JP5753814B2 - ダイオード、半導体装置およびmosfet - Google Patents

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本発明は、ダイオード、半導体装置およびMOSFETに関する。
PNダイオードの逆回復特性を向上し、スイッチング損失を低減する技術が従来から開発されている。特許文献1には、PINダイオードとショットキーダイオードを組み合わせたMPSダイオードが開示されている。特許文献1の技術では、pアノード領域のサイズをリーチスルー限界まで小さくすることで、pアノード領域からnドリフト領域への正孔注入を抑制し、スイッチング損失の低減を図っている。
特開2003−163357号公報
特許文献1の技術では、逆バイアス印加時にショットキー接合界面へ強い電界がかかる。これにより、逆バイアスに対する耐圧の低下と、リーク電流の増大を招いている。
本明細書では上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書では、アノード領域とアノード電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、ドリフト領域とアノード電極が接続しているダイオードにおいて、逆バイアスに対する耐圧の向上とリーク電流の低減を図ることが可能な技術を提供する。
本明細書で開示するダイオードは、カソード電極と、第1導電型の半導体からなるカソード領域と、低濃度の第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるアノード領域と、アノード電極を備えている。そのダイオードでは、前記ドリフト領域が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記アノード電極に接続している。そのダイオードでは、前記ショットキー接合界面が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面よりも、前記アノード電極側へ突出している。
上記のダイオードでは、ドリフト領域とアノード電極を接続するショットキー接合界面が、アノード領域とアノード電極の間に介在する界面よりも、アノード電極側へ突出している。このような構成とすることにより、アノード電極とカソード電極の間に逆バイアスが印加されたときの、ショットキー接合界面へかかる電界を軽減することができる。これにより、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することが出来る。
上記のダイオードは、前記ドリフト領域と前記アノード領域の間に形成された、前記ドリフト領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなるバリア領域と、前記バリア領域と前記アノード電極を接続するように形成された、第1導電型の半導体からなるピラー領域をさらに備えており、前記ピラー領域と前記アノード電極の間に、前記ショットキー接合界面が形成されていることが好ましい。
上記のダイオードでは、アノード電極とカソード電極の間に順バイアスが印加されると、アノード電極とピラー領域はショットキー接合界面を介して短絡する。ピラー領域とバリア領域はほぼ同電位であるため、バリア領域とアノード電極の電位差はショットキー接合界面での電圧降下とほぼ等しくなる。ショットキー接合界面での電圧降下は、アノード領域とバリア領域の間のpn接合のビルトイン電圧よりも十分に小さいので、アノード領域からドリフト領域への正孔の注入が抑制される。
次いで、アノード電極とカソード電極の間の電圧が順バイアスから逆バイアスに切り替わると、アノード電極とピラー領域の間のショットキー接合界面によって逆電流が制限される。上記のダイオードでは、順バイアスの印加時においてアノード領域からドリフト領域への正孔の注入が抑制されているから、逆回復電流が小さく、逆回復時間が短い。上記のダイオードによれば、ドリフト領域のライフタイム制御を行うことなく、スイッチング損失を小さくすることが出来る。
また、上記のダイオードでは、アノード電極とカソード電極の間に逆バイアスが印加されると、ピラー領域とアノード電極の間のショットキー接合界面から伸びる空乏層だけでなく、アノード領域とバリア領域の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。これにより、ピラー領域とアノード電極の間のショットキー接合界面にかかる電界が軽減される。上記のダイオードによれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。
上記のダイオードは、前記ピラー領域における不純物濃度が、前記バリア領域における不純物濃度よりも高いことが好ましい。
上記のダイオードでは、ピラー領域における不純物濃度が、バリア領域における不純物濃度よりも高い。このような構成とすることによって、アノード領域の厚みを小さくすることなく、順バイアスの印加時におけるバリア領域とアノード電極の間の電位差を小さくすることが出来る。上記のダイオードによれば、逆バイアスに対するリーチスルーの発生を抑え、耐圧を低下させることなく、スイッチング損失を低減することが出来る。
上記のダイオードは、前記アノード領域と前記アノード電極の間に、高濃度の第2導電型の半導体からなるアノードコンタクト領域をさらに備えており、前記ピラー領域と前記アノードコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることが好ましい。
アノード領域とアノード電極の間にアノードコンタクト領域を設けると、アノードコンタクト領域からピラー領域への不純物の拡散によって、ピラー領域におけるキャリア濃度が低下するおそれがある。上記のダイオードによれば、絶縁領域によってアノードコンタクト領域からピラー領域への不純物の拡散を防止し、ピラー領域におけるキャリア濃度を確保することができる。
上記のダイオードは、前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる電界進展防止領域をさらに備えていることが好ましい。
上記のダイオードでは、アノード電極とカソード電極の間に逆バイアスが印加されると、ピラー領域とアノード電極の間のショットキー接合界面で逆電流が制限されるだけでなく、ドリフト領域と電界進展防止領域の間のpn接合によっても逆電流が制限される。上記のダイオードによれば、逆バイアスの印加時のリーク電流を低減することができる。
また、上記のダイオードでは、アノード電極とカソード電極の間に逆バイアスが印加されると、ピラー領域とアノード電極の間のショットキー接合界面から伸びる空乏層と、アノード領域とバリア領域の間のpn接合界面から伸びる空乏層だけでなく、ドリフト領域と電界進展防止領域の間のpn接合界面でも電界が分担される。これにより、ピラー領域とアノード電極の間のショットキー接合界面にかかる電界と、アノード領域とバリア領域の間のpn接合にかかる電界が軽減される。上記のダイオードによれば、逆バイアスに対する耐圧をさらに向上することが出来る。
上記のダイオードは、前記アノード領域から前記ドリフト領域まで達するトレンチが形成されており、前記トレンチの内部に絶縁膜で被覆されたトレンチ電極が形成されていることが好ましい。
上記のダイオードでは、アノード電極とカソード電極の間に逆バイアスが印加される際に、ドリフト領域の内部におけるトレンチ電極の先端近傍の箇所に電界集中が生じ、これによってピラー領域とアノード電極の間のショットキー接合界面や、アノード領域とバリア領域の間のpn接合界面にかかる電界が軽減される。上記のダイオードによれば、逆バイアスに対する耐圧をさらに向上することが出来る。
上記のダイオードは、前記カソード領域に部分的に形成された、第2導電型の半導体からなるカソードショート領域をさらに備えていることが好ましい。
上記のダイオードでは、アノード電極とカソード電極の間に順バイアスが印加される際に、カソードショート領域が存在することにより、カソード領域からドリフト領域への電子の注入が抑制される。これにより、順バイアスから逆バイアスへ切り替わる際の逆回復電流をさらに小さくし、逆回復時間をさらに短くすることができる。上記のダイオードによれば、スイッチング損失をさらに低減することが出来る。
本明細書はさらに、上記のダイオードとIGBTが一体化された半導体装置を開示する。その半導体装置では、前記IGBTが、コレクタ電極と、第2導電型の半導体からなるコレクタ領域と、前記ドリフト領域から連続しており、低濃度の第1導電型の半導体からなる第2ドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるエミッタ領域と、エミッタ電極と、前記エミッタ領域と前記第2ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えている。その半導体装置では、前記第2ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面とは別に形成された第2ショットキー接合界面を介して、前記エミッタ電極に接続している。その半導体装置では、前記第2ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面よりも、前記エミッタ電極側へ突出している。
上記の半導体装置では、ダイオードとIGBTの寄生ダイオードの双方について、逆バイアスに対する耐圧を向上し、かつリーク電流を低減することができる。
上記の半導体装置は、前記IGBTが、前記第2ドリフト領域と前記ボディ領域の間に形成された、前記第2ドリフト領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなる第2バリア領域と、前記第2バリア領域と前記エミッタ電極を接続するように形成された、第1導電型の半導体からなる第2ピラー領域をさらに備えており、前記第2ピラー領域と前記エミッタ電極の間に、前記第2ショットキー接合界面が形成されていることが好ましい。
上記の半導体装置では、ダイオードとIGBTの寄生ダイオードの双方について、スイッチング損失を低減し、かつ逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
上記の半導体装置は、前記第2ピラー領域における不純物濃度が、前記第2バリア領域における不純物濃度よりも高いことが好ましい。
上記の半導体装置では、IGBTの寄生ダイオードについて、逆バイアスに対するリーチスルーの発生を抑え、耐圧を低下させることなく、スイッチング損失を低減することが出来る。
上記の半導体装置は、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に、高濃度の第2半導体からなるボディコンタクト領域をさらに備えており、前記第2ピラー領域と前記ボディコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることが好ましい。
上記の半導体装置によれば、絶縁領域によってボディコンタクト領域から第2ピラー領域への不純物の拡散を防止し、第2ピラー領域におけるキャリア濃度を確保することができる。
上記の半導体装置は、前記第2バリア領域と前記第2ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる第2電界進展防止領域をさらに備えることが好ましい。
上記の半導体装置では、IGBTの寄生ダイオードについて、逆バイアスに対する耐圧をさらに向上し、かつ逆バイアス時のリーク電流を低減することができる。また、IGBTの駆動時に、コレクタ電極からエミッタ電極へ流れる電流が電界進展防止領域とドリフト領域の間のpn接合によって抑制されるため、IGBTの飽和電流を低減することができる。
本明細書はさらに、MOSFETを開示する。そのMOSFETは、ドレイン電極と、第1導電型の半導体からなるドレイン領域と、低濃度の第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるソース領域と、ソース電極と、前記ソース領域と前記ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えている。そのMOSFETでは、前記ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記ソース電極に接続している。そのMOSFETでは、前記ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面よりも、前記ソース電極側へ突出している。
上記のMOSFETによれば、寄生ダイオードの逆バイアスに対する耐圧を向上し、かつリーク電流を低減することができる。
上記のMOSFETは、前記ドリフト領域と前記ボディ領域の間に形成された、前記ドリフト領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなるバリア領域と、前記バリア領域と前記ソース電極を接続するように形成された、第1導電型の半導体からなるピラー領域をさらに備えており、前記ピラー領域と前記ソース電極の間に、前記ショットキー接合界面が形成されていることが好ましい。
上記のMOSFETによれば、寄生ダイオードのスイッチング損失を低減し、かつ逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
上記のMOSFETは、前記ピラー領域における不純物濃度が、前記バリア領域における不純物濃度よりも高いことが好ましい。
上記のMOSFETでは、寄生ダイオードについて、逆バイアスに対するリーチスルーの発生を抑え、耐圧を低下させることなく、スイッチング損失を低減することが出来る。
上記のMOSFETは、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に、高濃度の第2導電型の半導体からなるボディコンタクト領域をさらに備えており、前記ピラー領域と前記ボディコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることが好ましい。
上記のMOSFETによれば、絶縁領域によってボディコンタクト領域からピラー領域への不純物の拡散を防止し、ピラー領域におけるキャリア濃度を確保することができる。
上記のMOSFETは、前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる電界進展防止領域をさらに備えていることが好ましい。
上記のMOSFETでは、逆バイアスに対する耐圧をさらに向上し、かつ逆バイアス時のリーク電流を低減することができる。
本明細書が開示する技術によれば、アノード領域とアノード電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、ドリフト領域とアノード電極が接続しているダイオードにおいて、逆バイアスに対する耐圧の向上とリーク電流の低減を図ることができる。
実施例1のダイオード2の構成を模式的に示す図である。 実施例1のダイオード2と比較例1のダイオード26の逆回復特性を比較するグラフである。 比較例1のダイオード26の構成を模式的に示す図である。 実施例1のダイオード2における逆バイアス印加時のリーク電流を示すグラフである。 実施例1のダイオード2の別の構成を模式的に示す図である。 実施例2のダイオード32の構成を模式的に示す図である。 実施例3のダイオード42の構成を模式的に示す図である。 実施例4のダイオード52の構成を模式的に示す図である。 実施例5のダイオード62の構成を模式的に示す図である。 実施例1の変形例のダイオード66の構成を模式的に示す図である。 実施例2の変形例のダイオード68の構成を模式的に示す図である。 実施例3の変形例のダイオード70の構成を模式的に示す図である。 実施例6の半導体装置72の構成を模式的に示す図である。 実施例7の半導体装置82の構成を模式的に示す図である。 実施例8の半導体装置102の構成を模式的に示す図である。 実施例8の半導体装置102の別の構成を模式的に示す図である。 実施例8の半導体装置102のさらに別の構成を模式的に示す図である。 実施例9の半導体装置162の構成を模式的に示す図である。 実施例9の半導体装置162の別の構成を模式的に示す図である。 実施例10の半導体装置172の構成を模式的に示す図である。 実施例11の半導体装置182の構成を模式的に示す図である。 実施例12の半導体装置202の構成を模式的に示す図である。 実施例12の半導体装置202の別の構成を模式的に示す図である。 実施例13の半導体装置232の構成を模式的に示す図である。 実施例14の半導体装置242の構成を模式的に示す図である。 実施例15の半導体装置252の構成を模式的に示す図である。
(実施例1)
図1に示すように、本実施例のダイオード2は、シリコンの半導体基板4を用いて形成されている。半導体基板4には、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域6と、n型半導体領域であるnバッファ領域8と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域10と、n型半導体領域であるnバリア領域12と、p型半導体領域であるpアノード領域14が順に積層されている。本実施例では、n型半導体領域には不純物として例えばリンが添加されており、p型半導体領域には不純物として例えばボロンが添加されている。本実施例では、nカソード領域6の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度であり、nバッファ領域8の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度であり、nドリフト領域10の不純物濃度は1×1012〜1×1015[cm-3]程度であり、nバリア領域12の不純物濃度は1×1015〜1×1018[cm-3]程度であり、pアノード領域14の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度である。また、nバリア領域12の厚みは0.5〜3.0[μm]程度である。
半導体基板4の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域16が、所定の間隔を隔てて複数形成されている。nピラー領域16の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度である。nピラー領域16は、pアノード領域14を貫通して、nバリア領域12の上側表面まで達するように形成されている。また、pアノード領域14の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域18が所定の間隔を隔てて複数形成されている。pコンタクト領域18の不純物濃度は1×1017〜1×1020[cm-3]程度である。半導体基板4の上側表面には、pアノード領域14と、nピラー領域と16、pコンタクト領域18が露出している。
半導体基板4の上側表面において、nピラー領域16は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18よりも上方に突出している。nピラー領域16の突出部分の周囲には、層間絶縁膜23が形成されている。
半導体基板4の下側表面には、金属製のカソード電極20が形成されている。カソード電極20は、nカソード領域6とオーミック接合によって接合している。半導体基板4の上側表面には、金属製のアノード電極22が形成されている。アノード電極22は、ショットキー接合界面24を介して、nピラー領域16とショットキー接合している。本実施例では、ショットキー接合のバリア高さは0.2〜1.0[eV]程度である。アノード電極22は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18とオーミック接合によって接合している。
ダイオード2の動作について説明する。アノード電極22とカソード電極20の間に順バイアスが印加されると、アノード電極22とnピラー領域16はショットキー接合界面24を介して短絡する。nピラー領域16とnバリア領域12はほぼ同電位であるため、nバリア領域12とアノード電極22の電位差はショットキー接合界面24での電圧降下とほぼ等しくなる。ショットキー接合界面24での電圧降下は、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合のビルトイン電圧よりも十分に小さいので、pコンタクト領域18やpアノード領域14からnドリフト領域10への正孔の注入が抑制される。アノード電極22とカソード電極20の間には、主にアノード電極22とnピラー領域16の間のショットキー接合界面24、nピラー領域16、nバリア領域12、nドリフト領域10、nバッファ領域8、nカソード領域6を経由する順電流が流れる。
次いで、アノード電極22とカソード電極20の間の電圧が順バイアスから逆バイアスに切り替わると、アノード電極22とnピラー領域16の間のショットキー接合界面24によって逆電流が制限される。上述したように、本実施例のダイオード2では、順バイアスの印加時においてpコンタクト領域18およびpアノード領域14からnドリフト領域10への正孔の注入が抑制されているから、逆回復電流が小さく、逆回復時間が短い。本実施例のダイオード2によれば、nドリフト領域10のライフタイム制御を行うことなく、スイッチング損失を小さくすることが出来る。
また、本実施例のダイオード2では、アノード電極22とカソード電極20の間に逆バイアスが印加されると、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24から伸びる空乏層だけでなく、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。これにより、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24にかかる電界が軽減される。本実施例のダイオード2によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。
図2は実施例1のダイオード2と、従来技術である比較例1のダイオード26について、逆回復特性を比較したものである。
図3は比較例1のダイオード26の構造を示している。ダイオード26は、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域6と、n型半導体領域であるnバッファ領域8と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域10が順に積層された、シリコンの半導体基板28に形成されている。nドリフト領域10の表面には、p型半導体領域であるpアノード領域14が所定の間隔を隔てて複数形成されている。また、pアノード領域14の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域18が所定の間隔を隔てて複数形成されている。半導体基板28の下側表面には、金属製のカソード電極20が形成されている。カソード電極20は、nカソード領域6とオーミック接合によって接合している。半導体基板28の上側表面には、金属製のアノード電極22が形成されている。アノード電極22は、ショットキー接合界面30を介して、nドリフト領域10とショットキー接合によって接合している。アノード電極22は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18とオーミック接合によって接合している。すなわち、比較例1のダイオード26は、nバリア領域12とnピラー領域16を備えていない点で、実施例1のダイオード2と相違する。
図2から明らかなように、実施例1のダイオード2は、比較例1のダイオード26に比べて、逆回復電流が小さく、逆回復時間が短い。本実施例のダイオード2によれば、スイッチング損失を低減することが出来る。
本実施例のダイオード2では、nピラー領域16における不純物濃度が、nバリア領域12における不純物濃度よりも高い。このような構成とすることによって、pアノード領域14の厚みを小さくすることなく、順バイアスの印加時におけるnバリア領域12とアノード電極22の間の電位差を小さくすることが出来る。本実施例のダイオード2によれば、逆バイアスに対するリーチスルーの発生を抑え、耐圧を低下させることなく、スイッチング損失を低減することが出来る。
本実施例のダイオード2では、nピラー領域16とアノード電極22の界面が、pアノード領域14とアノード電極22の界面や、pコンタクト領域18とアノード電極22の界面に比べて、アノード電極22側へ突出している。これにより、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24にかかる電界が軽減されている。本実施例のダイオード2によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
図4は、アノード電極22側へのショットキー接合界面24の突出量と、逆バイアス印加時のリーク電流の大きさの関係を示している。リーク電流の大きさは、アノード電極22側へのショットキー接合界面24の突出量がゼロの場合を1としている。図4から明らかなように、ショットキー接合界面24をアノード電極22側へ突出させるほど、リーク電流を低減することができる。
なお、本実施例のダイオード2は、図5に示すように、層間絶縁膜23をnピラー領域16に沿って下方に延伸させて、nピラー領域16とpコンタクト領域18の間に層間絶縁膜23が介在する構成とすることもできる。図1に示す形態では、pコンタクト領域18からnピラー領域16への不純物の拡散によって、nピラー領域16におけるキャリア濃度が低下するおそれがある。図5に示す形態によれば、層間絶縁膜23によってpコンタクト領域18からnピラー領域16への不純物の拡散を防止し、nピラー領域16におけるキャリア濃度を確保することができる。
(実施例2)
図6に示すように、本実施例のダイオード32は、シリコンの半導体基板34を用いて形成されている。半導体基板34には、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域6と、n型半導体領域であるnバッファ領域8と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域10と、p型半導体領域であるp電界進展防止領域36と、n型半導体領域であるnバリア領域12と、p型半導体領域であるpアノード領域14が順に積層されている。本実施例では、p電界進展防止領域36の不純物濃度は1×1015〜1×1019[cm-3]程度である。また、p電界進展防止領域36の厚みは0.5〜3.0[μm]程度である。
半導体基板34の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域16が、所定の間隔を隔てて複数形成されている。nピラー領域16は、pアノード領域14を貫通して、nバリア領域12の上側表面まで達するように形成されている。また、pアノード領域14の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域18が所定の間隔を隔てて複数形成されている。半導体基板34の上側表面には、pアノード領域14と、nピラー領域と16、pコンタクト領域18が露出している。
半導体基板34の上側表面において、nピラー領域16は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18よりも上方に突出している。nピラー領域16の突出部分の周囲には、層間絶縁膜23が形成されている。層間絶縁膜23は、nピラー領域16に沿って下方に延伸しており、nピラー領域16とpコンタクト領域18の間に層間絶縁膜23が介在している。
半導体基板34の下側表面には、金属製のカソード電極20が形成されている。カソード電極20は、nカソード領域6とオーミック接合によって接合している。半導体基板34の上側表面には、金属製のアノード電極22が形成されている。アノード電極22は、ショットキー接合界面24を介して、nピラー領域16とショットキー接合によって接合している。アノード電極22は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18とオーミック接合によって接合している。
ダイオード32の動作について説明する。アノード電極22とカソード電極20の間に順バイアスが印加されると、アノード電極22とnピラー領域16はショットキー接合界面24を介して短絡する。nピラー領域16とnバリア領域12はほぼ同電位であるため、nバリア領域12とアノード電極22の電位差はショットキー接合界面24での電圧降下とほぼ等しくなる。ショットキー接合界面24での電圧降下は、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合のビルトイン電圧よりも十分に小さいので、pコンタクト領域18やpアノード領域14からnドリフト領域10への正孔の注入が抑制される。アノード電極22とカソード電極20の間には、主にアノード電極22とnピラー領域16の間のショットキー接合界面24、nピラー領域16、nバリア領域12、p電界進展防止領域36、nドリフト領域10、nバッファ領域8、nカソード領域6を経由する順電流が流れる。なお、nバリア領域12とp電界進展防止領域36の間にはpn接合が存在するが、p電界進展防止領域36のp型不純物濃度は低く、p電界進展防止領域36の厚みは薄いため、アノード電極22とカソード電極20の間の順電流に及ぼす影響は少ない。
次いで、アノード電極22とカソード電極20の間の電圧が順バイアスから逆バイアスに切り替わると、アノード電極22とnピラー領域16の間のショットキー接合界面24によって逆電流が制限される。また、nドリフト領域10とp電界進展防止領域36の間のpn接合によっても逆電流が制限される。上述したように、本実施例のダイオード32では、順バイアスの印加時においてpコンタクト領域18およびpアノード領域14からnドリフト領域10への正孔の注入が抑制されているから、逆回復電流が小さく、逆回復時間が短い。本実施例のダイオード32によれば、nドリフト領域10のライフタイム制御を行うことなく、スイッチング損失を小さくすることが出来る。
本実施例のダイオード32では、nピラー領域16とアノード電極22の界面が、pアノード領域14とアノード電極22の界面や、pコンタクト領域18とアノード電極22の界面に比べて、アノード電極22側へ突出している。これにより、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24にかかる電界が軽減されている。本実施例のダイオード32によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
また、本実施例のダイオード32では、アノード電極22とカソード電極20の間に逆バイアスが印加されると、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24から伸びる空乏層だけでなく、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合界面から伸びる空乏層と、nドリフト領域10とp電界進展防止領域36の間のpn接合界面でも電界が分担される。これにより、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24にかかる電界と、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合にかかる電界が軽減される。本実施例のダイオード32によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。
(実施例3)
図7に示すように、本実施例のダイオード42は、実施例1のダイオード2と同様に、シリコンの半導体基板4を用いて形成されている。半導体基板4には、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域6と、n型半導体領域であるnバッファ領域8と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域10と、n型半導体領域であるnバリア領域12と、p型半導体領域であるpアノード領域14が順に積層されている。半導体基板4の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域16が、所定の間隔を隔てて複数形成されている。nピラー領域16は、pアノード領域14を貫通して、nバリア領域12の上側表面まで達するように形成されている。また、半導体基板4の上側には、複数のトレンチ44が所定の間隔で形成されている。それぞれのトレンチ44は、pアノード領域14の上側表面からnバリア領域12を貫通してnドリフト領域10の内部まで達している。トレンチ44の内部には、絶縁膜46によって被覆されたトレンチ電極48が充填されている。また、pアノード領域14の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域18が所定の間隔を隔てて複数形成されている。
半導体基板4の上側表面において、nピラー領域16は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18よりも上方に突出している。nピラー領域16の突出部分の周囲には、層間絶縁膜23が形成されている。層間絶縁膜23は、nピラー領域16に沿って下方に延伸しており、nピラー領域16とpコンタクト領域18の間に層間絶縁膜23が介在している。
半導体基板4の下側表面には、金属製のカソード電極20が形成されている。カソード電極20は、nカソード領域6とオーミック接合によって接合している。半導体基板4の上側表面には、金属製のアノード電極22が形成されている。アノード電極22は、ショットキー接合界面24を介して、nピラー領域16とショットキー接合によって接合している。アノード電極22は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18とオーミック接合によって接合している。
本実施例のダイオード42の動作は、実施例1のダイオード2の動作とほぼ同じである。本実施例のダイオード42では、アノード電極22とカソード電極20の間に逆バイアスが印加される際に、トレンチ電極48に印加される電圧を調整することで、耐圧を向上することができる。例えば、逆バイアスの印加時にトレンチ電極48とアノード電極22がほぼ同電位となるようにトレンチ電極48に印加される電圧を調整すると、nドリフト領域10の内部におけるトレンチ電極48の先端近傍の箇所に電界集中が生じ、これによって、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24や、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合界面にかかる電界が軽減される。なお、トレンチ電極48の電位は必ずしもアノード電極22と同電位にする必要はない。逆バイアスの印加時に、トレンチ電極48の電位を、カソード電極20の電位より低くなるようにすることで、トレンチ電極48の先端近傍の箇所に電界集中が生じ、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24や、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合界面にかかる電界を軽減することができる。本実施例のダイオード42によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
本実施例のダイオード42では、nピラー領域16とアノード電極22の界面が、pアノード領域14とアノード電極22の界面や、pコンタクト領域18とアノード電極22の界面に比べて、アノード電極22側へ突出している。これにより、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24にかかる電界が軽減されている。本実施例のダイオード42によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
(実施例4)
図8に示すように、本実施例のダイオード52は、実施例2のダイオード32と同様に、シリコンの半導体基板34を用いて形成されている。半導体基板34には、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域6と、n型半導体領域であるnバッファ領域8と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域10と、p型半導体領域であるp電界進展防止領域36と、n型半導体領域であるnバリア領域12と、p型半導体領域であるpアノード領域14が順に積層されている。半導体基板34の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域16が、所定の間隔を隔てて複数形成されている。nピラー領域16は、pアノード領域14を貫通して、nバリア領域12の上側表面まで達するように形成されている。また、半導体基板34の上側には、複数のトレンチ44が所定の間隔で形成されている。それぞれのトレンチ44は、pアノード領域14の上側表面からnバリア領域12とp電界進展防止領域36を貫通してnドリフト領域10の内部まで達している。トレンチ44の内部には、絶縁膜46によって被覆されたトレンチ電極48が充填されている。また、pアノード領域14の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域18が所定の間隔を隔てて複数形成されている。
半導体基板34の上側表面において、nピラー領域16は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18よりも上方に突出している。nピラー領域16の突出部分の周囲には、層間絶縁膜23が形成されている。層間絶縁膜23は、nピラー領域16に沿って下方に延伸しており、nピラー領域16とpコンタクト領域18の間に層間絶縁膜23が介在している。
半導体基板34の下側表面には、金属製のカソード電極20が形成されている。カソード電極20は、nカソード領域6とオーミック接合によって接合している。半導体基板34の上側表面には、金属製のアノード電極22が形成されている。アノード電極22は、ショットキー接合界面24を介して、nピラー領域16とショットキー接合によって接合している。アノード電極22は、pアノード領域14およびpコンタクト領域18とオーミック接合によって接合している。
本実施例のダイオード52の動作は、実施例2のダイオード32の動作とほぼ同じである。本実施例のダイオード52では、実施例3のダイオード42と同様に、アノード電極22とカソード電極20の間に逆バイアスが印加される際に、トレンチ電極48に印加される電圧を調整することで、耐圧を向上することができる。例えば、逆バイアスの印加時にトレンチ電極48とアノード電極22がほぼ同電位となるようにトレンチ電極48に印加される電圧を調整すると、nドリフト領域10の内部におけるトレンチ電極48の先端近傍の箇所に電界集中が生じ、これによって、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24や、pアノード領域14とnバリア領域12の間のpn接合界面や、nドリフト領域10とp電界進展防止領域36の間のpn接合界面にかかる電界が軽減される。本実施例のダイオード52によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
本実施例のダイオード52では、nピラー領域16とアノード電極22の界面が、pアノード領域14とアノード電極22の界面や、pコンタクト領域18とアノード電極22の界面に比べて、アノード電極22側へ突出している。これにより、nピラー領域16とアノード電極22の間のショットキー接合界面24にかかる電界が軽減されている。本実施例のダイオード52によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
(実施例5)
図8に示すように、本実施例のダイオード62は、実施例4のダイオード52とほぼ同様の構成を備えている。本実施例のダイオード62では、nカソード領域6に、高濃度p型半導体領域であるpカソードショート領域64が、所定の間隔を隔てて複数形成されている点で、実施例4のダイオード52と異なる。本実施例では、pカソードショート領域64の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度である。
本実施例のダイオード62の動作は、実施例4のダイオード52とほぼ同じである。本実施例のダイオード62では、アノード電極22とカソード電極20の間に順バイアスが印加される際に、pカソードショート領域64が形成されていることで、nカソード領域6からnドリフト領域10への電子の注入が抑制される。本実施例のダイオード62によれば、順バイアスの印加時において、pコンタクト領域18およびpアノード領域14からnドリフト領域10への正孔の注入が抑制されているだけでなく、nカソード領域6からnドリフト領域10への電子の注入も抑制されているので、逆回復電流をさらに小さくし、逆回復時間をさらに短くすることができる。本実施例のダイオード62によれば、さらにスイッチング損失を小さくすることが出来る。
なお、上記のようにpカソードショート領域64を設けることによる逆回復特性の改善は、他の形態のダイオードにおいても効果的である。すなわち、図10に示すダイオード66のように、実施例1のダイオード2において、nカソード領域6にpカソードショート領域64を設けた構成とすることもできるし、図11に示すダイオード68のように、実施例2のダイオード32において、nカソード領域6にpカソードショート領域64を設けた構成とすることもできるし、図12に示すダイオード70のように、実施例3のダイオード42において、nカソード領域6にpカソードショート領域64を設けた構成とすることもできる。
(実施例6)
図13に示すように、本実施例の半導体装置72は、実施例3のダイオード42とほぼ同様の構成を備えている。半導体装置72では、pアノード領域14の上側表面において、トレンチ44に隣接する箇所に、高濃度n型半導体領域であるnエミッタ領域74が形成されている。本実施例では、nエミッタ領域74の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度である。nエミッタ領域74は、アノード電極22とオーミック接合によって接合している。
本実施例の半導体装置72は、ドレイン電極に相当するカソード電極20と、ドレイン領域に相当するnカソード領域6と、nバッファ領域8と、nドリフト領域10と、ボディ領域に相当するpアノード領域14と、ソース領域に相当するnエミッタ領域74と、ソース電極に相当するアノード電極22と、nエミッタ領域74とnドリフト領域10の間のpアノード領域14に対して絶縁膜46を挟んで対向する、ゲート電極に相当するトレンチ電極48を備える縦型のMOSFETの構造を有している。
実施例3のダイオード42と同様に、本実施例の半導体装置72によれば、MOSFETの寄生ダイオードの逆回復特性を改善して、スイッチング損失を低減することができる。また、実施例3のダイオード42と同様に、本実施例の半導体装置72によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上し、リーク電流を低減することができる。
(実施例7)
図14に示すように、本実施例の半導体装置82は、実施例4のダイオード52とほぼ同様の構成を備えている。半導体装置82では、pアノード領域14の上側表面において、トレンチ44に隣接する箇所に、nエミッタ領域74が形成されている。nエミッタ領域74は、アノード電極22とオーミック接合によって接合している。
本実施例の半導体装置82は、ドレイン電極に相当するカソード電極20と、ドレイン領域に相当するnカソード領域6と、nバッファ領域8と、nドリフト領域10と、ボディ領域に相当するpアノード領域14と、ソース領域に相当するnエミッタ領域74と、ソース電極に相当するアノード電極22と、nエミッタ領域74とnドリフト領域10の間のpアノード領域14に対して絶縁膜46を挟んで対向する、ゲート電極に相当するトレンチ電極48を備える縦型のMOSFETの構造を有している。
実施例4のダイオード52と同様に、本実施例の半導体装置82によれば、MOSFETの寄生ダイオードの逆回復特性を改善して、スイッチング損失を低減することができる。また、実施例4のダイオード52と同様に、本実施例の半導体装置82によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上し、逆バイアス時のリーク電流を抑制することができる。
(実施例8)
図15に示すように、本実施例の半導体装置102は、シリコンの半導体基板104を用いて形成されている。半導体装置102は、IGBT領域106と、ダイオード領域108を備えている。IGBT領域106において、半導体基板104は、高濃度p型半導体領域であるpコレクタ領域110と、n型半導体領域であるnバッファ領域112と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域114と、n型半導体領域であるnバリア領域116と、p型半導体領域であるpボディ領域118が順に積層されている。本実施例では、pコレクタ領域110の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度であり、nバッファ領域112の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度であり、nドリフト領域114の不純物濃度は1×1012〜1×1015[cm-3]程度であり、nバリア領域116の不純物濃度は1×1015〜1×1018[cm-3]程度であり、pボディ領域118の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度である。また、nバリア領域116の厚みは0.5〜3.0[μm]程度である。ダイオード領域108において、半導体基板104は、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域120と、nバッファ領域112と、nドリフト領域114と、nバリア領域122と、p型半導体領域であるpアノード領域124が順に積層されている。本実施例では、nカソード領域120の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度であり、nバリア領域122の不純物濃度は1×1015〜1×1018[cm-3]程度であり、pアノード領域124の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度である。また、nバリア領域122の厚みは0.5〜3.0[μm]程度である。半導体基板4の上側には、複数のトレンチ126が所定の間隔で形成されている。
IGBT領域106において、トレンチ126は、pボディ領域118の上側表面からnバリア領域116を貫通して、nドリフト領域114の内部まで達している。トレンチ126の内部には、絶縁膜128で被覆されたゲート電極130が充填されている。pボディ領域118の上側表面において、トレンチ126に隣接する箇所には、高濃度n型半導体領域であるnエミッタ領域132が形成されている。nエミッタ領域132の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度である。また、pボディ領域118の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域134が形成されている。nピラー領域134の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度である。nピラー領域134は、pボディ領域118を貫通して、nバリア領域116の上側表面まで達するように形成されている。さらに、pボディ領域118の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域136が形成されている。pコンタクト領域136の不純物濃度は1×1017〜1×1020[cm-3]程度である。半導体基板104の上側表面において、nピラー領域134は、pボディ領域118およびpコンタクト領域136よりも上方に突出している。nピラー領域134の突出部分の周囲には、層間絶縁膜149が形成されている。
ダイオード領域108において、トレンチ126は、pアノード領域124の上側表面からnバリア領域122を貫通して、nドリフト領域114の内部まで達している。トレンチ126の内部には、絶縁膜138で被覆されたゲート電極140が充填されている。pアノード領域124の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域142が形成されている。nピラー領域142の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度である。nピラー領域142は、pアノード領域124を貫通して、nバリア領域122の上側表面まで達するように形成されている。また、pアノード領域124の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域144が形成されている。pコンタクト領域144の不純物濃度は1×1017〜1×1020[cm-3]程度である。半導体基板104の上側表面において、nピラー領域142は、pアノード領域124およびpコンタクト領域144よりも上方に突出している。nピラー領域142の突出部分の周囲には、層間絶縁膜151が形成されている。
半導体基板104の下側表面には、金属製のコレクタ/カソード電極146が形成されている。コレクタ/カソード電極146は、pコレクタ領域110およびnカソード領域120とオーミック接合によって接合している。コレクタ/カソード電極146は、IGBT領域106においてはコレクタ電極として機能し、ダイオード領域108においてはカソード電極として機能する。
半導体基板104の上側表面には、金属製のエミッタ/アノード電極148が形成されている。エミッタ/アノード電極148は、ショットキー接合界面150を介してnピラー領域134とショットキー接合しており、ショットキー接合界面152を介してnピラー領域142とショットキー接合している。本実施例では、ショットキー接合界面150およびショットキー接合界面152のバリア高さは、何れも0.2〜1.0[eV]程度である。また、エミッタ/アノード電極148は、IGBT領域106のnエミッタ領域132およびpコンタクト領域136、およびダイオード領域108のpコンタクト領域144とオーミック接合によって接合している。エミッタ/アノード電極148は、IGBT領域106においてはエミッタ電極として機能し、ダイオード領域108においてはアノード電極として機能する。
IGBT領域106のゲート電極130は図示しない第1ゲート電極端子に導通している。ダイオード領域108のゲート電極140は、図示しない第2ゲート電極端子に導通している。
以上のように、半導体装置102は、トレンチ型のIGBTとして機能するIGBT領域106とフリーホイーリングダイオードとして機能するダイオード領域108が逆並列に接続された構造を有している。
半導体装置102の動作について説明する。ゲート電極130に電圧が印加されておらず、従ってIGBT領域106が駆動していない場合には、IGBT領域106は寄生ダイオードとして機能する。この状態で、エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間に順バイアスが印加されると、ダイオード領域108では、エミッタ/アノード電極148とnピラー領域142がショットキー接合界面152を介して短絡する。nピラー領域142とnバリア領域122はほぼ同電位であるため、nバリア領域122とエミッタ/アノード電極148の電位差はショットキー接合界面152での電圧降下とほぼ等しくなる。ショットキー接合界面152での電圧降下は、pアノード領域124とnバリア領域122の間のpn接合のビルトイン電圧よりも十分に小さいので、pコンタクト領域144やpアノード領域124からnドリフト領域114への正孔の注入が抑制される。IGBT領域106では、エミッタ/アノード電極148とnピラー領域134がショットキー接合界面150を介して短絡する。nピラー領域134とnバリア領域116はほぼ同電位であるため、nバリア領域116とエミッタ/アノード電極148の電位差はショットキー接合界面150での電圧降下とほぼ等しくなる。ショットキー接合界面150での電圧降下は、pボディ領域118とnバリア領域116の間のpn接合のビルトイン電圧よりも十分に小さいので、pコンタクト領域136やpボディ領域118からnドリフト領域114への正孔の注入が抑制される。エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間には、主にダイオード領域108のショットキー接合界面152、nピラー領域142、nバリア領域122、nドリフト領域114、nバッファ領域112、nカソード領域120を経由する順電流と、IGBT領域106のショットキー接合界面150、nピラー領域134、nバリア領域116、nドリフト領域114、nバッファ領域112、nカソード領域120を経由する順電流が流れる。
次いで、エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間の電圧が順バイアスから逆バイアスに切り替わると、ダイオード領域108ではショットキー接合界面152によって、IGBT領域106ではショットキー接合界面150によって、逆電流が制限される。上述したように、ダイオード領域108では、順バイアスの印加時においてpコンタクト領域144およびpアノード領域124からnドリフト領域114への正孔の注入が抑制されており、IGBT領域106では、順バイアスの印加時においてpコンタクト領域136およびpボディ領域118からnドリフト領域114への正孔の注入が抑制されている。従って、半導体装置102は、逆回復電流が小さく、逆回復時間が短い。本実施例の半導体装置102によれば、nドリフト領域114のライフタイム制御を行うことなく、スイッチング損失を小さくすることが出来る。
本実施例の半導体装置102では、nピラー領域134とエミッタ/アノード電極148の界面が、pボディ領域118とエミッタ/アノード電極148の界面や、pコンタクト領域136とエミッタ/アノード電極148の界面に比べて、エミッタ/アノード電極148側へ突出している。これにより、nピラー領域134とエミッタ/アノード電極148の間のショットキー接合界面150にかかる電界が軽減されている。また、本実施例の半導体装置102では、nピラー領域142とエミッタ/アノード電極148の界面が、pアノード領域124とエミッタ/アノード電極148の界面や、pコンタクト領域144とエミッタ/アノード電極148の界面に比べて、エミッタ/アノード電極148側へ突出している。これにより、nピラー領域142とエミッタ/アノード電極148の間のショットキー接合界面152にかかる電界が軽減されている。本実施例の半導体装置102によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
また、本実施例の半導体装置102では、エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間に逆バイアスが印加されると、IGBT領域106では、ショットキー接合界面150から伸びる空乏層だけでなく、pボディ領域118とnバリア領域116の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。さらに、nドリフト領域114のトレンチ126の先端部近傍に電界が集中することで、ショットキー接合界面150にかかる電界と、pボディ領域118とnバリア領域116の間のpn接合にかかる電界が軽減される。同様に、ダイオード領域108では、ショットキー接合界面152から伸びる空乏層だけでなく、pアノード領域124とnバリア領域122の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。さらに、nドリフト領域114のトレンチ126の先端部近傍に電界が集中することで、ショットキー接合界面152にかかる電界と、pアノード領域124とnバリア領域122の間のpn接合にかかる電界が軽減される。本実施例の半導体装置102によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
なお、本実施例の半導体装置102は、図16に示すように、層間絶縁膜149をnピラー領域134に沿って下方に延伸させて、nピラー領域134とpコンタクト領域136の間に層間絶縁膜149が介在する構成とすることもできる。また、図16に示すように、層間絶縁膜151をnピラー領域142に沿って下方に延伸させて、nピラー領域142とpコンタクト領域144の間に層間絶縁膜151が介在する構成とすることもできる。図16に示す形態によれば、層間絶縁膜149,151によってpコンタクト領域136,144からnピラー領域134,142への不純物の拡散を防止し、nピラー領域134,142におけるキャリア濃度を確保することができる。
なお、図17に示すように、本実施例の半導体装置102において、IGBT領域106にはnバリア領域116、nピラー領域134を形成するものの、ダイオード領域108にはnバリア領域122、nピラー領域142を形成しない構成とすることもできる。このような構成とした場合でも、IGBT領域106におけるスイッチング損失を低減し、逆バイアスに対する耐圧を向上し、リーク電流を低減することができる。
(実施例9)
図18に示すように、本実施例の半導体装置162は、実施例8の半導体装置102とほぼ同様の構成を備えている。半導体装置162は、シリコンの半導体基板164を用いて形成されている。半導体基板164は、実施例8の半導体基板104とほぼ同様の構成を備えている。半導体基板164では、IGBT領域106において、nドリフト領域114とnバリア領域116の間に、p型半導体領域であるp電界進展防止領域166が形成されており、ダイオード領域108において、nドリフト領域114とnバリア領域122の間に、p型半導体領域であるp電界進展防止領域168が形成されている。p電界進展防止領域166およびp電界進展防止領域168の不純物濃度は1×1015〜1×1019[cm-3]程度である。また、p電界進展防止領域166およびp電界進展防止領域168の厚みは0.5〜3.0[μm]程度である。IGBT領域106において、トレンチ126は、pボディ領域118の上側表面からnバリア領域116およびp電界進展防止領域166を貫通して、nドリフト領域114の内部まで達している。ダイオード領域108において、トレンチ126は、pアノード領域124の上側表面からnバリア領域122およびp電界進展防止領域168を貫通して、nドリフト領域114の内部まで達している。
本実施例の半導体装置162によれば、実施例8の半導体装置102と同様に、エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間に順バイアスが印加される際に、ダイオード領域108では、pコンタクト領域144およびpアノード領域124からnドリフト領域114への正孔の注入が抑制されており、IGBT領域106では、pコンタクト領域136およびpボディ領域118からnドリフト領域114への正孔の注入が抑制されている。従って、順バイアスから逆バイアスへ切り換わる際の、逆回復電流を小さくし、逆回復時間を短くすることができる。従って、スイッチング損失を小さくすることが出来る。
本実施例の半導体装置162では、nピラー領域134とエミッタ/アノード電極148の界面が、pボディ領域118とエミッタ/アノード電極148の界面や、pコンタクト領域136とエミッタ/アノード電極148の界面に比べて、エミッタ/アノード電極148側へ突出している。これにより、nピラー領域134とエミッタ/アノード電極148の間のショットキー接合界面150にかかる電界が軽減されている。また、本実施例の半導体装置162では、nピラー領域142とエミッタ/アノード電極148の界面が、pアノード領域124とエミッタ/アノード電極148の界面や、pコンタクト領域144とエミッタ/アノード電極148の界面に比べて、エミッタ/アノード電極148側へ突出している。これにより、nピラー領域142とエミッタ/アノード電極148の間のショットキー接合界面152にかかる電界が軽減されている。本実施例の半導体装置162によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
また、本実施例の半導体装置162によれば、エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間に逆バイアスが印加されると、IGBT領域106では、ショットキー接合界面150から伸びる空乏層と、pボディ領域118とnバリア領域116の間のpn接合界面から伸びる空乏層だけでなく、nドリフト領域114とp電界進展防止領域166の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。さらに、nドリフト領域114のトレンチ126の先端部近傍に電界が集中することで、ショットキー接合界面150にかかる電界と、pボディ領域118とnバリア領域116の間のpn接合にかかる電界と、nドリフト領域114とp電界進展防止領域166の間のpn接合にかかる電界が軽減される。同様に、ダイオード領域108では、ショットキー接合界面152から伸びる空乏層と、pアノード領域124とnバリア領域122の間のpn接合界面から伸びる空乏層だけでなく、nドリフト領域114とp電界進展防止領域168の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。さらに、nドリフト領域114のトレンチ126の先端部近傍に電界が集中することで、ショットキー接合界面152にかかる電界と、pアノード領域124とnバリア領域122の間のpn接合にかかる電界と、nドリフト領域114とp電界進展防止領域168の間のpn接合にかかる電界が軽減される。本実施例の半導体装置162によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
また、本実施例の半導体装置162によれば、エミッタ/アノード電極148とコレクタ/カソード電極146の間に逆バイアスが印加される際に、ダイオード領域108ではp電界進展防止領域168とnドリフト領域114の間のpn接合によって逆電流が制限されるので、ショットキー接合界面152を通過するリーク電流が低減し、IGBT領域106では、p電界進展防止領域166とnドリフト領域114の間のpn接合によって逆電流が制限されるので、ショットキー接合界面150を通過するリーク電流が低減する。本実施例の半導体装置162によれば、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
さらに、本実施例の半導体装置162では、IGBT領域106のゲート電極130に電圧を印加してIGBT領域106を駆動する場合に、IGBT領域106においてコレクタ/カソード電極146からエミッタ/アノード電極148へ流れる電流がp電界進展防止領域166によって抑制されるため、IGBT領域106の飽和電流を低減することが出来る。
なお、図19に示すように、本実施例の半導体装置162において、IGBT領域106にはp電界進展防止領域166、nバリア領域116、nピラー領域134を形成するものの、ダイオード領域108にはp電界進展防止領域168、nバリア領域122、nピラー領域142を形成しない構成とすることもできる。このような構成とした場合でも、IGBT領域106におけるスイッチング損失を低減し、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。また、IGBT領域106における逆バイアス印加時のリーク電流を低減し、飽和電流を低減することが出来る。
(実施例10)
図20に示すように、本実施例の半導体装置172は、実施例8の半導体装置102とほぼ同様の構成を備えている。本実施例の半導体装置172では、ダイオード領域108のnカソード領域120に、高濃度p型半導体領域であるpカソードショート領域174が、所定の間隔を隔てて複数形成されている点で、実施例8の半導体装置102と異なる。本実施例では、pカソードショート領域174の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度である。本実施例の半導体装置172によれば、順バイアスの印加時において、nカソード領域120からnドリフト領域114への電子の注入が抑制されているので、実施例8の半導体装置102に比べて、逆回復電流をさらに小さくし、逆回復時間をさらに短くすることができる。本実施例の半導体装置172によれば、さらにスイッチング損失を小さくすることが出来る。
(実施例11)
図21に示すように、本実施例の半導体装置182は、実施例9の半導体装置162とほぼ同様の構成を備えている。本実施例の半導体装置182では、ダイオード領域108のnカソード領域120に、pカソードショート領域174が、所定の間隔を隔てて複数形成されている点で、実施例9の半導体装置162と異なる。本実施例の半導体装置182によれば、順バイアスの印加時において、nカソード領域120からnドリフト領域114への電子の注入が抑制されているので、実施例9の半導体装置162に比べて、逆回復電流をさらに小さくし、逆回復時間をさらに短くすることができる。本実施例の半導体装置182によれば、さらにスイッチング損失を小さくすることが出来る。
(実施例12)
図22に示すように、本実施例の半導体装置202は、シリコンの半導体基板204を用いて形成されている。半導体基板204は、高濃度n型半導体領域であるnカソード領域206と、n型半導体領域であるnバッファ領域208と、低濃度n型半導体領域であるnドリフト領域210が順に積層されている。本実施例では、nカソード領域206の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度であり、nバッファ領域208の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度であり、nドリフト領域210の不純物濃度は1×1012〜1×1015[cm-3]程度である。
ドリフト領域210の上側表面には、n型半導体領域であるnバリア領域212が、所定の間隔を隔てて複数形成されている。nバリア領域212の上型表面には、p型半導体領域であるpアノード領域214が部分的に形成されている。pアノード領域214の上側表面には、n型半導体領域であるnピラー領域216が形成されている。nピラー領域216は、pアノード領域214を貫通して、nバリア領域212の上側表面まで達するように形成されている。また、pアノード領域214の上側表面には、高濃度p型半導体領域であるpコンタクト領域218と、高濃度n型半導体領域であるnエミッタ領域220がそれぞれ形成されている。本実施例では、nバリア領域212の不純物濃度は1×1015〜1×1018[cm-3]程度であり、pアノード領域214の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度であり、nピラー領域216の不純物濃度は1×1016〜1×1019[cm-3]程度であり、pコンタクト領域218の不純物濃度は1×1017〜1×1020[cm-3]程度であり、nエミッタ領域220の不純物濃度は1×1017〜1×1020[cm-3]程度である。また、nバリア領域212の厚さは0.5〜3.0[μm]程度である。
半導体基板204の上側表面において、nピラー領域216は、pアノード領域214およびpコンタクト領域218よりも上方に突出している。nピラー領域216の突出部分の周囲には、層間絶縁膜227が形成されている。
半導体基板204の下側表面には、金属製のカソード電極222が形成されている。カソード電極222は、nカソード領域206とオーミック接合によって接合している。半導体基板204の上側表面には、金属製のアノード電極224と、金属製のゲート電極226が形成されている。アノード電極224は、ショットキー接合界面228を介して、nピラー領域216とショットキー接合している。本実施例では、ショットキー接合のバリア高さは0.2〜1.0[eV]程度である。また、アノード電極224は、pアノード領域214、pコンタクト領域218およびnエミッタ領域220の一部とオーミック接合によって接合している。ゲート電極226は、絶縁膜230を介してnドリフト領域210、nバリア領域212、pアノード領域214およびnエミッタ領域220の一部と対向するように配置されている。ゲート電極226は、図示しないゲート電極端子に導通している。
本実施例の半導体装置202は、ドレイン電極に相当するカソード電極222と、ドレイン領域に相当するnカソード領域206と、nバッファ領域208と、nドリフト領域210と、ボディ領域に相当するpアノード領域214と、ソース領域に相当するnエミッタ領域220と、ソース電極に相当するアノード電極224と、nエミッタ領域220とnドリフト領域210の間のpアノード領域214に対して絶縁膜230を挟んで対向するゲート電極226を備える縦型のMOSFETの構造を有している。
本実施例の半導体装置202では、nドリフト領域210とpアノード領域214の間にnバリア領域212が形成されており、アノード電極224とショットキー接合界面228を介してショットキー接合するnピラー領域216を介してnバリア領域212がアノード電極224と導通している。このような構成とすることによって、アノード電極224とカソード電極222の間の寄生ダイオードについて、逆回復特性を改善して、スイッチング損失を低減することができる。また、アノード電極224とカソード電極222の間の逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
本実施例の半導体装置202では、nピラー領域216とアノード電極224の界面が、pアノード領域214とアノード電極224の界面や、pコンタクト領域218とアノード電極224の界面に比べて、アノード電極224側へ突出している。これにより、nピラー領域216とアノード電極224の間のショットキー接合界面228にかかる電界が軽減されている。本実施例の半導体装置202によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
なお、本実施例の半導体装置202は、図23に示すように、層間絶縁膜227をnピラー領域216に沿って下方に延伸させて、nピラー領域216とpコンタクト領域218の間に層間絶縁膜227が介在する構成とすることもできる。図23に示す形態によれば、層間絶縁膜227によってpコンタクト領域218からnピラー領域216への不純物の拡散を防止し、nピラー領域216におけるキャリア濃度を確保することができる。
(実施例13)
図24に示すように、本実施例の半導体装置232は、実施例12の半導体装置202とほぼ同様の構成を備えている。本実施例の半導体装置232も、実施例12の半導体装置202と同様に、縦型のMOSFETの構造を有している。本実施例の半導体装置232では、nドリフト領域210とnバリア領域212の間に、p型半導体領域であるp電界進展防止領域234が形成されている。p電界進展防止領域234の不純物濃度は1×1015〜1×1019[cm-3]程度である。また、p電界進展防止領域234厚さは0.5〜3.0[μm]程度である。
本実施例の半導体装置232によれば、実施例12の半導体装置202と同様に、アノード電極224とカソード電極222の間の寄生ダイオードについて、逆回復特性を改善して、スイッチング損失を低減することができる。
また、本実施例の半導体装置232では、nドリフト領域210とnバリア領域212の間にp電界進展防止領域234が形成されているので、実施例12の半導体装置202に比べて、アノード電極224とカソード電極222の間の逆バイアスに対する耐圧を向上し、逆バイアス時のリーク電流を低減することができる。
(実施例14)
図25に示すように、本実施例の半導体装置242は、実施例12の半導体装置202とほぼ同様の構成を備えている。本実施例の半導体装置242では、nカソード領域206において、高濃度p型半導体領域であるpコレクタ領域244が部分的に形成されている。本実施例では、pコレクタ領域244の不純物濃度は1×1017〜5×1020[cm-3]程度である。
半導体装置242は、プレーナ型のIGBTとフリーホイーリングダイオードが逆並列に接続された構造を有している。すなわち、コレクタ電極に相当するカソード電極222と、pコレクタ領域244と、nバッファ領域208と、nドリフト領域210と、pアノード領域214と、nエミッタ領域220と、エミッタ電極に相当するアノード電極224と、絶縁膜230と、ゲート電極226によって、プレーナ型のIGBTを構成しており、カソード電極222と、nカソード領域206と、nバッファ領域208と、nドリフト領域210と、pアノード領域214と、pコンタクト領域218と、アノード電極224によって、フリーホイーリングダイオードを構成している。本実施例の半導体装置242は、上記のようなIGBTとダイオードのそれぞれについて、nドリフト領域210とpアノード領域214の間に形成されたnバリア領域212と、nバリア領域212とアノード電極224を接続するように形成されており、アノード電極224とショットキー接合するnピラー領域216が付加された構成を有している。
本実施例の半導体装置242では、アノード電極224とカソード電極222の間に順バイアスが印加される際に、pアノード領域214およびpコンタクト領域218からnドリフト領域210への正孔の注入が抑制される。従って、逆回復特性を向上し、スイッチング損失を低減することができる。
本実施例の半導体装置242では、nピラー領域216とアノード電極224の界面が、pアノード領域214とアノード電極224の界面や、pコンタクト領域218とアノード電極224の界面に比べて、アノード電極224側へ突出している。これにより、nピラー領域216とアノード電極224の間のショットキー接合界面228にかかる電界が軽減されている。本実施例の半導体装置242によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
また、本実施例の半導体装置242では、アノード電極224とカソード電極222の間に逆バイアスが印加されると、ショットキー接合界面228から伸びる空乏層だけでなく、pアノード領域214とnバリア領域212の間のpn接合界面から伸びる空乏層によっても電界が分担される。従って、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
(実施例15)
図26に示すように、本実施例の半導体装置252は、実施例14の半導体装置242とほぼ同様の構成を備えている。本実施例の半導体装置252では、nドリフト領域210とnバリア領域212の間に、p型半導体領域であるp電界進展防止領域234が形成されている。p電界進展防止領域234の不純物濃度は1×1015〜1×1019[cm-3]程度である。また、p電界進展防止領域234厚さは0.5〜3.0[μm]程度である。半導体装置252は、プレーナ型のIGBTとフリーホイーリングダイオードが逆並列に接続された構造を有している。
本実施例の半導体装置252によれば、アノード電極224とカソード電極222の間に順バイアスが印加される際に、pアノード領域214およびpコンタクト領域218からnドリフト領域210への正孔の注入が抑制される。従って、逆回復特性を向上し、スイッチング損失を低減することができる。
本実施例の半導体装置252では、nピラー領域216とアノード電極224の界面が、pアノード領域214とアノード電極224の界面や、pコンタクト領域218とアノード電極224の界面に比べて、アノード電極224側へ突出している。これにより、nピラー領域216とアノード電極224の間のショットキー接合界面228にかかる電界が軽減されている。本実施例の半導体装置252によれば、逆バイアスに対する耐圧を向上することが出来る。また、逆バイアス印加時のリーク電流を低減することができる。
また、本実施例の半導体装置252では、アノード電極224とカソード電極222の間に逆バイアスが印加されると、ショットキー接合界面228から伸びる空乏層と、pアノード領域214とnバリア領域212の間のpn接合界面から伸びる空乏層だけでなく、p電界進展防止領域234とnドリフト領域210の間のpn接合から伸びる空乏層によっても電界が分担される。従って、逆バイアスに対する耐圧を向上することができる。
また、本実施例の半導体装置252では、p電界進展防止領域234とnドリフト領域210の間のpn接合によって、逆電流が制限される。従って、ショットキー接合界面228を通過するリーク電流が低減される。
さらに、本実施例の半導体装置252では、ゲート電極226に電圧を印加してIGBTを駆動する場合に、コレクタ電極に相当するカソード電極222からエミッタ電極に相当するアノード電極224へ流れる電流がp電界進展防止領域234によって抑制されるため、IGBTの飽和電流を低減することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記の実施例では、半導体材料としてシリコンを用いる場合について説明したが、本発明は、炭化シリコン、窒化ガリウム、ヒ化ガリウムなどの半導体材料を用いる場合についても、同様に適用することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 ダイオード;4 半導体基板;6 nカソード領域;8 nバッファ領域;10 nドリフト領域;12 nバリア領域;14 pアノード領域;16 nピラー領域;18 pコンタクト領域;20 カソード電極;22 アノード電極;23 層間絶縁膜;24 ショットキー接合界面;26 ダイオード;28 半導体基板;30 ショットキー接合界面;32 ダイオード;34 半導体基板;36 p電界進展防止領域;42 ダイオード;44 トレンチ;46 絶縁膜;48 トレンチ電極;52 ダイオード;62 ダイオード;64 pカソードショート領域;66 ダイオード;68 ダイオード;70 ダイオード;72 半導体装置;74 nエミッタ領域;82 半導体装置;102 半導体装置;104 半導体基板;106 IGBT領域;108 ダイオード領域;110 pコレクタ領域;112 nバッファ領域;114 nドリフト領域;116 nバリア領域;118 pボディ領域;120 nカソード領域;122 nバリア領域;124 pアノード領域;126 トレンチ;128 絶縁膜;130 ゲート電極;132 nエミッタ領域;134 nピラー領域;136 pコンタクト領域;138 絶縁膜;140 ゲート電極;142 nピラー領域;144 pコンタクト領域;146 コレクタ/カソード電極;148 エミッタ/アノード電極;149 層間絶縁膜;150 ショットキー接合界面;151 層間絶縁膜;152 ショットキー接合界面;162 半導体装置;164 半導体基板;166 p電界進展防止領域;168 電界進展防止領域;172 半導体装置;174 pカソードショート領域;182 半導体装置;202 半導体装置;204 半導体基板;206 nカソード領域;208 nバッファ領域;210 nドリフト領域;212 nバリア領域;214 pアノード領域;216 nピラー領域;218 pコンタクト領域;220 nエミッタ領域;222 カソード電極;224 アノード電極;226 ゲート電極;228 ショットキー接合界面;230 絶縁膜;232 半導体装置;234 p電界進展防止領域;242 半導体装置;244 pコレクタ領域;252 半導体装置

Claims (17)

  1. カソード電極と、第1導電型の半導体からなるカソード領域と、前記カソード領域よりも濃度が低い第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるアノード領域と、アノード電極を備えるダイオードであって、
    前記ドリフト領域が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記アノード電極に接続しており、
    前記ショットキー接合界面が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面よりも、前記アノード電極側へ突出しており、
    前記ドリフト領域と前記アノード領域の間に形成された、前記ドリフト領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなるバリア領域と、
    前記バリア領域と前記アノード電極を接続するように形成された、前記バリア領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなるピラー領域をさらに備えており、
    前記ピラー領域が、前記アノード電極側から前記アノード領域を貫通して前記バリア領域まで達するように形成されており、
    前記ピラー領域と前記アノード電極の間に、前記ショットキー接合界面が形成されていることを特徴とするダイオード。
  2. 前記アノード領域と前記アノード電極の間に、前記アノード領域よりも濃度が高い第2導電型の半導体からなるアノードコンタクト領域をさらに備えており、
    前記ピラー領域と前記アノードコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることを特徴とする請求項1のダイオード。
  3. 前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる電界進展防止領域をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2のダイオード。
  4. カソード電極と、第1導電型の半導体からなるカソード領域と、前記カソード領域よりも濃度が低い第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるアノード領域と、アノード電極を備えるダイオードであって、
    前記ドリフト領域が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記アノード電極に接続しており、
    前記ショットキー接合界面が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面よりも、前記アノード電極側へ突出しており、
    前記アノード領域と前記アノード電極の間に、前記アノード領域よりも濃度が高い第2導電型の半導体からなるアノードコンタクト領域をさらに備えており、
    前記ピラー領域と前記アノードコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることを特徴とするダイオード。
  5. カソード電極と、第1導電型の半導体からなるカソード領域と、前記カソード領域よりも濃度が低い第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるアノード領域と、アノード電極を備えるダイオードであって、
    前記ドリフト領域が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記アノード電極に接続しており、
    前記ショットキー接合界面が、前記アノード領域と前記アノード電極の間に介在する界面よりも、前記アノード電極側へ突出しており、
    前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる電界進展防止領域をさらに備えていることを特徴とするダイオード。
  6. 前記アノード領域から前記ドリフト領域まで達するトレンチが形成されており、
    前記トレンチの内部に絶縁膜で被覆されたトレンチ電極が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項のダイオード。
  7. 前記カソード領域に部分的に形成された、第2導電型の半導体からなるカソードショート領域をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項のダイオード。
  8. 請求項1から7の何れか一項のダイオードとIGBTが一体化された半導体装置であって、
    前記IGBTが、コレクタ電極と、第2導電型の半導体からなるコレクタ領域と、前記ドリフト領域から連続しており、第1導電型の半導体からなる第2ドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるエミッタ領域と、エミッタ電極と、前記エミッタ領域と前記第2ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えており、
    前記第2ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面とは別に形成された第2ショットキー接合界面を介して、前記エミッタ電極に接続しており、
    前記第2ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面よりも、前記エミッタ電極側へ突出しており、
    前記IGBTが、前記第2ドリフト領域と前記ボディ領域の間に形成された、前記第2ドリフト領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなる第2バリア領域と、
    前記第2バリア領域と前記エミッタ電極を接続するように形成された、前記第2バリア領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなる第2ピラー領域をさらに備えており、
    前記第2ピラー領域が、前記エミッタ電極側から前記ボディ領域を貫通して前記第2バリア領域まで達するように形成されており、
    前記第2ピラー領域と前記エミッタ電極の間に、前記第2ショットキー接合界面が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に、前記ボディ領域よりも濃度が高い第2半導体からなるボディコンタクト領域をさらに備えており、
    前記第2ピラー領域と前記ボディコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることを特徴とする請求項8の半導体装置。
  10. 前記第2バリア領域と前記第2ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる第2電界進展防止領域をさらに備えることを特徴とする請求項8または9の半導体装置。
  11. 請求項1から7の何れか一項のダイオードとIGBTが一体化された半導体装置であって、
    前記IGBTが、コレクタ電極と、第2導電型の半導体からなるコレクタ領域と、前記ドリフト領域から連続しており、第1導電型の半導体からなる第2ドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるエミッタ領域と、エミッタ電極と、前記エミッタ領域と前記第2ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えており、
    前記第2ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面とは別に形成された第2ショットキー接合界面を介して、前記エミッタ電極に接続しており、
    前記第2ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面よりも、前記エミッタ電極側へ突出しており、
    前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に、前記ボディ領域よりも濃度が高い第2半導体からなるボディコンタクト領域をさらに備えており、
    前記第2ピラー領域と前記ボディコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項1から7の何れか一項のダイオードとIGBTが一体化された半導体装置であって、
    前記IGBTが、コレクタ電極と、第2導電型の半導体からなるコレクタ領域と、前記ドリフト領域から連続しており、第1導電型の半導体からなる第2ドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるエミッタ領域と、エミッタ電極と、前記エミッタ領域と前記第2ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えており、
    前記第2ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面とは別に形成された第2ショットキー接合界面を介して、前記エミッタ電極に接続しており、
    前記第2ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記エミッタ電極の間に介在する界面よりも、前記エミッタ電極側へ突出しており、
    前記第2バリア領域と前記第2ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる第2電界進展防止領域をさらに備えることを特徴とする半導体装置。
  13. ドレイン電極と、第1導電型の半導体からなるドレイン領域と、前記ドレイン領域よりも濃度が低い第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるソース領域と、ソース電極と、前記ソース領域と前記ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えるMOSFETであって、
    前記ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記ソース電極に接続しており、
    前記ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面よりも、前記ソース電極側へ突出しており、
    前記ドリフト領域と前記ボディ領域の間に形成された、前記ドリフト領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなるバリア領域と、
    前記バリア領域と前記ソース電極を接続するように形成された、前記バリア領域よりも濃度が高い第1導電型の半導体からなるピラー領域をさらに備えており、
    前記ピラー領域が、前記ソース電極側から前記ボディ領域を貫通して前記バリア領域まで達するように形成されており、
    前記ピラー領域と前記ソース電極の間に、前記ショットキー接合界面が形成されていることを特徴とするMOSFET。
  14. 前記ボディ領域と前記ソース電極の間に、前記ボディ領域よりも濃度が高い第2導電型の半導体からなるボディコンタクト領域をさらに備えており、
    前記ピラー領域と前記ボディコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることを特徴とする請求項13のMOSFET。
  15. 前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる電界進展防止領域をさらに備えていることを特徴とする請求項13または14のMOSFET。
  16. ドレイン電極と、第1導電型の半導体からなるドレイン領域と、前記ドレイン領域よりも濃度が低い第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるソース領域と、ソース電極と、前記ソース領域と前記ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えるMOSFETであって、
    前記ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記ソース電極に接続しており、
    前記ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面よりも、前記ソース電極側へ突出しており、
    前記ボディ領域と前記ソース電極の間に、前記ボディ領域よりも濃度が高い第2導電型の半導体からなるボディコンタクト領域をさらに備えており、
    前記ピラー領域と前記ボディコンタクト領域の間に、絶縁領域が形成されていることを特徴とするMOSFET。
  17. ドレイン電極と、第1導電型の半導体からなるドレイン領域と、前記ドレイン領域よりも濃度が低い第1導電型の半導体からなるドリフト領域と、第2導電型の半導体からなるボディ領域と、第1導電型の半導体からなるソース領域と、ソース電極と、前記ソース領域と前記ドリフト領域の間の前記ボディ領域に対して絶縁膜を挟んで対向するゲート電極を備えるMOSFETであって、
    前記ドリフト領域が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面とは別に形成されたショットキー接合界面を介して、前記ソース電極に接続しており、
    前記ショットキー接合界面が、前記ボディ領域と前記ソース電極の間に介在する界面よりも、前記ソース電極側へ突出しており、
    前記バリア領域と前記ドリフト領域の間に形成された、第2導電型の半導体からなる電界進展防止領域をさらに備えていることを特徴とするMOSFET。
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