JP5757589B2 - エレベータの煙感知器点検口 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、エレベータの煙感知器点検口に関する。
エレベータの昇降路には、火災発生に備えて、煙感知器が設置されている。煙検知器は、点検の便宜のために、煙感知器点検口の開口部の奥に収容されている。
エレベータの走行中に、煙検知器によって火災による煙が感知された場合には、乗りかごは最寄階に直行して避難停止し、乗客を避難させる管制運転が行われる(例えば、特許文献1)。
ところで、煙感知器点検口には、扉あるいは蓋が設けられており、通常は、これらによって点検口は閉塞されている。消防設備点検の際には、点検口の扉等を開けて、煙感知器を取り出して点検を行っている。
煙感知器の点検では、エレベータの運転が停止していることを事前に確認してから点検を始めることが点検作業の基本となるが、従来の煙感知器点検口では、エレベータの走行中に、点検口を開けても、エレベータは停止することはなかった。このため、万一、エレベータが停止していない状況で点検ボックスの点検口が開けられると思わぬ事故の発生が予想された。
そこで、最近では、安全性の強化のために、煙感知器の点検時にはエレベータを停止させて点検を行うことを徹底させるために、煙感知器点検口の扉等を開けた場合には、エレベータの動力を切って緊急停止させるように、扉にはスイッチを設けることが法令で義務づけられている。
しかしながら、エレベータの走行中に、点検関係者以外の第三者によって、煙感知器点検口の扉が開けられることがある。この場合、エレベータの動力が遮断され、急停止するために、乗客が乗りかごに閉じ込められることがあった。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、煙感知点検口の扉が、エレベータの走行中に誤って開けられた場合でも、エレベータが急停止せず、乗客が乗りかご内に閉じ込められる事態となるリスクを低減できるようにしたエレベータの煙感知器点検口を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、エレベータ昇降路を立ちのぼる火災による煙を感知する煙感知器を点検するためのエレベータの煙感知器点検口において、前記煙感知器点検口の開口部を開閉する点検口扉を、外扉枠に開閉自在に取り付けられた外扉と、前記外扉枠の内側に配置された内扉枠に開閉自在に取り付けられた内扉と、からなる二重扉に構成し、前記内扉にはその開閉を検知する第1のスイッチを設け、前記外扉にもその開閉を検知する第2のスイッチを設け、エレベータ走行中に前記外扉が開かれ、前記内扉が閉じている場合には、エレベータを停止せずに最寄り階に着床させるようにしたことを特徴とするものである。
以下、本発明によるエレベータの煙感知器点検口の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による煙感知器点検口が設けられたエレベータ最上階の乗場を示す。この図1では、乗りかご11が乗り場に到着して、ホールドア12が開いている状態を示している。乗場には、操作盤13が設けられている。参照番号14は操作釦を示し、参照番号15はかご室照明を示している。
図1において、参照番号20は、煙感知器点検口を示す。煙検知器は、昇降路を立ちのぼってくる煙を確実に検知できるように、昇降路の頂部に設置されるので、最上階の乗場の壁に昇降路に通じる孔を開けて、この穴を利用して煙感知器点検口20が設置されている。この煙感知器点検口20の開口部の奥行きには、煙感知器が収容されており、点検の際には、煙感知器点検口を開けることで、煙検知器を取り出して点検することができる。
ここで、図2は、煙感知器点検口20の正面を示す図で、図3は、煙感知器点検口20を開けた状態を示す図である。
この実施形態では、煙感知器点検口20を開閉する扉は二重扉の構造になっている。参照番号22は、外側の外扉を示し、21は外扉枠を示している。外扉22は、蝶番などを介して外扉枠21に開閉自在に取り付けられている。外扉22の内側には、さらに内扉23があり、この内扉23は、外扉枠21の内側に収められた内扉枠24に蝶番などを介して開閉自在に取り付けられている。
図3に示されるように、内扉23を開けると、内部は昇降路に通じている空間になっており、煙感知器30が設置されている。
内扉枠24には、内扉23が開けられたことを検知する内扉スイッチ26が設けられている。内扉23が閉じられているときにはレバー27が倒れてスイッチはオンになり、内扉23が開いたときにはレバー27が立ち上がってスイッチはオフになるように構成されている。
同様に、外扉枠21にも、外扉22が開けられたことを検知する外扉スイッチ28が設けられている。外扉22が閉じられているときにはレバー29が倒れてスイッチはオンになり、外扉22が開いたときにはレバー29が立ち上がってスイッチはオフになるように構成されている。
内扉スイッチ26と外扉スイッチ28のオン/オフ信号は、エレベータの制御装置に送信され、エレベータの制御装置は、図4に示すフローチャートにしたがって、エレベータの走行中に煙感知器点検口20が開けられた場合のエレベータの制御を行うようになっている。
本実施形態によるエレベータの煙感知器点検口は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用並びに効果について説明する。
図4のフローチャートにおいて、まず、エレベータの走行中に、煙感知器点検口20で外扉22が開けられたとする(ステップS10)。この外扉22が開くことによって、外扉スイッチ28のレバーが立ち上がって、スイッチはオフになる(ステップS11)。
この外扉スイッチ28からオフ信号が制御装置に送信されると(ステップS12のyes)、ステップS13に進んで、内扉スイッチ26がオフになっているかどうかが確認されることになる。
内扉23が閉まったままになっており、このとき、内扉スイッチ26がオンのままであるという状況は、第3者が煙感知器点検口とは知らずに外扉22を開けてしまった場合や、点検関係者がエレベータの走行中であるにもかかわらず、誤って外扉22を開けてしまった場合が想定される。
そこで、内扉スイッチ26がオンになっている場合には(ステップS13のyes)、走行中の乗りかご11を最寄り階に着床させ(ステップS14)、かごドアおよびホールドアを開いて(ステップS15)、乗客を乗りかご11から待避させる。
その後、かご室照明15を消灯してから(ステップS16)、かごドアおよびホールドア12を閉じることになる(ステップS17)。ホールドア12が閉じると、操作釦14は無効になる。
他方、ステップS13で、内扉スイッチ26がオフになっているという状況(ステップS13のno)は、エレベータの走行中にもかかわらず、外扉22に続いて内扉23も開けられたという危険な状況であるので、安全回路が遮断されてエレベータを停止させることになる(ステップS18)。
ところで、煙感知器点検口20の外扉22を誤って開けてしまった場合は、それに気がついて、ただちに外扉22を閉じれば(ステップS12のno)、最初にもどっと通常運転に復帰するようになっている。
以上のようにして、エレベータの走行中に、煙感知器点検口20を誤って開けてしまった状況でも、扉が二重になっているために、エレベータは非常停止することなく、乗客の閉じ込めてしまうリスクを低減することが可能になる。
以上、エレベータの走行中の作用について説明したが、正規の点検時には、あらかじめエレベータを停止させておいてから、煙感知器点検口20の外扉、内扉を開けることになる。
以上、本発明によるエレベータの煙感知器点検口について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
11…乗りかご、12…ホールドア、13…操作盤、14…かご室照明、15…操作釦、20…煙感知器点検口、21…外扉、22…外扉枠、23…内扉、24…内扉枠、26…内扉スイッチ、28…外扉スイッチ、30…煙感知器
Claims (3)
- エレベータ昇降路を立ちのぼる火災による煙を感知する煙感知器を点検するためのエレベータの煙感知器点検口において、
前記煙感知器点検口の開口部を開閉する点検口扉を、外扉枠に開閉自在に取り付けられた外扉と、前記外扉枠の内側に配置された内扉枠に開閉自在に取り付けられた内扉と、からなる二重扉に構成し、前記内扉にはその開閉を検知する第1のスイッチを設け、前記外扉にもその開閉を検知する第2のスイッチを設け、エレベータ走行中に前記外扉が開かれ、前記内扉が閉じている場合には、エレベータを停止せずに最寄り階に着床させるようにしたことを特徴とするエレベータの煙感知器点検ボックス。 - 前記第2のスイッチが、前記外扉が開かれたことを検知した直後に、前記外扉が閉じられた場合には、エレベータの通常運転に復帰することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの煙感知器ボックス。
- 前記第2のスイッチが前記外扉の開かれたことを検知し、その後さらに前記第1のスイッチが前記内扉の開かれたことを検知した場合には、安全回路が遮断しエレベータが停止することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの煙感知器ボックス。
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