JP5741454B2 - −196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板およびその製造方法 - Google Patents

−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、靭性に優れたNi添加鋼板およびその製造方法に関するものである。この製法で製造した鋼板は、造船、橋梁、建築、海洋構造物、圧力容器、タンク、ラインパイプなどの溶接構造物一般に用いることができるが、特に−160℃から−196℃程度の極低温での靭性が要求されるLNGタンクでの使用において有効である。なお、本発明における靭性とは、脆性破壊発生に対する抵抗性を指すものであり、対象部位は鋼板の母材部と溶接継手部の両方である。また、本発明における鋼板の必要強度は、降伏応力が590MPa以上、引張強さが690MPa以上である。
液化天然ガス(LNG)貯槽の内槽に使用される鋼種として、いわゆる9%Ni鋼(Niが質量%で8.5〜9.5%程度含有されていて、おもに焼き戻しマルテンサイトからなる組織を有し、特に低温靱性、例えば−196℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーに優れる鋼材)がある。9%Ni鋼の靱性を向上させる種々の発明がこれまでに開示されている。たとえば、粒界脆化により靱性低下を引き起こすPを低減した発明が特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。また、二相域熱処理によって焼戻し脆化感受性を低減して靱性を向上する発明が特許文献4、特許文献5、特許文献6に開示されている。また、焼戻し脆化感受性を高めずに強度増大が可能なMoを添加して、大幅に靱性を向上する発明が、特許文献7、特許文献8、特許文献9に開示されている。さらに、焼戻し脆化感受性を高めるSi量を低減して靱性を向上する発明が特許文献4、特許文献8、特許文献10に開示されている。
昨今の天然ガス需要増大を背景に、LNGタンクの大型化対応のため、タンク靭性のさらなる向上が求められている。前記特許文献1〜10の方法は、靭性の向上にはきわめて有効であるが、コストの増大や生産性の低下を招く。よって、このままではLNGタンクに使用するには制限が大きかった。
特開平7−278734号公報 特開平6−179909号公報 特開昭63−130245号公報 特開平9−143557号公報 特開平4−107219号公報 特開昭56−156715号公報 特開2002−129280号公報 特開平4−371520号公報 特開昭61−133312号公報 特開平7−316654号公報
解決しようとする問題点は、−160℃から−196℃程度での靭性に著しく優れ、かつ生産性にも優れた9%Ni添加鋼の鋼板およびその製造方法を提供することである。
本発明は、−160℃から−196℃程度での靭性に著しく優れ、かつ生産性にも優れた9%Ni鋼の鋼板およびその製造方法を提供するものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)鋼が、質量%で、C:0.04%以上0.10%以下、Si:0.02%以上0.15%以下、Mn:0.30%以上1.00%以下、P:0.0010%以上0.0100%以下、S:0.0001%以上0.0035%以下、Ni:7.5%超10.0%以下、Al:0.01%以上0.08%以下、N:0.0001%以上0.0070%以下、T−O:0.0001%以上0.0050%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であり、鋼板表面から鋼板厚さ方向に鋼板厚さの1/4だけ入った部位のPの界面偏析濃度が質量%で、0.100%以下であることを特徴とする、−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板。
(2)さらに質量%で、Cr:0.01%以上1.5%以下、Mo:0.01%以上0.4%以下、Cu:0.01%以上1.0%以下、Nb:0.001%以上0.05%以下、Ti:0.001%以上0.05%以下、V:0.001%以上0.05%以下、B:0.0002%以上0.05%以下、Ca:0.0003%以上0.0040%以下、Mg:0.0003%以上0.0040%以下、REM:0.0003%以上0.0040%以下のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする前記(1)に記載の−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板。
(3)質量%で、C:0.04%以上0.10%以下、Si:0.02%以上0.15%以下、Mn:0.30%以上1.0%以下、P:0.0010%以上0.0100%以下、S:0.0001%以上0.0035%以下、Ni:7.5%超10.0%以下、Al:0.01%以上0.08%以下、N:0.0001%以上0.0070%以下、
T−O:0.0001%以上0.0050%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であり、連続鋳造後の鋼片を1250℃以上1380℃以下で10時間以上加熱したのち、圧下比を1.1以上10以下、圧延の最終1パス前温度を800℃以上1200℃以下とした第一の熱間圧延を行い、その後300℃以下まで冷却したのち、900℃以上1280℃以下に加熱した後に、圧下比を3.0以上50以下、圧延の最終1パス前温度を650℃以上950℃以下とした第二の熱間圧延を行い、引き続いて必要あれば加熱して750℃以上900℃以下とした後に水冷または空冷する焼き入れを行い、さらに引き続いて500℃以上650℃以下に加熱した後に水冷または空冷する焼き戻しを行うことを特徴とする、−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板の製造方法。
(4)さらに質量%で、Cr:0.01%以上1.5%以下、Mo:0.01%以上0.4%以下、Cu:0.01%以上1.0%以下、Nb:0.001%以上0.05%以下、Ti:0.001%以上0.05%以下、V:0.001%以上0.05%以下、B:0.0002%以上0.05%以下、Ca:0.0003%以上0.0040%以下、Mg:0.0003%以上0.0040%以下、REM:0.0003%以上0.0040%以下のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする前記(3)に記載の−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板の製造方法。
本発明によれば、9%Ni鋼の母材靱性、溶接継手靱性を大幅に向上でき、かつ生産性にも優れたものとすることができる。つまり、従来よりも高い水準の耐脆性破壊性能を具備したNi添加鋼板およびその製造方法を提供することが可能であり、産業上の価値の高い発明であるといえる。
Pの界面偏析濃度と母材靭性の指標であるシャルピー衝撃吸収エネルギーの関係を示すグラフである。 第一の熱間圧延における加熱保持温度と保持時間がPの界面偏析濃度に及ぼす影響を示すグラフである。
本発明を詳細に説明する。
発明者は、9%Ni鋼の靭性を著しく向上して、かつ生産性も優れたものとする条件を鋭意検討した。その結果、生産性を著しく低下させる脱P工程を短時間化してP量が高くなった場合でも、Pの界面偏析濃度を低減させることが可能で、それにより靭性が向上することを見いだした。即ちPの界面偏析濃度の低減には、Si量の大幅な低減を行い、さらに鋳造後のスラブを2段階に熱間圧延する製造方法の適用が有効である。Pの界面偏析濃度と母材靭性の指標であるシャルピー衝撃吸収エネルギーの関係を図1に示す。このように、優れた靭性を得るためには、Pの界面偏析濃度を質量%で、0.100%以下とする必要があることから、鋼板表面から鋼板厚さ方向に鋼板厚さの1/4だけ入った部位のPの界面偏析濃度を0.100%以下と規定する。なお、Pの界面偏析濃度を測定する部位を鋼板表面から鋼板厚さ方向に鋼板厚さの1/4だけ入った部位としたのは、この部位が一般的に強度や靭性などの材質評価を実施する部位であること、つまり鋼材の材質代表部位として扱われることが多いためである。なお、Pの界面偏析量を0.05%以下とした場合には際だって靭性が向上することから、望ましくはPの界面偏析量を0.05%以下とする。
Pの界面偏析濃度は、透過型電子顕微鏡観察とEDS分析を行うことで測定することが可能である。本発明では、鋼板の板厚表面から板厚の1/4だけ内部に入った部位からサンプルを採取して薄膜を作製し、透過型電子顕微鏡で旧オーステナイト粒界、パケット粒界、ブロック粒界のいずれかの界面の観察を10万倍で50視野行い、測定した界面偏析P量の平均値をもって界面偏析P量とする。
Pの添加量は、Pの界面偏析濃度を低くするために重要であり、P添加量が0.0100%を超えるとPの界面偏析濃度が0.1%を超える。一方、0.0010%未満では精錬負荷の増大により生産性が大幅に低下する。そこで、Pの添加量を0.0010%以上0.0100%以下と規定する。
Siは、Pとの反発的相互作用を有するため、添加量を増やすとPの界面偏析濃度が増大する。発明者は、Pの界面偏析濃度とSi添加量の関係を調査した結果、Pの界面偏析濃度を0.1%以下とするためには添加量を0.15%以下とすることを知見した。一方、0.02%未満では精錬負荷の増大により生産性が大幅に低下する。そこで、Siの添加量を0.02%以上0.15%以下と規定する。なお、Si添加量を0.10%以下とすると一層靭性が向上することから、望ましくはSi添加量を0.10%以下とする。Si添加量を0.06%以下とすると、さらに靭性が向上することから、さらに望ましくはSi添加量を0.06%以下とする。
Mnは、Pとの反発的相互作用を有するため、添加量を増やすとPの界面偏析濃度が増大する。発明者は、Pの界面偏析量とMn添加量の関係を調査した結果、Pの界面偏析濃度を0.1%以下とするためには添加量を1.00%以下とすることを知見した。一方、0.30%未満では引張強さが低下する。そこで、Mnの添加量を0.30%以上1.00%以下と規定する。なお、Mn添加量を0.9%以下とすると一層靭性が向上することから、望ましくはMn添加量を0.9%以下とする。Mn添加量を0.8%以下とすると、さらに靭性が向上することから、さらに望ましくはMn添加量を0.8%以下とする。
以下に他の合金元素の範囲を規定する。
Cは、強度確保に必須の元素であるため、その添加量を0.04%以上とする。しかし、一方でC量の増大は粗大析出物の生成による母材靱性の低下や溶接性の低下、引張強さの低下を招くためその上限を0.10%とする
Sは、0.0001%未満では精錬負荷の増大により生産性が大幅に低下し、0.0035%を超えると靱性が低下する。よって、Sの添加量を0.0001%以上0.0035%以下と規定する。
Niは、耐脆性破壊特性の向上に有効な元素である。7.5%以下では耐脆性破壊特性の向上しろが小さく、10.0%を超えると製造コストが増大する。よって、Niの添加量を7.5%超10.0%以下と規定する。
Alは、脱酸材として有効な元素であり、0.01%未満の添加では脱酸が不十分となって母材靱性が低下し、0.08%超の添加では溶接継手靱性の低下を招く。よって、Alの添加量を0.01%以上0.08%以下と規定する。
Nは、0.0001%未満では精錬負荷の増大によって生産性が低下し、0.007%を超える添加では母材靱性、溶接継手靱性が低下する。よって、Nの添加量を0.0001%以上0.007%以下と規定する。
T−Oは0.0001%未満では、精錬負荷が非常に高く生産性が低下し、0.0050%を超える場合には靱性が低下する。よって、T−O量を0.0001%以上0.0050%以下と規定した。なおT−O量を0.0015%以下とすると靱性向上が著しいことから、望ましくはT−O量を0.0001%以上0.0015%以下とする。
なお、本発明では、さらに以下の元素を添加する。
Crは、強度増大に有効な元素であり、最低でも0.01%以上の添加が必要となるが、逆に1.5%を超えて添加すると溶接継手靭性が低下する。よって、Crの添加量を0.01%以上1.5%以下と規定する。
Moは、焼戻し脆化感受性を増加させずに強度を高めるのに有効な元素である。添加量が0.01%未満では強度増大の効果が小さく、0.4%を超えると製造コストが増大するとともに、溶接継手靱性が低下する。よって、Moの添加量を0.01%以上0.4%以下と規定する。
Cuは、強度確保に有効な元素である。0.01%未満の添加では効果が小さく、1.0%超の添加では溶接継手靱性の低下を招く。よって、Cuの添加量を0.01%以上1.0%以下と規定する。
Nbは強度確保に有効な元素である。0.001%未満の添加では効果が小さく、0.05%超の添加では溶接継手靱性の低下を招く。よって、Nbの添加量を0.001%以上0.05%以下と規定する。
Tiは、靭性向上に有効な元素である。0.001%未満の添加では効果が小さく、0.05%超の添加では溶接継手靱性の低下を招く。よって、Tiの添加量を0.001%以上0.05%以下と規定する。
Vは、強度確保に有効な元素である。0.001%未満の添加では効果が小さく、0.05%超の添加では溶接継手靱性の低下を招く。よって、Vの添加量を0.001%以上0.05%以下と規定する。
Bは、強度確保に有効な元素である。0.0002%未満の添加では効果が小さく、0.05%超の添加では母材靱性の低下を招く。よって、Bの添加量を0.0002%以上0.05%以下と規定する。
Caは、ノズル閉塞防止に有効な元素である。0.0003%未満の添加ではその効果が小さく、0.0040%超の添加では靭性の低下を招く。よって、Caの添加量を0.0003%以上0.0040%以下と規定する。
Mgは、靭性向上に有効な元素である。0.0003%未満の添加ではその効果が小さく、0.0040%超の添加では靭性の低下を招く。よって、Caの添加量を0.0003%以上0.0040%以下と規定する。
REMは、ノズル閉塞防止に有効な元素である。0.0003%未満の添加ではその効果が小さく、0.0040%超の添加では靭性の低下を招く。よって、REMの添加量を0.0003%以上0.0040%以下と規定する。
なお、本発明鋼を溶製する上で、添加合金を含めた使用原料または溶製中に炉材等から溶出する不可避的不純物として混入しうる、Zn、Sn、Sb、Zr等も0.002%未満の混入であれば何ら本発明の効果を損なうものではない。
次に、本発明の製造方法について説明する。
鋳造後のスラブを高温で長時間加熱した後に熱間圧延を行う第一の熱間圧延もPの界面偏析濃度を低減するのに重要となる。発明者は、第一の熱間圧延における加熱保持温度と保持時間がPの界面偏析濃度に及ぼす影響を調査した結果、Pの界面偏析濃度を0.100%以下とするためには、図2に示すように加熱保持温度を1250℃以上、保持時間を10時間以上とする必要があることを知見した。高温での加熱によってPの界面偏析が低減し、その結果最終的なPの粒界偏析濃度が低下する。一方、加熱保持温度が1380℃超、保持時間が50時間超では生産性が大幅に低下することから、加熱保持温度を1250℃以上1380℃以下、保持時間を10時間以上50時間以下とすることが好ましい。なお、加熱保持温度を1300℃以上でかつ保持時間を20時間以上とすると一層Pの粒界偏析濃度低減が著しいことから、望ましくは第一の熱間圧延における加熱保持温度を1300℃以上1380℃以下、保持時間を20時間以上50時間以下とする。加熱保持のあとは熱間圧延を行うことが重要になる。熱間圧延によって加工歪が導入されると、Pの拡散が容易になって最終的なPの粒界偏析濃度が低下する。熱間圧延の仕上げ1パス前に表面で測定された温度が1200℃超となると、加工歪みの回復によりPの粒界偏析量低減の効果が小さく、800℃を下回ると生産性が大幅に低下することから、第一の熱間圧延における仕上1パス前温度を800℃以上1200℃以下とする。また、圧下比も重要である。圧下比が1.1を下回ると加工歪みが小さくPの粒界偏析濃度低減の効果が小さく、10を上回ると生産性が大幅に低下する。よって、第一の熱間圧延における圧下比を1.1以上10以下とする。なお、ここで1パス前温度とは、第一の熱間圧延の最終パスの直前に鋼片表面で測定された温度をいい、放射温度計などで測定が可能である。また、ここで圧下率とは、第一の熱間圧延の圧延開始前の鋼片厚さを圧延終了後の鋼片厚さで除した値である。
前述の第一の熱間圧延の後は第二の熱間圧延を行う。熱間圧延の条件は任意であるが、ここでは標準的な条件を記載する。第一の熱間圧延の後、300℃以下に冷却したのちに再度昇温を行い、900℃以上1280℃以下に加熱したのち、圧下比3.0以上50以下で圧延を行う。圧延の最終1パス温度は650℃以上950℃以下として、以後冷却する。熱間圧延後は、焼き入れを実施する。焼き入れ時の加熱温度が750℃を下回るか、900℃を超えると脆化組織あるいは粗大組織が生成して靭性が低下する。よって、焼き入れ時の加熱温度を750℃以上900℃以下と規定する。第二の熱間圧延最終パス温度範囲の650℃以上950℃以下と、焼き入れの温度範囲の750℃以上900℃以下はその範囲が重複するので、焼き入れ温度範囲にするに際し、必要あれば加熱して焼き入れ温度範囲とする。なお、焼き入れ時の加熱後は保持を行ったのち水冷する。焼き入れに引き続いて、焼き戻しを行う。焼き戻しの加熱温度が500℃を下回るか、650℃を超えると靭性が低下する。よって、焼き戻し時の加熱温度を500℃以上650℃以下と規定する。焼き戻しの加熱後は保持を行ったのち水冷あるいは空冷する。
種々の化学成分、製造条件で製造した板厚6mmから50mmの鋼板について、母材の降伏応力と引張強さ、母材のC方向シャルピー試験、溶接継手のシャルピー試験鋼板の板厚、化学成分、Pの界面偏析濃度、製造方法を表1、2に、特性の評価結果を表3に示す。
降伏応力と引張強さはJIS Z 2241に記載の金属材料引張試験方法により測定した。試験片はJIS Z 2201に記載の金属材料引張試験片とし、板厚20mm以下の鋼板からは5号試験片、板厚40mm以上の鋼板からは鋼板表面から1/4t部から採取した10号試験片を使用した。試験片は、長手方向が圧延方向と垂直になるように採取した。降伏応力はオフセット法で算出した0.2%耐力とした。常温で2本の試験を行い、平均値を採用した。なお、降伏応力が590MPa以上を合格、引張強さが690MPa以上を合格とした。
母材および溶接継手の靱性は、シャルピー試験によって評価した。試験片は、板厚12mm以上は断面が10×10mmのフルサイズ試験片を、板厚6mmについては断面が10×5mmのサブサイズ試験片を使用した。母材については試験片の長手方向が圧延方向と垂直になるC方向について評価を行った。溶接継手靭性の評価においては、ノッチ先端が溶接ボンドに相当するように試験片を採取した。試験温度は−196℃とし、3本の試験を行った最低値を採用した。シャルピー試験では、100J以上を合格、100J未満を不合格とした。
なお、溶接継手のシャルピー試験に使用した溶接継手は、SMAWにより作製した。SMAWの条件は、入熱3.5〜4.0kJ/cm、立向き溶接、予熱およびパス間温度100℃以下である。
発明例1は、板厚6mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例1は、発明例1と類似の製造方法であるものの、C量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靱性、に劣る。
発明例2は、板厚12mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例2は、発明例2と類似の製造方法であるものの、Si量が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例3は、板厚20mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例3は、発明例3と類似の成分であるものの、第一の熱間圧延の圧下比が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例4は、板厚32mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例4は、発明例4と類似の製造方法であるものの、全圧下率、P量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例5は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例5は、発明例5と類似の製造方法であるものの、S量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例6は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例6は、発明例6と類似の製造方法であるものの、Ni量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例7は、板厚6mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例7は、発明例7と類似の製造方法であるものの、Al量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例8は、板厚12mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例8は、発明例8と類似の成分であるものの、Al量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例9は、板厚20mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例9は、発明例9と類似の製造方法であるものの、N量が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例10は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例10は、発明例10と類似の成分であるものの、第一の熱間圧延における加熱温度および界面偏析P量が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例11は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例11は、発明例11と類似の成分であるものの、第一の熱間圧延における最終1パス前温度および界面偏析P量が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例12は、板厚6mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例12は、発明例12と類似の成分であるものの、最終1パス前温度および界面偏析P量が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例13は、板厚12mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例13は、発明例13と類似の成分であるものの、焼き入れ加熱温度が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接熱影響部靭性に劣る。
発明例14は、板厚20mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例14は、発明例14と類似の成分であるものの、焼き入れ加熱温度が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靭性に劣る。
発明例15は、板厚32mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例15は、発明例15と類似の成分であるものの、Pの界面偏析濃度および焼き戻し加熱温度が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靭性に劣る。
発明例16は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例16は、発明例16と類似の成分であるものの、焼き戻し加熱温度が本発明の範囲を外れているため、Pの界面偏析濃度に関わらず母材靱性、溶接継手靭性に劣る。
発明例17は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例17は、発明例17と類似の成分であるものの、Pの界面偏析濃度と第一の熱間圧延における保持時間が本発明の範囲を外れているため、母材靱性、溶接継手靱性に劣る。
発明例18は、板厚20mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例18は、発明例18と類似の製造方法であるものの、Mn量が本発明の範囲を外れているため、溶接継手靭性に劣る。
発明例19は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例19は、発明例19と類似の製造方法であるものの、C量が本発明の範囲を外れているため、強度が低い。
発明例20は、板厚40mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例20は、発明例20と類似の製造方法であるものの、Mn量が本発明の範囲を外れているため、強度が低い。
発明例21は、板厚32mmの鋼板を製造したものであり、母材靭性、溶接継手靱性に優れている。一方、比較例21は、発明例21と類似の製造方法であるものの、T−O量が本発明の範囲を外れているため、母材靭性、溶接継手靭性に劣る。
以上の実施例から、本発明により製造された厚鋼板である発明例1〜21の鋼板は、耐破壊性能に優れる鋼板であることは明白である。

Claims (4)

  1. 鋼が、質量%で、
    C:0.04%以上0.10%以下、
    Si:0.02%以上0.15%以下、
    Mn:0.30%以上1.00%以下、
    P:0.0010%以上0.0100%以下、
    S:0.0001%以上0.0035%以下、
    Ni:7.5%超10.0%以下、
    Al:0.01%以上0.08%以下、
    N:0.0001%以上0.0070%以下、
    T−O:0.0001%以上0.0050%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であり、鋼板表面から鋼板厚さ方向に鋼板厚さの1/4だけ入った部位のPの界面偏析濃度が質量%で、0.100%以下であることを特徴とする、−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板。
  2. さらに質量%で、
    Cr:0.01%以上1.5%以下、
    Mo:0.01%以上0.4%以下、
    Cu:0.01%以上1.0%以下、
    Nb:0.001%以上0.05%以下、
    Ti:0.001%以上0.05%以下、
    V:0.001%以上0.05%以下、
    B:0.0002%以上0.05%以下、
    Ca:0.0003%以上0.0040%以下、
    Mg:0.0003%以上0.0040%以下、
    REM:0.0003%以上0.0040%以下のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする請求項1に記載の−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板。
  3. 質量%で、
    C:0.04%以上0.10%以下、
    Si:0.02%以上0.15%以下、
    Mn:0.30%以上1.00%以下、
    P:0.0010%以上0.0100%以下、
    S:0.0001%以上0.0035%以下、
    Ni:7.5%超10.0%以下、
    Al:0.01%以上0.08%以下、
    N:0.0001%以上0.0070%以下、
    T−O:0.0001%以上0.0050%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成である、連続鋳造後の鋼片を、1250℃以上1380℃以下で10時間以上加熱したのち、圧下比を1.1以上10以下、圧延の最終1パス前温度を800℃以上1200℃以下とした第一の熱間圧延を行い、その後300℃以下まで冷却したのち、900℃以上1280℃以下に加熱した後に、圧下比を3.0以上50以下、圧延の最終1パス前温度を650℃以上950℃以下とした第二の熱間圧延を行い、引き続いて必要あれば加熱して750℃以上900℃以下とした後に水冷または空冷する焼き入れを行い、さらに引き続いて500℃以上650℃以下に加熱した後に水冷または空冷する焼き戻しを行うことを特徴とする、−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板の製造方法。
  4. さらに質量%で、
    Cr:0.01%以上1.5%以下、
    Mo:0.01%以上0.4%以下、
    Cu:0.01%以上1.0%以下、
    Nb:0.001%以上0.05%以下、
    Ti:0.001%以上0.05%以下、
    V:0.001%以上0.05%以下、
    B:0.0002%以上0.05%以下、
    Ca:0.0003%以上0.0040%以下、
    Mg:0.0003%以上0.0040%以下、
    REM:0.0003%以上0.0040%以下のいずれか1種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼組成であることを特徴とする請求項3に記載の−196℃におけるシャルピー試験値が母材、溶接継手共に100J以上である靭性と生産性に優れたNi添加鋼板の製造方法。
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