JP5711372B2 - ソフトイオン化グロー放電及び調整器を備える質量分析計 - Google Patents

ソフトイオン化グロー放電及び調整器を備える質量分析計 Download PDF

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Description

本発明は、ソフトイオン化グロー放電及び調整器を備える質量分析計に関する。
[0001]環境分析では、食物、土壌、又は水の様な媒体から関心対象の試料(豊富な化学物質のマトリクス内に夾雑物を含み得る)を抽出するのにガスクロマトグラフィーと質量分析法がペア(GC−MS)で利用されることがある。1つの例では、試料は、ガスクロマトグラフィー(GC)を利用して時間的に分離され、化合物イオン化に向けてイオン化源の中へ注入され、そして質量分光(MS)分析を使用して同定される。
[0002]一部のGC−MSプロセスは、電子イオン化(EI)イオン源を採用しており、電子照射プロセスを使用して試料又は化合物をイオン化し、それによってフラグメントスペクトルを発生させる。化合物は、生成されたスペクトルを標準EIスペクトルのライブラリと比較することによって同定される。この技法は、実施1回当たり100化合物までを低ピコグラム(pg)から数十ナノグラム(ng)までのダイナミックレンジ内で同定するのに使用できる。
[0003]二次元ガスクロマトグラフィー(GCxGC)は同定を実施1回当たり何千という分析対象化合物へ広げることはできるが、EIスペクトルは広い範囲のとりわけ脆弱で揮発性の検体については十分な分子ピーク統計を提供できないかもしれない。これは適正同定に影響を及ぼし品質を落としかねない。
[0004]概して、所望される分子ピーク情報が提供されるように、化学イオン化(CI)及び電界イオン化(FI)の様な比較的ソフトなイオン化法が使用されることがある。CIは、プロトン移動のイオン分子反応を採用しており、選択性が高い(例えば、これはプロトン親和力の低い化合物には強い抑制と干渉をもたらす)。しかしながら、CI源は、高速ガスクロマトグラフィー分離とは相性が悪く、10−20msピークを有する二次元ガスクロマトグラフィーとは相いれない。FIは、汎用性はかなりあるが、複雑で不安定な上に感度に劣り、典型的な検出限界は100pgである(即ち電子イオン化に比べると2桁低い)。
[0005]光イオン化(PI)は、中極性化合物と関連付けて使用されてきたもう1つのソフトイオン化法である。1つの事例では、シールされたUVランプを使用してGC溶出物をイオン化し、イオン電流が次いで測定されるか又はイオン化合物が光学分光法を使用して同定される。GC−MS分析ではPIを大気条件で実施することが提案されている。一例では、PIは追加的に大気圧での内部エネルギーの減衰化を伴っており、よって真空UVイオン化に比べるといっそうソフトなものになっている。効率を増進させるためにアセトン又はベンゼンのドーパント蒸気が加えられることもある。しかしながら、結果的に、Mイオン、MHイオン、イオンクラスター、及びフラグメントイオン、の様なイオンが生成されるせいで、スペクトルの翻訳に混同が生じかねない。おまけに、PIではEIに比較して、化合物依存イオン化効率の散らばりが遥かに高い。
[0006]グロー放電(GD)イオン化法も使用されてきた。1−10mbarガス圧力でのグロー放電を用いた指向性イオン化が採用されているが、有機化合物は、EI源を使用した場合に起こる断片化に匹敵する甚だしい断片化を呈し、それにより検出限界が約1ピコグラムに制限される。ガス圧力を増加させた場合でさえ、顕著な断片化がなお観測されている。GD領域と大気圧での反応領域の分離は、効率を損ない、有極性及び無極性有機化合物の様な広い範囲の化合物に亘って不均一なイオン化を引き起こす。
分析化学、72(2000年)3653−3659頁、Damon B.R.、Covey T.R.、Bruins A.P.、「大気圧光イオン化:液体クロマトグラフィー−質量分析計のためのイオン化法」(B.R、Damon B.R., Covey T.R., Bruins A.P., Atmospheric pressure photo-ionization: An ionization method for liquid chromatography-mass spectrometry, Anal. Chem., 72 (2000) 3653-3659)
[0007]端的にいうと、一般的なGC−MSの分析測定は満足のいくものではなく、広い範囲の有極性及び無極性化合物に亘って均一なイオン化効率をもたらす改善されたイオン化法の必要性が依然として存在する。
[0008]概して、本発明は、ソフトイオン化グロー放電(GD)を発生させるための分光計源及びソフトイオン化グロー放電(GD)を使用する方法に関する。厳密には、分光計源は、イオン化グロー放電をソフトにする調整器を含み、広い範囲の有極性及び無極性検体について実質的に均一なイオン化効率を確約し、なお且つ検体の断片化の量を最小限にする。この調整器及び調整法は、複合的で脆弱な検体試料の分析をやり易くする。加えて、検体は、ソフトイオン化GD源を電子衝撃(EI)イオン化源や光イオン化(PI)源の様な他のイオン化源と併せて用いて分析されることが可能になる。
[0009]好都合にも、ソフトイオン化GDを発生させるための分光計源及びソフトイオン化GDを使用する方法は、例えば検体約0.1ピコグラムという高い感度での均一イオン化を以って、複合的で脆弱な検体を検出する能力を他のイオン化法に対比して改善する。
[0010]本開示の1つ又はそれ以上の実施形の詳細は、添付図面に示され、以下の説明の中で述べられている。他の態様、特徴、及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかとなろう。
[0024]様々な図面中の同様の符号は同様の要素を表す。
[0011]ソフトグロー放電イオン化源を有する或る例示としての質量分析計システムの概略図を提供している。 [0012]質量分析計システムを運転するための或る例示としての動作配列を提供している。 [0012]図1Bから続く、質量分析計システムを運転するための或る例示としての動作配列を提供している。 [0013]複数のイオン化器を採用している或る例示としての質量分析計システムの概略図を提供している。 [0014]或る例示としての質量分析計システムの概略図を提供している。 [0015]質量分析計システムを運転するための或る例示としての動作配列を提供している。 [0015]図3Bから続く、質量分析計システムを運転するための或る例示としての動作配列を提供している。 [0016]APPIイオン化法とAPCIイオン化法についてクロマトグラムと典型的な質量スペクトルを並べて示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0017]或る試料へのAPPI法及びAPCI法における均一イオン化電子衝撃(EI)イオン化に比較した相対イオン化効率を示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0018]APPI法における分子イオン生存率対EI法における分子イオン生存率を示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0019]ソフトグロー放電法における相対イオン化効率を示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0020]直接検体注入を伴う過酷なグロー放電源と検体分子との反応に先立つイオンコンディショニングを伴うソフトなグロー放電源についてのスペクトルの比較を示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0021]ヘプタデカン−飽和炭化水素について、電子衝撃法と化学イオン化の或る方法についての文献によるスペクトル(電子衝撃法はNIST標準EIスペクトルとして提示)の比較を示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0022]窒素を放電ガスとして使用しているソフトグロー放電法で得られるスペクトルを示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。 [0023]酸素、窒素、及びヘリウム、の様な様々な放電ガスを使用した場合の、ソフトグロー放電イオン源内の塩素含有芳香族の分子イオンの生存率とイオン化効率を示す例示としてのデータのグラフ表示を提供している。
[0025]図1Aを参照して、幾つかの実施形では、質量分析計システム10は、イオン検出器14と連通しているイオン源12を含んでいる。イオン源12は、第1イオン化器18と連通している第1ガス供給部16を含むものである。或る実施形では、第1イオン化器18はグロー放電イオン化器であり、すると第1ガス供給部16は、実質的に選択的且つソフトなイオン化を提供するべく希ガスを供給しており、希ガスには、中でもとりわけヘリウム、アルゴン、ネオン、窒素、及び酸素が含まれる。非希ガスが使用されることもあろうし、本発明は希ガスに限定されるものではないものと理解されたい。
[0026]或る実施形では、イオン源12は、第1イオン化器18を反応器22へ接続している調整器20を含んでいる。調整器20は、他にもあるが中でもとりわけ、システム内に望ましからざるフラグメントを持ち込み望まれないノイズを加えかねないストリーム汚染物質による第1イオン化器18の汚染を阻止するために提供されている。汚染物質の例には、有機汚染物質、高励起準安定原子、例えばリュードベリ励起原子、及び電子、が含まれる。反応器22は、試料ガス供給部24及びイオン検出器14と連通している。
[0027]引き続き図1Aを参照して、第1イオン化器18は、グロー放電領域29と室流体投入部30と室流体排出部32を画定している室28を有するグロー放電イオン化器を備えるものである。調整器20は、調整器流体投入部34及び調整器流体排出部36を含み、反応器は反応器流体投入部38及び反応器流体排出部40を含み、イオン検出器14はイオン検出器流体投入部41を含んでいる。描かれている様に、調整器流体投入部34は室流体排出部32へ接続され、調整器流体排出部36は反応器流体投入部38へ接続され、反応器流体排出部40は検出器流体投入部41へ接続されている。別途明記のない限り、接続部及び連通するという用語は、流体接続又は流体連通を意味するものとする。加えて、その様な接続又は連通は直接のこともあれば間接のこともあり、よって接続又は連通をやり易くするために導管又は他の手段が使用されることもあり得るものと理解されたい。これら及び他の特徴は、この開示が考察されれば当業者には自明となろう。
[0028]或る実施形では、室28のグロー放電領域29内には、正イオンを試料採取のために調整器流体投入部34の中へ向かわせ、その一方で電子を切り返して調整器流体投入部34から離れさせる電界(RF又はDCによって発生させる電界を含む)が印加されている。
[0029]或る実施形では、電極42は、電界を提供するように少なくとも部分的に室内28に配置されている。電極42は、(電圧源の様な)パワー源44へ電気的に接続されているものであって、それにより両者の間には(安定抵抗器の様な)抵抗器48が設けられている。或る実施形では、パワー源44は、電極42を横断して静電圧を発生させて、電子を引き寄せ正イオンを電極40から引き離し調整器流体投入部34へ向かわせる。電極42を作動させる又は電界を生成するのに様々な配設を使用することができ、本発明は説明されている例示としての配設に限定されないものと理解されたい。
[0030]一例では、調整器20がイオンと電子及び準安定原子と分子から成る濃密プラズマ及びガスを試料採取する際、パワー源44は約1mAの電流を電極42へ提供している。電極42は、調整器流体投入部34から約1mm乃至約2mm離して配置されている。抵抗器48は1mOhmの安定抵抗器であり、パワー源44は約0.5kV乃至約1.5kVを提供している電圧源である。上記配設は、約0.1mA乃至約1mAの電流を電極42へ送って電極42から安定したグロー放電を提供させる。パワー源44は、電極42を通る電流を安定に且つ線形に制御するのに使用されていることが理解されるであろう。
[0031]或る実施形では、調整器20は、チャネル又は管を画定しており、高速拡散電子(例えばリュードベリ励起中性原子)を除去する一方でなお何百ものnAの正へリウムイオンが室流体排出部32と反応器流体投入部38の間を移動できるようにする寸法とされている。図1に描かれている様に、或る実施形では、調整器20は長さLと内径Dを有する管である。調整器20の管の長さLと直径Dひいては管を通るガス流束の長さは、他にも実施可能なものはあろうが例えば、高速拡散電子を除去するのに十分とされる約5ms乃至約10msの移動時間を提供するように選定することができるであろう。或る実施形では、調整器20はプラズマを除去して、反応器22中を無電界状態にさせる。
[0032]幾つかの実施形では、調整器20は導電性の管である。一般に、約(50−100)mm*mbarの内径D及びガス圧力Pを有する管については、管イオン伝送損失は消滅するか又は実質的に消滅する。従って、幾つかの実施形では、調整器20は、約15mmの長さLと約2mmの内径Dを有する管(例えばステンレス鋼管)として構成されている。効率的なイオン移動は、グロー放電イオン化器18中のガス圧力が少なくとも約30mbarであるときに起こり得る。幾つかの実施形では、接続し合うチャネルと(例えば、イオン化器18、調整器20、反応器22、及びそれらの間の導管)とガス供給部16からのガス流れの一方又は双方は、約(30−300)mbarのガス圧力を、また幾つかの例では約(50−100)mbarのガス圧力を、持続させるように構成されている。更に、幾つかの例では、調整器20の内径Dとグロー放電イオン化器18の圧力の積は、少なくとも50mm*mbarである。
[0033]引き続き図1Aを参照して、調整器20は、ドーパント源52と連通しているドーパント投入部50を含むものである。ドーパント源52は、ドーピング剤を、グロー放電領域29で生成された正ヘリウムイオンの様なイオンであって調整器20を通過してゆくイオンへ導入するために提供されているものである。或る実施形では、ドーピング剤は、下流の調整器20内での混合を促すやり方で提供されている。ドーピング剤は、会合性のベンゼンやアセトンなどを含むドーピング蒸気とすることができる。
[0034]或る実施形では、ドーピング剤は正ヘリウムイオンとドーパントの間に電荷移動を引き起こして1つ又はそれ以上のMドーパントイオンを形成させるために提供される。得られるMドーパントイオンは、その後、電荷を検体分子へ移動させるのに使用され、そうして当該検体が次に、質量分析技法を含むイオン検出により測定される。調整器20へは様々なドーピング剤が導入されることであり、種々の理由及び所望の特性に基づいて選択されればよい。その様なドーピング剤の選択は所望される成果に基づくものであってもよいと理解されたく、その様な選択において考慮され得る1つの因子は、均一イオン化と単数又は複数の特定クラスの化合物を単離するためのイオン化との間のトレードオフである。例えば、ドーパントは、得られるイオン電位eVがヘリウム(約24.6eV)より小さく但し典型的に7eV乃至12eVのイオン電位を有する有機物質検体よりも大きくなるように選択されてもよい。状況によっては、ドーパントは、ドーパントイオン電位が、一部の有機物質検体イオン電位より小さく但し他のものより大きくなるように選択されることもあろう。例えば、ドーパントは、10eVのドーパントイオン電位を有するように選択されてもよく、そうすれば、或る特定のクラスの検体のみが、即ちイオン電位が10eV未満のもののみが、検体イオンを形成し、その後に検出されることになる。
[0035]或る実施形では、反応器22は、試料ガス供給部24と連通している試料ガス投入部54を含んでおり、その場合、試料ガス供給部24は、試薬を含有する試料ガス流れを反応器22へ導管58又は他の手段を経由して供給している。
[0036]或る実施形では、ガス供給部24は、該当する揮発性試料を反応器22へ供給するのにガスクロマトグラフィーを採用していてもよい。所望に応じ、導管58は、追加的にキャリアガス投入部60を含み、キャリアガス又は試料ガスに検体を試料ガス供給部24から反応器22へ搬送又は移送させるようにしてもよい。或る代わりの配設では、キャリアガス投入部60は、キャリアガスを反応器22の中へ直接導入するように反応器22に直接設けられている。
[0037]一例として、アルゴンが、キャリアガスとして使用され、キャリアガス投入部60の中へ送達されてもよい。アルゴンは、試料ガス供給部24から反応器22の中への検体の送達を加速することができる。キャリアガス(例えばアルゴン)は、反応器22からイオン検出器14への検体イオンの移動を改善することができる。
[0038]様々な実施形では、導管58は、毛管カラムのこともあり、加熱されることもあり、又は移動特性を加速する追加のガスによって洗浄されることもある。
[0039]検体が反応器22内で動くと、イオン化器18からのガス流れと混ざり合った状態になり、電荷移動反応がその後反応器22内に起こる。
[0040]或る例示としての反応を以下に表わす。
+A→R+A
[0041]上記の反応は、ヘリウムイオンHeのイオン化電位(24.5874eV)がA(7−12eV)のそれより遥かに大きいことから発熱である。従って、ガス衝突は急速に鈍り、余ったエネルギーが発生する。上述の様に、ドーパントイオンDは、Heとの衝突によって形成されるものであって、検体イオンAを生成するのにも使用されることになる。検体イオンが形成されるか否かは、ドーパントイオンのイオン電位対検体のイオン電位に依存する。
[0042]幾つかの実施形では、試料採取チャネル65(例えば管)が反応器流体排出部40をイオン検出器14の流体投入部41へ接続している。
[0043]或る実施形では、反応器22中の圧力は、グロー放電イオン化器18中の圧力より僅かに下に維持されている。その様な圧力は、他にも方法はあるが中でもとりわけ、調整器20と試料採取チャネル65の内壁の寸法及び配列によって制御することができるであろう。
[0044]或る実施形では、試料採取チャネル65は、試料採取チャネル65内へ減衰ガスを挿入するための、イオン検出器14及び反応器22と流体連通にある減衰ガス投入部67を更に画定している。
[0045]内部エネルギーの急速減衰は、大気圧の約1/20乃至約1/10のガス圧力で起こるものであり、有機物質スペクトル中に分子イオンが優勢であると見えても、多少の断片化は起こり得るものと理解されたい。HeとAのイオン化電位の差が大きいせいで、電荷交換反応速度は、検体の化学的性質には殆ど依存せず、その結果、広い範囲の有機物質クラスについて均一なイオン化効率が提供される。
[0046]或る実施形では、高速クロマトグラフィー分離を促すために、反応器22は少なくとも200℃まで、また幾つかの例では約250℃乃至約300℃へ加熱される。他にも理由はあるがとりわけ同じ理由から、反応器22中の(単数又は複数の)ガス流れの滞留時間は、GC−MS分析の場合は約30ms乃至約100msに、また(GCxGC)−MS分析の場合には約5ms乃至約30msに維持されている。滞留時間は、他にも方法はあるが中でもとりわけ、試料採取チャネル65の寸法及び/又は反応器22の内部体積によって制御することができるであろう。幾つかの実施形では、試料採取チャネル65は、約0.5mmの直径寸法を有する管であり、反応器22は約200mmの体積を有する室を画定している。この配設は約4msの反応器22中滞留時間を提供し、それにより高速(GCxGC)分離技法との実質的な両立性がもたらされ、より大きな寸法の反応器又はより高いガス圧力の場合と比較して感度が増加する。
[0047]本開示に基づけば、電荷移動反応は反応器22内に無電界状態で起こり、イオン検出器14は、ガスを反応器22から試料採取チャネル47の中へそしてイオン検出器14の中へ流すことによって反応生成物を試料採取することになるものと理解されたい。
[0048]様々な実施形では、イオン検出器14は、質量分析計、タンデム質量分析計、移動度分光計、又は移動度分光計と質量分析計のタンデム型、を含むことができるであろう。幾つかの実施形では、イオン検出器14は、中間ガス圧力の高周波四重極の様な質量カットオフフィルタを装備した電流コレクタを含んでいる。
[0049]幾つかの実施形では、図2に例示的に示されている様に、反応器22は、複数のイオン化器と接続して設けられていてもよく、その様な複数のイオン化器は、試料採取チャネル65の特性修正により、反応器22から完全に分断させることができる。更に、個々のイオン化器の間で切り替えるために切り替え装置が採用されていてもよい。それらイオン化器同士の間の切り替えは、他にもやり方はあるが中でもとりわけ次のやり方、即ち、それぞれのイオン源の電界を制御すること、1つ又はそれ以上のイオン化器への光子流束を制御すること、及び連通ライン同士の間で切り替えること、のうちの1つ又はそれ以上によって達成することができる。
[0050]検体の質量スペクトルは、イオン化源の相違のせいで異なり(検体と様々なイオン化源から生成されるイオンとの間には異なった電荷交換反応が起こる)ので、同じ検体について様々なイオン化源を用いて記録された質量スペクトルの相違を、検体を同定するのに使用することができる。
[0051]本開示に基づけば、質量分析計はイオン源18より相対的に低いガス圧力で作動するものと理解されたい。従って、イオン検出器が質量分析計システム10中に使用される場合、質量分析計システム10は、イオン源12とイオン検出器14の間に差動ポンプとイオン移動システムの一方又は両方を含んでいてもよい。幾つかの実施形では、イオン移動システムは、ガス高周波(RF)集束装置又は案内装置を含んでいてもよい。
[0052]次に図1及び図2を参照して、例えば、RF装置を利用してイオンを集束させるのに減衰ガス供給部66が設けられてもよい。減衰ガス投入部67は、試料が試料採取チャネル65を通過してゆく際の試料への減衰ガスの導入をやり易くするため減衰ガス供給部66と連通に配設されている。
[0053]或る実施形では、減衰ガスは、試料及び/又はイオン移動システム(図示せず)の一方又は両方よりも相対的に重いガスとされている。例えば、試料含有ヘリウム中にアルゴンを大凡5−10%混合すれば、広い範囲のイオン質量に亘ってRFイオンガイド内でのイオンの伝送が強化される。或る実施形では、導管58と、減衰ガス投入部67と、反応器22及びRFイオンガイドの中への直達、のうちの1つ又は組合せにより、アルゴンがヘリウムへ添加されている。更に、(単数又は複数の)イオンガイドは、約100Pa乃至約1000Paの圧力に維持されることになる。
[0054]図1B及び図1Cは、質量分析計システム10を運転するための或る例示としての動作配列400を提供している。動作は、正の電圧を電極42に印加することによって、グロー放電イオン化器18の室28内のグロー放電領域29に電界を提供する段階を含んでいる。動作は、グロー放電イオン化器18の室28内のガス圧力を30mbarより上に維持する段階404を含んでいる。幾つかの実施形では、グロー放電イオン化器18の室28内のガス圧力は、約30mbar乃至約300mbarに、また幾つかの例では約50mbar乃至約100mbarに、維持することができるであろう。動作は、試料採取のために正イオン含有ガスの流れを調整器20の中へ受け入れる段階406を更に含んでいる。幾つかの例では、動作は、ガス流れとの相互作用のためにドーピング剤をドーパント源52から調整器20の中へ受け入れる段階408を含んでいる。動作は、調整器20からの第1ガス流れを反応器22の中へ受け入れる段階410と、試料ガス供給部56からの第2ガス流れを反応器22の中へ試料ガス投入部54経由で受け入れる段階412と、を更に含んでいる。幾つかの例では、動作は、試料ガス供給部56からのガス流れを反応器22へ送達する導管58を加熱する段階414を含んでいる。追加の例では、動作は、導管58を追加のガスで洗浄して反応器22の中へのそして反応器22を通っての試料移動を加速させる段階416を含んでいる。動作は、第1ガス流れと第2ガス流れの間の反応を可能にする段階418を更に含んでいる。
[0055]動作は、反応器22中の圧力をイオン化器18の室28中の圧力より低く維持する段階420を更に含んでいてもよい。高速クロマトグラフィー分離を持続させるために、動作は、反応器22を少なくとも200℃へ、また幾つかの例では約250℃乃至約300℃へ、加熱する段階422を更に含んでいてもよい。更に、動作は、反応器22中の(単数又は複数の)ガス流れの滞留時間を、GC−MS分析の場合は約30ms乃至約100msに、また(GCxGC)−MS分析の場合には約5ms乃至約30msに、維持する段階424を含んでいてもよい。動作は、幾つかの実施形では、減衰ガスを反応器22のイオン流れの中へ(例えば、反応器22の中へ直接に、試料採取チャネル65経由で、及び/又は試料採取チャネル65へ接続されているイオン移動システム(図示せず)経由で)受け入れる段階426を含んでいる。動作は、反応生成物をイオン検出器14中に受け入れる段階428を更に含んでいる。幾つかの例では、動作は、反応生成物の受け入れを、上述の様に複数のイオン検出器の間で切り替える段階430を含んでいる。
[0056]次に図2を参照するが、以上に論じられている様に、幾つかの実施形では、第2イオン化部72が第1イオン化器18に追加して設けられ、検出器14と連通する動的イオン源12Aを形成している。イオン源12Aは、ガスの流れを、室76を有する第2イオン化器74へ、ガス移動導管79経由で供給している第2ガス供給部73を含んでいる。第1イオン化器18と第2イオン化器74のそれぞれは、反応器22と連通に置かれており、反応器22に共通である。示されている例では、移動導管78は、第2イオン化器排出部80を反応器22の二次的な反応器イオン投入部82と接続している。
[0057]描かれている様に、第1イオン化器18はグロー放電イオン化器であり、第2イオン化器74は、光イオン化器又はコロナ放電イオン化器の様な代わりの型式のイオン化器とすることができる。第1ガス供給部16と第2ガス供給部73(どちらでもオンにされている方)からの各ガス流れは、各イオン化器18、74から反応器22への試薬イオンの送達を制御する。注入された試薬イオンは検体分子と混ざり合い、検体との電荷交換反応を生じさせる。イオン検出器14は、生成物イオンを試料採取チャネル65を介して試料採取する。第2イオン化器74は、他にも方法はあるが中でもとりわけ、対応する電圧を切り替えることによって、及び第1ガス供給部16と第2ガス供給部73の一方又は両方によって供給されるガス流れを気送制御することによって、オンとオフを制御可能に切り替えられる。これら及び他の制御上の特徴は、本開示の全範囲が考察された後は当業者には自明となろう。
[0058]或る実施形では、第2イオン化器74は、光イオン化器であり、シールされた紫外線(UV)ランプを採用している。イオン化の選択性は、複数のUVイオン化器を使用するか又は複数のUVランプを第2イオン化器74内に使用することによって調節することができるであろう。第2ガス供給部73は、試薬イオンを第2イオン化器74から抽出するべく希ガス又はNの様な代わりの高乾性ガスを送達する。幾つかの例では、イオン化効率を高めるために、ドーピング剤(限定するわけではないが、アセトン、ベンゼン、など、を含む)が第2ガス流れと混合される。或る実施形によれば、第2イオン化器74内のガス圧力は約100mbar乃至約300mbarに維持されており、ドーパント剤の分圧は約1mbar乃至約30mbarに維持されればよい。第2イオン化器74内のガス圧力は、ガス移動ライン79内に相対的に高いインピーダンスを使用している場合は第1イオン化器18内よりも高めに設定されることになろう。
[0059]或る実施形では、第2イオン化器74から呈される試薬イオンの型式は、他にもあるが中でもとりわけ第2イオン化器74内に使用されるUVランプの型式とドーピング剤の型式の一方又は両方によって選択的に制御することができるであろう。例えば、最も普及しているXeやArのシールされたUVランプについては、アセトンドーパントは反応器22中のAHイオンの形成を促進し、ベンゼンドーパントは反応器22中のAイオンの形成を促進することであろう。
[0060]幾つかの例では、光イオン化器を第2イオン化器74としてベンゼンドーピング剤と組み合わせて使用すると、自己誘導プロトン化によってAHイオンを形成し得る高いプロトン親和性を有する窒素含有化合物の場合を除いて、A検体イオンしか生成されない。このことは、分析化学、72(2000年)3653−3659頁、Damon B.R.、Covey T.R.、Bruins A.P.、「大気圧光イオン化:液体クロマトグラフィー−質量分析計のためのイオン化法」(Damon B.R., Covey T.R., Bruins A.P., Atmospheric pressure photo-ionization: An ionization method for liquid chromatography-mass spectrometry, Anal. Chem., 72 (2000) 3653-3659)に記載されているLC−MSでの光イオン化(PI)の性質とは大きく異なる。LC−MSの場合、不可避の溶媒添加がイオン分子の化学的性質を複雑にし、分子イオン、擬分子イオン、及び分子クラスターイオンを含め、多種類のイオンが形成される原因となる。
[0061]更なる例では、第2イオン化器74は、コロナ放電イオン化器APCIとして提供されていて、準大気圧ガス圧力にフォーマットされている。アセトンの様な中程度のプロトン親和性を有する化合物を含むドーピング剤をAPCIイオン化器へ導入すると、プロトン化された試薬イオンがもたらされる。その様な構成は高い分析選択性を生じさせることにはなろうが、第2イオン化器74は、断片化の目に見える痕跡の無い、プロトン化メカニズムによる極めてソフトなイオン化を提供することができる。
[0062]イオン源12Aは、広い範囲のイオン検出器向けの汎用的なイオン化ツールとして使用することができるであろう。幾つかの例では、イオン源12Aは、コレクタ電流測定に基づくクロマトグラフ検出器として使用することができる。イオン源12Aがキャリアガスイオンと試薬イオンをフィルタリングするためのRF装置を含んでいる場合は、背景信号は約1pg/sec乃至約10pg/secのレベル(例えば低pA電流)に留まるであろう。こうして、ピコグラムの試料を検出することができるようになる。第1イオン化器18と第2イオン化器74の選択性の性質を使用すれば、化学物質ノイズを更に低減でき、更に少ない量の試料でさえ検出できるようになる。
[0063]イオン検出器14の選択性は、移動度分光計を使用することによって改善することができる。理解される様に、イオン源12Aは、本来、単一の機械的ポンプによって吸い出されながらmbarガス圧力範囲で作動している移動度分光計に馴染む。その様な移動度分光計は、パルスイオン放出のためのイオントラップでのイオン蓄積を採用しているのが好ましい。
[0064]幾つかの例では、質量分析検出器又はタンデム質量分析検出器は、感度増進を提供する。図2を参照して、イオン化器74としての光イオン化器と直交加速TOFを配備することによって、殆どのポリ‐芳香族化合物、塩素化合物、及び窒素含有化合物について、検出限界は0.1pg未満に留め置くことができる。更に、分析性は、採用されている材料の性質及びそれら材料からのガス放出の量に強く依存する。相対的に良い結果は、イオン源12、12A中にプラスチック材料及びゴム材料を使用することを回避すること、及びイオン化器18、74及び反応器22をシールすることによって実現することができるであろう。或る実施形では、反応器22は、残留自由電子の加速を回避するために、実質的に電界を含まないようにしてもよい。
[0065]次に図3Aを参照すると、或る例示としての質量分析計システム100が示されている。システム100は、質量分析計105へ連通可能に取り付けられているイオン源102を含んでいる。
[0066]イオン源102は、脱気器107へ接続されているイオン源ハウジング104を含んでいる。或る実施形では、脱気器107は、脱気ポンプであり、本開示の残り部分全体を通してそういうものとして言及されている。或る実施形では、イオン源ハウジング104は、反応器110へ第1導管111及び第2導管112を介してそれぞれ接続されている第1イオン化器106及び第2イオン化器108を含んでいる。反応器110内にはカートリッジヒーターの様なヒーター113が配置されている。
[0067]第1イオン化器106及び第2イオン化器108は、描かれている様に、所望のガスGとパワーPを外部供給部から受け入れる。同様に、反応器110は、例えば検体蒸気を反応器110へ移動ライン114を介して供給しているクロマトグラフの様な外部のガス供給部113へ接続されている。或る実施形では、外部のガス及びパワー源は、それぞれ、図3Aに矢印及び線で例示的に描かれている様にハウジング104の壁を密閉挿通され該当する構造に係合している送達導管を含んでいる。或る実施形では、ハウジング104の壁に密封挿通させるために1つ又はそれ以上のシールが提供されている。或る実施形では、1つ又はそれ以上のシールはセラミック円錐シールである。例えば、セラミック円錐シールは、脱気ポンプ107をイオン源ハウジング104へ接続するのに提供されていてもよい。或る実施形では、反応器110及びイオン化器106、108と連通している全ての構成要素は、金属、ガラス、及びセラミックスの様な真空クリーン材料で作られており、プラスチック、エラストマー、などを含んでいない。
[0068]或る実施形では、第1イオン化器106は、先に開示されているグロー放電イオン化器であり、第2イオン化器108は光イオン化器である。開示を簡単にするために、第2イオン化器108は光イオン化器として言及されているが、本発明は光イオン化器を第2イオン化器として採用することに限定されるものではない。描かれている様に、光検出器108はシールされたUVランプ116を含んでいる。
[0069]或る実施形では、反応器110は、反応器110を、第1RFイオンガイド120と第2RFイオンガイド122の一方又は両方と接続する試料採取チャネル118を提供している。
[0070]或る例示としての運転では、脱気ポンプ107を作動させて、ハウジング104内に真空を作り出し、その内部に、第1及び第2イオン化器106、108内及び反応器110中のガス圧力よりも低い約1mbarの前真空ガス圧力を発生させる。
[0071]ヒーター113は、反応器110の内壁への検体吸収を防ぎクロマトグラフィー分離を守るために、反応器110内の温度を少なくとも150℃へ、また幾つかの例では約150℃乃至約300℃へ、上昇させる。幾つかの実施形では、反応器110の内壁は、ニッケル又はニッケル合金の様な不活性材料で被覆されている。反応器110は、イオン源102の最も高温の部分であろう。反応器110と第1及び第2イオン化器106、108の間に配置されている第1及び第2導管111、112は、熱移動を食い止めるようにステンレス鋼で作ることができ、そうすれば反応器110と第1及び第2イオン化器106、108の間には少なくとも100℃の温度降下がもたらされることであろう。イオンがガス流れによって移動すると、第1及び第2イオン化器106、108と反応器110の電位は実質的に等しくなる。これにより、イオン源102内に配置されている構成要素同士の間に、金属フェルール又はカーボンフェルールを有する金属系クロマトグラフシールを利用できるようになる。加えて、第1及び第2イオン化器106、108内の室は、金属部品及び/又はセラミック部品で作られていてもよく、それら部品は、(ガス放出に苦しむ可能性のある)エラストマーを使用することなく面対面シールによってシールすることができるであろう。シールに何らかの漏れが見られれば、その様な漏れは脱気ポンプ107によってハウジング104から外へ吸い出されるので、圧力勾配は持続され、イオン源101の分析部分への、即ちイオン化器106、108及び反応器110内部への煙霧の侵入が防止される。
[0072]ハウジング104は、外側を取り囲む空気の対流により低温に保たれる。従って、パワー及びガスの供給ラインとシールはエラストマーを採用することができる。更に、それらのエラストマーの微量のガス放出は、エンベロプ内のガス圧力が相対的に小さいので、イオン源102の分析部の中へ(即ち第1及び第2イオン化器106、108及び反応器110の内部へ)入ることはないであろう。結果として、周りを取り囲むイオン源ハウジング104を備え前真空ガス圧力104に置かれているイオン源102は、クリーンな材料を使用するための解を提供すると同時に、イオン源102の分析区域内での材料のガス放出を強力に抑制する。
[0073]図3Bは、質量分析計システム100がイオン源102からのイオンを質量分析計104の中へ移動させるための或る例示としての動作配列600を提供している。動作は、イオン源ハウジング104中の圧力を第1及び第2イオン化器106、108中及び反応器110中の圧力より(例えば約1mbar)下に維持する段階602と、反応器110を(例えばヒーター113を用いて)、少なくとも200℃へ、また幾つかの例では約250℃乃至約300℃へ、加熱する段階604と、を含んでいる。動作は、試薬イオンをイオン化器106、108からのガス流れによって反応器110の中へ受け入れる段階606と、ガス供給部113からの検体蒸気を移動ライン114経由で反応器110の中へ受け入れる段階608と、を含んでいる。試薬イオンは電荷を検体分子へ移す。動作は、イオン分子反応の生成物を、反応器100と試料採取管118の間に位置する絞り開口119を通して試料採取する段階610と、試料採取されたイオン分子反応生成物をイオン試料採取管118を通して第1RFイオンガイド120へ移動させる段階612と、を含んでいる。ガス流れとガス圧力は、イオン試料採取管118を通るイオン移動の効率がよくなるように、またイオン試料採取管118を過ぎて良好に方向決めされたガスジェットが形成されるように、案配されることであろう。動作は、第1RFイオンガイド120(例えばRF四重極イオンガイド)を約1mbar乃至約5mbarのガス圧力に維持する段階614を含んでいてもよい。動作は、更に、イオン流れを減衰させる段階616を含んでいる。イオン流れは、第1RFイオンガイド120を過ぎた差動ポンピング開口を通って侵入するように十分に減衰させられる。動作は、イオン流れを、(例えばターボポンプの様なポンプによって)約(100−1000)Paのガス圧力にされている第2RFイオンガイド122の中へ受け入れる段階618を含んでいる。
[0074]キャリアガスがヘリウムであり、第1及び第2イオン化器106、108へ供給されるガスがヘリウムである例では、RFイオンガイド120、122内ではイオンの衝突減衰が不十分であるかもしれない。減衰を改善するため、動作は、より重く比較的クリーンなガス(例えばアルゴン)の様な減衰ガスを、供給ライン128経由でイオン試料採取管118の中へ導入するか又は直接に第1RFイオンガイド120のハウジングの中へ導入する段階620を含むことができる。総ヘリウム流れに対比して大凡10%のアルゴン流れを添加すれば、減衰を改善し、移動効率を有効質量スパンに亘って均等化させることができる。動作は、減衰したイオン流れを質量分析計105の中へ受け入れる段階622を更に含んでいる。
[0075]図4−図6は、質量分析計システム100について、質量分析計で使用することのできるイオン化法であって大気圧で起こる化学イオン化の形態である大気圧化学イオン化(APCI)モードや光イオン化(PI)モード(例えば、過酷な及びソフトなグロー放電や光子及びコロナ放電によるイオン化)の様な、様々なモード全体を通しての実験結果を示している。
[0076]実験では、質量分析計110は、平均分解能5000の直交加速飛行時間型質量分析計を備えるものとした。更に、単一又は二重のRFイオンガイド120、122を用いた様々な配設も試験した。二重RFイオンガイド配設は、感度が高くなるが、ガス消費量が増えるという代償が付く。
[0077]PIモードについては、光イオン化器108はシールされたRF誘導キセノンPIDランプを採用している。光イオン化器108中のガス圧力は、10mbarから1atmまで変化している。ベンゼンドーパントを1−10mbarの分圧で添加する。ガス圧力は100mbar乃至300mbarに維持される。外部反応器を用いた配設(反応器110への直接ランプ搭載と対比して)は、より優れた感度(おそらくドーパントイオン化効率が高いせい)と、大部分がAイオンのよりクリーンなスペクトルをもたらす。鋭利な針でのマイクロアンペア電流範囲のコロナ放電が、APCIイオン化を誘導する。イオン源102中のガス圧力は、約100mbar乃至約300mbarに維持させる。アセトンドーパントを1−10mbarの分圧で添加する。
[0078]図4は、例示としての実験結果のグラフ表示を提供しており、78成分、主としてポリ‐芳香族炭化水素(PAH)、ポリ‐塩化ベンゼン(PCB)、窒素、及び酸素、を含有する化合物及びフタル酸類、を含むMegaMix−78試料(16823ペンシルベニア州ベレフォンテ、ベナーサークル110のRestek Co.から入手可能)のGC−MS分析におけるPIイオン化モードとAPCIイオン化モードについての総イオンクロマトグラム(TIC)の区分を並べて示している。TIC痕跡のピーク標示は、分子イオンのm/zに対応している。ピークの大部分についてAPPIは主にMイオンを発生させAPCIは主にMHを発生させているので、m/zは1の差である。図4は、更に、1つの成分4‐クロロ‐3‐メチルフェノールの例に関するスペクトルの差も示している。APPIは主にMイオンを提供し、APCIは主にMHイオンを提供している。
[0079]TIC痕跡を参照して、APCIのTICでは、含まれているピークがより少なく、強度の散らばりが相対的に強いが、これはプロトン移動反応の選択性によって生じる。従って、均一イオン化の目的では、APPIでの電荷移動反応のほうが、APCIのプロトン移動よりも、より望ましいメカニズムのイオン化である。
[0080]図5は、イオン化効率の散らばりの低い方法である電子衝撃(EI)におけるイオン化効率に対比したAPPIイオン化モード及びAPCIイオン化モードの相対イオン化効率のグラフによる比較を提供している。観測されたピークの提示部分は、APPIとAPCIの両方で10倍の散らばりを実証しているが、APCIモードでは多くの成分が観測されていない又はピークが2−3桁低くなっている。このことは重ねてAPCI法の選択性を例証している。その様な選択性は、有極性目標物を分析する場合に所望されるものであり、選択性はマトリクスの化学物質ノイズ及び信号を低減する助けとなる。また一方、選択性は、広い範囲の有極性及び無極性化合物に対する汎用的な分析方法として使用する場合には障害となり得る。
[0081]図6は、例示としてのMegaMax試料でのAPPIイオン化法とEIイオン化法の間での分子イオンの生存率(即ち、スペクトル全分当たりの分子イオン強度のパーセンテージ)のグラフによる比較を提供している。グラフは、APPI法がEI法に比べ遥かにソフトであることを実証している。APPI法では、EI法での生存率が0.2乃至0.6である化合物について断片化が見られない。フタル酸類の様な混合物中の最脆弱化合物については、APPI法での生存率は0.2から0.6までで変化しており、一方EIスペクトルでは分子イオンの強度は無視できるほどである。
[0082]APPIイオン化については、実験結果は、断片化の程度とイオン化電位の間には何の相関ももたらさなかった。断片化は、主として、分子の安定性によって規制される(即ち、EIモードでは断片化の程度と相関がある)。化合物の生存率は、数mbarから大気圧まで広い範囲のガス圧力で殆ど変化がなかった。実際、APPIスペクトルは真空PIスペクトルよりソフトではあるが、小さい有機物質の内部エネルギーの衝突減衰にとっては数十mbarのガス圧力は既に十分である。また、イオン化電位が光子エネルギーよりも上の化合物についてのイオン化効率の予想されるくっきりしたカットオフは観測されなかった。例えば、10.2eVと10.6eVの帯域を有するキセノンランプと、9.24eVのイオン化電位を有するベンゼンドーパントを使用したとき、10.94eVのイオン化電位を有するプロパンの信号が観測された。それらの観測は、ドーパント分子存在下の光イオン化法における電荷移動はイオンクラスターの形成を含んでいることを指し示しており、クラスターのイオン化電位は裸分子の1つに比較すると低い。APCIイオン化法及びAPPIイオン化法は、感度がよく(0.001−0.1pgの検出限界)ソフトではあるが、これらの方法は選択性とイオン化効率における大きな散らばりを与える。このことは、無極性飽和炭化水素(SHC)又は高塩素化合物をイオン化しようとしたときに特に顕在化する。
[0083]図7−図11は、質量分析計システム100をグロー放電モードで使用した場合の実験結果のグラフ表示を提供している。グロー放電での直接イオン化と、ソフトグロー放電によるイオン化、即ちグロー放電によって生成される調整されたイオンによるイオン化を比較した。どちらの場合も、見えてきたイオン化効率はEI法におけるそれに非常に似通っているが、ソフトGD法は、遥かに強い分子イオンをもたらし断片化の程度をより小さくした。直接GDとは違って、ソフトGD法は、イオン源パラメータには極めて影響を受け難い、非常に再現性のよいスペクトル分を提供した。
[0084]図7は、例示としてのMegaMix−78試料でのソフトGD法のイオン化効率対EI法のイオン化効率の間の比較を示している。ばらつきは2倍以内で、ソフトGD法は、均一なイオン化効率を提供し、APPI法やAPCI法より優位であった。
[0085]図8は、C2042の飽和炭化水素(SHC)のスペクトルをGD法―直接GDとイオン調整を伴うソフトGDの両方について提示している。ソフトな方法は、優勢な分子ピーク(M‐H)と(CH損失に対応する中強度のフラグメントをもたらし、一方、過酷なGD法は、より激しい断片化を生じさせている。
[0086]図9は、電子衝撃(EI、ここではNISTスペクトルで提示)イオン化法とEI源内での化学イオン化(CI)法の間の、ヘプタデカン(SHC C17)の文献によるスペクトルの比較を示している。EIスペクトルでは、Mピークの強度は殆ど無視できるほどである。よく似たCHフラグメントパターンと弱い分子ピークのせいで、EIスペクトルは重質炭化水素同士の間で混同を起こしかねない。クロマトグラフィー時間は、分鎖についてシフトするので、限定的支援を提供する。化学イオン化(CI)は、分子ピーク情報を提供するので、重質SHCの同定を著しく改善する。提示されているヘプタデカンのCIスペクトルは、(M‐H)ピークと(M‐H‐C2nフラグメントを含んでおり、擬分子イオンの強度はEI法におけるよりも遥かに強い。
[0087]図8に戻って、ソフトGD法は、CI法よりもいっそう強い分子ピークをもたらしている。CI法とは対照的に、ソフトGDスペクトルでは分子ピークは優勢である。同時に、ソフトGDスペクトルは、フラグメントの同じセットを含んでおり、それを構造の確認に使用することができるであろう。更に、ソフトGDスペクトルの優れた再現性は、将来の同定に備えた標準スペクトルの収集を可能にする。
[0088]図10は、ヘリウム中と窒素中でのソフトGD放電についてオクタデカン(SHC C18)のスペクトルの比較を示している。窒素中のソフトGD法は、遥かにソフトなイオン化を提供するとはいえ、クラスターイオン(M+NHの形成によって、どちらかというと複雑化する。これは、微分質量シフトを提供しクラスター中の窒素原子の存在を指し示す多重反射飛行時間型質量分析法の様な高分解度質量分析法を使用することによって迂回することができる。こうして、ソフトGD法ではガスを切り替える(例えば作動ガスを切り替える)ことでイオン化のソフトさを制御できる。同じ又は同様の制御は、GDイオン化器の下流にドーパント蒸気を添加することによっても得られるであろう。
[0089]図11は、ソフトDG法におけるキャリアガスの、可変数の塩素原子を有する芳香族類の分子イオンについての感度及び生存率に対する効果を示している。ヘリウム放電ガスは、最も高い感度(300−500イオン/pg)をもたらすが、ソフトさは中程度である。窒素キャリアガスは、よりソフトなイオン化を提供するが、感度はより低い。
[0090]ソフトイオン化グロー放電イオン源12、12A、102を有する質量分析計システム10、100は、揮発性ではあるが脆弱で電子衝撃(EI)法では高信頼度に測定できる分子イオンを形成しない化合物の同定を改善することによって、新たな分析法の可能性の或る範囲を提供することができるであろう。質量分析計システム10、100を運転する(単数又は複数の)方法は、無極性化合物のイオン化を提供することができ、ガスクロマトグラフィー分離(例えばGCxGC分離)は液体分離法より更に強力で更に再現性がある。また、質量分析計システム10、100を運転する(単数又は複数の)方法は、EI及びCI法の断片化パターンに整合する小さいながらも十分に検出可能なフラグメントのセットによる分子イオン情報を献呈する。同定の戦略は、NISTライブラリ、インシリコ生成フラグメントのライブラリ、及び/又はソフトGDイオン化を用いて収集された新しいライブラリ、に基づくものとなろう。フラグメントの含有量及び相対強度は、ソフトGD源中に十分に再現可能であり、調整条件が励起粒子や自由電子を排除する限りイオン化器の条件にはあまり依存しない。ひいてはスペクトルの見え方は、検体分子の、試薬イオンとの、好ましくはヘリウムイオンとの、電荷交換の過程での化学的性質に依存する。
[0091]質量分析計システム10、100は、試薬イオン選択における柔軟性を提供し、少なくとも2つのイオン化器中に同時に生成されイオン化器から気送切替される流れによって反応器へと送達される様々な試薬イオン間での急速切替を可能にする。イオン化のソフトさの交互入れ替えを用いた同定戦略は、複合的な混合物のより優れた分析のために採用することができる。幾つかの化合物は、APCIを用いた選択的イオン化でより判別し易くなる。イオン化モード間の切り替えは、更に、観測されるイオンがMかMHか或いは(M‐H)かについての決定を改善する。
[0092]幾つかの実施形では、ソフトGD法は、EI法によって提供されるものに匹敵する均一イオン化効率を提供し、従って定量分析に採用することができるであろう。方法は、更に、低検出限界をもたらす。例えば、殆どの有機物質で信号はpg当たり500−3000イオンに達した。強度の殆どは分子ピークに在り、更に検出限界は0.01pgに近い。
[0093]質量分析計システム10、100で実行可能なイオン化法は、広い範囲の揮発性化合物―有極性も無極性も―について、ソフトで高感度で均一なイオン化を提供することができるであろう。方法は、ガスクロマトグラフィー及び高速GCxGCと両立性があり、濃度ダイナミックレンジの広い極めて複合的な混合物の同定を可能にする。幾つかの実施形では、イオン源は、電流検出、イオン移動度、及び質量分析法の様な、複数の検出法と両立性がある。例えば、イオン源は、ヘリウムが前真空ガス圧力(例えば機械的ポンプによる吸い出し)で作動するRF低カットオフ質量フィルタによって排除されさえすれば、汎用高感度GC検出器として働くことができる。
[0094]幾つかの実施形では、イオン移動度分離のソフトイオン化との組合せは、特に、GCxMS分析で起こる異性体の検出に有用である。例えば、原油中には多種多様な分岐異性体が存在する。イオン源は、mbarガス圧力範囲のIMSとの使用と両立する。その様な分離は、IMS分離に先立ってRFトラップでのイオン閉じ込めを採用しており、従って高い感度を提供する。移動度分離は、完全情報収集のため後続の質量分光分析によって補間されることになろう。
[0095]質量分析学的検出(質量分析計を介する)は、イオン源については一次的な検出法であるが、他の検出法も実施可能である。幾つかの例では、質量分析計は、速さと感度のために、高速記録飛行時間型質量分析計又は高分解度多重反射質量分析計である。どちらの質量分析計も、正確な質量情報を取得し、スペクトルに観測される1つ1つのピークについて元素組成を復元する。記録された情報は、検体と背景化学物質を見分けるために、またフラグメントとクラスターイオンを見分けるために、使用できる。分子ピークが優勢でありフラグメントは元素的に主要な親イオンへ結合されるので、質量分析計システムは複数の共溶出成分の同定を可能にすることであろう。この能力を高速GCxGC又はGC−IMSと組み合わせれば、質量分析計システムは、極めて成分豊富な混合物の分析及び/又は成分豊富なマトリクスに加え超痕跡の高信頼度検出を可能にする。
[0096]数多くの実施形を説明してきた。とはいえ、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更がなされる余地のあることが理解されるであろう。従って、他の実施形は、付随の特許請求の範囲による範囲の内にある。
10 質量分析計システム
12、12A イオン源
14 イオン検出器
16 第1ガス供給部
18 第1イオン化器
20 調整器
22 反応器
24 試料ガス供給部
28 室
29 グロー放電領域
30 室流体投入部
32 室流体排出部
34 調整器流体投入部
36 調整器流体排出部
38 反応器流体投入部
40 反応器流体排出部
41 イオン検出器流体投入部
42 電極
44 パワー源
48 抵抗器
50 ドーパント投入部
52 ドーパント源
54 試料ガス投入部
58 導管
60 キャリアガス投入部
65 試料採取チャネル
66 減衰ガス供給部
67 減衰ガス投入部
72 第2イオン化部
73 第2ガス供給部
74 第2イオン化器
76 室
78 移動導管
79 ガス移動導管
80 第2イオン化器排出部
82 二次的な反応器イオン投入部
100 質量分析計システム
102 イオン源
104 イオン源ハウジング
105 質量分析計
106 第1イオン化器
107 脱気器
108 第2イオン化器
110 反応器
111 第1導管
112 第2導管
113 ヒーター
114 移動ライン
116 UVランプ
118 試料採取チャネル
119 絞り開口
120 第1RFイオンガイド
122 第2RFイオンガイド
D 調整器の管の直径
L 調整器の管の長さ
P パワー
G ガス

Claims (65)

  1. 質量分析計のためのイオン源(12、102)であって、
    イオン化器ガス供給部(16)からのイオン化器ガスを受け入れるようにフォーマットされているグロー放電イオン化器(18、106)と、
    前記少なくとも1つのイオン化器(18、106)と連通している調整器(20)と、
    前記調整器(20)と連通していて、前記質量分析計と連通するようにフォーマットされている反応器(22、110)であって、試料供給部(24)からの試料を受け入れるようにフォーマットされている反応器(22、110)と、を備えており、前記調整器(20)は、前記グロー放電イオン化器(18、106)と前記反応器(22、110)の間の前記イオン化器ガスの流れから高速拡散電子を除去する寸法である、イオン源(12、102)において、前記調整器(20)は、前記イオン化器(18、106)から前記反応器(22、110)への5msと10msとの間のの前記ガスの移動時間を提供する寸法であり、前記調整器(20)は、15mmの長さと2mmの内径を有する管を備えている、ことを特徴とするイオン源(12、102)。
  2. 前記調整器(20)は管を備え、当該調整器(20)の内径と前記少なくとも1つのイオン化器(18、106)の圧力の積は少なくとも50mm*mbarであることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  3. 前記イオン化器(18、106)は、前記供給されるイオン化器ガスのイオンを提供するためのエネルギー供給される電極(42)を収容しているイオン化器室(28)を有するグロー放電イオン化器を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  4. 前記グロー放電イオン化器(18、106)の前記イオン化器室(28)のガス圧力は、少なくとも30mbarであることを特徴とする、請求項3に記載のイオン源(12、102)。
  5. 前記グロー放電イオン化器(18、106)の前記イオン化器室(28)のガス圧力は、30mbar乃至300mbarに維持されていることを特徴とする、請求項4に記載のイオン源(12、102)。
  6. 前記調整器(20)は、ドーパント剤を当該調整器(20)へ供給するドーパント供給器(52)と連通していることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  7. 前記反応器(22、110)と前記試料供給器(24)の少なくとも一方は、当該試料供給器(24)からの前記試料を当該反応器(22、110)へ動かすためのキャリアガスを供給するキャリアガス供給器と連通していることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  8. 前記反応器(22、110)は、当該反応器(22、110)を少なくとも150℃へ加熱するためのヒーター(113)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  9. 前記反応器(22、110)を前記質量分析計へ気送接続している試料採取チャネル(65、118)を更に備えている、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  10. 前記反応器(22、110)及び前記試料採取チャネル(65、118)は、5ms乃至100msの当該反応器(22、110)中滞留時間を提供する寸法であることを特徴とする、請求項9に記載のイオン源(12、102)。
  11. 前記反応器(22、110)は200mmの体積を画定していることを特徴とする、請求項9に記載のイオン源(12、102)。
  12. 前記試料採取チャネル(65、118)は、0.5mmの内径を有する管を備えていることを特徴とする、請求項9に記載のイオン源(12、102)。
  13. 前記反応器(22、110)は、残留自由電子の加速を回避するために電界を含んでいないことを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  14. 前記イオン化器(18、106)は、前記反応器(22、110)と連通している第1及び第2イオン化器(18、72、106、108)を備えており、前記第1イオン化器(18、106)は第1イオン化器ガス供給部(16)からの第1イオン化器ガスを受け入れ、前記第2イオン化器(72、108)は第2イオン化器ガス供給部(73)からの第2イオン化器ガスを受け入れており、第1及び第2調整器が前記第1及び前記第2イオン化器(18、72、106、108)を前記反応器(22、110)へそれぞれ接続していることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  15. 前記第1イオン化器(18、106)はグロー放電イオン化器を備え、前記第2イオン化器(72、108)はシールされた紫外線ランプを有する光イオン化器を備えていることを特徴とする、請求項14に記載のイオン源(12、102)。
  16. 前記イオン化器(18、106)と前記調整器(20)と前記反応器(22、110)を封包しているイオン源ハウジング(104)を更に備えている、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  17. 前記イオン源ハウジング(104)は、1mbarの圧力を有していることを特徴とする、請求項1に記載のイオン源(12、102)。
  18. イオン検出システムであって、
    イオン源(12、102)であって、イオン源ハウジング(104)と、前記イオン源ハウジング(104)によって収容されていて連通元の試料供給器(24)からの試料を受け入れる反応器(22、110)と、それぞれが前記イオン源ハウジング(104)によって収容されていて前記反応器(22、110)と連通している第1及び第2イオン化器(18、72、106、108)であって第1イオン化器ガス供給部(16)からの第1イオン化器ガスを受け入れるグロー放電イオン化器を備えている前記第1イオン化器(18、106)及び第2イオン化器ガス供給部(73)からの第2イオン化器ガスを受け入れている前記第2イオン化器(72、108)と、前記反応器(22、110)と連通している試料採取チャネル(65、118)と、を備えているイオン源と、
    前記イオン源(12、102)の前記試料採取チャネル(65、118)と連通しているイオン検出器(14)と、を備えているイオン検出システムにおいて、前記イオン源(12、102)は前記第1グロー放電イオン化器(18、106)を前記反応器(22、110)へ接続している調整器を備えており、前記調整器(20)は、前記グロー放電イオン化器(18、106)から前記反応器(22、110)への前記第1イオン化器ガスの流れから高速拡散電子を除去するとともに前記第1及び第2イオン化器(18、72、106、108)から当該反応器(22、110)への5msと10msとの間の前記ガス流れの移動時間を提供する寸法であり、前記調整器(20)は、15mmの長さと2mmの内径を有する管を備えている、ことを特徴とするイオン検出システム。
  19. 前記調整器(20)は、前記グロー放電イオン化器(18、106)から前記反応器(22、110)への前記第1イオン化器ガスの流れから高速拡散電子を除去する寸法であることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  20. 前記調整器(20)は、前記グロー放電イオン化器(18、106)から前記反応器(22、110)への5ms乃至10msの前記ガスの移動時間を提供する寸法であることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  21. 前記調整器(20)は、15mmの長さと2mmの内径を有する管を備えていることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  22. 前記調整器(20)の内径と前記グロー放電イオン化器(18、106)の圧力の積は少なくとも50mm*mbarであることを特徴とする、請求項21に記載のイオン検出システム。
  23. 前記グロー放電イオン化器(18、106)は、前記供給されるイオン化器ガスのイオンを提供するためのエネルギー供給される電極(42)を収容しているイオン化器室(28)を備えていることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  24. 前記グロー放電イオン化器(18、106)の前記イオン化器室(28)のガス圧力は、少なくとも30mbarであることを特徴とする、請求項23に記載のイオン検出システム。
  25. 前記グロー放電イオン化器(18、106)の前記イオン化器室(28)のガス圧力は、30mbar乃至300mbarに維持されていることを特徴とする、請求項24に記載のイオン検出システム。
  26. 前記調整器(20)は、ドーピング剤を当該調整器(20)へ供給するドーパント供給器(52)と連通していることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  27. 前記反応器(22、110)と前記試料供給器(24)の少なくとも一方は、当該試料供給器(24)からの前記試料を当該反応器(22、110)へ動かすためのキャリアガスを提供するキャリアガス供給部と連通していることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  28. 前記反応器(22、110)は、当該反応器(22、110)を少なくとも150℃へ加熱するためのヒーター(113)を備えていることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  29. 前記反応器(22、110)を前記少なくとも1つの質量分析計へ接続している試料採取チャネル(65、118)を更に備えている、請求項18に記載のイオン検出システム。
  30. 前記反応器(22、110)及び前記試料採取チャネル(65、118)は、5ms乃至100msの当該反応器(22、110)滞留時間を提供する寸法であることを特徴とする、請求項29に記載の検出システム。
  31. 前記反応器(22、110)は200mmの体積を画定していることを特徴とする、請求項29に記載のイオン検出システム。
  32. 前記試料採取チャネル(65、118)は、0.5mmの内径を有する管を備えていることを特徴とする、請求項29に記載のイオン検出システム。
  33. 前記反応器(22、110)は、残留自由電子の加速を回避するために電界を含んでいないことを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  34. 前記第2イオン化器(72、108)はシールされた紫外線ランプを有する光イオン化器を備えていることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  35. 前記第2イオン化器(72、108)は、コロナ放電イオン化器を備えていることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  36. 前記イオン源ハウジング(104)は、1mbarの圧力を有していることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  37. 前記試料採取チャネル(65、118)と前記少なくとも1つのイオン検出器(14)をイオン衝突減衰のために気送接続している少なくとも1つの高周波イオンガイドを更に備えている、請求項18に記載のイオン検出システム。
  38. 前記少なくとも1つの高周波イオンガイドは、100Pa乃至1000Paの圧力を有していることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  39. 前記少なくとも1つの高周波イオンガイドは、5mbar未満の圧力に維持されていることを特徴とする、請求項18に記載のイオン検出システム。
  40. 質量分光分析のためのイオン化の方法であって、
    イオン化器ガスをイオン化する段階と、
    前記イオン化されたガスの流れを、15mmの長さと2mmの内径を有する管中の5msと10msとの間の移動時間中に、調整する段階と、
    調整後の前記イオン化されたガスの流れを反応器(22、110)の中へ受け入れる段階と、
    検体分子イオンを前記反応器(22、110)の中へ、前記イオン化されたガスとのイオン分子反応のために受け入れる段階と、
    前記反応器(22、110)からの、反応後の前記イオン化されたガスの流れを、イオン分子反応生成物の試料採取のために送達する段階と、を備えている方法において、
    前記イオン化されたガスの流れを調整する段階は、当該ガス流れから高速拡散電子を除去する段階を備えていることを特徴とする方法。
  41. 前記調整する段階は、前記イオン化されたガスを前記反応器(22、110)と連通している調整器チャネルを通して受け入れる段階を備えており、前記イオン化されたガスの前記調整器チャネルの通過は少なくとも5msの移動時間を有していることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  42. 前記調整する段階は、前記イオン化されたガスを前記反応器(22、110)と連通している調整器管を通して受け入れる段階と、前記調整器管の内径と前記ガスをイオン化するための前記イオン化器室の圧力の積を少なくとも50mm*mbarに等しく維持する段階と、を備えていることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  43. 前記イオン化器ガスをイオン化する段階は、グロー放電イオン化器(18、106)のイオン化器室(28)中の電極(42)にエネルギー供給する段階を備えていることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  44. 前記グロー放電イオン化器(18、106)の前記イオン化器室(28)の少なくとも30mbarガス圧力を維持する段階を更に備えている、請求項43に記載の方法。
  45. 前記グロー放電イオン化器(18、106)の前記イオン化器室(28)の30mbar乃至300mbarのガス圧力を維持する段階を更に備えている、請求項44に記載の方法。
  46. 前記イオン化器ガスをイオン化する段階は、シールされた紫外線ランプを用いた光イオン化を備えていることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  47. 前記イオン化されたガスを調整する段階中に当該イオン化されたガスへドーパントガスを導入する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
  48. 前記イオン化器ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、及び窒素、から成る群より選択されることを特徴とする、請求項47に記載の方法。
  49. 前記イオン化器ガスはヘリウムを備え、前記ドーパントガスはアルゴンを備えていることを特徴とする、請求項47に記載の方法。
  50. 前記検体分子イオンをキャリアガス中に前記反応(22、110)の中へ搬送する段階を備えていることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  51. 前記キャリアガスを、前記反応器(22、110)と連通していて前記検体分子を供給している試料供給器(24)と当該反応器(22、110)の少なくとも一方へ送達する段階を更に備えている、請求項50に記載の方法。
  52. 前記反応器(22、110)を少なくとも150℃へ加熱する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
  53. 5ms乃至100msの前記反応器(22、110)中滞留時間を維持する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
  54. 前記反応器(22、110)中滞留時間を維持するように、当該反応器(22、110)の寸法を定め且つ当該反応器(22、110)へ接続されている試料採取チャネル(65、118)を提供する段階を更に備えている、請求項53に記載の方法。
  55. 前記反応器(22、110)は、200mmの体積を画定していることを特徴とする、請求項54に記載の方法。
  56. 前記試料採取チャネル(65、118)は、0.5mmの内径を有する管を備えていることを特徴とする、請求項54に記載の方法。
  57. 試料採取された前記イオン分子反応生成物のイオン衝突を減衰させる段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
  58. 試料採取された前記イオン分子反応生成物へ減衰ガスを導入する段階を更に備えている、請求項57に記載の方法。
  59. 前記減衰ガスはアルゴンを備えていることを特徴とする、請求項58に記載の方法。
  60. 前記減衰ガスを5mbar未満の圧力で導入する段階を更に備えている、請求項58に記載の方法。
  61. 前記減衰ガスを100Pa乃至1000Paの圧力で導入する段階を更に備えている、請求項58に記載の方法。
  62. 試料採取された前記イオン分子反応生成物を、前記反応器(22、110)と気送連通している少なくとも1つの高周波イオンガイドの中へ受け入れる段階を更に備えている、請求項57に記載の方法。
  63. 前記反応器(22、110)を、残留自由電子の加速を回避するよう電界を含まない状態に維持する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
  64. 前記イオン化器ガスをイオン化のために受け入れるイオン化室と、前記イオン化されたガスを調整する調整器(20)と、前記イオン分子反応を包含する反応器(22、110)室と、を封包する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
  65. 前記イオン化室と前記調整器(20)と前記反応器(22、110)を封包するイオン源ハウジング(104)の圧力を1mbarに維持する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
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