JP5713378B2 - 導波路型光フィルター及び半導体レーザー - Google Patents

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本発明は、マルチモード干渉導波路を備える導波路型光フィルター及び半導体レーザーに関する。
近年、インターネットによる情報通信社会の進展に伴い、基幹系ネットワークだけではなく、今後の情報需要や新しいサービスに対応するために、ローカルエリア系ネットワークにも波長多重技術(波長分割多重通信(WDM:Wavelength Division Multiplex))が適用されるようになってきた。ただし、ローカルエリア系ネットワークでは、特にコストやネットワーク管理運用上の観点から、基幹系ネットワークで普及した波長多重方式(DWDM(Dense WDM)方式)ではなく、広い波長範囲を利用する波長多重方式(CWDM(Coarse WDM)方式)を利用するのが一般的である。
波長多重方式を実現する上でのキーデバイスの一つは、所望の波長を選択することのできる波長フィルターであり、DWDM方式においては、AWG(Arrayed Waveguide Grating:アレイ導波路回折格子)が広く用いられてきている(例えば、特許文献1参照)。
また、CWDM方式においては、広い波長範囲をカバーするフィルターが必要であることからAWGは適当ではなく、これまでは、多層膜フィルター板を挿入する等の現実的な対応が取られていた。ただし、この方式では、2波長のうちどちらかを選択するという基本的な波長フィルタリングであれば良いが、波長数が増えてくると、多層膜フィルター板の挿入箇所も増え、機械的挿入であるがための光学的損失も無視できずに限界があった。そこで、半導体レーザーや半導体受光素子との集積が容易な、導波路型光フィルターの開発が急務となっている。
これに対し、導波路型光フィルターのうち、比較的設計自由度が高く、CWDM方式用のフィルター設計が可能であるものとして、マッハ・ツェンダ型及びラダー型の光フィルターが報告されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
ところで、ローカルエリア系ネットワークにおける光源についても、インターネットによる情報通信社会の進展に伴い、既存の光源では技術的な限界があり、更なる情報量を増大させる試みが検討されてきている。しかも、コストを可能な限り抑える必要があるため、基幹系ネットワークにおいて一般的である光変調器の使用はできる限り避け、半導体レーザーの直接変調を基本とし、その高速化を検討する必要がある。
これに対し、キャビティの一部を直接変調領域とし、緩和振動周波数を大きくすることのできる構造として、分布反射(DR:Distributed Reflector)及び分布フラッグ反射(DBR:Distributed Bragg Reflector)型の半導体レーザーが報告されている(例えば、非特許文献3、非特許文献4参照)。
また、従来の半導体レーザーは、1×3型マルチモード干渉導波路と、マルチモード干渉導波路の一方の端部に設けられ、光を導波する1本の光導波路と、マルチモード干渉導波路の他方の端部に設けられ、レーザー光を導波させる3本の光導波路(直線導波路及び曲線導波路)と、を備える。1本の直線導波路及び2本の曲線導波路の一部が、各前方端面において光の位相を整合させるように光位相整合領域を構成し、後方端面と前方端面との間で共振器が形成されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−72633号公報 特開2009−54699号公報 肥田安弘他、「マッハ・ツェンダ干渉計の点対称接続により構成した非正弦的なフィルタ特性を有する波長合分波器」、電子情報通信学会論文誌C-I,Vol.J80-C-I,No.11、社団法人電子情報通信学会、1997年11月、pp.517−524社団法人電子情報通信学会 松尾慎治他、「ラダー型フィルターとリング共振器を用いた波長可変レーザ」、電子情報通信学会技術研究報告 LQE,103(526)、社団法人電子情報通信学会、2003年12月、pp.33−36 T.Kakitsuka他、「20-km Transmission of 40-Gb/s Signal using Frequency Modulated DBR Laser」、Optical Fiber Communication Conference 2009,OThG4 K.Otsubo他、「Low-Driving-Current High-Speed Direct Modulation up to 40 Gb/s Using 1.3-μm Semi-Insulating Buried-Heterostructure AlGaInAs-MQW Distributed Reflector (DR) Lasers」、Optical Fiber Communication Conference 2009,OThT6
従来の光導波型フィルタは、アレイ導波路型フィルタであり、出力側スラブ導波路により伝播光を結像させ、出力用導波路に伝播光を導くために、各アレイ導波路間の間隔は中心波長の整数倍を満たすような規則性が必要である。また、従来の光導波型フィルタは、アレイ導波路の中心線を基準にして正確に左右対称な基本構造にする必要があると共に、ローランド円の構成に従う2つのスラブ導波路を形成しなければならないという製造上の制約があるという課題がある。
また、従来のマッハ・ツェンダ型及びラダー型の光フィルターは、基本的には入射光を2つに分岐した後に、異なる導波路長を経たうえで合波させるもので、2つの経路間の位相差に対応し、位相が合わないものは放射され、位相が整合するものは透過するという原理に基づいている。ただし、所望の透過特性を得る為には、導波方向に数段の重ね合わせを行なう必要があり、その結果、光フィルターの全長が長くなるという課題がある。また、従来のマッハ・ツェンダ型及びラダー型の光フィルターは、導波方向に数段の重ね合わせに伴い、構造が複雑化し、歩留り悪化の要因になり、ひいてはコスト高の要因にもなるという課題がある。
さらに、従来の分布反射及び分布フラッグ反射型の半導体レーザーは、いずれも単一波長で発光するためのグレーティングを、導波路全体又はその一部に内包する構造となっており、結果として半導体レーザーの製造コストが比較的高くなるという課題がある。特に、従来の分布反射及び分布フラッグ反射型のレーザーは、低コスト化の要求が厳しいローカルエリア系ネットワーク等に対して、適用が困難であるという課題がある。
また、従来の半導体レーザーは、前方端面における光の位相を整合させる手段を開示しただけであり、単一波長の発振に至る手段を提供するものではない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、従来の導波路型光フィルターと比較して、小型化及び低コスト化を図ることができる導波路型光フィルターを提供するものである。また、この発明は、従来の半導体レーザーと比較して、低コストの光源が実現できる半導体レーザーを提供するものである。
本発明に係る導波路型光フィルターにおいては、1入力かつN(Nは3以上の整数)出力型である1×N型マルチモード干渉導波路と、1×N型マルチモード干渉導波路の入力側のポートに一端が接続される1本の光導波路からなる第1の光導波路群と、1×N型マルチモード干渉導波路の出力側の各ポートに一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる導波路長を有するN本の光導波路からなる第2の光導波路群と、を備え、第1の光導波路群の光導波路の他端を入射面及び出射面とし、第2の光導波路群の各光導波路の他端を反射面とし、第2の光導波路群のうち、一の光導波路の導波路長が、二種以上の異なる導波路長を有する複数本の他の光導波路の導波路長と異なり、第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、第2の光導波路群の複数本の他の導波路の各導波路長の差に基づく、前記出射面からの透過光の繰り返しピークの間隔である波長ピーク周期Δλが、複数存在し、下記式1を満たす整数をmとし、第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、第2の光導波路群の複数本の他の光導波路の導波路長との差をΔd/2とすると、下記式2を満たすものである。
[式1]
m=λ0/Δλ
(但し、λ0:入射光波長、Δλ:波長ピーク周期)
[式2]
Δd=λ0(Φ0+2π(m−1))/2πneq
(但し、neq:第2の光導波路群の光導波路の等価屈折率、Φ0:初期整合位相)
本発明に係る半導体レーザーにおいては、1入力かつN(Nは3以上の整数)出力型である1×N型マルチモード干渉導波路と、1×N型マルチモード干渉導波路の入力側のポートに一端が接続される1本の光導波路からなる第1の光導波路群と、1×N型マルチモード干渉導波路の出力側の各ポートに一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる導波路長を有するN本の光導波路からなる第2の光導波路群と、を備え、第1の光導波路群の光導波路の他端を出射面とし、第2の光導波路群の各光導波路の他端を反射面とし、1×N型マルチモード干渉導波路、第1の光導波路群及び第2の光導波路群が、活性層を有する層構造であり、第2の光導波路群のうち、一の光導波路の導波路長が、二種以上の異なる導波路長を有する複数本の他の光導波路の導波路長と異なり、第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、第2の光導波路群の複数本の他の導波路の各導波路長の差に基づく、前記出射面からの透過光の繰り返しピークの間隔である波長ピーク周期Δλが、複数存在し、下記式5を満たす整数をmとし、第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、第2の光導波路群の複数本の他の光導波路の導波路長との差をΔd/2とすると、下記式6を満たす。
[式5]
m=λ0/Δλ
(但し、λ0:入射光波長、Δλ:波長ピーク周期)
[式6]
Δd=λ0(Φ0+2π(m−1))/2πneq
本発明に係る導波路型光フィルターにおいては、同一素子長内に複数の異なる光フィルター特性を重ね合わせることを可能とし、従来の導波路型光フィルターと比較して、小型化及び低コスト化を図ることができる。
本発明に係る半導体レーザーにおいては、グレーティングを不要とする単一波長の光源が実現でき、従来の半導体レーザーと比較して、低コストの光源を実現することができる。さらに、本発明に係る半導体レーザーにおいては、マルチモード干渉導波路が、第1の光導波路群及び第2の光導波路の各光導波路と比較して、導波路幅が広いことにより、高い電流を注入することができ、高出力化が容易に実現できる。
(a)は第1の実施形態に係る導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は第1の実施形態に係る導波路型光フィルターの概略構成の他の例を示す平面図である。 (a)は図1に示す導波路型光フィルターの矢視A−A’線の断面図であり、(b)は図1に示す導波路型光フィルターの矢視B−B’線の断面図である。 第1の実施形態に係る導波路型光フィルターの原理を説明する説明図であり、(a)はおよそ26nm毎に透過ピークが表れる場合の透過スペクトルであり、(b)はおよそ13nm毎に透過ピークが表れる場合の透過スペクトルである。 第1の実施形態に係る導波路型光フィルターの原理を説明する説明図であり、(a)はおよそ26nm毎に透過ピークが表れる場合の透過スペクトルとおよそ13nm毎に透過ピークが表れる場合の透過スペクトルとを重ねた図であり、(b)は図1に示す導波路型光フィルターにより得られる透過スペクトルである。 第1の実施形態に係る導波路型光フィルターの製造方法を説明する説明図であり、(a)は図1に示す導波路型光フィルターの矢視A−A’線の断面図に対応するSOI基板上にSiO2膜を堆積した状態の断面図であり、(b)は図1に示す導波路型光フィルターの矢視A−A’線の断面図に対応するマスクを形成した状態の断面図である。 第1の実施形態に係る導波路型光フィルターの製造方法を説明する図であり、(a)は図1に示す導波路型光フィルターの矢視A−A’線の断面図に対応するエッチングによりハイメサ構造を形成した状態の断面図であり、(b)は図1に示す導波路型光フィルターの矢視A−A’線の断面図に対応するマスクを除去した状態の断面図である。 (a)は図1(a)に示す第2の光導波路群の光導波路が3本の場合における導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図1(a)に示す第2の光導波路群の光導波路が4本の場合における導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図であり、(c)は図1(a)に示す第2の光導波路群の光導波路が5本の場合における導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図である。 図7に示す各導波路型光フィルターによる透過スペクトル図である。 (a)は図1(a)に示す第2の光導波路群の光導波路が9本の場合における導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図9(a)に示す導波路型光フィルターによる透過スペクトル図であり、(c)は図1(a)に示す第2の光導波路群の光導波路の本数とSMSRとの関係を示す説明図である。 (a)は第2の実施形態に係る導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図10(a)に示す導波路型光フィルターの矢視C−C’線の断面図である。 (a)は第3の実施形態に係る半導体レーザーの概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は第3の実施形態に係る半導体レーザーの概略構成の他の例を示す平面図である。 (a)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図であり、(b)は図11に示す半導体レーザーの矢視E−E’線の断面図である。 第3の実施形態に係る半導体レーザーの製造方法を説明する説明図であり、(a)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するMOVPE法により結晶構造を製作した状態の断面図であり、(b)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するマスクを形成した状態の断面図である。 第3の実施形態に係る半導体レーザーの製造方法を説明する説明図であり、(a)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するエッチングによりハイメサ構造を形成した状態の断面図であり、(b)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するBCBで埋め込んだ状態の断面図である。 (a)は第4の実施形態に係る半導体レーザーの概略構成の一例を示す平面図であり、(b)は図15(a)に示す半導体レーザーの矢視F−F’線の断面図である。
(本発明の第1の実施形態)
導波路型光フィルター100は、基板10上に、光導波路及びマルチモード干渉導波路が配設され、外部から入射された光を分岐し、光の位相を整合させたうえで、光を合波して外部に出射する。このため、導波路型光フィルター100は、基板10の一端面10a側における光導波路の端面を入射面とし、基板10の一端面10aに対向する他端面10b側における光導波路の端面を出射面とする場合に、分波用及び合波用のマルチモード干渉導波路をそれぞれ備える必要がある。この場合には、導波路型光フィルター100は、後述する、第1の光導波路群1、第2の光導波路群2、第3の光導波路群3、M×N型マルチモード干渉導波路4及びN×M’型マルチモード干渉導波路5を少なくとも備える(例えば、図1(a)参照)。
また、導波路型光フィルター100は、基板10の一端面10a側における光導波路の端面を入射面及び出射面とし、基板10の他端面10b側における光導波路の端面を反射面とする場合に、分波及び合波を兼用するマルチモード干渉導波路を備えればよい。この場合には、導波路型光フィルター100は、第1の光導波路群1及び第2の光導波路群2及びM×N型マルチモード干渉導波路4を少なくとも備える(例えば、図1(b)参照)。
なお、本実施形態においては、基板10の一端面10a側における光導波路の端面を入射面とし、基板10の他端面10b側における光導波路の端面を出射面とする場合を例に挙げて説明するが、基板10の一端面10a側における光導波路の端面を入射面及び出射面とし、基板10の他端面10b側における光導波路の端面を反射面とする導波路型光フィルター100であってもよい。
本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、図1(a)に示すように、基板10上に、入射光導波路としての第1の光導波路群1と、M×N型マルチモード干渉導波路4と、光位相整合領域20としての第2の光導波路群2と、N×M’型マルチモード干渉導波路5と、出射光導波路としての第3の光導波路群3とが集積されている。
M×N型マルチモード干渉導波路4は、M(Mは1以上の整数)入力かつN(Nは3以上の整数)出力型であるマルチモード干渉導波路である。なお、本実施形態においては、Mを1とし、Nを3とする1×3型マルチモード干渉導波路4aを例に挙げて説明するが、この1×3型マルチモード干渉導波路4aに限られるものではない。特に、本実施形態に係る1×3型マルチモード干渉導波路4aは、光の導波方向に沿った導波路の長さ(以下、導波路長と称す)が280μm程度であり、導波路幅が20μm程度である、略矩形状の干渉領域を有する。
N×M’型マルチモード干渉導波路5は、N(Nは3以上の整数)入力かつM’(M’は1以上の整数)出力型であるマルチモード干渉導波路である。なお、本実施形態においては、Nを3とし、M’を1とする3×1型マルチモード干渉導波路5aを例に挙げて説明するが、この3×1型マルチモード干渉導波路5aに限られるものではない。特に、本実施形態に係る3×1型マルチモード干渉導波路5aは、導波路長が280μm程度であり、導波路幅が20μm程度である、略矩形状の干渉領域を有する。
なお、マルチモード干渉導波路は、公知の技術を用いて設計できるのであるが、例えば、MMI(Multimode Interference:多モード干渉)理論に基づいて、M×N型マルチモード干渉導波路4及びN×M’型マルチモード干渉導波路5を、以下のように設計することができる。
マルチモード干渉導波路の長さ(Lπ)の式は、下記数1のように示すことができる。ただし、数1の式に示す、W1はマルチモード干渉領域の幅を表し、Nrは導波路の屈折率を表し、Ncはクラッドの屈折率を表し、λ0は入射光波長を表す。また、σはTEモードのときσ=0を表し、TMモードのときσ=1を表す。
〔数1〕
e=W1+(λ0/π)(Nc/Nr)2σ(Nr2−Nc2-1/2 ・・・(1)
Lπ=4NrWe 2/3λ0
また、マルチモード干渉導波路は、下記数2の式で表されるとき、1×N型の光導波路として動作することができる。また、マルチモード干渉導波路は、下記数3の式で表されるとき、M×N型の光導波路として動作することができる。なお、M及びNは正の整数であり、入力側のMは1であってもよく、出力側のNは2以上とすることができる。ただし、数2及び数3の式に示すLは、マルチモード干渉導波路の長さを表す。
〔数2〕
L=(3/4N)Lπ(Nは正の整数) ・・・(2)
〔数3〕
L=(3/N)Lπ(Nは正の整数) ・・・(3)
第1の光導波路群1は、M×N型マルチモード干渉導波路4の入力側の各ポート(以下、入力ポートと称す)に一端がそれぞれ接続されるM本の光導波路からなる。また、第1の光導波路群1は、各光導波路の他端を入射面とする。なお、本実施形態においては、1×3型マルチモード干渉導波路4aを例に挙げて説明するために、第1の光導波路群1は、1本の光導波路(以下、入射光導波路1aと称す)からなる。特に、本実施形態に係る入射光導波路1aは、導波路長が50μm程度であり、導波路幅が1.0μm程度である、直線領域のみからなる直線導波路である。また、入射光導波路1aは、M×N型マルチモード干渉導波路4の入力側の辺に対して略中央に接続されている。
第2の光導波路群2は、M×N型マルチモード干渉導波路4の出力側の各ポート(以下、分岐ポートと称す)に一端がそれぞれ接続され、N×M’型マルチモード干渉導波路5の入力側の各ポート(以下、合波ポートを称す)に他端がそれぞれ接続されるN本の光導波路からなる。また、第2の光導波路群2は、N本の光導波路のうち、一の光導波路の長さが、他の光導波路の長さと異なる。すなわち、一の光導波路及び他の光導波路は、1本又は複数本の光導波路であり、第2の光導波路群2は、二種以上の異なる長さを有するN本の光導波路からなる。
なお、本実施形態においては、1×3型マルチモード干渉導波路4a及び3×1型マルチモード干渉導波路5aを例に挙げて説明するために、第2の光導波路群2は、3本の光導波路からなる。
また、第2の光導波路群2は、直線領域のみからなる直線導波路2aと、直線領域及び曲線領域からなる曲線導波路(第1の曲線導波路2b、第2の曲線導波路2c)とから構成され、各光導波路の導波路長を互いに異ならせているが、二種以上の異なる長さを有する3本の光導波路から構成されるのであれば、3本の光導波路のうち、2本の光導波路の導波路長を同一とし、残り1本の光導波路の導波路長を異ならせてもよい。
また、第2の光導波路群2は、直線導波路2aと曲線導波路(第1の曲線導波路2b、第2の曲線導波路2c)とから構成されているが、二種以上の異なる長さを有する3本の光導波路から構成されるのであれば、直線導波路及び曲線導波路の組合せに限られるものではなく、例えば、直線導波路2aを曲線導波路で形成し、3本の光導波路を全て曲線導波路で構成してもよい。特に、直線導波路2aに対して導波路長を同じくする曲線導波路に変更した場合には、光位相整合領域20の領域長が短くなり、導波路型光フィルター100素子の全長を短くすることができる。また、第2の光導波路群2は、曲線導波路の替わりに、屈曲領域を含む光導波路であってもよいが、屈曲領域における伝播光の放射による光の伝播ロスが生じるために、曲線導波路にすることが好ましい。
第2の光導波路群2は、図1(a)に示すように、1×3型マルチモード干渉導波路4a及び3×1型マルチモード干渉導波路5a間に、直線導波路2a、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cが並設され、直線導波路2aを基準として、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cが直線導波路2aの両側にそれぞれ配設される。
直線導波路2aは、1×3型マルチモード干渉導波路4aを介して、入射光導波路1aに対向する位置に配設される。特に、光位相整合領域20が領域長として100μm程度であるために、光位相整合領域20の領域長に一致する直線導波路2aは、導波路長が100μm程度であり、導波路幅が1.0μm程度である。
第1の曲線導波路2bは、後述する数5に基づき、導波路型光フィルター100からの透過光の繰り返しピークの間隔(以下、波長ピーク周期と称す)Δλがおよそ13nmとなるように、後述する数4に基づき、直線導波路2aの導波路長に対する第1の曲線導波路2bの導波路長の差Δdがおよそ52μmだけ直線導波路2aよりもその長さが長くなるように設定されている。
このため、第1の曲線導波路2bは、図1(a)に示すように、曲率半径Rがおよそ23μmである略S字の曲線領域を光位相整合領域20の中央で結合し、その前後(1×3型マルチモード干渉導波路4a側及び3×1型マルチモード干渉導波路5a側)におよそ4μm程度の長さの直線領域がそれぞれ配置された構成の光導波路である。
第2の曲線導波路2cは、第1の曲線導波路2bと同様に、後述する数5に基づき、波長ピーク周期Δλがおよそ26nmとなるように、後述する数4に基づき、直線導波路2aの導波路長に対する第2の曲線導波路2cの導波路長の差Δdがおよそ27μmだけ直線導波路2aよりもその長さが長くなるように設定されている。
このため、第2の曲線導波路2cは、図1(a)に示すように、曲率半径Rがおよそ12μmである略S字の曲線領域を光位相整合領域20の中央で結合し、その前後(1×3型マルチモード干渉導波路4a側及び3×1型マルチモード干渉導波路5a側)におよそ26μm程度の長さの直線領域がそれぞれ配置された構成の光導波路である。
第3の光導波路群3は、N×M’型マルチモード干渉導波路5の出力側の各ポート(以下、出力ポートと称す)に一端がそれぞれ接続されるM’本の光導波路からなる。また、第3の光導波路群3は、各光導波路の他端を出射面とする。なお、本実施形態においては、3×1型マルチモード干渉導波路5aを例に挙げて説明するために、第3の光導波路群3は、1本の光導波路(以下、出射光導波路3aと称す)からなる。特に、本実施形態に係る出射光導波路3aは、導波路長が50μm程度であり、導波路幅が1.0μm程度である、直線領域のみからなる直線導波路である。
なお、入射光導波路1a、1×3型マルチモード干渉導波路4a、直線導波路2a、第1の曲線導波路2b、第2の曲線導波路2c、3×1型マルチモード干渉導波路5a及び出射光導波路3aは、層構造が同一であり、ハイメサ導波路である。また、これらの断面構造は、図2に示すように、Si基板を基材とする基板層10上に、SiO2からなる第1のクラッド層11、Siからなるコア層12、及びSiO2からなる第2のクラッド層13が、それぞれ積層されたハイメサ構造である。特に、本実施形態においては、第1のクラッド層11の膜厚は1μm程度であり、コア層12の膜厚は0.3μm程度であり、第2のクラッド層13の膜厚は1μm程度である。
また、本実施形態に係る層構造は、光導波路の材料系として、SiO2/Si/SiO2構造としているが、この材料系に限定するものではなく、例えば、InP系半導体材料であってもよいし、LiNbO3系材料であっても適用可能である。
なお、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、入射光導波路1a、1×3型マルチモード干渉導波路4a、直線導波路2a、第1の曲線導波路2b、第2の曲線導波路2c、3×1型マルチモード干渉導波路5a及び出射光導波路3aをハイメサ導波路としているが、層構造を限定するものではなく、リッジ構造や埋め込み構造であっても適用可能である。
以下、本実施形態に係る導波路型光フィルター100によって、小型の光フィルターが実現できる原理を説明する。
一般に、マルチモード干渉導波路でN分岐された波長λ0の光は、それぞれの振幅が等しく、また、それぞれの位相が各分岐ポート間で相対的に決まった位相で出力される。
例えば、本実施形態に係る1×3型マルチモード干渉導波路4aでは、3出力側の分岐ポートにおいて、その中央の分岐ポートから出力される光の位相を0とした場合に、その中央の分岐ポートの外側に位置する2つの分岐ポートから出力される光の位相はπ/3となる。
したがって、N分岐された光を、再び、N×M’型マルチモード干渉導波路5で合波させる場合には、例え、N本の全ての光導波路を伝播する光の振幅が等しくても、N×M’型マルチモード干渉導波路5の各合波ポート間で相対的に決まった位相で入力しないと、N×M’型マルチモード干渉導波路5を用いて確実に合波することができず、一部もしくは大部分の光はN×M’型マルチモード干渉導波路5から放射してしまうことになる。
すなわち、相対的に決まった位相でN×M’型マルチモード干渉導波路5の各合波ポートに光が入力されていない場合は、光損失が生じ、光は導波路型光フィルター100を完全には透過しなくなることを意味する。このため、M×N型マルチモード干渉導波路4を用いてN分岐した光を、N×M’型マルチモード干渉導波路5で合波させる場合は、光位相整合領域20を用いて、入力側の各合波ポート間で相対的に決まった位相でN×M’型マルチモード干渉導波路5に光を入力させる必要がある。
なお、本実施形態に係る3×1型マルチモード干渉導波路5aでは、3入力側の合波ポートにおいて、その中央の合波ポートに入力される光の位相を0とした場合に、その中央の合波ポートの外側に位置する2つの合波ポートでの位相は5π/3として入力させるようにすればよい。
具体的には、1×3型マルチモード干渉導波路4aの各分岐ポートにおける中央の分岐ポートの外側に位置する2つの分岐ポートから出力された光が、3×1型マルチモード干渉導波路5aの各ポートにおける中央の合波ポートの外側に位置する2つの合波ポートに至るまでに、その中央の合波ポートに入力される光との位相差が5π/3となるように、直線導波路2aに対して第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの長さを共に長くすれば、この位相差を得ることができる。
ここで、マルチモード干渉導波路の各分岐ポートから並設する複数の光導波路のうち、中心とする光導波路の導波路長に対する、中心とする光導波路の外側にある光導波路の導波路長との差をΔdとすると、下記数4の式で表される。ただし、数4の式に示す、neqは光位相整合領域の光導波路の等価屈折率であり、Φ0は初期整合位相であり、mは整数である。
〔数4〕
Δd=λ0(Φ0+2π(m−1))/2πneq ・・・(4)
なお、本実施形態においては、前述したように、1×3型マルチモード干渉導波路4aの3出力側の分岐ポートにおいて、その中央の分岐ポートから出力される光の位相を0とした場合に、その中央の分岐ポートの外側に位置する2つの分岐ポートから出力される光の位相はπ/3となることと、3×1型マルチモード干渉導波路5aの3入力側の合波ポートにおいて、その中央の合波ポートに入力される光の位相を0とした場合に、その中央の合波ポートの外側に位置する2つの合波ポートでの位相は5π/3となることとから、初期整合位相Φ0は、Φ0=3π/5−π/3で与えられる。
ここで、数4を参照すると、直線導波路2aの導波路長に対する第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの導波路長の差Δdは、必ずしも1つの値に限られるわけではなく、mの関数であることがわかる。このことから、ある整数mにおけるΔdと同一の値であるΔdが、整数mとは異なる整数m’及び波長λ0とは別の波長λ'によって実現できることを意味する。
すなわち、本願発明に係る導波路型光フィルター100は、ある一定のFSR(Free Spectral Range:自由スペクトル領域)を有する波長フィルターであることがわかる。このFSRを波長ピーク周期Δλとすると、波長ピーク周期Δλは、下記数5の式で表される。
〔数5〕
Δλ=λ0/m ・・・(5)
このように、本願発明に係る導波路型光フィルター100は、以上に説明した原理に従い、波長ピーク周期Δλを自由に設定することができるという特徴を有している。
ここで、本実施形態では、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの導波路長の長さを異なる長さとしているが、仮に、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの導波路長が共に同じ長さであり、かつ、数4及び数5を満たすように設計した場合には、その透過スペクトルが、例えば、図3(a)及び図3(b)に示すようになる。
なお、図3(a)は、波長ピーク周期Δλがおよそ26nmになるように、第1の曲線導波路2b(第2の曲線導波路2c)の導波路長を設定した場合における導波路型光フィルター100による透過スペクトルであり、横軸が波長[nm]であり、縦軸が透過率である。また、図3(b)は、波長ピーク周期Δλがおよそ13nmになるように、第1の曲線導波路2b(第2の曲線導波路2c)の導波路長を設定した場合における導波路型光フィルター100による透過スペクトルであり、横軸が波長[nm]であり、縦軸が透過率である。
この図3(a)及び図3(b)に示すように、数4及び数5を満たすように、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cを設計することで、導波路型光フィルター100として、波長ピーク周期Δλの異なる透過スペクトルを自由に実現することができる。
その一方で、透過スペクトルの一つの透過ピークの線幅と波長ピーク周期Δλとは直接的に相関し、透過ピークの線幅を狭くしようとすると、波長ピーク周期Δλも同時に狭くなってしまう。特に、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの導波路長が共に同じ長さでは、波長域を広い範囲で使うことが想定されるローカルエリア系ネットワークの用途として、導波路型光フィルター100の適用が困難である。
そこで、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、更に次のような動作原理をも有している。
通常、前述したように、波長ピーク周期Δλと一つの透過ピークの線幅とを個別に設計する場合には、透過特性の異なる光フィルターを直列的にいくつか接続(従属接続)し、それぞれの透過特性の積として、所望の透過特性を設計することができる。例えば、背景技術で説明したマッハ・ツェンダ型やラダー型の光フィルターは、その代表例である。
本願発明においても、マッハ・ツェンダ型やラダー型の光フィルターと同様に、波長ピーク周期Δλが26nmの波長フィルターと波長ピーク周期Δλが13nmの波長フィルターとを、導波方向に従属接続した形に集積すれば、図4(a)に示す2つの波長フィルターの透過特性の積として、図4(b)に示す透過特性が得られる。すなわち、図4(b)に示す透過特性は、波長ピーク周期Δλとしてはおよそ26nmであるが、中心波長における線幅としては狭い線幅の透過スペクトルが得られる。これは、波長ピーク周期Δλが26nmの波長フィルターにおける透過ピークによる山又は谷と、波長ピーク周期Δλが13nmの波長フィルターにおける透過ピークによる谷又は山とを合わせて、透過ピークを減少させて、サイドモードを抑圧した結果である。なお、図4(a)において、実線が波長ピーク周期Δλが13nmの波長フィルターの透過特性を示し、破線が波長ピーク周期Δλが26nmの波長フィルターの透過特性を示している。また、図4(a)及び図4(b)において、横軸が波長[nm]であり、縦軸が透過率である。
しかしながら、このような従属接続を行なう場合には、複数の波長フィルターを導波方向に直列的に接続しなければならず、導波路型光フィルター100の長さが必然的に長くなってしまうという課題があり、導波路型光フィルター100の小型化及び低コスト化という観点からは好ましくない。
本実施形態に係る導波路型光フィルター100においては、この従来の課題を解決すべく、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの導波路長が互いに異なる長さとすることで、複数の波長フィルターを従属接続することなく、図4(b)に示す透過特性を実現し得ることが、発明者の最近の研究結果からわかった。
従って、本実施形態に係る導波路型光フィルター100においては、複数の異なる透過スペクトルの積が、導波路型光フィルター100の全長を長くすることなく実現できることになり、波長ピーク周期Δλ及び線幅の自由な設定だけではなく、従来技術では達成が困難であった導波路型光フィルター100の小型化及び低コスト化までをも実現できることになる。
つぎに、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る導波路型光フィルター100の製造方法を説明する。
まず、通常のSOI(Silicon on Insulator)基板30上に、熱CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法を用いて、SiO2膜40を堆積する(図5(a))。
そして、ステッパ(縮小投影露光装置)によるフォトリソグラフィ法を用いて、図1(a)に示す、第1の光導波路群1、M×N型マルチモード干渉導波路4、第2の光導波路群2、N×M’型マルチモード干渉導波路5及び第3の光導波路群3の平面形状に合わせて、エッチング用のマスク50を形成する(図5(b))。
このマスク50を用いて、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)法によりドライエッチングを施して、第2のクラッド層13となるSiO2膜40、コア層12となるSOI基板30のSi層、及び第1のクラッド層11となるSOI基板30のSiO2層における不要な部分を除去し、断面形状としてハイメサ構造を形成する(図6(a))。なお、図6(a)においては、エッチングの進行が、SOI基板30の基板層10の表面まで達して一部が除去されており、基板層10にエッチング底面10cを図示している。
この後、第2のクラッド層13の直上にあるマスク50を、有機溶剤及びアッシング法により除去する(図6(b))。
そして、複数の導波路型光フィルター100素子が形成された基板10に対して、導波路型光フィルター100素子間の境界に沿って劈開することで、図1(a)及び図2に示す構造を有する導波路型光フィルター100素子を得ることができる。この劈開により、導波路型光フィルター100素子の後方端面(基板10の一端面10a、入射光導波路1aの入射面)及び前方端面(基板10の他端面10b、出射光導波路3aの出射面)がそれぞれ形成される。
最後に、前方端面及び後方端面に反射防止膜をそれぞれ形成して、導波路型光フィルター100素子の製造を終了する。なお、図1(b)に示す導波路型光フィルター100の場合には、前方端面(基板10の一端面10a、入射光導波路1aの入射面)に反射防止膜を形成し、後方端面(基板10の他端面10b、第2の光導波路群2の出射面)に高反射膜を形成して、導波路型光フィルター100素子の製造を終了する。
なお、本実施形態に係る製造方法においては、フォトリソグラフィ法にステッパを用いているが、必ずしもこれに限られるわけではなく、例えば、電子ビーム露光装置であっても適用可能である。
また、本実施形態に係る製造方法においては、SiO2膜40の形成に熱CVD法を用いているが、例えば、プラズマCVD法であっても、スパッタ法であっても適用可能である。
また、本実施形態に係る製造方法においては、ハイメサ構造の製造工程をICP法に限られるものではなく、例えば、NLD(magnetic neutral loop discharge)法、もしくはRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング )法であっても適用可能である。
さらに、本実施形態に係る製造方法においては、エッチングの進行を基板層10にまで到達させたハイメサ構造としているが、必ずしも基板層10にまでエッチングを施す必要はなく、コア層12となるSOI基板30のSi層がエッチングされていればよく、例えば、メサ構造であってもよい。
また、本実施形態に係る製造方法においては、導波路型光フィルター100素子の後方端面及び前方端面の形成は、必ずしも劈開である必要はなく、例えば、導波路型光フィルター100素子を切り出した後に研磨してもよいし、切り出した導波路型光フィルター100素子の後方端面及び前方端面に、コーティング等を施してもよい。
以上のように、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、M×N型マルチモード干渉導波路4及びN×M’型マルチモード干渉導波路5間に、N本(Nは3以上の整数)の光導波路からなる第2の光導波路群2を備え、第2の光導波路群2のうち、一の光導波路の長さが、他の光導波路の長さと異なることにより、波長ピーク周期Δλを自由に設定することができ、ある一定のFSRを有することができるという作用効果を奏する。
特に、従来のマッハ・ツェンダ型及びラダー型の光フィルターは、透過光と非透過光との比を大きくする(透過ピークの線幅を狭める)ために、同一の透過特性を有する光フィルターを従属接続(例えば、2段)する必要があった。
これに対し、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、第2の光導波路群2を二種以上(例えば、1本の直線導波路2aと、同一の導波路長である2本の第1の曲線導波路2aとのニ種類)の光導波路にすることにより、従来のマッハ・ツェンダ型及びラダー型の光フィルターによる従属接続(例えば、2段)と同様に、透過ピークの線幅を狭めることができる。そのうえ、導波路型光フィルター100は、多段の従属接続が不要であり、構成として比較的単純である光フィルターを実現することができるという作用効果を奏する。
また、波長域を広い範囲で使うことが想定されるローカルエリア系ネットワークに導波路型光フィルター100を適用する場合に、第2の光導波路群2が、三種以上の異なる長さを有するN本の光導波路からなることにより、異なる帯域フィルターを集積することと同じ作用効果を、光フィルターのサイズを大きくすることなく実現することができるという作用効果を奏する。
なお、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、第1の曲線導波路2bの略S字の曲線領域における曲率半径Rを23μmとし、第2の曲線導波路2cの略S字の曲線領域における曲率半径Rを12μmとしているが、所望の導波路長の差Δdが実現できるのであれば、この曲率半径に限られるものではない。
また、本実施形態に係る入射光導波路1a及び出射光導波路3aは、直線導波路としているが、必ずしも直線導波路である必要はなく、例えば、テーパー構造等によるスポットサイズ変換機能を直線導波路の一部に持たせ、光ファイバーとの光結合効率を高める構造であってもよい。
また、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、必ずしも従属接続を否定するものではなく、従属接続が併用されていても問題はない。
なお、本実施形態に係る導波路型光フィルター100は、M×N型マルチモード干渉導波路4及びN×M’型マルチモード干渉導波路5として、1×3型マルチモード干渉導波路4a及び3×1型マルチモード干渉導波路5aを例に挙げて説明したが、例えば、図7(b)に示す1×4型マルチモード干渉導波路4及び4×1型マルチモード干渉導波路5や、図7(c)に示す1×5型マルチモード干渉導波路4及び5×1型マルチモード干渉導波路5であってもよい。
なお、図7(a)に示す導波路型光フィルター100は、1×3型マルチモード干渉導波路4及び3×1型マルチモード干渉導波路5を備え、第2の光導波路群2が、1本の直線導波路2aと、導波路長が同一である2本の第1の曲線導波路2bとから構成され、二種類の異なる長さを有する3本の光導波路からなる。また、図7(b)に示す導波路型光フィルター100は、第2の光導波路群2が、導波路長が同一である2本の直線導波路2aと、導波路長が同一である2本の第1の曲線導波路2bとから構成され、二種類の異なる長さを有する4本の光導波路からなる。また、図7(c)に示す導波路型光フィルター100は、第2の光導波路群2が、1本の直線導波路2aと、導波路長が同一である2本の第1の曲線導波路2bと、導波路長が同一である2本の第2の曲線導波路2cとから構成され、三種類の異なる長さを有する5本の光導波路からなる。
図7に示す各導波路型光フィルター100は、図8に示すように、光位相整合領域20の第2の光導波路群2における光導波路の本数を増加させることにより、導波路型光フィルター100によるフィルター効果を増加させることがわかる。なお、図8において、実線が図7(c)に示す導波路型光フィルター100の透過特性を示し、破線が図7(b)に示す導波路型光フィルター100の透過特性を示し、一点鎖線が図7(a)に示す導波路型光フィルター100の透過特性を示す。また、図8において、横軸が波長[nm]であり、縦軸が透過率[%]である。
特に、導波路型光フィルター100は、M×N型マルチモード干渉導波路4及びN×M’型マルチモード干渉導波路5を、図9(a)に示す1×9型マルチモード干渉導波路4及び9×1型マルチモード干渉導波路5にすることより、図9(b)及び図9(c)に示すように、副モード抑圧比(Side Mode Suppression Ratio:SMSR=(中心波長に隣り合う山のパワー)/(中心波長における山のパワー))が0.29を達成し、良好な単一モード動作を実現することができる。
なお、図9(a)に示す導波路型光フィルター100は、第2の光導波路群2が、1本の直線導波路2aと、導波路長が同一である2本の第1の曲線導波路2bと、導波路長が同一である2本の第2の曲線導波路2cと、導波路長が同一である2本の第3の曲線導波路2dと、導波路長が同一である2本の第4の曲線導波路2eと、から構成され、五種類の異なる長さを有する9本の光導波路からなる。また、図8(b)は、横軸が波長[nm]であり、縦軸が透過率[%]である。また、図8(c)は、横軸が第2の光導波路群2における光導波路の本数N[本]であり、縦軸が副モード抑圧比である。
さらに、本実施形態に係る導波路型光フィルター100においては、第1の光導波路群1、第2の光導波路群2、第3の光導波路群3、M×N型マルチモード干渉導波路4及びN×M’型マルチモード干渉導波路5の一部を、PN接合間に活性層を有する層構造にして、アクティブ化することによって光損失の補償も実現できる。すなわち、この層構造では、PN接合間に順バイアスを加えて、正孔と電子が活性層に閉じ込められ、再結合して発光した光により、光導波路を伝播するうちに損失した光を補償することができるという作用効果を奏する。
(本発明の第2の実施形態)
図10(a)は第2の実施形態に係る導波路型光フィルターの概略構成の一例を示す平面図であり、図10(b)は図10(a)に示す導波路型光フィルターの矢視C−C’線の断面図である。図10において、図1乃至図9と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
1×1型マルチモード干渉導波路6は、1入力かつ1出力型であるマルチモード干渉導波路である。特に、本実施形態に係る1×1型マルチモード干渉導波路6は、導波路長が120μm程度であり、導波路幅が6.5μm程度である、略矩形状の干渉領域を有する。
光位相整合領域20aは、第1の実施形態に係る光位相整合領域20における直線導波路2a、第1の曲線導波路2b及び第2の曲線導波路2cの略中央に、1×1型マルチモード干渉導波路6をそれぞれ挿入した領域である。このため、光位相整合領域20aの領域長は、第1の実施形態に係る光位相整合領域20の領域長100μm程度に、1×1型マルチモード干渉導波路6の導波路長120μm程度を加えた220μm程度である。
なお、直線導波路2a及び第1の曲線導波路2bの略中央にそれぞれ挿入された1×1型マルチモード干渉導波路6は、同一の導波路長であるために、直線導波路2aの導波路長に対する第1の曲線導波路2bの導波路長の差Δd及び波長ピーク周期Δλは、第1の実施形態と同一(Δd=52μm、Δλ=13nm)である。同様に、直線導波路2a及び第2の曲線導波路2cの略中央にそれぞれ挿入された1×1型マルチモード干渉導波路6は、同一の導波路長であるために、直線導波路2aの導波路長に対する第2の曲線導波路2cの導波路長の差Δd及び波長ピーク周期Δλは、第1の実施形態と同一(Δd=26μm、Δλ26nm)である。
また、1×1型マルチモード干渉導波路6は、入射光導波路1a、1×3型マルチモード干渉導波路4a、直線導波路2a、第1の曲線導波路2b、第2の曲線導波路2c、3×1型マルチモード干渉導波路5a及び出射光導波路3aと層構造が同一であり、ハイメサ導波路である。すなわち、1×1型マルチモード干渉導波路6の断面構造は、図10(b)に示すように、Si基板を基材とする基板層10上に、SiO2からなる第1のクラッド層11、Siからなるコア層12、及びSiO2からなる第2のクラッド層13が、それぞれ積層されたハイメサ構造である。
なお、第2の実施形態においては、1×1型マルチモード干渉導波路6を備えるところのみが第1の実施形態と異なるところであり、1×1型マルチモード干渉導波路6による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係る導波路型光フィルター100においては、1×1型マルチモード干渉導波路6により、中心波長以外の波長成分を更にカットするため、特に、ローカルエリア系ネットワークへの適用を考えた場合(例えば、1.3μm帯と1.55μm帯と大きく波長の離れた波長間で互いにフィルタリングが必要である)に、クロストークの抑制効果が更に大きくなるという作用効果を奏する。
(本発明の第3の実施形態)
図11(a)は第3の実施形態に係る半導体レーザーの概略構成の一例を示す平面図であり、図11(b)は第3の実施形態に係る半導体レーザーの概略構成の他の例を示す平面図である。図12(a)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図であり、図12(b)は図11に示す半導体レーザーの矢視E−E’線の断面図である。図13は第3の実施形態に係る半導体レーザーの製造方法を説明する説明図であり、図13(a)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するMOVPE法により結晶構造を製作した状態の断面図であり、図13(b)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するマスクを形成した状態の断面図である。図14は第3の実施形態に係る半導体レーザーの製造方法を説明する説明図であり、図14(a)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するエッチングによりハイメサ構造を形成した状態の断面図であり、図14(b)は図11に示す半導体レーザーの矢視D−D’線の断面図に対応するBCBで埋め込んだ状態の断面図である。
半導体レーザー200は、基板210上に、光導波路及びマルチモード干渉導波路が配設され、内部のPN接合間に順バイアスを加えて、正孔と電子が活性層に閉じ込められ、再結合して発光した光を分岐し、光の位相を整合させたうえで、光を合波して外部に出射する。このため、半導体レーザー200は、基板210の一端面210a側において発光した光に対して、基板210の一端面210aに対向する他端面210b側における光導波路の端面を出射面とする場合に、分波用及び合波用のマルチモード干渉導波路をそれぞれ備える必要がある。この場合には、半導体レーザー200は、後述する、第1の光導波路群201、第2の光導波路群202、第3の光導波路群203、M×N型マルチモード干渉導波路204及びN×M’型マルチモード干渉導波路205を少なくとも備える(例えば、図11(b)参照)。
また、半導体レーザー200は、基板210の一端面210a側において発光した光に対して、基板210の他端面210b側における光導波路の端面を反射面とし、基板210の一端面210a側における光導波路の端面を出射面とする場合に、分波及び合波を兼用するマルチモード干渉導波路を備えればよい。この場合には、半導体レーザー200は、第1の光導波路群201及び第2の光導波路群202及びM×N型マルチモード干渉導波路204を少なくとも備える(例えば、図11(a)参照)。
なお、本実施形態においては、基板210の一端面210a側において発光した光に対して、基板210の他端面210b側における光導波路の端面を反射面とし、基板210の一端面210a側における光導波路の端面を出射面とする場合を例に挙げて説明するが、基板210の一端面210a側において発光した光に対して、基板210の他端面210b側における光導波路の端面を出射面とする半導体レーザー200であってもよい。
本実施形態に係る半導体レーザー200は、図11(a)に示すように、基板210上に、第1の光導波路群201と、M×N型マルチモード干渉導波路204と、光位相整合領域220及び光導波路領域221としての第2の光導波路群202とが集積されている。特に、本実施形態に係る半導体レーザー200は、基板210の一端面210aと他端面210bとの間で、第1の光導波路群101、M×N型マルチモード干渉導波路204及び第2の光導波路群202により、共振器が構成されている。
M×N型マルチモード干渉導波路204は、M(Mは1以上の整数)入力かつN(Nは3以上の整数)出力型であるマルチモード干渉導波路である。なお、本実施形態においては、Mを1とし、Nを3とする1×3型マルチモード干渉導波路204aを例に挙げて説明するが、この1×3型マルチモード干渉導波路204aに限られるものではない。特に、本実施形態に係る1×3型マルチモード干渉導波路204aは、光の導波方向に沿った導波路の長さ(以下、導波路長と称す)が280μm程度であり、導波路幅が20μm程度である、略矩形状の干渉領域を有する。
なお、マルチモード干渉導波路は、公知の技術を用いて設計できるのであるが、例えば、MMI理論に基づいて、M×N型マルチモード干渉導波路204を、第1の実施形態において前述したように設計することができる。
第1の光導波路群201は、M×N型マルチモード干渉導波路204の入力側の各ポート(以下、入力ポートと称す)に一端がそれぞれ接続されるM本の光導波路からなり、第1の光導波路群201の各光導波路は、シングルモード導波路である。また、第1の光導波路群201は、各光導波路の他端を出射面とする。
なお、本実施形態においては、1×3型マルチモード干渉導波路204aを例に挙げて説明するために、第1の光導波路群201は、1本の光導波路201aからなる。特に、本実施形態に係る光導波路201aは、導波路長が50μm程度であり、導波路幅が2.0μm程度である、直線領域のみからなる直線導波路である。また、光導波路201aは、M×N型マルチモード干渉導波路204の入力側の辺に対して略中央に接続されている。
第2の光導波路群202は、M×N型マルチモード干渉導波路204の出力側の各ポート(以下、出力ポートと称す)に一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる長さを有するN本の光導波路からなる。また、第2の光導波路群202は、各光導波路の他端を反射面とする。
なお、本実施形態においては、1×3型マルチモード干渉導波路204aを例に挙げて説明するために、第2の光導波路群202は、3本の光導波路からなる。
また、第2の光導波路群202は、光位相整合領域220及び光導波路領域221に領域分けでき、直線領域のみからなる直線導波路202aと、直線領域及び曲線領域からなる曲線導波路(第1の曲線導波路202b、第2の曲線導波路202c)とから構成される。また、第2の光導波路群202は、各光導波路がシングルモード導波路であり、各光導波路の導波路長を互いに異ならせている。
また、第2の光導波路群202は、直線導波路202aと曲線導波路(第1の曲線導波路202b、第2の曲線導波路202c)とから構成されているが、三種以上の異なる長さを有する3本の光導波路から構成されるのであれば、直線導波路及び曲線導波路の組合せに限られるものではなく、例えば、光位相整合領域220における直線導波路202aを曲線導波路で形成し、光位相整合領域220における3本の光導波路を全て曲線導波路で構成してもよい。特に、光位相整合領域220における直線導波路202aに対して導波路長を同じくする曲線導波路に変更した場合には、光位相整合領域220の長さが短くなり、半導体レーザー200素子の全長を短くすることができる。また、第2の光導波路群202は、光位相整合領域220における曲線導波路の替わりに、屈曲領域を含む光導波路であってもよいが、屈曲領域における伝播光の放射による光の伝播ロスが生じるために、曲線導波路にすることが好ましい。
第2の光導波路群202は、図11(a)に示すように、1×3型マルチモード干渉導波路204a及び基板110の他端面210b間に、直線導波路202a、第1の曲線導波路202b及び第2の曲線導波路202cが並設され、直線導波路202aを基準として、第1の曲線導波路202b及び第2の曲線導波路202cが直線導波路202aの両側にそれぞれ配設される。
直線導波路202aは、1×3型マルチモード干渉導波路204aを介して、光導波路201aに対向する位置に配設される。特に、光位相整合領域220が領域長として50μm程度であり、光導波路領域221が領域長として50μm程度であるために、光位相整合領域220及び光導波路領域221の領域長に一致する直線導波路202aは、導波路長が100μm程度であり、導波路幅が2.0μm程度である。
第1の曲線導波路202bは、第1の実施形態において前述した数5に基づき、半導体レーザー200からの透過光の繰り返しピークの間隔(以下、波長ピーク周期と称す)Δλがおよそ13nmとなるように、第1の実施形態において前述した数4に基づき、直線導波路202aの導波路長に対する第1の曲線導波路202bの導波路長の差Δdがおよそ26μm(往復でおよそ52μm)だけ直線導波路202aよりもその長さが長くなるように設定されている。
このため、光位相整合領域220における第1の曲線導波路202bは、図11(a)に示すように、曲率半径Rがおよそ23μmである略S字の曲線領域を光位相整合領域220の光導波路領域221側に有し、その前(1×3型マルチモード干渉導波路204a側)におよそ4μm程度の長さの直線領域が配置された構成の光導波路である。
第2の曲線導波路202cは、第1の曲線導波路202bと同様に、第1の実施形態において前述した数5に基づき、波長ピーク周期Δλがおよそ26nmとなるように、第1の実施形態において前述した数4に基づき、直線導波路202aの導波路長に対する第2の曲線導波路202cの導波路長の差Δdがおよそ13.5μm(往復でおよそ27μm)だけ直線導波路202aよりもその長さが長くなるように設定されている。
このため、光位相整合領域220における第2の曲線導波路202cは、図11(a)に示すように、曲率半径Rがおよそ12μmである略S字の曲線領域を光位相整合領域220の光導波路領域221側に有し、その前(1×3型マルチモード干渉導波路204a側)におよそ26μm程度の長さの直線領域が配置された構成の光導波路である。
光導波路領域221における直線導波路202a、第1の曲線導波路202b及び第2の曲線導波路202cは、導波路長が50μm程度であり、導波路幅が2.0μm程度である、直線領域のみからなる直線導波路である。
なお、光導波路201a、1×3型マルチモード干渉導波路204a、直線導波路202a、第1の曲線導波路202b及び第2の曲線導波路202cは、層構造が同一であり、ハイメサ導波路である。
また、これらの断面構造は、図12に示すように、n−InP基板を基材とする基板層210上に、n型半導体であるn−InPからなるバッファ層211、長波長帯(1.55μm帯)の半導体レーザーを実現する活性層となるInGaAsP/InGaAsPからなる発光層212、真性半導体であるi−InPからなる第1のクラッド層213、p型半導体であるp−InPからなる第2のクラッド層214、p型半導体であるp−InGaAsからなるコンタクト層215が、それぞれ積層されたハイメサ構造である。また、ハイメサ構造に対しては、低誘電率有機膜であるBCB(benzocyclobutene:ベンゾシクロブテン)を非導波領域に埋め込み、埋め込み層216が形成される。
このハイメサ構造は、図12に示すように、非導波領域(BCBを埋め込む領域)において、コンタクト層215、第2のクラッド層214、第1のクラッド層213、発光層212及びバッファ層211と共に、基板層210の一部がエッチングにより除去された構造である。
なお、発光層212は、SCH(Separate Confinement Hetero-structure:分離閉じ込めヘテロ構造)と多重量子井戸(Multi-Quantum Well:MQW)とからなる通常の発光層である。
特に、本実施形態においては、バッファ層211の膜厚は100nm程度であり、発光層212の膜厚は100nm程度であり、第1のクラッド層213の膜厚は100nm程度であり、第2のクラッド層214の膜厚は900nm程度であり、コンタクト層215の膜厚は150nm程度である。
つぎに、図12乃至図14を参照して、本実施形態に係る半導体レーザー200の製造方法を説明する。
まず、通常のn−InP基板210上に、MOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法を用いて、n−InP膜230、InGaAsP/InGaAsP−1.55μm帯膜240、i−InP膜250、p−InP膜260、p−InGaAs膜270を順番に堆積し、積層を形成する(図13(a))。
そして、ステッパ(縮小投影露光装置)による通常のフォトリソグラフィ法を用いて、図11(a)に示す、第1の光導波路群201、M×N型マルチモード干渉導波路204、第2の光導波路群202の平面形状に合わせて、p−InGaAs膜270上にエッチング用のマスク280を形成する(図13(b))。
このマスク280を用いて、RIE(反応性イオンエッチング )法によりドライエッチングを施して、コンタクト層215となるp−InGaAs膜270、第2のクラッド層214となるp−InP膜260、第1のクラッド層213となるi−InP膜250、発光層212となるInGaAsP/InGaAsP−1.55μm帯膜240、バッファ層211となるn−InP膜230における不要な部分を部分的(マスクが形成されていない部分のみ)に除去し、断面形状としてハイメサ構造を形成する(図14(a))。なお、図14(a)においては、エッチングの進行が、基板210の表面まで達して一部が除去されており、基板210にエッチング底面210cを図示している。
この後、エッチングで除去した部分をBCBで埋め込んで埋め込み層216を形成し(図14(b))、コンタクト層215の直上にあるマスク280を、有機溶剤及びアッシング法により除去する(図12)。
そして、PN接合間に順バイアスを加えるための外部電極となる図示しないTi/Pt/Au層を、コンタクト層215上に電子ビーム蒸着法で形成する。なお、Ti/Pt/Au層は、コンタクト層215上のみに選択的に形成してもよいし、コンタクト層215及び埋め込み層216上の基板210全面に形成してもよい。しかしながら、コンタクト層215上のみに選択的にTi/Pt/Au層を形成する場合には、パターニングを行なう製造工程が増加するために、コンタクト層215及び埋め込み層216上の基板210全面にTi/Pt/Au層を形成するのが好ましい。
その後、光導波路が形成されていない基板210の裏面を研磨して、PN接合間に順バイアスを加えるための外部電極となる図示しないTi/Pt/Au層を、基板210の裏面全面に電子ビーム蒸着法で形成する。
そして、複数の半導体レーザー200素子が形成された基板210に対して、半導体レーザー200素子間の境界に沿って劈開することで、図11(a)及び図12に示す構造を有する半導体レーザー200素子を得ることができる。この劈開により、半導体レーザー200素子の前方端面(基板210の一端面210a、光導波路201aの出射面)及び後方端面(基板210の他端面210b、第2の光導波路群2の反射面)がそれぞれ形成される。
最後に、前方端面に反射防止膜を形成し、後方端面に高反射膜を形成して、半導体レーザー200素子の製造を終了する。なお、図11(b)に示す半導体レーザー200の場合には、後方端面(基板210の一端面210a、光導波路201aの反射面)及び前方端面(基板210の他端面210b、第2の光導波路群2の出射面)に反射防止膜をそれぞれ形成して、半導体レーザー200素子の製造を終了する。
なお、本実施形態に係る製造方法においては、結晶成長方法としてMOVPE法を用いているが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)法であっても適用可能である。
また、本実施形態に係る製造方法においては、エッチング方法としてRIE法を用いているが、ICP法やウェットエッチング法であっても適用可能である。
また、本実施形態に係る製造方法においては、フォトリソグラフィ法にステッパを用いているが、必ずしもこれに限られるわけではなく、例えば、電子ビーム露光装置であっても適用可能である。
また、本実施形態に係る製造方法においては、半導体レーザー200素子の後方端面及び前方端面の形成は、必ずしも劈開である必要はなく、例えば、半導体レーザー200素子を切り出した後に研磨してもよいし、切り出した半導体レーザー200素子の後方端面及び前方端面に、コーティング等を施してもよい。
なお、第3の実施形態においては、半導体レーザー200であり、層構造が異なるところのみが第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるところであり、半導体レーザー200による作用効果以外は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係る半導体レーザー200は、1×3型マルチモード干渉導波路204内を伝搬する全ての高次モード光が3分岐されると共にシングルモード光に変換される。変換されたシングルモード光は、光位相整合領域220を通過した後に、光導波路領域221を経て、基板210の他端面210b側の第2の光導波路群202の端面で反射する。反射されたシングルモード光は、更に、光導波路領域221及び光位相整合領域220を経た後に、1×3型マルチモード干渉導波路204内を伝搬し、レーザー光として基板210の一端面210a側の光導波路201aの端面から出力される。
また、本実施形態に係る半導体レーザー200においては、光位相整合領域220が1×3型マルチモード干渉導波路204aの3出力側に設けられることにより、出力光の位相を整合させることができる。
特に、本実施例に係る半導体レーザー200においては、第1の実施形態(図1(a)の場合)とは異なり、光位相整合領域220が第1の実施形態に係る光位相整合領域20のおよそ半分程度となっており、かつ、3×1型マルチモード干渉導波路5aが存在しない。
この構成は、基板210の他端面210b側にある第2の光導波路群2の端面を反射鏡として存在させ、この第2の光導波路群2の端面で光が折り返され、1×3型マルチモード干渉導波路204aの3出力側に入力させるためである。
すなわち、本実施例に係る1×3型マルチモード干渉導波路204aは、第1の実施形態における3×1型マルチモード干渉導波路5aの役割も担い、半導体レーザー200の素子長を無用に長くする必要がない。
以上のように、本実施形態に係る半導体レーザー200においては、第1の実施形態と同様の光フィルター性能が実現できると共に、グレーティングを有していないにも関わらず、単一波長を選択する機構を内包することになり、単一波長による発振が得られるという作用効果を奏する。特に、本実施形態に係る半導体レーザー200においては、グレーティングを利用したDFB−LD(distributed-feedback laser diode:分布帰還型半導体レーザー)等の従来の半導体レーザーと比較して、製造工程が簡素化でき、低コストの光源を実現することができるという作用効果を奏する。
(本発明の第4の実施形態)
図15(a)は第4の実施形態に係る半導体レーザーの概略構成の一例を示す平面図であり、図15(b)は図15(a)に示す半導体レーザーの矢視F−F’線の断面図である。図15において、図1乃至図14と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
電気的分離溝207は、第1の光導波路群201のうち少なくとも1本の光導波路の長さ方向を横断するように、コンタクト層215の一部を除去することで形成される。なお、本実施形態に係る電気的分離溝207は、1×3型マルチモード干渉導波路204aの入力ポートから基板210の一端面210a側にかけて、長さ4μm程度で光導波路201aに配設する。また、電気的分離溝207は、光導波路201aに独立して変調信号を加えることのできる領域である。
つぎに、図15(b)を参照して、本実施形態に係る半導体レーザー200の製造方法を説明する。
なお、本実施形態に係る半導体レーザー200の製造方法は、埋め込み層216を形成し(図14(b))、コンタクト層215の直上にあるマスク280を、有機溶剤及びアッシング法により除去する(図12)までは、第3の実施形態に係る半導体レーザー200の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
マスク280を除去して露出したコンタクト層215における、電気的分離溝207となる領域を、ウェットエッチング法により除去し、電気的分離溝207を形成する(図15(b))。
そして、PN接合間に順バイアスを加えるための外部電極となる図示しないTi/Pt/Au層を、コンタクト層215上に電子ビーム蒸着法で形成する。
その後、光導波路が形成されていない基板210の裏面を研磨して、PN接合間に順バイアスを加えるための外部電極となる図示しないTi/Pt/Au層を、基板210の裏面全面に電子ビーム蒸着法で形成する。
そして、複数の半導体レーザー200素子が形成された基板210に対して、半導体レーザー200素子間の境界に沿って劈開することで、図15に示す構造を有する半導体レーザー200素子を得ることができる。
最後に、前方端面に反射防止膜を形成し、後方端面に高反射膜を形成して、半導体レーザー200素子の製造を終了する。
なお、第4の実施形態においては、電気的分離溝207を形成するところのみが第3の実施形態と異なるところであり、電気的分離溝207による作用効果以外は、第3の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係る半導体レーザー200は、光導波路201aが50μm程度の短い長さで電気的に分離され、この電気的分離溝207のみに変調信号を加えることのできる構造であるために、実質的には困難な数十μm程度の短キャビティと同等の緩和振動周波数へと飛躍的に高めることが可能となり、高速かつ直接変調が可能な光源を実現することができるという作用効果を奏する。
1 第1の光導波路群
1a 入射光導波路
2 第2の光導波路群
2a 直線導波路
2b 第1の曲線導波路
2c 第2の曲線導波路
2d 第3の曲線導波路
2e 第4の曲線導波路
3 第3の光導波路群
3a 出射光導波路
4 M×N型マルチモード干渉導波路
4a 1×3型マルチモード干渉導波路
5 N×M’型マルチモード干渉導波路
5a 3×1型マルチモード干渉導波路
6 1×1型マルチモード干渉導波路
10 基板,基板層
10a 一端面
10b 他端面
10c エッチング底面
11 第1のクラッド層
12 コア層
13 第2のクラッド層
20 光位相整合領域
20a 光位相整合領域
30 SOI基板
40 SiO2
50 マスク
100 導波路型光フィルター
101 第1の光導波路群
110 基板
200 半導体レーザー
201 第1の光導波路群
201a 光導波路
202 第2の光導波路群
202a 直線導波路
202b 第1の曲線導波路
202c 第2の曲線導波路
203 第3の光導波路群
204 M×N型マルチモード干渉導波路
204a 1×3型マルチモード干渉導波路
205 N×M’型マルチモード干渉導波路
207 電気的分離溝
210 基板,基板層
210a 一端面
210b 他端面
210c エッチング底面
211 バッファ層
212 発光層
213 第1のクラッド層
214 第2のクラッド層
215 コンタクト層
216 埋め込み層
220 光位相整合領域
221 光導波路領域
230 n−InP膜
250 i−InP膜
260 p−InP膜
270 p−InGaAs膜
280 マスク

Claims (8)

  1. 1入力かつN(Nは3以上の整数)出力型である1×N型マルチモード干渉導波路と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の入力側のポートに一端が接続される1本の光導波路からなる第1の光導波路群と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の出力側の各ポートに一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる導波路長を有するN本の光導波路からなる第2の光導波路群と、
    を備え、
    前記第1の光導波路群の1本の光導波路の他端を入射面及び出射面とし、
    前記第2の光導波路群の各光導波路の他端を反射面とし、
    前記第2の光導波路群のうち、一の光導波路の導波路長が、二種以上の異なる導波路長を有する複数本の他の光導波路の導波路長と異なり、
    前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の導波路の各導波路長の差に基づく、前記出射面からの透過光の繰り返しピークの間隔である波長ピーク周期Δλが、複数存在し、
    下記式1を満たす整数をmとし、前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の光導波路の導波路長との差をΔd/2とすると、下記式2を満たすことを特徴とする導波路型光フィルター。
    [式1]
    m=λ0/Δλ
    (但し、λ0:入射光波長、Δλ:波長ピーク周期)
    [式2]
    Δd=λ0(Φ0+2π(m−1))/2πneq
    (但し、neq:第2の光導波路群の光導波路の等価屈折率、Φ0:初期整合位相)
  2. 1入力かつN(Nは3以上の整数)出力型である1×N型マルチモード干渉導波路と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の入力側のポートに一端が接続される1本の光導波路からなる第1の光導波路群と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の出力側の各ポートに一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる導波路長を有するN本の光導波路からなる第2の光導波路群と、
    前記第2の光導波路群の各光導波路の他端が入力側の各ポートにそれぞれ接続されるN(Nは3以上の整数)入力かつ1出力型であるN×1型マルチモード干渉導波路と、
    前記N×1型マルチモード干渉導波路の出力側のポートに一端が接続され、他端を出射面とする1本の光導波路からなる第3の光導波路群と、
    を備え、
    前記第1の光導波路群の1本の光導波路の他端を入射面とし、
    前記第2の光導波路群のうち、一の光導波路の導波路長が、二種以上の異なる導波路長を有する複数本の他の光導波路の導波路長と異なり、
    前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の導波路の各導波路長の差に基づく、前記出射面からの透過光の繰り返しピークの間隔である波長ピーク周期Δλが、複数存在し、
    下記式3を満たす整数をmとし、前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の光導波路の導波路長との差をΔdとすると、下記式4を満たすことを特徴とする光導波型フィルター。
    [式3]
    m=λ0/Δλ
    (但し、λ0:入射光波長、Δλ:波長ピーク周期)
    [式4]
    Δd=λ0(Φ0+2π(m−1))/2πneq
    (但し、neq:第2の光導波路群の光導波路の等価屈折率、Φ0:初期整合位相)
  3. 前記請求項1又は2に記載の導波路型光フィルターにおいて、
    前記第2の光導波路群の一の光導波路及び/又は他の光導波路が、曲線領域を含む曲線導波路であることを特徴とする導波路型光フィルター。
  4. 1入力かつN(Nは3以上の整数)出力型である1×N型マルチモード干渉導波路と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の入力側のポートに一端が接続される1本の光導波路からなる第1の光導波路群と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の出力側の各ポートに一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる導波路長を有するN本の光導波路からなる第2の光導波路群と、
    を備え、
    前記第1の光導波路群の1本の光導波路の他端を出射面とし、
    前記第2の光導波路群の各光導波路の他端を反射面とし、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路、第1の光導波路群及び第2の光導波路群が、活性層を有する層構造であり、
    前記第2の光導波路群のうち、一の光導波路の導波路長が、二種以上の異なる導波路長を有する複数本の他の光導波路の導波路長と異なり、
    前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の導波路の各導波路長の差に基づく、前記出射面からの透過光の繰り返しピークの間隔である波長ピーク周期Δλが、複数存在し、
    下記式5を満たす各整数をmとし、前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の光導波路の各導波路長との差をΔd/2とすると、下記式6を満たすことを特徴とする半導体レーザー。
    [式5]
    m=λ 0 /Δλ
    (但し、λ 0 :入射光波長、Δλ:波長ピーク周期)
    [式6]
    Δd=λ 0 (Φ 0 +2π(m−1))/2πn eq
    (但し、n eq :第2の光導波路群の光導波路の等価屈折率、Φ 0 :初期整合位相)
  5. 前記請求項4に記載の半導体レーザーにおいて、
    前記第1の光導波路群の光導波路が、外部電極に接続するコンタクト層を有しており、
    前記第1の光導波路群の1本の光導波路の長さ方向を横断するように、前記コンタクト層の一部を除去しており、当該除去した領域を介して前記1×N型マルチモード干渉導波路から分離された前記第1の光導波路群の光導波路に変調信号を加えることを特徴とする半導体レーザー。
  6. 1入力かつN(Nは3以上の整数)出力型である1×N型マルチモード干渉導波路と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の入力側のポートに一端が接続される1本の光導波路からなる第1の光導波路群と、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路の出力側の各ポートに一端がそれぞれ接続され、三種以上の異なる導波路長を有するN本の光導波路からなる第2の光導波路群と、
    前記第2の光導波路群の各光導波路の他端が入力側の各ポートにそれぞれ接続されるN(Nは3以上の整数)入力かつ1出力型であるN×1型マルチモード干渉導波路と、
    前記N×1型マルチモード干渉導波路の出力側のポートに一端が接続され、他端を出射面とする1本の光導波路からなる第3の光導波路群と、
    を備え、
    前記第1の光導波路群の1本の光導波路の他端を反射面とし、
    前記1×N型マルチモード干渉導波路、第1の光導波路群及び第2の光導波路群が、活性層を有する層構造であり、
    前記第2の光導波路群のうち、一の光導波路の導波路長が、二種以上の異なる導波路長を有する複数本の他の光導波路の導波路長と異なり、
    前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の導波路の各導波路長の差に基づく、前記出射面からの透過光の繰り返しピークの間隔である波長ピーク周期Δλが、複数存在し、
    下記式7を満たす各整数をmとし、前記第2の光導波路群の一の光導波路の導波路長に対する、前記第2の光導波路群の複数本の他の光導波路の各導波路長との差をΔdとすると、下記式8を満たすことを特徴とする半導体レーザー。
    [式7]
    m=λ 0 /Δλ
    (但し、λ 0 :入射光波長、Δλ:波長ピーク周期)
    [式8]
    Δd=λ 0 (Φ 0 +2π(m−1))/2πn eq
    (但し、n eq :第2の光導波路群の光導波路の等価屈折率、Φ 0 :初期整合位相)
  7. 前記請求項6に記載の半導体レーザーにおいて、
    前記第3の光導波路群の光導波路が、外部電極に接続するコンタクト層を有しており、
    前記第3の光導波路群の1本の光導波路の長さ方向を横断するように、前記コンタクト層の一部を除去しており、当該除去した領域を介して前記1×N型マルチモード干渉導波路から分離された前記第3の光導波路群の光導波路に変調信号を加えることを特徴とする半導体レーザー。
  8. 前記請求項4乃至7のいずれかに記載の半導体レーザーにおいて、
    前記第2の光導波路群のうち、少なくとも1本の光導波路が、曲線領域を含む曲線導波路であることを特徴とする半導体レーザー。
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