JP5745571B2 - 超音波探傷方法とその装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、超音波探傷方法とその装置に関するものである。
特開2003−130859号公報 特許第3704065号公報 特開2006−250873号公報 村上丈子、ドミニク ブラコニエ、三浦俊治、村井純一、西谷 豊:第13回超音波による非破壊評価シンポジュウム講演論文集、pp.33-38,(2006) 横野泰和:フェイズドアレイUTの標準化の現状、NDI資料21776 、pp.34-38(2006)
従来の単一の振動子を用いる探傷法では、円柱状の棒材などの内部探傷を行う場合、棒材の軸方向のみならず、軸方向と交差する断面について、被検材の断面が呈する円周に沿って、振動子を機械的に走査する必要があった。
近年普及した、フェイズドアレイプローブ(以下アレイプローブと呼ぶ。)を用いた、被検材の超音波探傷では、個々の振動子について超音波の発信するタイミングをずらして(位相制御して)、振動子の配置を変えずに、超音波の伝搬方向や、その収束位置(フォーカス)を自由に設定できる(特許文献1)。
このため、上記において、被検材の表面に沿って機械的に走査するのに代えて、電気的に走査することが行われている。
これは、個々の振動子自身を物理的に移動させるのではなく、特許文献1の図4に示す通り、配列した振動子を、振動子を所定個数の単位毎に、時分割に順次振動させるものである。即ち、走査方向に配列された振動子のうち、連続する所定グループから超音波を発信し、次に走査方向にシフトして次のグループから超音波の発信を行う。このようなシフトによって、物理的に振動子を走査するのと同様の効果を得ることができる。
この特許文献1は、断面視において、表面が直線的な被検材についての、アレイプローブを利用した電子走査(振動子を物理的に移動させるのではなく、アレイプローブを構成する、配列された複数の振動子を順次励振して行う走査)を示すものである。
また、特許文献3に、表面が円形の円柱状の被検材について、円周に沿って、上記と同様、電子走査を行うものが示されている。
そして、上記従来のフェイズドアレイ探傷技術をさらに高速でかつ高分解能、高検出能の探傷を可能とする探傷技術として、ボリュームフォーカスフェイズドアレイ(以下必要に応じてボリュームフォーカスと呼ぶ。)が提案されている(非特許文献1、特許文献2)。
上記のフェイズドアレイ探傷法は、この10年余りで著しい進歩を遂げポータブルタイプの探傷器から自動探傷装置まで数多くの装置が使用されるようになった。これは半導体技術、コンピュータ技術の進歩により探傷器の高性能、低価格化が可能となり、またコンポジット振動子の出現により高性能で品質のそろったアレイ探触子(アレイプロープ)が製作可能となったことによる。
その応用範囲は、原子力発電プラントのISI(In Service Inspection )、航空機の機体や翼の検査、鉄鋼関係のオンライン装置など幅広く応用されるようになった。また規格化、標準化の動きも活発になっており(非特許文献2)、国内においてはPD(Performance Demonstration )における超音波認証制度においてもフェイズドアレイ法が用いられ実績を上げている。
ボリュームフォーカスは、これらのアプリケーションにおいてさらに高速で検出能力、分解能の高い探傷を可能とする技術である。
以下、ボリュームフォーカスの原理からその応用例について述べる。
ボリュームフォーカス超音波探傷装置としては、デスクトップ型とオンライン対応型の装置とが提案されている。
デスクトップ型の装置は、フィールド用途或いは研究目的に適し、探傷データの解析機能を持ち、後述のマトリクスプローブの対応が可能である。
オンライン対応型の装置は、オンライン自動探傷に必要な機能を持ち、高速判定機能があり、並列運転により複数のプローブの使用が可能である。
ここで、ボリュームフォーカスの説明に先立って、上記のフェイズドアレイ探傷技術について、更に詳しく説明しておく。
従来のフェイズドアレイ検査技術は、振動子群( 同時に送信、受信している振動子グループ:バーチャルプローブ) が集束レンズと同じ結果を得るようバーチャルプローブにディレイパターンを設定することが基本である。アレイ探傷器の電気回路は、各送信パルス(サイクルまたはタイムスロットと呼ばれる)をそれぞれ異なる設定で高速で走査する。この動作は異なる設定のバーチャルプローブを順繰りに走査して探傷すると考えればよい。従って、このようなアレイ探傷は、シングルプローブの探傷に比べ非常にアドバンテージが高い。
しかし、この方法は、サイクル毎に送受信を行うため、マルチモード探傷同様に時間的な制限がある。PRF(パルス リピート フリクエンシー/繰り返し周波数)が増大すると表面による多重エコーや材料中の多重エコーなどで生じるゴーストエコーが発生し探傷スピードに影響する。この点はシングルプローブと同様である。
即ち、超音波を送受信した後、電子走査して更に超音波を送受信することを繰り返すものであるため、先の超音波の発信によって生じたゴーストエコーが減衰してその影響がなくなるまで、次の超音波の送受信が行えず、先の超音波の送受信から次の超音波の送受信までのサイクルを長くせざるを得なかったのである。
一方、高感度かつ高方位分解能の探傷を可能にする手法として、ゾーンフォーカス技術がある。ゾーンフォーカス技術は、深さ方向に設定したゾーンに対し送受信で焦点を結びリニア走査をしながら探傷を行うものである。焦点は、階層的に設定が可能であり、送信と受信で焦点を合わせることにより高感度で方位分解能の良い探傷が可能となる。また、ダイナミックデプスフォーカス(以下DDFと呼ぶ。)は、一つの送信に対して複数の受信フォーカスをかけることが出来、一つのバーチャルプローブに対して、深さの異なる焦点を持つと同様になり、高速化に有効である。
しかし、どちらの方法にしてもバーチャルプローブごとに超音波を送受信をしながら(電子)走査するため高速化に限界があり、また現状の16〜32チャンネル程度のバーチャルプローブでは、大きな開口が取れないため焦点距離が長く取れず肉厚の大きな被検材の探傷に限界がある。
ボリュームフォーカスは、上記従来のフェイズドアレイプローブを用いて電子走査を行う探傷法と異なり、一度にアレイプローブの全素子で送信し、その後全素子で受信し、メモリされた各素子のA スコープ波形を合成し評価するものである。
送信波は、広い開口を持ったプローブから発信されるためリニアプローブの場合平面波として伝播する。反射エコーはすべての素子に接続されたアンプにより増幅、A/ D変換され、その後メモリされる。即ち、一回の送信で、全素子分(例えば、128個)のA スコープ波形が、メモリされることになる。この探傷波形データは、高速のDSP(Digital Signal Processor)の信号処理により、設定されたアパーチャー毎にDDFなどの受信ディレー処理が行われ評価される。この処理は高速で行われ、また複数の処理を同時に行うことにより、さらに処理速度を上げることができる。全ての処理が終われば、次の送信が可能となり、この間にゴーストエコーが消滅していれば送信できる。即ち、一回の送信でゴーストの影響を受けずに、一断面全てのポイントの評価が可能となる。
ボリュームフォーカスが高速探傷に適しているのは、このためである。
例えば、棒状の被検材において、被検材の外周に沿ってアレイプローブを配置することにより被検材の断面の内部探傷を行い、当該断面の探傷が終わると被検材の軸方向について機械的にプローブを走査することにより軸方向の他の位置の断面の探傷を行うものとし、上記の各断面における探傷についてボリュームフォーカスを利用するものとすれば、軸方向の各位置における探傷時間を極めて短くできるので、一本の棒材について全体の探傷時間を大幅に低減することができるのである。
図19にボリュームフォーカスの信号処理のタイムチャートを示す。
図19の、T1は1回目の超音波の送信波を示し、図19のT2は2回目の超音波の送信波を示す。1回目2回目の何れにおいても、S1は被検材表面における反射エコーであり、B1は被検材底面における反射エコーであり、S2はB1が上記被検材表面にて再び反射することによって生じた反射エコーである。S2〜Snは、上記のゴーストエコーと呼ばれるものである。
図20(A)(B)を用いて、ゾーンフォーカス探傷とボリュームフォーカス探傷の違いを128素子のリニアアレイプローブを使用した探傷の例にて説明する。
ここでは、従来のゾーンフォーカス探傷として、128個の振動素子(振動子)を備えるアレイプローブを用い、32素子の同時励振を行い深さ方向に3階層を持たせる場合を考える。
具体的には、図20(A)の上方の升目の夫々は、アレイプローブの素子の夫々を示しており、左端の升目が示す素子を、1番目の素子として、その右隣を2番目、更にその右隣を3番目の素子とする。この場合、右端の素子は128番目の振動子となる。各素子は、送信と受信とを行う。
探傷する各階層について、第1番目乃至第32番目の素子を振動させて第1回の超音波の送受信を行い、次に、第2番目乃至第33番目の素子を振動させて第2回の超音波の送受信を行い、次に、第3番目乃至第34番目の素子を振動させて第3回の超音波の送受信を行う。このように、同時発信する32素子のグループを右側へシフトしてゆき、最後に第126番目乃至第128番目の素子を振動させて合計第97回の送受信を行う。このような動作がアレイプローブの電子走査である。
上記の探傷において、1回の送受信のグループを構成する32素子を励振する信号は、夫々異なるディレイ(遅延)がかけられている。また、当該32素子の受信による振動にて得られた信号にも、夫々ディレイがかけられている。このような送受信のディレイ処理によって、32素子が1回に発する超音波は、1点にフォーカスする。
そして、被検材の深さ方向について、第1階層となる位置z−1にアレイのフォーカスを設定して、図20(A)の矢印方向へ向けて上記の電子走査を行う(被検材の深さ方向を図20(A)では上下方向とし、矢印方向は図示の通り図の左右方向となる)。上記の第1階層において矢印方向の各位置の探傷が終わると、次に第1階層より深い第2階層となる位置z−2へアレイのフォーカスを設定して、上記と同様矢印方向へ電子走査を行う。この第2階層の探傷が終わると、次に第2階層より深い第3階層となる位置z−3へアレイのフォーカスを設定して、上記と同様矢印方向へ電子走査を行う。
このように、この例において、ゾーンフォーカス探傷では、3回の電子走査が必要となる。
従って、この例では、素子方向に97回、深さ方向に3回のスキャニングが必要であり97×3= 291回、実際の超音波の送受信が行われている。
一方ボリュームフォーカス探傷では、一回の送受信で上記の3階層やそれ以上の複数階層に対しDDFをかけた探傷が可能である。例えば、図20(B)では5階層のDDFをかけたボリュームフォーカス処理を示しているが、このDDFの階層数の増加はPRFに影響しない。
具体的に説明する。
図20(B)中、アレイプローブから出て下方に伸びる複数の平行な縦線は、全チャンネル同時励振の平面波を表し、破線は、受信のフォーカスビームを示す。黒丸点は受信側のフォーカス(焦点)を示す。即ち、ボリュームフォーカス探傷において、上記の128個の素子から同時に超音波を発信するものであり、当該送信時はフォーカスさせず、受信時において、ディレイ処理により、仮想的に焦点を得るのである。
図20(B)の上記縦線で示すように、上記の一回に全素子同時の超音波の発信を行うことにより、各素子が受信したエコーについて、ディレイをかけて仮想的にフォーカスを作り、例えば、第1番目乃至第32番目の素子が受信した超音波について、図20(B)の左側端の上下6個の黒丸点の夫々を焦点とする受信処理を一度に行え、次の受信処理によって、上記左端の右隣の上下6個の黒丸点の夫々を焦点とする受信処理を一度に行うことができる。このような受信処理を、97回行うことによって、深さ方向の各階層の処理を完了することができる。
上記の通り、この図20(B)へ示す、ボリュームフォーカス探傷では、図20(A)に示すゾーンフォーカス探傷のように、電子走査を必要とせず、また、深さ方向の各位置に、フォーカスした結果が得られるので、1回の超音波の送受信で、ゾーンフォーカス探傷において複数回の電子走査で探傷を行っていた範囲の探傷を行うことができる。
棒状の被検材の例を採れば、上記の図19におけるT2というのは、T1の発信にて探傷した断面と、被検材の軸方向について異なる位置の、次の断面の探傷のための送信波を示している。この点、図20(A)のゾーンフォーカス探傷においては、T1は、例えば1階層の最初の焦点を得るために発した送信波であり、T2は、1階層において、当該焦点と電子走査方向について隣りに位置する、次の焦点を得るために発した送信波となる。
ゾーンフォーカスとダイナミックフォーカスの、何れの探傷においても、図19のS1と、B1(実際にはB1よりもやや右側のB2寄りの位置)との間において、欠陥エコーの有無を調べるものである。ボリュームフォーカスでは、このS1とB1間について、Aスコープ取り込み処理を行う(B1よりも、右側に現れるB2等のピーク波形はゴーストエコーによるものなので、不要であり、取り込まない)。
しかし、ゾーンフォーカスでは、T1の次のT2は、被検材のT1を送信したのと同じ断面について次のT2を送信するものであるため、T1についてのゴーストエコーがなくなるまで、T2の送信が行えないのである。
本願発明者は、ゾーンフォーカスと比較して、ボリュームフォーカス探傷の処理の高速性について、方形の断面を備えた角柱状のアルミニュームテストピースを使用して検証を行った。このテストピースに設けた人工欠陥は、φ0.5mmのSDH(Side Drill Hole) である。ゾーンフォーカスとボリュームフォーカスの、どちらにおいても、10MHz、0.5mmピッチのアレイプローブを使用した。ゾーンフォーカス法では深さ方向に焦点深さを15mm間隔で3段階、長手方向に0.5mmピッチでスキャニングしている。ゴーストを避けるために各サイクルのPRFは2KHzとなり全体では2000÷97÷3= 6.8Hzであった。これに対してボリュームフォーカスでは128素子同時に励振させ、受信では32素子のフォーカルロー(特定の焦点、特定の角度を持たせたグループ)を設定し、深さ方向に10mmのDDFをかけ0.5mmピッチの信号処理を行っている。このときの送信の繰り返し周波数、即ち、PRFは437Hzであり、上記の64倍の高速探傷である。
また、ゾーンフォーカスでは送受信とも焦点をしぼることができるため分解能に優れていることが確認できた。一方、ボリュームフォーカスでは、DDFの効果により深さ方向でビームが広がらず、焦点を持っていることが確認できた。ボリュームフォーカスでは、この探傷のBスコープが一度の送信により得られる。
しかし、現在のところ、断面視円形の被検材について、ボリュームフォーカスを利用して、内部欠陥の探傷を行うものは皆無である。
本願の発明者は、ボリュームフォーカスを断面視円形の被検材について、利用できないか、鋭意研究を重ねて、本願発明を完成させたものである
本願発明は、断面が円形の円柱の被検材について、ボリュームフォーカス探傷の利用を図る。
本願第1の発明は、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段とを備え、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するボリュームフォーカス探傷法を用いた超音波探傷装置について、次のものを提供する。
即ち、この装置は、断面が略円形の被検材の内部探傷を行うものであり、被検材の断面視において被検材が呈する円に沿って、上記アレイプローブの複数の振動子が、弧状に配列されて、上記ボリュームフォーカス探傷法による探傷を行うものである。
そして、上記複数の振動子を励振することにより、上記励振手段は、超音波を被検材内部へ入射させて被検材内にて現実に焦点させ、上記現実の焦点の通過後発散する超音波にて、被検材内の探傷予定領域の上記ボリュームフォーカス探傷を行うものであり、アレイプローブの振動子群が呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線と、被検材の断面が呈する円の中心において直交する直交線よりも、当該アレイプローブ寄りに、超音波送信時の上記現実の焦点を設定するものであることを特徴とする
本願第の発明では、上記本願第1又は第2の発明にあって、励振手段は、振動子の夫々をアレイが呈する弧の一端側から弧の他端側に向け漸次タイミングをずらして励振する斜角探傷法にて、被検材の探傷を行わせることができ、励振手段は、アレイプローブの夫々に、当該アレイが沿う、被検材が呈する上記円の周上の区間を入射区間として、超音波を、入射区間の各位置から被検材内部へ入射させて、入射させた超音波を、上記の斜角探傷法にて、アレイプローブの夫々に、複数の振動子の1回の振動にて、被検材内部へ入射させ、入射させた超音波を、被検材が呈する上記円の周上において上記入射区間と対向する対向区間と隣接する、隣接区間の一方に到達させるものである超音波探傷装置を提供する。
尚、ここで言う隣接区間とは、その区間の一端が対向区間の一端と接する或いは一致するものに限定するものではなく、隣接区間の端部が対向区間の端部と離れていているもの、及び、両区間の一部が重なるものを含む。即ち、隣接区間の呈する弧が、被検材が呈する円の周上において、対向区間の呈する弧と向きが異なるものであり、尚且つ、対向区間の一部区間として対向区間に完全に包括されないものであれば、ここでいう隣接区間に含まれる。
本願第の発明では、上記本願第の発明にあって、励振手段は、被検材の内部であり且つ被検材の軸方向と直交する面での断面視において、アレイプローブ夫々の振動子群が呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線上から外れた位置であって、当該垂直二等分線と被検材の呈する円の中心において直交する直交線よりも上記アレイプローブ寄りの位置に、斜角探傷法にて入射させる超音波の現実の焦点を、設定するものである超音波探傷装置を提供する。
本願第の発明では、上記本願第3の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、上記の擬似電子走査は、超音波の送信時にアレイプローブが備える配列された振動子を当該配列方向に沿って順次励振させて走査を行う電子走査に代え、受信側で行う擬似的な走査であり、配列された各振動子と波形メモリの各アドレスとを対応させておき、超音波の送信時にアレイプローブの配列された全ての振動子を一度に励振させて得た受信波のデータを波形メモリに記録し、波形メモリからデータを読み出す際に、受信側において被検材内部の各位置での焦点を形成するのに必要な振動子と対応するメモリのアドレスを、順次振動子の電子走査方向に対応する方向にシフトさせて、メモリ内のデータを読み出して行くものであり、擬似電子走査中、シフトさせる振動子の各グループの超音波ビームの方向を、波形メモリの読出しの際に、アドレスに補正値を与えることによって、上記隣接区間内の各位置と対応させるものである。
本願第の発明では、上記本願第4の発明にあって、上記の補正値は、少なくとも、同一のグループを構成する振動子夫々のビームについて、当該同一グループの当該振動子間のビーム路程を同一とするよう、当該振動子夫々の入射点において相違する屈折角を加味した入射角を与えて、隣接区間上の一点と対応させるものである超音波探傷装置を提供する。
本願第の発明では、上記本願第5の発明にあって、受信角度補正手段を備え、受信角度補正手段は、擬似電子走査中シフトさせる振動子の各グループの超音波の発する方向を、波形メモリの読出しの際に、アドレスに補正値を与えることによって、上記隣接区間内の各位置と対応させる超音波探傷装置を提供する。
本願第の発明では、上記本願第の発明にあって、上記の受信角度補正手段が提供する上記の補正値は、同一のグループを構成する振動子夫々のビームについて、当該グループの振動子間のビーム路程を同一とするよう、当該振動子夫々の入射点において相違する屈折角を加味した入射角を与えて、上記隣接区間上の一点と対応させるディレイパターンを構成する超音波探傷装置を提供する。
本願第の発明では、上記本願第の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、上記の焦点手段は、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタと、フォーカスの深さ位置を示すD 深さ方向カウンタと、ダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされるダイナミックフォーカス位相補正メモリとを備え、Y 方向カウンタとD深さ方向カウンタのデータとを、ダイナミックフォーカス位相補正メモリのアドレスに供給することにより、フォーカス位置での位相補正量を得るものであり、
上記の受信角度補正手段は、ダイナミックフォーカス位相補正メモリのアドレスに供給される上記のカウンタのデータに、上記の入射角度についてのディレイパターンを加算するものである。
本願第の発明では、上記本願第の発明にあって、上記受信角度補正手段は、受信ディレイパターン保持部と、受信側選択保持部とを備え、受信ディレイパターン保持部は、入射角度に応じた補正量のディレイパターンを保持するものであり、受信側選択保持部は、入射角度の選択により、受信ディレイパターン保持部中の対応するディレイパターンを特定するものである超音波探傷装置を提供できた。
本願第10の発明では、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段とを用い、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のA スコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するものである、ボリュームフォーカス探傷法による超音波探傷方法について、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この方法は、断面が略円形の被検材の内部探傷を行うものであり被検材の断面視において、被検材が呈する円の円周に沿って、上記アレイプローブの複数の振動子を配列して、上記ボリュームフォーカス探傷法による探傷を行うものであり、上記複数の振動子を励振することにより、上記励振手段は、超音波を被検材内部へ入射させて被検材内にて現実に焦点させ、上記現実の焦点の通過後発散する超音波にて、被検材内の探傷予定領域の上記ボリュームフォーカス探傷を行うものであり、アレイプローブの振動子群が呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線と、被検材の断面が呈する円の中心において直交する直交線よりも、当該アレイプローブ寄りに、超音波送信時の上記現実の焦点を設定するものである。
本願第11の発明は、上記本願第10の発明にあって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この方法は、励振手段により、各アレイプローブについて振動子の夫々を、アレイが呈する弧の一端側から弧の他端側に向け漸次タイミングをずらして励振することにより、斜角探傷法にて被検材の探傷を行わせるものであり、励振手段によって、アレイプローブの夫々に、当該アレイが沿う、被検材が呈する上記円の周上の区間を入射区間として、励振手段によって、超音波を、斜角探傷法により、アレイプローブの夫々に、アレイプローブが備える振動子のうち少なくとも一部の連続する複数の振動子の1回の振動にて、被検材内部へ入射させ、入射させた超音波を被検材が呈する上記円の周上において上記入射区間と対向する対向区間と隣接する、隣接区間の一方に到達させる。
本願第12の発明は、上記本願第10又は第11の発明にあって、上記の探傷後、上記のアレイプローブを被検材の軸方向に沿って物理的に走査することにより、当該軸方向の他の位置にて上記の探傷を行う超音波探傷方法を提供する。
本願第13の発明は、上記本願第10乃至第12の何れかの発明にあって、探傷前のキャリブレーションにおいて、キャリブレーションを行う際に用いるテストピースを、探傷を行う被検材の径ごとに用意することに代え、一部のテストピースを、それよりも径の大きいテストピースのキャリブレーションのデータと径の小さいテストピースのキャリブレーションのデータを用いて補完するものである超音波探傷方法を提供する。
本願第1〜13の発明によって、丸棒などの円柱状の被検材について、ボリュームフォーカス法による探傷を実現し、このような、断面が略円形の円柱状の被検材の探傷を、高速に行うことを可能とした。
特に、本願第2の発明では、ボリュームフォーカスによる斜角探傷法を行うことにより、被検材の、従来のボリュームフォーカスによる垂直探傷法のみではカバーできない領域についても、確実に探傷を行うことを可能として、欠陥の検出が困難なデッドゾーンを低減させた。
一般に垂直探傷といえば、シングルプローブにより発した超音波を被検材へ垂直に入射させることをいい、斜角探傷と言えばシングルプローブにより発した超音波を被検材に対して斜めに入射させることをいうが、アレイプローブが備える複数の配列された振動子を励振することによって形成される超音波について、以下、弧状に配列された振動子群の両端を結ぶ線を、垂直に等分する二等分線を中心として線対称位置に配置された、振動子同士の超音波発信のタイミングを同じとすることにより、被検材外周円上の入射区間から上記対向区間へ超音波を到達させて行う、ボリュームフォーカス法による探傷を、ボリュームフォーカス法における垂直探傷と呼び、弧状に配列された振動子群の一端から他端に向けて振動子個々の超音波発信のタイミングを漸次ずらすことにより被検材外周円上の上記隣接区間へ超音波を到達させて行う、ボリュームフォーカス法による探傷を、ボリュームフォーカス法における斜角探傷と呼ぶ。以下、特に断りが無ければ、単に垂直探傷というときはこのボリュームフォーカス法による垂直探傷を指し、単に斜角探傷というときはこのボリュームフォーカス法による斜角探傷を指す。
特に、1つのアレイプローブの垂直探傷における不感帯を、他のプローブの垂直及び斜角探傷にて、カバーすることができる。
具体的には、一つのプローブの垂直探傷における、入射後対向区間での反射にて生じる底面波によって生じる不感帯を、他のプローブの斜角探傷によってカバーすることができる。その反面、個々のプローブについて、上記の通り垂直探傷と斜角探傷の双方の探傷を行わせることによって、1つのプローブの探傷範囲を大きく確保し、プローブ数を低減することができ、コスト面で有利である。更に、一つのアレイプローブで垂直探傷、斜角探傷(対向区間の両隣の隣接区間に向けた2方向)の探傷が、3回の送信で行え、この点において一つのプローブにて行える探傷範囲をより一層大きく確保できるものとし、また精度の高い探傷を行うことを可能とした。
このように、本願発明では、ボリュームフォーカス技術を使用し高速で探傷ができる。
特に本願第3及び第4の発明により、垂直探傷及び斜角探傷の夫々の焦点を、アレイが呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線と、被検材の芯(断面視において被検材が呈する円の中心)において直交する直交線よりも、プローブ寄りに設定することによって、収束後、対向区間及び隣接区間に向けて超音波を広く発散させることができ、一つのアレイで探傷できる範囲を、被検材の芯や上記直交線上に焦点させる場合に比べて、大きく確保することができる。
本願第の発明では、従来のアレイプローブの送受信において行う電子走査と異なり、送信側においては電子走査を行わずに一度に探傷する範囲について超音波を送信するものとし、受信側で受信した波形のメモリ読出しにおいて行われる振動子に対応するメモリ読出しの走査を、擬似電子走査として行う。特に、ボリュームフォーカスを得るための受信側の走査として、擬似電子走査を利用し、振動子の配列方向と対応するメモリのアドレスの配置方向(Y方向)の各位置におけるダイナミックフォーカスを全て得るために、個々のダイナミックフォーカスを得るに必要なメモリのアドレスを、順次、振動子の配列方向に対応するY方向にシフトさせて行くことで、ボリュームフォーカスによる受信処理の探傷時間短縮の効果を生かすことができる。
また、本願第13の発明により、テストピースを用意していないサイズの被検材については、保有するテストピースについての実データを用いて補完することにより、少数のテストピースにより、校正(キャリブレーション)を行うことができる。例えば、保有する、直径50mmと、直径60mmのテストピースにより現実に行ったキャリブレーションのデータを基に、55mm径の被検材について実際にキャリブレーションを行わず、50mmと60mmのテストピースのデータを用いて補完し、55mmのテストピースの用意を省略することができる。
特に、本願第1の発明では、ボリュームフォーカス法を利用することにより、超音波の実際の送信時において、探傷を予定する領域(探傷予定領域)内に焦点を設定するのではなく、全振動子から一度に超音波を発信すると共に、当該超音波を、探傷予定領域よりも、手前(アレイプローブ側)で一旦収束させることにより、収束後、探傷予定領域に向けて広範に超音波を発散させることができる。従って、1回の超音波の発信により、被検材に対して広範な探傷領域を、確保することができる。
具体的には、断面視略円形の被検材の芯(断面視において被検材が呈する円の中心)を挟んで、プローブと反対側にある被検材の内部領域を、探傷領域とする場合、被検材の芯よりもプローブ側の領域にて、送信時超音波を実際に焦点させることにより、当該焦点通過後の超音波が、断面視円筒形の波(以下必要に応じて円筒波と呼ぶ。)として広がり、広く探傷予定領域をカバーすることができる。
従来より欠陥から反射してくる欠陥エコーの強度を確保し、S/Nの良好なエコーを得るために、被検材部の探傷予定領域に焦点を置くことが行われているが、本願発明では、上記の通り、この探傷予定領域に焦点を設定せずに、収束後の発散により生じる上記の円筒波を探傷予定領域内に広範に伝搬させるものである。
上記において、検査範囲内の反射源からの反射エコーは、超音波変換器アレー(アレイプローブ)の各振動子で受信され、波形データとして各波形メモリに記憶される。この波形メモリには、波形データとして、全検査範囲内の欠陥(超音波反射源)の位置とその大きさ(反射量)の情報が位相拡散して記憶される。即ち、1回の超音波の送信とそれに続く超音波の受信により、その全検査空間内の欠陥分布状況が位相拡散されて波形メモリに記憶されていることになる。この位相拡散された各波形メモリの内容から、検査空間内の任意位置の欠陥分布状況を高速に逆演算する手段があれば、全検査空間内の欠陥分布状況が再合成可能となり、検査時間は飛躍的に短縮され、検査スピードは向上する。これは、各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段と、各波形メモリの内容を読み出し、加算器にて位相合成する位相合成手段により可能となる。
本願発明の一実施の形態に係る装置のアレイプローブの配置を示す略断面図である。 上記の配置を示す略側面図である。 上記の装置の概要を示すブロック図である。 図3のブロック図の要部を拡大したブロック図である。 上記装置の一つのアレイプローブの被検材に対する超音波の焦点位置を示す略断面図である。 検査対象を角ビレットとするボリュームフォーカスにおける平面波を説明する略縦断面図である。 検査対象を丸棒材(円柱材)とする本願発明における、ボリュームフォーカスを説明する略縦断面図である。 本願発明の上記一実施の形態の垂直探傷における補正値の設定方法を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の斜角探傷における補正値の設定方法を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の、垂直及び斜角探傷における超音波の伝播範囲を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の垂直探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の垂直探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の垂直探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の斜角探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。 本願発明の上記実施の形態の斜角探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。 上記の超音波探傷装置の制御手順を示すフローチャートである。 この超音波探傷装置の電子操作のイメージを示す説明図である。 この超音波探傷装置の波形メモリ上の垂直探傷における位相合成曲線のイメージを示す説明図である。 ボリュームフォーカスの信号処理のタイムチャートを示す。 (A)はゾーンフォーカス探傷の説明図であり、(B)はボリュームフォーカス探傷の説明図である。 (A)及び(B)は、本願発明の装置による探傷結果を示す説明図である。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図18へ、本願発明の一実施の形態を示す。
図1は、本願発明の一実施の形態に係る装置のアレイプローブの配置を示す略断面図である。図2は、上記の配置を示す略側面図である。図3は、この装置のブロック図である。図4は図3のブロック図の要部を拡大したブロック図である。図5は、上記装置の一つアレイプローブの被検材に対する超音波の焦点位置を示す略断面図である。図6は、検査対象を角ビレットとするボリュームフォーカスにおける平面波を説明する略縦断面図である。図7は、検査対象を丸棒材(円柱材)とする本願発明における、ボリュームフォーカスを説明する略縦断面図である。図8は、本願発明の上記一実施の形態の垂直探傷における補正値の設定方法を示す略縦断面図である。図9は、本願発明の上記実施の形態の斜角探傷における補正値の設定方法を示す略縦断面図である。図10は、本願発明の上記実施の形態の、垂直及び斜角探傷における超音波の伝播範囲を示す略縦断面図である。図11乃至図13は、本願発明の上記実施の形態の垂直探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。図14及び図15は、本願発明の上記実施の形態の斜角探傷における、擬似電子走査を示す略縦断面図である。図16は、上記の超音波探傷装置の制御手順を示すフローチャートである。図17は、この超音波探傷装置の擬似電子走査のイメージを示す説明図である。図18は、この超音波探傷装置の波形メモリ上の垂直探傷における位相合成曲線のイメージを示す説明図である。
この装置は、円柱状、即ち、断面が略円形の被検材の内部探傷を行うものである。
この装置は、図3へ示す通り、第1乃至第6の6つの探傷手段k1〜k6と、統括制御部100と、画面表示部110とを備える。
この実施の形態において、探傷手段k1〜k6の夫々は、垂直探傷装置と斜角探傷装置とを兼ねる。
この実施の形態において、探傷手段k1〜k6は、同一の構成を採るので、何れも探傷手段kとして、纏めて説明する。
探傷手段kは、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子1…1を有するアレイプローブ10(以下必要に応じて超音波変換器アレー10と呼ぶ。)と、アレイプローブ10の各振動子1…1を励振する励振手段と、波形メモリと、位相合成手段と、焦点手段と、角度補正手段と、ゲート処理手段と、Aスコープメモリ手段とを備え、垂直探傷と斜角探傷の夫々において、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するボリュームフォーカス探傷法を行うことができる。
図1に示す通り、円柱である被検材mの、軸方向と直交する断面視において、被検材mの周に沿って、被検材mを取り囲むように、上記探傷手段k1〜k6のアレイプローブ10…10(10a…10f)の夫々が配置される。
個々のアレイプローブ10が備える振動子群、即ち、複数の振動子1…1は、上記断面視において被検材mが呈する円に沿って、弧状に配列されている。この実施の形態において、1つのアレイプローブ10は、128個の振動子(セグメント)を備える。但し、振動子の個数は、128個に限らず、他の個数、例えば128個より少ないものや、128個より多い個数の振動子を備えたアレイプローブ10を採用することもできる。
当該振動子1…1が呈する弧を、上記の断面視において被検材が呈する円と同心とするのが好ましい。但し、このように、振動子群を被検材と同心に配設するものに限定するものではなく、被検材の芯から外れた位置に、振動子群の中心が位置するものであってもよい。また、振動子群が呈する上記弧の半径は、被検材の半径の2倍とするのが好ましい。例えば、被検材が呈する上記の円の半径が50mmである場合振動子群が呈する弧の半径は100mmとするのが好ましい。但し、このような寸法設定も、変更可能である。
また、各アレイプローブ10…10は、等間隔を開けて配置するのが好ましい。
例えば、被検材mの軸方向と直交する面による断面視において、図1に示す通り、第1探傷手段k1のアレイプローブ10aを時計の12時の位置に配置し、第2探傷手段k2のアレイプローブ10bを時計の10時の位置に配置し、第3探傷手段k3のアレイプローブ10cを時計の8時の位置に配置し、第4探傷手段k4のアレイプローブ10dを時計の6時の位置に配置し、第5探傷手段k5のアレイプローブ10eを時計の4時の位置に配置し、第6探傷手段k6のアレイプローブ10fを時計の2時の位置に配置すればよい。但し、上記断面視において被検材内を漏れなく探傷できるのであれば、各プローブ10…10全てが等間隔に配置されたものに限定するものではない。
上記の振動子群が呈する弧が、被検材mと同心となるように、各アレイプローブ1を、配置するのが好ましい。但し、このような同心となるものにアレイプローブが備える振動子群の曲率半径や、アレイプローブの配置を限定するものではない。例えば、振動子群の呈する弧の両端を結ぶ線分Q1の垂直二等分線Q2の上に被検材mの芯Oが位置するもの、即ち、当該垂直二等分線Q2が被検材mの呈する円の法線となるもの、更に、言い換えれば、振動子群が呈する弧の属する円の中心が、被検材mが呈する円に対する法線上に位置するものであれば、上記の通り同心でなくても、良好に実施することができる(図5)。
上記6個のアレイプローブ10a…10fは、全て同じ構成を採るので、図1において、被検材mに対して最上部に位置するアレイプローブ10aを、他のプローブに代表して説明すると、垂直探傷法により、上方から下方に向けてに超音波を1度発信し、斜角探傷法により、当該垂直探傷法にて発信した超音波よりも、被検材mに対して右側に向けて超音波を1回発信する。更に、当該垂直探傷法にて発信した超音波よりも被検材に対して左側に向けて超音波を1回発信する。他のプローブも同様に、3度超音波の発信により、1回の垂直探傷と、向きの異なる2回の斜角探傷を行うものである。この垂直探傷及び斜角探傷による夫々の探傷範囲とその設定の仕方については、後述する。
6個のアレイプローブ10a…10fが上記の超音波の送信とそれに伴う受信処理を終了すると、6個のアレイプローブ10a…10fは、被検材の軸方向についてその位置を変えて上記の探傷を繰り返す。この場合、オンライン探傷であるので、プローブの上記軸方向の走査は、被検材mの製造ライン上の被検材の移送にて実現する。言い換えると、本願発明は、探傷時間の短縮を実現することにより、上記製造ライン上の移送中に、円滑に送受信の処理を完了することができる。
尚、上記において、アレイプローブ10の全振動子1…1を振動させるものとしたが、例えば、振動子1…1の列が、1つのアレイプローブ10の探傷の受け持つ範囲(カバー範囲)を超える長さを有するものである場合、1つのアレイプローブ10の全振動子1…1中、当該プローブ10の上記受け持ち範囲に相当する一部の一連の振動子1…1を、ここでいう全振動子として、1度に振動させることができる。例えば、1つのアレイプローブが備える128個の振動子中、両端の4個(合計8個)は、単に備えているだけ振動子として使用せず、一連120個の振動子を全振動子として使用するものを排除するものではない。
図1に示す通り、各アレイプローブ10a…10fと被検材m表面との間(ギャップ)には、超音波の媒介となる探傷水Tが介される。
この探傷装置において、周知の水浸法又は局部水浸法を採用することができる。
図2へ示すように、第1乃至第6の各探傷手段k1〜k6の、アレイプローブ10a…10fの夫々については、互いが発信した超音波やその反射波(ゴーストエコーを含む。)の影響を受けないように、被検材の異なる断面に、即ち、円柱状の被検材の軸方向について異なる位置に配置される。
丸棒である被検材mは、前記の製造ラインにおいて、棒の長手方向即ち、棒の軸方向に沿って移送される。図2に示す通り、この移送方向Eの異なる位置に、アレイプローブ10a…10fの夫々を配置しておくのである。
また、このように、当該移送ラインの途中に、上記各アレイプローブ10a…10fを配置し、その振動子1…1の列を、上記移送ラインと交差するように配置することによって、プローブを、円柱材の生産ラインにおいて、前述の通り、オンラインで、機械的に走査することができる。
この実施の形態では、鋼材などの材料製品である被検材の生産ライン(図示しない。)において、被検材の生産ラインの流れと交差して、超音波変換器アレー10が配置されることにより、即ち、超音波変換器アレー10が生産ラインを横断し、横断した被検材の少なくとも検査予定の全幅(横幅)に渡って振動子1…1が配置された状態とされることにより、ラインの移送に伴って、被検材のラインの移送方向(縦幅方向)の各位置における、被検材内部の探傷予定の全範囲を、順次探傷して行くものとする。
但し、オンライン探傷を行わない場合は、上記のように、被検材の軸方向について、被検材に対して相対的に、移動させる別途プローブの物理的な走査手段を、この探傷装置が備えるものとして実施することができる。
図5へ示す通り、アレイプローブ10の振動子1…1群が呈する弧の両端を結ぶ線分Q1の垂直二等分線Q2と、被検材mの芯O(被検材mの断面が呈する円の中心)において直交する直交線Q3よりも、当該アレイプローブ10寄りに、垂直・斜角探傷における、超音波送信時の実際の焦点を設定する。
上記の垂直二等分線Q2は、上記の芯Oを通るものであり、垂直探傷における現実の焦点即ち、垂直探傷の送信時の超音波の焦点F0は、当該垂直二等分線Q2上であって、被検材mの断面が呈する円の周上において垂直探傷法にて超音波を入射させる入射区間a3−a4と、芯Oとの間に位置する。上記の振動子1…1群が呈する弧が、被検材と同心とすると、当該垂直探傷の実際の焦点F0は、垂直二等分線Q2上であって、入射区間a3−a4と上記芯Oの中間点に設定するのが好ましい。
両斜角探傷の送信時の焦点F1,F2は、図5へ示す通り、被検材mの内部であって、上記の上記垂直二等分線Q2と芯Oにて直交する直交線Q3よりも、アレイプローブ10寄りの位置に設定されるものであり、垂直探傷と異なり、垂直二等分線Q2上より左又は右に外れた位置に設定する。この焦点の設定については後に詳述する。
このような設定の下、図10へ示す通り、アレイプローブ10(第1アレイプローブ10a)は、垂直探傷法により、1回の超音波の送信で、被検材mが呈する円の周上の、入射区間a3−a4から、被検材が呈する円の周上において、入射区間a3−a4と対向する対向区間a1−a2に向けて、超音波を到達させる。また、斜角探傷法による1回の超音波の送信で、超音波を、被検材が呈する円の周上において、上記対向区間a1−a2の一端に隣接する隣接区間b1−b2に到達させ、斜角探傷法による他の1回の超音波の送信で、他の1回は、超音波を、被検材が呈する円の周上において、対向区間a1−a2を挟んで、上記の隣接区間b1−b2と反対側において、対向区間a1−a2と隣接する隣接区間c1−c2に、到達させる。上記1つのプローブにおける3回の超音波の送信の送信の順は、何れでもよい。
垂直探傷及び斜角探傷における被検材内での超音波は、焦点での収束後発散して、図10の波紋状の網掛けにて示す各領域に伝播して行く。
図10に示す超音波の送信波は、断面視矩形の被検材のボュームフォーカス探傷(図20(B))の場合と同様、平面波又は擬似平面波である。但し、断面視円形の被検材に対する擬似平面波は、見かけ上、直線的ではなく弧状である点相違する。この点について説明する。
従来のボリュームフォーカス法は、断面視において表面が直線的なものを対象とし、図6へ示す通り、超音波の送信時に被検材mの表面各位置に向けて、被検材m表面に沿って直線的に配列された全振動子1…1を同時に励振することにより各ビームがほぼ平行に進む平面波或いは、振動子の励振のタインミングの設定により焦点が遠方に設定された或いは超音波を発散させて焦点を結ばない擬似平面波にて、現実には1度にアレイプローブの全振動子を励振させて1度の超音波の発信にて、断面視において被検材の内部のほぼ全域に渡って、受信処理に必要な超音波を伝播させるものであり、その上で、電子走査に相当する擬似電子走査を受信処理において行うことにより、探傷時間の短縮を実現するものである。
円柱状の部材を検査の探傷とする本願発明の装置において、円柱材の断面が呈する円に沿って、弧状に配列された全振動子を1度に振動させて発生させる、上記の弧状の波(以下円筒波と呼ぶ。)は、それまでの断面視矩形の部材、即ち表面が断面視において直線的な部材に対するボリュームフォーカス探傷法における、平面波や擬似平面波(以下、平面波を含めて擬似平面波と呼ぶ。)に相当する。本願発明に係る当該装置では、被検材m内に焦点を置く点で異なって見えるが、上記の平面波を被検材の表面に対して各ビームを同一の角度入射させる、例えば垂直探傷に限って各ビームを被検材の表面に対して略垂直に入射させる(各ビームを入射点における法線と一致させる)ものと考えれば、ここでいう円筒波も、図7へ示す通り、断面視円形の被検材の表面に対して各ビームを垂直に入射させる(法線と一致させる)という点で同一である。但しこの円筒波は、発散前、被検材mの芯Oにて収束する、即ち上記の通り、被検材mの芯Oに焦点を結ぶものである。本願発明では、このように被検材mの芯Oに焦点を設定することを排除するものではないが、探傷範囲を広範に確保する観点から、当該芯Oよりも、手前即ちプローブ寄りの位置に焦点を設定して、円筒波をより広範に伝播させるものをより好適な実施の形態とする。
従って、ここではボリュームフォーカス法は、被検材の形状、焦点位置の被検材の内外を問わず、送信の際に超音波を、探傷予定領域内にて焦点させず、アレイプローブの振動子の配列幅を生かして、探傷予定領域へ広範に伝播させるものとする。特に、断面視円形の部材を被検材とする本願発明において、上記の円筒波を発生させる。
上述の通り、芯Oに焦点を置く場合、図7に示すように、プローブの振動子群が呈する弧が被検材mと同心であれば、各振動子から、被検材内に入射するビームは、全て、被検材断面が呈する円についての法線となり、全ての振動子1…1の超音波ビームについて、入射角は0度であり、入射後の屈折角も0度である。従って、各振動子1…1の励振に際して、ディレイを与えずに、全振動子1…1から同時に超音波を発信すればよい。
一方、図8に示す通り、上記の垂直探傷において、上記の円筒波を、上記の被検材mの芯Oよりもプローブ寄りの位置にある焦点F0にて収束し且つ当該焦点F0通過後に発散するものとするために、振動子1…1毎に入射角を変える必要がある。
また、入射各位置における入射後のビームの屈折角は、探傷水T中で伝播する音の音速と被検材中で伝播する音の音速との相違により、スネルの法則に従い、入射角毎に異なる。
上記のスネルの法則については、入射角をθ、屈折角をφ、探傷水T中での音速をvi、被検材m中での(縦波の)音速をvjとすると、
(sin θ/vi)=(sin φ/vj)
が成立する。
入射角θ及び屈折角φは、何れも入射点における法線に対して、屈折前及び屈折後のビームがなす角度である。上記の音速は伝播する材料及び温度によって定まる。
この装置は、送信時に被検材にて生じる縦波を利用するものであり、上記の屈折角は、縦波についての屈折角である。
従って、図8に示す通り、一つのプローブ10において、振動子1s,1tの夫々の超音波ビームについて、夫々の異なる入射点1m,1nにおける入射角θs,θtは、焦点F0を得るために、スネルの法則により夫々屈折角φs,φtを考慮した角度に設定する必要がある。前述の垂直二等分線Q2について線対称とならない振動子1s,1t同士の超音波ビームにおいて入射角が異なるのは勿論のこと、線対称に位置する振動子同士においても、正負が逆となるので夫々入射角は異なるものである。
このように、スネルの法則に従って、芯Oと異なる上記の位置で焦点F0を得るよう、各振動子の励振のタイミングをずらす。即ち、そのようなディレイパターンによって、各振動子1…1を振動させる。例えば、振動子1s及び、当該振動子1sと異なる振動子1tから発信され、焦点F0を通過した各ビームは、上記対向区間a1−a2上の各位置as,atへ到達する。
上記において、垂直二等分線Q2と一致するビーム、即ち、振動子の配列中、中央に位置する振動子1xから発信された超音波ビームだけは、被検材に対して、垂直に入射するので入射角、屈折角共に0となり、ディレイを与える必要はない。このビームの到達位置a0は、対向区間a1−a2の二等分点である。
図9へ示す通り、斜角探傷における、超音波の送信においても、前述の焦点F1,F2の位置を考慮した励振のタイミング即ちディレイパターンを、各振動子1…1に与えて、隣接区間b1−b2上の夫々の位置へ到達させる。
具体的には、上記異なる2つの振動子1s,1tのビームが、芯Oと異なる前述の位置で焦点F1を得るよう、スネルの法則に従って、屈折角φs’,φt’を考慮した夫々の入射角θs’,θt’を得るように、励振のタイミングにディレイを与える。これにより、振動子1s及び振動子1tから発信され、夫々の異なる入射点1m’,1n’から入射し、焦点F1を通過した各ビームは、上記隣接区間b1−b2上の各位置bs,btへ到達する。
斜角探傷においては、被検材に対して垂直に入射するビームはないので、例えば配列中央の振動子1xについても、スネルの法則に従い、屈折角φxを考慮した入射角θxを持つよう、ディレイを与えて励振させる必要がある。図9中b0は、当該振動子1xのビームの、隣接区間b1−b2上の到達位置を示している。
図9では、隣接区間b1−b2に超音波を伝播させる斜角探傷を例示して説明したが、隣接区間c1−c2に超音波を伝播させるもう一方の斜角探傷についても、上記と同様であり、説明を省略する。
上記の隣接区間付近での欠陥エコーを検出するという観点から、垂直探傷と異なり、斜角探傷においては、次に説明する不感帯での欠陥エコーの検出を確実に行うため、送信時、各振動子のビームの屈折角を20度(絶対値)より大きいものとするのが適切である。隣接区間b1−b2と隣接区間c1−c2sとは、上記屈折角の正負は逆となる。また、上限は、スネルの法則に従い被検材に入射できる範囲とする。ここでは、屈折角・入射角何れも、上記絶対値を0度以上90度以下の範囲で定める。
ここで、図5を用いて、不感帯について説明する
図5に斜線で示す通り、垂直探傷において、入射区間a3−a4付近に、入射時の被検材表面での反射による不感帯が存在し、また、入射区間a3−a4と対向する対向区間a1−a2付近にも、対向区間a1−a2での反射による不感帯が存在する。この対向区間a1−a2付近の不感帯は、対向区間a1−a2側から被検材m内部に向けて3mm程度の深さの領域であり、上記の入射時の反射による不感帯に比べると、薄く浅い。
垂直探傷では、主として、図10のF0−a1−a2に囲まれた領域内部の探傷を行い、斜角探傷の夫々によって、上記の被検材の周面の隣接区間b1−b2,c1−c2の探傷を行う。本願発明において、上記入射時の入射区画a3−a4での反射による不感帯は、他のプローブ(上記において、第1のアレイプローブ10a以外のプローブ)の垂直探傷及び斜角探傷にて探傷を行い、また、上記の対向区間a1−a2付近の不感帯は、他のプローブの斜角探傷によって、探傷を行うものである。
このため、垂直探傷では、超音波の受信側の処理として、上記図10に示す領域F0−a1−a2内のボリュームフォーカス探傷においてDDF(ダイナミックフォーカス)を行う。一方、斜角探傷では、DDFを行う必要はなく、擬似電子走査において、上記の隣接区画b1−b2,c1−c2付近(ほぼ周上)にのみフォーカスを設定する。
即ち、垂直探傷にて、専ら、被検材内部中央部(芯付近)の探傷を行い、斜角探傷にて、主として被検材の表面の上記隣接区間付近の薄い範囲についての探傷を行う。言い換えると、垂直探傷による探傷では、個々のフォーカルーローについて、受信側の処理でDDFにより深さ方向の複数位置に焦点を得るものであり、斜角探傷による探傷では、DDFを行わずに、個々のフォーカルローについて、深さ方向の(入射位置に対する)最深部即ち隣接区間上にのみ焦点を得るものである。斜角探傷の一方により、図10に示す隣接区間b1−b2に沿う被検材m内の浅い部分を探傷し、斜角探傷の他の一方により、図10に示す隣接区間c1−c2に沿う被検材m内の浅い部分を探傷することを主目的とするからである。
但し、斜角探傷においても、ダイナミックフォーカス法を用いて、被検材m内部のF1−b1−b2に囲まれた領域の内部や、F2−c1−c2に囲まれた領域の内部を探傷するものとしても実施できる。
尚、上記のフォーカルローは、受信側の処理上、擬似電子走査における走査の単位となるビームのグループである。即ち、フォーカルローは、擬似電子走査における振動子と対応するのメモリのシフト毎に生成される。
垂直探傷における受信側の処理については、前述の図20(B)に示すのと同様の擬似電子走査を行う。
具体的には、図11へ示す通り、断面視において被検材mの呈する円の周上において、上記の対向区間a1−a2上に、各フォーカルローに対応する指標点f1〜f7を設定する。尚、説明の便宜上、上記の指標点は7点とするが、現実には、探傷範囲に漏れを生じさせないピッチ(指標点間の間隔)を設定する必要があるので、通常、更に多くの指標点を設定する。
指標点f2〜f6は、両端の点f1,f7間を均等な間隔に分割する点である。両端の指標点f1,f7の一方f1から他方の指標点f7に向けて、f1,f2,f3,f4,f5,f6,f7の各点を通るように、シフトする振動子と対応するメモリのグループ即ちフォーカルローの中心ビームf10,f20,f30,f40,f50,f60,f70を設定する(f50については、図12へf70については、図13へ示すが、他の中心ビームについては図示を省略する)。そして、各中心ビームの上に、DDFの各フォーカスを設定する。図11では、f11〜f17が、指標点f1に対応するフォーカルローの中心ビームf11上、DDFの焦点を示している。このフォーカス点f11〜f17が、図20(B)の黒丸で示す点に相当する。図面の煩雑を避けるため、図11や、次に説明する図12、図13では、図20(B)において破線で示した、DDFを構成する各ビームの収束状態については、図示しない。
図11に示す通り、y方向へ擬似電子走査を行い、フォーカルローを構成するビームを、指標点f1,f2,f3…f7の順にシフトし、当該各指標点夫々を通るフォーカルローを順次形成して行く。
図12は、上記擬似電電子走査途中の指標点f5に対応するフォーカルローを示している。図12において、f51〜f57は、当該指標点f5に対応するフォーカルローのDDFのフォーカスを示している。上記の通り、始点となる指標点f1から開始した擬似電子走査は、最終的には、図13に示す通り、終点となる指標点f7にて終了する。図13において、f71〜f77は、この指標点f7に対応するフォーカルローのDDFのフォーカスを示している。
垂直探傷において、指標点f1〜f7の位置は、デッドゾーン即ち上記の不感帯にあり、探傷を行うポイント(探傷ポイント)とはならない。
受信側の処理においても、図11〜図13へ示す通り、中心ビームf10〜f70は、夫々の入射点h1〜h7(h1,h5,h7のみ図示する。)における被検材への入射角度は、前述のスネルの法則に従い、屈折角を考慮して定める必要がある。
即ち、入射角が異なる入射点h1〜h7夫々において屈折角も異なる。
また、各フォーカルロー毎に、その中心ビーム間のビーム路程も異なる(探傷水T中、被検材中において、ビーム路程は異なる)。
このようなフォーカルローの中心ビーム毎に、異なる屈折角・ビーム路程を考慮して、各指標点を通るように、各中心ビームの入射各位置での入射角を決定しておく。
一つのフォーカルローは、複数の振動子グループの各振動子に対応する複数のビームにて構成されるものであり、中心ビームと同じフォーカルローに属する他のビーム(中心以外のビーム)であっても、夫々入射点が異なるので、互いに屈折角及び入射角が異なる。しかし、同一の指標点を同時に通ることから、同じフォーカルローに属するビームは、中心ビームを含め、ビーム路程は、全て同一となる。例えば、図11において、f1を指標点とするフォーカルローの各ビーム(図11中、煩雑を避けるため中心ビームと左右のビームの合計3本のみ描いて他のビームは省略している。)は、当該指標点を同時に通る。
フォーカルローが異なれば、上記の通りビーム路程も異なる。
また、同じフォーカルローに属するビームであっても、中心ビーム以外のビームについては、DDFを得るための入射角度の設定が必要になる。この場合も、入射点によってスネルの法則に従い屈折角の相違を考慮しておく必要がある。例えば図11におけるf1〜f7のDDFのフォーカス毎に、中心ビーム以外のビームの入射角度を、屈折角を考慮して設定する必要がある。
各フォーカルローは、構成するビーム夫々の夫々屈折角に応じて入射角を漸次変化させて行くものである。
従って、この垂直探傷の受信側の処理において、各指標点を通るフォールローの形成のための入射角度の補正を加味して、更に、個々のフォーカルローにおけるDDFを構成するための入射角度を得るように、ディレイを与える補正を行う。
例えば、擬似電子走査において、各指標点を通るように、断面視円形の被検材に対する法線(入射角及び屈折角が共に0度)に対して、走査の1番目のフォーカルロー(の中心ビームの)入射角は+10度、2番目のフォーカルローの(中心ビームの)入射角は+9度、3番目のフォカルローの(中心ビームの)入射角は+8度…、アレイが呈する弧上の当該弧両端から等距離にある弧中央のフォーカルローの(中心ビームの)入射角は、±0度、当該中央の次のフォーカルローの(中心ビームの)入射角は−1度というように、向きを変える。そして、一つのフォーカルローに属する中心ビーム以外のビームは、上記の補正に加えた上で、DDFを得るため補正が加えられる。
尚、このような擬似電子走査において、図面から分かり難いが、各フォーカルローは、結果として、実際の焦点即ち送信時における超音波の焦点F0の位置とは無関係に、夫々上記の通り、屈折角に応じて入射角を漸次変化させて行くことになる。
斜角探傷においても、隣接区間上に、複数の指標点を設定し、当該指標点を通るフォーカルローを順次形成して行く。ここでは、アレイプローブ10aの上記対向区間a1−a2の右側に位置する隣接区間b1−b2上の受信側の処理について説明するが、対向区間a1−a2の左側に位置する隣接区間c1−c2上の受信側の処理も、当該右側の隣接区間b1−b2上の処理と同様であるので、その説明は省略する。
指標点g2〜g6は、両端の点g1,g7間を均等な間隔に分割する点である(図14)。両端の指標点g1,g7の一方g1から他方の指標点g7に向けて、g1,g2,g3,g4,g5,g6,g7の各点を通るように、シフトする振動子と対応するメモリのグループ即ちフォーカルローの中心ビームg10,g20,g30,g40,g50,g60,g70を設定する(g10,g17以外の中心ビームの図示は省略する)。
図14に示す通り、y方向へ擬似電子走査を行い、指標点g1,g2,g3…g7の順にシフトし、当該各指標点夫々を通るフォーカルローを順次形成して行く。図14は、擬似電子走査の開始点となる指標点g1と対応するフォーカルローを示している。最終的に、図15へ示す指標点g7が、この擬似電子走査の終点となる。
この実施の形態において、斜角探傷では、DDFを行わないが、擬似電子走査は、垂直探傷の場合と同様、上記の通り、指標点g1,g2,g3…g7を設定して、各指標点について順次擬似電子走査を行うのである。前述の通り、斜角探傷においては、指標点が探傷ポイント(正確には、指標点より被検材内側の上記不感帯の領域内において上記指標点に近接する位置が探傷ポイント)となる。
斜角探傷における各フォーカルローの中心ビームの入射角の設定も、スネルの法則に従い、屈折角を考慮して、各指標点を通るように定める。また、一つのフォーカルローを構成するビームは、同一の指標点を通る、即ちビーム路程が等しくなるように、屈折角を考慮して入射角を定める点も垂直探傷の受信側の処理と同様である。但し、DDFを行わない、この実施の形態において、DDFを与えるための、補正は不要である。
上記の通り、対向区間a1−a2は、垂直探傷における送信波到達区間であり、上記の隣接区間b1−b2及び隣接区間c1−c2は、斜角探傷夫々における送信波到達区間であり、垂直探傷における上記の指標点の設定区間f1−f7、斜角探傷における上記の指標点間の設定区間g1−g7は、受信側の擬似電子走査区間である。
ここで実際に、前述の、超音波送信時の焦点位置の設定を行う方法について説明する。
先ず、この送信時の焦点F0,F1,F2(図5及び図10)の設定に先立ち、被検材の上記周上において、上記の各指標点を設定する範囲を定める。そして、被検材の上記周上において、指標点を設定した範囲を包括するように、対向区間a1−a2、隣接区間b1−b2、c1−c2を定める。このような対向区間、隣接区間が得られるように、焦点位置F0,F1,F2の位置を選べばよいのである。
上記の指標点の設定について具体的に説明する。
垂直探傷においては被検材の周上における指標点設定範囲即ち両端の指標点f1,f7の位置の決定(図11〜図13)、斜角探傷においては指標点設定範囲即ち上記の例では指標点g1,g7の決定(図14及び図15)が必要である。
この指標点設定範囲の決定に際しては、被検材について、1つのプローブ(プローブ10a)のカバーする範囲の決定によって定める。このプロープ夫々のカバー範囲は、装置に設けるプローブの数によって決めればよい。
この実施の形態では、6個のプローブ10a〜10fを用いるので、被検材の全周(360度)をアレイプローブの個数で割れば、1つのプローブがカバーする範囲は、垂直・斜角の夫々について、被検材の中心角60度の範囲である。但し、上記のカバー範囲は、アレイプローブ10…10間において、一部オーバーラップさせるのが好ましい。即ち、被検材の全周をアレイプローブの個数で割った角度よりも、個々のアレイプローブが探傷予定流域とする範囲を、広く設定する。オーバーラップについては、図5に示すアレイプローブ10aの垂直探傷の指標点設定範囲f1−f7を例に採ると、上記の60度について、垂直二等分線Q2を挟んで、右30度と左30度とを合わせたものとみて、左右夫々に、5〜15度の範囲で、オーバラップさせるのが好ましい。特に、左右10度づつオーバーラップさせて、上記のカバー範囲を80度(右40度、左40度)とするのが好ましい。
また、斜角探傷においても、指標点設定範囲は、上記垂直探傷同様に定めればよい。
指標点設定範囲を定めた後は、上記円周上にて当該範囲を等分割する指標点間のピッチを定める。前述の通り、受信側での処理において上記周上に定めるフォーカスについて現実にはビーム幅があるので、ビーム幅よりピッチ(指標点間の間隔)が大きいと探傷に漏れ生じるので、漏れが生じないように上記のピッチを定める。
そして、ピッチが定まれば、指標点数が定まり、形成するフォーカルローとその数を定めることができる。確定したフォーカルローによって、擬似電子走査の際のシフト幅を定める。
上記のフォーカルローの確定に際して、個々のフォーカルローの中心ビーム、中心ビーム以外のビームについては、夫々、各指標点から、逆算して、入射角及び振動子を算出する。逆算に際して、屈折角を決めれば、スネルの法則に従って入射角が定まり、また、ビーム路程、即ち、振動子から指標点に至る往路所要時間、指標点からの復路所要時間の合計時間(往復時間)が定まる(1つの指標点を通るビームの路程は全て同じである)。
探傷に先立ち、上記の通り決定したフォーカルローと、フォーカルローを構成するビーム夫々の入射角を決定することにより、ボリュームフォーカスにおける、受信側の処理のための、ディレイパターンを決定することができる。
探傷時において、各指標点に対応するフォーカルローは、上記の、通りフォーカルローを構成するビームの屈折角に応じた入射角、DDFのフォーカス位置、及び、同一のフォーカルローの構成ビームの路程が等しいこと、更に、各フォーカルロー間において、中心ビームの路程が異なることを加味したディレイパターンに従い、メモリの読出し処理を行うことによって、受信側の処理で、各振動子をそのようなディレイパターンで励振したのと同様の結果を得ることができる。
本願発明に係る装置は、前述の通り、屈折角が0度(入射角が0度)のビーム、即ち被検材が断面視において呈する円に対して、法線と一致するビームを基準として、これ以外のビームは、上記に予め従って算出した、上記基準に対する補正値を、メモリ読出しの際にアドレスに与えることにより、現実の振動子に与える励振タイミングに相当するディレイを発生させて、上記各ビームの入射角度を得るものである。
前記の図3に示す、上記の各探傷手段k1〜k6は、夫々図4に示す構成を採る。
以下、図4を用いて、各探傷手段kの構成について、具体的に説明する。
図4へ示す通り、1つの探傷手段kは、複数の振動子1…1を備えた超音波変換器アレー10と、パルサー部20と、レシーバー部30と、超音波変換器アレー10の複数の振動子1…1の夫々に対応する複数の信号処理部40…40と、路程カウンタ50と、Y方向カウンタ51と、D深さ方向カウンタ52と、加算器53と、検波回路54と、ゲート回路60と、波形ピーク保存回路70と、制御部90とを有する。
図4に示す通り、この装置は、ビーム路程カウンタ50、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52、及び、制御部90を有する。各カウンタは、制御部90の信号により、クリアされたり、カウントアップされたりすることが可能である。
制御部90は、少なくとも、CPU、メモリ、プログラムROM、画面表示部、通信部で構成され、各種タイミングを作成し各部各回路に送り、各部にデータを与え、又、各部よりのデータを読み出し、その結果を表示し、他装置に通信することが可能な装置である。制御部90には市販のコンピュータを用いることが可能である。
図4において、超音波変換器アレー10は、n素子の超音波振動子1で構成されており、パルサー部20、レシーバー部30に接続され、超音波の検査空間への発信、及び、検査空間からの反射超音波エコーの受信を行う。
パルサー部20は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数のスパイクパルサー回路より構成され、制御部90よりのパルス発信タイミング信号により、スパイクパルサー回路は一斉に動作し、超音波変換器アレー10が励振される。
制御部90は、送信処理設定部91と、受信処理設定部92と、焦点設定部(図示せず。)と、ゲート位置記憶部(図示せず。)とを備える。
この実施の形態では、前述の通り、上記の素子数n(セグメント数)は、128個である。
送信処理設定部91は、法線に対する角度θ(図8)に応じた、各振動子に与える励振信号のタイミングの遅延量(ディレイ量)のパターンを保持する送信ディレイパターン保持部(図示せず。)と、選択保持部(図示せず。)とを備える。オペレータは、探傷前に、被検材の直径、音速、屈折角φを入力することにより、送信処理設定部91において、送信ディレイパターン保持部から、当該角度に応じた、補正値として上記遅延量のパターンを選択することができ、当該選択結果を選択保持部に保持させておくことができる。
探傷前の上記補正値のパターンについては、探傷水中の音速、被検材中の音速は、夫々の温度と夫々の材料によって決まるので、音速を直接入力する代わりに、材料と温度とを入力することにより音速を算出或いは選択できるようにしてもよい。直径と、音速と屈折角とが決まれば、入射角が確定する。
また、オペレータが補正量を算出して、直接ディレイパターンを入力するものとしても実施できる。但し、検査する被検材として、種々異なる径や材質のものを検査する場合、上記の実施の形態の通り、各材質(音速)や径に対応する種々のディレイパターンを、送信ディレイパターン保持部から、パターンを選択するものとするのが、便利である。
法線と一致する法線ビーム即ち入射角θが0度であるビームを発信する場合を基準として、上記にて事前に定めた他のビームの入射角を、当該法線ビームを発信する際のタイミングに対するディレイ(遅延時間)として励振手段による振動子励振のタイミングをずらすことにより、実現することができる。
上記の通り、オペレータの統括制御部100の操作にて、被検材の直径、探傷水及び被検材中の音速と共に、前述の屈折角φ(図8)の入力を受け付ければ、制御部90において、送信処理設定部91が、屈折角度φから、対応する入射角度θを確定し、対応する送信のディレイパターンを選択するように構成する。
1つのアレイプローブ10の送信時の被検材の周上におけるカバー範囲の設定を上記の設定において行う。上記の屈折角φは、個々の振動子に対する設定を必要とするが、オペレータにて、振動子群の配列中央の振動子のビームの屈折角と、送信時のカバー範囲、即ち、送信時の現実の焦点位置の設定を行いさえすれば振動子群の配列中央以外の配置された振動子のビーム夫々の入射角を送信処理設定部91が自動的に算出する、演算部を備えるものとして実施するのが好ましい。設定の変更が容易だからである。
但し、垂直探傷の場合、上記の配列中央に位置する振動子のビームは、垂直二等分線Q2と一致するので、音速と、カバー範囲(対向区間)或いは焦点位置を設定すれば、上記配列中央位置の振動子の屈折角の入力も、不要である。
斜角探傷、例えば前述の隣接区間b1−b2への超音波の送信の設定は、配列中央の振動子のビームの上記屈折角の選択が必要である。
垂直二等分線Q2を挟んで、対向区間a1−a2の右側に位置する上記隣接区間b1−b2に対して、垂直二等分線Q2を挟んで、対向区間a1−a2の左側に位置する隣接区間c1−c2における斜角探傷の設定についても、左右対称となる(個々の入射角θの正負が逆になる)だけであり、上記の右側の隣接区間b1−b2と同様に設定される。
超音波の送信時、制御部90は、送信処理設定部91の、送信ディレイパターン保持部と選択保持部とから、選択された上記のディレイパターンを参照して、ディレイパターンに応じたタイミング信号を、スパイクパルサー回路に与える。
プローブから上記円筒波を発信させ、図5及び図10に示す位置に焦点F0,F1,F2を得るため、送信処理設定部91の上記ディレイパターンは、各振動子が、被検材mに対して前記にて設定した夫々異なる入射角θにて超音波を発するように、配列された振動子群の一端から他端にかけて、隣接する振動子間の夫々において、異なる時間差を与えるものである。
また、上記のオペレータの入力により、後述する受信処理設定部92の受信側におけるディレイパターンの設定も同時に行えるものとするのが好ましい。
統括制御部100は、上記のオペレータの統括制御部100の操作により、各探傷手段k1〜k6の制御部90における送受信のディレイパターンの選択を一括して行うことができる。また、オペレータは、受信処理におけるコーナー部の探傷の設定も、上記統括制御部100の操作により行うことができる。
制御部90の受信処理設定部92は、前記の受信角度補正手段を構成する。
受信処理設定部92は、受信側における、斜角探傷の補正量のパターンを保持する受信ディレイパターン保持部と、選択保持部とを備える。
オペレータの前述の統括制御部100の事前の操作により、受信処理設定部92において、受信ディレイパターン保持部から、上記の入射角度θに応じた、受信側におけるディレイパターンを選択することができ、当該選択結果を選択保持部に保持しておくことができる。
受信処理設定部92においては、指標点(の設定範囲とピッチ)と、屈折角とを選択することにより、各フォーカルローの中心ビームの入射角と、路程が一意に定まる。事前にフォーカルローを構成する振動子数を決めておくことにより、同一フォーカルローを構成するビーム夫々についても、屈折角を定めてやれば、ビーム路程は、上記中心ビームと同一であるので、入射角が一意に定まり、同一フォーカルローに属すべき振動子が定まる。
このようにしてた入射角補正値と、DDFの焦点得るための補正値とを加算した補正のディレイパターンを、受信処理設定部92に保持させる。この受信処理設定部92の構成については、後述する。
レシーバー部30は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数のレシーバー回路で構成され、超音波受信エコーはここで信号増幅され、信号処理部40に送られる。
信号処理部40は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数の信号処理回路41−1〜41―nで構成される。各信号処理回路41はAD変換器411、超音波波形メモリ412、切替器413、ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414で構成される。
AD変換器411は、レシーバー部30から送られる超音波信号をAD変換し、変換後の信号が超音波波形メモリ412に書き込まれる。AD変換のサンプリング周波数は超音波振動子の公称周波数の8倍以上で行われる。このサンプリング信号は、制御部90から第1信号線(図示しない。)で供給される。この実施の形態において、超音波探傷装置の、上記の励振手段は、主としてパルサー部20にて構成されている。上記の波形メモリは、レシーバー部30と、このAD変換器411と、超音波波形メモリ412とにて構成されている。また、前記の位相合成手段は、加算器53にて構成されている。そして前記の焦点手段は、上記のY 方向カウンタ51と、上記のD 深さ方向カウンタ52と、D 深さ方向カウンタ52と、各ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414とにて構成されている。
超音波波形メモリ412は、書き込みステップ(図16のS12,S22,S32)では、AD変換器411から送られる超音波波形データが書き込まれ、また、読み出しステップ(図16のS13,S23,S33)では、同メモリ412に保存されている超音波波形データを読み出され、加算器53に接続される。この超音波波形メモリ412のアドレスは切替器413から供給される。
切替器413は、書き込みステップ(図16のS12,S22,S32)ではビーム路程カウンタ50の値を超音波波形メモリ412のアドレスに送り、読み出しステップ(図16のS13,S23,S33)ではダイナミックフォーカス位相補正メモリ414の内容を超音波波形メモリ412のアドレスに送る。
上記のビーム路程カウンタ50は、波形メモリに取り込むデータの深さ方向の範囲を特定するカウンタである。
ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414は、上記の夫々の入射角θが加算された、公知のダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされており、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51と、フォーカスの深さ位置dを示すD深さ方向カウンタ52のデータをこのダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給することにより、フォーカス位置(y,d)での位相補正量が得られ、この位相補正量が超音波波形メモリ412の読み出しアドレスに与えられる。超音波波形メモリ412からは、そのフォーカス位置(y,d)でダイナミックフォーカスを行う場合の、その振動子が寄与する超音波波形データが得られる。上記手順が各信号処理回路41−1〜41―nで同時に行われ、各信号処理回路41−1〜41―nの各超音波波形メモリ412の内容、すなわち超音波波形データは加算器53に送られ、ダイナミックフォーカスの位相合成が行われる。なお、各ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414の内容は、第2信号線(図示せず。)を通じ、制御部90が備える焦点設定部に予め記憶される。
また、Y 方向カウンタ51の擬似電子走査位置yは、振動子の配列位置と対応する。
前述の通り、焦点設定部が保持する補正量は、受信処理設定部92にて設定された角度についての補正量を加味したものである。
即ち、制御部90は、上記の焦点設定部に対して、受信処理設定部92にて予め設定された、各入射点の屈折角に応じた入射角夫々を得るための、前記法線ビームを基準とする補正量夫々を備えたパターン(ディレイパターン)と、上記フォーカスに必要な位相補正量を備えたパターン(ディレイパターン)とを加算して、加算後の補正量のパターンを焦点設定部に保持させる。
前述の通り、受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部は、被検材の屈折角が考慮された入射角に応じて受信処理のディレイパターンを保持しており、オペレータの統括制御部100への事前の操作により、被検材の材料、探傷水の温度、斜角探傷における前述の角度φの入力を受付け、保持しているディレイパターンのうち、対応する受信ディレイパターンが選択され、当該選択された結果即ちパターンの設定が受信処理設定部92の選択保持部に保持される。
上記の焦点設定部への角度についての補正量の付与については、当該角度の設定後探傷前に、制御部90が、受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部及び選択保持部から、選択された角度補正用のディレイパターンを参照して行う。
1振動子のビームに相当するメモリに、一つの補正値が付与される。従って、斜角探傷を行う複数のビームに相当するメモリに与えられる、補正値夫々にて1つの(角度補正用)ディレイパターンが構成される。
このディレイパターンを構成する補正値の夫々は、屈折角及び入射角が0度となる法線ビームを基準として、前述のスネルの法則に従って屈折角を考慮した入射各点における入射角θを得るための、当該基準に対する差分であり、当該差分を基準に対応する、ディレイ量として与えるのである。屈折角を考慮した入射角の設定については、前述の通りである。
上記の通り、制御部90は、このような角度補正のディレイパターンに、所望の位置(図11〜13、図14及び図15の白抜き丸点)に焦点させるための上記の補正パターンを加算したディレイパターンを焦点設定部に保持させるのである。角度補正用ディレイパターンは、DDFを形成するフォーカルロー毎の焦点用ディレーパターンに加算される。フォーカルロー毎の焦点ディレイパターンは、深さ(中心ビームの深さ)に応じた複数の角度に対応するディレイパターンである。図14及び図15に示す、この実施の形態における斜角探傷では、DDFを形成しないので、指標点にてフォーカスを得るための角度補正のディレイパターンのみで対応できるが、この場合、装置の運用としては、DDFの焦点を隣接区間上の1点とするパターンを選択するものとすればよい。
また、各フォーカルローは、前述の通り、1つのダイナミックフォーカスを得るための仮想の振動子が(メモリの読出しの際に)形成するビームのグループである。ここでは、図14及び15に示す隣接区間b1−b2上のみに焦点を与える場合も、上記の通り、1つのみ焦点が設定されたDDFと考えて、フォーカルローという概念を使用する。
加算器53は、素子数nと同じ個数の超音波波形メモリ412から来る各超音波波形データを位相合成する。この加算器53の出力は、検波回路54に送られる。検波回路54では全波整流、+半波整流、−半波整流等の検波処理が行われる。検波回路54の出力はゲート回路60と波形ピーク保存回路70に接続される。
ゲート回路60は、エコー高さメモリ61、コンパレータ62、書き込み制御回路63、エコー深さメモリ64、ゲート発生回路65、ゲート位置メモリ66、評価部(図示しない。)とを備える。
ゲート回路60は、検波回路54にて検波された波形データの、ビーム路程中において、欠陥の有無を判定する範囲を定めると共に、当該範囲内にて、欠陥の有無の判定を行う。
ゲート回路60は、各読み出しステップS13,S23,S33(図16)の時のみ能動的に機能し、制御部更新ステップS15,S25,S35(図16)ではメモリ61、メモリ64のアクセスのみ行われる。
エコー高さメモリ61は、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、擬似電子走査位置y位置毎のゲート内ピークエコー高さを一時記憶する。コンパレータ62では検波回路54のエコー高さ値と、エコー高さメモリ61に記憶されているゲート内ピークエコー高さを比較し、検波回路54のエコー高さ値の方が高いときは、書き込み制御回路63に書き込み信号を送る。書き込み制御回路63ではゲート発生回路65のゲート信号を受け、ゲートがオンである間に、前記コンパレータ62の書き込み信号が来ると、エコー高さメモリ61とエコー深さメモリ64に書き込みパルスを送る。このパルスを受け、エコー高さメモリ61では、検波回路54の出力データであるエコー高さ値を同メモリ61に書き込み、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さを更新する。制御部更新ステップS15(図16)では電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51を0より+1しながら、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さを順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、次のサイクル(次の断面位置の探傷)の準備を行う。
エコー深さメモリ64は擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、擬似電子走査位置y位置毎のゲート内ピーク深さ位置を一時記憶する。前記書き込み制御回路63よりの書き込み信号はこのエコー深さメモリ64の書き込みパルスともなる。この書き込みパルスが来ると、エコー深さメモリ64ではフォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52の値がメモリに書き込まれ、エコー深さメモリ64に記憶されているゲート内ピーク深さ位置は更新される。制御部更新ステップS15(図16)では擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51を0より+1しながら、エコー深さメモリ64のゲート内ピーク深さ位置を順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。
ゲート位置メモリ66は擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、擬似電子走査位置y位置毎の、深さ方向のゲート起点位置データとゲート終点位置データが保存されている。擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51が更新されると、ゲート位置メモリ66の内容が読み出され、擬似電子走査位置y位置で決まる、深さ方向のゲート起点位置の値とゲート終点位置の値がゲート発生回路65に送られる。
ゲート位置メモリ66の内容は、第3信号線(図示しない。)を通じて、制御部90から与えられるものであり、制御部90のゲート記憶部に、予め記憶される。制御部90は、統括制御部100により、受信処理設定部92の選択保持部において、上記の入射角θ夫々を与える補正値にて構成されたディレイパターンが設定されると、当該受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部と角度保持部とを参照して、ゲート記憶部の深さ方向のゲート起点位置データとゲート終点位置データに、当該受信ディレイパターンを反映させる。
より好ましくは、制御部90は、ゲート計算手段(図示せず。)を、備えるものとし、各フォーカルローに対するゲートの設定を行う。
具体的には、このゲート計算手段は、Sエコー同期手段と、ゲート端点計算手段とを備える。Sエコー同期手段は、垂直探傷の際の実際の超音波の送信によって得られたSエコー(被検材表面の反射波)に対して、斜角探傷における送信時の超音波の入射各位置における水距離(探傷水で満たされる、振動子と被検材間の距離)の割合を乗じて斜角探傷における入射各位置の擬似Sエコー位置を算出する。ゲート端点計算手段は、各フォーカルローの中心ビームのビーム路程の所定割合の位置を、ゲートの始点(ゲートスタート点)とし、同様に、中心ビームのビーム路程の所定割合の位置を、ゲートの終点(ゲートエンド点)として、算出する。例えば、上記中心ビームのビーム路程(往復時間)の50%位置をゲースタート点とし、当該中心ビームのビーム路程(往復時間)の150%位置をゲートエンド点として、算出する。ビーム路程は、フォーカルロー毎に異なるので、ゲート計算手段における上記各計算値は、夫々異なるものとなる。
制御部90は、このようにして算出した内容をゲート記憶部に保持させるのである。
ゲート発生回路65では、前記ゲート位置メモリ66より送られる深さ方向のゲート起点位置の値とゲート終点位置の値を受け、この2つの値と、フォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52の値を比較する。D 深さ方向カウンタ52が2つのゲート位置の間にあるときは、ゲート信号をオンとし、逆の時はオフとし、書き込み制御回路63にゲート信号を送る。
評価部は、欠陥エコーとされるピーク高さのデータを保持し、ゲート位置の間において、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さと、保持している上記のピーク高さとを比較して、欠陥の有無を判定する。評価部は、判定結果の信号を、生産ラインの被検材の良・不良の選別手段に出力する。
波形ピーク保存回路70は、波形ピーク保存メモリ71、コンパレータ72、レジスタ73、コンパレータ74、及び、書き込み制御回路75より構成される。 波形ピーク保存メモリ71のアドレスには、深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52がつながれ、各深さでの超音波エコー波形が記憶される。
コンパレータ72は、検波回路54のエコー高さ値と、波形ピーク保存メモリ71の内容を比較し、検波回路54のエコー高さ値の方が高いときは、書き込み制御回路75に書き込み信号を送る。
レジスタ73は、Y 方向電子走査アドレスysの内容が保持され、波形ピーク保存回路70ではこのアドレスys走査線上の各深さ毎の最大値がホールドされる。このレジスタ73のデータは制御部90より書き込まれる。
コンパレータ74は、レジスタ73の内容(ys)と、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51とを比較し、一致しているとき、書き込み制御回路75に電子走査位置一致信号を送る。
書き込み制御回路75は、コンパレータ74からの電子走査位置一致信号が来ている時に、コンパレータ72から書き込み信号があると、波形ピーク保存メモリ71に書き込みパルスを出力する。この書き込みパルスを受け、波形ピーク保存メモリ71では検波回路54の出力データをメモリに書き込み、メモリ内容は更新される。
表示及び通信ステップS40(図16)において、深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52を0より+1しながら、波形ピーク保存メモリ71にメモリされている超音波波形、すなわちAスコープ波形を順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。そして、この読み出されたAスコープ波形は制御部90内の画面表示部に表示される。
波形ピーク保存回路70は、オペレータにおいて、探傷の状況をモニタするための画像を、画面表示部110に表示させるものである。従って、製品(被検材m) の合否判定即ち、欠陥の存在より不良品とされるべき製品の選別が行えればよく、オペレータによるモニタが不要である場合は、波形ピーク保存回路70及び画面表示部110を設けずに実施することもできる。
次に図16を用いて、本願発明の動作を説明する。
この図16において、1つの探傷手段kにおけるフロー(工程図)を示している。各探傷手段k1〜k6の夫々において、この図16に示すのと同様のフローを採る。
以下、図16を、第1探傷手段k1のフローとして説明する。
図16に示す、この装置の探傷工程は、前記対向区間a1−a2の垂直探傷についての各ステップS11〜S15と、一方の斜角探傷(+斜角探傷)についての各ステップS21〜S25と、他方の斜角探傷(−斜角探傷)についての各ステップS31〜S35と、表示及び通信ステップS40を備える。
即ち、垂直探傷についての工程として、垂直探傷発信ステップS11と、垂直探傷書込みステップS12と、垂直探傷読出しステップS13と、垂直探傷ゲート評価処理S14と、制御部更新ステップS15と備える。また、前記の右側隣接区間b1−b2の斜角探傷(+斜角探傷)の工程として、+斜角探傷発信ステップS21と、+斜角探傷書込みステップS22と、+斜角探傷読出しステップS23と、+斜角探傷ゲート評価処理ステップS24と、制御部更新ステップS25とを備える。更に、前記の左側隣接区間c1−c2の斜角探傷(−斜角探傷)の工程として、−斜角探傷発信ステップS31と、−斜角探傷書込みステップS32と、−斜角探傷読出しステップS33と、−斜角探傷ゲート評価処理ステップS34と、制御部更新ステップS35とを備える。
このように、第1探傷手段k1は、被検材mの対向区間a1−a2の垂直探傷、一方の隣接区間b1−b2の斜角探傷、他方の隣接区間c1−c2の斜角探傷の順で、探傷処理を行うものとして説明する。但し、この順は、変更できる。
この図16へ示す通り、ステップS11〜S35の各ステップの処理が一巡すれば、被検材mの軸方向(図2のE方向)の他の位置の探傷に移行し、再び、ステップS11〜S35を繰り返す。
表示及び通信ステップS40については、必要に応じて遂行する。
各ステップについて、順に説明する。
垂直探傷発信ステップS 11では、制御部90より、送信処理設定部91の、送信ディレイパターン保持部と選択保持部とを参照して、1つのパルス発信タイミング信号が作られ、パルサー部20に送られる。
パルサー部20では、この信号を受け、超音波変換器アレー10のn素子の超音波振動子に同時にスパイクパルスを送る。これにより、各超音波振動子は上記にて設定されたディレイパターンに従って励振され、超音波は、超音波変換器アレー10から、上記対向区間a1−a2に向けて円筒波として発信される。超音波は検査空間を伝播するが、欠陥等の音響反射面に遭遇すると、超音波の一部は反射され、超音波変換器アレー10で受信される。
垂直探傷書き込みステップS12では、超音波変換器アレー10で受信された各振動子の超音波受信エコーがレシーバー部30で増幅され、振動子素子数分nの信号処理回路41−1〜41―nに送られる。各信号処理回路41では超音波受信エコーをAD変換し、超音波波形メモリ412にメモリされる。このときのメモリアドレスはビーム路程カウンタ50で与えられ、同カウンタのクロックはAD変換器411のクロックと同じである。例えば、この実施の形態では、超音波振動子の公称周波数を5MHz以下とし、AD変換のクロックを50MHzとしている。但し、このような周波数に限定するものではなく、必要に応じて、変更可能である。
通常、ビーム路程カウンタ50は、超音波発信タイミングで0クリアされ、その後AD変換器のクロックでカウントされるが、電子走査範囲の始点が遠方である場合、0クリアされるタイミングは制御部により適切にコントロールされる。これにて、超音波波形メモリ412の容量を有効に利用することができる。このステップは電子走査範囲の最大ビーム路程伝播時間まで行われる。
垂直探傷読み出しステップS13では、検査空間の深さ方向D と探触子配列方向Y について、超音波波形メモリ412に保存されている超音波受信エコー波形を読み出しながら、ダイナミックフォーカス法により擬似電子走査が行われる。図17に擬似電子走査のイメージ図を示す。この図では、超音波変換器アレーと、同アレーの超音波が放射された検査空間内でこの(中心ビームの)深さd0からdeの区間、及び探触子の配列方向Y方向のy0からyeの区間で示される擬似電子走査平面が示される。
垂直探傷読み出しステップS13では、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52をクリアないしは始点位置y0、d0にセットし、その後、Y 方向カウンタ51をカウントアップしながら、カウンタ値がyeになるまで行う。カウンタがyeを超えると、つぎに同カウンタをクリアないしは始点位置y0にセットし、D 深さ方向カウンタ52を+1カウントアップする。この動作を繰り返し行い、D 深さ方向カウンタ52がdeになり、この位置でY 方向カウンタ51が一巡するまで行われる。これらカウンタ51,カウンタ52のクロックはAD変換のクロックと同じ50MHzで行われる。この間、各信号処理回路41−1〜41―nでは、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52の値がダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給される。同メモリ414には、その電子走査位置(y、d)での位相合成される各超音波振動子(1からn)の位相補正量すなわちビーム路程位置が出力される。さらに、このビーム路程位置が超音波波形メモリ412の読み出しアドレスとなる。フォーカス位相補正メモリ414の内容は、受信処理設定部92を参照して格納された焦点設定部の内容である。
このビーム路程位置は、図17の擬似電子走査イメージ上における擬似電子走査位置P1の2つの矢印L1、L2で例示される。ここでL1は擬似電子走査位置P1で超音波が最初にくる伝搬経路を示し、通常は擬似電子走査位置P1ともっとも近い振動子との距離となる。また、L2は擬似電子走査位置P1で超音波が反射された場合の各振動子(図17では振動子位置nで例示)で受信される超音波の伝搬経路を示す。この2つの伝播経路の和(L1+L2)が擬似電子走査位置P1での振動子nにおける位相合成時のビーム路程位置となる。よって、超音波波形メモリ412からは、その擬似電子走査位置(y、d)での位相合成される各超音波振動子での超音波波形データが出力される。この超音波波形データは各信号処理回路41−1〜41―nで超音波振動子の素子数分出力され、これが、加算器53に送られ位相合成が行われる。上記手順により、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52で示される擬似電子走査位置(y、d)での位相合成された波形が加算器53で出力される、上記の関係は図17、図18で示される。図17のP1点、P2点は電子走査されている平面上の2点を示し、その2点のアドレス(y1、d1)、(y2、d2)はその時のD 深さ方向カウンタ52、Y 方向カウンタ51を示す。図18は各超音波波形メモリ412のアドレスとメモリを示し、擬似電子走査平面上の2点P1,P2での各超音波波形メモリ412の位相合成曲線を示し、位相合成ではこの曲線にそって、各メモリ412の内容が同時に読み出され、加算器53で位相合成される。ここでは、このような方法を擬似電子走査平面によるダイナミックフォーカス法と言う。この擬似電子走査平面によるダイナミックフォーカスが行われている間、加算器53は各々擬似電子走査位置での位相合成結果データを出力し、検波回路54を経由し、ゲート回路60と波形ピーク保存回路70に送られる。
ゲート回路60では、ゲート内の波形ピークエコー高さとその深さ方向位置の検出が行われる。図16に示すよう、Y走査位置毎にゲート範囲は個別に設定出来、また、Y走査位置毎の波形ピークエコー高さとそのビーム路程距離が検出可能である。ゲート位置メモリ66は、事前にY走査位置毎のゲート範囲データが書き込まれている。読み出しステップS13の、擬似電子走査平面によるダイナミックフォーカスにおいて、擬似電子走査平面のy位置を示すY 方向カウンタ51の値はゲート位置メモリ66のアドレスに与えられる。同メモリ66のメモリ内容はそのy位置でのゲート範囲データ(起点位置gs、終点位置ge)であり、そのデータはゲート発生回路65に接続される。ゲート発生回路65では、このゲート範囲データと、擬似電子走査平面のd位置を示すD 深さ方向カウンタ52を比較し、d位置がゲート範囲にあれば、書き込み制御回路63にゲートオン信号を送る。ゲート位置メモリ66の内容は、前述の通り制御部のゲート位置記憶部の内容であり、上記の受信処理設定部92の補正の内容が反映されたものである。
ゲートがオンの間、コンパレータ62では、エコー高さメモリ61に記憶されている前回のゲート内ピークエコー高さと、検波回路54からの現擬似電子走査位置のエコー高さを比較し、現擬似電子走査位置のエコー高さの方が大きいときは、現擬似電子走査位置のエコー高さをエコー高さメモリ61に書き込み、また、その現擬似電子走査位置のd位置を示すD 深さ方向カウンタ52のデータをエコー深さメモリ64に書き込む。
エコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64のアドレスには、擬似電子走査平面のy位置を示すY 方向カウンタ51が与えられているので、y位置毎にゲート内の波形ピークエコー高さとその深さ方向位置の保存が出来る。
尚、図17は、擬似電子走査の時間関係のイメージを示すものであり、実際にメモリー上に、図17に示すようなゲートが設定されるのではない。
波形ピーク保存回路70では図17に示す擬似電子走査平面上のY位置がysである仮想探傷ライン上の超音波波形の波形ピーク保存処理が行われる。この超音波波形はパソコンの画面表示部で表示されるが、通常、この表示サイクル周期は長く、20msec程度(周波数で50Hz前後)である。これに比べ、本願発明の上記装置では、擬似電子走査平面の全範囲を走査する周期はこれより短く、仮想探傷ライン上の超音波波形をすべて表示することは出来ない。そこで、波形ピーク保存回路70は、表示サイクル周期内の仮想探傷ライン上の各超音波波形において、各深さ位置での超音波波形のピーク高さを保存し、すべての深さ位置でその位置での最大波形を保存するものである。レジスタ73には、仮想探傷ライン上のY位置を示すデータ(ys)が制御部90により書き込まれる。このデータはコンパレータ74に送られる。コンパレータ74では、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51とこのレジスタ73(ys)と比較し、一致しているときには一致信号を書き込み制御回路75に出し、以下の動作が有効に行われる。即ち、波形ピーク保存メモリ71のアドレスには深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52が接続され、波形ピーク保存メモリ71からは同じ深さ位置dにおける1回前の超音波ピーク波形がコンパレータ72に与えられ、検波回路54からはその同じ深さ位置dにおける最新超音波エコー高さが与えられる。検波回路54の方が高いときは書き込み制御回路75に書き込み信号を送り、書き込み制御回路75では波形ピーク保存メモリ71に書き込みパルスを送り、深さ位置dにおける超音波ピーク波形は、前回より高いエコー高さに更新される。この動作が各深さで行われ、また、次に来る探傷サイクルの各読み出しステップS13でも同様に行われる。
垂直探傷ゲート評価処理のステップS14では、評価部により、ゲート位置の間において、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さと、保持している上記のピーク高さとを比較して、欠陥の有無を判定する。評価部は、判定結果の信号を、生産ラインの被検材の良・不良の選別手段に出力する。
制御部更新ステップS15では、制御部90は、メモリ61、メモリ64のアドレスを与えるY 方向カウンタ51を操作しながら、ゲート回路60のエコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。
上記の制御部更新ステップS15の後、+斜角探傷発信ステップS21に移行する。
+斜角探傷発信ステップS21では、制御部90より、送信処理設定部91の、送信ディレイパターン保持部と選択保持部とを参照して、1つのパルス発信タイミング信号が作られ、パルサー部20に送られる。+斜角探傷では、焦点F1で収束後発散して、隣接区間b1−b2に超音波を到達させるため、上記にて定めた各入射角度に応じたパターンが設定されている。
垂直探傷では、垂直二等分線Q1について、左右対称となるディレイパターンを設定する必要があったが、+斜角探傷においては、そのような対称性を有するディレイパターンに代えて、垂直二等分線Q1が右側に外れた位置に焦点F1を結ぶディレイパターンを設定する。
このようなディレイパターンの設定により、超音波は、焦点F1で収束し発散する円筒波を、隣接区画b1−b2に到達させることができる。このステップS21において、上記以外の点については、前述の垂直探傷における発信ステップS11と同様である。
また、+斜角探傷書込みステップS22における処理は、上記の垂直探傷書き込みステップS12における処理と同様である。
+斜角探傷読出しステップS23においても、垂直探傷読み出しステップS13と同様の処理が行われる。具体的には、斜角探傷であるので、フォーカス位相補正メモリ414の内容は、受信処理設定部92で、フォーカロー毎のフォーカス得るための、即ち斜角探傷では指標点上にフォーカスを得るための、屈折角を加味した入射角夫々に応じて設定したディレイパターンが加算されたものである。前述の通り、この実施の形態における斜角探傷では、本来のDDFは行わないので、深さ方向について複数のDDFのフォーカスを得るための補正は不要であり、このディレイパターンは、同一フォーカルローを形成するビームについて、路程を等しくし、各位置での屈折角が加味された入射角夫々を与える補正値にて、構成されたものである。
また、ゲート位置メモリ66の内容は、前述の受信処理設定部92のゲート記憶部の内容が反映されたものであり、ゲート計算手段のSエコー同期手段と、ゲート端点計算手段とにより算出した前述のゲートスタートとゲートエンドのデータを保持する。
前期の角度φに応じたフォーカス位相補正メモリ414及びゲート位置メモリ66の内容に基いて、+斜角探傷読出しステップS23において、垂直探傷読み出しステップS13と同様の処理が行われる。
+斜角探傷ゲート評価処理のステップS24においても、角度の補正が反映された上記ゲート位置メモリ66の内容に基き、上記の垂直探傷ゲート評価処理のステップS14と同様の評価処理が行われる。
制御部更新ステップS25では、制御部更新ステップS15と同様、制御部90が、メモリ61、メモリ64のアドレスを与えるY 方向カウンタ51を操作しながら、ゲート回路60のエコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。
他方の斜角探傷(−斜角探傷)の工程である、−斜角探傷発信ステップS31と、−斜角探傷書込みステップS32と、−斜角探傷読出しステップS33と、−斜角探傷ゲート評価処理ステップS34と、制御部更新ステップS35とにおいて、受信処理設定部92に設定されたディレイパターンは、上記右側隣接区間の斜角探傷(+斜角探傷)の各ステップにおけるディレイパターンと正負が逆になる補正値により構成されたものである。このことを除けば、上記他方の斜角探傷(−斜角探傷)の各ステップの処理は、一方の斜角探傷(+斜角探傷)の各ステップにおける処理と同様である。
表示及び通信ステップS40では、画面の表示を更新するか、しないかの判断が行われる。画面の更新を行わない場合は、当該ステップS40における処理を終了し、画面の更新を行う場合は、制御部90が、メモリ71のアドレスを与えるD深さ方向カウンタ52を操作しながら、波形ピーク保存回路70の波形ピーク保存メモリ71の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。そして、制御部更新ステップS15,S25,S35で読み出した各ゲート内のエコー高さ及びエコー深さの値を表示し、その内容を外部に通信する。また、制御部更新ステップS15,S25,S35で読み出したピーク保存された超音波波形は画面表示部にAスコープ波形として表示し、その波形データを外部に通信する。
なお、この実施例ではゲート回路60は1組のみであるが、これに限定されるものではなく、複数のゲート回路を用意し、上記以外の複数のゲート範囲でのゲート処理を付加することも可能である。
このように本願発明の上記超音波探傷装置において、超音波変換器アレーの各振動子に垂直探傷や斜角探傷に応じたタイミングでスパイクパルス状の送信パルスを送り、各振動子で受信した受信超音波エコーをAD変換し、これを振動子素子数分の波形メモリに記憶させる。擬似電子走査においては、その位置における位相合成曲線にそって、振動子素子数分の波形メモリから波形データが同時に読み出され、位相合成される。即ち、擬似電子走査の走査位置1点の位相合成された波形は1回のメモリ読み出しサイクルで行われる。この実施の形態では50MHzのクロックを用いているので、一点の計算は20nsecで完了する。深さ方向200点、Y方向200点の擬似電子走査平面で考えれば、この範囲をすべて走査するには20*200*200nsec=800μsecの計算となる。また、この擬似電子走査している間にゲート回路ではゲート処理が、波形ピーク保存回路ではAスコープ波形保存処理が同時進行している。超音波繰り返しサイクルとしては上記800μsecの時間以外に、超音波発信時間、超音波受信時間、及びゲートデータとAスコープ波形の読み出し時間も必要であるが、200μsec程度とすれば、1000μsec(=1msec)で上記擬似電子走査範囲の探傷サイクルが完了することになる。Y方向に電子的に探傷ビームを動かし、深さ方向にはダイナミックフォーカス法で計測する従来技術の装置では、一回の超音波繰り返しサイクルで1つのビーム方向の探傷が完了することになり、上記と同じ擬似電子走査範囲を探傷するには200回の超音波繰り返しサイクルが必要となる。超音波繰り返し周波数を10KHzとしても、上記擬似電子走査範囲を探傷するには20msecの時間が必要となる。本願発明の上記装置は、この実施の形態において、従来技術の装置と比較し20倍高速に探傷することが可能となる。
上述の実施の形態では、電子走査のY方向とD方向の処理順において、Y方向カウンタ51を先にカウントし、Y方向カウンタ51が一巡した後にD深さ方向カウンタ52を進めているが、これを逆にして、D深さ方向カウンタ52を先にカウントし、D深さ方向カウンタ52が一巡した後にY方向カウンタ51Dを進めるようにしても実施可能である。
上述の通り、この装置は、ボリュームフォーカス探傷として、超音波送信時の超音波の現実のフォーカスを探傷領域に設定するのを止め、探傷する被検材内部の各位置を、波形メモリーのアドレスと対応させておき、実際の受信時の電気的な処理による各波形メモリー位置における波形データの位相合成とを比べ、異常ある波形メモリーのアドレスを知得することにより、対応する被検材の内部欠陥の位置を検出するものであり、これにて、円筒波による広範な探傷範囲を獲得し、探傷サイクルを低減させて、高速な探傷を可能としたものである。
即ち、ボリュームフォーカス法は、送信側において、一度のプローブの励振で被検材に対して幅広く超音波を幅広く発信させ、受信側において実際のスキャン(電子走査)を行わずに擬似電子走査を行い、Aスコープ波形を位相合成し評価するものである。
本願発明において、このようなボリュームフォーカスを、断面視円形の被検材にて実現したものであり、処理の高速性を損なわずに探傷を確実に行えるものである。
円柱材などの断面視円形の被検材に対して、角ビレットなどの断面視において表面が直線的な被検材で使用していた振動子が直線的に配列されたラインアレイを用いた場合、前述の円筒波を生じさせ、また、受信側での擬似電子走査を行うために、被検材表面の曲率(円の径)を考慮した補正値を与える必要がある。しかし、本願発明では、振動子を、被検材が呈する円の周に沿って、弧状に配列するものであるため、欠陥エコーを検出するために上記考慮をする必要はなく、ラインアレイにより角ビレットの探傷を行うのと同様の送受信の処理にて、欠陥エコーの検出が行える。但し、送信時の焦点を芯O以外の位置とするための、前述の補正が必要となるのである。また、各アレイプローブ10の振動子群が呈するが呈する弧が、被検材mの芯Oと同心でない場合も、その分の補正値のパターンを上記補正値のパターンに加味する必要がある。
この実施の形態では、3回の送信で探傷が可能なためゴーストの影響を受けることなくビレット長手方向のパルス密度を上げることが可能である。またDDFの併用により、断面の広範な領域に渡り検出能力を高めることが出来る。直径が60mmの被検材の探傷では、搬送速度120m/mimでパルス密度5mm以下とすることが可能である。ボリュームフォーカス探傷の採用により従来法に比べ検出能力および処理能力の非常に高い検査が可能となった。
この実施の形態の装置による、図21(A)へ示す垂直探傷のAスコープの画像を見れば、垂直探傷により、図1の欠陥v1がw1として現れ、図21(B)へ示す斜角探傷のA スコープ画像を見れば、斜角探傷により、図1の欠陥v2がw2として現れているのが分かる。
実際の被検材の探傷において、探傷前に、キャリブレーション(校正)を行う必要がある。キャリブーレションにおいて、プローブの感度校正と、DAC校正とが行われる。本願発明に係る探傷方法では、感度校正において、実際に校正を行って得たテストピースについてのデータを用いて、当該テストピース間の寸法のテストピースについては、実際の感度校正を行わずに、校正データを得る。
例えば、直径が40mmのテストピース(円柱材)と、直径が60mmのテストピースを用い、実際の感度校正の作業によって、これらの径の被検材について設定する感度データを得ているとする。具体的には、実際の校正により、直径40mmのテストピースの1番目のフォーカルローの感度が30dBであり、直径60mmのテストピースの1番目のフォーカルローの感度が36dBであることを知見している場合、両テストピースの中間の径である50mmのテストピースについて実際に校正を行う代わりに、40mmと60mmの感度データの平均値を採り、当該50mmの被検材の1番のフォーカルローの感度を、(30+36)÷2=33dBに設定する。また、ゲートに関しても、同様の補完処理を行う。要するに、外径が変わると、感度とゲートの双方について、補完処理が必要となる。
このように、この探傷方法は、校正作業を省略するテストピースに対して、それより一回り大径のテストピースと、一回り小径のテストピースの感度データを用いて、上記の通り、計算によって、校正作業を省略するテストピースのデータを得ることにより、用意するテストピースの数を低減させることができる。
この装置では、上記6つの探傷手段k1〜k6による探傷の結果、探傷手段k1〜k6の何れか1つが、欠陥エコーを検出した場合、被検材を不良品と判定する。但し、探傷手段k1〜k6による探傷結果を、総合して、被検材の良・不良の判定を行うものとしても実施できる。
また、上記の実施の形態において、斜角探傷装置が、垂直探傷装置を兼ねるものとしたが、夫々別々の装置とし、夫々の装置が備えるアレイプローブを別々に被検材表面に配置するものとしても実施できる。
また、上記の実施の形態において、k1〜k6の6つの探傷手段kを用いるものとしたが、6つ以外の、例えば2〜5個や、7個以上の探傷手段kを用いるものとしてもよい。また、これに対応して、アレイプローブ10の個数も6個以外の、2〜5個や、7個以上設けて実施することができる。個数に応じて、個々のアレイプローブの焦点位置を、選択すればよい。例えば、アレイプローブ10の数を上記の6個より少なくする場合、個々のアレイプローブ10の焦点位置を選択することにより、対向区間や隣接区間の長さがプローブが6つの場合よりも大きくするようにすれば、少ない個数であっても、被検材の各部を漏れなく探傷することができる。逆に、プローブの数を上記の6個よりも多く設けて実施する場合、個々のプローブの探傷範囲を狭く設定することができる。但し、コストの面から、アレイプローブ10の数は、極力少なく抑えるのが好ましく、本願発明の実施によりこのようなアレイプローブの数を極力少なく抑えることができる。
1 振動子
10 アレイプローブ

Claims (13)

  1. 被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段とを備え、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するボリュームフォーカス探傷法を用いた超音波探傷装置において、
    断面が略円形の被検材の内部探傷を行うものであり
    被検材の断面視において被検材が呈する円に沿って、上記アレイプローブの複数の振動子が弧状に配列されて、上記ボリュームフォーカス探傷法による探傷を行うものであり、
    上記複数の振動子を励振することにより、上記励振手段は、超音波を被検材内部へ入射させて被検材内にて現実に焦点させ、上記現実の焦点の通過後発散する超音波にて、被検材内の探傷予定領域の上記ボリュームフォーカス探傷を行うものであり、
    アレイプローブの振動子群が呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線と、被検材の断面が呈する円の中心において直交する直交線よりも、当該アレイプローブ寄りに、超音波送信時の上記現実の焦点を設定するものであることを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 励振手段は、振動子の夫々をアレイが呈する弧の一端側から弧の他端側に向け漸次タイミングをずらして励振する斜角探傷法にて、被検材の探傷を行わせることができ、
    励振手段は、アレイプローブの夫々に、当該アレイが沿う、被検材が呈する上記円の周上の区間を入射区間として、超音波を、入射区間の各位置から被検材内部へ入射させて、入射させた超音波を、上記の斜角探傷法により、アレイプローブの夫々に、複数の振動子の1回の振動にて、被検材内部へ入射させ、入射させた超音波を、被検材が呈する上記円の周上において上記入射区間と対向する対向区間と隣接する、隣接区間の一方に到達させるものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  3. 励振手段は、被検材の内部であり且つ被検材の軸方向と直交する面での断面視において、アレイプローブ夫々の振動子群が呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線上から外れた位置であって、当該垂直二等分線と被検材の呈する円の中心において直交する直交線よりも上記アレイプローブ寄りの位置に、斜角探傷法にて入射させる超音波の現実の焦点を、設定するものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  4. 上記の擬似電子走査は、超音波の送信時にアレイプローブが備える配列された振動子を当該配列方向に沿って順次励振させて走査を行う電子走査に代え、受信側で行う擬似的な走査であり、配列された各振動子と波形メモリの各アドレスとを対応させておき、超音波の送信時にアレイプローブの配列された全ての振動子を一度に励振させて得た受信波のデータを波形メモリに記録し、波形メモリからデータを読み出す際に、受信側において被検材内部の各位置での焦点を形成するのに必要な振動子と対応するメモリのアドレスを、順次振動子の電子走査方向に対応する方向にシフトさせて、メモリ内のデータを読み出して行くものであり、
    擬似電子走査中、シフトさせる振動子の各グループの超音波ビームの方向を、波形メモリの読出しの際に、アドレスに補正値を与えることによって、上記隣接区間内の各位置と対応させるものであることを特徴とする請求項に記載の超音波探傷装置。
  5. 上記の補正値は、少なくとも、同一のグループを構成する振動子夫々のビームについて、当該同一グループの当該振動子間のビーム路程を同一とするよう、当該振動子夫々の入射点において相違する屈折角を加味した入射角を与えて、隣接区間上の一点と対応させるものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  6. 受信角度補正手段を備え、
    受信角度補正手段は、擬似電子走査中シフトさせる振動子の各グループの超音波の発する方向を、波形メモリの読出しの際に、アドレスに補正値を与えることによって、上記隣接区間内の各位置と対応させるものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  7. 上記の受信角度補正手段が提供する上記の補正値は、同一のグループを構成する振動子夫々のビームについて、当該グループの振動子間のビーム路程を同一とするよう、当該振動子夫々の入射点において相違する屈折角を加味した入射角を与えて、上記隣接区間上の一点と対応させるディレイパターンを構成することを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  8. 上記の焦点手段は、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタと、フォーカスの深さ位置を示すD 深さ方向カウンタと、ダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされるダイナミックフォーカス位相補正メモリとを備え、Y 方向カウンタとD深さ方向カウンタのデータとを、ダイナミックフォーカス位相補正メモリのアドレスに供給することにより、フォーカス位置での位相補正量を得るものであり、
    上記の受信角度補正手段は、ダイナミックフォーカス位相補正メモリのアドレスに供給される上記のカウンタのデータに、上記の入射角度についてのディレイパターンを加算するものであることを特徴とする請求項に記載の超音波探傷装置。
  9. 上記受信角度補正手段は、受信ディレイパターン保持部と、受信側選択保持部とを備え、受信ディレイパターン保持部は、入射角度に応じた補正量のディレイパターンを保持するものであり、受信側選択保持部は、入射角度の選択により、受信ディレイパターン保持部中の対応するディレイパターンを特定するものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  10. 被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段とを用い、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のA スコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するものである、ボリュームフォーカス探傷法による超音波探傷方法において、
    断面が略円形の被検材の内部探傷を行うものであり
    被検材の断面視において、被検材が呈する円の円周に沿って、上記アレイプローブの複数の振動子を配列して、上記ボリュームフォーカス探傷法による探傷を行うものであり、
    上記複数の振動子を励振することにより、上記励振手段は、超音波を被検材内部へ入射させて被検材内にて現実に焦点させ、上記現実の焦点の通過後発散する超音波にて、被検材内の探傷予定領域の上記ボリュームフォーカス探傷を行うものであり、
    アレイプローブの振動子群が呈する弧の両端を結ぶ線分の垂直二等分線と、被検材の断面が呈する円の中心において直交する直交線よりも、当該アレイプローブ寄りに、超音波送信時の上記現実の焦点を設定するものであることを特徴とする超音波探傷方法。
  11. 励振手段により、各アレイプローブについて振動子の夫々を、アレイが呈する弧の一端側から弧の他端側に向け漸次タイミングをずらして励振することにより、斜角探傷法にて被検材の探傷を行わせるものであり、
    励振手段によって、アレイプローブの夫々に、当該アレイが沿う、被検材が呈する上記円の周上の区間を入射区間として、励振手段によって、超音波を、斜角探傷法により、アレイプローブの夫々に、アレイプローブが備える振動子のうち少なくとも一部の連続する複数の振動子の1回の振動にて、被検材内部へ入射させ、入射させた超音波を被検材が呈する上記円の周上において上記入射区間と対向する対向区間と隣接する、隣接区間の一方に到達させるものであることを特徴とする請求項10記載の超音波探傷方法。
  12. 上記の探傷後、上記のアレイプローブを被検材の軸方向に沿って物理的に走査することにより、当該軸方向の他の位置にて上記の探傷を行うことを特徴とする請求項10又は11記載の超音波探傷方法。
  13. 探傷前のキャリブレーションにおいて、キャリブレーションを行う際に用いるテストピースを、探傷を行う被検材の径ごとに用意することに代え、一部のテストピースを、それよりも径の大きいテストピースのキャリブレーションのデータと径の小さいテストピースのキャリブレーションのデータを用いて補完するものであることを特徴とする請求項11又は10乃至12の何れかに記載の超音波探傷方法。


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