JP5709250B2 - 上肢運動機能複合的診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上肢運動機能診断装置に関し、上肢運動機能を客観的に定量的に数値として複合的に診断することができる装置に関するものである。
上肢はヒトが生物の中で大発展を遂げる上で重要な役割を果たしている。しかしながら、現状、上肢の診断は、医師が目視観察により主観的に徒手手技により評価している。
上肢の運動機能検査は、大脳皮質機能、大脳基底核機能、小脳機能、脳幹機能、脊髄機能、及び、筋肉機能について行なわれる。大脳機能は随意で制御でき錐体路で行われ、脳卒中のような運動麻痺については19世紀から今日までBarre徴候として目視の観察だけで上肢の検査には、いわゆる「前ならえ」姿勢の保持をおこなってもらい、その保持状態を観察して評価している(例えば非特許文献1参照)。
また上肢の大脳基底核機能は、不随意運動機能で錐体外路系で行われ、最も多い代表例はパーキンソン病が示すように筋肉が硬くなり、ふるえ(振戦ともいう)も随伴することがあり運動が少なくなる。筋肉の硬さ(緊張あるいはトーヌスともいう)はほとんど医師の徒手的手技で評価しており、医学教育用にのみ、例えば下記特許文献1にあるような手指筋のトーヌスを数値化しているが、パーキンソン病に特有な上腕とか手首の筋肉の歯車用硬緊張などを客観的に評価する方法はまだない。
また上肢の小脳機能は、企図振戦、筋肉の柔らかさ、反復交互運動等があるが、どれも徒手的に目視による観察で客観的評価法はまだない。また小脳機能には指叩打検査があるが、非特許文献2と特許文献2のボタン押し検査のみで臨床で行われている机を反復叩く方法そのものではない。脳幹機能は本態性振戦などがあるが客観的評価法は特許文献3にあるパーキンソン病による振戦との区別に用いるのみの装置があるのみである。上肢の脊髄機能については、二頭筋反射とか三頭筋反射のような腱反射があるが、これは医師の徒手的観察により目視と医師の触診で評価されているのみで客観的数量的評価法はまだない。
特開2007−003620号公報 特開2006−149911号公報 特開2004−136074号公報
Piercy M.,Hecaen H. and Ajuriaguerra de J.,Constructional apraxia associated with unilateral cerebral lesion、left and right sided cases compared Brain,83,225−242,1960 下山一郎,檜前薫,忍頂寺紀彰,植村研一,マイクロコンピューター応用による小脳機能の簡易定量化 指叩打検査について,Neurologia medico−chirurgica,23:473−440,1983
しかしながら、上記文献の検査方法は固定された装置で一定の姿勢に制約しなければ検査できず、現在行われている医師の手技手法に準じておらず、これまでの蓄積されてきた先人の経験を利用することは全く困難なうえに、複数の上肢運動機能の検査をする装置がはない。先人の徒手的手技手法の検査をそのままの方法で定量的に複数項目検査できるようにすることが非常に望ましい。
従って本発明は、以上を鑑み、これまでの徒手的診察方法と全く同じ方法で上肢運動機能を総合的に行なえる上肢運動機能複合的断装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため具体的には以下の手段を採用する。左右の手掌部または手甲部または指に左右別々に運動感知装置を装着する。本発明は古くから行われている医師の手技手法に準じて行う。上肢のBarre徴候検査手技と、この検査のとき本態性振戦も同じ行程で検査する。反射検査として二頭筋反射と三頭筋反射と腕橈骨反射と尺骨反射を行う。さらに鉛管様強剛と歯車様強剛などの筋緊張の検査を行う。さらに小脳機能検査として手回内・回外検査と指叩打検査と指鼻試験を行う。そして即座に信号処理して、正常例のデータベースと対比しつつ、診断する構成をとった。即ち、具体的には以下の手段を採用する。
第一の手段として、左右の上肢の運動を感知する2個の運動感知装置がある。
この手段において、この運動感知装置は空間を3次元別に感知できることが好ましい。この運動感知には、位置とか加速度とか角速度とか標高高度とか方位などの空間座標における位置を複数感知することが望ましい。
この手段において、この運動感知装置に直結包含して情報装置に信号を送るための伝搬装置を含めた装置にすることが好ましい。
この手段において、伝搬方法は有線でも可能だが無線での信号伝搬が望ましい。
第二の手段として運動感知装置からの信号を受け取る受信装置がある。
この手段において伝搬装置はアナログ方式でも可能だが、ノイズの混入とかドリフトの混入をさけるためにデジタル方式のほうが好ましい。
この手段において、アナログ信号は100ヘルツ以上のサンプリングで量子化することがこのましい。
この手段において10ビット以上の解像度に量子化することが好ましい。
この手段において、受信装置は情報処理装置に信号を送る。
第三の手段として情報処理装置がある。
この手段において、情報処理装置には信号保存と信号解析を処理することが望ましい。
またこの手段において情報処理装置の信号保存では並行して医師と患者の音声情報とか画像情報とかフットスイッチなどからのイベント信号とかを同時保存することが望ましい。
またこの手段において情報処理装置の信号処理にはイベント信号をよりどころにして検査項目を個別に解析をすることが好ましい。
第四の手段として解析した結果と診断結果を印字する印字装置がある。
以上の手段により、上肢運動機能検査の複数項目を総合的に一式で、これまで医師が徒手的に検査して観察して診断してきた手技手法と等価に定量的に情報処理できるうえに、診断基準を数値で設定できる上肢運動機能複合診断装置を提供することができる。
本装置の概略図である。 本装置のブロック図である。 本装置における処理のフローを示す図である。 本装置における検査のフローを示す図である。 本装置における検査の上肢のBarre徴候検査手技のフローを示す図である。 本装置における検査の反射検査のフローを示す図である。 本装置における検査の小脳機能検査のフローを示す図である。 本装置における検査の運動感知装置の設置を示す図である。 本装置におけるBarre徴候検査の実施例を示す図である。 本装置における二頭筋反射検査の実施例を示す図である。 本装置における三頭筋反射検査の実施例を示す図である。 本装置における椀橈骨検査の実施例を示す図である。 本装置における尺骨検査の実施例を示す図である。 本装置における筋緊張検査の実施例を示す図である。 本装置における反復交互運動検査の実施例を示す図である。 本装置における指叩打検査の実施例を示す図である。 本装置における指鼻検査の実施例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面をもとに説明する。
図1は本実施形態に係る上肢運動機能複合診断装置(以下「本装置」という。)の概略図を示す。図1で示されるように本実施形態に係る運動感知装置1と2は、情報処理装置4に接続されたあるいは内蔵された信号受信装置5と、情報処理装置4に接続された印字装置7とを有して構成されている。入力装置6と表示装置3は情報処理装置4と一体化して、情報処理装置の一部として入力部として、表示部として構成することも望ましい。本装置は上記の各装置を情報処理装置4のもとで纏め上げることにより上肢運動機能診断を、客観的に定量的に複合的に診断を行うことができる。
情報処理装置4は入力装置6と、表示装置3と、印字装置7と接続されており、表示装置3に様々な情報を表示させるとともに運動感知装置からの信号の表示と解析結果の表示を行う。具体的な動作、構成については後述する。
また情報処理装置4には入力装置6が接続されており、上肢運動機能検査とか上肢運動機能の診断(以下単に「診断」ともいう)の開始や中止などの要求を受け付ける。この入力装置6としてはキーボードやマウスやカードリーダーや各種有線とか無線による情報読み取り装置などが該当するが、入力を必要最小限の構成とする。
表示装置3は情報処理装置4と接続しており、診断を行おうとする者(以下単に「診断対象者」という。)にすべき様々な指示を表示する。情報処理装置4は表示装置に表示と同時に音声ガイド機能を兼ね備えることも望ましい。この様々な指示としては、診断対象者への検査の指示が該当する。表示装置3の具体例としては通常市販されているディスプレイ装置を用いることができる。
印字装置7は、情報処理装置4に接続されており、診断の結果を紙などの媒体に印刷して表示を行うものである。この印字装置としては市販されているプリンターが広く適用可能である。また、印字装置7は、表示部3による表示のみで十分と判断されるような場合には構成要件として省略可能である。
次に、本装置の動作について説明する。図2に本装置の情報処理装置4に注目したブロック図を示す。
本装置における情報処理装置4は、図2に示すとおり、診断対象者の情報入力を受け付ける入力装置6と、オペレーションシステム、解析のためのプログラム、診断のためのプログラム、診断の基準となるデータベース及び診断対象者の測定結果を格納する記憶装置404と、演算を行うCPU402と、記録媒体として機能し、高速処理及びリアルタイム報告を可能とするRAM403と、表示装置3と、印字装置7と、を有して構成されている。
次に、本装置を用いた測定について図3のフローを用いて説明する。このフローは、情報処理装置4の記憶装置404に格納されたプログラム(以下「本プログラム」という場合もある。)がRAM403に読み込まれた後実行するステップの概略を示す。
本プログラムは入力装置3からの入力を受付けて処理を開始するが、まず診断対象者の属性を入力する(ステップ01、以下「S01」という。)。なおここでの属性とは様々なデータが採用可能であるが例えば氏名、年齢、性別、利き手、体重、身長等が該当する。利き手は自己申請の情報であり、複数項目あり、たとえば「箸を使う手」「字を書く手」「歯磨きする手」「髪ブラシまたはくしを多く使う手」「髭剃りに多く使う手」「化粧に多く使う手」などが該当する。なお受け付けた属性の情報は、属性データとしてRAM403又は記憶装置404の一部領域に格納される。
ここで記憶装置に格納される情報は複数にわかれており氏名と年齢など個人情報部分と、本装置で得られた情報部分と、医療で得られた情報などに分かれており、セキュリティは厳しく管理し、その他の部分すなわち本装置から得られた上肢運動機能情報とか、過去の医療で行なわれたCTとかMRIとか核医学検査とか質問表の情報があり、データベースとして利用するときはひとつのフラグが入力されている必要があり、これが入力されていないものは個人情報に属し、セキュリティは厳しく管理する。このフラグに医療者の評価が入力されており、大脳高次機能障害の有無が入力されており、障害ありの場合にはその診断名とか、障害部位などが該当する。
次に、本プログラムは情報処理装置4に接続される運動感知装置1、2を制御することにより運動信号入力(再び図3参照、S02)を行う。
次に、本プログラムは情報処理装置4のRAM403によみこまれた処理アルゴリズムにより解析処理を行う(図3参照、S03)。
次に、本プログラムは情報処理装置4のRAM403によみこまれた処理アルゴリズムにより診断処理を行う(図3参照、S04)。
ここでの診断には蓄積されたデータベースS05と比較検討して行われる。
そして解析と診断処理を行った後、表示装置3に診断結果を表示し(S06)、同時に印刷装置7(S07)に印刷する。必要な診断処理が終わったか否かを判断し(S08)、終わった場合は終了処理をおこない、再度検査が必要な場合にはデータ入力(S02)まで戻って診断する。なおこの処理では後日、再検査要と判断された項目について診断対象者が専門の医師による診断を受ける際役立つように当該項目の詳細な結果を印字装置に出力させることが有用である。
次に信号入力(S02)について図4と図5と図6と図7を用いて説明する。
図4は検査の全体図を示す。はじめのステップS0201ではBarre徴候検査を行う。つぎのステップS0202で反射検査を行う。つぎのステップS0203で筋緊張検査を行う。次のステップS0204で小脳機能検査を行う。ここでの4ステップS0201からS0204のステップ順番は絶対的なものではなく検査する者の便宜により、また診断対象者の状態により自由に変えられ、なおかつ検査しないステップがあることも可能である。
図5はBarre徴候検査において同時に上肢運動麻痺検査S020101と振戦検査S020102の2検査が同時に検査できる。Barre徴候検査は座位あるいは起立位の診断対象者に、いわゆる「前ならえ」の姿位を閉眼にて一定時間持続してもらう検査をする。たとえば5秒間から30秒くらいが好ましい。5秒くらい経過しても不動の時は検査を行うものが適宜診断対象者の上腕を2・3回程度軽く押し下げることもある。
図6は反射検査S0202のステップを示す。はじめのステップS020201では二頭筋反射検査を行う。つぎのステップS020202で三頭筋反射検査を行う。つぎのステップS020203で腕橈骨検査を行う。次のステップS020204で腕尺骨反射検査を行う。二頭筋反射は診断用ハンマーで肘部の二頭筋の腱を一定のスピードで軽くたたくが、直接ハンマーでたたくこともあるが医師の指のうえからたたくことも好ましい。さらに3回から6回繰り返すことが好ましい。三頭筋反射は診断用ハンマーで肘部の三頭筋の腱を一定のスピードで軽くたたくが、直接ハンマーでたたくこともあるが医師の指のうえからたたくことも好ましい。さらに3回から6回繰り返すことが好ましい。
腕橈骨反射は診断用ハンマーで手首部の橈骨骨頭を一定のスピードで軽く数回たたく。3回から6回繰り返すことが好ましい。尺骨反射は診断用ハンマーで手首部の尺骨骨頭を一定のスピードで軽く数回たたく。3回から6回繰り返すことが好ましい。ここでの4ステップS0201からS0204の順番は絶対的なものではなく検査する者の便宜により、また診断対象者の状態により自由に変えられ、なおかつ検査項目を省略して次のステップにすすむことも可能である。
図7は小脳機能検査S0204のステップを示す。はじめのステップS020401では反復交互運動検査を行う。つぎのステップS020402で指叩打検査を行う。つぎのステップS020403で指鼻検査を行う。反復交互運動は診断対象者は両手を水平まで持ち上げ、対面した医師に手掌を見せる姿位にしてもらう。このとき医師も同じ姿位で手本を示すことが好ましい。次に手掌を手首を軸に反復回転(回内、回外ともいう)をしてもらい検査をする。このとき医師が手本を示し真似るようにしてもらうことが好ましい。ステップS020402の指叩打検査は左右別々に人差し指で身近な机の上面を規則正しく可及的すばやく反復叩打してもらう。机がなければ診断対象者の膝でも反対側の手でもかまわない。検査時間は3秒から15秒くらいが好ましい。この検査まえに医師が手本を示すことが好ましい。ステップS020403の指鼻検査は診断対象者が人差し指で診断対象者の鼻先端を触り次に、診断対象者の眼前30cmから50cmに出された医師の人差し指を触れる。この往復を5回ていどすることが好ましい。さらに素早く往復することもできるだけゆっくり往復してもらうことも望ましい。この検査は左右別々の指で行ってもらう。ここでの3ステップS020401からS020403の順番は絶対的なものではなく検査する者の便宜により、また診断対象者の状態により自由に変えられ、なおかつ検査項目を省略して次のステップにすすむことも可能である。
次に解析診断法について実施例を記載して述べる。
運動感知装置を左右の上肢に設置する部位について述べる。運動感知装置のサイズにもよるが、一辺が1〜2cmくらいなら図8の左図のごとく手掌に対照的に設置しても望ましい。図8の右図のごとく左右対称に手甲部に設置するのも好ましい。さらに一辺が数ミリcmくらいの小型運動感知装置なら人差し指の背部の左右指対照的位置に設置するのも好ましい。
上肢のBarre徴候検査により左右上肢の「前ならえ」姿位の一定期間保持で、異常がない診断対象者では重力に負けずに低下はみられない。上肢の麻痺がある診断対象者は重力に抗しきれずに低下する。開眼でも起きることもあるが目で見て上肢の低下を補正することも可能のため閉眼をしてもらうほうが好ましい。時間当たりの低下値を求めるが、その単位と解像度に関しては運動感知装置の出力してくれる単位と感度にもよるが、異常がない診断対象者のデータベースの年齢相当の95%信頼区間から診断することが可能な単位と解像度が好ましい。
図9はBarre徴候検査の実施例を示す。たとえばミリ重力加速度とかミリ単位の高度とかが好ましい。両上肢低下の場合もあるが、脳卒中のときは片方の上肢の麻痺がほとんどであるため低下値は、左右差のほうが絶対値の低下よりも重要な判断基準となる。たとえば79歳の協力者に参加してもらって、重力加速度を感知する運動感知装置で検査してみると、30秒間の実測で左上肢は2。2ミリ重力加速度/秒を示したが、右上肢は33.4ミリ重力加速度/秒を示した。
この検査において、「前ならえ」姿位の上肢の低下がみられなくても上肢のゆれとかふれも感知し、健常人の生理的範囲を逸脱したゆれとかふるえが感知できれば、異常として本態性振戦などが診断できる。解析方法は最少二乗誤差とか分散値とかスペクトル解析とか、バイアスを除去し、第一次回帰直線で得られたシフト成分を除去した成分の時間当たりの信号のパワー値すなわち2乗積分値などがあるが、たとえば79歳の女性に協力参加してもらって、重力加速度を感知する運動感知装置で検査してみると、30秒間の実測で左上肢の分散は2401.1ミリ重力加速度の2乗/秒を示し、右上肢は1547.7ミリ重力加速度の2乗/秒を示した。
次に反射検査の二頭筋反射の解析診断法について実施例を記載して述べる。
図10は二頭筋反射の実施解析診断法の実施例を示す。医師は診断対象者の検査する肘部を軽く保持し、診断対象者に力を抜くように指示する。二頭筋の腱においた医師の親指を診察用ハンマーで軽く叩打する。この検査は複数回繰り返すことが好ましい。たとえが3〜6回くらい繰り返すことが好ましい。この二頭筋反射で得られた運動信号は図10の右グラフの四角で囲った部分にしめす。解析法は叩打からの変化の複数回の平均を用いることが好ましい。たとえば。叩打による直接の運動量で基準化した反応量を用いることが好ましい。反応量のピークの潜時とか振幅とか積算値を用いることが好ましい。実施例では加速度を用いて左二頭筋反射で直接の反応が0.86で腱反射の振幅は0.05でその潜時は230ミリ秒であった。右二頭筋反射では直接の反応が0.45で腱反射の振幅は0.09でその潜時は80ミリ秒であった。
図11は三頭筋反射の実施解析診断法の実施例を示す。医師は診断対象者の検査する肘部を軽く保持し、診断対象者に力を抜くように指示する。三頭筋の腱においた医師の示指または中指を診察用ハンマーで軽く叩打する。この検査は複数回繰り返すことが好ましい。たとえが3〜6回くらい繰り返すことが好ましい。この三頭筋反射で得られた運動信号は図11の右グラフの四角で囲った部分にしめす。解析法は叩打からの変化の複数回の平均を用いることが好ましい。たとえば、叩打による直接の運動量で基準化した反応量を用いることが好ましい。反応量のピークの潜時とか振幅とか積算値を用いることが好ましい。実施例では加速度を用いて左三頭筋反射で直接の反応が0.62で腱反射の振幅は0.05でその潜時は210ミリ秒であった。右三頭筋反射では直接の反応が0.43で腱反射の振幅は0.09でその潜時は60ミリ秒であった。
図12は腕橈骨反射の実施解析診断法の実施例を示す。医師は診断対象者の検査する肘部を軽く保持し、診断対象者に力を抜くように指示する。診察対象者の橈骨骨頭を軽く診察用ハンマーで叩打する。この検査は複数回繰り返すことが好ましい。たとえが3〜6回くらい繰り返すことが好ましい。この腕橈骨反射で得られた運動信号は図12の右グラフの四角で囲った部分にしめす。解析法は叩打からの変化の複数回の平均を用いることが好ましい。たとえば、叩打による直接の運動量で基準化した反応量を用いることが好ましい。反応量のピークの潜時とか振幅とか積算値を用いることが好ましい。実施例では加速度を用いて左腕橈骨反射で直接の反応が1.59でそれに続く反射の振幅は0.32でその潜時は70ミリ秒であった。右腕橈骨反射では直接の反応が0.73でそれに続く反射の振幅は0.14でその潜時は70ミリ秒であった。
図13は尺骨反射の実施解析診断法の実施例を示す。医師は診断対象者の検査する肘部を軽く保持し、診断対象者に力を抜くように指示する。診察対象者の尺骨骨頭を軽く診察用ハンマーで叩打する。この検査は複数回繰り返すことが好ましい。たとえが3〜6回くらい繰り返すことが好ましい。この尺骨反射で得られた運動信号は図13の右グラフの四角で囲った部分にしめす。解析法は叩打からの変化の複数回の平均を用いることが好ましい。たとえば、叩打による直接の運動量で基準化した反応量を用いることが好ましい。反応量のピークの潜時とか振幅とか振幅の積算値を用いることが好ましい。実施例では加速度を用いて左尺骨反射で直接の反応が0.65でそれに続く反射の振幅は0。21でその潜時は80ミリ秒であった。右尺骨反射では直接の反応が0.80でそれに続く反射の振幅は0.20でその潜時は80ミリ秒であった。
図14は筋緊張検査の実施解析診断法の実施例を示す。医師は一方の手で診断対象者の検査する肘部を軽く保持し、医師の他方の手で診断対象者の手首を保持して、診断対象者に力を抜くように指示する。医師は診察対象者の手首を動かして肘部の屈曲伸展運動をリズミカルに行う。その頻度は1ヘルツ前後が好ましい。この屈曲伸展運動は複数回繰り返すことが好ましい。たとえば3〜6回くらい繰り返すことが好ましい。この筋緊張検査で得られた運動信号は図14の右グラフにしめす。上グラフは左上肢の信号をしめし、下グラフは右上肢からの信号を示す。解析法は医師の屈曲伸展頻度で基準化してその屈曲伸展頻度より速い頻度のピークを求めることが好ましい。実施例では加速度による運動感知を用いて左上肢は0.19で右上肢は0.18であった。
図15は反復交互運動検査の実施解析診断法の実施例を示す。反復交互運動は診断対象者に「前ならえ」姿位すなわち両手を水平まで持ち上げてもらい、さらに対面した医師に手掌を見せる姿位にしてもらう。このとき医師も同じ姿位で手本を示すことが好ましい。次に手首を軸に手掌の反復回転(回内・回外ともいう)をしてもらい検査をする。回内・回外は複数回試行してもらうことが好ましい。たとえば3〜6回反復してもらうことが好ましい。このとき医師が手本を示し真似るようにしてもらうことが好ましい。手首を軸にした回転加速度を記録した信号が図15の右グラフである。左上肢を上のグラフに示し、右上肢を下のグラフに示す。解析は例えば、健常人は左右の上肢の運動は対称的であるので、相関係数を求めると−0.82であった。
図16は指叩打検査の実施解析診断法の実施例を示す。指叩打検査は診断対象者に人差し指を一本だけ出して、その先端で机などの水平な面をできるだけリズミカルにできるだけすばやく一定期間かるく反復叩打してもらう。たとえば3〜15秒反復叩打してもらうことが好ましい。この検査では手首を机に固定しないで机からはなして叩打してもらうことが好ましい。左右の手を別々に検査することが好ましい。解析方法は人差し指の叩打運動方向に一番近い軸にした加速度を解析するのが好ましい。図16の右グラフ上段は左手からの信号を示し、図16の右グラフ下段は右手からの信号結果を示す。解析は例えば、叩打間隔の頻度については左上肢検査で平均値4.7回/秒で標準偏差は15.4で変動係数は328%であった。叩打間隔の頻度についての右上肢検査で平均値5。1回/秒で標準偏差は15.4で変動係数は302%であった。叩打強度については左上肢検査で平均値12.0ミリ重力加速度/秒で標準偏差は5.0で変動係数は42%であった。叩打強度についての右上肢検査で平均値11.3ミリ重力加速度/秒で標準偏差は5。2で変動係数は46%であった。
図17は指鼻検査の実施解析診断法の実施例を示す。指鼻検査は診断対象者が人差し指を顔の高さまであげて診断対象者自身の鼻先端をふれ、次に、診断対象者の眼前30cmから50cmに出された医師の人差し指を触れる。この往復を5回ていどすることが好ましい。さらに素早く往復することも、できるだけゆっくり往復してもらうことも望ましい。この検査は左右別々の指で行ってもらう。図17の右グラフ上段は左上肢からの信号を示し、図17の右グラフ下段は右上肢からの信号結果を示す。解析は例えば、検査する手の左右への揺れを求めるのが好ましい。たとえば5往復してもらうと診察対象者の鼻と医師の指先端を触れたときの5往復の期間における5周期以上の揺れ成分はふるえとみなすことができる。たとえば5周期分をスペクトル解析して5周期のパワー値などで基準化して5周期以上のピークは、左手では0.007で右手では0.012を示した。
以上、本実施形態によると、上肢運動機能複合的診断装置は、複数の上肢運動機能を客観的に数値として定量的に総合診断できる上肢運動機能複合的診断装置を提供することが可能となる。
本発明は、上肢運動機能複合的診断装置として産業場利用可能性がある。
1…右手用運動感知装置、2…左手用運動感知装置、3…表示装置、4…情報処理装置、5…信号受信装置、6…入力装置、7…印字装置、401…I/O、402…CPU、403…RAM、404…記憶装置、405…表示装置、406…記憶装置

Claims (2)

  1. 左右の上肢の空間位置を3次元空間座標で感知する二つのセンサーを含む運動感知装置と、
    前記運動感知装置に接続され、前記運動感知装置の前記センサーからの信号を受け取り定量的解析を行う情報処理装置と、
    前記情報処理装置に接続され、入力信号を前記情報処理装置に出力する入力装置と、
    前記情報処理装置の前記定量的解析の結果を表示する表示装置と、を有する上肢運動機能複合的診断装置であって、
    前記情報処理装置が行う定量的解析は、前記上肢の時間当たりの低下、揺れ及び振れの少なくともいずれかの値を求めデータベースと比較することによって行うBarre徴候検査、前記上肢の所定の位置の叩打に基づく前記上肢の反応量を求める反射検査、左右の手首を軸にした回転加速度を記録し左右の上肢の運動の対象性を確認する反復交互運動検査、及び、診断対象者自身の鼻先端及び眼前から所定の距離の点の間において指を往復させて揺れ成分を抽出することで行う鼻指検査の少なくともいずれかを含む上肢運動機能複合的診断装置。
  2. 前記定量的解析の結果を印字する印字装置と、を有する請求項1記載の上肢運動機能複合的診断装置。
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