JP5742512B2 - 蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイスの製造方法に関する。
近年、比較的大容量が得られる小型・軽量のバッテリとして、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスが広く用いられている。
この蓄電デバイスは、例えば、特許文献1に開示されているように、例えば、アルミニウム箔からなる集電体電極の上に分極性電極層を形成して圧延したのちに電気化学素子の大きさに裁断することにより個片化した後、セパレータを介して積層することにより製造されている。
特開2006−324285号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の蓄電デバイスの製造方法は、分極性電極層などの活物質層が形成された集電体電極を個片化した後、素子毎にセパレータを介して積層しているので、工程が複雑で生産性が悪いという問題があった。
また、集電体電極を薄くして小型化を図ろうとした場合、集電体電極の取り扱いが困難になるという問題があった。
したがって、従来の蓄電デバイスは、小型化及び製造コストの低減が困難であった。
そこで、本発明は、小型で安価な蓄電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る蓄電デバイスの製造方法は、正極又は負極の一方の第1極と他方の第2極との間にセパレータ層が設けられてなる積層体と電解質と前記積層体と前記電解質を収納したパッケージを有してなる蓄電デバイスの製造方法において、
それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含むことを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る蓄電デバイスの製造方法は、それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層に一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含むので、第1極を個別に1つずつ作製し、積層するよりも高い生産性がえられる。
また、それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されているので、第1極集電体電極が薄層化されたような場合でも、第1極集電体電極を破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが可能であり、デバイスの小型化が容易である。
また、本発明に係る蓄電デバイスの製造方法では、前記第1極複合シート作製工程において、前記第1極複合シートを基材上に形成する第1極複合シート形成工程を含み、前記第1極複合シート作製工程の後に、前記第1極複合シートから前記基材を剥離する基材剥離工程とを含むことにより、第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化された第1極複合シートを容易に作製することができる。
また、第1極複合シートが基材に保持されているため、ハンドリングがさらに容易となり、デバイスの更なる小型低背化が可能となる。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法では、前記第1極複合シートと前記基材との間に離型層が形成されていることが好ましく、これにより、前記第1極複合シートを前記基材から容易に剥離できる。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法において、前記第1極複合シート形成工程が、前記基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程を含むことにより、前記基材上に容易に前記第1極複合シートを形成することができる。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法において、前記セパレータ層形成工程の前に、セパレータ層が形成される表面を平坦化する埋込層を形成する平坦化工程を含むことが好ましく、このようにすると、前記セパレータ層を精度よく形成することが可能になる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
前記第1極複合シートのセパレータ層と前記第2極複合シートのセパレータ層とを、前記第1極活物質層と前記第2極活物質層とがそれぞれ対向するように接合して両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、を含むようにしてもよい。
このように、両極一体化シートを作製して裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製すると、電気化学素子用積層ブロックを生産性良く製造できる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、前記第2極複合シート作製工程が、前記第2極複合シートを基材上に形成する第2極複合シート形成工程を含み、前記第2極複合シート作製工程の後に、前記第2極複合シートから前記基材を剥離する基材剥離工程とを含むことにより、容易に前記第2極複合シートを作製することができる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、前記第2極複合シートと前記基材との間に離型層が形成されていることが好ましく、これにより、前記第2極複合シートを前記基材から容易に剥離できる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、前記第2極複合シート形成工程が、前記基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程を含むことにより、前記基材上に容易に前記第2極複合シートを形成することができる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、前記第2極複合シート形成工程が、前記セパレータ層形成工程の前に、セパレータ層が形成される表面を平坦化する埋込層を形成する平坦化工程を含むことが好ましく、このようにすると、前記セパレータ層を精度よく形成することが可能になる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、前記両極一体化シート作製工程で前記両極一体化シートを複数作製して、
前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含んでいてもよい。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法において、前記第1極複合シートの前記セパレータ層の表面において前記第1極集電体電極に対向する位置にそれぞれ第2極活物質層を介して第2極集電体電極を形成することにより両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
を含むことができる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法では、前記両極一体化シート作製工程において、
前記第2極活物質層を形成した後、前記第2極集電体電極を形成する前に、第2極活物質層間に位置する埋込層を形成して表面を平坦化する平坦化工程を含むことが好ましく、これにより、精度良く前記複数の第2極集電体電極を形成することができる。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法では、前記両極一体化シート作製工程で前記両極一体化シートを複数作製して、
前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含んでいてもよい。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法では、前記第1極複合シートと、前記第1極集電体電極を間に挟んで前記第1極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第1極活物質層と、前記セパレータ層に対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設されて一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製する第1極・第1極一体化シート作製工程を含むようにしてもよい。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法では、前記第1極複合シート作製工程において、
基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、
前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、
それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第1極複合シートを前記基材上に形成し、
前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
前記基材を剥離した面に、第1極複合シートの第1極活物質層にそれぞれ対向して第2第1極活物質層を形成する第2第1極活物質層形成工程と、
前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設・一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製するようにしてもよい。
本発明に係る前記蓄電デバイスの製造方法では、前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、
前記転写工程と前記第2第1極活物質層形成工程の間に、
前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第1極集電体電極に対向して複数の第2第1極集電体電極を形成する第2第1極集電体電極形成工程を含むようにしてもよい。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法では、
それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
前記第2極複合シートと、前記第2極集電体電極を間に挟んで前記第2極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第2極活物質層と、前記セパレータ層と対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設されて一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製する第2極・第2極一体化シート作製工程と、
前記第1極・第1極一体化シートと、前記第2極・第2極一体化シートとを、前記第1極活物質層と前記2極活物質層がそれぞれ重なるように接合して電気化学素子用積層シートを作製する積層工程と、
前記電気化学素子用積層シートを裁断して、それぞれ重なった前記第1極活物質層、前記第2極活物質層をそれぞれ備えた電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
を含むようにしてもよい。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法では、前記第2極複合シート作製工程において、
基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、
前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、
それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第2極複合シートを前記基材上に形成し、
前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
前記基材を剥離した面に、第2極複合シートの第2極活物質層にそれぞれ対向して第2第2極活物質層を形成する第2第2極活物質層形成工程と、
前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設・一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製するようにしてもよい。
本発明に係る蓄電デバイスの製造方法では、前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
前記転写工程と前記第2第2極活物質層形成工程の間に、
前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第2極集電体電極に対向して複数の第2第2極集電体電極を形成する第2第2極集電体電極形成工程を含むようにしてもよい。
なお、本発明において、電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、支持塩を含む電解液やイオン液体、ゲル電解質、高分子固体電解質を用いることができる。
以上説明したように、本発明に係る蓄電デバイスの製造方法によれば、それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含むので、高い生産性がえられ、複数の第1極集電体電極を破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが可能であり、デバイスの小型化が容易である。
したがって、本発明によれば、小型で安価な蓄電デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明に係る実施形態1の蓄電デバイスの製造方法の工程フロー図である。 実施形態1の蓄電デバイスの製造方法において、基材フィルム100上に正極21を形成する工程を示しており、 (1)は、離型層101を備えた基材フィルム100の断面図であり、 (2)は、離型層101上に正極集電体膜102を形成した断面図であり、 (3)は、正極集電体膜102上にレジストパターンR102を形成した断面図であり、 (4)は、正極集電体膜102がエッチングされた断面図であり、 (5)は、レジストパターンR102を除去した断面図であり、 (6a)は、正極集電体電極21a上に正極活物質層21bを形成した断面図であり、 (6b)は、(6a)の平面図である。 実施形態1の蓄電デバイスの製造方法において、正極21上にセパレータ層11を形成して正極セパレータ/電極複合シート20Aを作製する工程と、負極セパレータ/電極複合シート30Aを作製する工程とを示しており、 (7)は、正極集電体電極21aと正極活物質層21bとが形成された表面に埋込層41を形成して表面を平坦化した断面図であり、 (8)は、平坦化した表面にセパレータ層11を形成した断面図であり、 (9a)は、基材フィルム上に負極31を形成した平面図であり、 (9b)は、(9a)の断面図であり、 (10)は、負極セパレータ/電極複合シート30Aの断面図である。 実施形態1の蓄電デバイスの製造方法において、正極・負極一体化シートを作製する工程を示しており、 (11)は、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを対向して配置した断面図であり、 (12)は、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aのセパレータ層11間を接合した正極・負極一体化シート50Aの断面図であり、 (13)は、正極・負極一体化シート50Aの正極側の基材フィルム100を剥離した断面図であり、 (14)は、2つの正極・負極一体化シート50Aを対向して配置した断面図である。 実施形態1の蓄電デバイスの製造方法において、正極・負極一体化シートを積層する工程を示しており、 (15)は、2つの正極・負極一体化シートを積層した断面図であり、 (16)は、その一方の基材フィルム100を剥離した断面図である。 実施形態1の蓄電デバイスの製造方法において、正極・負極一体化シート50Aの積層を繰り返す工程を示しており、 (17)は、積層された正極・負極一体化シート50Aにさらに別の正極・負極一体化シート50Aを配置した断面図であり、 (18)は、積層された正極・負極一体化シート50Aに別の正極・負極一体化シート50Aを接合した断面図である。 実施形態1の正極・負極一体化シート50Aが積層された電気化学素子用積層シートLB1の断面図である。 電気化学素子用積層ブロック1に正極端子電極21tと負極端子電極31tとを形成した実施形態1の電気化学素子の一部断面斜視図である。 本発明に係る実施形態2の蓄電デバイスの製造方法の工程フロー図である。 実施形態2の蓄電デバイスの製造方法における、正極・負極一体化シート50AB,BAの作製工程を示し、 (1)は、正極複合シート20Aのセパレータ層11上に、負極活物質層32bを形成した断面図であり、 (2)は、負極活物質層32bを形成した表面に埋込層42を形成して、平坦化した断面図であり、 (3)は、平坦化された表面に負極集電体電極32aを形成した正極・負極一体化シート50ABの断面図であり、 (4)は、正極・負極一体化シート50ABの裁断線D2を示す断面図であり、 (5)は、正極・負極一体化シート50BAの断面図である。 本発明に係る実施形態2の蓄電デバイスの製造方法において、正極・負極一体化シート50BAを作製する工程フロー図である。 本発明に係る実施形態3の蓄電デバイスの製造方法の工程フロー図である。 実施形態3の蓄電デバイスの製造方法において、正極・正極一体化シート20Dを作製する工程を示しており、 (1)は、正極複合シート20Aのセパレータ層11に対向するように転写フィルム300を配置した断面図であり、 (2)は、正極複合シート20Aのセパレータ層11に転写フィルム300を接合した断面図であり、 (3)は、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離した断面図であり、 (4)は、正極複合シート20Aの基材フィルム100が接合されていた面に正極集電体電極23aを形成した断面図であり、 (5)は、正極集電体電極23a上に正極活物質層23bを形成した断面図であり、 (6)は、正極活物質層23bが形成されていない部分に埋込層43を形成して表面を平坦化した断面図である。 実施形態3の蓄電デバイスの製造方法において、正極・正極一体化シート20Dと負極・負極一体化シート30Dとを積層する工程を示しており、 (7)は、転写フィルム300上に形成された正極・正極一体化シート20Dの断面図であり、 (8)は、転写フィルム300上に形成された負極・負極一体化シート30Dの断面図であり、 (9)は、正極・正極一体化シート20Dと負極・負極一体化シート30Dとを接合した断面図である。 実施形態3の電気化学素子用積層シートLB3の断面図である。 本発明に係る実施形態4の蓄電デバイスの製造方法における工程を示しており、 (1)は、実施形態1のステップPS1〜ステップPS7と同様にして作製した正極複合シート20Aの断面図であり、 (2)は、実施形態1のステップNS1〜ステップNS7と同様にして作製した負極複合シート30Aの断面図であり、 (3)は、基材フィルム100上にセパレータ層10を形成したセパレータ用シート60の断面図であり、 (4)は、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離するときの断面図であり、 (5)は、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離した面をセパレータ用シート60に接合するときの断面図であり、 (6)は、セパレータ用シート60に接合された正極複合シート20Aの上に負極複合シート30Aを接合するときの断面図である。 実施形態4の蓄電デバイスの製造方法における工程を示しており、 (7)は、正極複合シート20Aの上に負極複合シート30Aを接合した後、接合した負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離するときの断面図であり、 (8)は、さらに負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離するときの断面図であり、 (9)は、その基材フィルム100を剥離した負極複合シート30Aの剥離した面を、負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離した面に接合するときの断面図である。 実施形態4の蓄電デバイスの製造方法における工程を示しており、 (10)は、接合された負極複合シート30Aの上に正極複合シート20Aを接合するときの断面図であり、 (11)は、さらに、負極複合シート30Aの上に正極複合シート20Aを接合して、その基材フィルム100を剥離した断面図である。 実施形態4に係る変形例の蓄電デバイスの製造方法における工程を示しており、 (1)は、正極複合シート20Aを基材フィルム100に接合した状態で、その正極複合シート20Aのセパレータ層11側に転写フィルム300を接合するときの断面図であり、 (2)は、その基材フィルム100を正極複合シート20Aから剥離するときの断面図であり、 (3)は、その基材フィルム100を剥離した面に、セパレータ用シート60のセパレータ層10側を接合するときの断面図であり、 (4)は、さらに転写フィルム300を剥がすときの断面図である。 本発明の実施形態5に係る蓄電デバイスの製造方法の工程フロー図である。 実施形態5の蓄電デバイスの製造方法において、基材フィルム100上に正極21を形成する工程を示しており、(1)は、離型層101と接着層121を備えた基材フィルム100の断面図であり、(2)は、接着層121上に正極集電体膜102を形成した断面図であり、(3)は、正極集電体膜102上にレジストパターンR102を形成した断面図であり、(4)は、正極集電体膜102がエッチングされた断面図であり、(5)は、レジストパターンR102を除去した断面図であり、(6a)は、正極集電体電極21a上に正極活物質層21bを形成した断面図であり、(6b)は、(6a)の平面図である。 実施形態5の蓄電デバイスの製造方法において、正極21上にセパレータ層42を形成して正極複合シート20Aを作製する工程と、負極集電体電極31aと負極活物質層31bを形成する工程とを示しており、(7a)は、正極集電体電極21aと接着層121の上にセパレータ層42を形成した断面図であり、(7b)は、(7a)の平面図であり、(8a)は、基材フィルム上に負極31を形成した平面図である。 実施形態5の蓄電デバイスの製造方法において、正極・負極一体化シート50Aを形成する工程を示しており、(8b)は、図10(8a)の断面図であり、(9)は、負極複合シート30Aの断面図であり、(10)は、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを対向して配置した断面図であり、(11)は、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aのセパレータ層42間を接合した正極・負極一体化シート50Aの断面図であり、(12)は、正極・負極一体化シート50Aの正極側の基材フィルム100を剥離した断面図である。 実施形態5の蓄電デバイスの製造方法において、正極・負極一体化シートを積層する工程を示しており、(13)は、2つの正極・負極一体化シート50Aを対向して配置した断面図であり、(14)は、2つの正極・負極一体化シートを積層した断面図であり、(15)は、その一方の基材フィルム100を剥離した断面図であり、(16)は、積層された正極・負極一体化シート50Aにさらに別の正極・負極一体化シート50Aを配置した断面図である。 (17)は、実施形態5の蓄電デバイスの製造方法において、積層された正極・負極一体化シート50Aにさらに別の正極・負極一体化シート50Aを積層した断面図である。 実施形態5の正極・負極一体化シート50Aが積層された電気化学素子用積層シートLB1の断面図である。 実施形態5に係る電気化学素子用積層ブロック1に正極端子電極21tと負極端子電極31tとを形成した電気化学素子の一部断面斜視図である。 実施形態5に係る電気化学素子用積層ブロック1を含む蓄電デバイスの例として示す、電気二重層キャパシタ80Aの断面図である。 (a)は、容量(CAP)の測定方法を示す概略図であり、(b)は、電気抵抗(ESR)の測定方法を示す概略図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
実施形態1.
図1は、本発明に係る実施形態1の蓄電デバイスの製造方法の工程フロー図である。以下、図1の工程フローにしたがって各工程を説明する。
尚、本明細書において、蓄電デバイスとは、後述の実施例に示す電気二重層コンデンサの他、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等が含まれる。
1.正極セパレータ/電極複合シート20A作製
<ステップPS1>
まず、図2(1)に示すように、例えば、表面にシリコーン系の離型層101が形成されたポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム100を準備する。
基材フィルムそのものが離型性を有するものは離型性付与処理をすることなく用いることができる。
基材フィルムが離型性を有しないもの、又はより離型性を高めるために、離型層101を形成する等、離型性付与処理をして使用することが好ましい。
基材フィルム100としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、セルロースアセテートなどのプラスチツクフイルムをはじめ、セロハン、紙なども用いることができる。
離型性付与処理法としては、たとえばシリコーン樹脂、ワツクス、界面活性剤、金属酸化物、フッ素樹脂などを基材フィルム上にコーティングする方法が挙げられる。
離型層101としては、その他にたとえばニトロセルロース、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂の1種または2種以上を主体とするものが適宜用いられ、それらの離型性付与処理法としては、基材フィルム上にたとえばグラビア方式によりコーティングして形成することが挙げられる。
また、前記離型層中にシリカなどの無機酸化物フィラーが含まれていると、離型性がより向上するため、好ましい。
<ステップPS2>
次に、図2(2)に示すように、基材フィルム100上に、正極集電体膜102を例えば蒸着により形成する。
このように、表面が平滑な基材フィルム100上に正極集電体膜102を形成することで、高い連続性を有し、薄膜でありながら低抵抗の正極集電体膜102を得ることが容易となり、その結果、蓄電デバイスの小型低背化を効果的に進めることができる。
また、正極集電体膜102の形成方法としては蒸着の他、スパッタリングや塗布など公知の技術を用いることができる。蒸着やスパッタリングは、膜の連続性が良いため低抵抗で、膜厚が薄い集電体膜の形成が容易であり、蓄電デバイスの小型低背化が容易となる。
<ステップPS3>
図2(3)に示すように、正極集電体膜102上に、複数のレジストパターンR102を所定の間隔で印刷して、乾燥させる。このレジストパターンR102は、例えば、マトリクス状に配置され、それぞれ正極集電体電極21aと同様の矩形形状に形成される。
次に、図2(4)に示すように、レジストパターンR102をエッチングマスクとして、正極集電体膜102をエッチングして、図2(5)に示すように、レジストパターンR102を剥離する。以上のようにして、矩形形状の正極集電体電極21aを形成する。
マスキング方法としてはスクリーン印刷によりレジストを印刷する方法の他、グラビア印刷によるレジストの印刷、塗布型レジストを用いたフォトリソ、ドライフィルムレジストを用いたフォトリソなどを用いてもよい。コストが安いことを重視するのであれば、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましく、精度を重視するのであれば、フォトリソが好ましい。
また、集電体電極を形成する方法として、集電体膜をエッチングする方法の他に、離型層が形成された基材フィルム上にメタルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着する方法やオイルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着してプラズマアッシング処理を行う方法などを用いてもよい。
また、正極集電体電極21aが表面に酸化膜を形成するような場合は、正極集電体電極21aを形成した後、正極集電体電極21aの酸化膜を除去する工程を含むことが好ましい。正極集電体電極21aの酸化膜の除去は、例えば、Alにより正極集電体電極21aを形成した場合には、フッ酸と硫酸の混酸に通して、Al表面の酸化膜を除去することができる。
<ステップPS4>
図2(6a)(6b)に示すように、正極集電体電極21a上の2箇所に、正極活物質層21bを形成する。
正極活物質層21bは、正極集電体電極21a上に、例えば、活物質スラリーをスクリーン印刷することにより形成することができ、例えば、正極集電体電極21aの長手方向に直交する中心線L1に対して対称に、中心線L1から所定の間隔を開けて形成される。正極活物質層21bにおいて、中心線L1を挟んで対向する内側側面を除く側面はそれぞれ、正極集電体電極21aの外周に一致するように形成することが好ましい。
<ステップPS5>
次に、図3(7)に示すように、正極集電体電極21a及び正極活物質層21bを形成したことにより形成された段差を埋めて表面を平坦化する埋込層41を正極活物質層21bが形成されていない部分に形成する。
この埋込層41は、後の工程で形成されるセパレータ層と同様の成分を含んでいることが好ましい。
<ステップPS6>
そして、図3(8)に示すように、平坦化された埋込層41及び正極活物質層21bの表面にセパレータ層11を形成する。
このように、セパレータ層11が形成される表面が埋込層41によって平坦化されているため、表面が平坦で穴などの欠陥のないセパレータ層を精度よく容易に形成することが可能となる。
以上のステップPS1〜ステップPS6の工程を経て、正極セパレータ/電極複合シート20Aが作製される。
<ステップPS7>
ステップPS7では、ステップPS1〜ステップPS6を繰り返して、必要な枚数の正極セパレータ/電極複合シート20Aを作製する。
2.負極セパレータ/電極複合シート30A作製
図1に示すように、正極セパレータ/電極複合シート20Aを製造する際のステップPS1〜ステップPS7と同様のステップNS1〜ステップNS7にしたがって、負極セパレータ/電極複合シート30Aを作製する。
負極セパレータ/電極複合シート30Aにおいて、負極集電体電極31aは、その長手方向に直交する中心線L2が、図3(9a)(9b)に示すように、正極セパレータ/電極複合シート20Aにおける正極集電体電極21aの中心線L1の中央に位置するように配置され、負極活物質層31bはそれぞれ中心線L2に対して対称に、かつ正極活物質層21bに重なるような位置に形成される。
また、ステップNS2〜NS4において、ステップPS2〜ステップPS4における正極集電体膜102、正極集電体電極21a、正極活物質層21bに代えてそれぞれ負極集電体膜、負極集電体電極31a、負極活物質層31bを形成するが、蓄電デバイスとして電気二重層キャパシタを作製する際には、正極集電体膜102と負極集電体膜、正極集電体電極21aと負極集電体電極31a及び正極活物質層21bと負極活物質層31bとはそれぞれ同様のものを用いることができる。
なお、正極集電体電極21aと負極集電体電極31aの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていても良い。また、正極活物質層21bと負極活物質層31bの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていてもよい。正極21や負極31の位置ずれを考慮して、正極21又は負極31の一方の面積を大きくして、正極21や負極31が位置ずれしたような場合でも正極21と負極31の対向面積が変化しないようにでき、電気二重層キャパシタの抵抗や容量の変化を抑制することができる。
尚、本明細書において、簡略化するときは、正極セパレータ/電極複合シート20Aは、正極複合シート20Aといい、負極セパレータ/電極複合シート30Aは、負極複合シート30Aという。
また、本明細書において、正極と負極に共通する事項を、特に両者を区別することなく説明するときには、正極複合シート20A及び負極複合シート30Aは複合シートといい、正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは単に集電体電極といい、正極活物質層21b及び負極活物質層31bは単に活物質層という。
以上のように、本実施形態1では、集電体電極を形成した後、活物質層を塗工する例を説明したが、本発明では、複合シートは、基材フィルム100上にまずセパレータ層11を形成し、その上に活物質層を形成した後、集電体電極を形成するようにしてもよい。
しかしながら、本実施形態1で示したように、集電体上に活物質層を塗工するようにした場合には、活物質層中のバインダが活物質層/集電体電極の界面付近に堆積するため、活物質層/集電体電極間の結着力を高くできる。
また、本実施形態1で示したように、高い連続性を有し、薄膜化された集電体電極上に活物質層を塗工するようにすると、より一層の小型低背化が可能になる。
また、活物質層上に集電体電極を形成するようにすると、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去が困難となるが、本実施形態1では、集電体電極上に活物質層を形成するようにしているので、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去後に活物質層を形成することが可能となり、エッチングや酸化膜の除去が容易となる。
3.正極・負極一体化シート作製及び積層
<ステップMS1>
まず、図4(11)に示すように、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aをセパレータ層11が形成されている面が対向するように配置して、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aの両側から、例えば、図示しない加圧板により均等に加圧して加熱することにより、図4(12)に示すように、セパレータ層11間を接合する。以上のようにして、正極・負極一体化シート50Aが作製される。
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定する。
このようにセパレータ層11間を接合することにより作製された正極・負極一体化シート50Aは、その貼り合わせ面の両側の正極複合シート20Aと負極複合シート30Aとがほぼ同等の熱に対する伸縮特性を有しているので、接合後の反りが抑えられ、以下の製造工程における取り扱いが容易になる。
また、セパレータ層11が二重構造となるので、一方のセパレータ層11に仮に欠陥があった場合でも、他方のセパレータ層11で正極負極間の絶縁性は確保される。また、両方のセパレータ層11に欠陥があった場合でも、両方の欠陥部位が同じ位置で重なることはほとんど生じないことから、正極負極間のショートを防止することができる。
また、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが接合され正極・負極一体化シート50Aとされているため、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが薄層化されたような場合でも、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが更に容易となり、デバイスの更なる小型低背化が可能となる。
セパレータ層11間を接合した後、負極複合シート30A側又は正極複合シート20A側の基材フィルム100のいずれか一方を剥離する。
例えば、正極側の基材フィルム100を剥離するときには、図4(13)に示すように、図示しない吸引盤に、正極・負極一体化シート50Aの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、正極側の基材フィルム100を剥離する。
正極側の基材フィルム100を剥離しようとする場合、基材フィルム100と正極複合シート20A間の接合力よりも強い接合力を正極複合シート20Aと負極複合シート30A間で確保する必要があるが、両者の接合力の差は、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間に離型層がある場合は、比較的容易に実現できる。
一方、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間に離型層がない場合は、上記接合力の差は、例えば、高温・高圧で正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを接合することにより実現できる。しかしながら、高温・高圧下での接合では、活物質層やセパレータ層の空隙が潰れてしまうことがないように、また、正極複合シート20Aや負極複合シート30Aの形状が変形してしまうことがないように留意する必要がある。
また、集電体電極を基材フィルム上に蒸着により形成した場合などは、基材フィルムへの熱ダメージおよび蒸着粒子の運動エネルギーによるめり込みのため、基材フィルムとの密着力がより強くなり、離型層がないと剥離が困難となることがある。したがって、本発明では、基材フィルムへのダメージを防止できる厚みの離型層を形成しておくことが好ましい。
負極側の基材フィルム100を剥離するときには、正極・負極一体化シート50Aの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、負極側の基材フィルム100を剥離する。
このようにして、正極複合シート20A側又は負極複合シート30A側のいずれか一方に基材フィルム100が接合された、正極・負極一体化シート50Aを必要枚数作製する。
4.正極・負極一体化シートの積層
<ステップMS2>
最初の積層は、例えば、図4(14)に示すように、負極側が吸引盤に吸引された正極・負極一体化シート50Aの下に、負極複合シート30A側に基材フィルム100が接合された正極・負極一体化シート50Aを、基材フィルム100が下になるように配置した後、図5(15)に示すように、その2枚の正極・負極一体化シート50Aを接触させて、図示しない加圧板により全面を均等に加圧して接合する。
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定する。
尚、図8に示すような上下最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、最初の積層は、そのセパレータ用シートのセパレータ層の上に正極・負極一体化シート50Aを積層するようにする。
次に、図5(16)に示すように、吸引盤に吸引された正極・負極一体化シート50Aの負極側の基材フィルム100を剥離する。
そして、その負極側の基材フィルム100が剥離された正極・負極一体化シート50Aの上に、図6(17)に示すように、負極側の基材フィルム100が剥離された別の正極・負極一体化シート50Aを、負極側が対向するように配置して、図6(18)に示すように、負極側同士を接合する。
次に、積層された別の正極・負極一体化シート50Aの正極側の基材フィルム100を剥離して、その上に、正極側の基材フィルム100が剥離された正極・負極一体化シート50Aを正極側が対向するように配置して、正極側同士を接合する。
以降、ステップMS1及びステップMS2を必要回数繰り返して、図7に示すような、正極・負極一体化シート50Aが積層された電気化学素子用積層シートLB1を作製する。
尚、図8に示すような最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、最初の積層に用いたものと同じ、セパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、積層の最後にそのセパレータ用シートのセパレータ層を対向させて接合する。
また、以上工程により作製される電気化学素子用積層ブロック1では、図7に示すように、最外層の正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは1層であり、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが2層重ねられてなる内側の集電体電極より薄くなるが、図8では、作図上の制約により、全ての正極集電体電極及び負極集電体電極を同じ厚さに描いている。
しかしながら、本発明では、例えば、集電体電極や活物質層の厚さを形成場所によらず同一にしてもよいし、形成場所や製造方法に応じて適宜変更することも可能である。
<ステップMS3>
次に、電気化学素子用積層シートLB1の上下最外層に配置されている基材フィルム100を剥がした後、電気化学素子用積層シートLB1を裁断線D1に沿って裁断して、電気化学素子用積層ブロック1を作製する。
尚、このステップでは、電気化学素子用積層シートLB1を裁断した後、基材フィルム100を剥離するようにしてもよい。
<ステップMS4>
そして、図8に示すように、裁断された電気化学素子用積層ブロック1の裁断面のうち、正極集電体電極21aが露出された側面に正極端子電極21tを形成し、負極集電体電極31aが露出された側面に負極端子電極31tを形成する。
ここで、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に、例えば、スパッタリングによりAlを付着させることにより形成することができる。
正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、スパッタリングの他、蒸着、イオンプレーティング、溶射、コールドスプレー、めっきなどにより電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電皮膜を形成することで作製してもよい。
また、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電性接着剤をディッピングにより塗布するようにして形成してもよい。
側面に正極端子電極21t及び負極端子電極31tが形成された電気化学素子用積層ブロック1は、図示しない、正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極を備えたパッケージ内に電解液とともに収納され、蓄電デバイスが作製される。
パッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を収納する際、例えば、正極端子電極21t及び負極端子電極31t上に、導電性粒子として金を含有する導電性接着剤をディッピングにより塗布して、その導電性接着剤が、それぞれ正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極に接続されるように、電気化学素子用積層ブロック1を配置する。
そして、電気化学素子用積層ブロック1が配置されたパッケージを例えば、170℃で10分加熱して、導電性接着剤を硬化させて、電気化学素子用積層ブロック1をパッケージ電極に固定するとともに、正極端子電極21t及び負極端子電極31tをそれぞれ正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極に電気的に接続する。
導電性粒子としては、金の他にカーボン、銀、銅、アルミニウムなどが用途によって用いられる。
以上の実施形態1の製造方法は、基材フィルム100上に正極複合シート20A又は負極複合シート30Aを作製して、その正極複合シート20A又は負極複合シート30Aを基材フィルム100から剥がす工程を含んでいる。
これにより、連続した1つのセパレータ層11に複数のパターニングされた複数の正極集電体電極21aと、正極活物質層21bとを一体化して作製することが可能になる。
同様に、連続した1つのセパレータ層11に複数のパターニングされた複数の負極集電体電極31aと負極活物質層31bとを一体化して作製することが可能になる。
したがって、実施形態1の製造方法では、多数の電気化学素子用積層ブロック1を一括して作製することができ、電気化学素子用積層ブロック1を個別に1つずつハンドリングする従来の方法に比較して生産性を向上させることができる。
また、以上の実施形態1の製造方法では、複数のパターニングされた正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが連続した1つのセパレータ層11で一体化されているため、電極の取り扱いが容易となる。また、積層されるまで、正極複合シート20A及び負極複合シート30Aが基材フィルム100に支持されているので、さらに電極の取り扱いが容易となる。
したがって、例えば、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aを薄くしてもそれらの電極の取り扱いが容易である。したがって、より小型の電気化学素子用積層ブロック1を作製することができる。
また、実施形態1の製造方法によれば、パターニングされた複数の正極集電体電極21a及び/又は負極集電体電極31aと、複数の正極活物質層21b及び/又は負極活物質層31bとがセパレータ層11と一体化されているので、電気化学素子用積層ブロック1を小型化しても、製造過程におけるハンドリングが容易となり、より小さい電気化学素子用積層ブロック1を製造することが可能になる。
さらに、以上の実施形態1の製造方法では、隣接する正極21と負極31とがセパレータ層11に接合されて固定されているため、製造過程及び製品化後における正極21と負極31の位置ずれが防止できる。
これにより、製造過程におけるシートの取り扱い及び多層化が容易となり、製品化後における容量変化等の特性変化を抑えることができる。
また、以上の実施形態1の製造方法では、一方の表面に活物質層が形成された集電体の他方の表面同士を向かい合わせて配置しているので、集電体の両面に活物質層が形成された状態を容易に実現でき、体積容量比率の高い電気化学素子用積層ブロックを作製することが可能になる。
すなわち、従来の製造方法では、集電体箔の両面に活物質層を形成することは、ハンドリング上容易ではなく、困難である。
なお、本実施形態においては、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aのセパレータ層11間を接合することで正極・負極一体化シート50Aを作製し、該正極・負極一体化シート50Aを積層することで電気化学素子用積層シートLB1を作製した。しかし、電気化学素子用積層シートの作製方法はこれに限るものではなく、次の様にして作製してもよい。
例えば、基材フィルム100が剥離された2つの正極複合シート20Aの基材フィルムが剥離された面間を正極集電体電極21a同士を対向させて接合して、正極・正極一体化シートを作製する。同様に、基材フィルム100が剥離された2つの負極複合シート30Aの基材フィルムが剥離された面間を負極集電体電極31a同士を対向させて接合して、負極・負極一体化シートを作製する。これら正極・正極一体化シートと負極・負極一体化シートとをそれぞれのセパレータ層11同士を対向させて接合することで積層シートを作製する。この積層シートの正極・正極一体化シート側に、別の負極・負極一体化シートをセパレータ層11同士を対向させて接合する。この積層工程を必要回数繰り返して、電気化学素子用積層シートを作製する。
実施形態2.
実施形態2では、実施形態1で作製した正極複合シート20A及び負極複合シート30Aを用いて、実施形態1とは異なる方法で電気化学素子用積層ブロックを作製する。
1.正極・負極一体化シート50ABの作製
まず、図9に示すように、実施形態1のステップPS1〜PS6と同様のステップで、基材フィルム100上に正極複合シート20Aを作製する。
<ステップ2NS7>
次に、図10(1)に示すように、正極複合シート20Aのセパレータ層11上に、負極活物質層32bを形成する。
負極活物質層32bは、セパレータ層11を介して正極活物質層21bにそれぞれ対向するように形成する。
また、負極活物質層32bは、例えば、スクリーン印刷により、負極活物質パターンを印刷した後、例えば、乾燥して形成する。
<ステップ2NS8>
次に、図10(2)に示すように、負極活物質層32bが形成されておらず、セパレータ層11が表面に露出している部分に、負極活物質層32bを形成したことによりできた段差を埋めるように埋込層42を形成して、平坦化する。
<ステップ2NS9>
そして、平坦化された表面に負極集電体電極32aを形成する。
負極集電体電極32aは、図10(3)に示すように、正極複合シート20Aにおける隣接する正極集電体電極21aの上方に形成された負極活物質層32bに跨って形成される。
このように、負極集電体電極32aが形成される表面が埋込層42によって平坦化されているため、表面が平坦で穴などの欠陥のない集電体電極を精度よく容易に形成することが可能となる。
以上のステップPS1〜2NS9により、正極・負極一体化シート50ABが作製される。
<ステップ2NS10>
以下、ステップPS1〜2NS9を繰り返して必要枚数分の正極・負極一体化シート50ABを作製する。
上下の最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロックを作製する場合には、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、正極・負極一体化シート50ABの上下にセパレータ用シートのセパレータ層を対向させて接合すればよい。
<ステップ2MS1>
基材フィルムを剥離した正極・負極一体化シート50ABを裁断線D2に沿って裁断し、電気化学素子用積層ブロック2を作製する。
尚、このステップでは、正極・負極一体化シート50ABを裁断した後、基材フィルムを剥離するようにしてもよい。
<ステップ2MS2>
そして、裁断された電気化学素子用積層ブロック2の裁断面のうち、正極集電体電極21aが露出された側面に正極端子電極21tを形成し、負極集電体電極32aが露出された側面に負極端子電極31tを形成する。
以上のようにして、1層のセパレータ層11を含んでなる実施形態2の電気化学素子は作製される。
その後、実施形態1と同様にして、蓄電デバイスが作製される。
以上の実施形態2の製造方法は、セパレータ層11に正極と負極が一体化された正極・負極一体化シート50ABを基材フィルム100上に作製することを含んでいる。
これにより、連続した1つのセパレータ層11にパターニングされた複数の正極集電体電極21a、正極活物質層21b及び負極集電体電極32a、負極活物質層32bを一体化して作製することが可能になり、多数の電気化学素子用積層ブロック2を一括して作製することができる。
したがって、実施形態2の製造方法によれば、電気化学素子用積層ブロック2を個別に1つずつ作製、ハンドリングする従来の方法に比較して生産性を向上させることができる。
また、本実施形態2の製造方法では、正極・負極一体化シート50ABを裁断する前に、図10(5)に示す正極・負極一体化シート50BAを作製して以下のようにしてさらに多層化してもよい。
2.正極・負極一体化シート50BAの作製
図11に示すステップ2PS7〜2PS9において、図9のステップ2NS7〜2NS9における負極活物質層32b、負極集電体電極32aに代えてそれぞれ正極活物質層22b、正極集電体電極22aを形成する他は、正極・負極一体化シート50ABと同様にして、図10(5)に示す、正極・負極一体化シート50BAを作製する。
以下、実施形態1と同様にして、2つの正極・負極一体化シート50ABを、負極集電体電極32a同士を対向させて接合した後、一方の正極側の基材フィルム100を剥離してその正極集電体電極21aに正極集電体電極22aが接合されるように、正極・負極一体化シート50BAを積層し、その正極・負極一体化シート50BAの負極側の基材フィルム100を剥離してその負極集電体電極31aに負極集電体電極32aが接合されるように、正極・負極一体化シート50ABを積層することを交互に繰り返して、電気化学素子用積層シートを作製する。
尚、上下最外層にセパレータ層が配置されるようにするには、基材フィルム上に所定の厚みのセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、最初の積層は、そのセパレータ用シートのセパレータ層の上に正極・負極一体化シート50ABを積層するようにし、積層の最後にセパレータ用シートのセパレータ層を対向させて接合するようにすればよい。
そして、実施形態1と同様にして、電気化学素子用積層シートを裁断して、電気化学素子用積層ブロックを作製し、実施形態1と同様に正極端子電極と負極端子電極を形成する。
以上のように構成された実施形態2の製造方法は、実施形態1と同様の作用効果を有し、さらにセパレータ層同士を接合していないので、セパレータ層を薄くすることが可能になる。
実施形態3.
実施形態3では、実施形態1で作製した正極複合シート20A及び負極複合シート30Aを用いて、実施形態1とは異なる方法で電気化学素子用積層ブロックを作製する。
図12は、本発明に係る実施形態3の製造工程を示す工程フロー図である。以下、図12の工程フロー図にしたがって各工程を説明する。
1.正極・正極一体化シート20Dの作製
実施形態1のステップPS1〜PS6と同様のステップで、基材フィルム100上に正極複合シート20Aを作製した後、以下のステップ3PS7〜3PS13を行う。
<ステップ3PS7>
まず、図13(1)に示すように、正極複合シート20Aのセパレータ層11に対向するように、表面に離型層(図示せず)が形成されたポリエチレンテレフタレートからなる転写フィルム300を配置して加圧し、図13(2)に示すように、正極複合シート20Aに転写フィルム300を接合する。
転写フィルム300としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、セルロースアセテートなどのプラスチツクフイルムをはじめ、セロハン、紙なども用いることができる。
<ステップ3PS8>
次に、図13(3)に示すように、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離する。
<ステップ3PS9>
そして、図13(4)に示すように、正極複合シート20Aの基材フィルム100が接合されていた面に、正極集電体電極23aを正極集電体電極21aに対向するように形成する。
尚、ステップ3PS8において、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離する際、離型層101が正極複合シート20A側に残らないように基材フィルム100を剥離して、ステップ3PS9における正極集電体電極23aの形成を省略して、工程数を減らすこともできる。
<ステップ3PS10>
次に、図13(5)に示すように、正極集電体電極23a上に、正極活物質層21bと同じ大きさの正極活物質層23bをそれぞれ正極活物質層21bに対向するように形成する。
このように、正極集電体電極23aが形成されることによって、正極集電体電極21aの基材フィルム100が接合されていた面に、離型層101が残っていたり、集電体の酸化膜が形成されているような場合であっても、正極活物質層23bと正極集電体電極との電気的接続が確保され、蓄電デバイスの抵抗を下げることができる。
<ステップ3PS11>
次に、図13(6)に示すように、正極活物質層23bが形成されていない部分に、埋込層43を形成して、正極活物質層23bを形成された表面を平滑にする。
<ステップ3PS12>
次に、図14(7)に示すように、平滑にした表面にセパレータ層13を形成する。
以上のステップ3PS7〜3PS12により、正極複合シート20Aと正極複合シート20Aの上に形成された正極複合シート20Cとによって構成された正極・正極一体化シート20Dが作製される。
尚、正極複合シート20Aと正極複合シート20Cとは、正極集電体電極21aと正極集電体電極23aとが対向するように接合される。
<ステップ3PS13>
以上のステップPS1〜3PS12を繰り返すことにより、必要な枚数の正極・正極一体化シート20Dを作製する。
2.負極・負極一体化シート30Dの作製
図12のステップNS1〜3NS13にしたがって負極・負極一体化シート30Dを作成する。
正極集電体電極23a及び正極活物質層23bに代えてそれぞれ負極集電体電極33a、負極活物質層33bを形成する他は、正極・正極一体化シート20Dと同様にして、図14(8)に示す、負極・負極一体化シート30Dを必要な枚数作製する。
ここで、負極集電体電極33aは、図14(9)に示すように、正極・正極一体化シート20Dにおける隣接する正極集電体電極23aの上方に形成された正極活物質層23bに跨って形成される。
3.積層
<ステップ3MS1>
次に、図14(9)に示すように、正極・正極一体化シート20Dと負極・負極一体化シート30Dとをセパレータ層13とセパレータ層14を貼り合わせることにより接合して、接合した正極・正極一体化シート20Dの転写フィルム300を剥離する。
<ステップ3MS1>
転写フィルム300を剥離した正極・正極一体化シート20D側に負極・負極一体化シート30Dのセパレータ層14側を接合して転写フィルム300を剥離する。
<ステップ3MS1>
転写フィルム300を剥離した負極・負極一体化シート30D側に正極・正極一体化シート20Dのセパレータ層13側を接合して転写フィルム300を剥離する。
<ステップ3MS1>
ステップ3MS1を必要回数繰り返して、電気化学素子用積層シートLB3を作製する。
<ステップ3MS2>
電気化学素子用積層シートLB3の最下層に配置されている基材フィルムを剥がした後、図15に示す裁断線D3で、電気化学素子用積層シートLB3を裁断して、電気化学素子用積層ブロック3を作製する。
尚、このステップでは、電気化学素子用積層シートLB3を裁断した後、基材フィルムを剥離するようにしてもよい。
<ステップ3MS3>
そして、実施形態1と同様に正極端子電極と負極端子電極を形成する。
その後、実施形態1と同様にして、蓄電デバイスが作製される。
以上説明した実施形態3の製造方法では、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを準備して、電気化学素子用積層ブロック3を作製する積層の際、以下のようにしてもよい。
最初の積層として、セパレータ用シートのセパレータ層上に、図13(3)に示す基材フィルム100が剥離された正極複合シート20Aを、正極集電体電極21aがセパレータ用シートのセパレータ層に接合するように積層し、転写フィルム300を剥がして、その上に負極・負極一体化シート30Dや正極・正極一体化シート20Dを積層していく。
そして、最後の積層は、図13(1)に示すような正極複合シート20Aまたは負極複合シート30Aを積層した後、その基材フィルム100を剥離し、その剥離した面にセパレータ用シートのセパレータ層が対向するように接合して、セパレータ用シートの基材フィルムを剥離する。
このようにすると、電気化学素子用積層ブロック3の上下の最外層に、容量にあまり寄与しない活物質層が形成されることがないので好ましい。
以上のように構成された実施形態3の蓄電デバイスの製造方法は、実施形態1と同様の作用効果を有し、さらに転写フィルム300を接合して基材フィルム100を剥離するので、基材フィルム100を剥離した後の正極複合シート20A及び負極複合シート30Aの取り扱いを容易にできる。
すなわち、以上の実施形態3の製造方法では、複数のパターニングされた正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが連続したセパレータ層11で一体化され、複数のパターニングされた正極集電体電極23aがセパレータ層13で一体化され、複数のパターニングされた負極集電体電極33aがセパレータ層14で一体化されているため、電極の取り扱いが容易となり、基材フィルム100を剥離した後であっても、転写フィルム300が接合されていることで電極の取り扱いが更に容易となる。
また、以上の実施形態3の製造方法では、一方の面に活物質層が形成された集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる複合シートの前記集電体電極の他方の面に、前記活物質層にそれぞれ対向して活物質層を形成するので、集電体電極の両面に活物質層が形成された状態を容易に実現でき、体積容量比率の高い電気化学素子用積層ブロックを作製することが可能になる。
これに対して、従来の製造方法では、集電体箔の両面に活物質層を形成することは、ハンドリング上容易ではなく、困難である。
実施形態4.
まず、本実施形態4の蓄電デバイスの製造方法では、実施形態1のステップPS1〜ステップPS7と同様にして、図16(1)に示す正極複合シート20Aを必要枚数作製する。尚、図面上右側の一方の端部側に位置する正極集電体電極21a1は、その上に1箇所のみ正極活物質層21bが形成されている点で、2箇所に正極活物質層21bが形成されている他の正極集電体電極21aとは異なっている。
また、実施形態1のステップNS1〜ステップNS7と同様にして、図16(2)に示す負極複合シート30Aを必要枚数作製する。尚、図面上左側の他方の端部側に位置する負極集電体電極31a1は、その上に1箇所のみ負極活物質層31bが形成されている点で、2箇所に負極活物質層31bが形成されている他の負極集電体電極31aとは異なっている。
さらに、本実施形態4の製造方法では、図16(3)に示すように、基材フィルム100上にセパレータ層10を形成したセパレータ用シート60を必要枚数作製する。
そして、本実施形態4の製造方法では、以上のようにして作製した正極複合シート20A、負極複合シート30A及びセパレータ用シート60を以下のように積層する。
第1に、例えば、正極複合シート20Aのセパレータ層11側の面を吸着して持ち上げて、図16(4)に示すように、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離する。
次に、図16(5)に示すように、基材フィルム100を剥離した面がセパレータ用シート60のセパレータ層10に対向するように、吸着した正極複合シート20Aを配置して、セパレータ用シート60上に正極複合シート20Aを接合する。
次に、図16(6)に示すように、セパレータ用シート60に接合された正極複合シート20Aの上に負極複合シート30Aを接合する。具体的には、基材フィルム100の上に形成された負極複合シート30Aの基材フィルム100側を吸引盤に吸着して持ち上げて、セパレータ層同士を対向させて、正極複合シート20Aの上に負極複合シート30Aを接合する。
このようにして、正極複合シート20Aの上に負極複合シート30Aを接合した後、図17(7)に示すように、接合した負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離する。
次に、例えば、負極複合シート30Aのセパレータ層側の面を吸着して持ち上げて、図17(8)に示すように、負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離して、その基材フィルム100を剥離した負極複合シート30Aの剥離した面を、図17(9)に示すように、図17(7)に示した負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離した面に接合する。この接合の際、一方の負極複合シート30Aの負極集電体電極31aと他方の負極複合シート30Aの負極集電体電極31aとが対向するように接合される。
次いで、図18(10)に示すように、接合された負極複合シート30Aの上に正極複合シート20Aを接合する。具体的には、基材フィルム100の上に形成された正極複合シート20Aの基材フィルム100側を吸引盤に吸着して持ち上げて、セパレータ層同士を対向させて、負極複合シート30Aの上に正極複合シート20Aを接合する。
さらに、図18(11)に示すように、接合した正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離して、以下、同様に、正極複合シート20A、負極複合シート30A、負極複合シート30A、正極複合シート20A、正極複合シート20A、負極複合シート30A、負極複合シート30A、・・・の順に必要枚数繰り返し積層し、最後は、正極複合シート20A又は負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離した面にセパレータ用シート60のセパレータ層10側を接合する。
以上のようにして、作製された電気化学素子用積層シートを、実施形態1等と同様に切断して電気化学素子を作製し、実施形態1等と同様にして蓄電デバイスを製造する。
以上の実施形態4の蓄電デバイスは、実施形態1〜3と同様の作用効果を有する。
実施形態4の変形例
以上説明した実施形態4の蓄電デバイスの製造方法では、図16(4)及び(5)を参照しながら説明したように、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離して、その基材フィルム100を剥離した面をセパレータ用シート60のセパレータ層10に対向させて接合するようにしたが、本発明では、以下のようにしてもよい。
すなわち、図19(1)に示すように、正極複合シート20Aを基材フィルム100に接合した状態で、その正極複合シート20Aのセパレータ層11側に転写フィルム300を接合した後、図19(2)に示すように基材フィルム100を正極複合シート20Aから剥離する。
そして、その基材フィルム100を剥離した面に、図19(3)に示すように、セパレータ用シート60のセパレータ層10側を接合した後、図19(4)に示すように、転写フィルムを剥がす。
このように転写フィルムを用いることで、正極複合シートや負極複合シートに吸引盤等が直接接することがなくなり、電気化学素子への異物の混入を防止できる。
また、この転写フィルムを用いる方法は、実施形態4において、図16(4)に示すように、正極複合シート20Aのセパレータ層11側の面を吸着して持ち上げて、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離して、図16(5)に示すように、基材フィルム100を剥離した面がセパレータ用シート60のセパレータ層10に対向するように、吸着した正極複合シート20Aを配置して、セパレータ用シート60上に正極複合シート20Aを接合する際にも、適用することもできる。
さらに、図17(8)に示すように、負極複合シート30Aのセパレータ層11側の面を吸着して持ち上げて、負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離して、図17(9)に示すように、その基材フィルム100を剥離した負極複合シート30Aの剥離した面を、負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離した面に接合する際にも、適用することができる。
以降の工程は、図16(6)〜図18(11)を参照しながら説明した工程を経て実施形態4と同様に蓄電デバイスを製造する。
以上の実施形態1〜4では、埋込層の形成とセパレータ層の形成をそれぞれの機能の違いを考慮して別の工程で行ったが、本発明では、埋込層とセパレータ層とを同一材料で同時に形成することもできる。
尚、以上の実施形態において、製造工程を説明するために参照した図面では、作図上の制約により、セパレータ層、正極及び負極等を厚く描いているが、実寸法を正確に拡大又は縮小したものではない。
また、明細書に添付した他の図面についても、大きさ又は位置関係を作図上の制約又は理解し易いように適宜変形又は誇張して示している。
実施形態5.
図27は、実施形態5に係る蓄電デバイスに用いる電気化学素子用積層ブロック1を示す斜視図である。
図28は、電気化学素子用積層ブロック1を含む蓄電デバイスの例として示す、電気二重層キャパシタ80Aの断面図である。
なお、図27では、電気化学素子用積層ブロック1の前面(ハッチングにより示した面)は、正極21(正極集電体電極21aと正極活物質層21b)と負極31(負極集電体電極31aと負極活物質層31b)の配置の概略を理解できるように断面を示しているが、実際は、後述する製造方法において詳細を示すように、接着性を有するセパレータ層42により覆われており、このセパレータ層42に設けられた切れ込み25(図22(7b)参照)を介して、電解液が電気化学素子用積層ブロック1内の蓄電ユニットに供給される。すなわち、切れ込み25は、電解液を電気化学素子用積層ブロック1内に導入することができる電解液誘導路として機能する。
また、電気化学素子用積層ブロック1の後面(前面に平行な面)も同様に、図示しないセパレータ層42により覆われており、この後面を覆うセパレータ層42にも切れ込み25を設けてよい。
他の実施形態と同じ符号を付した要素は、特に断りがない限り他の実施形態と同じ材料を用いてよい。
後述するように電気化学素子用積層ブロック1を正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極を備えたパッケージ内に電解液とともに収納することで例えば電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオンキャパシタのような蓄電デバイスを形成することができる。
電気化学素子用積層ブロック1は、正極活物質層21bと負極活物質層31bとが対向している1組の正極21(正極集電体電極21aと正極活物質層21b)と負極31(負極集電体電極31aと負極活物質層31b)および当該正極と当該負極の間に配置され、当該正極の表面の一部および当該負極の表面の一部と接着しているセパレータ層42(図27では詳細部の記載を省略)とを有する蓄電ユニットが複数積層した積層体を有する。
そして、セパレータ層42は、電解液を内部に誘導できる電解液誘導路を正極活物質層21bと負極活物質層31bとの間に形成している。
従って、パッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を配置し、電解液をパッケージ内に供給することで、容易に電解液を蓄電ユニット内に供給(注液)することができる。
この結果、蓄電ユニットの積層時の熱等の影響による電解液の変質、揮発等の問題を防止することができる。
また、電解液の注液を積層体形成後に行えることから蓄電ユニットの積層時に蓄電ユニットを電解液を含んだ状態でハンドリングする必要がなく、工程が簡略化され、効率的である。
さらに、電解液がより短い時間で蓄電ユニット内に到達するため、電解液の注液が容易であるという利点を有する。
なお、これは、電気化学素子用積層ブロック1を用いた蓄電デバイスの製造において、電解液の電気化学素子用積層ブロック1への注液を蓄電ユニットの積層後に限定するものではない。蓄電ユニットの積層前および/または蓄電ユニットの積層中に注液しておいてもよいし、蓄電ユニットの積層後に追加で注液してもよい。
上述のようにセパレータ層42は、当該正極の表面の一部もしくは当該負極の表面の一部と接着できる、またはセパレータ層42同士で接着できるように接着性を有している。
セパレータ層42としては熱可塑性樹脂(PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びその六フッ化プロピレンとの共重合体、ポリエチレンオキサイドなど)および、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドなどの熱硬化性樹脂を使用することができる。
これらの中で、熱可塑性樹脂はガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなるため、加熱又は加熱しながら圧着することで被接着物である正極活物質層21b、負極活物質層31b、正極集電体電極21aもしくは負極集電体電極31aまたはセパレータ層との接触面積が大きくなり、強い接着強度(接合強度)が得られるため好ましい。
また、熱可塑性樹脂であるPVDFを用いた場合、耐熱性及び耐溶剤性に優れる。
一方、熱硬化性樹脂は耐熱性が高く、結着力が強く、化学的安定性に優れ、熱可塑性樹脂と比較して高強度であるため、積層体の強度が向上する。
セパレータ層42を上述の被接着物に接着する方法としては、例えばセパレータ層42を設けた各電極を圧着または加熱することが挙げられ、圧着または加熱することにより被接着物(正極、負極等)に接着されて一体化する。また圧着時に加熱することにより、より強固に接着することができる。
セパレータ層42を設けた各電極を積層して積層体を作製する際、積層体においては、電極の逐次積層時は、加熱などにより仮接着を行うことで仮積層体を形成し、仮積層体に加熱などにより本接着を施す。
このようにすると、積層時に、正極と負極間の位置を精度よく逐次積層することが可能になる。
また、本接着は、積層体が複数個まとめて形成された仮接着されている積層集合体に施してもよいし、仮接着された積層集合体を個片化した後に、積層体毎に行ってもよい。
セパレータ層42は、粒子状絶縁体を含んでもよい。セパレータ層42に粒子状絶縁体を含むことにより、セパレータ層42の強度を向上することができ、積層時の潰れを抑制し、電極間ショートを防ぐことができる。
セパレータ層42は充分な接着性を確保し、かつ電気化学素子用積層ブロック1トの形状を堅固に維持するために、好ましくは1250sec/100cc以上の透気度を有する。
なお、透気度とは、気体の透過しやすさを表すのに用いる尺度であり、日本工業規格(JIS)のP 8117に準拠した方法により、デジタル型王研式透気度試験機(例えば、旭精工株式会社製「EG01−5−1MR」)を使用し、シリンダー圧0.25MPa、測定圧0.05MPa、測定内部径30mmの条件で測定できる。
透気度の値が大きいと気体を通し難く、これは同時に電解液のような液体も通し難いことを示している。
次に、図28を用いて、電気化学素子用積層ブロック1を含む電気二重層キャパシタ80Aについて説明する。
電気化学素子用積層ブロック1は、パッケージベース部11bとパッケージ蓋部11aからなるパッケージ内に配置されている。パッケージベース部11bとパッケージ蓋部11aは例えば液晶ポリマーのような耐熱樹脂により形成され得る。
パッケージベース部11bには、例えばアルミニウムのような金属より成る正極パッケージ電極122bと負極パッケージ電極132bとが分離して配置されている。
複数の正極集電体電極21aと電気的に接続している電気化学素子用積層ブロック1の正極端子電極21tと、正極パッケージ電極122bとが、導電性接着剤122aにより電気的に接続されている。同様に、複数の負極集電体電極31aと電気的に接続している電気化学素子用積層ブロック1の負極端子電極31tと、負極パッケージ電極132bとが、導電性接着剤132aにより電気的に接続されている。
パッケージベース部11bとパッケージ蓋部11aからなるパッケージ内に電解液が配置されている。
この電解液をパッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を配置した後に供給した場合、上述のように、切れ込み25を介して電解液が蓄電ユニット内に到達する。
(2)製造方法
次に、実施形態5に係る蓄電デバイス(電気化学素子用積層ブロック1)の製造方法を説明する。
図20は、本発明に係る実施形態5の蓄電デバイス(電気化学素子用積層ブロック1)の製造方法の工程フロー図である。以下、図20の工程フローにしたがって各工程を説明する。
i)正極複合シート20A作製
<ステップPS1>
まず、図21(1)に示すように、例えば、表面にシリコーン系の離型層101が形成されたポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム100を準備する。
基材フィルムそのものが離型性を有するものは離型性付与処理をすることなく用いることができる。
基材フィルムが離型性を有しないもの、又はより離型性を高めるために、離型層101を形成する等、離型性付与処理をして使用することが好ましい。
基材フィルム100としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、セルロースアセテートなどのプラスチックフィルムをはじめ、セロハン、紙なども用いることができる。
離型性付与処理法としては、たとえばシリコーン樹脂、ワックス、界面活性剤、金属酸化物、フッ素樹脂などを基材フィルム上にコーティングする方法が挙げられる。
離型層101としては、その他にたとえばニトロセルロース、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂の1種または2種以上を主体とするものが適宜用いられ、それらの離型性付与処理法としては、基材フィルム上にたとえばグラビア方式によりコーティングして形成することが挙げられる。
さらに、基材フィルム100(または離型層101)の上に接着層121を形成する。
接着層121として、ウレタン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂またはシリコーン等を使用することができる。
<ステップPS2>
次に、図21(2)に示すように、接着層121上に、正極集電体膜102を例えば蒸着により形成する。
このように、表面が平滑な接着層121上に正極集電体膜102を形成することで、高い連続性を有し、薄膜でありながら低抵抗の正極集電体膜102を得ることが容易となり、その結果、蓄電デバイスの小型低背化を効果的に進めることができる。
また、正極集電体膜102の形成方法としては蒸着の他、スパッタリングや塗布など公知の技術を用いることができる。蒸着やスパッタリングは、膜の連続性が良いため低抵抗で、膜厚が薄い集電体膜の形成が容易であり、蓄電デバイスの小型低背化が容易となる。
<ステップPS3>
図21(3)に示すように正極集電体膜102上に、複数のレジストパターンR102を所定の間隔で印刷して、乾燥させる。このレジストパターンR102は、例えば、マトリクス状に配置され、それぞれ正極集電体電極21aと同様の矩形形状に形成される。
次に、図21(4)に示すように、レジストパターンR102をエッチングマスクとして、正極集電体膜102をエッチングした後、図21(5)に示すように、レジストパターンR102を剥離する。以上のようにして、矩形形状の正極集電体電極21aを形成する。
マスキング方法としてはスクリーン印刷によりレジストを印刷する方法の他、グラビア印刷によるレジストの印刷、塗布型レジストを用いたフォトリソ、ドライフィルムレジストを用いたフォトリソなどを用いてもよい。コストが安いことを重視するのであれば、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましく、精度を重視するのであれば、フォトリソが好ましい。
また、集電体電極を形成する方法として、集電体膜をエッチングする方法の他に、離型層が形成された基材フィルム上にメタルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着する方法やオイルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着してプラズマアッシング処理を行う方法などを用いてもよい。
また、正極集電体電極21aが表面に酸化膜を形成するような場合は、正極集電体電極21aを形成した後、正極集電体電極21aの酸化膜を除去する工程を含むことが好ましい。正極集電体電極21aの酸化膜の除去は、例えば、アルミニウム(Al)により正極集電体電極21aを形成した場合には、フッ酸と硫酸の混酸に通して、アルミニウム表面の酸化膜を除去することができる。
<ステップPS4>
図21(6a)(6b)に示すように、正極集電体電極21a上の2箇所に、正極活物質層21bを形成する。
正極活物質層21bは、正極集電体電極21a上に、例えば、活物質スラリーをスクリーン印刷することにより形成することができ、例えば、正極集電体電極21aの長手方向に直交する中心線L1に対して対称に、中心線L1から所定の間隔を開けて形成される。正極活物質層21bにおいて、中心線L1を挟んで対向する内側側面を除く側面はそれぞれ、正極集電体電極21aの外周に一致するように形成することが好ましい。
<ステップPS5>
次に、図22の(7a)(7b)に示すように、正極活物質層21bを取り囲むように接着層121および正極集電体電極21a上にセパレータ層42を形成する。この際、(7b)に示すように、正極活物質層21bに接するように切れ込み25をセパレータ層42に設ける。切れ込み25は、(7b)においてセパレータ層42を貫通している。
上述したように、図27には図示しないが、電気化学素子用積層ブロック1の前面(図27においてハッチングを施した面)は、セパレータ層42により覆われている。同様に、電気化学素子用積層ブロック1の後面(前面に平行な面)もセパレータ層42により覆われている。
後述するステップMS3までに、図22の7(b)において縦方向に複数ならぶ蓄電ユニット(正極活物質層21bと負極活物質層31bとが対向している1組の正極(正極集電体電極21aと正極活物質層21b)と負極(負極集電体電極31aと負極活物質層31b)および当該正極と当該負極の間に配置され、当該正極の一部および当該負極の一部と接着しているセパレータ層42とを合わせて「蓄電ユニット」と呼ぶ場合がある。)または蓄電ユニットを得るための中間品を縦方向に1つずつ切り離す際に、例えば、図22(7b)のC1、C2線およびC3線に相当する部位で切り離すことにより、電気化学素子用積層ブロック1の前面および後面をそれぞれセパレータ層42により覆うことができる。
電気化学素子用積層ブロック1の前面および後面を覆うセパレータ層42は、それぞれ切れ込み25を有している。そして、切れ込み25が電解液誘導路として機能するため、電解液がこの切れ込み25を通って、電気化学素子用積層ブロック1に入ることができる。
また、電気化学素子用積層ブロック1のそれぞれの蓄電ユニットで発生したガスを、それぞれの蓄電ユニットの電解液誘導路を通過させることにより、蓄電ユニットの外部(電気化学素子用積層ブロック1の外部)に排出できる。
以上のステップPS1〜ステップPS5の工程を経て、正極複合シート20Aが作製される。
<ステップPS6>
ステップPS6では、ステップPS1〜ステップPS5を繰り返して、必要な枚数の正極複合シート20Aを作製する。
図20に示すように、正極複合シート20Aを製造する際のステップPS1〜ステップPS6と同様のステップNS1〜ステップNS6にしたがって、負極複合シート30Aを作製する。
負極複合シート30Aにおいて、負極集電体電極31aは、その長手方向に直交する中心線L2が、図22(8a)および図23(8b)に示すように、正極複合シート20Aにおける正極集電体電極21aの中心線L1の中央に位置するように配置され、負極活物質層31bはそれぞれ中心線L2に対して対称に、かつ正極活物質層21bに重なるような位置に形成される。
また、ステップNS2〜NS4において、ステップPS2〜ステップPS4における正極集電体膜102、正極集電体電極21a、正極活物質層21bに代えてそれぞれ負極集電体膜、負極集電体電極31a、負極活物質層31bを形成するが、蓄電デバイスとして電気二重層キャパシタを作製する際には、正極集電体膜102と負極集電体膜、正極集電体電極21aと負極集電体電極31a及び正極活物質層21bと負極活物質層31bとはそれぞれ同様のものを用いることができる。
なお、正極集電体電極21aと負極集電体電極31aの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、正極活物質層21bと負極活物質層31bの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていてもよい。正極21や負極31の位置ずれを考慮して、正極21又は負極31の一方の面積を大きくして、正極21や負極31が位置ずれしたような場合でも正極21と負極31の対向面積が変化しないようにでき、電気二重層キャパシタの抵抗や容量の変化を抑制することができる。
また、本実施形態において、正極と負極に共通する事項を、特に両者を区別することなく説明するときには、正極複合シート20A及び負極複合シート30Aは複合シートといい、正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは単に集電体電極といい、正極活物質層21b及び負極活物質層31bは単に活物質層という場合がある。
本実施形態5で示したように、集電体電極上に活物質層を塗工するようにした場合には、活物質層中のバインダが活物質層/集電体電極の界面付近に堆積するため、活物質層/集電体電極間の結着力を高くできる。
また、本実施形態5で示したように、高い連続性を有し、薄膜化された集電体電極上に活物質層を塗工するようにすると、より一層の小型低背化が可能になる。
また、活物質層上に集電体電極を形成するようにすると、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去が困難となるが、本実施形態5では、集電体電極上に活物質層を形成するようにしているので、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去後に活物質層を形成することが可能となり、エッチングや酸化膜の除去が容易となる。
iii)正極・負極一体化シートの作製及び積層
<ステップMS1>
まず、図23(10)に示すように、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aをセパレータ層42が形成されている面が対向するように配置して、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aの両側から、例えば、図示しない加圧板により均等に加圧して加熱することにより、図23(11)に示すように、セパレータ層42間を接合する。以上のようにして、正極・負極一体化シート50Aが作製される。
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は20MPa、加圧時間は30秒に設定する。
このようにセパレータ層42間を接合することにより作製された正極・負極一体化シート50Aは、その貼り合わせ面の両側の正極複合シート20Aと負極複合シート30Aとがほぼ同等の熱に対する伸縮特性を有しているので、接合後の反りが抑えられ、以下の製造工程における取り扱いが容易になる。
また、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが接合され正極・負極一体化シート50Aとされているため、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが薄層化されたような場合でも、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが更に容易となり、デバイスの更なる小型低背化が可能となる。
そして、正極・負極一体化シート50A内には、横方向に複数の蓄電ユニットが整列して形成されている。
なお、本実施形態5で示すように、正極・負極一体化シート50Aにおいて、正極活物質層21bと負極活物質層31bとの間に形成される空隙は、切れ込み25を通じて正極・負極一体化シート50Aの外部と連通していることが好ましい。これにより、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを接合して正極・負極一体化シート50Aを作製する際に、気体(空気など)が余分に正極複合シート20Aと負極複合シート30Aとの間に封止され、正極・負極一体化シート50Aが膨れて形状が変形するのを防止することができる。
セパレータ層間を接合した後、負極複合シート30A側又は正極複合シート20A側の基材フィルム100のいずれか一方を剥離する。
例えば、正極側の基材フィルム100を剥離するときには、図23(12)に示すように、図示しない吸引盤に、正極・負極一体化シート50Aの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、正極側の基材フィルム100を剥離する。
正極側の基材フィルム100を剥離しようとする場合、基材フィルム100と正極複合シート20A間の接合力よりも強い接合力を正極複合シート20Aと負極複合シート30A間で確保する必要があるが、両者の接合力の差は、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間に離型層がある場合は、比較的容易に実現できる。
一方、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間(すなわち、基材フィルム100と接着層121との間)に離型層がない場合は、上記接合力の差は、例えば、高温・高圧で正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを接合することにより実現できる。しかしながら、高温・高圧下での接合では、活物質層やセパレータ層の空隙が潰れてしまうことがないように、また、正極複合シート20Aや負極複合シート30Aの形状が変形してしまうことがないように留意する必要がある。
また、集電体電極を接着層121上に蒸着により形成した場合などは、基材フィルムへの熱ダメージおよび蒸着粒子の運動エネルギーによるめり込みのため、基材フィルムとの密着力がより強くなり、離型層がないと剥離が困難となることがある。したがって、本発明では、基材フィルムへのダメージを防止できる厚みの離型層を形成しておくことが好ましい。
負極側の基材フィルム100を剥離するときには、正極・負極一体化シート50Aの正極側を吸引盤に接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、負極側の基材フィルム100を剥離する。
このようにして、正極複合シート20A側又は負極複合シート30A側のいずれか一方に基材フィルム100が接合された、正極・負極一体化シート50Aを必要枚数作製する。
iv)正極・負極一体化シートの積層
<ステップMS2>
最初の積層は、例えば、図24(13)に示すように、負極側が吸引盤に吸引された正極・負極一体化シート50Aの下に、負極複合シート30A側に基材フィルム100が接合された正極・負極一体化シート50Aを、基材フィルム100が下になるように配置した後、図24(14)に示すように、その2枚の正極・負極一体化シート50Aを接触させて、図示しない加圧板により全面を均等に加圧して接合する。
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は20MPa、加圧時間は30秒に設定する。
尚、図27に示すような上下最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ層用シートを用い、最初の積層は、そのセパレータ層用シートのセパレータ層の上に正極・負極一体化シート50Aを積層するようにする。
次に、図24(15)に示すように、吸引盤に吸引された正極・負極一体化シート50Aの負極側の基材フィルム100を剥離する。
そして、その負極側の基材フィルム100が剥離された正極・負極一体化シート50Aの上に、図24(16)に示すように、負極側の基材フィルム100が剥離された別の正極・負極一体化シート50Aを、負極側が対向するように配置して、図25(17)に示すように、負極側同士を接合する。
次に、積層された別の正極・負極一体化シート50Aの正極側の基材フィルム100を剥離して、その上に、正極側の基材フィルム100が剥離された正極・負極一体化シート50Aを正極側が対向するように配置して、正極側同士をそれぞれの接着層121を互いに接着させることにより接合する。
以降、ステップMS1及びステップMS2を必要回数繰り返して、図26に示すような、正極・負極一体化シート50Aが積層された電気化学素子用積層シートLB1を作製する。
尚、図27に示すような最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、最初の積層に用いたものと同じ、セパレータ層のみが形成されたセパレータ層用シートを用い、積層の最後にそのセパレータ層用シートのセパレータ層を対向させて接合する。
また、以上の工程により作製される電気化学素子用積層ブロック1では、図26に示すように、最外層の正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは1層であり、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが2層重ねられてなる内側の集電体電極より薄くなるが、図27では、作図上の制約により、全ての正極集電体電極及び負極集電体電極を同じ厚さに描いている。
しかしながら、本発明では、例えば、集電体電極や活物質層の厚さを形成場所によらず同一にしてもよいし、形成場所や製造方法に応じて適宜変更することも可能である。
なお、本実施形態5では、基材フィルム100の表面に形成された離型層101上に接着層121を形成し、この接着層121上に正極集電体電極21aおよび負極集電体電極31aを形成している。
これにより、接着層121を介して、正極集電体電極同士や負極集電体電極同士がより確実に接合されることになり、さらに信頼性の高い蓄電デバイスを作製することができる。
<ステップMS3>
次に、電気化学素子用積層シートLB1の上下最外層に配置されている基材フィルム100を剥がした後、電気化学素子用積層シートLB1を裁断線D1に沿って裁断して、電気化学素子用積層ブロック1を作製する。
すなわち、縦方向に積層した蓄電ユニットが横方向に複数整列している状態から単一の積層した蓄電ユニットに裁断することにより電気化学素子用積層ブロック1を作製する。
尚、このステップでは、電気化学素子用積層シートLB1を裁断した後、基材フィルム100を剥離するようにしてもよい。
<ステップMS4>
そして、図27に示すように、裁断された電気化学素子用積層ブロック1の裁断面のうち、正極集電体電極21aが露出された側面に正極端子電極21tを形成し、負極集電体電極31aが露出された側面に負極端子電極31tを形成する。
ここで、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に、例えば、スパッタリングによりアルミニウムを付着させることにより形成することができる。
正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、スパッタリングの他、蒸着、イオンプレーティング、溶射、コールドスプレー、めっきなどにより電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電皮膜を形成することで作製してもよい。
また、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電性接着剤をディッピングにより塗布するようにして形成してもよい。
正極端子電極21tまたは負極端子電極31tが形成される電気化学素子用積層ブロック1の側面には、電解液誘導路が露出していない方が好ましい。電解液誘導路が露出している場合、正極端子電極21tまたは負極端子電極31tが蓄電ユニット内部に入り込んで、正極または負極と短絡する場合があるからである。
側面に正極端子電極21t及び負極端子電極31tが形成された電気化学素子用積層ブロック1は、図28に例示するように、正極パッケージ電極122b及び負極パッケージ電極132bを備えたパッケージ内に電解液とともに収納され、例えば、電気二重層キャパシタ80Aのような蓄電デバイスが作製される。
パッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を収納する際、例えば、正極端子電極21t及び負極端子電極31t上に、導電性粒子として金を含有する導電性接着剤122a、132aをディッピングにより塗布し、導電性接着剤122a及び導電性接着剤132aが、それぞれ正極パッケージ電極122b及び負極パッケージ電極132bに接続されるように、電気化学素子用積層ブロック1を配置する。
そして、電気化学素子用積層ブロック1が配置されたパッケージを例えば、170℃で10分加熱して、導電性接着剤122a、132aを硬化させて、電気化学素子用積層ブロック1をパッケージ電極122b、132bに固定するとともに、正極端子電極21t及び負極端子電極31tをそれぞれ正極パッケージ電極122b及び負極パッケージ電極132bに電気的に接続する。
導電性粒子としては、金の他にカーボン、銀、銅、アルミニウムなどが用途によって用いられる。
そしてパッケージ内に入れられた、電気化学素子用積層ブロック1は上述のように前面および後面に切れ込み25を有し、かつ個々の蓄電ユニットが電解液誘導路を有することから、電解液が迅速に蓄電ユニット内で正極活物質層21aと負極活物質層31bとの間に供給される。
以上の実施形態5に係る電気化学素子用積層ブロック1の製造方法は、基材フィルム100上に正極複合シート20A又は負極複合シート30Aを作製して、その正極複合シート20A又は負極複合シート30Aを基材フィルム100から剥がす工程を含んでいる。
これにより、連続した1つのセパレータ層にパターニングされた複数の正極集電体電極21aと、正極活物質層21bとを一体化して作製することが可能になる。
同様に、連続した1つのセパレータ層にパターニングされた複数の負極集電体電極31aと負極活物質層31bとを一体化して作製することが可能になる。
したがって、実施形態5の製造方法では、多数の電気化学素子用積層ブロック1を一括して作製することができ、電気二重層キャパシタを個別に1つずつハンドリングする従来の方法に比較して生産性を向上させることができる。
また、以上の実施形態5の製造方法では、複数のパターニングされた正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが連続した1つのセパレータ層42で一体化されているため、電極の取り扱いが容易となる。また、積層されるまで、正極複合シート20A及び負極複合シート30Aが基材フィルム100に支持されているので、さらに電極の取り扱いが容易となる。
したがって、例えば、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aを薄くしてもそれらの電極の取り扱いが容易である。したがって、より小型の電気化学素子用積層ブロック1を作製することができる。
また、実施形態5の製造方法によれば、パターニングされた複数の正極集電体電極21a及び/又は負極集電体電極31aと、複数の正極活物質層21b及び/又は負極活物質層31bとがセパレータ層42と一体化されているので、電気化学素子用積層ブロック1を小型化しても、製造過程におけるハンドリングが容易となり、より小さい電気化学素子用積層ブロック1を製造することが可能になる。
さらに、以上の実施形態5の製造方法では、隣接する正極21と負極31とがセパレータ層42に接合されて固定されているため、製造過程及び製品化後における正極21と負極31の位置ずれが防止できる。
これにより、製造過程におけるシートの取り扱い及び多層化が容易となり、製品化後における容量変化等の特性変化を抑えることができる。
また、以上の実施形態5の製造方法では、一方の表面に活物質層が形成された集電体電極の他方の表面同士を向かい合わせて配置しているので、集電体電極の両面に活物質層が形成された状態を容易に実現でき、体積容量比率の高い電気化学素子用積層ブロック1を作製することが可能になる。
すなわち、従来の製造方法では、集電体箔の両面に活物質層を形成することは、ハンドリング上容易ではなく、困難である。
なお、本実施形態においては、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aのセパレータ層42間を接合することで正極・負極一体化シート50Aを作製し、該正極・負極一体化シート50Aを積層することで電気化学素子用積層シートLB1を作製した。しかし、電気化学素子用積層シートの作製方法はこれに限るものではなく、次の様にして作製してもよい。
例えば、基材フィルム100が剥離された2つの正極複合シート20Aの基材フィルムが剥離された面間を正極集電体電極21a同士を対向させて接合して、正極・正極一体化シートを作製する。同様に、基材フィルム100が剥離された2つの負極複合シート30Aの基材フィルムが剥離された面間を負極集電体電極31a同士を対向させて接合して、負極・負極一体化シートを作製する。これら正極・正極一体化シートと負極・負極一体化シートとをそれぞれのセパレータ層42同士を対向させて接合することで積層シートを作製する。この積層シートの正極・正極一体化シート側に、別の負極・負極一体化シートをセパレータ層42同士を対向させて接合する。この積層工程を必要回数繰り返して、電気化学素子用積層シートを作製する。
なお、本実施形態における電気化学素子用積層ブロック1および電気二重層キャパシタ80Aは、図27および図28に示すような蓄電ユニットが積層された形態に限定されるものではない。例えば、蓄電ユニットが積層されていない電気化学素子用積層ブロック1および電気二重層キャパシタ80Aも本願発明に含まれる。
このような電気化学素子用積層ブロック1および電気二重層キャパシタ80Aは、例えば、正極・負極一体化シート50Aを積層することなく、一枚だけで用いることにより得ることができる。
なお、本実施形態においては、正極活物質層21bおよび負極活物質層31b上にセパレータ層42よりも透気度の低い多孔性絶縁層を形成してもよく、この場合は漏れ電流をより確実に抑制できる。
実施例1.
実施例1では、実施形態1の製造方法にしたがって、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
まず、基材フィルム100として、表面にシリコーン系の離型層101が形成された基材PETフィルムを準備した。
基材PETフィルムに、正極集電体膜102として真空蒸着法により厚み500nmのAl膜を形成した。
この成膜条件は、真空度3×10−4Pa、電流値800mA、成膜レート30Å/s、基材冷却温度−10℃とした。
このAl膜が形成された基材PETフィルムに、スクリーン印刷により、20mm×10mmの矩形パターンが隣接パターン間距離5mmで縦5列、横10列に配列したレジストパターンR102を印刷した後、100℃の熱風炉中で15分間乾燥させた。
レジストパターンR102が印刷された基材PETフィルムを、45℃の塩化第二鉄水溶液槽中に30秒間浸漬して、レジストによりマスキングされている部分以外のAl膜をウェットエッチングして除去することにより、正極集電体電極21aとして正極集電体Al電極を形成した。その後、水洗シャワーにて基材表面に残った塩化第二鉄水溶液を除去した。
尚、実施例1では、安価な塩化第二鉄を用いたが、その他、塩酸、硫酸、硝酸またはその混酸を用いることもできるし、フッ酸塩系中性水溶液を用いることもできる。
正極集電体Al電極が形成された基材PETフィルムを、酢酸ブチルシャワーに通して、レジストを剥離した。その後、60℃の熱風炉中で基材表面に残った酢酸ブチルを蒸発させた。
レジスト剥離には、酢酸ブチル以外に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、アミン系溶剤などの有機溶剤を用いることもできる。
レジストを剥離した後、正極集電体Al電極の表面処理として、フッ酸/硫酸の混酸による正極集電体Al電極表面の酸化膜の除去及び表面フッ化を行った。表面処理の方法としては、この他に、他の酸又はアルカリ処理による集電体表面の酸化膜の除去やフッ素系の液体やガス、プラズマによる表面フッ化、化学的または機械的な研磨による表面の粗面化、導電性塗料の塗布による表面コーティングなどを施してもよい。
1つの大きさが20mm×10mmの矩形の正極集電体Al電極上にそれぞれスクリーン印刷により、厚み10μmの2個の6mm×10mm矩形形状の活物質層パターンを図2(6a)示す配置で印刷した後、80℃の熱風炉中で20分間乾燥させることで正極活物質層21bを形成した。
基材PETフィルム上の正極活物質層が形成されていない部分に、スクリーン印刷により、シリカ粉末を溶剤としてのメチルエチルケトン中に分散させたものに、PVDFのバインダ溶液(クレハ製 L#1120、分子量28万、12wt%溶液)を混合して作製したペーストを印刷し、120℃の熱風炉中で30分間乾燥させて、厚みが正極集電体Al電極上で10μm、その他の部分で10.5μmの格子状シリカ層を埋込層41として形成した。
格子状シリカ層は、シート上で活物質層厚みの段差をレべリングする役割を担う。
段差がレべリングされた表面に、スクリーン印刷により、シリカ粉末を溶剤としてのメチルエチルケトン中に分散させたものに、PVDFのバインダ溶液(クレハ製 L#1120、分子量28万、12wt%溶液)を混合して作製したペーストを活物質パターン群を覆うように印刷し、120℃の熱風炉中で30分間乾燥させて、厚み6μmのセパレータ層を形成して、セパレータ層11とした。
以上のようにして作製された正極複合シート20Aを10枚準備した。
同様にして、負極複合シート30Aを10枚作製し、準備した。
次に、正極複合シートと負極複合シートを、正極複合シートを下にしてセパレータ層同士を向かい合わせて配置し、両側から全面を均等に加圧板で加圧して接合した。このとき、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定した。
以上のようにして正極・負極一体化シートを更に9枚作製して、正極・負極一体化シート50Aとした。
以上のようにして準備した正極・負極一体化シート50Aを、以下のように、適宜、基材PETフィルムを剥離しながら積層した。
まず、吸引盤に1枚の正極・負極一体化シートの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シートを持ち上げた後、正極側の基材PETフィルムを剥離した。
その吸引盤に吸引して正極側の基材PETフィルムを剥離した正極・負極一体化シートの下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートを基材PETフィルム側が下になるように配置して接合した。
そして、吸引盤に吸引されていた正極・負極一体化シートの負極側の基材PETフィルムを剥離した。
次に、吸引盤に別の1枚の正極・負極一体化シートの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シートを持ち上げた後、負極側の基材PETフィルムを剥離した。
その負極側の基材PETフィルムを剥離した上記別の正極・負極一体化シートの下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートが接合された正極・負極一体化シートを配置して接合した。接合後、上記別の正極・負極一体化シートの正極側の基材PETフィルムを剥離した。
そして、その正極側の基材PETフィルムを剥離した別の正極・負極一体化シートの上に、吸引盤に負極側を吸引して正極側の基材PETフィルムを剥離したさらに別の1枚の正極・負極一体化シートを接合した。
以上工程を繰り返して、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの上に、10枚の正極・負極一体化シートを積層して、その最上層の基材PETフィルムを剥離した。
最後に、別に準備した基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの基材PETフィルム側を吸引盤に接触させて吸引して、そのセパレータ層を上記最上層の基材PETフィルムを剥離した正極・負極一体化シートの上に接合することで電気化学素子用積層シートを作製した。
上記接合はそれぞれ、基材PETフィルム上にセパレータ層と正極・負極一体化シート間、又は2つの正極・負極一体化シート間を接触させて全面を均等に加圧板で加圧することにより行った。このとき、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定した。
以上のようにして作製した実施例1の電気化学素子用積層シートを、上下に接着している基材PETフィルムを剥離した後、裁断して、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
以上のようにして作製した電気二重層コンデンサブロックの側面に、Alスパッタにより正極及び負極端子電極を形成して、正極及び負極端子電極上にそれぞれ導電性粒子として金を含有する導電性接着剤をディッピングにより塗布した。
そして、塗布した導電性接着剤が、それぞれ正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極に接続されるように、電気二重層コンデンサブロックを別途準備したパッケージ内に配置して、170℃で10分加熱した。
以上のようにして、パッケージ内への固定及び電気的接続が完了した後、電解液を注液して、パッケージを封止した。
以上のように作製した実施例1の電気二重層コンデンサの電気特性は、直流容量が112mFであった。
実施例2.
実施例2では、実施形態2の製造方法にしたがって、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
実施例2では、実施例1と同様にして作製した正極複合シートを用いて、その正極複合シートのセパレータ層上に、スクリーン印刷により、負極活物質パターン群を印刷した後、80℃の熱風炉中で20分間乾燥させて、厚み10μmの負極活物質層を形成して、負極活物質層32bとした。
次に、負極活物質層が形成されていないセパレータ層の表面が露出している部分に、スクリーン印刷により、シリカ粉末を溶剤としてのメチルエチルケトン中に分散させたものに、PVDFのバインダ溶液(クレハ製 L#1120、分子量28万、12wt%溶液)を混合して作製したペーストを印刷し、120℃の熱風炉中で30分間乾燥させて、厚み10μmの格子状シリカ層を埋込層42として形成して表面を平坦化した。
表面が平坦化された表面に負極集電体Al電極群を形成するためのメタルマスクを配置した後、真空蒸着法により厚み500nmの負極集電体Al電極を形成して、負極集電体電極32aとした。成膜条件は、真空度3×10−4Pa、電流値800mA、成膜レート30Å/s、基材冷却温度−10℃とした。この正極側に基材PETフィルムが接合された正極・負極一体化シート50ABを5枚作製した。
同様にして、実施例1と同様にして作製した負極複合シートを用いて負極側に基材PETフィルムが接合された正極・負極一体化シート50BAを5枚作製した。
このようにして作製した正極・負極一体化シート50ABと正極・負極一体化シート50BAとを以下のように積層した。
まず、吸引盤に1枚の正極・負極一体化シート50BAの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50BAを持ち上げて、その下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートを基材PETフィルム側が下になるように配置して接合した。その後、吸引盤に吸引されていた正極・負極一体化シート50BAの負極側の基材PETフィルムを剥離した。
次に、吸引盤に1枚の正極・負極一体化シート50ABの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50ABを持ち上げ、その下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートが接合された正極・負極一体化シート50BAを配置して接合した。接合後、上記正極・負極一体化シート50ABの正極側の基材PETフィルムを剥離した。
以後、正極・負極一体化シート50BAと正極・負極一体化シート50ABとを同様にして交互に接合し、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの上に、正極・負極一体化シート50BAと正極・負極一体化シート50ABとを交互に合計10枚積層して、その最上層の基材PETフィルムを剥離した。
最後に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの基材PETフィルム側を吸引盤に接触させて吸引して、そのセパレータ層を上記最上層の基材PETフィルムを剥離した正極・負極一体化シート50ABの上に接合することで電気化学素子用積層シートを作製した。
上記接合はそれぞれ、基材PETフィルム上にセパレータ層と正極・負極一体化シート間、又は2つの正極・負極一体化シート間を接触させて全面を均等に加圧板で加圧することにより行った。このとき、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定した。
以上のようにして作製した実施例2の電気化学素子用積層シートを、上下に接着している基材PETフィルムを剥離した後、裁断して、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
その後、実施例1と同様にして、実施例2の電気二重層コンデンサを作製した。
以上のようにして作製した実施例2の電気二重層コンデンサの電気特性は、直流容量が123mFであった。
実施例3.
実施例3では、実施例1で作製した基材PETフィルム上に形成された正極複合シートのセパレータ層に転写フィルムを配置して加圧し、正極複合シートに転写フィルムを接合した。このとき、加圧板の温度は150℃、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分であった。その後、正極複合シートの基材PETフィルムを剥離した。
正極複合シートの基材PETフィルムが接合されていた面に、正極集電体電極を形成するためのメタルマスクを配置した後、真空蒸着法により厚み500nmの正極集電体Al電極を形成して、正極集電体電極23aとした。成膜条件は、真空度3×10−4Pa、電流値800mA、成膜レート30Å/s、基材冷却温度−10℃であった。正極集電体Al電極は、実施例1と同様、1個の大きさが20mm×10mmの矩形パターンとした。
そして、正極集電体Al電極上に、スクリーン印刷により、厚み10μmの2個の6mm×10mm矩形の正極活物質層を印刷した後、80℃の熱風炉中で20分間乾燥させて、正極活物質層をそれぞれ形成して、正極活物質層23bとした。
正極活物質層が形成されていない部分に、スクリーン印刷により、シリカ粉末を溶剤としてのメチルエチルケトン中に分散させたものに、PVDFのバインダ溶液(クレハ製 L#1120、分子量28万、12wt%溶液)を混合して作製したペーストを印刷し、120℃の熱風炉中で30分間乾燥させて、厚みが正極集電体Al電極上の薄い部分で10μm、その他の厚い部分が10.5μmの格子状シリカ層を埋込層43として形成した。この格子状シリカ層は、シート上で活物質層厚みの間を埋め、表面を平坦化する役割を担う。
平坦化された表面に、スクリーン印刷により、シリカ粉末を溶剤としてのメチルエチルケトン中に分散させたものに、PVDFのバインダ溶液(クレハ製 L#1120、分子量28万、12wt%溶液)を混合して作製したペーストを活物質パターン群を覆うように印刷し、120℃の熱風炉中で30分間乾燥させて、厚み6μmのセパレータ層を形成して、セパレータ層13とした。このようにして、表面・裏面ともに正極である、正極・正極一体化シートを作製して、正極・正極一体化シート20Dとした。
この正極・正極一体化シートを更に3枚作製した。
同様の方法で、負極・負極一体化シート30Dを5枚作製した。
さらに、基材PETフィルム上に例えば、厚み6μmのセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを2枚準備し、さらに実施例1と同様にして正極複合シート20Aを2枚準備した。
以上ように準備した正極・正極一体化シート20D、負極・負極一体化シート30D、セパレータ用シート及び正極複合シート20Aを以下のように積層した。
まず、セパレータ用シートのセパレータ層上に、転写フィルムに接合して基材フィルム100を剥離した正極複合シート20Aを、正極集電体電極21aがセパレータ用シートのセパレータ層に接合するように積層し、転写フィルムを剥がした。
次に、吸引盤に1枚の負極・負極一体化シートの転写フィルム面を接触させて吸引して、その負極・負極一体化シートを持ち上げた。
吸引盤に吸引された負極・負極一体化シートの下に、セパレータ用シートのセパレータ層上に、基材フィルム100を剥離した正極複合シート20Aを、正極集電体電極21aがセパレータ用シートのセパレータ層に接合するように積層して、転写フィルムを剥がしたものを配置して、そのセパレータ層に吸引された負極・負極一体化シートを接触させて、全面を均等に加圧板で加圧して接合した。このとき、加圧板の温度は150℃、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分とした。その後、転写フィルムを剥離した。
更に正極・正極一体化シートの加圧接合、転写フィルムの剥離、負極・負極一体化シートの加圧接合、転写フィルムの剥離を繰り返した。
そして、最後に、正極複合シート20Aを積層した後、その基材フィルム100を剥離し、その剥離した面にセパレータ用シートのセパレータ層が対向するように接合して、セパレータ用シートの基材PETフィルムを剥離した。
以上のようにして、電気化学素子用積層シートLB3を作製し、電気化学素子用積層シートLB3を裁断することにより、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
尚、裁断前に、電気化学素子用積層シートLB3の最下層に配置されている基材フィルムは剥離した。
その後、実施例1と同様にして、実施例3の電気二重層コンデンサを作製した。
以上のようにして作製した実施例3の電気二重層コンデンサの電気特性は、直流容量が108mFであった。
実施例4.
実施例4では、実施形態5の製造方法にしたがって、電気二重層コンデンサブロック(電気化学素子用積層ブロック1)を作製した。
まず、基材フィルム100として、表面にシリコーン系の離型層101が形成された基材PETフィルムの表面にウレタンを塗布し、膜厚1μmの接着層121を形成し、その後、正極集電体膜102として真空蒸着法により膜厚500nmのAl膜を形成した。
アルミニウム膜の成膜条件は、真空度3×10−4Pa、電流値800mA、成膜レート30Å/秒、基材冷却温度−10℃とした。
アルミニウム膜102が形成された基材PETフィルム100(接着層121を介して)に、スクリーン印刷により、20mm×10mmの矩形パターンを隣接パターン間距離8mmで縦5列、横10列に配列したレジストパターンR102を印刷した後、100℃の熱風炉中で15分間乾燥させた。
レジストパターンR102が印刷された基材PETフィルム100を、45℃の塩化第二鉄水溶液槽中に30秒間浸漬して、レジストによりマスキングされている部分以外のアルミニウム膜をウェットエッチングして除去することにより、正極集電体電極21aとして正極集電体アルミニウム電極を形成した。その後、水洗シャワーにて基材表面に残った塩化第二鉄水溶液を除去した。
なお、実施例4では、安価な塩化第二鉄を用いたが、その他、塩酸、硫酸、硝酸またはその混酸を用いることもできるし、フッ酸塩系中性水溶液を用いることもできる。
正極集電体電極21a(アルミニウム電極)が形成された基材PETフィルム100を、酢酸ブチルシャワーに通して、レジストを剥離した。その後、60℃の熱風炉中で基材表面に残った酢酸ブチルを蒸発させた。
レジスト剥離には、酢酸ブチル以外に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、アミン系溶剤などの有機溶剤を用いることもできる。
・活物質層
(i)活性炭(BET比表面積1668m/g、平均細孔直径1.83nm、平均粒径D50=1.26μm)29.0g、
(ii)カーボンブラック(東海カーボン株式会社製トーカブラック(登録商標)#3855、BET比表面積90m/g)2.7g、
(iii)カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製CMC2260)3.0g、
(iv)38.8重量%のポリアクリレート樹脂水溶液2.0g、
(v)脱イオン水286g、
を秤量して、表1に示す条件で一次分散及び二次分散を行い混合して、活性炭ペーストを作製した。
Figure 0005742512
作製した活性炭ペーストを使用して、1つの大きさが20mm×10mmの矩形の正極集電体電極(アルミニウム電極)上にスクリーン印刷により、それぞれ6mm×10mm矩形形状の2つの活物質層パターンを図21(6a)に示す配置で印刷した後、80℃の熱風炉中で20分間乾燥させることで厚さ4μmの正極活物質層21bを形成した。
・セパレータ層の形成
i)バインダ溶液調整
容量1LのポットにPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体)を160g加え、さらにNMP(1−メチル−2−ピロリドン)溶媒を640g加えた後、ポットをポット架に入れて混合した。混合は、回転速度150rpmで24時間行い、これによりNMP中に20質量%PVDF−HFPが存在するバインダ溶液を得た。
ii)セパレータ層用ペーストの作成
・1次調合
次に容量500mLのポットに粉体状のアルミナ(D50=0.3μm)を25g加えた後、ポットに玉石(ジルコニアボール φ5mm)を175g加え、さらに溶媒としてNMPを25g加えた。そして、ポットをポット架に入れて解砕(回転速度150rpmで16時間)して一次調合を行った。
・2次調合
そして、さらにこれに上記のバインダ溶液を236g加え、ポット架で混合(回転速度150rpmで4時間)して約250mLのセパレータ層用スラリーを得た。
このセパレータ層用スラリーを用いて、図22の(7a)、(7b)に示す正極複合シート20Aを50枚作製した。形成したセパレータ層42の厚さ(接着層121の表面からセパレータ層42の表面までの距離)は15μmであった。
同様にして、負極複合シート30Aを50枚作製し、準備した。
次に、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを、正極複合シート20Aを下にしてセパレータ層42同士を向かい合わせて配置し、両側から全面を均等に加圧板で加圧して接合した。このとき、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は20MPa、加圧時間は30秒に設定した。
以上のようにして正極・負極一体化シートを更に49枚作製して、正極・負極一体化シート50Aとした。
正極・負極一体化シート50Aを、以下のように、適宜、基材PETフィルム100を剥離しながら積層した。
まず、吸引盤に1枚の正極・負極一体化シート50Aの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げた後、正極側の基材PETフィルム100を剥離した。
その吸引盤に吸引して正極側の基材PETフィルム100を剥離した正極・負極一体化シート50Aの下に、基材PETフィルム100上に8μm厚のセパレータ層42を形成したシートを基材PETフィルム100側が下になるように配置して接合した。
そして、吸引盤に吸引されていた正極・負極一体化シート50Aの負極側の基材PETフィルム100を剥離した。
次に、吸引盤に別の1枚の正極・負極一体化シート50Aの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シートを持ち上げた後、負極側の基材PETフィルム100を剥離した。
その負極側の基材PETフィルム100を剥離した上記別の正極・負極一体化シート50Aの下に、基材PETフィルム100上にセパレータ層42のみを形成したシートが接合された正極・負極一体化シート50を配置して互いの接着層121同士を接着することにより接合した。接合後、上記別の正極・負極一体化シート50Aの正極側の基材PETフィルム100を剥離した。
そして、その正極側の基材PETフィルム100を剥離した別の正極・負極一体化シート50Aの上に、吸引盤に負極側を吸引して正極側の基材PETフィルム100を剥離したさらに別の1枚の正極・負極一体化シート50Aを同様に接合した。
以上の工程を繰り返して、基材PETフィルム100上にセパレータ層42のみを形成したシートの上に、50枚の正極・負極一体化シート50Aを積層して、その最上層の基材PETフィルム100を剥離した。
最後に、別に準備した基材PETフィルム100上にセパレータ層42のみを形成したシートの基材PETフィルム100側を吸引盤に接触させて吸引して、そのセパレータ層42を上記最上層の基材PETフィルム100を剥離した正極・負極一体化シート50Aの上に接合することで電気化学素子用積層シートを作製した。
上記接合はそれぞれ、基材PETフィルム100上でセパレータ層42と正極・負極一体化シート50Aとの間、又は2つの正極・負極一体化シート50Aの間を接触させて全面を均等に加圧板で加圧することにより行った。このとき、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は20MPa、加圧時間は30秒に設定した。
以上のようにして作製した電気化学素子用積層シートLB1を、上下に接着している基材PETフィルム100を剥離した後、裁断して、電気二重層コンデンサブロック(電気化学素子用積層ブロック)1を作製した。
裁断された電気二重層コンデンサブロック1の側面にスパッタリングによりアルミニウムを付着させることにより正極端子電極21t、負極端子電極31tを形成した。
これを、図28に示すように正極パッケージ電極及122bおよび負極パッケージ電極132bを備えたパッケージベース部11bとパッケージ蓋部11aとからなる、液晶ポリマー製のパッケージ内に収納した。パッケージ内に収納する際、正極端子電極21t及び負極端子電極31t上に、それぞれ導電性粒子として金を含有する導電性接着剤122aおよび導電性接着剤132aをディッピングにより塗布して、その導電性接着剤122aおよび導電性接着剤132aが、それぞれ正極パッケージ電極122b及び負極パッケージ電極132bに接続されるように、電気化学素子用積層ブロック1を配置した。
これを170℃で10分加熱して、導電性接着剤を硬化させて、電気二重層コンデンサブロック1をパッケージ電極に固定するとともに、端子電極をパッケージ電極に電気的に接続した。
以上のようにして、パッケージ内への固定及び電気的接続が完了した後、電解液として90μLの1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを注液して、レーザ溶接にてパッケージを封止した。
これにより実施例4の作電気二重層キャパシタを得た。
・容量および電気抵抗
得られた、電気二重層キャパシタの容量(CAP)および電気抵抗(ESR)を測定した。
図29(a)は、容量(CAP)の測定方法を示す概略図であり、図29(b)は、電気抵抗(ESR)の測定方法を示す概略図である。
電気二重層キャパシタの容量(CAP)は、以下のように測定した。
電気二重層キャパシタを充電電流3Aで2.75Vまで定電流充電した後、2.75Vで10秒保持した。その後、I=3Aで定電流放電を行った。この定電流放電時の電圧(V)と時間(t)の関係を測定し、放電開始後30ミリ秒〜60ミリ秒間の時間に対する電圧の関係を直線近似し、この近似直線の傾きΔV/Δt(負の値となる)を求めた。そして、容量(CAP)は、以下の(1)式より算出した。
CAP=−I・Δt/ΔV (1)
電気二重層キャパシタの電気抵抗(ESR)は、以下のように測定した。
電気二重層キャパシタを充電電流3Aで2.75Vまで定電流充電した後、2.75Vで10秒保持した。その後、I=3Aで定電流放電を行った。図29(b)に示すように、放電開始直後、電気抵抗(ESR)の影響で電圧が2.75VよりΔVだけ急激に低下する。
このΔVを次のようにして求めた。
定電流放電時の電圧(V)と時間(t)の関係を測定し、放電開始後30ミリ秒〜60ミリ秒間の時間に対する電圧の関係を直線近似により求めた。この近似直線より放電開始直後すなわちt=0での電圧値Vtを求めた。
そして、以下の(2)式よりΔVを算出した。
ΔV=2.75−Vt (2)
このようにしてΔVを求めた後、ESRを以下の(3)式より求めた。
ESR=ΔV/I (3)
実施例4の電気二重層キャパシタの容量は476mFであり、電気抵抗は18mΩであった。
1,2,3 電気化学素子用積層ブロック
10,11,13,14,42 セパレータ層
20A 正極複合シート(正極セパレータ/電極複合シート)
20D 正極・正極一体化シート
21a,22a,23a 正極集電体電極
21b,22b,23b 正極活物質層
21t 正極端子電極
30A 負極複合シート(負極セパレータ/電極複合シート)
30D 負極・負極一体化シート
31a,32a,33a 負極集電体電極
31b,32b,33b 負極活物質層
31t 負極端子電極
41 埋込層
50A 正極・負極一体化シート
50AB,50BA 正極・負極一体化シート
100 基材フィルム
101 離型層
102 正極集電体膜
121 接着層
122a,132a 導電性接着剤
122b 正極パッケージ電極
132b 負極パッケージ電極
R102 レジストパターン
LB1,LB2,LB3 電気化学素子用積層シート
D1,D2,D3 裁断線
300 転写フィルム

Claims (19)

  1. 正極又は負極の一方の第1極と他方の第2極との間にセパレータ層が設けられてなる積層体と電解質と前記積層体と前記電解質を収納したパッケージを有してなる蓄電デバイスの製造方法において、
    それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程であって、前記第1極複合シートを基材上に形成する第1極複合シート形成工程を含む第1極複合シート作製工程と、
    前記第1極複合シート作製工程の後に、前記第1極複合シートから前記基材を剥離する基材剥離工程と、
    を含むことを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
  2. 前記第1極複合シートと前記基材との間に離型層が形成された請求項記載の蓄電デバイスの製造方法。
  3. 前記第1極複合シート形成工程は、前記基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程を含む請求項2記載の蓄電デバイスの製造方法。
  4. 前記セパレータ層形成工程の前に、セパレータ層が形成される表面を平坦化する埋込層を形成する平坦化工程を含む請求項記載の蓄電デバイスの製造方法。
  5. それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
    前記第1極複合シートのセパレータ層と前記第2極複合シートのセパレータ層とを、前記第1極活物質層と前記第2極活物質層とがそれぞれ対向するように接合して両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
    前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
    をさらに含む請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。
  6. 前記第2極複合シート作製工程は、前記第2極複合シートを基材上に形成する第2極複合シート形成工程を含み、前記第2極複合シート作製工程の後に、前記第2極複合シートから前記基材を剥離する基材剥離工程を含む請求項記載の蓄電デバイスの製造方法。
  7. 前記第2極複合シートと前記基材との間に離型層が形成された請求項記載の蓄電デバイスの製造方法。
  8. 前記第2極複合シート形成工程は、前記基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程を含む請求項又は記載の蓄電デバイスの製造方法。
  9. 前記第2極複合シート形成工程において、前記セパレータ層形成工程の前に、セパレータ層が形成される表面を平坦化する埋込層を形成する平坦化工程を含む請求項記載の蓄電デバイスの製造方法。
  10. 前記両極一体化シート作製工程で前記両極一体化シートを複数作製して、
    前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
    第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含む請求項のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。
  11. 前記第1極複合シートの前記セパレータ層の表面において前記第1極集電体電極に対向する位置にそれぞれ第2極活物質層を介して第2極集電体電極を形成することにより両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
    前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
    をさらに含む請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。
  12. 前記両極一体化シート作製工程において、
    前記第2極活物質層を形成した後、前記第2極集電体電極を形成する前に、第2極活物質層間に位置する埋込層を形成して表面を平坦化する平坦化工程を含む請求項11記載の蓄電デバイスの製造方法。
  13. 前記両極一体化シート作製工程で前記両極一体化シートを複数作製して、
    前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
    第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含む請求項11又は12記載の蓄電デバイスの製造方法。
  14. 前記第1極複合シートと、前記第1極集電体電極を間に挟んで前記第1極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第1極活物質層と、前記セパレータ層に対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設されて一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製する第1極・第1極一体化シート作製工程を含む請求項1記載の蓄電デバイスの製造方法。
  15. 前記第1極複合シート作製工程において、
    基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、
    前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、
    それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第1極複合シートを前記基材上に形成し、
    前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、
    前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
    前記基材を剥離した面に、第1極複合シートの第1極活物質層にそれぞれ対向して第2第1極活物質層を形成する第2第1極活物質層形成工程と、
    前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
    対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設・一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製する請求項14に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  16. 前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、
    前記転写工程と前記第2第1極活物質層形成工程の間に、
    前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第1極集電体電極に対向して複数の第2第1極集電体電極を形成する第2第1極集電体電極形成工程を含む請求項15に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  17. 前記蓄電デバイスの製造方法において、
    それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
    前記第2極複合シートと、前記第2極集電体電極を間に挟んで前記第2極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第2極活物質層と、前記セパレータ層と対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設されて一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製する第2極・第2極一体化シート作製工程と、
    前記第1極・第1極一体化シートと、前記第2極・第2極一体化シートとを、前記第1極活物質層と前記2極活物質層がそれぞれ重なるように接合して電気化学素子用積層シートを作製する積層工程と、
    前記電気化学素子用積層シートを裁断して、それぞれ重なった前記第1極活物質層、前記第2極活物質層をそれぞれ備えた電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
    を含む請求項1416のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。
  18. 前記第2極複合シート作製工程において、
    基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、
    前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、
    それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第2極複合シートを前記基材上に形成し、
    前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
    前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
    前記基材を剥離した面に、第2極複合シートの第2極活物質層にそれぞれ対向して第2第2極活物質層を形成する第2第2極活物質層形成工程と、
    前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
    対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設・一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製する請求項17に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  19. 前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
    前記転写工程と前記第2第2極活物質層形成工程の間に、
    前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第2極集電体電極に対向して複数の第2第2極集電体電極を形成する第2第2極集電体電極形成工程を含む請求項18に記載の蓄電デバイスの製造方法。
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