特許文献1の美容器具によれば、イオン導入・導出作用によって、顔肌などの微細な汚れを落とし、あるいは保湿成分を肌に浸透させて美容効果を高めることができる。しかし、グリップを兼ねる本体ケースの前面上部に肌用電極を設け、本体ケースの中途部から下部にわたってグリップ電極を設けるので、肌用電極を自在に操作するのが難しい。とくに、小鼻の周りの入り隅状の肌面の細かな部分を手入れする際に、微妙な操作を行うことが難しい。
本発明の目的は、手入れすべき肌面の状況に応じて肌用電極を自在に移動操作でき、従って、入り隅状の肌面や目尻などの細かな部分の美容処理を的確に行なうことができる美容器具を提供することにある。
本発明に係る美容器具は、図1に示すように、本体ケース1に肌用電極2とグリップ電極3とが設けてあり、肌用電極2とグリップ電極3とで肌面に電流を供給しながら美容処理を行なう。肌用電極2を本体ケース1の一端に配置し、グリップ電極3を肌用電極2の近傍の本体ケース1の一端寄りに配置することを特徴とする。
グリップ電極3は、本体ケース1に肌用電極2の周囲を囲む状態で周回状に設ける。
グリップ電極3は、電極本体33と、電極本体33の外面を覆う導電性ゴム製の接触層34とで構成する(図1参照)。
肌用電極2とグリップ電極3の外面を、本体ケース1に着脱可能に装着した保護キャップ5で覆う。
肌用電極2とグリップ電極3との間に、美容用液がグリップ電極3へ向かって流動するのを阻止する流動阻止部37を設ける(図6参照)。
本体ケース1を上下に長い棒状に形成し、その上端に肌用電極2を設ける(図2参照)。
肌用電極2は、美容用液を含浸する綿棒15と、綿棒15を固定保持する導電性のホルダー16とで構成する。美容用液とは、市販の化粧水、および美容液などからなる。
ホルダー16に、綿棒15の綿球部18の周面と接触して、電流を綿球部18へ供給する接触端子24を設ける。
ホルダー16は、綿棒15の綿球部18の周面と接触する接触端子24と、綿棒15の軸部17を保持する軸保持部23とを備えている。接触端子24と軸保持部23とは、弾性変形可能な導電材を素材にして一体に形成する。導電材としては、金属、導電性プラスチック、導電性ゴムなどを適用できる。
ホルダー16の接触端子24に、綿棒15の綿球部18に突き刺さる穿刺体42を設ける(図8参照)。
本体ケース1の上端に、綿棒15の軸部17を受け入れる軸用穴19と、綿球部18の一部を受入れる綿球用穴20とを設ける。綿球用穴20の内奥に導電性のホルダー16を配置し、ホルダー16に綿棒15の綿球部18に突き刺さる穿刺体42を設ける(図9参照)。
肌用電極2を構成する綿棒15は、軸部の両端に綿球部が形成してある市販の綿棒の軸部を切断して形成する。保護キャップ5に、市販の綿棒の切断位置を示す切断表示21を設ける(図2参照)。
肌用電極2は、美容用液を含浸する含液体15と、含液体15を固定保持するホルダー16とで構成する。図14および図15に示すように、ホルダー16は、複数のプラスチック製の保持要素49A・49B・62で構成されて、含液体15を保持固定する保持姿勢と、含液体15の保持を解除する開放姿勢とに、姿勢変更可能に構成する。少なくともひとつの保持要素49A・49B・62の内面に、パルス電流を含液体15へ供給する接触端子24を設ける。
ホルダー16の内面に、含液体15に突き刺さる保持爪52・54・67を設ける。
保持爪52・54・67は導電材で形成し、接触端子24と導通する。
接触端子24に保持爪52・67を一体に形成する。
図14に示すようにホルダー16は、断面半円状の一対の保持要素49A・49Bで構成する。一対の保持要素49A・49Bは、本体ケース1の中心軸と平行なヒンジ中心の回りに開閉自在に連結されて、含液体15を保持固定する保持姿勢と、含液体15の保持を解除する開放姿勢とに揺動開閉可能である。含液体15は、美容用液を含浸できるシート材を丸棒状に巻込んで形成した含液棒で形成する。肌用電極2は、ホルダー16と、ホルダー16の内部に配置した接触端子24と、含液棒15とで構成する。
ホルダー16を保持姿勢にロック保持するロック構造を設ける。ロック構造は、ホルダー16の外面に外嵌して一対の保持要素49A・49Bの開放動作を規制するロックリング57と、ロックリング57をロック位置において受止めるストッパー58とを含む。ロックリング57を、ロック位置からアンロック位置へスライド操作した状態において、一方の保持要素49Bを開放して含液棒15を着脱できる。
図15に示すようにホルダー16は、本体ケース1で上下スライド自在に支持した保持ベース61と、下端が保持ベース61に支持されて本体ケース1の内外方向へ拡縮変位できる複数個の保持要素62と、本体ケース1に設けられて保持要素62を縮小操作するカム面63と、保持ベース61を上下にスライド操作するスライドノブ64とを含む。保持要素62はスライドノブ64で保持ベース61を介して上下にスライド変位操作されて、保持要素62が本体ケース1の外へ進出する開放姿勢と、保持要素62が本体ケース1の内部に退入する保持姿勢とに切換え可能に構成する。保持要素62の内面に、含液体15に突き刺さる保持爪67を設ける。
本発明においては、肌用電極2とグリップ電極3とでパルス電流を供給しながら肌面の美容処理を行なう美容器具において、肌用電極2を本体ケース1の一端に配置し、グリップ電極3を肌用電極2の近傍の本体ケース1の一端寄りに配置した。このように、グリップ電極3を肌用電極2の近傍に配置すると、例えば図5に示す美容器具においては、親指と人差し指と中指をグリップ電極3に密着した状態で、手入れすべき肌面の状況に応じて肌用電極2を自在に移動操作できる。また、図10に示す美容器具においては、本体ケース1の球状周面を手のひらにあてがい、親指から小指に至る各指の指先をグリップ電極3に接触させて、手入れすべき肌面の状況に応じて肌用電極2を自在に移動操作できる。従って、本発明の美容器具によれば、入り隅状の肌面や目尻などの細かな部分の美容処理を的確に行なうことができる。
グリップ電極3を肌用電極2の周囲を囲む状態で周回状に設けると、グリップ電極3の任意の位置に指を接触すればよいので、本体ケース1の姿勢や握り位置を気にする必要がなく、従って美容器具の使い勝手を向上できる。
電極本体33と導電性ゴム製の接触層34とでグリップ電極3を構成すると、導電性ゴム製の接触層34が指の滑止めとして機能するので、例えば金属製の電極本体のみでグリップ電極を構成する場合に比べて、グリップ電極3を確実に保持することができる。また、接触層34は指先の触感を和らげるクッションとしても機能するので、美容器具の使用状態において本体ケース1を確りと保持して、美容器具の肌面に対する押付け力を微妙に調整することができる。
肌用電極2とグリップ電極3の外面を着脱可能な保護キャップ5で覆うようにすると、不使用状態において、塵埃などの異物が両電極2・3に付着するのを防止できるので、美容器具を衛生的な状態で収納し保管できる。
肌用電極2とグリップ電極3との間に流動阻止部37を設けると、肌用電極2に装着した含液体15含浸させた美容用液がグリップ電極3へ向かって流動するのを阻止して、肌用電極2とグリップ電極3とが短絡するのを防止できる。なお、両電極2・3が美容用液を介して短絡する状態では、イオン導入作用およびイオン導出作用の発揮が制限されるため、肌面の汚れの除去や、美容用液の肌への浸透が困難となる。
本体ケース1を上下に長い棒状に形成し、その上端に肌用電極2を設ける美容器具によれば、本体ケース1を鉛筆と同様の握り方で保持した状態で指先をグリップ電極3接触することができる。従って、肌用電極2を微妙に操作しながら肌の手入を行なうことができ、とくに小鼻周りの入り隅状の肌面や目尻部分などにおいて肌用電極2を緻密に操作して、汚れの除去や美容用液の浸透を的確に行える。また、鉛筆と同様の握り方で本体ケース1を保持するので、肌用電極2の肌面に対する押付け力を、肌面の部位の違いに応じて自在に調整することができる。
美容用液を含浸する綿棒15と、綿棒15を固定保持する導電性のホルダー16とで肌用電極2を構成すると、美容用液が含浸された綿球部18を肌面に接触して美容処理を行なえる。従って、小鼻周りの入り隅状の肌面や目尻部分などにおいて、体積が小さな綿棒15を緻密に操作して、美容処理をさらに的確に行なうことができる。美容用液を含浸するための含液体として綿棒15を利用するので、シート状の含液体を棒状に丸めて美容用液を含浸させる場合に比べて、含液体を所定の形状に整形する手間を省くことができる。さらに、肌用電極2に対する装着を簡便に行えるので、美容器具の使い勝手を向上できる。
ホルダー16に接触端子24を設けて、接触端子24を介してパルス電流を綿球部18へ供給すると、綿棒15の綿球部18と接触端子24との接触状態を好適化して、パルス電流を綿球部18へ効果的に供給して、綿球部18と接触端子24との間の通電効率を向上できる。接触端子24は、綿棒15がホルダー16に過度に差込み装着されるのを防ぐ規制体としても機能して、ホルダー16に対する綿棒15の装填姿勢を好適化できる。
ホルダー16を構成する接触端子24と軸保持部23を、弾性変形可能な導電材を素材にして一体に形成すると、ホルダー16の構造が複雑化するのを解消して、その加工に要する手間を省いてコストを削減できる。
ホルダー16の接触端子24に、綿棒15の綿球部18に突き刺さる穿刺体42を設けると、接触端子24と綿球部18との接触に加えて、綿球部18に突き刺さる穿刺体42によってもパルス電流を綿球部18に供給でき、綿球部18に対する通電効率をさらに向上できる。また、綿球部18に突き刺さる穿刺体42で綿棒15を傾動不能に保持できるので、肌面から押付け反力を受けるような場合であっても、綿棒15をより安定した状態で保持して美容処理を的確に行なえる。
綿球用穴20の内奥に導電性のホルダー16を配置し、ホルダー16に設けた穿刺体42を綿棒15の綿球部18に突き刺してパルス電流を供給すると、綿球部18に含浸された美容用液を介して綿球部18を正極状態、または負極状態に保持することができる。また、上記の穿刺体42と同様に、綿棒15を穿刺体42で傾動不能に保持して、肌面から押付け反力を受けるような場合であっても、綿棒15をより安定した状態で保持して美容処理を的確に行なえる。
肌用電極2を構成する綿棒15は、軸部の両端に綿球部が形成してある市販の綿棒の軸部を切断して形成することができ、切断時に、保護キャップ5に設けた切断表示21を目安にして市販の綿棒の切断することにより、切断された綿棒15の上下長さを適正化できる。また、美容器具に適合した綿棒15をより少ないコストで手軽に得ることができる。
保持姿勢と開放姿勢とに姿勢変更可能な複数の保持要素49A・49B・62でホルダー16を構成すると、保持要素49A・49B・62を開放姿勢に切換えた状態で含液体15をホルダー16に対して着脱できる。従って、ホルダー16に対する含液体15の着脱を簡便に行える。また、保持要素49A・49B・62の内面に設けた接触端子24を含液体15の周面に接触させて、パルス電流を含液体15へ確実に供給することができる。
ホルダー16の内面に保持爪52・54・67を設け、保持要素49A・49B・62を保持姿勢にした状態において、保持爪52・54・67が含液体15に突き刺さるようにすると、含液体15がホルダー16から抜出る向きの移動を阻止できる。同時に、含液体15がホルダー16の中心軸の回りに回転する動きを規制して、全体として含液体15をホルダー16で安定した状態で保持固定できる。従って、肌面から押付け反力を受けるような場合であっても、綿棒15をより安定した状態で保持して美容処理を的確に行なえる。
保持爪52・54・67を導電材で形成して接触端子24と導通すると、接触端子24と綿球部18との接触に加えて、綿球部18に突き刺さる保持爪52・54・67によってもパルス電流を綿球部18に供給でき、綿球部18に対する通電効率をさらに向上できる。
接触端子24に保持爪52・67を一体に形成すると、保持爪52・67を独立した部品として形成する場合に比べて、ホルダー16の構造を簡素化して、その加工に要する手間を省いてコストを削減できる。
図14に示すようにホルダー16を、断面半円状の一対の保持要素49A・49Bで構成すると、丸棒状に巻込んで形成した含液棒15の大半の部分を保持要素49A・49Bで抱持状に保持固定して、含液棒15を確りと固定できる。また、一方の保持要素49Bを開放姿勢にすることにより、含液棒15のホルダー16に対する着脱を簡便に行うことができるので、全体として美容器具の使い勝手を向上できる。
ホルダー16を、ロックリング57を含むロック構造保持姿勢にロック保持できるようにした美容器具においては、保持要素49A・49Bで抱持した含液棒15の弾性力によって、ロックリング57をロック位置に位置保持できる。従って、ロックリング57をロック位置に位置保持するための節動構造などを省くことができ、その分だけロック構造の構造を簡素化してコストを削減できる。
本体ケース1の内外方向へ拡縮変位する複数個の保持要素62で含液体15を固定するホルダー16によれば、保持要素62を上下スライド操作することで、含液体15を固定保持し、あるいは保持状態を解除できる。また、含液体15を固定保持した状態においては、各保持要素62が拡開するのを、本体ケース1に設けたカム面63で規制できる。さらに、保持要素62の内面に設けた保持爪67を含液体15に突き刺して、含液体15がホルダー16の外へ抜け出るのを確実に防止できるので、全体として美容器具の使い勝手を向上できる。
(実施例) 図1ないし図5は本発明に係る美容器具の実施例を示す。本発明における前後・左右・上下とは、図2に示す交差矢印と、矢印の近傍に表示した前後・左右・上下の表記に従う。図2において美容器具は、グリップを兼ねる本体ケース1を基体にして上下に長い棒状(ペンシル状)に形成してある。本体ケース1の上端には肌用電極2が設けてあり、その下部に肌用電極2の周囲を囲むグリップ電極3が無端リング状に設けてある。
肌用電極2とグリップ電極3が設けられるヘッド部4の外面は、保護キャップ5で覆われている。保護キャップ5の装着姿勢を保持するために、ヘッド部4の基端の周面に係合リブ6を設け、保護キャップ5の内面の開口寄りに係合リブ6と係合する溝7を周回状に形成している。図3に示すように、本体ケース1の内部には、電池8と制御基板9が収容してあり、制御基板9には、ケース前面のスイッチノブ10で切換え操作されるスイッチ11や、電流調整回路などが実装してある。符号12は電池5を出入れするためのキャップであり、本体ケース1に対してねじ込み装着してある。
肌用電極2は、美容用液を含浸する綿棒(含液体)15と、綿棒15を固定保持する導電性のホルダー16とからなる。綿棒15は、軸部17の一端に綿球部18を備えており、綿球部18に美容用液を含浸することができる。綿棒15およびホルダー16を収容するために、ヘッド部4の上端に綿棒15の軸部17を受け入れる軸用穴19と、綿球部18の下面を支持する綿球用穴20とが設けてある。ホルダー16は、軸用穴19と綿球用穴20の両者にわたって組付けてある。綿球用穴20は、綿球部18の下面形状に対応して下すぼまりテーパー状、即ちすり鉢状に形成してある。
図2に想像線で示すように、綿棒15は軸部の両端に綿球部が形成してある市販の綿棒の軸部をユーザーが切断して形成することができる。切断された綿棒15の上下長さを適正化するために、保護キャップ5の周面に周回溝からなる切断表示21を設けている。ユーザーは、市販の綿棒の綿球部を保護キャップ5の上端面と面一にした状態で、軸部を切断表示21の位置で切断することにより、肌用電極2を構成する綿棒15を手軽に得ることができる。
ホルダー16は、帯状の銅板をU字状に折り曲げて形成してあり、綿棒15の軸部17を保持する下半側の軸保持部23と、軸保持部23の一方の壁に連続して斜めに折曲げられる接触端子24とを一体に備えている。軸保持部23を構成するU字壁の対向面には、受止め部25と押圧部26とが膨出形成してあり、これら両者25・26が協同して軸部17を挟持固定する。軸部17を確実に挟持固定するために、自由状態における受止め部25と押圧部26との対向間隔は、軸部17の直径寸法より小さく設定してある。押圧部26は基本的に半円状に形成するが、その端部側の壁面を緩やかな湾曲面で形成して装填案内面27としている。軸部17を軸保持部23に差し込み装填するとき、軸部17の下端を装填案内面27で案内することにより、押圧部26側の壁面を弾性変形させながら、軸部17を受止め部25と押圧部26との間に差込むことができる。
接触端子24は、電流調整回路から出力されるパルス電流を綿球部18へ供給するために設けてある。接触端子24から綿球部18へのパルス電流の供給を確実に行うために、接触端子24は斜めに折り曲げられて、全体が先の綿球用穴20に凹み形成した溝28に嵌め込まれている。これにより、接触端子24は綿球用穴20と面一になっており、綿棒15をホルダー16に装填した状態では、綿球部18の下周面が接触端子24に密着する。ホルダー16は、制御基板9に設けた電流調整回路の肌用電極2用のプラス側の出力リード30に接続してあり、従って肌用電極2はプラスの極性となってイオン導出を行うことができる。また、極性を逆に切換えると先の出力リード30がマイナス、他方の出力リード31がプラスの極性となるので、肌用電極2をマイナスの極性にしてイオン導入を行うことができる。
グリップ電極3は、銅板を不完全円状の円筒体、つまり断面C字状に折曲げて形成した電極本体33と、電極本体33の外面全体を覆う導電性ゴムで形成した接触層34とで、無端リング状に構成してある。電極本体33はマイナス側の出力リード31を介して電流調整回路に接続してある。グリップ電極3の上下幅は2〜3cmに設定してあり、図5に示すように、美容器具を鉛筆と同様に握った状態において、親指、人差し指、中指のそれぞれをグリップ電極3に密着できる。導電性ゴム製の接触層34は、それ自体が指先の滑止めとして機能し、さらに接触層34に接触する指先の触感を和らげるクッションとしても機能するので、使用状態において本体ケース1を確りと保持できる。肌用電極2とグリップ電極3との間のヘッド部4の端部周面に、凹溝からなる流動阻止部37を設けた(図1参照)。流動阻止部37は、綿球部18に含浸させた美容用液がグリップ電極3へ向かって流動しようとするのを阻止して、肌用電極2とグリップ電極3とが短絡するのを防止する。電極本体33は、金属板材を打ち抜いて無端リング状に形成することができ、あるいは電鋳法で無端リング状に形成することができる。
美容器具は、以下に説明する要領で使用する。例えば、小鼻の周りの入り隅状の肌面の手入れを行う場合には、綿棒15をホルダー16に装填したのち、綿球部18に美容用液を含浸させ、スイッチノブ10を操作してスイッチ11をオン状態に切換える。この状態で、本体ケース1を図5に示すように握って、利き手の指を接触層34を介して電極本体33に導通させ、鏡を見ながら綿球部18を入り隅状の肌面に沿って繰返えし滑らせる。綿球部18が肌面に密着している状態では、肌用電極2とグリップ電極3とが人体を介して導通し、微弱なパルス電流によってイオン導出作用を発揮する。そのため、入り隅部分や毛穴などに入り込んでいた汚れが、肌用電極2の綿球部18に吸着される。美容用液を肌面に浸透させる場合には、肌用電極2とグリップ電極3に供給されるパルス電流の極性を逆にしてイオン導入を行う。
以上のように構成した美容器具によれば、本体ケース1を鉛筆と同様の握り方で保持できるので、綿球部18を微妙に操作しながら肌の手入を行なうことができ、とくに小鼻周りの入り隅状の肌面や目尻部分などにおいて綿球部18を緻密に操作して、汚れの除去や美容用液の浸透を的確に行える。また、鉛筆と同様の握り方で本体ケース1を保持するので、綿球部18の肌面に対する押付け力を、肌面の部位の違いに応じて自在に調整することができる。
以下に、本発明に係る美容器具の別実施例を列挙するが、個々の別実施例における美容器具については、上記の実施例と異なる部分を主に説明し、上記の実施例と同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
図6に示す美容器具においては、肌用電極2とグリップ電極3との間のヘッド部4の周囲に流動阻止部37を設けた。流動阻止部37はフランジ状の周回壁で形成してあり、綿球部18に含浸させた美容用液がグリップ電極3へ向かって流動するのを阻止して、肌用電極2とグリップ電極3とが短絡するのを防止する。流動阻止部37を張出す必要上、ヘッド部4は上端へ向かって先すぼまりテーパー状に形成してある。なお、両電極2・3が美容用液を介して短絡する状態では、イオン導入・導出作用を発揮できないため、汚れの除去や、美容用液の肌への浸透を行なうことが困難となる。
図7は、ホルダー16の構造を変更した実施例を示す。そこでは、ホルダー16の軸保持部23と接触端子24のそれぞれを独立した部品で形成して、プラス側出力リード30を接触端子24に接続するようにした。この実施例における接触端子24は銅板にプレス加工を施して下すぼまりテーパー状に形成してあり、接触端子24の内面を綿球部18の下周面に密着させて、パルス電流を綿球部18へ確実に供給することができる。なお、この実施例における軸保持部23は、導電性素材で形成する必要はなく、例えば、弾性に富むプラスチック材で形成して、軸部17を挟持することができる。
図8におけるホルダー16は、図7のホルダー16と同様に軸保持部23と接触端子24のそれぞれを独立した部品で形成した。また、接触端子24は銅を素材にして、綿球用穴20に装填される筒部40と、筒部40の上開口の内面に形成される接触部41と、筒部40の内底に形成した4個の穿刺体42とで構成した。穿刺体42は上向きに尖らせてある。このホルダー16によれば、綿球部18に接触する接触部41と綿球部18に突き刺さる穿刺体42とでパルス電流を綿球部18へ供給できる。
図9においては、ホルダー16を銅製のリング体で構成し、その上面に4個の穿刺体42を一体に設けた。穿刺体42は上向きに尖らせてある。ホルダー16は、綿球用穴20の内奥に固定してあり、綿棒15をホルダー16に装填した状態において、穿刺体42が綿球部18に突き刺さってパルス電流を綿球部18へ供給する。また、軸用穴19の内面の複数個所に、綿棒15の軸部17を支持する半球状の突起43を設けた。この実施例におけるホルダー16は、穿刺体42を備えたリング体と、軸部17を支持する突起43とで構成してあり、突起43は導電性を備えていないプラスチック材で形成してある。
図10の美容器具は、本体ケース1を球体状に形成し、その上半部をヘッド部4として、ヘッド部4の上端に肌用電極2を設け、肌用電極2の周りを囲むようにグリップ電極3を設けた。本体ケース1のグリップ電極3の近傍の周面には、棒状の指掛部44が突設してあり、この指掛部44を人差し指と中指、あるいは中指と薬指とで挟むようにして、本体ケース1の球状周面を片手で握り持つことにより、美容器具を位置ずれすることもなく、安定した状態で確りと支持できる。この実施例では、美容用液を含ませる含液体15として、綿シートあるいはガーゼを使用する。肌用電極2には、円形の接触端子24と、同端子部24を固定する端子ホルダー45とが設けてある。シート状の含液体15は、端子ホルダー45と、同ホルダー45に着脱されるキャップ46との間に固定保持されて、接触端子24の外面に密着する。キャップ46の上面には、含液体15を露出させるための窓47が開口してある。本体ケース1の底部は平坦に形成してあり、この平坦部にスイッチノブ10が設けてある。従って、本体ケース1を片手で握り持った状態において、手のひらがスイッチノブ10に接触するのを防いで、スイッチノブ10が誤って切換えられるのを防止できる。
この実施例においては、接触端子24と、端子ホルダー45と、キャップ46の三者が、先の実施例におけるホルダー16として機能する。肌用電極2とグリップ電極3との間のヘッド部4の周囲には、リブ状の流動阻止部37が形成してある。美容器具を使用する場合には、電池8を収容する側の本体ケース1の球状周面を手のひらにあてがい、親指から小指に至る各指の指先をグリップ電極3に接触させて、美容用液が含浸してある含液体15を肌面に沿って滑らせる。
図11〜図14に示す美容器具は、図1〜図5で説明した美容器具と同様に本体ケース1をペンシル状に形成するが、図14に示すように、含液体としてシート材を丸棒状に巻込んで形成した含液棒(含液体)15を使用する点が異なる。また、含液棒15を使用するのに伴い、肌用電極2のホルダー16の構造を以下のように変更する点が異なる。
ヘッド部4の上下寸法を小さくして、その上端に含液棒15を抱持固定するホルダー16を固定する。ホルダー16は、ヘッド部4の上端に外嵌する筒基部48と、筒基部48に連続する断面半円状の保持要素49Aと、この保持要素49Aと協同して含液棒15を抱持固定する断面半円状の保持要素49Bと、保持要素49Aの内面に固定した接触端子24とで構成する。一対の保持要素49A・49Bは一体成形ヒンジ(ヒンジ)50を介して連続している。これにより一対の保持要素49A・49Bは、含液棒15を保持固定する保持姿勢(図12に示す状態)と、含液体の保持を解除する開放姿勢(図14に示す状態)とに揺動開閉可能となる。一体成形ヒンジ50のヒンジ中心は、本体ケース1の中心軸と平行になっている。
図14に示すように、接触端子24は、銅板またはアルミニウム板を断面半円状に折曲げて形成してあり、その内面には含液棒15に突き刺さる三角形状の6個の保持爪52が折起こしてある。一対の保持要素49A・49Bを保持姿勢にした状態において、接触端子24と対向する保持要素49Bの内面には、接触端子24と協同して含液棒15を抱持固定する抱持体53が設けてある。抱持体53は、接触端子24と同じ部品からなり、その内面には含液棒15に突き刺さる三角形状の6個の保持爪54が形成してある。図12に示すように、電流調整回路の肌用電極2用の出力リード30は、接触端子24にのみ接続してある。必要があれば、抱持体53にも出力リード30を接続して、抱持体53を接触端子24として機能させることができる。
含液棒15は、四角形状のコットンシートを図13に示すように渦巻状に巻込んで形成され、一対の保持要素49A・49Bを開放姿勢にした状態で、一方の保持要素49Aの内面に装填し、その棒端を筒基部48の上面に接当して位置決めする。この状態で、他方の保持要素49Bを閉じて保持姿勢にし、一対の保持要素49A・49Bで含液棒15を抱持固定する。この状態の含液棒15の周面は、一対の保持要素49A・49Bに抱持されて弾性変形しており、周面に突き刺さる保持爪52・54によって、ホルダー16から抜出る方向への移動が規制されている。この状態の含液棒15の一部はホルダー16の上端から露出している。
上記のように、保持姿勢にした一対の保持要素49A・49Bをロック保持するために、ホルダー16の外面にロック構造を設けている。図11および図12に示すように、ロック構造は、ホルダー16の外面に外嵌して保持要素49Bの開放動作を規制するロックリング57と、各保持要素49A・49Bの外面に設けられるリブ状のストッパー58とからなる。ロックリング57は、その上端がストッパー58に接当するロック位置と、筒基部48に外嵌するアンロック位置との間をスライド変位できる。ロックリング57は、保持要素49Bを介して作用する含液棒15の弾性力によって、ロック位置に位置保持される。
美容器具を使用するときは、図12に示すようにホルダー16に含液棒15を装填したのち、美容用液を含液棒15に含浸させ、本体ケース1を鉛筆と同様に握って、親指、人差し指、中指のそれぞれがグリップ電極3に密着する状態で、含液棒15を肌面に沿って滑らせる。肌面に接触する含液棒15の端面は略円形になっており、端面と周面とが交差する隅部はほぼ直角になっている。そのため、小鼻周りの入り隅状の肌面に含液棒15の端部周縁を確実に接触させて、入り隅部分に付着している汚れや、毛穴内のよごれ、あるいは肌表面の角質などを含液棒15に吸着することができる。
図15および図16は、図1〜図5で説明した美容器具と同様に含液体が綿棒15である場合のホルダー16の別実施例を示す。ホルダー16は、保持ベース61と、拡縮変位できる3個の保持要素62と、綿球用穴20の開口内面に設けたカム面63と、保持ベース61をスライド操作するスライドノブ64と、保持ベース61を押下げ付勢する圧縮コイル形のばね65とで構成する。保持ベース61は円盤状に形成されて、その周面にスライドノブ64が一体化してあり、綿球用穴20に案内されて上下にスライドできる。保持要素62は、銅板あるいはアルミニウム板を素材とするプレス成形品からなり、縦長の腕66と、腕66の上端に形成される斜めの接触端子24と、綿棒15に突き刺さる保持爪67とを一体に備えている。保持要素62は、それぞれ腕66の下端が保持ベース61に設けたピン68で支持されて、本体ケースの径方向の内外へ拡縮変位できる。保持爪67は、綿球部18の下端部の周面に突き刺さる。
図15(b)に示すように、ばね65の付勢力に抗してスライドノブ64を押上げ操作すると、3個の保持要素62がヘッド部4の上方へ進出する。進出状態に切換わった3個の保持要素62は、カム面63による拘束が解除されるため、拡開操作して開放姿勢にすることができ、これに伴い保持爪67を綿棒15から分離して、綿棒15をホルダー16から取外すことができる。新たな綿棒15の軸部17を各保持要素62の中央に差込んだのち、ばね65の付勢力でスライドノブ64を下降させると、各保持要素62の腕66がカム面63に押されて縮小する向きに変位するので、保持爪67は再び綿棒15に突き刺さる。保持要素62の全体が綿球用穴20の内部に退入して保持姿勢に切換わった状態では、接触端子24がカム面63に密着して綿球部18の下周面を面接触状に受止めている。従って、保持要素62の少なくともひとつに、電流調整回路の肌用電極2用の出力リード30を接続しておくことにより、綿棒15にパルス電流を供給できる。
図17〜図20は、いずれもホルダー16の別実施例を示しており、とくにホルダー16の軸保持部23の構造を変更する点が先の実施例と異なる。接触端子24は筒部40と、下すぼまりテーパー状の接触部41とで筒状に構成してある。
図17に示すホルダー16の軸保持部23は、固定挟持体71と、同挟持体71に向かって接離揺動する可動挟持体72と、可動挟持体72を接近付勢するばね73と、ばね73の付勢力に抗して可動挟持体72を開放操作する操作具74などで構成する。可動挟持体72はピン75で揺動自在に支持してあり、ピン75より下側の受動片76を操作具74で押込み操作することにより、可動挟持体72を開放操作して綿棒15の軸部17を軸保持部23に着脱できる。固定挟持体71および可動挟持体72の対向面には、それぞれ鋸刃状の滑止め77が形成してある。
図18に示す軸保持部23は、基本的に図17で説明した軸保持部23と同じであるが、可動挟持体72の下端から受動片76を横向きに突設する点と、受動片76を上下にスライドする操作具74で押下げ揺動して、可動挟持体72を開放操作する点が異なる。他は図17の軸保持部23と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
図19に示す軸保持部23は、その可動挟持体72の構造が図17で説明した軸保持部23と異なる。可動挟持体72には操作レバー(操作具)74が一体に設けてあり、操作レバー74を押上げて可動挟持体72をピン75の回りに回転させることにより、綿棒15の軸部17を固定挟持体71と可動挟持体72とで挟持固定できるようにした。
図20に示す軸保持部23は、ヘッド部4で横スライド自在に支持したロック体78と、ロック体78をロック付勢するばね73と、ロック体78の上下に突設された2個の突起79と、ロック体78と一体に設けた操作具74とで構成した。ロック体78にはロック穴80が上下に貫通形成してある。操作具74をばね73に抗して押込んだ状態で、ロック穴80に綿棒15の軸部17を差込み、操作具74の押込み力を解放すると、軸部17がばね73の付勢力で突起79の側へ引寄せられるので、ロック穴80の一端と突起79とで軸部17を挟持固定することができる。
図21〜図24は、美容器具のさらに別の実施例を示す。図21および図22において美容器具は、本体部85と、本体部85に対して着脱されるヘッド部86とで構成してある。上下に長い本体部85はグリップを兼ねており、その断面は、前後厚みに比べて左右幅が大きな四角形状に形成してある。本体部85の左右両側にはグリップ電極87が設けてあり、ヘッド部86の前面には肌用電極88が設けてある。本体部85の内部には、2個の電池89と制御基板92などが収容してあり、制御基板92には電流調整回路や、ケース前面のスイッチボタン90・91で切換え操作されるスイッチなどが実装してある。一方のスイッチボタン90は電源投入用であり、他方のスイッチボタン91は美容器具の運転モードを切換えるために設けてある。
この実施例の美容器具は、綿シートあるいはガーゼなどの美容用液を含ませる含液シート93を使用して肌面の手入を行う。含液シート93を肌用電極88に密着する状態で固定するために、シート押え用のキャップ94を設け、このキャップ94を、肌用電極88を固定する電極ホルダー95に対して着脱できるようにしている。キャップ94の前面には窓96が開口してあるので、肌用電極88を含液シート93で覆ったのち、キャップ94を電極ホルダー95に圧嵌装着することにより、含液シート93を肌用電極88に密着させた状態で窓96から露出させることができる。
従来のこの種の美容器具は、グリップを兼ねる本体ケースの左右両側にグリップ電極を設け、本体ケースの前面上部に肌用電極を設ける構造になっている。そのため、上腕や前腕の肌の手入を行う場合には、片手で握った美容器具の肌用電極を腕肌に接触させることになる。この状態のパルス電流は、美容器具を握り締めた腕と、胴上部と、手入の対象となる腕を介して導通することとなり、導通距離が大きい分だけ電気抵抗が大きくなるため、イオン導出作用、あるいはイオン導入作用を充分に発揮させるのが困難となる。こうした不具合を解消して、上腕や前腕の肌の手入を効果的に行うために、この実施例の美容器具では、ヘッド部86を本体部85に対して着脱できるようにしている。
ヘッド部86を本体部85に対して着脱するために、本体部85の上端に連結部97を凹み形成し、ヘッド部86の下面側に連結部97と嵌合する連結脚部98を設けている。本体部85に装着したヘッド部86を分離不能にロック保持するために、本体部85とヘッド部86との間にロック構造を設けている。図23に示すようにロック構造は、ロック体100と、ロック体100をロック付勢するロックばね101と、連結脚部98の前壁および後壁に設けたロック穴102とで構成する。ロック体100は、ロック穴102に係合するロック爪103と、解除ボタン(解除操作具)104とでL字状に構成してあり、全体が本体部85で前後スライド自在に支持されて、解除ボタン104が本体部85の前面上部に突出させてある。
グリップ電極87と電流調整回路とは出力リード107を介して接続してあり、同様に肌用電極88と電流調整回路とは出力リード108を介して接続してある。前者出力リード107は本体部85の内面側からグリップ電極87に接続するが、後者出力リード108は、本体部85から引出すことができる長尺(50cm)のリード線で形成してあって、本体部85の内部に設けたリード収納構造に巻込み収納できるようにしてある。図22においてリード収納構造は、出力リード108を巻込み収納するリール109と、リール109のリール軸を巻込み付勢するリールばね110を含んで構成する。
上記のように、ヘッド部86を本体部85に対して着脱できるようにした美容器具は、次の形態で実施できる。
グリップ電極87および制御基板92を備える本体部85と、肌用電極88を備えるヘッド部86とを備えており、
グリップ電極87および肌用電極88は、それぞれ制御基板92に設けた電流調整回路と出力リード107・108を介して接続されており、
ヘッド部86と本体部85とは着脱可能に連結されて、肌用電極88と電流調整回路とを接続する長尺の出力リード108の長さの範囲内で、ヘッド部86を本体部85から離れた状態で肌面に接触できることを特徴とする美容器具。
上記のように、肌用電極88を備えたヘッド部86と、グリップ電極87を備えた本体部85とを着脱可能に連結し、肌用電極88と電流調整回路とを長尺の出力リード108で接続すると、ヘッド部86を本体部85から離れた状態で肌面に接触させることができる。例えば、上腕や前腕などの肌の手入を行う場合には、肌の手入を行う側の手でグリップ電極87を握り、本体部85から分離したヘッド部86を他方の手で握って、肌用電極88を腕肌に接触することができる。従って、グリップ電極87と肌用電極88との間の導通距離を、最大でも上腕から手までの距離とすることができ、イオン導出作用、あるいはイオン導入作用を充分に発揮させて、汚れの除去や美容用液の浸透を的確に行える。また、図24に示すようにヘッド部86のみを腕肌に沿って操作すればよいので、ヘッド部86を本体部85と一体化した状態で美容処理を行なう場合に比べて、肌用電極88を自在に操作することができる。
本体部85とヘッド部86との間に、本体部85に連結したヘッド部86を分離不能にロックするロック構造が設けられており、
ロック構造をロック解除操作する解除操作具104が、ヘッド部86を本体部85に連結した状態における、グリップ電極87と肌用電極88との間のケース外面に配置してある美容器具。解除操作具104は、押しボタン以外に、スライドノブ、あるいはレバーなどで構成することができる。
上記のように、グリップ電極87と肌用電極88との間のケース外面に解除操作具104が配置してあると、ヘッド部86と本体部85と一体化した状態で美容器具を使用するとき、解除操作具104が誤って解除操作されるのを解消できる。従って、美容器具による汚れの除去や、美容用液の浸透を確実に行える。
本体部85が、前後厚みに比べて左右幅が大きな断面形状に形成されており、
本体部85の左右両側にグリップ電極87が配置され、本体部85の前後面の少なくともいずれか一方に側に解除操作具104が配置してある美容器具。前後厚みに比べて左右幅が大きな断面形状としては、長方形、長方形の各角部が丸められた形状、および前後厚みに比べて左右幅が大きな楕円形、さらに前後面および左右綿がそれぞれ外膨らみ面で形成してある形状などがある。
本体部85の左右両側にグリップ電極87を配置し、本体部85の前後面に解除操作具104を配置すると、ヘッド部86を本体部85と一体化した状態で美容器具を使用するとき、解除操作具104が誤って解除操作されるのをさらに確実に防止できる。これは、グリップ電極87を手で握った状態において、対向間隔が大きな一対のグリップ電極87に手の握力が作用し、握力が殆ど作用しない側に配置した解除操作具104が、グリップ電極87を握った手の指で操作される可能性が充分に低いからである。
本体部85とヘッド部86のいずれか一方に、肌用電極88用の出力リード108を巻込み収納するリール109を含むリード収納構造が設けてある美容器具。リード収納構造は、図21に示すように本体部85に設けるのが好適であるが、必要があればヘッド部86に設けてもよい。
本体部85の内部に、リール109を含むリード収納構造を設けると、不使用時の出力リード108を整然とリール109に巻取り収納できる。また、美容処理を行なう腕肌の部位に応じて、出力リード108を必要な長さだけ本体部85から引出して、ヘッド部86を肌面に接触できる。したがって、出力リード108が邪魔になるのを防止しながら、腕肌の美容処理を適切に行なえる。
リード収納構造が、リール109を巻込み付勢するリールばね110を含んで構成してあり、
ヘッド部86を本体部85から分離した状態において、出力リード108がリールばね110の付勢力で、常に巻込み収納される向きに引っ張り付勢してある美容器具。
本体部85から引出した出力リード108を、リールばね110の付勢力で常に巻込み収納される向きに引っ張り付勢すると、美容処理が終了したのちリール109を巻込み操作する必要もなく、出力リード108を自動的にリール109に巻取り収納できる。従って、出力リード108を収納する手間を省いて、美容器具の収納を簡便に行える。また、ヘッド部86を本体部85に連結した状態においては、出力リード108に作用する引っ張り力でヘッド部86を遊動不能に保持して、ヘッド部86ががたつくのを防止できる。図21〜図24で説明した美容器具においては、ヘッド部86の内部にバイブレータを備えることができ、その場合には出力リード108以外に、同リード108と同じ長さの給電リードを付加するとよい。
流動阻止部37は溝または凹部で形成することができ、あるいは美容用液を含浸できるスポンジ、フェルトなどをヘッド部4に固定して流動阻止部37とすることができる。美容器具は、イオン導入機能とイオン導出機能を備えていることが好ましいが、イオン導入機能だけ、あるいはイオン導出機能だけを備えている、単機能の仕様であってもよい。