[車両走行データ収集装置]
図1は、本発明に係るシステムの一実施形態である「運転状態評価システム」で解析対象となるデータを収集する車両走行データ収集装置の一例を示している。同図に示すように、この車両走行データ収集装置1は、装置本体2と、車両接続用アダプタ3と、GPSモジュール4とを備えている。装置本体2と車両接続用アダプタ3は、接続ケーブル5にて接続される。装置本体2とGPSモジュール4は、接続ケーブル6にて接続される。接続ケーブル5,6は、その一端がそれぞれ車両用接続用アダプタ3,GPSモジュール4に一体に接続され、その他端の先端に雄型のコネクタ端子を備えている。このコネクタ端子が、装置本体2の背面に設けた雌型のコネクタ端子に接続される。
車両接続用アダプタ3は、車両に実装されているOBD−II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「OBD−II」を「OBD2」と記す)コネクタに着脱自在に装着する。OBD2コネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECUに接続され、各種の車両情報が出力される。そこで、車両接続用アダプタ3と車両本体側のOBD2コネクタとを連結することで、車両走行データ収集装置1は、各種の車両情報を定期的に取得する。取得する車両情報は、車両の速度,エンジン回転数,MAF値(mass air flow:空気量),インジェクション開時間,スロットル開度等がある。OBD2コネクタは、車両側のバッテリーにも接続されており、イグニッションスイッチのONにともないOBD2コネクタの所定の端子から電力供給可能となる。そこで、車両走行データ収集装置1は、車両側のバッテリーから電源供給も受ける。
GPSモジュール4は、GPSアンテナ及び受信回路を内蔵し、GPS(Global Positioning System )信号を受信し、現在位置(経度・緯度)に加え、時刻・高度(3D測位モード)等も算出し、接続ケーブル6を経由して装置本体2側に送る。なお、GPSモジュール4の動作電源は、OBD2コネクタからの車両のバッテリー電源を用いる。
装置本体2は、矩形状の筐体からなるケース本体2aと、ケース本体2aの前面に設けたSDメモリカード用スロット2bと、動作状態を報知するLED2cと、ケース本体2aの背面に形成した2つの雌型のコネクタ端子及びモード指令スイッチ2dとを備える。さらにケース本体2aの内部には、CPUを含む演算処理その他の処理を行う制御部と、3軸の加速度センサと、ブザーと、外部機器と接続するインタフェースを備えている。
制御部は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器(SDメモリカード用スロット2b,加速度センサ,車両接続用アダプタ3,GPSモジュール4)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、上記の各種の出力機器(SDメモリカード用スロット2b,LED2c,ブザー)を利用して所定の警報や情報を出力する。
LED2cは、エンジン始動に伴い点灯し、エンジン停止に伴い消灯する。点灯するLED2cは、通常時は一定間隔(例えば1秒)に点滅し、異常時には当該一定間隔よりも短い周期で点滅する。エンジンの始動/停止判定は電源ラインの重畳ノイズを検知することで判定する。これらの判定並びに点滅制御は、制御部が行う。これにより、ユーザ(運転者)は、LED2cの点滅を見ることで正常に動作していること並びに異常があったことを確認できる。ここで異常は、例えば、危険運転をした場合がある。
加速度センサは、車の挙動を検出するもので、X軸が進行方向にかかる加速度、Y軸が横方向にかかる加速度、Z軸が上下方向にかかる加速度を検出する。これにより、X軸は急加速・急減速、Y軸は急ハンドル、Z軸は段差の乗り上げや窪みへの落ち込みといった車両の所定の挙動をそれぞれ検出する。本実施形態では、X軸とY軸の出力に基づいて危険運転を検出する。LED2cは、エンジン始動に伴い点灯し、エンジン停止に伴い消灯する。点灯するLED2cは、通常時は一定間隔(例えば1秒)に点滅し、異常時には当該一定間隔よりも短い周期で点滅する。エンジンの始動/停止判定は電源ラインの重畳ノイズを検知することで判定する。これらの判定並びに点滅制御は、制御部が行う。これにより、ユーザ(運転者)は、LED2cの点滅を見ることで正常に動作していること並びに異常があったことを確認できる。ここで異常は、例えば、危険運転をした場合がある。
ブザーは、ケース本体2aの天面に設けたスピーカ口2eの直下に配置される。制御部は、加速度センサの出力が、設定された閾値以上の場合に警報ブザー音を出力する。警報ブザー音の鳴動パターンは、危険運転の種類(急加速、急減速、急ハンドル)とレベル(センサ出力の大きさ)によりそれぞれ異ならせている。
制御部は、SDメモリカード用スロット2bに装着したSDメモリカード7にアクセスし、データの読み書きを行う。すなわち、制御部は、SDメモリカード7に記録されているファイルを読み出して各種の設定を行ったり、動作中に定期的に収集した車両の走行に関するデータ(ログ情報)や位置情報等をSDメモリカード7に記録したりする。
以下、車両走行データ収集装置1の設置から実際の使用時の動作を説明しつつ、制御部の機能を説明する。
*設置
図2(a)は、OBD2コネクタの設置位置の一例を示し、図2(b)はOBD2コネクタの正面図を示している。図2(a)に示すように、設置位置は車種により様々であり、たとえは、(1)アクセルペダル脇,(2)運転席足元右側,(3)運転席足元中央,(4)運転席足元左側,(5)センターコンソール右脇,(6)助手席足元右側,(7)ステアリング右脇パネル裏側,(8)助手席足元左側,(9)センターコンソール左脇,(10)センターコンソール下などがある。いずれにしても、OBD2コネクタは、ハンドルの周囲に存在している。
そこで、ユーザは、まず車両接続用アダプタ3を車両のOBD2コネクタに接続する。このとき、車両接続用アダプタ3と装置本体2は、接続ケーブル5により接続されている。装置本体2は、運転の妨げにならないように、センターコンソールやインパネなどに固定する。固定は、両面接着テープ等を用いる。
*初期設定
車両情報の通信プロトコルは、自動車メーカさらには車種によって相違する。従って、使用に先立ち、車両走行データ収集装置1(制御部)に対してどの車両に設置しているかを認識させる必要がある。本実施形態は、SDメモリカード7内に記録した初期設定用ファイルを用いて初期設定をして設置した車両の車種等の設定を行う。
すなわち、図3に示すように、SDメモリカード7は、設定用のファイルと、データ記録用のファイルが格納される。設定用のファイルは、初期設定用ファイルと通常設定用ファイルの2つが用意されている。初期設定用ファイルには、車両のメーカ名と車種名を含む車種情報が記録されている。この車種情報は、後述するように、運転状態評価システムによってSDメモリカード7に記録される。
初期設定は、SDメモリカード7をSDメモリカード用スロット2bに装着した状態でモード指令スイッチ2dを押下することで行う。制御部は、モード指令スイッチ2dの押下を検出すると、SDメモリカード7内の初期設定用ファイルを読み出して車種情報を取得し、車両走行データ収集装置1(ケース本体2)内の不揮発性メモリに書き込む。車種情報は、不揮発性メモリに登録されて記憶保持されるため、初期設定で設置時に1回行えばよい。
*通常設定
通常設定は、SDメモリカードのカード番号と、センサレベルと、GPSモジュールの接続の有無等のオプション情報等を車両走行データ収集装置1に覚え込ませるものである。センサレベル(衝撃感度レベル)は、加速度センサの検出感度を決定するもので、5段階にレベル分けされた中のいずれかが設定される。レベル(数値)が小さいものほど感度が低く(大きな衝撃がないと警報ブザーが鳴らない)、レベル(数値)が大きいものほど感度が高い(小さい衝撃でも警報ブザーが鳴る)設定としている。そして、実際の車両の走行中の動作では、加速度センサの出力が、設定されたレベルを超えた場合に警報ブザーが報知される。5段階のレベル分けは、具体的にはレベル1は0.5G以上で鳴動,レベル2は0.4G以上で鳴動,レベル3は0.3G以上で鳴動,レベル4は0.2G以上で鳴動,レベル5は0.1G以上で鳴動する設定としている。
この通常設定は、SDメモリカード7をSDメモリカード用スロット2bに装着する都度行う。つまり、制御部は、SDメモリカード7が装着されことを検知すると、SDメモリカード7内の通常設定用ファイルを読み出して取得した情報をRAMに書き込む。
*設置モード
ケース本体2には、3軸の加速度センサが内蔵されている。設置モードは、内蔵された加速度の初期化を行うモードである。本体の設置場所を変更したり別の車両に乗せ替えたりした場合に実行する。この初期化は、ケース本体2を車両の所定位置に固定設置した状態で以下の処理を行う。まず、ユーザは、車両を水平な場所に停止させてSDメモリカードを未装着の状態でモード指令スイッチ2dを長押し(例えば、5秒以上)し、その後、車両を前方に直進走行する。制御部18は、SDメモリカードを未装着の状態でモード指令スイッチ2dの5秒以上の長押しを検知すると、設置モードに切り替え、その時の加速度のかかる方向をZ軸方向として決定し、その後、車両の直進走行に伴いかかる加速度の方向から進行方向(X軸)を決定し、決定したZ軸及びX軸当該方向と直交する方向を横方向(Y軸)に決定する。
*通常動作
ユーザは、SDメモリカード7を入れた状態でエンジンを始動する。制御部は、エンジンの始動とSDメモリカード7の装着の両方の条件を満たした場合、1秒ごとに収集した車両の走行に関する情報(ログ情報)をSDメモリカード7に記録する。車両の走行に関する情報は、現在日時情報,現在位置情報(緯度・経度・高さ等),加速度センサ出力(X軸,Y軸,Z軸),車両情報(車両の速度,エンジン回転数,MAF値(mass air flow:空気量),インジェクション開時間,スロットル開度等)がある。制御部は、エンジン始動から停止までを1つのデータ収集期間とし、そのデータ収集期間ごとに1つのファイルを作成する。このファイルは、先頭に運転者等の端末情報を記録し、以後、1秒ごとに収集したログ情報を逐次記録する構成を採る。この端末情報は、後述するように運転状態評価システムを実行してSDメモリカードに登録してある。
加速度センサ出力(X、Y、Zの加速度)を1秒あたりそれぞれ100個(10ms周期)取得した制御部が、各100個の値を20個単位の5グループに分け、各グループで平均値を求め、さらにそれらの最大値をSDメモリカードに記録する。加速度センサの出力値の単位は、重力加速度(G)(1G=9.8m/sec^2)としている。このように平均値を求めるのは、加速度センサの出力に誤差・ばらつきを含むため、かかる誤差・ばらつき等による影響を少なくするためである。また、複数(ここでは5つ)のグループに分け、その中の最大値を求めるのは、以下の理由による。本実施形態では、データを収集する単位が1秒ごとであるが、運転の挙動が当該1秒の間同じであるとは限らない。そして、1秒間の中のある期間(比較的短い期間)で大きな加速度がかかる運転をし、それ以外の期間では加速度が小さい運転をしたような場合、瞬間的に大きな加速度がかかる運転をしたことは危険運転であることに変わりがないが、全区間でサンプリングした100個の全体の平均を求めることで、求めた加速度が低くなり危険運転でないと判断されることがある。そこで、複数のグループに分け、グループ間での最大値を加速度として記録することで、かかる1秒間の中のある期間に発生した大きな加速度が他の期間で発生している小さい加速度で埋もれてしまうことを抑制している。
制御部は、加速度センサの各軸のうちの少なくとも1つの出力値(SDメモリカードに記録する演算して求めた値)が上記の通常設定で設定されたセンサレベル以上の場合、警報ブザーを出力する。警報ブザーの音量は、本実施形態では、固定レベルとしている。
制御部は、X軸のセンサ出力値に基づいて、車両の急加速/急減速を判定する。つまり、本実施形態では、進行方向前方に走行している際に速度が加速している場合、X軸のセンサ出力値は正の値を示し、進行方向前方に走行している際に速度が減速している場合、X軸のセンサ出力値は負の値を示す設定としている。そこで、制御部は、X軸のセンサ出力値の絶対値が設定されたセンサレベル以上であって出力値が正の場合には急加速の状態と判定し、X軸のセンサ出力値の絶対値が設定されたセンサレベル以上であって出力値が負の場合は急減速の状態と判定する。
Y軸のセンサ出力値は、横方向にかかる加速度であるため、ハンドルを切った際に運転者にかかる横Gである。センサ出力値の正負は、ハンドルを切った方向が右であるか左であるかにより変わる。運転の挙動が事故につながる危険運転となるのは、急ハンドルを切って大きな横Gがかかった場合であり、その大きさの絶対値が同じであれば左右のいずれの方向にハンドルを切ったとしても危険度は変わらない。そこで、制御部は、Y軸のセンサ出力値の絶対値が設定されたセンサレベル以上の場合には急ハンドルの状態と判定する。
そして、制御部は、上記の判定結果にともない、危険運転の種類に応じた警報ブザーの鳴動やLEDの点滅制御を行う。なお、Z軸のセンサ出力値は、記録はするが警報等には利用しない。
ユーザは、エンジン停止後降車する際に、SDメモリカード用スロット2bからSDメモリカード7を取り出し、パソコンで構成される運転状態評価システムにセットし、走行中に記録した車両の走行に関する情報をかかる運転状態評価システムに吸い上げる。
<運転状態評価システムの基本構成>
本発明の係るシステムの一実施形態である運転状態評価システムは、パーソナルコンピュータ(本実施形態では一般的なノートパソコン)により構成する。従って、図4(a)に示すように、運転状態評価システムのハードウエア構成は、演算処理部11,記憶部12,入力部13,表示部14並びにカードリーダ15を備える。記憶部12は、演算処理部11が実行するアプリケーションプログラムを格納する不揮発性メモリや、演算処理部11が演算実行中に使用するワークメモリや、運転状態評価を行うために特定すべき管理者・運転者・車両・SDメモリカード等の管理用情報を記録するファイル(登録者ファイル,車両情報ファイル,端末情報ファイル)や、走行中に記録した車両の状態情報を含む走行データを記録する内部或いは外部の記憶装置(ハードディスク)がある(図4(b)参照)。入力部13は、マウス等のポインティングデバイスやキーボードである。カードリーダ15は、装着したSDメモリカード7に対してデータの読み書きをする装置である。
この運転状態評価システムは、上述した車両走行データ収集装置が収集した車両の走行に関する情報を分析し、運転者の挙動、より具体的には安全運転やエコ運転などついて評価し、その結果を出力する機能を備える。
安全運転の評価は、以下のようにする。本実施形態では、加速度センサ出力が、所定の閾値を超えた場合に危険運転があったとし、その危険運転のあった回数をカウントして出力する。つまり、危険運転の発生回数が多いほど安全運転の指標は低くなり、危険運転の発生回数が0であれば安全運転であると言える。このように、安全運転の指標を危険運転の発生回数に基づいて評価するようにした。
車両走行データ収集装置1が本実施形態のようにGPSモジュール4を備えたものの場合、走行履歴も合わせて記録する。よって、運転状態評価システムは、走行履歴データと加速度センサ出力とをリンクさせ、どの位置で加速度センサの出力値が閾値を超える危険運転があったかなどの情報も合わせて提供する。
エコ運転が行われているかの分析・評価は、以下のようにする。すなわち、アイドリングは無駄に燃料を消費しているとともに、加速時も通常時よりも燃料を多く消費しているので、それらアイドリングや加速走行は燃費を悪化させる運転とし、それら2つの運転を燃費悪化運転とし、その燃費悪化運転とそれ以外の運転を分けて車両の状態情報の必要な項目を分けて集計しエコ運転指標を求める。アイドリングは、車両情報で得られる車両の速度情報に基づき、速度が0km/hの場合をアイドリングと判定する。運転の総時間に対するアイドリングをしている時間の割合を求めたり、アイドリング時に消費した燃料を求めたり、運転前提で消費した燃料に対するアイドリング時に証した燃料の割合を求め、数値やグラフなどで表示する。また、加速は、加速度センサのセンサ出力値が一定の値(例えば0.1G)以上の場合に加速していると判定する。アイドリングと同様に加速している時間やそのときに消費した燃料を求め、運転全体に対する割合などを数値やグラフなどで表示する。
*起動処理
記憶部12にインストールされているアプリケーションプログラム(本実施形態では、「PCビューア」と称する)を起動することで、パーソナルコンピュータが運転状態評価システムとして動作する。
図5に示すように、パーソナルコンピュータの通常のプログラムの起動処理(ショートカットキーのクリック,プログラムメニューリスト内のメニュー項目のクリック等)に従いPCビューアを起動させる(S1)と、演算処理部11は、図6(a)に示すPCビューア起動画面を表示部13に表示し、お試しモードの利用か通常モードの利用かの選択を待つ(S2)。ユーザは、入力部14であるポインティングデバイスを操作し、PCビューア起動画面中に設けられた「通常モード起動」,「お試しモード起動」の2つの入力ボタンのいずれかをクリックする。よって、演算処理部11は、2つの入力ボタンのどちらがクリックされたかを検知し、対応するモードを起動する。
「通常モード起動」が選択された場合(S2はNo)、演算処理部11は、管理者ユーザが未登録か否かを判断する(S3)。つまり、演算処理部11は、記憶部12の登録者ファイルにアクセスし、少なくとも1名の管理者ユーザが登録されているか否かを判断し、未登録の場合、図6(b)に示す注意メッセージを表示部13に表示し(S4)、「OK」ボタンのクリックを待ち、管理者ユーザ登録処理を実行する(S5)。演算処理部11は、図6(c)に示す管理者ユーザの新規登録画面を表示部13に表示する。ユーザは、入力部14を操作し、新規登録画面中の各テキスト入力ボックス内に管理者名、アカウント名、パスワードを入力し、「登録」ボタンをクリックする。そこで、演算処理部11は、入力された情報に基づきそれらを関連付けたテーブル構造の管理者ユーザ情報を作成し登録者ファイルに格納する。
ここで管理者ユーザは、後述する登録者情報/車両情報/端末情報の登録・削除・変更をする権限を持ち、全てのユーザのSDカード設定、SDカードデータ取り込み、運行データ閲覧をする権限を持つ。管理者名は、ユーザの画面表示名であり後で変更も可能である。アカウント名は、ログイン時のアカウントであり変更できない。また、パスワードは、ログイン時のパスワードであり、後で変更も可能である。
次いで、演算処理部11は、ログイン処理を実行する(S6)。すなわち、演算処理部11は、図7(a)に示すログイン画面を表示する。ユーザは、入力部14を操作し、ログイン画面中の各テキスト入力ボックス内にユーザアカウントとパスワードを入力し、ログインボタンをクリックする。演算処理部11は、入力されたユーザアカウントとパスワードの組み合わせが、登録者ファイルに格納されたものと一致するか否かを判断し、一致した場合には、通常モードの実行に基づくPCビューアのメイン画面(図7(b)参照)を表示する。この通常モードの実行は、後述するように、図8に示す通常モード実行部11aが行う。
なお、すでに管理者ユーザが登録済みの場合(S3でYes)、処理ステップS6に飛び、演算処理部11は、ログイン画面を表示しログイン処理を実行する(S6)。また、後述するように管理者ユーザが登録されている場合、当該管理者ユーザは、管理対象の運転者に関する情報も登録する。そこで、運転者についてユーザアカウントとパスワードを登録することで、運転者も本システムにログインしてPCビューア画面を見ることができる。なお、この運転者についてのユーザアカウント並びに新たな管理者のユーザアカウントの追加は、登録済みの管理者ユーザが行う。
図7(b)に示すPCビューアのメイン画面は、新規の管理者ユーザ登録をした後の一連の処理ステップの実行に伴い表示したものである。つまり、車両の走行に関する情報が未登録であるため、各結果表示領域は空欄の状態となる。車両の走行に関する情報が記憶部12に登録されている場合、演算処理部11は、記憶部12にアクセスし、そこに登録されている車両の走行に関する情報を読み出し、その読み出した情報に対して分析処理し、その分析結果をPCビューアのメイン画面に表示する。
また、図7(b)に示すように、メイン画面上部(長円で囲んだ部分)に用意されたメニューをクリックすると対応する各機能が実行されてデータ収集,分析に伴う結果表示や,各種の設定等が行える。ここでメニュー項目は、左から順に「運行データ一覧」,「運行データ終日管理」,「運行データ期間集計」,「帳票」,「データ取り込み」,「端末SDカード設定」,「管理」,「パスワード変更」,「ユーザ切替」,「バージョン情報」となっている。
一方、PCビューア起動画面(図7(a))を表示して指示待ち(S2)において、「お試しモード起動」が選択された場合(S2はYes)、演算処理部11は、お試しモードの実行に基づくPCビューアのメイン画面(図7(b)参照)を表示する。このお試しモードの概略を説明すると、演算処理部11は、記憶部12にアクセスし、記憶部12に登録されているデモ用のサンプルデータファイルを読み込み、処理用のお試しモード用データとして記憶部12のお試しモード処理用データベースファイルに上書きコピーする。演算処理部11は、係る記憶部12にアクセスし、当該上書きコピーされたお試しモード処理用データベースファイルを読み出し、分析処理をし、分析結果をPCビューアのメイン画面(図7(b))の結果表示領域に出力する。
このお試しモードの動作は通常モードと同じで、新たな車両の走行に関する情報やユーザアカウントの追加登録をしたり、登録済みデータの変更や削除をしたりすることができる。これらの処理・作業は、通常モードと同じにしているため、ユーザはお試しモードを利用して操作性や分析結果等の確認が実際の通常モードを想定して正しくできる。但し、お試しモードで起動した場合のデータの登録/変更/削除は一時的な変更のみになり、アプリケーション終了でデータ変更分が保存されない。
*初期設定処理
PCビューアを起動後、実際にSDメモリカードを利用して車両の走行に関する情報の収集並びに分析・結果表示等の運用を行うに先立ち、運用で利用する「運転者」,「車両」,「端末」の情報を設定登録する必要がある。また、この初期設定により、記憶部12を構成するハードディスク等の不揮発性の記憶エリアに、各情報が登録されたファイルが生成される。このファイルに登録された情報は、その後も追加・更新が可能である。
*運転者情報等管理
管理者ユーザは、利用する運転者情報が未登録の場合、運転者登録処理を実行する。具体的には、管理者ユーザは、メイン画面上部のメニューの「管理」をクリックする。演算処理部11は、かかる「管理」がクリックされたことを検知すると、「車両一覧」,「端末一覧」,「登録者一覧」の3つのメニュー項目を有するプルダウンメニューを表示する。そして、演算処理部11は、「登録者一覧」がクリックされたことを検知すると、記憶部12の登録者ファイルにアクセスし、登録されている管理者ユーザと運転者の情報を取得し、図8(a)に示す登録者一覧画面を表示する。
そして、演算処理部11は、登録者一覧画面の「運転者新規登録」ボタンがクリックされたことを検知すると、図8(b)に示す運転者の新規登録画面を表示部13に表示する。この新規登録画面は、実際には、登録者一覧画面の上に重ねて表示する。管理者ユーザは、入力部14を操作し、新規登録画面中の各テキスト入力ボックス内に運転者名,アカウント名,パスワードを入力し、「登録」ボタンをクリックする。そこで、演算処理部11は、入力された情報に基づきそれらを関連付けたテーブル構造の運転者情報を作成し登録者ファイルに格納する。管理する運転者が複数存在する場合、上記の処理を繰り返し実行する。
運転者情報で規定される運転者ユーザは、ログインしたユーザのSDカード設定、SDカード取り込み、運行データ閲覧が可能であり、他の運転者ユーザのSDカード設定、SDカード取り込み、運行データ閲覧はできない。そして、運転者名は、ユーザの画面表示名であり、後で変更も可能である。アカウント名は、ログイン時のアカウントであり、変更できない。また、パスワードは、ログイン時のパスワードであり、後で変更も可能である。
また、新たな管理者ユーザを追加したい場合、図8(a)に示す登録者一覧画面中の「管理者新規登録」ボタンをクリックすることで行える。演算処理部11は、かかる「管理者新規登録」ボタンがクリックされると、図6(c)に示す管理者ユーザの新規登録画面を表示する。そして、管理者ユーザは、入力部14を操作し、新規登録画面中の各テキスト入力ボックス内に管理者名、アカウント名、パスワードを入力し、登録ボタンをクリックする。演算処理部11は、入力された情報に基づきそれらを関連付けたテーブル構造の管理者ユーザ情報を作成し登録者ファイルに格納する。
さらに、上述した処理を実行してすでに登録された管理者ユーザや運転者情報を修正・削除といった更新処理をする場合、管理者ユーザは、図8(a)に示す登録者一覧画面における更新処理対象の管理ユーザ或いは運転者情報の欄の「変更」ボタンB1或いは「削除」ボタンB2をクリックする。かかるクリックを検知した演算処理部11は、更新処理を実行する。具体的には、演算処理部11は、「変更」ボタンB1のクリックを検知すると図8(b)や図6(c)に示した新規登録画面の各テキスト入力ボックス内に登録済みの情報を表示し、その後「登録」ボタンのクリックを検知するとその時の各テキスト入力ボックス内の情報に更新する。また、演算処理部11は、「削除」ボタンB2のクリックを検知すると、削除して良いかの確認メッセージと「Yes」ボタン・「No」ボタンを用意した確認画面を表示し、「Yes」ボタンがクリックされたことを検知すると、該当する運転者・管理者ユーザを登録者ファイルから削除する。演算処理部11は、「No」ボタンがクリックされたことを検知すると削除しない。なお、少なくとも一人の管理者ユーザが必要なため管理者ユーザの登録数が「1」のときに当該管理者ユーザに対して「削除」ボタンがクリックされた場合、演算処理部11は、削除できない旨のメッセージと「OK」ボタンを有する確認画面を表示し、「OK」ボタンのクリックを検知すると当該確認メッセージを消去する。このように、これらの管理ユーザや運転者情報の追加・修正・削除は、管理者ユーザのみが行える。
*車両情報管理
管理者ユーザは、利用する車両情報が未登録の場合、車両情報登録処理を実行する。具体的には、まず、メイン画面上部のメニューの「管理」をクリックする。演算処理部11は、かかる「管理」がクリックされたことを検知すると、「車両一覧」,「端末一覧」,「登録者一覧」,「燃料補正」の4つのメニュー項目を有するプルダウンメニューを表示する。そして、演算処理部11は、「車両一覧」がクリックされたことを検知すると、記憶部12の車両情報ファイルにアクセスし、登録されている車両情報の情報を取得し、図9(a)に示す車両一覧画面を表示する。図示するように、車両情報が未登録の場合、項目名(車両メーカ名,車種名,車両番号,基準燃費値)のみが表示され、各項目内のデータは空欄となる。
そして、演算処理部11は、車両一覧画面の「車両新規登録」ボタンがクリックされたことを検知すると、図9(b)に示す車両情報の新規登録画面を表示部13に表示する。この新規登録画面は、実際には、車両一覧画面の上に重ねて表示する。管理者ユーザは、入力部14を操作し、新規登録画面中の各テキスト入力ボックス内に車両メーカ名,車種名,車両番号,基準燃費値を入力し、登録ボタンをクリックする。そこで、演算処理部11は、入力された情報に基づきそれらを関連付けたテーブル構造の車両情報を作成し登録者ファイルに格納するとともに、車両一覧画面に表示する。管理する車両が複数存在する場合、上記の処理を繰り返し実行する。
演算処理部11は、車両一覧画面に表示される登録済み車両情報の欄の「修正」ボタンがクリックされたことを検知すると、図9(b)に示した新規登録画面の各テキスト入力ボックス内に登録済みの情報を表示し、その後「登録」ボタンのクリックを検知するとその時の各テキスト入力ボックス内の情報に更新する。これにより登録済みの車両情報の修正が行える。また、演算処理部11は、車両一覧画面に表示される登録済み車両情報の欄の「削除」ボタンのクリックを検知すると、削除して良いかの確認メッセージと「Yes」ボタン・「No」ボタンを用意した確認画面を表示し、「Yes」ボタンがクリックされたことを検知すると、該当する車両情報を車両情報ファイルから削除する。これに伴い、車両一覧画面から該当する車両情報が消去される。
*端末情報管理
管理者ユーザは、利用する端末(上記の車両走行データ収集装置)についての端末情報が未登録の場合、端末情報登録処理を実行する。具体的には、まず、メイン画面上部のメニューの「管理」をクリックする。演算処理部11は、かかる「管理」がクリックされたことを検知すると、「車両一覧」,「端末一覧」,「登録者一覧」,「燃料補正」の4つのメニュー項目を有するプルダウンメニューを表示する。そして、演算処理部11は、「端末一覧」がクリックされたことを検知すると、記憶部12の端末情報ファイルにアクセスし、登録されている端末情報の情報を取得し、図10(a)に示す端末一覧画面を表示する。
演算処理部11は、端末一覧画面の「DMR端末新規登録」ボタンがクリックされるのを検知すると、図10(b)に示す端末の新規登録画面を表示部13に表示する。この新規登録画面は、実際には、登録端末一覧画面の上に重ねて表示する。ここで「DMR」は、「Drive Monitoring Recorder」の略であり、本実施形態との関係で言うと、車両走行データ収集装置のことを指す。管理者ユーザは、入力部14を操作し、新規登録画面中の各入力ボックス内に端末ID、取付車両、製品モデル設定、GPS設定、加速度センサーレンジを入力し、「登録」ボタンをクリックする。そこで、演算処理部11は、入力された情報に基づきそれらを関連付けたテーブル構造の運転者情報を作成し端末情報ファイルに格納する。管理する端末が複数存在する場合、上記の処理を繰り返し実行する。
端末IDは、1〜9999の中で他の端末と重複しない値を設定する。演算処理部11は、デフォルトでは「1」を表示し、入力ボックスの右端の上下のキーボタンをクリックされたことを検知すると数値を1ずつ昇降する。入力ボックスに直接数値を入力しても良い。演算処理部11は、指定可能な車両情報がプルダウンメニュー方式でリストアップされるので、ユーザは、該当する車両を選択する。つまり、演算処理部11は、車両情報ファイルをアクセスし、登録されている車両情報を取得すると共に車種名と車両ナンバーを対にし、そのうちの1つの車両を取付車両の入力ボックスに表示する。そして、演算処理部11は、入力ボックスがクリックされたことを検知すると、取得した登録済みの車両情報(車種名+車両ナンバー)をプルダウンメニュー方式で表示する。管理者ユーザは、入力部(ポインティングデバイス)13を用いてリストアップされた車両情報の中から1つをクリックして選択する。演算処理部11は、かかるクリックされた車両情報を取付車両の入力ボックス内に表示する。なお、端末(車両走行データ収集装置)を設置する車両が未登録の場合、「車両新規登録」ボタンをクリックし、先に車両情報の登録を行う。
GPS設定は、端末(車両走行データ収集装置)がGPSモジュールつきの装置か否かを設定するものである。上述した図1に示した実施形態では、GPSモジュール4が接続されているため、管理者ユーザは、「GPSあり」のラジオボタンをクリックして指定する。加速度レンジ設定は、端末に搭載されている加速度センサのレンジを指定するもので、±2G,±4G,±8G,±16Gの中から選択する。
*端末SDカード設定
管理者ユーザは、上述した運転者情報,車両情報,端末情報の登録が完了すると、次に、日々の運転・運用時に使用するSDメモリカードの設定を行う。このSDメモリカードへの設定処理は、上述した車両走行データ収集装置に対する初期設定時に使用する初期設定用ファイルや、通常設定時に使用する通常設定用ファイル等を作成するものである。実際の設定処理は、以下のように行う。
まず、管理者ユーザは、SDメモリカード用のカードリーダ15に、設定対象のSDメモリカードを装着する。パーソナルコンピュータの機能により、演算処理部11は、SDメモリカードを認識する。また、管理者ユーザは、メイン画面上部のメニューの「端末SDカード設定」をクリックする。演算処理部11は、かかる「端末SDカード設定」がクリックされたことを検知すると、図11(a)に示すDMR端末SDカード設定画面を表示する。このDMR端末SDカード設定画面は、実際には、メイン画面の上に重ねて表示する。演算処理部11は、このとき登録端末ファイルにアクセスし、登録済みの端末IDを取得すると共に、デフォルト条件に一致する端末IDの端末情報を取得し、図11(a)に示す各入力ボックス内にデフォルト情報としてその最小端末IDについての各情報を表示する。また、衝撃感度は、レベル3を表示する。さらに初期設定時の設定日時は、メニューの「端末SDカード設定」がクリックされたときのパーソナルコンピュータの内部時計の日時情報をデフォルト値として表示する。デフォルト条件は、例えば、端末IDが最小/最大のものとしても良いし、最後に登録したものとしても良い。特に最後に登録したものは、その直後にSDメモリカードに対する設定処理を行う可能性が高いので、デフォルト情報として表示するとのそのまま選択・実行することができることが多くなるので好ましい。
演算処理部11は、登録済みの端末IDを取得しているので、DMR端末SDカード設定画面の端末IDの入力ボックスがクリックされたことを検知すると、取得した全ての端末IDをプルダウンメニュー方式で表示する。そして、そのリストの中からいずれかの端末IDが選択されると、対応する端末情報を読み出し該当する入力ボックス内に表示する。
演算処理部11は、DMR端末SDカード設定画面の「設定」ボタンがクリックされたことを検知すると、その時のDMR端末SDカード設定画面の入力ボックスに表示されている各情報をSDメモリカードに登録する。このとき演算処理部11は、各情報をそれぞれ初期設定用ファイルと通常設定用ファイルに分けてファイルを作成し、SDメモリカードに格納する。
さらに、DMR端末SDカード設定画面に表示されたデータは、端末ID以外は変更可能であり、変更した状態で「設定」ボタンをクリックすると、上記の通りSDメモリカードへ両ファイルが格納される共に、記憶部12内の記憶内容も更新する。
*端末SDカード読み取り
上述した端末SDカード設定を実行して端末情報が格納されたSDメモリカードは、カードリーダ15から取り外され運転者に渡される。そして、運転者は、当該SDメモリカードを用いて、自己が運転する車両に搭載された車両走行データ収集装置に装着し、必要に応じて所定の設定処理を行った後、通常の運転を行う。そして、運転終了後は、SDメモリカードを車両走行データ収集装置から取り外して、カードリーダ15にセットし、当該メモリカードに記録された情報を読み取り、運転状態評価システムにデータを取り込む。かかる読み取り処理は、実際には以下のように行う。
管理者ユーザは、SDメモリカード用のカードリーダ15に、SDメモリカードを装着する。パーソナルコンピュータの機能により、演算処理部11は、SDメモリカードを認識する。また、管理者ユーザは、メイン画面上部のメニューの「データ取り込み」をクリックする。演算処理部11は、かかる「データ取り込み」がクリックされたことを検知すると、図11(b)に示すSDカードデータ取り込み画面を表示する。このSDカードデータ取り込み画面は、実際には、メイン画面の上に重ねて表示する。
管理者ユーザは、読み込みドライブ指定の入力ボックスから、SDメモリカードのドライブ,製品モデル(ここでは、DMR),運転者並びに車両を指定し、「実行」ボタンをクリックする。演算処理部11は、実行ボタンがクリックされたことを検知すると、運転者並びに車両の条件に一致するSDメモリカードの走行データ記録用ファイルを読み込み、記憶部12内のデータベースに格納する。このデータベースには、エンジンを始動してから切るまでを1つの単位として登録される。
図12は、記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)のデータ構造の一例を示している。図示するように、車両の状態情報ファイルは、時刻情報(実際には日付も含まれる),位置情報(緯度・経度),加速度センサ出力値(X軸,Y軸,Z軸),車両情報を、時系列に記録したテーブル構造となっている。車両走行データ収集装置1が1秒ごとに収集した他のログ情報も併せて記録する。さらに走行データには、当該ログ情報を記録するもととなる車両の運転をした運転者や、走行に使用した車両や、ログ情報の読み取り元となるSDメモリカードのカード番号(端末ID)等の走行データを特定する特定情報も記録される。なお、この特定情報として、ログ情報の記録開始日時と終了日時、すなわち、その走行データのもととなる車両の走行のエンジンをかけた日時とエンジンを切った日時も記録する。エンジンを始動してから停止するまでの1回の走行を1つの単位として上記のデータ構造のファイルが作成されデータベースに登録される。
演算処理部11は、端末SDカード読み取り処理が完了すると、「完了しました」というメッセージと「OK」ボタンを用意した完了確認画面を表示し、「OK」ボタンがクリックされたことを検知すると、当該完了確認画面を消去する。
**メモ機能
図13は、図7(b)に示すPCビューアのメイン画面の上部に用意されたメニュー項目のうち「運行データ一覧」がクリックされたことを検知した演算処理部11が、運行データ一覧画面に切り替え、さらに、演算処理部11が、その運行データ一覧画面の上方に設けた検索条件入力領域R11により指定された条件に合致する車両の状態情報ファイル(運行データ)をデータベースから読み出し、当該ファイルを特定する項目の一覧を表形式で出力する。
検索条件は、「運転者」,「車両」,「期間」がある。デフォルトでは、「運転者」,「車両」は空欄とし、期間はこのPCビューアを操作している当日を基準として過去1ヶ月間とする。つまり、演算処理部11は、始期の欄に当日の1ヶ月前の日付を表示し、終期の欄に当日の日付を表示する。演算処理部11は、「運転者」並びに「車両」の入力ボックスがポインティングデバイスにてクリックされたことを検知すると、指定可能な運転者名或いは車両名をプルダウンメニュー表示する。プルダウンメニュー表示されたリストの中から1つが指定されたならば、演算処理部11は、該当する入力ボックスにその指定された運転者名或いは車両名を表示する。「運転者」,「車両」は、空欄の場合その項目については全指定となる。始期及び終期はそれぞれ独立して変更設定可能となっている。すなわち、演算処理部11は、始期或いは終期の入力ボックスがクリックされたことを検知すると、該当する入力ボックスの直下にカレンダー方式の日付入力画面を表示し、その表示した日付入力画面の中からいずれかの日付が指定されたことを検知すると、当該指定された日付を始期或いは終期の入力ボックス内に表示する。また、この始期或いは終期の入力ボックスに表示された年月日の各値は、直接テキスト入力して変更して指定する機能も備える。図では、運転者及び車両は空欄(未指定)で、始期として「2010年11月1日」,終期として「2010年1月30日」が指定されている。
演算処理部11は、「検索」ボタンがクリックされたことを検知すると、記憶部12のデータベースに格納された各走行データファイル中の特定情報をサーチし、そのときの検索条件に合致する走行データを抽出し、その抽出した走行データについての所定の項目を表示する。また、演算処理部11は、「検索」ボタンの隣に設けられた「全件表示」ボタンがクリックされたことを検知すると、指定されている検索条件に関係なく、データベースに登録されている全ての走行データを抽出し、その抽出した走行データについての所定の項目を表示する。
この運行データ一覧における項目は、左から順に「日付」,「端末種別」,「運転者」,「車両」,「端末ID」,「開始時間」,「終了時間」,「運行表示」,「変更」「削除」,「メモ」,「端末Ver.」となっている。
「日付」は走行した日であり、仮に日にちをまたがって運転していた場合には、運転開始日(ログ情報の1番目のデータの日付)である。端末種別は、PCビューアで管理するデータ収集装置の種別であり、図示する「DMR」は、上述した「車両走行データ収集装置1」である。この「日付」,「運転者」,「車両」,「端末ID」,「開始時間」,「終了時間」は、演算処理部11が、走行データファイルに登録されている特定情報を読み出して表示する。
「メモ」の項目は、各走行データファイルに関連付けて付される自由入力形式のメモを表示するもので、走行データファイルの一項目として記憶部12内に登録される。このメモは、運転状態評価システム(PCビューア)を起動し、ユーザが所定の走行データに対して入力したデータに基づいて演算処理部11が記憶部12内の走行データファイルに登録するものである。SDカード7等から車両の走行に関する情報を取得し、記憶部12内野データベースに登録した際には、メモは未登録となる。メモが未登録の場合は空欄で表示する。「端末Ver.」は、SDメモリカード(端末)に対する初期設定が、どのバージョンのPCビューアで行われたかを示すものである。
「運行表示」,「変更」,「削除」は、それぞれ指示入力ボタンである。表形式でリスト表示された各走行データの行に表示されたそれぞれの指示入力ボタンをクリックすると、対応する処理が行われる。「運行表示」ボタンは、分析処理を指示するための指示入力ボタンである。「変更」ボタンは、走行データファイルの所定のデータに対して変更を指示するための指示入力ボタンである。「削除」ボタンは、走行データを削除指示するための指示入力ボタンである。
演算処理部11は、「運行表示」ボタンがクリックされたことを検知すると、その指定された走行データについて安全運転・エコ運転その他の分析を行い、その結果を表示する。安全運転等の分析並びにその結果表示の詳細は、後述する。また、本実施形態の装置は、係る分析を、日にちを単位で行っており、同じ日に複数の走行データが存在する場合には、それらを一括して分析するようにしている。そこで、演算処理部11は、この運行データ一覧の画面で、「運行表示」ボタンがクリックされたことを検知すると、一覧表示されている中で指定された走行データと同じ日付の走行データを探し、無い場合には、指定された走行データについてのみを分析対象とし、有る場合には指定された走行データに加えそれらの走行データも分析対象とする。
演算処理部11は、「削除」ボタンがクリックされたことを検知すると、その指定された走行データについて削除して良いかの確認メッセージと「Yes」ボタン・「No」ボタンを用意した確認画面を表示し、「Yes」ボタンがクリックされたことを検知すると、該当する走行データファイルをデータベースから削除する。演算処理部11は、「No」ボタンがクリックされたことを検知すると削除しない。
演算処理部11は、「変更」ボタンがクリックされたことを検知すると、図14(a)に示した、その指定された走行データについての変更入力画面を表示する。同図に示す変更入力画面は、実際には、運行データ一覧画面の上に重ねて表示する。
この「変更」ボタンのクリックにより変更できる走行データファイル中のデータは、運転者,車両ならびにメモの3つの項目がある。演算処理部11は、「変更」ボタンがクリックされた走行ファイルの特定情報の中から、運転者と車両の情報を読み出して、それぞれの入力ボックスに表示する。ユーザは、表示された運転者や車両を変更したい場合、その入力ボックスをクリックし、表示されたプルダウンメニューの中から該当するものを指定する。これは、例えば他人のSDメモリカードがセットされた車両走行データ収集装置1を走行し、そのときに収集した車両の状態情報か格納された当該SDメモリカードを用いて本システムに取り込むと、運転者は元々のSDメモリカードの保持者である「他人」の設定となっているため、実際に運転した運転者に変更することなどに利用できる。
メモを利用しようとするユーザは、図14(b)に示すように、変更入力画面の下方に設けられたメモ入力ボックスに、適宜のテキストを入力後、「修正」ボタンをクリックする。演算処理部11は、係る「修正」ボタンがクリックされたことを検知すると、そのときの変更入力画面の内容(運転者,車両,メモ)で、走行データファイル中の該当するデータ項目を更新する。よって、メモ入力ボックス内に適宜のテキストが入力されている場合、演算処理部11は、そのテキストを記憶部12内の走行データファイル中のメモの欄に登録する。演算処理部11は、「修正」ボタンがクリックされた場合、上記の走行データファイル中の該当するデータ項目の更新を行った後、記憶部12内の当該走行データファイルにアクセスし更新後のデータを呼び出して、運行データ一覧中の対応する走行データの各項目の表示欄に表示する。図14(b)に示すようにメモ入力ボックス内に「○○社 商談……」と入力された状態で「修正」ボタンがクリックされると、演算処理部11は、現在処理対象となっている走行データファイル中のメモを登録するエリアに、「○○社 商談……」というテキスト情報を記録するとともに、現在表示中の「運行データ一覧」中の対応する走行データ(「変更ボタン」がクリックされた走行データ)のメモ欄に「○○社 商談……」というテキスト情報を出力表示する。
ここで、入力するメモの内容であるが、本実施形態では、記載内容・項目に制限を設けず、自由に入力できるようにしている。図13を見てもわかるように、運用データ一覧にて表形式で表示されている内容は、日付や運転者や車両等であり、それらの情報に基づいて解析したい走行を特定する必要がある。すなわち、当日や昨日などの走行について分析・評価する場合には、対象となる走行データファイルも限られているとともに、日付に基づいて簡単に特定できる。しかし、ある程度期間・日数が過ぎてから、特定の走行データについて分析し評価結果を見てみたいと言う要求がある。例えば、「ある場所に行ったときに渋滞に巻き込まれたがそれでもエコ運転はできていたか?」,「山道など上り・下りやカーブが多かったが、それでもエコ運転・安全運転はできていたか?」など、特定の事象の時の運転の状況を確認したい場合、自分の記憶から日付を特定し、該当する走行データの「運行表示」ボタンをクリックし、実際に分析させた結果を見て、目的の走行データか否かを確認する。このとき、目的の走行データでない場合には、この運行データ一覧に戻って再度別の日付のものについて上記の処理を繰り返し行うことになる。
これに対し、本実施形態のように、各走行データファイルにメモを記録できるようにしているため、そのメモの内容を見るだけで、どの走行の時のファイルであるかを特定しやすくなる。よって、目的の走行データをすぐに特定し、分析結果を見ることができる。例えば、図14(b),図15に示すように、メモの欄に、行き先(ここでは、「○○社」)や、訪問先での内容(ここでは、「商談 サンプル持ち込み」)や、その他の状況(ここでは、「道路渋滞」)などを記入しているため、そのとき走行した運転の状況も思い出しやすく、分析すべき適切な走行データファイルを容易に特定できる。また、評価結果を見て自己の運転のしかたの検証を行う場合に、上述した自分では避けられない特別な事由がある場合に、正しく検証が行える。
メモに記入する内容は、使用者が任意に設定できる。例えば、自分に関する情報がある。自分に関する情報は、例えば、その日の体調・気分・睡眠不足・風邪気味などの主観的な情報や、体温・血圧・睡眠時間などの客観的な情報がある。別のメモの内容としては、車に関する情報がある。車に関する情報は、例えば、エアコンを強く(温度設定を高め/低めに)かけていたなどの燃費に関係する情報、エアコンの効き具合・スムーズに発進・アクセスやハンドル操舵に対する応答性の良否等の車の調子の情報などがある。
別のメモの内容としては、道路・交通等の車の外部に関する情報がある。車の外部に関する情報は、例えば、未舗装道路,山道,カーブ多い等の道路についての情報や、渋滞,工事中,○○交差点で交通事故等の交通についての情報などがある。
さらに、別のメモの内容としては、天気の情報がある。天気は、例えば台風,大雨,雪などがある。これらのメモに記載した内容は、特定の走行を思い出しやすい特異な事象であったり、安全運転(危険運転)やエコ運転の分析・評価があった場合にその原因を特定するために有益な情報になったりする。
さらにこれ以外にも、事象を特定するための有意義な(自己が思い出しやすい)ための情報としては、行き先や、納品した商品を特定する情報(型番・配送番号等)や、訪問理由や、訪問先での行為などがある。さらに、運転者の変更をメモとして記入してもよい。本来であれば、運転者が変わる時にはエンジンを切り、SDメモリカードも変えるが、変わった運転者がSDメモリカードを持ち合わせていない場合そのままSDメモリカードを交換せずに走行に伴う車両の状態情報を記録することがある。係る場合、このように運転者の変更をメモに記録していることで、上述した変更入力画面(図14)を用いた運転者の変更を間違いなくスムーズに行える。
[帳票でのメモ]
本実施形態では、各種の日報,月報や、期間集計,安全運転指標など各種の視点で纏めた帳票を作成する機能を有する。具体的には、演算処理部11は、メイン画面上部のメニューの「帳票」がクリックされたことを検知すると、帳票作成管理画面に切り替える。図16は、帳票作成管理画面において、さらに、日報が選択されて、作成する日報の種類をプルダウンメニュー方式で表示した状態を示している。
この状態で、演算処理部11は、運転日報がクリックされたことを検出すると、図16(b)に示す運行日報帳票を作成する運行日と運転者を指定する条件指定画面を、現在表示している帳票作成管理画面上に重ねて表示する。運行日は、デフォルトはパソコンが持つ内部時計に従い、本日の日付を表示する。このようにすると、ユーザは、SDメモリカートの読み込みを行った直後に帳票を見ると、運行日の入力することなくそのまま「作成」ボタンをクリックするだけで登録した当日走行した運転についての日報を見たり作成したりすることができる。ユーザは、運行日の入力ボックスに該当する日付を入力することで、別の日についての日報を出力することができる。本実施形態では、「2010/11/20」を指定している。
演算処理部11は、条件指定画面の運転者入力ボックスがクリックされたことを検知すると、データベースに登録済みの運転者一覧をプルダウンメニュー方式で表示し、その表示した運転者のいずれかが指定されたことを検知すると、当該運転者名を運転者入力ボックス内に表示する。図では、「管理者」が指定されている。
さらに本実施形態では、条件指定画面には、運転者入力ボックスの下にメモ入力領域としての「フリー記入欄」を設けた。上述した運行データ一覧における「メモ」と同様に、この「フリー記入欄」を用いて自由にテキストの入力ができる。ここで入力されたテキストの内容は、運行日報に反映される。すなわち、日付単位でまとめられたひとかたまりのデータに対するメモとして記述される。
条件指定画面には、運転者入力ボックスの下に「作成」ボタンと「キャンセル」ボタンが用意されている。演算処理部11は、「キャンセル」ボタンがクリックされたことを検知すると、条件指定画面の表示を終了する。また、演算処理部11は、「作成」ボタンがクリックされたことを検知すると、指定された運転者と運行日の条件を満たす車両の走行に関する情報のファイルを探し、当該ファイルに格納された車両の走行に関する情報を読み出すとともに所定の分析を行い、分析結果に基づいて図17に示す運転日報を表示する。
図17に示すように、運行日報には、その右下に、フリー記入欄表示領域R7を設けており、演算処理部11は、このフリー記入欄表示領域R7に、上述した条件指定画面の「フリー記入欄」に入力されたメモを表示する。このフリー記入欄に入力したメモデータは、表示画面に表示しプリントアウトできるようにしているが記憶部12に記録保持はしない。
図示した例では、その日の天気の情報として「台風接近」と記録されている。例えば、通常の営業時には、複数或いは多数の車両が走行しているのに、図17に示す日付の時には、1台の車両が1回走行したようなケースでも、このフリー記入欄表示領域R7に「台風接近」と記録されていることで、車での外出を控えたことがすぐにわかる。
特に、この日報は、個々の走行データファイルに関連付けるものではなく、その日の全体の運行に関係する情報を記入すると良い。自由な入力が担保されているため、図示する例のように、同日の走行データファイルが1件しかなかったり、少なかったりする場合には、個々の走行データファイルについてのメモを記入しても良い。
*分析処理
演算処理部11は、上記のようにしてデータベースに登録された車両の走行に関する情報を読み出し、各種の分析を行い、結果を出力する。具体的には、以下の各種の処理を行う。この分析処理は、後述する分析結果を出力する際に、その都度データベースにアクセスして対象となる車両の走行に関する情報を取得して行う。
**エコ運転の評価
本実施形態のPCビューアは、以上のように記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納された車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)に基づいて、エコ運転評価と安全運転評価とを行って表示する。
図18は、メイン画面上部のメニューの「運行データ終日集計」を押下した場合のエコ運転評価と安全運転評価の結果表示画面である。この「運行データ終日集計」の表示画面は、表示条件入力領域R1と、地図表示領域R2と、運行ファイル一覧リスト表示領域R3と、集計表示領域R4と、分析結果表示領域R5を備えている。
表示条件入力領域R1は、上部に分析対象の車両の走行に関する情報を特定するための運転者並びに運行日の入力ボックスが配置され、その下にイベント抽出レベル指定ボックス、経路地図表示モード指定ボタン、地図ウインドウ表示箇所指定ボタンが用意される。
運転者入力ボックスは、分析対象の運転者を指定する領域である。演算処理部11は、入力部14であるポインティングデバイスにて当該ボックスがクリックされたことを検知すると、データベースに登録済みの運転者一覧をプルダウンメニュー方式で表示し、その表示した運転者のいずれかが指定されたことを検知すると、当該運転者名を運転者入力ボックス内に表示する。図では、「運転者a」が指定されている。
運行日入力ボックスは、分析対象の走行した日を指定する領域である。演算処理部11は、入力部14であるポインティングデバイスにて当該ボックスがクリックされたことを検知すると、カレンダー方式の日付入力画面を表示し、その表示した日付入力画面の中からいずれかの日付が指定されたことを検知すると、当該指定された日付を運行日入力ボックス内に表示する。また、この運行日入力ボックスは、デフォルト値として本日の日付を表示する。そこで、表示された年月日の各値を直接テキスト入力して変更して指定する機能も備える。図では、「2011年3月26日」が指定されている。
運行日入力ボックスの右下に「運行ファイル表示」ボタンが用意されている。演算処理部11は、当該ボタンがクリックされたことを検知すると、指定された運転者と運行日の条件を満たす車両の走行に関する情報のファイルを探す。演算処理部11は、該当するファイルが存在したならば、当該ファイルに格納された車両の走行に関する情報を読み出すとともに上記の分析を行う。また、同日に複数のファイルが存在する場合、演算処理部11は、その複数のファイルを全て分析処理する。
演算処理部11は、この分析結果を運行ファイル一覧リスト表示領域R3と、集計表示領域R4と、分析結果表示領域R5の各領域に、結果をそれぞれの表示領域に出力する。
運行ファイル一覧リスト表示領域R3は、表示条件で指定された該当の運行データを一覧で表示する領域である。指定された日付に複数のファイルが存在する場合、その複数のファイルを全て表示する。図は、条件に合致する5つのファイルが存在していた例を示している。
この運行ファイル一覧リスト表示領域R3は、始動時刻表示欄,停止時刻表示欄,Map表示チェック欄,表示色選択ボタンを備える。始動時刻表示欄及び停止時刻表示欄には、それぞれ1回の走行に伴う車両の始動時刻と停止時刻を表示する。これは、演算処理部11が分析対象のファイルに時系列で記録された車両の走行に関する情報の最初と最後の日時データを読み取り、それを表示することで行う。Map表示チェック欄は、ON/OFFすることで地図ウインドウ表示領域R2に表示される地図上の走行経路の表示/非表示を切り替えるものである。演算処理部11は、チェックされたファイルの走行経路を地図ウインドウ表示領域R2に表示する。表示色列のボタンをクリックすると色選択が行える。演算処理部11は、その表示色列のボタンがクリックされたことを検知すると、選択された色で走行経路を表示する。
また、運行ファイル一覧リスト表示領域R3に表示されたファイル一覧リストの内、分析結果表示領域R5に分析結果を表示する際の集計対象になっているものを網掛け/色付けなどにより示すようにしている。本実施形態では、日にち単位で管理するため、デフォルトは終日集計、すなわち、同一の日付に複数のファイルが存在する場合には、全てについて分析をし、各分析結果をそれぞれ合算し、集計結果を出力する。つまり、同日に複数の走行データのファイルがあると、演算処理部11は、個々の走行データについて分析をし、その結果を演算処理部11が管理するバッファメモリ等に走行データのファイルごとに各イベント回数等を記録する。そして、演算処理部11は、それら複数の走行データについて、同一の項目についてそれぞれ合算し、分析結果表示領域R5の所定箇所に表示する。そして、このように全てのファイルが選択されて集計対象となっているため、図18では、No1からNo5の全ての項目の背景部分が所定の色(例えば青色)で塗られた状態となる。
分析結果表示領域R5は、各種の分析結果を表示するための領域である。演算処理部11は、分析結果領域R5の上端に複数のタブを突出するように表示し、ポインティングデバイスによりクリックされたタブを検知し、そのタブに関連付く分析結果領域を表示する。ここでは、本発明と関係する「エコ・安全運転評価」タブが選択された状態を示している。このエコ・安全運転評価用の分析結果表示領域R5は、区切り線Dで上下の領域に分けられている。
区切り線Dの下部領域には「参考情報」として、「空ぶかし」の「回数」とその空ぶかしによる「消費燃料」の量、「総アイドリング時間」の「総時間」とそのアイドリングによる「消費燃料」と、「長時間運転」の「総時間」とを表示する。これらは記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報をそれぞれの項目の基準と比較し、基準を満たすものを集計して表示するようにしている。
区切り線Dの上部領域は、左側領域と右側領域とに分かれており、左側領域が「エコ運転評価」、右側領域が「安全運転評価」を表示する領域である。両領域ともに最上部から最下部に向けて順に、タイトル表示部、総合評価表示部、レーダーチャート表示部、評価表表示部、総計表示部を備える。
タイトル表示部は、両領域のタイトルを表示する領域である。左側領域のタイトル表示部には左側領域がエコ運転評価表示部であることを示す「エコ運転評価」の文字を矩形で囲って表示している。右側領域のタイトル表示部には右側領域が安全運転評価表示部であることを示す「安全運転評価」の文字を矩形で囲って表示している。
総合評価表示部は、評価表表示部の五種類の評価項目の点数の平均値を数値で表示するとともにその数値の右隣に5つの星印を横に並べて表示し、左から順にその数値の整数部に対応する数の分だけ星の中を塗りつぶす処理を行う。そしてその数値の小数部に対応する部分は0.5以上の場合に左半分のみ、整数部として塗りつぶした右隣の位置の星の中を塗りつぶす処理を行い、0.5未満の場合には整数部として塗りつぶした右隣の位置の星の中を塗りつぶす処理は行わない。図18の例では、エコ運転評価の総合評価表示部には点数の数値として「3.9点」と表示するとともに、左から3つ目までの星の中をすべて塗りつぶすとともに、小数点以下の0.9に対応する4つ目の星の内部の左半分を塗りつぶして表示している。一方、安全運転評価の総合評価表示部には点数の数値として「4.2点」と表示するとともに、左から4つ目までの星の中をすべて塗りつぶすとともに、小数点以下の0.2に対応する4つ目の星の内部の塗りつぶしは行っていない。このようにして総合評価表示部の数値や星の数を見ることでその日の運転のエコ運転と安全運転の総合評価点を直感的に容易に把握することができる。
レーダーチャート表示部は、評価表表示部の五種類の評価項目の項目名とその項目名の項目の点数をレーダーチャートとして表示したものである。このレーダーチャートは、全項目の点数が0の位置を中心点として垂直上方へ向けて第一項目のスケール軸を表示する。第一項目のスケール軸には、その軸長を5等分して中心点位置から順に「0」「1」「2」「3」「4」「5」のスケール文字を表示する。そして、第一項目のスケール軸から時計回りにそれぞれ72度ずつの間隔をあけて順に第二項目のスケール軸、第三項目のスケール軸、第四項目のスケール軸、第五項目のスケール軸を表示する。各スケール軸の最大値はいずれも点数の最大値である5であり、各スケール軸の軸長は同一としている。中心点から最大値に該当する位置までの距離を五等分して、補助線を表示する。すなわち、このレーダーチャートの外周として、隣り合う各項目の点数が5点の位置を結んだ正五角形の補助線を表示し、レーダーチャートの内部には、隣り合う各項目の点数が4点の位置を結んだ正五角形の補助線と、隣り合う各項目の点数が3点の位置を結んだ正五角形の補助線と、隣り合う各項目の点数が2点の位置を結んだ正五角形の補助線と、隣り合う各項目の点数が1点の位置を結んだ正五角形の補助線とを表示する。各スケール軸の外側にはそのスケール軸の項目名の文字を表示する。そして、各項目のスケール軸上に、その項目名の点数をプロットし、隣り合う各項目の点数のプロット位置を結ぶ実線を表示するとともに、その実線で囲まれた領域を透過色のグレーで塗りつぶす。図18の例では、エコ運転評価のレーダーチャート表示部に第一項目として「発進」、第二項目として「加速度」、第三項目として「巡航」、第四項目として「停止」、第五項目として「アイドリング」の点数をプロットして隣り合う各項目の点数のプロット位置を結ぶ実線を表示するとともに、その実線で囲まれた領域を透過色のグレーで塗りつぶしている。また安全運転評価のレーダーチャート表示部に第一項目として「加減速」、第二項目として「ハンドル」、第三項目として「巡航」、第四項目として「制動」、第五項目として「発進」の点数をプロットして隣り合う各項目の点数のプロット位置を結ぶ実線を表示するとともに、その実線で囲まれた領域を透過色のグレーで塗りつぶしている。このようにすることで、各項目の点数のバランスを容易に把握することができる。
評価表表示部は、列と行からなる表である。エコ運転評価の評価表表示部は、最上部の行がそれ以下の行の示す内容を示すタイトル行である。列は左から右に向かって順に、項目の項目名を表示する「エコ運転操作」列と、項目内の小項目の小項目名を表示する「評価項目」列と、「評価項目」列に表示した評価項目に対応する評価基準に該当するこの日の車両の走行データファイル内のログ情報中の総件数または累積時間を表示する「総件数or累積時間」列と、「総件数or累積時間」列に表示した総件数または累積時間に基づいて改善可能な燃料の量をリットル単位で算出して表示する「改善可能燃料」列と、「評価項目」列に表示した評価項目に対応する点数の評価基準に該当する所定単位における件数または時間と、その件数または時間に基づいて算出する点数を表示する「点数」列と、その評価項目の評価基準に該当する位置を地図表示領域R2にポイント表示するか否かを選択するチェック欄を表示する「Map表示」列とを備える。改善可能な燃料の量は補正係数で補正された値を用いる。各評価基準は、評価項目を評価するために使用できる任意のものとすることができる。例えば「発進」については、発進から5秒後の車速状態から適正性を判定するようにしてもよい。例えば、エコ判定において過去においてエコでないと判定された発進状態における発進から5秒間の使用燃料の平均を理想消費燃料とみなし、これと実際の消費燃料量との差を改善可能な燃料の量として算出しても良い。例えば、「加速」については、車速から算出した所定値以上の加速度の継続時間状態により適正性を判定するようにしてもよい。「巡航」の「速度ムラ」はたとえば車速が巡航速度に達している際の所定時間内の車速変化から適正性を判断するようにしてもよい。その他、公知の各種の基準を用いてもよい。点数は、5点満点で最低点は0点として小数第一位まで算出して表示する。
「Map表示」列のチェック欄は、ON/OFFすることで地図ウインドウ表示領域R2に表示される地図上の走行経路の表示/非表示を切り替えるものである。運行ファイル一覧リスト表示領域R3のMap表示チェック欄にチェックが入っていてかつ「Map表示」列のチェック欄でON(チェックが入っている)状態の場合に、該当するポイントが表示されることとなる。
エコ運転評価の評価表表示部の各行は上から下へ向かって順にタイトル行、前述した第五項目である「アイドリング」、第一項目である「発進」、第二項目である「加減速」、第三項目である「巡航」、第四項目である「停止」からなり、「加減速」には小項目として「加速」と「減速」、「巡航」には小項目として「不要速度」と「速度ムラ」を備える。「点数」列の中の点数以外の項目については、小項目について求めて表示する。点数については、小項目間で総合評価した点数を表示する。
安全運転評価の評価表表示部は、「改善可能燃料」列がないほかは、エコ運転評価の評価表表示部と同様の構成である。安全運転評価の評価表表示部の各行は上から下へ向かって順にタイトル行、前述した第五項目である「発進」、第一項目である「加減速」、第二項目である「ハンドル」、第三項目である「巡航」、第四項目である「制動」からなり、「加減速」には小項目として「急加速」と「急減速」、「ハンドル」には小項目として「急ハンドル」と「急旋回」、「制動」には小項目として「急停止」と「急制動(ヒヤリハット)」とを備える。
エコ運転評価の総計表示部には、エコ運転評価の評価表表示部の「改善可能燃料」列のすべての行に表示した値を総計した値を小数第二位まで表示する。また、危険運転評価の総計表示部には、危険運転評価の評価表表示部の「総件数or累積時間」列のうち総件数を表示している行の値を総計した値を表示する。
「改善可能燃料」列に表示する値や総改善可能燃料として表示する値は、補正係数によって補正された値としている。次に補正係数を算出するための処理について説明する。
**燃料補正
記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)から算出した改善可能燃料量等の計算消費燃料は実際に使用された実消費燃料と一致しない。そこで、計算燃料を補正するために補正係数を使用する。補正係数の算出には満タン法を用いる。
満タン法は前回給油と今回給油でともに満タンで給油を行うことで、今回給油時の給油量をその間の走行に使用した、実消費燃料とするものである。このため、前回給油と今回給油の方法を同じにする必要がある。すなわち、満タン後のチョイ足し給油などを行うと正しい実消費燃料にはならないので、必ず給油時には満タンに給油する必要がある。
PCビューアでは前回給油と今回給油のタイミングを判断することができないため、ユーザに前回給油の日時と今回給油の日時を選択させ、その間の積算計算燃料と満タン法による実消費燃料より補正係数を算出する。
F = 前回給油日時から今回給油日時までの記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)から算出した消費燃料(補正係数を含まない)
Fy = ユーザが入力した実給油量
K = 補正係数
補正係数Kは、
K = Fy / F
によって算出される。
そして補正された消費燃料F´は
F´= F * K
によって求められる。
正しく満タン法を行い、給油量と実消費燃料に誤差がなければ、1回の補正作業で、十分な精度が得られるはずである。ただし、さらに、誤差を少なくするためには、複数回の補正作業を行うことが望ましい。
例えば、
F =前回給油日時から今回給油日時までの記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)から算出した消費燃料(補正係数を含まない)
Fy : ユーザが入力した実給油量
SUM( Fy(0), Fy(n-1) ) : ユーザが入力した補正に使用する実給油量N回分の累積
SUM( F(0), F(n-1) ) : 補正に使用する消費燃料N回分の累積
とすると
補正係数Kは、
K = SUM( Fy(0), Fy(n-1) ) / SUM( F(0), F(n-1) )
と求められる。
1回分のFおよびFyを1つの燃料補正情報とすると、有限回数分の燃料補正情報を保持し、補正係数の算出を行う。
本実施形態における、燃料補正の概要は次のとおりである。
ユーザに今回給油日時と実給油量を入力させ、給油情報の登録を行う。
給油登録時に前回給油日時、今回給油日時、実給油量、計算燃料をもとに燃費補正に適用可能な条件を満たした場合、確認ダイアログを表示して燃料補正を行うかユーザに判断をさせる。
本実施形態における補正係数算出方法は次のとおりである。
F : 前回給油日時から今回給油日時までの記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)から算出した消費燃料(補正係数を含まない)
K : 補正係数
F´: 画面上に表示する補正係数を用いた計算燃料
Fy : ユーザが入力した実給油量
SUM( Fy(0), Fy(n-1) ) : ユーザが入力した補正に使用する実給油量N回分の累積
SUM( F(0), F(n-1) ) : 補正に使用する消費燃料N回分の累積
とすると、
補正係数Kは
K = SUM( Fy(0), Fy(n-1) ) / SUM( F(0), F(n-1) )
と求められる。
具体的な処理としては、補正係数を算出させるために、ユーザは、給油情報登録情報登録処理を実行する。具体的には、まず、メイン画面上部のメニューの「管理」をクリックする。演算処理部11は、かかる「管理」がクリックされたことを検知すると、「車両一覧」,「端末一覧」,「登録者一覧」,「燃料補正」の4つのメニュー項目を有するプルダウンメニューを表示する。そして、演算処理部11は、「燃料補正」がクリックされたことを検知すると、図19に示す燃料補正画面30を表示部13にダイアログとして表示する。
燃料補正画面30は、最上部に左右方向帯状のタイトルバー内にタイトル表示部31を備え、タイトルバーの下にメイン表示領域であるフォームを備える。フォーム内には、上部に車両選択部32を備え、車両選択部32の下の左側部分に前回給油日時表示部33、右側部分に今回給油日入力部34を備え、今回給油日入力部34の下に今回給油時刻選択部35を備える。今回給油時刻選択部35の右側には、上から下へ向かって順に、計算燃料表示部36、実給油量入力部37、給油登録ボタン38、給油情報確認ボタン39、閉じるボタン40を備える。
タイトル表示部31には、このダイアログのタイトルである「燃料補正」を表示している。
車両選択部32は、このダイアログで燃料補正の対象とする車両を選択するプルダウンメニューであり、選択対象の車両は、前述した車両情報登録処理によって図9(b)などのダイアログで入力されているものである。このプルダウンメニューは選択対象の表示項目として車両メーカ、車種名、車両ナンバーを「車両メーカ/車種名/車両ナンバー」のフォーマットで上から車両ID順に並べて選択可能としたものである。図19の表示例では「TOYOTA/エスティマ/名古屋 300 あ 0001」の車両(車両IDが1の車両)が選択された状態を示している(右端部は表示領域内に入らず表示されていない状態である)。例えば、図20に示す例では、「NISSAN/ノート/い 0002」の車両(車両IDが2の車両)が選択された状態を示している。燃料補正に関するすべての情報は車両IDに対応づけて車両情報ファイルに記憶され、この車両選択部32で選択された車両の車両IDに対応づけられた燃料補正に関する情報が参照され・更新される。以下の説明において、参照され、更新される情報は、この車両選択部32で選択された車両IDに対応づけられた情報である。
前回給油日時表示部33は、車両選択部32で選択された車両IDに対応づけて登録された前回給油日時を車両情報ファイルから取得して表示する。前回給油日時が未登録の場合には、図19に示すように、日時をハイフンで表示する。前回給油日時が登録されている場合には、図21に示すようにその日時を表示する。このように前回給油日時表示部33は、前回給油日時を表示するだけで、変更をすることはできない。
今回給油日入力部34は、今回給油した日付を入力部14のキーボード等から入力する部分である。この部分の右側部分にあるプルダウンメニューを入力部14のマウスで右クリックしたことが検出された場合、カレンダーを表示してマウスで日付を選択入力できるカレンダーコントロールを表示して、カレンダーコントロールから日付を選択して入力することも可能に構成されている。
今回給油時刻選択部35は、記憶部12内にエンジンを始動してから停止するまでの1回の走行を1つの単位として記録されているファイルのうち、今回給油日入力部34で入力された日付の走行データを記録したファイルを抽出し、その走行データファイル内のログ情報の記録開始日時、すなわち、エンジンを始動させた日時を取得して、リスト表示する。
図19では、2011年2月5日の走行データファイル内の記録開始日時を上から時刻順に表示している。図19では、第一の走行単位の開始時刻が11時13分37秒、第二の走行単位の開始時刻が11時23分14秒、第三の走行単位の開始時刻が11時26分53秒、・・・(以下同様)・・・であることを示している。ユーザはこれらの時刻のリストの中から、給油した時刻を選択する。図19では、ユーザが給油したのはお昼の休憩時刻に入る直前であったことをこのリストをみて思い出し、開始時刻が12時01分09秒を入力部14のマウスの右クリックの検出によって選択表示(反転表示)した状態を示している。
計算燃料表示部36は、前回給油日時から、選択入力された今回給油日時までの間の走行日時が含まれる車両の走行データファイル内のログ情報に基づき求めた計算燃料(F´)を表示するものである。単位はリットルで表示する。
実給油量入力部37は、今回給油日入力部34で入力された日の今回給油時刻選択部35で選択された時刻にエンジンを停止して給油した実給油量を単位をリットルとして入力する部位である。
給油登録ボタン38は、今回給油日入力部34で入力された日の今回給油時刻選択部35で選択された時刻に実給油量入力部37に入力された実給油量を給油したものとして、前述した補正係数Kを求める処理を行う指示を入力するボタンである。このボタンは、前回給油日時以降の日時が今回給油日時として入力選択され、実給油量が入力された時点で有効化(押下可能と)する。
給油情報確認ボタン39は、給油情報確認ダイアログの表示指示を入力するボタンである。
閉じるボタン40は、この燃料補正ダイアログを閉じる指示を入力するボタンである。
次に、給油登録ボタン38が押下された際の処理を図22のフローチャート及び、図19のように、今回給油日時として「2011年2月5日12時01分09秒」、実給油量として「50.00」リットルが入力された場合の表示例を図に示して説明する。
演算処理部11は、給油登録ボタン38の押下を検出すると、図22の給油登録ボタン押下時フローに示す処理を開始する。まずS110では、前回給油時日時がある(登録されている)か否かを判定する。前回給油日時がある場合にはS140へ移行し、前回給油日時がない場合にはS120へ移行する。例えば、図19の例では、前回給油日時表示部33にハイフンで表示しているように前回給油日時はないので、S120へ移行することとなる。一方、図21の例では前回給油日時表示部33に前回給油日時を表示しているように前回給油日時はあるのでS140へ移行することとなる。
S120では、確認画面1を表示する。確認画面1は燃料補正画面30の上に重ねて表示するダイアログである。図23は、図19の状態で給油情報確認ボタン39が押下された場合に表示される確認画面1の表示例である。確認画面1は、フォーム内の上部に矩形の枠を表示し、この枠内に上から下に順に左右方向の行として「前回給油日時」、「今回給油日時」、「実給油量」、「計算燃料」を表示する領域を有する。「前回給油日時」は、未登録であるからハイフンで表示している。今回給油日時と実給油量は、図19の燃料補正ダイアログで指定された今回給油日時と実給油量を表示している。計算燃料はハイフン表示とする。確認画面1は下部左側に「Yes」ボタン、下部右側に「No」ボタンを備える。矩形の枠と、「Yes」ボタン及び「No」ボタンとの間には、『前回給油の情報が存在しないため補正は行えません。給油情報の登録のみを行います。(燃料補正は次回の給油情報登録時に行えます) 登録しますか?』といったガイド文字列を表示している。
続いてS130へ移行し、「Yes」ボタンの押下が検出された場合にはS200へ移行し、「No」ボタンの押下が検出された場合には、確認画面1を消去して、給油登録ボタン押下時フローの処理を終了する。給油登録ボタン押下時フローの処理を終了すると、給油登録ボタン押下時フローの処理が呼び出されたときの燃料補正画面30の表示処理へ戻る。以下この処理を単にこのフローを終了すると記載する。
一方、S140では、この補正が初回の補正であるか否かを判定し、初回の補正であればS150へ移行し、初回の補正でなければS160へ移行する。
S150では、確認画面2を表示する。確認画面2は燃料補正画面30の上に重ねて表示するダイアログである。図24は、図21の状態で給油情報確認ボタン39が押下された場合に表示される確認画面2の表示例である。確認画面2は、フォーム内の上部に矩形の枠を表示し、この枠内に上から下に順に左右方向の行として「前回給油日時」、「今回給油日時」、「実給油量」、「計算燃料」を表示する領域を有する。前回給油日時と計算燃料は、図21の燃料補正ダイアログで表示した前回給油日時と計算燃料を表示する。今回給油日時と実給油量は、図21の燃料補正ダイアログで指定された今回給油日時及び実給油量を表示している。確認画面2は下部左側に「Yes」ボタン、下部右側に「No」ボタンを備える。矩形の枠と、「Yes」ボタン及び「No」ボタンとの間には、『給油情報の登録を行い、燃料補正値の変更を行いますか?(補正値は次回以降のデータ取り込み時に有効になります)』といったガイド文字列を表示している。
また確認画面2は最下部右側に「給油情報の登録」ボタンを備え、「Yes」ボタン及び「No」ボタンと「給油情報の登録」ボタンとの間の「給油情報の登録」ボタン寄りの位置には、『燃料補正値の変更を行わず、給油情報の登録のみを行う場合はこちら』といったガイド文字列を表示している。続いてS180へ移行する。
一方、S160では、計算燃料と実給油量との差が10%未満であるか否かを判定する。計算燃料と実給油量との差が10%未満である場合にはS150へ移行し、計算燃料と実給油量との差が10%未満でない場合にはS170へ移行する。
S170では、確認画面3を表示する。確認画面3は燃料補正画面30の上に重ねて表示するダイアログである。図25は、図26の状態で給油情報確認ボタン39が押下された場合に表示される確認画面3の表示例である。図26に示すとおりこの状態は、計算燃料が40.60リットルに対し、実給油量が45リットルであり、計算燃料と実給油量との差が10%未満でない場合に当たる。確認画面3は、フォーム内の上部に矩形の枠を表示し、この枠内に上から下に順に左右方向の行として「前回給油日時」、「今回給油日時」、「実給油量」、「計算燃料」を表示する領域を有する。前回給油日時と計算燃料は、図26の燃料補正ダイアログで表示した前回給油日時と計算燃料を表示する。今回給油日時と実給油量は、図26の燃料補正ダイアログで指定された今回給油日時及び実給油量を表示している。確認画面3は下部左側に「Yes」ボタン、下部右側に「No」ボタンを備える。矩形の枠と「Yes」ボタン及び「No」ボタンとの間には、『[警告]実給油量と計算燃料に大きく差があります。前回給油日時および実給油量に誤りがある場合燃料補正値の算出が正しく行えません。前回給油日時が異なる場合は燃料補正値の変更を行わず、下の「給油情報の登録」ボタンで給油情報のみ登録し、次回の給油で燃料補正値の変更を行ってください。給油情報の登録を行い、燃料補正値の変更を行いますか?(補正値は次回以降のデータ取り込み時に有効になります)』といったガイド文字列を表示している。
また確認画面3は最下部右側に「給油情報の登録」ボタンを備え、「Yes」ボタン及び「No」ボタンと「給油情報の登録」ボタンとの間の「給油情報の登録」ボタン寄りの位置には、『燃料補正値の変更を行わず、給油情報の登録のみを行う場合はこちら』といったガイド文字列を表示している。続いてS180へ移行する。
S180では、「Yes」ボタンの押下が検出された場合にはS190へ移行し、「No」ボタンの押下が検出された場合には、表示している確認画面を消去して、このフローを終了する。「給油情報の登録」ボタンの押下が検出された場合にはS200へ移行する。
S190では、前述した計算式によって、補正係数を算出し、前回給油日時、今回給油日時、実給油量、計算燃料、補正係数を車両情報ファイル内に設けた燃料補正用給油情報の履歴に追記する。なお、PCビューアの起動時には、この履歴を読み込み、各種の処理に利用する。例えば、補正係数は図18に示したエコ運転評価の改善可能燃料の算出時にも利用する。なお、補正係数は、例えば、履歴の中から最新のものを読み込んで処理に利用するようにする。このようにすれば、再計算の時間が不要となる。そして、S200へ移行する。
S200では、入力された今回給油日時を最終給油日時(前回給油日時)に設定して更新して、このフローを終了する。
以上のように、本運転状態評価システムによれば、OBDコネクタ等を介して取得した車両情報に基づいて求めた燃料使用量である計算燃料とユーザによって入力された実給油量とに基づいて補正係数を求め、その補正係数に基づいてエコ運転評価等の処理を行う情報システムにおいて、エンジン始動時の日時である各走行単位の走行データファイル内の記録開始日時と、エンジンの始動から停止までの間の車両情報を1つの走行データファイルとして車両情報を記憶するデータベースと、前回の給油日時を特定する情報である前回給油日時(最新の今回給油日時)を記憶する車両情報ファイルと、データベースに記憶された記録開始日時に基づきエンジン始動時の日時情報を今回の給油日時の候補として表示し、車両情報ファイルに記憶された前回給油日時(最新の今回給油日時)によって特定された前回の給油日時から、前記候補の今回の給油日時までの範囲の前記第一記憶手段に記憶された前記車両情報に基づく燃料使用量を表示するとともに、前記実給油量の入力を受け付ける制御を行う制御手段を備える。
このようにすれば、今回の給油日時の候補としてエンジン始動時の日時情報が表示される。そして、前回の給油日時から、その候補の今回の給油日時までの範囲の車両情報に基づく燃料使用量である計算燃料が表示される。そして、この範囲の計算燃料を見ながら、実給油量の入力を行うことができる。
例えば、図21と図27は、今回給油時刻選択部35の選択時刻以外は同一の状態での表示例である。すなわち、図21の今回給油時刻選択部35の選択時刻17:59:04の状態から図27の今回給油時刻選択部35の選択時刻19:44:55に変更した例である。図21の選択時刻17:59:04では計算燃料は51.18リットルであるのに対し、図27の今回給油時刻選択部35の選択時刻19:44:55では計算燃料は53.40リットルである。このように、前回の給油日時から、その候補の今回の給油日時までの範囲の車両情報に基づく燃料使用量である計算燃料が表示されるので、ユーザーが実給油量の入力忘れがあるかどうかを、この表示された計算燃料を見て確認することができる。例えば、表示された計算燃料がその車両情報を記憶した車両の燃料タンクの容量よりも多かったり、通常の満タン給油時の量より明らかに多かったりする場合などには、実給油量の入力忘れがあったということが分かる。例えば、本実施形態のように、前回の給油日時から、今回の給油日時までの使用燃料の累積を計算上の燃料(計算燃料)として表示することで、本来入るべき実給油量を認識することができ、この給油量とを今回の給油量が異なる場合、記録されている前回の給油日以降に燃料を入れた可能性や前回の給油量の入力ミスがあったことが明確にわかる。また、給油する際にはエンジンを停止することから、エンジン停止時の日時またはエンジン始動時の日時を範囲の特定に利用するとよい。
候補は所定の基準で選択した一つとしてもよいし、本実施形態のように複数としてもよい。特に例えば候補として現在に直近するエンジン停止時の日時を表示し、前回の給油日時からこの現在に直近するエンジン停止時の日時までの範囲の計算燃料は、表示するようにしてもよい。
データベースに記憶する車両情報としては、所定時間間隔で取得した車両から得られるOBD情報(例えば、車速、MAFまたはインジェクション情報)を含む。データベースの格納領域としては、例えば、メモリカード、ハードディスクとするとよい。例えば、本実施形態のように車両情報として、OBDによるデータを利用して、車載器におけるその記録単位をエンジン始動からエンジン停止までとするとよく、このデータをパソコンに備えたデータベースに取り込んで処理するようにするとよい。
前回の給油日時から、候補の今回の給油日時までの範囲のデータベースに記憶された車両情報に基づく計算燃料は、例えばこの範囲の車両情報からこの範囲の累積の使用燃料量を求め、これをこの計算燃料とするようにするとよい。累積の使用燃料量は補正係数を利用して補正した値とするとよい。
例えば、図21に示すように、前回給油日時である2011年2月5日12時1分9秒から今回給油日時として選択されている2011年3月5日17時59分4秒までの計算燃料は51.18リットルとして表示されている。この状態で「給油登録ボタン」を押下し、表示される図24の登録確認画面で「Yes」ボタンを押下して、1回目の補正係数を算出させた場合、図28に示すように、その2011年3月5日17時59分4秒は、前回給油日時(最新の今回給油日時)となる。このとき補正係数は、前述した式によって、実給油量として図21の燃料補正画面で入力された50.00リットルを、補正されていない消費燃料(補正1回目は補正されていないので図21の計算燃料と一致する)51.18リットルで除した値(51.18/50.00)となる。この後、図28のように、今回給油日時として新たに2011年3月5日の19時44分55秒を選択すると、この間の計算燃料は、この間の範囲の記憶部12内の車両の状態情報を格納するデータベースに格納されている車両の走行データファイル内のログ情報(車両の走行中に記録した車両の状態情報)から算出した消費燃料(補正係数を含まない)にこの補正係数を乗じて求めた値として2.17リットルが表示されている。一方、一回目の補正を行わないでこの日時の補正されていない消費燃料を表示させると図27に示すように2011年3月5日19時44分55秒の計算燃料は53.40リットルと表示されている。図21の状態の計算燃料との差は、53.4−51.18=2.22リットルである。この値に上述した補正係数を乗じると、2.22*(51.18/50.00)=2.17となり、上述した1回目の補正を行った場合に表示される計算燃料である2.17リットルと一致している。このようにして補正係数を用いてより実際の消費燃料の量に一致した処理を行うことができる。エコ運転評価の際の消費燃料の算出にも同様にこの補正係数を乗じてより正確な評価を行うことができる。
データベースに記憶される車両情報はそれぞれのエンジン始動からエンジン停止までの間の車両情報を特定可能に記憶されていればよく、例えば、エンジン始動からエンジン停止までを一連の車両情報として特定すべく、例えば、エンジン始動日時とエンジン終了日時を一連の車両情報と対応付けて記録するようにしてもよいし、車両情報自体にその車両情報の記憶日時含み車両情報はエンジンが起動している間のみ記録するようにしてもよい。後者であれば記録されている時間の連続性からそれぞれのエンジン始動からエンジン停止までの間の車両情報を特定可能である。
車両情報ファイルに記憶される前回給油日時(最新の今回給油日時)は前回の給油日時を特定する情報であればよく、特に、本実施形態のように前回の給油日時(最新の今回給油日時)そのものを記憶するとよい。また、前回の給油時のエンジン停止日時を前回の給油日時として記憶するようにしてもよい
運転状態評価システムとしては、本実施形態のように、PCと車両走行データ収集装置等で構成するようにしてもよいし、その他車載用電子機器や携帯端末を用いて構成してもよい。また、これらを組み合わせて各構成要素間をネットワーク等で接続したものとして実現してもよい。本運転状態評価システムは、単体のパソコンを用いスタンドアローンで実現しているが、データベースや一部の演算処理をネットワークで接続されたサーバやホストコンピュータ等で実行するネットワークシステムにより実現しても良い。
本運転状態評価システムは、当該車両情報を処理して、エコ判定や燃費の推移を示す処理を行うものである。このような処理をする場合、車両情報に算出した補正係数を利用した補正を加えた処理を行う。例えば、MAFまたはインジェクションの値から求めた計算燃料に補正係数を乗じて補正された消費燃料を算出するとよい。
本実施形態では、今回の給油日時の候補とともに、前回の給油日時を表示部14に表示する構成としている。そのため、給油日時の候補とその候補による計算燃料とともに、前回の給油日時も表示されることから、その表示された計算燃料が適切であるか否かをさらに容易に判断することが可能となる。
演算処理部11は、複数の今回の給油日時の候補を表示し、前回の給油日時から、当該複数の候補の中から選択された候補の今回の給油日時までの範囲のデータベースに記憶された車両情報に基づく計算燃料と、入力された実給油量とに基づいて補正係数を求める構成とした。そのため、ユーザは、複数の今回の給油日時の候補を見て、その複数の候補の中から今回の給油日時を選択し、その選択した範囲の間の実給油量を入力するだけで、 本運転状態評価システムによって、その選択された今回の給油日時までの範囲の計算燃料と入力された実給油量とに基づいて補正用情報が求められることになる。したがって、実給油量の入力忘れがあった場合でも、入力を忘れた今回の給油日時を容易かつ簡便確実に特定することができ、確実に精度のよい補正用情報を求めることができる。
例えば、本運転状態評価システムのように、当該車両情報を処理して、エコ判定や燃費の推移を示す計算燃料利用処理を行うものであり、車両情報に補正係数を利用した補正を加えた計算燃料利用処理を行う場合、正しい補正係数に基づいて正確な計算燃料が算出でき、精度の良い燃費判定等を行なうことができる。たとえば燃料噴射装置であるインジェクションは電気的な動作をする噴霧器を使い強制的にエンジン内やインテークマニホールド内に霧状の燃料を噴射する装置であるが、気筒数、排気量また経年変化により、補正値の決定が難しいが、本発明によれば、満タン法等による燃費補正を容易かつ簡便に精度よく行うことができる。例えば、車両情報としてMAFまたはインジェクションの値に補正用情報としての補正値を利用して計算燃料を算出するとよい。
本実施形態のように、補正係数は、実給油量と前回の給油日時と今回の給油日時の間の走行距離から算出することができる。もし、前回データを入れ忘れた場合は、前回の給油量を加えた値を実給油量とするか、計算燃料の値を実給油量として入力することで対応可能となる。
燃料を入れる際にはエンジンを停止することから例えば本実施形態のようにその記録単位の開始時刻を今回の給油日時の候補として例えばリスト化して表示するとよい。このようにすれば、簡単に今回の給油日時を特定することができる。また、前回の給油日時も表示されることから、前回の給油日時と、複数の候補の今回の給油日時との関係性を考慮して複数の候補の中から今回の給油日時を選択することができるという優れた効果を奏する。
本実施形態のように、演算処理部11は、候補のうち、選択された候補についてのみ車両情報に基づく計算燃料を表示する構成とするとよい。このようにすれば、上述した構成とあいまって、選択された候補についてのみ計算燃料が表示されることから、複数の候補のものとの混同が生じず、確実に候補を選択することができ、選択した候補に対応する実給油量を入力することができる。
本実施形態の図25や図22のS160、S170を参照して説明したように、演算処理部11は、前回の給油日時から、当該複数の候補の中から選択された候補の今回の給油日時までの範囲のデータベースに記憶された車両情報に基づく計算燃料と、入力された実給油量とが、所定の基準以上(本実施形態では10%以上)に乖離する場合に、警告を発する制御を行う構成とするとよい。このようにすれば、複数の候補の中から誤って今回の給油日時を選択してしまったり、あるいは、実給油量として入力する量を誤って多くしてしまったり逆に少なくしてしまったりした場合には、警告が発せられる。したがって、このような誤りがあった可能性があることが認識されやすくなり、容易かつ簡便確実に精度のよい補正用情報を求めることができる。
警告としては、例えば、本実施形態のガイド文字列のような警告文字列の表示やアラームの発音などとするとよい。
演算処理部11は、本実施形態のように、「Yes」ボタンの押下のような、実給油量の入力の確定指示を受け付け、実給油量の入力の確定指示が入力された際に前記候補の中から選択されていた今回の給油日時を車両情報ファイルに対して前回の給油日時として記憶する構成とするとよい。このような構成によれば、改めて車両情報ファイルに対して前回の給油日時を記憶させる機能をPCビューアに設ける必要がなく、今回の給油日時の選択をもって次回の給油時における前回の給油日時として車両情報ファイルに記憶されることになる。したがって、簡便かつ容易に前回の給油日時を入力することができる。しかも今回の給油日時を改めて次回の前回の給油日時として記憶させる場合には入力誤りなどが生じる可能性があるが、この構成によれば、入力の誤りが生じることはない。したがって、確実に精度のよい補正用情報を求めることができる。
演算処理部11は、本実施形態の燃料補正画面30のように、今回の給油日を入力するための表示を行い、データベースに記憶されたエンジン始動時の日が、入力された今回の給油日に該当する日のエンジン停止時またはエンジン始動時の日時情報を候補としてリスト表示する構成とするとよい。このような構成によれば、給油の日は分かっているがその日の中のどの時間に給油を行ったかがわからない場合に、容易に給油の時間を特定することができる。
また本実施形態のように、車両ごとの補正係数を求め、当該車両ごとの補正係数に基づいて所定の処理を行う情報システムにおいて、データベースには、車両情報を車両ごとに記憶しており、車両情報ファイルは、前回給油日時(最新の今回給油日時)を車両ごとに記憶しており、演算処理部11は、車両の選択を受け付け、選択された車両についての前記車両情報及び前記前回給油日時(最新の今回給油日時)を用いて計算燃料を表示するとともに、実給油量の入力を受け付ける制御を行う構成とするとよい。このようにすれば、車両ごとに実給油量の入力忘れがあるかどうかを、この表示された計算燃料を見て確認することができる。例えば、車両毎に最後の給油日時を記録し、今回の給油日時までの使用燃料の累積を計算上の燃料(計算燃料)として表示するとよい。このようにすれば、車両ごとに、本来入るべき実給油量を認識することができ、この給油量と今回の給油量が異なる場合、記録されている前回の給油日以降に燃料を入れた可能性や前回の給油量の入力ミスがあったことが明確にわかる。
なお、設定した補正係数は削除できるようしてもよい。例えば削除対象の車両IDを特定する画面を表示し、その特定された車両IDに対応付けて記憶された車両情報ファイル内に設けた燃料補正用給油情報の履歴を削除する構成としてもよい。
例えば「給油情報確認」ボタン39の押下が検出された場合に、図29に示すような燃料補正用給油情報確認画面を表示する。この画面には、補正係数を求めるためのN回分の燃料補正用給油情報の履歴をリスト表示する画面である。このリストには、前回給油日時と今回給油日時と実給油量と削除チェックボックスを一行としてN回分の履歴のリストを表示する(図29では図21の状態で登録された例の1回分が表示されている)。マウスクリックにより、この中から削除対象の削除チェックボックスをチェックありの状態にして、削除ボタンの押下が検出されると、削除チェックボックスがチェックありの状態の行の履歴を車両情報ファイルから削除し、補正係数をその行の履歴を排除した状態のN−1回分のものについて再計算する。図29の状態で削除ボタンを押下すると、すべての履歴が削除されることとなるので、補正前の状態(補正係数が1の状態)に補正係数が初期化される。
本運転状態評価システムにおける演算処理部11の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよく、このブログラムを記録媒体に記録して配布したり、ネットワークを介してダウンロードできるようにするとよい。また、サーバで実行されるプログラムとして構成してもよい。