JP5732078B2 - 音響エネルギーを使用して標本を処理するための処理システム - Google Patents

音響エネルギーを使用して標本を処理するための処理システム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年3月4日に出願した米国仮特許出願第61/310,653号の利益を米国特許法第119条(e)項に従って主張するものである。この仮出願はすべて参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般に、エネルギーを使用して標本を分析するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、エネルギーを使用して組織標本を分析するための方法およびシステムに関する。
外科手術の際に組織を保護することは、現在非常に重要な話題である。現在、組織を固定するための標準的な方法はなく、したがって組織的な方法を欠いているため、一次染色と高度染色の両方による組織を染色するさまざまな方法が存在する。被検体から組織試料を取り除いた後の第1のステップでは、細胞の代謝活動を一時的に中断する液体中に試料を入れる。このプロセスは、一般に、「固定」と称され、いくつかの異なる種類の液体によって達成されうる。解剖病理学研究室で使用されている最も一般的な固定剤は、10%の中性緩衝ホルマリン(NBF)である。この固定剤は、ホルムアルデヒド分子とアミン含有細胞分子との間に架橋結合を形成する。それに加えて、この種類の固定剤は、タンパク質を貯蔵するために保存するものである。
別の種類の一般的な固定剤は、エタノールまたは溶媒ベースの溶液である。これらの固定剤は、組織を脱水する傾向を有し、一般に「沈殿固定剤(precipitive fixatives)」と称される。その用語が示唆しているように、これらの溶液は、ホルマリンとは異なる仕方でタンパク質を変性し、細胞構成要素を不活性化する傾向を有している。
10%の中性緩衝ホルマリン中に「固定」された生体試料は、メチレン橋を介してタンパク質と核酸の大半を架橋することによる自己触媒的分解から組織を保護する。架橋結合は、組織構造、セル構造、および分子完全性などの、組織の特性を保存する。典型的には、10%のNBFを使用した固定は数時間を要し、2つの別々のステップと考えることができる。第1のステップは、組織の外部の大量のホルマリンを組織内に拡散させる必要がある拡散ステップである。このプロセスは、物理学的法則によって支配され、組織の厚さ、ホルマリンの濃度、および温度(例えば、ホルマリン温度、組織温度など)に左右される。第2のステップでは、ホルマリン分子は、組織中の生体分子と相互作用し、メチレン架橋結合内に組み込まれる。この架橋結合構造は、組織の脱水およびパラフィンろう中への組織の包埋などのその後の処理において細胞構造を損傷しないようにできる。
組織が過剰固定された場合、架橋された分子のさまざまなネットワークにより処理液を組織に通して拡散させることが困難な場合がある。この結果、処理液の不適切な浸透が生じうる。処理液が染色液である場合、拡散速度が遅いことにより、染色が均一でなく、一貫性を持たなくなることがある。これらの種類の問題は、染色液が比較的大きな分子を有している場合に大きなものとなる可能性がある。例えば、複合生体分子(抗体またはDNAプローブ分子)は比較的大きい場合があり、数百キロダルトンの質量を有することも多く、それにより、固形組織内にゆっくりと拡散し、十分な拡散に要する典型的な時間は数分から数時間の範囲内である。
組織が固定不足の場合、組織は、重大な形態学的問題または自己触媒的分解の影響を受けやすいことがある。重大な形態学的問題は、脱水段階での架橋された分子の不完全なネットワークとその後の細胞、核、細胞質の収縮の結果生じる。自己触媒的分解の結果、組織構造、細胞構造、および組織形態が、特に組織が比較的短時間のうちに処理されない場合に、失われる可能性がある。したがって、固定不足の組織は、検査には不適切である場合があり、破棄されることが多い。
検査用の生体試料を調製するために、組織は、さまざまな染料、免疫組織化学的(IHC)染色プロセス、またはインサイツハイブリダイゼーション(ISH)を使用することによって染色されることが多い。顕微鏡用スライド上の固定された組織(例えば、パラフィン包埋切片固定組織)の免疫組織化学的およびインサイツハイブリダイゼーション染色の速度は、分子(例えば、複合生体分子)が固定組織中に拡散し、組織切片と直接接触している水性溶液から分子的に相互作用できる速度によって制限される。比較的脂肪の多い脂肪組織(例えば、***組織)などのいくつかの組織では、これらの接近不可能性組織(inaccessibility issues)のせいで固定処理時間を予測することが困難である。したがって、組織は過剰固定(例えば、過剰架橋結合)または固定不足(例えば、不十分な架橋結合)になる可能性がある。
固定剤に曝す前または曝した後のいずれかにおいて生体試料を分析するためにさまざまな技術が使用されうる。例示的な技術として、顕微鏡法、マイクロアレイ解析(例えば、タンパク質および核酸マイクロアレイ解析)、質量分析法、ならびにさまざまな分子生物学的技術が挙げられる。しかし、試料の固定状態を決定するのに適した方法はない。
従来の病理学的慣例は、多くの場合、試料の寸法(例えば、厚さ)および組織の種類に対する処理時間の経験的知識に基づく所定の固定のセッティングに基づく。また、この情報を知ることなく組織を染色することは困難であることが多く、したがって組織はこのような情報を取得するために検査されることが多い。しかし残念なことに、この検査は、時間がかかる作業であり、試料の大半を破壊し、試薬の無駄につながる。例えば、IHC/ISH染色に対する異なる抗原回復のセッティングを使用した反復作業を何回も実行し、未知の固定状態および未知の組織組成に対するマッチングおよび/または補償を行うことができる。染色ランを繰り返す結果、試料材料の消費が増え、診断にかかる時間も長引く。
科学および医学における多くの用途に音響エネルギーが使われてきた。これらは、分子の相互作用を持つアッセイから組織試料の固定に至るさまざまな生物学的反応をスピードアップする試みを含む。それに加えて、潜水艦および他の船舶の存在を監視するために米国海軍によって音響学が利用されてきた。音響学は、2地点間の信号の速度を測定することによる海洋温度の監視にも応用されている。しかし残念なことに、音響学は、標本の所望の特性を判定するためには使われてこなかった。
少なくともいくつかの実施形態は、標本を解析するための方法およびシステムを対象とする。標本は、その特性に基づき解析されうる。これらの特性は、音響特性、機械的特性、光学的特性、または処理中に静的または動的であってよい同様の特性を含む。いくつかの実施形態では、標本の特性は、標本の状態および条件を評価するために処理中に連続的にもしくは定期的に監視される。処理の一貫性を高め、処理時間を短縮し、処理品質を改善し、または同様のことを行うために、得られた情報に基づき、処理が制御されうる。
組織試料などの軟質の物体を解析するために音響学が使用されうる。音響信号が組織と相互作用するときに、伝達信号は、弾性および堅さなどの、試料のいくつかの機械的特性に依存する。固定剤(例えば、ホルマリン)に浸けられた組織試料がより重く架橋されると、伝達速度が組織の特性に応じて変化する。
いくつかの実施形態では、音波の伝搬時間に基づき生体試料の状態が監視されうる。状態は、密集状態、固定状態、染色状態、または同様の状態とすることができる。監視は、限定することなく、試料密度、架橋結合、脱石灰、染色液着色、または同様のものの変化の測定を含みうる。生体試料は、骨、または他の種類の組織などの、非流体組織とすることができる。
いくつかの実施形態では、方法およびシステムは、音響エネルギーを使用して標本を監視することを対象とする。反射および/または伝達モードにおける音響エネルギー間の相互作用に基づき、標本に関する情報が取得されうる。音響測定が実行されうる。測定の例として、標本中の音響信号の振幅、減衰、散乱、吸収、伝搬時間(TOF)、音波の位相シフト、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
標本は、いくつかの実施形態では、処理中に変化する特性を有する。いくつかの実施形態では、標本に固定剤が施される。標本の固定が進むと、分子の架橋結合により機械的特性(例えば、弾性、剛性など)が変化する。これらの変化は、TOFを介して音速の測定結果を使用して監視されうる。これらの測定結果に基づき、標本の固定状態または他の組織学的状態が判定されうる。固定不足または固定過剰を回避するために、組織の静的特性、組織の動的特性、またはその両方が監視されうる。組織の特性としては、伝達特性、反射特性、吸収特性、減衰特性、または同様の特性が挙げられる。
いくつかの実施形態では、組織試料を処理するための方法は、被検体から取り出された組織試料に対しあるプロセス(例えば、固定プロセスまたは包埋、脱水、浸潤、包埋、薄切、および/または染色などの他の組織学的プロセス)を実行して組織試料を少なくとも部分的には固定するか、または他の何らかの方法で変化させるステップを含む。いくつかの実施形態では、固定プロセスの実行中に音波が組織試料の中に伝達される。組織試料の中を進行する伝達音波の少なくとも一部の速度の変化は、プロセスの少なくとも一部を実行した後に評価される。いくつかの実施形態では、標本中に伝達される音波の大半が評価される。
音波の速度の変化を評価するために、組織試料内に入る前の音波が、組織試料を出た音波と比較される。いくつかの実施形態では、TOFは、この比較結果に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、試料中のTOFを測定するために、試料が沈められる固定媒体のTOFが測定され、使用されうる。いくつかの実施形態では、媒体の温度効果を評価するために、試料を挿入する前にTOFが測定され、記録される。このような測定の結果得られるデータは、後で参照できるように格納され保存されうる。試料中の音速は、媒体のTOF、測定チャネルのTOF、または温度効果などの副次的効果を判定するために使用されうる他のTOF測定結果のうちの1つまたは複数に基づいて評価される。
いくつかの実施形態では、組織処理プロトコルが、組織試料に印加される音響信号の速度の変化の評価結果に基づいて生成される。組織処理プロトコルは、標本を処理するために、手動、または自動化システムのいずれかで使用され、固定プロトコル、組織標本作製プロトコル、包埋プロトコル、および/または染色プロトコルを含むことができる。いくつかの実施形態では、固定プロトコルは、固定時間の長さ、固定剤の温度、または標本の温度を含みうる。組織標本作製プロトコルは、包埋用の標本を作製するために標本に加えられる液体の種類とその数に関する指示事項を含みうる。これらの液体としては、清浄剤、浸潤剤、脱水剤、または同様のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、包埋プロトコルは、標本が包埋される材料の種類および組成を含む。染色プロトコルは、多数の、またさまざまな種類の試薬、試薬組成、試薬量、処理時間、自動化染色ユニットに対する指示事項、または同様のものを含みうる。他の種類のプロトコルも生成することができる。自動化システム内のコントローラが、このプロトコルを使用して標本を処理することができる。
標本は、音波の速度の変化の評価結果に基づいて処理されうる。いくつかの実施形態では、固定プロセスは、この評価結果に基づき停止される。いくつかの実施形態では、染色プロセスは、この評価結果に基づき制御される。なおも他の実施形態では、この評価結果に基づき包埋プロセスが実行される。
いくつかの実施形態では、組織試料を固定するための方法は、被検体から取り出された組織試料に対して固定プロセスを実行して組織試料を少なくとも部分的に固定するステップを含む。固定プロセスの実行中に音波が組織試料の少なくとも一部分の中に伝達される。組織試料のその一部分の中を進行する音波の少なくとも一部の速度の変化が評価される。いくつかの実施形態では、固定のレベルは、固定プロセスの少なくとも一部を実行した後に監視される。
他の実施形態では、方法は、複数の組織試料に対して固定プロセスを実行するステップを含む。組織試料のそれぞれについて少なくとも1つの音速特性が得られる。音速特性は、各組織試料と相関している。相関する音速特性は、コンピューティングデバイスによって格納され保存される。いくつかの実施形態では、相関する音速特性は、メモリまたはデータベースに格納される。組織標本は、格納されている音速特性のうちの少なくとも1つに基づき処理されうる。処理は、固定プロセス、組織標本作製プロセス、包埋プロセス、および染色プロセスのうちの少なくとも1つを含みうる。
いくつかの実施形態では、組織試料を評価するための方法は、試料の処理前、処理中、および/または処理後に音波の速度を解析するステップを含む。これは、被検体から採取された組織試料に送信機から音波を送ることにより新鮮な、未固定の組織試料に対するベースラインの測定を最初に確立することによってなされる。ベースラインのTOF音波は、受信機を使用して検出される。組織試料の処理後、または処理中に、第2の音波が送信機から組織試料に送られる。第2のTOF音波は、第2の音波が組織試料の中を進行した後に受信機を使用して検出される。組織試料中の音速は、第1のTOFおよび第2のTOFに基づき比較され、これにより速度の変化を判定する。これらの測定は、解析される組織試料毎に一意的であるものとしてよく、したがって、それぞれの組織試料についてベースラインを確立することができる。媒体、測定チャネル、または同様のものに起因するTOFの寄与分を決定するために追加のTOF測定が使用されうる。いくつかの実施形態では、媒体のベースラインのTOFを決定するために標本が存在していないときに媒体のTOFが測定される。
いくつかの実施形態では、固定プロセスは、組織試料の少なくとも一部を固定するために組織試料に対して実行される。組織試料の中を進行する音の速度の変化は、組織試料の少なくとも一部の中を進行した音波を使用して評価される。固定プロセスは、音の速度の変化の評価結果に基づいて調整される。いくつかの実施形態では、固定プロセスの調整ステップは、固定時間を短縮するステップ、固定剤の組成を調整するステップ、固定剤の温度を変えるステップ、またはこれらの組み合わせのステップを含む。
組織試料を評価するためのシステムは、送信機、受信機、およびコンピューティングデバイスを備える。送信機は、音響エネルギーを被検体から採取された組織試料に通して出力するように構成される。受信機は、固定プロトコルが施される前、施されている最中、または施された後に、組織試料の中を進行した音響エネルギーを検出するように構成される。コンピューティングデバイスは、送信機および受信機からデータを受信することができる。コンピューティングデバイスは、音の速度のデータを評価し、受信されたデータをTOF値に変換するように構成される。
いくつかの実施形態では、組織試料を監視するためのシステムは、容器、送信機、受信機、およびコンピューティングデバイスを備える。送信機は、駆動信号に応答して容器のチャンバー内に配置された組織標本を通じて音波を出力するように構成される。受信機は、組織標本中に伝達される音波を検出するように位置決めされる。受信機は、信号を出力するようにも構成される。いくつかの実施形態では、受信機は、組織標本の厚さ分を横切る形で進行した音波を検出するように位置決めされる。他の実施形態では、受信機は、組織標本から反射された音波を検出するように位置決めされる。システムは、送信と受信のモードを電子的に交互に切り替える送信機と受信機の両方(パルス発生器/受信機の組み合わせ)を備えるトランスデューサを備えることができる。
コンピューティングデバイスは、送信機に結合され、TOFの変化を比較することによって組織試料中の音速を評価するように構成される。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、組織標本に関する情報を格納するメモリを備える。コンピューティングデバイスは、組織試料中の音速の評価結果および格納されている情報を使用して組織試料に関する情報を決定することができる。
さらに他の実施形態では、組織試料を解析する方法は、組織試料の少なくとも一部の中に音響エネルギーを伝達するステップを含む。組織試料中の音響エネルギーの比較TOFが決定される。音響エネルギーの比較TOFに基づく組織試料の、もしあれば固定の程度が決定される。試料は、継続する固定プロトコルにおいて解析されるものとしてよいか、または組織試料が固定の相対的状態に応じて異なるプロセスに移動される(例えば、所望のもしくは目的とする固定の程度に達した場合)。いくつかの実施形態では、所望の固定の程度は、固定の程度のある範囲内にあるものとしてよい。他の実施形態では、固定の所望の程度は、例えばユーザーによって指定されうる固定の閾値量である。
組織試料は、TOF信号の変化の程度が例えば一定期間内に固定の最小変化が生じたことを示すときに次のプロセスに(例えば、固定プロセスから別のプロセスに)移動される。いくつかの実施形態では、固定の程度を評価するステップは、TOFと基準TOFとを比較するステップを含む。基準TOFは、コンピューティングデバイスによって格納されるか、組織試料のTOF測定結果を使用して決定されるか、またはこれらの組み合わせとしてよい。他の実施形態では、固定の程度を評価するステップは、音の速度の基準変化に対して組織試料中の音速の変化を評価するステップを含む。固定の程度は、音速の変化が音速の基準変化より小さいときに固定の所望の程度であるか、またはそれより大きい。音速の基準変化は、音速の計算された基準変化、組織の類似の種類の音速の測定された変化、またはこれらの組み合わせとすることができる。例えば、音速の計算された変化および測定された変化は、基準変化を決定するために使用されうる。
さらに他の実施形態では、被検体から取り出された組織試料を固定するための方法は、組織試料を液体固定剤に接触させて組織試料を少なくとも部分的に固定するステップを含む。液体固定剤が組織試料を少なくとも部分的に固定している間に音波が組織試料の少なくとも一部分の中に伝達される。組織試料のその一部分の中を進行する音波の少なくとも一部の速度の変化が評価される。いくつかの実施形態では、速度の変化は、この液体固定剤により組織試料を固定することによるものである。
組織試料は、液体固定剤と接触する未固定の組織試料(例えば、切りたての組織試料)であってよい。音速の変化は、固定プロセス全体を通してまたは固定プロセスの一部において連続的にもしくは間欠的に評価できる。組織試料が適切に固定された後、その組織試料は液体固定剤から取り出される。いくつかの実施形態では、組織試料は、液体固定剤の槽の中に沈められる。固定プロセスは、組織試料をこの槽から取り出すことによって停止されうる。
音波は、液体固定剤が組織試料の固定の程度を変化させると組織試料の中に伝達されうる。組織試料の固定の程度を監視するために、速度の変化の評価が使用されうる。組織試料が固定された後、長期保存の後であっても、組織試料の状態を監視するために組織試料の特性が評価されうる。
いくつかの実施形態では、組織試料が液体固定剤中に沈められている間に音波を使用して組織試料が評価される。組織試料は、組織試料の固定の程度に基づき液体固定剤の槽から引き出される。固定の程度は、ユーザーによって設定されるか、またはコントローラによって自動的に決定されうる。次いで、組織試料はすすぎが行われ、さらに処理されうる。
試料は、TOFに基づき監視されうる。試料に関する情報を取得するために試料中を進行する音波の速度の変化が使用されうる。試料を監視するために、1つまたは複数の補償アルゴリズム、平滑化アルゴリズム、比較プロトコル(例えば、位相角差ルーチン)、インタラクティブアルゴリズム、予測モデリングもしくはアルゴリズム、信号処理アルゴリズム、これらの組み合わせ、または他のアルゴリズムもしくはプロトコルが使用されうる。いくつかの実施形態では、試料を監視するために、異なる特性(例えば、波形、周波数、バーストの数、または同様のもの)を持つ信号が使用されうる。信号および対応する測定データは、信号を使用して時間遅延、時間移動、または他の変化を判定するために使用されうる。位相の変化などの、異なるデータもしくは測定結果を経るために、異なる信号が使用されうる。
いくつかの実施形態では、方法は、組織試料を変えるために被検体から取り出された組織試料に対してプロセスを実行するステップを含む。音波は、組織試料の少なくとも一部分の中に伝達される。プロセスの少なくとも一部を実行した後に組織試料の一部分の中を進行する音波の少なくとも一部の速度の変化を測定もしくは監視するステップが含まれる。さまざまな実施形態では、プロセスは、異なる特性(例えば、密度)を持つ流体の固定、架橋結合、灌流、さらに熱変化、脱石灰、および/または脱水を含む。いくつかの実施形態では、組織の密度特性は、試料の密度を変える反応において監視される。限定することなく、固定プロセス、脱水プロセス、包埋、染色プロセスなどを含む、さまざまな組織学的プロセスが、監視もしくは解析されうる。
以下の図面を参照しつつ非限定的および非網羅的な実施形態が説明される。同じ参照番号は、断りのない限り、さまざまな図面全体を通して類似の部分または作用を指す。
一実施形態による、標本とともに標本ホルダーを含む処理システムの等角破断図である。 図1の処理システムのコンポーネントの側断面図である。 本発明の一実施形態による、アナライザーおよびコンピューティングデバイスのコンポーネントのブロック図である。 一実施形態による、標本を処理する例示的な方法の流れ図である。 固定相をx軸、伝搬時間の変化をy軸とするグラフである。 出力信号と受信信号との間のタイミング関係を示すグラフである。 出力信号の一部および受信信号の一部の拡大図である。 出力信号の一部および受信信号の対応する部分の詳細図である。 出力信号、受信信号、および比較曲線の間のタイミング関係を示すグラフである。 一実施形態による、出力信号と受信信号との間のタイミング関係を示すグラフである。 さらにもう1つの別の実施形態による、出力信号と受信信号との間のタイミング関係を示すグラフである。 位相差をx軸、位相角電圧をy軸とするグラフおよび時間をx軸、固定による予想される位相の等しい進行を持つ位相角電圧をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、位相角電圧をy軸とするグラフである。 位相角電圧に対する固定時間のグラフである。 図13のデータの波形状を示すグラフである。 平滑化アルゴリズムおよび図13のデータを使用して生成された波形状のグラフである。 ノイズの多いデータを解析するために異なるアルゴリズムを使用して生成された曲線のグラフである。 一実施形態による、処理システムのブロック図である。 標本を逐次的に解析することができる処理システムの等角図である。 一実施形態による、標本に対して複数回の処理を実行することができる処理システムの部分断面立面図である。 一実施形態による、標本に対して複数回の処理を実行することができる処理システムの側面図である。 組織標本を個別に処理することができる処理システムの側面図である。 回転駆動システムを持つアナライザーの等角図である。 組織標本を固定し、包埋することができる処理システムの図である。 標本を処理する例示的な方法の流れ図である。 標本ホルダーをいつでも受け入れることができる状態にあるアナライザーの等角図である。 送信機の直線配列および受信機の直線配列を備えるアナライザーの等角図である。 一実施形態による、標本ホルダーの等角図である。 送信機と受信機とを備える標本ホルダーの等角図である。 図28の標本ホルダーの側面図である。 固定時間をx軸、牛肉組織に対する組織中の音速および絶対TOF変化をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、牛肉組織に対する音速および相対TOF変化をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、牛肉組織に対する信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、脂肪組織に対するTOF変化および信号振幅をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、肝臓組織に対する信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、ヒト扁桃腺組織の信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、牛肉組織に対する信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、異なる種類の組織に対する信号振幅をy軸とするグラフである。 固定時間をx軸、異なる種類の組織に対するTOFの変化をy軸とするグラフである。 時間をx軸、予浸された試料および新鮮な試料に対する伝搬時間信号をy軸とするグラフである。 時間をx軸、固定および脱水プロセスに対する伝搬時間信号をy軸とするグラフである。 時間をx軸、十分に固定されていない組織および固定されている組織に対する伝搬時間信号の振幅をy軸とするグラフである。 時間をx軸、時間の長さを変えつつホルマリンに浸した組織標本に対する伝搬時間信号の振幅をy軸とするグラフである。
図1は、標本を処理するための処理システムを示している。処理システム100は、標本ホルダー110、容器140、および容器140内に位置決めされたアナライザー114を備える。アナライザー114は、送信機120および受信機130を備える。コンピューティングデバイス160は、アナライザー114に通信可能に結合される。
図2は、処理媒体170を充填したチャンバー180を備える容器140を示している。標本ホルダー110、送信機120、および受信機130は、処理媒体170中に浸けられる。組織標本150を固定するために、組織媒体170は、標本150を通して拡散する固定剤とすることができる。
標本150を解析するために、コンピューティングデバイス160では、送信機120に、標本150を通るエネルギーを出力させる。受信機130は、エネルギーを受信し、受信されたエネルギーに応答してコンピューティングデバイス160に信号を送信することができる。コンピューティングデバイス160は、それらの信号を解析して処理を監視する。処理が完了した後、容器140から標本ホルダー110を都合よく取り出せるか、または処理媒体170を非活性化することができる。
標本150は、1つまたは複数の生体試料とすることができる。生体試料は、被検体から取り出された組織試料(例えば、セルの集合体)とすることができる。いくつかの実施形態では、生体試料は、顕微鏡用スライドに載せることが可能であり、限定することなく、組織切片、器官、腫瘍切片、塗抹標本、凍結切片、細胞標本、または細胞株を含む。試料を採取するために、切開生検、コア生検、切除生検、針吸引生検、コア針生検、定位生検、直視下生検、または外科生検が使用されうる。新しく取り出した組織試料は、試料150のかなりの量を防ぐか、または制限するために適切な長さの時間内に処理媒体170内に配置されうる。いくつかの実施形態では、試料150は、被検体から切除され、比較的短時間のうちに(例えば、約2分、5分、30分、1時間、2時間、または同様の時間内に)媒体170内に置かれる。もちろん、組織試料は、被検体から取り出された後可能な限り早く固定することができる。標本150は、固定する前に凍結もしくは他の方法による処理を受けることもできる。
音響エネルギーを使用して標本150を解析するために、送信機120は音波を出力することができる。音波は、インフラサウンド波、可聴音波、超音波、またはこれらの組み合わせとすることができる。標本150を通る音波の伝達は、標本150への変化があるため変化しうる。固定プロセスが架橋結合を伴う場合、標本150の機械的特性(例えば、弾性率)は、架橋結合が組織内を進むにつれ著しく変化する可能性がある。弾性率が変化すると、標本150の音響特性も変化する。音響特性としては、限定することなく、音速、伝達特性、反射特性、吸収特性、減衰特性、または同様の特性が挙げられる。伝達特性を評価するために、音(例えば、可聴音、超音波、またはその両方)の伝搬時間(TOF)、音速、または同様のものが測定されうる。TOFは、音波が物体または物質中をある距離だけ進行するのに要する時間の長さである。いくつかの実施形態では、TOFは、音波が標本によって押しのけられた媒体中を進行する時間と比較した音波が標本中を進行するのに要する時間の長さである。いくつかの実施形態では、媒体および測定デバイス(例えば、ホルダー)の伝搬時間は、温度補償、蒸発損失、補償プロトコル、予測モデリング、または同様のものに使用できるように試料の挿入前に記録され、後から参照できるように格納されうる。標本150の厚さは、TOFの測定可能な変化を生み出せる十分な厚さであるものとしてよい。反射の実施形態では、TOFは、音波が組織標本の一部分を通過する時間の長さとすることができる。例えば、TOFは、音波が組織標本の一部分の中に伝達される時間の長さとすることができる。そのため、TOFは、標本全体を通って進行する音波、組織標本によって反射された音波、またはその両方に基づき計算されうる。
標本150中を進行する音波の速度は、一般的に、標本150の弾性率(または剛性)と標本150の密度との比の平方根に等しい。標本150の密度は、一般的には一定のままとしてよく、したがって、音速の変化およびTOFの変化は主に標本の弾性率の変化によるものである。標本150の密度が著しく変化する場合、弾性率の変化に起因する音速の変化およびTOFの変化は、標本の変化する密度を考慮することによって決定されうる。そのため、標本150の静的特性と動的特性の両方が解析可能である。
処理システム100は、閉ループシステムもしくは開ループシステムとすることができる。閉ループの実施形態では、音響エネルギーは、受信機130からのフィードバック信号および/またはパラメータ(例えば、温度、圧力、または注目する他の測定可能なパラメータ)を検出し、検出されたパラメータを示す信号を伝達(または送信)するように構成された1つまたは複数のセンサーからの信号に基づき標本150に伝達される。これらの信号に基づき、処理システム100は、送信機120の動作を制御することができる。あるいは、処理システム100は、伝達される音響エネルギーが例えばユーザー入力によって設定される開ループシステムとすることができる。処理システム100は、閉ループモードと開ループモードとの間で切り替えることができる。
標本ホルダー110は、さまざまな場所と場所との間で移送しやすいように携帯型であってよい。実験室でのセッティングでは、ユーザーはこれをワークステーション間でまたは機器間で手動により移送することができる。例示されている標本ホルダー110は、標本150を囲み、保持する剛性のある本体部210を持つカセットの形態をとる。本体部210は、第1のプレート220および受け入れスペースもしくはチャンバー240を画成するために第1のプレート220から相隔てて並ぶ第2のプレート230を備える。標本150は、受け入れスペース240内に位置決めされる。プレート220、230は、音響エネルギーの伝達を円滑にする開口もしくは他の特徴部を有することができる。標本ホルダー110の形状、サイズ、および寸法は、標本150の形状、サイズ、および寸法に基づき選択されうる。さまざまな実施形態では、標本ホルダーは、カセット、ラック、バスケット、トレー、ケース、箔、織物、メッシュ、または標本を保持し、移送することができる他の携帯型のホルダーである(か、または含む)ものとしてよい。いくつかの実施形態では、標本ホルダー110は、流体交換を可能にする標準的な生検カセットである。
図1および2を引き続き参照すると、送信機120および受信機130は、それぞれ取付用金具250、260によって容器140の壁247、249に固定して結合されていることがわかる。容器140は、タンク、タブ型容器、リザーバー、キャニスター、バット、または液体保持用の他のうつわとすることができ、また温度制御デバイス、蓋、カバー、流体コンポーネント(例えば、弁、導管、ポンプ、流体攪拌器など)、または同様のものを備えることができる。処理媒体170を加圧するために、チャンバー180は、加圧可能な反応チャンバーとすることができる。それに加えて、チャンバー180を真空下で動作させることにより、音の伝達を阻害する気泡形状を低減し、流体を標本ホルダー110内に灌流させて閉じ込められている空気を押し出しやすいようにすることができる。
信号ノイズを最小にするか、制限するか、または実質的に排除するために、容器140は、全体を、または一部だけ、1つまたは複数のエネルギー吸収材料(例えば、吸音材料、断熱材料、または同様のもの)で作ることができる。容器140のサイズおよび形状は、定在波、エコー、または信号ノイズを引き起こす他の状態などの、望ましくない状態を防ぐか、または実質的になくすように選択されうる。例えば、音波が容器140の内面から反射し、その結果信号ノイズを引き起こす場合、容器140のサイズを増やすとよい。
送信機120は、活性化されたときに電気エネルギーを音響エネルギーに変換することができるさまざまな異なる種類の音響要素を備えることができる。例えば、音響要素は、単一波形を出力する単一の圧電性結晶とすることができる。あるいは、音響要素は、異なる波形を有する波を出力するように連携動作する2つまたはそれ以上の圧電性結晶を備えることができる。音響要素は、コンピューティングデバイス160からの駆動信号に応答して音波を発生し、異なる種類の波形を持つ可聴音波、超音波、およびインフラサウンド波のうちの少なくとも1つの音波を出力することができる。音波は、正弦波波形、階段状波形、パルス波形、方形波波形、三角波波形、のこぎり波波形、任意波形、チャープ波形、非正弦波波形、ランプ波形、バースト波形、パルス圧縮波形(例えば、窓チャープパルス圧縮波形(window chirped pulse compression waveforms))、またはこれらの組み合わせの波形を有することができる。いくつかの実施形態では、音響要素は、音響エネルギー(例えば、反射された音響エネルギー)を出力し検出することができるトランスデューサである。そのような実施形態は、反射された音波に基づき標本を評価するのに最適である。例えば、送信機120は、組織試料150の少なくとも一部に音波を伝達する超音波トランスデューサの形態をとることができる。音波の少なくとも一部は、組織試料150から反射され、超音波トランスデューサ120によって受信されるものとしてよい。さまざまな異なる信号処理技術(相互相関技術、自己相関技術、エコー解析技術、位相差解析、積分技術、補償方式、同期技術などを含む)が、音波のTOFを決定するために使用されうる。そこで、コンピューティングデバイス160が、標本150全体に伝達される音響エネルギーまたは標本150から反射された音響エネルギー、またはその両方を評価することができる。
可聴音波は、全方向に広がりうるが、超音波は、一般的に平行な波であり、反射によって引き起こされるノイズを低減し、標本150の中の伝達を増強することができる。本明細書で使用されているように、「超音波」という用語は、限定することなく、約20,000Hz(ヘルツ)を超える周波数を有する音を指す。与えられた超音波発生源(例えば、超音波放射体)について、周波数が高ければ高いほど超音波信号の発散は少なくなる。音波信号の周波数は、処理媒体170および標本150を通る伝達を効果的にするために信号を十分に平行化するように高めることができる。脆弱な標本を解析する場合には、そのような標本への損傷を最小限度に抑えるか、制限するか、または実質的に防ぐために比較的高い周波数の超音波が使用されうる。
それに加えて、または代替えとして、送信機120は、限定することなく、超音波、高周波(RF)、光エネルギー(例えば、可視光、UV光、または同様の光)、赤外線エネルギー、放射線、機械的エネルギー(例えば、振動)、熱エネルギー(例えば、熱)、または同様のものを出力するように構成されたエネルギー放射体を備えることができる。発光体は、発光ダイオード、レーザー、または同様のものであってよい。熱エネルギー放射体は、限定することなく、発熱体(例えば、抵抗発熱体)、冷却デバイス、またはペルチェデバイスとすることができる。エネルギー放射体は、連携動作して、エネルギーを標本150に同時にもしくは一斉に送出するステップ、さまざまな特性(例えば、音響特性、熱的特性、および/または光学的特性)を監視するステップ、媒体170を所望の温度に保つことによって処理時間を短縮するステップ、処理の一貫性を高めるステップ、これらを組み合わせたステップ、または同様のステップを実行することができる。
受信機130は、限定することなく、パラメータを検出し、検出されたパラメータを示す1つまたは複数の信号を送信するように構成された1つまたは複数のセンサーを備えることができる。図1および2の受信機130は、送信機120からの音響エネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのセンサーを備える。他の実施形態では、受信機130は、1つまたは複数のRFセンサー、光学センサー(例えば、可視光センサー、UVセンサー、または同様のもの)、赤外線センサー、放射線センサー、メカニカルセンサー(例えば、加速度計)、温度センサー、または同様のものを備えることができる。いくつかの実施形態では、受信機130は、複数の異なる種類のセンサーを備える。例えば、一方のセンサーで音響エネルギーを検出することができ、別のセンサーでRFエネルギーを検出することができる。
図1のコンピューティングデバイス160は、送信機120および受信機130に通信可能に結合される(例えば、電気的に結合されるか、ワイヤレス方式で結合されるか、容量結合されるか、誘導結合されるか、または同様の方式で結合される)。コンピューティングデバイス160は、入力デバイス(例えば、タッチパッド、タッチスクリーン、キーボード、または同様のもの)、周辺デバイス、メモリ、コントローラ、プロセッサもしくは処理ユニット、これらの組み合わせ、または同様のものを備えることができる。図1のコンピューティングデバイス160は、ラップトップコンピュータとして例示されている、コンピュータである。
図3は、信号発生器270、処理ユニット280、およびディスプレイ290を備えるコンピューティングデバイス160(破線で例示されている)を示している。信号発生器270は、駆動信号を出力するようにプログラムされうる。駆動信号は、1つまたは複数の正弦波波形、階段状波形、パルス波形、方形波波形、三角波波形、のこぎり波波形、任意波形、チャープ波形、非正弦波波形、ランプ波形、バースト波形、またはこれらの組み合わせの波形を有することができる。波形は、例えば、ユーザー入力、格納されているパラメータ、または別のシステム(例えば、組織標本作製ユニット、染色ユニットなど)からの入力に基づき選択されうる。例えば、信号発生器270は、複数の異なる波形を出力することができる任意関数発生器を備えることができる。いくつかの実施形態では、信号発生器270は、B&K Precision Corp.社の任意信号発生器、または他の任意信号発生器である。
コンピューティングデバイス160は、包埋用に標本を作成するため任意の数の物質を施す組織処理ユニットに通信可能に結合される。コンピューティングデバイス160は、組織処理ユニットによって使用される組織標本作製プロトコルを用意することができる。組織標本作製プロトコルは、特定の物質に対する処理時間の長さ、物質の標的組成、特定の物質の温度、これらの組み合わせ、または同様のものを含みうる。
処理ユニット280は、例えば、送信機120によって出力された音波を受信機130によって検出された音波と比較することによって標本150中の音のTOFの変化を評価することができる。この比較を何回でも繰り返し実行し、標本150の固定状態を監視することができる。いくつかの実施形態では、処理ユニット280は、音波が標本150中を進行するのに要する第1の時間の長さを決定する。次いで、処理ユニット280は、その後放射された音波が標本150中を進行するのに要する第2の時間の長さを決定する。第1の時間の長さを第2の時間の長さと比較して、限定はしないが、音波の速度の変化(例えば、加速度)、TOFの絶対的および/または相対的な変化、送信機120と受信機130との間の距離の変化、処理媒体170の温度および/または密度の変化、またはこれらの組み合わせを決定する。処理ユニット280は、位相シフト解析、音波比較解析、または他の種類の数値解析を含む、異なる種類の解析を使用することができる。
コンピューティングデバイス160は、情報を格納するためにメモリを備えることもできる。メモリとしては、限定はしないが、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および同様のメモリが挙げられる。情報としては、限定はしないが、プロトコル、データ(データベース、ライブラリ、テーブル、アルゴリズム、レコード、監査証跡、レポートなどを含む)、セッティング、または同様のものが挙げられる。プロトコルとしては、限定はしないが、ベーキングプロトコル、固定プロトコル、組織標本作製プロトコル、染色プロトコル、調整プロトコル、脱パラフィンプロトコル、脱水プロトコル、較正プロトコル、周波数調整プロトコル、脱石灰プロトコル、または他の種類のルーチンが挙げられる。組織の密度もしくは音伝達を変えるか、または影響を及ぼすプロトコルを使用して、コンピューティングデバイス160のコンポーネント、アナライザー114のコンポーネント、顕微鏡用スライド処理ユニット、染色装置、オーブン/乾燥機、または同様のものを制御することができる。データは、標本ホルダー110、処理媒体170、標本150を解析することによって収集もしくは生成されうるか、またはユーザーによって入力されうる。
コンピューティングデバイス160は、異なる音響特性を評価することができる。音響特性の評価は、標本の音速特性を比較するステップ、標本中の音の加速度を比較するステップ、格納されている固定情報を解析するステップ、およびTOFを解析するステップを伴いうる。TOFの解析は、限定することなく、全TOFを評価するステップ、一定時間にわたるTOFの変化を評価するステップ(上述)、TOFの変化率を評価するステップ、TOFプロファイルを生成するステップ、または同様のステップを伴いうる。格納される固定情報としては、限定することなく、異なる種類の組織に対する音速に関する情報、固定率、予測固定時間、補償プロトコル、架橋結合の割合、TOFプロファイル、組織組成、組織寸法、アルゴリズム、波形、周波数、これらの組み合わせ、または同様のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス160は、TOF、TOFの変化、音波の振幅、音波の強度、位相シフト、エコー、標本150の温度および/または密度、ならびに処理媒体170の温度および/または密度のうちの少なくとも1つを評価する。
コンピューティングデバイス160は、診断、特に高度な診断の信頼性および精度を改善するために標本履歴、標本固定状態、組織の種類について事前に知っていようと、知らなかろうと、固定のセッティングを選択するか、作成するか、または修正することができる。固定のセッティングとしては、限定はしないが、固定時間の長さ(例えば、最短固定時間、最長固定時間、固定時間の範囲)、処理媒体の組成、および処理媒体の温度が挙げられる。例えば、標本150が知られている固定状態を有している場合、知られている固定状態に少なくとも一部は基づき選択されうる。標本150は、未知の固定状態を有している場合、固定状態に関する情報を取得するためにアナライザー114が使用される。例えば、アナライザー114は、すでに部分的に、もしくは完全に固定されている標本に関する情報を取得することができる。プロトコルのセッティングは、少なくとも一部は、取得された情報に基づいて選択することができる。プロトコルのセッティングとしては、組織標本作製セッティング、固定プロトコルセッティング、試薬プロトコルセッティング、または同様のセッティングが挙げられる。次いで、いくつかの実施形態では、アナライザー114からの情報に少なくとも一部は基づき固定状態のマッチング/補償を行うために試薬プロトコルのセッティング(例えば、IHC/ISH染色の種類、染色時間など)が選択されうる。そこで、アナライザー114は、未固定の、部分的に固定された、または完全に固定された標本を解析することができる。
複数の組織標本を処理するために、処理システム100は、固定セッティングを動的に更新することができる。固定セッティングは、例示されている標本150を解析することによって生成されうる。標本150と同じ生物学的組織から採取された別の標本は、新しい固定セッティングを使用して処理されうる。このようにして、固定プロセスは、動的に更新することができる。
図4は、例えば、腐敗作用、自己分解、または同様の作用から標本150を保護するために標本150を固定する例示的な方法を示している。一般に、標本150は、システム100内に装填されうる。処理媒体170は、標本150と接触し、標本150の固定を開始する。アナライザー114は、固定プロセスを監視する。標本150が十分に固定された後、標本150が固定媒体170から取り出され、固定不足および固定過剰をうまく回避する。この固定プロセスの詳細について、以下で説明する。
図4のステップ300で、標本150を標本ホルダー110内に装填する。標本ホルダー110を開くために、プレート220、230を分離することができる。標本150を緩く保持するようにプレート220、230を結合して1つにすることができる。いくつかの実施形態では、標本ホルダーは、Cellpath Ltd社の生検試料用の標準のCellsafe(商標)組織カセット、または音響伝達に適合する他の種類のものとすることができる。閉鎖標本ホルダー110を手動で、または自動的に下げて容器140内に入れ、ドッキングステーション312内に保持する(図1および2を参照)。ドッキングステーション312は、クランプ、把持機構、または標本ホルダー110を保持するのに配置した他のコンポーネントとすることができる。
処理媒体170は、標本150を通して拡散を開始し、固定プロセスを開始する。固定プロセスは、腐敗作用を制限もしくは阻止するステップ、自己分解を制限もしくは阻止するステップ、タンパク質を安定化させるステップ、および組織特性、細胞構造、組織形態、もしくは同様のものを他の何らかの形で保護もしくは保存するステップを伴いうる。固定剤としては、限定することなく、アルデヒド、酸化剤、ピクリン酸塩、アルコール、もしくは水銀剤、または生体組織または細胞を保存することができる他の物質が挙げられる。いくつかの実施形態では、固定剤は、中性緩衝ホルマリン(NBF)である。いくつかの固定プロセスにおいて、媒体170は、標本150の架橋結合を引き起こす固定剤である。いくつかの固定剤は、架橋結合を引き起こしえない。
310において、アナライザー114は、音響エネルギーを標本150の中に伝達する。信号発生器270(図3を参照)は、駆動信号を送信機120に出力し、次いで送信機120が標本150中に最終的に伝達される音響エネルギーを放射する。
320で、受信機130は、音響エネルギーを検出し、検出された音響エネルギーに基づき受信機信号をコンピューティングデバイス160に出力する。受信機信号は、処理(例えば、増幅、変調、または同様の処理を)される場合もそうでない場合もある。
330で、コンピューティングデバイス160は、受信機信号を解析する。コンピューティングデバイス160は、処理の信頼性を高め、処理時間を短縮し、処理品質を改善し、または同様のことを行うために処理システム100を制御することができる。例えば、図2の処理媒体170の温度は、媒体170の拡散を促進して処理時間を短縮するように制御されうる。
組織標本150が所望の固定状態に達した後、標本ホルダー110は、媒体槽から(例えば、手動で、もしくは自動的に)取り出される。固定された標本150は、標本が無駄になる検査を実行せずに、包埋、薄切、および染色を実行できる。
図1および2の処理システム100は、任意の数の熱的デバイス、機械的デバイス、センサー、またはポンプを備えることができる。熱的デバイスは、媒体170の温度を調節することができ、1つまたは複数の発熱体、冷却デバイス、ペルチェデバイス、または同様のものを備えることができる。機械的デバイスとしては、限定することなく、撹拌機(例えば、流体撹拌機)、混合デバイス、バイブレータ、または同様のものが挙げられる。センサーは、限定することなく、音響センサー、運動センサー、化学センサー、温度センサー、粘度センサー、光学センサー、流量センサー、位置センサー、圧力センサー、または他の種類のセンサーとすることができる。センサーは、チャンバー180の周りのさまざまな位置に配置することができる。
TOF測定を使用して、固定プロセスを監視することができる。TOFの理論上の変化は、処理システム100内のコンポーネント間の距離、標本150の寸法、音響エネルギーが進行する音響経路313(図2を参照)の長さ、および固定媒体170および標本ホルダー110の音響特性に基づき計算することができる。コンピューティングデバイス160は、初期固定セッティングなどの固定セッティングを決定するために計算された値を解析することができる。
以下の表1は、水中の音速(1,482m/s)、未固定の筋肉組織中の音速(1,580m/s)、および固定された筋肉組織中の音速(1,600m/s)に基づきTOFの理論上の計算で求めた変化を示している。理論的計算結果を測定値と比較して、固定プロセスを修正することができる。いくつかの実施形態では、固定プロセスに対する初期セッティングを決定するために理論的計算が使用される。初期セッティングは、波形、音響エネルギーの振幅、音響エネルギーの周波数、処理温度、または同様のものを含みうる。
Figure 0005732078
図2は、送信機120から標本150までの距離D、標本150の対向する表面間の距離D、標本150から第2のプレート230の外面までの距離D、および標本ホルダー110から受信機130までの距離Dを示している。通常の種類の組織の音速および密度は、当技術分野でよく知られている。これらの知られている値を使用して、TOFの変化を計算し、初期固定セッティングを決定することができる。音速は媒体の温度に依存し、測定チャネルの距離は関係するコンポーネントの熱膨張率に依存しうるため、媒体の基準TOF測定ならびに媒体の与えられた温度および検査環境における測定チャネルが、いくつかの実施形態において実行されうる。この基準測定結果を使用して、標本のTOF測定結果を補償することができる。
全TOFは、距離Dを横切る時間「t1」、続いて音波が距離Dを横切って進むときの時間「t2」、最後に音波が残りの距離DおよびDを進行するときの時間「t3」の間に音波が媒体170の一部を通って最初に進行する個別の進行時間によって決定されうる。したがって、全TOF=t1+t2+t3である。全TOFの変化が測定され、固定の状態に関連付けられ、したがって、時間「t2」にもっぱら、またはそれのみに関係付けられる。妨げられない音響経路(例えば、基準として試料挿入なしの音響経路)に関する情報を使用して、例えば媒体170の変化(例えば、温度変化、密度変化など)による全TOFの変化を識別することができる。
異なる種類の組織は、異なる音響特性を有することができる。図5は、固定相をx軸、TOFの変化をy軸とする非限定的な例示的なグラフである。標本を解析することによって曲線340が生成されうる。異なる種類の組織は、図30〜38に関連して以下で説明されているように、異なる種類の曲線を生成することができる。コンピューティングデバイス160は、異なる曲線と異なる組織の種類との相関を求めることができる。新鮮な標本を処理するために、新鮮な標本と同じ、または類似の組織の種類に対応する曲線を選択することができる。コンピューティングデバイス160は、曲線に基づき適切な処理プロトコルを備えることができる。プロトコルとしては、限定することなく、固定プロトコル、組織標本作製プロトコル、包埋プロトコル、脱石灰プロトコル、染色プロトコル、またはこれらの組み合わせが挙げられる。プロトコルを修正するか、または別のプロトコルを選択するためにプロトコルを実行している間に情報を取得することもできる。例えば、曲線340を使用して、少なくとも一部は、固定媒体から標本を取り出す時期を決定することができる。
多項式、三角関数、対数関数、指数関数、補間(例えば、スプライン補間)、およびこれらの組み合わせを使用する曲線適合法を使用して、収集されたデータを近似する曲線340を生成することができる。いくつかの非限定的な例示的な曲線適合法について、図13〜16に関して説明する。
図5の初期固定相FPにおいて、未固定の標本150を処理媒体170に曝す。標本150の一番外側の部分が架橋結合を開始する。固定相がFPからFPに増大すると、TOFの変化は固定相に関して徐々に増大する。FPからFPまでの間に、架橋結合は標本150の内部領域に近づく。TOFの変化は、固定相に関して非線形である。固定相がFPに近づくにつれ、TOFの変化率が急速に低下し始める。FPからFPまでの間、標本150は、FPのあたりで過飽和になるまで飽和する。 FPに近づくと、曲線340の勾配は、標本150に固定過剰となる危険性がありうるときに対応する0に近づくにつれ、減少し続ける。固定プロセスは、例えば、曲線340の勾配、最小のTOFの変化、最大のTOFの変化、これらの組み合わせ、または同様のものに基づき制御されうる。
固定予測アルゴリズムを使用して、所望のレベルの固定を達成するのに望ましい処理時間を決定することができる。コンピューティングシステム160は、所望の量の架橋結合に基づき固定予測アルゴリズムを格納し選択することができる。固定媒体170が非線形の速さで架橋結合を引き起こす場合、非線形固定予測アルゴリズムが選択されうる。例えば、架橋結合は、指数関数的減衰を示しうるため、指数関数的減衰曲線を使用して、処理時間の終了を推定することができる。組織の種類、実行すべき解析、予想保管時間、または当技術分野で知られている他の基準に基づき所望のレベルの架橋結合が選択されうる。例えば、停止したときに架橋結合が約99%完了しているべき予測停止時間を決定するために予測曲線が使用されうる。
レーベンバーグ・マルカートアルゴリズムまたは他の種類の非線形アルゴリズムを使用して、適切な最良適合曲線を生成することができる。いくつかの予測プロトコルにおいて、レーベンバーグ・マルカートアルゴリズムは初期値を使用して曲線を生成する。減衰/非減衰方式で、次の反復を実行することができる。非限定的な例示的な減衰/非減衰方式は、Michael Lamptonの論文「Damping−Undamping Strategies for the Levenberg−Marquardt Nonlinear Least−Squares Method」において説明されている。初期値の実際の曲線に近いほど、このアルゴリズムにより所望の最良適合曲線が得られる可能性が高くなる。いくつかのプロトコルでは、データセット内の複数の値(例えば、最初の値、中間の値、および最後の値)を使用して、これら3つの値に適合する指数曲線を生成する。初期値は、類似の組織標本に対する知られている値に基づき選択されうる。反復プロセスを実行した後、最良適合曲線が生成される。最良適合曲線は、処理中の異なる時刻における標本の予測状態を決定するために使用されうる。これは、図21に関して説明されているように、特に処理システムが個別の処理を行える場合に、処理スループットを高めるためのスケジュールを作成するのに役立ちうる。
図6は、送信機120からの信号360と検出された信号380との間のタイミング関係を示している。信号360は、特定の距離のところで標本150を出入りする波の位相変化を評価するのに十分な数の信号バーストを有することができる。例えば、信号360の音波370は、パルスバーストとして例示されており、サイクル数53、繰り返し率5.3ms、および振幅7.4Vの1MHz正弦波バーストであるものとしてよい。異なるパルスバースト、サイクル数、繰り返し率、振幅などを持つ他の音波も使用することができる。検出された信号380は、受信機130によって受信される信号に対応する。パルスバースト390は、信号バースト370に対応する。
図7および8は、信号バースト370と受信された音波390との間の関係を示している。TOFの変化がもしあれば、波370、390の比較結果に基づき判定されうる。TOFが変化しない場合、時間が経っても波370、390の間に位相シフトはない。TOFの変化がある場合には、時間が経つうちに位相シフトがある。例えば、第5の波392では、基準信号370と突き合わせて測定された、約38.28μsの位相遅れまたはシフトがある。試料に対して固定がなされると、大半の種類の組織(例えば、筋肉組織、結合組織など)中の音速は典型的には増大する。しかし、いくつかの脂肪組織は、固定時に音速の減少を引き起こす。システム100は、パルスパケット390が早く、または遅れて到着すると引き起こされる位相シフトの結果生じる相対的位相角差を検出することができる。
図9は、出力波393、受信波394、および比較曲線391の関係を示している。比較曲線391は、2つの波パケット395、397の比較結果(例えば、同期比較結果)から累算される積分位相差を反映する、アナログ電圧出力として例示されている、位相差を示している。この積分位相差を使用して、2つの波393、394の間の位相差をいつ評価すべきか、または波393、394のどのような部分を比較すべきかを決定することができる。
破線398で示されているトリガー点をコンピューティングデバイス(例えば、データ収集システム)に伝達することができる。トリガー点398は、曲線394の整定点、変化率、または同様のものに基づき選択されうる。システム160の電子データ収集システムは、トリガー点で波393、394を解析することができ、シャドウ伝達モード(shadowed transmission mode)で1ns程度以上の分解能(n=7個の取り込まれたパルスパケットにおける±1sdに基づく)を有することができる。所望のサンプリング量に基づき曲線391にそって任意の数のトリガー点を選択することができる。
図10Aおよび10Bは、外向きの波の周波数に基づく位相角の関係を示している。図10Aには、外向きのバースト信号395a、受信されたバースト信号397a、および試料150中を進行する信号397aによって引き起こされる初期位相関係Φ1が示されている。図10Bは、図10Aの波395aの周波数1より高い周波数2で出力される外向きのバースト波395bを示している。図10Bの外向きの波395bは、出力波395aと比較して低い波長を有する。そのようなものとして、位相関係Φ1は、位相関係Φ2と異なる。TOFは進行距離および媒体もしくは試料の密度に主に依存するか、またはそれのみに依存するので、位相関係は、外向きの波の周波数(または他の特性)を選択することによって自由に構成することができる。したがって、コンピューティングシステム160は、所望の位相関係に基づき外向きの波の周波数を選択することができる。
周波数とその結果の位相関係の相関を求め、外に向かう波の周波数の変化が結果として位相関係をどのように変化させるかを決定し、次いで、これを使用して試料150を監視することができる。監視プロトコルは、限定はしないが、異なる周波数を持つ複数の波を出力して複数の位相関係を発生させるステップを含みうる。位相角の進行(phase angle progression)を適応監視することによって比較(例えば、拡張された位相範囲の比較(extended phase range comparison))を実行することができる。外向きの周波数は信号発生器270によって変化させられ(例えば、徐々に変化させられ)、位相関係を好ましい範囲内に抑えることができる。位相角の変化は、周波数の変化に一次従属し、したがって、位相の比較それ自体によって観察される付加的変化に絶対TOF増分として連続的に加えられうる。監視されている大半の反応は数十分の時間範囲内にあるため、適応周波数の変化が容易に達成されうる。
超音波トランスデューサに対する基本波長は、結果として、位相検出限界をもたらしうる。例えば、超音波トランスデューサ120は、周波数約4MHz、0〜180度、約125nsの範囲の信号を出力することができる。異なる超音波受信機が、より大きな位相角範囲を与えることができるが、標的の厚さに対する深さ分解能は、より厚い試料に制限されうる。より大きな位相角差(例えば、180度を超える角度)については、積分された電圧の極性を反転するか、または360度を超える位相角差に対してそれ自体を繰り返すことができる。固定の監視は、相対的な位相角の変化に依存しうるため、任意関数発生器170において基本波長を変化させて好ましい位相関係を持つ初期セッティング、例えば、図11のグラフにおける点399を設定することなどによって標的上の初期位相角を最適化することができる。図11は、高い感度をもたらす位相差も示している。他の方法は、位相比較測定に依存せず、その代わりに、チャープパルス励起および相関もしくは畳み込み法を使用して類似の精度および分解能を持つ絶対TOFを計算することができる。
さまざまな補償技術を利用することで、TOF測定結果を解析することができる。TOF監視における比較的大きな位相シフトに対する一補償技術は、縮約原理に依存する。数学的縮約原理では、例えば、同じ標的位置において一連のバーストで送信される複数の離散励起周波数(=波長スキャン)を使用することができる。時間の変化ΔTは、波が送られてから波が受信されるまでの間の実際の時間遅延を表すものとすることができる。異なる波長λ、λ、...λの複数の波が放射されうる。受信波を外向きの波と比較して、対応する位相変化Δθλ1,Δθλ2,...Δθλnを決定することができる。コンピューティングデバイス160は、ΔTの実際の値を、ΔTに対する可能なすべての値の集合よりかなり小さい値の部分集合に絞り込むことができる。ある範囲の波長スキャン、λ、λ、...λがあり、その対応する位相変化Δθλ1,Δθλ2,...Δθλnがある場合、コンピューティングデバイス160は、それぞれの読み取り値を使用して推定ΔTをただ1つの可能な値ΔTが得られるまでさらに絞り込むことができる。
位相の変化Δθλは、所定の周波数λにおいて測定されうる。同じΔθλを与えるΔTに対する値が多数ありうるため、ΔTは少なくとも一部は特定のΔθλに基づき推定もしくは予測されうるが、それはΔTに対する大半の値は所定のΔθλを与えないからである(ΔTの真の値はある整数Nについて式ΔT=Ν/(2λ)+Δθλを満たす)。プログラムを使用することで、特定のΔθλから推定されたΔTに基づき、ΔTの真の値を、ΔTに対する可能なすべての値の集合よりかなり小さい値の部分集合に少なくとも絞り込むことができる。コンピューティングデバイス160は、上で説明されているように、一定範囲の波長スキャンλ、λ、...λ、およびその対応する位相変化Δθλ1,Δθλ2,...Δθλnを生成することができる。
インタラクティブアルゴリズムは、ΔTを決定するために使用することができ、またΔTを代数的に解くことに付随する問題(例えば、TOF測定にノイズが関わるという性質に起因する問題)を最小限度に抑えるか、または回避するために使用することができる。いくつかのインタラクティブアルゴリズムで、ΔTを推定または予測する。理論的Δθλは、そのΔTについて決定され、ペナルティ関数を割り当てるために測定されたΔθλと比較されうる。ペナルティ関数は、理論的Δθλと測定されたΔθλとの間の自乗差の和とすることができる。ΔTの真の値は、ペナルティ関数の最小点とすることができる。この関数を最小にするための方法は、値のスイープ(a sweep of values)または二分探索法などの、異なる技術を使用して決定することができる。それに加えて、または代替えとして、勾配降下法、ニュートン法(ガウス・ニュートン法を含む)、またはレーベンバーグ・マルカート法を使用することが可能である。他のアルゴリズムも、必要ならば、または望ましい場合には、使用することができる。いくつかのプロトコルでは、1つまたは複数の範囲外の値(例えば、0.2未満の値および/または1.5超の値)は切り捨てられうる。範囲外の値は、組織標本の特性に対応する基準に基づき選択できる。
位相検出アルゴリズムを使用して、外向きの波を対応する受信波と比較することができる。位相検出アルゴリズムの一種に、音速測定に対する位相角変化の複数の波長を伴う範囲拡張アルゴリズムがある。音波の速度が著しく変化する場合、コンピューティングデバイス160は、波の比較を、開始したときと異なる周期の波に基づいて実行することができ、その結果増加するTOFから減少するTOFに急に変化するか、または減少するTOFから増加するTOFに急に変化する。急な変化は、異なる位相の比較に起因するものであり、そのため人為的なデータが得られる。TOFの変化率は、TOFの変化がそのような位相外れの比較による人為的な変化であるかどうかを判定するために評価することができる。例えば、TOF曲線の二次導関数を使用して、TOFの極大値またはTOFの極小値がTOFの自然な変化であるか、またはTOFの人為的な変化であるかを判定することができる。
図12は、時間をx軸、TOF信号をy軸とするグラフを示している。曲線405は、408のところから極小値409まで徐々に減少する。次いで、曲線405は、410のところから人為的な極大値411まで増加する。実際のTOFは、破線の曲線412によって示されているように、徐々に増加し続ける。頂点411は、位相外れの比較結果に基づき生成される。413のところの曲線405は、位相外れの結果に基づき260より長い時刻のところから減少し続ける。図12に示されているように、実際のTOF412と人為的なTOF413との間に有意な差がある。
人為的な測定結果を識別して、頂点411を回避することができる。例えば、図13は、時間をx軸、データにノイズが含まれるTOFをy軸とするグラフである。TOFは、時刻=0分から約t=55分まで増加する。TOFは、時刻=55分から約150分まで徐々に減少する。TOFは、約150分のところで急に増加し始める。プログラムによって、TOFの急激な変化が正確であるか、または人為的であるかを判定することができる。
図14は、信号対雑音比を増大しその結果TOFの変化が自然であるか、または人為的であるかを判定するのに適さない波形状の曲線414をもたらす図13のデータの数値微分(例えば、有限差分法)を使用して生成されたグラフを示している。約155分の時刻のところのスパイクは、波の差位相の間の比較結果に基づき減少するTOFから増加するTOFへの人為的な変化に対応する。図14の多数の大きなスパイクに基づき、スパイクがTOFの人為的な変化または自然な変化に対応するかどうかを正確に判定することは困難な場合がある。
図15は、全変動平滑化器アルゴリズムなどの、平滑化アルゴリズムを使用する図13のノイズを含む頂点が2つある曲線に波形状があることを示している。全変動平滑化アルゴリズムは、波形状のあるグラフを生成する前に図13の生データを平滑化するために使用されうる。補償プログラムは、約t=150のところの伝搬時間の変化が人為的であると認識し、波の異なる位相を比較し直して、tが150に近づくときの伝搬時間の一般的傾向が一般に維持されることを確実にする。150分のところの大きなスパイク416は、図15では都合よく識別することができるが、自然な頂点はかろうじて識別可能である。スパイク416を補償するために、補償プログラムが使用されうる。このような補償プログラムは、限定することなく、代数的アルゴリズムまたは他の種類の補償アルゴリズムを含みうる。
ノイズは、所望のデータを排除することなく低減されうる。データ(例えば、尖点)を過剰に平滑化しないノイズ低減方法の1つは、2005年12月13日にLos Alamos National Laboratoryによって出版されたRick Chartrand著「Numerical Differentiation of Noisy, Nonsmooth Data」において説明されている。この方法は、真の尖点を保存しながらノイズを平滑化する全変動平滑化器の一例であり、これにより不要なノイズのみを最小化、排除、または制限する。図16は、データプロット417、第1の平滑化曲線418(破線で示されている)、および第2の平滑化曲線419を示している。鋭い頂点/谷を取り除くように設計されている数値微分アルゴリズムを使用して生成された第1の平滑化曲線418内では、データプロット417の多数の尖点が排除される。第2の曲線419は、真の尖点を保存する全変動平滑化器アルゴリズムを使用して生成された。したがって、第2の曲線419は、第1の平滑化曲線418と比較して49分の時刻のところで不正確な(例えば、人為的な頂点/谷の)TOF信号を識別するのに適している。
標本ホルダー内の組織の移動により、測定結果が不正確なものとなる可能性がある。組織標本150が標本ホルダー110の内部で移動すると、標本の位置の変化により、架橋結合、標本密度の変化、または同様のものを監視する際に測定結果が著しく変化しうる。図18に関連して説明されているように、1つまたは複数のアナライザーから得られたデータを平均するか、または比較するか、または他の何らかの方法で解析するステップを使用することで、そのような移動を補償することができる。例えば、コンピューティングデバイス160は、複数のアナライザーについて得られたデータを使用する異なる種類のアルゴリズムを備えることができる。標本ホルダー内で組織がシフトする場合(例えば、カセットの詰め込みが行われるか、またはカセットが素早く媒体に通されるとき)、組織の移動に起因する変化を回避するようにカセットに相対的な組織の移動を考慮することができる。
本明細書で説明されている組織アナライザーは、固定後に組織標本を解析することもできる。例えば、図1および2の組織アナライザー114、または修正された組織アナライザーは、材料中に包埋された組織試料、切断され載せることができる切片(例えば、包埋された組織の切断された細長い一片)、または同様のものに関する情報を得ることができる。こうして、固定/処理前、固定/処理中、および固定/処理後に標本に関する情報を取得することができる。標本は処理全体を通して何回でも解析することができ、検査用の標本を適切に作製することが確実になる。固定された組織を解析する一方法を、包埋された標本に関して以下で説明する。
いくつかの実施形態では、標本150は、組織試料を含む包埋材料のブロックである。包埋材料は、薄切を容易にすることができる機械的特性を有するものであってよい。包埋用の材料としては、限定はしないが、パラフィン、樹脂(例えば、プラスチック樹脂)、ポリマー、アガロース、ニトロセルロース、ゼラチン、これらの混合物、または同様のものが挙げられる。パラフィンは、多くの試薬に対して耐性を示す白色または一般的には無色の不水溶性固形物質である。パラフィンは、石油から得られるもっぱらアルカリ系列の炭化水素の混合物とすることができる。類似の炭化水素のさまざまな異なる混合物を使用して、パラフィンを作ることができ、これらの混合物は、固体、半固体、および/または油状であってよい。これらの種類の包埋材料の音響特性は、知られているか、またはアナライザー114を使用して決定されうる。ブロック(組織を含む)中を進行する音の速度を解析し、組織試料に対して実行する適切なプロトコルの選択することができる。まざまざ異なる変数(例えば、ブロックの寸法、組織の固定の程度、ブロックの温度、組織の温度など)は、音速に影響を及ぼす可能性がある。包埋材料の密度は音速に影響を及ぼすことがあるけれども、TOF測定から、組織の特性、組織の固定状態、組織を包埋するために使用される含浸プロセス、または同様のものに関する重要な情報を得ることができる。音速への組織の寄与分を、包埋材料の音速への寄与分から差し引き、組織の特性を評価することができる。
解析した後、包埋された標本を複数の載せることができる切片に切り分けて、顕微鏡用スライド上に載せ、次いで乾燥させることができる。ミクロトームで、標本を薄い載せることができる切片、例えば、厚さ約5ミクロンから約6ミクロン程度のスライスに切断することができる。それぞれの切片は、組織試料の一部および包埋材料の一部を含みうる。異なる技術を使用して、組織標本を顕微鏡用スライド上に移すことができる。いくつかの実施形態では、切断された切片を水に浮遊させて切片を広げるか、または平たくする。これらの切片がパラフィン包埋組織の断片である場合、これらの切片を温浴上に浮遊させて、切片を一般的には平たい形状に保ち、それにより、折り重なり、皺形成、または曲がりを低減するか、または防ぐことができる。顕微鏡用スライドを温浴内に挿入する。スライドの前面を使用して組織標本をすくい上げる。
試薬を組織標本に施すことができる。試薬の組成、試薬の処理時間、試薬の量は、処理システム100によって得られた情報に基づき選択されうる。包埋された組織標本に対する染色プロトコルは、組織標本150に関する情報が限定されているか、またはシステムに実質的には知られていない状態で選択されうる。それぞれの保管されている組織標本と適当な試薬とのマッチングを行うことができる。試薬としては、限定することなく、染色液、湿潤剤、プローブ、抗体(例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体など)、抗原復元液(antigen recovering fluids)(例えば、水性または非水性系の抗原回復溶液(antigen retrieval solutions)、抗原復元緩衝液(antigen recovering buffers)など)、または同様のものが挙げられる。染色液としては、限定することなく、染料、ヘマトキシリン染色、エオシン染色、抗体もしくは核酸とハプテン、酵素、もしくは蛍光部分などの検出可能な標識との複合体、または着色する、および/またはコントラストを強調するための他の種類の物質が挙げられる。
アナライザー114を使用して、標本150が固定されているかどうかを判定し、もし固定されていれば、固定の程度を決定することができる。標本150が固定されていない場合、標本150を固定することができる。標本150が適切に固定されている場合、標本150を固定剤槽から取り出すか、または固定剤を非活性化することができる。固定剤170の非活性化は、固定剤を希釈するか、または流体を交換するか、または固定剤を不活性にするか、または同様の操作によって達成されうる。
標本150が長期間にわたって固定剤170内に残されている場合、これは固定されうる。標本は、固定剤中にうっかり、例えば一晩、残されることもたびたびある。このような場合、標本は、追加の固定を施す必要がないことがある。アナライザー114は、標本150の特徴的な音速を解析し、測定された特徴的な音速を組織タイプの標本150に対する典型的な音速と比較することができる。この比較結果に基づき、コンピューティングデバイス160は、標本150のもしあれば固定の程度を判定することができる。例えば、音速が予想される時間内に閾値量を変化させない場合、標本150はすでに固定されている。そこで、標本150を固定槽から取り出るか、または固定プロセスを停止して固定が過剰に進むのを回避することができる。別の例として、測定された特性を格納されている値(例えば、固定された組織の音速特性)と比較して、固定の程度を判定することができる。標本150がすでに固定されている場合、特徴的な音速は、固定された組織の音速に対応する。
図17は、例えば、超音波位相速度の変化を捕らえ、解析することによって、信号比較を実行するように構成されたコンピューティングデバイス426を備える処理システム420を示している。コンピューティングデバイス426は、灌流、熱平衡、アルコール収縮、蒸発、固定、これらの組み合わせ、または同様のものを監視することができる。コンピューティングデバイス420は、以下で説明されている点を除き、図3に関連して説明されているコンピューティングデバイス160と類似のものである。
関数発生器421が、信号を同期化デバイス423と送信機429とに送ることができる。コントローラ422は、信号を同期化デバイス423と位置決め機構430とに送る。位置決め機構430は、コントローラ422からの信号に少なくとも一部は基づき送信機429と受信機431との間に試料を位置決めする。
同期化デバイス423は、位相シフト、出力/受信周波数、信号比較結果、または同様のものに基づき信号を同期させ、信号を収集システム424に出力する。収集システム424は、内部もしくは外部クロックを利用するデータ収集システムとすることができる。いくつかの実施形態では、収集システム424は、Omega Engineering, Inc.社によって販売されているOmega DAC 3000、または類似の種類のデバイスとすることができる。他の種類の収集システムも、必要ならば、または望ましい場合には、使用することができる。
信号調整器425は、関数発生器421からの出力および受信機431からの出力を受け取る。アナログもしくはデジタル位相/比率比較器432は、信号を積分器433(例えば、デジタル積分器、アナログ積分器など)に出力し、次いで、積分器は信号を収集システム424に出力する。信号調整器425は、DSP、FPGA、デジタル/アナログ変換デバイス、アナログ/デジタル変換デバイス、増幅器(例えば、利得増幅器)、RF/IF利得位相検出器、または同様のものなどの他のコンポーネント、回路、信号処理ユニットを含むことができる。
コンピューティングユニット434は、収集システム424から信号を受信し、またチャープパルス励起の位相シフトまたは畳み込みを固定状態に相関させるための周波数/位相シフトデータベース、制御マップ、固定データ、プロトコル、または同様のものを備えることができる。コンピューティングユニット434は、コンピューティングシステム420のコンポーネントを制御することができる。例えば、関数発生器421およびコントローラ422は、標本435を自動的に監視し処理するように制御されうる。
システム420は、伝送されたパルスパケット(例えば、一定波長の100〜300の波)と試料組織435に暴露した後に受信されたパルスパケットとの間で観察された位相差に基づき超音波の速度測定を実行することができる。位相差は、パルスパケットの基本周波数の波長に相対的な絶対位相角差として測定されうる(例えば、0度から360度まで)。
図18は、標本ホルダー470a、470b、470c、470d(470と総称する)をアナライザー480に次々に移動するように構成された搬送装置460を備える処理システム450を示している。搬送装置460は、部材490から外向きに伸びるアーム520a、520b、520c、520d(520と総称する)を備える。標本ホルダー470は、各アーム520によって運ばれる。標本ホルダー470aはアナライザー480内にあるように示されている。標本ホルダー470dをアナライザー480内に移動するために、部材490を、標本ホルダー470dがアナライザー480の送信機500と受信機502との間に来るまで回転軸498の周り(例えば、矢印496によって示されている時計回りの方向)に回転させる。駆動モーター504の形態の位置決め機構は、アナライザー480からのフィードバックに基づき部材490を回転させることができる。例えば、コンピューティングデバイスは、アナライザー480からの信号に応答してモーター504を制御することができる。モーター504は、駆動モーター、ステッパーモーター、または同様のモーターとすることができる。
容器488内に保持されている固定剤(図18には示されていない)は、標本ホルダー470内の標本を固定することができる。有利には、送信機500と受信機502との間の経路に遮るものがない場合、媒体の音響特性を評価して、媒体による音速の変化を判定することができる。次いで、処理システム100を再較正することができる。送信機500と受信機502との間の距離が約50ミリメートルである場合、全進行時間が約40μsであるため、信号は数秒おきに送られうる。伝達される音響エネルギーの周波数、送信機の焦点特性、ならびに送信機の幾何学的形状および寸法は、所望の全進行時間を達成するように選択されうる。定期的な間隔で、または不定期な間隔で、任意の数の信号を送り、収集されたデータに影響を及ぼしうる処理変化を決定することができる。
標本は、標本のすべてに対して固定が施されている間に、個別に監視することができる。処理システム450は、アナライザー480をいくつでも備えることができる。例えば、処理システム450は、標本ホルダー470がアナライザーに次々に送出されるように互いから相隔てて並ぶアナライザーを有することができる。アナライザーは、標本の異なる特性を評価するために異なる種類のコンポーネントを有することができる。
図19は、異なる流体中で標本を自動処理するための処理システム560を示している。試料は、標本のそれぞれのバッチが同じプロトコルを使用して処理されるようにバッチ単位で処理することができる。システム560は、レール580およびレール580にそって移動可能な搬送装置586を持つ駆動装置570を備える。搬送装置586は、キャリッジ590に連結された垂直方向に移動可能な棒588を備える。キャリッジ590は、レール580にそって摺動し、搬送装置586を容器592aと592bとの間で移動させることができる。
例示されている搬送装置586を容器592bに移動するために、キャリッジ590は、矢印594で示されているように、搬送装置586を下げられた位置593から上昇させる。搬送装置586が容器592aから外に出ると、キャリッジ590は、矢印595で示されているように、レール580にそって移動しうる。上げられた搬送装置586が容器592bより高くなると、キャリッジ590は、搬送装置586を下げて容器592b内に収める。この方法で、搬送装置586によって運ばれる標本ホルダーを容器592a、592b内の処理媒体中に浸すことができる。例示されている実施形態を含むいくつかの実施形態では、容器592aは固定剤を収納するものであり、容器592b内の処理媒体は、清浄剤である。
例示されている処理システム560では容器をいくつでも使用できる。図20は、容器592a、592b、592c、592d(592と総称する)を備える処理システム560の修正された実施形態を示している。キャリッジ590は、標本を容器592内に順次運び込むことができ、容器は、固定剤、清浄剤(例えば、キシリンまたは同様のもの)、浸潤剤、脱水剤、試薬、または同様のものを含む、さまざまな異なる種類の処理媒体を収納することができる。例示されている処理システム560は、容器592b、592c、592dを備える組織標本作製ユニット597を備える。
容器592aは、標本を固定する固定剤を収納することができる。固定した後、標本を容器592b、592c、592d内に順次送出することができ、容器はそれぞれ、脱水剤、清浄剤、浸潤剤、または同様のものなどの組織標本作製媒体を収納する。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス160は、容器592b内に標本を処理するために使用される組織標本作製プロトコルを生成することができ、容器にはアルコールなどの、脱水剤が入る。組織標本は、容器592c内の清浄剤で処理することができる。標本は、容器592d内の浸潤剤で処理することができる。組織標本作製プロトコルは、処理媒体中の処理時間の長さ、処理媒体の組成、処理媒体の温度、または同様のものを含みうる。もちろん、異なる種類の組織、寸法などを持つ異なる標本を、異なる時間の間に処理することができる。そのようなものとして、標本が包埋のため適切に作製されることが確実に行われるように異なる組織標本作製プロトコルを異なる組織タイプについて生成することができる。
図21は、標本を自動処理し、ランダムアクセス装填を行うための処理システム550を示している。STAT処理では、高優先度試料に対する診断にかかる時間を短縮することができる。処理システム550は、レール553およびレール553にそって移動可能な、3軸ハンドリングロボット554として例示されている、ハンドリングデバイスを持つ駆動装置552を備える。3軸ハンドリングロボットは、容器555a、555b、555c(555と総称する)として例示されている、ステーションに標本ホルダーを搬送するためのリフター556を備える。標本ホルダーは、送り機構557a(破線で例示されている)から容器555aに随時装填することができる。それぞれの容器555は、アナライザー559のチャネル内に標本を順次位置決めするための回転式位置決め機構561を備える。標本は、適切な固定が確実になされるように監視されうる。新しい試料は、随時自動的に装填されうる。図18〜20に関連して説明されているバッチ運転とは対照的に、標本は、処理された後、他の標本が処理されている間に容器から取り出すことができる。
標本ホルダーは、冷たいホルマリンまたは温かいホルマリンを保持する第1の処理容器555a内に入れることができる。標本は、容器555a内の反応の進行を追跡するために、測定チャネル(例えば、超音波TOF測定チャネル)に順次通して送ることができる。組織試料プロセスが完了した後、ハンドリングロボット554が、標本ホルダーを処理済み試料とともに取り出して、それを次の処理ステーション555bに移動することができる。標本ホルダーの個別の取り扱いにより、より早い段階に移動される試料の固定をより高速に行い、より低速の試料固定をバイパスすることが可能になり、それにより、個別の試料毎に最適化されたカスタム処理時間を実現できる。これにより、システム550の全体的スループットが高まる。
例えば、脂肪組織を運ぶ一方の標本ホルダーは、脂肪組織標本作製プロトコルを使用して処理され、筋肉組織を運ぶ他方の標本ホルダーは、筋肉組織標本作製プロトコルを使用して処理されうる。異なるプロトコルにより、異なる処理時間、異なる波(例えば、異なる周波数、異なる波形など)、異なる補償アルゴリズム、または同様のものが利用されうる。プロトコルは、サイズの変化量、組織試料の種類、組織試料の履歴、および/または試料の他の特性による個別の試料処理要件に基づき選択されうる。試料のサイズ/材料が変わる場合、別のプロトコルが操作者によって選択され、および/またはコンピューティングシステムによって自動的に選択されうる。
試料から集められた情報を、その後の試料の処理に使用することができる。試料から集められた処理時間の情報は、次のステーションまたは監視(例えば、超音波TOF監視)のために処理時間を先験的に決定するために使用されうる。標本ホルダーは、容器555a〜cにある読み取り装置によって読み取り可能な形で情報(例えば、機械可読コード)を格納することができる。処理が完了した後、試料にパラフィンを注入し、その試料を出力キュー557b内に降ろすことができる。処理された標本は、都合のよいときに拾い上げることができる。
図22は、組織標本へのランダムアクセスの機能を備える処理システム556を示している。処理システム556は、カルーセル位置決め機構557を備える。リフター558は、標本ホルダーまたは標本を把持して、開いている容器として例示されている、処理ステーション558a〜jの間に運ぶことができる。
図23は、単一の閉鎖反応チャンバー563および機械的駆動機構564の形態の位置決めシステムを備えるステーション562を示している。ポンプ566は、媒体を交換することができる。弁/マルチプレクサシステム567は、容器567a〜dを流体的に結合する。それに加えて、または代替えとして、1つまたは複数の真空デバイスを使用して、容器間で流体を搬送することができる。任意の数のマルチプレクサポンプ、弁システム、真空デバイス、導管、熱的デバイス、容器、または他の流体デバイスを使用して、処理媒体を管理することができる。
図24は、ワークフローシステム568の流れ図である。一般に、ワークフローシステム568は、組織処理を通じて外科処置からの対応する被検体識別により試料を追跡するために使用される。試料から得られた情報を、被検体の記録の中に収め、これにより、レポートの生成(例えば、診断に使用されるレポート、患者監視、請求書作成など)、監査証跡(例えば、標本取り扱いステップの監査証跡)、処理パラメータログ(例えば、印刷可能な、また処理の終了時の品質記録としてのログ)、または同様の操作を円滑にすることができる。
試料は、標本ホルダー内に包埋されているか、または他の何らかの形で結合されている能動(または受動)RFIDタグによって監視することができる。試料を採取した後、試料を特定の標本ホルダーに移送することができる。いくつかのプロトコルでは、中性緩衝ホルマリン10体積%を入れた冷却容器(〜4℃)内に標本を保管することができる。標本ホルダーおよび容器に入れるときに、RFIDタグを、通信デバイス(例えば、読み取り装置/書き込み装置デバイス)に通して時間を追跡し、患者IDを固有RFIDデバイスIDに関連付けることを可能にすることなどによってプログラムすることができる。あるいは、必要ならば、または望ましい場合に、リンクされたデータベースまたは他の機械可読コードによるバーコード方式を使用することが可能である。
569で、被検体から試料を採取する。試料は、針、生検ツール、または同様のものを使用して被検体から取り出された組織試料とすることができ、また組織切片、器官、腫瘍切片、塗抹標本、凍結切片、細胞標本、または細胞株とすることができる。試料を採取するために、切開生検、コア生検、切除生検、針吸引生検、コア針生検、定位生検、直視下生検、または外科生検も使用されうる。
571で、試料を機械可読コードを付けた標本ホルダー内に装填する。機械可読コードは、情報コンテンツを有する任意の種類の光学的シンボル、磁気パターン、または電磁気もしくは静電気信号とすることができる。例えば、情報コンテンツは、試料識別番号、試料起源、試料加工流通過程管理、試料を処理するための指示事項、試料の特性に関する情報、試料の検査結果、試料の画像、および同様のものに関係しうる。
ワークフローシステム568は、情報を読み書きすることができる任意の数の通信デバイスを備えることができる。通信デバイスは、機械可読コード内に含まれる情報を解読するか、または翻訳するか、または解釈することができる任意の種類の機械、例えば、自動化された手順を実行するか、または情報を人間が読める、もしくは人間が解釈できる形式で情報を提示するためにコードをコマンドに変換するデバイスとすることができる。通信デバイスは、光学的シンボル、バーコード、および同様のものなどの1つまたは複数の異なる種類の機械可読コードと互換性のある読み取り装置とすることができる。光学的シンボルの例としては、文字、バーコード、およびデータグリフが挙げられる。バーコードの具体例としては、一次元バーコード、2D積層シンボルおよび2Dマトリックスシンボルなどの多次元バーコード、および縮小空間シンボルなどの複合バーコードが挙げられる。2D光学的シンボルのなおいっそう具体的な例として、PDF417、データマトリックス、MaxiCode、VeriCode、CodaBlock、Aztecコード、コード16K、およびQRコードが挙げられる。これらのバーコード読み取り装置および任意の数の他の光学的シンボルはよく知られている。機械可読コードが文字(例えば、英語テキストとアラビア数字などの英数字)を含む場合、コード読み取り装置は、光学式文字読み取り装置(OCR)であってよい。磁気ストライプは、磁気パターンの形態の情報を格納することができるデバイスの唯一の例である。電磁気コードの一例は、RFIDタグである。RFIDは、典型的には、小型金属アンテナとシリコンチップを備え、能動的または受動的であるものとしてよい。RFIDコード読み取り装置はよく知られており、典型的には、アンテナおよびRFIDタグから情報を受信するトランシーバを備える。RFIDタグの情報コンテンツは、固定されたコンテンツでも変更可能なコンテンツでもよい。別の実施形態では、通信デバイスは、CCDカメラを備えるコード読み取り装置であり、CCDカメラは、試料の検出とバーコードもしくは文字の読み取りとを同時に行うために使用されうる。使用することができる機械可読コードの他の例として、ブラッグ回折格子およびマイクロもしくはナノバーコード(蛍光粒子の空間およびスペクトルパターンまたは磁性粒子の空間パターン)が挙げられる。
573で、試料を前処理して、その後の処理が円滑に進むようにすることができる。試料をホルマリンまたは他の媒体で前処理することができる。前処理については、図39〜42に関連して説明されている。
575で、試料は処理システムに送ることができ、固定プロセスの作用を受ける。ユーザーは、処理システムの構成に基づき構成を選択することができる。試料は、固定の実行中に監視されうる。処理時間、固定履歴、組織特性、または他の組織学的情報を使用して処理を調整し、適切な組織学的組織処理が確実に行われるようにできる。
577で、検査または保管用に組織の標本作製を行うことができる。試料を、染色、免疫組織化学処理、またはインサイツハイブリダイゼーションなどのその後の処理および解析のために包埋し、薄切し、顕微鏡用スライド上に移送することができる。光学顕微鏡による検査用に組織試料を薄切するために、大きな組織試料から組織の比較的薄く細長い一片を、光がその薄い組織片を透過するように切り出すことができる。ミクロトームで、標本を薄い切片、例えば、厚さ約5ミクロンから約6ミクロン程度のスライスに切断することができる。それぞれの切片は、組織試料の一部および包埋材料の一部を含みうる。システム556で使用されるミクロトームおよび他の機器(例えば、染色ステーション、包埋ステーション、オーブンなど)は、標本ホルダーに対して情報を読み書きするための通信デバイスを備えることができる。
組織標本を、機械可読コードを備えることができる、顕微鏡用スライド上に移送することができる。いくつかの実施形態では、切断された切片を水に浮遊させて切片を広げるか、または平たくする。これらの切片がパラフィン包埋組織の断片である場合、これらの切片を温浴上に浮遊させて、切片を一般的には平たい形状に保ち、それにより、折り重なり、皺形成、または曲がりを低減するか、または防ぐことができる。顕微鏡用スライドを温浴内に挿入する。スライドの前面を使用して組織標本をすくい上げる。単一スライドを使用して複数の組織試料(例えば、それぞれが被検体内の異なる位置で採取された組織試料の集合体)を調べるために、複数の組織試料をスライド上に順次浮遊させることができる。次いで、スライド乾燥機を使用してこれらの濡れているスライドを乾燥させ、カバースリップを施す。
図25は、送信機600a、600b、600c、600d(600と総称する)の配列を備える送信機ユニット599および受信機602a、602b、602c、602d(602と総称する)の配列を備える受信機ユニット601を具備するアナライザー598を示している。送信機600は、各受信機602と位置合わせされる。送信機600と受信機602の対により、標本604の異なる切片を監視することができる。送信機/受信機の数、送信機/受信機の位置、およびアナライザー598の空間分解能は、標本604のサイズに基づき選択されうる。比較的小さい生検コアに対する空間分解能を引き上げるために、送信機600の焦点径は比較的小さいものとしてよい。いくつかの実施形態では、焦点径は、約2ミリメートルから約5ミリメートルまでの範囲内とすることができる。焦点径の他の範囲も可能である。焦点特性を調整する他の手段として、限定はしないが、送信機/受信機の前に置かれる音響レンズまたは開口が挙げられる。送信機600の焦点径は重なり合い、これにより、標本全体604が確実に解析されうる。他の実施形態では、送信機600の焦点径は、互いに相隔てて並べることができる。
標本604を解析するために、標本ホルダー606は、送信機ユニット599と受信機ユニット601との間の間隙608を通して移動されうる。いくつかの実施形態では、標本ホルダー606は、搬送装置を使用して間隙608に通される。他の実施形態では、標本ホルダー606は、間隙608内に手動で挿入される。
図26は、送信機ユニット621および受信機ユニット623を備えるアナライザー620を示している。送信機ユニット621は、送信機622a、622b、622c、622d(622と総称する)を備える。受信機ユニット623は、受信機624a、624b、624c、624d(624と総称する)を備える。例示されている直線配列の送信機622および直線配列の受信機624が、標本630をスキャンすることができる。
送信機と受信機の異なる組み合わせを使用して、組織標本を通る異なる音響経路を構成することができる。図示されているように、送信機640は、送信機622と受信機624との間の音響経路が送信機640と受信機642との間の音響経路に対して一般的に垂直になるようにして受信機642と通信することができる。そこで、異なる方向に測定が実行されうる。このような実施形態は、異方性を持つ標本を解析するのに最適である。送信機/受信機の数、種類、配向、および位置は、標本の特性に基づき選択されうる。
図27は、相隔てて並べられ、互いに一般的に平行であるプレート710、712を備える標本ホルダー700を示している。開口702、704は、組織標本への音波の送達を円滑にする。標本は、プレート710、712間に挟装され、実質的に平坦な構成で保持されうる。音響エネルギーは、プレート710、712に対して一般的に垂直な方向に進行し、位置合わせされた開口702、704を通過することができる。
バリア要素714、716は、それぞれ、開口702、704をブロックすることができる。バリア要素714、716のそれぞれは、限定することなく、メッシュ、穿孔材料、ウェブ、格子、スクリーン、箔、織物、または音波が最小の減衰で、制限された減衰で、または減衰を実質的になくして進行しうる他の構造物もしくは材料が挙げられる。こうして、バリア要素714、716は、標本ホルダー700内に標本を保持することができる。バリア要素714、716は、十分な量の標本が処理媒体と確実に接触するように、透過性を有しているものとしてもよい。いくつかの実施形態では、市販の生検組織を利用することができる。
図28および29は、以下に詳細に述べている点を除き、標本ホルダー700に一般的に類似している標本ホルダー800を示している。図29は、標本810を保持する標本ホルダー800を示している。標本ホルダー800は、送信機802a、802b、802c、802d(802と総称する)および受信機804a、804b、804c、804d(804と総称する)を備える。送信機802および受信機804は、標本810と接触するか、または近い位置にあり、比較的大きな距離にわたる伝送に付随することの多い信号減衰および他の問題を最小限度に抑え、また処理媒体に起因する減衰を最小限度に抑えるか、または制限することができる(例えば、標本810とホルダー800の壁との間に間隙が形成される場合)。
送信機802および受信機804は、本体部812に結合されうる。いくつかの実施形態では、送信機802および受信機804は、本体部812に恒久的に結合されるか、または一体化される。他の実施形態では、送信機802および受信機804は、本体部812に取り外し可能に結合され、したがって、点検、保守、または同様の作業のためにコンポーネントを交換したり、または取り外したりすることができる。標本810と処理媒体との間の物理的接触を円滑にするために、標本ホルダー800は、任意の数の開口を有することができ、また透過性もしくは半透性材料から作ることができる。
図27の組織標本ホルダー700ならびに図28および29の標本組織ホルダー800は、図1および2の処理システム100、図18の処理システム450、図18〜20の処理システム560、図21の処理システム550などとともに使用することができる。そこで、処理システムは、送信機もしくは受信機、センサー、開口、または同様のものを備えるか、または備えないさまざまな異なる種類の標本ホルダーを受け入れるように構成することができる。
図30〜36は、標本を解析する処理システムから生成される測定結果を示している。図30および31は、室温(例えば、約20℃)でNBFを使った測定結果を示している。図32〜35の測定結果を得るためにNBFの加熱した槽を使用した。加熱した槽を使用することで、固定時間を短縮することができる。図36は、水中での陰性対照群を示している。
図30を参照すると、牛の筋肉を厚さ約4mmから5mmの個片に切断し、約1時間、2時間、4時間、6時間、および24時間以内の時間増分単位で固定したことが示されている。固定剤を室温に保ったままTOFを測定した。図示されているように、約1,580m/sから1,610m/sまでの等価な音速変化が観察された。
図31は、固定時間をx軸、音速および相対TOF変化をy軸とするグラフである。測定は、厚さ約4mmの牛の筋肉の試料を使用して行った。インライン監視を使用して、約21時間かけてNBFの槽内の固定を監視した。約1,520m/sから1,580m/sまでの等価な音速変化が観察された。
図32は、固定時間をx軸、中性緩衝ホルマリン(NBF)の加熱された槽における信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。牛の筋肉組織の組織試料をその繊維を横切って切断した。その組織試料は、約4mmの厚さを有し、NBFの加熱された槽内で固定した。NBF槽を約±1℃で制御しつつ約47℃の温度に保持した。
図33は、固定時間をx軸、NBFの加熱された槽における脂肪組織の信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。脂肪組織は、厚さ約4mmであった。加熱したNBF槽を約±1℃で温度制御しつつ約47℃の温度に保持した。
図34は、固定時間をx軸、NBFの加熱された槽における肝組織の信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。厚さ約4mmの肝組織の試料を、約±1℃で温度制御しつつ約47℃の温度に保持されている加熱したNBF槽内で固定した。
図35は、固定時間をx軸、NBFの加熱された槽におけるヒト扁桃腺組織の信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。約±1℃で温度制御しつつ約47℃に保持された加熱したNBF槽を使用して組織試料を固定した。
図36は、固定時間をx軸、脱イオン水の陰性対照槽における牛の筋肉組織の信号振幅およびTOF変化をy軸とするグラフである。組織試料は、厚さ約4mmであった。槽を加熱し、約±1℃で温度制御しつつ約47℃に保持した。
2つのプロトコルを使用して、異なる種類の組織を解析した。一方のプロトコルでは、異なる試料を異なる長さの時間について固定し、ほぼ室温に維持した。信号振幅を矢継ぎ早に測定した。他のプロトコルでは、同じ試料を連続して監視し、信号レベルがプラトーに達するまで高温に保った。
両方のプロトコルが類似の結果を出し、高温の処理では固定が高速化された。より高い温度での測定(例えば、音速測定)は、送信機と受信機との間の媒体における温度勾配によるより多くの変動および組織試料と標本ホルダーからのウォームアップ効果の影響を受けるが、これらは最初に室温で導入され、平衡しなければならなかった。別のプロトコルでは、類似の結果が得られる測定チャネル内に挿入される前に標本および標本ホルダーを短時間(例えば、約5分から約10分)のうちに外部から約47℃まで暖めた。
TOF測定および信号減衰の結果を、異なる種類の組織間の比較のために図37および38に示した。図37は、固定時間をx軸、水中の牛肉(陰性対照として使用される)および固定剤中の脂肪、牛肉、肝臓、および扁桃腺に対する信号振幅をy軸とするグラフである。固定剤は、約50℃の温度に保持した。脂肪組織中では、受け取った振幅の増大がある。これは、伝搬性がよいこと、密度の変化があること、これらの組み合わせ、または同様のものによる、また固定剤の灌流およびその結果の架橋結合によるものとしてよい。
図38は、固定時間をx軸、約50℃に保持される異なる種類の組織に対するTOFの変化をy軸とするグラフである。脂肪組織は、固定時に音速変化の指数関数的減衰に応答した。これは、脂肪の負の温度係数、および高温検査による組織の温度上昇効果のせいである。筋肉組織は、大半は架橋結合による音速の指数関数的増大変化に応答した。増大変化は、高温によっても増大しうる。図30および31は、室温で観察された約60nsから約100ns(または音速の約60m/s)の類似の増大を示しており、固定に関係しているものとしてよい。
以下の表2は、異なる種類の標本の音速を示している。標本は厚さ4mmであり、これを約47℃に保持された固定剤で固定した。
Figure 0005732078
標本の組織の種類が知られている場合、音速の変化(例えば、音速の増大、音速の減少、またはこれらの組み合わせ)を使用して、組織の種類を判定することができる。例えば、未知の組織の種類の標本が約1,687m/sの未固定の場合の速度、および組織が固定されていると減少する音速を有している場合、組織は牛の脂肪組織である可能性があると結論することができる。もちろん、組織の未固定の場合の音速を、固定されている場合の音速と比較して、組織の種類を高い精度で判定することができる。異なる種類の組織試料は、異なる特徴的な音速を有する。
試料を前処理して、固定(例えば、固定の一貫性を高める、固定時間を短縮する、など)および/または監視を円滑に行えるようにすることができる。いくつかのプロトコルでは、試料を媒体に浸して試料中を通る灌流の効果を管理することができる。ホルマリンを使用して試料を固定する場合、試料をホルマリンに予浸することで、実質的量の架橋結合なしでホルマリンを内部試料領域内に十分に拡散させることが確実にできる。図39は、時間をx軸、異なる組織試料に対するTOF信号をy軸とするグラフである。予浸された組織試料を4℃の冷たいホルマリン中に約2時間浸けた。次いで、予浸された試料を高温ホルマリン槽(例えば、約45℃の10% NBFの槽)に浸けて、架橋結合を引き起こし、固定プロセスを加速した。予浸した場合の曲線は、試料が固定されるにつれTOF信号が徐々に減少することを示している。グリセロール溶液で試料を処理する場合、試料をグリセロール溶液またはグリセロール溶液の特性に似た特性を有する他の種類の媒体中に予浸するとよい。
予浸は、組織試料の音響特性を著しく変化させる水置換の効果を最小限度に抑えるか、または制限するか、または実質的になくす。予浸された場合の曲線と予浸されていない場合の曲線とを比較すると、予浸は、組織中のより低い密度の水の置換を引き起こす媒体灌流に起因するTOFの変化を制限するか、または実質的になくすことがわかる。予浸されていない組織に対する位相比較データの最初の増大は、組織中への媒体灌流(例えば、ホルマリン灌流)によって引き起こされ、これにより、より低い密度の水がより高い密度のホルマリンで置換されうる(例えば、含まれているリン酸エステルによる)。典型的には、置換段階の後に架橋結合段階が続くが、これは急に減少または増大するTOF信号によって示される。大半の処理媒体は試料中に密度の変化を引き起こすので、さまざまな異なる種類の流体灌流プロセスが監視されうる。
組織試料中の温度変化は、TOF測定に影響を及ぼしうる。試料は、媒体の温度に一般的には等しい温度になっており、これにより、温度変化によって引き起こされる密度の変化に起因するTOFの変化を最小にするか、または制限するか、または実質的になくすことができる。試料が媒体の温度と異なる温度にある場合、熱平衡は暖かい溶液中に浸けた後数分以内に到達しうるため熱平衡を考慮することができる。例えば、4℃の試料が暖かいホルマリン槽(例えば、45℃の槽)内に浸けた場合、試料は、約5分未満のうちに熱平衡に達しうる。組織のサイズおよび特性(例えば、熱的特性)に基づき、熱平衡に達する時間を推定することができる。
組織構造に変化を引き起こすプロセスは、TOF測定を使用して監視することができる。例えば、脱水プロセスは、組織中の測定可能な機械的変化を引き起こしうる。図40は、時間をx軸、ヒト扁桃腺に対するTOF信号をy軸とするグラフである。脱水処理により、固定によって引き起こされるTOFの変化より大きいTOFの著しい変化が生じる。ヒト扁桃腺を70体積%のエタノール溶液を使用して脱水し、100体積%のエタノール溶液を使用してさらに脱水した。図40に示されているTOF信号は、複数の波長をカバーする位相検出アルゴリズムを使用して生成された、
他の脱水プロトコルでは、組織を段階的に変わるアルコール濃度に曝し、最初に70%のエタノール/水混合物でリン酸緩衝液を取り除き、その後、95体積%および100体積%のエタノールの追加ステップで、固定された組織をさらに脱水する。組織は、実質的な収縮作用を受けうる(例えば、その元の体積の10%を超える)。収縮の量は、TOF測定結果を使用して決定することができる。組織の収縮は、結果の組織試料の変化(例えば、組織の硬化、組織の収縮など)によるTOF監視によって検出されうる。
監視を使用することで、試料が適切に処理されているかどうかを評価することができる。図41は、時間をx軸、アルコール脱水プロセスのTOF信号をy軸とするグラフである。アルコール脱水は、固定プロセスの際に確立される十分な架橋結合に依存しうる。脱水プロセスでその結果得られる組織圧縮は、固定ステップが省かれるか、または短すぎるときにより破壊的な組織効果(断裂ならびに細胞および核収縮など)を引き起こすことを経験的に知ることができる。図41は、固定が不十分な組織と適切に固定された組織とに関する70体積%のアルコール中のTOF信号の差を示している。固定された組織の場合に比べて、アルコール中の未固定の組織の全処理時間は著しく長く、観察されたTOFの変化は、かなり大きい(標準固定の24時間後)。
異なる媒体中で試料を次々に処理することで、TOF測定を強化することができる。第1の脱水プロセスは、プレコンディショニング媒体中で実行されうる。例えば、試料を約15分間70体積%のアルコールの槽内に浸すことができる。次いで、部分的に脱水された試料に、100体積%のアルコールの槽内に部分的に脱水された試料を浸すことを伴う第2の脱水プロセスを施す。図42に示されているように、プレコンディショニングは、約2時間の間、70%のアルコールの槽内で処理された試料と比較して100%のアルコールの槽内ではかなり大きなTOF応答をもたらす。組織圧縮における応答は、70%のアルコールのステップをスキップするか、または実行時間が短すぎる場合にかなり高くなる可能性がある。
補償プロトコルを使用することで、環境要因によって引き起こされる望ましくないノイズを最小にするか、または制限するか、または実質的になくすことができる。環境要因としては、限定することなく、周囲温度による温度変化、蒸発損失、媒体密度の変化(例えば、化学反応による)、または同様なものが挙げられる。媒体の温度が変動する場合、媒体の密度も変動し、延いてはTOFの測定にノイズが入りうる。熱的デバイス(例えば、加熱/冷却デバイス)は、媒体を所望の温度範囲内に、または所望の温度に保つことができる。それに加えて、媒体を保持する容器は、温度変化を最小にするか、または制限するように断熱することができる。
容器は、ドリフトを最小限度に抑えるか、または制限するか、または実質的に回避するために、閉じて蒸発損失を回避するようにできる。媒体が蒸発する結果、時間の経過とともにTOFが徐々に変化しうる。例えば、約25ナノ秒のTOFの全変化は、約15時間の蒸発の結果生じうる。容器に蓋もしくはカバーをして、蒸発を回避するか、または制限することができる。代替えとして、またはそれに加えて、ポンプを使って媒体を容器内に送り込み、媒体の所望の特性を維持することができる。
補償方式は、基準チャネル(つまり、データを取り出した位置、ただし組織またはカセットはビームの通り道にない)を使用することによって環境影響を最小限度に抑えるか、または制限するか、または実質的になくすことができる。この位置におけるデータ値を標的位置における値から差し引くことができる。
さまざまな信号処理ルーチンを使用することで、本明細書で説明されている信号を解析することができる。フィルター処理ルーチン、圧縮ルーチン(例えば、真のパルスの圧縮ルーチン)、相互相関ルーチン、自己相関信号回復(特に、ノイズが含まれる環境における)、または同様のものを使用することができる。信号処理は、試料が、定在波、反射、またはエコーがありうる比較的小さな容器内に入っているときに特に適切である。そこで、信号処理ルーチンを選択することで信号対雑音比を著しく改善することができる。
本明細書および付属の請求項で使用されているような、「1つの(または使わない場合もある)」および「その(使わない場合もある)」(英語原文の冠詞「a」、「an」、および「the」に対応する)で示される単数形は、文脈上明らかにそうでないことを示していない限り、複数形の指示対象を含むことに留意されたい。そのため、例えば、「1つの送信機」を備えるアナライザーへの参照は、単一の送信機、または2つもしくはそれ以上の送信機を含む。「または(or)」という言い回しは、一般的に、内容上明らかに別のことを示していない限り「および/または(and/or)」を含む意味で使用されることにも留意されたい。
上で説明されているさまざまな実施形態および特徴を組み合わせることで、さらなる実施形態を構成することができる。上述の説明に照らしてこれらおよび他の変更を実施形態に加えることができる。一般に、以下の請求項において、使用されている用語は、請求項を明細書および請求項中で開示されている特定の実施形態に制限するものとして解釈すべきでなく、そのような請求項が関わる等価物の全範囲とともにすべての可能な実施形態を含むものとして解釈すべきである。したがって、請求項は、開示によって制限されない。

Claims (14)

  1. 組織学的プロセスを生体試料に実行するステップであって、前記生体試料が、前記生体試料の状態を変えるために被検体から取り出されたものである、ステップと、
    前記組織学的プロセスを前記生体試料に実行している間に音波の伝搬時間に基づき前記生体試料の状態を監視するステップと、を有し、
    前記監視するステップは、
    前記組織学的プロセスを前記生体試料に実行している間に前記音波を前記生体試料の少なくとも一部分の中に伝達するステップと、
    前記プロセスの少なくとも一部を実行した後に前記生体試料の前記一部分の中を進行する前記音波の少なくとも一部の速度の変化を評価するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記生体試料の前記状態に基づき染色プロトコルを生成するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体試料の前記状態に基づき組織学的プロセスを前記生体試料に実行するステップであって、前記状態は、密集状態および固定状態のうちの少なくとも一方である、ステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記音波を前記生体試料の厚さを横切って伝達するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記生体試料から前記音波の少なくとも一部を反射するステップと、
    前記反射された音波を受け取るステップと、
    前記生体試料の中に入った前記音波および前記反射された音波を評価して前記音波の速度の変化を評価するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
  6. 前記状態を監視するステップは、
    前記伝達される音波を生成するための出力信号と前記生体試料の中を進行した前記音波の受信信号との間の位相シフトを決定するステップを含む請求項に記載の方法。
  7. 固定プロセスである前記プロセスによって引き起こされる前記音波の伝搬時間の変化を判定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記音波の速度の変化を評価するステップと、
    前記音波の速度の変化に関する情報を格納するステップと、
    前記格納されている情報に基づきプロセスを別の生体試料に実行するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
  9. 情報を格納するステップと、
    前記音波の速度の変化を評価するステップと、
    前記音波の速度の変化を前記格納されている情報と比較するステップと、
    前記音波の速度の前記変化と前記格納されている情報との間の前記比較結果に基づき組織学的プロセスを制御するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
  10. 補償アルゴリズムおよび平滑化器アルゴリズムのうちの少なくとも一方を使用してデータを解析するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  11. プロセスを複数の生体試料に実行するステップと、
    前記生体試料のそれぞれについて少なくとも1つの音速特性を得るステップと、
    前記音速特性を前記各生体試料に相関させるステップと、
    前記相関している音速特性を格納するステップと、
    前記格納されている音速特性のうちの少なくとも1つに基づき組織学的プロセスを生体標本に実行するステップとを含む方法。
  12. 被検体から採取した生体試料を処理するための方法であって、
    固定プロセスを前記生体試料に実行して生体試料の少なくとも一部を固定するステップと、
    前記固定プロセスの少なくとも一部を実行した後に前記生体試料の中を進行する音波を使用して前記生体試料の中を進行する音の速度の変化を評価するステップと、
    音の前記速度の前記変化の前記評価結果に基づき前記固定プロセスを調整するステップとを含む方法。
  13. 生体試料を評価するためのシステムであって、
    音響エネルギーを被検体から採取された生体試料に通して出力するように構成された送信機と、
    前記生体試料の少なくとも1つの音響特性が変えられた後に前記生体試料の中を進行した前記音響エネルギーを検出するように構成された受信機と、
    前記送信機と前記受信機とに通信可能に結合され、前記音響エネルギーの伝搬時間に基づき前記生体試料の中を進行する前記音響エネルギーの速度の変化を評価するように構成されたコンピューティングデバイスとを備えるシステム。
  14. 前記コンピューティングデバイスは、前記音響エネルギーの前記速度の変化を評価して前記生体試料の固定状態を判定するように構成されている請求項13に記載のシステム。
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