JP5734328B2 - 音場収音再生装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、ある音場に設置されたマイクロホンで音信号を収音し、その音信号を用いてスピーカでその音場を再現する波面合成法(Wave Field Synthesis)の技術、アンビソニックス(Ambisonics)の技術に関する。
波面合成法及びアンビソニックスは、複数のマイクロホンとスピーカを用いて、遠隔地の音場を仮想的に再現する技術である。そのような技術として例えば非特許文献1に記載された技術が知られている。遠隔コミュニケーションシステムなどの応用では、リアルタイムの収音・再現が必要になるため、一般的なマイクロホンアレーで収音した音圧を、一般的なスピーカアレーで出力するための音場再現信号へと一意に変換可能であることが必要となる。
小山,古家,日和崎,羽田,鈴木,"円筒状マイクロホン・スピーカアレーのための波面再構成フィルタ",2012年9月,音響学会秋季研究発表会講演論文集,pp.605-608
非特許文献1に記載された技術では、円筒状に配置されたマイクロホンアレー・スピーカアレーを用いることを仮定して、変換のためのフィルタが導出されていた。そのため、このフィルタを球状に配置されたマイクロホンアレー・スピーカアレーに適用すると高精度に音場を再現することができず、聴取者の周囲全方位から音が到来するような音場を高精度に再現することができない可能性があった。
この発明の目的は、球状に配置されたマイクロホンアレー・スピーカアレーを用いる場合に、従来よりも高精度に音場を再現することができ、聴取者の周囲全方位から音が到来するような音場を高精度に再現することができる音場収音再生装置、方法及びプログラムを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明の一態様による音場収音再生装置は、少なくとも3個のマイクロホンが半径Rbの球状の吸音材のバッフルに固定されることにより半径Rmの球面上に外側に向けて配置されているとし、少なくとも3個のスピーカが半径Rsの球面上に内側に向けて配置されているとし、Rm>Rb,Rs≧Rbとし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、n,mを球面調和スペクトルの次数とし、jn(・)をn次の球ベッセル関数とし、hn (1)(・)をn次の第一種球ハンケル関数とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnmをn,mに基づいて定まる重みとして、マイクロホンで収音された信号に基づいて生成された球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する変換フィルタ部と、
Figure 0005734328
離散球面調和逆変換により、フィルタ処理後信号D~nm(ω)を周波数領域信号に変換する離散球面調和逆変換部と、周波数領域信号を逆フーリエ変換により時間領域信号に変換し、変換された時間領域信号をスピーカに出力する周波数逆変換部と、を備える。
この発明の他の一態様による音場収音再生装置は、少なくとも3個のマイクロホンが半径Rbの球状の吸音材のバッフルに固定されることにより半径Rmの球面上に外側に向けて配置されているとし、少なくとも3個のスピーカが半径Rsの球面上に内側に向けて配置されているとし、Rm>Rb,Rs≧Rbとし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、n,mを球面調和スペクトルの次数とし、jn(・)をn次の球ベッセル関数とし、hn (1)(・)をn次の第一種球ハンケル関数とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnmをn,mに基づいて定まる重みとして、マイクロホンで収音された信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する周波数変換部と、離散球面調和変換により、周波数領域信号を球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に変換する離散球面調和変換部と、球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する変換フィルタ部と、を備える。
Figure 0005734328
球状に配置されるマイクロホンアレー・スピーカアレー用のフィルタを用いて、球状に配置されたマイクロホンアレーの収音信号を球状に配置されたスピーカアレーの駆動信号へ変換し、音場を再現することが可能であることから、聴取者の周囲全方位から音が到来するような音場を高精度に再現することが可能となる。
音場収音再生装置の例を示す機能ブロック図。 マイクロホン及びスピーカの配置の例を説明するための図。 マイクロホン及びスピーカの配置の例を説明するための図。 音場収音再生方法の例を示す流れ図。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。以下の説明において、テキスト中で使用する記号「~」、「^」等は、本来直前の文字の真上に記載されるべきものであるが、テキスト記法の制限により、当該文字の直後に記載する。式中においてはこれらの記号は本来の位置に記述している。また、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
<マイクロホンアレー及びスピーカアレーの配置>
音場収音再生装置及び方法は、図1に示すように、第一の空間の半径Rmの球面上に配置されているNch,θ×Nch,φ個のマイクロホンで構成されるマイクロホンアレーと、第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの球面上に配置されているNch,θ×Nch,φのスピーカで構成されるスピーカアレーとを用いて、第一の空間の音源Soで発生した音によって形成された第一の空間の音場を第二の空間で再現する。図1では、第二の空間で再現された音源Soを音源So’と表現している。第一の空間及び第二の空間は、互い異なる空間である。Nch,θ,Nch,φは、2以上の整数である。
マイクロホン及びスピーカのそれぞれは、少なくとも3個あればよい。第一の空間に配置されたマイクロホンの数と第二の空間に配置されたスピーカの数は異なっていてもよい。マイクロホンの数が、第二の空間に配置されたスピーカの数よりも多い場合には、再生信号を間引けばよい。一方、マイクロホンの数が、第二の空間に配置されたスピーカの数よりも少ない場合には、再生信号をチャネル間で平均を取るなどして補間を行えばよい。補間を行う方法は、例えば、線形補間やsinc補間などを適用することができる。
例えば図3に示すように、マイクロホンは、半径Rbの球状の吸音材のバッフルSBに固定されることにより半径Rmの球面SMの上に外側に向けて配置される。この場合、マイクロホンは半径Rbの球状のバッフルSBの中心からRm離れた位置に配置されることになる。言い替えると、Rm>Rbとして、マイクロホンは球状のバッフルSBの周面の表面から(Rm-Rb)離れた位置に配置される。例えば、バッフルSBの周面から垂直に突き出す細い棒状の部材により支持することで、マイクロホンは配置される。
吸音材とは、音波を吸収する性能をもつ材料であり、理想的には吸音率が∞である材料である。主に室内の音の響き具合の調整や騒音の吸収を目的として建築物などに使用される。具体的には、グラスウールやフェルトなどの多孔質系吸音材や薄い板を用いて振動を吸収する振動板系吸音材などが挙げられる。この発明では吸音材の種類は限定されず、どのような素材の吸音材を用いてもよい。
マイクロホンは、どのような間隔で配置されてもよい。すなわち、θを天頂角、φを方位角として、天頂角方向に隣接するマイクロホンの間隔であるθc、及び、方位角方向に隣接するマイクロホンの間隔であるφcは、任意の値を取ることができる。ただし、マイクロホンを等間隔に配置する、すなわちθccのそれぞれを同じ値とすることで、高精度に音場を再現することができる。このように、θccを等角度とすることにより、いわゆる等角度サンプリングが可能となる。
また、いわゆるGaussianサンプリングを行うために、マイクロホンを、方位角方向φは等角度であり、天頂角方向θはPn m(cosθ)=0となる点に配置をしてもよい。さらに、いわゆる一様サンプリングを行うために、マイクロホンを正多角形の頂点など、球面上でできるだけ等密度となるように配置してもよい。
ここで、Pm n(・)は、ルジャンドル陪関数であり、以下のように定義される。なお、Pn(・)はルジャンドル多項式を表す。
Figure 0005734328
スピーカもマイクロホンと同様に配置されるが、スピーカは、音響的に透明な状態で第二の空間の空中に配置されてもよいし、音響的に透明でない状態で第二の空間に配置されてもよい。音響的に透明な状態とは、スピーカが配置されていない第二の空間の伝達特性と同じ伝達特性を保った状態ということである。
例えば、スピーカは、糸で吊るされるか、細い棒で固定されることにより、第二の空間の空中に音響的に透明な状態で配置される。また、スピーカは、マイクロホンと同様に、例えば図3に示すように、半径Rbの球状の吸音材又は剛体のバッフルSBに固定されることにより半径Rsの球面の上に配置されることにより、音響的に透明でない状態で第二の空間に配置される。
また、マイクロホンは半径Rmの球面上に外側に向けて配置されるのに対して、スピーカは半径Rsの球面上に内側に向けて配置される。
スピーカは、マイクロホンと同様に、ほぼ等間隔に配置されていれば、厳密に等間隔に配置されている必要はない。すなわち、天頂角方向に隣接するスピーカとの間隔であるθc、及び、方位角方向に隣接するφcは、厳密に同じ値である必要はなく、ほぼ同じ値であればよい。等角度サンプリングを行う場合には、マイクロホンと同様にスピーカもほぼ等間隔に配置する、すなわちθccのそれぞれを同じ値とすることで、高精度に音場を再現することができる。
また、いわゆるGaussianサンプリングを行うために、Pn m(・)をルジャンドル陪関数として、マイクロホンを、方位角方向φは等角度であり、天頂角方向θはPn m(cosθ)=0となる点に配置した場合には、スピーカも同様に、方位角方向φは等角度であり、天頂角方向θはPn m(cosθ)=0となる点に配置する。
さらに、いわゆる一様サンプリングを行うために、マイクロホンを正多角形の頂点など、球面上でできるだけ等密度となるように配置した場合には、スピーカも同様に正多角形の頂点など、球面上でできるだけ等密度となるように配置する。
Rs≧Rmであることを仮定するが、これを満たさなくてもよい。Rm,Rsは、その値が大きいほど広い領域を再現することができるが、より多くのマイクロホン及びスピーカが必要となる。Rm,Rsは、収音する信号の周波数を考慮して実験的に設定することが望ましい。例えば、Rs=1.5m,Rm=0.2mとする。
また、スピーカが配置される円筒の半径Rsは、例えば1.5m程度とする。なお、Rm≦RsでもRs≦Rmでもよいが、Rm≦Rsのときに音場再生の精度がよくなる。
第一の空間のマイクロホンMi−jの位置を(Rmm,im,j)[i=1,2,…,Nch,θ,j=1,2,…,Nch,φ]と表現する。第二の空間のスピーカSi−jの位置を(Rss,is,j)[i=1,2,…,Nch,θ,j=1,2,…,Nch,φ]と表現する。
<音場収音再生装置>
音場収音再生装置は、図1に示すように周波数変換部1、離散球面調和変換部2、変換フィルタ部3、離散球面調和逆変換部4及び周波数逆変換部5を例えば含み、図4に例示された各ステップの処理を行う。
第一の空間に配置されたマイクロホンM1−1,M2−1,…,MNch,θ−Nch,φは、第一の空間の音源Sで発せられた音を収音して時間領域の信号を生成する。生成された信号は、周波数変換部1に送られる。(Rmm,im,j)のマイクロホンMi−jで収音された時間領域の時刻tの信号をpij(t)と表記する。
<周波数変換部1>
周波数変換部1は、マイクロホンM1−1,M2−1,…,MNch,θ−Nch,φで収音された信号pij(t)をフーリエ変換により周波数領域信号Pij(ω)に変換する(ステップS1)。生成された周波数領域信号Pij(ω)は、離散球面調和変換部2に送られる。ωは周波数である。例えば、短時間離散フーリエ変換により周波数領域信号Pij(ω)が生成される。もちろん、他の既存の方法により周波数領域信号Pij(ω)を生成してもよい。また、オーバーラップアド等の方法を用いて周波数領域信号Pij(ω)を生成してもよい。入力信号が長い場合や、リアルタイム処理のように連続して信号が入力される場合には、例えば10msごとといったフレームごとに処理を行う。周波数領域信号Pij(ω)は、例えば以下のように定義される。関数expの引数の中のjは虚数単位である。
Figure 0005734328
<離散球面調和変換部2>
離散球面調和変換部2は、離散球面調和変換により周波数領域信号Pij(ω)を球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に変換する(ステップS2)。球面調和スペクトル信号P~nm(ω)は、各ωごとに計算される。変換された球面調和スペクトル信号P~nm(ω)は、変換フィルタ部3に送られる。
等角度サンプリングを行った場合には、離散球面調和変換部2は、具体的には式(1)により定義されるP~nm(ω)を計算する。
Figure 0005734328
βiはサンプリングの方法に応じて定まる値である。Yn mは下記式により定義される球面調和関数であり、n,mは球面調和スペクトルの次数である。0≦n≦N,-N≦m≦Nであり、n,mは整数である。aを複素数として、aはaの複素共役を意味する。
Figure 0005734328
式(1)は離散球面調和変換の一例であり、他の方法により球面調和スペクトル領域への変換を行ってもよい。また、数値計算により、球面調和スペクトル信号P~nm(ω)を求めてもよい。
<変換フィルタ部3>
変換フィルタ部3は、球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して式(2)により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する(ステップS3)。フィルタ処理後信号D~nm(ω)は、離散球面調和逆変換部4に送信される。
Figure 0005734328
式(2)において、cを音速として、k=ω/cは波数である。A(ω)は、周波数特性を調整するための所定の複素数である。例えば、A(ω)=1+0×j=1である。また、wnmはn,mに基づいて例えば以下のように定まる、エバネッセント波を減衰させるための所定の重みである。以下の式において、nc,mcは、予め定められた値でありそれぞれn,mのカットオフ値である。nc,mcは、例えばエバネッセント波を抑制するような値に設定する。α,βは、カットオフの滑らかさを決めるための予め定められた値であり例えば0.05である。もちろん、wnmとして、他の重み関数を用いてもよい。
Figure 0005734328
h(1) n(・)は、n次の第一種球ハンケル関数である。jn(・)は、n次の球ベッセル関数である。h(1) n(・), jn(・)は、以下のように定義される。
Figure 0005734328
Hn (1)(・)はn次の第一種ハンケル関数とし、Jn(・)はn次のベッセル関数とする。Hn (1)(・),Jn(・)は、以下のように定義される。Γ(z)はガンマ関数であり、Yn(z)はノイマン関数である。
Figure 0005734328
<離散球面調和逆変換部4>
離散球面調和逆変換部4は、フィルタ処理後信号D~nm(ω)を離散球面調和逆変換により周波数領域信号Dij(ω)に変換する(ステップS4)。変換された周波数領域信号Dij(ω)は、周波数逆変換部5に送られる。等角度サンプリングを行った場合には、離散球面調和逆変換部4は、具体的には式(3)により定義される周波数領域信号Dij(ω)を計算する。
Figure 0005734328
式(3)は離散球面調和逆変換の一例であり、他の方法により周波数領域への変換を行ってもよい。また、数値計算により、周波数領域信号Dij(ω)を求めてもよい。
<周波数逆変換部5>
周波数逆変換部5は、周波数領域信号Dij(ω)を逆フーリエ変換により時間領域信号Pd ij(t)に変換する(ステップS5)。逆フーリエ変換によりフレーム毎に得られた時間領域信号Pd ij(t)は適宜シフトされて線形和が取られて、連続した時間領域信号となる。逆フーリエ変換は短時間離散逆フーリエ変換等の既存の方法を用いればよい。時間領域信号Pd ij(t)は、スピーカSi−j,S2−1,…,SNch,θ−Nch,φに送られる。
スピーカアレーS1−1,S2−1,…,SNch,θ−Nch,φは、時間領域信号Pd ij(t)に基づいて音を再生する。具体的には、i=1,…,Nch,θ,j=1,…,Nch,φとして、スピーカSi−jが時間領域信号Pd ij(t)に基づいて音を再生する。これにより、第一の空間の音場を第二の空間に再現することができる。
このように、球状に配置されるマイクロホンアレー・スピーカアレー用のフィルタを用いて、球状に配置されたマイクロホンアレーの収音信号を球状に配置されたスピーカアレーの駆動信号へ変換し、音場を再現することが可能であることから、聴取者の周囲全方位から音が到来するような音場を高精度に再現することが可能となる。
<理論的背景>
以下、フィルタF~nm(ω)が式(2)のように表される理由について説明する。
二次音源信号をD(rs’,ω)とし、二次音源による合成音場をPsyn(r’,ω)とする。位置rs’の二次音源から位置r’までの伝達関数をG(r’-rs’,ω)とすると、Psyn(r’,ω)は、球面調和スペクトル領域の畳み込みとして、以下のように表される。
Figure 0005734328
ここで、n,mは球面調和スペクトルの次数である。
収音場では、半径Rbの球状の吸音バッフルが、半径Rmの球状のマイクロホンアレーと中心が一致した位置に設置されているとする。ここで、Rb≦Rmとする。入射音場をPinc(r’,ω)、散乱音場をPsct(r’,ω)とすると、収音場Prcv(r’,ω)は以下のように書ける。
Figure 0005734328
吸音材表面上で音圧勾配が0となることから、以下のように書ける。
Figure 0005734328
ここで、Pinc(・),Psct(・)は球面調和スペクトル領域で以下のように表される。
Figure 0005734328
式(8)、式(7)を式(6)に代入すると、以下のようになる。
Figure 0005734328
よって、散乱音場と入射音場の関係は以下のように導くことができる。
Figure 0005734328
式(5)、式(7)、式(8)、式(9)より、以下のようになる。
Figure 0005734328
よって、入射音場P^inc,n m(ω)は、収音場P^rcv,n m(ω)を用いて以下のように表せる。
Figure 0005734328
所望の音場P~des(・)は、入射音場Pinc(・)に対応することから、式(10)より、P~des(・)は受音球面上の球面調和スペクトルP~rcv,n m(Rm,ω)を用いて以下のように表せる。
Figure 0005734328
式(4)、式(11)より、変換式が以下のように導出できる。
Figure 0005734328
G(r’-rs’,ω)は、以下のようにモノポール特性と仮定した。
Figure 0005734328
なお、フィルタの特性として本質的には変わらないため、式(12)にA(ω),wnmを乗算してもよい。そうすると、式(12)は、式(2)と一致する。
[変形例等]
音場収音再生装置を構成する各部は、第一の空間に配置された収音装置と第二の空間に配置された再生装置の何れに備えられていてもよい。換言すれば、周波数変換部1、離散球面調和変換部2、変換フィルタ部3、離散球面調和逆変換部4、周波数逆変換部5、窓関数部6のそれぞれの処理は、第一の空間に配置された収音装置で実行されてもよいし、第二の空間に配置された再生装置で実行されてもよい。収音装置で生成された信号は、再生装置に送信される。
第一の空間と第二の空間の位置は、図2に示したものに限定されない。第一の空間と第二の空間は、隣接していても互いに離れた位置にあってもよい。また、第一の空間と第二の空間の向きもどのようなものであってもよい。
音場収音再生装置は、変換フィルタ部3を含みさえすれば、他の部を備えていなくてもよい。例えば、音場収音再生装置は、変換フィルタ部3、離散球面調和逆変換部4及び周波数逆変換部5から構成されていてもよい。また、音場収音再生装置は、周波数変換部1、離散球面調和変換部2及び変換フィルタ部3から構成されていてもよい。
周波数変換部1の処理と離散球面調和変換部2の処理とを同時に行ってもよい。同様に、離散球面調和逆変換部4の処理と周波数逆変換部5の処理とを同時に行ってもよい。また、離散球面調和変換部2と離散球面調和逆変換部4とを入れ替えてもよい。
音場収音再生装置は、コンピュータによって実現することができる。この場合、この装置の各部の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、この装置における各部がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、これらの装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 周波数変換部
2 離散球面調和変換部
3 変換フィルタ部
4 離散球面調和逆変換部
5 周波数逆変換部

Claims (5)

  1. 少なくとも3個のマイクロホンが半径Rbの球状の吸音材のバッフルに固定されることにより半径Rmの球面上に外側に向けて配置されているとし、少なくとも3個のスピーカが半径Rsの球面上に内側に向けて配置されているとし、Rm>Rb,Rs≧Rbとし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、n,mを球面調和スペクトルの次数とし、jn(・)をn次の球ベッセル関数とし、hn (1)(・)をn次の第一種球ハンケル関数とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnmをn,mに基づいて定まる重みとして、
    上記マイクロホンで収音された信号に基づいて生成された球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する変換フィルタ部と、
    Figure 0005734328

    離散球面調和逆変換により、上記フィルタ処理後信号D~nm(ω)を周波数領域信号に変換する離散球面調和逆変換部と、
    上記周波数領域信号を逆フーリエ変換により時間領域信号に変換し、変換された時間領域信号を上記スピーカに出力する周波数逆変換部と、
    を含む音場収音再生装置。
  2. 少なくとも3個のマイクロホンが半径Rbの球状の吸音材のバッフルに固定されることにより半径Rmの球面上に外側に向けて配置されているとし、少なくとも3個のスピーカが半径Rsの球面上に内側に向けて配置されているとし、Rm>Rb,Rs≧Rbとし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、n,mを球面調和スペクトルの次数とし、jn(・)をn次の球ベッセル関数とし、hn (1)(・)をn次の第一種球ハンケル関数とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnmをn,mに基づいて定まる重みとして、
    上記マイクロホンで収音された信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する周波数変換部と、
    離散球面調和変換により、上記周波数領域信号を球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に変換する離散球面調和変換部と、
    上記球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する変換フィルタ部と、
    Figure 0005734328

    を含む音場収音再生装置。
  3. 少なくとも3個のマイクロホンが半径Rbの球状の吸音材のバッフルに固定されることにより半径Rmの球面上に外側に向けて配置されているとし、少なくとも3個のスピーカが半径Rsの球面上に内側に向けて配置されているとし、Rm>Rb,Rs≧Rbとし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、n,mを球面調和スペクトルの次数とし、jn(・)をn次の球ベッセル関数とし、hn (1)(・)をn次の第一種球ハンケル関数とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnmをn,mに基づいて定まる重みとして、
    変換フィルタ部が、上記マイクロホンで収音された信号に基づいて生成された球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する変換フィルタステップと、
    Figure 0005734328

    離散球面調和逆変換部が、離散球面調和逆変換により、上記フィルタ処理後信号D~nm(ω)を周波数領域信号に変換する離散球面調和逆変換ステップと、
    周波数逆変換部が、上記周波数領域信号を逆フーリエ変換により時間領域信号に変換し、変換された時間領域信号を上記スピーカに出力する周波数逆変換ステップと、
    を含む音場収音再生方法。
  4. 少なくとも3個のマイクロホンが半径Rbの球状の吸音材のバッフルに固定されることにより半径Rmの球面上に外側に向けて配置されているとし、少なくとも3個のスピーカが半径Rsの球面上に内側に向けて配置されているとし、Rm>Rb,Rs≧Rbとし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、n,mを球面調和スペクトルの次数とし、jn(・)をn次の球ベッセル関数とし、hn (1)(・)をn次の第一種球ハンケル関数とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnmをn,mに基づいて定まる重みとして、
    周波数変換部が、上記マイクロホンで収音された信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する周波数変換ステップと、
    離散球面調和変換部が、離散球面調和変換により、上記周波数領域信号を球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に変換する離散球面調和変換ステップと、
    変換フィルタ部が、上記球面調和スペクトル信号P~nm(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nm(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nm(ω)を生成する変換フィルタステップと、
    Figure 0005734328

    を含む音場収音再生方法。
  5. 請求項1又は2に記載された音場収音再生装置の各部としてコンピュータを機能させるための音場収音再生プログラム。
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