JP5740509B1 - 鋼床版舗装の損傷を探査する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】探査対象のスクリーニングに時間をかけず、鋼床版舗装の損傷面の特定を可能とし全管理対象を非破壊探査することにより、網羅的で安心のできる鋼床版維持管理を提供し、舗装撤去による物理探査を経ることなく、非破壊検査のみで鋼床版舗装の損傷探査を完結させることを可能とする。【解決手段】探査対象面の上方から探査対象面下へ電磁波を照射し、該電磁波の多重反射波データを検出し、該反射波の行路全体長に相当する時間経過後に検出した反射波を仮想探査深さ面での反射波又は該行路を経過した舗装通過波とみなし、複数の異なる前記仮想深さ面として検出される反射波の反射波強度の最大値をオーバーレイ処理値とし、該オーバーレイ処理後の反射波強度から作成するオーバーレイ水平面画像に舗装損傷部を表示現出する。【選択図】図8

Description

本発明は、鋼床版舗装の損傷を探査する方法に関するものである。
高架道路、橋梁道路の路面構造体として鋼床版は、1954年に中里跨線橋を皮切りとして、軽量で桁高を低くできる、現場建設工程を短縮できる、工場製作管理により安定した品質を確保できるという利点があるものとして、1970年頃以降多数の橋梁に採用されているが、当初の寿命のものに加え、交通量増大や過積載の問題から建設後20年程度経過したものででも、すでにその補修が課題となっている。
非特許文献1には、供用後20年程度を経過した鋼床版橋梁において、トラフリブの溶接ルート部からデッキプレートを貫通する方向へ進展する疲労損傷が報告され、損傷は、数例しかないものの、外側からの発見が困難である上、路面の陥没など走行安全性に問題を引き起こす可能性があって、損傷メカニズムの解明や点検手法の確立は緊急の課題となっていることが述べられ、日本の鋼床版の現状についての報告がその第4章にまとめられている。
日本全土に2000近くの管理対象の鋼床版構築物があって、調査を効率よく網羅的に行うことが急務とされる。
調査管理課題には、鋼床版による橋梁等では、鋼床版の上に施工されている舗装面は、それ自体陥没の危険性を秘めているが、舗装面に損傷が生じていると舗装面から雨水が浸透し、鋼床版の鋼材に錆が発生し、強度・寿命に支障が生ずるという二つの大きな視点がある。
非特許文献2には、鋼床版の疲労き裂、舗装のひび割れを対象として、鋼床版の維持管理における調査方法がまとめられている。以下、従来の調査方法を概説する。
従来の方法では、歩道あるいは走行車両からの外観目視調査を基本とし、近接の目視調査、非破壊検査や舗装部撤去等の調査に対して、あらかじめ調査対象径間などをより限定した領域に絞り込むことが前提となる。交通規制や足場設置や電源の確保などが必要となるからである。調査対象区間の交通規制の制約、実施の経済性・効率性からまず、非破壊検査の対象からも歩道あるいは走行車両からの外観目視調査を基本とし、スクリーニングすることとするわけである。
ステップ1:机上調査
供用20年程度経過しているものを対象に、選択した鋼床版施設について机上調査をする。これは、大都市圏、湾岸地域、都市間幹線などの重交通路線に位置するものや、路面の損耗が激しく、過去に頻繁に舗装の打ち替えが行われている橋梁・高架道路を中心に第一のスクリーニングを実施する。
ステップ2:概略調査
ここでは、交通規制や足場設置や電源の確保などが必要となる、近接の目視調査、非破 壊検査や舗装部撤去等の調査に対して、あらかじめ調査対象径間などをより限定した領域に絞り込むための第二段のスクリーニングを実施する。
ステップ3:簡易調査
実際の交通状況、車両走行位置、舗装の損傷位置などを把握し、供用性やコスト面への影響が大きい詳細調査を行う前に、調査対象を絞り込む第三のスクリーニングを実施する。加えて、これまでの調査ステップで得られた情報をもとに、その他、橋梁本体の健全性に関わる損傷を把握し詳細調査項目とする等の準備を実施する。
ステップ4:詳細調査
上記の三段階に渡るスクリーニングによる絞り込みが行われた鋼床版に対し、具体的に
疲労損傷の発生の有無を確認するとともに、今後の補修補強など当該橋梁の維持管理計画の策定に必要な情報を得る。ここでは、以下の調査を行うが、
1) 鋼床版裏面、箱桁内部からの目視調査(舗装は適宜撤去)
2) 磁粉探傷や超音波探傷試験などの非破壊検査
場合に応じて舗装撤去し調査を行うが、交通規制や足場設置や電源の確保など調査実施にあたり供用性やコスト面への影響が大きいものとなる。
このようにして、効率性を確保しても探査の網羅性の点で問題となるが、現状では、有効な路面の非破壊検査方法が確立していないためやむを得ない。
ここで、非破壊検査を効率よく供用性やコスト面に問題なく手軽に遂行することができれば、外観目視調査から非破壊検査や舗装部撤去等の調査に至るまでのスクリーニングでの漏れの発生をなくすことができ、網羅性の観点で頗る安心である。
発明者等は、一般道路の舗装面について発生する損傷、地中の空洞について、特許文献4〜7に示されるように、電磁波レーダーを車両に搭載して道路を走行する非破壊調査手法が効率的であることを見出し、早くから実用化している。
時速60km/hで走行する電磁波レーダー探査車から最大2mの幅員で電磁波を路面に照射し、反射波強度の分析からレーダー探知法により路面下の空洞等の損傷を効率よく探査するというものである。
この探査方法を採用することができれば、従来の3つのステップで実施するステップのうち、少なくともステップ2、ステップ3のスクリーニングを省略又は簡略化できるし、短時間で効率よく、精度よく網羅的な調査ができれば、そもそもステップ1の机上調査もこれまでとは別の観点で時間を要するとしても、経過年数基準に該当するほぼ全施設の調査をすることができるのであれば、例えば数年度内調査の優先順位を付けるだけのことであり、その計画化の負荷も低減されるはずである。
ところが、鋼床版舗装に生ずる損傷は地下土中空洞のように明確な界面を有するものでないため、界面での反射波が弱く、損傷部位境界を判定し辛いという課題があった。弱い反射波をしきい値とすると、拡がりを持たない、すなわち発達していない局部的な損傷まで問題のある舗装損傷部位として認識してしまうという弊害が生ずる。
すなわち、一般道面では、少なくとも空洞の天面は特定されてはいたが、鋼床版では損傷部位の反射波信号と健常部位のそれとの判別はし難く、損傷部位の路面側境界面の特定もままならないという状況であった。
発明者らは、このような状況の中、異なる深さからの電磁波レーダー反射波を重畳すると、すなわちオーバーレイすると、損傷部位からの反射波又は損傷部位を透過した波により、健常部位の中から損傷部位を路面上から見た面情報として、路面の損傷を特定できることを見出した。ここで路面上から見た面情報として、というのは、オーバーレイ処理により深さ方向の情報は消失しているからである。
そうすると舗装の内部損傷(内部にのみ存在し、表面に露出していないひび割れ、層間剥離、滞水部分の他、表面に露出しているが内部まで延在しているひび割れや、ポットホール、パッチング、内部の水分が熱で膨潤するブリスタリングや局部打ち換え部分等を含む)が発見された場合には、損傷の程度に応じた補修工事をする計画が非破壊探査の後に直ちに可能となるのである。
鋼床版の非破壊検査方法としては、特許文献1から3がある。
特許文献1、特開平成24年98193号は、橋脚等の高架構造の道路の路面に構成される鋼床版上のアスファルト舗装において、鋼床版は所定の肉厚の鋼板(デッキ)よりなり、デッキの下面に補強のため、路面幅方向に等間隔をおいて複数配置され、各々が路面縦方向に延びる断面U型の型鋼であるトラフリブを溶接して構成されるから、鋼床版は車両のタイヤ部分が通過する部位(1車線あたり50cm程度の幅の部分2ヶ所)を中心に荷重を繰り返し受けており、供用年数の経過によりデッキとトラフリブの溶接部に疲労亀裂が発生し得るから溶接部の検査として精度の高い方法としての鋼床版におけるタイヤ通過部位において超音波のエコーにより探傷を行う際に、自走式探傷装置によって、鋼材よりなる被検査物の探傷をその下面側から超音波によって行う機構を備え、桁裏面を自走することを特徴とするものであるが、路面からの舗装面を上方から探査する枠組みでは適当でないし、走査する速度が網羅的に探査するには遅すぎて適当でない。
特許文献2、特開平成24年107919号は、道路や橋梁などにおいて路盤の基礎として設置された鋼床版の欠陥を検査するための鋼床版検査装置に関し、特に、励磁コイルの作る磁界により鋼床版を励磁し、その応答磁場波形を検出コイルにより検出することにより鋼床版の検査を行う鋼床版検査装置に関する発明であれるが、鋼床版には使えるかも知れないが、舗装部は磁気励磁不可であるから、舗装部自体の調査はできず、舗装部の損傷を探査対象とするものとしては適当でない。
特許文献3、特開平成23年242362号は、鋼床版の破断部位又は亀裂部位を容易に高精度に検査することを目的とし鋼床版の検査部位を電磁誘導加熱で加熱し、加熱された検査部位の温度分布に基づいて、検査部位の破断又は亀裂を判定するものである。電磁誘導加熱は、破断部位又は亀裂部位に電磁誘導による渦電流に乱れが生じるので、破断部位又は亀裂部位の温度分布の変化が大きく、電磁誘導によって鋼床版を直接加熱するので(鋼床版自体を発熱させるので)他の加熱方法と比較し、熱効率が高く、広い範囲を低コストで加熱することができ、このように、電磁誘導加熱で鋼床版を加熱することで、鋼床版の破断部位又は亀裂部位を容易に高精度に検査することができるとするが、この方法も路面からの舗装面を上方から探査する枠組みでは適当でないし、電磁誘導による加熱であるから時間を要し、走査する速度が網羅的に探査するには遅すぎて適当でなく、少なくとも60km/hの走査スピードを提供する電磁波レーダー探査方法に比べ効率性、ひいては、網羅性で劣る。
こうして、本発明の課題である効率的で短時間で、恣意的なスクリ―リングが入らぬ、非破壊探査を対象面前に亘り実施することにより、網羅的で安心できる鋼床版舗装の損傷を探査する方法を提供するには、高速で道路面を自走する磁気探査車を用いることができる電磁波レーダーによる探査が好適であることがわかる。
問題は、探査対象面が鋼床版上の舗装路面であることであり、鋼床版舗装の損傷部位からの弱い反射波からどのようにして、舗装の損傷を探査できるかということである。
特開平成24年98193号 特開平成24年107919号 特開平成23年242362号 特開平5−87945号公報 特開平8−62339号公報 特開2004−301610号公報 特開2012−184624号公報
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0471.htm「鋼部材の耐久性向上策に関する共同研究」,道路構造物管理研究室,国総,(社)日本橋梁建設協会、国総研資料No.471,平成20年8月 http://www.jasbc.or.jp/images/imageparts/title/release/21_3.pdf「鋼床版の維持管理における調査方法」,社団法人 日本橋梁建設協会
本発明の主たる課題は、電磁波レーダーを使用した鋼床版舗装の損傷の探査方法を提供することにより、鋼床版舗装を素早く探査モニターする途を拓き、従来のように探査対象のスクリーニングに時間をかけることなく、鋼床版舗装の損傷面の特定を可能とし全管理対象を非破壊探査することにより、網羅的で安心のできる鋼床版維持管理を提供し、舗装撤去による物理探査を経ることなく、非破壊検査のみで鋼床版舗装の損傷探査を完結させることを可能とすることである。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
鋼床版施設の対象面下の舗装損傷を探査する方法であって、前記対象面の上方から対象面上の検査点へ電磁波レーダーを照射し、該電磁波レーダーの多重反射波データを最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えて時系列検出し、検出信号をアナログ/デジタル変換し、変換後の時系列多重反射波データを保存する工程と、
前記対象面の検査点における該多重反射波の時系列反射波強度を最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えた部分を含む観測窓時間内でオーバーレイ処理する工程と、
該オーバーレイ処理後の対象面上の検査点の反射波強度を前記対象面の水平面画像として表示し、舗装損傷部を損傷部位と健常部位の画像強度の差異によって表示現出する工程と、
を備える鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
(作用効果)
鋼床版舗装の非破壊検査を電磁波レーダーで行えば、電磁波の指向性は高く、すなわち波の進行は直線的であり、対象の電磁波までの経過時間から反射波の発生面深さの特定が可能で、発振子や電磁波からその後の信号波をデジタル処理し保存するまで測定手法は公知技術として確立している。60km/hという高速で自走する探査車からの電磁波の照射と反射波の検出による探査手法も確立しており、膨大な数の鋼床版探査対象を短時間に行うことができ、従来、非破壊検査をする対象を絞るという前段処理をする必要もなくなり、網羅的に探査を実施することを可能とする。
ところが、探査に電磁波レーダーを用い反射波により舗装下の損傷探査を行うとき、例えば7cmの舗装厚の下には安定した鋼床版が存在し舗装内部の損傷には明確な損傷界面が生ずるものでもなく、舗装の底面である鋼床版に至るまでは弱い反射波を検出するのみで損傷部位の特定はしにくく、損傷部位からの反射波を検出すべき時間が経過した後も、すなわち舗装の底面である鋼床版との往復行程を経るまでの時間を経過後も幾度も周期的な強い反射波信号を繰返し検出するというのが、探査対象が鋼床版上にある場合の特徴である。鋼床版と路面との界面で繰返し反射する多重反射波を観測するのである。結果として検出波縦断面画像の時系列履歴を面情報として表現すると、ただ縞模様が観測され、縞模様のゆがみとして損傷部位が特定される場合があるという経験則に基づき損傷部位の推定をするという心もとない方法による他なかった。
ここで、鋼床版からの反射波を検出すると舗装の最下面から路面までの透過波としての意義が出てくることを発明者らは見出した。すなわち、図1、多重反射波を説明する概念図に示すように、損傷部位を透過した波は、路面から鋼床版へ至る経路と鋼床版で反射し路面へ向かう経路と二度に渡り損傷部位を通過するという舗装部内の透過波としての性質を有している。いわば人の健康診断時のX線による体内画像診断と同様の性質である。
このことには、ふたつの意義があることに発明者は気付いた。ひとつはレーダー反射波による探索物体の同定だけでなく、電磁波の透過による散乱・減衰による探索組織形状の同定ができないかである。反射波が鋼床版からの往復行路を経て透過波として通過部位の性質を二倍に反映した透過波103と変じているのであれば、さらに路面と大気との境界で下方の鋼床版へ反射する多重波106は、次に鋼床版で反射し路面上方へ透過し検出されるまでには透過波104、105として通過部位の性質を四倍程反映しているはずである。さらに次に観測すべきは透過波107、108として通過部位の性質を八倍反映する波109である。
路面から照射した電磁波が鋼床版で反射し路面で検出されるまでの時間をΔtとすると、Δt秒をサンプリングタイムとしてt1,2,,,,,,tN秒後の反射波信号強度を測定すれば、各々は、通過部位の性質を二倍、四倍,,,,,,N倍反映された透過波の性質を持つ。
二倍、四倍に通過部位の性質が反映されているのであれば、例えば、t6の透過波として通過部位の性質を12倍に反映された信号波110を観測波とし損傷部位を特定するための探査信号源としての使用に足りればよいのであるが、一方で、この場合であれば6回の鋼床版の反射と5回の路面境界での反射により都合11回の反射で電磁波は減衰し、信号としては弱くなっている。
この信号を増幅してもなお健常部位との差がつくほどに健常部位と損傷部位の反射波信号の差は判別できる程に大きくなっていない。差があるとしてもノイズに埋もれてしまっているのである。
発明者が気付いた多重反射波のもうひとつの意義は、これらの信号を蓄積し重畳によるノイズの影響除去を図れないかということである。すなわち、反射波検出信号の時刻tiの反射波強度I(ti)の例えば平均値Iaveを評価関数とすれば、例えば次式、
・・・・ 式(1)
により、水平面上の一点の反射波強度を式(1)の平均反射波強度で再評価すれば、健常部位と損傷部位の反射波信号の差は判別できないかと考えたのである。式(1)は、Δt秒をサンプリングタイムとしてt1,t2・・・・,tN秒後までのN回の鋼床版からの反射波の反射波強度の平均値を評価関数値とすることとなる。
ここで、例えば、1回目の反射波が到達する時刻t1と二回目の反射波が到達する時刻t2の間にも損傷部位内で散乱を経て、つまり廻り途をしてt1から遅れて検出子に至る鋼床版からの反射波もあれば、反射波自体もある程度の時間的幅を持って鋼床版に到達し、反射するに至るものもあるし、反射は路面のみでなく層間での反射も生ずるのであるからt1からtNの間を反射回数のN回のサンプリングでなく、もっと細かくサンプリングしてもよいはずである。この方が、この時間内に損傷部位内から様々な経路を経た透過波及び反射波を捕捉できることとなる。
この場合には、反射回数ではなく、文字通り観測時間窓T時までのサンプリング回数Mにより、式(1)に相当するものは、式(2)となる。
・・・式(2)
最初の鋼床版からの反射を検出(t=t1)してから、T時間経過するまでの観測時間窓に対してサンプリング回数M回の離散データを用いて蓄積処理をする。
式(2)では平均化処理をしている。評価関数は平均化には限らず、最大値を取る、中央値を取る等様々あるが、所定の評価関数を用い、複数のサンプリングデータを重畳し、値を決定することをオーバーレイ処理と呼ぶ。
従来は、原電磁波の鋼床版からの反射波が観測された後に観測される多重反射波は利用されずに探査データとしては捨てられていた。
鋼床からの強度の反射波も一度舗装中の損傷部位を通過した波が再度、舗装中の損傷部位を通過し、該反射波は損傷部位を通過する際にその影響を受け、変容し、減衰し、ここを起点とする仮想深さとしての電磁波は、一度鋼床で反射した後に鋼床からその仮想深さまでの経路をへて、仮想深さから発してその損傷部位を通過する等の行路を経て検査子に到達するものとして該観測波を解釈すると波の線形性からその検出波の強度を異なる仮想深さの波として重畳する、すなわちオーバーレイすることは意味あるものであり、このようなオーバーレイ処理により検査体から反射したり、通過したりする波の特性を際立たせることができるのは、波一般の性質である。
ここで際立たせるとは、損傷部位と健常部位の差異が明瞭に区別できることをいい、具体的には、水平面画像のオーバーレイ処理画像で、コントラストが強調され、損傷部位と健常部位の境界が明確に認識されるレベルにあることをいう。
このような特性に着目し、発明者らは、探査対象面の上方から探査対象面下へ電磁波レーダーを照射し、該電磁波の多重反射波データを検出し、該反射波の行路全体長に相当する時間経過後に検出した反射波を仮想探査深さ面(以下では単に深さという)での反射波又は該行路を経過した舗装通過波とみなし、異なる深さで検出する反射波をオーバーレイ処理し、該オーバーレイ処理後の反射波強度分布図においてコントラストが改善されたオーバーレイ水平面画像を用いて舗装損傷部を表示現出する方法を確立したものである。
この方法により、従来、一般には困難であった鋼床版舗装の損傷探査を容易にすることができ、鋼床版の電磁波反射波から非破壊検査にて損傷部位を表示現出することを可能とした。
こうなると、境界面が判定できるのみならず、損傷分類、すなわち、剥離、亀裂、ブリスタリング等も非破壊検査として判定可能となるため、損傷部位による、例えば陥没危険性を評価したり、補修の対応策・時期まで計画できるようになる。つまり、非破壊検査により、舗装撤去によらず、正確に鋼床版舗装の健全性評価をすることができるという効果が得られる。
<請求項2記載の発明>
前記オーバーレイ処理は、反射波の各測定位置の深さ方向で観測される時系列多重反射波強度の前記最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えた部分を含む観測窓時間内での最大値を評価関数とすることを特徴とする請求項1項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
(作用効果)
鋼床版舗装では、舗装部材中に明確な空洞が発生することは稀であり、巣のように組織が損傷したり、滞水したり、膨潤したりという具合であって、地中空洞のように土やアスファルトから空洞を構成する空気へ誘電率が大きく変化するような探査結果は得られない。このような組織に電磁波が遭遇しても、電磁波の極性が反転することはなく、評価関数には反射波の位相を考慮しない反射波強度を用いることが好ましい。
鋼床版の反射波の透過率を把握するのは、鋼床版の反射波がどれだけ減衰しているかを把握することによる。すなわち、反射波のピーク値が減衰後にどれだけのピーク値となっているかを観測すればよいが、結局のところは、電磁波の透過率を測定することと同等であり、入射電磁波のピーク値が最終的にどれだけのピーク値の透過波として検出されるのかを測定し、各々の反射波強度の比により、透過率を評価するのが鋼床版での反射波強度測定を省略できる点好ましい方法である。
すなわち、入射された電磁波が反射されて再度検出されるまでにどれだけ減衰しているかにより、電磁波の透過率を測定すること、入射電磁波のピーク値が最終的にどれだけのピーク値で反射波として検出されるのかを測定し、各々の反射波強度の比により、透過率を評価するのが最も適切である。
このような評価関数によれば、鋼床版からの個々の反射波の透過率を測定するのではないから鋼床版での反射タイミングに神経質となる必要もなく、鋼床版からの初回の反射以降の時刻から所定のピーク値が含まれるに十分な深さまでの観測値を反射波強度として利用すれば、この範囲に必ずピーク値を含むのであるからそれで足り、深さ方向の観測対象範囲の設定上で極めて便宜である。
平均値や中央値採用のように観測の開始時刻と終了時刻を厳密に定義する必要がなく、適当な所定の時間幅での平均値や中央値を見るよりは、適切な長さの観測時間窓であれば、ピーク値の観測時刻がずれようとも捕捉可能であって、ピーク値を捕捉した上での最大値としての透過波強度には、透過率の把握という物理的な意味と関連付けられるから、観測時間窓内で観測される反射波強度の最大値を評価関数とすることと透過率の把握との関連付けがなされ好ましい方法である。次式、
・・・・式(3)
を評価関数値とする選択は好適である。
<請求項3記載の発明>
前記多重反射波の時系列反射波強度は、前記最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えた部分を含む観測窓時間と電磁波速度から算出される所定の仮想深さ範囲で前記オーバーレイ処理を行った水平面画像を比較選定し、舗装損傷部をコントラスト高く表示現出することを特徴とする請求項1項又は2項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
(作用効果)
所定の観測開始時刻から観測時間窓内で観測される反射波強度の最大値を評価関数とし、入射波強度を基準とする透過率を判定基準とするオーバーレイ処理では、多重反射波を媒介として評価するのであるから、所定の深さの観測データを取り出すとき、複数の観測データセットで比較検討するときには、観測値の絶対値での比較に物理的な意味は薄れている。寧ろ、同じ舗装厚さ内での観測値であれば、周囲との透過度の差異、すなわちコントラストに着目することが適切であり、好ましく、また、異なる観測域での電磁波透過度の比較検討の際には、観測域が異なれば基準となる反射波強度レベルが異なるのであるから尚更、周囲との透過殿差異の現れ方の差異すなわち面画像に現れるコントラストの変化に着目することが適切であり、好ましい。
すなわち、多重反射波の反射波強度分布図に損傷部位を表示現出させるには、その強度値の絶対値に着目し判定するのではなく、多重反射波の反射波強度分布図に表示現出する模様に観察組織の差がコントラストとして明確に境界認識されるか否かで判定し、観測に適する所定の深さ範囲とは、この反射波強度分布図にコントラストとしてより容易に境界が認識されるものをいう。
コントラストが明確に現れるか否かは、信号のオフセットとゲイン及び物理的には信号波透過度の差異の程度に依存するが、これには所定の深さ範囲が大きく影響する。所定の位置での探査開始深さと深さ幅(厚さ)は重要な観測パラメータである。
どの深さ範囲の検出波をオーバーレイ処理の元データとするかによって、得られる多重反射波の反射波強度分布図は様相を異にする。特定の範囲を選択することで的確な損傷部位の判定を実現でき、周囲組織との透過度の違いがコントラスト付で明瞭に現れるようにこの特定範囲を設定することが鋼床版舗装の損傷を探査するに好ましい。すなわち、深さ範囲もパラメータとし、各深度(探査開始深さ)別の平面スライス水平断面に反射波強度分布水平面画像を並列比較表示すると、舗装内部の損傷の有無判定が容易となり、最もコントラストを有し舗装損傷部をコントラスト高く表示現出する水平面画像を選択すれば精度よく損傷部位を特定することができるという効果が得られる。
<請求項4記載の発明>
前記所定の仮想深さ範囲は、鋼床版深さから段階的に深くし、又は仮想深さ範囲を変化させ最もオーバーレイ処理後の損傷部位を際立たせ、コントラスト高く表示現出する仮想深さ範囲とすることを特徴とする請求項3項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
(作用効果)
多重反射波は、原理的には無限経過時間発生するが、本発明に係る探査は、検査を照射する探査車は60km/hの高速の移動体であるから、測定点から動かないとみなせる程度の時間枠内に測定が完了する必要があるので、実質上一点での探査であるとされる時間内に探査できる深さにも限度がある。また、探査深さを深くすると多重反射波信号も減衰し弱くなるという信号処理上のデメリットも生ずる。また、損傷部位の類型や損傷の程度、水を含んでいるか等の条件により、測定開始初期深さと厚さに相当する観測時間窓枠Tは探査判定パラメータとなるもので、現場毎に最適値を設定すべきものであることを本請求項は明らかにする。
このパラメータは段階的に決定すると効率的であり、例えば、はじめに初期深さを鉱床版深さ(舗装厚さに等しい)とし、観測時間窓枠Tは深さ10cmに相当する値とするところから検討を始めて、すなわち、鋼床版深さを基準とし深度ゼロから深さ10cm幅という深さ範囲から探索をはじめ、段階的に深さ幅を例えば10cm幅で40cmとするまで順次広げ、比較的多重反射波の信号強度の減衰がさほどではなく、かつ、透過信号波の強度が十分に観察組織の差異を表示し、ノイズが信号の重畳により実質上キャンセルされ、信号のピーク値が観測時間窓枠T時間内に捕捉され、舗装表層部の損傷部位が存在するとすれば画像に表示現出されるであろうという深さ範囲パラメータを探索し最適化する。複数の深さ範囲パラメータによる画像を比較し水平面スライス画像の損傷部が表示される際の境界にフォーカスし、現出するコントラストの深さによる変化の状況を見て、正しく損傷部位を表示現出する深さ範囲の特定により、精度高く漏れなく損傷部位の表示現出が可能となる効果が得られる。段階的に深くするとは、舗装表層部に損傷部位が偏るものである状況が推量されれば、その範囲の反射波に焦点を当てたり、鋼床版近傍に損傷部位が偏るものである状況が推量されれば、その範囲の反射波に焦点を当てたり、等保存されている反射波データを必要に応じ呼び出すのである。
<請求項5記載の発明>
前記コントラストの設定では、鋼床版が構成する橋桁支間のジョイント鋼板からの反射波強度を用い正規化した時系列多重反射波の反射波強度水平面画像を用いる請求項3項又は4項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法
(作用効果)
鋼床版舗装の損傷探査では、水平面画像に現れる多重反射波の反射波強度の分布図に現れる模様が判定基礎となる。健常部位と損傷部位の対比から損傷部位を決定する。これらの境界を決定するに際しては、健常部位と損傷部位の対比を要する値域にコントラスト設定をフォーカスする。コントラストを付けるには、多重反射波原信号の信号レベルを上げることは、言うまでもないが、コントラスト設定で強調する多重波信号のオフセットとゲインの設定が重要である。
鋼床版が施工されている橋梁は、複数の支間に分割され、その境界部には鋼床版と同じ材質の鋼材が境界を渡すジョイント鋼板として敷いてある。したがって、ジョイント鋼板からの反射波を基準として、この反射波強度を基準として信号波強度を正規化すると、入射波強度を基準とするよりは、よりコントラストの強い反射波強度分布図を作成することができ、より正確な損傷部位の表示現出することができる。
加えて、過去の探査データとの対比をする場合、ジョイント鋼板からの反射波を基準として、この反射波強度を基準としてどれだけ差異があるかという観点で、正規化すると探査の諸条件に伴う擾乱を補正するいわば校正の役割を果たし、判定精度を向上させる効果を与える。具体的には、ジョイント鋼板からの反射波の信号レベルを基準として、オフセットにより、比較対象とする信号のレベルを合わせたり、ジョイント鋼板からの反射波強度を基準として、入力波又は多重反射波又はこれら双方の反射波強度を正規化し、反射波強度水平面スライス画像を作成する等である。
<請求項6記載の発明>
請求項1項〜5項のいずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法を用いて表示現出される前記舗装損傷部は、舗装劣化又は剥離を少なくとも一つ含む舗装損傷範疇に分類されることを特徴とする請求項1項〜5項のいずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
(作用効果)
本発明の鋼床版舗装の損傷を探査する方法により、はじめて非破壊検査により舗装内部の損傷部位内部の平面射影形態が舗装損傷部として表示現出され、これら平面射影形態には損傷の三次元の舗装内部での物理的形態を反映した特性が見られることを発明者らは発見した。
舗装損傷に分類を設け、平面射影形態に現れるその特性毎に損傷の判定をすると効率的であるし、各範疇のデータが蓄積されることにより、判定基準項目の設定、基準値の設定、判定ノウハウが蓄積され判定精度が向上する。舗装損傷範疇に補修方法視点での分類も加味すると施策との対応も明確とすることができる。
鋼床版舗装の舗装損傷は、舗装劣化、剥離が主なものであり、占有率の低いその他の範疇は占有率が10%を超えると独立した範疇とすればよい。
<請求項7記載の発明>
最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えて時系列検出し、検出信号をアナログ/デジタル変換した前記時系列多重反射波を、レーダー照射開始時刻、反射波受信時刻、真空中の電磁波速度及び舗装部の比誘電率から算出される仮想深度により多重反射波データを深さ方向で管理する請求項1〜6いずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
<請求項8記載の発明>
前記損傷部位境界の判定には、時系列多重反射波の位相反転を利用せず反射波強度の差異に基づくことを特徴とする請求項1〜7項のいずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
以上のとおり、本発明によれば、電磁波レーダーを使用した鋼床版舗装の損傷の探査方法を提供することにより、鋼床版舗装を素早く探査モニターする途を拓き、従来のように探査対象のスクリーニングに時間をかけることなく、全管理対象を非破壊探査することにより鋼床版舗装の損傷面の表示現出を可能とし、網羅的で安心のできる鋼床版維持管理を提供する。舗装撤去による物理探査を経ることなく、非破壊検査のみで鋼床版舗装の損傷探査を完結させることを可能とする。
多重反射波を説明する概念図である。 鋼床版舗装の損傷探査方法の工程フローS1と各工程機能F1、F2及びF3並びに解析判定ルールRU関係図である。 電磁波レーダーの概略図である。 レーダーシステムのブロック図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 探査車の概略図である。 レーダーシステムの処理プロセスを示す概略図である。 レーダー反射波データの取得概要を示す概略図である。 反射波データの多値化原理を示す説明図である。 剥離鋼床版深さ5cmの水平単一断面反射波強度分布図(ケース1)である。 剥離鋼床版深さ7cm水平単一断面反射波強度分布図(ケース2)である。 剥離鋼床版オーバーレイ40cm水平面反射波強度分布図(ケース3)である。 ケース1及び2の電磁波行路と舗装内部の一次反射波を示す模式図である。 ケース3の電磁波行路と舗装内部の多重反射波を示す模式図である。 劣化鋼床版深さ5cm水平単一断面反射波強度分布図である。 劣化鋼床版深さ7cm水平単一断面反射波強度分布図である。 劣化鋼床版オーバーレイ40cm水平面反射波強度分布図である。 判定結果グリッド表示図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。本発明を構成する各工程は、図1多重反射波を説明する概念図に示されるように、現地計測工程A1、第一次解析工程A2、第二次解析工程A3から構成される。各工程の工程フローS1と工程機能F1、F2、F3及び解析判定ルールRU関係を図2に示す。
本実施形態によれば、鋼床版施設の探査対象面Rの上方から対象面下へ電磁波レーダーを照射し、該電磁波レーダーの多重反射波データを検出し、入射波に対する反射波を対象面上方で受信取得するレーダー反射波データ取得を探査対象面全面に亘り実施し、該取得データをアナログ・デジタル変換手段により変換後データ保存する現地計測工程A1と前記表示現出させた舗装損傷部を前記舗装損傷範疇に分類し、所定の一次解析グリッド単位で舗装損傷部の有無を表示する一次解析工程A2とこの工程で表示現出される舗装損傷部を含む前記一次解析グリッドよりも小さな領域を対象として詳細分析する二次解析工程A3により鋼床版舗装の損傷探査が行われる。
本実施形態による探査方法によれば、迅速に対象面Rを探査可能だから、非破壊検査を行う従来のステップ2は不要となり、まず、現地で非破壊探査をするようになる。現地計測工程A1と第一次解析工程A2とである。従来のステップ3に相当する詳細調査も、従来の概要調査に相当する第1回目の調査、すなわち現地計測工程A1ですでに非破壊検査を実施し、従来の詳細調査に相当する第2回目の調査で改めて非破壊検査データすなわち反射波データの測定をする必要もなく、すでに現地計測工程で非破壊探査データは取得されている。
したがって、詳細調査の対象範囲が何らかの事情で見直しされたとしても、反射波の計測は探査対象面全面に亘りすでに測定を終えているので、詳細調査をする対象面の該当するデジタル測定データを呼び出すだけで、従来の詳細調査、すなわちこれに相当する本発明でいう二次解析を実施することができる。
一次解析の目的は、いわば全量検査として検査範囲全面に亘り電磁波レーダーによる非破壊探査を実施し、橋梁、支間毎の舗装内部の概略健全度評価として、損傷部位の存在又はその可能性を判断し二次解析を必要とする区域を特定し、例えば色別表示し、補修の判断情報として用いることにある。次の手順として詳細解析を行うより、効率化が図れ、費用対効果の向上が図れる。詳細調査の前に一次解析を実施すると従来は、非破壊検査を選択区間にのみ実施していたものをともかくも全量検査を可能とし、全体として探査の網羅性・早期化・品質向上を実現する効果が大きい。
二次解析の目的は、補修が必要な(補修優先度が高い)、橋梁、支間の補修部位を特定するために行うもので、一次解析で損傷部位の存在又はその可能性を特定されている一次解析のグリッドに対してその内で解析対象範囲を小さく限定し、よりきめの細かい調査を実施し、補修の期間・費用見積もりに足りる精度の損傷情報を取得することにある。対象範囲をより小さな範囲に絞ることで、全体として必要な処理の負荷と時間を節約し、損傷が推定される部位について詳細に時間と費用を重点的に配分でき、探査の早期化・品質向上が得られるという効果がある。
一次解析グリッドと二次解析対象範囲の面積の比は、1/4以下とすれば、一次解析の効率は全て二次解析の所定範囲で行うに比し4倍となり、効率を確保するに十分であり、好ましい。
このように、電磁波レーダーによる探査は効率がよく負担の低い方法なので、実質的な調査対象面を広く設定・計画することが可能となり、探査の柔軟性が増すのである。したがって、前記第一次解析を行う解析対象グリッドは、必ずしもひとつのユニットが矩形に限られるものでなく、各ユニットの位置が特定できる管理形状であればよく、第二次解析対象範囲についても、必ずしもひとつのユニットが矩形に限られる必要はなく、損傷可能性部位の周囲を含む自由な形状であっても差支えない。
また、一次解析と二次解析は必ずしもセットで実施する必要はなく、例えば、一次解析のときから時間をかけて全面について詳細な探査とする場合には、二次解析を省くこととなるし、逆に探査を開始するとき、すでに目視検査や過去の探査で損傷部位が判明している場合には、二次解析から実施してもよい。
本発明に係る鋼床版舗装の損傷を探査する方法は、効率がよいので従来の探査方法と異なり、スクリーニングをすることなく、広い範囲を非破壊検査領域としてカバーできるのではあるが、詳細な損傷部位の判定をいきなり広い範囲で行うのも損傷が全く存しない範囲での判定処理作業が無駄に終わることとなる。
そこで段階を踏んで解析することが得策であり、大きな探査単位による探査で舗装損傷が存在するかその可能性の存するグリッドを特定し、舗装損傷可能性の存するグリッド範囲に対して、より細かなグリッド単位でより精密な舗装損傷判定と補修に必要な情報を収集すると効率的で好ましい姿である。
この場合には、舗装損傷分類範疇毎に処理をまとめるとより効率的となり好ましい。
以下、本実施態様を詳述する。
各工程では、電磁波の照射・検出、アナログ・デジタル信号変換処理後デジタルデータ化した情報を保管する機能F1、複数の平面スライス画像データをオーバーレイ処理する機能F2、平面スライス断面画像を三次元表示し、損傷有無をブロック表示する機能F3、を用い、反射波強度解析による異常個所抽出ルールR1、反射波形状解析による人工物検定ルールR2及び舗装内部損傷分類判定ルールR3の適用後、鋼床版舗装の損傷探査結果が保存される。
<鋼床版舗装損傷探査対象面R>
本発明の対象面Rは、鋼床版上に施工された舗装道路面であり。舗装内部の損傷により鋼床版に錆発生や路面陥没の危険性のある場所の表面であれば特に限定されず、例えば高速道路高架橋、橋梁、跨線橋等であり、対象面Rが舗装面(アスファルト舗装、コンクリート舗装等)の種類は問わない。
<現地計測工程A1> − 電磁波照射・反射波検出 、A/D変換処理機能F1
対象面R下へ電磁波レーダーを照射し、反射波データ50を取得・記録する工程である。以下、詳細に説明する。本工程では、調査対象エリア・区間から調査ロットである走査対象面下を特定し、全体計画の中で対象面下走査計画を立て、対象面下R走査のための機器準備の後、電磁波レーダーを照射し、反射波データをアナログ/デジタル変換し、データ処理装置14へ収集データを転送し、入力信号データをフレームデータとして記録管理し、深さ方向詳細調査地点を特定した場合にデータを呼び出せる形式でデータを保管準備するデジタルフレームデータ処理機能により処理される。
解析工程は、第一次解析工程A2と第二次解析工程A3と二つのステップに分かれているが、現地計測工程A1は一回で全データを収集する。
電磁波レーダーとしては、GSSI社(米国)製の各種電磁波レーダーシステム(例えばSIR3000等)、日本無線社製RCレーダー(例えばハンディサーチNJJ-95B等)、アイレック技建社製のコンクリート構造物の鉄筋探査装置(例えばライトエスパー)、コマツエンジニアリング社製のレーダー探査機(例えばアイアンシーカ)等、公知のものを特に限定無く用いることができるが、送受信センサを多数並設したレーダーシステムが作業効率と精度の点で好ましい。以下、具体例を元に本工程と本工程を実現する機能について説明する。
図3は電磁波レーダーの概略図である。符号aは電磁波の送受信アンテナおよび送受信回路を一体的にケースに組み込んだセンサa、符号cはn個のセンサaを並列に連結してアレイ状としたアレイアンテナ、符号bはアレイアンテナcを構成する各センサaに対して夫々スイッチングにより機能の切り替えを行い、個々に送受信および信号処理を行うようにするコントロールユニットをそれぞれ示している。なお、アレイアンテナcとコントロールユニットbとによりレーダーシステムkを構成している。
レーダーシステムで用いられるセンサaとしては、ステップ波形によるインパルス発信を用いたものであって、鋼床版舗装の損傷探査では、周波数が0.5〜3GHzの中心帯域を持つものが好適であり、特に中心周波数を1GHz以上として、探査を行うと波長が短くなることから、探査分解能は向上する。電磁波は周波数が高くなるにつれて、物体中での減衰が激しくなるが、鋼床版舗装は厚さ7cm程度であるのが通常であり、このように波長を短くし、探査可能な深度が浅くなるとしても、それでも十分な探査を行うことができ、分解能は5cm程度もたすことが好ましい。
コントロールユニットbによりコントロールされた各センサaからは、対象面Rから内部に向けて略垂直に電磁波が発振される。そして、対象面R下からの反射波は各センサaに受信される。各センサaで受信された反射波は、コントロールユニットbを介してアナログ信号からデジタル信号に変換されたデータとしてデータ処理装置14に出力される。
レーダーシステムkは、より具体的には図4に示すように構成することができる。すなわち、レーダーシステムkにおけるセンサaは送信部Txと受信部Rxとにより構成され、n個のセンサaへの給電は、例えばコントロールユニットbに設けられた電源電池31により供給され、また該電源電池はコントロールユニットb内の各回路に給電される。
n個のセンサaの送信部への送信指令は、スイッチ切り替え制御回路34が第1切り替えスイッチ34aを順次切り替えることにより、順次送信を行うようになっており、この切替のタイミングはタイミング源発振回路33bで発生した数十MHzのクロックパルスにより行われ、例えばタイミングクロックパルスの周期毎に順次スイッチングされ、数μs後にはアレイアンテナのn個のセンサaを一巡する。
各センサaの送信部Txで発信された電磁波は、測定対象物に対して反射と透過を繰り返し、その内部状況を反射信号としてセンサaの受信部Rxで受信する。受信された反射信号は、同期信号発生回路33からの同期信号に従ってサンプリングされ、低周波の受信信号1〜nに変換されて各センサから出力される。各センサから出力された受信信号は、スイッチ切り替え回路34にて、A/D変換回路35およびバッファ36により信号の処理が行われ、第2切り替えスイッチ34bの切り替えにより順次データ処理装置へ出力される。
図5の(a)は、レーダーシステムkが図3に示す単配列状態を示しており、車幅方向(副走査方向)におけるセンサaの間隔をdとすると、この単配列状態の分解能はdとなる。これに対し、図5の(b)に示すように、n列の単配列のアレイアンテナc1を千鳥状にm行配列することにより、このアレイアンテナc2は、m倍の分解能を得ることができ、これにより水平解像度が決定される。そして、単配列時におけるアレイアンテナc1の分解能dに対し、m行配列するアレイアンテナc2は、d/mの分解能となる。また、図6に示すように、センサaをm行×n列に配列したアレイアンテナc3としても良い。この構成では、アレイアンテナc3を移動させることなく一度にm行×n列の範囲で探査を行える。
探査に際しては、作業員がアンテナを逐次移動させながら測定を行っても良いが、図7に示すように、レーダーシステムkを搭載した自動車等の探査車10で対象面Rを走行しながら、対象面Rにおける調査対象領域の全体にわたり、走行方向に所定の間隔を空けて探査を行うのが望ましい。図7に示す探査車10は、レーダーシステムkの他に、光学式距離計(回転式距離計でも良い)11、対象面Rの状況を撮像するためのカメラ12、GPS装置13を搭載しており、これらの出力信号がデータ処理装置14に入力されるように構成されている。データ処理装置14としては、汎用のコンピュータを用いることができる。図示例では、データ処理装置14等の機器を制御するための制御装置15を車両に搭載している。この他、車両にはオーバーレイ処理を行うオーバーレイ処理装置16を搭載し、これらはネットワークで接続されている。ここでオーバーレイ処理16は、デジタル化された信号をデジタル演算処理する独立した装置でも、データ処理装置14と一体のコンピュータシステムでもよいし、アナログ/デジタル信号処理機能を備え、原アナログ信号を直接処理する独立した装置でもよい。三次元画像化処理装置はオーバーレイ処理装置16と一体のコンピュータシステムとされているが、独立した装置でもよい。
レーダーシステムkにおけるセンサaの配列方向を副走査方向とし、副走査方向および電磁波の発信方向に対して直交する方向を主走査方向とすると、レーダーシステムkの主走査方向は探査車10の走行方向となっており、走行に伴う移動距離は距離計11からデータ処理装置14に対して入力されるようになっている。
図8は、レーダーシステムkを主走査方向に移動させて得られた情報を処理するプロセスを示している。レーダーシステムkは検査対象である対象面R上に支持され、主走査方向に沿って移動される。その際、コントロールユニットbは、例えばn個のセンサa(1,2,・・・・n)を順に駆動し、副走査方向の各位置における反射波データが主走査方向について時々刻々と出力する。つまり、図9に示すように、反射波データ(強度(振幅)及び深度(時間))は、主走査方向に所定の反射波検出間隔(走行方向の位置間隔)で、且つ副走査方向に所定の反射波検出間隔(センサ配列間隔)で定まる各検出位置で取得される。これらの検出間隔は適宜定めることができるが、5cm以下(当然ではあるが0は含まず、0より広い間隔となる)であることが望ましく、例えば1〜5cm程度とすることができる。主走査方向の反射波検出間隔(走行方向の位置間隔)と、副走査方向の反射波検出間隔(センサ配列間隔)とは異ならしめることができ、例えば、前者を1〜5cm程度とし、後者をそれよりも広く、例えば6〜10cm程度とすることができる。
取得される各検出位置40の反射波データ50は、各検出位置40の位置情報と関連付けて、データ処理装置14に内蔵又は接続された図示しない記憶装置に記録される。この際、各検出位置40の位置情報の生データは、主走査方向移動距離及び副走査方向のセンサ配列間隔であるが、必要に応じて三次元座標に変換し、生データと併せて記録することができ、また、反射波データ50は波形データであるが、必要に応じて他のデータとともに記録することができる。
<反射波強度水平面データの保管> − データ保管機能F1
各反射波検出位置40における各深度の反射波強度(振幅)は、例えば図10に示すように、各反射波検出位置40で時系列信号データとして、すなわち深さ方向を変数とし、反射波強度データを値域として各反射波検出位置40における各深度の反射波強度を多値化する。多値化は適宜の手法で行うことができるが、例えば反射波強度0を0値として正側の上限値255値を設定し、強度下限値0から強度上限値255までの反射波強度値の範囲を等分で多段階化し、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度が該当する段数を、その位置の多値化反射波強度とすることができる。
反射波強度段階の下限を反射波強度値0とするのではなく、例えば先の多値化で200に相当する反射波強度でオフセットを与え、反射波強度の限定された区間を256段階として設定すれば、下限測定値を0とする場合に比し、十分なコントラストを提示することが可能となる。また、「仮想深度」は、電磁波の伝播速度と、電磁波の送信から反射波の受信までの時間とから定義することができる。
反射波強度水平面画像90は、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度を多値化し、横軸を走行方向距離とし、縦軸を車幅方向距離とし、目的の深さにおける各位置の多値化反射波強度の階調を有する単位画素を二次元的に配列することにより作成することができる。
画像90を作成する場合、特定の管理単位であるグリッド面毎にデータを呼出し、画像90作成することができ、複数のグリッドを選択し、並べて画像90を作成し、比較検討することもできる。
本工程終了時には、地点、グリッドを指定すると入力信号波データ及び反射波データが時系列に呼出しできるように整理保管されている。
<損傷部位の画像強調処理> − オーバーレイ処理機能F2
対象面Rにおける調査対象領域の全体にわたり多重反射波データ50を取得し、探査車で計測した鋼床版のデータを解析するため、3次元画像化処理装置で3次元画像化する。3次元画像化処理されたデータの全体にわたって、深さ方向にいくつかの範囲に分け、各範囲を観測時間窓としてオーバーレイ処理を行い、損傷劣化の現象を抽出し易いオーバーレイ処理範囲を特定する。
各深さ範囲別のオーバーレイ処理後の表示(水平面スライス画像)において、白黒表示の不連続性が、どの深さの段階で顕著に現れているのかを検証し、全範囲から損傷・劣化が抽出しやすい最適なオーバーレイ表示範囲を決定する。
この手順により、最適な深さ範囲でまとめた1枚の水平スライス断面画像から損傷劣化の可能性がある異常箇所を抽出し、複数の異なる深さ範囲毎のオーバーレイ水平スライス画像を見る手間を省く。例えば、取得データ50に基づいて、7cm(舗装底面)から深さ40cmをオーバーレイ処理対象深さ範囲としてオーバーレイ処理し、対象面Rの水平面画像を第一次解析の各グリッド区画を合わせて表示する。
以下、より具体的にオーバーレイ処理を詳述する。
オーバーレイ処理は、図8に示すように複数の深さの画像に表現される観測値をオーバーレイ処理により最大値に置き換えるものであり、この場合の数式操作を以下の要領で処理する。
対象分析面に対して(対象面R全体でもグリッド単位でもマウスで指定するのもよい)
1)オーバーレイ処理範囲を指定する
2)指定範囲に深度方向に例えば256の水平面スライスとしての反射波データを呼び出す
3)グリッド座標を基準として指定される水平面上の離散点でその深さ方向の反射波強度のオーバーレイ処理評価関数、例えば最大値の抽出処理により、その離散点での観測時間窓内での反射波強度値の最大値をオーバーレイ処理値として求め保管する。
最大値の決定の際は、例えば時間窓256のスライス面毎に反射波強度を反射波信号から得て、スライス上の反射波強度で同一座標のものの中から最大値を選択し、オーバーレイ処理値として保管して求めた集約後の1枚の水平面画像をオーバーレイ処理後の水平面画像として表示する。すなわち、深さ方向の複数の水平面データが1枚の表示にオーバーレイ評価関数により集約表示される。
図10は多値化原理を示す図である。横軸は多重反射波の反射波強度を示す。縦軸下方向は、深さ方向であり、時間軸に相当する。
時間窓T1でオーバーレイ処理を実施すると返り値はP1であり、T2でオーバーレイ処理を実施すると返り値はP2、T3であればP3であるが、T4でオーバーレイ処理を実施すると返り値はP1である。このように時間窓で設定により、オーバーレイ処理の結果は異なったものとなる。周囲との関係でどの深さ範囲をオーバーレイ処理とするのがよいか検討を加え、最適な範囲により判定に資するオーバーレイ処理スライス画像を使用する。
この処理を対象面全面に対して処理し、その値を256の多値化処理する。多値化に当たっては、反射波強度の観測オフセット・ゲインを最適化すると多値化の下限上限値を定め、コントラストが強調されるように多値化する。
適切なオフセット値を得るために舗装がなく鋼床版と同じ材質の鋼板が露出している支間のジョイント鋼板反射波データを解析し、この反射波で正規化し、観測データを整序した上で分析対象とする。
オーバーレイ処理後の水平面多重反射波像は、その位置で観測した反射波強度の最大値であり、水平面画像では白黒の濃淡として表現される。あるいは、多値化段階を255色で表せば、カラー画像として表現される。
オフセット処理後は、その深さ方向に亘り強い信号がない箇所が白っぽく表現されるため、黒色側へバイアスがかかる傾向をもたせ、損傷部位と健常部位とでコントラストが強調され、境界がより明確となる効果が与えられる。これは、必ずしも白っぽく表現される箇所が損傷部位を示すのではなく、薄い白色の中でもコントラストが強調され、境界が発見できれば、その境界が損傷部位と健常部位との境界であると認識するという判定方法を取ることが本探査方法の特徴である。
オーバーレイ処理は、初期深さと深さ範囲を数種類用意し、例えば、
1)鋼床版深さから15cmまで
2)鋼床版深さから30cmまで
3)鋼床版深さから40cmまで
のように、異なる深さ範囲でオーバーレイ処理し、コントラストが際立つ、すなわち観測データが鮮明となる深さ範囲を探索し、コントラストの高く損傷部位を探査画像に表示現出させる。
ここで、鋼床版深さから40cmまでの深さを対象としてオーバーレイ処理をすると、舗装の損傷把握に有効である。重畳効果、単面スライス反射面の影響を平準化し、共通の損傷を強調するという点で正確な損傷判定を得るに好ましい。鋼床版深さから40cmであれば、まだ多重反射波信号の強度は強く、2GHzの周波数帯域までなら、電磁波の性質から必ずピークが含まれるからである。すなわち、アスファルト中の電磁波速度は、真空中の電磁波速度を3x1010cm、舗装材であるアスファルト混合物の比誘電率を6とすれば、次式と
・・・・式(4)
波長λと周波数fとの関係から、
・・・・式(5)
周波数帯域500MHzでも、両式より波長λは、約25cmであり、ピークが含まれ、この深さ範囲での最大値によるオーバーレイ処理は好適である。
<反射波強度解析> − 異常箇所の抽出ルールR1
3次元処理したレーダーデータを鋼床版面の反射が位置する深さ(例えば、7cm程度)から以深について、上記で特定した解析に最適な深さ範囲をオーバーレイ表示し、健全箇所と推定できる反射強度の強い部分とのコントラスト差がある表示強度が弱い箇所を剥離や舗装劣化の可能性がある異常箇所として表示現出されている。
抽出する箇所は、3次元データを表示する解析ソフトにより、異常箇所の表示をマウスで選択(クリック)することで、所定の範囲(ユーザー設定)のグリッドが枠線により囲われて表示される。
<反射波形状解析> − 工作物の検定ルールR2
異常箇所として抽出した部分について、平面的な表示形状、および3次元レーダーデータに付随する路面映像(路面表面の画像)から、人工物、人為的な構造によるものか、損傷・劣化であるのかを判断・選択する。人工物は、一般的に矩形等の定型な平面形状を有しており、損傷・劣化の場合は不定形状となる。
<舗装損傷分類判定ルールR3>
舗装損傷分類には、舗装劣化、剥離並びにその他の分類があって、その他はさらにひび割れ、滞水、路面劣化及びブリスタリング等に細分されることが好ましい。
以下の基準で損傷部位を舗装劣化又は剥離に分類管理する。
○剥離の判定・・・・ 周辺の健全と推定できる部分とのコントラスト差がさほど大きくなく、その境界が舗装劣化のような急峻な変化ではなく、少し緩やかに変化する場合には、剥離と判定することができる。
図11は、剥離鋼床版深さ5cmの水平面反射波強度分布図(ケース1)、図12は同深さ7cmのもの(ケース2)、図13は同オーバーレイ40cmの水平面反射波強度分布図である(ケース3)。図14に、ケース1及び2の行路を示す。ケース1は、舗装内部の一次反射波模式図であり、ケース2は、鋼床版の初回の反射波模式図である。したがって、ケース1では、往復で10cm舗装内部を透過した波について測定している。図15は、ケース3のオーバーレイ40cmの場合の行路模式図を示す。
ケース3では、多重反射波についての測定を行う。鋼床版で3回までの多重反射波を測定するもので、鋼床版から40cmまでの行路長を255にスライスし各スライス面での多重反射波の最大値を検査し、最大値をオーバーレイ処理値として採用する。以下、各ケースの探査結果を説明する。
図11では、全体がほぼ均一に白っぽく表示され、損傷部位と健常部位の境界らしきものは見当たらない。図12では、一部に斑な部分が散見されるが、全体が白っぽくなっている中央から右寄りの領域に損傷部位がないとはまだ判定できない。ここで、オーバーレイ処理を施した図13では、これまで白っぽく映っていた箇所も全体に斑な領域が現れ、損傷部位がほぼ全面に亘っていることが判明した。境界部のコントラスト変化はさほど急峻でなく、白っぽい性状を呈している箇所には剥離が表示現出されている。
○舗装劣化の判定・・・・ 周辺の健全と推定できる部分とのコントラスト差が大きく、その表示境界の変化が急峻で、表示強度の違いがくっきりと表れ、舗装劣化が表示現出されている。
図14は、劣化鋼床版深さ5cm水平面反射波強度分布図、図15は同深さ7cmのもの、図16は、同オーバーレイ40cm水平面反射波強度分布図である。
図14では、全体がほぼ均一に白っぽく表示され、損傷部位と健常部位の境界らしきものは見当たらないのは、図11の場合と同様である。これらの例が示すように深さ5cmの浅い領域に解析範囲を絞ると全体がほぼ均一に白っぽく表示され損傷部位と健常部位の判別が困難である。図15では下半分は健常領域っぽく見受けられるが、上部については図11同様にほぼ均一に白っぽく表示され、損傷部位であるのか健常部位であるのか判然としない。ここで、オーバーレイ処理を施した図13では、これまで白っぽく映っていた上半分にもコントラストが出て、健常部位が整然と出現し、結局、図16で楕円で囲んだ白模様の領域の境界のコントラスト変化が急峻で、表示強度の違いがくっきりと表れているところ、劣化箇所が表示現出されていることがわかる。
これらに割り当てられないものとして、ひび割れ、滞水、路面劣化及びブリスタリングがあり、これらも細分管理されることも好ましい。細分管理の目安は、損傷部位全体に占める割合が10%を超えるようになれば、剥離・劣化と並び独立して分類整理する対象とすべきことは今日の経験則が教えるところである。
<ブロック表示での分類識別F3>
症状(「剥離」、「舗装劣化」)の分類は、上記判定の際に抽出されたグリッド表示の枠線の色設定を変えたレイヤー表示で解析データ上での識別を行う。
図19は、判定結果グリッド表示図である。14A、14Bは第一次解析の場合を示す、第二次解析工程の場合である14C、14Dに比し、4倍の大きさのグリッドで対象面Rを分割表示している。グリッド140で損傷可能性のある部位141が発見されたとき、グリッド140は色付き表示されグリッド142と表現される。
第二次解析工程に入ると、グリッド142以外の箇所には、損傷可能性がある部位が第一次解析工程で判定されていないため、第二次解析工程の解析対象外である。グリッド142は、143、144とその隣接グリッド、合計4つの小グリッドから構成される。そうすると、詳細には143、144に跨り、損傷部位141が存することが判明している。損傷部位の分類を確定後、145、146の小グリッドを剥離、劣化又はその他損傷事由に区分し、色分け表示する。
損傷の可能性がある部位141がグリッド140で発見されたとき、14Bに示すように140のグリッドは色付きグリッド142で表示される。
第二次解析では、より小さなグリッドで解析を行い、損傷部位はグリッド143、144に跨っており、14Dに示すようにグリッドは色付きグリッド145、146で表示される。各々の目的に応じ、表示解像度を変更させている。
<第一次解析工程A2>
本工程では、粗いメッシュで損傷の可能性があるグリッドの特定を行う。探査対象面下の水平面を保管されているデジタルフレームデータから作成し、舗装損傷位置と損傷部位の広がりと大体の深さをオーバーレイ処理により求める。以下、説明する。
オーバーレイ処理は、範囲を指定すると自動で実施できるので、対象面全体に対しても、特定の支間区間について解析を実施することも自由にできる。
一括でオーバーレイ処理を行い、損傷部位を特定し、グリッドと位置を保存する。
損傷部位が多く発生する箇所では、一次解析でも深さ範囲のバリエーションを工夫して一次解析として漏れがないように、誤診のないようにする。
電磁波レーダー搭載の探査車で計測した鋼床版のデータを解析するため、3次元化処理装置で3次元化する。3次元化処理されたデータの全体にわたって、深さ方向に数段階のオーバーレイ処理を行い、損傷劣化の現象を抽出しやすそうなオーバーレイ厚さを特定する。その目安としては、各段階(深さ)のオーバーレイ表示(平面スライス画像)において、白黒表示の不連続性が、どの深さの段階で顕著に見られているのかを処理されたデータの全体像から把握し、解析するデータに対して、損傷・劣化が抽出しやすい最適なオーバーレイ表示厚さを特定する。
この手順により、最適な厚さ(深さ範囲)でまとめた1枚の水平スライス断面画像から損傷劣化の可能性がある異常箇所を抽出していくことが可能となり、各段階の深さ毎のオーバーレイ水平スライス画像を見て、損傷・劣化箇所(異常箇所)を抽出していく手間が省け、効率向上となるし、そもそも、各段階の単一の深さのみからの情報では、損傷部位の表示現出には十分ではないのである。
本第一次解析工程A1を行った後には、複数のグリッドをまとめた形式で損傷部位可能性マップが完成する。該当するグリッドは、グリッド表示の枠線内の色設定を変えたレイヤー表示され、解析データ上で識別可能となっている。
判定基準のキャリブレーション、検証として、異常の検知とされた損傷部位を限定された数について開削し非破壊検査からの判定としての検証を行い、判定が妥当であることを確かめ、第二次解析行程へ進む。
<第二次解析行程A3>
第一次解析工程で異常の特定されたグリッドについて、より詳細に探査し、損傷分類別に特定の確度を上げ補修の実施計画をする。
実施する内容は、第一解析工程と同様であり、分析対象グリッドを小さくし補修対象路面を絞り、補修の時期的、予算的負担を軽減する。
本第二次解析工程を行った後には、グリッド単位に損傷部位情報が損傷分類の判定とともに保管され、鋼床版舗装損傷マップが完成する。
以上のように解析工程では、現地計測工程A1で記録・保存されたレーダー反射波の内容を分析することにより鋼床版舗装部の多重反射波信号から舗装内部の異常個所を抽出し、損傷分類を判定し、補修実施計画ために追加の二次解析工程を分析対象グリッドを小さくしてコンパクトに行う。補修対象路面を絞り、補修の時期的、予算的負担を軽減する効果を与える。
以上の工程処理をまとめると、
対象面Rの水平面画像90を作成する場合、特定の管理単位であるグリッド面毎にデータを呼出し、画像90作成することができ、複数のグリッドを選択し、並べて画像90を作成し、比較検討する。
オーバーレイ処理装置16により、オーバーレイスライス面画像96を作成するときには、複数のグリッドを一度に処理してもよいし、マウスで指定した範囲のグリッドについて処理してもよく、そのときには、グリッド40の指定する深さから深さ範囲(深さ方向厚さ)を指定し、指定範囲の多重反射波データで保持するものの深さ方向での最大値がその面位置でのオーバーレイ処理機能F2により処理保存され、三次元表示機能F3によりオーバーレイ処理表示96上のグリッド97として面表示される。
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、図2に示す、点線で囲んだ計画工程は本発明の範囲外であるが、計画情報の受け渡しに必要な範囲のインターフェース機能が含まれることは言うまではないことであり、これらの情報は、データ処理装置14及びオーバーレイ処理/三次元画像化処理装置16と車載LANを通じて授受されることも言うまでもない。
本発明は、鋼床版舗装の安全性評価と保全に適用可能なものである。
R…対象面、a…センサ、k…コントロールユニットbを含む電磁波レーダーシステム、10…探査車、11…光学式距離計、12…カメラ、13…GPS装置、14…データ処理装置、15…制御装置、16…オーバーレイ処理/三次元画像化処理装置、40…反射波検出位置、50…反射波データ、90…水平面画像、S1…工程フロー、A1…現地計測工程、A2…第一次解析工程、A3…第二次解析行程、RU…判定ルールセット、R1…異常個所抽出ルール、R2…反射波形状解析による人工物検定ルール、R3…舗装内部損傷分類判定ルール、F1…検査波照射/反射波検出及びA/D変換処理機能、F2…オーバーレイ処理機能、F3…三次元表示機能、α…アスファルト舗装、β…鋼床版

Claims (8)

  1. 鋼床版施設の対象面下の舗装損傷を探査する方法であって、前記対象面の上方から対象面上の検査点へ電磁波レーダーを照射し、該電磁波レーダーの多重反射波データを最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えて時系列検出し、検出信号をアナログ/デジタル変換し、変換後の時系列多重反射波データを保存する工程と、
    前記対象面の検査点における該多重反射波の時系列反射波強度を最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えた部分を含む観測窓時間内でオーバーレイ処理する工程と、
    該オーバーレイ処理後の対象面上の検査点の反射波強度を前記対象面の水平面画像として表示し、舗装損傷部を損傷部位と健常部位の画像強度の差異によって表示現出する工程と、
    を備える鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  2. 前記オーバーレイ処理は、反射波の各測定位置の深さ方向で観測される時系列多重反射波強度の前記最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えた部分を含む観測窓時間内での最大値を評価関数とすることを特徴とする請求項1項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  3. 前記多重反射波の時系列反射波強度は、前記最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えた部分を含む観測窓時間と電磁波速度から算出される所定の仮想深さ範囲で前記オーバーレイ処理を行った水平面画像を比較選定し、舗装損傷部をコントラスト高く表示現出することを特徴とする請求項1項又は2項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  4. 前記所定の仮想深さ範囲は、鋼床版深さから段階的に深くし、又は仮想深さ範囲を変化させ最もオーバーレイ処理後の損傷部位を際立たせ、コントラスト高く表示現出する仮想深さ範囲とすることを特徴とする請求項3項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  5. 前記コントラストの設定では、鋼床版が構成する橋桁支間のジョイント鋼板からの反射波強度を用い正規化した時系列多重反射波の反射波強度水平面画像を用いる請求項3項又は4項記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  6. 請求項1項〜5項のいずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法を用いて表示現出される前記舗装損傷部は、舗装劣化又は剥離を少なくとも一つ含む舗装損傷範疇に分類されることを特徴とする請求項1項〜5項のいずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  7. 最初の鋼床版反射波の検出時刻を超えて時系列検出し、検出信号をアナログ/デジタル変換した前記時系列多重反射波を、レーダー照射開始時刻、反射波受信時刻、真空中の電磁波速度及び舗装部の比誘電率から算出される仮想深度により多重反射波データを深さ方向で管理する請求項1〜6いずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
  8. 前記損傷部位境界の判定には、時系列多重反射波の位相反転を利用せず反射波強度の差異に基づくことを特徴とする請求項1〜7項のいずれか一項に記載の鋼床版舗装の損傷を探査する方法。
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