JP5709188B2 - 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法 - Google Patents

薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5709188B2
JP5709188B2 JP2013516320A JP2013516320A JP5709188B2 JP 5709188 B2 JP5709188 B2 JP 5709188B2 JP 2013516320 A JP2013516320 A JP 2013516320A JP 2013516320 A JP2013516320 A JP 2013516320A JP 5709188 B2 JP5709188 B2 JP 5709188B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quantum dots
fine particles
fluorescent fine
fluorescent
silica glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013516320A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012161065A1 (ja
Inventor
村瀬 至生
至生 村瀬
萍 楊
萍 楊
昌儀 安藤
昌儀 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2013516320A priority Critical patent/JP5709188B2/ja
Publication of JPWO2012161065A1 publication Critical patent/JPWO2012161065A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5709188B2 publication Critical patent/JP5709188B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/02Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor
    • C09K11/025Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor non-luminescent particle coatings or suspension media
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y20/00Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/56Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing sulfur
    • C09K11/562Chalcogenides
    • C09K11/565Chalcogenides with zinc cadmium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/88Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing selenium, tellurium or unspecified chalcogen elements
    • C09K11/881Chalcogenides
    • C09K11/883Chalcogenides with zinc or cadmium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、高発光効率の量子ドットをゾル−ゲル法によって作製したシリカガラスで覆った蛍光性微粒子、並びにその作製法及び応用に関するものである。
希土類イオン、遷移金属イオン等を無機材料に分散させた蛍光体は、有機色素に比べると耐久性に優れているため、従来より照明、ディスプレイ等に使用されてきた。しかし、その輝度及び演色性は必ずしも充分ではなかったため、それらを凌ぐ蛍光体が要望されていた。これを実現する可能性が高い新しい高性能蛍光体として、量子ドット(直径2〜10nm程度、「半導体ナノ粒子」又は「半導体超微粒子」と呼ばれることもある)が近年、大変、注目されている。量子ドットは、同一波長の紫外線を照射した場合でも粒径に応じて様々な波長の明るい蛍光を発するため演色性に優れ、発光の減衰時間が短いので輝度を高くできるためである。量子ドットを注意して作製すれば、粒子1個1個の発光を別々に検出及び分光できるほどに輝度が高いために、ディスプレイ及び照明以外に、生体分子に結合させて蛍光試薬として生命の仕組みの解明、病気の診断等に用いる応用分野が大きく発展しようとしている。
このような蛍光体となる量子ドットは、主にII−VI族半導体(硫化カドミウム(CdS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、これらの混晶等)及びIII−V族半導体(リン化インジウム(InP)等)である。これらの半導体は直接遷移を示し、発光寿命が約10ナノ秒と、禁制遷移の性格をもつ希土類イオン又は遷移金属イオンを用いた蛍光体よりも約5桁短く、このためにはるかに高輝度の蛍光が得られる。
このように高輝度発光する量子ドットについては、水溶液中で合成する方法(親水性の量子ドットが合成される)と、水を高度に排除した有機溶液中で、高温で合成する方法(疎水性の量子ドットが合成される)の2つがある。量子ドットは比表面積が大きいために、表面エネルギーを下げようとして溶液中では徐々に凝集して発光効率が低下する。このため、どちらの方法によって合成された量子ドットでも、溶液のままでは応用しにくいという問題があった。これを解決するには、量子ドットを透明なマトリックスで覆い、種々の環境下で長期にわたって初期の特性を維持する材料とする必要がある。そのためのマトリックスとしては、ガラスと有機高分子材料の2つが挙げられる。このなかでもガラスは、有機高分子と比較して透明性が高く、紫外線照射に強い。また、ガラスはその網目構造のために、水分及び酸素を通しにくく、分散した量子ドットの劣化を長期にわたって防ぐことができる。このためのガラスの作製には、ゾル−ゲル法が有利である。なぜならば、ゾル−ゲル法では、常温常圧付近の穏やかな条件下でガラス化を進めることが出来るので、作製法を工夫すれば量子ドットは溶液法で合成された直後の高い発光効率を保持したまま、透明なガラス中に分散固定されるからである。
ここで、ゾル−ゲル法について説明を加える。ゾル−ゲル法は、一般式M(OR)(但し、Mは金属;Rは低級アルキル基(特に炭素数が5以下のアルキル基)又はその誘導体;nは2〜4の整数である。ここでORはアルコキシ基と呼ばれる。)で表されるアルコキシドを加水分解してM(OH)(M及びnは前記に同じである)とした後、脱水縮合によって−M−O−M−の形の構造を形成する。n=4のアルコキシドは、結合手が4つあるので4官能のアルコキシドと呼ばれる。この4官能の金属アルコキシドにおいて、MがSiの場合(シリコンアルコキシド;Si(OR))が最も良く知られており、加水分解、脱水縮合が完結すると、≡Si−O−Si≡の3次元網目構造を持つシリカガラスが出来上がる。但し、脱水縮合は、数百℃の高温で長時間保持することでようやくほぼ完結する。一方で、室温付近でも不完全ながら反応は進行するので、シリカガラス類似の性質を示すガラスが出来上がる。文献では、このように低温で反応させたものでも、シリカガラスと呼ぶことが多い。シリカガラスは、炭素からなる有機高分子に比べると堅い3次元の網目構造を有するため丈夫であり、また物質の拡散係数が小さく、中に入っているものを保護する優れた性質を持つことが知られている。4官能のシリコンアルコキシドの中でも、Rが全てエチル基のもの(Si(OC)が最も良く知られており、オルトケイ酸テトラエチル、テトラエトキシシラン、テトラエトキシオルソシリケートと呼ばれる。本願明細書では、これをTEOSと略する。
4官能のシリコンアルコキシドの1つ又は2つのアルコキシ基をアルキル基(又はその誘導体)Xで置換したものは有機アルコキシシラン又はシランカップリング剤と呼ばれ、式(I):
−Si(OR4−n (I)
で表される。上記式(I)中、Xとしては、CH=CH−で示される基、オキシランを含む基、HNC2m−で示される基、CH=C(CH)COOC2p−で示される基、HSC2q−で示される基、又はフェニル基(但し、mは1〜6の整数、pは1〜5の整数、qは1〜10の整数)が例示される。Rは低級アルキル基で、nは1又は2である。有機アルコキシシランは、(4−n)官能(nは1又は2)のアルコキシドである。有機アルコキシシランもゾル−ゲル反応によって固化し、できたものはガラスと呼ばれることがある。しかし、結合手が高々3つのために物質の拡散を抑える力が4官能のシリコンアルコキシドから作ったガラスよりも弱く、有機高分子の性質を有する。有機アルコキシシランを用いて作られた固体材料は、有機無機ハイブリッド材料と呼ばれることがある。
量子ドットを分散したガラス蛍光体として本発明者らは、バルク状のガラス(特許文献1)、ガラス微粒子(特許文献2〜4)、並びにガラス薄膜(特許文献5)を開発した。このうち、ガラス微粒子(粒径10nm〜2μm、粒子が完全な球形でない場合、例えばラグビーボール型(対称軸方向に長い回転楕円体)、パンケーキ型(偏平な回転楕円体)等の場合は、本願明細書では3つの慣性主軸の長さの平均を粒径と定義する。完全な球の場合は直径が粒径となる)は、ディスプレイ、照明等の発光デバイス用の粉体状の蛍光体として用いることができるほかに、生体分子に結合して蛍光試薬として用いる用途が重要である。以下では、典型例として、この蛍光性のシリカガラス微粒子に限定して記述する。
本発明者らによる上記の特許文献2〜4では、アルコキシドを加水分解及び脱水縮合させるというゾル−ゲル法が用いられる。その中でも、逆ミセル法(油相中に分散した微小水玉中でゾル−ゲル法を進行させる方法で、水分散性の量子ドットを予め水玉中に分散させておく)又はストーバー法(加水分解したアルコキシドを量子ドット表面に降り積もらせる)を用いて、複数の量子ドットを、シリカガラス微粒子中に高い発光効率(20%以上)で分散させる技術が重要である。
ここでバイオ分野での応用可能性を探ると、粒径は、タンパク質が10nm程度、リボソームが25nm程度、ウイルスが100nm程度、赤血球が7μm程度であるから、広い範囲の応用に供するためには蛍光試薬に使う微粒子は小さいほど有利である。このためには、量子ドットをできるだけその蛍光特性を保ちつつ薄いガラスで覆うことが必要となる。この際、ガラスは有機アルコキシシランからなるものではなく、4官能のシリコンアルコキシドから作られたシリカガラスが最も好ましい。量子ドットは、最大で粒径が10nm程度の大きさなので、得られるガラスコート蛍光性微粒子の大きさは、15nm以下、平均ガラス膜厚にして3nm以下であることが好ましい。このとき、できるだけ膜厚を薄くするために、量子ドットは有機アルコキシシラン、高分子等を介さずにできるだけ発光特性を保ったまま、直接、4官能のシリコンアルコキシドから合成されたガラスに被覆されているのが好ましい。ところが、そのような蛍光性微粒子で、しかも小さく、発光効率が高いものを合成する手法は、以下で詳述するように知られてはいなかった。
量子ドットをガラスで覆うと丈夫になることは、容易に予想された。このため、発光効率の高い量子ドットが作られるようになった直後の西暦2000年頃から世界中で競って、ガラスマトリックスで覆うための研究が始まった。本発明者らは、そのなかでも特に、CdとSeを含む量子ドットが分散されたシリカガラス微粒子として報告されているものに注目し、その粒径及び発光特性を調べた。
CdSe/ZnS量子ドットをゾル−ゲル法でガラス中に分散固定した蛍光性のシリカガラス微粒子、及びその作製方法は、バベンディらによって報告されている(非特許文献1)。この作製方法は、予め有機溶媒中で合成した量子ドットの表面を、アミノ基を有するアルコキシド(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)及びアミノ基を有するアルコール(5−アミノ−1−ペンタノール)で覆い、別途用意した直径数百nmのシリカガラス微粒子の表面に厚さ50nm程度の層として接着させるという方法である。この方法によれば、量子ドットを含まないシリカガラス微粒子の表面に、量子ドットを含有するゾル−ゲルガラス層がコートされた構造の蛍光性ガラス微粒子が得られる。しかし、ガラス微粒子の表層付近にのみ量子ドットが存在し、ガラス微粒子の核には量子ドットが含まれていないため、ガラス微粒子中の量子ドットの分散濃度を高めることができなかった。また、発光効率は13%程度であった。
別の作製方法として、CdSe/ZnS量子ドットの表面にチオール基を有するアルコキシド(有機アルコキシシランの一種)等を成長させ、1個のシリカガラス微粒子中に1個の量子ドットを含むシリカガラス微粒子を作る方法が報告されている(非特許文献2)。この場合の発光効率は、5〜18%と報告されている。他にも、類似の方法で作製したCdSe/ZnS量子ドット1個を含む粒径30nm〜1μmのシリカガラス微粒子が報告されているが発光効率については記載がない(非特許文献3)。
マイヤーリンクらは、1個の量子ドットを1個のシリカガラス微粒子に導入することを目的として、CdSe/CdS/Cd0.5Zn0.5S/ZnS(CdSeを核としてCdS、Cd0.5Zn0.5S及びZnSが順次コートされている)量子ドットを、逆ミセル法によってシリカガラス微粒子(直径35nm程度)中に導入した(非特許文献4)。しかしながらそのメカニズムの検討から、加水分解されたアルコキシドは、量子ドットに対する親和性が高いために作製時に量子ドット表面に配置されていた配位子を置き換え、これによって発光が消光されると記載されている。このため、量子ドットが1個だけ入っているシリカガラス微粒子においてその発光効率は作製直後に急激に低下し、さらには徐々に低下して1週間後にはシリカガラスに入れる前の状態の2%(絶対値としては始めの60%から1.2%へ低下)の程度となる。このようなシリカガラスによる消光効果をなくすために、特別に厚いシェルを作った量子ドットを用いると、発光効率は上昇する。しかし、このように特別に厚いシェルを作った量子ドットは、粒径が大きくなり、バイオ分野への応用には適さない上に、そのような量子ドットを作製するのは困難となる。
水分散性のCdSe量子ドット(クエン酸コート)を作製し、それを複数個、シリカガラス微粒子中に導入した研究も知られている(非特許文献5)。しかし水分散性のCdSe量子ドットは発光効率が0.1〜0.15%と極端に低い。量子ドットをシリカマトリックス中へ導入したときの発光効率については記述がないが、普通は発光効率がさらに減少するので、これを蛍光体と呼ぶことはできない。また、同じく水分散性のCdSe量子ドットを逆ミセル法によってシリカ粒子中に導入した比較的最近の文献(非特許文献6)の場合も、発光効率は高々1.48%であり、蛍光体と呼ぶことはできない。特許文献6に例示されるように、蛍光体と呼ぶことができる凡その目安は発光効率20%以上である。
逆ミセル法を用いる方法として、アミノプロピルトリメトキシシラン(有機アルコキシシランの一種)でCdSe量子ドットを覆った後、アンモニアとTEOSとを加える方法が報告されている(非特許文献7)。さらにCdSe/ZnS量子ドットについては、ポリエチレングリコールで修飾したのち、アンモニアとTEOSとを加えている。この場合の発光効率は最大で17%程度であり、透過電子顕微鏡像を見ると量子ドットが含まれないガラスビーズも散見される。
同じグループから、量子ドットと磁性ナノ粒子が分散したガラスビーズについても報告されている。(非特許文献8)。この場合も逆ミセル法を利用しているが、作製されるガラスビーズの大きさ(粒径)は50nm程度、発光効率は最大で4.8%と報告されている。
さらに逆ミセル法によって、量子ドットを油相に分散させてTEOSを加えた後、30分程度の攪拌の後アンモニアを添加することで、直径30nm程度のガラスビーズを得ることもできる(非特許文献9)。ここでは発光効率の報告はないが、報告されている蛍光スペクトルにノイズが多いため、発光効率は高くないと予想される。我々の追加実験でも、この方法では高い発光効率が得られないことがわかっている。この研究は同じ研究者によって続けられたが、得られたガラスビーズの直径は30nm程度、発光効率については報告されていない(非特許文献10)。
さらに、4官能のシリコンアルコキシドを全く使わずに、有機アルコキシシランのみで覆った量子ドットも報告されている(非特許文献11)。この場合は、リガンド(トリオクチルフォスフィンオキサイド等)で安定化されたCdSe/ZnSを、3種類の有機アルコキシシランで順に覆うことで、それぞれ親水化、シェル形成、表面の機能化を行っている。このため、サイズも大きくなり17.4±2.1nmと報告されている。TEM像及び量子ドットの第一吸収ピーク波長から見積もられる粒径はおよそ3nmであるから、量子ドットの周りのコートの厚みは7nm以上となる。
Cd及びSeを含む量子ドットは、水溶液で作る親水性のものと有機溶液で作る疎水性のものが知られる。疎水性のものの方が、高発光効率で蛍光スペクトル幅が狭く、また耐久性に優れている。先の特許文献4では、親水性のCdTe量子ドット等をガラスビーズに入れている。この場合は、スペクトル幅(半値全幅)が赤色領域(640nm)で60nmを超える程度に広くなる。Zn、Se等を混ぜるなどして三元系にすると、このスペクトル幅はさらに広がる。また、ゾル−ゲル反応のスピードが制御されないので、ガラスビーズ中に入る量子ドットの数は1個を超えており、平均粒径15nm以下のものを作ることが出来なかった。さらに、量子ドットはガラスビーズ全体に分布し、シリカガラスの保護層を持っていない。また大量のTEOSを導入するため、溶液の粘度が上がり、作製されるガラスビーズのサイズ分布も、数十nm−数μmと幅広かった。
このように、Cd及びSeを含む量子ドットを平均膜厚で3nm以下、平均粒径にして15nm以下のアルコキシドから作られたシリカガラス薄膜でコートされた蛍光性微粒子は知られていなかった。
一方で、線状の高分子を用いて複数の量子ドットの集合体を作る方法が最近、報告されている(非特許文献12)。この方法で作製するポリマー粒子は、動的光散乱によって測定した平均粒径が112nmと報告されているが、粒径100nm以下の量子ドット集合体を作るのは現状では困難である。この集合体の表面をさらにガラス被覆することも可能であるが粒径がさらに増加する。また、一般に、ポリマーを含まないガラス材料のほうが耐久性に優れており、またCdの溶出量も少ないことから、ポリマーを用いずにガラス材料を作ることが要求されている。
さらに、作製した材料をin vivo(生体内)のイメージングに用いる場合は、生体内の物質による吸収が少ない波長域を選ぶことが重要である。このためには、ヘモグロビン、水等の吸収域を避けて、「生体の窓」と呼ばれる波長範囲650〜1000nmの波長で発光を示すことが重要である(http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090908/pr20090908.html)。この波長域で発光する量子ドットは、市販されている。しかし、公知の作製法では、発光効率が20%以上を示す量子ドットを得ることが出来なかった。
特許第4366502号 特許第3677538号 特許第3755033号 再表2007/034877号公報 特開2006−282977号公報 特許第4555966号
チャン、ツィンマー、ストロー、ステッケル、ジャイン、バベンディ、アドバンスド マテリアルズ、16巻、2092頁(2004) ゲリオン、ピノー、ウィリアムス、パラック、ザンチェト、ワイス、アリビサトス、ジャーナル オブ フィジカルケミストリー ビー、105巻、8861頁(2001) ナン、ムルバニー、アンゲバンテ ヒェミー インターナショナル エディション、43巻、5393頁(2004) クール、シューネベルト、ヒルホスト、ドネガ、ハート、ブラーデレン、バンマエケルベルク、マイヤーリンク、ケミストリー オブ マテリアルズ、20巻、2503頁(2008) ロガッシュ、ナゲーシャ、オストランダー、ギールジッヒ、コトフ、 ケミストリー オブ マテリアルズ、12巻、2676頁(2000) チュー、ソン、シュ、ジャーナル オブ ナノパーティクル リサーチ、10巻、613頁(2008) セルバン、タン、イング、アドバンストマテリアルズ、17巻、1620頁(2005) イ、セルバン、リー、パパエフィミウ、クンダリア、イング、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ、127巻、4990頁(2005) ダーバンディ、トマン、ナン、ケミストリー オブ マテリアルズ、17巻、5720頁(2005) ダーバンディ、ウルバン、クルーガー、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェース サイエンス、351巻、30頁(2010) ゼレフ、オオバ、バカローバ、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ、128巻、6324頁(2006) ヤング、デイブ、ガオ、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー、130巻、5286頁(2008) Dmitri V. Talapin, Andrey L. Rogach, Ivo Mekis, Stephan Haubold, Andreas Kornowski, Markus Haase, Horst Weller, Colloids and Surfaces A, 202, 145(2002). Dmitri V. Talapin, Andrey L. Rogach, Andreas Kornowski, Markus Haase, and Horst Weller, NANO LETTERS, 1, 207(2001). Z. Adam Peng and Xiaogang Peng, J. Am. Chem. Soc., 123, 1389(2001). C. B. Murray, D. J. Norris, M. G. Bawendi, J. Am. Chem. Soc., 115, 8706(1993). B. O. Dabbousi, J. Rodriguez-Viejo, F. V. Mikulec, J. R. Heine, H. Mattoussi, R. Ober, K. F. Jensen, and M. G. Bawendi, J. Phys. Chem. B, 101 (46), 9463(1997). Lianhua Qu and Xiaogang Peng, J. Am. Chem. Soc., 124, 2049(2002). Xinhua Zhong, Yaoyu Feng, and Yuliang Zhang, J. Phys. Chem. C, 111, 526(2007). Renguo Xie, Ute Kolb, Jixue Li, Thomas Basche, and Alf Mews, J. Am. Chem. Soc., 127,7480(2005). Robert E. Bailey and Shuming Nie, J. Am.Chem. Soc., 125, 7100(2003). S. Jun, E. Jang, J. E. Lim, Nanotechnology, 17, 3892(2006). ケミストリー オブ マテリアルズ、15巻、2854頁、2003年 ジャーナル オブ ルミネッセンス、128巻、1896頁(2008)
発明者らは、これまで主にCdTe量子ドットを用いて種々の形態(バルク体、薄膜、ファイバー状、微粒子)のシリカガラスコート量子ドットを作製してきた。その中で、作製したシリカガラス微粒子を蛍光試薬としてバイオの分野で応用する場合には、蛍光特性の評価の条件が、他の材料作製の場合とは通常、大きく異なる。
シリカガラス微粒子は粒径が100nm程度又はそれ以下であれば散乱が少ないので、溶液に分散させたまま、光路長1cmの石英セルに導入し、それを汎用の吸光分光光度計及び蛍光分光光度計で測定する。これによって、波長ごとの吸光度及び蛍光強度を得る。散乱の影響が懸念される場合には積分球を用いるが、この時は吸光度及び蛍光強度ともに散乱がない場合に比べて誤差が大きくなる。この場合も最近は汎用の測定装置が市販されている(例えば、浜松ホトニクス(株)のC9920−02等)。
合成時の量子ドットの濃度は、通常1〜10μM(マイクロモル/リットル、量子ドットの数であり、それを構成する原子の数ではない)の程度であり、これをそのまま冷暗所に保管する。発光効率の測定時には、この濃度では濃すぎるので、200〜300nM程度に薄める。そうすると、汎用の吸光分光光度計又は蛍光分光光度計で最も測定しやすい信号量が得られる。溶媒は純水であることが多い。一方で、蛍光試薬として応用する際には、1個又は数個程度の量子ドットからの蛍光を別々に検出することが多く、その場合には量子ドットの濃度として高々10nMの程度となり、しかも生理食塩水のような高濃度の塩中に分散される。また、照射光強度も通常、10W/cm以上の値となり、分光器の場合より桁違いに強い。このように、材料合成の観点から見ると極端に量子ドットの分散濃度が低く、さらに溶液中に多量の塩類が含まれる場合には、たとえガラスにコートされていても、特にCdTe量子ドットの場合は、急激に劣化することがわかってきた。このような劣化を抑えるためには、CdTe量子ドット以外の量子ドットを用いることが必要になる。
本発明は、背景技術で記した問題点およびガラスコートCdTe量子ドットに見出された劣化を解決するためになされたものであり、その目的は、耐久性が高くて小さく、また高輝度の蛍光性微粒子を提供することである。さらに、それをバイオ分野の蛍光試薬、電子材料分野等に応用するための手法を示すことも本発明の目的とする。
上記の課題を解決するために、まず希薄濃度で分散させた量子ドットの安定性について調べた。そうしたところ、CdとTeを主成分とする量子ドット等と比べて、CdとSeを含む量子ドットが最も優れていた。また、CdとSeを含む量子ドットは、蛍光スペクトル幅が狭く発光効率が高かった。このため、この量子ドットを用いることとした。但し、通常の方法で作製したこの量子ドットは、疎水性である。ゾル−ゲル法を用いて加水分解及び脱水縮合を行わせるためには、量子ドットは親水性であることが有利となる。そこで、以下の2つのステップからなる合成法を開発した。この合成法は、具体的には、図3に記載のような工程からなるものである。
ステップ1
CdとSeを含む量子ドットを分散した疎水性溶媒に、適量のシリコンアルコキシド(1)を添加して攪拌する。疎水性溶媒が、極僅かの水分を空気中から取り入れるので、シリコンアルコキシド(1)は、4つのアルコキシ基のうち1つだけが徐々に加水分解して、(RO)−Si−OHとなる。この分子が、量子ドット表面に作製時に配位したリガンドを置換し、直接に量子ドットを覆うことがわかった。加水分解反応がゆっくりであれば、(RO)−Si−OHは整然と並んで量子ドットを覆うので、発光効率の低下が抑えられる。
ステップ2
次に、この工程では、表面シラン化された量子ドットの表面に、薄いシリカガラス層を付与する。
このため、逆ミセル溶液(水が油相中にドロップレット状に分散)を作製する方法が例示される。これに、ステップ1で作製した量子ドット溶液を添加すると、量子ドットは疎水性溶媒からなる連続相に分散し、その後ドロップレット相に分配される。この後に、シリコンアルコキシド(2)を添加する。このステップで使用するシリコンアルコキシド(2)は、疎水性の連続相に分配されるので、ドロップレットとして分散している水に触れて徐々に加水分解する。また、量子ドット表面についたシリコンアルコキシド(1)も徐々に加水分解するため、量子ドットは親水性になり、水相に転換される。そののち、加水分解したステップ2で使用するシリコンアルコキシド(2)が徐々に水相に移動して量子ドット表面に堆積、脱水縮合する。この方法によれば、反応速度が遅いため、シリカガラスの厚みを細かく制御できる。また、均一な膜が形成される。さらに逆ミセル中なので、他の量子ドットと衝突して凝集することがなくなり、1個のガラスビーズ中に1個の量子ドットが分散する。また、量子ドットを含まない、空のガラスビーズの形成も抑えられる。
ステップ2は、上述の逆ミセル法に限定されるものではない。逆ミセル法を利用しない場合には、例えば、ステップ2において、シリコンアルコキシド(1)を少量、段階的に添加する等の工夫をして、空のガラスビーズの形成を防ぎ、量子ドット表面のガラス層形成を徐々に行って膜厚の制御をしやすくする等の工夫をすればよい。
本発明者らは、このように工夫されたゾル−ゲル法によって作製されたCdとSeを含む量子ドット分散蛍光性シリカガラス微粒子は、平均膜厚3nm以下のアルコキシドから作られたシリカガラスを含む薄膜でコートされた蛍光性微粒子を提供すること、その発光効率が20%以上であることを確認した。本発明者らは、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記記載の高耐久性で高輝度の微小なシリカガラス薄膜コート量子ドット(蛍光性微粒子)と、そのゾル−ゲル法による作製法とを提供するものである。さらに、in vivo イメージングに用いることのできる長波長発光の量子ドットとそのシリカ薄膜コート手法を提供する。in vivoイメージングでは、生体内に量子ドットを入れるので、耐久性があってカドミウムの溶出が少ないことは、大変有利となる。
項1.Cd及びSeを含む量子ドットが、平均膜厚3nm以下のシリコンアルコキシドからなるシリカガラスを含む薄膜でコートされてなる蛍光性微粒子。
項2.前記量子ドットが、Cd及びSeを含むコアと、Zn及びSを含むシェルとからなる項1に記載の蛍光性微粒子。
項3.前記量子ドットの発光ピーク波長が650nm以上1000nm以下である、項2に記載の蛍光性微粒子。
項4.前記量子ドットが、シリコンアルコキシドからなるシリカガラスで直接にコートされている、項1〜3のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項5.前記量子ドットが疎水性である、項1〜4のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項6.前記量子ドットの蛍光スペクトルの半値膳幅が35nm以下である、項1〜5のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項7.平均粒径が15nm以下である、項1〜6のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項8.表面にCOOH基、NH基、SH基及びこれらの塩、並びにポリエチレングリコール由来の基よりなる群から選ばれる少なくとも1種類を有する、項1〜7のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項9.量子ドットの数が1個である、項1〜8のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項10.発光効率が20%以上である、項1〜9のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項11.蛍光試薬用である項1〜10のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項12.電子材料用である項1〜10のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項13.エレクトロルミネッセンス及び/又はカソードルミネッセンスを示す、項1〜10のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
項14.(1)Cd及びSeを含む量子ドット及びシリコンアルコキシドを含有する疎水性溶媒を1時間以上攪拌して疎水性量子ドットを作製する工程
を備える、項1〜13のいずれかに記載の蛍光性微粒子の製造方法。
項15.さらに、
(2)作製した疎水性量子ドットを、親水性に転換する工程
を備える、項14に記載の蛍光性微粒子の製造方法。
項16.前記工程(2)が、作製した疎水性量子ドット、アルカリ性水溶液及びシリコンアルコキシドを、逆ミセル溶液に添加して1時間以上攪拌する工程である、項15に記載の蛍光性微粒子の製造方法。
項17.前記Cd及びSeを含む量子ドットが、溶液に含まれるCdの量をXミリモル、加えるSeのスピードをYミリモル/分としたときに、0.3X<Y<2Xの条件を含む工程で作製されたものである、項14〜16のいずれかに記載の蛍光性微粒子の製造方法。
本発明の蛍光性微粒子は、耐久性がある量子ドットをさらに薄いシリカガラス薄膜で覆っている。また、もとの発光効率を保つための工夫もされている。本発明の蛍光性微粒子は、全体の粒径が15nm以下であるため、蛍光試薬として広い分野への応用が可能である。なお、量子ドットがシリカガラスで覆われていることは、まず透過型電子顕微鏡による観察でその膜厚を確認した後、分析電子顕微鏡による該当部分の解析によってケイ素と酸素が含まれることから確認することができる。また、試料を真空乾燥して粉体にした後に、粉末X線回折(CuのKα線、1.5406オングストロームを照射)によって角度(2θ)が23度の付近に半値全幅5度又はそれ以上の広い回折ピークが現れることからも確認できる。なお、シリカガラス膜厚が0.5nmよりも薄い場合には、直接、透過電子顕微鏡でシリカガラス層の存在を確認することが難しくなる。しかしながら、作製時に疎水性の量子ドットがその発光効率及び分散性を保ちながら水相に転換することから、シリカガラスにコートされたことを確認することが出来る。さらに、分析電子顕微鏡により、量子ドットの表面付近にSiの存在を確認することが出来る。また、蛍光光子相関法や光散乱法などの光学的手法によっても、もとの量子ドットよりも粒径が大きくなったことを確認できる。
製造例1で作製した長波長発光を示す量子ドット(CdSe/CdZnS)のコア(a(1)とその拡大図a(2))及びシェル形成後(b(1)とその拡大図b(2))の透過電子顕微鏡像である。 製造例1で作製した長波長発光を示すコアシェルタイプの量子ドット(CdSe/CdZnS)の吸収及び蛍光スペクトルである。左側の曲線及び軸は吸収スペクトル、右側の曲線及び軸は蛍光スペクトルである。 疎水性量子ドットを、発光効率を保ちつつシリカガラス層で覆う方法の模式図である。 実施例で作製した蛍光性微粒子の吸収及び蛍光スペクトルである。左側の曲線および軸は吸収スペクトル、右側の曲線及び軸は蛍光スペクトルである。 実施例で作製した蛍光性微粒子の吸収及び蛍光スペクトルである。左側の曲線及び軸は吸収スペクトル、右側の曲線及び軸は蛍光スペクトルである。 作製したシリカガラス層コート量子ドットのうち、QD1をコートした参考例1及び実施例1の透過電子顕微鏡像をそれぞれ、a及びbとして示した。 作製したシリカガラス層コート量子ドットのうち、QD2をコートした実施例4及び参考例2の透過電子顕微鏡像を順にa〜dとして示した。
本発明によって作製されるものは、Cd及びSeを含有する量子ドット1個が、平均膜厚3nm以下のシリカガラスを含む薄膜でコートされた蛍光体である。以下、1.量子ドットの作製、2.表面シラン化(ステップ1)、3.シリカガラス薄膜コートと表面修飾(ステップ2)、4.評価及び5.用途の順に説明する。
1.量子ドットの作製
本発明では、安定性が高く、且つ、蛍光スペクトル幅が狭く発光効率が高いという特徴を持つ、Cd及びSeを含有する量子ドットを使用する。まず、Cd及びSeを含有する量子ドットの作製法を説明する。
本発明で使用する量子ドットとしては、CdとSeを含むものであれば制限はなく、必ずしもCd及びSeのみからなる必要はない。ただし、希土類イオン、遷移金属イオン等をドープした量子ドットは、希土類イオン及び遷移金属イオンからの蛍光が得られ、量子ドットが持つ蛍光特性が得られにくいので、希土類イオン及び/又は遷移金属イオンをドープしていない量子ドットが好ましい。具体的にはCdSe、CdSe/ZnS(ZnSでコートされたCdSe量子ドット)、CdSe/CdS/Cd0.5Zn0.5S/ZnS(CdSeを核としてCdS、Cd0.5Zn0.5S及びZnSが順次コートされた量子ドット)、合金組成のCdSexTe1-x(0<x<1)等が例として挙げられる。なかでも、表面にZnS、ZnSe、CdS等のシェルを有しているものが優れている。特に、Zn及びSを含むシェルを有しているものが好ましい。このシェルは、Cd、Zn、Se、S等の組成がシェルの厚み方向で変化する傾斜組成であってもよい。
このようなCd及びSeを含む量子ドットの作製方法としては、以下の代表的な10個の公知の方法が知られている(非特許文献13〜22)。
これらの方法で作製される量子ドットの平均粒径はおよそ2〜9nmである。
いずれの場合も、水を排除した有機溶液中での高温の反応を用いる。この第1工程で作製した量子ドット表面の配位子を、以下の第2工程(ステップ1)で加水分解したシリコンアルコキシド(1)に置き換えるので、この工程の配位子は結合エネルギーが小さいものが望ましい。具体的な配位子として、アルキル基を持つリン酸化合物(トリオクチルフォスフィン、トリオクチルフォスフィンオキサイド等)、アルキルアミン(ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等)、オレイン酸等が挙げられる。
ただし、これらの作製方法では、発光ピーク波長が650〜1000nmの量子ドットは得られない。
さらに蛍光波長650〜1000nmの量子ドットを作製するためには、コアとなるCdSeの作製法を開発し、セレン含有原料の注入スピード、温度、反応時間等を最適化する必要がある。
例えば、不活性雰囲気下(窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等)、酸化カドミウム0.3〜0.7mmol(より好ましくは、0.5〜0.6mmol)、オクタデシルホスホン酸150〜200mg(より好ましくは175〜185mg)、トリオクチルアミン(TOA)3〜10mL(より好ましくは4〜6mL)をガラス容器に入れた場合は、320〜330℃に加熱して酸化カドミウムを完全に溶解してカドミウム溶液を作製する。これとは別に、セレン粉末0.5〜2mmol(より好ましくは0.8〜1.2mmol)を1mLのトリオクチルホスフィン(TOP)に溶解し、TOPSe(TOPにセレンが結合したもの)を作製する。ガラス容器中のカドミウム溶液を320〜330℃(より好ましくは322〜327℃)に保ちつつ、激しく攪拌しながら0.15〜0.4mL/min(より好ましくは0.2〜0.3mL/min)のスピードでTOPSeを注入する。4〜8分(より好ましくは5〜7分)反応させた後、室温付近まで冷却し、さらに精製することで、コアを得ることができる。この中でも特に、注入スピードを調整することが、今までの多くの研究で見逃されてきた大切なポイントである。ゆっくり注入することで核形成を抑え、原料を核成長に使うことで、大きな量子ドットを得ることができる。注入スピードは、注入するTOP溶液中のTOPSeの濃度に反比例して変えればよい。また、予め容器の中に分散させているカドミウムの量に比例して、変えればよい。一般的には、溶液に含まれるCdの量をXミリモル、これに注入するSeのスピードをYミリモル/分としたときには、
0.3X<Y<2X
とするのが良く、さらに
0.5X<Y<1.5X
とするのがさらに好ましい。発光波長を700nmよりも長くする場合には、TOPSe注入の際に、さらにTeをTOPTe(TOPにTeが結合したもの;TOPにTe粉末を溶かすことで得られる)として添加するのが好都合である。
コアであるCdSeの作製方法は、上記に限定されることはなく、Cd原料、Se原料、Cd又はSeを溶解させる溶媒の種類等について、必要に応じて適宜変更すればよい。例えばCd原料は、Cd(CH3)2のヘキサン溶液を用いることができる。溶媒は、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、ヘキサデシルアミン(HDA)等を用いることができ、この場合の反応温度は、290〜295℃である。HDAは溶媒及びCdSeに付くリガンドの2つの役割がある。溶媒としてステアリン酸を用いる場合は、反応温度として300℃程度がよい。
コアはCdとSeのみからなるものが、蛍光スペクトル幅を狭くし、また耐久性を上げるためには好ましい。コアにさらにTe等を含有させると、長波長発光が得られる。その場合でも、耐久性と蛍光スペクトル幅を保つためにはTe等他元素の含有量は30mol%以下であることが好ましく、さらに10mol%以下であることがより好ましい。
量子ドットのコアは、100℃程度の水溶液で作る場合(親水性のコアが出来る)と300℃程度の高温の有機溶液で作る場合(疎水性のコアが出来る)の2通りがある。耐久性が高く、蛍光スペクトル幅の狭い量子ドットを作るためには、有機溶液法が好ましい。先に述べたとおり、上記非特許文献13〜22も有機溶液法で作製している。一般に、有機溶液法で作製したコアのほうが、そのあとシェルを付けた時の発光効率が高くなる。
このコア作製のあとで、CdSeからなるコアの表面にシェルをつけて波長650〜1000nmの発光を得るためには、コアの段階での発光波長が618nm以上であることが好ましく、620nm以上であることがより好ましい。得られる量子ドットの平均の大きさは、典型的な場合で9〜11nmである。但し、球形でない場合には、3つの慣性主軸方向のサイズの平均値を持って1つの粒子の大きさとする。シェルの作製に際しては、Cd、Zn及びSからなるシェルを形成させる場合を例にとると、CdとZnの塩、例えば、酢酸塩をCdとZnの比率をおよそ1:1にして加えるのが好都合である。格子定数の関係等から、始めCdが優先的にCdSeコアに付き、あとからZnが付く。このときの組成から、量子ドットはCdSe/CdxZn1-xSと書くこともある。Sは、上記のSe及びTeの場合と同様に、TOPS(TOPに粉末のSを溶かしたもの)を用いてCd又はZnと反応させればよい。
シェル作製方法も、上記に限定されることはなく、必要に応じて適宜選択する。例えば、ZnS単独のシェルをつける場合は、亜鉛の原料としてジエチル亜鉛、硫黄の原料としてヘキサメチルジシラチアン(慣用名 チオビス(トリメチルシラン))(Hexamethyldisilathiane (Thiobis(trimethylsilane)))を用いることができる。
2.表面シラン化(ステップ1)
上述の方法で、Cd及びSeを含む量子ドットを作製することができる。但し、この量子ドットは、水を排除した有機溶媒中で作製されるため、疎水性である。ゾル−ゲル法を用いて加水分解及び脱水縮合を行わせるためには、量子ドットは親水性であることが有利となる。このため、この工程では、量子ドット表面をシリコンアルコキシド(1)でシラン化する。
量子ドットの発光効率を保ったままシリカガラスコートすることは、この数年の学会の関心事であったから、疎水性量子ドットがシリカガラスでコートされるとき、もとの表面配位子が取れるのか否かについての論争が続いていた。そして公知の非特許文献4により、加水分解されたシリコンアルコキシドは量子ドットに対する親和性が高く、作製時に表面に接着していたアルキルアミンなどの配位子(リガンド)を置換してコートすることが示された。ところが、アルキルアミン配位子が表面欠陥をなくして発光効率を向上させるのに対して、一部分が加水分解したシリコンアルコキシドから成る配位子(例えば(Et−O)−Si−O)には消光作用があるために、発光効率が急激に低下すると報告されている。その一方で、なぜ加水分解したシリコンアルコキシドに消光作用があるのかは不明とされていた。
一方で、発光効率を保つためには、量子ドットの表面を配位子が密に覆うことが必要とされている。このためには、非特許文献13に説明があるように枝分かれのない1級のアルキルアミンが有用である。
これらの文献をもとに被覆の条件を探ると、シリコンアルコキシドの加水分解速度を遅く、量子ドットの濃度を薄く、また、反応時間を長く取れば、シリコンアルコキシド加水分解物への表面置換が終わった後も量子ドットの発光効率がほとんど低下しないことを見出した。つまり、加水分解されたシリコンアルコキシドそのものに消光作用があるわけではなく、量子ドットの表面にシリコンアルコキシドが乱雑に密集すること、表面への接着数が充分でないこと等が、消光に繋がることが判明した。これにより、疎水性溶媒中でシリコンアルコキシド(1)を用いて表面被覆した後、別のシリコンアルコキシド(2)を含む大量の水と接触させることで、量子ドットの集合体を形成できることを見出した。このときのシリコンアルコキシド(1)の表面被覆の条件を最適化し、表面シラン化を行った。さらに、次の項(シリカガラス薄膜コートと表面修飾)で述べるように少量の水と徐々に反応させることで、薄いシリカガラス層を形成できる。
具体的には、まず、先の項で作製した量子ドットを疎水性溶媒に分散させる。疎水性溶媒は特に限定されないが、トルエン、クロロホルム、ヘキサン等が例示され、とくにトルエンが好ましい。このときの量子ドットの濃度は0.1〜20μM(マイクロモル/リットル)が好ましく、さらに0.5〜10μMが好ましく、1〜5μMが最もよい。
次に、当該分散液に、式(II):
Si(OR (II)
(式中、4個のRは同じか又は異なり、それぞれ低級アルキル基(特に炭素数が5以下のアルキル基)又はその誘導体である)
で示されるシリコンアルコキシド(1)を添加する。
ここでは、疎水性溶媒が、極僅かの水分を空気中から取り入れるので、シリコンアルコキシド(1)は、4つのアルコキシ基のうち1つだけが徐々に加水分解して、(RO)−Si−OHとなる。この分子が、量子ドット表面に作製時に配位したリガンドを置換し、直接に量子ドットを覆う。加水分解反応がゆっくりであれば、(RO)−Si−OHの水酸基が量子ドット表面方向に配置され、整然と量子ドットを覆うので、発光効率の低下が抑えられる。
式(II)で示されるシリコンアルコキシド(1)としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン等が例示され、TEOSが好ましい。シリコンアルコキシド(1)の濃度は、0.004〜0.1μMが好ましく、さらに0.008〜0.05μMが好ましく、0.01〜0.03μMが最もよい。この段階で、ケイ素以外の金属を含むアルコキシド、例えばアルミニウムイソプロポキシド、ジルコニアテトライソプロポキシドを添加することも可能である。また、式(I)で示した有機アルコキシシランを添加することも可能である。いずれの場合も、所期の目的である耐久性があり、高い発光効率を保つ小さい量子ドットを提供するためには、4官能のシリコンアルコキシドの他のアルコキシドに対するモル比は30%以上であることが好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが最も好ましい。なお、量子ドットを4官能シリコンアルコキシドで直接コートさせ、(RO)−Si−OHが整然と量子ドットを覆うためには、全てのアルコキシドを4官能のシリコンアルコキシドとすることが好ましい。2種類以上のアルコキシドを混ぜる場合は、それぞれの反応速度に注意し、添加する量とタイミングを制御して量子ドット表面をうまく覆うように制御すればよい。
さらに、この疎水性溶媒を攪拌し、僅かに含まれる水でシリコンアルコキシド(1)を部分的に加水分解し、徐々に量子ドット表面を覆う。このときの攪拌時間は1〜40時間が好ましく、さらに8〜30時間が好ましく、15〜25時間が最も好ましい。
3.シリカガラス薄膜コートと表面修飾(ステップ2)
この工程では、表面シラン化された量子ドットの表面に、薄いシリカガラス層を付与する。
量子ドットは、はじめ疎水溶媒中にあるが、この工程で水に触れることにより加水分解が進んで親水性になり、水相に移動、そこでの加水分解脱水縮合反応によりシリカガラス層が付与される。この過程をゆっくり行うことで、シリカガラス層の厚みを制御し、また量子ドット同士の接着を防ぐことができる。この工程の典型例として、逆ミセル法(水が油相中にドロップレット状に分散した逆ミセル溶液を使用)を採用する場合を以下に説明する。
逆ミセル法では、油相の中に、小さい水玉が界面活性剤によって安定化されて分散している。はじめ、シラン化された量子ドット(具体的には、表面がシラン化された量子ドットの分散液)を添加すると、量子ドットは油相に分散する。その後、水玉に僅かに触れることで加水分解が進行して親水性になり、水玉に移動する。ゾル−ゲル反応を促進させるためには、酸又はアルカリ触媒を水に添加して用いるのが適切である。球状の粒子を作るためにはアルカリ性の触媒が適切である。油相にさらにシリコンアルコキシド(2)を添加することで、アルコキシドの量を増やしてガラス膜の厚みを増加させることができる。
ここで、シリコンアルコキシド(2)は、疎水性の連続相(油相)に分配されるので、ドロップレットとして分散している水に触れて徐々に加水分解する。また、量子ドット表面についたシリコンアルコキシド(1)由来の基も徐々に加水分解して親水性になり、水相に転換される。そののち、加水分解されたシリコンアルコキシド(2)が徐々に水相に移動して量子ドット表面に堆積、脱水縮合する。反応速度が遅いため、シリカガラス層の厚みを細かく制御できる。また、均一な膜が形成される。さらに逆ミセル中なので、他の量子ドットと衝突して凝集することがなくなり、1個のガラスビーズ中に1個の量子ドットが分散する。また、量子ドットを含まない、空のガラスビーズの形成も抑えられる。これが、従来の始めから親水性の量子ドットを用いる手法と根本的に違う点である。
油相を構成する疎水性溶媒としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム等が例示される。
また、界面活性剤は、アエロゾルOT(AOT: bis-2-ethylhexyl sulfosuccinate)、イゲパルCO−520(Polyoxyethylene(5) nonylphenyl ether)等が例示される。
シリコンアルコキシド(2)は、シリコンアルコキシド(1)と同じでもよいし、違っていてもよい。その具体例としては、上述したもの等が挙げられる。有機アルコキシシラン、4官能アルコキシラン、アルミニウムイソプロポキシド、ジルコニアテトライソプロポキシド等が例示されるが、4官能アルコキシシランであることが好ましい。
量子ドットを水玉中に移動させるために、アルカリ性水溶液を使用する場合は、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等が例示される。
量子ドットを分散した疎水性溶媒0.3mLを用いる場合には、まず界面活性剤として分子量400〜500のものを用いた場合、0.3〜3g(好ましくは0.5〜2g、最も好ましくは0.7〜1.5g)と疎水性溶媒2〜20mL(好ましくは5〜15mL、最も好ましくは8〜12mL)を混合し、透明になるまで攪拌する。加える界面活性剤の重量は、その分子量におよそ比例させて変更すればよい。次に予め用意した量子ドット分散液0.3mLを加え、さらにアルカリ性溶液、例えばアンモニア水溶液(アンモニア6.25重量%)を0.1〜0.5mL加えて、最後にシリコンアルコキシド(2)を1〜30μLを加えて攪拌する。攪拌時間は、1〜40時間とし、シリコンアルコキシド(2)の量と攪拌時間に応じて、量子ドット表面のシリカガラス薄膜の厚みが決まる。但し、疎水性溶媒中の量子ドットの濃度は、0.3〜10μM程度であり、粒径が大きい場合には、低濃度とすることが好ましい。量子ドットの量が増えた場合には、それに比例して、加える試薬の量を増やせばよい。
逆ミセル法を利用しない場合には、シリコンアルコキシド(2)を少量、段階的に添加する等の工夫をして、空のガラスビーズ(量子ドットを含まないガラスビーズ)の形成を防ぎ、量子ドット表面のガラス層形成を徐々に行って膜厚の制御をしやすくする等の工夫をする。
このようにして、本発明の蛍光性微粒子が得られる。なお、本発明の蛍光性微粒子は、上記のように改善された製造方法を採用することで、量子ドットの表面を覆うシリカガラス層の厚みを3nm以下と薄くすることができる。また、量子ドット自体も、粒径が2〜11nm程度と、非常に小さいものである。その結果、平均粒径が15nm以下という非常に小さな蛍光性微粒子を得ることができる。このため、バイオ分野への応用にも適したものである。
また、本発明の蛍光性微粒子は、ステップ1において、シリコンアルコキシド(1)由来の基で整然と覆うことができる。このため、量子ドット本来の発光効率を大きく損なうことがない。そのため、発光効率を20%以上とすることができる。
この工程において加熱することで、網目構造を発達させてシリカガラス層の耐久性を上げることができる。加熱温度は、30〜85℃程度が好ましく、より好ましくは35〜60℃程度、最も好ましくは37〜50℃程度である。
4官能のシリコンアルコキシドのみを加えると、表面にOH基が出た蛍光性微粒子が作製できる。一方、4官能のシリコンアルコキシドのみならず、特定の有機アルコキシシランを共に加えることで、ガラス層の表面を官能基で修飾して、蛍光試薬として目的の抗体等を接着するための足がかりとすることができる。
チオール基(SH基)で修飾するためには、シリカガラス層を付与した後、さらにチオールを含む化合物、例えばメルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS、(CHO)SiCSH)を添加、反応させる方法が一例として挙げられる。カルボキシル基(COOH基)で修飾するためには、カルボキシル基を含む化合物、例えばカルボキシエチルシラントリオールのナトリウム塩(Carboxyethylsilanetriol, sodium salt、CESと略記)を添加、反応させる。この場合、逆ミセル反応で4官能シリコンアルコキシドを添加する際に同時に加えることも可能である。4官能シリコンアルコキシドと相溶性が悪い場合には、4官能シリコンアルコキシドと一緒に攪拌して、4官能シリコンアルコキシドの加水分解を進ませた後、逆ミセル溶液に加えることができる。また、アミノ基(NH基)で修飾するためには、アミノ基を含む化合物、例えばアミノプロピルトリメトキシシラン(APS、(CHO)SiCNH)を添加、反応させる。ポリエチレングリコール由来の基(例えば2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]−トリメトキシシラン等を使用)での修飾も可能である。アミノ基で修飾する場合には、例えばエタノールで薄めたAPSを純水中に分散したガラスビーズに加え、数時間〜十数時間攪拌すればよい。
これらの有機アルコキシシランを4官能シリコンアルコキシド(2)と同時に加えることも可能である。この際に、シリコンアルコキシド(2)と加水分解の程度を近づけてからステップ2で添加することで、互いの相分離を防ぐことが可能になる。また、同様に、上述したケイ素以外の金属を含むアルコキシドをシリコンアルコキシド(2)と同時に加えることも可能である。なお、有機アルコキシシラン又はケイ素以外の金属を含むアルコキシドをシリコンアルコキシド(2)と同時に加える場合、シリコンアルコキシドの他のアルコキシドに対するモル比は50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
4.評価
本明細書において、蛍光性微粒子、量子ドット等の「粒径」又は「平均粒径」は、いずれも透過電子顕微鏡により測定できる。本発明の蛍光性微粒子の粒径範囲であれば、加速電圧が100kV以上であれば、粒径の観察が可能となり、さらにガラス層に包まれた量子ドットの粒径も測定できる。粒子が完全な球形でない場合には、長軸と短軸の平均をもって粒径とすればよい。正四面体のように三角形を含む場合は、外接円の直径を粒径とすればよい。また、平均粒径は、10個程度の粒子を無差別に選び、それぞれの粒径を測定後に平均値を算出することによって得る。
また、量子ドットがCdとSeを含むことは、元素分析(ICP質量分析、分析電顕等)で容易に調べることができる。さらにコアがCdとSeを主成分とすることは、その蛍光スペクトルの半値全幅が35nm以下と狭いことから区別できる。シェルをつけた後でも、半値全幅は35nm以下になる。量子ドットがシリカガラス層でコートされたことは、透過電子顕微鏡による観察で調べられる。シリカガラス層の膜厚が一定でない場合には、その平均をとって対象とする膜厚とすればよい。なお、シリカガラス層の膜厚が0.5nm以下の場合は、電顕での観察が難しくなるが、量子ドットが水相に移動することで、シリカガラス層によるコートを確かめることができる。表面修飾されたことは、ζ(ゼータ)電位の変化、電気泳動速度の変化等から感知できる。量子ドットが、有機アルコキシシランのみから作製される薄膜にコートされている場合、シリカガラスコートの量子ドットに比べて形状の安定性に乏しく、また量子ドットの光照射時の耐久性も低下する傾向がある。
溶液中の量子ドットの分散濃度は、量子ドットの吸収スペクトルを文献(非特許文献23)のモル吸光係数と比較することで求められる。組成が変わった場合には、加成性があることを利用してモル吸光係数を求めることができる。また、ZnS等がシェルとしてCdSe核にコートされた場合においても、文献(非特許文献17)を利用すればその濃度を求めることができる。
本願明細書における発光効率とは、内部量子効率のことであり、量子ドットが光で励起された後に、蛍光光子を放出する確率として定義される。この値は、溶液においては、発光効率が既知の標準物質(キニーネの0.1規定硫酸溶液)の吸光度と発光強度を比較することで求められる。バイオ分野への応用を考慮し、量子ドットの濃度が10nM程度という希薄溶液の場合の発光効率を求めるためには、吸収および蛍光分光光度計の波長ごとの感度の校正、ベースラインの安定性の確認作業を行うことが好ましく、また測定装置が置かれている実験室の温度変動を±2℃程度に制御することが好ましい。詳しくは、本発明者らによる文献(非特許文献24)の方法を用いるとよい。なお、キニーネの蛍光は青色領域であるが、蛍光分光光度計の波長ごとの感度を補正しておけば、赤色領域の蛍光の発光効率もそのまま求めることができる。さらに正確を期すためには、赤色領域の発光における標準物質(例えばローダミン6G)を用いて発光効率の値を確かめればよい。
5.用途
本発明の蛍光性微粒子は、表面修飾し、さらに目的の抗体に感作させ、抗原抗体反応を利用して特定の抗原を見つけるために用いる等、生体内の特定分子に特異的に結合してその分子の分布、量、動き等を見る蛍光試薬として用いることができる。
さらに本発明では、量子ドットは、薄いシリカガラス層で覆われているので、一つ一つの性質を保ったまま溶媒を除去することができる。これにより、本発明の蛍光性微粒子が高濃度に分散した高輝度の蛍光体を得ることができる。このため、電子材料としてディスプレイ用の蛍光体として用いることが出来る。また、発光スペクトル幅が狭いので、演色性の良い照明用の蛍光体としての使用も可能である。膜厚が薄いことを利用すれば電子を流すことが出来るので、エレクトロルミネッセンス(交流又は直流の電圧を引加して発光させる)やカソードルミネッセンス(高速の電子線を照射して発光させる)等用の蛍光体としての用途もある。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
量子ドットは、上述した公知の文献(非特許文献22)に従って、既報の方法によって作製した(QD1:蛍光ピーク波長600nm、CdSeコアからなる)。
製造例1
発光波長が650〜1000nmの量子ドットの場合は、新たに開発した以下に記す方法によって作製した。
酸化カドミウム、セレン粉、イオウ粉、オクタデシルホスホン酸(n-Octadecylphosphonic acid、ODPA)、オレイン酸(OA)、酢酸カドミウム2水和物、酢酸亜鉛、トリオクチルアミン(TOA)は、購入した試薬をそのまま使用した。トリオクチルホスフィン(TOP)は、高温での真空蒸留によって精製した後、使用した。
CdSe量子ドット(コア)の作製:
窒素雰囲気下、酸化カドミウム0.54mmol、ODPA180mg、TOA5mLを三口フラスコに入れ、325℃に加熱して酸化カドミウムを完全に溶解することでカドミウム溶液を作製した。これとは別に、セレン粉末(1mmol)を1mLのTOPに溶解することで、TOPSeを作製した。三口フラスコ中のカドミウム溶液を325℃に保ちつつ、激しく攪拌しながら0.25mL/minのスピードでTOPSeを注入した。6分間反応させた後、室温まで冷却して10mLのヘキサンを加えたのち、さらに60mLのエタノールを加えてCdSe量子ドットからなる沈殿物を取り出した。これを大量のエタノールで洗浄し、20mLのトルエンに再分散した。さらに15000回転15分の遠心条件によって不純物を取り除き、エタノールで再沈させた後、10mLのトルエンに再分散し、CdSe量子ドット(コア)溶液とした。得られた量子ドットは発光ピーク波長623nmで発光効率1.1%であった。この段階の透過電子顕微鏡像を、図1aに示す。なお、図1において、a(2)はa(1)の拡大図である。
Cd x Zn 1-x S(シェル)の取り付け:
酢酸カドミウム2水和物0.05mmol、酢酸亜鉛0.05mmol、OA2mL及びTOA5mLを三口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で300℃に加熱してカドミウム塩及び亜鉛塩を完全に溶解した。これを300℃に保ちつつ、先に作製した長波長発光用のCdSe量子ドット(コア)溶液(3mL)を激しく攪拌しながら加えた。これとは別に、亜鉛粉末(0.19mmol)を0.5mLのTOPに溶解し、TOPSを得た。三口フラスコ中のカドミウム溶液を300℃に保ちつつ、激しく攪拌しながらTOPSを加えた。さらに一定時間、300℃に保ったのち、室温に冷却した。沈殿、洗浄の後、10mLのトルエン溶液に再分散した。このときの発光波長は652nm、発光効率は60.8%、蛍光スペクトルの半値幅は28nmであった(QD2)。この段階の透過電子顕微鏡像を図1bに示す。なお、図1において、b(2)はb(1)の拡大図である。また、吸収、蛍光スペクトルを図2に示す。左側の曲線が吸収、右側の曲線が蛍光スペクトルである。
実施例1〜4及び参考例1〜2
作製した量子ドット(QD1及び2)は、以下で説明するようにステップ1(表面シラン化)及びステップ2(相転換とシリカガラス層付与)の2段階を経て、シリカガラス層で覆った。この過程を模式的に図3に示す。
2種類の量子ドット(QD1:蛍光ピーク波長600nm、QD2:蛍光ピーク波長652nm)を用いた。QD2は、製造例1で作製したものである。
ステップ1では、量子ドット(QD1及びQD2、0.3mLのトルエン溶液)にTEOS1.5マイクロリットルを添加し、20時間、攪拌した。これによって、量子ドットの表面はシラン化された。
ステップ2では、まず界面活性剤であるイゲパルCO−520(poly(oxyethylene) nonylphenyl ether)1gとシクロヘキサン10mLを加え、透明になるまで攪拌した。こ
れに、ステップ1で作製した表面シラン化された量子ドットのトルエン溶液を添加し、さらにアンモニア溶液(6.25重量%)を0.3mL添加した後、定量のTEOSを添加し、一定時間、攪拌して反応させた(表1参照、実施例1及び参考例1、並びに実施例4及び参考例2)。その後、22000回転で30分間遠心し、エタノールで3回洗浄した後、純水に分散した。実施例(Sample 4)及び実施例(Sample 7)の吸収蛍光スペクトルをそれぞれ図4及び5に示す。QD1をコートした実施例1及び参考例1の透過電子顕微鏡像を図6に示す。なお、図6において、aが参考例1(Sample 3)、bが実施例(Sample 4)の透過電子顕微鏡像である。また、QD2をコートした実施例4及び参考例2(Sample 5~8)についての透過電子顕微鏡像を図7に示す。これから、ガラス薄膜の厚み及び全体の粒径を読み取ることが出来る(表1参照)。
ステップ1を行わない場合と比較するために、試料(QD1の0.3mLトルエン溶液)へのTEOSの添加量を変えたものを2種類用意して、そのままステップ2に用いた。これらを比較例1〜2(Sample 1〜2)とする。ステップ1を行わない場合は、明らかに発光効率が20%以下に低下していることがわかる。
QD1及びQD2、並びにそれらから作製された実施例1〜4及び参考例1〜2(Sample 3〜8)及び比較例1〜2(Sample 1〜2)の平均粒径、蛍光ピーク波長、発光効率及び蛍光スペクトルの半値幅をまとめて表1及び表2に示す。
Figure 0005709188
Figure 0005709188

Claims (17)

  1. Cd及びSeを含む量子ドットが、平均膜厚3nm以下のシリコンアルコキシドからなるシリカガラスを含む薄膜でコートされてなる蛍光性微粒子。
  2. 前記量子ドットが、Cd及びSeを含むコアと、Zn及びSを含むシェルとからなる請求項1に記載の蛍光性微粒子。
  3. 前記量子ドットの発光ピーク波長が650nm以上1000nm以下である、請求項2に記載の蛍光性微粒子。
  4. 前記量子ドットが、シリコンアルコキシドからなるシリカガラスで直接にコートされている、請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  5. 前記量子ドットが疎水性である、請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  6. 前記量子ドットの蛍光スペクトルの半値全幅が35nm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  7. 平均粒径が15nm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  8. 表面にCOOH基、NH基、SH基及びこれらの塩、並びにポリエチレングリコール由来の基よりなる群から選ばれる少なくとも1種類を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  9. 量子ドットの数が1個である、請求項1〜8のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  10. 発光効率が20%以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  11. 蛍光試薬用である請求項1〜10のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  12. 電子材料用である請求項1〜10のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  13. エレクトロルミネッセンス及び/又はカソードルミネッセンスを示す、請求項1〜10のいずれかに記載の蛍光性微粒子。
  14. (1)Cd及びSeを含む量子ドット及びシリコンアルコキシドを含有する疎水性溶媒を1時間以上攪拌して疎水性量子ドットを作製する工程
    を備える、請求項1〜13のいずれかに記載の蛍光性微粒子の製造方法。
  15. さらに、
    (2)作製した疎水性量子ドットを、親水性に転換する工程
    を備える、請求項14に記載の蛍光性微粒子の製造方法。
  16. 前記工程(2)が、作製した疎水性量子ドット、アルカリ性水溶液及びシリコンアルコキシドを、逆ミセル溶液に添加して1時間以上攪拌する工程である、請求項15に記載の蛍光性微粒子の製造方法。
  17. 前記Cd及びSeを含む量子ドットが、溶液に含まれるCdの量をXミリモル、加えるSeのスピードをYミリモル/分としたときに、0.3X<Y<2Xの条件を含む工程で作製されたものである請求項14〜16のいずれかに記載の蛍光性微粒子の製造方法。
JP2013516320A 2011-05-23 2012-05-17 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5709188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013516320A JP5709188B2 (ja) 2011-05-23 2012-05-17 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011114627 2011-05-23
JP2011114627 2011-05-23
PCT/JP2012/062589 WO2012161065A1 (ja) 2011-05-23 2012-05-17 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法
JP2013516320A JP5709188B2 (ja) 2011-05-23 2012-05-17 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012161065A1 JPWO2012161065A1 (ja) 2014-07-31
JP5709188B2 true JP5709188B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=47217143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013516320A Expired - Fee Related JP5709188B2 (ja) 2011-05-23 2012-05-17 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5709188B2 (ja)
WO (1) WO2012161065A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6605784B2 (ja) * 2013-09-25 2019-11-13 株式会社日本触媒 固体微粒子の分級方法
US10266769B2 (en) 2014-04-08 2019-04-23 Ns Materials Inc. Quantum dot, manufacturing method of the dot, and compact, sheet member, wavelength conversion member and light emitting apparatus using the quantum dot
JP2016173888A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 日本放送協会 発光素子及びその製造方法、並びに表示装置
WO2017038511A1 (ja) * 2015-08-28 2017-03-09 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ粒子のスクリーニング方法及びスクリーニングシステム、並びに、ナノ粒子及びその製造方法
JP6684557B2 (ja) * 2015-08-28 2020-04-22 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ粒子のスクリーニング方法及びスクリーニングシステム
WO2017085831A1 (ja) * 2015-11-19 2017-05-26 コニカミノルタ株式会社 発光体及びその製造方法
JP6531681B2 (ja) * 2016-03-09 2019-06-19 三菱マテリアル株式会社 CdSeコロイド粒子の製造方法
JP6569566B2 (ja) * 2016-03-09 2019-09-04 三菱マテリアル株式会社 CdSeコロイド粒子の製造方法
JP6872139B2 (ja) 2016-11-17 2021-05-19 日本電気硝子株式会社 無機ナノ蛍光体粒子複合体及び波長変換部材
US11655415B2 (en) 2017-06-19 2023-05-23 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Nanophosphor-attached inorganic particles and wavelength conversion member
CN109266350B (zh) 2017-07-17 2020-11-24 京东方科技集团股份有限公司 配体修饰量子点组合物及其制备方法、量子点发光二极管
EP3536761B1 (en) 2018-03-09 2021-11-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Quantum dots
JP7265892B2 (ja) 2018-03-09 2023-04-27 三星電子株式会社 量子ドット及びこれを含む電界発光素子
US11011720B2 (en) 2018-03-09 2021-05-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor nanocrystal particles, production methods thereof, and devices including the same
CN113975410A (zh) * 2021-10-21 2022-01-28 浙江中医药大学 一种荧光靶向纳米药物载体和靶向药物及其制备方法
CN116515489B (zh) * 2023-04-18 2024-04-26 浙江工业大学 一种用于对醇中痕量水颜色识别可视化快速检测的双色比率荧光探针及其应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005105244A (ja) * 2003-01-24 2005-04-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 半導体超微粒子及び蛍光体
WO2007034877A1 (ja) * 2005-09-22 2007-03-29 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子及びその作製方法
WO2009028282A1 (ja) * 2007-08-28 2009-03-05 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 新規ナノ粒子発光体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005105244A (ja) * 2003-01-24 2005-04-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 半導体超微粒子及び蛍光体
WO2007034877A1 (ja) * 2005-09-22 2007-03-29 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子及びその作製方法
WO2009028282A1 (ja) * 2007-08-28 2009-03-05 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 新規ナノ粒子発光体

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012161065A1 (ja) 2012-11-29
JPWO2012161065A1 (ja) 2014-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5709188B2 (ja) 薄膜シリカガラスコート量子ドットからなる蛍光性微粒子及びその製造方法
JP5682069B2 (ja) ゾル−ゲル法によって作製した半導体ナノ粒子分散蛍光性微粒子
KR101651798B1 (ko) 양자점 함유 입자 및 이의 제조 방법
JP5907544B2 (ja) ナノ粒子の製造方法
JP4245182B2 (ja) 水溶性蛍光材料およびその製造方法
JP5551435B2 (ja) ナノ結晶でドープしたマトリックス
KR101567327B1 (ko) 양자점 함유 복합입자 및 이의 제조 방법
US20100129455A1 (en) Nanoparticle-dispersed fine glass beads having a cavity therein, and method of producing the same
WO2007034877A1 (ja) 半導体ナノ粒子分散ガラス微粒子及びその作製方法
US20100252778A1 (en) Novel nanoparticle phosphor
JP2015127362A (ja) 発光体粒子、発光体粒子の製造方法、発光体粒子を用いた光学フィルムおよび光学デバイス
JP2017110039A (ja) 発光体及びその製造方法、発光体を用いた蛍光プローブ、蛍光プローブ分散液、led装置、投射型表示装置用カラーホイール、波長変換フィルム、ディスプレイ装置、並びに光電変換装置
KR101575396B1 (ko) 양자점 함유 나노복합입자 및 그 제조방법
Goryacheva et al. Influence of particle architecture on the photoluminescence properties of silica-coated CdSe core/shell quantum dots
US20100038626A1 (en) Semiconductor nanoparticle aggregate, method for producing the same, and biological substance labeling agent utilizing the same
JP2017110040A (ja) コア/シェル型ナノ粒子の製造方法、及び発光体
JP5716029B2 (ja) 半導体ナノ粒子集積体
JP2022074714A (ja) 蛍光性微粒子及びその製造方法、該蛍光性微粒子を用いたディスプレイ、生体物の蛍光標識又は蛍光試薬
JP5761102B2 (ja) 高輝度半導体ナノ粒子集積体
JP7269591B1 (ja) AgAuS系多元化合物からなる半導体ナノ粒子
JPWO2009011194A1 (ja) 半導体ナノ粒子蛍光体の集合体、その製造方法、及びそれを用いた単一分子観察方法
WO2012147429A1 (ja) 半導体ナノ粒子内包ガラス粒子、半導体ナノ粒子内包ガラス粒子の製造方法
WO2009150879A1 (ja) 半導体ナノ粒子蛍光体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5709188

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees