JP5734961B2 - 多変数プロセス制御においてモデルの品質を推定しモデルを適応させる装置およびその方法 - Google Patents

多変数プロセス制御においてモデルの品質を推定しモデルを適応させる装置およびその方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2009年5月29日付出願の米国特許仮特許第61/217,370号の利益を主張する。この米国仮特許出願の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
モデル予測制御(MPC)は、プロセス産業で最も広く利用されている高度なプロセス制御技術であり、現在、全世界で5,000を超える数のアプリケーション(適用実態)が運用されている。MPCは多変数制御(MVC)と称されることもあり、モデル予測制御器を用いる。このモデル予測制御器は、目下のプロセスの動的モデル、例えば、システム同定によって得られる線形モデルを活用する。
MPCに関する一般的かつ困難な課題として、MPCの制御性能が、目下の対象プロセスの避けられない変化、例えば、設備の改良、操業計画の変更、供給材料の量や品質の変化、デボトルネッキング(障害除去)、機器の劣化などによって経時的に劣化する点が挙げられる。このような制御性能の劣化は利益の損失を招く。制御性能の劣化につながる想定され得るあらゆる要因のなかでも、多くの場合はモデルの予測品質が主な要因である。良好な制御性能を維持するには、モデルの予測品質を監視し、定期的にモデルを審査し、必要ならばモデルを更新する必要がある。
しかし、不良モデルを正確に突き止め、これに置き換わるMPCの適用実態において新たなモデルを再同定することは、技術的に困難なだけでなく膨大な手間および費用がかかる。規模の大きいMPCの適用実態では、変数の数が100を超えることもある。再試験および再同定を実行するには、熟練した技術者であっても、何週間もの集中的な労働を必要とし、さらに、通常操業を行ううえでの大きな障害ともなり得る。
実際には、制御性能の劣化は、多くの適用実態のうち、モデルのごく一部のみによって引き起こされている。そのため、この「モデルのごく一部」を分離および更新する技術が求められている(以降、この「モデルのごく一部」のことを、略して「サブモデル」と称する)。
本発明の実施形態は、MPC適用実態において、制御モデルを監視、審査、再試験、再同定および更新することで上記の課題に対処する、新規な装置およびその方法を提供する。
実施形態は、自動閉ループステップ試験技術(例えば、本願と同じ出願人による、Harmuseらに特許された米国特許第7209793号明細書に記載されている技術)を拡張および統合したものを提供する。実施形態は、目下のプロセス操業に対する悪影響を最小限に抑えながら、モデル予測品質の評価に必要とされるデータを生成および収集するように構成かつ実行されることができる。
実施形態は、革新的なモデル品質評価モジュールを提供する。このモジュールは、モデルにおいて制御性能の劣化を引き起こす当該モデルの一部を同定することを支援する。
実施形態は、モデルの評価およびモデルの再同定に適したデータを選択するための、新規な自動データスライシング技術(自動でデータのピース(データ片)を取得する技術)を提供する。
一実施形態は、
プロセスの安全性を維持しながらプロセスに自動的に摂動を加える、統合された多変数オンラインコントローラ(多変数オンライン制御器)およびテスタ(試験器)と、
(i)前記コントローラおよびテスタによって制御される少なくとも1つの操作変数に対応するデータ、ならびに(ii)前記少なくとも1つの操作変数に依存する少なくとも1つの制御変数に対応するデータを記憶するデータベースと、
前記データに基づいて不良サブモデルを同定する性能診断モジュールとを備える装置である。オンラインモデル同定モジュールは、また、前記コントローラによって用いられる更新モデルを生成する。
一実施形態は、プロセスの多入力多出力(MIMO)動的モデルを更新する方法である。この方法は、閉ループ制御下のプロセスに自動的に摂動を加えることによってモデルを審査すること(ステップ)と、性能が不十分なサブモデル/不良サブモデルを同定する(特定する)こと(ステップ)と、前記サブモデルに関係するプロセス変数を再試験する(さらなる摂動を加える)こと(ステップ)と、制御器(コントローラ)にとって適切な新たなモデルを構築すること(ステップ)と、前記新たなモデルでオンライン制御器(オンラインコントローラ)を自動的に更新すること(ステップ)とを含む。モデル適応過程は、プロセスがその通常操業限界内で操業し続ける中、オンラインつまりプロセスに制御器が接続された状態で実行される。
前記方法は、さらに、開始モデルとして前記オンライン制御器の既存のモデルを用いて、例えば本願と同じ出願人による米国特許第7209793号明細書(参照をもって本明細書に取り入れたものとする)に記載されているようなテスタ(試験器)をモデル審査のために構成すること(ステップ)を含むものでもよい。前記テスタは、後に摂動が加えられる操作変数(MV)、制御変数(CV)、プロセスの安全性および通常操業のためにMVおよびCVに課される制御限界および制約、MV試験信号のプロファイル、試験時間の長さなどを有し得る。
プロセスには、プロセスCVをMPCのオンライン制御器(オンラインコントローラ)によって制御しながら、例えば一般化2値雑音信号(GBNS)を用いて、自動的に摂動が加えられてもよい。
一実施形態は、プロセスデータを収集し、その有効性を確認し、予備処理し、その収集されたプロセスデータを選択してモデル品質評価およびモデル同定に使用する装置ならびにその方法である。
前記方法は、さらに、オンライン制御器または試験器で取得可能各MVおよびCVについて算出された、各MV/CV算出状態を、モデル品質評価およびモデル同定における自動的なデータ有効性確認およびデータスライシングに利用すること(ステップ)を含むものでもよい。
前記方法は、さらに、プロセスデータが記憶されるデータベース内でカスタム計算式を作成することにより、自動的なデータ有効性確認およびデータスライシングを実行すること(ステップ)を含むものでもよい。
前記方法は、さらに、プロセスからの収集されたデータをスクリーニングすること(ステップ)を含むものでもよい。データのスクリーニング結果は、データがモデル品質評価またはモデル再同定に十分であるか否かを示してもよい。データのスクリーニングは、指定の時間間隔および指定の実行頻度(実行周波数)で自動的に実行されるものであってもよい。
前記方法は、さらに、プロセスデータを1つ以上のデータ選択基準に基づいて自動的にスライシングし、データギャップ、不良データ、欠落データ、「不変またはほとんど移動しない」データ、高い相互相関性を有するMVのデータなどに相当する、使用されるとモデル評価およびモデル同定に悪影響を及ぼしかねない無効なデータセグメントを特定して排除すること(ステップ)を含むものでもよい。
前記装置は、さらに、性能診断モジュールによる診断に適したデータを選択する自動データスライサ(自動データスライシング器)を備えるものでもよい。
前記データスライサは、さらに、MVおよびCVの動作状態データならびにコントローラの動作状態(操業状況)をダウンロードし、当該状態データを、少なくとも1つのMVと少なくとも1つのCVとのサブセットに係るデータフラグに変換する状態コンバータ(状態変換器)を備えるものでもよい。
前記データスライサは、さらに、良好なスライスまたは不良のスライスを生成してデータセグメントを選択し、モデル品質の審査およびモデル同定に必要なデータを用意する予備処理モジュールを備えるものでもよい。
前記データスライサは、さらに、あるイベント期間中に、モデル審査およびモデル同定にとって「望ましくないデータ」を自動的に排除するように、設定可能なイベント駆動型のデータスライス生成手段(データスライス生成器)を備えるものでもよい。
前記データスライサは、さらに、モデル審査およびモデル同定にとって検出可能な変動を十分に含まない変数を自動的に削除する、自動データスライス生成手段(自動データスライス生成器)を備えるものでもよい。
前記データスライサは、さらに、高い相互相関性を有する独立変数を自動的に排除する自動データスライス生成手段(自動データスライス生成器)を備えるものでもよい。
前記データスライサは、さらに、あるイベント期間中に、モデル審査およびモデル同定にとって不良データを、自動的に排除する、データスライス生成手段(データスライス生成器)を備えるものでもよい。
他の実施形態は、多入力多出力(MIMO)モデルを審査する方法である。この方法は、MPCの制御器(MPCのコントローラ)で使用されているモデル、およびデータの有効性確認済みの測定値の有効性に応じて、モデルをサブモデルに自動的に組み込むこと(ステップ)と、各サブモデルを監視すること(ステップ)と、各サブモデルの予測性能を評価すること(ステップ)と、不良サブモデルを診断すること(ステップ)と、前記不良サブモデルに関係するプロセス変数に摂動を加えること(ステップ)と、サブモデルを再同定すること(ステップ)と、モデルを自動的に適応させること(ステップ)とを含む。
前記方法は、さらに、モデルの品質を推定すること(ステップ)と、モデルのごく一部(サブモデル)であって、不十分な性能(すなわち、不良性能)である一部(サブモデル)、を同定する(特定する)こと(ステップ)とを含むものでもよい。
前記モデルの品質を推定することが、さらに、MIMOモデルを一群の多入力一出力(多入力単出力)(MISO)サブモデルに分解すること(ステップ)と、各MISOサブモデル複数の一入力一出力(SISO)動的モデル出力および付随するゲイン乗数のセットに組み入れること(ステップ)と、ファジィ論理則を用いることにより、前記組み入れられたサブモデルに基づいて、サブモデルの品質を評価すること(ステップ)とを含んでいてもよい。
前記方法は、さらに、MISO動的モデル全体を推定する代わりに、各MISOサブモデルのゲイン乗数を推定すること(ステップ)を含むものでもよい。ゲイン乗数は、低次元の定常状態ゲイン乗数でもよい。推定されたゲイン乗数は、不偏推定値の場合がある。
前記モデルの品質を推定することが、さらに、各SISOサブモデルを再同定することよりも少ないデータ要求で、各SISOサブモデルの動的不確定性を算出すること(ステップ)を含むものでもよい。モデルの動的不確定性は、制御器(コントローラ)のFIR(有限インパルス応答)サブモデル曲線と再推定されたSISOモデル曲線との間の動的偏差を示す予測目的関数の評価尺度(価値尺度)(value measure)として定義される。
前記モデルの品質を推定することが、さらに、モデルを再同定することよりも少ないデータ要求で、各サブモデルの周波数領域のモデル不確定性を算出すること(ステップ)を含むものでもよい。不確定性の少なくとも1つの尺度は、MVの測定値およびプロセスにおける少なくとも1つのCVからオンラインで算出されるものであってもよい。
不十分な性能のサブモデル/不良サブモデルを同定することが、さらに、ファジィ論理則を用いて、各サブモデルの総合的な品質を評価すること(ステップ)を含むものでもよい。前記ファジィ論理則は、モデルの品質に係る以下の4種類の算出スコアに基づき、各サブモデルに結論を下す:
a. サブモデルのゲイン乗数の推定値
b. サブモデルの動的不確定性
c. サブモデルのゼロ周波数での周波数不確定性
d. サブモデルの主要な交差点周波数(crossing-point frequency)での周波数不確定性
ここで、前記ファジィ論理則は、プロセスおよび制御分野における知識および熟練の経験に基づいて発展および改良される可能性があり、このため、当該論理則による結論が必ずしも上記4種類の算出スコアの単純な合計にはならないかもしれない。
不十分な性能のサブモデル/不良サブモデルを同定する(特定する)ことが、さらに、上記4種類の各モデル品質尺度と最終結論的な品質尺度とから、離散的な格付けシステムを使用すること、すなわち、良好(G)、可(F)、不十分(P)および不良(B)を使用すること(ステップ)を含むものでもよい。不十分な性能のサブモデル/不良サブモデルを同定することが、さらに、サブモデルの1つ以上の品質尺度が一貫しておらず辻褄の合わない場合、または有効性確認済みのデータセグメントが少なくとも1種のモデル品質スコアを算出するのに不十分である場合に、サブモデルの結論的評価において「不明」というカテゴリーを使用すること(ステップ)を含むものでもよい。
前記方法は、さらに、モデルの品質をカーペットプロット形式で表示すること(ステップ)を含むものでもよい。典型的には、カーペットプロットは、M個のプロセス入力(すなわち、MVやFF(フィードフォワード変数))およびN個の出力(CV)に対応するグリッドを有する、M×Nの二次元マップであってもよい。品質の様々なレベルを表示するのに、各種の色を用いてもよい。
本発明の一実施形態にかかるシステムを示す図である。 多入力多出力(MIMO)プロセスモデルを示すブロック図である。 ゲイン乗数を有する多入力一出力(MISO)モデルを示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるモデル適応過程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかるモデル品質評価過程を示すフロー図である。 (a)は本発明の一実施形態にかかる入力信号の信号トレースを示す図であり、(b)は本発明の一実施形態にかかる微分処理された入力信号の信号トレースを示す図である。 本発明の一実施形態にかかる、不十分な性能サブモデル/不良サブモデルの診断および再同定を示すフロー図である。 コンピュータネットワーク環境の図であって、この環境内で本発明の実施形態は、1つ以上のプロセスユニットに対応するように実現される、図である。 本発明の一実施形態にかかるモデル品質KPIカーペットプロットの一例を示す図であり、モデルの品質を様々な色で表現する、図である。
前述の内容は、添付の実施形態に示す本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになる。異なる図をとおして、同一の符号は同一の構成または構成要素を示すものとする。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、むしろ、本発明の実施形態を示すことに重点を置いている。
本発明の例示的な実施形態の説明を以下に述べる。
本明細書中に引用されている全ての特許、特許出願公報および刊行物の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
本発明の各実施形態は、モデルの予測品質の劣化を監視および推定し、低性能(不十分な性能)のサブモデルを診断し、自動的にプロセスに摂動を加え(試験し)、モデルの再同定および適応を行う、新規な装置および方法を提供する。これら実施形態は、様々な動作モード(すなわち、設定モード、審査モード、試験モード、同定モード、およびモデル適応モード)を提供する。以下では、システムの構成要素について説明した後、各種動作モード、処理モジュール/処理方法、および数学的詳細について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるシステムを示す図である。MPCの制御器(コントローラ)110が、最適目標130に基づいて、対象の動的プロセス120を制御する。一実施形態において、制御器110は、プロセス120に摂動を加えるための自動的な試験器(テスタ)を備える。図1では制御器と試験器とを合わせたものに符号110を付しているが、当業者であれば、制御器と試験器とを別々に設けてもよい(他の実施形態)ことを理解できるであろう。制御器110は、プロセスの操作変数(MV)の値を設定する制御/試験信号101を送信する。MVは、要求に応じてプロセスに摂動を加えたり制御変数(CV)を制約集合および操業限界内で制御したりするように設定できるという意味で、独立変数といえる。摂動後の制御変数(CV)150の測定値は制御器110にフィードバックされる。制御変数という名前は、それが操作変数を通じて制御される変数であることに由来する。つまり、CVは、MVに依存する従属変数である。リアルタイム(時間遅れのない)のデータベース102が、MVおよびこれに対応するCVに関する履歴データを記憶するのに利用される。図1には複数の最適目標130、複数のMVおよび複数のCVを示しているが、単一の最適目標および/または単一のMVおよび/または単一のCVであってもよい。性能診断モジュール140が、プロセス120およびデータベース102からの入力および出力に基づいてモデルの性能を診断し、モデルを更新して(適応させて)性能を向上させる。
設定モードでは、MPCの制御器/ステップ試験器110を、選択されたMV(制御/試験信号101)について定刻でステップ試験(スケジューリングされたステップ試験)を実行するように設定することができる。このステップ試験では、Magiel J. HarmseとQingsheng Zhengによる米国特許第7209793号明細書(2007年4月24日付特許)「プロセスユニットの自動閉ループステップ試験(Automated closed loop step testing of process units)」に記載された自動閉ループステップ試験技術が利用される。
審査モードでは、制御器の出力、すなわち、MV101およびCV150の測定値に関するデータが収集され、指定のサンプリング周波数(一般的には、MPCの制御器110が使用するサンプリング周波数と同じ周波数)でデータベース102に記憶される。装置は、指定の時間間隔でモデルを自動または手動(オンデマンド)で審査し、その後、モデルの審査結果を報告および記憶する。審査用に収集されたプロセスのMVおよびCVのデータを評価した結果、これらデータが、モデル予測品質について結論的な判断を出すのに不十分な場合、装置が自動的に試験モードに切り替わるか、または、装置を試験モードに切り替えるようにユーザに促す。
試験モードでは、MPCの制御器/ステップ試験器110が、既知の技術(例えば、上記の米国特許第7209793号明細書に記載された技術)により、一般化2値雑音(GBN)信号を生成して、制御下のプロセス120に対して、あるMVで摂動を加える。
同定モードでは、MVおよびCVに対応する、データベース102からのデータが予備処理される。モデル同定は、指定の時間間隔で自動または手動(オンデマンド)で実行され、その結果が報告および記憶される。モデル同定には、部分空間同定法が利用される。
モデル適応モードでは、同定モードからの同定モデル結果が、選択された履歴データに照らして検討されてその有効性が確かめられ、MPCの制御器110が現在使用するモデルと比較される。モデル適応過程では、有効であるとされ、それが確認されたサブモデル(またはモデル全体)が制御器110にアップロードされて不良モデルと置き換わる。以下では、モデル適応過程の概要について説明した後、ゲイン乗数およびモデルの不確定性の数学的詳細についてそれぞれ別々の章で説明する。
<モデル適応過程の概要>
本明細書に開示するモデル品質評価過程は、既存のモデル(既に存在しているモデル)を用いることにより、従来技術(例えば、一般的に使用されているモデル同定アルゴリズム)よりも少ないデータ要求(少ないデータ数)でモデル品質指標を算出する点で新規な技術である。いくつかの実施形態では、通常使用されている操業動作データがモデル品質評価に利用される。本発明の実施形態は以下の技術を用いる。
各入力−出力のペアに対するゲイン乗数を仮定し、多入力多出力(MIMO)モデルを、複数の多入力一出力(MISO)サブモデルに分解する。
各MISOサブシステムは、CV予測値(CVp)を、各入力−出力チャネルからの動的モデル出力とゲイン乗数のベクトルとの線形関数として以下のように表される。
CVp=vec(CVi)×vec(ゲイン乗数)
プロセス全体の動的モデルy=G(q)Uを再推定する代わりに、MVおよびCVの測定値に関するオンラインデータを用いて、各MISOチャネルのゲイン乗数のみを推定する。この方法であれば、動的モデル全体を推定するよりも必要なデータが遥かに少なくなる。出願人は、CV予測誤差に対処しながらゲイン乗数を不偏推定することのできる特殊なモジュールを開発した(詳細については、後述の「ゲイン乗数の推定」の欄を参照されたい)。
サブモデルのゲイン乗数のベクトルの全要素の推定値が1に近い数値である場合、そのサブモデルは有効といえる。ゲイン乗数が1よりも遥かに大きい数値または遥かに小さい数値である場合(「1よりも遥かに大きい数値または遥かに小さい数値である場合」の例については、後述の表2を参照されたい)、それに対応する入力−出力サブモデルは「不良」の疑いがあるサブモデルとしてマークされ、別の方法(例えば、後述のモデル不確定性の算出過程)によるさらなる検査にかけられる。
出願人は、目下のプロセスにおける独立変数と従属変数との間で、ゲイン乗数単独では満足に表現できないほど大きい動的な変動が生じた場合を考慮し、そのような動的不整合を動的モデルの不確定性の側面から評価する新たなアプローチを開発した(詳細については、後述の「サブモデルの動的不確定性の評価過程」の欄を参照されたい)。
また、モデルの周波数領域の不確定性の程度が、オンライン測定値から算出され、各SISOサブモデルの予測性能をさらに検査するのに利用される(詳細については、後述の「モデルの周波数領域の不確定性の算出過程」の欄を参照されたい)。
各SISOサブモデルの性能の組合せスコアは、ゲイン乗数の推定結果(定常状態性能(定常状態での性能)の評価結果)と、サブモデルの動的不確定性と、モデルの周波数領域の不確定性とを組み合わせて算出される。好ましい実施形態は、ファジィ論理則(ファジィ論理のルール)(詳細については、後述の「ファジィ論理を用いた総合的なモデル予測品質の評価過程」の欄を参照されたい)を用いて、この組合せスコアを算出する。一実施形態では、その後、モデル品質についての結論的な評価を、モデルの重要な性能指標(KPI)の一つとしてカーペットプロット形式(例えば、二次元プロットまたは多次元プロットの各セルの様々なレベルを色で表す形式)で表現および報告する。これについては図8を参照しながら後述する。
図3は、本発明の一実施形態にかかるデータ有効性確認およびモデル適応過程を示すフロー図である。データ有効性確認およびモデル適応過程300が開始すると、モデル審査スケジュールが自動モードに設定されるか、またはユーザの好みに基づくユーザ指定モードに設定される(ステップ310)。MPCのオンラインの制御器110に基づくMVおよびCVの測定データが、一定のサンプリングレートまたは指定のサンプリングレートで収集される(ステップ320)。MVおよびCVの蓄積データに予備処理(スキャンまたはスクリーニング)が適用され、MVの過去の変化量(蓄積された変動)とこれに対するCVの応答量に従って、評価が実行される(ステップ330)。プロセスを励起する程度についての具体的な基準と、MV間の相互相関解析とを用いて、有効なデータスライスの選択や、モデル評価およびモデル同定にデータが十分であるか否かの決定を行う。蓄積データが不十分なために少なくとも1つのMV−CVサブモデルを評価できない場合には、プロセスにさらなる摂動を加えることが考えられる。蓄積データが少なくとも1つのMV−CVサブモデルを評価するのに十分であれば(ステップ340)、ステップ350に移行し、当該プロセスのうちのモデル評価部分(モデル評価過程)を開始する。モデル評価に基づいて不良サブモデルを診断する(ステップ350)。不良サブモデルが検出された場合(ステップ360)、具体的なプロセスへの摂動の付加を開始し(ステップ370)、関連するMVに摂動を加えた後、そのMVデータおよびCVデータの測定値を収集する。部分空間同定アルゴリズムを用いて、新たなサブモデルを同定/再同定する(ステップ380)。モデル全体または調整済みの少なくとも1つのサブモデルが、不良サブモデルと置き換わるように制御器110にアップロードされる(ステップ390)。
図4は、本発明の一実施形態にかかるモデル品質評価過程を示すフロー図である。モデル品質評価過程400が開始すると、MIMOモデルがMISOサブモデルに分解され(ステップ410)、各MISOサブモデルは、それぞれ、動的モデル出力およびゲイン乗数に組み入れられる(ステップ420)。これらゲイン乗数は、収集済みの有効性が確認されたMVおよびCVのデータから推定される(ステップ430)。MISOサブモデルは、さらに、SISOの状態空間動的サブモデルに組み入れられる(ステップ440)、各SISOサブモデルについて、モデルの動的不確定性が定義および算出される(ステップ450)。並行して、各SISOサブモデルに対して周波数領域のモデル不確定性が算出される(ステップ460)。その後、ファジィ論理則を用いて、モデル品質評価が決定され(ステップ470)、後述するようにスコアが組み合わされる。
いくつかの実施形態は、自動データスライシング装置を含む。この自動データスライシング装置は、MV、CV、およびMPCの制御器110の動作状態に関する動作状態情報のうちの指定された全ての動作状態情報をダウンロードしてそのような状態情報を各MVに係る「データフラグ」、各CVに係る「データフラグ」、または、MVおよび/もしくはCVからなる各グループに係る「データフラグ」に変換する状態変換器(状態コンバータ)を備える。一実施形態において、データスライシング装置は、データセグメントの選択を「良好な」スライスまたは「不良の」スライスを生成することによって行い、モデル審査およびモデル同定に必要なデータを用意する。一実施形態において、データスライシング装置は、さらに、「欠落」データ片または「悪い」データ片が連続したデータギャップをスキャンして、そのようなギャップを外挿値で自動的に補充することによって審査データの効率を向上させるデータ調整器(データコンディショナ)を備える。一実施形態において、データスライシング装置は、さらに、設定可能な「イベント駆動」型のデータスライス生成器(データスライス生成手段)を備えており、このデータスライス生成器は、設定された「データスライシング」のルールに基づいて「不良なデータ」スライスを自動的に生成し、モデル審査およびモデル同定のために、指定されたイベント期間中にそれら不良データを排除する。
設定可能な「イベント駆動」型のデータスライス生成器は、設定された「データスライシング」のルールに基づいて「不良なデータ」スライスを自動的に生成し、モデル審査およびモデル同定のために、所与の「イベント期間」中にそれらのデータを排除する。
自動データスライス生成器の一部をなすプロセス励起審査器は、データが十分か否かを確認することにより、高い信頼性のサブモデル審査およびサブモデル再同定を確実に実行できるようにする。モデル審査過程の励起条件とモデル審査用データの有効性とを評価する具体的な評価方法は、MVの変化(変動)およびこれら変化に対する応答と、特定の時間間隔におけるMVデータ間の相互相関関係性とを示す具体的で重要な性能指標(KPI)を算出することを含む。
図6は、一実施形態にかかるサブモデル診断過程および再同定過程の一例を示すフロー図であるが、必ずしも本発明を限定するものではない。過程600は、MPCの制御器110のモデルをダウンロードし、このモデルをサブモデルに分解する(ステップ610)ことによって開始する。次に、ステップ620において、MVおよびCVの測定値を含む、入力および出力の試験データを受け取る。このデータを用いて、様々な基準(例えば、前述したような基準)に基づいてデータスライシングが自動的に実行される(ステップ620)。
さらに、サブモデルの予測性能を判定し、低性能(不十分な性能)のサブモデルを診断する(ステップ630)。例えば、前述したファジィ論理技術およびファジィ論理則(後述する)が利用される。これを受けて、関連するプロセス変数に摂動を加え(ステップ640)、サブモデルを再同定しその有効性を確認する(ステップ650)。これに従って、次に、制御器110のモデルを更新する(ステップ660)。
一実施形態において、多入力多出力(MIMO)部分空間モデルの構造化された同定方法は、フレキシブルに設定でき、かつ、オンラインで実行される。MIMO部分空間同定モジュールは、データを最も効率よく利用するための最適なCVグループ分け方法と構造化された過去の情報とを用いる。データは、最良の信号/雑音比を有するように予備処理される。MIMOの同定に関する問題は、各サブモデル単位で解決される。モデルの予測性能は、同定データに照らして評価される。MIMOモデルは、モデル適応過程によって自動的に構築される。
<ゲイン乗数の推定>
図2Aは、多入力多出力(MIMO)プロセスモデル210を示すブロック図である。MIMOプロセスの入力U(t)(符号220−1〜220−m)および出力Y(t)(符号230−1〜230−p)は以下のように定義される。
U(t)=[u(t)u(t)…u(t)]
Y(t)=[y(t)y(t)…y(t)]
MIMOプロセス210は、線形動的モデルG(p)とプロセス外乱および測定雑音v(t)とによって記述することができる:
Figure 0005734961
各出力y(t)(i=1、2、…、p)に対して、対応する多入力単出力(MISO)モデルが得られる。
Figure 0005734961
項v(t)は、i番目の出力に対するプロセス外乱および測定雑音を表す。モデル予測値(モデル推定値)は以下のように算出される。
Figure 0005734961
図2Bは、ゲイン乗数を含む多入力単出力(MISO)モデルを示すブロック図である。m個のゲイン乗数からなる対角行列Kを定義する。ゲイン乗数を調節することによってモデル予測誤差が最小限になると仮定すれば、上記の等式(2A)を以下のように拡張することができる:
Figure 0005734961
上記の表現を、図2Bに、サブモデル240−1、…、240−m、;ゲイン乗数項250−1、…、250−m;サンメーション260の合計結果260;プロセス外乱および雑音280;ならびに出力230−iを用いて表す。出力予測値は、さらに、各入力−出力ペア(すなわち、図2Bの各SISO予測チャネル)から以下のように定義することができる:
ij(t)=Gij(q)u(t) (3)
次に、前述の等式(2B)を以下のように書き換えることができる:
Figure 0005734961
所与のデータサンプルZ={y(t)、x(t)}(t=1、2、…、N)に対して、以下のようにデータベクトルyおよびデータ行列Xを構築する:
Figure 0005734961
以下の行列形式で表すこともできる:
=X+v (2D)
上記の等式において、v=[v(1)v(2) … v(N)]は外乱および測定雑音である。以下の目的関数を最小限にするのが望ましい。
Figure 0005734961
ゲイン乗数のベクトルKiの最小二乗(LS)推定値は、以下のように表される。
Figure 0005734961
この推定値の精度は、以下の条件(1)および(2)が満たされる場合に、最小二乗推定理論に基づいて求めることができる。
Figure 0005734961
Figure 0005734961
、すなわち
Figure 0005734961
は非特異行列(正則行列)であり、かつ、
Figure 0005734961
この条件(2)が当てはまるのは、以下の(a)または(b)が満たされる場合である。
a){v(t)}が、平均値がゼロの互いに独立した確率変数(ランダム変数)の列、すなわち、白色雑音(ホワイトノイズ)である。
b)列{x(t)}が{v(t)}と独立している。
一実施形態において、前述の等式(5)のLS推定値は不偏推定値である。
一般的には、プロセス外乱vが白色雑音でないので、前述の等式(5)のLS推定値には偏りが含まれる。この偏りを解消するために、以下の2つの対策を採る。
(対策1:二段階アプローチ)
(1) 前記推定式(5)により、ゲイン乗数の一応のLS推定値(LS推定初期値)を算出する。
(2) 前記等式(2D)により、以下の予測残差値{v(t)}を得る。
Figure 0005734961
(3) 以下に示すように、外乱{v(t)}の高次自己回帰(AR)モデルを構築する。
Figure 0005734961
ここで、D(q)はn次多項式であり(すなわち、v(t)はn階の自己回帰(AR)過程であると考えられる)、qは前進シフトオペレータ(前進シフト演算子)(例えば、qe(t)=e(t+1))であり、e(t)は白色雑音である。)
(4) 安定フィルタF(q)=D(q)を定義し、これを前記関係式(3)を介して前記等式(2)に適用する。
Figure 0005734961
ここで、
Figure 0005734961
および
Figure 0005734961
の要素は、それぞれ、フィルタ処理済みの出力と演算量である。
Figure 0005734961
(5) フィルタ処理済みのデータでKiを再推定することにより、以下の不偏LS推定値が得られる。
Figure 0005734961
このようになる理由は、eが白色雑音であり、
Figure 0005734961
が成立するからである。
(対策2:入力データおよび出力データの予備処理)
前述の対策1では、ゲイン乗数の不偏LS推定値を得るために満たす必要のある条件として、条件(1)および(2)a)を用いた。対策2では、入力データを単純な微分で予備処理することによって条件(1)および(2)b)を満たす。
一実施形態では、試験モードにおいて試験データを生成する際、Magiel J. HarmseとQingsheng Zhengによる米国特許第7209793号明細書「プロセスユニットの自動閉ループステップ試験(Automated closed loop step testing of process units)」に記載された自動閉ループステップ試験技術を利用して、振幅変調一般化2値雑音(MGBN)の生成器でプロセス入力信号を生成する。なお、この米国特許の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
図5(a)および(b)に、3時間にわたるMGBN信号の一例を示す。図5(a)に、MGBN試験信号列510をプロットした。この列510は、複数のランダムな上下のステップ状変化からなり、ステップには短時間だけ持続するものや、長時間持続するものがある。この列は、いわば「擬似」白色雑音の列である。
入力データおよび出力データの両方に差分演算子を適用する。
Figure 0005734961
Figure 0005734961
次に、前記等式(3)を以下のように変形できる
Figure 0005734961
目下のMPCの制御器110において有限インパルス応答(FIR)モデルが利用される実施形態では、
Figure 0005734961
が、入力列
Figure 0005734961
のみに依存する。
FIRモデルが使用される場合、外乱
Figure 0005734961
と相関する回帰
Figure 0005734961
は存在しない。つまり、
Figure 0005734961
は外乱
Figure 0005734961
と相関しない。システム同定理論では、
Figure 0005734961
は一種の「補助変数(道具的変数)」であり、
Figure 0005734961
が白色雑音に近く、かつ当該
Figure 0005734961
が理想的な補助変数である場合に、パラメータ推定時の不偏推定値の算出を可能にする。
図5(b)に、
Figure 0005734961
のプロット520、すなわち、「微分」で「予備処理」した入力試験信号
Figure 0005734961
520をプロットした。図5(b)のプロット520で表される微分処理済み信号はランダムなインパルスの列であるため、「処理前の」信号よりも白色雑音に近い。入力データと出力データの両方に「微分」を施すことは、プロセスによく見受けられるドリフト、トレンド、周期的リサイクル(cyclic re-cycle)などの不定でかつ速度の遅い外乱が除去される自己回帰和分移動平均(ARIMA)モデル構造を使用することと同等である。さらに、審査期間または試験期間中に、各MISOサブモデルのMVの一部に摂動を加えずに済む。すなわち、「微分」を施すことにより、モデル審査およびモデル再同定において、上記のようにMVを自動排除することができる。これにより、「欠落した入力」による悪影響を最小限に抑えることができる。
その結果、
Figure 0005734961
が外乱
Figure 0005734961
と相関しないので、
Figure 0005734961
となり、不偏LS推定値が得られる。
Figure 0005734961
<サブモデルの動的不確定性の算出過程>
上記のゲイン乗数推定方法は、サブモデルの定常状態ゲインの変化/劣化を検出するのに効果的である。しかし、目下のプロセスの変化/劣化が、無駄時間や応答時間の大幅な変化などといった大きな動的シフトを伴うものである場合、ゲイン乗数推定値単独では完結的なモデル審査に必要な全ての情報を得ることができない可能性が高い。
前記等式(2)におけるi番目のMISOサブモデルについて、サブモデルとゲイン乗数のベクトルとの積(前記等式(2B)を参照)MISOサブモデルが組み入れられる(積で表現する)代わりに、各SISOサブモデルを状態空間モデルフォーマットで表現し直して、全てのSISOサブモデルを以下のようにブロック対角行列形式に並べ直す。
Figure 0005734961
Figure 0005734961
ここで、状態ベクトルx(t)がモデルの動的情報を保有し、行列{Aij、bij、cij}が各SISOサブモデルの動的応答を決定する。
本発明の一実施形態は、前述のモデル表現(11)および(12)を利用した以下のアルゴリズムを備える。
(1) MPCの制御器110からプロセスモデルをダウンロードする。典型的なモデルは、(p x m)SISOのFIR(有限インパルス応答)曲線からなるが、必ずしもFIRモデルフォーマットに限定されない。
(2) 各SISOサブモデルについて、そのFIR曲線(あるいは、他のフォーマットのSISOモデル)を、状態空間実現方法によって状態空間モデル{Aij、bij、cij}に変換する。この状態空間実現方法には、状態空間最小実現やモデル低次元化が含まれ得るが、必ずしもこれらに限定されない。
(3) ステップ(2)で生成された各SISOの状態空間モデルを組み合わせて、前記等式(11)および(12)の形式の各CVのMISOモデルを形成する。
(4) MVの有効性確認済み入力データを前記等式(11)に導入し、当該等式(11)を用いたシミュレーションによって状態変数{x(t)}のデータを生成する。
(5) 測定データ{y(t)}と、状態変数{x(t)}のシミュレーションデータとを用いて、前記等式(12)を最小二乗(LS)回帰することにより、以下のように行列Cを再推定する。
Figure 0005734961
ここで、Xは状態変数のシミュレーションデータを表し、YはCVの測定データを表す。
X=[x(1) x(2)… x(N)]
Y=[y(1) y(2) … y(N)]
(6) 上記の再推定された行列
Figure 0005734961
を使用し、前記等式(11)においてi番目の出力に対するi番目の入力としてu(t)=1(t)を用いることにより、新たなFIRモデル曲線のセットを生成する。
Figure 0005734961
(7) モデルの動的不確実性の程度を以下のように定義する:
Figure 0005734961
ここで、h、hi0はFIR係数のベクトルであり、Kは前記等式(5)または等式(5A)で算出されるゲイン乗数推定値であり、J(h,hi0,K)の数値はモデルの動的変化による累積偏差を表す。
(8) 次に、サブモデルの動的劣化を、以下の評価基準を用いて評価する。
a. J(h,hi0,K)<εであれば、「良好」
b. ε<J(h,hi0,K)<2εであれば、「可」
c. 2ε<J(h,hi0,K)<3εであれば、「不満(不十分)」
d. J(h,hi0,K)>3εであれば、「不良」
ここで、εは[(hi0(TTSS)×5%)/TTSS]であるデフォルト値を有する調節可能な閾値である。
<モデルの周波数領域の不確定性の算出過程>
モデルの予測品質をさらに評価するために、ゲイン乗数推定値を用いたモデルの定常状態ゲインの確認および上記の動的不確定性の確認に加えて、モデルの周波数領域の漸近分散およびモデルの相対的不確定性を算出することによって、モデルの総合的な特性を評価する。
MIMO系(1)およびそのサブモデルであるMISO系(2)を再考慮する。このような一般化線形動的システムでは、以下のように、時間領域モデルに対応する周波数領域モデルが存在することが知られている。
y(t)=G(q)u(t)+v(t)
ここで、v(t)=H(q)e(t)であり、v(t)は外乱であり、e(t)は白色雑音である。
周波数領域のマップは、以下のとおりである。
Figure 0005734961
ここで、G(e−jω)はモデルの周波数表現である。
「システム同定:ユーザのための理論」(Lennart Ljung, System Identification:Theory for Users, Second Edition, Prentice-Hall, Upper Saddle River, NJ 07458, 1999)によると、Nが無限に近付くにつれてモデルの次数nも無限に近付くと、伝達関数の漸近分散について以下の結果が当てはまる。
Figure 0005734961
開ループの場合、Φue(ω)=0なので、上記の結果をさらに以下のように単純化することができる。
Figure 0005734961
閉ループの場合も、「閉ループ同定について」(Forssell and Ljung, Closed-loop identification revisited. Automatica, v35 i7. 1215-1241. 1999)に基づき、同様の結果を得ることができる。
Figure 0005734961
C(ω)は、制御器(コントローラ)の伝達関数である。
摂動信号(外部入力)r(t)(j=1、2、…m)は自動閉ループ試験技術から得られ、外乱v(t)(i=1、2、…、p)は前記等式(2)を用いて算出することができる。したがって、各SISOサブモデルの定量的なモデル不確定性は、モデルの誤差限界(エラーバウンド)を算出することによって得られる:
Figure 0005734961
実際には、特定の2つの周波数ポイントω=0およびω=ωでのモデルの最大誤差、すなわち、定常状態ゲインでのモデルの不確定性と、主要な動的状態におけるモデルの不確定性に関心がある。この不確定性は以下のとおりである。
Figure 0005734961
次に、モデルの動的予測品質が、モデルとモデルからの誤差との比較によって評価される。
<ファジィ論理を用いた総合的なモデル予測品質の評価>
ファジィ論理は一種の問題解決方法であり、曖昧で、不明瞭で、不明確で、さらに雑音の多い、入力情報、または欠落を含む入力情報に基づいて明確な結論に達するための簡単な方法である。ファジィ論理のアプローチは、ヒトが経験や推論に基づいて決定を下す過程を模倣している。モデルのゲイン乗数、動的不確実性の程度、およびモデルの周波数領域の誤差が互いに独立して算出され、総合的なモデル予測品質が、以下のようなファジイ論理表および論理則に基づいて評価され得る。
以下の表1に、ファジィ集合を定義する。
Figure 0005734961
以下に、(変更可能な)ファジィ則構造およびファジィ則行列を定義する。
Figure 0005734961
Figure 0005734961
Figure 0005734961
品質1に列挙したファジィ則を適用することにより、サブモデルの定常状態の予測品質を評価することができる。例えば、
ijが「良好」であり、かつ、σ(0)が「良好」であれば、
モデルの品質1=「良好」である;
ijが「可」であり、かつ、σ(0)が「良好」であれば、
モデルの品質1=「良好」である;
ijが「良好」であり、かつ、σ(0)が「可」であれば、
モデルの品質1=「良好」である;
ijが「不十分」であり、かつ、σ(0)が「不十分」であれば、
モデルの品質1=「不十分」である;
ijが「不良」であり、かつ、σ(0)が「可」であれば、
モデルの品質1=「不良」である;以下、続く。
品質2に列挙したファジィ則を適用することにより、サブモデルの動的予測品質を評価することができる。例えば、
J(h,hi0,K)が「良好」であり、かつ、σ(ω)が「良好」であれば、
モデルの品質2=「良好」である;
J(h,hi0,K)が「良好」であり、かつ、σ(ω)が「可」であれば、
モデルの品質2=「良好」である;
J(h,hi0,K)が「不十分」であり、かつ、σ(ω)が「可」であれば、
モデルの品質2=「不十分」である;
J(h,hi0,K)が「不良」であり、かつ、σ(ω)が「可」であれば、
モデルの品質2=「不良」である;以下、続く。
同様に、総合的なモデルの品質は、ファジィ則の表3に従って結論付けることができる。例えば:
特性1が「良好」であり、かつ、特性2が「良好」であれば、
モデルの品質=「良好」である;
特性1が「可」であり、かつ、特性2が「良好」であれば、
モデルの品質=「可」である;
特性1が「良好」であり、かつ、特性2が「可」であれば、
モデルの品質=「良好」である;
ファジィ論理システムはエキスパートシステムを単純に実現したものなので、一実施形態において、ファジィ論理則の表は、オペレータおよび技術者の知識に応じて編集可能である。
本発明を限定しない例示的な一実施形態において、各サブモデルの総合的なモデル品質の結果は、互いに異なる5種類の色を用いてユーザインターフェースに表示される。
グリーン=「良好」
ブルー=「可」
オレンジ=「不十分」
レッド=「不良」
グレー=「不明」
図8は例示であり、本発明を限定するものではない。同図のモデル性能KPI(重要な性能指標)のカーペットプロットは、モデル品質評価の結果の一例を示したものである。このプロットでは、行がMVを表し、列がCVを表す。各セルは、各MV−CVペアに相当するSISOサブモデルを表す。このモデルKPIのプロットでは、各セルの色が、対応するモデル性能評価結果(良好、可、不十分、不良、不明)によって決まる。矢印は、各SISOサブモデルのゲインの向きを表す。例えば、正のゲインを有するサブモデルには上向きの矢印が付され、負のゲインを有するサブモデルには下向きの矢印が付される。
<従来のアプローチと比較した利点>
一般的に言って、当該技術分野における現行の方式は、MPC適用の技術者の専門知識に頼る部分が大きい。以下に文献を幾つか挙げる。
・Galarzaらの「自動的システム同定方法(Method for Automated System Identification)」(米国特許第6947876号明細書)(2005年9月20日)
・Yucai Zhuの「コンピュータによる、オンラインでのプロセス同定の方法および装置(Computer Method and Apparatus for Online Process Identification)」(米国特許出願公開第2006/0111858号明細書)(2006年5月25日)および
・Yucai Zhuの「コンピュータによる、適応型モデル予測制御の方法および装置(Computer Method and Apparatus for Adaptive Model Predictive Control)」(米国特許出願公開第2007/0225835号明細書)(2007年9月27日)。
これらの文献に記載されたアイデアおよびアプローチは、同様の課題に対するものである。本発明の実施形態は、独自かつ革新的な技術により、これらの文献に比較して数多くの利点を有する。本発明にかかるMPCモデル審査および適応の装置およびその方法は、既述のHarmseらによる米国特許第7209793号明細書に記載された既存のアプローチを拡張し、MPCのオンライン制御器110に組み込んだものである。これにより、情報を与えるデータ(有益なデータ)を得るためにプロセスに摂動を加えることと、安全にプロセスを動作させることとを上手く両立させている。つまり、本発明にかかる実施形態は、オンラインで定期的に適用され、数値維持を実現することができる。対照的に、上記のGalarzaら(2005年)、Zhu(2006年)およびZhu(2007年)の文献の試験信号は、システム同定の要求に基づいて設計および生成された信号であり、プロセス動作の安全性および安定のためにMPCの制御器に課されるプロセス動作限界を重要視した信号ではない。
本発明/出願人の新規の装置および方法の主な利点は、データ品質に対する要求が少ない点である。上記の刊行物および特許文献には、データ要求を満たすためにシステマチックにプロセスに摂動を加える本格的なシステム同定が記載されているが、本発明にかかるシステム/アルゴリズムは、慎重に設計されたデータスライシングメカニズムを利用するので、摂動の使用が少なく、また、既存の動作データの一部を使用するだけで済む。
ある実施形態は、目下のMPCの制御器110の履歴動作情報をデータ選択のルールおよびデータ選択のロジスティクス(logistics)に最大限に変換し、これらのルールを自動データセグメント選択の支援に適用する、自動データのスライシング・選択モジュールを備える。このようにして、選択されたプロセスデータは、モデル評価およびモデル再同定に使用するのに適格となる。通常、この種のタスクは、従来の技術に従ってMPC熟練者によって手動で実行される必要があった。手動の作業にはコストだけでなく時間も多分にかかる。また、手動の作業では、全ての履歴情報を十分かつ最適に使用することが一般的に困難である。
ある実施形態は、目下のMPCの制御器110からの既存のモデルおよび以前の他の知識を最大限に有効活用してモデルの不確定性を軽減することにより、少ないデータで高い忠実度のモデルを生成する、モデル性能の構造化された評価エンジンおよびサブモデル同定器(サブモデル同定)を備える。従来の技術を用いて、適切な全てのプロセスMVに対する再試験、およびMISOモデルまたはMIMOモデル全体の再同定が実行される。ある実施形態は、オンラインのMPCの制御器からのモデルを「ブループリント(青写真)」的な開始モデルとして使用することにより、「ショートカット」を提供する。
本発明の一実施形態は、自動ワークフロー処理器(自動ワークフロー処理)を備え、システマチックかつ統合されたいわば「最新式のプロセス制御手法」による解決手段を提供するので、容易なモニタリングと、MPCにより最適に維持された経済的パフォーマンスとをプロセス産業にもたらす。
図7に、本発明が実現されることが可能なコンピュータネットワークおよびクライアント−サーバ環境を示す。
少なくとも1つのクライアント側コンピュータ/装置(710)および少なくとも1つのサーバコンピュータ(720)により、アプリケーションプログラムを実行する処理装置、記憶装置、入力/出力装置などが構成される。典型的には、本発明は、サーバコンピュータ(720)における装置としてインストールされる。サーバコンピュータ(720)および少なくとも1つのクライアント側コンピュータ/装置(710)は、通信ネットワーク(750)を介して、その他のクライアント側装置/コンピュータ(710−i)や分散制御システム(DCS)(730)を含む、他のコンピュータ装置に接続することができる。通信ネットワーク(750)は、遠隔アクセスネットワークの一部、グローバルネットワーク(例えば、インターネットなど)の一部、世界規模のコンピュータ群の一部、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークの一部、相互通信に各プロトコル(TCP/IP、Bluetooth(登録商標)など)を現在使用しているゲートウェイ群の一部であってもよい。他の電子装置/コンピュータネットワークアーキテクチャも好適である。
図7に、本発明の実施の一例を示す。DCS(分散制御システム)730は、1つ以上のユニット740を制御する。前述した装置および方法(例えば、プロセス/モジュール300,400,600)は、サーバコンピュータ720において実行可能にインストールされる。ユーザは、セキュリティおよびファイアウォールを介してネットワーク(750)との遠隔接続を可能にする1つ以上のクライアント側コンピュータ710から、サーバのアプリケーションにアクセスすることができる。ユーザは、DCS730を介して、1つ以上のプロセスユニット740の動作を観察、管理、変更することができる。前述したアプリケーション(適用)は、ユーザが1つ以上のクライアント側コンピュータ(710)から設定することができ、かつ、サーバコンピュータ720において実行可能である。
本発明は、様々なコンピュータアーキテクチャで実施可能である。図7のコンピュータネットワークシステム700は例示的なものであり、必ずしも本発明を限定するものではない。
サーバコンピュータ720は、メモリ、CPU(中央演算装置)などを備える。メモリは、本発明の一実施形態(例えば、前述した制御器(コントローラ)110、データ有効性確認およびモデル適応器(データ有効性確認およびモデル適応)300、モデル評価部(モデル評価過程)400ならびにサブモデル診断および再同定器(サブモデル診断および再同定)600など)を実現するために用いるコンピュータソフトウェアの命令およびデータの揮発性の記憶装置を構成する。ディスク記憶装置は、本発明の一実施形態を実現するために用いるコンピュータソフトウェアの命令およびデータの不揮発性の記憶装置を構成する。中央演算装置は、コンピュータの命令を実行する。一実施形態において、プロセッサ(演算装置)のルーチンおよびデータは、コンピュータプログラムによるものである。このコンピュータプログラムによるものには、本発明にかかるシステムのソフトウェアの命令の少なくとも一部を提供するコンピュータ読取可能な媒体(例えば、1枚以上のDVD−ROM、CD−ROM、ディスケット、テープなどの取外し自在な記憶媒体)が含まれ得る。このコンピュータプログラムによるものは、当該技術分野において周知である任意の適切なソフトウェアインストール方法によってインストール可能である。他の実施形態において、本発明にかかるソフトウェアの命令の少なくとも一部は、ケーブルおよび/または通信および/またはワイヤレス接続によってダウンロードされるものでも、ネットワークポータルを介して実行可能なものであってもよい。
本発明を例示的な実施形態を参照しながら具体的に図示・説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および細部の様々な変更が可能であることを理解するであろう。
110 制御器および試験器

Claims (14)

  1. プロセス(120)の多入力多出力(MIMO)動的モデルをオンラインで審査および更新する方法であって、当該方法は、前記プロセスの前記動的モデルを含む、オンラインMPC制御器を有する装置で実行され、
    a. 試験器を設定するために、開始モデルとして前記オンラインMPC制御器の前記動的モデルを用いるステップと、
    b. 前記プロセスのプロセス変数に摂動を加えるステップと、
    c. 前記プロセスのデータを収集してスライスするステップであって、前記スライスは、比較的高い相互相関性を有する変数をモデル監視またはモデル排除するために、十分な変動を含まない変数を排除することを含む、ステップと、
    d. 前記収集してスライスしたデータを用いて、前記モデルの品質を推定し、前記動的モデルの不十分な性能を有するサブモデルを同定するステップであって、前記推定および同定は、
    前記多入力多出力動的モデルを複数の多入力単出力サブモデルに分解することと、
    これら各多入力単出力サブモデルを単入力単出力動的モデル出力および付随するゲイン乗数に組み入れることで、1つまたは複数の組み入れられた単入力単出力サブモデルをもたらすことと、
    ゲイン乗数推定アルゴリズムを用いることにより、前記収集されたプロセスデータから前記ゲイン乗数を推定することと、
    組み入れられた単入力単出力サブモデルそれぞれについて、動的不確定性推定アルゴリズムを用いることにより、動的モデル不確定性を算出することと、
    組み入れられた単入力単出力サブモデルそれぞれについて、漸近分散アルゴリズムを用いることにより、周波数領域の不確定性を算出することと、
    前記組み入れられた単入力単出力サブモデルに基づき、ファジィ論理則のセットを用いることにより、各サブモデルの総合的な品質を評価することであって、
    複数のモデル品質評価尺度からなる離散的な格付けシステムを使用することと、
    各サブモデルを評価および格付けするように、ゲイン乗数、動的不確定性、定常状態ゲインでの周波数領域不確定性、および臨界動的周波数での周波数領域不確定性の4種類のモデル品質指標を用いることと、
    評価されたサブモデルのそれぞれについて、総合的なモデル品質評価スコアを得るように、ファジィ論理を用いて、評価結果を組み合わせることとを含む、各サブモデルの総合的な品質を評価することと、
    前記総合的な品質の評価に基づいて、前記動的モデルの不十分な性能を有するサブモデルを同定することとを含み、
    e. 前記同定された、不十分な性能を有するサブモデルに関係するプロセス変数にさらなる摂動を加えるステップと、
    f. 前記不十分な性能を有するサブモデルを再同定し、新たに同定されたサブモデルを生成するステップと、
    g. 前記新たに同定されたサブモデルを前記オンライン制御器のモデルに反映するステップであって、前記プロセスがその通常操業パラメータで操業し続けながら、前記モデルへの反映が実行される、ステップとを備え、
    前記反映によって、前記オンラインMPC制御器に対して反映されたモデルが得られ、前記反映されたモデルが、前記MPC制御器によって用いられて、前記プロセスを制御する、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  2. 請求項1において、前記設定された試験器が自動閉ループテスタであり、
    さらに、
    前記MPCの制御器と前記自動閉ループテスタとを統合するステップを備え、
    前記統合された、オンラインのMPCの制御器およびテスタは、前記プロセス変数を予め設定された動作制約内に維持しながら、MPC制御モードまたは自動ステップ試験モードで動作できる、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  3. 請求項1において、さらに、
    可変の測定値の状態と、プロセス変数の前記制御器または試験器によって算出された状態とを用いて、前記収集されたデータをスクリーニングしてその有効性を確認するステップを備えた、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  4. 請求項2において、欠落データを含むセグメント、変化しない数値を含むセグメント、限度外を含むセグメント、およびデータ記録誤差を含むセグメントを含むデータセグメントを見つけるように、前記データのスクリーニングおよびその有効性の確認が、データ処理のロジスティクスを用いる、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  5. 請求項1において、前記ゲイン乗数を推定することは、
    前記動的モデルを推定する代わりに各サブモデルについてのゲイン乗数を推定することと、
    前記ゲイン乗数とゲイン1との間の距離を求める基準に基づいて、不十分な性能を有するサブモデルを格付けすることとを含み、
    前記推定されたゲイン乗数が、雑音モデリングおよび入力・出力データフィルタリングを用いて得られる、偏りのない推定値である、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  6. 請求項1において、前記組み入れられたSISOサブモデルそれぞれについて、動的モデル不確定性を算出することが、さらに、
    a. 前記オンライン制御器から前記プロセスモデルをダウンロードすることと、
    b. 状態空間実現アルゴリズムを用いることにより、各有限インパルス応答曲線(または他種のフォーマットのSISOサブモデル)を状態空間モデルに変換することと、
    c. 前記変換されたSISOサブモデルを、対象の各制御変数(CV)について、ブロック対角形式の状態空間モデル構造で、MISO状態空間モデルに再編成することと、
    d. 収集された操作変数(MV)およびフィードフォワード変数(FF)データを前記ブロック対角形式の状態空間モデルに供給することにより、前記CV予測値および内部状態変数を生成することと、
    e. 最小二乗推定を用いることにより、前記ブロック対角形式に構造化された状態空間モデルの行列Cを再推定することと、
    f. 新たに算出されたFIRモデル曲線と前記推定されたゲイン乗数で加重された制御器の最初のモデル曲線との偏差として定義される動的モデル予測目的関数を算出することと、
    g. 前記サブモデルを、予測目的関数の算出された数値に基づく基準で格付けすることとを含む、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  7. 請求項1において、組み入れられたSISOサブモデルそれぞれについて、周波数領域の不確定性を算出することが、さらに、
    a. 前記オンライン制御器から前記プロセスモデルをダウンロードすることと、
    b. 前記MIMOモデルを複数のMISOサブモデルに分解することと、
    c. 前記収集されたデータで、各MISOサブモデルの漸近分散を算出することと、
    d. 各SISOサブモデルを、ω=0とω=ωの2つの特定の周波数ポイントでの前記推定されたモデル分散に基づいて格付けすることとを含む、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  8. 請求項1において、前記複数のモデル品質評価尺度が、良好(G)、可(F)、不十分(P)、不良(B)および不明(U)の5種類のモデル品質評価尺度からなる、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  9. 請求項において、不十分な性能を有するサブモデルを同定することが、さらに、
    不十分な性能を有するサブモデルを同定するように、4種類のモデル品質評価スコアと総合的な品質評価のルールとを用いることと、
    モデル品質プロットで結果を表現することとを含む、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  10. 請求項1において、前記同定された、不十分な性能を有するサブモデルに関係するプロセス変数にさらなる摂動を加える前記ステップeが、さらに、
    当該サブモデルに、関係するMVおよびCVを伴う自動試験の方式を再設定することと、
    これらのプロセス変数に摂動を加え、これらのプロセスデータを収集してスライスするように、前記ステップbおよびステップcを繰り返すこととを含む、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  11. 請求項1において、前記不十分な性能を有するサブモデルを再同定する前記ステップfが、さらに、
    前記サブモデルに関係する前記収集されたデータを、モデル同定に対するデータ要件に基づいてスクリーニングすることと、
    必要に応じて、モデル同定に対する前記要件を満たすのに十分なデータが収集されるまで、前記ステップbおよびステップcを繰り返すことと、
    目標とされるCVに対して相互相関分析を適用し、相関するCVをグループにまとめ、1つ以上のMIMOサブモデルを形成することと、
    関連する部分空間同定アルゴリズムまたは任意の適切な同定アルゴリズムを用いることにより、各MIMOサブモデルまたはMISOサブモデルに対する動的状態空間モデルを再同定することと、
    各サブモデルに対するSISOのFIRモデル曲線を生成することと、
    再同定された各サブモデルの有効性を確認することとを含む、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  12. 請求項1において、前記新たに同定されて有効性が確認されたサブモデルを、前記オンライン制御器のモデルに反映するステップgが、さらに、
    前記既存のモデルの最初のサブモデルと再同定されたサブモデルとの変化を比較することと、
    前記得られた反映モデルの有効性を確認することと、
    不十分な性能を有するサブモデルを前記新たに同定されたサブモデルで置き換えることにより、新たなモデルを構築することと、
    前記得られた反映モデルを前記オンライン制御器に実装することとを含み、
    前記プロセスが通常操業し続けながら、前記モデルへの反映が、オンラインで実行される、プロセスの動的モデルのオンライン審査・更新方法。
  13. 対象プロセスの動的モデルを有するオンラインの多変数制御器(100)であって、前記対象プロセスが1つもしくは複数の操作変数および1つもしくは複数の制御変数を有する多変数制御器(100)と、
    自動化された試験器(110)と、
    前記制御器および前記試験器によって制御される少なくとも1つの操作変数に対応するデータ、ならびに前記少なくとも1つの操作変数に依存する少なくとも1つの制御変数に対応するデータを記憶するデータベース(102)と、
    前記動的モデルの各サブモデルの品質を評価し、前記データベースからのデータに基づいて不十分な性能を有するサブモデルを同定する、性能診断モジュール(140)であって、
    (a)前記データを単入力単出力動的モデル出力および関連するゲイン乗数に組み入れることで、1つまたは複数の組み入れられた単入力単出力サブモデルをもたらし、
    (b)ゲイン乗数推定アルゴリズムを用いることにより、前記データから前記ゲイン乗数を推定し、
    (c)組み入れられた単入力単出力サブモデルそれぞれについて、動的不確定性推定アルゴリズムを用いることにより、動的モデル不確定性を算出し、
    (d)組み入れられた単入力単出力サブモデルそれぞれについて、漸近分散アルゴリズムを用いることにより、周波数領域の不確定性を算出し、
    (e)前記組み入れられた単入力単出力サブモデルに基づき、ファジィ論理則のセットを用いることにより、各サブモデルの総合的な品質を評価し、この各サブモデルの総合的な品質を評価することが、さらに、
    複数のモデル品質評価尺度からなる離散的な格付けシステムを使用し、
    各サブモデルを評価および格付けするように、ゲイン乗数、動的不確定性、定常状態ゲインでの周波数領域不確定性、および臨界動的周波数での周波数領域不確定性の4種類のモデル品質指標を用い、
    評価されたサブモデルのそれぞれについて、総合的なモデル品質評価スコアを得るように、ファジィ論理を用いて、評価結果を組み合わせ、
    (f)前記総合的な品質の評価に基づいて、不十分な性能を有するサブモデルを同定する、性能診断モジュール(140)と、
    前記性能診断モジュールによる診断のためにデータを選択する、自動データスライサであって、モデル審査のための十分な変化がない変数を排除し、比較的高い相互相関性を有する変数を排除する、自動データスライサとを備えた、装置。
  14. 請求項13において、前記データスライサが、さらに、
    操作変数および制御変数の動作状態データならびに前記制御器の動作状態をダウンロードし、当該状態データを、前記少なくとも1つの操作変数と前記少なくとも1つの制御変数とのサブセットのデータフラグに変換する、状態コンバータと、
    モデル審査およびモデル同定に必要なデータを用意するように、良好なスライスまたは不良のスライスを生成してデータセグメントを選択する、用意モジュールと、
    審査されたデータにおける欠落データまたは不良データによる欠損を、外挿によって自動的に埋める調整器と、
    モデル審査およびモデル同定のイベント期間中に不良データを自動排除するデータスライス生成手段とを備え、
    前記データスライス生成手段は、さらに、前記比較的高い相互相関性を有する前記変数を自動的に排除する、装置。
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