JP5746845B2 - 冷解凍耐性に優れた求肥ブロック - Google Patents

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Description

本発明は求肥ブロックとその製造方法に関するものであり、とりわけ、冷解凍耐性に優れた求肥ブロックとその製造方法に関する。
穀類を主体とし、砂糖や他の甘味料を主原料とする和菓子は、ヒトの嗜好性を満たす目的で古くから食されており、蒸す、焼く、練る、流すなど作業工程に大きな特徴があることから、これらの作業工程を取り入れて、蒸し菓子、焼き菓子、練り菓子、流し菓子などに区分されている(例えば、『菓子の辞典』、196乃至197頁、株式会社朝倉書店発行(2000年発行)参照)。餅状食品の一種である求肥は、練り菓子に区分されており、モチ米から製造されるモチ粉、白玉粉などの澱粉質を糊化して製造され、砂糖などの糖質を含んでいるので適度の甘味を有し、特有の弾性、柔らかさ・伸びを有している。求肥は、ウルチ米の粉を用いる団子、ワラビ粉を用いるワラビ餅やモチ米を用いる餅などの蒸し菓子が短期間で硬くなるのに比べると常温保存で日持ちがよく、従来より、単独、あるいは表面にキナコや胡麻などといったタレ類を塗布したり、中に餡類といった「具材」を封入し常温環境下で喫食されてきた。食文化が多様化するにしたがって、近年、求肥を冷凍・冷蔵温度域で喫食したり、あるいは冷凍・冷蔵域で保存した後に常温にもどし喫食したりするようになってきた。その形態も、薄く展延し具を挟んだり、包んだりとその用いられ方が多岐に渡り、さらに組合せる具材にしても餡類にとどまらず、チーズやクリームといった耐熱保型性や甘味度が低いものとの組合せも多くなってきており、各種餅状食品の製造用生地として、求肥には大きな需要がある。
しかし、従来の求肥は水分の保持能力が低く常温及び冷蔵や冷凍温度環境下で、開放系で放置されると水分を失って硬化、ひび割れしたり、糊化澱粉質が老化し展延性が失われてしまう。特に、冷蔵温度域での保存時、あるいは冷凍や冷蔵温度域から室温にもどす工程を反復する状態での求肥の老化を防止することはできなかった。また、具材と求肥を用いて組合せ作業をする際、従来の求肥が本来の柔軟性、可塑性、展延性を発揮するためには、ある程度の高温域で、特に35℃を超える温度域で作業する必要があった。しかし、具材はその求肥の作業適性である高温域において常に好適な作業性を示すものばかりとは限らず、特に最近は嗜好の変化や市場の要求に合わせて様々な具材や形態、さらには冷凍・冷蔵状態で保存・喫食を意図した餅状食品が増えてきており、斯かる食品の作業適性は、温度域が広く、従来の求肥では十分な対応ができなかった。
具体的には、求肥との組合せに供される具材(フィリング)としては様々なものがあり、中でも、高温域での作業が困難なものの一例としてクリーム類、チョコレート類、アイスクリームなどが挙げられる。従来の求肥はこれら高温域で耐性をもたない具材を用いた例えば包餡作業を適正にできる温度、例えば30℃以下、特に15℃以下まで温度を下げた場合、求肥は薄く延ばせない、あるいは均一な厚みにできない、ちぎれ、穴が開くといった問題が生じる。逆に、従来の求肥の作業適正温度で、例えば、35℃を越える高温域では、これに耐性をもたない具材を包餡作業に供すると、具材のボディが失われ、作業中に流動し、求肥からこぼれ落ちたり、十分に包餡されずはみ出したり、また菌が繁殖しやすくなり衛生上の問題が発生するなどの懸念がある。逆に、それらの具材に高温域での耐性を付与しようとすると、口溶けや風味といった具材のもつ本来の特徴を犠牲にせざるを得ず、商品価値の低いものしか得られないといった欠点があった。
さらに、求肥の物性は、季節、温度などの製造条件により大きく変化するので、求肥の製造には熟練した経験が必要であるにも関わらず、近年、和菓子店では後継者不足により技術の伝承が困難となり安定した求肥の製造ができなくなっている。一方、洋菓子店では、和の素材を取り込む志向が進んでいる。また、他業種からの和菓子業界への参入が年々進んでいる。しかしながら、何れの場合も新規参入者が好ましい物性の求肥を安定製造するには困難な場合が多く、さらには、中小の洋菓子メーカーでは求肥を製造するために必要な蒸し器すら保有していない施設も多い。
この問題を解決するために、求肥を用いて餅状食品を製造する際に、用時に解凍し用いることができるブロック状の冷凍求肥が市販されている。しかしながら、一度解凍した求肥ブロックは再凍結して保存できないためロスが発生しているのが現状である。これを改善するために、求肥に配合する糖類の種類や配合割合を特定することにより冷解凍耐性を向上させた求肥やその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照、)ものの、これらの求肥は依然として凍結、解凍を繰り返すと糊化澱粉質が老化し、硬化したり白濁するという不都合がある。
国際公開WO2005/09830号パンフレット 特開2002−272382号公報 特開平8−242784号公報
本発明は、餅状食品を製造するための原料生地としての求肥ブロック、とりわけ、冷解凍耐性に優れた求肥ブロックを提供すると共に、斯かる求肥ブロックを所望量、廉価に製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、糊化澱粉質、砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含んでなる求肥であって、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類を150乃至400質量部含有し、かつ、糖類として砂糖30乃至250質量部及びα,α−トレハロース45乃至250質量部と共に、マルトース45乃至250質量部及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロース10乃至250質量部を含有せしめることにより、その冷解凍耐性が有意に改善された求肥ブロックとし得ることを見出した。
さらに、本発明者は、糊化澱粉質、砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含んでなる求肥であって、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類を150乃至400質量部含有し、かつ、糖類として砂糖30乃至250質量部及びα,α−トレハロース45乃至250質量部と共に、マルトース45乃至250質量部及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロース10乃至250質量部を含有せしめる製造方法により従来の求肥ブロックよりも冷解凍耐性に優れた求肥ブロックを所望量、廉価に製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、糊化澱粉質、砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含んでなる求肥であって、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類を150乃至400質量部含有し、かつ、糖類として砂糖30乃至250質量部及びα,α−トレハロース45乃至250質量部と共に、マルトース45乃至250質量部及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロース10乃至250質量部を含有する求肥ブロックを提供することにより、上記課題を解決するものである。
さらに、本発明は、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類を150乃至400質量部含有し、かつ、糖類として砂糖40乃至250質量部及びα,α−トレハロース45乃至250質量部と共に、マルトース45乃至250質量部及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロース10乃至250質量部を含有せしめる求肥ブロックの製造方法を提供することにより、上記課題を解決するものである。
本発明の求肥ブロックは、商品価値を失うことなく冷解凍を繰り返し行うことができる。
本発明の求肥ブロックは、必要量だけ切り取り餅状食品を製造した後、残りは再度冷凍保存できるのでロスがなくなる。また、当該ブロックに分割予定溝を設けて、必要量だけの切り取りを容易にすることも有利に実施できる。
本発明の求肥ブロックは、既存の製造設備により一定の条件で製造できるので物性の安定した求肥ブロックを所望量、廉価に提供できる。
本発明の求肥ブロックは、5乃至10℃の低温状態でも硬化しないのでクリーム類や餡類などの具材を作業適性温度で包むことができる。
本発明の求肥ブロックは、従来の求肥よりも柔らかいにもかかわらず保型性に優れている。
本発明の求肥ブロックは、製菓製パン用オーブンや電子レンジで加熱できるので蒸し器がなくても餅状食品を製造することができ作業効率が向上する。
本発明の求肥ブロックは、生地が透明感のある薄い白色で、必要に応じ、適宜の色付けが簡単にできる。
本発明の求肥ブロックは、従来の求肥に比べ冷蔵、冷凍下でも粘弾性の低下や食感の劣化が少なく柔らかい口当たりを保つことができる。
本発明の求肥ブロックは、これを用いて製造した餅状食品が凍結解凍後も従来の餅状食品に比べ口溶けや風味に優れている。
本発明は、糊化澱粉質、砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含んでなる求肥であって、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類を150乃至400質量部を含有し、かつ、糖類として砂糖30乃至250質量部及びα,α−トレハロース45乃至250質量部と共に、マルトース45乃至250質量部及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロース10乃至250質量部を含有する求肥ブロックに関するものである。
以下、本発明の実施の形態について詳述するに、本発明の求肥ブロックは、冷凍、解凍を繰り返しても、糊化澱粉質の老化等による硬化や食感の劣化がなく、この求肥ブロックを用いて製造した餅状食品は良好な風味、食感を有し、かつ、冷解凍耐性に優れ、冷蔵あるいは冷凍保存時の低温(約−20℃)においても硬化せずに柔らかさを保ち、長期間冷凍しても変質し難い。
斯かる性質を有する本発明の求肥ブロックは、澱粉質に、糖類、水を加えて加熱、混練し澱粉を糊化させたもので、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類150乃至400質量部、より望ましくは150乃至260質量部の配合組成を有するものである。澱粉質に対する糖類の配合割合が低くすぎると求肥ブロックの冷解凍耐性が低下し、逆に、多過ぎるとダレて保型性が低下する。また、澱粉質に対する水の配合割合が低く過ぎると求肥の弾性が低下し、逆に、多すぎると保型性が低下する。
本発明でいう澱粉質とは、穀類、イモ類などの澱粉含有植物組織から常法により調製される澱粉高含有物であって、無水物換算で澱粉を約88質量%(以下、本明細書では特にことわらない限り質量%を「%」という)以上を含むものをいう。求肥に含まれる澱粉質の量は、常法により、求肥に含まれる澱粉量を測定し、澱粉質に含まれる澱粉の含有率(%)で除し、100倍して求めることができる。ちなみに、澱粉質に含まれる澱粉の含有率は、通常、無水物換算で、穀類を粉末化した穀類粉の場合、澱粉質の質量の90%前後であり、穀類やイモ類から製造した澱粉の場合は、通常、その質量の98%前後である(例えば、『五訂食品成分表、』、28乃至47頁、女子栄養大学出版部(2001年発行)参照)。本発明の求肥ブロックやその原料として用いる澱粉質に含まれる澱粉を定量する場合、例えば、無水物換算で2.5乃至3.0gに相当する求肥から、80容積%エタノールにより少糖類を完全に抽出した残留物を200mlの水に分散し、塩酸濃度2.5%とし、沸騰水中で2.5時間加熱する。冷却した後濾過した濾液を250mlとし、必要があればさらに脱イオン水で希釈しグルコースとして50乃至150μg/mlにした水溶液のグルコース量をソモギ法で定量し、得られる澱粉量から求めればよい(例えば、『加工食品の栄養成分分析法』、102乃至104頁、社団法人日本栄養食品協会発行(1986年)参照)。なお、脂質や蛋白成分を練り込んだ求肥や、脂質や蛋白成分を比較的多く含む澱粉質中の澱粉量を定量する場合は、少糖類の抽出処理に加え、クロロフォルム−メタノール混液等による脱脂や、リンタングステン酸やカレ試薬等による徐蛋白を行なう必要がある場合がある。
本発明で用いる澱粉質としては、通常、モチ澱粉を含むモチ澱粉質が用いられ、ウルチ澱粉を含むウルチ澱粉質を、澱粉質質量の30%程度まで併用することも可能である。通常、モチ澱粉質:ウルチ澱粉質が約1乃至0.7:0乃至0.3の質量比で構成されたものが用いられ、約1乃至0.9:0乃至0.1のものが望ましく、モチ澱粉質のみからなるものがより望ましい。ちなみに、後述する実験で示すように、ウルチ澱粉質を併用した場合、求肥特有の弾性、柔らかさ・伸びなどの物性は、求肥に含まれる澱粉のアミロースとアミロペクチンの含有量により有意に変動するので、求肥ブロック中のアミロペクチン含有量が、無水物換算で、求肥ブロックに含まれる澱粉量の94%以上、望ましくは97%以上、さらに望ましくは99%以上となるように、その配合量を調整する必要がある。求肥ブロック中のアミロペクチン含有量が、無水物換算で、求肥ブロックに含まれる澱粉の94%未満の場合には、冷凍耐性に欠けるだけでなく、求肥としての柔らかさ・伸びに欠ける場合があるので好ましくない。換言すれば、澱粉は、アミロースとアミロペクチンとで構成されているので、求肥ブロック中のアミロース含有量が、無水物換算で、求肥ブロックに含まれる澱粉量の6%未満、望ましくは3%未満、さらに望ましくは1%未満の場合には、冷凍耐性に優れ、求肥としての柔らかさ・伸びを持つ求肥ブロックが調製できることを意味している。
本発明で用いるモチ澱粉質とは、アミロペクチンのみからなるモチ種穀類由来の澱粉を含むものをいい、モチ米由来の澱粉質が好ましい。モチ米由来の澱粉質としては、例えば、モチ米澱粉、モチ粉、白玉粉、味甚粉、道明寺粉等を挙げることができる。また、モチ種植物、例えば、モチトウモロコシ、モチ小麦、モチキビ、モチアワ由来の澱粉質で、モチ米由来の澱粉質の一部或いは全部を適宜代替することができる。
本発明で用いるウルチ澱粉質とは、アミロースとアミロペクチンからなる澱粉を含むウルチ種植物由来の澱粉質をいい、ウルチ種植物、例えば、米、トウモロコシ、小麦などの種子のような地上組織に由来の澱粉質、馬鈴薯などの根茎、甘藷、キヤッサバ(タピオカ)、葛、蕨などの塊根のような地下組織由来の澱粉質を用いてもよい。さらには、アセチル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸化架橋澱粉、リン酸架橋澱粉などの加工澱粉を用いることもできる。ちなみに、これらのウルチ種植物由来の澱粉質のアミロペクチン含量は、通常、無水物換算で、澱粉量の75乃至85%程度である。
澱粉質やこれを用いて製造した求肥ブロックに含まれる澱粉のアミロペクチン及びアミロース含量は、上記澱粉の定量用に澱粉質や求肥から抽出した澱粉を用い、例えば、ヨウ素親和力測定法やヨウ素呈色比色法などの常法によりアミロースを定量し、別途、上記方法により澱粉をグルコースにまで加水分解した後、ソモギ法により求めたグルコース量から澱粉量を求め、アミロース量を減じてアミロペクチン量とする方法などの公知の方法により求めればよい(例えば、『生物化学実験法19 澱粉・関連糖質実験法』、89乃至94頁、学会出版センター発行(1986年)参照)。また、市販の分析用キット(例えば、日本バイオコン株式会社販売、商品名『アミロース/アミロペクチン測定キット』)を用いて測定してもよいし、財団法人日本食品分析センターなどの分析機関に依頼し測定してもよい。
本発明で用いる糖類としては、少なくとも、砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロースを必須の要件とし、無水物換算で澱粉質100質量部に対し糖類を合計150乃至400質量部、より望ましくは150乃至260質量部配合すればよい。これら3種類、望ましくは4種類の糖類以外の他の糖類を必要に応じさらに配合する場合には、これら3種類、望ましくは4種類の糖類の配合量の合計は、無水物換算で、糖類の合計の配合量から他の糖類の配合量を減じた範囲の量とすればよい。また、これら3種類、望ましくは4種類の糖類の個々の配合量は、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖15乃至250質量部、望ましくは45乃至200質量部及びα,α−トレハロース45乃至250質量部、望ましくは45乃至200質量部と共に、マルトース20乃至250質量部、望ましくは45乃至200質量部及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロース10乃至250質量部、望ましくは10乃至200質量部を配合すればよい。さらに、商品価値を失うことなくより優れた冷解凍耐性を求肥ブロックにもたせるためには、砂糖、α,α−トレハロース、マルトース及びα−マルトシルα,α−トレハロースを前記割合で配合すればよい。これらの糖類以外の他の糖類としては、転化糖、水飴、ブドウ糖、α−マルトシルα,α−トレハロース以外のα,α−トレハロース糖質誘導体等の還元糖や非還元糖、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール等を適宜用いることができる。本発明では、砂糖、α,α−トレハロース、マルトース及びα−マルトシルα,α−トレハロースを既述のような配合組成で用いることがポイントであり、砂糖及びα,α−トレハロースに加えて、マルトース及び/又はα−マルトシルα,α−トレハロースをこのように用いることにより、極めて冷解凍耐性に優れ、繰り返し凍結解凍を繰り返しても物性に殆ど変化がなく、食感の劣化がない風味、呈味の優れた求肥ブロックを得ることができる。
本発明の求肥ブロックの水分量としては、無水物換算で澱粉質100質量部に対し100乃至200質量部、望ましくは130乃至200質量部とすればよい。斯かる配合組成により、加熱糊化したとき求肥特有の適度の弾性、伸び、柔らかさを求肥ブロックにもたせることができる。澱粉質に対する水分量の配合量が少な過ぎると求肥の弾性が低下して食感が低下し、逆に、多過ぎると柔らか過ぎて保型性が低下する。ちなみに、糊化澱粉に適度の弾性、伸び、柔らかさを与えるために必要となる水分量は、糊化澱粉質に含まれるアミロースとアミロペクチンの割合に依存するので、実質的にアミローススを含んでいないか、或いは、アミロース含量が無水物換算で澱粉量の6%未満の澱粉質を用いる本発明の求肥ブロックにおいては、後述する実験に示すとおり、斯かる水分の配合割合が好適である。なお、本発明でいう水分量とは求肥ブロックの製造に用いる水及び水以外の原料に含まれる水分の総和をいい、結晶水などの化合水を含む。求肥ブロック中の水分量の定量は、常法に従って、カールフィシャー法により測定すればよい。
さらに、本発明では、求肥ブロックの「ダレ」防止、柔らかさや伸び調節のために、乳化剤若しくは増粘剤、又はそれらの双方を配合することができる。その配合量としては、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し増粘剤と乳化剤とを合計で0.01乃至0.5質量部、望ましくは0.02乃至0.25質量部配合すればよい。増粘剤としては、マンナン、プルランなどを例示することができ、取り扱いの容易さからはマンナンが望ましい。乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステル、レシチンなどを例示することができ、ダレ防止効果の強さの点ではグリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステルがより望ましく、グリセリン脂肪酸エステルが特に望ましい。
澱粉質、糖類及び水を前記質量比となるよう混合し、又は、混合しつつ、加熱し混練し澱粉を糊化させると共に糖類を完全に溶解した求肥に、さらに必要に応じ、着香料、着色料などを加えて混練し、無水物換算で、澱粉質100質量部、糖類150乃至400質量部、望ましくは150乃至260質量部で、かつ、無水物換算で澱粉質100質量部に対し水分量100乃至200質量部、望ましくは130乃至200質量部の配合からなる組成の求肥を製造する。なお、斯かる求肥の製造工程において、糖類の添加時期は、最初にすべての糖類を澱粉質及び水と混合し加熱して澱粉を糊化させてもよく、別々に添加してもよく、また、澱粉質に水を加え加熱し澱粉を糊化した後、1乃至数回に分けて加えてもよく、α−マルトシルα,α−トレハロース以外の糖類を先に添加し、次いでα−マルトシルα,α−トレハロースを生地に加え練り込むこともできる。α−マルトシルα,α−トレハロースを最後に添加するとその添加量を微調整することにより、求肥ブロックの柔らかさや伸びを容易に調節できるメリットがある。さらに、α−マルトシルα,α−トレハロースの添加量を調整することにより、求肥の粘弾性を減じ、絞り袋を用い押し出しながら成形することのできる求肥を調製することもできる。ちなみに、糖類は、粉末状で添加してもよく、あらかじ水に溶解し添加してもよい。また、α−マルトシルα,α−トレハロースは精製されたものを用いてもよく、既述の配合が達成できるのであればα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する市販のシラップ(例えば、株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、水分約27%、α−マルトシルα,α−トレハロース純度約53%)を用いてもよい。
澱粉質に糖類と水とを加え混合又は混合しつつ加熱し混練する方法としては、蒸練機やニーダー等による混合や製パン用のたて型ミキサーによる混合の他、良好に澱粉質、糖類、水を混合し得る手法、機器であれば特に何らの制限はなく、例えば、澱粉質、糖類、水を混合する工程を手で捏ねることも随意である。斯くして製造された求肥は使用目的や使用量により適宜の大きさの求肥ブロック成型用容器に展延し、そのままで、あるいは、室温乃至氷温(0℃前後)まで冷却し用いてもよく、冷却後ラッピングし用時まで冷蔵保存することもできる。長期間保存する場合は適宜の大きさの容器に展延した求肥を、常法により−20乃至−40℃の周囲温度により急速冷凍し、冷凍工程の途中乃至終了した後、必要に応じて当該ブロックに、例えば、V字乃至U字状の分割予定溝を設け、次いで、保存時の求肥ブロック表面の乾燥を防止するためにラッピングすることにより求肥ブロック製品とすればよい。この求肥ブロックは用時まで−20℃以下で保存すればよい。また、当該ブロックの切り取り、分割を容易にするために、分割予定溝を設ける際には、例えば、求肥ブロック1個が2乃至20kgのものであれば、分割して使用する質量をこれの1/2乃至1/100程度になるように、その溝を、例えば、単数又は複数の直線状に、あるいは、これが交叉する状態に設ければよい。このように分割予定溝を設けた求肥ブロックは、凍結状態又は半解凍状態でも、この溝に従って切り取り、分割が可能である。
上記のごとき方法により製造される本発明の求肥ブロックは糊化澱粉質を含んでいるにもかかわらず極めて冷解凍耐性に優れ、凍結解凍を繰り返しても物性に殆ど変化がなく、澱粉の老化による白濁化を起こさないので透明感のある薄い白色で、食感の劣化もない。また、周囲温度−20℃での凍結と4℃での解凍を3乃至5回繰り返した場合でも、後で詳述するクリープメーターを用いる測定方法により、品温4℃の求肥ブロックのブロック片の歪率が50%となるときの破断強度が0.05以上0.20N未満、特に望ましくは0.09乃至0.15Nの範囲の破断強度を維持することができるので、具材(フィリング)との組合せ作業を周囲温度5乃至15℃の低温環境下で行うこともできるし、着香料、着色料、調味料などを練り込むことで、求肥に着色や風味付すことも容易である。例えば、粉末よもぎ、粉末ハーブ、粉末ゆず、粉末胡椒、粉末シナモン・ニッキ、粉末ミルク、粉末チーズ、粉末味噌、黒糖、粉末酒、茶・紅茶・コーヒーの粉末やその抽出物の粉末、蜜漬けした果物、野菜のチップ、フルーツソース、フルーツパウダー、野菜パウダーなどを練り込むことも有利に実施できる。
本発明の求肥ブロックは和洋菓子類や冷菓類、例えば大福、イチゴ大福、紫芋大福、ガナッシュクリーム大福、カスタード大福、ショコラ餅、キャラメル餅、ウグイス餅、豆餅、求肥ロール、求肥クレープ、若鮎、どら焼き、最中、アイスクリーム、ラクトアイスクリーム、シャーベット、フローズンデザートなど餅状食品の製造に用いることができる。また、メレンゲを練り込むことで雪平等も容易にできる。さらに、嚥下食にも応用可能である。また、本発明の求肥ブロックはロールイン技法におけるロールイン油脂の様に、広く展延し折り込みパイのようにスイートドウに折り込んだり、さらには、クッキー等の間に挟み込むなどの形態で用いることも随意である。これに加え、本発明の求肥ブロックをパン生地に練り込み焼成することで、パンに餅様の物性(餅み)を付与することができる上、焼成したパンの物性を安定化することもできる。しかも、本発明の求肥ブロックは一定の固さに容易に調節できるので、本発明の求肥ブロックを用いることにより、求肥の製造ロット間の固さのバラツキに起因するパン生地の固さブレを容易に解消することができる。また、チーズ大福を製造する場合には、原料チーズにα、α―トレハロースを添加、混合して、これを常法に従って溶解乳化することによって、溶解塩の低減を可能にしたチーズ製品の包餡が容易となる。
以下、実験により本発明をさらに詳しく説明する。
なお、本実験及び後述の実施例における澱粉質に含まれているアミロペクチン及びアミロース含量の測定は、財団法人日本食品分析センターに依頼した。
<実験1>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす各種糖類配合の影響>
澱粉質、糖類、水を用い表1に示す配合量(水以外は無水物換算した質量部で表示)となるように求肥ブロックを調製し、各種糖類の配合による求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす影響を調べた。すなわち、澱粉質として餅粉(小城製粉株式会社販売、商品名『Gもちミックス粉』、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の99%含有)を用いた。この澱粉質に適量の水を加えて蒸練機に入れ13分蒸して糊化した生地とし、次いで加温しながら砂糖(市販のグラニュー糖)とα,α−トレハロース2含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)とを数回に分けて生地に練り込んだ。この生地を金属トレイに展延し、対照の求肥ブロック(被験試料1)を調製すると共に、当該生地にさらに、水飴(株式会社林原商事販売、商品名『酸糖化水飴』)、グルコース1含水結晶粉末(試薬級)、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原生物化学研究所調製、純度98%以上)、マルトテトラオース非晶質粉末(株式会社林原生物化学研究所調製、純度97%以上)、ソルビトール無水結晶粉末(試薬級)、マルチトール無水結晶粉末(株式会社林原生物化学研究所販売、試薬級、純度99%以上)、マルトテトライトール非晶質粉末(株式会社林原生物化学研究所調製、純度98%以上)、α−マルトシルα,α−トレハロース非晶質粉末(株式会社林原生物化学研究所調製、純度98%以上)の何れか1種を加えて生地に練り込み糖類を完全溶解し、金属製トレイに展延し各配合組成の求肥ブロック(被験試料2乃至9)1個を調製した。これらの求肥ブロックを、−80℃で急速冷凍し、保存中に表面が乾燥するのを防ぐため冷凍途中でラッピングし、冷凍求肥ブロックを調製した。これらの冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を調べるために、冷凍求肥ブロックを4℃の冷蔵庫内で解凍した。さらに、解凍した求肥ブロックを−20℃で再凍結し4℃の冷蔵庫内で解凍するサイクルを4回繰り返した。冷解凍耐性の判定は、各解凍後の被験試料を目視と蝕感により検査し、−80℃で急速冷凍する前の被験試料1の求肥ブロック(以下、「対照求肥ブロック」という。)と比較した。判定は冷凍求肥ブロックを最初に4℃の冷蔵庫で解凍したとき既に生地の透明感がなく(澱粉の老化による)ブロックが硬化している場合を冷解凍耐性なし(×)、解凍した冷凍求肥ブロックを、さらに凍結、解凍するサイクルが1回までは対照求肥ブロックとほぼ同じ生地の透明感と柔らかさとを維持していた場合を弱い冷解凍耐性あり(△)、凍結、解凍するサイクルが2回までは対照求肥ブロックとほぼ同じ生地の透明感と柔らかさとを維持していた場合を冷解凍耐性あり(○)、凍結、解凍するサイクルを3回乃至4回繰り返した後でも対照求肥ブロックとほぼ同じ生地の透明感と柔らかさとを維持していた場合を顕著な冷解凍耐性あり(◎)、とする4段階で評価した。結果を表1に併せて示す。なお、本明細書の実験で用いる水以外の各成分の配合量は無水物換算した数値で示す。また、各糖類の純度は試験に用いた標品の無水物換算での含量を百分率(%)で表する。
Figure 0005746845
表1から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖88質量部、α,α−トレハロース52質量部、マルトース30質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料4)、及び、澱粉質100質量部に対し砂糖88質量部、α,α−トレハロース52質量部、α−マルトシルα,α−トレハロース30質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料9)では優れた冷解凍耐性が認められた。砂糖88質量部、α,α−トレハロース52質量部に加えα−マルトシルα,α−トレハロース又はマルトース以外の糖類を配合した求肥ブロックは、被験試料1と同様に冷解凍耐性が認められなかった。この結果は、糖類として砂糖及びα,α−トレハロースに加え、α−マルトシルα,α−トレハロース又はマルトースを配合することにより求肥ブロックの冷解凍耐性を改善できることを示している。
<実験2>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼすマルトース配合量の影響1>
実験1においてマルトースの配合で冷解凍耐性の改善が認められたので、本実験では、冷解凍耐性を得ることのできるマルトースの配合量の範囲を調べた。すなわち、表2に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料10乃至18)1個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の被験試料10の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表2に併せて示す。
Figure 0005746845
表2から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖88質量部、α,α−トレハロース52質量部、マルトース21質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料12)では弱い冷解凍耐性が認められた。さらに、上記と同じ配合で、マルトース32質量部以上の求肥ブロック(被験試料13乃至18)では優れた冷解凍耐性が認められた。この結果は、無水物換算で、澱粉質100質量部に対しマルトースを32質量部以上配合した求肥ブロックは冷解凍を2回繰り返しても澱粉の老化による硬化が抑制され柔らかい状態が維持され冷解凍耐性に優れていることを物語っている。
<実験3>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼすα−マルトシルα,α−トレハロース配合量の影響1>
実験1においてα−マルトシルα,α−トレハロースの配合により冷解凍耐性の改善が認められたので、本実験では、冷解凍耐性を得ることのできるα−マルトシルα,α−トレハロースの配合量の範囲を調べた。すなわち、表3に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料19乃至27)1個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の被験試料19の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表3に併せて示す。
Figure 0005746845
表3から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖88質量部、α,α−トレハロース52質量部、α−マルトシルα,α−トレハロースを11質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料20)では弱いながら冷解凍耐性が認められた。また、上記と同じ配合で、α−マルトシルα,α−トレハロース21質量部以上の求肥ブロック(被験試料21乃至27)では優れた冷解凍耐性が認められた。この結果は、無水物換算で、澱粉質100質量部に対しα−マルトシルα,α−トレハロースを21質量部以上配合した求肥ブロックは冷解凍を2回繰り返しても澱粉の老化による硬化が抑制され柔らかい状態が維持され冷解凍耐性に優れていることを物語っている。
<実験4>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼすマルトース配合量の影響2>
実験1乃至3において、α−マルトシルα,α−トレハロース又はマルトースの配合により求肥に冷解凍耐性の改善が認められたので、本実験では、マルトースとα−マルトシルα,α−トレハロースの双方を配合した場合のマルトース配合量が求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす影響を調べた。すなわち、表4に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料28乃至36)5個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の被験試料28の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表4に示す。併せて、各々の求肥ブロックにつき、冷解凍耐性があると判定した場合、該当する配合の求肥ブロックのうちの1個を用い、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。残りの求肥ブロックはさらに次の冷解凍サイクルに供した。冷解凍耐性を失う直前の解凍後の求肥ブロックの伸び・柔らかさの判定結果を表4に併せて示す。
Figure 0005746845
表4から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖45質量部、α,α−トレハロース45質量部、マルトース30質量部、α−マルトシルα,α−トレハロース20質量部を配合した求肥ブロック(被験試料30)は冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(硬過ぎる)。また、上記と同じ配合で、マルトース300質量部の求肥ブロック(被験試料36)は顕著な冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(柔らか過ぎる)。これに対し、上記と同じ配合で、マルトース45乃至250質量部の求肥ブロック(被験試料31乃至35)は顕著な冷解凍耐性が認められ、生地の柔らかさ・伸びも求肥として好ましいと判定された。この結果は、砂糖、α,α−トレハロースに加え、マルトースとα−マルトシルα,α−トレハロースとを配合することにより、求肥ブロックの冷解凍耐性を著明に改善できることを物語っている。また、無水物換算で、澱粉質100質量部に対しマルトースの配合量は45乃至250質量部が望ましいと結論される。
<実験5>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼすα−マルトシルα,α−トレハロース配合量の影響2>
実験4においてα−マルトシルα,α−トレハロース及びマルトースの併用により求肥の冷解凍耐性の顕著な改善が認められたので、本実験では、α−マルトシルα,α−トレハロースとマルトースの双方を配合した場合のα−マルトシルα,α−トレハロースの配合量が求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす影響を調べた。すなわち、表5に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料37乃至45)5個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の被験試料37の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表5に併せて示す。併せて、実験4と同様に各々の求肥ブロックにつき、冷解凍耐性があると判定した場合、該当する配合の求肥ブロックのうちの1個を用い、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。残りの求肥ブロックはさらに次の冷解凍サイクルに供した。冷解凍耐性を失う直前の解凍後の求肥ブロックの伸び・柔らかさの判定結果を表5に併せて示す。
Figure 0005746845
表5から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖45質量部、α,α−トレハロース45質量部、マルトース45質量部、α−マルトシルα,α−トレハロース5質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料38)では優れた冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(硬過ぎる)。また、上記と同じ配合でα−マルトシルα,α−トレハロース300質量部の求肥ブロック(被験試料45)は顕著な冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(柔らか過ぎる)。これに対して、上記と同じ配合でα−マルトシルα,α−トレハロース10質量部の求肥ブロック(被験試料39)では優れた冷解凍耐性が認められ、生地の柔らかさ・伸びも求肥として好ましいと判定された。さらに、上記と同じ配合でα−マルトシルα,α−トレハロース20乃至250質量部の求肥ブロック(被験試料40乃至44)では顕著な冷解凍耐性が認められ、生地の柔らかさ・伸びも求肥として好ましいと判定された。この結果は、砂糖、α,α−トレハロースに加え、マルトースとα−マルトシルα,α−トレハロースとを配合することにより、求肥ブロックの冷解凍耐性を顕著に改善できることを物語っている。また、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し、α−マルトシルα,α−トレハロースの配合量は10乃至250質量部が望ましく、20乃至250質量部がより望ましいと結論される。
<実験6>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす砂糖の配合量の影響>
砂糖、α,α−トレハロースに加えてα−マルトシルα,α−トレハロース及びマルトースの併用により求肥の冷解凍耐性の顕著な改善が認められたので、本実験では、砂糖の配合量の求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす影響を調べた。すなわち、表6に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料46乃至55)5個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の被験試料46の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表6に併せて示す。併せて、各々の求肥ブロックにつき、冷解凍耐性があると判定した場合、該当する配合の求肥ブロックのうちの1個を用い、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。残りの求肥ブロックはさらに次の冷解凍サイクルに供した。冷解凍耐性を失う直前の解凍後の求肥ブロックの伸び・柔らかさの判定結果を表6に併せて示す。
Figure 0005746845
表6から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖15質量部、α,α−トレハロース45質量部、マルトース45質量部、α−マルトシルα,α−トレハロース20質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料47)は冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(硬過ぎる)。また、上記と同じ配合で砂糖300質量部の求肥ブロック(被験試料55)は顕著な冷解凍耐性が認められものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(柔らか過ぎる)。これに対し、上記と同じ配合で砂糖30質量部の求肥ブロック(被験試料48)は優れた冷解凍耐性が認められ、生地の柔らかさ・伸びも求肥として好ましいと判定された。さらに、上記と同じ配合で砂糖45乃至250質量部の求肥ブロック(被験試料49乃至54)は顕著な冷解凍耐性が認められ、生地の柔らかさ・伸びも求肥として好ましいと判定された。この結果から、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖の配合量は30乃至250質量部が望ましく、45乃至250質量部がより望ましいと結論される。
<実験7>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼすα,α−トレハロース配合量の影響>
砂糖、α,α−トレハロースに加えてα−マルトシルα,α−トレハロース及びマルトースの併用により求肥の冷解凍耐性の顕著な改善が認められたので、本実験では、α,α−トレハロース配合量が求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす影響を調べた。すなわち、表7に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料56乃至64)5個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の被験試料56の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表7に併せて示す。併せて、各々の求肥ブロックにつき、冷解凍耐性があると判定した場合、該当する配合の求肥ブロックのうちの1個を用い、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。残りの求肥ブロックはさらに次の冷解凍サイクルに供した。冷解凍耐性を失う直前の解凍後の求肥ブロックの伸び・柔らかさの判定結果を表7に併せて示す。
Figure 0005746845
表7から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し砂糖45質量部、α,α−トレハロース30質量部、マルトース45質量部、α−マルトシルα,α−トレハロース20質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料58)は冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(硬過ぎる)。また、上記と同じ配合でα,α−トレハロース45質量部の求肥ブロック(被験試料64)は顕著な冷解凍耐性が認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた(柔らか過ぎる)。これに対し、上記と同じ配合でα,α−トレハロース45乃至250質量部の求肥ブロック(被験試料59乃至63)は顕著な冷解凍耐性が認められ、生地の柔らかさ・伸びも求肥として好ましいと判定された。この結果から、無水物換算で、澱粉質100質量部に対しα,α−トレハロースの配合量は45乃至250質量部が望ましいと結論される。
<実験8>
<求肥ブロックの冷解凍耐性、物性に及ぼす水分量の影響>
冷凍求肥ブロックは、冷解凍耐性に加えて適度の柔らかさや伸びが要求される。そこで、本実験では斯かる物性に影響を及ぼすと考えられる水分量につい調べた。すなわち、表8に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料65乃至75)5個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の各々の被験試料の求肥ブロックを対照とした)。さらに、代表的なウルチ澱粉であるタピオカ澱粉(無水物換算で、澱粉量の約17%のアミロースと約83%のアミロペクチンとを含有)を澱粉質として用いた以外は、被験試料67、73及び75と同じ配合に基づき、同様に求肥ブロックを調製し各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(比較品1乃至3)。その結果を表8に併せて示す。併せて、各々の求肥ブロックにつき、冷解凍耐性があると判定した場合、該当する配合の求肥ブロックのうちの1個を用い、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。残りの求肥ブロックはさらに次の冷解凍サイクルに供した。冷解凍耐性を失う直前の解凍後の求肥ブロックの伸び・柔らかさの判定結果を表8に示す。
Figure 0005746845
表8から明らかなように、澱粉質が無水物換算で100質量部に対し水分量が50質量部の場合(被験試料65)及び250質量部(被験試料75)の場合、求肥としての適度の柔らかさ・伸びに欠けていた。具体的には、澱粉質の比率が高い場合は生地が硬過ぎ、水の比率が高い場合は、柔らか過ぎて保型性が悪く、冷解凍耐性、柔らかさ・伸びの評価自体ができなかった。これに対し、澱粉質が無水物換算で100質量部に対し水分量が100乃至200質量部の場合(被験試料66乃至74)、求肥としての適度な柔らかさと伸びを有し、冷解凍耐性にも優れていることが判明した。なお、具体的なデータは示さないが、澱粉質が無水物換算で100質量部に対し水分量が100質量部の求肥ブロック(被験試料66乃至68)と150又は200質量部配合の求肥ブロック(被験試料69乃至74)とを比較すると、被験試料69乃至74の方が求肥としてより好ましい柔らかさと伸びを有し、低温(15℃以下)での包餡作業により適していた。一方、澱粉質として、アミロペクチン含量が、無水物換算で、澱粉量の約83%のタピオカ澱粉(ウルチ澱粉)を用いた場合(比較品1乃至3)には、澱粉質が無水物換算で100質量部に対し水分量が100質量部乃至250質量部の場合、何れも硬過ぎて、求肥特有の柔らかさや伸びはなく、求肥とは全く異なる物性を示した。
<実験9>
<求肥ブロックの冷解凍耐性、物性に及ぼす糖類全量の配合量の影響>
冷凍求肥ブロックは、冷解凍耐性に加えて適度の柔らかさや伸びが要求される。そこで、本実験では斯かる物性に影響を及ぼすと考えられる糖類全量の配合量の好ましい範囲につい調べた。すなわち、表9に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料76乃至86)5個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の各々の被験試料の求肥ブロックを対照とした)。その結果を表9に併せて示す。併せて、各々の求肥ブロックにつき、冷解凍耐性があると判定した場合、該当する配合の求肥ブロックのうちの1個を用い、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。残りの求肥ブロックはさらに次の冷解凍サイクルに供した。冷解凍耐性を失う直前の解凍後の求肥ブロックの伸び・柔らかさの判定結果を表9に併せて示す。
Figure 0005746845
表9から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類全量の配合量が120質量部の場合(被験試料76)求肥として適度の柔らかさ・伸びに欠けていた。また、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類全量の配合量が460質量部の場合(被験試料86)、冷解凍耐性は認められたものの、求肥としての柔らかさ・伸びに欠けていた。具体的には、生地が柔らか過ぎて求肥として保型性が悪かった。これに対して、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類全量の配合量が152乃至400質量部の場合(被験試料77乃至85)、求肥としての適度な柔らかと伸びを有し、冷解凍耐性にも優れていることが判明した。なお、具体的なデータは示さないが、無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類全量が152乃至245質量部配合の求肥ブロック(被験試料77乃至82)と280乃至400質量部配合の求肥ブロック(被験試料83乃至85)とを比較すると、被験試料77乃至85の方が求肥としてより好ましい柔らかさと伸びを有し、低温(15℃以下)での包餡作業により適していた。
<実験10>
<求肥ブロックの物性に及ぼす乳化剤及び増粘剤の影響>
求肥ブロックに添加する澱粉質に対する糖類の割合が増加すると生地の「ダレ」が生じたり、柔らかさや伸びが悪くなる場合があるので、本実験では乳化剤及び増粘剤添加の求肥ブロックの「ダレ」、柔らかさや伸びに及ぼす影響を調べた。すなわち、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)を用い、増粘剤として粉末状グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、こんにゃく芋抽出物)を用いて、表10に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により各配合組成につき求肥ブロック(被験試料87乃至90)1個を調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した(−80℃で急速冷凍する前の各々の被験試料の求肥ブロックを対照とした)。さらに、凍結解凍を5回繰り返した求肥ブロックにつき−80℃で急速冷凍する前の被験試料87と比較して生地の「ダレ」が改善している場合を改善あり(+)、差がない場合を変化なし(−)の2段階で判定した。さらに、−80℃で急速冷凍する前の被験試料87と比較して柔らかさや伸びが改善している場合を改善あり(+)、差がない場合を変化なし(−)の2段階で評価した。その結果を表10に併せて示す。
Figure 0005746845
表10から明らかなように、無水物換算で、澱粉質100質量部、砂糖52質量部、α,α−トレハロース46質量部、マルトース49質量部、α−マルトシルα,α−トレハロース25質量部、水分量120質量部配合の求肥ブロック(被験試料87)と比較して、無水物換算で、澱粉質100質量部に対しグリセリン酸脂肪酸エステルを0.1質量部添加した求肥ブロック(被験試料88)の場合「ダレ」の改善が認められた。柔らかさや、伸びの程度、冷解凍耐性については、被験試料87と差は認められなかった。無水物換算で、澱粉質100質量部に対しグルコマンナンを0.1質量部添加した求肥ブロック(被験試料89)の場合柔らかさや伸びの程度に改善が認められた。「ダレ」及び冷解凍耐性については被験試料87と差は認められなかった。無水物換算で、澱粉質100質量部に対しグリセリン酸脂肪酸エステルを0.1質量部とマンナンを0.1質量部とを添加した求肥ブロック(被験試料90)の場合「ダレ」、柔らかさや伸びの程度の何れの点でも改善が認められた。冷解凍耐性については被験試料88と差は認められなかった。この結果は、糊化澱粉質、砂糖、α−トレハロース、マルトース及びα−マルトシルα,α−トレハロースを含んでなる求肥ブロックは、さらに乳化剤及び増粘剤を配合することにより優れた冷解凍耐性を保持しながら、「ダレ」、柔らかさや伸びをさらに改善できることを物語っている。
<実験11>
<求肥ブロックの冷解凍耐性に及ぼす澱粉中のアミロペクチン含量とアミロース含量の影響>
実験8において、無水物換算で、アミロペクチン含量が澱粉量の約83%のウルチ澱粉(タピオカ澱粉)を用いた場合には、求肥特有の柔らかさや伸びが得られなかったので、本実験では、求肥ブロックの物性及び冷凍耐性に及ぼす澱粉中のアミロペクチンとアミロース含量の影響を調べた。すなわち、モチ粉(小城製粉株式会社販売、商品名『上餅粉』、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の100%含有)とタピオカ澱粉(水分含量約13%、無水物換算で、アミロースを澱粉量の17%、アミロペクチンを澱粉量の83%含有)とを混合し、無水物換算で、澱粉中のアミロペクチンとアミロペクチンの含量が表11に示す割合となるように澱粉質を調製した。この澱粉質を用い、表11に示す配合に基づき、実験1と同じ方法により求肥ブロックを調製し、各々の冷解凍耐性を実験1と同じ判定方法により評価した。併せて、冷凍耐性があると判定した求肥ブロックにつき、求肥として好ましい柔らかさや伸びを持っている(○)、硬過ぎて、又は、柔らか過ぎて保型性が低く求肥として好ましくない(×)の2段階で評価した。その結果を表11に併せて示す。
Figure 0005746845
表11から明らかなように、無水物換算で、アミロペクチン含量が求肥に含まれる澱粉量の92又は93%の澱粉質を用いた求肥ブロック(被験試料98及び99)は、求肥として適度の柔らかさ・伸びに欠けていた。これに対して、無水物換算で、アミロペクチン含量が求肥に含まれる澱粉量の94%以上の澱粉質を用いた求肥ブロック(被験試料91乃至97)は、求肥としての適度な柔らかと伸びを有し、冷解凍耐性にも優れていることが判明した。また、無水物換算で、アミロペクチン含量が求肥に含まれる澱粉量の97%以上の澱粉質を用いた求肥ブロック(被験試料91乃至94)と、無水物換算で、アミロペクチン含量が求肥に含まれる澱粉量の94乃至96%の澱粉質を用いた求肥ブロック(被験試料95乃至97)とを比較すると、被験試料91乃至94の方が、求肥としてより好ましい柔らかさと伸びを有し、とりわけ、被験試料91及び92が優れていた。この結果から、冷凍求肥ブロックとしては、アミロペクチンの含量が、無水物換算で澱粉量の94%以上のものが望ましく、97%以上のものがより望ましく、99%以上のものが特に望ましいと結論される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『Gもちミックス粉』、餅粉95%、甘藷澱粉5%、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の99%含有)3.3kg、グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)7g、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)7gを350gの水に溶解した溶液、水3kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖(市販のグラニュー糖)1.7kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)1.7kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)1.7kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、α−マルトシルα,α−トレハロース純度約53%)1.5kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し金属製トレイに広げ冷却し求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し冷凍途中でラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。また、本品の「ダレ」、柔らかさ及び伸びの改善の有無を実験10と同じ判定基準で評価したところ、本品はグルコマンナン及びグリセリン脂肪酸エステルを含まない以外は本品と同じ配合の−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックよりも、生地の「ダレ」が少なく、より好ましい柔らかさ及び伸びを有し、低温(15℃以下)での包餡作業により適していた。本品は、凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので、和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので、冷凍や冷蔵保存後も製造直後の食感や風味が保持される。
実施例1で製造した求肥ブロック1質量部に対しα−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ0.4質量部を加えて混練し、金属製トレイに広げることにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中でラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。本品は、凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので、和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので、冷凍や冷蔵保存後も製造直後の食感や風味が保持される。しかも、本品は冷解凍耐性に優れ流動性が高いにもかかわらず保型性に優れているので、凍結解凍を繰り返した後も、絞り袋を用い押し出しながら成形することができる。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『上餅粉』、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の100%含有)3kg、水2.7kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖1.6kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)1.6kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)1.6kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)1.3kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、金属製のトレイに広げ冷却することにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中でラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。本品は、凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので冷凍や冷蔵保存後も、製造直後の食感や風味が保持される。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『上餅粉』、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の100%含有)3kg、グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)2g、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)6gを300gの水に溶解した溶液、水2.7kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖1.6kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)1.6kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)1.6kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)1.3kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、金属製のトレイに広げ冷却することにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中でラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。また、本品の「ダレ」、柔らかさ及び伸びの改善の有無を実験10と同じ判定基準で評価したところ、本品は実施例3で調製した−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックよりも生地の「ダレ」が少なく、より好ましい柔らかさ及び伸びを有し、低温(15℃以下)での包餡作業により適していた。本品は、凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので冷凍や冷蔵保存後も、製造直後の食感や風味が保持される。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『上餅粉』、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の100%含有)3.3kg、グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)6g、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)6gを300gの水に溶解した溶液、水2.7kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖1.8kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)1.8kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)1.8kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)1.5kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、金属製トレイに広げ冷却することにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中でラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。本品は凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので冷凍や冷蔵保存後も、製造直後の食感や風味が保持される。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『Gもちミックス粉』、餅粉95%、甘藷澱粉5%、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の99%含有)3.3kg、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)10gを350gの水に溶解した溶液、水2.7kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖1.7kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)1.7kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)1.7kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)2kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、金属製トレイに広げることにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中でラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。また、「ダレ」、柔らかさ及び伸びの改善の有無を実験10と同じ判定基準で評価したところ、本品はグルコマンナンを含まない以外は本品と同じ配合の−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックよりも生地の「ダレ」が少なく、より好ましい柔らかさ及び伸びを有し、低温(15℃以下)での包餡作業により適していた。本品は凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので、冷凍や冷蔵保存後も製造直後の食感や風味が保持される。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『Gもちミックス粉』、餅粉95%、甘藷澱粉5%、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の99%含有)3.3kg、グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)10g、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)15gを500gの水に溶解した溶液、水3kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖2kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)3kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)3kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)4kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、金属製トレイに広げることにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中で当該ブロックにV字状の分割予定溝を設けた後、ラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。本品は凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、分割予定溝を設けることにより、冷凍あるいは半解凍の状態でも必要量だけ分割して使用することが容易であるばかりでなく、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので、冷凍や冷蔵保存後も製造直後の食感や風味が保持される。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『Gもちミックス粉』、餅粉95%、甘藷澱粉5%、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の99%含有)3.3kg、グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)15g、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)20gを500gの水に溶解した溶液、水3.3kgを混合し、蒸練機に入れ13分蒸した後、蒸気をかけながら、砂糖1.5kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)3.5kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)4.5kgを数回に分けて添加し混練した後、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)3kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、金属製トレイに広げることにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中で当該ブロックにU字状の分割予定溝を設けた後に、ラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。本品は凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、分割予定溝を設けることにより、必要量だけ分割して使用することが容易であるばかりでなく、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので、冷凍や冷蔵保存後も製造直後の食感や風味が保持される。
澱粉質(小城製粉株式会社販売、商品名『Gもちミックス粉』、餅粉95%、甘藷澱粉5%、水分量約13%、無水物換算でアミロペクチンを澱粉量の99%含有)3.3kg、グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社販売)15g、粉末グルコマンナン(小城製粉株式会社販売、商品名『Pマンナン』、こんにゃく芋抽出物)20gを500gの水に溶解した溶液、水3.3kg、砂糖1.5kg、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名『トレハ』)3.5kg、マルトース1含水結晶粉末(株式会社林原商事販売、商品名『サンマルト−S』)4.5kg、α−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』、固形分約73%、純度約53%)3kgを加え、糖類が完全に溶解するまで混練し、これを蒸練機に入れ16分間蒸した後、金属製トレイに広げることにより求肥ブロックを製造した。この求肥ブロックを急速冷凍し、冷凍途中で当該ブロックにV字状の分割予定溝を設けた後に、ラッピングすることにより冷凍求肥ブロックを製造した。
この冷凍求肥ブロックの冷解凍耐性を実験1と同じ方法により判定したところ、本品は顕著な冷解凍耐性が認められた(本品を−80℃で急速冷凍する前の求肥ブロックを対照とした)。本品は凍結解凍を繰り返してもその物性や食感、風味の実質的な低下がないので和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造に適している。しかも、分割予定溝を設けることにより、必要量だけ分割して使用することが容易であるばかりでなく、余った求肥ブロックは再度冷凍保存できるので求肥のロスが発生しない。また、斯かる求肥ブロックを用いた餅状食品は何れも冷凍、冷蔵耐性に優れているので、冷凍や冷蔵保存後も製造直後の食感や風味が保持される。
比較例
実施例1乃至3及び実施例7で製造した冷凍求肥ブロックの破断強度を以下に示す方法により測定した。その結果を表12に示す。比較試料として実施例1の配合の糖類を、砂糖(比較試料1)、砂糖:マルトース1含水結晶粉末の混合比1:1(比較試料2)、マルトース1含水結晶粉末:水飴(株式会社林原商事販売、商品名『マルトラップ』)の混合比1:1(比較試料3)、α,α−トレハロースとα−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップの混合比が1:1(比較試料4)、α,α−トレハロースとα−マルトシルα,α−トレハロース含有シラップの混合比1:5(比較試料5)の何れかの糖類で置換え、各々冷凍求肥ブロックを調製し同様に破断強度を測定した。その結果を併せて表12に示す。
<破断強度の測定方法>
各冷凍求肥ブロックを4℃の冷蔵庫内で解凍し、さらに、解凍した求肥ブロックを−20℃で再凍結し4℃の冷蔵庫内で解凍するサイクルを3回繰り返して後、約2cm×約2cm×約1cm(高さ)に切り取った品温4℃のブロック片を、クリープメーター(山電社製、商品名『レオナーRE−330S』)を用い、プランジャーにより求肥ブロックの歪率が50%となるときの荷重(N)を求め破断強度とした。データの解析は、装置に付属したクリープメーター用自動解析装置ソフトウエア(破断強度解析windsows(BSA−330(W)))により行った。測定は各試料につき6回行い平均を求めた。結果を表12に示す。
測定条件:
プランジャー:特殊プランジャー(先端寸法5mm幅、1mm厚の金属製プランジ
ャー)
ロードセル:20N
アンプ倍率:1倍
格納ピッチ:0.06乃至0.09秒
測定歪率 :100%
測定速度 :1.00mm/秒
接触面積 :5mm
Figure 0005746845
表12から明らかなように、本発明の求肥ブロック(実施例1乃至3及び実施例7)の破断強度は0.05乃至0.20Nとなり、比較試料に比して破断強度が有意に低く、製造時の求肥ブロックの柔らかさ(弾性、伸びを含む)が保持されていることが確認された。この結果は、本発明の求肥ブロックは凍結解凍後も硬化が抑制され、従来の求肥では不可能だった低温の作業環境下での成形や包餡作業が可能なことを示している。
本発明の求肥ブロックは、従来の求肥に代わる製造用生地として和洋菓子や冷菓などの餅状食品の製造や製パンに利用することができる。また、本発明による求肥ブロックの製造方法は市販されている澱粉質、糖類及び水を用い、従来の求肥ブロックと同一の製造設備により所望量、廉価に製造でき、当業界に与える影響は大きい。

Claims (9)

  1. 糊化澱粉質、砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及びα−マルトシルα,α−トレハロースを含んでなり、下記(1)乃至(3)の特徴を有する求肥ブロック:
    (1)求肥ブロックに含まれる澱粉質におけるアミロペクチン含量が、無水物換算で、澱粉量の94質量%以上である;
    (2)無水物換算で、澱粉質100質量部に対し糖類を150乃至400質量部含有する
    (3)無水物換算で、澱粉質100質量部に対し、糖類として砂糖45乃至250質量部、α,α−トレハロース45乃至250質量部、マルトース45乃至250質量部及びα−マルトシルα,α−トレハロース20乃至250質量部を含有する
  2. 糊化澱粉質が、モチ澱粉質、又は、モチ澱粉質に加えてウルチ澱粉質を配合してなることを特徴とする請求項1記載の求肥ブロック。
  3. 無水物換算での澱粉質100質量部に対し水分量が100乃至200質量部であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の求肥ブロック。
  4. さらに、乳化剤及び/又は増粘剤を含有することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の求肥ブロック。
  5. 冷凍されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の求肥ブロック。
  6. −80℃での凍結後4℃で解凍し、さらに−20℃での凍結と4℃での解凍を3回繰り返し行った後の品温4℃の求肥ブロックの歪率が50%となるときの荷重が0.05乃至0.20Nであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の求肥ブロック。
  7. V字状乃至U字状の分割予定溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の求肥ブロック。
  8. 澱粉質に水を加えて加熱し得られる糊化澱粉質に、糖類として砂糖及びα,α−トレハロースと共に、マルトース及びα−マルトシルα,α−トレハロースを添加し混練することにより製造した求肥を成型用の容器に展延し、室温乃至氷温まで冷却し、次いでラッピングすることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の求肥ブロックの製造方法。
  9. 請求項に記載の方法で製造した求肥ブロックを−20℃以下の周囲温度で急速冷凍し、冷凍工程の途中又は終了後に、必要に応じて当該ブロックに分割予定溝を設け、次いでラッピングすることを特徴とする求肥ブロックの製造方法。
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