JP5757342B2 - 浄水カートリッジ、浄水器及びろ材 - Google Patents

Description

本発明は、本発明は比較的多量の原水を一度に浄化することができる浄水器に用いられる浄水カートリッジ、及びこれを用いた浄水器に関するものである。
本願は、２０１２年９月２５日に、日本に出願された特願２０１２−２１０７３１号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

浄水器の１つとして、主に家庭用で使用され、１〜２リットル程度の比較的多量の原水を一度に浄化することができるとともに、そのまま冷蔵庫等に保管でき、カップへの注ぎ口が形成されているピッチャー型の浄水器が知られている。そして、このような浄水器には、例えば下記特許文献１に示されるように、原水貯留部と浄水貯留部との間に、多孔質ろ過膜と、活性炭、イオン交換樹脂等の吸着材（ろ材）と、を備えた浄水カートリッジが交換可能に配置されている。

特許文献１には、浄水貯留部を有する外容器と、原水貯留部を有する内容器と、浄水カートリッジと、を有する浄水器が開示されている。特許文献１の浄水カートリッジでは、下端に浄水出口を有するメインケース内に、上流側（上端側）からろ材、多孔質ろ過膜の順に収容されており、それら吸着剤、多孔質ろ過膜が仕切り部材を介さずに充填されている。また、メインケースの上下方向の中間部分が弾性体を介して内容器に支持された構成となっている。さらに、特許文献１に記載の浄水カートリッジは、メインケースの上端開口に嵌合され、原水導入口を側面に備えた筒状のキャップを備えており、メインケースの上端開口縁を内容器の底壁部に支持させるとともに、メインケース自体は内容器の底壁部から垂下させた状態で外容器の浄水貯留部内に配置されている。

特開２００４−２３０３３５号公報

しかしながら、上述した従来の浄水カートリッジでは、以下のような問題がある。
すなわち、特許文献１に記載される浄水カートリッジでは、ろ材の寿命より多孔質ろ過膜の寿命が長くなる場合に、ろ材を増量することが検討される。この場合、メインケースの容量を大きくする必要があるが、内容器の底壁部から下方に突出する部分の浄水貯留部内に占める体積が増えるため、浄水貯留部に貯めることが可能な浄水容量が減ってしまうという問題がある。また、メインケース自体も大きくなり、部材コストが増大することから、その点で改善の余地がある。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、カートリッジの容量の増加を抑えつつ、ろ材等の収容量を増やすことができ、これにより浄水貯留部の容量の低下を防ぐことができるうえ、部材コストの増加も抑えることができる浄水カートリッジ、浄水器及びろ材を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る浄水カートリッジは、容器軸に沿う一端側に上端開口を有する有底筒状をなし、ろ材及び多孔質ろ過膜が収容され、前記容器軸の上端開口側部分に原水導入口を有するメインケースと、前記メインケースの上端開口に着脱自在に装着される装着部が形成されるとともに、その上端開口を閉塞する蓋体と、を備えた浄水カートリッジである。

また本発明に係る浄水器は、上述した浄水カートリッジを備えた浄水器であって、浄水貯留部を有する外容器と、原水貯留部を有する内容器と、を有し、前記内容器の底壁部に前記浄水カートリッジの底部開口部が形成されており、前記底部開口部にメインケースが装着された浄水器である。

本発明では、メインケースに着脱可能な蓋体を設けることにより、内容物が外部に流出するのを防止することができる。そして、前記蓋体には原水導入口が設けられず、前記蓋体はメインケースの上端開口を塞ぐことを主とした高さ寸法を低く抑えたコンパクトな天板形状であるため、その蓋体の高さ寸法を低く抑えた分だけメインケースの高さ寸法を大きくすることができ、メインケースの容量を増やすことができる。そのため、浄水貯留部や原水貯留部の容量を減少させず、且つ浄水カートリッジ自体の大きさを変えずにろ材の収容量を増やすことが可能となり、ろ材の交換頻度を少なくすることができる。しかも、浄水カートリッジ自体の大きさが変わらないので、部材コストの増加を抑えることができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記蓋体の容器軸に直交する方向の外周縁は、前記メインケースの上端開口の外周縁よりも大きく形成されていることが好ましい。

この場合、蓋体の外周縁がメインケースの上端開口部分の外周縁より大きいため段差が形成される。この段差部分が指掛け部となり、メインケースに対する蓋体の取り外しが容易になる利点がある。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記蓋体の外周縁は、前記上端開口の外周縁よりも１ｍｍ以上、３０ｍｍ以下に形成されていることが好ましい。

この場合、前記段差部分、すなわち指掛け部が十分に確保され、指が滑ることなく蓋体の外周縁をしっかりと把持することができるので、蓋体をメインケースからより容易に、且つ確実に取り外すことができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記蓋体には、浄水カートリッジの内部と外部とを連通する貫通孔が形成されていることが好ましい。

このような構成とすることで、浄水過程においてメインケース内に収容される多孔質ろ過膜から生じるエアを、蓋体に形成される貫通孔から排出することができ、メインケース内にエア溜まりが生じることによる浄水効率の低下を防止することができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記蓋体の天壁部は、上側に突となる凸面が形成されていることが好ましい。

これにより、メインケース内で発生する前記エアを蓋体の天壁部の凸状部分に集中させることができ、エア溜まり部分がメインケース内の複数箇所に分散するのを防ぐことができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記ろ材が袋材に収容されていることが好ましい。

これにより、袋材を取り替えるだけで容易にろ材を交換することができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記ろ材がカチオン交換樹脂を有することが好ましい。

これにより、鉛・銅・亜鉛・ヒ素等を始めとする重金属を吸着除去することができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記ろ材が活性炭を有することが好ましい。

これにより、塩素やトリハロメタン、農薬等の化学物質を吸着除去することができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記ろ材がキレート樹脂を有することが好ましい。

これにより、鉛・銅・亜鉛・ヒ素等を始めとする重金属を吸着除去することができる。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、前記蓋体には、容器軸の底部側に向けて延びるろ材押さえ体が設けられていることが好ましい。

本発明では、メインケースに蓋体を装着することで、メインケース内に収容されるろ材をろ材押さえ体によって上から押さえ付けることができ、ろ材が浮き上がって多孔質ろ過膜から離れるのを抑制することができる。そのため、袋材とメインケースとの密着性が確保され、優れた浄水性能を発揮することができるうえ、ろ材と多孔質ろ過膜との間にエア溜まりが生じるのを防止することも可能となる。

また、本発明に係る浄水器では、前記メインケースと前記蓋体との嵌合強度は、前記底部開口部と前記メインケースとの嵌合強度よりも大きいことが好ましい。

この場合、ろ材や多孔質ろ過膜を交換するために浄水カートリッジを内容器から取り外す際に、蓋体を把持して取り外そうとしても蓋体がメインケースから離脱することがなく、先にメインケースが内容器の底部開口部から離脱し、浄水カートリッジ全体を取り外すことができる。そのため、原水貯留部内で蓋体のみがメインケースから外れることがなく、内部のろ材が原水貯留部内に散らばることを防ぐことができる。

即ち、本発明は以下に関する。
［１］ メインケースと、蓋体と、を備えた浄水カートリッジであって、
前記メインケースは、容器軸方向における上端側が開口した有底筒状を有し、ろ材及び多孔質ろ過膜を内部に収容し、前記メインケースの上筒部には原水導入口を備えており、
前記蓋体は、前記メインケースの上端開口内に着脱自在に装着される装着筒を備え、かつ前記メインケースの上端開口部分を閉塞するように構成されている浄水カートリッジ。
［２］ 前記蓋体の天壁部は、上側に突となる凸面が形成されている［１］に記載の浄水カートリッジ。
［３］ 前記蓋体は、前記天壁部に、前記メインケースに装着されたときろ材を押させるように前記メインケースの底部側に向けて延びるろ材押さえ体を備えている［１］又は［２］に記載の浄水カートリッジ。
［４］ 前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記蓋体の周壁部との交点間の距離の最小値が、記容器軸に対して直交する任意の直線と前記メインケースの上端開口部分との交点間の距離の最大値よりも大きく形成されている［１］から［３］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［５］ 前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記蓋体の周壁部との交点間の距離の最小値と、、前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記メインケースの上端開口部分との交点間の距離の最大値との差が、１ｍｍ以上、３０ｍｍ以下に形成されている［４］に記載の浄水カートリッジ。
［６］ 前記蓋体には、前記浄水カートリッジの内部と外部とを連通する貫通孔が形成されている［１］から［５］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［７］ 前記蓋体の天壁部の内面又は外面の少なくとも一方の面が、前記蓋体の周壁部から蓋体の中心軸側に向けて凸状となる頂部に向かうに従い、漸次上向きに傾斜する傾斜面をなしている［２］から［６］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［８］ 前記蓋体の天壁部の内面又は外面の少なくとも一方の面が、前記蓋体の周壁部から蓋体の中心軸側に向けて凸状となる頂部に向かうに従い、段差をなしている請求項２乃至６のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
［９］ 前記ろ材押さえ体が、側面に開口部を有する筒状である［３］から［８］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［１０］ 前記ろ材押さえ体の容器軸方向における長さの最大値が、１６〜２４ｍｍである［３］から［９］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［１１］ 前記ろ材押さえ体の容器軸方向に直交する任意の面で切断したときの切断面の外縁と、前記メインケースの軸方向に直交する任意の面で切断したときの切断面の内縁との間の間隙が０．０１〜１０ｍｍである［３］から［１０］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［１２］ 前記ろ材が袋状の物に収容されている［１］から［１１］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［１３］ 前記ろ材がカチオン交換樹脂を含む［１］から［１２］のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
［１４］ 前記ろ材が活性炭を含む［１］から［１３］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［１５］ 前記ろ材がキレート樹脂を含む［１］から［１４］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
［１６］ 前記ろ材の充填率が次の式を満たす［１３］から［１５］いずれか１つに記載の浄水カートリッジ。
５０％≦Ａ＋Ｃ×１．６≦９０％
Ａ：カチオン交換樹脂を除いたろ材の充填率 Ｃ：カチオン交換樹脂の充填率
［１７］ ＡとＣとの比であるＡ／Ｃが０．２５〜１．５である［１６］に記載の浄水カートリッジ。
［１８］ ［１］から［１７］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジを備えた浄水器であって、
浄水貯留部を有する外容器と、
原水貯留部を有する内容器と、を備え、
前記内容器の底壁部には、前記浄水カートリッジの底部開口部が形成されており、
前記底部開口部には、前記メインケースが嵌合されている浄水器。
［１９］ 前記メインケースと前記蓋体との嵌合強度は、前記底部開口部と前記メインケースとの嵌合強度よりも大きい［１８］に記載の浄水器。
［２０］ ［１］から［１７］のいずれか１つに記載の浄水カートリッジに収容される袋状の物からなるろ材であって、
前記袋状の物は、目付けが２０〜６０ｇ／ｍ^２であり、繊維径が２．２〜６．６ｄｔｘである不織布からなり、
カチオン交換樹脂及び活性炭からなる群から選択される少なくとも１つの吸着剤が収容されているろ材。

本発明に係る浄水カートリッジ、浄水器及びろ材によれば、浄水カートリッジの容量の増加を抑えつつもろ材等の収容量を増やすことができ、これにより浄水貯留部の容量の低下を防ぐことができるうえ、部材コストの増加も抑えることができるという効果を奏する。

本発明の一実施形態である浄水器の全体構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態である浄水カートリッジの半縦断面図である。 本発明の一実施形態である浄水カートリッジのメインケースから蓋体を離脱させた状態を示す半縦断面図である。 本発明の一実施形態である浄水カートリッジの蓋体の構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態である浄水カートリッジの蓋体の構成を示す上面図である。 本発明の他の実施形態である浄水カートリッジにおける蓋体を離脱させた状態の縦断面図である。 本発明の他の実施形態である浄水カートリッジにおける蓋体を嵌合させた状態の縦断面図である。

以下、本発明に係る浄水カートリッジ、浄水器及びろ材の実施の形態について図面を参照して説明する。

（第１の実施の形態）
図１に示すように、本実施の形態の浄水器１は、浄水貯留部２ａを有する外容器２と、前記外容器２の内部に配置されるとともに原水貯留部３ａを有する内容器３と、内容器３の底壁部３ｂに着脱可能に挿嵌される略円筒状の浄水カートリッジ４と、を備えている。
なお、ここでいう略円筒状の浄水カートリッジ４は、浄水カートリッジ４における軸方向（後述する容器軸Ｏ方向）に直交する任意の横断面の形状が、真円形、卵形、長円形、楕円形等であってもよいが、浄水カートリッジの操作性から真円形であることが好ましい。

外容器２は、上方が開口し、取っ手２１及び注ぎ口２２が一体に成形されている。外容器２には、前記外容器２の開口端を塞ぐための容器蓋５が着脱可能に設けられている。前記容器蓋５には、外容器２の注ぎ口２２を覆う部分に、容器内から注出される水圧によって容器外側に向けて開く注ぎ部５ａが設けられている。注ぎ部５ａは、ヒンジを中心に回動して注ぎ口２２を開閉可能としている。

内容器３は、上端縁には段部（図示省略）が形成されており、前記段部を外容器２の上端開口縁に載置、係合させて外容器２内に収納される。前記内容器３の内部が上記の原水貯留部３ａを構成し、外容器２の下半部分（即ち、外容器２の内部において、内容器３と浄水カートリッジ４を除いた部分）が浄水貯留部２ａを構成する。
また、内容器３の底壁部３ｂの好ましくは中央付近には円形の底部開口部３ｃが形成されている。浄水カートリッジ４のメインケース６は、底壁部３ｂに対して上方から液密に着脱可能に嵌合されている。
なお、ここでいう「円形」とは、メインケース６を液密に嵌合できる形状であればよく、例えば、メインケース６の形状に合わせて、真円形、卵形、長円形、楕円形等であってもよい。

図２に示すように、浄水カートリッジ４は、容器軸Ｏに沿う一端側（即ち、軸方向における上端側）が開口した上端開口６ａを有する有底筒状を有する。浄水カートリッジ４の内部には、袋材（即ち、袋状の物（ｂａｇ））に収容されているろ材１０、及び中空糸膜１１（多孔質ろ過膜）が収容されている。浄水カートリッジ４は、上端開口側付近（具体的には後述するメインケースの上筒部６Ａ）に複数の原水導入口６１を有する円筒形状のメインケース６と、メインケース６の上端開口６ａに着脱自在に装着される装着筒７１（装着部）が形成されるとともに、メインケース６の上端開口６ａを閉塞する蓋体７と、を備えている。
また本実施の形態の浄水カートリッジ４は、メインケース６内にろ材１０及び中空糸膜１１が仕切り部材を介さずに充填されている。

ここで、前記「容器軸Ｏ」とは、メインケース６が蓋体７で被蓋された状態において、メインケース６の中心軸線と蓋体７の中心軸線とが同軸となる共通の軸を意味する。前記容器軸Ｏ方向に沿ったメインケース６側を下側といい、蓋体７側を上側といい、容器軸Ｏに直交する方向を径方向といい、容器軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。
また、本明細書及び請求の範囲における「軸方向」とは、この容器軸Ｏにそった方向を意味する。
なお、ここで、「メインケース６の中心軸線」とは、メインケース６の任意の横断面において、少なくとも１つの外縁に外接し、前記メインケース６の横断面のすべてを内包し、かつ最少半径となるように仮想円を描いたときの当該仮想円の中心を通る軸を意味する。
「蓋体７の中心軸線」とは、蓋体７の任意の横断面において、少なくとも１つの外縁に外接し、前記蓋体７の横断面のすべてを内包し、かつ最少半径となるように仮想円を描いたときの当該仮想円の中心を通る軸を意味する。

本発明の浄水カートリッジの１つの側面は、メインケース６が、上側に位置する上述した原水導入口６１が形成された上筒部６Ａと、その上筒部６Ａの下側に位置し、容器底６ｂから中空糸膜１１及びろ材１０をその順で上に重ねて収容する下筒部６Ｂと、を備えている。

上筒部６Ａには、周方向に沿って複数の原水導入口６１が形成されている。上筒部６Ａの上端では、上端開口６ａの内周面に蓋体７の装着筒７１が嵌合される。原水導入口６１は、図１に示す内容器３内の原水貯留部３ａ内の原水がメインケース６内に流入する部分となる。
下筒部６Ｂには、浄水出口６２を有する容器底６ｂが着脱可能に設けられており、下筒部６Ｂのうち略下半部分には中空糸膜１１が収容され、その上の略上半部分にはろ材１０が収容される。なお、容器底６ｂは、下筒部６Ｂに対して別体で設けることに限らず、一体的に成形されていてもよい。

メインケース６には、上筒部６Ａと下筒部６Ｂとの間の部分に周方向の全周にわたって延びる溝６ｃが形成されている。前記溝６ｃが形成される部分が内容器３の底部開口部３ｃ（図１参照）に嵌合する部分である。前記溝６ｃには、Ｏリング、ガスケット等の弾性体（図示省略）が設けられており、前記弾性体により前記底部開口部３ｃに密嵌するシール構造が形成されている。

中空糸膜１１の総膜面積は、小さすぎるとろ過速度が遅く、かつ寿命が短いため、下限としては０．１５ｍ^２〜０．３ｍ^２であるのが好ましい。
また、ろ材１０の量は、４０ｃｃ〜１００ｃｃであることが好ましく、５０ｃｃ〜７０ｃｃであることがより好ましい。
なお、ここでいう「ろ材１０」とは、袋状の物の内部に吸着剤を詰めたものを意味する。また、「ろ材１０の量」とは、袋状の物の内部に詰められた吸着剤の量（体積）を意味する。
ろ材１０の量は、メスシリンダーに前記吸着剤を充填することによって測定する。

また、袋状の物の内部に詰められる吸着剤としては、活性炭、イオン交換樹脂、又はイオン交換樹脂と活性炭の混合物が使用でき、吸着剤中の活性炭の割合は、吸着剤の総体積に対して１０％〜９０％であることが好ましく、２０％〜８０％であることがより好ましい。

吸着剤の形状としては、粉末状吸着剤、前記粉末吸着剤を造粒した粒状吸着剤、繊維状吸着剤等が挙げられる。
このような吸着剤としては、例えば、天然物系吸着剤（天然ゼオライト、銀ゼオライト、酸性白土等）、合成物系吸着剤（合成ゼオライト、細菌吸着ポリマー、ヒドロキシアパタイト、モレキュラーシーブ、シリカゲル、シリカアルミナゲル系吸着剤、多孔質ガラス、ケイ酸チタニウム等）等の無機質吸着剤；粉末状活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭、ブロック状活性炭、押出成形活性炭、成形活性炭、分子吸着樹脂、合成物系粒状活性炭、合成物系繊維状活性炭、イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂等)、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維、高吸収性樹脂、高吸水性繊維、吸油性樹脂、吸油剤等の有機系吸着剤等、公知の吸着剤が挙げられる。
吸着剤としては、中でも、抗菌性のある銀添着活性炭を用いた粉末状活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭、ブロック状活性炭、押出成形活性炭、成形活性炭、分子吸着樹脂、合成物系粒状活性炭、及び合成物系繊維状活性炭が好ましく；抗菌性のある銀添着活性炭を用いた粉末状活性炭、及び粒状活性炭が、吸着性能が高く、袋状の物に詰めやすいため特に好ましい。
また、鉛・銅・亜鉛・ヒ素等を始めとする重金属を吸着除去することができることから、吸着剤としては、カチオン交換樹脂を有することが望ましい。
特に粒状の吸着剤を用いる場合、その粒度分布は２００μm〜１７００μmが好ましい。粒度が小さすぎると、ろ材の通水抵抗が大きくなり流速が遅くなる。粒度が大きすぎると、表面積が小さくなり除去性能が低下する。

また、中空糸膜１１は、微生物及び細菌を含む０．１μｍ以上の粒状体の濾過、除去に好適に使用される。中空糸膜としては、種々の多孔質かつ管状の中空糸膜が使用でき、例えば、セルロース系、ポリオレフィン（ポリエチレン、ポリプロピレン等）系、ポリビニルアルコール系、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエーテル系、ポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）系、ポリスルフォン系、ポリアクリロニトリル系、ポリ四弗化エチレン系、ポリビニリデンフロライド（ＰＶＤＦ）系、ポリカーボネイト系、ポリエステル系、ポリアミド系、芳香族ポリアミド系、等の各種材料からなる中空糸膜が使用できる。中でも、中空糸膜の取扱性や加工特性等を考慮すると、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の中空糸膜が好ましい。

また、袋状の物（ｂａｇ）に用いられる袋材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、等の各種材料が使用できる。袋材としては、不織布やメッシュ等が使用できるが、中の吸着剤が外に漏れない材料であれば特に構造は問わない。中でも、入手の容易性やコストを考慮すると不織布が望ましい。袋材としては、特に目付け（即ち、袋材の単位面積当たりの重量）が２０〜６０ｇ／ｍ^２であり、繊維径が２．２〜６．６ｄｔｘである不織布が、中の吸着剤が漏れないため、吸着剤を有効に使うことができるため好ましい。

また、袋状の物が収容する吸着剤の充填率は特に限定されないが、下記の式を満たす事が好ましい
５０％≦Ａ＋Ｃ×１．６≦９０％
（カチオン交換樹脂以外の吸着剤の充填率をＡ、カチオン交換樹脂の充填率をＣ）
これにより、吸着剤としてカチオン交換樹脂を有する場合、カチオン交換樹脂が膨潤しても中の吸着剤が外に漏れることなく、高い透水性をもつことができ、吸着剤の利用効率を上げる事ができる。
なお、本明細書及び請求の範囲において、「充填率」とは、袋状の物自体の内容積に対する吸着剤の体積が占める割合を意味する。
充填率は以下のようにして算出することができる。具体的には、封ができる最大量の吸着剤を袋状の物に詰め、この吸着剤の体積（量）をメスシリンダーにて測定し、袋状の物の内容積として算出する。又は、袋状の物の縦、横、及び高さを測定しこれを袋状の物の内容積として算出してもよい。袋状の物の内容積を１００としたとき、吸着剤の総体積が占める割合（％）を算出し、これを充填率とする。

また、Ａ（カチオン交換樹脂以外の吸着剤の充填率）とＣ（カチオン交換樹脂の充填率）の比は特に限定されないが、Ａ／Ｃが０．２５〜１．５であることが望ましい。これにより、各吸着剤のリークがなくなり、吸着剤を効率よく使用することができる。

図３に示すように、蓋体７は、天壁部７ａ、周壁部７ｂ、外周縁部７ｃ、及び装着筒７１を備えている。外周縁部７ｃは、周壁部７ｂの下端から径方向の内側に折り返されて、メインケース６の上端開口縁６ｄに上方から当接している。そして、外周縁部７ｃの内周部には、下方に向けて延びる筒状の装着筒７１が、装着筒７１の中心軸線がメインケース６の中心軸線と同軸（即ち、容器軸Ｏ）に位置するように形成されている。装着筒７１は、メインケース６の上端開口６ａ内に嵌合される。
このときのメインケース６と蓋体７との嵌合強度は、図１に示す内容器３の底部開口部３ｃとメインケース６との嵌合強度よりも大きくなるように設定されている。

蓋体７の周壁部７ｂ（即ち、容器軸Ｏに直交する方向の外周縁）は、メインケース６の上端開口６ａの外周縁（図２及び図３の符号６ｅ）よりも大きく形成されている。とくに前記上端開口６ａの外周縁６ｅと前記容器軸に対して直交する任意の直線との交点間の距離の最大値よりも、蓋体７の周壁部７ｂと容器軸Ｏに対して直交する任意の直線との交点間の距離の最小値が、１ｍｍ〜３０ｍｍ大きい寸法に形成されていることが好ましく、２ｍｍ〜１０ｍｍ大きい寸法に形成されていることがより好ましい。
また、図４Ｂには蓋体４の形状が円形状に示されているが、円形に限らず、四角形、卵形、長円形、楕円形等であってもよく、操作性から円形であることが好ましい。
なお、図４Ａ、及び図４Ｂに示すように、天壁部７ａは、上側に突となる凸面が形成され、容器軸Ｏ方向に沿って浄水カートリッジ４の内部と外部とを連通する貫通孔７ｄが形成されている。
具体的に天壁部７ａは、天壁部７ａの内面又は外面、より好ましくは内面及び外面が周壁部７ｂから径方向の内側に向かう（即ち、中心軸Ｏに向かう）に従い漸次上向きになる傾斜面又は段差が形成されている。
なお、蓋体７の高さ寸法としては、本発明の効果を有する限り適宜変更してもよく、例えば、１ｍｍ〜２０ｍｍが好ましい。この場合、１ｍｍよりも低い場合は蓋体の強度が足りなく、２０ｍｍよりも高い場合は蓋体がメインケースから取り外し難くなる。
なおここでいう、「蓋体７の高さ寸法」とは、蓋体７を容器軸Ｏに対して平行な任意の面で切断したときの切断面における容器軸Ｏ方向における長さの最大値を意味する。
また、「蓋体７の高さ寸法」には後述のろ材押さえ体７２の高さは含まれない。

以上説明した本実施の形態による浄水器１及び浄水カートリッジ４によれば、以下の作用効果を奏する。
即ち、図１に示すように、浄水器１では、内容器３の内部（原水貯留部３ａ）に原水を供給すると、原水は内容器３の底壁部３ｂに取り付けられた浄水カートリッジ４の原水導入口６１から浄水カートリッジ４内部へと導入される。そして、ろ材１０により塩素やトリハロメタン、農薬等の化学物質、さらには鉛・銅・亜鉛・ヒ素等を始めとする重金属が吸着除去された後、さらに中空糸膜１１により細菌や微生物、濁質、粒子状鉛等が濾過され、メインケース６の容器底６ｂの浄水出口６２から外容器２の浄水貯留部２ａへと導出される。

本実施の形態では、メインケース６に着脱可能な蓋体７を設けることにより、内容物が外部に流出するのを防止することができる。そして、蓋体７には原水導入口６１が設けられず、メインケース６の上端開口６ａを塞ぐことを主とした高さ寸法を低く抑えたコンパクトな天板形状となるので、その低く抑えた分だけメインケース６の高さ寸法を大きくすることができ、容量を増やすことができる。
そのため、浄水貯留部２ａや原水貯留部３ａの容量を減少させず、且つ浄水カートリッジ４自体の大きさを変えずにろ材の収容量を増やすことが可能となり、ろ材の交換頻度を少なくすることができる。
しかも、浄水カートリッジ４自体の大きさが変わらないので、部材コストの増加を抑えることができる。

また、蓋体７の周壁部７ｂがメインケース６の上端開口６ａの外周縁６ｅよりも大きいため、段差が形成される。そのため、この段差部分が指掛け部となり、メインケース６に対する蓋体７の取り外しが容易になる利点がある。
とくに、蓋体７の周壁部７ｂと容器軸Ｏに対して直交する任意の直線との交点間の距離の最小値が、上端開口６ａと容器軸Ｏに対して直交する任意の直線との交点間の距離の最大値よりも、１〜３０ｍｍ大きい寸法に形成することが好ましく、２〜１０ｍｍ大きい寸法に形成することがより好ましい。このようにすることで、前記段差部分、すなわち指掛け部が十分に確保され、指が滑ることなく蓋体７の外周縁をしっかりと把持することができる。そのため、蓋体７をメインケース６からより容易に、且つ確実に取り外すことができる。

また、蓋体７に容器内部と外部とを連通する貫通孔を設けることで、浄水過程においてメインケース６内に収容される中空糸膜１１から生じるエアを、蓋体７に形成される貫通孔から排出することができ、メインケース６内にエア溜まりが生じることによる浄水効率の低下を防止することができる。

また、蓋体７の天壁部７ａを上側に突となる凸面に形成することにより、メインケース６内で発生する前記エアを天壁部７ａの凸状部分に集中させることができ、エア溜まり部分がメインケース６内の複数箇所に分散するのを防ぐことができる。

また、天壁部７ａは、内面又は外面が周壁部７ｂから径方向の内側（容器軸Ｏ側）に向かうに従い漸次上向きになる傾斜面又は段差が形成されていることにより、蓋体７の内面ではエア溜まり部からエアが抜けやすくなり、蓋体７の外面では原水貯留部３ａに原水が供給された際に、原水が天壁部に残り難くすることができる。

また、本実施の形態では、メインケース６と蓋体７との嵌合強度は、底部開口部３ｃとメインケース６との嵌合強度よりも大きくすることで、ろ材１０や中空糸膜１１を交換するために浄水カートリッジ４を内容器３から取り外す際に、蓋体７を把持して取り外そうとしても蓋体７がメインケース６から離脱することがなく、先にメインケース６が内容器３の底部開口部３ｃから離脱し、浄水カートリッジ４全体を取り外すことができる。そのため、原水貯留部３ａ内で蓋体７のみがメインケース６から外れることがなく、内部のろ材１０が原水貯留部３ａ内に散らばることを防ぐことができる。

このように本実施の形態の浄水カートリッジ及び浄水器では、カートリッジの容量の増加を抑えつつも、ろ材等の収容量を増やすことができ、これにより浄水貯留部２ａの容量の低下を防ぐことができるうえ、部材コストの増加も抑えることができるという効果を奏する。

次に、本発明の浄水カートリッジ及び浄水器による他の実施形態について、図面に基づいて説明するが、上述の第１の実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。

（第２の実施の形態）
図５Ａ及び図５Ｂに示すように、第２の実施の形態の浄水カートリッジ４Ａは、蓋体７の天壁部７ａの装着筒７１に、カートリッジ４Ａの底部側に向けて延びるろ材押さえ体７２を設けた浄水カートリッジである。ろ材押さえ体７２は、略筒状で、側面に開口部７３を有する。
ろ材押さえ体７２は、装着筒７１に一体的に成形されていてもよく、装着筒７１の内側に別に備えられていてもよい。なお、 図５Ａ及び図５Ｂでは、一体的に成形されている場合を示す。

この場合、メインケース６に蓋体７を装着することで、メインケース６内に収容されるろ材１０をろ材押さえ体７２の下端７２ａによって上から押さえ付けることができ、ろ材１０が浮き上がって中空糸膜１１から離れるのを抑制することができる。そのため、袋材とメインケース６との密着性が確保され、優れた浄水性能を発揮することができるうえ、ろ材１０と中空糸膜１１との間にエア溜まりが生じるのを防止することも可能となる。

また、ろ材押さえ体７２は、略筒状で、側面に開口部７３を有することで、開口部７３を通って原水を流入させることができる．そのため、本発明に係る浄水カートリッジでは、ショートパスを起こさず、ろ材の浄水性能を十分に発揮することができる。

また、ろ材押さえ体７２の、容器軸Ｏ方向における長さの最大値は１６〜２４ｍｍであることが好ましく、１８〜２２ｍｍであることがさらに好ましい前記長さの最大値が１６ｍｍよりも小さい場合には、袋材を十分に押さえつけることができず、メインケースと袋材の間に隙間ができてしまい、袋材中に水が流れなくなり、浄水性能がさがってしまう。前記長さの最大値が２４ｍｍよりも大きい場合は袋材を強く抑えすぎてしまい、袋材とメインケースが完全に密閉され、袋材と中空糸膜の間の空気が抜けずに溜まってしまい、ろ過時間が遅くなってしまう。

また、本発明に係る浄水カートリッジでは、ろ材押さえ体７２の外周壁７２ｂと、メインケース６の内周壁６ｆとの間の間隙が、０．０１〜１０ｍｍであることが好ましく、０．１〜５ｍｍであることがさらに好ましい。前記間隙が、０．１ｍｍより小さい場合は、原水導入口６１から流入する水が流れにくく、また、５ｍｍより大きい場合は、ろ材を押さえる効果が低下する。

なお、本発明の技術範囲は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。

例えば、上述の実施の形態では、浄水カートリッジ４を円筒形状としているが、前記円筒形状に限定されることはなく、例えば断面視で四角形状をなしていてもよい。そのため、蓋体７の形状も円形に限らず、メインケース６の形状に合わせて適宜変更することが可能である。また、底部開口部３ｃの形状も円形に限らず、メインケース６の形状に合わせて適宜変更することが可能である。そして、本実施の形態では蓋体７の天壁部７ａに上側に突となる凸面を形成させた構成としているが、これに限定されず、平坦面に形成されていても良い。

また、本実施の形態では、蓋体７は装着筒７１をメインケース６の上端開口６ａの内側に嵌合させる構成としているが、これに限定されることはなく、例えば上端開口６ａに対して外嵌させる形態でも良いし、ねじによる螺着構造とすることも可能である。

さらに、本実施の形態では、袋状の物に収容されたろ材１０を採用しているが、袋状の物に収容せずに吸着剤自体を直接メインケース６に収納することも勿論可能である。

さらにまた、エア抜き用として形成される蓋体７の貫通孔の位置や数量は適宜設定することができ、また前記貫通孔は省略することも可能である。

また、本実施の形態における浄水器１の外容器２、内容器３、容器蓋５の大きさ、形状等の構成は、適宜変更することが可能である。

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。

以下、本発明の実施例について説明する。
［実施例１〜５］
目付けが４０ｇ／ｍ^２であり、繊維径が６．６ｄｔｘである不織布（アサヒ繊維工業株式会社製、ＥＳ０５１）を用いて、１１０ｍｍ×７５ｍｍの袋状の物（ｂａｇ）を作成した。吸着剤として、粒状活性炭（クラレケミカル株式会社製、Ｔ−ＳＣＯＢ ２０／４０）、イオン交換樹脂（ピュロライト株式会社製、Ｃ１０７Ｅ）、キレート樹脂（ピュロライト株式会社製、Ｓ９３０／４９２２）を２．５：５：１で混合した。ろ材１０として、混合した吸着剤をメスシリンダーで６０ｃｃ量りとり、前記袋状の物に詰めた。

浄水カートリッジ４は、容器軸に対して直交する任意の直線とメインケースの上端開口部６ｄとの交点間を結んだ距離の最大値を４７ｍｍ、容器軸に対して直交する任意の直線と蓋体の周壁部７ｂとの交点間を結んだ距離の最小値を５３ｍｍとした。中空糸膜１１として、ポリエチレン多孔質中空糸膜（三菱レイヨン株式会社製、ＥＸ２７０ＴＨ−２５、膜面積０．２８ｍ^２）をメインケースに装着し、中空糸膜１１の上に重ねて、ろ材１０を配置した。
なお、ろ材押さえ体７２の寸法と、ろ材押さえ体７２の外周壁７２ｂとメインケース６の内周壁６ｆとの間の間隙は、表１に記載の値となるように適宜設定した。

得られた浄水カートリッジ４について、ＪＩＳ Ｓ３２０１に準拠した家庭用浄水器試験方法でピッチャー型浄水器を用いて実施し、ろ材１０のろ過流量、遊離残留塩素除去能力及び遊離残留塩素ろ過能力評価を行った。
「ろ過流量」とは、ピッチャー型浄水器に１Ｌの水を注ぎ、ろ過するのにかかった時間を意味する。なお、表１では、上記方法にて１０回測定した平均値を「ろ過流量」として記載した。

本発明は、浄水カートリッジの容量の増加を抑えつつもろ材等の収容量を増やすことができ、これにより浄水貯留部の容量の低下を防ぐことができるうえ、部材コストの増加も抑えることができる浄水カートリッジを提供できるので、産業上極めて有用である。

１ 浄水器
２ 外容器
２ａ 浄水貯留部
３ 内容器
３ａ 原水貯留部
３ｃ 底部開口部
４、４Ａ 浄水カートリッジ
５ 容器蓋
６ メインケース
６ａ 上端開口
６ｄ 上端開口縁
６ｅ メインケースの外周縁
７ 蓋体
７ａ 天壁部
７ｂ 周壁部
１０ ろ材
１１ 中空糸膜（多孔質ろ過膜）
６１ 原水導入口
６２ 浄水出口
７１ 装着筒（装着部）
７２ ろ材押さえ体
７３ 開口部
Ｏ 容器軸

Claims (20)

1. メインケースと、蓋体と、を備えた浄水カートリッジであって、
   前記メインケースは、容器軸方向における上端側が開口した有底筒状を有し、ろ材及び多孔質ろ過膜を内部に収容し、前記メインケースの上筒部には原水導入口を備えており、
   前記蓋体は、前記メインケースの上端開口内に着脱自在に装着される装着筒を備え、かつ前記メインケースの上端開口部分を閉塞するように構成されている浄水カートリッジ。
2. 前記蓋体の天壁部は、上側に突となる凸面が形成されている請求項１に記載の浄水カートリッジ。
3. 前記蓋体は、前記天壁部に、前記メインケースに装着されたときろ材を押させるように前記メインケースの底部側に向けて延びるろ材押さえ体を備えている請求項１又は２に記載の浄水カートリッジ。
4. 前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記蓋体の周壁部との交点間を結んだ距離の最小値が、前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記メインケースの上端開口部分との交点間を結んだ距離の最大値よりもよりも大きく形成されている請求項１乃至３のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
5. 前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記蓋体の周壁部との交点間を結んだ距離の最小値と、前記容器軸に対して直交する任意の直線と前記メインケースの上端開口部分との交点間を結んだ距離の最大値との差が、１ｍｍ以上、３０ｍｍ以下に形成されている請求項４に記載の浄水カートリッジ。
6. 前記蓋体には、前記浄水カートリッジの内部と外部とを連通する貫通孔が形成されている請求項１乃至５のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
7. 前記蓋体の天壁部の内面又は外面の少なくとも一方の面が、前記蓋体の周壁部から蓋体の中心軸側に向けて凸状となる頂部に向かうに従い、漸次上向きに傾斜する傾斜面をなしている請求項２乃至６のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
8. 前記蓋体の天壁部の内面又は外面の少なくとも一方の面が、前記蓋体の周壁部から蓋体の中心軸側に向けて凸状となる頂部に向かうに従い、段差をなしている請求項２乃至６のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
9. 前記ろ材押さえ体が、側面に開口部を有する筒状である請求項３乃至８のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
10. 前記ろ材押さえ体の容器軸方向における長さの最大値が、１６〜２４ｍｍである請求項３乃至９のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
11. 前記ろ材押さえ体の容器軸方向に直交する任意の面で切断したときの切断面の外縁と、前記メインケースの容器軸方向に直交する任意の面で切断したときの切断面の内縁との間の間隙が０．０１〜１０ｍｍである請求項３乃至１０のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
12. 前記ろ材が袋状の物に収容されている請求項１乃至１１のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
13. 前記ろ材がカチオン交換樹脂を含む請求項１乃至１２のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
14. 前記ろ材が活性炭を含む請求項１乃至１３のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
15. 前記ろ材がキレート樹脂を含む請求項１乃至１４のいずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
16. 前記ろ材の充填率が次の式を満たす請求項１３乃至１５いずれか１項に記載の浄水カートリッジ。
    ５０％≦Ａ＋Ｃ×１．６≦９０％
    Ａ：カチオン交換樹脂を除いたろ材の充填率 Ｃ：カチオン交換樹脂の充填率
17. ＡとＣとの比であるＡ／Ｃが０．２５〜１．５である請求項１６に記載の浄水カートリッジ。
18. 請求項１乃至１７のいずれか１項に記載の浄水カートリッジを備えた浄水器であって、
    浄水貯留部を有する外容器と、
    原水貯留部を有する内容器と、を備え、
    前記内容器の底壁部には、前記浄水カートリッジの底部開口部が形成されており、前記底部開口部には、前記メインケースが嵌合されている浄水器。
19. 前記メインケースと前記蓋体との嵌合強度は、前記底部開口部と前記メインケースとの嵌合強度よりも大きい請求項１８に記載の浄水器。
20. 請求項１乃至１７のいずれか１項に記載の浄水カートリッジに収容される袋状の物からなるろ材であって、
    前記袋状の物は、目付けが２０〜６０ｇ／ｍ^２であり、繊維径が２．２〜６．６ｄｔｘである不織布からなり、
    カチオン交換樹脂及び活性炭からなる群から選択される少なくとも１つの吸着剤が収容されているろ材。

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