JP5749804B2 - 透かし生成器、透かしデコーダ、離散値のデータに基づき透かし付信号を付与するための方法および透かし付信号に依存して離散値のデータを付与する方法 - Google Patents

透かし生成器、透かしデコーダ、離散値のデータに基づき透かし付信号を付与するための方法および透かし付信号に依存して離散値のデータを付与する方法 Download PDF

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Description

本発明による実施例は、離散値のデータに基づき、透かし信号を付与するための透かし生成器に関連する。本発明の他の実施例は、透かし付き信号に依存して離散値のデータを付与するための透かしデコーダに関連する。本発明の他の実施例は、離散値のデータに基づき透かし信号を付与するための方法に関連する。本発明のさらに他の実施例は、透かし付信号に依存して離散値のデータを付与するための方法に関連する。さらに他の実施例は、対応するコンピュータプログラムに関連する。
[発明の背景]
様々な透かし付与システムについて、以下に簡単に説明する。
透かし付与システムは、通信システムとしてとらえることができる。ビットごとに送信する情報を、所望の信号である透かし信号「wm」で表すことにする。2つの信号(透かし信号wmおよびホスト信号a)を加えて、透かし付信号「awm」を得ることにより、ホスト信号「a」に信号wmを「埋め込む」。透かしに関しては、ホスト信号を付加的な歪みと見ることができる。すなわち、awmは、その理想値wmからは偏差があり、復号化処理を改変する(デコーダ側で、元のホスト信号aが知られていない場合)。信号awmはさらに、伝送チャネルが歪みを導入する点において、伝送チャネルからも影響を受ける。伝送チャネルの例には、AAC等のオーディオコーディックによる信号awmの圧縮、ラウドスピーカーによる信号awmのプレイバック、その空気中における伝搬およびマイクロホンによるピックアップがある。
透かしシステムの特徴は、歪み、すなわちホスト信号の一部が送信器部で知られている点である。埋め込みの間にこの情報を利用する場合には、この方法は、インフォームド埋め込み(informed embedding)または副次情報による透かし付与と呼ばれる(非特許文献1も参照)。原則的には、知覚モデルにより付与されるべき指数(power)レベルに応じて透かしwmに重みづけをすることが、すでにインフォームド埋め込みの1つの事例である。しかしながら、この情報は、透かしを単にスケーリングしてこれを知覚不能にするために使用される一方、ホスト信号は重み付の前には依然として透かしの生成のための不知の雑音源として考えられる。いくつかの事例では、チャネルが誘因となる歪みのみが復号化を改変するように、ホスト信号が誘因の歪みを補償するような態様で透かし信号を創ることが可能である。このような方法は、ホスト干渉拒否法(host-interference rejection)と呼ばれる(非特許文献2も参照)
EPの非公開の特許文献1(10154964.0−1224)では、BPSK(バイナリ位相シフトキーイング)のシグナリングと組み合わせて差動符号化が導入され、復号化装置の動き(信号がマイクでピックアップされる場合等)、送信側(Tx)および受信側(Rx)におけるローカル発振器間の潜在的な周波数不一致および残響環境における伝搬等の周波数選択的チャネルにより導入される潜在的な位相回転に関してロバストなシステムを得る。
このロバストネスは、2つの隣接する記号の間の位相差において情報を符号化し、それによりこのシステムが、変調コンステレーション(constellation)のゆっくりドリフトする位相回転によりほぼ影響を受けないようにされるという事実から生じる。
特許文献1に記載の方法は、透かし付信号wmをスケーリングすることによりホスト信号についての情報を利用して、これを知覚不可能にするが、ホスト信号aは依然として、通信システムの観点からは、付加的な不知の雑音源である。言い換えれば、透かし信号wm(知覚的に動機づけのあるスケーリング前の)は、ホスト信号aの知識に関係なく生成される。
ある種のインフォームド埋め込み法を使用する透かし付与システムがいくつか存在するが、ホスト干渉拒否方法のグループにはわずかしか属していない。これらの例として、低ビット変調(LBM)があり(非特許文献3および4を参照)かつ非特許文献2および特許文献2に紹介された量子化インデックス変調(QIM)がある。
QIMにおいては、まず時間周波数表現の複素係数等の信号表現の1以上のパラメータを選択することが必要である。選択したパラメータを、埋め込む情報にしたがって量子化する。実際は、各々の情報を保持する記号をある量子化部とリンクさせるかまたは、メッセージ全体を量子化部のシーケンスにリンクさせる。伝送する情報によって、信号を情報に関連する量子化部または量子化部のシーケンスで量子化する。たとえば、量子化するパラメータが、正の実数なら、0を埋め込むために使用する量子化部を、量子化ステップ0,2,4,6,…により規定する一方、1のための量子化部を1,3,5,…とすることができる。ホスト信号の現在の値が4.6の場合、埋め込み器は、ビット0の場合には4へ、1の場合には5へ値を変更することになる。受信部では、受信信号表現と可能な量子化表現すべてとの間の距離が計算される。最小距離にしたがって決定が行われる。言い換えれば、受信部は、利用可能な量子化部のうちどれが使用されたか識別しようと試みる。そうすることで、ホスト干渉拒否を実行することができる。
当然ながら、ある信号パラメータを量子化することで、ホスト信号に知覚可能な歪みが導入され得る。これを回避するために、量子化誤差を一部信号に加算して戻すがこれを歪み補償QIM(DC−QIM)(特許文献3も参照)と呼ぶ。これは、受信部では、付加的な歪み源である。DC−QIMがAWGN(加法性ホワイトガウスノイズ)チャネルについては最適であり、かつ通常のQIMはほぼ最適であるとされるが(非特許文献2も参照)、これらの方法にはいくつか欠点がある。これらは、高いビットレートを可能にするが、振幅スケーリング攻撃に特に敏感である(非特許文献5も参照)。
もう一つの方法(QIM由来の)は、Angle QIM(AQIM)と命名され、非特許文献5の記事において、提案されている。この場合、情報は、量子化された角度座標を介して埋め込まれる。そうすることで、振幅スケーリングに対するロバストネスを実現することができる。この方法は、差動変調を行わないので、位相ドリフトに対してはロバストではない。
情報がオーディオ信号の位相に埋め込まれる、透かし付与システムが他にも存在する。非特許文献6および7の記事に提示される方法は、ノンブラインドな方法であり、応用の数は限られる。非特許文献8の記事において、ブラインド位相変調オーディオ透かし付与技術が提案され、これは、適応拡散位相変調(ASPM)と呼ばれる。また、これらの位相変調方法は、ホスト干渉拒否特性を備えておらず、かつ差動符号化についても考慮していない。
他にも拡散スペクトルまたはエコーハイディング法を含む多くの透かし付与方法が存在する。しかしながら、特許文献1(EP10154964.0−1224)においてすでに述べられるとおり、これらの方法は、残響環境における音響経路にわたって透かしを送信する等、関心の対象であるいくつかのタスクには適用可能ではない。
EP10154964.0−1224 Brian Chen and Gregory Wornell, “System, method, and product for information embedding using an ensemble of non-intersecting embedding generators,” 1999, WO99/60514A Antonius Kalker, “Quantization index modulation (QIM) digital watermarking of multimedia signals,” 2001, WO03/053064
Ingemar J. Cox, Ed., Digital watermarking and steganography, The Morgan Kaufmann series in multimedia information and systems. Morgan Kaufmann, Burlington, 2. ed. edition, 2008 Chen and Wornell, "Quantization index modulation: A class of provably good methods for digital watermarking and information embedding," IEEE TRANSACTION ON INFORMATION THEORY, May 2001, vol. VOL. 47 Mitchell D. Swanson; Bin Zhu; Ahmed H. Tewfik, "Data hiding for video-in-video," IEEE International Conference on Image Processing, 1997, vol. 2, pp. 676 - 679 Brian Chen and Gregory W. Wornell, "Quantization index modulation methods for digital watermarking and information embedding of multimedia," Journal of VLSI Signal Processing, vol. 27, pp. 7 - 33, 2001 Fabricio Ourique; Vinicius Licks; Ramiro Jordan; Fernando Perez-Gonzalez, "Angle qim: A novel watermark embedding scheme robust against amplitude scaling distortions," IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing (ICASSP), March 2005 W. Bender, D. Gruhl, N. Morimoto, and Aiguo Lu, "Techniques for data hiding," IBM Syst. J., vol. 35, no. 3-4, pp. 313-336, 1996 S. Kuo, J.D. Johnston,W. Turin, and S.R. Quackenbush, "Covert audio watermarking using perceptually tuned signal independent multiband phase modulation," IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing, (ICASSP), 2002, vol. 2, pp. 1753 -1756 Michael Arnold, Peter G. Baum, and Walter Voesing, "A phase modulation audio watermarking technique," pp. 102-116, 2009
本発明の目的は、ホスト信号に埋め込まれ、通信チャネル上をホスト信号で送信される透かし信号のロバストネス向上を図る透かし付与の概念を創出することである。
この目的は、請求項1に記載の透かし生成器、請求項11に記載の透かしデコーダ、請求項14に記載の離散値のデータに基づき透かし信号を付与するための方法、請求項15に記載の透かし付信号に依存して離散値のデータを付与するための方法、および請求項16に記載のコンピュータプログラムにより達成される。
本発明による実施例は、離散値のデータに基づく後続の透かし係数のシーケンスとして、透かし信号を付与するための透かし生成器を創出する。この透かし生成器は、離散値のデータの情報単位に依存して、後続のストリーム値のストリームを付与するよう構成され、それにより、ストリームが離散値のデータを表すようになっている情報プロセッサを随意に含む。透かし生成器は、透かし信号を付与するよう構成される差動エンコーダをさらに含む。差動エンコーダは、さらに、離散値のデータを表すストリーム値の現在のストリーム値または現在の透かし記号に対して位相回転を適用して透かし信号の現在の透かし係数を得るように構成され、この現在の透かし記号は、離散値のデータを表すストリーム値の現在のストリーム値に対応する。差動エンコーダは、さらに、ホスト信号と透かし信号との組み合わせである透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相を導出するよう構成される。差動エンコーダは、さらに、現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転の位相角が透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に依存するように、透かし信号を付与するよう構成される。
本発明の思想は、現在の透かし係数の位相が、ホスト信号に埋め込まれることになる透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に基づくように、透かし係数の差動符号化を行う場合、特にドップラー効果等による劣化に関して、透かし信号をよりロバストにできるというものである。本発明の実施例は、ホスト干渉拒否を差動符号化と組み合させる。透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に基づいて現在の透かし係数の位相を導出するという考えは、ホスト信号により引き起こされる歪みを抑制しかつそれにより透かし付信号から透かし信号を抽出するよう構成されるデコーダ等での復号化処理を改善する。
本発明の好ましい実施例においては、情報プロセッサが、時間周波数領域における離散値のデータを表すストリームを付与して、ストリームの各ストリーム値を、中心周波数の周波数サブチャネルと時間スロットに関連させるように構成され得る。差動エンコーダは、時間周波数領域で現在の透かし係数を得るように構成することができ、それにより現在の透かし係数に関連する周波数サブチャネルが、現在のストリーム値に関連する周波数サブチャネルに等しくかつ現在の透かし係数に関連する時間スロットが、現在のストリーム値に関連する時間スロットと同じになるようになっている。言い換えれば、現在のストリーム値および現在のストリーム値に対応する現在の透かし係数は、同じ周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連することが可能である。
情報処理装置は、たとえば、離散値のデータの情報単位の時間拡散および周波数拡散を行うことができ、それにより離散値のデータの各情報単位が、離散値のデータを表すストリームの少なくとも2つの異なるストリーム値により表されるようになっており、同じ情報単位を表す異なるストリーム値は、それらの関連する周波数サブチャネルおよび/または時間スロットにおいて異なる。
さらに、差動エンコーダは、透かし付信号の各スペクトル係数が周波数サブチャネルと時間スロットとに対応するように時間周波数領域において透かし付信号のスペクトル係数を導出するよう構成され得る。差動エンコーダは、さらに、透かし付信号の前回のスペクトル係数に関連する時間スロット(それに基づいて現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転の位相角が選択される)と、現在のストリーム値に関連する時間スロットとが時間において隣接するように、位相回転を決定するよう構成され得る。透かし付信号は、たとえば、後続スペクトル係数のシーケンスであることが可能でかつ透かし付信号の現在のスペクトル係数は、透かし付信号の前回のスペクトル係数に対し、時間において隣接(またはこれに追随)し得る。透かし付信号の各スペクトル係数は、透かし付信号のスペクトル係数のように同じ周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連するホスト信号のスペクトル係数と、透かし付信号のスペクトル係数のように同じ周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連する透かし係数との組み合わせでよい。したがって、透かし付信号の現在のスペクトル係数は、ホスト信号の現在の係数と現在の透かし係数とに基づくことが可能で、現在の透かし係数の位相は、透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に基づく(またはいくつかの場合においてはこれと同一である)。透かし付信号の前回のスペクトル係数に関連する周波数サブチャネルは、透かし付信号の現在のスペクトル係数の周波数サブチャネルと同一になり得るので、ホスト信号の現在の係数、現在のストリーム値および現在の透かし係数の周波数サブチャネルとも同一になり得る。
本発明の実施例について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例による透かし生成器の模式ブロック図である。 本発明の実施例において使用する差動エンコーダの模式ブロック図である。 図3aは、図2の差動エンコーダにおいて適用される位相回転およびスケーリングのための例を表す図である。 図3bは、図2の差動エンコーダにおいて適用される位相回転およびスケーリングのための例を表す図である。 図3cは、図2の差動エンコーダにおいて適用される位相回転およびスケーリングのための例を表す図である。 図4は、本発明の実施例において使用する差動エンコーダの模式ブロック図である。 透かし記号にストリーム値をマッピングする例を示す図である。 図6aは、同じストリーム値に関連する透かし記号の最大数に依存して様々なストリーム値の可能な出力を示す図である。 図6bは、図4の差動エンコーダを用いるM点コンステレーションにおいて透かし係数が生成される様子の例を示す図である。 図7は、本発明の他の実施例による透かし生成器の模式ブロック図である。 図8aは、図7に対する比較例であって、EP10154964に記載の透かし生成器の模式ブロック図である。 図8bは、図8aの透かし生成器の埋め込み原則についての例を示す図である。 図9は、本発明の実施例による透かし生成器を有する透かし付オーディオ信号付与部の模式ブロック図である。 本発明の実施例による方法のフロー図である。 本発明の実施例による透かしデコーダの模式ブロック図である。 図11の透かしデコーダにより実行されるように離散値のデータの離散値に対して異なる位相角度範囲をマッピングする例を示す図である。
本発明の実施例について添付の図面を参照して、より詳細に説明するが、同じまたは機能的に等価な要素については、同じ参照番号を付与し、これら要素の繰り返しの説明についてはこれを省略する。したがって、同じ参照番号を付与された要素の説明については、相互に交換可能とする。
「図1による透かし生成器」
以下に、透かし生成器100の模式ブロック図である図1を参照して、透かし生成器について説明する。透かし生成器100は、「wm」としても示す透かし信号102を後続の透かし係数のシーケンスとして付与するよう構成される。透かし生成器は、任意の情報処理装置106および差動エンコーダ108を含む。情報処理装置106は、離散値のデータ104(バイナリデータ等)の情報単位(ビット等)に依存して、後続ストリーム値の第1のストリーム110を付与し、これによりストリーム110が離散値のデータ104を表すようになっている。差動エンコーダ108は、透かし信号102を付与しかつ離散値のデータ104を表すストリーム値の現在のストリーム値(ストリーム値b(i,j)等)または離散値のデータ104を表すストリーム値の現在のストリーム値(ストリーム値b(i,j)等)に対応する現在の透かし記号(透かし記号x(i,j))へ位相回転112を適用して、透かし信号102の現在の透かし係数(透かし係数wm(i,j)等)を得る。
したがって、差動エンコーダ108は、任意のストリーム値の透かし記号に対するマッピング114を行い得る。
差動エンコーダ108は、さらにスペクトル係数(スペクトル係数awm(i,j−1)等)の位相116を生成するよう構成される。透かし付信号は、ホスト信号118と透かし信号102との組み合わせである。透かし付信号は、「awm」とも表示され、ホスト信号は、「a」とも表示され得る。
差動エンコーダ108は、現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転112の位相角が、透かし付信号の前のスペクトル係数の位相116に依存するよう透かし信号102を付与するよう構成される。発明の好ましい実施例では、現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転112の位相角は、透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相角に等しい。
透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相116を導出するために、差動エンコーダ108は、透かし付信号の前回のスペクトル係数に対して位相導出120を行い得る。前回のスペクトル係数は、たとえば透かし生成器100の外部の段から付与されるかまたは差動エンコーダ108は、透かし係数とホスト信号118のスペクトル係数を組み合わせることにより透かし付信号のスペクトル係数を決定するよう構成されても良い。たとえば、差動エンコーダ108は、前回の透かし係数(透かし係数wm(i,j−1)等)と前回のスペクトル係数(ホスト信号118のスペクトル係数a(i,j−1)等)の組み合わせに基づき透かし付信号の前回のスペクトル係数を導出するよう構成されてもよい。言い換えれば、差動エンコーダは、透かし係数のみならず透かし付信号のスペクトル係数も導出し得る。
情報処理装置106は、時間周波数領域における離散値のデータ104を表す第1のストリーム110を付与するよう構成して、それにより、ストリーム110の各ストリーム値が周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連するようにしてもよい。
上記のインデックス「i」は、周波数サブチャネルを示しかつインデックス「j」は、「記号番号」または言い換えれば対応の係数または記号の時間スロットを示し得る。言い換えれば、「i」は、周波数サブチャネル(中心周波数f)を表し、かつ「j」は、それに対応する値の時間的指標または時間スロットを表す。
したがって、ストリーム110の各ストリーム値は、周波数サブチャネルiおよび時間スロットjに関連する。さらに、差動エンコーダ108を、時間周波数領域における現在の透かし係数wm(i,j)を得るよう構成して、それにより現在の透かし係数wm(i,j)に関連する周波数サブチャネルiが、現在のストリーム値b(i,j)に関連する周波数サブチャネルiと同じで、かつ現在の透かし係数wm(i,j)に関連する時間スロットjが現在のストリーム値b(i,j)に関連する時間スロットjと同じになる。
言い換えれば、周波数サブチャネルと、透かし信号wmの透かし係数の時間スロットまたは記号番号は、ストリーム110のストリーム値のうちのあるストリーム値に関連し、対応するストリーム値の周波数サブチャネルおよび時間スロットまたは記号番号と同じになり得る。
さらに、差動エンコーダ108も時間周波数領域において透かし付信号のスペクトル係数を導出するよう構成され、それにより透かし付信号の各スペクトル係数が周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連するようになっている。したがって差動エンコーダ108は、透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)に関連する時間スロットj−1(これに依存して現在のストリーム値b(i,j)または現在の透かし記号x(i,j)に適用される位相回転112の位相角が選択される)と、現在のストリーム値b(i,j)に対応するスロットjとが時間において隣接するように、位相回転112を決定するよう構成され得る。言い換えれば、現在の透かし係数wm(i,j)とホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)の組み合わせである現在のスペクトル係数awm(i,j)は、透かし付信号を後続のスペクトル係数awm(i,j)(i,jIN)のシーケンスとして見る場合に、時間において前回のスペクトル係数awm(i,j−1)を直接追随しても良い。さらに、差動エンコーダ108は、現在のストリーム値b(i,j)、現在の透かし係数wm(i,j)およびスペクトル係数awm(i,j)の周波数サブチャネルiが同じになるように、構成され得る。つまり、差動エンコーダ108が、離散値のデータ104の情報単位がマッピングされる周波数サブチャネルごとに透かし信号の導出を行い得る。これは、残響環境においては、送信信号に対する異なる位相回転が異なる周波数サブチャネルに対して適用され得るため有利である。したがって、現在の透かし係数wm(i,j)の位相は、現在の透かし係数wm(i,j)と同様同じ周波数サブチャネルiに関連する透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)のみに基づき得る。
「2点コンステレーションを用いる図2による差動エンコーダ」
本発明の実施例による透かし生成器において使用する差動エンコーダ208について以下に図2および図3a〜3cを参照しながら説明する。以下の記載では、ホスト信号118は、オーディオ信号であり、透かし信号を埋め込む予定のホストオーディオ信号としても表示され得る。しかしながら、本発明の実施例は、ビデオ信号等におけるオーディオ信号以外の信号にも透かし信号を埋め込むために利用することができる。差動エンコーダ208の機能性は、差動エンコーダ108の機能性と等価でかつ差動エンコーダ208は、図2に示すさらなる機能性を備え得る。
差動エンコーダ208は、時間領域においてホストオーディオ信号a(t)としてホスト信号118を受信するよう構成される。したがって、差動エンコーダ208は、図2に示すように、時間周波数領域におけるホスト信号118のスペクトル係数(現在のスペクトル係数a(i,j)等)を得るよう構成される分析フィルタバンク202を含み得る。この分析フィルタバンク202は、対応する透かしデコーダにおいて使用することもできる。言い換えれば、エンコーダにおけるオーディオ係数(ホスト信号118のスペクトル係数)をデコーダにおいて使用する同じ分析フィルタバンク202を適用して得ることもできる。ホスト信号118のスペクトル係数を得ることは、差動エンコーダ208が行う位相導出120の一部と言える。透かし付信号の現在のスペクトル係数awm(i,j)を得るために、差動エンコーダ208は、位相導出120の際に、現在の透かし係数wm(i,j)とホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)との組み合わせ204を、たとえば以下の式にしたがって実行し得る。
awm(i,j)=a(i,j)+wm(i,j) (1)

こうして得られた、透かし付信号の現在のスペクトル係数awm(i,j)を、差動エンコーダ208(差動エンコーダ208の遅延素子206により表す)に記憶してもよい。透かし付信号の記憶された現在のスペクトル係数awm(i,j)を使用して、後続の透かし係数wm(i,j+1)を決定し得る。
周波数サブチャネルiについて現在の透かし係数wm(i,j)を見つけるために、透かし付信号の前回の透かし付オーディオ係数としても示される、前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相116を、たとえば以下の式を使用して、位相導出処理120の位相計算処理210において計算する。
Figure 0005749804
なお、本出願において、「j」は、虚数単位(−1の平方根)を表し、時間スロットのインデックスjとは別のものである。
位相回転112において、差動エンコーダ208は、前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相116(複素値ejφ(i, j−1)によって表す)または位相角φ(i,j−1)を使用し、この回転は、ストリーム110の現在のストリーム値b(i,j)に適用される。位相変更が送信されない場合、たとえば、現在のストリーム値b(i,j)が1である場合に、現在の透かし係数wm(i,j)の位相は、透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相116と同じであり、すなわち言い換えれば、現在の透かし係数wm(i,j)は、透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)と同じ方向を指す。π(180°)の位相変更が送信される場合(現在のストリーム値b(i,j)が−1の場合等)、現在の透かし係数wm(i,j)は、透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)と比較されるとき、逆の方向を指し得る。ストリーム値は、たとえばバイナリデータかもしれないし、たとえば以下のように表すことができる。

b(i,j)={−1,1} (3)
ストリーム110の初め、すなわちj=0または位相116(ejφ(i, j))が定義されていない場合には、位相116またはejφ(i, j)は、1に設定されてよい。
差動エンコーダ208は、現在のスケーリングファクタγ(i,j) (i,jIN,γIR)または現在のスケーリングファクタγ(i,j)より小さい現在のファクタにより現在のストリーム値b(i,j)のスケーリングをさらに行い得る。スケーリング210は、位相回転112を適用する(図2に示すように)前かまたは後に現在のストリーム値b(i,j)に適用され得る。現在のスケーリングファクタγ(i,j)をホスト信号118に依存して音響心理学的処理モジュール(図2に不図示)により付与し、そこへ透かし信号102を埋め込む。スケーリングファクタγ(i,j)は、ホスト信号118のマスキング特性を記述する。現在のスケーリングファクタγ(i,j)は、現在の透かし係数wm(i,j)が透かし付信号において不可聴のままになるように、現在の透かし記号wm(i,j)の最大振幅を決定し得る。
本発明の好ましい実施例においては、音響心理学的モデルが許容する現在の透かし係数wm(i,j)の最大振幅を常に使用する。
したがって、差動エンコーダ208は、現在の透かし係数wm(i,j)を、以下のように決定する。

wm(i,j)=b(i,j)・γ(i,j)・ejφ(i,j-1) (4)
式(4)を使用して、符号化戦略が最適となり、これは、差動復号化後、デコーダでのSN比が最大化され得ることを意味する。式(4)から、差動符号化が暗示的に行われ、それによりEP10154964において計算の必要があるbdiff(i,j)=b(i,j)・bdiff(i,j−1)を、本発明の実施例においては計算する必要がないことがわかる。
さらに、本発明の実施例において、差動符号化の間に位相回転112を導入して、暗示的差動符号化でホスト干渉拒否をアーカイブするが、これは、特に、EP10154964に記載の埋め込み方法に比べてかなり有利である。
図3a〜3cにおいて、埋め込みプロセスの例が示される。
図3aは、前回の時間スロットのホスト信号+透かし、すなわち複素平面におけるベクトル310としての透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)を示す図である。さらに、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)が、複素平面における他のベクトル312として示される。現在のオーディオ信号a(i,j)またはホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)は、現在のストリーム値b(i,j)に位相回転112を適用できる円の中心を表す。さらに、現在のストリーム値b(i,j)をスケーリングした後の円の半径は、ホスト信号118の何らかのマスキング領域の境界を決定し得る。
言い換えれば、円の半径は、現在のスケーリングファクタγ(i,j)に基づいてスケーリングされ得る。図3aからわかるとおり、現在のストリーム値b(i,j)は、その値に依存して、0の位相またはπの位相を含み得る。式3に示すように、現在のストリーム値b(i,j)は、−1または+1の値を取り、このルールは、離散値のデータ104がバイナリデータである場合に適用可能で、ストリーム110はしたがってバイナリストリーム値のみを含み得る。ベクトルb(a)(i,j)は、現在のストリーム値b(i,j)の第1の値(−1等)に対応し、かつベクトルb(b)(i,j)は、現在のストリーム値b(i,j)の相補値(+1等)に対応し得る。
図3bは、現在のストリーム値b(i,j)に対して位相回転112が適用された後の図3aからの円を示す図である。図3bからわかるとおり、図3aからの円が回転する位相角φ(i,j−1)が透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相角φ(i,j−1)と等しい。言い替えれば、現在のストリーム値b(i,j)は、透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相116分位相シフトされている。
Figure 0005749804
要約すれば、現在のスペクトル係数awm(i,j)が円の上または範囲内に存在するように、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)と現在のストリーム値b(i,j)を回転させた(かつ最適にスケーリングした)ものとの和により、透かし付信号の現在のスペクトル係数awm(i,j)を得ることができる。この円の中心は、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)により規定され、その半径は、現在のストリーム値b(i,j)の大きさおよび現在のスケーリングファクタγ(i,j)の値の範囲により決定される。
本発明の実施例によるこの埋め込み方法は、ホスト信号118により引き起こされる歪みを抑制しかつデコーダでの復号化プロセスを改善する。
図3cからわかるように、透かし付信号の現在のスペクトル係数awm(i,j)を現在のストリーム値b(i,j)に依存して以下のように計算することができる。

awm(a)(i,j)=a(i,j)+wm(a)(i,j) (5)

または現在のストリーム値b(i,j)の値に依存して以下のように計算することができる。

awm(b)(i,j)=a(i,j)+wm(b)(i,j) (6)
透かし付信号の現在のスケーリングファクタγ(i,j)および前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相116(ejφ(i, j?1))は、すでにwm(a)(i,j)およびwm(b)(i,j)に含まれている(式4を参照)。
半径γ(i,j)の円は、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)を中心とするベクトルとしてあらわされる現在の透かし係数wm(i,j)を規定することができる複素平面の領域を境界決めする。現在のスケーリングファクタγ(i,j)は、音量心理学的モデルにより得られかつ確実に透かしを非可聴とする。最大のSIR、すなわち最大の信号対干渉(すなわちホスト信号118)比を実現するためには、その範囲内ではなく、円の上に現在の透かし係数wm(i,j)を配置することが最適となる。言い替えれば、透かし信号102の透かし係数の最大許容べき指数を使用することが最適である。また、言い換えれば、現在のスケーリングファクタγ(i,j)より小さい他の(許容される)スケーリグファクタではなく、スケーリング210のための音響心理学的モデルにより付与される現在のスケーリングファクタγ(i,j)を使用することが最適である。
図3a〜3cに示すこのようなマスキング円では、b(i,j)I{−1,1}で、wm(i,j)=b(i,j)・γ(i,j)が許容されるのみならず、θI[0,2π)で、wm(i,j)=γ(i,j)・ejθ・b(i,j)も使用できることがわかった。本発明の実施例は、透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に基づいてストリーム110の現在のストリーム値に位相回転112を適用することにより、この知見を利用する。他のマスキング領域も可能である。たとえば、調査によって、オーディオ係数(ホスト信号118のスペクトル係数の)の位相変更が、振幅変更よりも耳に対してはより重要度が低いことがわかれば、マスキング領域(図3a〜3c内の円)は、インゲン豆の形状でもよい。
簡略化のため、本出願に記載の実施例においては、円形のマスキング領域を想定する。
上記の実施例において、発明はより詳細な態様、すなわち、2点ソリューションで提示されており、この場合、透かし記号に対するストリーム値のマッピングは実行されない。この2点ソリューションは、現在の実際的な応用については非常に重要かもしれない。しかしながら、将来の応用においては、より一般的な多点ソリューションが関心の対象となる可能性がある。したがって、以下に、特定の2点ソリューションをより一般的な高次のソリューションに発展させた、本発明の他の実施例について説明する。
「図4による差動エンコーダを用いるより高次のコンステレーションへの汎用化」
前項で使用したものと同じ原則にしたがい、ここで発明をM点コンステレーションに汎用化する。そのために、異なる記号に図5に示すような同じ情報をマッピングさせる。このプロットでは、各ビット状態に対して2つの記号を許容する。たとえば、ビット状態「1」については、0の位相の第1の複素記号510およびπの位相の第2の複素記号512を許容する。第2のビット状態「0」については、π/2の位相の第3の複素記号520および3π/2の位相の第4の複素記号522を許容する。異なる記号間の選択については、ここでも、インフォームド埋め込みの考え方に従って実行でき、これは、現在のホストオーディオ信号(ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j))および(異なる符号化については)前回の透かし付信号(透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1))を考慮することにより実行することを意味する。
図4は、本発明の実施例による透かし生成器において使用する差動エンコーダ408の模式ブロック図である。差動エンコーダ408は、図1の透かし生成器100の任意の特徴としても説明される透かし記号に対するストリーム値のマッピング114を実行するよう構成される点が差動エンコーダ208と異なる。この透かし記号に対するストリーム値のマッピング114を実行するために、差動エンコーダ408は、サブコンステレーション選択部402と決定部404とを備える。決定部404は、多点決定部404とも呼ぶ。サブコンステレーション選択部402は、サブコンステレーションを構成する複数の現在の透かし記号x(i,j)(i,j,k∈N)を、現在のストリーム値b(i,j)に依存して選択的に付与するよう構成される。インデックス「k」は、現在の透かし記号の記号番号に関連する。あるストリーム値が、2つの異なるサブコンステレーションに属するM個の透かし記号のサブセットにマッピングされると、各サブコンステレーションkの範囲は、k=1からk=M/2になり得る。第1のサブコンステレーションは、第1のストリーム値(+1等)と関連し、第2のサブコンステレーションは、第2のストリーム値(−1等)と関連し得る。
さらに、差動エンコーダ408は、現在のストリーム値b(i,j)に対応するサブコンステレーションの現在の透かし記号x(i,j)の各々に対して位相回転112を適用して、複数の現在の候補透かし係数wm(i,j)を得るよう構成される。図4からわかるように、差動エンコーダ408は、さらに、上記の音響心理学的モジュールにより付与される現在のスケーリングファクタγ(i,j)に基づいて、現在の透かし記号x(i,j)の各々のスケーリング210を行うよう構成され得る。現在のスケーリングファクタγ(i,j)は、現在のストリーム値b(i,j)に対応するサブコンステレーションの現在の透かし記号x(i,j)の各々について等しい。したがって、差動エンコーダ408は、現在の透かし記号x(i,j)をスケーリングしたものに、位相回転112を適用するよう構成されてもよい。
本発明の他の実施例では、差動エンコーダ408は、まず、位相回転112を行い、その後スケーリング210を行ってもよい。
決定部404は、現在の透かし係数wm(i,j)として現在の候補透かし係数wm(i,j)から1つを選ぶよう構成され得る。
例として、差動エンコーダ408またはより厳密にはサブコンステレーション選択部402が、常にM個の記号で1ビット(ストリーム110の1ストリーム値)を常に符号化し得る。以下の記載では、ストリーム110がバイナリ値のみを含むかまたはストリーム110のストリーム値が取り得るのはバイナリ値のみであると想定する。たとえば、ストリーム値は、−1かまたは+1になり得る。現在のストリーム値b(i,j)は、したがって、∈{−1,1}になり得る。現在のストリーム値b(i,j)またはビットb(i,j)は、サブコンステレーション選択ブロックまたはサブコンステレーション選択部402に入る。サブコンステレーション選択部402の出力は、図6で説明したとおり、(M/2)個の複素透かし記号x(i,j),…xM/2(i,j)を含む。M/2点が、サブコンステレーションを構成し、これが、1ビット状態に対応し、または言い替えればサブコンステレーションが現在のストリーム値b(i,j)に対応する。数学の項に置き換えると、サブコンステレーションのk番目の点を以下のように計算することができる。

(i,j)=exp(j(2Δ・(k−1)+η(i,j))) (7)

ここで
Figure 0005749804
であり、かつ
η(i,j)=0(b(i,j)が1の時)
η(i,j)=Δ(b(i,j)が−1の時)
図6aからわかるとおり、M=2の時、各サブコンステレーションには1つの記号しかなく、単純にx(i,j)=b(i,j)なので、これは、図2の差動エンコーダ208の場合と同じである。
図6から、ビットb(i,j)の各状態または現在の値b(i,j)の各値ごとに、サブコンステレーション選択部402により異なるサブコンステレーションが付与される。さらに、異なる現在の透かし記号が位相においてのみ異なりかつ同じ現在のストリーム値b(i,j)に関連する異なる隣接の現在の透かし記号の位相差が等しくなるように、サブコンステレーション選択部402は、複素値として複数の現在の透かし記号x(i,j)を付与し得る。たとえば、M=8の時、同じサブコンステレーションの透かし記号間の位相差は常にπ/2である。
さらに、第1のサブコンステレーションは、b(i,j)=1等の現在のストリーム値b(i,j)の第1の値に対応し、かつ第2のサブコンステレーションは、b(i,j)=−1等の現在のストリーム値b(i,j)の第2の値に対応し得る。さらに、異なるサブコンステレーションの2つの隣接する透かし記号間の位相差は常に等しく、かつ同じサブコンステレーションの2つの隣接する透かし記号間の位相差の半分である。
図4からわかるように、サブコンステレーションにおける各記号、言い換えればサブコンステレーションの各透かし記号x(i,j)は、音響心理学的モデルにより付与される現在のスケーリングファクタγ(i,j)によりスケーリングされ、その後透かし付信号の前回のスペクトル係数awm(i,j−1)の位相116に従って回転される。たとえば現在の透かし候補wm(i,j)として決定部404に入るサブコンステレーション内のスケーリングかつ回転された各記号は、現在の透かし係数wm(i,j)の候補である。
決定部404は、wm(i,j),...wmM/2(i,j)で表す候補のどれが透かしとして(現在の透かし係数wm(i,j)として)使用されるべきかを選択する。
1つの可能なやりかたは、チャネル雑音に関する透かし付信号のSN比を最大化する現在の候補透かし係数wm(i,j)(k=1...M/2)から候補を選ぶことである。この場合、決定部404は、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)に対して各候補wm(i,j)(k=1...M/2)を加えて、透かし付信号候補awm(i,j),...awmM/2(i,j)(現在の候補透かし付スペクトル係数awm(i,j)(k=1…M/2)としても表す)を取得しかつ最も高いべき指数のものを選択するよう構成され得る。数学の項で表せば以下のようになり、
Figure 0005749804
これにより透かし信号または現在の透かし係数は以下のようになる。

wm(i,j)=wm оpt(i,j) (10)
言い換えれば、決定部404は、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)と複数の候補透かしスペクトル係数wm(i,j)(k=1...M/2)との組み合わせに基づいて複数の現在の候補透かし付スペクトル係数awm(i,j)(k=1...M/2)を導出して、複数の現在の候補透かし付スペクトル係数awm(i,j)(k=1…M/2)から最も高いべき指数の現在の候補透かしスペクトル係数を決定し、現在の透かし係数として最大のべき指数の現在の候補透かし付スペクトル係数に対応する現在の候補透かし係数を選択するよう構成され得る。
なお、本発明の実施例が異なる符号化を暗示的に実現することを、もう一度指摘しておく。
より高位のMを使用するため、透かし付信号のSN比は改善されるが、これは、透かしが、マイクロホンの雑音等、導入される歪みをより容易に生き延びさせることを意味する。一方で、Mが大きいほど(すなわち位相差が小さくなるほど)、サブコンステレーションにおける記号は近づく。これはビットエラー率BERが大きくなることを、暗に意味する。このトレードオフを考えて、Mの選択は所望の応用に依存する。
図6bは、決定部404が、複数の現在の候補透かし係数wm(i,j)(k=1...M/2)からどれを現在の透かし係数wm(i,j)として使用するかを決定するやり方を例示する。この例では、サブコンステレーション選択部402が、合計8個の記号から1つで1ビットを符号化することを想定する。すなわち、M=8である。さらに、現在のストリーム値b(i,j)=1であると想定する。図6aから、この場合のサブコンステレーションは、図6aの表の第1列目、第3行目に見つけることができる。したがって、サブコンステレーションは、4つの現在の候補透かし記号x(i,j)〜x(i,j)を含み、これらは位相π/2で相互から間隔をあけられる。図6bにおいて、現在の透かし記号x(i,j)〜x(i,j)は、すでにスケーリングかつ位相回転がされていて、現在の候補透かし係数wm(i,j)〜wmx(i,j)が得られる。多点決定部404は、ホスト信号118の現在のスペクトル係数a(i,j)と現在の候補透かし係数wm(i,j)〜wm(i,j)の組み合わせに基づいて、現在の候補透かし付スペクトル係数awm(i,j)〜awm(i,j)を導出する。決定部404は、その後、最高のべき指数の現在の候補透かし付スペクトル係数に対応する現在の候補透かし係数を選択する。図6bに示す例では、決定部404は、現在の透かし係数wm(i,j)として、現在の候補透かし係数wm(i,j)を選択するが、これは、その対応する現在の候補透かし付スペクトル係数awm3(i,j)が、現在の候補透かし付スペクトル係数awm(i,j)〜awm(i,j)のうち最も高いべき指数を有するからである。
言い換えれば、awm(i,j)がマスキング領域の範囲内にあり、かつ式13にあるような復号化ルールを使用するなどの場合には、差動復号化後のデコーダにおけるSN比が最大化されるように、透かし係数wm(i,j)が選択される。
なお、図2の実施例に示す特別の場合、すなわちM=2を得るために、図4に示すスキームはかなり簡素化する。上記のとおり、サブコンステレーション選択部402は、x(i,j)=b(i,j)という1つの候補しかないので、不要かもしれない。したがって、選択が必要ない場合、決定部404もなくしてもよい。
差動エンコーダ208および408を記載した後に、これら2つの差動エンコーダ208,408を使用し得る他の透かし生成器について、以下に図7を参照して説明する。
「図7による透かし生成器」
図7は、本発明の実施例による透かし生成器700の模式ブロック図である。透かし生成器700の機能性は、透かし生成器100の機能性と類似し得る。透かし生成器700は、図7に示す任意の特徴を含んでも良い。透かし生成器700は、情報処理装置706、差動エンコーダ708および変調器710を備える。情報処理装置706の機能性は、情報処理装置106の機能性と類似し、かつ情報処理装置706は図7に示す追加の特徴を含み得る。差動エンコーダ708は、差動エンコーダ108,208,408または本発明の実施例よる他の差動エンコーダでもよい。
透かし生成器700の説明のために、{−1,1}で表すバイナリデータのストリーム104を想定する。情報処理装置706のシグナリングブロック712は、等しい長さのパケットのデータを組織しかつ付加ビットを追加する。付加ビッドを伴うペイロードビットのパケットをメッセージとして表す。
情報処理装置706のチャネルエンコーダ714は、順方向誤り訂正目的のメッセージに冗長性を付加する。
その後、データを周波数で拡張し、たとえば異なるサブチャネルiについてのバイナリデータを情報処理装置706の周波数拡張部716により生成する。
復号化を容易にするため、同期化シーケンスの連結によってバイナリ情報のマトリックスを乗算することにより、同期化信号を挿入する。この同期化スキーム挿入は、情報処理装置706の同期化スキーム挿入部718により行うことができる。
情報処理装置706の時間拡張部720は、時間領域における拡張を行うが、これは、雑音に対してより高いロバストネスを得るために、さらなる冗長性を付加することを意味する。情報処理装置706の出力はバイナリデータ(b(i,j)としても示す後続ストリーム値のストリーム110等)であり、ここでiは、サブチャネルを表し、jは時間スロットまたは記号番号を表す。
差動エンコーダ708は、時間拡張ブロック720により付与される後続のストリーム値のストリーム110に対してホスト干渉拒否および差動符号化処理を行う。差動エンコーダ708は、ホスト干渉拒否および差動符号化ブロック708としても示され得る。差動エンコーダ708は、たとえば図1の差動エンコーダ108、図2の差動エンコーダ208または図4の差動エンコーダ408に類似するかまたは同じものでよい。差動エンコーダ108,208および408についてはすでに記載しており、したがって差動エンコーダ708については説明を繰り返さない。
差動エンコーダ708は、複数の周波数帯について後続の透かし係数wm(i,j)(i,j∈N)のシーケンスとして時間周波数領域において透かし信号102を付与する。言い換えれば、差動エンコーダ708の出力は、透かし係数wm(i,j)(i,j∈N)からなる。変調部710は、時間周波数領域における透かし信号102の後続透かし係数に基づいて時間領域における透かし信号を導出するよう構成される。したがって、変調器710は、wm(t)としても表す時間領域透かし信号722として透かし信号722を付与する。言い換えれば、残りの変調器710の役割は、透かし係数wm(i,j)(i,j∈N)を時間信号wm(t)に変換することである。
結果として得られる時間領域透かし信号722(wm(t))は、(オーディオ)ホスト信号a(t)に付加できる透かしである。
以下のとおり、EP10154964に記載の透かし生成器について、図7に示す本発明の実施例による透かし生成器700に対する比較例として簡単に説明する。
Figure 0005749804
Figure 0005749804
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Figure 0005749804
Figure 0005749804
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以下に、本発明の実施例による透かし生成器を使用できる応用の簡単な例を示す。
「透かし生成器700を用いた応用の例」
図9は、時間領域透かし付オーディオ信号awm(t)を付与する音響心理学的処理モジュール902に関連して図7の透かし生成器700を示す模式ブロック図である。この例では、透かし生成器700は、例としてのみ使用される。したがって、透かし生成器は、本発明の実施例によるいずれか他の透かし生成器で代替することができる。図9からわかるとおり、透かし生成器700は、入力として離散値のデータ104(本例では、バイナリデータ104)、ホスト信号118(本例では、時間領域オーディオホスト信号118)および現在のスケーリングファクタγ(i,j)を受ける。スケーリングファクタγ(i,j)は、時間領域オーディオホスト信号118に基づき音響心理学的処理モジュール902により付与される。音響心理学的処理モジュール902は、透かし生成器700内で内部的に生成される各ストリーム値b(i,j)(i,j∈N)のスケーリングファクタγ(i,j)(i,j∈N)を付与する。言い換えれば、音響心理学的処理モジュール802は、各サブチャネルi(中心周波数fで)および各時間スロットjの現在のスケーリングファクタγ(i,j)を付与する。
上記のとおり、透かし生成器700の結果として得られる信号は、時間領域透かし信号wm(t)である。この結果として得られる時間信号wm(t)は、時間領域オーディオホスト信号a(t)に加えられる透かしである。透かし付ホスト信号は以下のとおりである。

awm(t)=a(t)+wm(t) (12)

これは、通信チャネル上を送信できかつ受信部で受信信号y(t)を構成する。
以下に、透かし信号を生成するための方法を説明する。
「図10による透かし信号生成方法」
図10は、離散値のデータに基づく後続の透かし係数のシーケンスとして透かし信号を付与する方法1000のフロー図である。
方法1000は、離散値のデータの情報単位に依存して、後続の値の第1のストリームを付与するステップ1002を含み、それにより第1のストリームが離散値のデータを表すようになる。
方法1000は、現在のストリーム値または現在の透かし記号(離散値のデータを表すストリーム値の現在のストリーム値に対応する)に対して位相回転を適用して、透かし信号の現在の透かし係数を得るステップ1004をさらに含む。
方法1000は、ホスト信号と透かし信号との組み合わせである透かし付信号のスペクトル係数の位相を導出するステップ1006をさらに含む。
方法1000は、現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転の位相角が、透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に依存するよう、透かし付信号を付与するステップ1008をさらに含む。
以下の説明では、本発明の実施例による透かし生成器により生成される透かし信号を復号化するデコーダについて説明する。
「図11による透かしデコーダ」
透かしデコーダを含む受信部において、典型的には透かし信号を生成するための上記の動作の逆を、逆の順序で行って透かしを復号化する。図2の差動エンコーダ208が透かし生成器において使用され、透かし信号を生成する場合には、差動復号化は以下のように実行できる。
Figure 0005749804
Figure 0005749804
これに対して、M>2であるM点コンステレーションを使用することは、異なるデコーダを使用することを暗に意味する。このM点コンステレーションについては、図4による差動エンコーダ408で示したが、これは、ストリーム110のストリーム値b(i,j)(i,j∈N)の各々に、ストリーム値の透かし記号に対するマッピング114を適用する。
図11は、本発明の実施例によるデコーダ1100の模式ブロック図であって、同デコーダは、M点コンステレーションの透かし信号を復号化するよう構成される。離散値のデータ1102を付与するための透かしデコーダ1100は、情報処理装置1104と差動デコーダ1106を含み、情報処理装置1104は、複素値のスペクトル係数b norm(j)(i,j∈N)のストリーム1108を付与するよう構成され、ストリーム1108は、透かし付信号1101を表す。情報処理装置1104は、各周波数サブチャネルiのストリーム1108を付与するよう構成され得る。
差動デコーダ1106は、前回の複素値スペクトル係数1112(b norm(j−1)とも表す)と現在の複素値スペクトル係数1114(b norm(j)とも表す)との間の位相角度差1110(φi diff(j)とも表す)を決定するよう構成される。差動デコーダ1106は、さらに、2以上の異なる位相角度範囲内の位相角度差を離散値のデータ1102の第1の離散値1116にマッピングし、かつ他の2つ以上の異なる位相角度範囲内の位相角度差を離散値のデータ1102の第2の離散値1118にマッピングするよう構成される。離散値のデータ1102は、たとえばバイナリデータであり、第1の離散値1116は、たとえば論理1に相当しかつ第2の離散値1118は、たとえば論理−1または0に相当し得る。
言い換えれば、差動デコーダ1106は、第1の離散値1116にマッピングされる位相角度範囲に入る決定された位相差1110に応答して、第1の離散値を離散値のデータ1102の現在の要素についての値として選択し、かつ第2の離散値1118にマッピングされる位相角度範囲に入る決定された位相差1110に応答して、第2の離散値を離散値のデータ1102の現在の要素についての値として選択するよう構成され得る。
情報処理装置1104は、周波数時間領域における複素スペクトル係数のストリーム1108を付与し、それにより各スペクトル係数が1つの周波数サブチャネルiと1つの時間スロットjとに対応するよう構成され得る。差動デコーダ1106は、前回の複素スペクトル係数1112と現在の複素スペクトル係数1114が、隣接する時間スロットj,j−1に対応しかつ同じ周波数サブチャネルiに対応するよう構成され得る。
図12は、差動デコーダ1106が、上記の位相角度範囲マッピングを実行し得る様子を示す図である。図12は、M=4である特別な事例を示す。すなわち、2つの異なる位相角度範囲が、離散値のデータ1102の第1の離散値1116にマッピングされ、他の2つの異なる位相角度範囲が、離散値のデータ1102の第2の離散値1118にマッピングされる。図12において、ある位相角を、位相角0で点1210から始まる反時計方向に描く。
−π/4(または7n/4)からπ/4にわたる第1の角度範囲1202と3π/4から5π/4にわたる第2の位相角度範囲1204を、差動デコーダ1106により第1の離散値1116にマッピングする。π/4から3π/4にわたる第3の位相角度範囲1206と5π/4から7π/4にわたる第4の位相角度範囲1208とが、差動デコーダ1106により離散値のデータ1202の第2の離散値1118にマッピングされる。図12に示すこの図と図6aに示す図を比較すると、M=4の場合では、デコーダで行われるマッピングが、エンコーダで行われるマッピングと一致することがわかる。位相角度範囲1202,1204,1206および1208の幅は、位相角度範囲1202,1204,1206および1208のすべてについて等しくかつ2π/Mである(M=4である図12に示す特別な場合については、幅はπ/2である)。図6aと図12とを組み合わせたものからわかるとおり、π/4より小さい通信チャネルを介する位相ドリフトは、ビットエラーにはつながらない。
図12からわかるとおり、差動デコーダ1106は、隣接する位相角度範囲が離散値のデータ1102の2つの異なる離散値にマッピングされるように、位相角度範囲を離散値にマッピングするよう構成され得る。
上記の説明から、M>2のM点コンステレーションを使用することは、異なるデコーダを使用することを暗に意味することが明らかになる。従来の(伝統的)デコーダとは、伝統的システムが典型的にはM個の記号でlоg2(M)ビットを符号化するのに対して、提案のシステムの少なくともいくつかは、M個の記号で常に1ビットを符号化する点で、ビットのマッピングに一つの顕著な違いがある。
以下に、本発明のいくつかの特徴を簡潔に要約する。
本発明の実施例において採用する透かしスキームは、オーディオ信号にデジタル情報を埋め込むための多チャンネル差動BPSK法を含む。いくつかのサブチャネルiの各々は、オーディオ信号a(t)の時間周波数表現の周波数(f)に関連する。1つのサブチャネルiにおいて送信すべき情報は、時間周波数表現の連続する係数b(i,j)(i,j∈N)の位相差に含まれる。
本発明の実施例について、図2の差動エンコーダ208を使用してより詳細な態様で提示しかつ図4の差動エンコーダ408を使用してより一般的な態様で提示した。図2の2点ソリューションは、現在の実際の応用にはより重要であるかもしれない。しかしながら、図4に提示のより一般的な多点ソリューションは、将来の応用において関心の対象となるかもしれない。
本発明の少なくともいくつかの実施例は、デジタルオーディオ透かし付与、すなわち、デジタルデータを隠すためにオーディオ信号になんらかの変更を行うことおよびこの情報を受信することができる対応のデコーダに関連する一方で、変更されたオーディオ信号の知覚品質は、元の品質に対して区別不能(非可聴)のままである。
本発明の実施例は、透かし付信号の前回のスペクトル係数に基づいて現在の透かし係数を付与することにより暗示的に差動符号化を実現する。
本発明の実施例は、時間周波数領域における差動符号化を特徴とする非可聴透かしを生成する方法を創出する。透かしは、最適または少なくともほぼ最適な形状にされ、またはホストオーディオ信号を考慮して信号適合化され、デコーダの性能を最大化する。さらに、記号コンステレーションの順序の選択によって、外部の雑音源に対するロバストネス(すなわち透かし付信号のより良いSN比)とより良いビットエラー率とのトレードオフを可能にする。
本発明の実施例は、差動符号化スキームを暗示的に含む(部分的に)ホスト干渉を拒否する透かし埋め込み方法を創出する。
「代替的実施例」
装置に関連していくつかの特徴について説明したが、これらの特徴は、ブロックまたは装置が方法のステップまたは方法ステップの特徴に対応する、対応の方法の説明も表すことは明らかである。同様に、方法ステップに関連して説明した特徴は、対応のブロックもしくはアイテムまたは対応の装置の特徴の説明をも表す。方法ステップのいくつかまたはすべてが、マイクロプロセッサ、プログラム可能コンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置により(またはこれらを用いて)実行され得る。いくつかの実施例においては、最も重要な方法ステップの1つ以上がこのような装置によって実行されても良い。
あるいくつかの実施の要件によって、本発明の実施例は、ハードウェアまたはソフトウェアで実現され得る。実現例は、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能コンピュータシステムと協働する(または協働可能な)電子的に可読な制御信号を記憶するフロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリ等のデジタル記憶媒体を使用して実行することができる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読である。
本発明のいくつかの実施例は、ここに記載の方法の1つが実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に可読な制御信号を有するデータキャリアを含む。
一般に、本発明の実施例は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実現することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品をコンピュータ上で実行すると、方法の1つを実行するために動作する。プログラムコードは、たとえば、機械可読キャリア上に記憶することができる。
他の実施例は、機械可読なキャリア上に記憶される、ここに記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
したがって、言い換えれば、発明の方法の実施例は、コンピュータ上で実行されると、ここに記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
したがって、発明の方法の他の実施例は、ここに記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを記録するデータキャリア(またはデジタル記憶媒体もしくはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体または記録された媒体は、典型的には、有形かつ/または非一過性である。
したがって、発明の方法の他の実施例は、ここに記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、たとえば、インターネットを介するデータ通信接続により転送されるよう構成されてもよい。
他の実施例は、ここに記載の方法の1つを実行するよう構成または適合されたコンピュータまたはプログラム可能論理装置等の処理手段を含む。
他の実施例は、ここに記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
本発明の他の実施例は、ここに記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信部に転送する(たとえば電子的または光学的に)よう構成される装置またはシステムを含む。受信部はたとえばコンピュータ、携帯装置、メモリ装置等が可能である。装置またはシステムはたとえば受信部へコンピュータプログラムを転送するためのファイルサーバを含み得る。
いくつかの実施例では、プログラム可能論理装置(フィールドプログラマブルゲートアレイ等)を使用してここに記載の方法の機能性のいくつかまたはすべてを実行しても良い。いくつかの実施例においては、フィールドプログラマブルゲートアレイは、ここに記載の方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般に、方法は、なんらかのハードウェア装置により実行されることが好ましい。
上記の実施例は、本発明の原則を説明するに過ぎない。ここに記載の構成および詳細について、変形および変更が当業者に明らかになることは当然である。したがって、発明は請求の範囲によってのみ限定されることを意図し、実施例の記載および説明により提示される特定の詳細によって限定されない。
ここに記載の概念を、映像信号または画像信号に透かし付与をするために利用できることは当然である。




Claims (15)

  1. 離散値のデータ(104)を表す後続のストリーム値のストリーム110に基づく後続の透かし係数のシーケンスとして、透かし信号(102)を付与するための透かし生成器であって、該透かし生成器が、
    透かし信号(102)を付与するように構成される差動エンコーダ(108,208,408,708)を含み、該差動エンコーダ(108,208,408,708)が、離散値のデータ(104)を表すストリーム値の現在のストリーム値または現在の透かし記号に位相回転(112)を適用して透かし信号(102)の現在の透かし係数を得るよう構成され、現在の透かし記号が、離散値のデータ(104)を表すストリーム値の現在のストリーム値に対応し、
    差動エンコーダ(108,208,408,708)が、ホスト信号(118)と透かし信号(102)との組み合わせである透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相(116)を導出するよう構成され、
    差動エンコーダ(108,208,408,708)は、現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転(112)の位相角が、透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相(116)に依存するように、透かし信号(102)を付与するよう構成され、かつ、
    ホスト信号(118)が、オーディオ信号、画像信号または映像信号であり、かつ透かし付信号が、オーディオ信号、画像信号または映像信号である、透かし生成器。
  2. 透かし生成器が情報処理装置(106)を含み、
    情報処理装置(106)が時間周波数領域において離散値のデータ(104)を表すストリーム(110)を付与し、それによりストリーム(110)の各ストリーム値が、周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連し、
    差動エンコーダ(108、208、408)が、時間周波数領域において現在の透かし係数を得るよう構成され、それにより現在の透かし係数に関連する周波数サブチャネルが、現在のストリーム値に関連する周波数サブチャネルと同じになり、かつ現在の透かし係数に関連する時間スロットが、現在のストリーム値に関連する時間スロットと同じになるようにされる、請求項1に記載の透かし生成器。
  3. 差動エンコーダ(208,408)が、時間周波数領域において透かし付信号のスペクトル係数を導出するよう構成され、それにより透かし付信号の各スペクトル係数が周波数サブチャネルおよび時間スロットに関連するようになっており、かつ
    差動エンコーダ(208,408)が、位相回転(112)を決定するよう構成され、それにより、これに依存して現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転(112)の位相角が選択される、透かし付信号の前回のスペクトル係数に関連する時間スロットと、現在のストリーム値に関連する時間スロットとが、時間において隣接する、請求項2に記載の透かし生成器。
  4. 差動エンコーダ(208,408)は、透かし付信号の前回のスペクトル係数に関連する周波数サブチャネルおよび現在のストリーム値に関連する周波数サブチャネルが同じになるように構成される、請求項3に記載の透かし生成器。
  5. 差動エンコーダ(208,408)が、現在のスケーリングファクタまたは現在のスケーリングファクタより小さい現在のファクタにより現在のストリーム値または現在の透かし記号を付加的にスケーリングする(210)よう構成され、かつ
    現在のスケーリングファクタが、透かし信号(102)が埋め込まれるホスト信号(118)に依存して、かつ現在のスケーリングファクタが、ホスト信号(118)のマスキング特性を記述するように、音響心理学的処理モジュール(902)により付与される、請求項1から4のいずれかに記載の透かし生成器。
  6. 差動エンコーダ(208,408)は、透かしが、ホスト信号(118)と透かし信号(102)との組み合わせにより決定される透かし付信号において非可聴になるように、現在のスケーリングファクタにより現在のストリーム値または現在の透かし記号をスケーリングして、現在の透かし係数の振幅を調節するように構成される、請求項5に記載の透かし生成器。
  7. 差動エンコーダ(408)が、現在のストリーム値に依存してコンステレーションを構成する複数の現在の透かし記号を選択的に付与するよう構成されるサブコンステレーション選択部(402)を含み、
    差動エンコーダ(408)が、現在のストリーム値またはそのスケーリングされたものに対応するサブコンステレーションの現在の透かし記号の各々に位相回転(112)を適用して、複数の現在の候補透かし係数を得るよう構成され、かつ
    差動エンコーダ(408)が現在の透かし係数として、現在の候補透かし係数のうち1つを選択するよう構成される決定部(404)を含む、請求項1から6のいずれかに記載の透かし生成器。
  8. 決定部(404)が、ホスト信号(118)の現在のスペクトル係数と複数の候補透かし係数の組み合わせに基づいて、複数の現在の候補透かし付スペクトル係数を導出して、複数の現在の候補透かし付スペクトル係数から最も高いべき指数を有する現在の候補透かし付スペクトル係数を決定し、最も高いべき指数を有する現在の候補透かし付スペクトル係数に対応する現在の候補透かし係数を現在の透かし係数として選択するよう構成される、請求項7に記載の透かし生成器。
  9. サブコンステレーション選択部(402)が、異なる現在の透かし記号が、位相においてのみ異なりかつ同じ現在のストリーム値と関連する異なる隣接する現在の透かし記号の位相差が等しくなるように、複数の現在の透かし記号を複素値として付与するよう構成される、請求項7から8のいずれかに記載の透かし生成器。
  10. 後続の透かし係数に基づいて、時間領域における透かし信号を導出するよう構成される変調部(710)をさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載の透かし生成器。
  11. 透かし付信号(1101)に依存して離散値のデータ(1102)を付与するための透かしデコーダであって、該透かしデコーダが、
    複素値のスペクトル係数のストリーム(1108)を付与する情報処理装置(1104)を含み、ストリーム(1108)が、透かし付信号(1101)を表し、さらに、
    前回の複素値のスペクトル係数(1112)と現在の複素値のスペクトル係数(1114)との間の位相角度差を決定するよう構成される差動デコーダ(1106)を含み、
    少なくとも2つの異なる位相角度範囲(1202,1204)内の位相角度差を離散値のデータ(1102)の第1の離散値(1102)にマッピングし、かつ他の少なくとも2つの異なる位相角度範囲(1206,1208)内の位相角度差を離散値のデータ(1102)の第2の離散値(1118)にマッピングするよう構成され、
    差動デコーダ(1106)が、少なくとも4つの異なる位相角度範囲(1202,1204,1206,1208)を区別するよう構成され、
    差動デコーダ(1106)が、隣接する位相角度範囲を離散値のデータ(1102)の異なる離散値(1116,1118)にマッピングするよう構成され、かつ
    透かし付信号(1101)がオーディオ信号、画像信号または映像信号である、透かしデコーダ。
  12. 情報処理装置(1104)が、各複素数スペクトル係数が1つの周波数サブチャネル(i)と1つの時間スロット(j)とに関連するように時間周波数領域において複素数スペクトル係数のストリーム(1108)を付与するよう構成され、
    差動デコーダ(1106)が、前回の複素数スペクトル係数(1112)と現在の複素数スペクトル係数(1114)とが、隣接する時間スロットおよび同じ周波数サブチャネルに関連するように構成される、請求項11に記載の透かしデコーダ。
  13. 離散値のデータに基づいて後続の透かし係数のシーケンスとして透かし信号を付与する方法であって、
    ストリームが離散値のデータを表すように、離散値のデータの情報単位に依存して、後続のストリーム値のストリームを付与するステップ(1102)と、
    離散値のデータを表すストリーム値の現在のストリーム値または現在の透かし記号に対して位相回転(1004)を適用して透かし信号の現在の透かし係数を取得するステップと、
    ホスト信号と透かし信号との組み合わせである透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相を導出するステップ(1006)と、
    現在のストリーム値または現在の透かし記号に適用される位相回転の位相角が、透かし付信号の前回のスペクトル係数の位相に依存するように、透かし信号を付与するステップ(1008)とを含み、
    現在の透かし記号が、離散値のデータを表すストリーム値の現在のストリーム値に対応し、
    ホスト信号が、オーディオ信号、画像信号または映像信号であり、かつ透かし付信号が、オーディオ信号、画像信号または映像信号である、方法。
  14. 透かし付信号に依存して離散値のデータを付与する方法であって、該方法が、
    複素値のスペクトル係数のストリームを付与するステップを含み、該ストリームが透かし付信号を表し、さらに
    前回の複素値のスペクトル係数と現在の複素値のスペクトル係数との間の位相角度差を決定するステップと、
    少なくとも2つの異なる位相角度範囲内の位相角度差を離散値のデータの第1の離散値にマッピングし、かつ他の少なくとも2つの異なる位相角度範囲内の位相角度差を離散値のデータの第2の離散値にマッピングするステップとを含み、
    隣接する位相角度範囲が、離散値のデータの異なる離散値にマッピングされ、かつ
    透かし付信号が、オーディオ信号、画像信号または映像信号である、方法。
  15. コンピュータ上で実行した際に、請求項13または14に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム。
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