JP5737047B2 - 高圧ガスタンクの製造方法と製造装置 - Google Patents

高圧ガスタンクの製造方法と製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、高圧ガスタンクの製造方法と製造装置に関する。
近年では、燃料ガスの燃焼エネルギや、燃料ガスの電気化学反応によって発電された電気エネルギによって駆動する車両が開発されており、高圧ガスタンクには、天然ガスや水素等の燃料ガスが貯蔵され、車両に搭載される場合がある。このため、高圧ガスタンクの軽量化が求められており、カーボン繊維強化プラスチックや、ガラス繊維強化プラスチック(以下、これらを総称して、繊維強化樹脂層と呼ぶ)で中空のライナーを被覆したFRP(Fiber Reinforced Plastics : 繊維強化プラスチック)製の高圧ガスタンク(以下、単に高圧ガスタンクと称する)の採用が進んでいる。ライナーとしては、樹脂製の中空容器の他、薄肉の金属製の中空容器などがある。
一般に、こうした高圧ガスタンクの製造に際しては、フィラメントワインディング法(以下、FW法)が採用され、このFW法により、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸した繊維をライナーの外周に繰り返し巻回して繊維強化樹脂層とする。そして、その後に、当該樹脂層に含まれる熱硬化樹脂を熱硬化させることで、ライナーを繊維強化樹脂層で被覆・補強した高圧ガスタンクが製造される。
FW法にて得られた高圧ガスタンクの強度や耐久性等のタンク性能は、ライナー外周の硬化済み繊維強化樹脂層における繊維体積含有率(以下、Vf)に依存することが知られている。このVfは、繊維強化樹脂層の単位体積に占める繊維の割合であり、熱硬化前の繊維強化樹脂層からの樹脂の染み出しが増えるとVfは高くなる。そして、Vfが高いと、繊維の割合が増えるために強度は増すものの、繊維同士を接着硬化する樹脂が少なくなるため、耐久性の低下を来すことが危惧される。このため、強度確保と耐久性の兼ね合いから、高Vfとなることを抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−34941号公報
ところで、ライナーに巻回形成済みの繊維強化樹脂層では、その後の加熱過程において、樹脂層に含まれる樹脂が熱硬化する。樹脂は、その性質上、熱を受けることで粘度が低下するが、粘度低下の状況は、加熱の状況、例えば、加熱温度や加熱手法により一律とはならない。現状、樹脂の加熱には、温風吹き付けや電熱ヒーターによる加熱、或いは高周波誘導加熱等、種々の加熱方式が採用されているが、各加熱方式ごとの加熱状況によって樹脂の粘度は種々変化する。樹脂が低粘度となると、それだけ樹脂の染み出しは起きやすくなるので、高Vf化が起き得ることになる。特に、高周波誘導加熱では、他の加熱方式に比べて高い効率で短時間の内に加熱できることから、繊維強化樹脂層は急速に昇温して、樹脂の粘度も大きく低下する。上記した特許文献では、こうした熱硬化の過程における樹脂挙動についての配慮がないことから、樹脂の染み出しを抑制して高Vfの抑制を図る異なる手法が要請されるに到った。
本発明は、上記した課題を踏まえ、ライナー外周に形成した繊維強化樹脂層の高Vfの抑制に有益な新たなタンク製造手法を提供することを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の適用例として実施することができる。
[適用例1:高圧ガスタンクの製造方法]
高圧ガスタンクの製造方法であって、
タンク容器となる中空のライナーの外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維を巻回して繊維強化樹脂層を形成し、タンク中間生成品を得る工程(a)と、
前記タンク中間生成品を軸支し、該軸支した前記タンク中間生成品を加熱する加熱状況を設定し、該設定した加熱状況にて前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる工程(b)とを備え、
前記工程(a)にて前記繊維を巻回する際の巻回張力と、前記工程(b)において前記設定される加熱状況とを対応付けた対応関係に基づいて、前記工程(a)における前記巻回張力の設定または前記工程(b)における前記加熱状況の設定の少なくともいずれかを行う
ことを要旨とする。
この適用例1の高圧ガスタンクの製造方法では、工程(a)、工程(b)を行うに当たり、工程(a)にて繊維を巻回する際の巻回張力と、工程(b)において前記設定される加熱状況とを対応付けた対応関係を導入した。このため、工程(a)にてライナーの外周に熱硬化性樹脂を含浸した繊維を巻回して繊維強化樹脂層を形成する段階において、その後の工程(b)でタンク中間生成品の加熱のために設定される加熱状況を上記の対応関係に基づいて、繊維巻回の際の巻回張力を調整できる。或いは、工程(b)にて繊維強化樹脂層を熱硬化させる段階において、その前工程である工程(a)にて設定された巻回張力を上記の対応関係に基づいて、タンク中間生成品の加熱のため加熱状況を調整できる。よって、上記の適用例1の高圧ガスタンクの製造方法によれば、樹脂の染み出しに影響を及ぼす工程(a)での巻回張力を、後工程たる熱硬化の際の設定済み加熱状況に合わせて調整することで、樹脂の染み出しの抑制側へのコントロールにより高Vf化についてもこれを抑制できる。この逆に、工程(b)での加熱状況を、その前工程たる繊維巻回の際の設定済み巻回張力に合わせて調整することで、樹脂の染み出しの抑制側へのコントロールにより高Vf化についてもこれを抑制できる。
上記した適用例1の高圧ガスタンクの製造方法は、次のような態様とすることができる。例えば、前記工程(a)では、前記繊維の巻回の際の巻回張力を設定した上で前記繊維を巻回するに当たり、前記工程(b)において前記設定された加熱状況と前記巻回張力とを対応付け、前記タンク中間生成品への加熱が高いほど前記巻回張力を小さく設定して前記繊維を巻回するようにする。こうすれば、次の利点がある。
この態様の製造方法では、工程(a)にてライナーの外周に熱硬化性樹脂を含浸した繊維を巻回して繊維強化樹脂層を形成する段階において、その後の工程(b)でタンク中間生成品の加熱のために設定される加熱状況を考慮して、繊維巻回の際の巻回張力を調整する。この巻回張力調整は、その後の工程(b)で設定される加熱状況と巻回張力とを対応付けた対応関係に基づいて、工程(b)でのタンク中間生成品への加熱が高いほど巻回張力を小さくするようになされる。そして、工程(a)では、こうして調整された巻回張力で、ライナーの外周に熱硬化性樹脂を含浸した繊維を巻回して繊維強化樹脂層を形成し、これにより得られたタンク中間生成品は、工程(a)に続く工程(b)で、設定した加熱状況での加熱を受ける。このため、上記構成の高圧ガスタンクの製造方法では、工程(b)での加熱状況に対応した巻回張力での繊維巻回(工程(a))により、タンク中間生成品が工程(b)で加熱を受ける際の樹脂の粘度低下による樹脂の染み出しを抑制する側にコントロール可能となる。例えば、工程(b)で設定された加熱状況がタンク中間生成品への加熱を高めるものであれば、工程(a)では小さな巻回張力で繊維がライナー外周に巻回されるので、樹脂の染み出しは抑制される。この結果、上記構成の高圧ガスタンクの製造方法によれば、樹脂の染み出しの抑制側へのコントロールにより高Vf化についてもこれを抑制できる。この場合、工程(b)での加熱状況は、工程(b)にて採用される温風吹き付けや電熱ヒーターによる加熱、或いは高周波誘導加熱等の加熱方式に応じて設定されることから、工程(b)にて採用される加熱方式に拘わらず、樹脂の染み出しを抑制して高Vfの抑制を図ることが可能となる。
この場合、前記工程(b)において加熱状況で設定されれば、タンク中間生成品はその設定された加熱状況に対応して昇温し、その昇温速度は工程(b)で設定の加熱状況と対応する。よって、前記工程(a)では、前記工程(b)において前記設定された加熱状況で加熱を受ける前記タンク中間生成品の昇温速度が大きいほど前記巻回張力を小さく設定して前記繊維を巻回するようにできる。
また、工程(b)で加熱を受ける際の繊維強化樹脂層の樹脂の粘度は、工程(b)で設定された加熱状況に対応するタンク中間生成品の昇温速度に依存して低下する。よって、前記工程(a)では、前記工程(b)における前記タンク中間生成品の昇温速度で定まる前記タンク中間生成品における前記繊維強化樹脂層の樹脂の粘度が小さいほど前記巻回張力を小さく設定して前記繊維を巻回するようにできる。
[適用例2:高圧ガスタンクの製造装置]
タンク容器となる中空のライナーの外周に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層を有する高圧ガスタンクの製造に用いる装置であって、
熱硬化前の前記熱硬化性樹脂を含浸した繊維を前記ライナーの外周に巻回して前記繊維強化樹脂層を形成し、タンク中間生成品を得る繊維巻回手段と、
該繊維巻回手段による前記繊維の巻回の際の巻回張力を調整する張力調整手段と、
前記タンク中間生成品を軸支し、該軸支した前記タンク中間生成品を加熱する加熱状況を設定し、該設定した加熱状況にて前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる熱硬化手段とを備え、
前記張力調整手段は、
前記熱硬化手段により前記設定された加熱状況と前記巻回張力とを対応付け、前記タンク中間生成品への加熱が高いほど前記巻回張力を小さく設定する
ことを要旨とする。
上記した適用例2の高圧ガスタンクの製造装置は、樹脂の染み出しを抑制して高Vfの抑制を図ることが可能な高圧ガスタンクを製造し得る、新たな装置となる。
本発明の一実施例としての高圧ガスタンクの製造工程を模式的に示す説明図である。 この製造工程に用いるFW装置100の構成を概略的に示す説明図である。 熱硬化炉200が設定した加熱状況に応じた中間生成品タンク12の昇温速度と繊維強化樹脂層20における熱硬化性樹脂の最低粘度との関係を示すグラフである。 中間生成品タンク12の昇温速度で定まる最低粘度ごとの巻回張力とVfとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例としての高圧ガスタンクの製造工程を模式的に示す説明図、図2はこの製造工程に用いるFW装置100の構成を概略的に示す説明図である。本実施例では、高圧ガスタンクを、高圧水素を貯蔵する高圧水素タンクとした。
本実施例のタンク製造工程では、まず、図1(a)に示したように、樹脂製容器をライナー10として用意する。本実施例では、樹脂容器として、ナイロン系樹脂からなる樹脂製容器を用いるものとした。樹脂容器として、他の樹脂からなる樹脂容器を用いるものとしてもよい。また、薄肉の金属製容器をライナー10とすることもできる。
次に、図1(b)に示したように、ライナー10の外周部に、繊維強化樹脂層20を形成する(繊維強化樹脂層形成工程)。本実施例では、繊維強化樹脂層形成工程として、図2に示すFW装置100を用いる。このFW装置100は、ライナー10の外周に、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂を含浸したカーボン繊維を繰り返し巻回することにより、繊維強化樹脂層20としてのカーボン繊維層を形成する。これにより、ライナー10の外周に樹脂硬化前の繊維強化樹脂層20を有する中間生成品タンク12が得られる。FW装置100の構成と当該装置による繊維巻回の様子については、後述する。
繊維強化樹脂層20の形成に続いては、熱硬化を行う。熱硬化工程では、図1(c)に示す熱硬化炉200を用いる。この熱硬化炉200は、架台210にタンク軸支シャフト212を回転可能に軸支する他、軸支済みのタンク軸支シャフト212の炉内上方に長尺状の放熱ヒーター214を備える。よって、熱硬化炉200は、中間生成品タンク12をタンク軸方向において均等に加熱する。また、熱硬化炉200は、タンク軸支シャフト212の図における右端において、タンク軸支シャフト212をチャック216を経てタンク回転機構218に連結する。
図1(c)に示す上記の熱硬化炉200を用いた熱硬化工程では、熱硬化炉200への中間生成品タンク12の搬入に先だち、繊維強化樹脂層20を形成済みの中間生成品タンク12にタンク軸支シャフト212を装着する。タンク軸支シャフト212は、中間生成品タンク12の両端の口金14に挿入され、タンク両端からシャフトを出した状態で、架台210に軸支される。こうして中間生成品タンク12を軸支した後、熱硬化炉200は、中間生成品タンク12を熱硬化工程に処する。この熱硬化工程では、タンク回転機構218により中間生成品タンク12をタンク軸支シャフト212ごと定速で回転させ、その回転を熱硬化工程の間に亘って維持する。タンク回転と同時に、或いは、定速回転となると、熱硬化炉200は、繊維強化樹脂層20の形成に用いた上記の熱硬化樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の熱硬化に適う温度に炉内温度が維持されるよう、放熱ヒーター214を加熱制御する。これにより、中間生成品タンク12では、ライナー10の外周に形成された繊維強化樹脂層20における熱硬化樹脂の熱硬化が始まる。
熱硬化炉200は、炉内で軸支した中間生成品タンク12の加熱状況を設定すべく、制御機器230を備え、当該機器にて、放熱ヒーター214による放熱を制御する。具体的には、制御機器230は、予め、放熱ヒーター214の発熱状態、即ち中間生成品タンク12の加熱状況を設定し、その設定済み加熱状況で中間生成品タンク12を加熱するよう、上記した中間生成品タンク12の炉内搬入に合わせて、放熱ヒーター214を通電制御する。この熱硬化炉200については、放熱ヒーター214の代わりに加熱コイルを用いた高周波誘電加熱式の炉として構成することもできる。この場合であっても、熱硬化炉200は、その制御機器230にて、予め、加熱コイルによる発熱状態、即ち中間生成品タンク12の加熱状況を設定し、その設定済み加熱状況で中間生成品タンク12を加熱するよう、中間生成品タンク12の炉内搬入に合わせて、加熱コイルへの高周波電流を通電制御する。
熱硬化炉200による上記した樹脂の熱硬化後には、加熱を受けた中間生成品タンク12は、冷却養生に処される。そして、この冷却養生を経ることで、ライナー10の外周にエポキシ樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層20を有する高圧水素タンク30が得られる。
ここで、FW装置100の構成と当該装置による繊維強化樹脂層20の形成の様子(図1(b):繊維強化樹脂層形成工程)について説明する。図2に示すように、本実施例のFW装置100は、クリールスタンド110と、巻取部130と、クリールスタンド110と巻取部130とを結ぶ経路部120と、制御部150とを備える。
クリールスタンド110は、熱硬化樹脂としてのエポキシ樹脂を含浸済みのカーボン繊維(以下、樹脂含浸カーボン繊維Wと称する)を巻きつけた複数のボビン112を備え、固定滑車114等を用いて各ボビン112から所定の方向に樹脂含浸カーボン繊維Wを繰り出す機能を有する。本実施例では、熱硬化性樹脂を含浸済みのいわゆるプリプレグの樹脂含浸カーボン繊維Wとしたが、ボビン112にはカーボン繊維のみを巻き取って備え、クリールスタンド110からの繊維繰り出し経路途中で、その繰り出されるカーボン繊維に熱硬化性樹脂を含浸させるようにすることもできる。なお、カーボン繊維に代えて、適当な強度を有するフィラメントワインディングに適した他の材料、例えばガラス繊維やアラミド繊維とすることもできる。また、エポキシ樹脂に代えて、熱硬化により適当な接合強度を有するフィラメントワインディングに適した熱硬化性樹脂、例えばポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂とすることもできる。
各ボビン112からは、巻取部130の働きにより樹脂含浸カーボン繊維Wがそれぞれ引き出され、各樹脂含浸カーボン繊維Wは経路部120を介して巻取部130へ導かれる。
経路部120は、ローラーやガイド等を備え、クリールスタンド110から巻取部130への樹脂含浸カーボン繊維Wへの経路を構成する。
巻取部130は、アイクチガイド132と、ライナー10がセットされる回転駆動装置134とを備える。回転駆動装置134は、ライナー10を軸支してその軸周りにライナー10を回転駆動させる。
アイクチガイド132は、ライナー10への樹脂含浸カーボン繊維Wの供給と、ライナー10に樹脂含浸カーボン繊維Wが巻回される際の巻回張力を調整する。つまり、アイクチガイド132は、ライナー10の長軸方向であるx軸、x軸に垂直なy軸、x軸およびy軸に垂直なz軸の3次元で移動して、経路部120から供給された複数本の樹脂含浸カーボン繊維Wを束ねてライナー10に向かって供給する。アイクチガイド132の3次元方向への移動と回転駆動装置134によるライナー10の回転とにより、樹脂含浸カーボン繊維Wは、ライナー10の外周に繰り返し巻回されることになる。詳細には、フープ巻きとヘリカル巻きとを交互に行うことで、樹脂含浸カーボン繊維Wは、ライナー両端のドーム部と円筒状のシリンダ部との外周に繰り返し巻回される。ここで、ヘリカル巻きは、ライナー10に樹脂含浸カーボン繊維Wをある角度をつけ(例えば30゜〜60゜)巻きつける方法である。フープ巻きは周方向に樹脂含浸カーボン繊維Wを揃えて巻きつけるものである。
巻取部130により樹脂含浸カーボン繊維Wをライナー10に巻回することで、樹脂含浸カーボン繊維Wは、引っ張られる形で、クリールスタンド110から引き出されて張力を受ける。そして、樹脂含浸カーボン繊維Wは、その張力(巻回張力)でライナー10の外周に繰り返し巻回され、樹脂含浸カーボン繊維Wがライナー10の外周に層状に重なった繊維強化樹脂層20となる(図1(c)参照)。そして、樹脂含浸カーボン繊維WのFW法による巻回を経て、ライナー10の外周に繊維強化樹脂層20を形成した中間生成品タンク12が得られる(図1(b)参照)。アイクチガイド132は、樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回の際の巻回張力を調整すべく、固定ローラー140を樹脂含浸カーボン繊維Wの経路上下流に備え、その間に、上下動可能な可動ローラー144を備える。この可動ローラー144は、後述の制御部150から制御を受ける張力調整部142にて上下に駆動され、樹脂含浸カーボン繊維Wがライナー10に巻回される際の巻回張力を調整する。
制御部150は、内部にCPU、RAM、ROMを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することで、FW法による繊維巻回様式をフープ巻きとヘリカル巻きとに交互に切り替えて行う。また、制御部150は、FW法による繊維巻回(繊維強化樹脂層20の形成)に続く熱硬化工程での熱硬化炉200による中間生成品タンク12の加熱状況に応じて、張力調整部142を駆動制御して、アイクチガイド132による樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回張力を調整する。この他、制御部150は、上記したFW法による繊維巻回の際の回転駆動装置134の回転についても、これを制御する。
次に、熱硬化炉200による中間生成品タンク12の加熱状況に応じた張力調整について説明する。図3は熱硬化炉200が設定した加熱状況に応じた中間生成品タンク12の昇温速度と繊維強化樹脂層20における熱硬化性樹脂の最低粘度との関係を示すグラフ、図4は中間生成品タンク12の昇温速度で定まる最低粘度ごとの巻回張力とVfとの関係を示すグラフである。
図3のグラフは、本実施例のFW装置100にてライナー10の外周に形成した繊維強化樹脂層20の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂について、実験的に定めたものである。例えば、熱硬化炉200において、放熱ヒーター214による炉内の中間生成品タンク12の加熱状況を種々設定し、具体的には放熱ヒーター214の単位時間当たりの放熱量を種々設定し、その設定した放熱量で中間生成品タンク12を加熱する。そして、設定放熱量で中間生成品タンク12の繊維強化樹脂層20を熱硬化させた場合の中間生成品タンク12の昇温速度と繊維強化樹脂層20の樹脂の粘度とを設定放熱量ごとに測定し、その結果をプロットすることで図3のグラフを得た。なお、中間生成品タンク12については、その大きさや当該タンクを構成するライナー10や繊維強化樹脂層20の熱容量等が予め既知なので、中間生成品タンク12の昇温速度については、計算或いはシミュレーションにて得ることもできる。昇温速度ごとの樹脂の最低粘度についても、樹脂の熱特性を加味した上で、計算或いはシミュレーションにて得ることもできる。熱硬化炉200を、放熱ヒーター214の代わりに加熱コイルを用いた高周波誘電加熱式の炉とした場合も、同様である。
図3に示すように、繊維強化樹脂層20の樹脂の最低粘度は、昇温速度が高くなるほど小さくなる。そして、中間生成品タンク12の昇温速度が高くなるよう、熱硬化炉200が放熱ヒーター214の放熱状況を設定すれば、熱硬化炉200における熱硬化の間において、中間生成品タンク12の繊維強化樹脂層20の樹脂の粘度は、図中のポイントPlで示す小さな値の最低粘度まで低下することになる。中間生成品タンク12の昇温速度が上記の場合より低くなるよう、熱硬化炉200が放熱ヒーター214の放熱状況を設定すれば、熱硬化炉200における熱硬化の間において、中間生成品タンク12の繊維強化樹脂層20の樹脂の粘度は、図中のポイントPmで示す中程度の最低粘度まで低下することになる。更に、中間生成品タンク12の昇温速度がより低くなるよう、熱硬化炉200が放熱ヒーター214の放熱状況を設定すれば、熱硬化炉200における熱硬化の間において、中間生成品タンク12の繊維強化樹脂層20の樹脂の粘度は、図中のポイントPhで示す比較的大きい最低粘度まで低下することになる。
図4のグラフにあっても、本実施例のFW装置100にてライナー10の外周に形成した繊維強化樹脂層20の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂について、実験的に定めたものである。なお、図4に記す粘度とは、図3にて昇温速度にて定まる最低粘度を意味する。
まず、図4に粘度(低)と記したプロット線図について説明する。図2で説明したFW装置100にて樹脂含浸カーボン繊維Wをライナー10に巻回する際の巻回張力を、制御部150による張力調整部142の制御を経て、種々の巻回張力とする。そして、それぞれの巻回張力で樹脂含浸カーボン繊維Wをライナー10に巻回して巻回張力ごとの中間生成品タンク12であるサンプルタンクを得る。次いで、このサンプルタンクを熱硬化炉200にて熱硬化させる際には、熱硬化炉200にて、図3に示すポイントPlに相当する昇温速度となるよう炉内の中間生成品タンク12の加熱状況を設定する。そして、この設定した加熱状況で繊維強化樹脂層20が熱硬化した各サンプルタンクについて、その繊維強化樹脂層20のVfを測定し、その測定したVfを各サンプルタンクの得る際の上記した巻回張力ごとにプロットすることで図4に粘度(低)と記したプロット線図を得た。図4に粘度(中)或いは図4に粘度(高)と記したプロット線図についても同様である。なお、これらプロット線図についても、サンプルタンク(中間生成品タンク12)の大きさや既述した熱容量等は既知なので、シミュレーションにて得ることもできる。
図4に示すように、繊維強化樹脂層20のVfは、図示するいずれの粘度(最低粘度)であっても、巻回張力が小さくなるほど低下する。また、いずれの粘度(最低粘度)も、図3で説明したように、熱硬化炉200がその制御機器230にて設定する炉内の中間生成品タンク12の加熱状況で定まる。このことは、熱硬化炉200による熱硬化前においてFW装置100にて樹脂含浸カーボン繊維Wをライナー10に巻回する際の巻回張力と、熱硬化炉200にて繊維強化樹脂層20を熱硬化させる際の設定済み加熱状況(詳しくは、昇温速度)とは対応関係にあることを意味する。しかも、熱硬化炉200による熱硬化前のFW装置100による樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回張力を、繊維巻回後の熱硬化炉200で設定済みの加熱状況に応じて小さくすることで、熱硬化の過程での樹脂の染み出しを抑制して、完成品たる高圧水素タンク30における繊維強化樹脂層20のVfを小さくできることを意味する。
高圧水素タンク30における繊維強化樹脂層20のVfは、タンク強度と耐久性に関与することが知られており、高Vfとなると、タンク強度は高まるものの、耐久性の低下を来す。低Vfであれば、この逆に、タンク強度は低下する反面、耐久性は高まる。よって、高圧水素タンク30の製造に際しては、タンク強度の確保と耐久性確保の観点から、図4に示すように、製造目標たるVfの狙い値は、できるだけ低いVfである幅を持った許容範囲のVfとなる。この許容範囲は、図4において白抜き矢印で示されている。繊維強化樹脂層20のVfが上記の許容範囲の狙い値Vfaとなるようにするには、熱硬化炉200での設定済み加熱状況が図3のポイントPmに対応する昇温速度Svmに相当すれば、FW装置100による巻回張力を図4のFm−Vfaとすればよい。熱硬化炉200での設定済み加熱状況が図3のポイントPhに対応する昇温速度Svh(<Svm)に相当すれば、FW装置100による巻回張力を図4のFh−Vfa(<Fm−Vfa)とすればよい。
このことから、熱硬化炉200において設定された加熱状況による中間生成品タンク12への加熱が高いほど、換言すれば、熱硬化炉200にて設定された加熱状況において加熱を受ける中間生成品タンク12の昇温速度が大きいほど、FW装置100では、樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回の際の巻回張力を小さく設定して、その設定した巻回張力で樹脂含浸カーボン繊維Wを巻回すればよくなる。こうすれば、巻回張力を小さくすることで熱硬化炉200での熱硬化の過程での樹脂の染み出しを抑制して、繊維強化樹脂層20のVfを図4の許容範囲に含まれる低Vfとできる。繊維強化樹脂層20のVfを図4の許容範囲に含まれる狙い値Vfbとする場合も同様である。そして、熱硬化炉200を加熱コイルを用いた高周波誘電加熱式の炉として、この熱硬化炉200で高い昇温速度Svl(図3参照)の加熱状況となるように設定する場合には、FW装置100では、樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回の際の巻回張力を図4に示す小さな巻回張力Fl−Vfbに設定して、その設定した小さな巻回張力Fl−Vfbで樹脂含浸カーボン繊維Wを巻回することができる。こうすれば、巻回張力をより小さくしても、熱硬化炉200での熱硬化の過程での樹脂の染み出しを抑制して、繊維強化樹脂層20のVfを図4の許容範囲に含まれる低Vfとできる。
これらを踏まえて、FW装置100による樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回の様子について説明する。図2に示すように、FW装置100の制御部150は、そのメモリ部に図3や図4に相当する巻回張力と昇温速度の対応関係を記憶しており、繊維巻回に先だち、熱硬化炉200が設定している加熱状況(昇温速度)を読み込む。そして、読み込んだ設定済み加熱状況(昇温速度)に対応する巻回張力を、昇温速度が大きいほど小さくなるように設定し、その設定した巻回張力に、張力調整部142を制御する。張力調整部142は、制御部150からの制御信号を受けて、可動ローラー144を上下動させ、クリールスタンド110からライナー10に送り出される際の樹脂含浸カーボン繊維Wの張力(巻回張力)を調整する。これにより、ライナー10の外周には、張力調整部142にて調整された巻回張力で樹脂含浸カーボン繊維Wが巻回されて繊維強化樹脂層20が形成され、中間生成品タンク12が得られる(図1(b)参照)。こうして得られた中間生成品タンク12は、既述したように熱硬化炉200の炉内にセットされ、熱硬化炉200が設定済みの加熱状況(昇温速度)で加熱を受けて熱硬化し、冷却養生を経て高圧水素タンク30が得られる。
以上説明したように、本実施例の高圧水素タンク30の製造方法によれば、既述したように巻回張力を小さくすることで熱硬化炉200での熱硬化の過程での樹脂の染み出しを抑制して、最終製品たる高圧水素タンク30の繊維強化樹脂層20のVfを図4の許容範囲に含まれる低Vfとできる。この場合、FW装置100の制御部150は図3や図4に相当する巻回張力と昇温速度の対応関係を記憶していることから、熱硬化炉200での加熱方式、例えば、温風吹き付けや電熱ヒーターによる加熱、高周波誘導加熱等のように加熱方式が相違しても、或いは、同じ加熱方式であっても加熱状況が種々設定される場合であっても、熱硬化炉200が実際に設定した加熱状況に対応して巻回張力を小さく設定できる。よって、上記した本実施例の製造方法によれば、汎用性が高まる。なお、熱硬化炉200での加熱状況が設定済みで不変であれば、制御部150は、設定済み加熱状況(昇温速度)に対応した巻回張力を記憶しておけば済む。
上記したようにFW装置100により調整した巻回張力によるライナー10の外周への樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回は、繊維強化樹脂層20を全層範囲に亘る全ての繊維巻回(フープ巻き、ヘリカル巻きを含む)について行うようにできる。この他、高圧水素タンク30のタンク強度に対する寄与が大きい樹脂層範囲、例えば、ライナー10の外表側の繊維強化樹脂層20の層範囲に亘る繊維巻回(フープ巻き、ヘリカル巻きを含む)について、既述したように調整した巻回張力で樹脂含浸カーボン繊維Wを巻回するようにすることもできる。この場合、繊維強化樹脂層20の厚肉を算出することで求められる樹脂層厚み方向の応力分布に基づいてタンク強度に対する寄与が大きい樹脂層範囲を決定し、その決定した樹脂層範囲で、既述した調整巻回張力での繊維巻回を行うようにすることもできる。なお、残余の層範囲、即ちタンク最外表側の繊維強化樹脂層20の層範囲については、巻回張力をより小さくするように調整することもできる。
また、FW装置100にてライナー10に樹脂含浸カーボン繊維Wを巻回するに当たり、繊維巻回の際の巻回張力を、後工程での熱硬化を図るための熱硬化炉200が設定する加熱状況(昇温速度)に対応する巻回張力に調整したが、この巻回張力調整を次のように補正することもできる。樹脂含浸カーボン繊維Wを巻回する際のライナー10の回転速度は、ライナー10に巻回される樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回張力に影響を及ぼし、ライナー回転速度が速くなれば巻回張力は高まる。よって、ライナー回転速度に応じた影響を見越して張力調整部142での巻回張力を調整すれば、熱硬化炉200が設定する加熱状況(昇温速度)に対応した巻回張力の調整精度が高まり、高Vfの抑制の実効性が高まる。この場合、樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回箇所は、巻回が進むほどタンク軸線からの距離が離れ、この巻回箇所がタンク軸線から離れるほど、巻回張力が大きくなるように巻回張力に影響を及ぼす。よって、樹脂含浸カーボン繊維Wの巻回箇所とタンク軸線との隔たりに応じて張力調整部142での巻回張力を調整すれば、熱硬化炉200が設定する加熱状況(昇温速度)に対応した巻回張力の調整精度が高まり、高Vfの抑制の実効性がより高まる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、上記の実施例では、FW装置100にて樹脂含浸カーボン繊維Wをライナー10の外周に巻回する際の巻回張力を、後工程である熱硬化工程において設定される加熱状況との対応関係に基づき、中間生成品タンク12の昇温速度が大きいほど小さくなるようにしたが、この逆とすることもできる。つまり、中間生成品タンク12の昇温速度を定める熱硬化炉200での加熱状況を、この熱硬化炉200にて、FW装置100が設定した巻回張力に対応して設定し、その設定に当たっては、FW装置100の設定済み回転張力が小さければ、大きな昇温速度で中間生成品タンク12を加熱するよう、加熱状況を設定すればよい。
上記の実施例では、高圧水素タンク30の製造工程の繊維強化樹脂層形成工程(図1(b))において、樹脂含浸カーボン繊維WをFW装置100にて既述したように巻回張力調整の上でライナー10に繰り返し巻回して繊維強化樹脂層20を形成するものとしたが、本発明は、これに限られない。この繊維強化樹脂層形成工程において、例えば、ライナー10の外表面側では樹脂含浸カーボン繊維Wを巻回し、繊維強化樹脂層20の外表面側を、樹脂含浸カーボン繊維Wに変えて樹脂含浸ガラス繊維を巻回するようにすることもできる。こうするには、樹脂含浸カーボン繊維Wと樹脂含浸ガラス繊維とについてそれぞれクリールスタンド110と経路部120およびアイクチガイド132を用意し、繊維切換の際に、樹脂含浸カーボン繊維Wの繰り出しを樹脂含浸ガラス繊維の繰り出しに切り換えればよい。ガラス繊維はカーボン繊維よりも耐衝撃性が強いため、高圧水素タンク30の最外表側における機械的強度を高くすることができる。
上記実施例では、高圧ガスタンクは、高圧水素タンク30であるものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、天然ガス等、他の高圧ガスを貯蔵する高圧ガスタンクとしてもよい。
10…ライナー
12…中間生成品タンク
14…口金
20…繊維強化樹脂層
30…高圧水素タンク
100…FW装置
110…クリールスタンド
112…ボビン
114…固定滑車
120…経路部
130…巻取部
132…アイクチガイド
134…回転駆動装置
140…固定ローラー
142…張力調整部
144…可動ローラー
150…制御部
200…熱硬化炉
210…架台
212…タンク軸支シャフト
214…放熱ヒーター
216…チャック
218…タンク回転機構
230…制御機器
W…樹脂含浸カーボン繊維

Claims (5)

  1. 高圧ガスタンクの製造方法であって、
    タンク容器となる中空のライナーの外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維を巻回して繊維強化樹脂層を形成し、タンク中間生成品を得る工程(a)と、
    前記タンク中間生成品を軸支し、該軸支した前記タンク中間生成品を加熱する加熱状況を設定し、該設定した加熱状況にて前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる工程(b)とを備え、
    前記工程(a)にて前記繊維を巻回する際の巻回張力と、前記工程(b)において前記設定される加熱状況とを対応付けた対応関係に基づいて、前記工程(a)における前記巻回張力の設定または前記工程(b)における前記加熱状況の設定の少なくともいずれかを行う
    高圧ガスタンクの製造方法。
  2. 請求項1に記載の高圧ガスタンクの製造方法であって、
    前記工程(a)では、
    前記巻回張力を設定した上で前記繊維を巻回するに当たり、前記工程(b)において前記設定された加熱状況を前記対応関係に照合させ、前記タンク中間生成品への加熱が高いほど前記巻回張力を小さく設定して前記繊維を巻回する
    高圧ガスタンクの製造方法。
  3. 請求項2に記載の高圧ガスタンクの製造方法であって、
    前記工程(a)では、前記工程(b)において前記設定された加熱状況で加熱を受ける前記タンク中間生成品の昇温速度が大きいほど前記巻回張力を小さく設定して前記繊維を巻回する、高圧ガスタンクの製造方法。
  4. 請求項3に記載の高圧ガスタンクの製造方法であって、
    前記工程(a)では、前記工程(b)における前記タンク中間生成品の昇温速度で定まる前記タンク中間生成品における前記繊維強化樹脂層の樹脂の粘度が小さいほど前記巻回張力を小さく設定して前記繊維を巻回する、高圧ガスタンクの製造方法。
  5. タンク容器となる中空のライナーの外周に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層を有する高圧ガスタンクの製造に用いる装置であって、
    熱硬化前の前記熱硬化性樹脂を含浸した繊維を前記ライナーの外周に巻回して前記繊維強化樹脂層を形成し、タンク中間生成品を得る繊維巻回手段と、
    該繊維巻回手段による前記繊維の巻回の際の巻回張力を調整する張力調整手段と、
    前記タンク中間生成品を軸支し、該軸支した前記タンク中間生成品を加熱する加熱状況を設定し、該設定した加熱状況にて前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる熱硬化手段とを備え、
    前記張力調整手段は、
    前記熱硬化手段により前記設定された加熱状況と前記巻回張力とを対応付け、前記タンク中間生成品への加熱が高いほど前記巻回張力を小さく設定する
    高圧ガスタンクの製造装置。
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