JP5709567B2 - トナーの製造方法及びトナー製造装置 - Google Patents

トナーの製造方法及びトナー製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5709567B2
JP5709567B2 JP2011031149A JP2011031149A JP5709567B2 JP 5709567 B2 JP5709567 B2 JP 5709567B2 JP 2011031149 A JP2011031149 A JP 2011031149A JP 2011031149 A JP2011031149 A JP 2011031149A JP 5709567 B2 JP5709567 B2 JP 5709567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stirring
toner
toner particles
shaft
aqueous medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011031149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012168465A (ja
JP2012168465A5 (ja
Inventor
義広 中川
義広 中川
真也 松村
真也 松村
智久 佐野
智久 佐野
就一 廣子
就一 廣子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2011031149A priority Critical patent/JP5709567B2/ja
Publication of JP2012168465A publication Critical patent/JP2012168465A/ja
Publication of JP2012168465A5 publication Critical patent/JP2012168465A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5709567B2 publication Critical patent/JP5709567B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Description

本発明は、電子写真法に用いるトナーの製造方法に関する。
トナー粒子の製造方法として、重合性単量体を重合する段階で、着色剤及び荷電制御剤等を重合体粒子中に包含させトナー粒子とする重合法がある。重合法には懸濁重合法、乳化凝集法及び分散重合法などの方法がある。たとえば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて重合性単量体組成物を調製する。そして、得られた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、重合性単量体の重合反応を行わせて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。懸濁液は、必要であれば酸又はアルカリで処理してトナー粒子の表面から分散安定剤を取り除いた後、固液分離工程で水系媒体を分離してトナー粒子を得る。また、トナー粒子の含水率の低減が必要な場合には、既知の乾燥手段によりトナー粒子から水分の除去を行う。
機械的粉砕法によらないこれらの方法によって得られるトナー粒子は、円形度が高く、表面が均一になりやすい。そのため、流動性及び転写性が良好で、多数回の連続現像を行った場合でも良好な現像特性を示し、トナーへのストレスが少なく、感光体へのフィルミングの発生が少ない。また、粒度分布がシャープであり、たとえ分級工程が必要な場合でも、所望の粒径を有するトナー粒子の歩留まりが高くなりやすい。
一般的に、トナーの製造方法においては、トナー粒子中に存在する未反応の重合性単量体やその他の揮発成分を除去する揮発成分除去工程を有することが好ましい。トナー粒子中の未反応の重合性単量体やその他の揮発成分が十分に除去されない場合、当該トナー粒子から調製したトナーを用いて画像を生成した場合に、揮発性有機化合物(VOC)として検出されるため好ましくない。
例えば、懸濁重合法によるトナーの製造法の場合、揮発成分除去工程は、重合工程後のトナー粒子の懸濁液を撹拌槽等の中で加熱撹拌することによって行なう方法が最もよく行なわれている。このとき、加熱する温度は、揮発成分除去の効率を良くする観点から可能な限り高い方が好ましいが、加熱する温度を高くした場合には、撹拌槽内部にトナー粒子の融着による付着物の生成が起こりやすい。トナー粒子の融着による付着物は、主に撹拌槽内気相部において生成し、通常気相部に存在する撹拌軸や軸封部材に付着した場合、撹拌翼が回転する際の抵抗となり、撹拌翼を駆動するための動力が増大し、著しい場合には撹拌翼や軸封部材の破損の原因となることがある。また、脱落した付着物が製品に混入すると最終的なトナーの品質に悪影響を及ぼすことがある。
以上のことを解決するために、トナー粒子中の揮発成分を除去する工程において、撹拌軸及び軸封部材へのトナー粒子の付着を防止する方法が検討されている。
特許文献1には、撹拌軸等の内部に冷却媒体を流通させることにより、気相部における不定形トナーの融着を防ぐ方法が開示されている。この方法によれば不定形トナーの付着量は低減できるものの、撹拌軸等を冷却した際にトナー粒子の懸濁液も冷却されるため、揮発成分が効率的に除去できない場合がある。
特許文献2には、撹拌槽の気相部に存在する部材に対して散水することにより、当該部材へのトナー粒子の付着を防止する方法が開示されている。この方法によってもトナー粒子の付着防止の効果は期待できるが、散水によって撹拌槽内部の液量が増加するため目的とするトナーの生産性が低下する傾向にある。
また、上記特許文献1及び2のいずれにも、気相部における不定形トナー又はトナー粒子の付着については記載されているものの、撹拌軸及び軸封部材へのトナー粒子の付着を防止する方法については言及されていない。
一方、軸封部材へのトナー粒子の付着対策に言及したものとしては特許文献3がある。特許文献3には、軸封下部に特定の溶剤を注入することにより、付着を防止できることが記載されている。しかしながら、この方法では軸封下部に注入された溶剤が系内に混入するため、トナーの製造において用いることを前提とする場合には、使用できる溶剤は限定される。
また、トナー粒子の付着は気相部や気液界面近傍で発生しやすいことから、撹拌軸を液面より下から挿入することによってトナー粒子の付着を防ぐ試みも行なわれている(特許文献4)。しかし、撹拌軸を液面下においてもトナー粒子の付着が全く発生しないということはなく、特に撹拌軸近傍などの液の動きが少ない部分では、付着したトナー粒子が合一して大きく成長することもある。
さらには、撹拌軸が液面下から挿入される場合には、撹拌槽の液面下部の壁面を撹拌軸が貫通する部分が存在し、その部分には液の漏出を防ぐために軸封部材が必須であるが、メカニカルシールの如き軸封部材にトナー粒子が付着するとその本来のシール性能が阻害され、著しい場合にはメカニカルシールの破損を引き起こす。
また、生成したトナー粒子の付着物が剥離脱落して製品に混入すると、画像濃度の低下やカブリの悪化などを引き起こす。
特開2001−188382号公報 特開2001−100457号公報 特開2002−371102号公報 特開2005−078006号公報
本発明は、トナー粒子の懸濁液を撹拌槽中で加熱撹拌することによって、揮発成分を除去する工程を含むトナーの製造方法であって、撹拌槽に設置された撹拌軸及び軸封部材へのトナー粒子の付着を防止するトナーの製造方法、及び、トナー粒子から揮発成分を除去する工程に用いられるトナーの製造装置であって、撹拌軸及び軸封部材に付着が起こらない製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
水系媒体中のトナー粒子から揮発成分を除去する揮発成分除去工程に用いるトナーの製造装置であって、
該製造装置は、
該トナー粒子を含む該水系媒体を容れるための撹拌槽と、
該トナー粒子を含む該水系媒体を撹拌するための撹拌翼と、
該トナー粒子を含む該水系媒体を加熱するための加熱手段と、
該撹拌翼を駆動するための撹拌軸及び該撹拌軸に連結された撹拌翼駆動手段と、
該撹拌翼の回転時に回転する付着防止部材と、
を有し、
該撹拌翼は、該撹拌槽の内部に配置されており、
該撹拌軸は、該撹拌槽の底部から該撹拌槽の内部に挿入されており、
該付着防止部材は、該撹拌槽の内部かつ該撹拌翼の下方に、該撹拌軸を取り囲むように配置されており、
該付着防止部材は、
該撹拌槽の底部側の部位が該撹拌槽の底部に向いた櫛歯状になっている部材、又は、
複数のスリット若しくは孔を有する部材
である
ことを特徴とするトナーの製造装置
また、本発明は以下の構成を有するものである。
水系媒体中のトナー粒子から揮発成分を除去する揮発成分除去工程を有するトナーの製造方法であって、該揮発成分除去工程は、本発明のトナーの製造装置を用い、該トナー粒子を含む該水系媒体を加熱撹拌することによって行われることを特徴とするトナーの製造方法。
本発明によれば、水系媒体中のトナー粒子から揮発成分を除去する揮発成分除去工程を有するトナーの製造方法において、揮発成分除去工程に用いる製造装置の撹拌軸及び軸封部材へのトナー粒子の付着を低減することができる。そのため、本発明によれば、生産性に優れ、粒度分布が良好で、画像を生成した場合の画質に優れるトナーの製造方法、及び、そのための製造装置を提供することができる。
本発明に用いる製造装置の一例を示す概略図。 図1に示す製造装置の一部の部分拡大図。 図2に示す製造装置の断面図。 本発明に用いる製造装置の他の一例を示す概略図。 本発明に用いる製造装置の他の一例を示す概略図。 図5に示す製造装置の断面図。 比較例1に用いる製造装置の一例を示す概略図。
本発明は、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法であって、トナー粒子から揮発成分を除去する揮発成分除去工程を含むことを特徴とする。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒し該重合性単量体組成物の粒子を形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る工程を含む製造方法である。
また、上記揮発成分除去工程は、撹拌翼を有する撹拌槽においてトナー粒子を含む水系媒体(以下、トナー粒子分散液ともいう)を加熱撹拌することによって行われ、該撹拌翼は該撹拌槽の底部から挿入される撹拌翼駆動手段に連結された撹拌軸によって駆動され、該撹拌翼の下方には該撹拌軸を取り囲むように、該撹拌翼の回転時に回転する付着防止部材が配置され、該付着防止部材はその撹拌槽底部側の部位が撹拌槽底部に向いた櫛歯状の部材であるか、又は、複数のスリット若しくは孔を有する部材であることを特徴とする。
以下に、本発明のトナーの製造方法、及び、そのための製造装置について説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体及び着色剤を少なくとも含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
分散安定剤を含む水系分散媒を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽に投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することにより分散させ、重合性単量体組成物分散液とする。また、一般的な竪型撹拌槽に分散安定剤を含む水系分散媒を投入し、さらに重合性単量体組成物を投入して撹拌し、重合性単量体組成物予備分散液とした後に、ここから連続的に重合性単量体組成物予備分散液を抜き出し、インライン型の高速撹拌機を通過させることによって連続的に重合性単量体組成物分散液を得ることもできる。さらには上記のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を再度前述の竪型撹拌槽に戻す循環式とすることもできる。
重合性単量体組成物の分散液滴径の分布は、得られるトナー粒子の粒径分布にそのまま反映されるので、重合性単量体組成物の分散液滴径を均一にすることが重要である。
本発明においては、高剪断力を有する撹拌機が好適に用いられる。高剪断力を有する撹拌機としては、「ウルトラタラックス」(IKA社製)、「T.K.ホモミクサー」(プライミクス社製)、「T.K.フィルミックス」(プライミクス社製)及び「クレアミックス」(エム・テクニック社製)等の市販のものを用いることができる。また、インライン型の高速撹拌機としては、「マイルダー」(マツボー社製)及び「キャビトロン」(ユーロテック社製)等の市販のものを用いることができる。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌翼はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌翼又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌翼、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック
社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)
、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi-Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(揮発成分除去工程及び冷却工程)
トナー粒子から未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発成分を除去するために、重合工程終了後に揮発成分除去工程を行う。揮発成分除去は、加熱撹拌した状態で常圧又は減圧下で行うことができる。揮発成分除去工程を行う装置の一例を図1に示す。本装置は加熱冷却ジャケット3及び撹拌翼2を有する撹拌槽であり、撹拌翼2は撹拌軸6が全て液面下となるよう底部に設置されている。また、本装置は液面下に蒸気吹き込み口8を有するので、加熱を加熱冷却ジャケットで行なわず液に直接蒸気を吹き込むことによって行なうこともできる。撹拌軸が撹拌槽に挿入される部分には撹拌槽内部の液の漏出を防ぐため軸封部材5が設置される。撹拌翼下部には撹拌軸へのトナー粒子の付着を防止する目的で、付着防止部材4が撹拌翼と一体となって回転するよう設置されている。撹拌翼近傍の部分拡大図を図2、断面図を図3に示す。付着防止部材は、撹拌軸を取り囲むように設置された櫛歯状の部材であり、撹拌槽底部方向に櫛歯の先端が向くように撹拌翼下部に固定されており、撹拌翼の回転にしたがって回転する。付着防止部材が撹拌軸の周囲を回転することによって、撹拌軸近傍でのトナー粒子分散液の滞留を防ぎ、撹拌軸へのトナー粒子の付着を防止することができる。櫛歯の先端が軸封部材の近傍で回転することによって、軸封
部材近傍でのトナー粒子分散液の滞留を防止し、軸封部材へのトナー粒子の付着を防止することができる。ここで、撹拌槽底部側の部位が櫛歯状である部材の代わりに、例えば丸棒を複数並べて設置しても同様の効果を奏するものと考えられる。
さらに、上述した例とは異なる付着防止部材を有する撹拌翼の近傍の部分拡大図を図4に示す。この例では、撹拌翼下部に複数のスリットを有する円筒形状の付着防止部材が設置されており、該付着防止部材は撹拌翼と一体になって回転する。付着防止部材の下端は軸封部材近傍まで達するよう設計されていてもよい。ここでスリットの代わりに複数の孔を有する円筒形状の付着防止部材を用いても同様の効果を奏するものと考えられる。付着防止部材がスリットや孔を有しない単なる円筒形状であった場合には、付着防止部材の内部と外部でトナー粒子分散液の移動が起こりにくく、トナー粒子分散液の滞留が発生してしまうために、その部分におけるトナー粒子の付着が増加する。
上述した付着防止部材は、撹拌軸及び軸封部材の一部又は全部を取り囲むように設置されることが好ましく、撹拌軸及び軸封部材の全部を取り囲むように設置されることがより好ましい。
また、撹拌翼と付着防止部材は同軸で同一に駆動させてもよいが、個別に駆動させてもよい。例えば、図5及びその断面を表わす図6に示すように、同心で二重構造になっている撹拌軸を用い、各々を独立した二つの駆動手段により個別に駆動すれば、二重構造の内側の撹拌軸11で撹拌翼を、二重構造の外側の撹拌軸10で付着防止部材を各々異なる速度で回転させることが可能である。
揮発成分除去工程に用いられる撹拌翼としては一般的なものを用いることができるが、撹拌翼を回転させた際に、トナー粒子分散液が液面(撹拌槽上部方向)から撹拌槽底部に向かう流れを生じさせ、かつ、撹拌翼の回転方向を逆にした際に、撹拌槽底部から液面へ向かう流れを生じさせるようなものであることが好ましい。
また、撹拌翼が生じさせるトナー粒子分散液の流れの方向は、加熱中は液面から撹拌槽底部に向かう流れとする方が、加熱ジャケットからの伝熱や全体の撹拌混合の観点から好ましい。また、次工程に移送する前の冷却工程においては、加熱時とは逆に撹拌槽底部から液面へと向かう方向の流れとする方が、撹拌軸近傍でのトナー粒子分散液の滞留をより低減させることができるため好ましい。
また、冷却工程においては、通常60℃以下に液を冷却することが好ましい。この温度まで液を冷却した場合には、次工程への移送時など、撹拌が停止した状態に置かれた場合でも、トナー粒子分散液中のトナー粒子が合一したり、撹拌槽や撹拌軸及び軸封部材に融着したりしにくくなる。
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸又はアルカリで処理をすることもできる。酸又はアルカリでトナー粒子分散液を処理した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子は水系媒体と分離されるが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は、従来の粉砕法で製造されたトナーと比較して十分にシャープな粒度分布を有するものであるが、さらにシャープな粒度分布を要求される場合には風力分級機などで分級工程を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別
して取り除くこともできる。
ここまで述べた各工程に用いられる装置を構成する各部材の材質としては、ステンレス鋼、ガラス、FRP及びセラミックの如く通常使用されるものを用いることができる。また、これらの表面は電解研磨、テフロン(登録商標)コーティング又はグラスライニングの処理が施されていてもよい。
本発明の製造方法により得られるトナーは、前述した懸濁重合法により得られるトナー粒子のみからなるものであってもよいし、必要に応じて他の添加剤をトナー粒子に外添して得られるものであってもよい。また、上記トナー粒子をキャリアと混合して二成分トナーとしてもよい。
[重合性単量体]
本発明で好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
すなわち、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン及びp−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート及び2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系モノマー類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル及びギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類などが挙げられる。
また、多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン及びジビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては、上述した単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体をそれぞれ単独、あるいは2種以上組み合わせて、又は上述した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて用いてもよい。上述の重合性単量体の中でもスチレン又はスチレン誘導体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、又はそれらと他の重合性単量体とを組み合わせて使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
[着色剤]
本発明で用いられる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
シアントナー用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15:1、15:2、15:3、16及び17;C.I.アシッドブルー6、及び45;フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
また、マゼンタトナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、150、155、163、202、206、207、209及び238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29及び35等が挙げられる。さらに、マゼンタトナー用の染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109及び121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21及び27;C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39及び40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27及び28等の塩基性染料が挙げられる。
また、イエロートナー用の着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191及び194;C.I.バットイエロー1、3及び20;ミネラルファストイエロー;ネーブルイエロー;ナフトールイエローS;ハンザイエローG;パーマネントイエローNCG等が挙げられる。さらに、イエロートナー用の染料としてはC.I.ソルベントイエロー9、17、24、31、35、58、93、100、102、103、105、112、162及び163等が挙げられる。
また、ブラックトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック及びシアニンブラック等、又は先に例示したイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤、さらに必要に応じて前記した黒色の着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、中間色の再現性と着色力とのバランスから、結着樹脂100質量部に対して1〜15質量部含有されていることが好ましく、3〜10質量部含有されていることがより好ましい。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、
加えて人間の肌色に代表される様な中間色の再現性も低下しやすくなり、更には、トナーの帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られにくくなる。また、着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、目的とする着色力が得られ難く、高い画像濃度が得られない傾向がある。
着色剤を選択する上では、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に、染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので、使用の際に注意を要する。これらを使用する場合には、表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておくことが好ましい。染料を表面改質する方法としては、これらの染料の存在下で重合性単量体を重合させ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する方法が挙げられる。さらに、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面に存在する官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
[離型剤]
本発明で用いられる離型剤としては、室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性及び耐オフセット性の点で好ましい。
そのようなワックスとしては、以下のものが挙げられる。
すなわち、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物などが挙げられる。これらの中でも、低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには、直鎖状エステルワックスが特に好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1〜40質量部含有されることが好ましく、4〜30質量部含有されることがより好ましい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用してもよい。第2の離型剤としては、炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものがより好ましい。
[荷電制御剤]
本発明の製造方法により製造されるトナーは、荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、有機金属化合物及びキレート化合物が挙げられ、具体的には、モノアゾ系染料金属化合物及びアセチルアセトン金属化合物、並びに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、無水物、エステル類及びビスフェノール等のフェノール誘導体類などが挙げられる。さらに尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体及び非金属カルボン酸系化合物などが挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩及びテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、
ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、又はフェロシアン化物が挙げられる)及び高級脂肪酸の金属塩などが挙げられる。これらを単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも4級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜20質量部含有されることが好ましく、0.5〜10質量部含有されることがより好ましい。
[重合開始剤]
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。
アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。
すなわち、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリルなどが挙げられる。
また、有機過酸化物系重合開始剤を用いてもよい。
有機過酸化物系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。
すなわち、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系重合開始剤を用いてもよい。
酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩など)の無機過酸化物及び4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。
また、還元性物質としては、還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩及び3価のクロム塩など)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン及びエチルアミンの如き炭素数1〜6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、炭素数1〜6の低級アルコール、アスコルビン酸又はその塩、及び、炭素数1〜6の低級アルデヒドなどが挙げられる。
開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独又は組み合わせて用いてもよい。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的にはモノマー100質量部に対し0.5〜20質量部が含有される。
[架橋剤]
本発明においては、各種架橋剤を用いてもよい。
架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
[分散媒体]
本発明においては、分散媒体は各種重合法に使用される公知のものを用いることができ、使用する重合性単量体や重合法などによって適宜選択され、特に限定されない。なお、
懸濁重合においては水系媒体が用いられる。
[分散安定剤]
トナー用原料を水系媒体中に良好に分散させるための分散安定剤として用いることができる無機化合物としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ及びチタニアなどが挙げられる。
また、分散安定剤として用いることができる有機系化合物としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及びデンプンなどが挙げあれる。
分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部含有されることが好ましい。
これら分散安定剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、上記の無機化合物を用いる場合、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中撹拌下にて無機化合物を生成させることもできる。
例えばリン酸三カルシウムの場合、十分な撹拌下のリン酸ナトリウム水溶液中に塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合法に好適な分散安定剤を得ることができる。このとき、塩化カルシウム水溶液の投入方法は特に限定されないが、可能な限り素早く均一な混合状態が得られるような条件で行なわれることが好ましい。スケールが大きい装置の場合には均一に混合するための時間が延びるため、例えば塩化カルシウム水溶液の投入部分にスプレーノズル、シャワーノズル又は多孔性の円管などを用いて拡散しながら投入するような工夫をしてもよい。
[極性樹脂]
懸濁重合法のように水系媒体を用いる重合法の場合には、重合性単量体組成物に極性樹脂を添加することにより離型剤の内包化の促進を図ることができる。水系媒体に懸濁した重合性単量体組成物中に極性樹脂が存在する場合、水に対する親和性の違いから極性樹脂が水系媒体とトナー用原料の界面付近に移行しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在する傾向がある。その結果、トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好になる。
このような極性樹脂としては、トナー表面に偏在し、シェルを形成した際に極性樹脂自身のもつ流動性が期待できるという点で、飽和又は不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、以下に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合したものを用いることができる。
酸成分単量体としては以下のものが挙げられる。
すなわち、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸及びトリメリット酸などが挙げられる。
また、アルコール成分単量体としては以下のものが挙げられる。
すなわち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1
,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンの如きアルキレングリコール類、並びに、ポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールなどが挙げられる。
[外添剤]
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。
外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
外添剤としては、以下のものが挙げられる。
すなわち、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫及び酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック及びシリカなどが挙げられる。
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部含有されることが好ましく、0.05〜5質量部含有されることがより好ましい。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものであることが好ましい。
さらに、本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用できる。
[磁性材料]
磁性材料がトナーに含有される場合には、該磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。
本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト及びフェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト及びニッケルの如き金属、あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン及びバナジウムの如き金属の合金及びその混合物などが挙げられる。
これらの磁性材料は、平均粒径が0.5μm以下であることが好ましく、0.1〜0.
5μm程度であることがより好ましい。
上記磁性材料のトナー中の含有量は、モノマー又は結着樹脂100質量部に対して20〜200質量部であることが好ましく、40〜150質量部であることがより好ましい。
また、上記磁性材料の800kA/m印加時の磁気特性が、保磁力(Hc)1.6〜24kA/m、飽和磁化(σs)50〜200Am2/kg、残留磁化(σr)2〜20A
2/kgであることが好ましい。
[疎水化剤]
トナー粒子中における磁性材料の分散性を向上させるために、磁性材料の表面を疎水化処理することが好ましい。
疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられ、中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。
シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。
すなわち、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明により製造されるトナーは、一成分系及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
本発明の製造方法により得られるトナーを、一成分系現像剤として磁性材料をトナー中に含有させた磁性トナーとする場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して、磁性トナーの搬送及び帯電することができる。また、磁性材料を含有しない非磁性トナーとする場合には、ブレード及びファーブラシを用いて現像スリーブにおいて強制的に摩擦帯電し、スリーブ上にトナーを付着させることで搬送することができる。
一方、二成分系現像剤とする場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用される。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン及びクロム原子が用いられ、これらは単独又は複合フェライト状態で用いられる。
また、飽和磁化及び電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリアの形状も重要であり、例えば、球状、扁平又は不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造、例えば、キャリア表面の凹凸性をもコントロールすることが好ましい。
一般的には、上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、金属化合物とモノマーとの混練物を水系媒体中で直接懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用することが可能である。
これらキャリアの平均粒径は10〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。
二成分系現像剤を調製する場合の、キャリアと本発明の製造方法により得られるトナーとの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2質量%〜15質量%であることが好ましく、4質量%〜13質量%であることがより好ましく、上記混合比率である場合には良好な結果が得られる。
一方、トナー濃度が2質量%未満の場合には画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化及び現像剤の消費量増加が起こりやすい。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
実施例中においては以下の各測定方法を用いた。
(1)トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer
3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析
をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)を使用した。
尚、測定及び解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
<1>Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
<2>ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
<3>発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
<4>前記<2>のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
<5>前記<4>のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
<6>サンプルスタンド内に設置した前記<1>の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記<5>の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
<7>測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
(2)粒度分布のシャープさの算出方法
粒度分布のシャープさは上述の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を用い、D4/D1の値を求めることにより評価した。D4/D1の値が1に近いほど粒度分布はシャープである。
(3)付着物量の測定方法
揮発成分除去工程及び冷却工程を1セットとして行ない、同じ装置内で5セット繰り返して行なった後に、撹拌軸及び軸封部材周りの付着物を採取し、これを乾燥させた後に重量を測定した。
(4)画像評価方法
本発明の実施例で行った画像評価方法とその判断基準について以下に述べる。
画像形成装置として、「LASER JET2300」(ヒューレット・パッカード(株)社製)を用いた。ここで、プロセススピードを150mm/secとし、現像バイアスとして−430Vの直流電圧Vdcに1.6kVpp、周波数2200Hzの交番電界を重畳したものを用いた。この条件において、常温常湿環境下(23℃、60%RH)において8ポイントのA文字を用い印字率を4%とした画像にて間欠モードで6,000枚の画出し耐久試験を行った。なお、記録媒体としてはA4の75g/m2の紙を使用した
<1>画像濃度
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像の濃度を「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)にて測定した。
<2>カブリ
白画像を出力して、その反射率を「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、黒及びマゼンタトナーにはグリーンフィルターを、シアントナーにはアンバーフィルターを、イエロートナーにはブルーフィルターを、それぞれ用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
得られたカブリの値により下の評価基準に従い5段階で評価した。
A:非常に良好なレベル(0.5%未満)
B:良好なレベル(0.5%以上1.0%未満)
C:問題ないレベル(1.0%以上2.0%未満)
D:許容レベル(2.0%以上3.0%未満)
E:悪いレベル(3.0%以上)
<実施例1>
以下の手順により重合体微粒子からなるトナー粒子を製造した。
[着色剤分散液調製工程]
スチレンモノマー 78質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
銅フタロシアニン顔料(「ECB308」(大日精化社製)) 6質量部
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1質量部
上記成分をジルコニアビーズを用いた媒体撹拌ミルで分散することにより、着色剤分散液の調製を行なった。
[重合性単量体組成物調製工程]
着色剤分散液 107質量部
ポリスチレン 25質量部
(Mw=3100、Mw/Mn=1.22、Tg=54℃)
飽和ポリエステル樹脂 4質量部(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との
重縮合物;Mn=11,000、Mw/Mn=2.4、
酸価=30mgKOH/g、Tg=72℃)
負荷電制御剤 1質量部(ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物)
ポリエチレンワックス 10質量部(DSCにおける最大吸熱ピーク65℃、吸熱ピークの半値幅17℃)
上記の成分を温度調節可能な撹拌槽に投入し、撹拌しながら63℃まで昇温し、さらに45分間撹拌を継続して重合性単量体組成物とした。
[水系媒体調製工程]
水 97.8質量部
Na3PO4 1.2質量部
10%塩酸水溶液 0.3質量部
上記の成分を別の温度調節可能な撹拌槽に投入し、60℃まで昇温しながらNaPOが完全に溶解するまで撹拌した。
これにCaCl 0.7質量部を水5質量部に溶解したものを添加し、「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて回転数22(1/s)で60℃に保ったまま30分間撹拌を行うことによってCa(POの微粒子の水懸濁液である水系媒体を得た。
[造粒工程]
水系媒体を60℃で「クレアミックス」(エム・テクニック社製)で回転数22(1/s)で撹拌しながら、そこに前述の重合性単量体組成物を投入し、3分撹拌を継続した後に重合性単量体100質量部に対して重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート7.0質量部を添加し、さらに7分間撹拌して重合性単量体組成物分散液を得た。
[重合工程]
上述の工程により得られた重合性単量体組成物分散液を温度調節可能な撹拌槽に導入し、液温を67℃に昇温し撹拌しながら5時間重合を行い、さらに80℃に昇温して4時間重合を継続することにより重合体微粒子分散液を得た。
[揮発成分除去工程及び冷却工程]
重合工程で得られた重合体微粒子分散液を図1の撹拌槽に導入し、蒸気吹込み口より蒸気を吹き込んで液温を100℃まで昇温し、5時間撹拌を行なうことによって揮発成分除去工程を行った。この時の撹拌翼の回転方向は、撹拌翼により生じる重合体微粒子分散液の流れの方向が液面から撹拌槽底部へと向かう方向であった。
次に、撹拌翼を逆回転させ撹拌翼により生じる重合体微粒子分散液の流れの方向を撹拌槽底部から液面へと向かう方向としながら、液を40℃以下まで冷却する冷却工程を行った。
上記揮発成分除去工程及び冷却工程を1セットとして重合体微粒子分散液を製造し、同じ装置を使用して当該重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合体微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材における付着物の有無を確認したところ、付着物は確認されなかった。
[固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程]
揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返し、最後に得られた重合体微粒子分散液に塩酸を添加して撹拌し、重合体微粒子を覆ったCa(POの微粒子を溶解した。溶解液を加圧ろ過器で脱液し、水を投入して再び分散液とした後に、加圧ろ過器で再度脱液して固液分離した。この操作を、Ca(POが十分に除去されるまで繰り返し行うことにより洗浄した。洗浄後、最終的に固液分
離して得た重合体微粒子を、公知の乾燥手段によって十分に乾燥してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は5.8μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.15であった。
[画像評価]
上記トナー粒子100質量部と、BET比表面積値が120m2/gの疎水性シリカ微
粉体1.0質量部を、「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)を用いて混合し、トナーを調製した。得られたトナーについて画像濃度及びカブリの評価を行った結果を表1に示す。
<実施例2>
揮発成分除去工程に使用する製造装置に設置された付着防止部材の櫛歯状の部分をその先端が軸封部材にかからないよう短くしたほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合体微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ105gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は6.1μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.17であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
揮発成分除去工程に使用する製造装置として図5及び図6に示されたものを使用したほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合体微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ126gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は6.0μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.17であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例4>
揮発成分除去工程において加熱時、冷却時ともに撹拌翼の回転方向を、撹拌翼により生じるトナー粒子の流れの向きが液面から撹拌槽底部に向かう方向となるようにしたほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合性微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ268gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は5.9μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.17であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例5>
揮発成分除去工程において加熱時、冷却時ともに撹拌翼の回転方向を、撹拌翼により生じるトナー粒子の流れの向きが撹拌槽底部から液面に向かう方向となるようにしたほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合性微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ130gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.16
であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例6>
揮発成分除去工程において加熱時の撹拌翼の回転方向を、撹拌翼により生じるトナー粒子の流れの向きが撹拌槽底部から液面に向かう方向となるようにし、冷却時の撹拌翼の回転方向を、撹拌翼により生じるトナー粒子の流れの向きが液面から撹拌槽底部に向かう方向となるようにしたほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合性微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ251gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は6.0μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.17であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例7>
揮発成分除去工程に使用する製造装置として図4に示されたものを使用したほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合性微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着物は見られなかった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は5.9μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.15であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
揮発成分除去工程に使用する製造装置として図7に示されたものを使用したほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合性微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ682gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は6.3μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.20であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
揮発成分除去工程に使用する製造装置に付着防止部材を設置しないものを用いたほかは、実施例1と同様の方法でトナー粒子を製造した。揮発成分除去工程及び冷却工程からなる重合体微粒子分散液製造工程を5回繰り返して行ない、重合性微粒子分散液を次工程に移送した後に撹拌軸及び軸封部材に付着した付着物を採取し、乾燥後秤量したところ644gであった。繰り返し製造の最後に得られたトナー粒子の粒度を測定したところ、重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、粒度分布のシャープさ(D4/D1)は1.18であった。このトナー粒子に実施例1と同様に疎水性シリカ微粉体を混合してトナーを調製し、画像評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0005709567
1 撹拌槽
2 撹拌翼
加熱冷却ジャケット
4 付着防止部材
5 軸封部材
6 撹拌軸
7 モーター
8 蒸気吹込み口
9 液面
10 二重構造の撹拌軸(外側)
11 二重構造の撹拌軸(内側)

Claims (5)

  1. 水系媒体中のトナー粒子から揮発成分を除去する揮発成分除去工程に用いるトナーの製造装置であって、
    該製造装置は、
    該トナー粒子を含む該水系媒体を容れるための撹拌槽と、
    該トナー粒子を含む該水系媒体を撹拌するための撹拌翼と、
    該トナー粒子を含む該水系媒体を加熱するための加熱手段と、
    該撹拌翼を駆動するための撹拌軸及び該撹拌軸に連結された撹拌翼駆動手段と、
    該撹拌翼の回転時に回転する付着防止部材と、
    を有し、
    該撹拌翼は、該撹拌槽の内部に配置されており、
    該撹拌軸は、該撹拌槽の底部から該撹拌槽の内部に挿入されており、
    該付着防止部材は、該撹拌槽の内部かつ該撹拌翼の下方に、該撹拌軸を取り囲むように配置されており、
    該付着防止部材は、
    該撹拌槽の底部側の部位が該撹拌槽の底部に向いた櫛歯状になっている部材、又は、
    複数のスリット若しくは孔を有する部材
    である
    ことを特徴とするトナーの製造装置。
  2. 前記付着防止部材が、前記撹拌軸と同軸で駆動される部材である請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記撹拌軸に、前記撹拌槽の内部の前記トナー粒子を含む前記水系媒体の漏出を防ぐための軸封部材が設置されており、
    前記付着防止部材が、前記撹拌軸及び該軸封部材を取り囲むように配置されている
    請求項1又は2に記載のトナーの製造装置。
  4. 水系媒体中のトナー粒子から揮発成分を除去する揮発成分除去工程を有するトナーの製造方法であって、
    該揮発成分除去工程は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造装置を用い
    、該トナー粒子を含む該水系媒体を加熱撹拌することによって行われることを特徴とするトナーの製造方法。
  5. 前記製造方法が、前記揮発成分除去工程の後、前記トナー粒子を含む水系媒体を撹拌しながら冷却する冷却工程をさらに有し、
    前記揮発成分除去工程においては、前記撹拌翼を、前記撹拌翼により生じる前記トナー粒子の流れが前記撹拌槽の底部に向かうように回転させ、
    該冷却工程においては、前記撹拌翼を、前記撹拌翼により生じる前記トナー粒子の流れが前記撹拌槽の上部に向かうように回転させる
    ことを特徴とする請求項4に記載のトナーの製造方法。
JP2011031149A 2011-02-16 2011-02-16 トナーの製造方法及びトナー製造装置 Active JP5709567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011031149A JP5709567B2 (ja) 2011-02-16 2011-02-16 トナーの製造方法及びトナー製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011031149A JP5709567B2 (ja) 2011-02-16 2011-02-16 トナーの製造方法及びトナー製造装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012168465A JP2012168465A (ja) 2012-09-06
JP2012168465A5 JP2012168465A5 (ja) 2014-04-03
JP5709567B2 true JP5709567B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=46972654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011031149A Active JP5709567B2 (ja) 2011-02-16 2011-02-16 トナーの製造方法及びトナー製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5709567B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6238739B2 (ja) * 2013-12-27 2017-11-29 キヤノン株式会社 トナー粒子の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5217900B2 (ja) * 1973-05-25 1977-05-18
JP2002221824A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Nippon Zeon Co Ltd 重合法によるトナーの製造方法
JP4187579B2 (ja) * 2003-04-25 2008-11-26 佐竹化学機械工業株式会社 撹拌翼
JP4522065B2 (ja) * 2003-09-03 2010-08-11 キヤノン株式会社 トナー粒子の製造方法
JP5376959B2 (ja) * 2009-01-07 2013-12-25 キヤノン株式会社 トナー粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012168465A (ja) 2012-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5506310B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP5376996B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP5709567B2 (ja) トナーの製造方法及びトナー製造装置
JP5579021B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP5072628B2 (ja) トナーの製造方法
JP5305926B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP3970085B2 (ja) 重合法トナーの製造方法
JP2004326030A (ja) トナー粒子の製造方法及びトナーの製造方法
JP5274039B2 (ja) トナーの製造方法
JP2005292492A (ja) 重合トナーの製造方法
JP3958107B2 (ja) 重合法トナーの製造方法
JP6238739B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP2010191057A (ja) トナー粒子の製造方法
JP5479063B2 (ja) トナーの製造方法
JP5489865B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP4839186B2 (ja) 重合トナーの再利用方法
JP4455447B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP2018059972A (ja) トナー粒子の製造方法
JP2007127680A (ja) 重合トナー粒子及び重合トナーの製造方法
JP3958100B2 (ja) 重合法トナーの製造方法
JP4402542B2 (ja) 重合トナー粒子及び重合トナーの製造方法
JP6611535B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP2007199268A (ja) トナー粒子およびトナーの製造方法
JP4623004B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP2004333826A (ja) 重合法トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150303

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5709567

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151