JP5737300B2 - 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム - Google Patents

生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、生体情報を写した生体画像を生体認証に利用する生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラムに関する。
近年、情報機器のセキュリティ性能の向上が求められている。特に、携帯電話、スマートフォンまたはタブレット型またはノート型パーソナルコンピュータといった携帯可能な情報機器については、置き忘れまたは盗難といったリスクが高い。そのため、携帯可能な情報機器は、信頼性の高い個人認証機能を有することが求められる。
このような要求に対して、手または指の静脈のパターン、指紋または掌紋などの生体情報を写した生体画像に基づいて、装置またはシステムの利用者を認証する生体認証技術が開発されている。生体認証技術は、利用者の生体情報を個人認証に利用する。そのため、認証精度が十分に高い生体認証技術を採用した個人認証機能を有する情報機器を、利用者本人以外の者が無断で利用するのは困難である。
一方、携帯可能な情報機器は、携帯に適するように装置を小型化するために、限られたハードウェアリソースしか持てないことがある。また、携帯可能な情報機器は、内蔵するバッテリからの電力で動作するため、その情報機器には、消費電力が小さいプロセッサが搭載されている。そして消費電力が小さいプロセッサの処理能力は相対的に低い。また、携帯可能な情報機器の利便性を損なわないようにするためには、短時間で生体認証処理が終わることが好ましい。そのため、携帯可能な情報機器には、認証精度が高く、かつプロセッサに対する負荷が小さい生体認証技術が求められている。そのような要求を満たすべく、様々な生体認証技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。
例えば、特許文献1に開示された技術では、所定の順序で取得された被写体の部分画像が、予め登録された複数の部分画像情報と、その取得順序に従って照合される。
また特許文献2に開示された技術では、認証要求に応じて指静脈パターンにおける照合対象の部位がランダムに決定される。そしてその照合対象の部位に対応する指静脈パターンの一部が、静脈データベースに格納された指静脈パターンの対応する部分と1回または複数回照合される。そしてその全てについて照合されたときに、指静脈パターンの一部を用いて照合された指について、全指静脈パターンを用いて1回または複数回照合され、全て照合したときに認証される。
さらに、特許文献3に開示された技術では、二つの画像の各部分画像の特徴値が求められる。そして一方の画像内の各部分画像について、他方の画像内の最大一致度となる部分画像の位置が探索される。そして一方の画像内での部分領域の位置を測るための基準位置とその部分領域に対応する最大一致度となる位置との関係を示す位置関係量のうち、その位置関係量が所定レンジに該当する部分領域に関する情報から二つの画像の類似度が計算される。そしてその類似度に基づいて二つの画像が一致するか否かが判定される。
さらに、特許文献4に開示された技術では、複数の画像からパターン情報がそれぞれ抽出される。抽出された各パターン情報は、登録パターン情報と順次照合され、登録パターン情報に対応する認証対象を表す照合結果が得られたときに照合の処理が停止される。
特開2004−21615号公報 特開2009−31986号公報 特開2005−149455号公報 特開2006−221256号公報
特許文献1に開示された技術では、生体情報そのものの情報だけでなく、画像の取得順序も照合に利用されるので、セキュリティ性が向上する。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、利用者は、何度も生体情報をセンサに読み取らせ、その都度照合処理が行われるので、認証処理が完了するまでの時間は長く、かつ利用者の手間も掛かる。
また、特許文献2に開示された技術では、ある部位の生体情報の一部について照合するだけでなく、その部位の生体情報全体についても照合処理が行われるので、プロセッサに対する演算負荷が大きく、その結果、認証処理が完了するまでの時間も長くなる。
一方、特許文献3または4に開示されている技術では、ある部位の生体情報の一部が映った部分画像を1枚または複数毎用いて認証処理が完了する可能性があるので、プロセッサに対する演算負荷が軽減される。
しかしながら、上記のように、携帯可能な情報機器のハードウェアリソースは限られているので、プロセッサに対する演算負荷がより軽減されることが好ましい。
そこで本明細書は、十分な認証精度が得られ、かつプロセッサに対する演算負荷が少ない生体認証装置を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、生体認証装置が提供される。この生体認証装置は、利用者の生体情報の互いに異なる一部を撮影した複数の部分画像を生成する生体情報取得部と、登録利用者の登録生体情報に関するデータを記憶する記憶部と、生体情報取得部から複数の部分画像のうちの一つの部分画像を取得した時に、その一つの部分画像に写っている生体情報の一部と登録生体情報との相関値を算出する相関値算出部と、その一つの部分画像についての相関値及びその一つの部分画像よりも前に取得されている少なくとも1以上の他の部分画像についての相関値とに基づいて、その一つの部分画像及び少なくとも1以上の他の部分画像に写っている生体情報の一部が登録生体情報と類似する度合いを表す部分類似度を更新する部分類似度更新部と、部分類似度が認証判定閾値以上である場合に利用者を登録利用者として認証する認証部と、部分類似度が認証判定閾値未満である場合、生体情報取得部からその一つの部分画像の次の部分画像を取得する画像読込部とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された生体認証装置は、十分な認証精度を持ち、かつプロセッサに対する演算負荷を抑制できる。
図1は、生体認証装置の概略構成図である。 図2は、生体情報取得部が有するスライド式センサのセンサ面と指紋との位置関係と、生成される部分画像の例を示す図である。 図3は、第1の実施形態による、生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。 図4は、二つの部分画像と相対位置情報の関係の一例を示す図である。 図5は、複数の部分画像及び登録生体画像と、連結候補の関係の一例を示す図である。 図6は、処理部上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、生体認証処理の動作フローチャートを示す図である。 図7は、処理部上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、生体認証処理の動作フローチャートを示す図である。 図8は、第2の実施形態による、生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。 図9は、第2の実施形態による処理部上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、生体認証処理の動作フローチャートを示す図である。 図10は、上記の各実施形態またはその変形例による生体認証装置が実装された、コンピュータシステムの一例の概略構成図である。 図11は、コンピュータシステムにて生体認証処理が実行される場合における端末とサーバで行われる処理のタイミングチャートである。
以下、図を参照しつつ、様々な実施形態による、生体認証装置について説明する。
この生体認証装置は、利用者に対する生体認証処理を実行するために、利用者の生体情報の一部を表した部分画像を順次取得する。そしてこの生体認証装置は、部分画像に写った生体情報の一部同士の相対的な位置関係及び各部分画像に写った生体情報の特徴を利用して、予め登録されている利用者である登録利用者の登録生体情報との部分的な類似度を求める。その際、生体認証装置は、新たな部分画像が追加的に取得される度に、それまでに求められていた部分的な類似度を、新たに取得された部分画像に写っている生体情報の特徴を考慮して更新する。そして生体認証装置は、部分的な類似度が更新される度に、その部分的な類似度を閾値と比較し、部分的な類似度が閾値以上となった時点で利用者を認証し、生体認証処理を停止する。
本明細書に記載される実施形態では、生体認証装置は、生体認証の対象となる生体情報として指の指紋を利用する。しかし、生体認証の対象となる生体情報は、掌紋、または静脈パターンなど、静止画像に表される他の生体情報であってもよい。
また、本明細書において、「照合処理」という用語は、利用者の生体情報と登録生体情報の類似度合いを表す類似度を算出する処理を示すために使用される。また、「生体認証処理」という用語は、照合処理だけでなく、照合処理の結果を利用して、利用者を認証するか否かを決定する処理を含む、認証処理全体を示すために使用される。
図1は、第1の実施形態による生体認証装置の概略構成図を示す。図1に示されるように、この生体認証装置1は、表示部2と、入力部3と、生体情報取得部4と、記憶部5と、処理部6とを有する。表示部2、入力部3及び生体情報取得部4は、記憶部5と処理部6が収容された筺体とは別個に設けられてもよい。あるいは、表示部2、入力部3、生体情報取得部4、記憶部5及び処理部6は、いわゆるノート型パーソナルコンピュータまたはタブレット型端末のように、一つの筺体に収容されてもよい。
生体認証装置1は、生体情報取得部4により利用者の指の指紋の一部を表す部分画像を順次生成し、その部分画像を用いて生体認証処理を実行する。そして生体認証装置1は、生体認証処理の結果、利用者を登録利用者の何れかとして認証した場合、生体認証装置1が実装された装置をその利用者が使用することを許可する。あるいは、生体認証装置1は、図示しない他の装置へ、利用者が認証された旨を表す信号を送信して、その利用者が他の装置を使用することを許可する。
表示部2は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示装置を有する。そして表示部2は、例えば、生体情報取得部4が適正な部分画像を取得可能な位置へ指を配置させるためのガイダンスメッセージを利用者に対して表示する。また表示部2は、処理部6により実行された生体認証処理の結果を表すメッセージ、あるいはアプリケーションに関連する各種情報などを表示する。
入力部3は、例えば、キーボード、マウス、またはタッチパッドなどのユーザインターフェースを有する。そして入力部3を介して利用者により入力された利用者のユーザ名といったユーザの識別情報あるいはコマンド若しくはデータは、処理部6へ渡される。ただし、利用者が生体情報以外の情報を生体認証装置1に対して入力する必要がない場合、入力部3は省略されてもよい。
本実施形態では、生体情報取得部4は、入力部3と一体的に形成され、入力部3のパームレスト部の右端近傍に配置される。しかし、生体情報取得部4の配置はこの例に限られず、例えば、生体情報取得部4は、パームレスト部の左端近傍に配置されてもよい。また、生体情報取得部4は、入力部3とは分離していてもよい。
生体情報取得部4は、例えば、スライド式の指紋センサを有する。この指紋センサは、例えば、光学式、静電容量式、電界式または感熱式の何れかの方式を採用したセンサとすることができる。そして生体情報取得部4は、利用者がそのセンサに対して指をスライドさせている間に、所定の時間間隔で順次部分画像を生成する。部分画像には、その指の表面の指紋の一部が写されており、複数の部分画像を生成された時間順に連結することで、その指の指紋全体が写った生体画像が合成される。
図2は、生体情報取得部4が有するスライド式センサのセンサ面と指紋との位置関係と、生成される部分画像の例を示す図である。図2に示されるように、スライド式センサのセンサ面201の水平方向の幅は、照合処理に利用される指紋211の短手方向のサイズよりも広く、一方、センサ面201の垂直方向の高さは、指紋211の長手方向のサイズよりも小さい。なお、この例では、指紋211の長手方向は、指の根元から指先へ向かう方向であり、指紋211の短手方向は、指紋211の長手方向に対して直交する方向である。例えば、利用者が、指紋211を含む指210の根元を最初にセンサ面201に近づけ、その後、矢印220に示される方向に沿って、徐々に指210の先端がセンサ面201に近づくように指210を指紋211の長手方向に沿って動かすとする。この場合、最初の時刻T0において指紋211の根元側の部分が写った部分画像221が生成される。その後の各時刻T1〜TNにおいて生成された各部分画像222〜225には、後の時刻で生成されたものほど、指紋211の指の先端に近い部分が写る。
生体情報取得部4は、部分画像を生成する度に、その部分画像を処理部6へ渡す。また生体情報取得部4は、部分画像の読取開始時刻または読取終了時刻を部分画像とともに処理部6へ通知してもよい。
記憶部5は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、または光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。そして記憶部5は、生体認証装置1で使用されるアプリケーションプログラム、少なくとも一人の登録利用者のユーザ名、ユーザ識別番号及び個人設定情報、各種のデータ等を記憶する。また記憶部5は、生体認証処理を実行するためのプログラムを記憶する。さらに記憶部5は、登録利用者それぞれについて、登録利用者の登録生体情報である特定の指の指紋に関するデータを、その登録利用者のユーザ名、パスワードといった登録利用者の識別情報とともに記憶する。この登録生体情報に関するデータは、例えば、登録生体情報に関する特徴量を含む。特徴量は、例えば、登録生体情報を表す画像である登録生体画像から抽出された隆線の端点または分岐点などのマニューシャの種類、位置、局所的な隆線方向を含む。あるいは、登録生体情報に関するデータは、登録生体画像そのものであってもよい。
登録生体情報に関するデータは、所定の圧縮符号化方式に従って符号化され、その符号化されたデータが識別情報とともに記憶部5に記憶されてもよい。さらにまた、情報漏洩に対するセキュリティ性を向上するために、登録利用者の識別情報及び登録生体情報に関するデータは、所定の暗号化方式に従って暗号化され、その暗号化されたデータが記憶部5に記憶されていてもよい。
さらに記憶部5は、生体認証処理が行われる際に生体情報取得部4から取得した複数の部分画像を、各部分画像の受信時刻または他の部分画像に写った生体情報の一部との位置関係を表す相対位置情報などの関連情報とともに記憶する。さらに記憶部5は、各部分画像に写った生体情報の一部に対して登録生体情報の類似する部分の位置を表す一致候補位置の集合である連結候補に関する情報も記憶する。なお、一致候補位置及び連結候補の詳細については後述する。
処理部6は、1個または複数個のプロセッサ、タイマ及びその周辺回路を有する。そして処理部6は、生体情報取得部4から取得した複数の部分画像を用いた生体認証処理を実行する。
図3は、処理部6の機能ブロック図である。図3に示されるように、処理部6は、画像読込部10と、部分特徴量抽出部11と、相対関係情報算出部12と、相関値算出部13と、類似度更新部14と、認証判定部15と、選択部16とを有する。処理部6が有するこれらの各部は、処理部6が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部6が有するこれらの各部は、ファームウェアとして生体認証装置1に実装されてもよい。
処理部6は、生体情報取得部4から部分画像を受信する度に、部分画像及びその受信時刻とともに記憶部5に記憶する。また処理部6は、生体情報取得部4から部分画像の読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を通知されている場合、その読み取り開始時刻または読み取り終了時刻も記憶部5に記憶してもよい。
画像読込部10は、記憶部5から部分画像を一つずつ読み込み、その読み込んだ部分画像を部分特徴量抽出部11及び相対関係情報算出部12へ渡す。さらに画像読込部10は、読み込んだ部分画像の受信時刻も記憶部5から読み込み、その受信時刻を相対関係情報算出部12へ通知する。あるいは、画像読込部10は、受信時刻の代わりに、部分画像の読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を記憶部5から読み込んで、その読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を相対関係情報算出部12へ通知してもよい。
部分特徴量抽出部11は、生体情報取得部4から部分画像を受け取る度に、その部分画像に写った生体情報の一部についての特徴量を抽出する。なお、以下では、便宜上、最新の部分画像を現部分画像と呼ぶ。
部分特徴量抽出部11は、特徴量として、例えば、指紋の隆線の分岐点及び端点といった特徴的な指紋の構造であるマニューシャの位置を求める。そのために、部分特徴量抽出部11は、例えば、現部分画像の画素値を2値化して、隆線を表す画素と谷線を表す画素とを区別する。2値化のための閾値は、例えば、現部分画像の画素値の平均値とすることができる。次に部分特徴量抽出部11は、2値化された現部分画像について、隆線に相当する画素値を持つ画素に対して細線化処理を行うことにより、隆線を表す画素が連結した線を、例えば1画素幅を持つ線に細線化する。そして部分特徴量抽出部11は、隆線の分岐点または端点に対応する2値パターンを持つ複数のマスクパターンを用いて細線化された現部分画像を走査することにより、何れかのマスクパターンと一致するときの、現部分画像上の位置を検出する。そして部分特徴量抽出部11は、検出された位置の中心画素を、マニューシャとし、かつ一致したマスクパターンが表すマニューシャの種類(すなわち、分岐点または端点)を、検出されたマニューシャの種類とする。
なお、部分特徴量抽出部11は、隆線の端点または分岐点をマニューシャとして求める公知の他の方法を用いて、現部分画像からマニューシャを抽出してもよい。さらに部分特徴量抽出部11は、現部分画像に写っている平均的な隆線方向を部分特徴量として求めてもよい。なお、部分特徴量抽出部11は、その平均的な隆線方向を求めるために、隆線方向を求める公知の何れかの方法を利用することができる。例えば、部分特徴量抽出部11は、現部分画像あるいは細線化された現部分画像を周波数変換して様々な方向の周波数成分を調べ、隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向を求める。隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向は、隆線に直交する方向であると推定されるので、部分特徴量抽出部11は、隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向に直交する方向を、隆線の方向としてもよい。
部分特徴量抽出部11は、抽出されたマニューシャの種類及び現部分画像上の位置、または隆線方向といった特徴量を含む部分特徴量情報を現部分画像に対応付けて記憶部5に記憶する。また部分特徴量抽出部11は、部分特徴量情報を相関値算出部13へ渡す。
相対関係情報算出部12は、生体情報取得部4から部分画像を受け取る度に、現部分画像に写っている生体情報の一部と既に受け取っている他の部分画像に写っている生体情報の一部との相対的な位置関係を表す相対位置情報を求める。
本実施形態では、生体情報取得部4はスライド式センサを有し、指がそのセンサに対して相対的に移動している間にそのセンサで読み取った生体情報の一部を写した部分画像を順次生成する。そのため、現部分画像に写っている生体情報の一部は、時間順で一つ前、すなわち、直前の部分画像に写っている生体情報の一部と隣接している。そこで相対関係情報算出部12は、例えば、直前の部分画像を記憶部5から読み込み、現部分画像と直前の部分画像との間で相対的な位置を変えつつパターンマッチングを行って、相互相関値あるいはL1ノルムといった両者の類似度を算出する。そして相対関係情報算出部12は、その類似度が所定の閾値以上となるときの二つの部分画像のそれぞれの基準点間の相対的な位置の差を求める。そして相対関係情報算出部12は、例えば、その位置の差を相対位置情報とする。基準位置は、各部分画像の任意の点、例えば、部分画像の中心または何れかの角に設定される。
また、相対関係情報算出部12は、現部分画像から抽出された複数のマニューシャ同士の相対的な位置関係と同一の位置関係を持つ複数のマニューシャを直前の部分画像上で探索することにより、相対位置情報を求めてもよい。相対関係情報算出部12は、その二つの部分画像に写っている、同一の位置関係を持つ複数のマニューシャの位置の差を相対位置情報とする。
相対位置情報算出部12は、現部分画像について、上記の類似度の値が閾値以上となる位置が複数存在する場合、それぞれの位置ごとに相対位置情報を算出する。あるいは、相対位置情報算出部12は、上記の類似度の値が最大となる位置についてのみ、相対位置情報を算出してもよい。
図4は、二つの部分画像と相対位置情報の関係の一例を示す図である。図4において、現部分画像401の基準点である中心の座標は(a1,b1)であり、直前の部分画像402の基準点である中心の座標は(a2,b2)である。なお、a1、a2は、それぞれ、例えば、生体情報全体が一つの生体画像に写っていると仮定した場合における、その生体画像における水平方向の座標である。なお、垂直方向は、指紋の長手方向に対応し、水平方向は、指紋の短手方向に対応する。また、b1、b2は、それぞれ、その生体画像における垂直方向の座標である。図4に示されるように、現部分画像401と直前の部分画像402の類似度が、その二つの部分画像の中心の水平座標の差がΔh、垂直座標の差がΔvのときに閾値以上となる場合、現部分画像401における相対位置情報は、(Δh,Δv)となる。
この場合、相対関係情報算出部12は、指の移動方向が分かるように、直前の部分画像の中心よりも現部分画像の中心が左である場合と右である場合とで、水平方向の画素数の値の符号を反転させてもよい。また、相対関係情報算出部12は、直前の部分画像の中心よりも現部分画像の中心が上である場合と下である場合とで、垂直方向の画素数の値の符号を反転させてもよい。さらに、相対位置情報は、直前の部分画像における指紋の長手方向に対する、現部分画像における指紋の長手方向の角度のずれ量を含んでもよい。
また相対関係情報算出部12は、相対位置情報の一つとして、現部分画像とその直前の部分画像に写っている生体情報の一部間の距離を、その二つの部分画像の受信時刻の差で割ることで生体情報取得部4に対する指の相対的な移動速度を算出してもよい。この移動速度は、指の移動方向を表すように、例えば、生体情報取得部4に対して指がその根元から指先へ向けて移動した場合に正の値を持ち、一方、生体情報取得部4に対して指が指先から根元へ向けて移動した場合に負の値を持つ。あるいは、移動速度は、生体情報取得部4に対して指がその根元から指先へ向けて移動した場合に負の値を持ち、一方、生体情報取得部4に対して指が指先から根元へ向けて移動した場合に正の値を持ってもよい。なお、相対関係情報算出部12は、移動速度を求めるために、二つの部分画像の受信時刻の差の代わりにその二つの部分画像の読み取り開始時刻の差または読み取り終了時刻の差を用いてもよい。
相対関係情報算出部12は、指の相対的な移動速度も相対位置情報に含める。また、現部分画像について複数の相対位置情報が求められている場合、相対関係情報算出部12は、それぞれの相対位置情報について移動速度も算出する。
相対関係情報算出部12は、現部分画像に対応付けて、相対位置情報を記憶部5に記憶する。
相関値算出部13は、生体情報取得部4から部分画像を受け取る度に、現部分画像に写っている生体情報の一部と、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定される登録生体情報との相関値を算出する。相関値算出部13は、例えば、マニューシャマッチングにより相関値を算出する。この場合、相関値算出部13は、例えば、現部分画像の部分特徴量情報に含まれる、何れかのマニューシャを、登録生体画像から抽出された何れかのマニューシャに位置合わせする。そして相関値算出部13は、部分特徴量情報に含まれる他のマニューシャと登録生体情報から抽出されたマニューシャとが一致する数を求める。なお、相関値算出部13は、二つのマニューシャ間の距離が、例えば、隆線間隔以下であれば、その二つのマニューシャは一致すると判定する。また相関値算出部13は、二つのマニューシャの種類が一致する場合に限り、その二つのマニューシャが一致すると判定してもよい。相関値算出部13は、位置合わせをするマニューシャの組を変えつつ、現部分画像から抽出されたマニューシャと登録生体画像から抽出されたマニューシャとが一致する数を求める。そして相関値算出部13は、現部分画像から抽出されたマニューシャの総数に対する、一致するマニューシャの数の比を相関値とする。また、部分特徴量情報に隆線の方向が含まれている場合、相関値算出部13は、算出された一致数に対応する位置合わせが行われたときの現部分画像上の隆線の方向と、対応する登録生体画像の領域に含まれる隆線の方向との角度差を求めてもよい。相関値算出部13は、その角度差が大きくなるほど相関値が低くなるように、上記の一致数により求められた相関値を補正してもよい。なお、登録生体画像の一部領域における隆線の方向は、例えば、部分画像における平均的な隆線の方向を求めるのと同じ方法を用いて求められる。
あるいは、相関値算出部13は、位置合わせするマニューシャの組を変えつつ、現部分画像から抽出された各マニューシャについて、登録生体画像から抽出されたマニューシャのうちの最も近いものまでのユークリッド距離を算出する。そして相関値算出部13は、そのユークリッド距離の平均値の逆数を相関値として算出してもよい。
あるいはまた、相関値算出部13は、現部分画像と登録生体情報が写った登録生体画像との間でパターンマッチングを行うことによりL1ノルムの逆数または正規化相互相関係数を相関値として算出してもよい。この場合には、部分特徴量抽出部11は省略されてもよい。なお、何れの手法により相関値が算出される場合でも、相関値の取り得る値が所定の範囲内となり、かつ、現部分画像に写った生体情報の一部と登録生体情報の対応する一部との類似度合いが高いほど相関値も高くなるように、相関値は正規化されることが好ましい。
相関値算出部13は、注目する部分画像について、相関値が所定の閾値以上となるときの、現部分画像と重なる登録生体画像上の位置、例えば、現部分画像の中心に対応する位置を、一致候補位置として全て求める。なお、所定の閾値は、例えば、相関値の取り得る最大値に0.7を乗じた値とすることができる。
さらに、相関値算出部13は、一致候補位置が属する連結候補を決定する。連結候補は、現部分画像よりも前に取得された部分画像についての一致候補位置の集合である。連結候補は、その連結候補に含まれる各一致候補位置を中心として部分画像と同じサイズの領域を登録生体画像上に並べると、各領域に含まれる生体情報の一部が本来の順序で連結されるように決定される。
相関値算出部13は、連結候補が一つだけ存在し、かつ、現部分画像について求められた一致候補位置が一つだけである場合、その一致候補位置を含むように連結候補を更新する。
しかし、指紋または掌紋といった生体情報には、局所的な構造が互いに類似する複数の異なる部分が含まれることがある。そのため、現部分画像に対して相関値が高くなる登録生体画像上の位置が複数存在し、その結果、一致候補位置が複数検出されることがある。この場合、相関値算出部13は、現部分画像のみに基づいて、検出された複数の一致候補位置の中から、現部分画像に写っている生体情報の一部に実際に対応する登録生体画像上の位置を特定することは困難である。さらに、部分画像に写っている生体情報の一部とは本来異なる登録生体情報の部分について求められた相関値を累積した値が、利用者を認証するか否かの判定に用いられると、認証精度が低下する可能性がある。そこで、相関値算出部13は、現部分画像について求めた一致候補位置が複数存在する場合、何れの一致候補位置についても認証判定に利用されるように、それぞれの一致候補位置を少なくとも何れかの連結候補に含める。
例えば、相関値算出部13は、現部分画像について求められた一致候補位置が複数存在する場合、連結候補を一致候補位置の数だけ複製し、複製された連結候補のそれぞれに、現部分画像についての複数の一致候補の何れかを含める。また、連結候補が複数存在する場合、相関値算出部13は、現部分画像について求めた一致候補位置を各連結候補に含める。したがって、例えば、連結候補が3個存在し、かつ現部分画像について2個の一致候補位置が求められている場合、連結候補の数は6個に増える。
図5は、複数の部分画像及び登録生体画像と、連結候補の関係の一例を示す図である。この例では、一つの登録生体画像500に対して、二つの連結候補510、520が設定されている。このうち、連結候補510には、部分画像501、502についての一致候補位置(x1,y1)、(x2,y2)が含まれる。一方、連結候補520には、同一の部分画像501、502についての一致候補位置(u1,v1)、(u2,v2)が含まれる。
ここで、例えば、現部分画像503について一つの一致候補位置(x3,y3)が検出されると、相関値算出部13は、連結候補510及び連結候補520の両方に、一致候補位置(x3,y3)を含める。また、現部分画像について二つの一致候補位置(x3,y3)、(u3,v3)が検出されると、相関値算出部13は、連結候補510を複製して二つの連結候補にする。そして相関値算出部13は、一方の連結候補に一致候補位置(x3,y3)を含め、他方の連結候補に一致候補位置(u3,v3)を含める。同様に、相関値算出部13は、連結候補520を複製して得られた一方の連結候補に一致候補位置(x3,y3)を含め、他方の連結候補に一致候補位置(u3,v3)を含める。
また、相関値算出部13は、連結候補が複数存在する場合、現部分画像について求められた一致候補位置が属する連結候補をそれら複数の連結候補の中から選択してもよい。この場合、相関値算出部13は、現部分画像についての一致候補位置が属する連結候補を決定するために、現部分画像について求められた一致候補位置と、直前の部分画像について求められた各一致候補位置との差を求めてもよい。そして相関値算出部13は、直前の部分画像の一致候補位置の中から、その一致候補位置間の差が相対位置情報に示される現部分画像と直前の部分画像の基準点間の位置の差に最も近いものを選択する。そして相関値算出部13は、選択した直前の部分画像の一致候補位置が属する連結候補を、現部分画像について求められた一致候補位置が属する連結候補とする。
以下に示すテーブルを参照しつつ、この連結候補の決定方法の例を説明する。
Figure 0005737300
テーブル1は、各部分画像間の基準点間の位置の差と、現部分画像530について得られた一致候補位置のうちの一つの座標と各連結候補に含まれる一致候補位置の座標との差を表す。
テーブル1は、左から順に、連結候補の識別番号、部分画像の識別番号、各連結候補の部分画像ごとの一致候補位置、連続する二つの部分画像間の一致候補位置の座標の差dc、基準点間の位置の差dr、及び(dr-dc)を表す。またテーブル1の各行は、一つの部分画像に対応する。なお、テーブル1に示された座標は、登録生体画像の左上の角を原点とし、(水平座標値,垂直座標値)として表記される。
またテーブル1に示された連結候補の識別番号及び部分画像の識別番号は、それぞれ、図5に示された連結候補及び部分画像の参照番号と対応している。テーブル1に示されるように、例えば、現部分画像503について一つの一致候補位置(x3,y3)が求められ、x3=28、y3=19であったとする。また、直前の部分画像502について求められた一致候補位置は二つ有り、このうち、連結候補510に属する一致候補位置(x2,y2)の座標が(29,15)であり、連結候補520に属する一致候補位置(u2,v2)の座標が(33,59)であったとする。この場合、連結候補510に関して、一致候補位置(x3,y3)と一致候補位置(x2,y2)間の差は(-1,4)となる。一方、連結候補520に関して、一致候補位置(x3,y3)と一致候補位置(u2,v2)間の差は(-5,-40)となる。
また、相対位置情報に示された現部分画像503の基準点と直前の部分画像502の基準点間の差drは、(9,9)である。したがって、一致候補位置(x3,y3)について、連結候補510、520に対する(dr-dc)は、それぞれ、(10,5)、(14,49)となる。したがって、連結候補510についての(dr-dc)の方が連結候補520についての(dr-dc)よりも小さい。そこで相関値算出部13は、一致候補位置(x3,y3)を連結候補510に含める。
また、現部分画像について一致候補位置として(u3,v3)が求められた場合、相関値算出部13は、上記と同様の判断を行って、一致候補位置(u3,v3)が属する連結候補を決定する。例えば、一致候補位置(u3,v3)が(33,64)であれば、一致候補位置(u3,v3)について、連結候補510、520に対する(dr-dc)は、それぞれ、(4,-36)、(9,4)となる。そこで、相関値算出部13は、一致候補位置(u3,v3)を連結候補520に含める。
現部分画像の撮影時における、生体情報を含む指の乾燥状態及び撮影条件は、直前の部分画像の撮影時における指の乾燥状態及び撮影条件とほぼ等しい。そのため、現部分画像と直前の部分画像に生体情報の同じ部分が写っていれば、現部分画像と直前の部分画像の類似度合いは高くなる。そのため、直前の部分画像に対する現部分画像の相対位置情報の正確さも高くなる。そこで上記のように相対位置情報を用いることで、相関値算出部13は、現部分画像に対する一致候補位置が属する連結候補を正確に決定できる。
あるいは、相関値算出部13は、連結候補ごとに、相関値を算出する登録生体画像上の探索領域を、現部分画像についての相対位置情報と直前の部分画像についての一致候補位置に基づいて限定してもよい。この場合、相関値算出部13は、現部分画像に関する相対位置情報と直前の部分画像についての各一致候補位置を記憶部5から読み込む。そして相関値算出部13は、直前の部分画像についての各一致候補位置に、現部分画像の相対位置情報に含まれる相対的な位置の差を加えた点を中心とする、部分画像の面積の所定倍(例えば、1倍から3倍)の面積を持つ領域を探索領域とする。相関値算出部13は、探索領域内での相関値の最大値がその相関値に対する閾値以上であれば、その最大相関値に対応する探索領域内の位置を、その探索領域に対応する連結候補に属する現部分画像の一致候補位置とする。
相関値算出部13は、現部分画像に対する相対位置情報、一致候補位置及び対応する相関値を、その一致候補位置が属する連結候補に対応付けて記憶部5に記憶する。
類似度更新部14は、各連結候補について、それまでに取得された全ての部分画像に写っている生体情報の一部と登録生体情報との類似度を表す部分類似度を、現部分画像についての相関値を用いて更新する。その際、類似度更新部14は、それまでに取得された全ての部分画像に含まれる、連続する二つの部分画像のそれぞれに写っている生体情報の一部間の距離が一定であるほど部分類似度を高くすることが好ましい。すなわち、類似度更新部14は、連続する二つの部分画像の組のそれぞれについての相対的な位置関係の差が小さいほど部分類似度を高くすることが好ましい。その距離が一定であるほど、各部分画像を合成した画像上に写っている生体情報の歪みが小さく、部分類似度が登録生体情報に対する類似度合いをより正確に表せるためである。
類似度更新部14は、記憶部5から、連結候補ごとに各部分画像の相関値及び相対位置情報を読み込む。そして類似度更新部14は、連結候補ごとに、例えば、次式に従って部分類似度を更新する。
Figure 0005737300
ここでSnは、現部分画像がn番目(ただしnは1以上の整数)の部分画像である場合の部分類似度である。Riは、i番目(ただし1≦i≦n)の部分画像について算出された相関値である。またViは、i番目の部分画像について求められた移動速度である。なお、最初の部分画像については移動速度が算出されないので、k2=1としてもよい。そして関数sign(x)は、変数xの符号が正であれば'1'を、変数xの符号が負であれば'-1'を出力する関数である。例えば、生体情報取得部4に対して指が垂直方向に移動する場合、移動速度Viの符号は、連続する二つの部分画像の基準点間の基準点間の垂直方向の座標差により決定してもよい。部分類似度Snが大きいほど、n枚の部分画像に写っている生体情報の一部と登録生体情報とが類似している。(1)式によれば、連続する二つの部分画像について求められた指の移動速度の正負が反転していると、すなわち、移動方向が反転していると、係数kiは0となるので、指が一定の方向に沿って移動しつつ部分画像が生成されているほど、部分類似度は高くなる。
以下、部分類似度の算出例について、各部分画像間の相対位置情報、相関値及び各部分画像の取得時点での部分類似度を表すテーブル2を参照しつつ説明する。
Figure 0005737300
テーブル2は、一つの連結候補について、左から順に、部分画像の撮影順序、部分画像の識別番号、基準点、基準点間の位置の差dr、連続する二つの部分画像間の取得時間の差、移動速度、各部分画像の相関値及び各部分画像取得時点での部分類似度を表す。またテーブル2の各行は、一つの部分画像に対応する。なお、テーブル2に示された座標は、生体情報取得部4により撮影される生体情報全体が一つの生体画像に写っていると仮定した場合における、その生体画像の左上端を原点とした(水平座標値,垂直座標値)として表記される。この例では、最新の部分画像(すなわち、現部分画像)504について求められた移動方向が、それまでの部分画像について求められた移動方向に対して反転している。そのため、部分画像504に対する移動速度の符号が負となっている。その結果、部分画像501〜503について、(1)式に従って算出される部分類似度は、それまでに取得された全ての部分画像の相関値を単純平均した値となる。しかし、部分画像504の相関値は加算されないので、部分画像504取得時点での部分類似度は、部分画像501〜503の相関値の総和を部分画像504の取得時点での部分画像数4で割った値となる。このように、移動方向が反転すると、部分類似度は小さくなる。
また、生体情報取得部4に対する、連続する2枚の部分画像について求められた相対的な位置の関係が誤っていたり、あるいは利用者が適切に指を移動させていない場合、各部分画像について算出される移動速度は不安定となる。このような場合、部分類似度は、各部分画像に写った生体情報の一部と登録生体情報間の類似度合いを正確に反映できないおそれがある。そこで類似度更新部14は、連続する二つの部分画像についての指の移動速度の差が大きいほど部分類似度Snが小さな値となるように、(1)式の代わりに次式に従って部分類似度を更新してもよい。
Figure 0005737300
また、基準点間の相対的な位置の差の検出誤差が小さい場合には、類似度更新部13は、その検出誤差が部分類似度の値へ影響しないようにしてもよい。この場合、例えば、(2)式におけるkiの値は、許容誤差εに基づいて次のように設定される。
ki= c|(Vi-Vi-1)/Vi| (c|(Vi-Vi-1)/Vi| ≧ εの場合)
ki= 0 (c|(Vi-Vi-1)/Vi| < εの場合)
許容誤差εは、例えば、実験的に最適化される。
なお、連続する二つの部分画像についての指の移動速度が不安定である場合、その二つの部分画像間の基準点間の距離も不安定となる。そこで類似度更新部14は、(2)式において、移動速度Vi、Vi-1の代わりに、連続する二つの部分画像間の基準点間の距離を用いてもよい。
さらに、部分画像の数が多いほど、生体認証に利用できる情報が多くなるので、類似度更新部14は、部分画像の数が多いほど部分類似度が高くなるように部分類似度を更新してもよい。例えば、類似度更新部14は、(1)式または(2)式に従って得られた部分類似度に、{(n/N+4)/5}といった補正係数を乗じてもよい。なお、Nは、生体情報全体を撮影するのに必要な部分画像の枚数であり、例えば、生体情報取得部4が有するセンサの面積に対する想定される生体情報全体の面積の比により求められる。
類似度更新部14は、部分類似度を対応する連結候補に関連付けて記憶部5に記憶する。
認証判定部15は、部分類似度を認証判定閾値と比較することで、利用者を登録利用者として認証するか否かを判定する。例えば、認証判定部15は、部分類似度が認証判定値以上となる場合、各部分画像に写った生体情報の一部と、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定される登録生体情報は一致すると判定する。そして認証判定部15は、利用者を、その登録生体情報を持つ登録利用者として認証する。認証判定部15は、利用者を認証すると、その認証結果を処理部6へ通知する。そして処理部6は、認証された利用者が生体認証装置1が実装された装置あるいは生体認証装置1が接続された装置を利用することを許可する。
認証判定部15は、連結候補が複数ある場合、各連結候補についての部分類似度のうちの最大値を求める。そして認証判定部15は、部分類似度の最大値を認証判定閾値と比較し、部分類似度の最大値が認証判定閾値以上となれば、利用者を認証してもよい。
一方、認証判定部15は、部分類似度の最大値が認証判定閾値未満となる場合、認証判定部15は、その旨を処理部6へ通知する。処理部6は、全ての部分画像が得られ、生体情報のそれぞれの部分が何れかの部分画像に写っていても、認証判定部15において部分類似度が認証判定閾値未満となる場合、利用者を認証しない。この場合、処理部6は、認証されなかった利用者が生体認証装置1が実装された装置あるいは生体認証装置1が接続された装置を使用することを拒否する。また処理部6は、表示部2に、認証に失敗したことを示すメッセージを表示させてもよい。なお、全ての部分画像が得られたか否かは、例えば、生成された部分画像の枚数が予め定められた所定の枚数に達したか否かにより判定されてもよく、あるいは、最初の部分画像の受信時刻から所定の期間が経過したか否かにより判定されてもよい。さらにまた、処理部6は、最初に得られた部分画像から最新の部分画像まで、連続する二つの部分画像に写った生体情報の一部同士の指紋の長手方向の距離の合計が指紋全体の長手方向に沿った距離の想定値に達したときに、全ての部分画像が得られたと判定してもよい。
また、全ての部分画像が得られていない場合、処理部6は、画像読込部10に、現部分画像の次の部分画像を記憶部5から読み込ませる。
認証判定閾値は、登録利用者本人が利用者である場合にのみ、認証判定部15が認証に成功するような値に設定されることが好ましい。そして認証判定閾値は、登録利用者とは異なる他人が利用者である場合には、認証判定部15が認証に失敗するような値に設定されることが好ましい。例えば、認証判定閾値は、部分類似度の取りうる最大値と最小値の差に0.7を乗じた値を、部分類似度の最小値に加えた値とすることができる。
選択部16は、現部分画像について利用者が認証されなかった場合、その時点で残っている全ての連結候補の中から、次の部分画像以降についても部分類似度の更新を継続する連結候補を選択する。連結候補の数が、例えば数個程度と少なければ、処理部6は、新たな部分画像が得られる度に全ての連結候補について継続して部分類似度を更新しても、処理部6の演算負荷は小さい。しかし、相関値算出部13に関して述べたように、部分画像ごとに一致候補位置が複数検出される可能性がある。そのため、全ての連結候補がそのまま記憶される場合、取得された部分画像が増えるほど、連結候補の数も増える可能性がある。そして連結候補の数が増えるほど、処理部6の演算負荷も増大する。
そこで選択部16は、処理部6の演算負荷を軽減するために、連結候補に含まれる各一致候補位置に対応する部分画像を配列したときの部分画像に写っている生体情報の一部が登録生体情報の何れの一部とも一致しないと判断される連結候補を削除する。
例えば、部分類似度が小さい連結候補に属する一致候補位置は、例え利用者が登録利用者本人であったとしても、各部分画像に写っている生体情報の一部とは登録生体情報上の異なる部分を示している可能性が高い。そこで選択部16は、連結候補ごとに、部分類似度を追跡停止閾値と比較する。そして選択部16は、部分類似度が追跡停止閾値未満となった連結候補の追跡を停止する。なお、追跡停止閾値は、認証判定閾値よりも小さく、例えば、部分類似度の取りうる最大値と最小値の平均値とすることができる。また追跡停止閾値は、得られた部分画像が多いほど高くなるように設定されてもよい。
さらに、選択部16は、連結候補ごとに、その連結候補に含まれる一致候補位置により表される指の移動が不適切であるか否かを判定し、不適切である場合、その連結候補の追跡を停止してもよい。
一般に、利用者は、生体情報取得部4に対して、指を指紋の長手方向に沿って直線状に移動させる。そのため、連続する部分画像に対応する一致候補位置間の指紋の短手方向の距離は比較的小さな値となる。そこで、選択部16は、連結候補ごとに、連続する二つの部分画像に対する一致候補位置間の指紋の短手方向の距離の絶対値の和を算出する。そして選択部16は、その距離の絶対値和が所定の距離閾値よりも大きい場合、その距離の絶対値和に対応する連結候補の追跡を停止する。なお、所定の距離閾値は、例えば、指紋の短手方向のサイズの1/10〜1/5に相当する画素数とすることができる。
あるいは、選択部16は、次式の条件が満たされた連結候補の追跡を停止してもよい。
Figure 0005737300
ここでViは、i番目の部分画像について算出された移動速度であり、tiは、i番目の部分画像の受信時刻と(i-1)番目の受信時刻の差である。したがって、(3)式の左辺は、連続する二つの部分画像の基準点間の距離の和に等しい。またLthiは距離に関する閾値であり、例えば、i個の部分画像の垂直方向の高さの和に設定される。この場合、(3)式の条件が満たされると、生体情報の一部が何れの部分画像にも写っていないことになる。
あるいは、選択部16は、次式の条件が満たされた連結候補の追跡を停止してもよい。
Figure 0005737300
ここで、tjは、移動速度が最初に0になった部分画像を1番目として、j番目の部分画像にの受信時刻と(j-1)番目の部分画像の受信時刻の差である。mは移動速度が'0'または実質的に'0'となる部分画像の総数である。またTthは、停止時間閾値であり、例えば、生体情報取得部4の部分画像の取得間隔の数倍程度に設定される。なお、ある部分画像についての移動速度が0となった以降に得られた部分画像についての移動速度が0以外の値となったとき、選択部16は、(4)式の左辺の値を'0'にリセットしてもよい。
さらに、選択部16は、連続する二つの部分画像について、指のスライド方向における移動速度の符号sign(Vi)、sign(Vi-1)が異なる回数の合計を求め、その合計が所定の回数閾値以上となった連結候補の追跡を停止してもよい。すなわち、移動方向の反転回数が所定の回数閾値以上となる場合に、連結候補の追跡が停止される。なお、所定の回数閾値は、正の整数であり、例えば、1回または2回に設定される。
あるいはまた、選択部16は、次式の条件が満たされた連結候補の追跡を停止してもよい。
Figure 0005737300
ただし、Viは、i番目の部分画像について算出された移動速度である。したがって、(5)式の左辺の項は、指の移動方向が同一方向である回数から指の移動方向が反転した回数を引いた値となる。そして閾値Ithは、例えば、'0'または'-1'に設定される。
なお、(5)式の左辺の項のように、移動速度の大きさに依存しない値が用いられる理由は、指と生体情報取得部4との摩擦によって断続的に急激な移動速度の変化する現象が生じても、その現象を追跡停止の判定に影響させないためである。なお、その現象はStictionと呼ばれる。Stictionが生じた場合、指の表皮がセンサ面に引っかかり、瞬時的に移動速度が'0'になる。しかし、指そのものはある程度の速さで移動しているので、指の移動方向が反転することはない。そのため、選択部16は、(5)式を用いることにより、stictionに影響されず、適切に追跡停止か否かを判定することができる。
図6及び図7は、処理部6上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、生体認証処理の動作フローチャートを示す。
図6に示されるように、処理部6は、生体情報取得部4から、利用者の生体情報の一部を写した部分画像を受信する(ステップS101)。そして処理部6は、最新の部分画像である現部分画像を記憶部5に記憶する。また処理部6の画像読込部10は、記憶部5から現部分画像を読み込み、その現部分画像を処理部6の部分特徴量抽出部11及び相対関係情報算出部12へ渡す。部分特徴量抽出部11は、現部分画像に写っている生体情報の一部の特徴量を抽出する(ステップS102)。そして部分特徴量抽出部11は、その特徴量を含む部分特徴量情報を現部分画像に対応付けて記憶部5に記憶する。また相対関係情報算出部12は、現部分画像に写っている生体情報の一部と、直前の部分画像に写った生体情報の一部との相対的な位置関係を表す相対位置情報を算出する(ステップS103)。そして相対関係情報算出部12は、相対位置情報を現部分画像と対応付けて記憶部5に記憶する。
また処理部6の相関値算出部13は、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定された登録生体情報に関するデータを記憶部5から読み込む。そして相関値算出部13は、部分特徴量情報に基づいて、現部分画像に写った生体情報の一部とその登録生体情報の様々な位置との相関値を算出する(ステップS104)。そして相関値算出部13は、各位置での相関値を所定の閾値と比較し、その相関値が所定の閾値以上となる登録生体情報上の位置を一致候補位置として検出する(ステップS105)。さらに、相関値算出部13は、現部分画像から求められた一致候補位置が属する連結候補を決定する(ステップS106)。なお、一致候補が複数検出されている場合、相関値算出部13は、一致候補ごとにステップS106の処理を行う。そして相関値算出部13は、一致候補位置が属すると判定した連結候補と対応付けて、現部分画像についての相対位置情報、一致候補位置及びその一致候補位置での相関値を記憶部5に記憶する。
その後、処理部6の部分類似度更新部14は、記憶部5に記憶されている連結候補ごとに部分類似度を更新する(ステップS107)。そして部分類似度更新部14は、連結候補ごとに、更新された部分類似度で記憶部5に記憶されている部分類似度の値を書き換える。
図7に示されるように、処理部6の認証判定部15は、記憶部5から各連結候補の部分類似度を読み込み、部分類似度の最大値を求める。そして認証判定部15は、部分類似度の最大値が認証判定閾値以上か否か判定する(ステップS108)。
部分類似度の最大値が認証判定閾値以上である場合(ステップS108−Yes)、認証判定部15は、利用者を、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定された登録利用者として認証する(ステップS109)。
一方、部分類似度の最大値が認証判定用閾値未満である場合(ステップS108−No)、認証判定部15は現時点では利用者を認証しない旨を処理部6に通知する。そして処理部6の選択部16は、記憶部5に記憶されている各連結候補について、所定の追跡停止条件を満たすか否かを判定し、追跡停止条件を満たす連結候補の追跡を停止する(ステップS110)。選択部16は、追跡を停止する連結候補に関する情報を記憶部5から消去する。
その後、処理部6は、全ての部分画像が得られたか否か判定する(ステップS111)。全ての部分画像が得られていなければ(ステップS111−No)、処理部6は、ステップS101以降の処理を繰り返す。一方、全ての部分画像が得られていれば(ステップS111−Yes)、処理部6は、利用者を認証しない(ステップS112)。
ステップS109またはS112の後、処理部6は生体認証処理を終了する。なお、処理部6は、ステップS103の処理を、ステップS102及びステップS104の処理と並列に実行してもよい。あるいは、処理部6は、ステップS103の処理を、ステップS102の前、あるいはステップS104の後に実行してもよい。また、ステップS104にて処理部6が部分画像と登録生体画像のパターンマッチングにより相関値を算出する場合、ステップS102は省略されてもよい。
以上に説明してきたように、この実施形態による生体認証装置は、生体情報の一部が撮影されていなくても、得られている生体情報の一部に基づいて利用者を認証するか否かを判定できる。そのため、この生体認証装置は、処理部の演算負荷を軽減できるとともに、短時間で利用者を認証できる。またこの生体認証装置は、複数の部分画像に写っている生体情報の一部同士の相対的な位置関係を考慮して部分類似度を求める。そのため、この生体認証装置は、個々の部分画像ごとにその部分画像に写っている生体情報の一部と登録生体情報との類似度合いを利用するよりも、利用者の生体情報と登録生体情報の類似度合いを正確に求められるので、認証精度を向上できる。
次に、第2の実施形態による生体認証装置について説明する。
第2の実施形態による生体認証装置は、対象部位の生体情報全体に相当する全ての部分画像について上記の照合処理を行っても利用者を認証できない場合、生体情報全体が写った一枚の合成画像を各部分画像を用いて生成する。そして生体認証装置は、その合成画像を用いて照合処理を行う。
第2の実施形態による生体認証装置は、第1の実施形態による生体認証装置と比較して、処理部の生体認証処理に関する機能の一部のみが相違する。そこで、以下では、第2の実施形態による生体認証装置の処理部の機能のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の機能と相違する点について説明する。
図8は、第2の実施形態による、生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。図8に示されるように、処理部7は、画像読込部10と、部分特徴量抽出部11と、相対関係情報算出部12と、相関値算出部13と、類似度更新部14と、認証判定部15と、選択部16と、全体照合部17とを有する。なお、図8において、処理部7の各機能ブロックには、図3に示された処理部6の対応する機能ブロックと同じ参照番号を付した。
全体照合部17は、生き残っている連結候補ごとに、各部分画像の相対位置情報に基づいて隣接する部分画像間で一致するところが重なるように各部分画像を合成することにより合成画像を生成する。そして全体照合部17は、合成画像に写っている生体情報全体と登録生体情報とを照合する。
例えば、全体照合部17は、合成画像から、複数の部分画像に跨った生体情報の特徴である全体特徴量を抽出する。例えば、全体照合部17は、特開2001−118065号公報に開示されているように、注目するマニューシャについて、その周囲のマニューシャが注目するマニューシャの隆線位置からどの関係にある隆線に存在するかを示す情報を求めることができる。あるいは、全体照合部17は、特開平11−195119号公報に開示されているように、各マニューシャが隆線を介してどのように接続されているかを表す情報を全体特徴量として抽出してもよい。
さらに、全体照合部17は、各マニューシャについて、そのマニューシャと最も近い周囲のマニューシャとの間の隆線の本数などを全体特徴量として抽出してもよい。さらに、全体照合部17は、三角州あるいは渦中心といった指紋の特異点の位置も、全体特徴量として抽出してもよい。このような特異点は、例えば、分岐点及び端点の検出と同様に、例えばテンプレートマッチングにより検出される。
全体照合部17は、マニューシャ間の隆線位置の関係が求められている場合、例えば、特開2001−118065号公報に記載されているように、隆線位置の関係に基づいて合成画像上のマニューシャが登録生体画像上のマニューシャと一致するか否か判定する。またマニューシャ間の隆線の接続関係が求められている場合、全体照合部17は、例えば、特開平11−195119号公報に記載されているように、その接続関係に基づいて合成画像上のマニューシャが登録生体画像上のマニューシャと一致するか否か判定する。そして全体照合部17は、合成画像上のマニューシャの総数に対する、一致するマニューシャの個数の比を全体類似度として算出する。
また、全体照合部17は、一致したマニューシャのそれぞれに関して、最も近くの他の一致したマニューシャとの間の合成画像について求めた隆線本数と登録生体画像について求めた隆線本数との差を求めてもよい。そして全体照合部17は、その隆線本数の差が小さいほど値が大きくなる一致係数をその一致したマニューシャに対して設定する。なお、一致係数は、例えば、合成画像についての隆線本数が登録生体画像についての隆線本数と一致した場合に、'1'となり、所定本数(例えば、3本)以上異なる場合に'0'となるように設定される。そして全体照合部17は、位置合わせをするマニューシャの組を変えつつ、一致係数の合計を求める。そして全体照合部17は、合成画像または登録生体画像から抽出されたマニューシャの総数に対する、一致係数の比を全体類似度として算出する。
さらに、全体照合部17は、生体情報全体から得られる特徴量を利用する他の照合方法を用いて、合成画像に写った生体情報と登録生体情報とを照合してもよい。例えば、全体照合部17は、位相限定相関法を用いて合成画像に写った生体情報と登録生体情報とを照合し、その相関値を全体類似度として算出してもよい。
全体照合部17は、全体類似度が認証判定閾値以上であれば、合成画像上の生体情報と登録生体情報は一致すると判定し、利用者を認証する。一方、全体類似度が認証判定閾値未満であれば、全体照合部17は、合成画像上の生体情報と登録生体情報は一致しないと判定し、利用者を認証しない。なお、全体類似度に対する認証判定閾値は、部分類似度との比較に用いられる認証判定閾値と同一でもよく、あるいは、異なる値でもよい。
また、生き残っている連結候補が複数存在する場合、全体照合部17は、連結候補ごとに全体類似度を算出する。そして全体照合部17は、全体類似度の最大値が認証判定閾値以上であれば、合成画像上の生体情報と登録生体情報は一致すると判定し、一方、全体類似度の最大値が認証判定閾値未満であれば、合成画像上の生体情報と登録生体情報は一致しないと判定する。
図9は、第2の実施形態による処理部上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、生体認証処理の動作フローチャートを示す図である。なお、この実施形態による生体認証処理では、処理部7は、図6に示した第1の実施形態による生体認証処理のステップS101〜S107の処理を実行する。そして処理部7は、ステップS107の後、図7に示したステップS108〜S112の処理の代わりに、図9に示すステップS208〜S214の処理を実行する。
図9に示されるように、処理部7の認証判定部15は、記憶部5から各連結候補の部分類似度を読み込み、部分類似度の最大値を求める。そして認証判定部15は、部分類似度の最大値が認証判定閾値以上か否か判定する(ステップS208)。
部分類似度の最大値が認証判定閾値以上である場合(ステップS208−Yes)、認証判定部15は、利用者を、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定された登録利用者として認証する(ステップS209)。
一方、部分類似度の最大値が認証判定用閾値未満である場合(ステップS208−No)、認証判定部15は現時点では利用者を認証しない旨を処理部7に通知する。そして処理部7の選択部16は、記憶部5に記憶されている各連結候補について、所定の追跡停止条件を満たすか否かを判定し、追跡停止条件を満たす連結候補の追跡を停止する(ステップS210)。選択部16は、追跡を停止する連結候補に関する情報を記憶部5から消去する。
その後、処理部7は、全ての部分画像が得られたか否か判定する(ステップS211)。全ての部分画像が得られていなければ(ステップS211−No)、処理部7は、ステップS101以降の処理を繰り返す。一方、全ての部分画像が得られていれば(ステップS211−Yes)、処理部7の全体照合部17は、残っている連結候補に従って、生体情報全体が写っている合成画像を生成する(ステップS212)。そして全体照合部17は、合成画像上の生体情報と登録生体情報が一致するか否か判定する(ステップS213)。合成画像上の生体情報と登録生体情報が一致する場合(ステップS213−Yes)、処理部7は、利用者を認証する(ステップS209)。一方、合成画像上の生体情報と登録生体情報が一致しない場合(ステップS213−No)、処理部7は、利用者を認証しない(ステップS214)。
ステップS209またはS214の後、処理部7は生体認証処理を終了する。
この実施形態によれば、生体認証装置は、生体情報の一部に基づく照合処理では利用者が登録利用者か否か判定できない場合でも、画像の比較的広範囲を参照することにより得られる生体情報の特徴を用いて再度照合処理を実行できる。そのため、第2の実施形態による生体認証装置は、より正確に利用者の生体情報を登録生体情報と照合できるので、第1の実施形態による生体認証装置よりも本人棄却率を低下させることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、利用者が指を一定の位置に固定し、生体情報取得部が有するセンサが指を走査するように移動するような機構を生体情報取得部が有することもある。このような場合、生体情報取得部に対して、指がほぼ一定の速度、かつ特定の方向に沿って相対的に移動する。そこで、相対関係情報算出部は、注目する部分画像とその一つ前の部分画像に写っている生体情報の一部の間の相対的な位置関係を、その速度に二つの部分画像間の受信時刻の差を乗じた距離だけ、その特定方向に沿って離れているものとして求めてもよい。
また、生体情報取得部は、対象部位の生体情報を撮影した1枚の生体画像が得られるエリアセンサを有してもよい。この場合、処理部は、生体画像を複数の部分画像に分割する。この例では、部分画像間の相対的な位置関係は予め分かっているので、処理部の相対情報算出部は、その相対的な位置関係に基づいて、着目する部分画像についての相対位置情報を決定する。この場合、処理部の部分類似度更新部は、各部分画像についての移動速度を、正の同一の値、例えば、'1'に設定して、上記の(1)式または(2)式を計算することにより、部分類似度を更新すればよい。また処理部は、所定の順序に従って隣接する二つの部分画像を連続する部分画像として扱えばよい。所定の順序は、例えば、ラスタスキャン順とすることができる。
また、相対位置情報は、相関値算出部により求められる登録生体情報上の一致候補位置に基づいて求められてもよい。この場合には、現部分画像の相対位置情報は、現部分画像から求められる一致候補位置ごとに設定される。例えば、現部分画像についての注目する一致候補位置と、直前の画像について得られた一致候補位置のうちの最も近いものとの差が、その注目する一致候補位置についての相対位置情報となる。この場合には、複数の連結候補が存在する場合、連結候補ごとに、連続する二つの部分画像間の相対位置情報が異なることがある。したがって、部分類似度を算出する際の連続する二つの部分画像についての移動速度の差も、連結候補ごとに異なることがある。
また生体認証装置は、いわゆる1対N認証を行ってもよい。この場合、生体認証装置の記憶部は、複数の登録利用者のそれぞれについての登録生体情報に関するデータを記憶する。また処理部は、登録利用者ごとに連結候補を求め、登録利用者の連結候補ごとに部分類似度を求める。そして処理部は、部分類似度の最大値が認証判定閾値以上となる場合、利用者をその最大値に対応する登録利用者として認証する。
さらに、本明細書に開示された生体認証装置及び生体認証方法は、利用者が何らかの操作を行うために、利用者の生体情報と、予め登録された生体情報間で生体認証処理を実行する、各種の装置またはシステムに適用可能である。
図10は、上記の各実施形態またはその変形例による生体認証装置が実装された、コンピュータシステムの一例の概略構成図である。
例えば、コンピュータシステム100は、少なくとも1台の端末110とサーバ120とを有する。そして端末110とサーバ120は、有線または無線の通信ネットワーク130を介して接続される。なお、図10において、コンピュータシステム100が有する構成要素のうち、図1に示した生体認証装置1が有する構成要素の何れかと対応する構成要素には、生体認証装置1が有する構成要素の参照番号と同じ参照番号を付した。
このシステムでは、端末110は、例えば、携帯電話機またはタブレット型端末といった携帯端末、あるいは、固定的に設置される端末であり、表示部2、入力部3及び生体情報取得部4を有する。さらに、端末110は、記憶部21と、画像取得制御部22と、インターフェース部23とを有する。
記憶部21は、例えば、半導体メモリ回路を有し、生体情報取得部4により生成された部分画像を一時的に記憶する。また画像取得制御部22は、一つまたは複数のプロセッサとその周辺回路とを有し、端末110の各部を制御し、かつ、端末110で動作する各種のプログラムを実行する。そして画像取得制御部22は、生体情報取得部4により生成された部分画像を、端末110を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部23を介して順次サーバ120へ送信する。さらに画像取得制御部22は、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報もサーバ120へ送信してもよい。
また端末110の各部には、例えば、商用電源と接続される電源回路またはリチウムイオン電池といった電源(図示せず)から電力が供給される。また生体情報取得部4は、利用者が生体情報取得部4に触れたことを検知する接触センサを有し、端末110は、電源の電力消費を抑制するために、例えば、利用者が生体情報取得部4に触れるまでは、生体認証処理と関連の無い構成要素への電力供給を停止してもよい。さらに端末110は、利用者が生体情報取得部4に触れた後、部分画像の生成及び部分画像の送信に必要ない構成要素への電力供給を停止してもよい。また、画像取得制御部22は、部分画像の生成及び部分画像の送信に関する処理を行う部分画像取得制御用プロセッサを、端末110で実行される他の処理を行うプロセッサと別個に有してもよい。この場合、端末110は、部分画像の生成及び部分画像の送信が終了するまでは、部分画像取得制御用プロセッサに電力供給し、他のプロセッサへの電力供給を停止してもよい。
サーバ120は、記憶部5と、処理部6と、サーバ120を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部24とを有する。サーバ120の処理部6は、インターフェース部24を介して順次受信した部分画像を用いて、上記の各実施形態の何れかまたはその変形例による処理部が有する各機能を実現することにより、生体認証処理を実行する。そしてサーバ120は、認証に成功したか否かの判定結果をインターフェース部24を介して端末110へ返信する。
図11は、コンピュータシステム100にて生体認証処理が実行される場合における端末110とサーバ120で行われる処理のタイミングチャートである。
入力部3を介してユーザ識別情報が端末110に入力されると、生体情報取得部4は初期化される(ステップS301)。そして利用者が生体情報取得部4に触れると、生体情報取得部4は、一定の時間間隔で複数の部分画像を順次生成し、画像取得制御部22へ渡す(ステップS302)。画像取得制御部22は、生体情報取得部4から部分画像を受け取る度に、その部分画像を記憶部21に一時的に記憶する。
また、画像取得制御部22は、最初に生成された部分画像に、読み取り開始時刻または読み取り終了時刻などの部分画像間の相対的な関係を表すための情報及び端末110の識別情報などを付して最初の送信データを生成する(ステップS303)。なお、画像取得制御部22は、部分画像を暗号化してもよく、あるいは部分画像を圧縮してもよい。さらに画像取得制御部22は、送信データに誤り訂正符号を付加してもよい。そして画像取得制御部22は、インターフェース部23を介してその送信データと、端末110の識別情報及びユーザの識別情報を含む認証要求信号をサーバ120へ送信する(ステップS304)。
一方、サーバ120の処理部6は、インターフェース部24を介して認証要求信号及び最初の送信データを受信すると、その認証要求信号に含まれる識別情報で特定される端末110についての生体認証処理のセッションを開始する(ステップS305)。そして処理部6は、記憶部5から、ユーザ識別情報で特定された登録利用者の登録生体情報に関するデータを読み込む(ステップS306)。そして処理部6は、相関値の算出、部分類似度の算出及び認証判定といった、部分画像に基づく生体認証処理を実行する(ステップS307)。
また、端末110は、次に生成された部分画像に対して部分画像間の相対的な関係を表すための情報及び端末110の識別情報などを付して次の送信データを生成する(ステップS308)。そして画像取得制御部22は、インターフェース部23を介してその送信データをサーバ120へ送信する(ステップS309)。
以降、端末110は、全ての部分画像を送信するまで、あるいは、サーバ120から認証に成功したか否かの判定結果を表すメッセージを受信するまで、送信データの生成及び送信を繰り返す。
また、サーバ120の処理部6は、インターフェース部24を介して次の送信データを受信すると、相関値の算出、部分類似度の更新及び認証判定といった、その送信データに含まれる部分画像に基づく生体認証処理を実行する(ステップS310)。
以降、処理部6は、認証に成功したと判定するか、あるいは認証に失敗したと判定するまで、端末110から部分画像を含む送信データを受信する度に、ステップS310の処理を繰り返す。なお、処理部6は、前回の送信データを受信してから次の送信データを受信するまでの経過時間が所定の期間を過ぎると、端末110へタイムアウトを通知し、セッションを終了してもよい。
処理部6は、認証に成功したと判定するか、あるいは認証に失敗したと判定すると、その判定結果を表すメッセージをインターフェース部24を介して端末110へ返信する(ステップS311)。そして処理部6はセッションを終了し、そのセッションの実行に利用された部分画像など、記憶部5に一時的に記憶されている情報を消去する。また処理部6は、ユーザ識別情報にて特定される登録利用者について、記憶部5に記憶されている、生体認証処理が行われた時刻(例えば、セッションの開始時刻)及び認証結果などを記録するアクセスログを更新してもよい。
なお、サーバ110は、認証に成功した場合、ユーザ識別情報で特定された登録利用者に関する、ユーザインタフェースの設定情報なども端末110へ送信してもよい。端末110は、判定結果を表すメッセージを受信すると、その判定結果に応じたメッセージを表示する(ステップS312)。また端末110は、サーバ120が認証に成功していれば、利用者が端末110またはコンピュータシステム100を利用することを許可する。一方、端末110は、サーバ120が認証に失敗していれば、利用者が端末110及びコンピュータシステム100を利用することを拒否する。
そしてコンピュータシステム100は、生体認証処理を終了する。なお、端末110の画像取得制御部22は、生体情報取得部4から部分画像を受け取る度に、ステップS308及びS309の処理を実行してもよい。
この実施形態では、サーバ120の処理部6が生体認証処理を実行し、端末110は部分画像の生成及び送信に関する処理を行えばよいので、端末110が有するプロセッサの負荷が軽減される。そのため、端末110は、相対的に処理能力の低いプロセッサを有していてもよい。
さらに、端末の画像取得制御部が、上記の各実施形態の処理部の機能のうち、部分特徴量抽出部及び相対関係情報算出部の機能を有してもよい、一方、サーバの処理部が、相関値算出部、類似度更新部及び認証判定部の機能を有してもよい。さらにサーバのプロセッサは、全体照合部の機能を有していてもよい。これにより、サーバのプロセッサに対する処理の負荷が軽減できる。
また、生体情報取得部と、記憶部と、処理部と、Universal Serial Busなどの規格に準じたデータ伝送用インターフェースとが一体として形成された可搬メモリ装置の処理部が、上記の実施形態における処理部の各機能を有していてもよい。
また、上記の各実施形態による処理部の機能をコンピュータに実現させる命令を有するコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体あるいは不揮発性の半導体メモリといった、記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 生体認証装置
2 表示部
3 入力部
4 生体情報取得部
5 記憶部
6 処理部
10 画像読込部
11 部分特徴量抽出部
12 相対関係情報算出部
13 相関値算出部
14 類似度更新部
15 認証判定部
16 選択部
17 全体照合部
100 コンピュータシステム
110 端末
120 サーバ
130 通信ネットワーク
21 記憶部
22 画像取得制御部
23、24 インターフェース部

Claims (10)

  1. 利用者の生体情報の互いに異なる一部を撮影した複数の部分画像を生成する生体情報取得部と、
    登録利用者の登録生体情報に関するデータを記憶する記憶部と、
    前記生体情報取得部から前記複数の部分画像のうちの一つの部分画像を取得すると、該一つの部分画像に写っている生体情報の一部と前記登録生体情報との相関値を算出する相関値算出部と、
    前記一つの部分画像についての前記相関値及び、前記一つの部分画像よりも前に取得されている少なくとも1以上の他の部分画像についての前記相関値とに基づいて、前記一つの部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像に写っている生体情報の一部が前記登録生体情報と類似する度合いを表す部分類似度を更新する部分類似度更新部と、
    前記部分類似度が認証判定閾値以上である場合に前記利用者を前記登録利用者として認証する認証部と、
    前記部分類似度が認証判定閾値未満である場合、前記生体情報取得部から前記一つの部分画像の次の部分画像を取得する画像読込部と、
    を有する生体認証装置。
  2. 前記複数の部分画像のうちの連続する二つの部分画像のそれぞれに写っている生体情報の一部に基づいて、該二つの部分画像のそれぞれの基準点間の相対的な位置関係を求める相対関係情報算出部をさらに有し、
    前記部分類似度更新部は、前記一つの部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像に含まれる、連続する二つの部分画像の組のそれぞれについての前記相対的な位置関係の差が小さいほど前記部分類似度を高くする、請求項1に記載の生体認証装置。
  3. 前記複数の部分画像のうちの連続する二つの部分画像のそれぞれに写っている生体情報の一部に基づいて、該二つの部分画像のそれぞれの基準点間の位置の差である相対的な位置関係と該二つの部分画像の取得時間の間隔から、前記生体情報取得部に対する前記利用者の生体情報を含む部位の相対的な移動速度を求める相対関係情報算出部をさらに有し、
    前記部分類似度更新部は、前記一つの部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像に含まれる、連続する二つの部分画像の組のそれぞれについての前記相対的な移動速度の差が小さいほど前記部分類似度を高くする、請求項1に記載の生体認証装置。
  4. 前記相関値算出部は、前記一つの部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像のそれぞれについて、前記相関値が所定の第1の閾値以上となる前記登録生体情報を表す登録生体画像上の一致候補位置を少なくとも一つ求め、前記一つの部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像のそれぞれについての前記一致候補位置を一つずつ組み合わせた少なくとも一つ以上の連結候補を決定し、
    前記部分類似度更新部は、前記連結候補ごとに前記部分類似度を更新する、請求項2または3に記載の生体認証装置。
  5. 前記相対関係情報算出部は、前記複数の部分画像のうちの連続する二つの部分画像のそれぞれに写っている生体情報の一部間の類似度合いが第2の閾値以上となるときの前記二つの部分画像のそれぞれの前記基準点間の位置の差を前記相対的な位置関係として求め、
    前記相関値算出部は、前記連結候補及び前記一つの部分画像の直前の部分画像についての前記一致候補位置が複数存在する場合、前記一つの部分画像についての前記一致候補位置と、前記直前の部分画像についての前記一致候補位置のそれぞれとの候補位置間距離を算出し、当該候補位置間距離が前記一つの部分画像と前記直前の部分画像間の前記基準点間の位置の差に最も近い前記直前の部分画像についての前記一致候補位置が属する前記連結候補に、前記一つの部分画像についての前記一致候補位置を含める、請求項4に記載の生体認証装置。
  6. 前記少なくとも一つ以上の連結候補のうち、当該連結候補に含まれる前記一致候補位置のそれぞれに対応する前記部分画像を配列したときの当該部分画像に写っている生体情報の一部が前記登録生体情報の何れの部分とも一致しない連結候補を削除する選択部をさらに有する、
    請求項4または5に記載の生体認証装置。
  7. 前記生体情報全体が写るだけの数の前記部分画像が得られたときに前記部分類似度が前記認証判定閾値未満である場合、最後の部分画像が得られた後に残っている前記連結候補のそれぞれについて、前記各部分画像に写っている生体情報の一部の一致する位置が重なるように前記各部分画像を合成することにより前記生体情報全体が写る合成画像を生成し、前記合成画像上の前記生体情報が前記登録生体情報と一致する場合に前記利用者を前記登録利用者として認証し、一方、前記合成画像上の前記生体情報が前記登録生体情報と一致しない場合に前記利用者を認証しない全体照合部をさらに有する、
    請求項4に記載の生体認証装置。
  8. 前記生体情報取得部を有する端末と、
    前記記憶部、前記相関値算出部、前記部分類似度更新部、前記認証部及び前記画像読込部を有するサーバとを有し、
    前記端末と前記サーバとが通信ネットワークを介して接続され、前記端末は前記複数の部分画像のそれぞれを順次前記サーバへ送信し、前記サーバは、前記端末から前記部分画像を受信する度に、前記相関値算出部は前記相関値を算出し、前記部分類似度更新部は前記部分類似度を更新し、前記認証部は、更新された前記部分類似度に基づいて前記利用者を前記登録利用者として認証するか否か判定する、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の生体認証装置。
  9. 利用者の生体情報の互いに異なる一部を撮影した複数の部分画像を生成し、
    前記複数の部分画像のうちの第1の部分画像に写っている生体情報の一部と登録利用者の登録生体情報との相関値を算出し、
    前記第1の部分画像についての前記相関値及び前記第1の部分画像よりも前に取得されている少なくとも1以上の他の部分画像についての前記相関値とに基づいて、前記第1の部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像に写っている生体情報の一部が前記登録生体情報と類似する度合いを表す部分類似度を更新し、
    前記部分類似度が認証判定閾値以上である場合に前記利用者を前記登録利用者として認証する認証判定を行い、
    前記部分類似度が認証判定閾値未満である場合、前記第1の部分画像の次の部分画像を取得し、当該次の部分画像を前記第1の部分画像として、前記相関値算出、前記部分類似度更新及び前記認証判定を実行する、
    ことを含む生体認証方法。
  10. 利用者の生体情報の互いに異なる一部を撮影した複数の部分画像のうちの第1の部分画像に写っている生体情報の一部と登録利用者の登録生体情報との相関値を算出し、
    前記第1の部分画像についての前記相関値及び前記第1の部分画像よりも前に取得されている少なくとも1以上の他の部分画像についての前記相関値とに基づいて、前記第1の部分画像及び前記少なくとも1以上の他の部分画像に写っている生体情報の一部が前記登録生体情報と類似する度合いを表す部分類似度を更新し、
    前記部分類似度が認証判定閾値以上である場合に前記利用者を前記登録利用者として認証する認証判定を行い、
    前記部分類似度が認証判定閾値未満である場合、前記第1の部分画像の次の部分画像を取得し、当該次の部分画像を前記第1の部分画像として、前記相関値算出、前記部分類似度更新及び前記認証判定を実行する、
    ことをコンピュータに実行させる生体認証用コンピュータプログラム。
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