JP5752455B2 - 温排水エネルギー回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、製品の製造工程で排出される温排水中の未利用エネルギーを回収して、製造工程で再利用するとともに、温排水の熱量を施設外へ放出あるいは排水処理可能な温度まで低減するシステムに関するものである。
清涼飲料水や薬品等の製品製造工程では、残渣洗浄やプロセス殺菌のために高温水での洗浄が実施される工程が多い。この場合、高温水を作るための加熱手段として、ボイラー等が用いられており、多量のエネルギーが必要とされる(特許文献1)。また、製品製造工程において排出される洗浄や殺菌用の温水は、高温(例えば70℃)で排出される場合があり、施設外へ放出したり、放出可能な水質レベルに処理するためには、強制冷却や加水冷却を行って、低温(例えば25℃〜30℃)とすることが必要であった。すなわち、温排水に、低温水を加えることにより、全体温度を下げた後、放出または処理後に放出していた。
特開平7−91633号公報
しかしながら、加水冷却や強制冷却を行った場合、多量のエネルギーの消費や冷却水が必要となるだけでなく、例えば50t/日の排水が7倍の350t/日になるため、多額の冷却用水用費用とともに大きな環境負荷を発生させることになっている。また、多量のエネルギーを要するボイラーを用いると、関連設備や使用される燃料に多額の費用を要するとともに使用される燃料から発生される炭酸ガスや窒素酸化物などによる環境負荷の発生が問題となっている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、温排水の熱量(未利用エネルギー)を回収し、製造工程に必要な高温水として再利用することにより、ボイラー等の熱源の設備または稼動数を削減することが可能になるとともに、温排水の放出量を増加させることなく温排水の温度を低減し、環境負荷を低減できる温排水のエネルギー回収システムを提供する。
本発明の温排水のエネルギー回収システムは、高温水を使用する温熱消費設備から排出された温排水を所定冷却温度まで冷却して施設外または排水処理装置に放出する温排水のエネルギー回収システムであって、ヒートポンプシステムと熱交換器とからなり、前記ヒートポンプシステムの冷却器と前記熱交換器との間で伝熱媒体が循環する熱交換回路が形成されて、前記温排水を、加水冷却することなく冷却する冷却手段と、前記ヒートポンプシステムにて生成された高温水を貯留し、前記温熱消費設備に高温水を供給する保温水槽とを備え、前記ヒートポンプシステムと、熱交換器と、保温水槽と、温熱消費設備とが接続され、供給された水はヒートポンプシステムの加熱器に導入されて高温水が生成され、この高温水が保温水槽へ貯留され、保温水槽の高温水は温熱消費設備に供給され、温熱消費設備にて使用された高温水は温排水となって熱交換器に導入されて、導入された温排水は熱交換回路を循環する伝熱媒体と熱交換して冷却されて排出されるものである。
本発明の温排水のエネルギー回収システムによれば、冷却手段として、熱交換器、及び高効率に冷熱・温熱同時供給が可能な、いわゆる熱回収型のヒートポンプシステムを使用することにより、従来のような、強制冷却や加水冷却が不要となる。しかも、温排水は熱回収されて冷却されるとともに、さらに、温排水にて回収された熱により高温水を生成できる。
前記構成において、前記熱交換器をカスケードに接続することにより、排水温度を段階的に冷却する複数のヒートポンプシステムを組み合わせることができる。温排水が多量になる場合は、この温排水を、1台のヒートポンプシステムで放出可能な温度まで数十℃低下させるには大型の熱交換器やヒートポンプが必要になり、多額の費用を要するばかりか高温水の生成効率や温排水の冷却効率を著しく低下させることになる。そこで、複数のヒートポンプシステムをカスケードに接続することにより、温排水を段階的に冷却して、放出可能な温度まで温度を低下させることができる。また、1台当たりの温排水の冷却に必要なエネルギーの負担を軽減すると同時に給水を加熱するためのエネルギー消費が軽減され、高効率で温排水を生成できる。このように、複数のヒートポンプシステムにて加熱生成された高温水を夫々回収して保温水槽に貯留し、温熱消費設備により消費する。すなわち、このように構成されたヒートポンプシステムにより高温水を供給できるため、少ない消費電力で高温水を供給でき、しかも、従来のように、ボイラー等の一次熱源が不要または削減でき、一次熱源のエネルギーの使用量を削減を図ることができる。
前記構成において、冷水を使用する冷熱消費設備と、冷水を貯留する保冷水槽とをさらに備え、前記冷熱消費設備の要求に応じて冷水の供給を可能とすることができる。製品製造工程では、品質保持のための冷却工程や、原料、副原料、製品の冷蔵・冷却除湿等のため、冷水と高温水との両方をこのシステムで供給することを可能にする。
ヒートポンプシステムに使用される冷媒を、自然冷媒(例えばCO2)とすることにより、90℃の高温水を従来の冷媒より効率よく供給する。
前記構成において、少なくとも最上流側の熱交換器の上流側に、前記熱交換器への異物の流入を規制するフィルタを設けるのが望ましい。これにより、温排水中の塵や埃等の異物が熱交換器へ混入するのを防止することができる。
本発明の温排水エネルギー回収システムは、温排水を冷却する場合、従来のような、強制冷却が不要となるため、冷却に消費されるエネルギーを削減することができる。しかも、ヒートポンプシステムを利用して、製造工程から排出される温排水の未利用エネルギーを常温まで回収利用することにより、温排水温度を低減できるため、加水冷却が不要となり排水量が減少し、排水コストの低減を図ることができる。また、あわせて高温水を生成できるため、ボイラーで同等の高温水を発生させる場合と比較して、CO2の発生を低減することができ、環境負荷を低減することができる。しかも、ボイラーが不要または削減できるため、コスト低減も図ることができる。
さらに、複数のヒートポンプシステムをカスケードに接続することによって、段階的に温排水を冷却することができ、冷媒の蒸発温度を徐々に低下させることになるので、結果としてエネルギー回収システムの総合効率を向上することが可能となる。しかも、一部に機能しないヒートポンプシステムがあっても、他のヒートポンプシステムで必要な温度まで温排水を冷却し、必要な量の高温水を供給できる。これにより、ヒートポンプの故障や補修停止の場合でも、ほぼ確実に温排水を冷却し、必要な量の高温水を供給でき、システムの冗長性と信頼性が確保できる。
また、冷熱消費設備を備える場合は、保冷水槽を設置することにより、冷水と高温水との両方を使用する場合にも適用することができ、汎用性の優れたものとなり、システムの実効性を飛躍的に上げることができる。
ヒートポンプシステムに使用される冷媒を自然冷媒(例えばCO2)にすると、90℃の高温水を温熱消費設備に直接供給できるため、高温水の生成に必要であったボイラー等の一次熱源や蒸気との熱交換器が不要となり、これらの設備が不要(または削減)できるため、発生する環境負荷を大幅に低減することができる。また、さらなる高温水の要求に対して加熱熱源の使用量を低減できる。
熱交換器の上流側にフィルタを設けると、温排水中の塵や残留固形物等の異物が熱交換器へ混入するのを防止することができるため、熱交換器の性能低下や運転障害等が発生するのを防止できる等して、長期にわたって、安定して稼動させることができる。
本発明の第1実施形態の温排水エネルギー回収システムを示す概念図である。 本発明の温排水エネルギー回収システムに使用されるヒートポンプシステムの概念図である。 本発明の第2実施形態の温排水エネルギー回収システムを示す概念図である。 本発明の実施例の温排水エネルギー回収システムを示す概念図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の温排水エネルギー回収システムの概念図である。このシステムは、温熱消費設備1から放出された温排水を所定冷却温度(本実施形態では35℃)まで冷却して外部へ排出するものである。このシステムは、図1に示すように、冷却手段15と、保温水槽4とを備えている。冷却手段15は、単一のヒートポンプシステム2と、ヒートポンプシステム2に対応する熱交換器3とから構成されており、ヒートポンプシステム2と熱交換器3と保温水槽4と温熱消費設備1が配管で接続されている。
温熱消費設備1は、高温水を消費する設備であり、例えば、清涼飲料水や薬品等の製造工程において、残渣洗浄やプロセス殺菌のための洗浄、加温殺菌が実施される設備である。
本発明の温排水エネルギー回収システムは、単一のヒートポンプシステム2を備えており、このヒートポンプシステム2は、いわゆる排熱回収型のヒートポンプシステムである。すなわち、ヒートポンプシステム2は、図2に示すように、圧縮器6、加熱器7、膨張弁8、及び冷却器9とを備え、これらの各機器は、冷媒通路10を介して接続されており、冷媒通路10内には、冷媒が充填されている。そして、一対のヒートポンプシステム2と熱交換器3とで、後述する熱交換回路21が形成されている。本実施形態では、冷媒としてCO2を使用している。
図2において圧縮器6は、冷媒を断熱圧縮して高温・高圧のガス(超臨界状態)にするものであり、加熱器7(水熱交換部)は、圧縮器6から供給された高温・高圧のガス(超臨界状態)と、このヒートポンプシステム2へ導入された給水20との間で熱交換することにより給水を加熱させるものである。膨張弁8は、加熱器7で低温・高圧となったガス(超臨界状態)冷媒を膨張させて低温・低圧の液体とする弁である。冷却器9(冷熱交換部)は、膨張弁8を通過した低温・低圧の冷媒と後述する熱交換回路21の伝熱媒体との間で熱交換することにより冷媒を蒸発させるものである。
図2においてヒートポンプシステム2の加熱器7は、給水回路20の一部を構成する。すなわち、給水回路20は、図示省略の給水源から水道水が供給され、この水が配管23を介して加熱器7に導入され、水と冷媒との間で熱交換を行うことにより、水を加熱させて、例えば90℃の温水を生成する。この高温水は、配管を介して保温水槽(図1参照)に貯蔵される。
また、図2においてヒートポンプシステム2の冷却器9は、熱交換回路21の一部を構成する。すなわち、熱交換回路21は、熱交換器3と冷却器9とが配管にて接続されることにより形成されており、熱交換器3と冷却器9との間で冷媒(伝熱媒体)が循環する。これにより、冷却器9にて冷却された伝熱媒体(例えば7℃)が、熱交換器3に導入され、後述するように温排水との間で熱交換を行うことにより、伝熱媒体が例えば12℃に加熱される。伝熱媒体としては、例えば、水等の液体を使用することができる。
熱交換器3は、例えば凹凸に表面が加工された金属製の板を合わせて温冷媒体の通路を形成したプレート形熱交換器である。熱交換器3は、ヒートポンプシステム2の数と同一個備えており(すなわち、本実施例では1)、ヒートポンプシステム2と対になっている。
図2において熱交換器3は、配管22を介して温排水が流通するようになっており、温排水からの熱は、前記した熱交換回路21を循環する伝熱媒体と熱交換し、例えば70℃の温排水を65℃に冷却する。この熱は、ヒートポンプシステム2の熱源とすることができる。
熱交換器3の上流側に、熱交換器3への異物の流入を規制するフィルタを設けている。すなわち、熱交換器3の上流側には、図3に示すような除塵装置が設けられており、この除塵装置はフィルタ5を備えたものとなっている。除塵装置5に導入された温排水は、旋回流が発生し、温排水内の塵・残留固形物は、旋回流に合わせてケーシング外に流出する。除塵装置5としては、例えば特開2009−44985に記載された除塵装置と同様のものを使用する。これにより、温排水中の塵や残留固形物等の異物が熱交換器3へ混入するのを防止することができる。
図1において給水回路20を構成する配管23は、給水が、ヒートポンプシステム2の加熱器7(図2参照)を流通するように延びて、ヒートポンプシステム2から導出されている。この場合、配管23は、図1に示すように、保温水槽4に延びている。
図1において保温水槽4は、ヒートポンプシステム2にて昇温された高温水を貯蔵するものであり、例えばタンクにて構成されている。そして、このタンクは、その高温水の温度(例えば90℃)に保温できる機能を有している。保温水槽4は、配管を介して温熱消費設備1に接続されて、温熱消費設備1に高温水が必要となる所望の時期に、高温水を供給することができる。
次に、本発明の第1実施形態の温排水エネルギー回収システムを使用して、温熱消費設備1にて使用された温排水を冷却する方法について説明する。まず、ヒートポンプシステム2を作動させる。このとき、給水回路20に例えば20℃の水を給水し、90℃の高温水を生成(図2参照)し、この高温水は保温水槽4に貯蔵される。
一方、これと同時に、図3において温熱消費設備1にて使用された例えば70℃の温排水は、配管を介して熱交換器3を流通する。これにより、温排水は、熱交換器3にて、熱交換回路21を循環する伝熱媒体と熱交換して、例えば35℃となっている。これにより、温排水に冷却用の水量を増加させることなく、温排水を冷却し、放出または排水処理を行って放出することができる。
本発明の第1実施形態の温排水エネルギー回収システムは、ヒートポンプシステムを利用して、製造工程から排出される温排水の未利用エネルギーを常温まで回収利用することにより、排水処理における排水コストの低減を図ることができる。また、ボイラー蒸気等との熱交換により同等の高温水を発生させる場合と比較して、CO2の発生を低減することができるため、環境負荷を低減することができる。しかも、ボイラーが不要または削減できるため、コスト低減も図ることができる。
ヒートポンプシステムに使用される冷媒を自然冷媒(例えばCO2)にすると、例えば90℃の高温水を温熱消費設備に直接供給できるため、高温水の生成に必要であったボイラー等の一次熱源や蒸気との熱交換が不要となり、これらの設備で発生した環境負荷を大幅に低減することができる。また、さらなる高温水の要求に対して加熱熱源の使用量を低減できる。
熱交換器の上流側にフィルタを設けているので、温排水中の塵や残留固形物等の異物が熱交換器3へ混入するのを防止することができるため、熱交換器3の性能低下や運転障害等が発生するのを防止できる等して、長期にわたって、安定して稼動させることができる。
図3は、本発明の第2実施形態の温排水エネルギー回収システムの概念図である。このシステムは、温熱消費設備1から排出された温排水を所定冷却温度(本実施形態では35℃)まで冷却して外部へ放出するものである。このシステムは、図3に示すように、複数のヒートポンプシステム2(温排水の流路の上流側から2a、2b・・・2g)と、夫々にヒートポンプシステム2に対応する熱交換器3(温排水の流路の上流側から3a、3b・・・3g)と、保温水槽4とを備えており、これらが配管で接続されている。
本発明の温排水エネルギー回収システムは、ヒートポンプシステム2a、2b・・・2gを複数備えており(本実施例では7)、このヒートポンプシステム2a、2b・・・2gは、いわゆる排熱回収型のヒートポンプシステムである。すなわち、ヒートポンプシステム2は、図2に示すように、第1実施形態で使用したヒートポンプシステムと同様のものを使用している。
熱交換器3a、3b・・・3gは、例えば凹凸に表面が加工された金属製の板を合わせて温冷媒体の通路を形成したプレート形熱交換器である。熱交換器3a、3b・・・3gは、ヒートポンプシステム2の数と同一個備えており(すなわち、本実施例では7)、夫々のヒートポンプシステム2a、2b・・・と対になっている。
一対のヒートポンプシステム2及び熱交換器3は、図3に示すように、温排水の流路の上流側から下流側に向かってカスケードに接続されている。すなわち、最も上流側の第1熱交換器3aには、温熱消費設備1からの温排水が導入され、熱交換器3aを流通した温排水が第2熱交換器3bに導入されるようにして、第1熱交換器3aと第2熱交換器3bとの間で、配管を介して流路が形成されている。同様に、第2熱交換器3bを流通した温排水が第3熱交換器3cに導入されるようにして、第2熱交換器3bと第3cとの間で、配管を介して流路が形成されている。以下、同様にして第1熱交換器3aから第7熱交換機3gまで、配管を介して流路が形成されている。このようにして、温排水は、第1熱交換器3aから第7熱交換器3gまでを流通することにより徐々に冷却されて、第7熱交換器3gを流通した温排水は、例えば35℃に冷却された状態で放水される。
給水回路20a、20b・・・を構成する配管23a、23b・・・は、給水が、夫々のヒートポンプシステム2a、2b・・・の加熱器7a、7b・・・(図2参照)を流通するように延びて、ヒートポンプシステム2a、2bから導出されている。この場合、夫々の配管23a、23b・・・は、図3に示すように、保温水槽4に延びる1つの配管24に合流している。
製品製造工程において、高温水を使用するとともに、例えば品質保持のための冷却工程や、原料、副原料、製品の冷蔵・冷却除湿により冷水を使用する場合がある。すなわち、本システムでは、さらにヒートポンプシステム11と、保冷水槽12と、冷熱消費設備13と、冷凍機14とを備えている。
ヒートポンプシステム11は、図2のヒートポンプシステム2と同様の構成のものを用いている。このヒートポンプシステム11は、保冷水槽12と配管を介して連結されている温排水の冷却に寄与するヒートポンプシステム2を主ヒートポンプシステム、保冷水槽12に連結されるヒートポンプシステム11を副ヒートポンプシステムという。
副ヒートポンプシステム11の加熱器(図示省略)は、給水回路の一部を構成する。すなわち、給水回路は、給水源から、例えば20℃の水が供給され、この水が配管を介して加熱器に導入され、水と冷媒との間で熱交換を行うことにより、水を加熱させて、例えば90℃の高温水を生成する。この高温水は、配管を介して保温水槽4に貯蔵される。
次に、本発明の第2実施形態の温排水エネルギー回収システムを使用して、温熱消費設備1にて使用された温排水を冷却する方法について説明する。まず、第1ヒートポンプシステム2a〜第7ヒートポンプシステム2gを作動させる。このとき、給水回路20a〜20gに例えば20℃の水を給水し、90℃の高温水を生成し、この高温水は保温水槽4に貯蔵される。
一方、これと同時に、温熱消費設備1にて使用され、例えば70℃で排出された温排水は、配管を介して第1熱交換器3aを流通する。これにより、温排水は、第1熱交換器3aにて、熱交換回路21aを循環する伝熱媒体と熱交換して、例えば65℃に冷却される。そして、65℃に冷却された温排水は、第2熱交換器3bにて、熱交換回路21bを循環する伝熱媒体と熱交換して、例えば60℃に冷却される。このようにして、1つの熱交換器3を流通することにより、温排水は5℃ずつ冷却されることになる。そして、第7熱交換器3gを流通した後の温排水温度は35℃となっている。これにより、温排水に冷却用の水量を増加させることなく、温排水を冷却し、放出または排水処理を行って放出することができる。
図2のヒートポンプシステム2において、熱交換回路21を循環する伝熱媒体の温度が高ければ高いほど、冷却器9での冷媒の蒸発温度を高くできる。このとき例えば20℃の給水を加熱し90℃一定の温水を作る場合に圧縮機6で必要な動力を小さくできるため、高温水の生成効率が向上し温排水の冷却効率も向上する。本発明の温排水のエネルギー回収システムの第2実施形態において、複数のヒートポンプシステムをカスケード接続しているのは、図2の冷却器9での冷媒の蒸発温度を段階的に下げる事で高温水の生成効率や温排水の冷却効率を高効率とするためである。表1に5台のヒートポンプシステムをカスケード接続したもの(本発明のシステム)の性能を示す。また、比較のため、表2に大型のヒートポンプシステム1台の性能、表3に5台のヒートポンプシステムを並列接続したものの性能を示す。なお、いずれも給水回路に15℃の水を給水し、90℃の高温水を生成するとともに、冷却前の温排水の温度(温熱消費設備1から放出された温排水の温度)を37℃、外部へ排出する温排水の温度を12℃としている。
Figure 0005752455
Figure 0005752455
Figure 0005752455
表1より、5台のヒートポンプシステムをカスケード接続した場合のヒートポンプシステムの性能は、COPh(給湯)が3.8〜3.4で平均すると、3.6となる。COPc(冷熱)が3.1〜2.5で平均すると、2.8となる。給湯と冷熱とを総合したCOPtは、6.9〜5.9で平均すると、6.4となる。これに対して、表2より、大型のヒートポンプシステム1台の性能は、COPh(給湯)が3.2であり、COPc(冷熱)が2.3であり、COPtは、5.5となる。表3より、5台のヒートポンプシステムを並列接続したものの性能は、COPh(給湯)が3.2で、COPc(冷熱)が2.3でCOPtが5.5となる。このように、複数のヒートポンプシステムをカスケードに接続することによって、段階的に温排水を冷却することができ、冷媒の蒸発温度を徐々に低下させることになるので、結果としてエネルギー回収システムの総合効率を向上することが可能となる。
保冷水槽12の水(例えば15℃)は、副ヒートポンプシステム11により冷却される。すなわち、水は、副ヒートポンプシステム11の冷却器(図示省略)にて、例えば10℃に冷却される。
保冷水槽12は、副ヒートポンプシステム11にて冷却された冷却水を貯蔵するものである。そして、この保冷水槽12は、その冷水の温度(例えば10℃)に保温できる機能を有している。保冷水槽12は、配管を介して冷熱消費設備13に接続されて、さらに冷熱消費設備13は冷凍機14に接続されて、冷熱消費設備13に冷水が必要となる所望の時期に、副ヒートポンプシステム11から保冷水槽12を経て、冷水を供給することができる。これにより、冷凍機14の消費エネルギーを軽減することができる。
本発明の第2実施形態の温排水エネルギー回収システムは、複数のヒートポンプシステムをカスケード接続しているため、一部に機能しないヒートポンプシステムがあっても、他のヒートポンプシステムで必要な温度まで温排水を冷却し、必要な量の高温水を供給できる。これにより、ヒートポンプの故障や補修停止の場合でも、ほぼ確実に温排水を冷却し、必要な量の高温水を供給でき、システムの冗長性と信頼性が確保できる。また、冷熱消費設備を備えているので、保冷水槽を設置することにより、冷水と高温水との両方を使用する場合にも適用することができるため、汎用性に優れたものとなり、システムの実効性を飛躍的に上げることができる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、ヒートポンプシステム2の数、及び熱交換器3の数は、実施形態の数に限られず、任意に設定することができる。高温水の利用形態によっては、ヒートポンプの加熱器との間に熱交換器を介した間接加熱を行うようにしてもよい。装置を循環する液体としては、水に限られず、種々の液体とすることができる。また、温排水を排水する際の温度や、加温された後の給水温度、液体量、等は種々設定することができる。
以下、本発明の温排水エネルギー回収システムの実施例について説明する。本システムは、高温水と冷水との両方を供給するシステムである。この場合、高温水、冷水、温排水(冷却された温排水)の条件を表4に示す。
Figure 0005752455
ヒートポンプシステムの冷媒として、CO2を用いた場合のヒートポンプシステムの能力を表5に示す。なお、(a)は、7つのヒートポンプシステムで構成された主ヒートポンプシステムを示し、(b)は、1つのヒートポンプシステムで構成された副ヒートポンプシステムを示し、(c)は主ヒートポンプシステムと副ヒートポンプシステムとの合計であり、(d)は加熱のみを考慮した場合の合計を示す。
Figure 0005752455
本システムの給湯量及び排水温度を表6に示す。(a)は、7つのヒートポンプシステムで構成された主ヒートポンプシステムを示し、(b)は、1つのヒートポンプシステムで構成された副ヒートポンプシステムを示し、(c)は主ヒートポンプシステムと副ヒートポンプシステムとの合計であり、(d)は加熱のみを考慮した場合の合計を示す。
Figure 0005752455
次に、本実施例の温排水エネルギー回収システムと従来のようにボイラーを用いて高温水を供給するシステムとで、運用コストとCO2排出量とを比較した。なお、ボイラーの燃料としては、A重油、LPガス(LPG)、都市ガスを用いた場合を示す。例えばA重油の発熱量は、10.86kWh/L、燃料単価60.0円/L、CO2排出係数3.00kg・CO2/Lであり、LPGの発熱量は、14.11kWh/kg、燃料単価80.0円/kg、CO2排出係数2.71kg・CO2/kgであり、都市ガスの発熱量は、12.44kWh/Nm3、燃料単価75.0円/Nm3、CO2排出係数2.28kg・CO2/Nm3である。また、電気は、単価14.2円/kWh、CO2排出係数0.229kg・CO2/kWhである。なお、これらの各燃料単価は仮定条件とし、発熱量は、資源エネルギー庁の「エネルギー源別標準発熱量一覧表(2005年度標準発熱量)」によるものであり、CO2の排出係数(化石燃料)は、資源エネルギー庁の「エネルギー源別CO2排出量」によるものであり、CO2の排出係数(電気)は、関西電力の「平成21年度調整後CO2排出量」によるものである。
表6より主ヒートポンプシステムの1時間当たりの総加熱量は、728.0kWhであり、総消費電力量は189.4kWhである。副ヒートポンプシステムの総加熱量は、84.8kWhであり、総消費電力量は25.4kWhである。従って、主・副合わせてヒートポンプシステムの総加熱量は812.8kWhであり、総消費電力量は、214.9kWhとなる。
次に、1時間当たりのボイラー相当燃料消費量を計算した。この場合、前記したヒートポンプシステムの総加熱量(812.8kWh)を、ボイラーで負担した場合の燃料消費量を計算した(ただし、高温水(90℃)の製造効率を85%とした)。すなわち、各燃料消費量={全ヒートポンプシステム(8台分)の総加熱量}/(各燃料発熱量×高温水(90℃)の製造効率)として計算した。この場合、各燃料における燃料消費量は、A重油が88.0L/hour、LPGが67.8kg/hour、都市ガスが76.8Nm3/hourである。
以上に基づいて、1時間当たりの運用コストを計算した結果を表7、CO2の排出量を計算した結果を表8に示す。
Figure 0005752455
Figure 0005752455
これにより、本発明の温排水エネルギー回収システムを使用すると、運用コスト及びCO2の排出量を大幅に削減できることがわかった。
1 温熱消費設備
2 ヒートポンプシステム
3 熱交換器
4 保温水槽
5 フィルタ
7、9 熱交換部
12 保冷水槽
13 冷熱消費設備
15 冷却手段

Claims (5)

  1. 高温水を使用する温熱消費設備から排出された温排水を所定冷却温度まで冷却して施設外または排水処理装置に放出する温排水のエネルギー回収システムであって、
    ヒートポンプシステムと熱交換器とからなり、前記ヒートポンプシステムの冷却器と前記熱交換器との間で伝熱媒体が循環する熱交換回路が形成されて、前記温排水を、加水冷却することなく冷却する冷却手段と、
    前記ヒートポンプシステムにて生成された高温水を貯留し、前記温熱消費設備に高温水を供給する保温水槽とを備え、
    前記ヒートポンプシステムと、熱交換器と、保温水槽と、温熱消費設備とが接続され、供給された水はヒートポンプシステムの加熱器に導入されて高温水が生成され、この高温水が保温水槽へ貯留され、保温水槽の高温水は温熱消費設備に供給され、温熱消費設備にて使用された高温水は温排水となって熱交換器に導入されて、導入された温排水は熱交換回路を循環する伝熱媒体と熱交換して冷却されて排出されることを特徴とする温排水のエネルギー回収システム。
  2. 前記熱交換器をカスケードに接続することにより、排水温度を段階的に冷却する複数のヒートポンプシステムを組み合わせたことを特徴とする請求項1の温排水のエネルギー回収システム。
  3. 冷水を使用する冷熱消費設備と、冷水を貯留する保冷水槽とをさらに備え、前記冷熱消費設備の要求に応じて冷水の供給を可能にすることを特徴とする請求項1又は請求項2の温排水のエネルギー回収システム。
  4. ヒートポンプシステムに使用される冷媒を、CO2としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項の温排水のエネルギー回収システム。
  5. 少なくとも最上流側の熱交換器の上流側に、前記熱交換器への異物の流入を規制するフィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項の温排水のエネルギー回収システム。
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