JP2005233865A - 構造部材の腐食判定方法および装置 - Google Patents

構造部材の腐食判定方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低周波の超音波を使用し、個々の多重エコーを識別することなく、簡易な技術によって信頼性高く構造部材の内面腐食の有無を判定することができる方法および装置を提供する。
【解決手段】表面および裏面を有する構造部材5の表面7に配置された超音波探触子1によって前記構造部材の内部に向けて超音波パルスを送信し、前記超音波パルスが前記構造部材の裏面6および表面で反復反射することによって生じる超音波エコー8,9を検出し、前記構造部材の裏面が健全なときは前記超音波エコーが大きく、前記構造部材の裏面に腐食部が存在するときは前記超音波エコーが小さいという事実を利用して前記構造部材の腐食判定を行う構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼管の内面のような目視することのできない部分の腐食を判定する構造部材の腐食判定方法および装置に関する。
鋼管の内面のような目視することのできない構造部材の腐食を判定する装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものが知られている。この装置は、図6に示すように、超音波送信手段21、超音波受信手段22および信号処理装置23を備え、図7に示すように、鉄塔等の構造部材5の裏面からの多重超音波エコーB1〜B5を分離して検出する。次に、受信した超音波多重エコーレベルを対数変換し、図8に示すように、各多重エコーの伝搬時間(周期n)と対数変換したエコーレベル(Bn)の関係をプロットする。腐食判定の方法は、図9に示したP、A(勾配)、S(面積)およびLを測定し、これらの重回帰直線により、健全部と腐食部をしきい値で判定するものである。
特開平6−258301号公報
上記特許文献1に記載されている方法においては個々の多重エコーを分離する必要がある。しかし、構造部材5の板厚が薄くなると、個々の多重エコーが近接し分離できなくなるため、この方法は適用できない。また、超音波の周波数を上げれば薄板の場合でも個々の多重エコーの分離は可能となるが、超音波の周波数を上げると、超音波の減衰が大きくなり、検出できる多重エコーの数が少なくなる。このため、減衰の傾きの測定精度が低下し、腐食の判定結果の信頼性が低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、低周波の超音波を使用し、個々の多重エコーを識別することなく、簡易な技術によって信頼性高く構造部材の腐食の有無を判定することができる方法および装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は構造部材の腐食判定方法であり、表面および裏面を有する構造部材の表面に配置された超音波探触子によって前記構造部材の内部に向けて超音波パルスを送信し、前記超音波パルスが前記構造部材の裏面および表面で反復反射することによって生じる超音波エコーを検出し、前記構造部材に腐食部が存在する場合は健全な場合に比べて前記超音波エコーが小さいとして前記構造部材の腐食判定を行う方法とする。
請求項2の発明は構造部材の腐食判定装置であり、表面および裏面を有する構造部材の表面に配置されて前記構造部材の内部に向けて超音波パルスを送信するとともに前記構造部材の裏面および表面で反射した超音波パルスを受信する超音波探触子と、前記超音波探触子に送信超音波パルス用電気信号を印加するとともに前記超音波探触子が受信した前記反射超音波パルスを超音波エコーとして検出する超音波送受信装置と、前記超音波送受信装置に接続され、前記超音波エコーを観測する波形観測装置と、前記超音波送受信装置の超音波エコー信号出力を観測可能な電圧もしくは電流信号に増幅し変換した信号を時系列にサンプリングしてディジタル化するアナログ・ディジタル変換器と、前記得られた時系列のディジタル信号を処理する信号処理部と、前記処理した信号から前記構造部材の腐食の有無を判定する結果判定部と、前記判定した結果を表示する表示部とを備えている構成とする。
請求項3の発明は、前記信号処理部は、時系列データを周波数軸のデータに変換する周波数解析部と、前記構造部材の板厚に応じた超音波のエコー時間に相当する着目周波数領域でピークの有意性を統計的に調べるピーク検出部とを備え、前記結果判定部は、有意なピークが認められない場合、あるいは前回の同一構造部材の検査時よりもピークのパワーあるいは強度が小さくなったかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えている構成とする。
請求項4の発明は、前記信号処理部は、各着目データの前後の有限個数のデータを用いて平滑化処理を行う平滑化処理部を備え、前記結果判定部は、前記処理された時系列データが一定のしきい値以上を示す場合、あるいは、前回の同一構造部材の検査時よりも平滑化データの強度が小さくなったかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えている構成とする。
請求項5の発明は、前記信号処理部は、各着目データの前後の有限個数のデータを用いて、平滑化微係数を求める微分処理部を備え、前記結果判定部は、前記平滑化微係数が一定の閾値以上を示す場合、あるいは前回の同一構造部材の検査時よりも平滑化微係数が小さくなったかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えている構成とする。
請求項6の発明は、前記信号処理部は、時系列データあるいは微分処理した時系列データ上から前記構造部材の超音波入射側と対向する面からのエコーによる離散的なピークの時間的位置を求めて前記ピークを指数関数に適合させる包絡線演算部を備え、前記結果判定部は、前記求めた包絡線が前回の同一構造部材の検査時に得られたものと異なるかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えている構成とする。
請求項7の発明は、前記信号処理部は、前記超音波探触子の出力信号の送出タイミングを時間の原点として複数回の反射信号のディジタルデータを同一時間軸上の信号として順次加算する加算処理部を備えている構成とする。
請求項8の発明は、前記信号処理部は、前記構造部材の初期データを参照波形として当該検査時のデータとの差分をとったデータを後続で処理すべき時系列データとして扱う差分データ処理部を備えている構成とする。
請求項9の発明は、前記信号処理部は、測定で得られた時系列データを所定かい乗したデータを後続で処理すべき時系列データとして扱うかい乗処理部を備えている構成とする。
請求項10の発明は、前記信号処理部は、前記構造部材の初期データを参照波形として当該検査時のデータとの相互相関をとる相関処理部を備え、前記結果判定部は、前記求めた相関係数があらかじめ設定した閾値以上か否かを判定する判定手段を備えている構成とする。
請求項11の発明は、前記信号処理部は、時系列データを周波数軸のデータに変換する周波数解析部と、前記構造部材の板厚に応じた超音波のエコー時間に相当する着目周波数領域でピークの有意性を統計的に調べるピーク検出部とを備え、前記結果判定部は、周波数領域で前記ピーク値を与える3個の周波数のそれぞれの周波数差から板厚値を計算する板厚演算機能と、閾値を設け前記構造部材の既知の設計板厚値と演算板厚値との差または比の値により演算板厚値が閾値内にあるかどうかを比較判定する機能と、この判定機能を利用して前記構造部材の腐食状態を判定する判定手段を備えている構成とする。
請求項12の発明は、前記演算板厚値に相当するピークのピーク値を統計的に比較判定する判定手段を備えている構成とする。
本発明によれば、低周波の超音波を使用し、個々の多重エコーを識別することなく、簡易な技術によって信頼性高く構造部材の腐食の有無を判定することができる。
(実施例1)
図1,図2を参照して本発明の第1の実施例を説明する。本実施例の構造部材の腐食判定装置は、図1(a)に示すように、超音波探触子1と、超音波探触子移動機構2と、超音波探触子1に接続され超音波探触子1に送信パルスを印加するとともに超音波探触子1で受信した超音波エコーを検出する超音波送受信装置3と、超音波送受信装置3に接続され、超音波エコーを観測する波形観測装置4を備えている。超音波探触子1は通常の圧電探触子でも電磁超音波探触子でもよい。また、超音波のモードは構造部材5中を伝搬するのであれば縦波でも横波でもよい。
このように構成された腐食判定装置において、超音波送受信装置3から電気パルス信号を超音波探触子1に加え超音波パルスを発生させる。被検査材である構造物部材5の裏面6で超音波パルスは反射し、構造部材表面7に戻ってくる。戻ってきた超音波パルスは超音波探触子1によって電気信号に変換され、超音波送受信装置3に入力される。超音波送受信装置3の受信出力は、波形観測装置4に入力される。
構造部材の裏面6で反射して戻ってきた超音波パルスの一部は、超音波探触子1によって検出されるが、他は表面7で反射し、再び、構造部材5中を伝搬し、構造部材底面6で反射して、再度、超音波探触子1によって検出される。このようなプロセスが繰り返し起こるため、超音波送受信装置3の受信出力には、図1(b)に示すような多重反射エコー8が観測される。
図1(b)に示した多重反射エコー8は、構造部材5の板厚が比較的厚い場合で、個々のエコーB1〜B6が明瞭に分離できている。構造部材5の板厚が薄い場合の超音波多重エコー9は図1(c)のようになり、個々のエコーを分離することができなくなるが、図1(b)の多重エコー8と同じ反射回数では、多重エコー9の減衰は少なくなる。
図2に示すように、構造部材5の裏面6に腐食部10が存在すると、超音波パルスは、腐食部10で散乱し、多重エコー9は減少するため、ほぼ、ノイズレベルVnとなる。従って、波形観測装置4の出力波形としては、構造部材5に腐食がある場合には出力電圧Voが減少し、腐食がない健全な場合には出力電圧Voが上昇する。この間にしきい値を設定し波形観測装置4の出力電圧Voを測定することによって構造部材5の腐食の有無を判定できることとなる。
このように、本実施例では、個々の多重超音波エコーを分離・識別することなく、被検査材である構造部材の腐食を検出することができるので、低周波数の超音波でも薄板の腐食の判定を行うことができる。
(実施例2)
つぎに本発明の第2の実施例を図3を参照して説明する。この第2の実施例の構造部材の腐食判定装置は図1(a)に示すように、超音波探触子1と、超音波探触子移動機構2と、超音波探触子1に接続され超音波探触子1に送信パルスを印加するとともに超音波探触子1で受信した超音波エコーを検出する超音波送受信装置3と、超音波送受信装置3に接続され、超音波エコーを観測する波形観測装置4を備えている。
またこの実施例の腐食判定装置は、超音波送受信装置3の出力を観測可能な電圧もしくは電流信号に増幅・変換した信号を時系列にサンプリングしてディジタル化するAD(アナログ・ディジタル)変換器11と、得られた時系列のディジタル信号群を処理する信号処理装置12と、処理した信号から構造部材5の腐食の有無を判定する結果判定部13と、判定した結果を表示する表示装置14とを備えている。
この実施例は、超音波送受信装置3の出力を波形観測装置4と並列にAD変換器11に入力し、超音波信号をアナログ/ディジタル変換を行うとともに、AD変換11の出力を信号処理装置12に入力してソフトウェアで処理を行い、結果判定部13で腐食の有無を判定し、その結果を表示装置14に表示することにより、構造部材5の内面等の腐食の有無を検査員に分りやすく提示することができる。
またこの実施例の構造部材の判定装置においては、超音波送受信装置3の出力信号を処理して腐食部と健全部の識別を容易にし、信頼性の高い腐食判定を行うことができる。
(実施例3)
つぎに図4,図5を参照して本発明の第3の実施例を説明する。この実施例は、前記第2の実施例において信号処理装置12に周波数分析機能を持たせたものである。図4は検査で実際に得られた超音波多重エコー9の時系列信号である。データ採取の条件は、超音波周波数が2MHzで、被検査構造部材は厚さが2mmのステンレス鋼鈑である。図4の時系列信号を周波数変換すると図5に示したような結果が得られる。主ピーク15は、超音波エコー信号自体の周波数スペクトルであり、これよりも高い周波数の部分に見られる副ピーク16が、多重エコーの繰り返しによるスペクトルである。
下記参考文献1によれば、搬送波の周波数がfcで、この搬送波信号に繰り返し信号Δfの信号が重畳しているような振幅変調波を周波数分析すると、周波数が、fc−Δf(低域側波帯)、fc(搬送波)およびfc+Δf(高域側波帯)のところにピークが現れる。主ピーク(搬送波)15の周波数と副ピーク(高域側波帯)16の周波数の差Δf(Hz)を測定すれば、被検査材の板厚T(m)は、次の(1)式によって計算される。
Figure 2005233865
ここで、v(m/sec)は被検査材中の音速度であり、ステンレス鋼の場合には、3240m/secである。
参考文献1:南茂夫著「科学計測のための波形データ処理−計測システムにおけるマイコン/パソコン活用技術−」CQ出版社、pp140〜142.
図5からΔf=784.262kHzであるので、(1)式に代入して板厚Tを計算すると、T=2.07mmとなる。今回の測定例では、高域側波帯は明瞭に現れ、低周波側周波数が不明瞭であったが、腐食の判定には、これらの全ての周波数スペクトルを利用することが可能である。
以上のように、超音波多重エコー信号を周波数分析すると、超音波エコーの周波数スペクトルと多重信号の繰り返しに相当するスペクトルが得られる。検波出力と繰り返し信号のスペクトルのピーク値の両者が観測された場合には、多重エコーが得られていることになるので、構造部材の裏面では超音波の散乱はなく、構造部材は腐食の影響を受けてないと判定される。
もし、検波出力のノイズ成分が大きく、ある一定の検波出力が得られた場合でも、スペクトルのピーク値が得られない場合には、超音波の散乱が起こっており、腐食が発生していると判断できる。また、前回の測定結果と比較してスペクトルのピーク値が低下した場合にも、腐食が発生していると判断可能である。このように、検波出力だけでは判定が困難な場合でも、周波数分析結果を使用することによって腐食の判定を行うことができる。
このように第3の実施例の構造部材の腐食判定装置では、板厚値に応じたスペクトルのピーク値を腐食の判定データとして利用できるので、信頼性の高い判定結果が得られる。
(実施例4)
本発明の第4の実施例の構造部材の腐食判定装置は、前記第2の実施例における信号処理装置12に、着目している時間範囲の多重エコーデータを用いて平滑化処理を行う平滑化処理部を備え、処理された多重エコーの時系列データが一定のしきい値以上を示す場合、あるいは前回の同一対象箇所の検査時よりも平滑化データの強度が小さくなったかどうかを統計的に比較検討する手段を備えている構成である。平滑化の方法は、例えば、前記参考文献1のpp84〜94にあるように、移動平均法、多項式法等を使用することができる。
例えば、移動平均法については次のように行う。AD変換器11によってディジタル化された多重超音波エコーの時系列データをx(i)(ただし、i=1,2,3,…,n)とすると、これらの移動平均値y(i)は次の(2)式のように計算される。
Figure 2005233865
この演算を行うことにより、多重超音波エコーの移動平均が得られ、平滑化が行われる。この平滑化データの強度に対し、しきい値を設定し、しきい値以上であれば、腐食はないと判定し、しきい値以下であれば、腐食が起こっていると判定する。
この第4の実施例によれば、超音波多重エコーの平滑化データを使用し、しきい値により腐食の有無を判定できるので、信頼性の高い腐食判定を行うことができる。
(実施例5)
本発明の第5の実施例は、前記第2の実施例における信号処理装置12に、着目している時間範囲の多重エコーデータの平滑化微係数を求める微分処理を行い、微分処理を行った時系列データが一定のしきい値を示すかどうか、あるいは、前回の同一対象箇所の検査時よりも平滑化データの強度が小さくなったかどうかを統計的に比較検討する手段を備えている構成である。微分処理の方法は、前記参考文献1に示されているが、例えば次のように行う。
AD変換器11によって、ディジタル化された多重超音波エコーの時系列データをx(i)(ただし、i=1,2,3,…,n)とし、重み係数をw(j)とすると、微係数y(i)は次のように計算される。
Figure 2005233865
Figure 2005233865
ここで、w(j)は、定数として与えられる。
反射回数の多い多重エコーは減衰が大きくなるが、この第5の実施例によれば、信号が減衰しても微分操作により信号を強調することができる。そのため、腐食判定の信頼性が向上する。
(実施例6)
多重エコーの時系列データあるいは時間微分処理を施した多重エコーの時系列データは指数関数的に変化する。本発明の第6の実施例は、前記第2の実施例における信号処理装置12において、超音波の時系列データの包絡線の式を求め、以前のデータと時定数を比較することにより、腐食の有無を判断するものである。この方法と検波出力を併用することにより、信頼性の高い腐食の判定を行うことができる。
(実施例7)
本発明の第7の実施例は、第2の実施例における信号処理装置12において、超音波多重エコー時系列信号を加算処理するようにした構成である。周知のように、ノイズレベルVnは、下記(5)式に示すように、加算回数Nの平方根に反比例して減少する。
Figure 2005233865
これにより、多重エコー信号が大きくなるとともに、雑音成分は減少するので、信号/雑音比が向上する。このことにより、検波出力値が明瞭になり、腐食の判定の信頼性が向上する。
(実施例8)
本発明の第8の実施例は、第2の実施例における信号処理装置12において、検査対象構造部材の初期超音波エコーを参照データとして、当該検査時のデータとの差分をとったデータを後続で処理すべき時系列データとして扱うことを特徴としている。
この実施例によれば、前回のデータとの比較が容易であり、信号の変動分を容易に検知することができるので、腐食の有無の判定の信頼性が向上する。
(実施例9)
本発明の第9の実施例は、第2の実施例における信号処理装置12において、超音波多重エコーの時系列データまたは時間微分を施した多重エコーの時系列データを所定の階乗処理することを特徴とする。
この処理により、信号成分は増加し、雑音成分は減少する。このため、信号/雑音比が向上し、検波出力が明瞭となり、信頼性の高い腐食判定を行うことができる。
(実施例10)
本発明の第10の実施例は、第2の実施例における信号処理装置12において、検査対象構造部材の初期超音波エコーを参照データとして、現在の検査結果との相関処理を行うことを特徴としている。
相関処理によって相関係数を算出し、相関係数があらかじめ設定したしきい値以上か否かを判定することによって信頼性の高い腐食判定を行うことができる。
(実施例11)
本発明の第11の実施例は、第2の実施例に示した周波数分析結果を利用するものである。
検査対象構造部材の板厚値が既知の場合、これを設計板厚値T0(m)とする。図5において、主ピーク(搬送波)15の周波数と副ピーク(高域側波帯)16の周波数差ΔfH(Hz)を測定すれば、(1)式に示したように、構造部材の板厚値TH(m)を計算することができる。前記参考文献1によれば、低域側波帯のピークも同様に観測されるので、図5において、主ピーク15の周波数と図示されていない低域側の副ピーク(低域側波帯)周波数差ΔfL(Hz)を測定し、(1)式により被検査体の板厚値TL(m)を計算することができる。
測定したTLおよびTHを使用して次のようなバラメータを定義する。
Figure 2005233865
Figure 2005233865
所定の閾値αを設定すると、測定したTLおよびTHは次のように分類できる。
ケース1:ΔTL<αおよびΔTH<α
ケース2:ΔTL<αかつΔTH>α または ΔTL>αかつΔTH<α
ケース3:ΔTL>αかつΔTH<α
各ケースの意味合いは、次のとおりである。
ケース1:計測板厚値は両者とも閾値範囲内にある。
ケース2:どちらか一方の計測板厚値は閾値範囲外にある。
ケース3:計測板厚値は両者とも閾値範囲外にある。
これに基づいた腐食判定方法としては、例えば、次のようになる。
ケース1:腐食は発生していない。
ケース2:腐食が発生している可能性がある。
ケース3:腐食が発生している。
このように分類することによって、腐食発生の状況をさらに詳細に把握することができ、信頼性の高い腐食判定を行うことができる。
なお、この第11の実施例において、それぞれの計測板厚値に基づいたピーク値に関して、第3の実施例で示したようにそれぞれの板厚値のスペクトルピーク値を統計的に比較判定することによって、腐食の発生状況をさらに詳細に把握することができ、判定の信頼性がさらに向上する。
本発明の第1の実施例を示し、(a)は腐食判定装置の構成図、(b)は超音波多重エコーの波形図、(c)は板厚が薄い場合の超音波多重エコーの波形図。 本発明の第1の実施例において検査対象構造部材に腐食部分が存在する場合を示し、(a)は検査状況を示す図、(b)は波形観測装置の出力波形を示す図。 本発明の第2の実施例の構造部材の腐食判定装置を示すブロック図。 本発明の第3の実施例において、検査によって得られた分離が困難な超音波多重エコーを示す波形図。 図4に示した超音波多重エコーを周波数解析した結果を示す曲線図。 従来の構造部材の腐食判定装置を示すブロック図。 従来の構造部材の腐食判定装置で得られる超音波多重エコーを模式的に示す図。 従来の構造部材の腐食判定方法において腐食を判定するためのパラメータを説明する図。
符号の説明
1…超音波探触子、2…超音波探触子移動機構、3…超音波送受信装置、4…波形観測装置、5…構造部材、6…構造部材裏面、7…構造部材表面、8…超音波多重エコー、9…薄板の場合の超音波多重エコー、10…腐食部、11…AD変換器、12…信号処理装置、13…結果判定部、14…表示装置、15…主ピーク(搬送波)、16…副ピーク(高域側波帯)、21…超音波送信手段、22…超音波受信手段、23…信号処理装置、B1〜B6…超音波エコー、Vo…出力電圧、Vn…ノイズレベル。

Claims (12)

  1. 表面および裏面を有する構造部材の表面に配置された超音波探触子によって前記構造部材の内部に向けて超音波パルスを送信し、前記超音波パルスが前記構造部材の裏面および表面で反復反射することによって生じる超音波エコーを検出し、前記構造部材に腐食部が存在する場合は健全な場合に比べて前記超音波エコーが小さいとして前記構造部材の腐食判定を行うことを特徴とする構造部材の腐食判定方法。
  2. 表面および裏面を有する構造部材の表面に配置されて前記構造部材の内部に向けて超音波パルスを送信するとともに前記構造部材の裏面および表面で反射した超音波パルスを受信する超音波探触子と、前記超音波探触子に送信超音波パルス用電気信号を印加するとともに前記超音波探触子が受信した前記反射超音波パルスを超音波エコーとして検出する超音波送受信装置と、前記超音波送受信装置に接続され、前記超音波エコーを観測する波形観測装置と、前記超音波送受信装置の超音波エコー信号出力を観測可能な電圧もしくは電流信号に増幅し変換した信号を時系列にサンプリングしてディジタル化するアナログ・ディジタル変換器と、前記得られた時系列のディジタル信号を処理する信号処理部と、前記処理した信号から前記構造部材の腐食の有無を判定する結果判定部と、前記判定した結果を表示する表示部とを備えていることを特徴とする構造部材の腐食判定装置。
  3. 前記信号処理部は、時系列データを周波数軸のデータに変換する周波数解析部と、前記構造部材の板厚に応じた超音波のエコー時間に相当する着目周波数領域でピークの有意性を統計的に調べるピーク検出部とを備え、前記結果判定部は、有意なピークが認められない場合、あるいは前回の同一構造部材の検査時よりもピークのパワーあるいは強度が小さくなったかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  4. 前記信号処理部は、各着目データの前後の有限個数のデータを用いて平滑化処理を行う平滑化処理部を備え、前記結果判定部は、前記処理された時系列データが一定のしきい値以上を示す場合、あるいは、前回の同一構造部材の検査時よりも平滑化データの強度が小さくなったかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  5. 前記信号処理部は、各着目データの前後の有限個数のデータを用いて、平滑化微係数を求める微分処理部を備え、前記結果判定部は、前記平滑化微係数が一定の閾値以上を示す場合、あるいは前回の同一構造部材の検査時よりも平滑化微係数が小さくなったかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  6. 前記信号処理部は、時系列データあるいは微分処理した時系列データ上から前記構造部材の超音波入射側と対向する面からのエコーによる離散的なピークの時間的位置を求めて前記ピークを指数関数に適合させる包絡線演算部を備え、前記結果判定部は、前記求めた包絡線が前回の同一構造部材の検査時に得られたものと異なるかどうかを統計的に比較判定する比較判定手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  7. 前記信号処理部は、前記超音波探触子の出力信号の送出タイミングを時間の原点として複数回の反射信号のディジタルデータを同一時間軸上の信号として順次加算する加算処理部を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  8. 前記信号処理部は、前記構造部材の初期データを参照波形として当該検査時のデータとの差分をとったデータを後続で処理すべき時系列データとして扱う差分データ処理部を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  9. 前記信号処理部は、測定で得られた時系列データを所定かい乗したデータを後続で処理すべき時系列データとして扱うかい乗処理部を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  10. 前記信号処理部は、前記構造部材の初期データを参照波形として当該検査時のデータとの相互相関をとる相関処理部を備え、前記結果判定部は、前記求めた相関係数があらかじめ設定した閾値以上か否かを判定する判定手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  11. 前記信号処理部は、時系列データを周波数軸のデータに変換する周波数解析部と、前記構造部材の板厚に応じた超音波のエコー時間に相当する着目周波数領域でピークの有意性を統計的に調べるピーク検出部とを備え、前記結果判定部は、周波数領域で前記ピーク値を与える3個の周波数のそれぞれの周波数差から板厚値を計算する板厚演算機能と、閾値を設け前記構造部材の既知の設計板厚値と演算板厚値との差または比の値により演算板厚値が閾値内にあるかどうかを比較判定する機能と、この判定機能を利用して前記構造部材の腐食状態を判定する判定手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の構造部材の腐食判定装置。
  12. 前記演算板厚値に相当するピークのピーク値を統計的に比較判定する判定手段を備えていることを特徴とする請求項3および11に記載の構造部材の腐食判定装置。

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JP2010175520A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Kansai Electric Power Co Inc:The 超音波検査装置
JP2015215332A (ja) * 2014-04-21 2015-12-03 ジオ・サーチ株式会社 鋼床版舗装の損傷を探査する方法
JP2017026401A (ja) * 2015-07-21 2017-02-02 新日鐵住金株式会社 管状体の内面検査方法
JP2017078662A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 新日鐵住金株式会社 管状体の内面検査方法

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