JP5746249B2 - 可動カバーを有する工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、可動カバーを有する工作機械に関し、工作機械において、機械の使用によって発生する切粉を排出するのに適したカバー構造に関する。
ワークの加工中に発生する切粉が機械の外に飛散するのを防ぐために、ワークの加工を行う工作機械の加工領域を、スプラッシュガードで覆っている工作機械がある。加工領域に配置され、ワークを載置するテーブルの駆動部分を切粉が付着するのを防止するために、テレスコピックカバーの一端がテーブルに固定され、他端がスプラッシュガードの側面部に固定されている。このような工作機械においては、切粉がテーブルに固定されるテレスコピックカバーの上に堆積する場合がある。この問題の対策として、テレスコピックカバー上面を傾斜させて切粉が堆積しにくい構造とする技術が、特許文献１や特許文献２に開示されている。
特開平６−９１４５７号公報 特開平１１−７０４３８号公報
しかし、特許文献１に示される技術では、テレスコピックカバー上面が傾斜している以外に積極的に切粉を掻き落す手法が取られていないため、加工領域からの切粉の排出に不十分である。
また、特許文献２に示される技術では、ワークの載ったテーブルが固定で主軸を備えたコラムが移動するタイプの機械における方法を述べたもので、テーブルが水平面内で２つの方向に移動するタイプの機械における切粉の排出を改善しようとする技術は開示されていない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、機械の使用によって発生する切粉を排出するのに適したカバー構造を備えた可動カバーを有する工作機械を提供することである。
本願の請求項１に係る発明は、加工空間を覆うカバーと、テーブルおよびサドルを有し、前記テーブルもしくは前記サドルの移動方向の両側面に一対の伸縮する可動カバーを有する工作機械において、前記一対の伸縮する可動カバーのそれぞれの一端がテーブルもしくはサドルの側面に固定され、他端が前記カバーに固定され、前記一対の伸縮する可動カバーの上面が該一対の可動カバーのそれぞれの前記テーブル、前記サドル、前記カバーのいずれにも固定されない一側部から他側部に向かって下がるように、該可動カバーの伸縮方向と交差する方向に傾斜し、かつ、該一対の可動カバーのそれぞれの前記他側部から前記テーブルもしくは前記サドルの対向する両側面側に分かれて前記可動カバーの上面に落下した切粉が流下するように該一対の可動カバーの一方の側面の可動カバーと他方の側面のカバーとが逆の傾斜となることを特徴とする可動カバーを有する工作機械である。
請求項２に係る発明は、前記両側面の一対の可動カバーの傾斜角度が異なることを特徴とする請求項１に記載の可動カバーを有する工作機械である。
請求項３に係る発明は、前記一対の可動カバーの上面に、切削液を供給する切削液供給流路を有することを特徴とする請求項１または２の何れか１つに記載の可動カバーを有する工作機械である。
本発明により、機械の使用によって発生する切粉を排出するのに適したカバー構造を備えた可動カバーを有する工作機械を提供できる。
本発明の実施形態１の機械上面の模式図である。 本発明の実施形態１の機械正面の模式図である。 本発明の実施形態２の機械上面の模式図である。 本発明の実施形態２の機械正面の模式図である。 請求項１に対応するテレスコピックカバーの傾斜した上面を説明する図である。 請求項２に対応するテレスコピックカバーの傾斜した上面で傾斜角が異なる例を説明する図である（その１）。 請求項２に対応するテレスコピックカバーの傾斜した上面で傾斜角が異なる例を説明する図である（その２）。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。類似する構成要素について実施形態が異なっても同じ符号を用いて説明する。
＜実施形態１＞
図１は実施形態１の機械上面の模式図である。図２は実施形態１の機械正面の模式図である。工作機械４０に備わったスプラッシュガードと呼ばれるカバー１は、サドル２１、テーブル７、コラム１８、主軸４、工具５を外部から隔離し、加工空間を形成する。カバー１は、テーブル７を挟んでコラム１８と対向する側に設けた前面カバー３０と、前面カバー３０の左右に設けられた側面カバー３１，３２と、後面カバー３３などから構成され、前面カバー３０、側面カバー３１，３２は、各々の下端からベッド１９に接続される底部を有する。底部によってカバー１の底面が形成される。なお、天井カバーについては図示省略している。
ベッド１９上にサドル移動機構２０（図４参照）を介してサドル２１が支持され、サドル２１上にテーブル移動機構２２を介してワーク６を載置するテーブル７が支持されている。さらに、ベッド１９上にコラム１８が立設され、コラム１８の上部に工具５を装着する主軸４が固定されている。工作機械４０は、主軸４とテーブル７とを加工空間内で相対移動させることで、テーブル７上に載置されたワーク６の切削加工を行う。サドル移動機構２０、テーブル移動機構２２は、それぞれ、レール、該レールに案内されるガイドから構成される。サドル２１の移動方向（第１の方向）とテーブル７の移動方向（第２の方向）とは交差している。なお、実施形態１では、サドル２１の移動方向（第１の方向）は機械の前後方向に対応する。
加工中に発生する切粉がサドルの駆動部（レールや送りねじ）に堆積するのを防止するために、テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂが用いられている。テレスコピックカバー１０ａ，１０の上面は、カバーが伸縮する方向と交差する方向に傾斜した形状を備えている。テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂは、サドル２１を挟んで、その伸縮方向がテレスコピックカバー１０の伸縮方向と同じとなるように、サドル２１とカバー１の間に配設されている。テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの一端はサドル２１に固定され、他端はカバー１（前面カバー３０，後面カバー３３）に固定されている。この時、テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの上面の傾斜を、相対するカバー同士で逆の傾斜になる様にすると共に、各々のカバーに対して切削液を供給するようにする。図１，図２では、機械本体の前側に配置されたテレスコピックカバー１０ａの上面は、紙面右から左に向かって下がり、機械本体の後ろ側に配置されたテレスコピックカバー１０ｂの上面は、紙面左から右に向かって下がっている。なお、上面の傾斜角度は相対するカバー同士で異なってもよい。
カバー１によって隔離された加工空間に切削液を供給するために、左切削液供給流路１１と右切削液供給流路１２が加工空間に配設されている。図示しない切削液供給装置から図示しない流路を介して左切削液供給流路１１と右切削液供給流路１２に切削液が供給される。左切削液供給流路１１の所定個所に第１切削液供給ノズル１３ａ，第２切削液供給ノズル１３ｂが設けられ、右切削液供給流路１２の所定個所に第３切削液供給ノズル１４が設けられている。第１，第２，第３切削供給ノズル１３ａ，１３ｂ，１４から、加工空間内の所定方向に向かって切削液が放出される。
例えば、テレスコピックカバー１０の上面やカバー１の底部（左底面２、右底面３）に切削液が放出される。第１切削液供給ノズル１３ａは、テレスコピックカバー１０ａの斜面の下がった方向に配置されているから、第１切削液供給ノズル１３ａからカバー１の底部に向かって切削液が放出される。第２切削液供給ノズル１３ｂは、テレスコピックカバー１０ｂの斜面の上側に向かって切削液を放出し、該切削液によってテレスコピックカバー１０ｂの上面に落下した切粉は紙面右側のカバー１の下面に向かって流下させる。第３切削液供給ノズル１４は、テレスコピックカバー１０ａの斜面の上側とカバー１の底面に向かって切削液を放出する。
テレスコピックカバー１０ａの上面に落下した切粉は左側（紙面）のスプラッシュガード底面に切削液と共に流下し、テレスコピックカバー１０ｂの上面に落下した切粉は右側（紙面）のスプラッシュガード底面に切削液と共に流下する。テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの上面に切削液を供給する流路としては、左切削液供給流路（カバー内部）１１と右削液供給流路（カバー内部）１２、第１，第２切削液供給ノズル１３ａ，１３ｂと第３切削液供給ノズル１４から放出される切削液は、テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの上面に対して、高い方から低い方に向かって流すこととする。
この方法により、テレスコピックカバー１０ａからスプラッシュガード底面へ落下する切粉が分散し、特定の箇所に集中するのを防いで、切粉の排出性を改善する効果が期待できる。又、加工液供給装置から遠い部分は切削液の供給量が少なくなるので、その部分はテレスコピックカバーの傾斜を他よりも大きく取ることにより、切粉の除去を促進できる。
＜実施形態２＞
図３は実施形態１の機械上面の模式図である。図４は実施形態１の機械正面の模式図である。スプラッシュガードと呼ばれるカバー１は、サドル２１、テーブル７、コラム１８、主軸４、工具５を外部から隔離し、加工空間を形成する。カバー１は、テーブル７を挟んでコラム１８と対向する側に設けた前面カバー３０と、前面カバー３０の左右に設けられた側面カバー３１，３２と、後面カバー３３などから構成され、前面カバー３０、側面カバー３１，３２は、各々の下端からベッド１９に接続される底部を有する。底部によってカバー１の底面が形成される。なお、天井カバーについては図示省略している。
ベッド１９上にサドル移動機構２０を介してサドル２１が支持され、サドル２１上にテーブル移動機構２２を介してワーク６を載置するテーブル７が支持されている。さらに、ベッド１９上にコラム１８が立設され、コラム１８の上部に工具５を装着する主軸４が固定されている。工作機械４０は、主軸４とテーブル７とを加工空間内で相対移動させることで、テーブル７上に載置されたワーク６の切削加工を行う。サドル移動機構２０、テーブル移動機構２２は、それぞれ、レール、該レールに案内されるガイドから構成される。サドル２１の移動方向（第１の方向）とテーブル７の移動方向（第２の方向）とは交差している。なお、実施形態１では、サドル２１の移動方向（第１の方向）は機械の前後方向に対応する。
加工中に発生する切粉がサドルの駆動部（レールや送りねじ）に堆積するのを防止するために、テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂが用いられている。テレスコピックカバー１０ａ，１０の上面は、カバーが伸縮する方向と交差する方向に傾斜した形状を備えている。テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂは、サドル２１を挟んで、その伸縮方向がテレスコピックカバー１０の伸縮方向と同じとなるように、サドル２１とカバー１の間に配設されている。テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの一端はサドル２１に固定され、他端はカバー１（側面カバー３１，３２）に固定されている。この時、テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの上面の傾斜を、相対するカバー同士で逆の傾斜になる様にすると共に、各々のカバーに対して切削液を供給するようにする。図１，図２では、機械本体の前側に配置されたテレスコピックカバー１０ａの上面は、紙面右から左に向かって下がり、機械本体の後ろ側に配置されたテレスコピックカバー１０ｂの上面は、紙面左から右に向かって下がっている。なお、上面の傾斜角度は相対するカバー同士で異なってもよい。
カバー１によって隔離された加工空間に切削液を供給するために、左切削液供給流路１１と右切削液供給流路１２が加工空間に配設されている。図示しない切削液供給装置から図示しない流路を介して左切削液供給流路１１と右切削液供給流路１２に切削液が供給される。左切削液供給流路１１の所定個所に第１切削液供給ノズル１３ａ，第２切削液供給ノズル１３ｂが設けられ、右切削液供給流路１２の所定個所に第３切削液供給ノズル１４が設けられている。第１，第２，第３切削供給ノズル１３ａ，１３ｂ，１４から、加工空間内の所定方向に向かって切削液が放出される。
例えば、テレスコピックカバー１０の上面やカバー１の底部（左底面２、右底面３）に切削液が放出される。第１切削液供給ノズル１３ａは、テレスコピックカバー１０ａの斜面の下がった方向に配置されているから、第１切削液供給ノズル１３ａからカバー１の底部に向かって切削液が放出される。第２切削液供給ノズル１３ｂは、テレスコピックカバー１０ｂの斜面の上側に向かって切削液を放出し、該切削液によってテレスコピックカバー１０ｂの上面に落下した切粉は紙面右側のカバー１の下面に向かって流下させる。第３切削液供給ノズル１４は、テレスコピックカバー１０ａの斜面の上側とカバー１の底面に向かって切削液を放出する。
テレスコピックカバー１０ａの上面に落下した切粉は左側（紙面）のスプラッシュガード底面に切削液と共に流下し、テレスコピックカバー１０ｂの上面に落下した切粉は右側（紙面）のスプラッシュガード底面に切削液と共に流下する。テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの上面に切削液を供給する流路としては、左切削液供給流路（カバー内部）１１と右切削液供給流路（カバー内部）１２、第１，第２切削液供給ノズル１３ａ，１３ｂと第３切削液供給ノズル１４から放出される切削液は、テレスコピックカバー１０ａ，１０ｂの上面に対して、高い方から低い方に向かって流すこととする。
この方法により、テレスコピックカバー１０ａからスプラッシュガード底面へ落下する切粉が分散し、特定の箇所に集中するのを防いで、切粉の排出性を改善する効果が期待できる。又、加工液供給装置から遠い部分は切削液の供給量が少なくなるので、その部分はテレスコピックカバーの傾斜を他よりも大きく取ることにより、切粉の除去を促進できる。
本発明の上記実施形態の発明では、テレスコピックカバー１０ａ，１０の一端がサドル２１に固定されているが、これに替えて、テーブル７に固定し、テーブル移動機構２２に切粉が落下しない構成としてもよい。
なお、図５は、請求項１に対応するテレスコピックカバーの傾斜した上面を説明する図である。図６は、請求項２に対応するテレスコピックカバーの傾斜した上面で傾斜角が異なる例を説明する図である（その１）。図７は、請求項２に対応するテレスコピックカバーの傾斜した上面で傾斜角が異なる例を説明する図である（その２）。
１ カバー
２ 左底面
３ 右底面
４ 主軸
５ 工具
６ ワーク
７ テーブル

１０ａ テレスコピックカバー
１０ｂ テレスコピックカバー

１１ 左切削液供給流路
１２ 右切削液供給流路

１３ａ 第１切削液供給ノズル
１３ｂ 第２切削液供給ノズル
１４ 第３切削液供給ノズル

１８ コラム
１９ ベッド
２０ サドル移動機構
２１ サドル
２２ テーブル移動機構

２７ａ，２７ｂ，２７ｃ 切削液の流れ

３０ 前面カバー
３１ 側面カバー
３２ 側面カバー
３３ 後面カバー

４０ 工作機械

Claims (3)

  1. 加工空間を覆うカバーと、テーブルおよびサドルを有し、
    前記テーブルもしくは前記サドルの移動方向の両側面に一対の伸縮する可動カバーを有する工作機械において、
    前記一対の伸縮する可動カバーのそれぞれの一端がテーブルもしくはサドルの側面に固定され、他端が前記カバーに固定され、
    前記一対の伸縮する可動カバーの上面が該一対の可動カバーのそれぞれの前記テーブル、前記サドル、前記カバーのいずれにも固定されない一側部から他側部に向かって下がるように、該可動カバーの伸縮方向と交差する方向に傾斜し、かつ、該一対の可動カバーのそれぞれの前記他側部から前記テーブルもしくは前記サドルの対向する両側面側に分かれて前記可動カバーの上面に落下した切粉が流下するように該一対の可動カバーの一方の側面の可動カバーと他方の側面のカバーとが逆の傾斜となることを特徴とする可動カバーを有する工作機械。
  2. 前記両側面の一対の可動カバーの傾斜角度が異なることを特徴とする請求項１に記載の可動カバーを有する工作機械。
  3. 前記一対の可動カバーの上面に、切削液を供給する切削液供給流路を有することを特徴とする請求項１または２の何れか１つに記載の可動カバーを有する工作機械。
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