JP5726600B2 - パイプルーフの構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のパイプを地山に挿入してパイプルーフを構築する方法に関する。
パイプルーフ工法では、一般に、多数のパイプを連続して又は一定の間隔を空けて地山に挿入して、これらパイプによりパイプルーフ(防護屋根)を構築する。
パイプルーフ工法に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1には、パイプルーフ工法において、隣接するパイプ同士を各々の継手部で係合連結させてパイプルーフを構築することにより、隣接するパイプ間の間隙からの土砂流出を抑制することが記載されている。
特開平10−37656号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなパイプルーフ工法では、多数のパイプが一体となり作用することでパイプルーフを構築するため、パイプ同士を連結する継手部には一体性が要求され、それゆえ、継手部が複雑な連結構造になり得る。
また、継手部が複雑な連結構造である場合には、地山へのパイプ挿入時に継手部が抵抗となってパイプの挿入が難しくなる可能性があり、それゆえ、パイプ挿入時の作業性が低下し得る。
また、既設のパイプに隣接するように継手部を介して新たなパイプを地山に挿入する場合には、挿入されるパイプが継手部を介して既設のパイプと干渉してパイプの挿入方向に誤差が生じて施工精度が低下する可能性があり、それゆえ、防護屋根としての機能が低下し得る。
本発明は、このような実状に鑑み、地山へのパイプ挿入時の作業性を向上させると共に、パイプルーフ構築時の施工精度を向上させることを課題とする。
そのため本発明では、複数のパイプを互いに間隔を空けて並列に地山に挿入してパイプルーフを構築する方法として、各パイプごとに予め設けられて各々の外周面から外方に張り出し、かつ、パイプの長手方向に延びる板状部材が、隣り合うパイプの板状部材に所定間隔の間隙を有して対向するように、パイプを地山に挿入する工程と、上記間隙をその上方より覆うように、止水性を有する地層を形成する工程と、板状部材及び上記間隙の下方に位置し、かつ、隣り合うパイプ間に位置する土砂を除去して空間を形成する工程と、この空間内に、隣り合うパイプ同士を連結する補強部材を設置する工程と、を含む。また、上記所定間隔は、止水性を有する地層が自立可能な間隔である。また、補強部材は、上記空間内に打設されるコンクリート又はモルタルを含んで構成される。ここで、本発明における「止水性を有する地層が自立可能な間隔」とは、当該間隔を有する間隙の上方に位置する止水性を有する地層がその自重や更に上方に位置する地層の自重等により崩落を起こさない程度の間隔を意味する。
本発明によれば、地山に挿入されるパイプに予め設けられた板状部材は、パイプの外周面から外方に張り出し、かつ、パイプの長手方向に延びる。これにより、パイプ外周部の構成を比較的簡素にすることができるので、地山へのパイプ挿入時にパイプが受ける抗力を比較的低く抑えることができ、ひいては、パイプ挿入時の作業性を向上させることができる。
また本発明によれば、各パイプの板状部材が隣り合うパイプの板状部材に所定間隔の間隙を有して対向するように、パイプを地山に挿入する。これにより、地山へのパイプ挿入時に、例えば、挿入されるパイプの板状部材が既設のパイプの板状部材に接触することがないので、パイプの挿入方向を安定させることができ、ひいては、パイプルーフ構築時の施工精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態におけるパイプルーフ工法を用いて構築される連通路を示す図 図1のA−A断面図 パイプの概略構成を示す図 パイプルーフの構築方法を示す図(その1) パイプルーフの構築方法を示す図(その2) パイプルーフの構築方法を示す図(その3) パイプルーフの構築方法を示す図(その4) パイプルーフ下方の空間を掘削形成する方法を示す図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、ここでは、立坑とトンネルとを連通する連通路の構築を例にとってパイプルーフの構築について説明するが、これに限るものではない。
図1及び図2は、本発明の一実施形態におけるパイプルーフ工法を用いて構築される連通路を示す。
地下構造物である連通路1は、地面2の下方(地山20)に予め掘削形成された立坑3とトンネル4とを連通する連通路である。
立坑3は、矩形状の掘削底面3aとこれを囲むように地面2から掘削底面3aまで設置された土留め壁3bとにより構成されている。
立坑3より水平方向に離間して掘削形成されたトンネル4は矩形断面を有する。また、地面2からトンネル4の底面4aまでの距離は、立坑3の深さ(つまり、地面2から掘削底面3aまでの距離)に略一致している。
連通路1は、矩形断面を有する連通路であり、その一端は、立坑3の土留め壁3bに貫通形成される貫通孔3cを介して立坑3と連通する一方、他端がトンネル4の側壁4bに貫通形成される貫通孔4cを介してトンネル4と連通する。また、地面2から連通路1の底面1aまでの距離は、地面2からトンネル4の底面4aまでの距離と、立坑3の深さ(つまり、地面2から掘削底面3aまでの距離)と、に略一致している。
連通路1の構築に先立って、その上方にパイプルーフ(防護屋根)5が構築される。すなわち、連通路1は、パイプルーフ5の下方にて構築される。
連通路1の構築方法は、例えば、以下4つの工程を含む。
(1)連通路1が構築される予定の位置の上方に、連通路1を覆うように、パイプルーフ5を構築する。
(2)パイプルーフ5の構築と並行して、及び/又は、パイプルーフ5の構築後に、パイプルーフ5の下方に連通路1構築用の空間6を掘削形成する。
(3)空間6内で、連通路1を構築する。連通路1は、例えば、ボックスカルバートによりにより構成される。
(4)空間6のうち連通路1より外方の空間に例えば流動化処理土7を充填することによって当該空間を埋め戻す。
次に、パイプルーフ5の構築方法について、図1及び図2に加えて、図3〜図7を用いて説明する。
図3は、パイプルーフ5を構成するパイプ10の概略構成を示す図である。また、図4〜図7は、図2の部分Bに対応する部位の拡大図である。
パイプ10は円形断面の鋼管であり、その長手方向の長さは、図1に示すように、連通路1の長手方向の長さより長い。従って、パイプ10を地山20に挿入した後には、パイプ10の一端部をトンネル4の上方に位置させることができる。
図3に示すように、パイプ10には、その左右両外周面にそれぞれ複数(例えば2本)の異形棒鋼11が設けられている。異形棒鋼11は、パイプ10の長手方向に沿って延びてパイプ10に溶接されている。
パイプ10内の上部には、左右両側にそれぞれ凍結管12が設けられている。凍結管12の内部には図示しないポンプ等によって冷媒を流すことが可能である。ここで、冷媒の一例としては塩水等の不凍液を挙げることができる。
左右両側の凍結管12近傍におけるパイプ10の外周面には、それぞれ、板状部材(例えば鋼板)13が設けられている。左右両側の板状部材13は、それぞれ、パイプ10の外周面から横方向に外方に張り出し、かつ、パイプ10の長手方向に沿って延びてパイプ10に溶接されている。尚、板状部材13は、パイプ10の外周面から後述するパイプ並列方向に沿うように横方向に張り出している。
本実施形態では、複数(例えば10本)のパイプ10を用いて、これらを互いに間隔を空けて並列に地山20に挿入してパイプルーフ5を構築する。
このパイプルーフ5の構築では、図4(a)〜図7(h)に示す工程を、図2における部分Bにて実施するのみならず、部分B以外の部分においても部分Bと同様に実施する。
パイプルーフ5構築時には、まず、図1、図2、及び図4(a)に示すように、複数のパイプ10が立坑3(土留め壁3b)より地山20に順次挿入される。複数のパイプ10は、連通路1が構築される予定の位置の上方に、連通路1を覆うように、アーチ状に設置される。換言すれば、複数のパイプ10は、その長手方向に対して略垂直な方向にアーチ状に配置される。ここで、アーチ状に並列配置されたパイプ10の配列方向が、本発明におけるパイプ並列方向に対応する。
地山20へのパイプ10の挿入時には、図4(a)に示すように、パイプ10の板状部材13が、隣り合うパイプ10の板状部材13に所定間隔C1の間隙を有して対向するように、パイプ10が地山20に挿入される。ここで、所定間隔C1とは、後述する図4(b)に示す凍土層21が自立可能な間隔である。また、凍土層21が自立可能な間隔とは、当該間隔を有する間隙の上方に位置する凍土層21がその自重や更に上方に位置する地層の自重等により崩落を起こさない程度の間隔である。また、所定間隔C1を有する間隙は、パイプ10間の中央部に位置している。
地山20へのパイプ10の挿入が完了すると、パイプ10の内部空間10aには充填材であるモルタルが充填される。
次に、凍結管12内に冷媒を流すと、図4(b)に示すように、凍結管12近傍のパイプ10及び板状部材13を介して周囲の地盤が凍結されて凍土層21が形成される。これにより、所定間隔C1を有する間隙の少なくとも上方が凍土層21によって覆われるので、当該間隙における止水性を確保することができる。従って、凍土層21が、本発明における止水性を有する地層として機能することができる。尚、本発明における止水性を有する地層については、少なくとも一時的に、パイプルーフ5の構築時に止水性を保持することができればよい。
このように止水性を有する地層をパイプルーフ5の全体にて形成することにより、パイプルーフ5上方全体に止水性を有する地層が形成され、この結果、パイプルーフ5の上方から下方に対して止水を行うことができる。尚、止水性を有する地層の形成手法は、上述の凍結による手法に限られない。例えば、凍土層の形成に代えて、いわゆる地盤改良により、止水性を有する地層を形成することが可能である。この地盤改良では、例えば、薬液注入用の配管をパイプ10に予め設けておき、所定間隔C1を有する間隙の上方を含むパイプルーフ5の上方を薬液注入によって止水することで、止水性を有する地層を形成することが可能である。また、この地盤改良では、いわゆる高圧噴射撹拌工法を用いて、所定間隔C1を有する間隙の上方を含むパイプルーフ5の上方に止水性を有する地層を形成することも可能である。
次に、図5(c)に示すように、パイプルーフ5の下方を掘削して連通路1構築用の空間6の一部を形成する。尚、空間6の形成方法については、図8を用いて後述する。
次に、図5(d)に示すように、高圧水噴射装置30を用いて、パイプ10間における凍土層21より下方の土砂20aを除去する。
高圧水噴射装置30は、円筒状の噴射アーム31と、噴射アーム31の先端に回転可能に取り付けられて高圧水(例えば、250MPa程度)を噴射する噴射ヘッド32と、を含んで構成される。
噴射ヘッド32は、噴射アーム31の長手方向軸を中心軸として噴射アーム31に対して回転可能である。
また、噴射ヘッド32には、第1噴射ノズル32a及び第2噴射ノズル32bからなる2種類の噴射ノズルが取り付けられている。
複数の第1噴射ノズル32aは、噴射ヘッド32の先端部に取り付けられており、噴射アーム31の長手方向に対して所定角度(例えば45°程度)傾斜した方向に高圧水をそれぞれ噴射可能である。従って、噴射ヘッド32の回転時には、第1噴射ノズル32aからの高圧水噴射により、噴射ヘッド32の先端部から噴射方向に進むほど拡径する略円錐状の高圧水噴射を実現することができる。
一方、複数の第2噴射ノズル32bは、噴射ヘッド32の基端部にそれぞれ取り付けられており、噴射アーム31の長手方向に対して略垂直な方向より噴射ヘッド先端側に若干傾斜した方向に高圧水をそれぞれ噴射することが可能である。
パイプ10間の土砂20aを除去する際には、除去対象の土砂20aの下方にて噴射ヘッド32の先端部を除去対象の土砂20aに対向させて高圧水噴射を開始し、噴射ヘッド32を回転させつつ噴射アーム31及び噴射ヘッド32を徐々に上昇させることで、土砂20aの除去を行う。
第1噴射ノズル32aからの高圧水は、パイプ10間の土砂20aをパイプ10近傍からパイプ10間中央部へと巻き込むように撹拌して除去する。従って、第1噴射ノズル32aからの高圧水がパイプ10間中央部の土砂に直接的に衝突することを抑制することができるので、パイプ10間中央部に作用する水圧を抑制することができる。
一方、第2噴射ノズル32bからの高圧水は、パイプ10の表面を洗浄する。
土砂20aを除去した後には、図6(e)に示すように、高圧水噴射装置30を用いて、所定間隔C1を有する間隙の下方におけるパイプ10間の凍土21aを除去する。この凍土除去は、上述の図5(d)に示した土砂20aの除去と同様である。尚、第1噴射ノズル32aから噴射される高圧水を比較的低流量にすることにより、所定間隔C1を有する間隙近傍の凍土の融解が抑制される。この凍土除去については、図6(f)に示すように、第1噴射ノズル32aからの高圧水の噴射方向がパイプ10と板状部材13との溶接部近傍に向かう程度まで噴射アーム31及び噴射ヘッド32を上昇させた時点で終了する。
図5(d)〜図6(f)に示したパイプ10間の土砂20a及び凍土21aの除去を、パイプルーフ5の部分B(図2参照)にて実施するのみならず、パイプルーフ5のうち部分B以外の部分においても部分Bと同様に実施して、図7(g)に示すように、パイプ10間に補強部材設置用の空間6aを確保する。
次に、図7(h)に示すように、パイプルーフ5の下方に型枠33を設置する。
この後、型枠33によって区画された空間6a内にコンクリート34を打設する。
このコンクリート34は、本発明における補強部材として機能するものであり、パイプ10同士を連結する機能を有する。尚、本実施形態ではコンクリート34を補強部材としているが、補強部材はこれに限らず、補強部材は、例えば、モルタルであってもよい。
コンクリート34が固結すると(換言すれば、空間6a内に補強部材が設置されると)、パイプ10同士が一体化される。この際、パイプ10の外周面に設けられた異形棒鋼11がジベルの機能を発揮し、コンクリート34とパイプ10とが確実に一体化される。また、第2噴射ノズル32bからの高圧水によりパイプ10の表面が洗浄されたことにより、コンクリート34が良好にパイプ10の表面に接触するので、コンクリート34とパイプ10との一体性を更に向上させることができる。尚、型枠33は、コンクリート34固結後に撤去しても良く、また、そのまま埋設してもよい。
図8は、パイプルーフ5の下方の空間6を掘削形成する方法を示す。
まず、図8(a)に示すように、立坑3側よりパイプルーフ5の軸方向(パイプ10の長手方向)に向けて(すなわち、図中左側へ向けて)掘削されており、所定距離を掘削して図5(c)に示した空間6の一部を形成した後に、図5(d)〜図7(h)に示したようにパイプルーフ5を一体化する。図8(a)の例では、掘削されて露出した長さDのパイプルーフ5が一体化されている。この際、パイプルーフ5の残りの長さEは土中に埋設され、E部のパイプルーフ5は土によって支持されている。
次に、図8(b)に示すように、パイプルーフ5の下方をパイプルーフ5の軸方向に掘削する(図中矢印G方向)。図8(b)の例では、距離Fだけパイプルーフ5の下方が掘削される。掘削された状態において、D部は既にパイプルーフ5が一体化されており、いわゆるアーチ効果が発揮されており、上方からの土圧等を受け持つことができる。一方、土中に埋設されているE部は、土によって荷重が支持されるため、土砂が崩落することがない。従って、長さFの範囲のみ、パイプルーフ5が一体化されておらず、また、下方の土砂で上方からの土圧等を支持することができない部位となる。
すなわち、掘削後にF部で露出するパイプルーフ5が一体化されるまでの間は、F部上方からの土圧等は、D部及びE部が受け持つ。従って、D部及びE部で支持可能な範囲(長さF)だけ掘削することが可能である。
図8(b)におけるF部のパイプルーフ5が一体化されると(すなわち、F部がD部となると)、同様の手順を繰り返して、パイプルーフ5の下方をパイプルーフ5の軸方向に長さFずつ掘進してパイプルーフ5を一体化する。以上の工程を繰り返しながら、パイプルーフ5の下方の空間6を掘削形成して、この空間6内にて、連通路1を構築する。
次に、本実施形態における作用について説明する。
一般に、パイプを地山に挿入すると、パイプの周囲の地盤が軟弱化する周囲軟弱化と呼ばれる現象が生じ得る。また、パイプを地山に挿入する際には、パイプは軟弱化した地盤に向かいやすいという性質がある。このため、既設のパイプに隣り合うように新たなパイプを地山に挿入する場合には、新たに挿入されるパイプは、既設のパイプ挿入時に発生した周囲軟弱化の現象と、軟弱化した地盤に向かいやすい性質とに起因して、パイプ同士が計画より近づいて配置される現象や、新たに挿入されるパイプが回転する現象等が生じ得る。従って、仮に、隣り合うパイプの板状部材同士が重なり合うことで(オーバーラップすることで)パイプルーフの上方から下方への止水性を確保しようとする場合には、パイプ同士が近づいて配置される現象や、新たに挿入されるパイプが回転する現象等により、オーバーラップする板状部材同士がせめぎあって動かなくなり得、また、板状部材が破損する可能性がある。
この点、本実施形態によれば、各パイプ10の板状部材13が隣り合うパイプ10の板状部材13に所定間隔C1の間隙を有して対向するように、パイプ10を地山20に挿入する。このため、地山20へのパイプ10の挿入時に板状部材13同士が接触する可能性を低減することができるので、板状部材13同士の接触に起因する作業性の低下を抑制することができると共に、板状部材13の破損を抑制することができる。
本実施形態によれば、地山20に挿入されるパイプ10に予め設けられた板状部材13は、パイプ10の外周面から横方向に外方に張り出し、かつ、パイプ10の長手方向に延びる。これにより、パイプ10の外周部の構成を比較的簡素にすることができるので、地山20へのパイプ10の挿入時にパイプ10が受ける抗力を比較的低く抑えることができ、ひいては、パイプ10の挿入時の作業性を向上させることができる。
また本実施形態によれば、各パイプ10の板状部材13が隣り合うパイプ10の板状部材13に所定間隔C1の間隙を有して対向するように、パイプ10を地山20に挿入する。これにより、地山20へのパイプ10の挿入時に、例えば、挿入されるパイプ10の板状部材13が既設のパイプ10の板状部材13に接触することがないので、パイプ10の挿入方向を安定させることができ、ひいては、パイプルーフ構築時の施工精度を向上させることができる。
また本実施形態によれば、所定間隔C1は、止水性を有する地層(凍土層21)が自立可能な間隔である。これにより、隣り合うパイプ10の板状部材13同士をオーバーラップさせて止水性を確保する必要がなくなるので、板状部材13同士の接触に起因する作業性の低下を抑制することができると共に、板状部材13の破損を抑制することができる。
また本実施形態によれば、第1噴射ノズル32aを用いて高圧水を土砂20a及び凍土21aに噴射して土砂20a及び凍土21aを除去する。これにより、比較的狭いパイプ10間の土砂20a及び凍土21aであっても良好に除去することができる。
また本実施形態によれば、第1噴射ノズル32aを用いて高圧水をパイプ10間における所定間隔C1を有する間隙の下方から斜め上方に向けて噴射して土砂20a及び凍土21aを除去する。これにより、第1噴射ノズル32aからの高圧水が所定間隔C1を有する間隙近傍の凍土に直接的に衝突することを抑制することができるので、当該間隙近傍の凍土に作用する水圧を抑制することができる。
また本実施形態によれば、止水性を有する地層は凍土層21である。これにより、コンクリート34等によりパイプルーフ5が一体化された後には凍土層21が元の地盤に戻るので、パイプルーフ構築時の環境負荷を低減することができる。
また本実施形態によれば、板状部材13は、パイプ10の外周面からパイプ並列方向に沿うように張り出す。これにより、所定間隔C1の間隙をその上方から覆う凍土層21がパイプ並列方向に沿って形成され得るので、パイプルーフ5の上方に凍土層21を略均一に形成することができる。また、板状部材13を仕切板として、補強部材であるコンクリート34を形成することができる。更に、板状部材13に沿って滑らかな形状に形成されたコンクリート34はパイプ10と一体となってアーチを形成することができる。
尚、本実施形態では、土砂20a及び凍土21aに高圧水を噴射することにより土砂20a及び凍土21aを除去しているが、これら土砂の除去時には、高圧水と共に、又は高圧水に代えて、高圧空気を噴射するように構成してもよい。
また本実施形態では、パイプ10は円形断面を有しているが、パイプ10の断面形状はこれに限らず、例えば、パイプ10は矩形断面を有していてもよい。
また本実施形態では、複数のパイプ10は、その長手方向に対して略垂直な方向にアーチ状に配置されているが、パイプ10の配置形状はアーチ状に限らず、例えば、パイプ10の配置形状として、門型状を採用することも可能である。
また本実施形態では、立坑3とトンネル4とを連通する連通路1の構築を例にとってパイプルーフ5の構築について説明したが、パイプルーフ5の下方にて構築される地下構造物は連通路1に限らず、例えば、一対のトンネル間に構築される構造体を、パイプルーフ5の下方にて構築される地下構造物として、本発明に係るパイプルーフの構築方法を適用することが可能である。
1 連通路
1a 底面
2 地面
3 立坑
3a 掘削底面(立坑底面)
3b 土留め壁
3c 貫通孔
4 トンネル
4a 底面
4b 側壁
4c 貫通孔
5 パイプルーフ(防護屋根)
6,6a 空間
7 流動化処理土
10 パイプ
10a 内部空間
11 異形棒鋼
12 凍結管
13 板状部材
20 地山
20a 土砂
21 凍土層
21a 凍土
30 高圧水噴射装置
31 噴射アーム
32 噴射ヘッド
32a 第1噴射ノズル
32b 第2噴射ノズル
33 型枠
34 コンクリート(補強部材)

Claims (6)

  1. 複数のパイプを互いに間隔を空けて並列に地山に挿入してパイプルーフを構築する方法であって、
    各パイプごとに予め設けられて各々の外周面から外方に張り出し、かつ、パイプの長手方向に延びる板状部材が、隣り合うパイプの板状部材に所定間隔の間隙を有して対向するように、パイプを地山に挿入する工程と、
    前記間隙をその上方より覆うように、止水性を有する地層を形成する工程と、
    前記板状部材及び前記間隙の下方に位置し、かつ、隣り合うパイプ間に位置する土砂を除去して空間を形成する工程と、
    この空間内に、隣り合うパイプ同士を連結する補強部材を設置する工程と、
    を含み、
    前記所定間隔は、前記止水性を有する地層が自立可能な間隔であり、
    前記補強部材は、前記空間内に打設されるコンクリート又はモルタルを含んで構成される、
    イプルーフの構築方法。
  2. 前記板状部材及び前記間隙の下方に位置し、かつ、隣り合うパイプ間に位置する土砂を除去して空間を形成する工程では、高圧水及び/又は高圧空気を前記土砂に噴射することにより前記土砂を除去する請求項1記載のパイプルーフの構築方法。
  3. 前記止水性を有する地層は凍土層である請求項1又は請求項2に記載のパイプルーフの構築方法。
  4. 前記板状部材は、パイプの外周面からパイプ並列方向に沿うように張り出す請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のパイプルーフの構築方法。
  5. 前記板状部材は、パイプの上部外周面から外方に張り出す、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のパイプルーフの構築方法。
  6. 前記板状部材は平板状である、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のパイプルーフの構築方法。
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