JP5716181B2 - プラズマ形成領域の制御装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ形成領域の制御装置及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマが形成される領域を制御するプラズマの存在領域の制御装置に関し、特に、大気圧以上の高圧力下でガスがプラズマ化する領域を拡大・移動させる装置及びそれを用いたプラズマ処理装置に関する。
大気圧、または、それ以上の高圧のガスから直接的にプラズマを形成すれば、高真空設備等が必要でなくなり、容易、かつ、低コストでプラズマを利用することが可能になる。また、プラズマを利用できる産業上の領域が広がる。
小規模なプラズマであれば、スパークプラグ等を用いた放電などによっても形成することが可能であるが、高圧力下では、プラズマの失活が早く、大規模なプラズマを形成することは困難であった。
この実情に対し、大気圧以上の高圧力下でプラズマを形成することが試みられている。例えば、特許文献1には、プラズマトーチを用いて、高圧力下においてプラズマを形成・維持する技術が記載されている。この技術では、高周波により原料ガスを極めて高い温度に加熱して熱プラズマを形成する。
また、特許文献2には、放電、または、レーザ光によって、超臨界流体雰囲気においてプラズマを形成する技術が記載されている。
特許文献3には、六フッ化硫黄(SF6)とヘリウムとを100気圧程度に加圧し、これらを原料ガスとして、誘電体バリア放電によりプラズマを形成する装置が記載されている。
特開2004−216231公報 特開2003−178900公報 特開2006−004684公報
ところで、放電により形成されるプラズマの大きさは、電極間の距離に依存する。また、放電によりプラズマの規模を大きくしようとすると、電極に高電圧を印加しなければならない。電極間の距離が離れるほどエネルギ効率は悪くなるので、投入エネルギが極めて大きくなる。
プラズマトーチを用いて高圧力下でプラズマを形成・維持すると、プラズマ自体も高温のため、扱いづらく、用途が限られる。また、高密度の原料ガスを高温にしなければならず、大量のエネルギが必要となる。減圧下と異なり、高圧力下では、プラズマが高温になるだけでなく、プラズマが形成される領域に存在するガスの密度が高く、熱容量も大きい。そのため、高圧力下でプラズマトーチを用いるには、熱対策が必要となる。そして、プラズマトーチを大規模にするほど、大規模な熱対策が必要になる。
また、超臨界流体をプラズマの原料として使用するには、まず原料を超臨界状態にする必要があり、汎用性に欠ける。プラズマを大規模化するには、まず大規模な超臨界状態を形成する必要があり、その設備コストは莫大なものとなる。よって、この手法は実用性に欠ける。
さらに、特許文献3に記載の装置で用いられる六フッ化硫黄は急性毒性物質であり、加えて、極めて高い大気温暖化効果を有する。そのため、この装置では、六フッ化硫黄の漏洩対策及び無害化処理に莫大な設備コストを要する。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、高圧力下において、大規模なプラズマを、容易、かつ、低コストで得ることができるプラズマの存在領域の制御装置及び着火装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係るプラズマ形成領域の制御装置は以下の構成のいずれか一を備える。
〔構成1〕
大気圧以上の圧力下でのプラズマ形成領域の制御装置であって、一、または、複数の電磁波発振器と、前記電磁波発振器に接続された一、または、複数のアンテナと、前記アンテナと共に、大気圧以上の環境に配置される電極対と、を備え、前記電極対の放電ギャップにおけるスパーク放電に先んじて、前記電磁波発振器が発振する電磁波が前記アンテナから前記放電ギャップに向けて放射されるように、電磁波の発生タイミングを表す制御信号、及び放電タイミングを表す制御信号を発信して、前記スパーク放電により放電ギャップに形成されたプラズマに、電磁波によるエネルギを供給することを特徴とするものである。
〔構成2〕
大気圧以上の圧力下でのプラズマ形成領域の制御装置であって、一、または、複数の電磁波発振器と、前記電磁波発振器に接続された一、または、複数のアンテナと、前記アンテナと共に、大気圧以上の環境に配置される電極対と、を備え、前記電極対の放電ギャップにおいてスパーク放電が生じた後に、前記電磁波発振器が発振する電磁波が前記アンテナから前記放電ギャップに向けて放射されるように、電磁波の発生タイミングを表す制御信号、及び放電タイミングを表す制御信号を発信して、前記スパーク放電により放電ギャップに形成されたプラズマに、電磁波によるエネルギを供給することを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成1、または、構成2を有するプラズマ形成領域の制御装置において、電磁波発振器及び前記アンテナを制御する制御手段は、前記電磁波発振器および前記アンテナによる電磁波の照射時間を、前記プラズマ形成領域において発生するラジカル、イオン、または、ガスと電子との熱緩和時間未満となるよう制御することを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成1、または、構成2を有するプラズマ形成領域の制御装置において、電磁波発振器及び前記アンテナを制御する制御手段は、前記電磁波発振器および前記アンテナによる電磁波の発振を、前記プラズマ形成領域ガスの温度が1500度に達する以前に終了させることを特徴とするものである。
〔構成5〕
構成1、または、構成2を有するプラズマ形成領域の制御装置において、電磁波発振器及び前記アンテナを制御する制御手段は、前記プラズマの発生予定時刻から、前記プラズマ形成領域において発生するラジカル、イオン、または、ガスと電子との熱緩和時間未満の時間が経過した時点で、前記電磁波の照射を終了させることを特徴とするものである。
〔構成6〕
構成1、または、構成2を有するプラズマ形成領域の制御装置において、前記電磁波発振器は、マイクロ波パルスを繰り返し発振し、マイクロ波パルスの繰り返し周期を、マイクロ波パルスの発振開始からマイクロ波パルスの停止後にプラズマが消滅するまでの時間よりも短くして、スパーク放電の終了後にプラズマを維持することを特徴とするものである。
〔構成7〕
構成1乃至構成6のいずれか一を有するプラズマ形成領域の制御装置において、前記放電ギャップの部分とアンテナの放射端との両方を覆う導電性の容器によりマイクロ波の共振キャビティを形成し、前記放電ギャップがマイクロ波の定在波の腹付近に配置されることを特徴とするものである。
〔構成8〕
構成1乃至構成7のいずれか一を有するプラズマ形成領域の制御装置において、外部からプラズマの位置に関する要求を受けて、その要求に応じた位置にプラズマが形成されるように、前記アンテナから放射された電磁波による強電場領域を移動させるプラズマ駆動部を備えていることを特徴とするものである。
〔構成9〕
構成8を有するプラズマ形成領域の制御装置において、前記プラズマ駆動部は、前記アンテナの位置及び方向を調節して、プラズマが熱平衡状態に達しないようにプラズマを移動させることを特徴とするものである。
〔構成10〕
構成8、または、構成9を有するプラズマ形成領域の制御装置において、前記プラズマ駆動部は、前記アンテナを変形させて前記強電場領域を移動させることを特徴とするものである。
〔構成11〕
構成1を有するプラズマ形成領域の制御装置であって、前記プラズマの形成領域は、時間方向、または、空間方向に複数存在し、前記電磁波発振器及び前記アンテナを制御する制御手段は、前記複数のプラズマの形成領域同士の間の領域に強電場領域が形成されるように前記アンテナを配置し、駆動シーケンスを定め、該駆動シーケンスにしたがい前記電磁波発振器を駆動することを特徴とするものである。
また、本発明に係るプラズマ処理装置は、以下の構成を有するものである。
〔構成12〕
構成1を有するプラズマ形成領域の制御装置において、前記電磁波発振器及び前記アンテナを制御する制御手段は、所定時刻において、前記プラズマの形成領域に対し、電場強度が極大となる箇所が複数形成されるように前記アンテナを配置し、駆動シーケンスを定め、該駆動シーケンスにしたがい前記電磁波発振器を駆動することを特徴とするも
のである。
〔構成13〕
構成1を有するプラズマ形成領域の制御装置において、前記所定時刻以降、前記電場強度が極大となる箇所同士の距離が離れるように前記アンテナを配置することを特徴とするものである。
〔構成14〕
プラズマ処理装置であって、構成1乃至構成13のいずれか一を有するプラズマ形成領域の制御装置により制御されたプラズマを用いて、プラズマ形成領域に存在する物質の処理を行うことを特徴とするものである。
本発明に係るプラズマの存在領域の制御装置は、前記構成1乃至構成14のいずれか一を有することにより、所望の電場の空間分布を形成し、プラズマの位置、規模の制御を行うことができる。また、マイクロ波の発振器側でパルスの持続時間を制御することにより、所望の温度条件(熱非平衡状態、または、所望の温度)を満たすプラズマを得ることができる。
すなわち、本発明は、高圧力下において、大規模なプラズマを、容易、かつ、低コストで得ることができるプラズマ形成領域の制御装置及びプラズマ処理装置を提供することができるものである。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、スパークプラグと共に用いられるプラズマ拡大装置100を備えたプラズマの存在領域の制御装置全体の構成をブロック図形式で示す。
このシステム100は、図1に示すように、スパークプラグ102と、スパークプラグ102に接続された昇圧コイル104と、昇圧コイル104に接続された第1のパルス電源106と、第1のパルス電源に接続されたスパーク制御装置108と、スパーク制御装置108に接続されたプラズマ拡大装置110とを有する。
プラズマ拡大装置110は、第1のパルス電源106に接続された制御手段を構成する制御部112と、制御部112に接続された第2のパルス電源114と、第2のパルス電源114に接続されたマグネトロン116と、マグネトロン116に接続されたアンテナ118とを有する。このシステムはさらに、スパークプラグ102及びアンテナ118に接合された支持部材120を有する。支持部材120は、アンテナ118がスパークプラグ102の放電ギャップに向くよう両者を支持する。
なお、システム100のうちスパークプラグ102の電極部分及びアンテナ118は、大気圧以上の高圧力下の環境に配置される。マグネトロン116は、具体的には、電子レンジ用の2.45GHz発振のものである。
〔各部の機能〕
スパーク制御装置108は、スパークプラグによる放電のタイミングを表す制御信号を発信する。第1のパルス電源106は、スパーク制御装置108の発生する制御信号に応答して、直流パルス電圧を発生する。昇圧コイル104は、一次側に印加されたパルス電圧を昇圧し、その結果得られる高電圧のパルス信号を二次側に印加する。スパークプラグ102は、高電圧のパルス信号の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で放電により、小規模のプラズマを発生させる。制御部112は、スパーク制御装置108からの制御信号に基づいてマイクロ波パルスの発生タイミングを決定し、それを表す制御信号を発生する。第2のパルス電源114は、制御部112制御信号に応答して、マグネトロン116に短時間の電力供給を行う。マグネトロン116は、電力供給を受けている期間中2.45GHzで発振し、マイクロ波パルスを発生する。アンテナ118は、マイクロ波パルスの給電を受けて、スパークプラグ102側の放射端よりマイクロ波パルスを放射する。
〔動作〕
図2に、システム100の各部の動作を時系列にしたがい示す。
以下、この図2を用いて、本実施形態に係るプラズマの拡大方法を説明する。時刻t1においては、図2(A)に示すように、スパーク制御装置108が、制御信号を発信する。これに応答して第1のパルス電源106が直流パルス電圧の発生を開始する。これにより、図2(B)に示すように、昇圧コイル104の一次側に直流パルス電圧が印加される。そのエネルギは、昇圧コイル104に蓄積される。
時刻t2において、昇圧コイル104の一次側の電流が所定値に達すると、図2(B)に示すように、昇圧コイル104の二次側に電流が流れる。スパークプラグ102への高圧パルス電圧の印加を開始し、スパークプラグ102の放電ギャップにおいてスパーク放電が生じる。その結果、放電ギャップの部分でプラズマが発生し、図2(C)に示すように、この部分での電子密度が上昇する。その後、放電ギャップの部分でプラズマが形成されるが、その領域の体積は電極間の距離に依存するため、2(D)に示すように、ある体積以上には広がらない。
このような状況下にある時刻t3において、制御部112が、第2のパルス電源114に制御信号を与えると、第2のパルス電源114は、図2(C)に示すように、マグネトロン116への給電を開始する。これに伴い、マグネトロン116は、マイクロ波パルスの発振を開始する。その結果、アンテナから、マイクロ波パルスが放電ギャップに向けて放射される。
〔作用〕
時刻t3以降、放電ギャップの部分に形成されたプラズマは、マイクロ波パルスからエネルギの供給を受ける。これにより、放電ギャップの部分の電子が加速され、プラズマの領域外へ飛び出す。飛び出した電子が、プラズマ近傍の周辺領域のガスに衝突する。この衝突により周辺領域のガスが電離し、図2(C)の破線で示されるように、プラズマになる。新たにプラズマになった領域内にも電子が存在する。この電子もまた、マイクロ波パルスにより加速され、周辺のガスと衝突する。このようなプラズマ内の電子の加速、電子とガスとの衝突の連鎖により、周辺領域では雪崩式にガスが電離し、浮遊電子が生じる。この現象が放電プラズマの周辺領域に順次波及し、周辺領域がプラズマ化される。以上の動作により、プラズマの体積が増大する。
この後、ある時刻t4において、第2のパルス電源が給電を終了すると、マイクロ波パルスの放射が終了する。その時点でプラズマの存在する領域では、電離より再結合が優位になる。その結果、電子密度が低下する。それに伴いプラズマの体積は減少に転じる。そして、時刻t5において電子の再結合が完了すると、プラズマが消滅する。
〔本実施形態の望ましい作用効果〕
この装置において、所望の大きさのプラズマを得るのに必要なエネルギは、拡大前の小さな領域にプラズマを形成するのに必要なエネルギと、電離の連鎖が所望の大きさの領域にまで波及する程度にまで電子を加速するのに必要なエネルギとの和でよい。このエネルギの和は、マイクロ波によって原料ガス全体を直接に絶縁破壊させたり、原料ガス全体の温度を上げてプラズマを形成したりするのに必要なエネルギより低い。よって、プラズマ形成に高エネルギを要する高圧力下において、低いエネルギで大規模なプラズマを得ることが可能となる。具体的には、スパークプラグ102の放電により発生するプラズマの体積の百万倍程度にまでプラズマを拡大することも可能である。
また、プラズマを拡大するのに必要なエネルギは、アンテナより放射される。アンテナから放射されるマイクロ波は遮蔽されない限り、到達距離に限界はない。そのため、電極間距離等に依存することなく、所望の大きさにプラズマを拡大することが可能となる。
なお、マイクロ波パルスの持続時間は、ガス及び/又は電子の温度に基づいて定めてもよい。
図3に、マイクロ波によりエネルギを持続的に供給した場合の、拡大によってプラズマが形成される領域におけるガス温度と電子温度との時系列変化を模式的に示す。
図3に示すように、プラズマの拡大が開始される時刻t3から時刻t7までの期間、プラズマはいわゆる非平衡プラズマになる。すなわち、電子温度とラジカル温度、イオン温度、または、ガス温度とが乖離した状態(非平衡状態)のプラズマになる。以下の説明では、ラジカル温度、イオン温度、または、ガス温度を代表して、ガス温度を用いて説明を行う。プラズマが形成されると、時刻t6までの間、電子温度とガス温度との差が時間の経過とともに増大する。時刻t6の時点で温度差は減少に転じ、時刻t7においてついに熱緩和が達成される。すなわち、電子温度とガス温度との差がなくなる。それ以降は、プラズマは、いわゆる熱プラズマ(または熱平衡プラズマ)になる。電子とガスの温度は、ともに上昇を続ける。具体的には、ワーキングガスに2MPa程度以下の空気を用いる場合、時刻t3から時刻7までの時間は、数百ナノ秒程度である。
図1に示す第2のパルス電源114が、制御部112の制御に従い、時刻t2以降、t2+1マイクロ秒程度以前の時間帯にマグネトロン116への給電を終了するようにすると、熱緩和が達成されないうちにマイクロ波の拡大が終了する。このようにしておけば、拡大した非平衡プラズマのみを選択的に得ることができる。
また、ガス温度が所定の温度Tに到達する時刻に、マイクロ波パルスの発振を終了するようにしてもよい。この温度Tは、本システム100の用途、構成部品の材料等により適切に定めればよい。
例えば、空気プラズマを拡大する場合、時刻t4を温度Tが1500度に達する時刻t9以前に設定しておけば、熱による窒素酸化物の生成を低減できる。
〔第1の実施形態の変形例1〕
図4に第2の実施形態に係るシステム200の構成を示す。
このシステム200は、図1に示すシステム100の制御部112に代えて、図4に示すように、スパーク制御装置108、第2のパルス電源114及び第1のパルス電源106に接続された制御部212を備える。すなわち、このシステムにおいては、第1のパルス電源106は、スパーク制御装置108にではなく、制御部212に接続される。
制御部212は、スパーク制御装置108からの信号を受けて、それをもとに、スパークプラグによる放電のタイミングとアンテナ118からマイクロ波パルスを放射するタイミングとを決定する機能を持つ。
制御部212がスパーク制御装置108からの制御信号を受けると、制御部212は、この制御信号を受けた時点を基準として、第1のパルス電源106及び第2のパルス電源114に、各々の動作すべきタイミングで制御信号を与える。
第1のパルス電源106、昇圧コイル104、及びスパークコイルは、第1の実施形態と同様の動作を、制御部212により定められたタイミングで実行する。第2のパルス電源114、マグネトロン116及びアンテナ118は、第1の実施形態と同様の動作を行う。
このシステムにおいては、制御部212が放電のタイミングとマイクロ波パルスを放射するタイミングとを統合的に制御できる。例えば、次のような動作が可能である。すなわち、制御部212が、第2のパルス電源114への制御信号の発信を、第1のパルス電源106への制御信号の発信より先に行うことができる。これにより、スパークプラグ102によるプラズマの放電に先んじてマイクロ波の放射が行われる。図5に示すように、マイクロ波発振の開始時刻(t3)を時刻t2以前に設定してもよい。発振の開始時刻(t3)を時刻t2よりマグネトロンの始動にかかる時間以上先んじるようにしておけば、放電によるプラズマが形成された直後からプラズマを拡大する工程に入ることができる。
また、マイクロ波パルスにより放電プラズマの周辺の領域を予熱でき、プラズマの拡大が促進される。また、このような動作を実行すると、放電の開始以前により多くの時間、マグネトロン116への給電を行うことができる。したがって、立ち上がりの遅いマグネトロン116にも対応可能になる。
なお、スパーク制御装置108が所定の周期で繰返し制御信号を発信するものであれば、第1の実施形態に係るシステム100でも、第2の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
すなわち、制御部112が、スパーク制御装置の発振する制御信号を受けたタイミングと制御信号の繰返し周期に基づき、次回の制御信号の受信時刻を求め、それにあわせて第2のパルス電源を動作させるようにすればよい。
〔第1の実施形態の変形例2〕
図1、または、図5に示す第2のパルス電源に代えて、インバータ方式の電源を用いてもよい。インバータ方式の電源を用いることにより、マイクロ波パルスを繰返し発振し放射することができる。
拡大したプラズマは、マイクロ波パルスによるエネルギの投入が休止する間に周囲のガスにより冷却される。例えば繰返し周期を1ミリ秒程度にしておけば、拡大によりプラズマが形成される領域のプラズマが維持しない程度まで冷却できる。よって高圧力下で長期間に亘りプラズマを使用する場合でもプラズマ、ガス及び周囲の物質の過熱を防止できる。また、プラズマが再拡大するたびにプラズマが一時的に非平衡状態になるので、マクロな時間スケールで見れば、プラズマを頻繁に再拡大するほど非平衡プラズマとなっている時間が長くなる。
繰返し周期を図2の時刻t3から時刻t5までの時間より短くしておいてもよい。前回のマイクロ波パルスによるエネルギ投入で発生したプラズマをもとに、プラズマを再拡大することができる。このようにしておけば、スパークプラグでの放電を終了しても、プラズマを維持し、拡大することができる。例えば、大気圧下で空気プラズマを拡大する場合、マイクロ波パルスの放射終了から次のマイクロ波放射までの時間を概ね80マイクロ秒より短くすれば、スパークプラグでの放電を終了してもプラズマを維持できる。
なお、繰返しの周期が交流電源の周期と同等でよければ、インバータ電源ではなく通常の交流電源と半端整流器との組合せによってマグネトロンへの断続的な給電を行うようにしてもよい。
〔第1の実施形態の変形例3〕
十分に高出力であれば、通信用等に広く用いられている半導体発振器を図1、または、図5に示すマグネトロンに代えて用いてもよい。半導体発振器は一般にマグネトロンより高応答であるため、図2、図3及び図5を用いて説明した方法におけるマイクロ波パルスの発振をより正確なタイミングで行うことが可能になる。また、半導体発振器は一般にマグネトロンより小型化が容易である。これは本発明のシステムの小型化に資する。
〔第1の実施形態の変形例4〕
マグネトロン116とスパークプラグ102とは、必ずしも直接に接続される必要はない。同軸ケーブル、導波管など一般的な伝送路を用いてマイクロ波を伝送してもよい。また、マイクロ波パルスの反射波がアンテナから逆流することを防止するためにアイソレータを伝送路の途中に設けてもよい。また、インピーダンス調整のためにスタブチューナ等を伝送路の途中に設けてもよい。
〔第1の実施形態の変形例5〕
アンテナ118は、拡大の素となるプラズマの形成される位置及びその周辺において電場強度が強くなるようにマイクロ波を放射できるものであれば、その配置、形状を問わない。
例えば、アンテナ118は、スパークプラグ102と10mm程度までの距離に放射端を配置したモノポールアンテナであってもよい。また、例えば、スパークプラグ102の放電ギャップとアンテナ118の給電点までの距離が離れていても、パラボラアンテナ等の指向性アンテナであれば、放電ギャップ周辺の電場強度が強くなるようにマイクロ波を放射できる。また、例えば、接地されたベインやマイクロ波の共振器を放電ギャップの近傍に設けることによっても、所望の電場強度を得ることが可能になる。
〔第1の実施形態の変形例6〕
システム100、または、200は、スパークプラグ102の放電ギャップの部分と、アンテナ118の放射端との両方を覆う導電性の容器を備えてもよい。この容器により、マイクロ波の漏洩を防止できる。
この導電性の容器がマイクロ波の共振キャビティを形成するようにしてもよい。アンテナから放射されるマイクロ波を定在波にすることができ、拡大により生じるプラズマの位置を定めることができる。なお、この場合、スパークプラグ102の放電ギャップが定在波の腹の付近に配置されることが望ましい。
〔第1の実施形態の変形例7〕
上記各実施形態では、プラズマ拡大装置110、または、210は、スパークプラグ102を用いて発生させた放電プラズマを拡大するものであったが、本発明はこのようなものには限定されない。スパークプラグ以外の電極対を用いて発生させたプラズマであってもよい。その電極は誘電体で被覆されたものであってもよい。
プラズマ拡大装置110、または、210により規模が拡大されるプラズマは、放電により形成されるもの以外のものであってもよい。例えば、弱電離プラズマである火炎に対してこれを用いることにより、火炎周辺の領域までプラズマを拡大することができる。または、火炎自体を拡大することができる。また、プラズマトーチなど既存のプラズマ発生器で発生させたプラズマであってもよい。粒子線と物質との衝突電離によって生じるプラズマであってもよい。また、火打石を用いて生成したプラズマのように、固体同士の衝突、または、摩擦により生じるプラズマであってもよい。なお、いずれの場合にもアンテナは、拡大の素となるプラズマ及びその周辺にマイクロ波を放射するよう配置される必要がある。
〔第2の実施形態〕
(プラズマの移動)
上記第1の実施形態では、アンテナを用いたマイクロ波パルスの放射により、プラズマの規模を拡大した。しかしながら、アンテナを用いたマイクロ波パルスの放射を用いれば、プラズマの規模の拡大にとどまらず、プラズマの位置の制御を行うことも可能になる。
図6に、本発明の第2の実施形態に係るシステム全体の構成をブロック図形式で示す。
このシステム300は、図6に示すように、第1の実施形態のものとそれぞれ同一のスパークプラグ102、昇圧コイル104、第1のパルス電源106、スパーク制御装置108及び支持部材120と、第1の実施形態のプラズマ拡大装置110に代わるプラズマ拡大装置310とを備える。このプラズマ拡大装置310は、スパークプラグ102が発生させるプラズマを拡大するだけでなく、その位置を制御する。
プラズマ拡大装置310は、第1の実施形態のプラズマ拡大装置110のものとそれぞれ同一の制御部112、第2のパルス電源114およびマグネトロン116と、支持部材120に接合されマグネトロン116に接続されたプラズマ駆動部312と、プラズマ駆動部312に接続されたアンテナ318とを備える。プラズマ駆動部312は、アンテナ318への給電を行うと共に、外部からプラズマの位置に関する要求を受けて、その要求に応じた位置にプラズマが形成されるよう、アンテナ318の位置及び方向を調整する機能を有する。
図7に、プラズマ駆動部312の概略構成を示す。
プラズマ駆動部312は、図7に示すように、一端がマグネトロン116他端がアンテナ318に接続された可撓性のマイクロ波伝送ケーブル320と、アンテナ318にアームが接続され、本体が支持部材120に接合されたアクチュエータ319と、アクチュエータ319に接続された制御ユニット322とを備える。
アクチュエータ322は、与えられた指令信号に応じた位置及び角度にアンテナ318の配置を調整し、その位置で支持するとともに、それら位置及び角度に関する情報を出力する機能を有する。なお、実際にはアクチュエータ319は、アンテナ318の配置を複数の自由度で調整するものであってよく、自由度の数、アンテナの移動可能範囲及び回転可能角度は、プラズマの用途等に応じ、適宜選択すればよい。
制御ユニット322は、アクチュエータ319の現状を表す信号を受ける。また、制御ユニット322は、プラズマの位置に関する指令信号326を受ける。制御ユニット322は、これらの信号に基づき、アクチュエータ319に対し、アンテナ319の移動方向及び傾斜方向、並びに移動速度及び角速度を表す指令信号を生成し出力する機能を備える。
図8に、本実施形態の動作を概略的に示す。
本実施形態のシステム300がプラズマを生成し、拡大する動作は、第1の実施形態に係るシステムの動作と同様である。この動作により、図8(A)に示すようにアンテナ318の直上に形成されているものとする。この状態で制御ユニット322に、図上右にプラズマを移動させる旨の指令信号が与えられると、制御ユニット322は、アクチュエータ319に対し、アンテナ318を右に移動させる旨の指令信号を与える。なお、この際のアンテナの移動速度は、例えば第1の実施形態におけるマイクロ波によるプラズマの拡大する速度未満の予め定められた値である。
アンテナ318が図8(A)に示す位置から右に移動すると、プラズマ325の右側に電場強度の強い領域が生じ、プラズマの拡大が促進される。一方、プラズマの左側の電場強度は弱くなり、プラズマの拡大が抑制されついには減衰する。プラズマ325は右側が拡大し左側が縮小し、その結果図7(B)に示すようにプラズマ325が右に移動する。
さらに、右方向への移動を継続しつつ、アンテナ318を傾斜させると、その状態でアンテナ318の放射により形成される電場強度の分布にあわせてプラズマが移動し図8(C)に示すような配置になる。
このように、アンテナ318の配置を変更することにより、所望の位置にプラズマを再配置することが可能になる。アンテナ318の移動や傾斜に追従するようにプラズマが再配置される。アンテナ318の再配置による電場強度分布の変更は、極めて容易であり、磁場と電場との複合的な制御によるプラズマの移動に比べ、分かりやすい。そのため、所望の位置にプラズマを配置することが容易となる。
ある領域内で、プラズマを高速で移動・走査することによって、その領域内に存在する物質、または、その領域内を通過する物質に対し、間欠的にプラズマを作用させることが可能になる。これは、領域内でのプラズマの作用の時間差を無視すれば、プラズマによる断続的な処理と等価な作用を奏する。
また、ある領域内で、プラズマを高速で移動・走査すると、プラズマが通過した部分は、次にプラズマが通過するまで冷却される。そのため、プラズマによる過熱や過反応を低減できる。プラズマが熱平衡状態に達する間もなく通過するようにすれば、マイクロ波を連続的に発振しても非平衡プラズマを得ることが可能である。
プラズマ動作速度を調整することにより、一定の化学反応の場合、一定の周波数とパターンのプラズマによってワーキングピース処理が設定できる。すなわち、移動・走査の軌跡を予め設定しておき、この軌跡に沿って周期的にプラズマを移動させるようにすれば、周期的にプラズマが通過する空間を形成することができる。移動速度を制御させることにより、プラズマの作用を受ける時間を領域内の部分ごとに変化させることが可能になる。これにより、領域内において、プラズマの作用の強さを空間的に分布させることが可能になる。
なお、強電場の領域を移動させる方法は、アクチュエータを用いたものに限らない。周期的にあるいは回転運動するものにアンテナを取付けて、強電場を移動させてもよい。また、アンテナの機械的な移動による方法には限らない。空間ダイバーシチ方式、またはフェイズドアレイ方式のように、複数のアンテナの選択、または、組合せによって、強電場の領域を移動させるようにしてもよい。特にフェイズドアレイ方式では、強電場の領域を高速移動させることができる。
さらに、アンテナそれ自体を伸縮させたり、展開したり、折りたたんだりして変形させることによって、強電場の領域を移動させたり、空間分布を変化させたりしてもよい。
〔プラズマ形成領域の諸元の計測〕
上述の各実施形態では、プラズマ中のラジカル若しくはイオン若しくはガスの状態、または、電子密度に応じて、アンテナの配置、または、駆動シーケンスの設定を行うものを例示したが、その他指定されたプラズマの状態量、プラズマからの発光強度若しくは発光のうちの所定の波長帯域成分の強度、または、電子温度若しくは電子の移動速度若しくは電子の軌跡等に基づきアンテナの配置、または、駆動シーケンスを設定するようにしてもよい。
指定されたプラズマの状態量は、例えばプラズマの成分、イオン、ラジカル、ガス等の密度等であってもよい。これらについては、例えば電子増倍管、マイクロチャネルプレート等により励起した試料により輸送される電子を増感して検出する検出器、ファラデーカップ等を用いて励起した試料を計数する検出器、または、霧箱及び撮像装置からなる検出器により計測してもよい。さらに、これらの検出器の前段に、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、飛行時間型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型、タンデム型等の分離分析器を設けてもよい。
プラズマからの発光強度若しくは発光のうちの所定の波長帯域成分の強度は、光学窓、開口、光ファイバ、レンズ、ミラー等を用いてプラズマの形成領域からの光を取り出し、光電子増倍管、相補性金属酸化膜半導体素子、電荷結合素子等を用いた光センサ、または、イメージセンサを用いて計測してもよい。取り出した光を分光器によって分光した後計測するようにしてもよい。
電子温度、電子の移動速度、及び電子の軌跡については、上述した計測方法を利用して計測してもよく、また、周知の種々の電子検出器を用いて計測してもよい。
これら計測によって得られた結果は、必ずしもアンテナの配置、または、駆動シーケンスの設定のみに使用することを要しない。これら計測結果、または、ラジカル若しくはイオン若しくはガスの状態、または、電子密度の計測結果は、プラズマ形成領域に供給される物質等の調整に用いてもよい。この調整は、例えば供給量または供給速度の調整であってもよく、物質の相を変化または転移させる調整であってもよい。物質の温度等を調整してもよい。また、供給される物質が流体であれば、その圧力を調整してもよい。
〔プラズマ形成領域の分割・結合〕
プラズマの形成領域が時間方向または空間方向に複数存在しえる場合、プラズマ形成領域の制御手段がそれら複数のプラズマ形成領域の間に強電場領域が形成されるようアンテナを配置し駆動シーケンスを定めるようにすれば、強電場領域を挟むプラズマ形成領域を接近させることができる。さらにこの制御を繰り返すことにより、複数のプラズマ形成領域を結合することも可能である。
一のプラズマの形成領域に対し、強電場の領域を複数形成するようにアンテナを配置し駆動シーケンスの設定を行えば、エネルギ密度の高い領域を複数有するプラズマ形成領域を形成できる。さらに強電場の領域同士の距離が時間の経過とともに離れるようにすれば、プラズマの形成領域を分離させて複数のプラズマ形成領域を生成することも可能である。
なお、上述の実施形態では、ガスからプラズマが形成されたが、プラズマの形成領域またはプラズマ形成領域の制御装置によりプラズマ形成領域になることが予定された領域に、固相、液相の物質が存在していてもよく、また、固相、液相、気相の物質が混在していてもよい。
また、電磁波の照射に用いるアンテナは、例えば、ホーンアンテナに代表される開口アンテナであってもよい。ガスの流路の形状及び材質について許容されるならば、ガスの流路自体が導波管、または、開口アンテナを兼ねる構成となってもよい。また、アンテナは、電磁波の発生源に接続されたエレメントからなる輻射器と、輻射器からの電磁波を反射する反射器とを有する構成であってもよい。また、アンテナは、輻射器と輻射器から輻射される電磁波の拠りしろとなるベインまたは共振エレメントを有する構成であってもよい。
電磁波の照射目標となる領域の数と、アンテナの数との関係については、種々の組合せが想定される。電磁波の照射目標となる一の領域の対し、複数アンテナまたはアンテナの複数のエレメントから電磁波を照射するようにしてもよい。また、例えば3/4波長以上の電気長を有するエレメントを備えたアンテナのように空間上に複数の強電場の領域を形成するものであれば、アンテナに対し電磁波の照射目標となる領域を強電場の領域の数に応じて複数設定してもよい。さらに、プラズマの契機となる荷電粒子をそれら設定された複数の領域において準備するようにし、複数の領域で同時にプラズマを形成するようにしてもよい。
本発明に係るプラズマの存在領域の制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。 プラズマの存在領域の制御装置の動作説明図である。 プラズマの温度条件に基づくマイクロ波放射の制御の説明図である。 第1の実施形態の第1の変形例に係るプラズマの存在領域の制御装置の動作説明図である。 第1の実施形態の第1の変形例に係るプラズマの存在領域の制御装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るプラズマの存在領域の制御装置の構成を示すブロック図である。 プラズマ駆動部の概略構成を示す。 本発明に係るプラズマの存在領域の制御装置の第2の実施形態の動作説明図である。
102 スパークプラグ
104 昇圧コイル
106 第1のパルス電源
108 スパーク制御装置
110 プラズマ拡大装置
112 制御部
114 第2のパルス電源
116 マグネトロン
118 アンテナ
120 支持部材

Claims (2)

  1. 大気圧より高い圧力下でのプラズマ形成領域の制御装置であって、
    一、または、複数の電磁波発振器と、
    前記電磁波発振器に接続された一、または、複数のアンテナと、
    前記一、または、複数のアンテナと共に、大気圧より高い環境に配置される電極対と、
    を備え、
    前記電極対の放電ギャップにおけるスパーク放電に先んじて又は前記電極対の放電ギャップにおいてスパーク放電が生じた後に、前記電磁波発振器が発振する電磁波が前記アンテナから前記放電ギャップに向けて放射されるように、電磁波の発生タイミングを表す制御信号、及び放電タイミングを表す制御信号を発信して、前記スパーク放電により放電ギャップに形成されたプラズマに、電磁波によるエネルギを供給し、前記放電ギャップに形成されたプラズマの体積を増大させることで大気圧より高い圧力下でプラズマを形成し、
    前記電磁波発振器及び前記アンテナを制御する制御手段は、前記電磁波発振器および前記アンテナによる電磁波の照射時間を、前記プラズマ形成領域において発生するラジカル、イオン、または、ガスと電子との熱緩和時間未満となるよう制御することを特徴とするプラズマ形成領域の制御装置。
  2. 請求項に記載のプラズマ形成領域の制御装置により制御されたプラズマを用いて、プラズマ形成領域に存在する物質の処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
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