得られた粘着シートをカッター刃により30回打ち抜き作業を行い、カッター刃への粘着剤の付着と切断面を目視により観察した。
(評価) (内容)
○ :カッター刃への粘着剤の付着が全くなく、切断面が荒れていない。
△ :カッター刃への粘着剤の付着が全くないが、切断面が荒れている。
× :カッター刃への粘着剤の付着が確認され、切断面が荒れている。
<段差粘着力>
<ヘイズ>の項で説明したのと同様の方法で得られた粘着シート(粘着剤層の厚みは50μm)の片側の剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層面に厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせ、幅10mmに裁断して試験片を作成した。
次いで、試験片のもう一方の剥離シートを剥がし、ずらして接着した2枚の25μm厚のPETフィルムの段差部分(段差高さ30μm)に露出した粘着剤層の中心がくるように、幅25mmの試験片を貼り合わせた。
ずらして貼り合わせたPETフィルムから試験片を180°方向に300mm/minで剥離し、その粘着剤層の粘着力(剥離するのに必要な力)を測定した。
<段差追従性>
<ヘイズ>の項で説明したのと同様の方法で得られた粘着シートの片面の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせ、50mm×50mmに裁断して試験片を作成した。
次いで、25mm×25mmに裁断した25μmPETフィルムをガラス板上に置き、作成した試験片のもう一方の面の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、ガラス板上のPETフィルムを、全面を覆うように貼り付け、80℃環境下に500時間静置した後、常温下に1時間静置し、ガラス板と、ガラス上に置かれ、試験片で覆われたPETフィルムとの段差部分の外観を目視によって観察した。
(評価) (内容)
◎ :目視では貼りつけ段差部分に気泡は確認できない。
○ :目視で貼りつけ段差部分に僅かに気泡が確認できる。
× :貼りつけ段差部分に大きな気泡が確認できる。また、粘着剤層が基材または被着体から浮いている。
〔製造例および比較製造例〕(メタ)アクリル系ポリマー(A)および(メタ)アクリル系低分子量体の製造
<製造例1>(メタ)アクリル系ポリマー1の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、メチルメタクリレート(MMA)を主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー1を得た。
<製造例2>(メタ)アクリル系ポリマー2の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量500))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー2を得た。
<製造例3>(メタ)アクリル系ポリマー3の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量10万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー3を得た。
<製造例4>(メタ)アクリル系ポリマー4の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、スチレン(St)を主鎖とするマクロマー(Tg 100℃)(Stマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー4を得た。
<製造例5>(メタ)アクリル系ポリマー5の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、t-BMA(t−ブチルメタクリレート)を主鎖とするマクロマー(Tg 110℃)(t-BMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー5を得た。
<製造例6>(メタ)アクリル系ポリマー6の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))0.1重量部、n-ブチルアクリレート(BA)25.9重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー6を得た。
<製造例7>(メタ)アクリル系ポリマー7の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))30重量部、n-ブチルアクリレート(BA)6重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)60重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液に希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー7を得た。
<製造例8>(メタ)アクリル系ポリマー8の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー8を得た。
<製造例9>(メタ)アクリル系ポリマー9の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及びメチルエチルケトン(MEK)150重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量5万の(メタ)アクリル系ポリマー9を得た。
<製造例10>(メタ)アクリル系ポリマー10の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)110重量部、メチルエチルケトン(MEK)10重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量38万の(メタ)アクリル系ポリマー10を得た。
<製造例11>(メタ)アクリル系ポリマー11の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)15重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部、アクリルアミド(AM)1重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー11を得た。
<製造例12>(メタ)アクリル系ポリマー12の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)11重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部、アクリルアミド(AM)5重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー12を得た。
<製造例13>(メタ)アクリル系ポリマー13の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)15重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)1重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー13を得た。
<比較製造例1>(メタ)アクリル系ポリマー14の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、n-ブチルアクリレート(BA)26重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー14を得た。
<比較製造例2>(メタ)アクリル系ポリマー15の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))35重量部、n-ブチルアクリレート(BA)6重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)55重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー15を得た。
<比較製造例3>(メタ)アクリル系ポリマー16の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量200))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー16を得た。
<比較製造例4>(メタ)アクリル系ポリマー17の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量13万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)110重量部、メチルエチルケトン(MEK)10重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量38万の(メタ)アクリル系ポリマー17を得た。
<比較製造例5>(メタ)アクリル系ポリマー18の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、メチルメタクリレート(MMA)10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー18を得た。
<比較製造例6>(メタ)アクリル系ポリマー19の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)15重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部、アクリル酸(AA)1重量部及び酢酸エチル(EtAc)100重量部、メチルエチルケトン(MEK)20重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量30万の(メタ)アクリル系ポリマー19を得た。
<比較製造例7>(メタ)アクリル系ポリマー20の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万))10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及びメチルエチルケトン(MEK)160重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量3万の(メタ)アクリル系ポリマー20を得た。
<比較製造例8>(メタ)アクリル系ポリマー21の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)(MMAマクロマー(重量平均分子量1万)10重量部、n-ブチルアクリレート(BA)16重量部、メトキシエチルアクリレート(MEA)70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)4重量部及び酢酸エチル(EtAc)110重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら70℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、酢酸エチル(EtAc)にて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量50万の(メタ)アクリル系ポリマー21を得た。
<製造例14>(メタ)アクリル系低分子量体
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応装置に、メチルメタクリレート(MMA)95重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)5重量部及びトルエン100重量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら85℃に昇温した。
次いで、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を反応液に加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行なった。反応終了後、トルエンにて反応液を希釈し、固形分濃度30%に調整し、重量平均分子量1万の(メタ)アクリル系ポリマー((メタ)アクリル系低分子量体)を得た。
以上説明した各製造例におけるモノマーの使用量、得られたポリマーの重量平均分子量等を下記表1にまとめた。
[実施例1〜13および比較例1〜8]
さらに、表1に示す割合で、各製造例で得られた(メタ)アクリル系ポリマーに架橋剤を配合し、そして実施例8では製造例14で得た(メタ)アクリル系低分子量体を配合して粘着剤組成物を得て、上記の種々の特性の評価を行った。
Figure 0005757809
表1中の略号は以下の通りである。
MMA・・・メチルメタクリレート
BA・・・ブチルアクリレート
MEA・・・メトキシエチルアクリレート
2−HEA・・・2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA・・・アクリル酸
DM・・・ジメチルアミノエチルメタクリレート
AM・・・アクリルアミド
MMAマクロマー・・・MMAを主鎖とするマクロマー(Tg 105℃)
Stマクロマー・・・Stを主鎖とするマクロマー(Tg 100℃)
t−BMA・・・t−BMAを主鎖とするマクロマー(Tg 110℃)
TD−75・・・キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体(綜研化学社製)
なおマクロマーは、その主鎖を構成するモノマーに加えて、カルボキシル基を有する連鎖移動剤チオグリコール酸を用いて重合して得られる、末端にカルボキシル基を有する重合体とグリシジルメタクリレートとを反応させて得られた、末端に不飽和結合を有する重合体である。
また、Mwの単位は万であり、段差粘着力の単位は(N/25mm)である。重合に用いられる全モノマーを100重量部とする。
10-1・・・抵抗膜方式のタッチパネルユニット
10-2・・・静電容量方式のタッチパネルユニット
11-1・・・上部積層体
13-1・・・下部積層体
15-1・・・上部積層体
15-2・・・下部積層体
21-1・・・表面支持体
21-2・・・深部の表面支持体
23-1・・・粘着剤層
23-2・・・粘着剤層
25-1・・・上部電極支持体
25-2・・・下部電極支持体
27-1・・・透明導電膜
27-2・・・透明導電膜
30・・・貼り合わせ剤
32・・・スペーサー
34・・・間隙
51-1・・・表面支持体
51-2・・・表面支持体
53-1・・・粘着剤層
53-2・・・粘着剤層
57-1・・・透明導電膜
57-2・・・透明導電膜
60・・・中央支持体
62・・・額縁印刷部分
64・・・空隙
66・・・気泡
68・・・泡

Claims (14)

  1. 基材と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層された積層体であって、
    前記粘着剤層は、
    (A)架橋性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10重量%およびマクロマー0.1〜30重量%を含むモノマー(全モノマーを100重量%とする)を共重合させて得られる、酸性基を実質的に有しない重量平均分子量が5万以上40万未満である(メタ)アクリル系ポリマーと、
    (B)架橋剤とを含み、
    前記マクロマーは重合性不飽和基を有し、ガラス転移温度は50〜180℃であり、重量平均分子量は500〜10万であり、前記架橋性官能基が水酸基であり、前記架橋剤がイソシアネート架橋剤であることを特徴とする積層体。
  2. 前記マクロマーを構成するモノマーが、メタクリル系モノマーまたはスチレン系モノマーであることを特徴とする請求項第1項記載の積層体。
  3. 前記粘着剤層が、さらに窒素含有(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマーを重合してなる(メタ)アクリル系低分子量体を含むことを特徴とする請求項第1項または第2項記載の積層体。
  4. 前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)が、その構成モノマーとして窒素含有モノマーを含むことを特徴とする請求項第1項〜第項のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記マクロマーと前記(メタ)アクリル系低分子量体とが、少なくとも1種の共通の構成モノマーを有することを特徴とする請求項第3項記載の積層体。
  6. 前記導電層が、金属あるいは金属酸化物からなる透明導電膜であることを特徴とする請求項第1項〜第項のいずれかに記載の積層体。
  7. 前記粘着剤層の厚みが10〜1000μmであることを特徴とする請求項第1項〜第項のいずれかに記載の積層体。
  8. 表面支持体と、粘着剤層と、導電層とがこの順に積層された積層体を含むタッチパネルユニットと、該タッチパネルユニット上に積層されたディスプレイとからなるタッチパネルにおいて、
    前記積層体が、請求項第1項〜第項のいずれかに記載の積層体であることを特徴とするタッチパネル。
  9. 静電容量方式のタッチパネルであることを特徴とする請求項第項記載のタッチパネル。
  10. 前記積層体において、前記表面支持体の前記粘着剤層と対面する面の縁部に額縁印刷がなされていることを特徴とする請求項第項または第項記載のタッチパネル。
  11. 前記額縁印刷の厚さが、10〜50μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第10項記載のタッチパネル。
  12. 前記導電層が、酸化錫、ITOまたはATOを用いた回路パターンであり、該回路パターンに前記粘着剤層が直接接触していることを特徴とする請求項第項〜第11項のいずれかに記載のタッチパネル。
  13. 前記表面支持体の厚さが25〜2000μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第項〜第12項のいずれかに記載のタッチパネル。
  14. 前記導電層である回路パターンの厚さが10〜100nmの範囲内にあることを特徴とする請求項第12項記載のタッチパネル。
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