JP5749472B2 - 超音波振動子および医療用超音波機器 - Google Patents

超音波振動子および医療用超音波機器 Download PDF

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Description

本発明は、超音波振動子および医療用超音波機器に関する。
従来、例えば、医療用超音波機器に用いられる超音波振動子において、磁歪特性が大きい磁性体材料に交流磁界を印加することによって超音波振動を発生させる磁歪振動子を用いたものが知られている。
磁歪振動子の振動振幅は数μmから数十μmにすぎないため、ホーンと呼ばれる構造体を磁歪振動子に接合し、ホーンを介して振動増幅を数百μm程度に増幅してから、ホーンの先端等の振動出力部での振動を用いることが多い。
振動出力部やホーンは、磁歪特性を有する材料からならなくてもよいが、大きな繰り返し応力が作用するため、金属疲労を起こしやすい。このため、振動出力部やホーンの材質としては、強度に優れるチタン合金などが使用されている。また、強度に優れるアモルファス合金(非晶質合金)を用いることも知られている。
例えば、特許文献1には、このような超音波振動子を用いた医療用超音波機器として、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動が伝達されるホーンと、を含み、前記ホーンの先端部にて組織の破砕等を行う超音波手術器において、前記超音波振動子は、ボルト挿通孔が形成された円筒状の磁歪材料から成る磁歪素子と、前記磁歪素子の前記ボルト挿通孔に挿通するボルトと、前記ボルトの両端にそれぞれ係合して、前記磁歪素子を両側から挟む一対の金属ブロックと、前記円筒状磁歪素子に巻回されたコイルと、を含み、前記超音波振動子には前記ボルト軸方向に沿って貫通孔が形成されたことを特徴とする超音波手術器が記載されている。
特許文献1には、磁歪材料として、Ni−Cu−Coフェライトや、Tb−Dy−Fe合金や、鉄系アモルファス合金の例が記載されている。
また、特許文献2には、先端と基端を有している超音波振動子であって、電気エネルギーを超音波振動に変換する受動素子と、前記受動素子に電力を供給する為の電極と、前記受動素子より先端側にあり前記超音波振動を増幅するホーン本体部と、前記受動素子より基端側にあり前記受動素子を裏打ちする裏打部と、そして、前記ホーン本体部と連結された一端部及び前記裏打部と連結された他端部を有しており、前記ホーン本体部と前記裏打部との間に前記受動素子を挟んだ状態で前記ホーン本体部と前記裏打部とを連結するホーン連結部と、を備えており、前記ホーン本体部,前記ホーン連結部,そして前記裏打部の少なくとも1つが金属ガラスにより形成されている、ことを特徴とする超音波振動子が記載されている。
以上に述べたように、従来の超音波振動子は、振動発生部と、振幅増幅部(ホーン)あるいは振動出力部を含む振幅増幅部とが、別々の材質からなる部品として設けられ、これらの部品を組み立てて構成したものが知られている。
特開平5−7595号公報 特開2009−183934号公報
しかしながら、上記のような従来の超音波振動子および医療用超音波機器には以下のような問題があった。
特許文献1、2に記載の技術では、磁歪素子からなる振動発生部と、超音波振動を増幅して振動出力部である先端に超音波振動を伝達するホーンとを接合しているため、これらの部材との接合工程が必要となる。また、接合工程での接合不良を起こすと、発生した超音波振動の伝達効率が悪くなり、振動出力部において所望の超音波振動が得られなくなるという問題がある。
また、ホーンと振動出力部とを別部材で構成し、ホーンと振動出力部とを接合する場合も同様の問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、製造工程を簡素化するとともに振動の伝達効率の不良を抑制することができ、生産性を向上することができる超音波振動子および医療用超音波機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の超音波振動子は、交流磁界の印加によって超音波振動が発生する振動発生部と、該振動発生部で発生した前記超音波振動を出力する振動出力部と、前記振動発生部と前記振動出力部との間に形成され前記超音波振動の伝達路の大きさを変化させることにより前記超音波振動を増幅する振動増幅部と、を有し、温度幅20K以上のガラス遷移領域を有するとともに磁歪特性を有する非晶質合金によって一体成形された振動子本体と、該振動子本体の前記振動発生部に前記交流磁界を印加する交流磁界印加部と、を備える構成とする。
また、本発明では、前記振動増幅部は、テーパ面により前記伝達路の大きさが変化していることが好ましい。
また、本発明では、前記振動子本体および前記交流磁界印加部の少なくともいずれかを覆う絶縁体部が設けられたことが好ましい。
また、本発明では、前記絶縁体部は、生体適合性を有する材料からなることが好ましい。
また、本発明では、前記振動子本体の前記振動出力部は、生体適合性を有する材料からなる絶縁体部で覆われたことが好ましい。
本発明の医療用超音波機器は、本発明の超音波振動子を備える構成とする。
本発明の超音波振動子および医療用超音波機器によれば、振動子本体を温度幅20K以上のガラス遷移領域を有するとともに磁歪特性を有する非晶質合金によって一体成形するため、製造工程を簡素化するとともに振動の伝達効率の不良を抑制することができ、生産性を向上することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の超音波振動子の概略構成を示す模式的な左側面図および正面図である。 本発明の第1の実施形態の第1変形例の超音波振動子の主要部の構成を示す模式的な左側面図および正面図である。 本発明の第1の実施形態の第2変形例の超音波振動子の主要部の構成を示す模式的な左側面図および正面図である。 本発明の第1の実施形態の第3変形例の超音波振動子の主要部の構成を示す模式的な正面図である。 本発明の第1の実施形態の第4変形例の超音波振動子の概略構成を示す模式的な左側面図および正面図である。 本発明の第2の実施形態の超音波振動子の概略構成を示す模式的な左側面図およびそのA−A断面図である。 本発明の第3の実施形態の医療用超音波機器の概略構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例(第5変形例)の医療用超音波機器の概略構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第4の実施形態の医療用超音波機器の概略構成を示す模式的な左側面図および正面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る超音波振動子について説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の超音波振動子の概略構成を示す模式的な左側面図および正面図である。
本実施形態の超音波振動子1の概略構成は、図1(a)、(b)に示すように、円断面を有する棒状の振動子本体2と、振動子本体2の一方の端部(以下、基端部と称する場合がある)に振動子本体2の軸方向に沿って交流磁界を印加するコイル3(交流磁界印加部)とを備える。
振動子本体2の形状は、一方の端部から他方の端部(以下、先端部と称する場合がある)に向かって、中実円柱状の振動発生部2Aと、振動発生部2Aの外径が漸次縮径する円錐台状の振動増幅部2Bと、振動増幅部2Bの先端部側の円径と同径の円断面を有する中実円柱状の振動出力部2Cとが、それぞれ同軸となるように順次隣接されている。
すなわち、振動子本体2は、基端側の円状の基端面2aが形成され、先端側に基端面2aに比べて小径の円状の先端面2eが形成された棒状部材である。振動子本体2の側面は、振動発生部2A、振動増幅部2B、振動出力部2Cの各部位に対応して、相対的に大径の円筒面からなる基端部側面2b、先端側に向かって縮径する円錐面からなるテーパ面2c、相対的に小径の円筒面からなる先端部側面2dから構成されている。
このような形状の振動子本体2は、温度幅20K以上のガラス遷移領域を有するとともに磁歪特性を有する非晶質合金によって一体成形されている。このため、振動子本体2は、同材質の連続体からなる。このため、振動発生部2A、振動増幅部2B、振動出力部2Cの境界には界面は存在しない。
温度幅20K以上のガラス遷移領域を有する非晶質合金は、金属ガラスとも呼ばれており、複数の金属元素からなる金属原料の溶湯を、臨界冷却速度以上でガラス遷移温度以下になるまで急速冷却することにより形成される。
このような金属ガラスの成形は、製品形状に応じたキャビティを有する金型を熱伝導性の良好な金型材料、例えば、SKD11、超硬合金(WC)、無酸素銅、ベリリウム銅、アルミ合金(A7075)、亜鉛合金(ZAS)、炭素鋼、SUS410などによって形成し、金属原料の溶湯をキャビティ導入して、金型に放熱させることで、成形することが可能である。具体的な成形方法としては、射出成形法、遠心鋳造法、ガラス遷移領域まで冷却した溶湯を熱間鍛造する方法などを採用することができる。
金属ガラスは、結晶化を起こさずに固化成形が可能であって、成形性(キャビティ形状転写性)に優れるため、振動子本体2が複雑な形状であっても種々の形状を一体に設けることが可能となる。
金属ガラスの種類としては、ジルコニウム(Zr)基合金、鉄(Fe)基合金、チタン(Ti)基合金、マグネシウム(Mg)基合金などが挙げられる。本実施形態に用いる材料は、これらのうち必要に応じた磁歪特性を有する適宜の材料を採用する。例えば、強磁性体であれば磁歪特性を有するため、採用することが可能である。
ただし、材料の磁歪特性が大きいほど、印加する交流磁界の大きさを低減できるため好ましい。磁歪特性は、磁気飽和状態における材料の磁化方向の歪みで定義される飽和磁歪λsの大きさ|λs|によって評価することができる。振動子本体2の材料の磁歪特性は、|λs|≧5×10−6であることが好ましく、|λs|≧40×10−6であることがより好ましい。
例えば、|λs|≧40×10−6の金属ガラスの例としては、特許第3756336号公報に、以下の組成比(添字は原子%を表す)のものが例示されている。すなわち、Fe67CoSm20(λs=48.0×10−6)、Fe67CoNbSm20(λs=47.0×10−6)、Fe67CoMoSm20(λs=43.0×10−6)、Fe67Co10Sm20(λs=40.0×10−6)、Fe60Co17Sm20(λs=47.0×10−6)、Fe60Co17Tb20(λs=51.0×10−6)、Fe68.5Co10Sm1.520(λs=58.0×10−6)、Fe68.5Co10Tb1.520(λs=56.0×10−6)、Fe68.5Co10Dy1.520(λs=50.0×10−6)、Fe48.5Co30Sm1.520(λs=44.0×10−6)などの金属ガラスが挙げられている。これらは、いずれも振動子本体2の材質として好適である。
また、これらの金属ガラスは、非晶質合金であるため引張強さが2600MPa以上であることも記載されている。またこれらに限らず、金属ガラスの引張強さは、1700MPa以上のものは容易に得られる。
このような引張強さは、高強度合金として知られるチタン合金、例えば、64チタン合金の引張強さ980MPaと比較しても格段に高強度である。
このため、これらの金属ガラスはいずれも本実施形態の振動子本体2の材料として好適である。
振動発生部2Aは、基端部側面2bの外周側にコイル3が配置され、コイル3によって磁界の向きが超音波領域の周波数で交替する交流磁界を印加することで、交流磁界の周波数に応じた超音波振動を発生させる部位である。
振動増幅部2Bは、振動発生部2Aの基端面2aと反対側の端部に一体成形されており、外径が先端側に向かって縮径されているため、振動発生部2Aにおいて発生した超音波振動の伝達路が軸方向の先端側に向かって縮小する形状を有している。このため、振動増幅部2Bは、振動発生部2Aと振動出力部2Cとの間に、超音波振動の伝達路の大きさを変化させることにより超音波振動を増幅する構造を形成している。
振動出力部2Cは、振動発生部2Aで発生し、振動増幅部2Bで増幅された超音波振動を外部に伝達する部位であり、用途に応じて適宜の形状を採用することができる。
本実施形態では、振動出力を、基端面2aおよび先端部側面2dの少なくともいずれかを介して、被加振体に伝達することができる。
振動出力が大きくなるのは、振動の腹の部分であるため、振動出力部2Cの形状は、振動伝達に用いる部位が振動の腹となるように設定する。例えば、主として先端面2eを振動出力に用いるには、先端面2eが振動の腹となるように、振動出力部2Cの長さを設定する。また、主として先端部側面2dを振動出力に用いるには、被加振体と当接する部分に十分な個数の振動の腹が形成されるように、先端部側面2dの長さを設定する。
コイル3は、本実施形態では、基端部側面2bにおける軸方向の中間部において、基端部側面2bに絶縁された状態で巻き回された円筒コイルからなり、不図示の交流電源に接続可能に設けられている。
コイル3に印加する交流磁界の周波数は、超音波の周波数領域であれば、超音波振動子1の用途に応じて適宜設定することができる。
なお、図1(b)では、コイル3が基端部側面2bに密着するように描かれているが、コイル3は、振動発生部2Aの内部に交流磁界を印加できればよい。このため、振動増幅部2Bに対して相対位置が固定されていれば、基端部側面2bから離間して配置することも可能である。
また、図1(b)は模式図のため、コイル3の巻き数が約3.5巻きの場合の例が描かれているが、コイル3の巻き数や、軸方向の配置位置は、印加すべき磁界の大きさや磁界の印加範囲等を考慮して適宜設定することができる。
次に、超音波振動子1の動作について説明する。
不図示の交流電源によって、適宜周波数設定された交流電流をコイル3に流すと、コイル3によって交流磁界が発生し、コイル3の内側に、コイル3の中心軸方向に沿って、軸方向に磁界ベクトルが振動する交流磁界が発生する(図1の矢印参照)。
振動発生部2Aは、交流磁界によって磁化され、各磁区には交流磁界の磁界ベクトルに応じて磁気歪みが発生する。振動発生部2Aには軸方向に沿う磁界ベクトルが発生するため、磁気歪みは交流磁界の周波数に同期し軸方向に沿って進む超音波振動を形成する。
このため、振動発生部2Aに発生した超音波振動は、軸方向に沿って振動増幅部2Bに伝播する。このとき、振動発生部2Aと振動増幅部2Bとの間には、界面や隙間がないため、超音波振動が効率的に伝播する。
振動増幅部2Bに伝播した超音波振動は、振動増幅部2Bが先端側に向かって縮径しているため、先端側に向かって振幅が増幅されつつ伝播する。
この超音波振動は、振動増幅部2Bの先端に達すると、振動出力部2Cに伝播する。このとき、振動増幅部2Bと振動出力部2Cとの間には、界面や隙間がないため、超音波振動が効率的に伝播する。
振動出力部2Cに伝播した超音波振動は、先端面2eで内部反射されて振動出力部2C内を往復し、振動出力部2Cに定在波を形成する。
この結果、振動出力部2Cを被加振体に接触させれば、接触部から超音波振動が被加振体に伝播する。
例えば、超音波振動子1を医療用超音波機器である超音波処置具として用いる場合、先端面2eや先端部側面2dを被加振体である患部等に当接して、患部の組織や結石等を破砕したり、切断したりすることができる。
また、超音波振動子1を医療用超音波機器である超音波プローブとして用いる場合、振動出力部2Cの先端面2eを被加振体である被検体に接触させて超音波振動を被検体内に伝播させる振動源として用いることができる。
超音波振動子1によれば、振動子本体2を金属ガラスによって一体成形するため、振動発生部、振動増幅部、振動出力部等を、別部材で構成して組み立てる従来の超音波振動子に比べて製造工程を簡素化することができる。
また、このように一体性形成された振動子本体2は、振動の伝播路に界面や隙間を有しないため、振動を効率よく伝達することができる。このため、エネルギー損失が少なく、良好な加振を行うことができる。
したがって、製造工程における振動効率や振動波形の不良を抑制することができ、生産性を向上することができる。
また、振動子本体2は金属ガラスによって一体成形されるため、振動発生部、振動増幅部、振動出力部等を、別部材で構成して組み立てる場合に比べて部品点数が減少し、組み立てのための接合部品、接合部材も不要となる。このため、低コスト化、小型化を図ることができる。また、金属ガラスは、結晶性合金に比べて引張強さが格段に高いため、振動出力部2Cや振動増幅部2Bの耐久性を向上することができる。
このような超音波振動子1は、種々の超音波加振装置として用いることができるが、小型化しやすく、高耐久性を有するため、生体内で用いる医療用超音波機器として特に好適に用いることができる。
また、振動子本体2が一体化されているため、超音波振動子1内での超音波振動によって、部材間の接合部で摩耗したり、摩耗粉が飛散したりすることを抑制できる。この点でも、生体内で用いる医療用超音波機器として特に好適に用いることができる。
[第1変形例]
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図2(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第1変形例の超音波振動子の主要部の構成を示す模式的な左側面図および正面図である。
本変形例の超音波振動子11は、図2(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態の振動子本体2に代えて、振動子本体12を備える。振動子本体12は、上記第1の実施形態の振動子本体2における振動出力部2Cを断面形状が異なる振動出力部12Cに代えたものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
振動出力部12Cの断面形状は、先端側から振動増幅部2Bの近傍までは、長径が振動出力部2Cの先端部側面2dの外径と等しい楕円からなる。このため、振動出力部12Cの先端には、振動出力部2Cの基端面2aに代えて楕円状の先端面12eが形成され、振動出力部2Cの先端部側面2dに代えて楕円柱状の先端部側面12dが形成されている。
また、振動出力部12Cの振動増幅部2Bの近傍の部分は、先端側から基端側に向かって先端部側面12dの楕円断面から振動増幅部2Bの先端の円断面に円滑に接続される可変断面からなる基端側接続部12fが形成されている。
このような超音波振動子11は、振動子本体12を、その外形状に対応するキャビティを有する金型を用いて、超音波振動子1と同様の金属ガラスにより一体成形して製造した後、コイル3を組み立てることによって製造することができる。
超音波振動子11によれば、振動出力部12Cの形状が楕円断面を有する偏平な棒状であるため、先端部側面12dに曲率半径の小さい刃状部と曲率半径の大きな平坦部とが形成されている。そこで、加振の用途に応じて、先端部側面12dの曲率半径が異なる部位を被加振体に当接させるといった使い分けが可能となる。
例えば、超音波振動子11を医療用超音波処置具として用いた場合に、患部等を切断する場合には刃状部を当接させて振動出力を行い、患部等を破砕する場合には平坦部を当接させて振動出力を行うことができる。
[第2変形例]
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図3(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第2変形例の超音波振動子の主要部の構成を示す模式的な左側面図および正面図である。
本変形例の超音波振動子21は、図3(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態の振動子本体2に代えて、振動子本体22を備える。振動子本体22は、上記第1の実施形態の振動子本体2における振動出力部2Cの先端に板状部22fを追加した形状を有する振動出力部22Cに代えたものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
振動出力部22Cの板状部22fは、先端部側面2dの外径より大きく基端部側面2bの外径より小さい外径を有する円板状の部位であり、先端部側面2dと同軸形成されている。このため、振動出力部22Cは、上記第1の実施形態の振動出力部2Cの基端面2aに代えて、板状部22fの外径と同じ円径を有する円状の先端面22eを備える。
このような超音波振動子21は、振動子本体22を、その外形状に対応するキャビティを有する金型を用いて、超音波振動子1と同様の金属ガラスにより一体成形して製造した後、コイル3を組み立てることによって製造することができる。
超音波振動子21によれば、振動出力部12Cの先端部に、先端部側面2dよりも大きな外径を有する先端面22eが形成されているため、先端面22eを介して、先端部側面2dの外径に比べて広い範囲の被加振体に振動出力を行うことができる。
このため、例えば、超音波振動子21を医療用超音波処置具として用いた場合に、先端部側面2dの外径に比べて大きな患部等を、効率的に破砕することができる。
[第3変形例]
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態の第3変形例の超音波振動子の主要部の構成を示す模式的な正面図である。
本変形例の超音波振動子31は、図4に示すように、上記第1の実施形態の振動子本体2に代えて、振動子本体32を備える。振動子本体32は、上記第1の実施形態の振動子本体2における振動出力部2CをV字状に屈曲させた形状を有する振動出力部32Cに代えたものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
振動出力部32Cは、振動増幅部2Bの先端から上記第1の実施形態の振動出力部2Cと同様な外径を有する円柱状の基端側軸部32a、屈曲軸部32bがこの順に延ばされている。
基端側軸部32aは、振動増幅部2Bおよび振動発生部2Aと同軸に延ばされた部位である。
屈曲軸部32bは、基端側軸部32aの先端側から、基端側軸部32aの延在方向に鋭角で傾斜しつつ先端側に延ばされた棒状の部位である。
このため、基端側軸部32a、屈曲軸部32bの外周部は、屈曲された円筒面からなる先端部側面32dが形成されている。
また、屈曲軸部32bの先端には、屈曲軸部32bの延在方向に直交する円状の平面からなる先端面32eが形成されている。
このような超音波振動子31は、振動子本体32を、その外形状に対応するキャビティを有する金型を用いて、超音波振動子1と同様の金属ガラスにより一体成形して製造した後、コイル3を組み立てることによって製造することができる。
超音波振動子31によれば、基端側軸部32aの先端から斜め方向に屈曲軸部32bが延ばされている。このため、屈曲軸部32bの先端部側面32dを振動出力に用いる際に、屈曲軸部32bの延在方向と、振動発生部2Aおよび振動増幅部2Bの中心軸方向とが異なるため、被加振体の形状によっては、屈曲軸部32bの先端部側面32dを被加振体に当接させやすくなり、操作性が向上する。
なお、図4は、基端側軸部32aと屈曲軸部32bとがV字状に屈曲している場合の例を描いているが、基端側軸部32aと屈曲軸部32bとの間は円弧状に湾曲された形状としてもよい。
[第4変形例]
本実施形態の第4変形例の超音波振動子について説明する。
図5(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第4変形例の超音波振動子の概略構成を示す模式的な左側面図および正面図である。
本変形例の超音波振動子41は、図5(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態の振動子本体2に代えて、振動子本体42を備える。振動子本体42は、上記第1の実施形態の振動子本体2の振動出力部2Cを削除し、振動増幅部2Bの先端部に被加振体と当接して振動出力を行う振動出力部として円状の平面からなる振動出力面42eを形成したものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
このような超音波振動子41は、振動子本体42を、その外形状に対応するキャビティを有する金型を用いて、超音波振動子1と同様の金属ガラスにより一体成形して製造した後、コイル3を組み立てることによって製造することができる。
超音波振動子41によれば、コイル3に交流磁界を印加することにより、振動増幅部2Bで増幅された超音波振動を振動出力面42eから被加振体に伝達することができる。
このため、先端部側面2d等によって線状または帯状の振動出力領域を必要としない場合に、超音波振動子1よりも小型の装置構成であっても、超音波振動子1の基端面2aを用いたのと同様な振動出力を行うことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る超音波振動子について説明する。
図6(a)は、本発明の第2の実施形態の超音波振動子の概略構成を示す模式的な左側面図である。図6(b)は、図6(a)におけるA−A断面図である。
本実施形態の超音波振動子51は、図6(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態の振動子本体2に代えて、振動子本体52を備える。振動子本体52は、上記第1の実施形態の振動子本体2と同様な外形を有し、内部にこれらの外形と同軸に設けられた中空管路52fが貫通されている筒状部材であり、超音波振動子1の振動発生部2A、振動増幅部2B、および振動出力部2Cに対応して、振動発生部52A、振動増幅部52B、および振動出力部52Cを備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
中空管路52fの断面形状は、特に限定されず、断面の大きさも変化していてもよいが、本実施形態では、先端部側面2dの外径よりも小径の一定径を有する円断面が振動子本体52の中心軸に沿って真直に延ばされた円孔で構成している。
このため、振動子本体52の先端および基端には、中空管路52fの開口を囲む円環状の先端面52eおよび基端面52aが形成されている。
このような超音波振動子51は、振動子本体52を、その外形状および内形状に対応するキャビティを有する金型を用いて、超音波振動子1と同様の金属ガラスにより一体成形して製造した後、コイル3を組み立てることによって製造することができる。
中空管路52fの形状は、例えば、金型に円柱状の中子を設けることで形成することができる。
超音波振動子51によれば、コイル3に交流磁界を印加することにより、振動発生部52Aで発生し、振動増幅部52Bで増幅された超音波振動を、振動出力部52Cの先端面52eおよび先端部側面2dの少なくともいずれかから振動出力し、これらに当接された被加振体に超音波振動を伝達することができる。
ただし、振動子本体52は中空管路52fを有するため、振動子本体2に比べて超音波振動を伝播する媒質量が減っているため、振動出力部52Cの振動出力は変化する。超音波振動子1と同様の振動出力を得る必要がある場合には、中空管路52fの大きさに基づいて交流磁界の振幅を適宜調整すればよい。
また、超音波振動子51は、中空管路52fを有するため、超音波振動の振動出力中に、中空管路52fを通して流体や固形物を含む流動体を流通させることが可能となる。
例えば、超音波振動子51を医療用処置具として用いる場合、中空管路52fを吸引孔として用いることができる。すなわち、基端面52a側の中空管路52fに不図示の吸引器に接続されたチューブを接続することによって、振動出力部52Cの先端で振動出力を行った結果、破砕されたり、切断されたりした患部の組織等や体液等を、中空管路52fを通して基端側に吸い出し、患部の近傍から除去することができる。
また、例えば、超音波振動子51を超音波加工機として用いる場合、中空管路52fを例えば洗浄剤等の流体の流体注入孔として用いることができる。すなわち、基端面52a側の中空管路52fに不図示の注入器に接続されたチューブを接続することによって、適宜、先端面52eにおける中空管路52fの開口から、洗浄剤等を注入し、超音波振動に形成された加工粉等を加工面から洗い流すことができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る超音波振動子および医療用超音波機器について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態の医療用超音波機器の概略構成を示す模式的な断面図である。
本実施形態の医療用超音波機器60は、図7に示すように、本実施形態の超音波振動子61と、超音波振動子61の動作を制御するコントローラ66とを備える
超音波振動子61は、上記第2の実施形態の超音波振動子51と同様の振動子本体52およびコイル3を備える構成に、さらにカバー64を追加したものである。
本実施形態では、振動子本体52の中空管路52fには、基端面52a側からチューブ67が挿入されている。
チューブ67は、医療用超音波機器60の一部を構成する不図示の吸引器に接続され、中空管路52fの内部の流体等を超音波振動子61の外部に吸引できるようになっている。
以下、上記第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
カバー64は、振動発生部52A、振動増幅部52Bの全体と、振動出力部52Cの基端側の一部を覆って、振動子本体52やコイル3に触れることなく把持したり保持したりするための筒状部材である。
カバー64の形状は、本実施形態では、コイル3の外径よりも内径が大きい円筒状のカバー側部64bを有し、カバー側部64bの一方の端部にカバー底部64aが形成され、他方の端部にカバー側部64bから縮径するテーパ状のテーパ部64cが設けられ、テーパ部64cの先端部に振動出力部52Cよりもわずかに内径が大きい先端開口部64dが設けられた有底筒状とされている。
また、カバー底部64aの中心には、中空管路52fの内径以上の内径を有し、チューブ67を貫通させる貫通孔64fが形成されている。
また、図7は模式図のため特に図示していないが、カバー64のカバー側部64bまたはカバー底部64aには、内部に収容されたコイル3の端部とコントローラ66との電気的な接続をとるための配線構造が適宜設けられている。
このような配線構造の例としては、例えば、コイル3の端部を外部に引き出すための配線引きだし孔や、コイル3の端部と電気的に接続されたコネクタなどを挙げることができる。
カバー64の材質は、特に限定されないが、本実施形態では、例えば電気絶縁性を有するポリカーボネートを採用している。このため、本実施形態のカバー64は、振動子本体52および交流磁界印加部を覆う絶縁体部を構成している。
このような構成のカバー64は、振動出力部52Cの先端側の一部が先端開口部64dから外部に延出されるとともに振動増幅部52Bおよび振動発生部52Aを内部に収容した状態で、基端面52aとカバー底部64aとを接合部65によって接合することによって組み立てられている。
接合部65としては、接着や螺合等の適宜の接合手段を採用することができるが、本実施形態では、電気絶縁性を有する接着剤によって接着している。このため、振動子本体52とカバー64とは電気的に絶縁されている。
また、チューブ67は、貫通孔64fを挿通して超音波振動子61の内部に挿入され、中空管路52fに連結されている。
このような構成により、カバー64と振動子本体52との相対的な位置関係は固定されている。
コントローラ66は、超音波振動子61によって超音波振動を出力させるために、超音波振動の周波数に応じた交流電流をコイル3に供給するとともに、不図示の吸引器を駆動して中空管路52fから吸引を行う制御を行うものである。
コントローラ66からの電流の供給は、カバー64に設けられた不図示の配線構造を介してコイル3と電気的に接続された配線66aを通して行われる。
このような構成の超音波振動子61によれば、コントローラ66からコイル3に交流電流を供給することにより、上記第2の実施形態の超音波振動子51と同様にして、振動出力部52Cから振動出力を行うことができる。
その際、超音波振動子61は、カバー64によって外周部が覆われた構成を備えるため、カバー64を手によって把持したり、ロボットハンドや支持部材に保持したりした状態で振動出力を行うことができる。
また、このような超音波振動子61を備えた医療用超音波機器60によれば、超音波振動子61のカバー64を手で把持したり、ロボットハンドや支持部材に保持したりして、患部に振動出力部52Cを当接させ、患部の組織等を破砕したり、切断したりすることができる。
その際、コントローラ66によって、不図示の吸引器を駆動することにより、先端面52e側の中空管路52fの開口から、患部の組織等の破砕片、切断片、体液などを外部に吸引して除去することができる。
[第5変形例]
次に、本実施形態の第5変形例の超音波振動子および医療用超音波機器について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態の変形例(第5変形例)の医療用超音波機器の概略構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の医療用超音波機器70は、図8に示すように、上記第3の実施形態の医療用超音波機器60の超音波振動子61に代えて、本変形例の超音波振動子71を備える。
超音波振動子71は、上記第3の実施形態の超音波振動子61において、カバー64から延出された振動出力部52Cの外周面に絶縁体部74を設けたものである。
以下、上記第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
絶縁体部74は、振動子本体52内に誘導された電流が被加振体に通電しないようにするために設けられたもので、本実施形態では、先端面52eとカバー64から延出された先端部側面2dとに設けられている。
絶縁体部74の材質としては、必要な電気絶縁性を有する材質であれば、特に限定されない。例えば、綿、紙、ゴム、ポリエステルやエポキシ樹脂などの合成樹脂等の有機材料を好適に採用することができる。また、石綿、ガラス繊維などの無機材料も好適に採用することができる。
ただし、振動出力を効率的に行うためには、硬質の絶縁体を先端面52eおよび先端部側面2dに密着して形成することが好ましい。
また、超音波振動子71の被加振体が、生体である場合には、絶縁体部74は生体適合性を備える材質を採用することが好ましい。ここで、生体適合性とは、生体と接触しても、細胞毒性(細胞死や増殖阻害)を示さず、アレルギー反応の発生を抑制することができる特性を意味する。
絶縁材料であって、このような生体適合性のある材料の例としては、酸化アルミニウムや酸化チタンなどの酸化物系セラミックス、窒化アルミニウムや窒化チタンなど窒化物系セラミックス、炭化アルミニウムや炭化チタンなどの炭化物系セラミックスなどの例を挙げることができる。
これらの絶縁体部74は、先端面52eおよび先端部側面2dの表面に適宜の表面処理によって形成してもよいし、先端面52eおよび先端部側面2dを覆う形状を形成してから、先端面52eおよび先端部側面2dの表面に接着剤等を介して接合してもよい。
本実施形態の絶縁体部74は、一例として、先端面52eおよび先端部側面2dの表面にイオンプレーティング法によって、生体適合性が高いため医療用機器に好適な窒化チタン膜を成膜した構成を採用している。
このような構成の超音波振動子71によれば、振動出力を行う先端面52eおよびカバー64から延出された先端部側面2dの表面に絶縁体部74が設けられているため、振動出力時に振動子本体52に発生した電流が、被加振体に通電されることを防止することができる。例えば、被加振体が生体組織である場合、通電量の大きさによっては、ジュール熱によって、振動出力部52Cとの接触部から離れた領域でも生体組織が焼灼されるおそれがあるが、本実施形態では、このような生体組織への影響が回避される。したがって、被加振体が生体である医療用超音波機器70に好適に用いることができる。
また、本実施形態では、絶縁体部74に窒化チタン膜を採用しているため、振動子本体52の材質が、生体に有害な元素を含む場合であっても、被加振体である生体が被毒することを確実に防止することができる。
また、窒化チタンは、生体適合性が高いため、例えば、細胞毒性を示さず、アレルギー反応等が発生することを抑制することができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る超音波振動子および医療用超音波機器について説明する。
図9(a)、(b)は、本発明の第4の実施形態の医療用超音波機器の概略構成を示す模式的な左側面図および正面図である。
本実施形態の医療用超音波機器80は、図9(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態の第4変形例の超音波振動子41の振動出力面42eを覆うように絶縁体部84を接合した超音波振動子81と、上記第3の実施形態と同様にして超音波振動子81の動作を制御するコントローラ86とを備える
以下、上記第1の実施形態の第4変形例と異なる点を中心に説明する。
絶縁体部84は、上記第1の実施形態の第4変形例の絶縁体部74と同様な材質および接合方法を採用することができる。本実施形態では、窒化チタンを採用している。
コントローラ86は、コントローラ66から吸引器を制御する機能を削除したものである。
医療用超音波機器80によれば、振動出力部である振動出力面42eが絶縁体部84に覆われているため、上記第3の実施形態と同様に、被加振体である生体組織への通電が防止される。また、本実施形態では絶縁体部84として、生体適合性を有する酸化時短を採用しているため、生体組織と接触することによる悪影響が回避される。したがって、被加振体が生体である医療用超音波機器として好適に用いることができる。
なお、上記の第1の実施形態、その第1変形例、第3変形例、第2および第3の実施形態の説明では、振動出力部の軸方向に沿う断面形状が一定の場合の例で説明したが、断面形状の大きさや形状は徐変してもよい。例えば、先端側ほど断面積が細る形状や、先端の正面視の形状が円状であったり、先端部の正面視の形状が円弧状などであったりしてもよい。また、超音波振動を加える医療用処置具に用いられる形状は、一体成形可能である形状であれば、すべて採用することができる。
また、上記第2および第3の実施形態の説明では、中空管路52fが、振動出力部52Cの先端側に開口する場合の例で説明したが、中空管路52fは、先端部側面2d(カバー64を有する場合には、カバー64から延出された先端部側面2d)に開口する構成としてもよい。
また、上記第2および第3の実施形態では、カバー64が、コイル3、振動発生部52A、振動増幅部52B、および振動出力部52Cを覆う場合の例で説明したが、カバー64は、振動子本体52において適宜の外周部を覆う構成とすることができる。例えば、コイル3が巻き回された部分のみを覆う構成としてもよい。
また、上記第3の実施形態の説明では、カバー64と振動子本体52とを接着剤等の接合部65で接合する場合の例で説明したが、接合部65は弾性材料や振動吸収材などを介して、振動子本体52の振動がカバー64に伝達しにくくなるように、柔構造で接合してもよい。この場合、カバー64を手で持つ場合など、振動が伝わりにくくなるため持ちやすくなる。また、振動子本体52の振動が、カバー64に伝達しにくくなるため、騒音の発生を抑制できる。さらに、振動出力部52Cに効率よく振動出力を行うことができる。
また、上記第3の実施形態の説明では、カバー64をカバー底部64a側で振動子本体52と接合する場合の例で説明したが、カバー64の先端開口部64dを先端部側面2dに固定してもよい。この場合、先端部側面2dにおいて、超音波振動の節になる部分に固定することが好ましい。
また、上記の第3の実施形態の第5変形例および第4の実施形態の説明では、絶縁体部74、84が、絶縁体であってかつ生体適合性を有する材料からなる場合の例で説明したが、被加振体が生体であっても振動出力部が電気絶縁性を備える必要がない場合には、これらの絶縁体部74、84に代えて、生体適合性を有する導体材料を設けた構成としてもよい。
また、上記第3および第4の実施形態の説明では、超音波振動子61、71、81を医療用超音波機器60、70、80に用いた場合の例で説明したが、上記各実施形態および各変形例で説明した超音波振動子は、すべて、医療用超音波機器以外の超音波機器として用いることが可能である。このような超音波機器の例としては、例えば、超音波洗浄機、水中音響探信機、およびワイヤボンディング機などを挙げることができる。
また、上記の各実施形態、各変形例で説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記に説明したすべての超音波振動子は、いずれも医療用超音波機器や超音波機器の超音波振動子として用いることが可能である。
1、11、21、31、41、51、61、71 超音波振動子
2、12、22、32、42、52 振動子本体
2A、52A 振動発生部
2B、52B 振動増幅部
2C、12C、22C、32C、52C 振動出力部
2d、12d、32d 先端部側面
2e、12e、22e 先端面
3 コイル(交流磁界印加部)
22f 板状部
32e 先端面
42e 振動出力面
52e 先端面
52f 中空管路
60、70、80 医療用超音波機器
64 カバー(絶縁体部)
66、86 コントローラ
74、84 絶縁体部
84a 端面

Claims (7)

  1. 交流磁界の印加によって超音波振動が発生する振動発生部と、該振動発生部で発生した前記超音波振動を出力する振動出力部と、前記振動発生部と前記振動出力部との間に形成され前記超音波振動の伝達路の大きさを変化させることにより前記超音波振動を増幅する振動増幅部と、を有し、温度幅20K以上のガラス遷移領域を有するとともに磁歪特性を有する非晶質合金によって一体成形された振動子本体と、
    該振動子本体の前記振動発生部に前記交流磁界を印加する交流磁界印加部と、
    を備える超音波振動子。
  2. 前記振動増幅部は、
    テーパ面により前記伝達路の大きさが変化している
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
  3. 前記振動子本体および前記交流磁界印加部の少なくともいずれかを覆う絶縁体部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波振動子。
  4. 前記絶縁体部は、生体適合性を有する材料からなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波振動子。
  5. 前記振動子本体の前記振動出力部は、
    生体適合性を有する材料からなる絶縁体部で覆われた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波振動子。
  6. 前記振動子本体は、
    前記振動出力部の近傍に開口を有する中空管路を内部に備える
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波振動子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波振動子を備える医療用超音波機器。
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