JP5736873B2 - 情報処理システム、及び、情報処理装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のシステムでは、プリンターと、課金に係る処理を行う装置とがネットワークを介して接続されており、プリンターから当該装置に対して、課金に係る処理に要する情報が適宜出力される。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、プリンターがネットワークに接続されているか否かにかかわらず、インクの使用の態様に応じた適切な課金を行うことを目的とする。
ここで、インクカートリッジのインクは、記録媒体への記録のために消費される場合のほか、クリーニングや、フラッシング等のために消費される場合がある。このように記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量は、基本的には、課金の対象とはすべきではない。
これを踏まえ、上記構成によれば、情報処理装置は、ネットワークを介して情報を取得することなく、廃インクタンクの回収の際に、廃インクタンクの記憶部に記憶された非記録インク消費量を示す情報を読み取ることにより、当該廃インクタンクを使用して廃インクを回収している間における、記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を示す情報を取得でき、当該情報に基づいて、当該廃インクタンクを使用していた間における記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を反映した適切な課金に係る課金情報を生成することが可能となり、当該課金情報に基づいて課金を行うことにより、インクの使用の態様に応じた適切な課金を行うことができる。
この構成によれば、廃インクタンクを使用していた間における記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量に対応する額をユーザーに還元することが可能となり、より適切に、課金を行うことができる。
この構成によれば、インク消費量を比較的正確に把握でき、かつ、計数しやすい情報であるショット数を用いて、インク消費量を適切に検出できる。
ここで、インクカートリッジのインクは、記録媒体への記録のために消費される場合のほか、クリーニングや、フラッシング等のために消費される場合がある。このように記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量は、基本的には、課金の対象とはすべきではない。
これを踏まえ、上記構成によれば、情報処理装置は、ネットワークを介して情報を取得することなく、廃インクタンクの回収の際に、廃インクタンクの記憶部に記憶された非記録インク消費量を示す情報を読み取ることにより、当該廃インクタンクを使用して廃インクを回収している間における、記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を示す情報を取得でき、当該情報に基づいて、当該廃インクタンクを使用していた間における記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を反映した適切な課金に係る課金情報を生成することが可能となり、当該課金情報に基づいて課金を行うことにより、インクの使用の態様に応じた適切な課金を行うことができる。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム1の構成を模式的に示す図である。
この情報処理システム1は、インクジェットプリンター10(記録装置)を所有するユーザーUに、インクジェットプリンター10で使用可能なインクカートリッジ11を提供するメーカーMが、インクの使用の態様に応じた適切な課金を行うことができるようにするシステムである。
メーカーMとは、インクジェットプリンター10、及び、インクカートリッジ11の製造、販売を行う主体であり、後述するように、使用後のインクカートリッジ11をユーザーUから回収し、当該インクカートリッジ11にインクを充填し、当該インクカートリッジ11をユーザーUに提供するサービスを行っている。
ユーザーUとは、メーカーMが販売するインクジェットプリンター10を購入し、使用する主体である。ユーザーUは、個人であっても、法人であってもよい。また、インクジェットプリンター10は、個人宅等で個人的に使用されていてもよく、また、会社等で共有して使用されていてもよいが、インターネットに通信可能に接続されていないものとする。従って、インクジェットプリンター10は、インターネットを介して、メーカーMのサーバー等と通信することは不可能である。インクジェットプリンター10をインターネットに接続するためには、必要な設備の準備、環境の構築、ハードウェア的、ソフトウェア的な各種設定等を行う必要があるため、インクジェットプリンター10がインターネットに接続されていないケースは、少なからずある。
まず、図1を用いて、情報処理システム1におけるインクカートリッジ11のサイクルを中心に、情報処理システム1の概要について、ステップST1〜ステップST5の5段階に分けて簡単に説明する。
以下の説明では、説明の便宜のため、図1を用いた説明では、インクの色を考慮せず、1つのインクジェットプリンター10には、1つのインクカートリッジ11が装着されて使用されるものとする。
インクカートリッジ11には、ICチップ12が設けられており、このICチップ12には、記憶部たる不揮発性メモリー14(図3)が実装されている。ICチップ12の詳細な構成、及び、ICチップ12の使用の態様については、後述する。
インクジェットプリンター10が使用されている間、装着インクカートリッジ111のICチップ12に実装された不揮発性メモリー14には、適宜、後述する所定のデータが書き込まれる。
インクジェットプリンター10の使用が進むと、装着インクカートリッジ111のインク残量は低下していくこととなるが、ユーザーUは、インク残量が所定値未満に低下した段階で、装着インクカートリッジ111を取り外すと共に、予備インクカートリッジ112をインクジェットプリンター10に新たに装着し、インクカートリッジ11の交換を行う。以下、インク残量の低下に伴ってインクジェットプリンター10から取り外されたインクカートリッジ11を「使用済インクカートリッジ113」と表現し、他と明確に区別するものとする。
使用済インクカートリッジ113は、例えば、以下のようにしてメーカーMの所定の施設へ運ばれる。
例えば、インクカートリッジ11自体、インクカートリッジ11の包装、容器等にメーカーMの所定の施設の住所が記録された状態とし、ユーザーUは、使用済インクカートリッジ113を、メーカーMの所定の施設に、直接、郵送する。
また例えば、メーカーMの担当者が、定期的に、又は、ユーザーUの要望に応じて、ユーザーUの元を訪れ、使用済インクカートリッジ113を回収する。
また例えば、インクジェットプリンター10に関する保守、運用、その他の管理を担当する所定のシステムインテグレーターが、ユーザーUとメーカーMとの間を仲介し、使用済インクカートリッジ113をメーカーMの所定の施設へ運ぶ。
以下、ステップST4においてインクが充填されたインクカートリッジ11を「充填インクカートリッジ114」と表現し、他と明確に区別するものとする。
そして、本実施形態に係る情報処理システム1では、インクの充填のため、メーカーMによってインクが回収されるという特徴を利用して、後述するように、インターネットに接続されていないインクジェットプリンター10で使用されるインクカートリッジ11に関して、適切な課金の実行を実現している。
次いで、インクジェットプリンター10、及び、情報処理装置16について説明する。
インクジェットプリンター10は、図2に示すように、主走査方向Y1に往復走査可能なキャリッジ20を備えている。このキャリッジ20には、シアン(C)のインクを貯留したシアンカートリッジ21、ブラック(K)のインクを貯留したブラックカートリッジ22、イエロー(Y)のインクを貯留したイエローカートリッジ23、及び、マゼンタ(M)のインクを貯留したマゼンタカートリッジ24の4つのインクカートリッジ11がそれぞれ搭載されている。
キャリッジ20には、記録媒体に向かってインクを吐出するインクジェットヘッド26(記録ヘッド)が搭載されている。インクジェットヘッド26の先端面には、インクを微細なインク粒として吐出するノズル孔が多数開口している。
インクジェットヘッド26は、ピエゾ素子を用いて構成されるアクチュエーターによって、各インクカートリッジ11から供給されるインクを記録媒体へ向かって押し出して、ノズル孔から微細なインク粒を選択的に吐出する。
ノズル孔は、インクジェットヘッド26の下面を構成するノズル形成面27に、4列のノズル列をなして配置されている。これら4つのノズル列は、それぞれ異なるインクカートリッジからインクが供給され、それぞれ異なる色のインクを吐出する構成となっている。図2の例では、シアンノズル列21aはシアンカートリッジ21から、ブラックノズル列22aはブラックカートリッジ22から、イエローノズル列23aはイエローカートリッジ23から、マゼンタノズル列24aはマゼンタカートリッジ24からそれぞれ供給されたインクを吐出する構成となっている。
記録動作中、インクジェットプリンター10は、インクジェットヘッド26を主走査方向Y1に走査させつつ、インクジェットヘッド26の各色のノズル孔からそれぞれ所定量のインクを吐出して、記録媒体に記録すべき画像を構成するドットを形成する。
このようにインクジェットヘッド26は、記録媒体へ画像を記録する記録動作中は主走査方向Y1を往復移動するが、待機状態においては、ホームポジションHPに位置する。このホームポジションHPにおけるインクジェットヘッド26の直下には、キャッピング装置29が設けられている。
キャッピング装置29は、上面が開口した箱状のキャップ本体30を備え、このキャップ本体30は、ゴム等の弾性部材を用いて構成された枠体31を備え、この枠体31に囲まれた空間には、記録ヘッド収納部32が形成されている。キャップ本体30は、プリンター側制御部40の制御によって駆動する専用のモーターの動作に応じて、上昇及び下降可能に構成されており、上昇したときに、ホームポジションHPに位置するインクジェットヘッド26のノズル形成面27を記録ヘッド収納部32に収納する。
詳細には、キャップ本体30の枠体31の内周は、インクジェットヘッド26の外周と略同一形状とされ、キャップ本体30が所定の位置まで上昇すると、枠体31の内周にインクジェットヘッド26の外周が接触した状態で、ノズル形成面27が記録ヘッド収納部32に収納される。
また、キャップ本体30の下面33には、下面33を貫通する排出孔34が形成されており、この排出孔34には、チューブ35が接続されており、このチューブ35には、廃インクを貯留するための廃インクタンク36が接続されている。チューブ35には、排出孔34を介して記録ヘッド収納部32の空気を吸入して吐出するポンプ37が設けられている。廃インクタンク36は、インクジェットプリンター10本体から、取り外し可能であり、周期的に、又は、廃インクタンク36に貯留されている廃インクの状況に応じて、適宜、交換される。
以上説明したキャッピング装置29や、チューブ35、ポンプ37、及び、廃インクタンク36が協働して、廃インク回収部として機能する。
本実施形態に係るインクジェットプリンター10は、キャッピング装置29を利用して、クリーニング動作、及び、フラッシング動作を実行可能である。
クリーニング動作時、インクジェットヘッド26は、ホームポジションHPに移動され、かつ、キャッピング装置29のキャップ本体30が所定位置まで上昇することによりインクジェットヘッド26のノズル形成面27がキャップ本体30の記録ヘッド収納部32に収納される。次いで、ポンプ37が駆動され、この駆動に伴って排出孔34から空気が吸い出され、ノズル形成面27に負圧が加わり、この負圧によってノズルに留まっているインクがノズルから強制的に吸い出される。
クリーニング動作は、所定の事象をトリガーとして、また、予め定められた所定のタイミングで、また、ユーザーUの指示に基づいて、実行される。
本実施形態では、クリーニング動作の実行時は、毎回、同様にして行われ、このため、クリーニング動作に各ノズルから吐出されるインクの量は、毎回、略一定であり、かつ、事前のテスト等を通して、クリーニング動作時に各ノズルから吐出されるインクの量は判明している。
ノズル形成面27に形成された多数のノズル孔のうち、記録動作において使用されないノズル孔や使用頻度の低いノズル孔においては、インクが乾燥等により増粘して吐出不良を起こす事態が生じることがある。フラッシング動作は、この吐出不良を防止するために実行される動作であり、ノズル形成面27に形成された各ノズル列の各ノズル孔から所定回数、所定量のインクが吐出され、各ノズルに留まっているインクが新たなインクに置き換えられる。本実施形態では、フラッシング動作は、記録動作の実行中、所定時間が経過する毎に、自動で、インクジェットヘッド26をホームポジションHPに移動させて実行される。
この図に示すように、インクジェットプリンター10は、プリンター側制御部40と、プリンター側入力部41と、プリンター側表示部42と、プリンター側記憶部43と、プリンター側通信制御部44と、を備えている。
プリンター側制御部40は、インクジェットプリンター10の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムをコンピューターに読み取り可能な態様で不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。プリンター側制御部40は、インク消費量検出部50と、インク情報書込部58とを備えているが、これについては後述する。
このプリンター側制御部40は、インクジェットヘッド26に接続され、インクジェットヘッド26が備えるアクチュエーターを駆動することによって、インクジェットヘッド26に形成されたノズルから必要量のインクを吐出させる。また、プリンター側制御部40は、キャリッジ駆動モーター38に接続され、キャリッジ駆動モーター38に駆動信号を出力して、キャリッジ駆動モーター38を所定量だけ動作させる。キャリッジ駆動モーター38の動作に応じて、キャリッジ20(図2)及びこのキャリッジ20に搭載されたインクジェットヘッド26の走査が行われる。また、プリンター側制御部40は、ポンプ駆動モーター39に接続され、ポンプ駆動モーター39を駆動することにより、適宜、ポンプ37を駆動する。
プリンター側表示部42は、液晶表示パネルや有機ELパネル等からなるプリンター側表示パネル42aを備え、プリンター側制御部40の制御の下、プリンター側表示パネル42aに各種情報を標示する。
プリンター側記憶部43は、EEPROMや、ハードディスク等を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
データの送信時、プリンター側通信制御部44は、送信データのエンコードを行って変調/復調部に出力し、この変調/復調部は、エンコードされた送信データを変調してRF部に出力し、このRF部は、変調された送信データを電波としてアンテナを介してチップ側通信制御部46に出力する。一方、データの受信時、RF部は、アンテナを介してチップ側通信制御部46から受信した電波を示す信号を変調/復調部に出力し、この変調/復調部は、RF部から入力された信号に基づいて、受信データをデコードし、プリンター側制御部40に出力する。
図3に示すように、インクカートリッジ11には、ICチップ12が設けられており、このICチップ12は、チップ側通信制御部46と、チップ側制御部47と、メモリーインターフェイス部48(メモリーI/F)と、不揮発性メモリー14と、を備えている。
チップ側制御部47は、ICチップ12の各部を中枢的に制御する。
チップ側通信制御部46は、チップ側制御部47の制御の下、上述したプリンター側通信制御部44と同様の方法により、プリンター側通信制御部44との間で、所定の規格に準拠した近距離無線通信を行う。
不揮発性メモリー14は、ICチップ12に実装された記憶素子を備え、各種データを書き換え可能、かつ、不揮発的に記憶する。
チップ側制御部47は、メモリーインターフェイス部48を介して、不揮発性メモリー14にアクセスして、不揮発性メモリー14にデータを書き込み、また、不揮発性メモリー14からデータを読み出すことが可能である。
なお、ICチップ12の各部への電力は、プリンター側通信制御部44から受信した電力供給用の搬送波を利用して、行われる。この他、インクカートリッジ11に電池を設け、この電池から電力を供給する構成であってもよい。
また、本実施形態では、プリンター側制御部40と、チップ側制御部47とは、無線通信を行うが、有線通信を行う構成であってもよい。
インク消費量検出部50は、インク消費量を検出するものであり、累計ショット数計数部51と、非記録ショット数計数部52とを備えている。
累計ショット数計数部51は、インクカートリッジ11がキャリッジ20に搭載された後に、インクカートリッジ11のインクが吐出された回数(ショット数)である累計ショット数をインクカートリッジ11ごとに計数する。具体的には、プリンター側記憶部43には、インクカートリッジ11がキャリッジ20に搭載された後、現時点に至るまでの、当該インクカートリッジ11からインクが吐出された回数の累計(累計ショット数)を示す累計ショット数管理データ54が記憶されており、累計ショット数計数部51は、1のインクカートリッジ11のインクについて、一つのノズル孔から、1回、インクが吐出される度に、当該一のインクカートリッジ11に係る累計ショット数管理データ54が示す値をインクリメントすることにより、累計ショット数を計数する。例えば、記録媒体に画像を記録する際に、一のインクカートリッジ11のインクが100回吐出された場合、当該一のインクカートリッジ11に係る累計ショット数管理データ54が示す値は、画像の記録前の値に「100」加算された値となる。
なお、累計ショット数管理データ54は、シアンカートリッジ21、ブラックカートリッジ22、イエローカートリッジ23、及び、マゼンタカートリッジ24のそれぞれのインクカートリッジ11について記憶されており、累計ショット数計数部51は、それぞれのインクカートリッジ11の累計ショット数を計数する。
インク情報書込部58は、プリンター側通信制御部44を制御して、チップ側制御部47に、不揮発性メモリー14の累計ショット数データ57、及び、非記録ショット数データ59の値を書き換えさせる。
累計ショット数データ57とは、上述した累計ショット数を示すデータであり、非記録ショット数データ59とは、上述した非記録ショット数を示すデータである。
インク情報書込部58は、インク消費量検出部50の各部により、プリンター側記憶部43の累計ショット数管理データ54、又は、非記録ショット数管理データ55が書き換えられたタイミングで、適宜、不揮発性メモリー14に記憶された累計ショット数データ57、又は、非記録ショット数データ59を書き換える。この他、インク情報書込部58は、インクカートリッジ11がインクジェットプリンター10から取り外される動作が開始されたことを検出した場合に、プリンター側記憶部43の累計ショット数管理データ54、及び、非記録ショット数管理データ55に基づいて、ICチップ12の不揮発性メモリー14に記憶された累計ショット数データ57、及び、非記録ショット数データ59を書き換えるようにしてもよい。
つまり、インクジェットプリンター10からインクカートリッジ11が取り外され、使用済インクカートリッジ113となった場合は、当該使用済インクカートリッジ113の不揮発性メモリー14に記憶された累計ショット数データ57の値は、インクカートリッジ11がインクジェットプリンター10に装着されてから、取り外されるまでの累計ショット数を示す値となっており、かつ、非記録ショット数データ59の値は、インクカートリッジ11がインクジェットプリンター10に装着されてから、取り外されるまでの非記録ショット数を示す値となっている。
図4に示すように、情報処理装置16は、制御部60(装置側制御部)と、入力部61(装置側入力部)と、表示部62(装置側表示部)と、通信制御部63(装置側通信制御部)と、記憶部64(装置側記憶部)と、を備えている。
制御部60は、情報処理装置16の各部を中枢的に制御するものであり、上述したプリンター側制御部40と同様、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。制御部60は、情報読取部70と、充填回数書込部71と、課金情報生成部72とを備えているが、これらについては後述する。
入力部61は、各種入力インターフェイスに接続され、入力インターフェイスに対する操作を検出し、制御部60に出力する。
表示部62は、液晶表示パネルや、有機ELパネル等の表示パネル62aを備え、制御部60の制御の下、表示パネル62aに各種情報を表示する。
通信制御部63は、制御部60の制御の下、インクカートリッジ11のチップ側通信制御部46と通信する。通信方法は、上述したプリンター側通信制御部44と同様である。
記憶部64は、EEPROMや、ハードディスク等を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
次いで、図1のステップST3〜ステップST5について詳述する。
まず、ステップST3について詳述する。
ステップST3では、まず、情報処理装置16の通信制御部63と、充填インクカートリッジ114のチップ側通信制御部46との間で近距離無線通信が可能となるような所定の位置に、インクカートリッジ11がセットされる。
次いで、制御部60は、RAMのワークエリアに記憶されたインク充填回数データ56の値を取得する(ステップSA2)。
次いで、制御部60は、取得した値をインクリメントする(ステップSA3)。
上述したように、インク充填回数データ56は、インクカートリッジ11にインクが充填された回数を示すデータである。従って、ステップSA3においてインクリメントされた値は、ステップST3の直後に行われるステップST4におけるインクの充填を反映した値となる。
ここで、インクカートリッジ11は、品質の保証を目的として、経年劣化等を考慮して、インクの充填が可能な回数に上限が設けられている。充填可能回数とは、この上限に対応する値であり、ステップSA4では、ステップST4において行われるインクの充填の回数が、当該充填可能回数を超えることにならないか否かが判別される。
ステップSA3でインクリメントした値が、充填可能回数を超えている場合(ステップSA4:YES)、制御部60は、表示部62を制御して、現時点でセットされている使用済インクカートリッジ113と、インクが充填された新品のインクカートリッジ11とを交換する旨の警告を、表示パネル62aに表示し(ステップSA5)、処理を終了する。以下の説明では、ステップSA5における警告をトリガーとして、オペレーターが、セットされている使用済インクカートリッジ113を取り外し、インクが充填された新品のインクカートリッジ11を新たにセットしたものとする。
一方、ステップSA3でインクリメントした値が、充填可能回数を超えていない場合(ステップSA4:NO)、表示部62は、処理手順をステップSA6へ移行する。
次いで、制御部60の充填回数書込部71は、通信制御部63を制御して、充填インクカートリッジ114の不揮発性メモリー14に記憶されたインク充填回数データ56の値を、ステップSA3でインクリメントした値によって、書き換える(ステップSA7)。
これにより、図5のフローチャートに示す動作が実行された後は、RAMのワークエリアに記憶されたインク充填回数データ56の値、及び、インクカートリッジ11の不揮発性メモリー14に記憶されたインク充填回数データ56の値の双方が、直後に行われるステップST4のインクの充填を反映した同一の値となる。
次いで、課金情報生成部72の動作について、インクカートリッジ11の支払い方法が、「後払い」の場合と、「先払い」の場合に分けて説明する。
まず、「後払い」の場合を説明する。
なお、インクカートリッジ11の支払い方法が、「後払い」であるため、図6において処理対象となっているインクカートリッジ11に係る代金ついては、未だ、ユーザーUは、支払っていない。
次いで、課金情報生成部72は、ステップSB1で取得したインク充填回数データ56の値に基づいて、インクの充填回数に応じた充填回数対応割引情報を生成する(ステップSB2)。
詳述すると、本実施形態に係る情報処理システム1では、インクの充填回数が、所定の回数の場合は、ユーザーUに対するインクカートリッジ11に係る課金に際して、所定の割引を行う構成となっている。充填回数対応割引情報とは、当該所定の割引を示す情報のことである。
具体例を挙げて説明すると、例えば、インクの充填回数が、1回目である場合は、初回限定サービスとして、請求金額を無料としたり、また、50%割引したりする。また例えば、インクの充填回数が、10回目や、20回目等の節目にあたる場合は、継続して、インクカートリッジ11を使用していただいていることへの感謝として、請求金額を無料としたり、また、50%割引したりする。
例えば、情報処理装置16の記憶部64には、インクの充填回数と、各充填回数時に実施すべき割引を示す情報とが対応づけて記憶されたテーブルが記憶されており、課金情報生成部72は、当該テーブルの内容に基づいて、充填回数対応割引情報を生成する。
このように、本実施形態では、インクの充填回数に応じて、多様で、フレキシブルなサービスを提供する。特に、「インクの充填の回数」という、本実施形態に係る情報処理システム1特有の情報に着目して、課金情報生成部72が、当該情報に応じた充填回数対応割引情報を生成する構成となっており、この構成により、従来と比較して、より多様で、フレキシブルなサービスを提供可能となっている。
次いで、課金情報生成部72は、累計ショット数データ57が示す値から、非記録ショット数データ59が示す値を減算することにより、記録ショット数を算出する(ステップSB4)。
記録ショット数とは、インクカートリッジ11のインクのうち、記録媒体への画像の記録に使用したインクのショット数のことであり、具体的には、インクカートリッジ11のインクの累計のショット数から、クリーニング動作、及び、フラッシング動作におけるショット数を減算した値である。従って、記録ショット数は、累計ショット数データ57が示す値から、非記録ショット数データ59が示す値を減算することにより算出可能である。
詳述すると、まず、課金情報生成部72は、ステップSB4で算出した記録ショット数に基づいて、当該記録ショット数を、金額に換算する。なお、1ショットの金額は、事前に決定されている。ここで換算された金額は、クリーニング動作や、フラッシング動作等、ユーザーUの意図とは関係なく不可避的に実行された動作において使用されたインクの代金は、含まれていない。すなわち、換算された金額は、記録媒体への画像の記録に使用したインクの代金である。従って、換算された金額は、ユーザーUに請求すべき金額として、インクの使用の態様に応じた適切な金額である、と言うことができる。
さらに、課金情報生成部72は、換算した金額に、ステップSB2で生成した充填回数対応割引情報が示す割引を施した金額を算出する。例えば、充填回数対応割引情報が、「50%割引」を示す情報である場合は、上記換算した金額に対し、50パーセントの割引を施した場合における金額を算出する。以下、ここで算出された金額を「後払時最終請求金額」という。
さらに、課金情報生成部72は、上記のようにして算出した後払時最終請求金額を、ユーザーUに請求する旨の情報を含む課金情報を生成する。
この請求書では、上述した図6のステップSB5において生成された課金情報が参照されて、上述した後払時最終請求金額に対応する額が請求される。
図7は、インクカートリッジ11の支払い方法が「先払い」の場合のステップST3における課金情報生成部72の動作を示すフローチャートである。
なお、インクカートリッジ11の支払い方法が、「先払い」であるため、図7において処理対象となっているインクカートリッジ11に係る代金を、ユーザーUは、既に、支払っている。その際、ユーザーUにより、インクカートリッジ11の正規の代金、すなわち、インクカートリッジ11に充填されているインクの全てが課金対象となった代金が支払われている。
次いで、課金情報生成部72は、非記録ショット数データ59が示す非記録ショット数を金額に換算する(ステップSC2)。ここで、換算された金額は、記録媒体への画像の記録に使用されなかったインクの量に対応する金額である。上述したように、この金額は、本来、ユーザーUに請求すべき金額ではないが、インクカートリッジ11の支払い方法が「先払い」であるため、既に、当該金額に対応する額の代金が支払われている。
次いで、課金情報生成部72は、換算した金額を、還元する旨の情報を含む課金情報を生成する(ステップSC3)。
ステップSC3で生成される課金情報の内容について、具体例を挙げて説明すると、例えば、課金情報生成部72は、ステップSC2で換算した額の割引を行うクーポンを発行する旨の情報を含む課金情報を生成する。当該クーポンを発行し、ユーザーUに引き渡すことにより、ユーザーUは、新たにインクカートリッジ11を取得し、その代金を支払う際に、当該クーポンを利用して、ステップSC2で換算した額に相当する額の割引の適用を受ける。これにより、記録媒体への画像の記録に使用されなかったインクの量に対応する金額が、ユーザーUに適切に還元される。
また例えば、課金情報生成部72は、ステップST5において、ユーザーUに充填インクカートリッジ114を送り、かつ、当該充填インクカートリッジ114の代金を請求する際に、請求金額から、ステップSC2で換算した額の割引を行う旨の情報を含む課金情報を生成する。これにより、記録媒体への画像の記録に使用されなかったインクの量に対応する金額が、ユーザーUに適切に還元される。
なお、図7のフローチャートに示す動作において、上述した図6のステップSB1、SB2と同様の処理を実行することにより、インクの充填回数に応じて、適切なサービスを行う旨の課金情報を生成してもよいことは勿論である。
この請求書は、ステップST5においてユーザーUに送られるインクカートリッジ11の代金を請求するものである。従って、請求書では、基本的に、当該インクカートリッジ11の正規の代金、すなわち、インクカートリッジ11に充填されているインクの全てが課金対象となった代金の請求が行われる。そして、代金の請求に際しては、図7のステップSC3において生成された課金情報の内容が反映される。
例えば、図7のステップSC3において生成された課金情報が、ステップSC2で換算した額の割引を行うクーポンを発行する旨の情報を含んでいる場合は、所定の手段により、当該クーポンが発行され、当該クーポンがユーザーUに送られる。ユーザーUは、代金の支払いに際し、当該クーポンを利用することにより、記録媒体への画像の記録に使用されなかったインクの量に対応する金額の還元を受けることができる。
また例えば、図7のステップSC3において生成された課金情報が、充填インクカートリッジ114の代金を請求する際に、請求金額から、ステップSC2で換算した額の割引を行う旨の情報を含んでいる場合は、請求書において請求する金額を、充填インクカートリッジ114の正規の代金から、ステップSC2で換算した額を割り引いた代金とする。
これによれば、インクカートリッジ11の不揮発性メモリー14に、当該インクカートリッジ11の実際の使用の態様に応じたインク消費量を示す情報が記憶されることとなり、これにより、情報処理装置16は、ネットワークを介して情報を取得することなく、インクカートリッジ11の不揮発性メモリー14に記憶された情報を読み取り、当該情報に含まれるインク消費量を示す情報に基づいて、インクの使用の態様に応じた適切な課金に係る課金情報を生成することが可能となり、当該課金情報に基づいて課金を行うことにより、インクの使用の態様に応じた適切な課金を行うことができる。
ここで、インクカートリッジ11のインクは、記録媒体への記録のために消費される場合のほか、クリーニング動作や、フラッシング動作等のために消費される場合がある。このように記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量は、課金に際し、考慮されるべき情報である。
これを踏まえ、上記構成によれば、記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を反映して、より適切に、課金を行うことができる。
これによれば、記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量に対応する額をユーザーに還元することが可能となり、より適切に、課金を行うことができる。
これによれば、インクカートリッジ11にインクを充填した回数を示す情報が、当該インクカートリッジ11の不揮発性メモリー14に記憶されるため、インクカートリッジ11が不揮発性メモリー14を備えていることを利用して、容易に、インクカートリッジ11のそれぞれについて、インクの充填の回数を管理できる。特に、インクカートリッジ11の充填可能回数は、経年劣化等を考慮して、上限が設けられている場合も多いが、各インクカートリッジ11の不揮発性メモリー14に、各インクカートリッジ11にインクを充填した回数を示す情報が記憶されるため、インクの充填に際し、充填可能回数を超えたか否かを容易に検出可能である。
これによれば、インクの充填回数に応じて、課金に係る額を低減できるため、例えば、充填回数が1回目のユーザーに対して、課金に係る額を低減したり、また、充填回数が10回目や、20回目等の節目にあたるユーザーに対して、課金に係る額を低減したりすることが可能となり、多様で、フレキシブルなサービスを提供可能となる。
これによれば、インク消費量を比較的正確に把握でき、かつ、計数しやすい情報であるショット数を用いて、インク消費量を適切に検出できる。
次いで、第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態と、第2実施形態の大きな構成上の差異は、インクカートリッジ11にICチップ12が搭載されておらず、代わりに、廃インクタンク36にICチップ12bが搭載されている点である。
第1実施形態に係るインクジェットプリンター10と、第2実施形態に係るインクジェットプリンター10bとの物理的構成は、同様であり、図2を用いて説明したように、キャッピング装置29や、チューブ35、ポンプ37、及び、廃インクタンク36が協働して、廃インク回収部として機能する。
以下の説明において、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図8を用いて、情報処理システム1bにおける廃インクタンク36のサイクルを中心に、情報処理システム1bの概要について、ステップSP1〜ステップSP3の3段階に分けて簡単に説明する。
また、第1実施形態で説明したように、インクジェットプリンター10bで使用された廃インクは、廃インクタンク36に貯留される。この廃インクタンク36は、所定の周期で、未使用の廃インクタンク36と交換されることとなっており、これにより、廃インクタンク36において廃インクがオーバーフローすることが防止されている。なお、廃インクタンク36に貯留された廃インクの量を、センサー等を用いて検出する構成とし、廃インクタンク36に貯留された廃インクの量が所定の閾値を超えた場合に、使用していた廃インクタンク36を、未使用の廃インクタンク36に交換することとしてもよい。
以下の説明では、ステップSP1において、インクジェットプリンター10bから取り外された廃インクタンク36を、「使用済廃インクタンク362」と称する。
図9と、図3との比較において明らかなように、本実施形態に係るインクジェットプリンター10bのプリンター側制御部40bのインク消費量検出部50bは、累計ショット数計数部51を備えておらず、これに伴って、プリンター側記憶部43には、累計ショット数管理データ54が記憶されていない点で、第1実施形態に係るインクジェットプリンター10と異なっている。
非記録ショット数計数部52bは、一の廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bに取り付けられ、現時点に至るまでに、クリーニング動作、及び、フラッシング動作において各インクカートリッジ11からインクが吐出された回数の累計を計数する。つまり、非記録ショット数計数部52bは、一の廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bに取り付けられている期間において、インクカートリッジ11の交換の状況に係わらず、クリーニング動作、及び、フラッシング動作において、各ノズルからインクが吐出された回数(ショット数)の累計を計数する。なお、非記録ショット数計数部52bは、プリンター側記憶部43に記憶された非記録ショット数管理データ55bを利用して、上記の計数を実行する。
また、インク情報書込部58bは、プリンター側記憶部43に記憶された非記録ショット数管理データ55bに基づいて、適宜、廃インクタンク36のICチップ12bの不揮発性メモリー14bに記憶された非記録ショット数データ59bの値を書き換える。書き換えるタイミングは、上述した第1実施形態におけるインク情報書込部58と同様である。
図9に示すように、不揮発性メモリー14bには、非記録ショット数データ59bが記憶されている。
非記録ショット数データ59bとは、廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bに取り付けられていた期間中に、クリーニング動作、及び、フラッシング動作において各ノズルからインクが吐出された回数(ショット数)を示すデータである。インクジェットプリンター10bから廃インクタンク36が取り外され、使用済廃インクタンク362となった場合は、当該使用済廃インクタンク362の不揮発性メモリー14bに記憶された非記録ショット数データ59bの値は、廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bに装着されてから、取り外されるまでに、クリーニング動作、及び、フラッシング動作において各ノズルからインクが吐出された回数の累計(以下、「期間中非記録ショット数」という)を示す値となっている。
図10に示すように、ある一の廃インクタンク36が、期間K1の間、インクジェットプリンター10bに取り付けられ、その後、期間K2の間、他の廃インクタンク36が、インクジェットプリンター10bに取り付けられたとする。
上記の例において、交換のため一の廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bから取り外されたときの、当該一の廃インクタンク36の不揮発性メモリー14bに記憶された非記録ショット数データ59bが示す期間中非記録ショット数の値は、期間K1中にインクカートリッジ11のいずれかの交換が行われたか否かにかかわらず、期間K1中に行われたクリーニング動作、及び、フラッシング動作において、各ノズルからインクが吐出された回数(ショット数)の累計を示す値となっている。
同様に、上記の例において、交換のため他の廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bから取り外されたときの、当該他の廃インクタンク36の不揮発性メモリー14bに記憶された非記録ショット数データ59bが示す期間中非記録ショット数の値は、期間K2中にインクカートリッジ11のいずれかの交換が行われたか否かにかかわらず、期間K2中に行われたクリーニング動作、及び、フラッシング動作において、各ノズルからインクが吐出された回数(ショット数)の累計を示す値となっている。
図11と、図4との比較において明らかなように、情報処理装置16bの制御部60bは、通信制御部63を介して、廃インクタンク36のチップ側制御部47bと通信可能である。
以下の説明において、情報読取部70b、及び、課金情報生成部72bの機能は、CPUがプログラムを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
ステップSP3では、まず、情報処理装置16bの通信制御部63と、使用済廃インクタンク362のチップ側通信制御部46bとの間で近距離無線通信が可能となるような所定の位置に、使用済廃インクタンク362がセットされる。
次いで、課金情報生成部72bは、RAMのワークエリアに記憶された非記録ショット数データ59bの値を取得する(ステップSD2)。
次いで、課金情報生成部72bは、非記録ショット数データ59bが示す期間中非記録ショット数を金額に換算する(ステップSD3)。ここで、換算された金額は、廃インクタンク36がインクジェットプリンター10bに取り付けられている期間中に、記録媒体への画像の記録に使用されなかったインクの量に対応する金額である。上述したように、この金額は、本来、ユーザーUに請求すべき金額ではないが、インクカートリッジ11の支払い方法が「先払い」であるため、既に、当該金額に対応する額の代金が支払われている。
次いで、課金情報生成部72bは、換算した金額を、還元する旨の情報を含む課金情報を生成する(ステップSD4)。
また例えば、課金情報生成部72は、インクカートリッジ11が新たに購入され、当該新たに購入されたインクカートリッジ11の代金を請求する際、第1実施形態の例では、充填インクカートリッジ114をユーザーUに送り、当該充填インクカートリッジ114の代金を請求する際に、請求金額から、ステップSD3で換算した額の割引を行う旨の情報を含む課金情報を生成する。これにより、上記期間中に、記録媒体への画像の記録に使用されなかったインクの量に対応する金額が、ユーザーUに適切に還元される。
また例えば、図12のステップSD4において生成された課金情報が、充填インクカートリッジ114の代金を請求する際に、請求金額から、ステップSD3で換算した額の割引を行う旨の情報を含んでいる場合において、充填インクカートリッジ114の代金を請求する場合は、請求書において請求する金額を、充填インクカートリッジ114の正規の代金から、ステップSD3で換算した額を割り引いた代金とする。
特に、本実施形態では、インクカートリッジ11にICチップ12を設ける必要がないため、その分、コストの削減を図ることができる。さらに、インクカートリッジ11は、色ごとに複数存在し、かつ、廃インクタンク36と比較して頻繁に交換されるものであるため、廃インクタンク36が取り付けられた期間ごとに、インクカートリッジ11の交換にかかわらず、記録媒体への画像の記録に使用しなかったインクの量(期間中非記録ショット数)を管理することにより、情報の管理が容易化する。
ここで、インクカートリッジ11のインクは、記録媒体への記録のために消費される場合のほか、クリーニングや、フラッシング等のために消費される場合がある。このように記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量は、基本的には、課金の対象とはすべきではない。
これを踏まえ、上記構成によれば、情報処理装置16bは、ネットワークを介して情報を取得することなく、廃インクタンク36の回収の際に、廃インクタンク36の不揮発性メモリー14bに記憶された非記録ショット数データ59bを読み取ることにより、当該廃インクタンク36を使用して廃インクを回収している期間における、記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を示す情報を取得でき、当該情報に基づいて、当該廃インクタンク36を使用していた間における記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量を反映した適切な課金に係る課金情報を生成することが可能となり、当該課金情報に基づいて課金を行うことにより、インクの使用の態様に応じた適切な課金を行うことができる。
これによれば、廃インクタンク36を使用していた期間における記録媒体への記録に使用されなかったインクの消費量に対応する額をユーザーに還元することが可能となり、より適切に、課金を行うことができる。
これによれば、インク消費量を比較的正確に把握でき、かつ、計数しやすい情報であるショット数を用いて、インク消費量を適切に検出できる。
インクジェットプリンター10、10bの具体的な構成は、上述した実施形態の例に限らない。すなわち、インクジェット式の記録装置を備えたシステムであって、インクの課金に係るシステムに、広く本発明を適用可能である。
Claims (7)
- 記録媒体への記録に使用されることなく記録装置の記録ヘッドから吐出されたインクを貯留し、前記記録ヘッドによるインク消費量のうち、前記記録媒体への記録に使用されなかったインクの量である非記録インク消費量を示す情報が記憶部に書き込まれた廃インクタンクのデータを処理する情報処理装置であって、
前記廃インクタンクの前記記憶部に記憶された前記非記録インク消費量を示す情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部が読み取った前記非記録インク消費量を示す情報に基づいて、当該非記録インク消費量に対応する金額を還元する旨の情報を含む課金情報を生成する課金情報生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記情報読取部は、近距離無線通信により、前記廃インクタンクの前記記憶部の前記非記録インク消費量を示す情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記非記録インク消費量を示す情報は、前記廃インクタンクが前記記録装置に取り付けられた期間中に、クリーニング動作、及び、フラッシング動作においてインクが吐出された回数の累計である期間中非記録ショット数を含み、前記記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジの交換にかかわらない情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
- インクカートリッジから供給されるインクを記録媒体に付着させることにより記録を行う記録ヘッドと、
記憶部を備え着脱可能な廃インクタンクに、前記記録媒体への記録に使用されることなく前記記録ヘッドから吐出されたインクを貯留する廃インク回収部と、
前記記録ヘッドによるインク消費量のうち、前記記録媒体への記録に使用されなかったインクの量である非記録インク消費量を検出する非記録インク消費量検出部と、
前記非記録インク消費量検出部が検出した非記録インク消費量を示す情報を、前記廃インクタンクの前記記憶部に書き込むインク情報書込部と、
を有する記録装置と、
前記廃インクタンクの前記記憶部に記憶された前記非記録インク消費量を示す情報を読み取る情報読取部と、
前記情報読取部が読み取った非記録インク消費量を示す情報に基づいて、当該非記録インク消費量に対応する額を還元する旨の情報を含む課金情報を生成する課金情報生成部と、
を有する情報処理装置と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。 - 前記記録装置の前記非記録インク消費量検出部は、
前記非記録インク消費量を、前記記録ヘッドが有するノズルから吐出されるインクのショット数に換算して検出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。 - 前記記録装置の前記インク情報書込部は、近距離無線通信により、前記非記録インク消費量検出部が検出した非記録インク消費量を示す情報を前記廃インクタンクの前記記憶部に書き込み、
前記情報処理装置の前記情報読取部は、近距離無線通信により、前記廃インクタンクの前記記憶部の前記非記録インク消費量を示す情報を取得する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理システム。 - 前記非記録インク消費量を示す情報は、前記廃インクタンクが前記記録装置に取り付けられた期間中に、クリーニング動作、及び、フラッシング動作においてインクが吐出された回数の累計である期間中非記録ショット数を含み、前記記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジの交換にかかわらない情報であることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
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