JP5751140B2 - モータの集中配電部材 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、集中配電部材自体を組み付ける作業、並びに給電端子に電源側端子を接続する作業の簡略化を図るところにある。
バスバーをホルダに収容するに当たり、径方向の内方または外方から順次に挿入していくだけで良いから、すなわち集中配電部材の組み付け作業が簡単に行える。また、給電端子を相手の電源側端子に接続するに当たり、端子台に当てられた給電端子に電源側端子を重ねたのち両端子にボルトを貫通してナットにねじ込むだけでよいから、両端子の接続作業も簡単にできる。
バスバーの一側縁において給電端子が径方向の外方を向き、接続端子が内方を向いてそれぞれ突出形成された形式のものについて、集中配電部材の組み付け作業と、給電端子と電源側子の接続作業の両方を簡単に行うことができる。
(2)前記端子台は、前記ホルダの外面に沿うように立ち上がった垂直部と、同垂直部の下部位置から外方に突出した水平部とを有するL字形に形成され、前記垂直部の外面の上部位置には前記取付面が、前記水平部の上面には前記載置面がそれぞれ形成されるとともに、前記垂直部における前記水平部の上面と整合する位置には、前記補助給電端子の前記他端を挿通する挿通溝が形成されており、前記取付面と前記載置面とには、前記各ボルトに螺合されるナットを回り止めして装着する装着凹部が設けられている。
取付面側と載置面側のナットを共通としたから、部品の種類を抑えることができて、コスト低減に寄与し得る。
本発明の一実施形態を図1ないし図9に基づいて説明する。
本実施形態のモータは、ハイブリッド車に搭載される3相交流10極対のブラシレスモータであり、例えばエンジンとトランスミッションとの間の狭い空間に配置され、エンジンの水平なクランクシャフトに同軸に連結されたロータ(図示せず)と、ロータを同心状に包囲するリング状のステータ(図示せず)と、ステータを同心状に包囲するリング状の集中配電部材Sとを備えて構成される。ステータは、コアに巻き線を施すことによって構成された複数の磁極(図示せず)によって構成され、磁極は、ロータと同心の円周に沿って一定ピッチで配置されており、各磁極からは巻き線の両端部が導出されており、スター結線方式となっている。
3個のバスバー10にはそれぞれ、各巻き線の一端側と接続される接続端子20が10個ずつ備えられているとともに、LA端子等からなる相手の電源側端子(図示せず)と接続される給電端子30(本体部31と補助部34とから構成)が1個ずつ備えられている。中性点用バスバー15を構成する5個の分割バスバー16には、それぞれ各巻き線の他端側との接続端子20が6個ずつ備えられている。
なお以下では、3個のバスバー10A,10B,10Cについて共通の説明をする場合には、適宜にバスバー10として説明する。
バスバー本体11は詳細には、金属製の帯材が、所定長さごとに所定角度(168°)をなして板厚方向に曲げられることにより、上記のように正30角形の環形に形成されている。ただし、正30角形の30辺のうち終端側の2辺は切除され、また残った終端の1辺は、正規長さの1/4程度の短寸に留められている。
ここで、径の大きいバスバー10ほど、接続端子20における接続部21を備えた水平突出部22の長さが大きく形成されている。
また、補助部34の接続板37には、相手の電源側端子が重ねられてボルト締めにより結合されるようになっており、そのため接続板37の突出端寄りの位置にも、別のボルト挿通孔38が形成されている。
これにより、各仕切壁43の両側において、互いに径を異にする正30角形をなす4本の収容溝45が、同心に配されて形成されている。
なお、各一対の保持壁47の正面視で左側縁の下部には、図5に示すように、本体部31の左隣りに形成された接続端子20の立ち上がり部を挟んで保護する補助保持壁48が張り出し形成されている。
端子台60は合成樹脂製であって、図2に示すように、ホルダ40の外面に沿うようにして立ち上がった垂直部61と、この垂直部61の下部位置から外方に突出した水平部62とを有するL字形に形成されている。
一方、水平部62の上面は、補助部34における接続板37を載置する載置面65とされている。
また、垂直部61における取付面63の下端位置、言い換えると載置面65と整合する位置には、補助部34の接続板37を挿通可能な挿通溝66が形成されている。
上記したナット装着孔70は、ナット80の外形形状に倣った平面四角形をなして、上下に貫通した形態で形成されている。このナット装着孔70の底部には、正面視で左右の側縁から奥縁に亘って、ナット80における左右の側面から奥面に亘る下縁部を受ける受け部71が形成されている。左右の受け部71は、ナット80の切除部81に嵌るべく階段状に形成されている。
ナット80は、所定姿勢でナット装着孔70に上方から落とし込まれ、その下縁部が受け部71で受けられつつナット装着孔70内に回り止めされて装着され、そのときナット80の上面は、図9に示すように、載置面65とほぼ面一の位置に来るようになっている。
このナット装着孔73は、同じくナット80の外形形状に倣った平面四角形をなして、前後に貫通した形態で形成されている。ナット装着孔73の奥部には、その左右両側縁に、ナット80の左右の切除部81に嵌って突き当てる縦向きの当て部74が形成されている。
なおボルト85には、例えば六角孔付きフランジボルトが適用されている。
なお、端子台60における段差部75の下面から水平部62の下面に亘る左右の側縁には、底縁が手前側に向けて次第に高くなったテーパ状をなす補強板77が一体形成されている。
ただし、各収容位置46A〜46Cでは、バスバー10A〜10Cに設けられた給電端子30の本体部31の位置が、ホルダ40の径方向において3段階に異なっているから、それに対応して、嵌入板51の突出端の位置が、ホルダ40の径方向において3段階に異なるようになっている。
最大径のバスバー10Aでは、給電端子30の本体部31が一番外の収容溝45Aから突出していることから、対応する中央の装着面50Aでは、収容溝45の径方向の配設ピッチの2倍の厚さを有する張出部52Aが張り出し形成され、その張出部52Aの上縁から嵌入板51が突出形成されている。
ホルダ40が、例えば組立台上に設置される。まず、5個の分割バスバー16からなる中性点用バスバー15が、図1に示された環形の配設形態の下で、ホルダ40の4本の収容溝45のうち、最内側の収容溝45Dに対して挿入されて収容される。中性点用バスバー15に設けられた30個の接続端子20は、図4に示すように、水平突出部22がホルダ40の内壁42の上面を越え、接続部21がホルダ40の中心を向いて内壁42の内方に所定寸法突出する。
それには、端子台60の載置面65に設けられたナット装着孔70にナット80が回り止めされて装着されたのち、給電端子30の補助部34における接続板37が挿通溝66に挿通されて載置面65に沿って押し込まれ、取付板35が取付面63に当たったところで押し込みが停止される。このとき、図9に示すように、補助部34の接続板37の突出端側が装着されたナット80の上面を覆って位置し、ボルト挿通孔38とナット80のねじ孔82とが整合する。
他の収容位置46B,46Cにおいても、上記と同様の手順によって、本体部31と補助部34とをボルト85とナット80により締結することで給電端子30を形成し、併せて端子台60を装着面50B,50Cに取り付ける作業が行われる。
以上により、集中配電部材Sの組み付けが完了する。
集中配電部材Sを電源側と接続するには、各端子台60の載置面65に配された給電端子30の接続板37の上に、相手の電源側端子が重ねられ、図示しないボルトが、電源側端子の中心孔から接続板37のボルト挿通孔38に通されて、載置面65の裏側に回り止めされて装着されたナット80のねじ孔82に螺合され、工具により同ボルトをナット80にねじ込むことにより、給電端子30の接続板37と相手の電源側端子とが締結されて、電気的な接続が取られることになる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)中性点用バスバーの配設位置は、上記実施形態とは逆に同心配置の最外側等、任意の位置に配設してもよい。また、バスバーの形態ではなく、他の形態の導電部材を適用してもよい。
(2)また本発明は、中性点を備えないデルタ結線方式のものにも適用可能である。
(3)上記実施形態ではバスバーの数すなわち給電端子の数が3個の場合を例示したが、バスバー(給電端子)の数が2個、または4個以上の場合にも適用することができる。
10,10A,10B,10C…バスバー
11…バスバー本体
20…接続端子
30…給電端子
31…本体部(給電端子)
34…補助部(補助給電端子)
35…取付板(補助給電端子の一端)
37…接続板(補助給電端子の他端)
40…ホルダ
43…仕切壁
45,45A,45B,45C…収容溝
46,46A,46B,46C…収容位置
50,50A,50B,50C…装着面
51…嵌入板
60…端子台
61…垂直部
62…水平部
63…取付面
65…載置面
66…挿通溝
70…ナット装着孔(装着凹部)
73…ナット装着孔(装着凹部)
76…仮収容溝
80…ナット
85…ボルト
Claims (3)
- モータのステータの巻き線に電力を供給するための集中配電部材であって、
給電端子と、前記巻き線との接続端子とを一方の側縁に備えた環形をなす複数のバスバーが、合成樹脂製のホルダ内に互いに絶縁された形態で同心に配されて収容され、前記各バスバーの前記給電端子に電源側から引き出された電源側端子が個別に重ねられてボルト締めにより接続されるものにおいて、
前記接続端子は前記バスバーの径方向の内方を向いて揃って突出形成されているとともに、前記給電端子は前記バスバーの軸方向に沿って立ち上がり形成されており、
かつ、前記給電端子と前記電源側端子とを重ねて当接可能で前記ボルトと螺合されるナットが装着された端子台が、前記ホルダの所定位置に仮組み可能に設けられており、
L字形をなす補助給電端子が具備され、この補助給電端子の一端が前記給電端子の外面に当接することにより、当該補助給電端子の他端が前記バスバーの径方向の外方を向いて突出し、この補助給電端子の前記他端が前記端子台に設けられた載置面上において前記電源側端子とボルト締め可能となっており、
かつ、前記端子台には、前記給電端子と前記補助給電端子の前記一端とが重なってボルト締めされる取付面が設けられていることを特徴とするモータの集中配電部材。 - 前記端子台は、前記ホルダの外面に沿うように立ち上がった垂直部と、同垂直部の下部位置から外方に突出した水平部とを有するL字形に形成され、
前記垂直部の外面の上部位置には前記取付面が、前記水平部の上面には前記載置面がそれぞれ形成されるとともに、前記垂直部における前記水平部の上面と整合する位置には、前記補助給電端子の前記他端を挿通する挿通溝が形成されており、
前記取付面と前記載置面とには、前記各ボルトに螺合されるナットを回り止めして装着する装着凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のモータの集中配電部材。 - 前記取付面と前記載置面とに配される各ナットは、同一形状のものであることを特徴とする請求項2記載のモータの集中配電部材。
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