JP5747803B2 - 低温靭性と穴拡げ性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

低温靭性と穴拡げ性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板及びその製造方法に関するものである。
近年、自動車燃費向上などのため、車体の軽量化を目的に高強度鋼板を足回り部品に適用することが進められている。また、衝突安全性の法規制の強化から、これまで低強度の鋼板しか用いることができなかった複雑形状を有する部品まで高強度鋼板を適用しようとするニーズがある。しかしながら、一般に鋼板は高強度になるほど延性が低下して成形性が劣化するため、複雑形状を有する部材へ高強度鋼板を適用するにあたっては、成形性と高強度の両方を満足する鋼板を製造する必要がある。特に、自動車足回り部品では熱延高強度鋼板を伸びフランジ成型するため、強度と伸びフランジ成型の指標となる打抜き穴拡げ性が重要となる。鋼板の打抜き穴拡げ性については、ISO16630で規定されている評価方法によって評価することができる。
特許文献1においては、「Ar3点+100℃」以下の温度で仕上圧延を行った直後に「Ar3−100℃」までの平均冷却速度を400℃/s以上にし、フェライト粒を極めて微細化するとともに<111>集合組織を強く残すことにより、延性及び伸びフランジ性を改善し、強度の面内異方性を改善するとしている。しかし、Ar3点+100℃以下の温度で仕上圧延するとオーステナイトの再結晶が十分に進行せず、フェライト組織がバンド状になったり、未再結晶オーステナイトからの変態による集合組織が残存し、機械特性の異方性を改善させるのには不十分である。
特許文献2では、B添加した上で熱間圧延の仕上げ温度を高温化することで圧延集合組織を抑制し、かつ圧延集合組織を持ったコロニーを微細化し、ランアウトテーブルにてB量により定まる下限冷却速度以上で急冷却を行うことにより、オーステナイトの再結晶を促進し、圧延集合組織の{110}面強度を低下させ、介在物やフェライト結晶粒の伸張を抑制し、穴拡げ性に優れ、ばらつきを抑える方法が提案されている。
また、同じく鋼板の高強度化を図りつつ穴拡げ性を向上させる技術としては、例えば、特許文献3には、フェライト、ベイナイト等の鋼組織の分率や、フェライト組織中の析出物を最適化することにより強度と穴拡げ性のバランスを改善する技術が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載のものは穴拡げ値が十分とは言えず、十分な強度、穴拡げ性バランスを有しているとは言い難いものであった。それに対し特許文献4において、熱延鋼板の穴拡げ性に対しては、圧延面と平行な{211}面のX線ランダム強度比を低くすると、Vを必須元素とすることと相まって、穴拡げ性を改善できることを見出し、この{211}面のX線ランダム強度比は熱間圧延工程における仕上げ圧延終了温度が高温であるほど、低減することをも見出した。
特許文献5には、仕上圧延機後段の1又は2以上のスタンド間で被圧延鋼材を水冷却し、前記水冷却を実施する位置よりも下流側のスタンドの圧延ロールを開放し、当該圧延ロールのロールギャップを狙い板厚に7mmを加えた値以下とし、仕上圧延機の最下流スタンドの出側において、当該最下流スタンドから漏出した板上水を除去する熱延鋼板の製造方法が開示されている。
特開2004−137565号公報 特開2009−24226号公報 特開2004−339606号公報 特開2010−90476号公報 特開2009−241113号公報
特許文献2、4に記載の発明は、鋼板の高強度化と穴拡げ性の向上を実現することを可能にしたものの、逆に低温靭性が劣化し、吸収エネルギーが低下してしまい、自動車部品が寒冷地などで使用される際に不安が残ってしまうことがわかった。
本発明は、穴拡げ性に優れるとともに、低温靭性にも優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.021〜0.05%、Si:0.01〜1.5%、Mn:1.05〜2.0%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.05%、N:0.01%以下、Ti:0.01〜0.20%を含み、残部はFe及び不可避不純物からなり、延性脆性遷移温度が−50℃以下であり、圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比が2.5以下であることを特徴とする低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板。
(2)さらに質量%で、Nb:0.001〜0.06%、B:0.0005〜0.003%、Ca:0.0005〜0.003%の1種類以上を含むことを特徴とする(1)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板。
(3)上記(1)又は(2)に記載の化学組成を有する鋳片を1200℃以上に加熱した後、粗圧延を行い、最終仕上圧延を960℃以上で行い、最終仕上圧延終了後1.0秒以内に80℃/秒以上の冷却速度で冷却を開始し、最終仕上圧延温度より50〜200℃低い温度まで前記冷却を継続し、450〜600℃で巻き取ることを特徴とする(1)又は(2)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
(4)表面にZnめっき層またはFe―Zn合金めっき層を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板。
(5)巻き取り後、酸洗によりスケールを除去し、Znめっきを施してZnめっき層を形成することを特徴とする(3)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
(6)巻き取り後、酸洗によりスケールを除去し、還元雰囲気中で500℃以上、650℃以下に加熱し、表面を活性化し、めっき浴への侵入時の温度を420℃以上、500℃以下とし、浴温430℃以上、490℃以下の溶融Zn浴に浸漬し、ガスワイピングによりZnめっき付着量を調整することを特徴とする(3)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
(7)巻き取り後、酸洗によりスケールを除去し、Niめっきを電解により0.05g/m2以上、3g/m2以下施し、還元雰囲気中で420℃以上、650℃以下に加熱し、表面を活性化し、めっき浴への侵入時の温度を420℃以上、500℃以下とし、浴温430℃以上、490℃以下の溶融Zn浴に浸漬し、ガスワイピングによりZnめっき付着量を調整することを特徴とする(3)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
(8)ガスワイピング後、500℃以上、650℃以下で加熱してFe―Zn合金めっき層を形成することを特徴とする(6)又は(7)に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。

本発明は、引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板において、仕上圧延温度を高温化して鋼板の集合組織をランダム化することによって穴拡げ性を良好に保持するとともに、仕上圧延終了後1.0秒以内に急速冷却を開始することによって結晶粒を微細化し、良好な低温靭性を併せて実現することが可能となる。
本発明は、引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板を対象とする。そして、ISO16630で規定されている鋼板の打抜き穴拡げ率:λ(%)と鋼板の引張強度:TS(MPa)との関係が、TS×λ≧90000となるような高い穴拡げ性を具備する鋼板を対象とする。このような高強度鋼板において穴拡げ性の向上を実現するためには、特許文献4に記載のように、圧延面と平行な{211}面のX線ランダム強度比を下げることが効果的である。しかしながら、穴拡げ性を改善させるメカニズムとしては圧延面と平行な{211}面のランダム強度比だけでなく、厳密には{211}面の中でも圧延方向が<011>に平行になる{211}<011>方位のX線ランダム強度比を低下させることが必要であることを見出した。具体的には、本発明が対象とする引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板においては、上記X線ランダム強度比を2.5以下とすることにより、良好な穴拡げ性を実現できる。そして熱間圧延工程における最終仕上圧延温度を960℃以上と高温化とすることによってオーステナイトの再結晶を促進させ、必要とするX線ランダム強度比を得ることができる。
一方、最終仕上圧延温度を高温化した結果として、穴拡げ性が改善される一方、結晶粒の粗大化を招き、低温靭性が悪化するという現象が見られた。一般に仕上圧延後に鋼板を急冷することによって結晶粒を微細化することが可能であるが、本発明は最終仕上圧延温度が960℃以上と高温であるため、熱間圧延ラインのランアウトテーブルで水冷することによって鋼板を急冷却しても、低温靭性を改善するに足りるほどの結晶粒微細化を実現することはできなかった。
本発明においては、最終仕上圧延終了後1.0秒以内に急冷却を開始することにより、この問題を解決した。即ち、引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板において、最終仕上圧延温度が960℃以上と高温であっても、最終仕上圧延終了後1.0秒以内に急冷却を開始することにより、結晶粒を微細化することが可能となり、それによって低温靭性を改善し、延性脆性遷移温度を−50℃以下とすることが可能となったのである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の鋼板の成分組成について説明する。
Cは0.05%超含有していると炭化物の生成により加工性が劣化するので、0.05%以下とする。また、0.001%未満であると強度が低下するので、0.001%以上、好ましくは0.05%以上とする。
Siは予備脱酸に必要な元素であるとともに、固溶強化元素として強度上昇に有効である。目的の強度を得るためには、0.01%以上含有する必要がある。しかし、1.5%超とした場合、変態点が過度に高温となるため、本発明に必要な圧延温度の確保が困難となるため、その上限は1.5%とする。
Mnは固溶強化元素として強度上昇に有効である。目的の強度を得るためには0.01%以上必要である。また、Mn以外にSによる熱間割れの発生を抑制するTiなどの元素が十分に添加されない場合には、質量%でMn/S>20となるMn量を添加することが望ましい。一方、2.0%超添加するとスラブ割れを生ずるため、2.0%以下とする。
Pは不可避的に含有される不純物元素であり、低いほど望ましく、0.1%超含有すると加工性や溶接性に悪影響を及ぼすとともに、疲労特性も低下させるので、0.1%以下とする。しかし、厳しい成形をうけ、また疲労特性も要求される自動車足回り部品に用いられるため、実使用されるためには、Pは好ましくは0.02%以下とする必要がある。
SはPと同様に不可避的に含有される不純物元素であり、多すぎるとMnS等の粗大な介在物となって成形性を劣化させるので、0.01%以下とする必要がある。厳しい加工を受ける部品用途で、厳しい成形に耐えうる材質とするためには、0.005%以下とすることが好ましい。
Alは溶綱の脱酸に必要な元素であるので、その効果を得るには0.005%以上含有させる必要がある。しかし、過剰に添加すると、変態点を極度に上昇させ、本発明に必要な圧延温度の確保が困難となるため、その上限は0.05%とする。
NはCよりも高温にてTiおよびNbと析出物を形成し、Cを固定するのに有効なTi及びBを減少させるばかりでなく、穴拡げ率のばらつきを増大させる大きなサイズのTi窒化物を形成する。したがって極力低減させるべきであるが、0.01%以下ならば許容できる範囲である。しかし、過多にあると、粗大なTiとの析出物が析出するので0.005%以下とすることが好ましい。
Tiは本発明における最も重要な元素のひとつである。すなわち、Tiは析出効果により鋼板の強度上昇に寄与するだけでなく、TiSの析出によりMnSなどの延伸介在物を無害化し、低温靭性や穴拡げ性を向上させることができる。ただし、0.01%未満ではこの効果が不十分であり、0.2%超含有してもその効果が飽和するだけでなく合金コストの上昇を招く。したがって、Tiの含有量は0.01%以上、0.2%以下とする。
Nbは本発明において、析出強化により強度をえる重要な元素のひとつであり、添加することが好ましい。しかし、Nbの含有量が0.001%未満では十分な強度増加の効果は得られず、一方、0.06%超ではその効果は飽和する。以上の理由から、Nbの含有量は、0.001%以上、0.06%以下とする。
Bは必要に応じて添加することにより粒界強度を増加させ、靭性を向上させることができる。Bの含有量が0.0005%未満では十分な靭性向上効果は得られず、一方、0.003%より多く添加してもその効果は飽和するので、Bの添加量は0.0005%以上、0.003%以下とする。
Caは必要に応じて添加することにより、溶鋼脱酸に微細な酸化物を多数分散させ、組織微細化のために好適な元素であるとともに、溶鋼の脱硫のために鋼中Sを球形のCaSとして固定し、MnSなどの延伸介在物の生成を抑制して穴拡げ性を向上させる元素である。これらの効果は添加量が0.0005%から得られるが、0.003%で飽和するため、Caの含有量は0.0005%以上、0.003%以下とする。
次に、本発明の鋼板の結晶組織について説明する。
本発明の鋼板は、圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比が2.5以下であることが必要である。X線ランダム強度比とは、X線回折測定において、ランダムな方位分布をもつ粉末試料のX線強度に対する、測定対象である熱延鋼板試料のX線強度の強度比である。熱延鋼板中においては、圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比が大きいほど穴拡げ性が劣化する。当該X線ランダム強度比が2.5以下であれば、ISO16630で規定する穴拡げ率:λ(%)と鋼板の引張強度:TS(MPa)との関係として、TS×λ≧90000を実現することができる。
X線ランダム強度比は、適切なX線管球を用いたディフラクトメーター法等を用いて圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線回折強度の測定を行い、ランダムサンプルの回折強度との比較により測定するものとする。X線回折による測定が困難な場合には、EBSD(Electron Back Scattering Diffraction Pattern)法を用いて、ピクセルの測定間隔が平均粒径の1/5以下で、結晶粒が5000個以上測定できる領域で測定し、極点図またはODF(Orientation Distribution Function)の分布からランダム強度比を測定してもよい。
熱延鋼板においては圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比が高いことにより鋼材の異方性が大きくなる。特に、圧延方向、圧延方向に対して45°方向並びに90°方向(板幅方向)の塑性歪比(r値)をそれぞれr0、r45、r90と定義すると、この場合においてはr0とr45及びr90との差が大きくなるうえ、r90が大きく低下することになる。これにより穴拡げ成形時に、板幅方向に引張歪を受ける圧延方向端面において板厚減少が大きくなり、端面に高い応力が発生して亀裂が発生、伝播しやすくなる。このため、圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比が高い場合に穴拡げ率が劣化すると考えられる。
また本発明の鋼板は、延性脆性遷移温度が−50℃以下であることを特徴とする。鋼板の結晶粒を微細化し、平均結晶粒径を7.0μm以下とすることにより、延性脆性遷移温度を−50℃以下とすることができる。平均粒径とは、板厚の1/4の深さの部位でEBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)法を用いて、ピクセルの測定間隔が平均粒径の1/5以下で、結晶粒が1000個以上測定できる領域で測定し、隣接するピクセル間の結晶方位の角度差が5度以上の場合を粒界とみなしたとき、結晶粒と同じ面積の円の直径で粒径を示し、Area Fraction法により平均値を算出したものである。
本発明の鋼板は、表面にZnめっき層、またはFe―Zn合金めっき層を有していても良い。Znめっき層は電解により形成した、純Znに近いものでも、溶融したZn浴に浸漬して形成した、Alが0.1〜0.5質量%含まれたものでもよく、Fe―Zn合金層は、溶融したZn浴に浸漬後、加熱して、Feをめっき層中に拡散させることで、Feが7〜15質量含まれたものでも良い。
本発明の高強度熱延鋼板の製造方法について説明する。
上記本発明の化学組成を有する鋳片を熱間圧延するに際し、まず鋳片を1200℃以上に加熱する。1200℃未満で鋳片等を加熱した場合に、TiやNbを含む析出物がスラブ中に十分に溶解せずに粗大化し、TiやNbの析出物による析出強化能が得られなくなることに加え、これらが鋼材中に粗大な析出物として最後まで残留するため穴拡げ性を劣化させるためである。
鋳片の加熱後、粗圧延を行い、さらに仕上圧延を行う。本発明においては、{211}<011>方位のX線ランダム強度比を増加させる原因となる未再結晶状態の圧延集合組織が残存するのを避けるため、最終仕上圧延を960℃以上で行う。仕上げ圧延終了温度の上限は、本発明の効果を得るためには特に定める必要はないが、操業上スケール疵が発生する可能性があるため、1050℃以下とすることが好ましい。{211}<011>方位のX線ランダム強度比は、熱間圧延工程における終了仕上圧延温度が高温であるほど低減することがわかっている。{211}<011>方位のX線ランダム強度比は、熱間圧延後において、再結晶を発生させずに鋼板中に圧延歪みが蓄積された場合に増大することが知られている。このことから、仕上げ圧延終了温度が高温である場合、仕上げ圧延終了後における再結晶を促進することになり、これによって、{211}<011>方位のX線ランダム強度比が低減されると考えられる。
最終仕上圧延が終了した後、1.0秒以内に80℃/秒以上の冷却速度で冷却を開始し、最終仕上圧延温度より50〜200℃低い温度まで前記冷却を継続する。本発明においては最終仕上圧延温度を960℃以上という高温で行うため、仕上圧延終了後に1.0秒超の時間が経過した後に急冷却を始めたのでは、結晶粒を十分に細粒化することができない。最終仕上圧延が終了した後1.0秒以内に急冷却を始めることによってのみ、低温靭性を改善するために必要な結晶粒の微細化を実現することができる。
従来、熱間圧延終了後の鋼板を急冷する際には、ランアウトテーブルでの水冷によって行っていた。仕上圧延機出口付近の下流側には、鋼板の厚さ計、幅計及び温度計が設置されており、これら計測器によって圧延された鋼板の板厚及び板幅などの寸法と鋼板温度とを制御し、品質管理を行う。ランアウトテーブルはこれら計測器のさらに下流側に設けられており、仕上圧延機からランアウトテーブルまでは12m程度の距離があるので、鋼板がこの間を移動するのに1.2秒程度の時間を要し、最終仕上圧延終了後1.0秒以内に急冷却を開始することは不可能であった。仕上圧延機の出口直後で鋼板を水冷しようとすると、仕上圧延機出口付近に設けられた上記計測器での計測が不可能になる。一方、特許文献5には、仕上圧延機後段の1又は2以上のスタンド間で被圧延鋼材を水冷却し、前記水冷却を実施する位置よりも下流側のスタンドの圧延ロールを開放し、当該圧延ロールのロールギャップを狙い板厚に7mmを加えた値以下とし、仕上圧延機の最下流スタンドの出側において、当該最下流スタンドから漏出した板上水を除去する熱延鋼板の製造方法が開示されている。最終仕上圧延を終えた後のスタンド間で水冷却するので、最終仕上圧延後極めて短時間経過後に急冷却を開始することができる。また、仕上圧延機の最下流スタンドの出側において、当該最下流スタンドから漏出した板上水を除去するので仕上圧延機下流側の計測器群に悪影響を及ぼすことがない。このような熱間圧延方法を採用することにより、最終仕上圧延が終了した後1.0秒以内に急冷却を開始することが可能となる。
本発明では最終仕上圧延終了後1.0秒以内に急冷却を開始するとともに、急冷却は80℃/秒以上の冷却速度で冷却を行い、最終仕上圧延温度より50〜200℃低い温度まで前記冷却を継続する。冷却速度が遅すぎると、オーステナイト再結晶後の組織を凍結できず、冷却中も粒成長してしまうが、冷却速度が80℃/秒以上であればこのような問題が発生することがない。また、急冷却を終了する温度が高すぎると圧延直後も粒成長可能な高温域にさらされるため、粗大粒が形成され、靭性値が悪化し、逆に急冷却を終了する温度が低すぎると、変態点も急速に過ぎるため、硬質相が形成され優れた穴拡げ性が得られない。急冷却を終了する温度が最終仕上圧延温度より50〜200℃低い温度の範囲であれば、これらの問題が発生することがない。
上記急冷却を終了した後は通常のランアウトテーブルで冷却を行い、鋼板温度450〜600℃で鋼板を巻き取る。本発明においては、Ti析出物の形態を制御することによって高強度化を実現するものであり、巻取り温度を600℃以下とすることにより高強度化を実現することができる。なお、巻取り温度が低すぎると析出物の生成が進行せず、十分な強度上昇が得られないが、巻取り温度を450℃以上とすることにより好適に製造することができる。
表面にZnめっき層またはFe―Zn合金めっき層を形成する場合、公知の方法でめっきすることができる。たとえば、Znめっき層を形成するのであれば、巻き取り、常温まで冷却後、酸洗してスケールを除去し、硫酸浴中で電解してめっきしても良いし、Alを0.1〜0.5質量%含んだ溶融亜鉛めっき浴に浸漬してめっきしても良い。
溶融亜鉛めっき浴に浸漬することでめっき層を形成する場合、めっきの濡れ性を確保するため、一般に、酸洗によりスケールを除去した板を還元雰囲気で加熱して、表面を活性化した後に溶融亜鉛めっき浴に浸漬する。その際、母材の材質を担保したまま、Znめっきするためには、還元雰囲気での加熱を650℃以下としなくてはいけない。一方、その温度が500℃未満では、十分な濡れが確保できないので、500℃以上としなくてはいけない。
また、酸洗によるスケール除去後、Niめっきを電解により施す場合は、還元雰囲気で、溶融亜鉛めっき浴温付近まで加熱して、溶融亜鉛めっき浴に浸漬することで、濡れ性を確保することができる。この際、Niめっき量が0.05g/m2未満だと、十分な濡れ性の確保が難しい。また、3g/m2を超えると、濡れ性向上の効果が飽和してしまう。そのため、Niめっき量は0.05g/m2以上、3g/m2以下が好ましい。
Niめっき後の加熱は420℃以上とし、Niめっきが無い場合と同様に650℃を超えると母材の材質が担保できなくなってしまうため、650℃以下に保つと良い。
浴に浸漬する際、Znの融点より鋼板の温度が低いと、浴面が瞬間的に凝固し、均一な外観が得られなくなってしまうため、めっき浴に浸漬する瞬間に、鋼板の温度が420℃以上であることが好ましい。また、500℃を超えた温度で浸漬すると、めっき浴中で合金化反応が進行し、めっき密着性が低下するため、浸漬する瞬間に、鋼板の温度が500℃以下であることが好ましい。
めっき浴の浴温は、430℃未満だとZnの融点に近いため、外気に触れる部分が凝固する可能性があり、安定して製造し難い。そのため、めっき浴温は430℃以上であることが好ましい。鋼板がめっき浴に浸漬されている間、鋼板はめっき浴温に保たれるため、侵入板温より浴中合金化への影響が大きく、めっき浴温が490℃を超えると、浴中合金化が進行し易くなる。浴中合金化が進行してしまうと、めっき密着性が低下するため、めっき浴温は490℃以下であることが好ましい。
溶融したZn浴に浸漬後、加熱して、FeをZnめっき層中に拡散させることでFe−Zn合金めっき層を形成する合金化溶融亜鉛めっきでは、亜鉛めっき層中へのFe拡散量が7〜15質量%であることが好ましいとされている。それに必要な合金化条件は鋼板の成分、結晶粒径や、めっき浴中のAl濃度などの条件により異なるが、500℃未満の加熱では、合金化に長い時間を要するため、生産性を考えると500℃以上が好ましい。また、650℃を超えた温度で加熱すると、母材の材質が変化してしまうため、加熱温度は650℃以下としなくてはいけない。加熱時間は4秒未満では、均一に合金化するのが難しいため、4秒以上が好ましい。また、60秒を超える加熱は連続鋼板ラインでの生産性を考えると現実的でないため、60秒以下が好ましい。
(実施例1)
表1に示す成分を含有する鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造にて厚み230mmの鋳片とした。その後、鋳片を1250〜1280℃の温度に加熱し、連続熱間圧延装置によって粗圧延、仕上圧延を行い、所定の条件で水冷冷却し、その後放冷の後に巻き取りを行い、熱延鋼板を製造した。表2には、用いた鋼種記号と熱間圧延条件、鋼板の板厚を示す。表2において、「仕上温度」は最終仕上圧延終了温度、「冷却開始時間」は仕上圧延を終了してから水冷冷却を開始するまでの時間、「冷却速度」は当該水冷冷却の平均冷却速度であり、「冷却量」は当該水冷冷却の冷却終了時鋼板温度と最終仕上圧延終了温度との差を意味する。「CT」は巻取温度である。
連続熱間圧延装置の仕上圧延機は合計6基のスタンドを有し、そのうち上流から4基目のスタンドにて圧下率40%で仕上圧延を完了する。表2において冷却開始時間が1.2秒以上の比較例についてはランアウトテーブルにおいて水冷冷却を行った。「冷却開始時間」が0.7秒以下の水準については上流から5基目と6基目のスタンド間で水冷冷却を行い、0.2秒以下の水準については4基目と5基目、および5基目と6基目のスタンド間で水冷冷却を行った。また、冷却開始時間が0.2秒以下の中で、番号23,24,25,26の水準では上流から5基目で圧下率30%で仕上圧延を終了し、上流から5基目と6基目のスタンド間で水冷冷却を行った。
鋼板の引張試験については、鋼板の幅方向(C方向)にJIS5号試験片を採取し、降伏強度:YP(MPa)、引張強度:TS(MPa)、伸び:EL(%)を評価した。ランクフォード値(r値)については、圧延方向に対して0°方向、45°方向、90°方向(板幅方向)の塑性歪比(r値)をそれぞれr0、r45、r90とし、さらに下記式に基づいてΔrを評価した。
Δr=(r0+r90−2×r45)/2
延性脆性遷移温度の測定はJISZ2242で規定する2.5mmサブサイズのVノッチ試験片で、シャルピー衝撃試験を行い、脆性破面率が50%となる温度を延性脆性遷移温度とした。また、鋼板の最終板厚が2.5mm未満のものについては全厚で測定した。延性脆性遷移温度が−50℃以下であれば合格とした。
穴拡げ率:λ(%)については、ISO16630で規定する方法によって評価を行った。穴拡げ率:λ(%)と鋼板の引張強度:TS(MPa)との関係として、TS×λ≧90000を合格とした。
集合組織については、板厚の1/4部において圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比を評価した。EBSD(Electron Back Scattering Diffraction Pattern)法を用いて、ピクセルの測定間隔が平均粒径の1/5以下で、結晶粒が5000個以上測定できる領域で測定し、ODF(Orientation Distribution Function)の分布からランダム強度比2.5以下を合格とした。
鋼板の平均粒径については、平均粒径は板厚の1/4の深さの部位でEBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)法を用いて、ピクセルの測定間隔が平均粒径の1/5以下で、結晶粒が1000個以上測定できる領域で測定し、隣接するピクセル間の結晶方位の角度差が5度以上の場合を粒界とみなしたとき、結晶粒と同じ面積の円の直径で粒径を示し、Area Fraction法により平均値を算出した。
評価結果を表2に示す。本発明範囲から外れる数値についてアンダーラインを付している。
Figure 0005747803
Figure 0005747803
本発明例はいずれも、X線ランダム強度比が2.5以下であり、穴拡げ性の評価においてTS×λの数値が90000以上であって良好な穴拡げ性を実現することができた。また本発明例はいずれも、延性脆性遷移温度が−50℃以下であって良好な低温靭性を実現することができた。なお、本発明例は鋼板の結晶平均粒径がいずれも7.0μm以下であった。
また、本発明例はいずれも、製造方法について本発明の好ましい条件を満足しており、その結果としてX線ランダム強度比、結晶の平均粒径、延性脆性遷移温度として本発明の好ましい値を確保することができた。
比較例1、2、8、9、22は最終仕上圧延温度が960℃未満であり、X線ランダム強度比が2.5を超え、穴拡げ性の評価が不良であった。比較例1、2、6、10、12、15、18、20は最終仕上圧延温度が960℃以上であるとともに仕上圧延後の冷却条件が本発明範囲から外れており、延性脆性遷移温度が本発明範囲に入らなかった。
本発明例、比較例いずれも、鋼板中にTiを本発明の範囲で含有するとともに巻取温度が600℃以下であるため、引張強度が590MPa以上であり、本発明が対象とする高強度を実現していた。
なお、連続熱間圧延装置の仕上圧延機は合計6基のスタンドを有し、そのうち上流から4基目のスタンドにて仕上圧延を完了する際の4基目のスタンドの圧下率を30%としても、上記圧下率40%の場合と同等の引張試験値(YP,TS、EL)、集合組織、平均粒径、r値、Δr,穴拡げ率、シャルピー試験値(延性脆性遷移温度)の熱延鋼板が得られた。また、上流から5基目で仕上圧延を終了する際の5基目のスタンドの圧下率を20%、40%としても、前記圧下率30%の場合と同等の引張試験値(YP,TS、EL)、集合組織、平均粒径、r値、Δr,穴拡げ率、シャルピー試験値(延性脆性遷移温度)の熱延鋼板が得られた。
(実施例2)
実施例1に示した発明例の熱延鋼板に、次の二つの方法I、IIでめっき層を形成した。実施例1の発明例のどの熱延鋼板を用いたかを表3のめっき原板に示した。表3において、本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
方法I:熱延鋼板のスケールを酸洗除去し、直ちに乾燥させ、そのまま4%H2−N2雰囲気で表3の活性化条件に示した条件で加熱することで、鋼板表面を還元し、めっきの濡れ性を高めた。その鋼板を溶融した亜鉛めっき浴に浸漬し、ガスワイピングで付着量を調整した。
表3の活性化条件に示した加熱温度および保持時間は、次のように定義した。活性化処理中の最高到達温度と最高到達温度−20℃の間に保たれている状態を保持時間とし、保持時間中の平均温度を加熱温度としている。鋼板をめっき浴に侵入させる温度は、表3の侵入板温のように調整した。
方法II:熱延鋼板のスケールを酸洗除去し、直ちに乾燥させ、表3に示した量のNiめっきを電解により施した。その板を4%H2−N2雰囲気で加熱し、溶融した亜鉛めっき浴に浸漬し、ガスワイピングで付着量を調整した。本方法では、活性化処理中の加熱において、鋼板の温度が最高到達板温に到達後、20℃下がらないうちにめっき浴に浸漬する場合がある。その場合は、板温が最高到達板温から20℃下がらなくてもめっき浴に浸漬した時点で、保持を終了したとした。
方法I、IIでZnめっきした後、一部の鋼板については、表3の合金化条件に示した加熱条件により、合金化処理を施した。合金化条件における加熱温度および保持時間は、次のように定義した。合金処理中の最高到達温度と最高到達温度−20℃の間に保たれている状態を保持時間とし、保持時間中の平均温度を加熱温度とした。
表面にZn層またはFe−Zn合金層を形成したものについては、実施例1と同様の評価を行うと共に、不めっき部の有無を確認した。この評価で不めっきが無かったものは、高い耐食性を有することが期待される。
Figure 0005747803
表面にZnめっき層またはFe−Zn合金めっき層を形成したものについても、本発明例はいずれも、X線ランダム強度比が2.5以下であり、穴拡げ性の評価においてTS×λの数値が90000以上であって良好な穴拡げ性を実現することができた。また本発明例はいずれも、延性脆性遷移温度が−50℃以下であって良好な低温靭性を実現することができた。なお、本発明例は鋼板の結晶平均粒径がいずれも7.0μm以下であった。
また、本発明例はいずれも、製造方法について本発明の好ましい条件を満足しており、その結果としてX線ランダム強度比、結晶の平均粒径、延性脆性遷移温度として本発明の好ましい値を確保することができた。
また、いずれの発明例も不めっき無くめっきできており、高い耐食性を有する用途に好適である。
比較例28、32、35、42は、活性化条件の加熱温度が650℃を超えており、延性脆性遷移温度が−50℃超となるため不良だった。
比較例33、43は、合金化条件の加熱温度が650℃を超えており、延性脆性遷移温度が−50℃超となるため不良だった。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.021〜0.05%、Si:0.01〜1.5%、Mn:1.05〜2.0%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.005〜0.05%、N:0.01%以下、Ti:0.01〜0.20%を含み、残部はFe及び不可避不純物からなり、延性脆性遷移温度が−50℃以下であり、圧延面に平行で、圧延方向に平行な{211}<011>方位のX線ランダム強度比が2.5以下であることを特徴とする低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板。
  2. さらに質量%で、Nb:0.001〜0.06%、B:0.0005〜0.003%、Ca:0.0005〜0.003%の1種類以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板。
  3. 請求項1又は2に記載の化学組成を有する鋳片を1200℃以上に加熱した後、粗圧延を行い、最終仕上圧延を960℃以上で行い、最終仕上圧延終了後1.0秒以内に80℃/秒以上の冷却速度で冷却を開始し、最終仕上圧延温度より50〜200℃低い温度まで前記冷却を継続し、450〜600℃で巻き取ることを特徴とする請求項1又は2に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
  4. 表面にZnめっき層またはFe―Zn合金めっき層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板。
  5. 巻き取り後、酸洗によりスケールを除去し、Znめっきを施してZnめっき層を形成することを特徴とする請求項3に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
  6. 巻き取り後、酸洗によりスケールを除去し、還元雰囲気中で500℃以上、650℃以下に加熱し、表面を活性化し、めっき浴への侵入時の温度を420℃以上、500℃以下とし、浴温430℃以上、490℃以下の溶融Zn浴に浸漬し、ガスワイピングによりZnめっき付着量を調整することを特徴とする請求項3に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
  7. 巻き取り後、酸洗によりスケールを除去し、Niめっきを電解により0.05g/m2以上、3g/m2以下施し、還元雰囲気中で420℃以上、650℃以下に加熱し、表面を活性化し、めっき浴への侵入時の温度を420℃以上、500℃以下とし、浴温430℃以上、490℃以下の溶融Zn浴に浸漬し、ガスワイピングによりZnめっき付着量を調整することを特徴とする請求項3に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
  8. ガスワイピング後、500℃以上、650℃以下で加熱してFe―Zn合金めっき層を形成することを特徴とする請求項6又は7に記載の低温靭性と穴拡げ性に優れた引張強度590MPa以上の高強度熱延鋼板の製造方法。
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