JP5708918B2 - 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物、記録物、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
[1]
重合性化合物及び光重合開始剤を含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、前記重合性化合物が、重合性基として、N−ビニル基と、ビニルエーテル基と、(メタ)アクリロイル基と、を含有し、前記重合性化合物は、前記N−ビニル基を含有する重合性化合物、前記ビニルエーテル基と前記(メタ)アクリロイル基とを含有する重合性化合物、及び前記(メタ)アクリロイル基を含有する重合性化合物からなる群より選ばれる2種以上の重合性化合物であり、該インク組成物中に存在する前記重合性基として、前記ビニルエーテル基の個数比は、前記N−ビニル基1個に対して2〜5個の範囲内であり、かつ、前記(メタ)アクリロイル基の個数比は、前記ビニルエーテル基1個に対して1.5〜3.5個の範囲内であり、前記N−ビニル基の個数比は、前記光重合開始剤における光開裂部1個に対して1.5〜3.05個の範囲内である、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[2]
前記重合性化合物は、N−ビニルカプロラクタムを含む、[1]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[3]
前記重合性化合物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるモノマーを含む、[1]又は[2]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[4]
前記モノマーが、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、[3]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[5]
該インク組成物が付着する被記録媒体は、パッケージ基材又は半導体基材である、[1]〜[4]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[6]
被記録媒体としてのパッケージ基材又は半導体基材と、該パッケージ基材又は該半導体基材に記録された[1]〜[5]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物の硬化物と、を備える、記録物。
[7]
[1]〜[5]のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体上に吐出する吐出工程と、吐出された該インク組成物に、350nm以上400nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する紫外線を照射して、該インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む、インクジェット記録方法。
本発明の一実施形態は、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)に係る。当該インク組成物は、重合性化合物及び光重合開始剤を含み、当該重合性化合物が、重合性基として、N−ビニル基と、ビニルエーテル基と、(メタ)アクリロイル基と、を含有し、かつ、当該インク組成物中に存在する上記重合性基として、N−ビニル基に対するビニルエーテル基の個数比とビニルエーテル基に対する(メタ)アクリロイル基の個数比とが、それぞれ2〜5の範囲内、1.5〜3.5の範囲内である。
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
上記重合性化合物は、重合性基として、少なくともN−ビニル基、ビニルエーテル基、及び(メタ)アクリロイル基を含有する。上記重合性化合物は、1種の化合物であってもよく、2種以上の化合物からなるものであってもよい。上記重合性化合物が1種の化合物である場合、当該化合物はその分子中にN−ビニル基、ビニルエーテル基、及び(メタ)アクリロイル基の全てを含有する。一方、上記重合性化合物が2種以上の化合物からなる場合、これらの化合物の全体で、N−ビニル基、ビニルエーテル基、及び(メタ)アクリロイル基の全てを含有していればよく、それぞれの化合物は、N−ビニル基、ビニルエーテル基、及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される1種以上の基を含有していてもよく、それら3種の基のいずれをも有していない重合性化合物が含まれていてもよい。
N−ビニル基(CH2=CH−N)を有する重合性化合物は、N−ビニル基を含有するとともに、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリロイル基の少なくともいずれかを含有してもよい化合物である。すなわち、本明細書において「N−ビニル基を有する重合性化合物」には、N−ビニル基、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリロイル基のうち、N−ビニル基のみを有する重合性化合物だけでなく、N−ビニル基とビニルエーテル基とのみを有する重合性化合物、N−ビニル基と(メタ)アクリロイル基とのみを有する重合性化合物、及びN−ビニル基とビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを有する重合性化合物をも包含する。当該N−ビニル基を有する重合性化合物として、単官能、2官能、又は多官能(3官能以上)のN−ビニル化合物が挙げられる。このN−ビニル化合物として、以下に限定されないが、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
ビニルエーテル基(CH2=CH−O−)を有する重合性化合物は、ビニルエーテル基を含有するとともに、(メタ)アクリロイル基を含有してもよい化合物である。すなわち、本明細書において「ビニルエーテル基を有する重合性化合物」には、N−ビニル基、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリロイル基のうち、ビニルエーテル基のみを有する重合性化合物だけでなく、ビニルエーテル基とN−ビニル基とのみを有する重合性化合物、ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とのみを有する重合性化合物、及びビニルエーテル基とN−ビニル基と(メタ)アクリロイル基とを有する重合性化合物をも包含する。
当該N−ビニル基を有する重合性化合物として、単官能、2官能、又は多官能(3官能以上)のビニルエーテル化合物が挙げられる。このビニルエーテル化合物として、以下に限定されないが、例えば、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類(以下、「モノマーA」という。)、及び下記一般式(II):
CH2=CH−O−R4 ・・・(II)
(式中、R4はアルキル基又はシクロアルキル基である。)
で表されるビニルエーテル化合物が挙げられる。これらの中でも、以下の理由から、モノマーAが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくともいずれか(好ましくはアクリロイル基)を含有する化合物である。すなわち、本明細書において「(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物」は、N−ビニル基、ビニルエーテル基、及び(メタ)アクリロイル基のうち、(メタ)アクリロイル基のみを有する重合性化合物だけでなく、(メタ)アクリロイル基とN−ビニル基とのみを有する重合性化合物、(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とのみを有する重合性化合物、及び(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とN−ビニル基とを有する重合性化合物をも包含する。
本実施形態における重合性化合物は、上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)を含んでもよい。ここでいう「その他の重合性化合物」とは、重合性基として、N−ビニル基、ビニルエーテル基、及びアクリロイル基のいずれをも含有しないものをいう。
本実施形態のインク組成物は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤として、以下に限定されないが、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物、p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジーブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、及び2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物、フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、及びジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、及びピクリン酸などのニトロ化合物、キノンジオキシム及びシクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物、フェノチアジン等の硫黄化合物が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、光重合開始剤を含む。当該光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて画像を形成するために用いられる。
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含むことが好ましい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、優れた耐擦性が得られるため、スリップ剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製)を挙げることができる。
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、後述するインクジェット記録方法を利用して、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体としては、パッケージ基材又は半導体基材が好ましい。なぜなら、パッケージ基材等にマーキングする際に用いられるインクには、優れた硬化性、密着性、及び保存安定性が求められるからである。
なお、当該インク組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となり得る。
本発明の一実施形態は、記録物に係る。当該記録物は、上記実施形態のインク組成物が、被記録媒体としてのパッケージ基材等に記録されたものであり、パッケージ基材等と、そのパッケージ基材等に記録された上記インク組成物の硬化物とを備える。上記記録物は、インク組成物の硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、パッケージ基材等とその上に付着し硬化したインク組成物(硬化物)との密着性に優れるという特徴を有する。
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法に係る。当該インクジェット記録方法は、上記実施形態のインク組成物をパッケージ基材等(被記録媒体)上に吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に、所定範囲に発光ピーク波長を有する紫外線を照射して、当該インク組成物を硬化する硬化工程と、を含むものである。このようにして、パッケージ基材等上で硬化したインク組成物により、硬化膜(塗膜)が形成される。以下、上記の各工程を詳細に説明する。
上記吐出工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。インク組成物の吐出の際は、インク組成物の粘度を、30mPa・s以下とするのが好ましく、5〜20mPa・sとするのがより好ましい。インク組成物の粘度が、インク組成物の温度を室温として、あるいは、インク組成物を加熱しない状態として上記のものであれば、インク組成物の温度を室温として、あるいはインク組成物を加熱せずに吐出させればよい。一方、インク組成物を所定の温度に加熱することによって粘度を好ましいものとして吐出させてもよい。このようにして、良好な吐出安定性が実現される。
次に、上記硬化工程においては、パッケージ基材等上に吐出されたインク組成物が、紫外線の照射によって硬化する。
下記の実施例及び比較例において使用した原料は、以下の通りである。
〔重合性化合物〕
・VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、日本触媒社(Nippon Shokubai Co., Ltd.)製商品名、表1〜4ではVEEAと略記した。)
・V−CAP(N−ビニルカプロラクタム、ISP社製商品名、表1及び表3ではNVCと略記した。)
・ビスコート#192(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学工業社製商品名、表1及び表3ではPEAと略記した。)
・SR−444(ペンタエリスリトールトリアクリレート、サートマー社(Sartomer Co.)製商品名、表1及び表3ではPETAと略記した。)
・V−Pyrol(N−ビニルピロリドン、ISP社製商品名、表2及び表4ではVPと略記した。)
・V#150(テトラヒドロフルフリルアクリレート、大阪有機化学工業社製商品名、表2及び表4ではTHFAと略記した。)
・APG−100(ジプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学工業社製商品名、表2及び表4ではDPGDAと略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、固形分100%、表1〜4では819と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、固形分100%、表1〜4ではTPOと略記した。)
〔スリップ剤〕
・シリコン系表面調整剤 BYK−UV3500(ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、BYK社製商品名、表1〜4ではUV3500と略記した。)
〔重合禁止剤〕
・p−メトキシフェノール(関東化学社(KANTO CHEMICAL CO., INC)製、表1〜4ではMEHQと略記した。)
〔顔料〕
・Tipaque(登録商標) CR−60−2(石原産業社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製商品名、酸化チタン、表1〜4ではTiO2と略記した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名)
・基材1(パッケージ基材):エポキシ樹脂面1(シャープ社製、面実装型パッケージ、型番「P−LFBGA048−0606」)
・基材2(半導体基材):シリコン面2(SUMCO社製、SOIウエハー)
・基材3(その他の基材):PET50A(リンテック社(Lintec Corporation)製PETフィルム)
〔顔料分散液の作製〕
インク組成物の作製に先立ち、顔料分散液を作製した。上記の顔料を60質量%、分散剤を5質量%、重合性化合物としてのVEEAを35質量%の割合で、それぞれ混合し、1時間スターラーで撹拌した。撹拌後の混合液をビーズミルで分散し、顔料分散液を得た。なお、分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を2〜4時間とした。
下記表1〜4に記載の成分を、表1〜4に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し(表1〜4中、顔料とVEEAの一部とは上記顔料分散液として添加)、これを常温で1時間混合撹拌して完全に溶解させた。これを、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、各紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
各実施例及び比較例で調製した紫外線硬化型インクジェット用インク組成物について、以下の方法により硬化性、密着性、及び保存安定性を評価した。
インクジェットプリンター PX−G5000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製商品名)を用いて、上記の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下で、上記基材1上に、記録解像度720dpi×720dpi及び液滴重量7ngの条件で、ベタパターン画像を印刷した。なお、このベタパターン画像は、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像である。
上記の印刷と共に、キャリッジの横に搭載した紫外線照射装置内のUV−LEDから、照射強度が400mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を600mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。
評価基準は以下のとおりである。◎及び○が実用上許容できる評価基準である。評価結果を下記表5に示す。
◎:300mJ/cm2未満、
○:300mJ/cm2以上500mJ/cm2未満、
×:500mJ/cm2以上。
上記基材1〜3に、上記硬化性の評価項目と同様のベタパターン画像の印刷を行い、次いで上記硬化性の評価項目と同様の紫外線をベタパターン画像が硬化するまで行った。
切込み工具として単一刃切り込み工具(一般に市販されているカッター)と、単一刃切り込み工具を用いて等間隔に切り込むためのガイドと、を用意した。
◎:どの格子の目にも剥がれが殆ど見られない(JIS K−5600−5−6におけるランク0又はランク1)。
○:格子の一部に剥がれが認められる(JIS K−5600−5−6におけるランク2又はランク3)。
×:格子の50%以上に剥がれが認められる(JIS K−5600−5−6におけるランク4又はランク5)。
30mL容のガラス瓶に上記の各インク組成物を24mLずつ投入し、50℃で14日間、遮光しながら放置した。放置前のインク粘度に対する放置後のインク粘度を測定することで、放置前後におけるインクの増粘率を算出し、これによりインクの保存安定性を評価した。
評価基準は以下のとおりである。◎及び○が実用上許容できる評価基準である。評価結果を下記表5に示す。
◎:10%未満。
○:10%以上20%未満。
×:20%以上。
Claims (7)
- 重合性化合物及び光重合開始剤を含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、
前記重合性化合物が、重合性基として、N−ビニル基と、ビニルエーテル基と、(メタ)アクリロイル基と、を含有し、
前記重合性化合物は、前記N−ビニル基を含有する重合性化合物、前記ビニルエーテル基と前記(メタ)アクリロイル基とを含有する重合性化合物、及び前記(メタ)アクリロイル基を含有する重合性化合物からなる群より選ばれる2種以上の重合性化合物であり、
該インク組成物中に存在する前記重合性基として、前記ビニルエーテル基の個数比は、前記N−ビニル基1個に対して2〜5個の範囲内であり、かつ、前記(メタ)アクリロイル基の個数比は、前記ビニルエーテル基1個に対して1.5〜3.5個の範囲内であり、
前記N−ビニル基の個数比は、前記光重合開始剤における光開裂部1個に対して1.5〜3.05個の範囲内である、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。 - 前記重合性化合物は、N−ビニルカプロラクタムを含む、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記重合性化合物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるモノマーを含む、請求項1又は2に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。 - 前記モノマーが、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、請求項3に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 該インク組成物が付着する被記録媒体は、パッケージ基材又は半導体基材である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 被記録媒体としてのパッケージ基材又は半導体基材と、該パッケージ基材又は該半導体基材に記録された請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物の硬化物と、を備える、記録物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体上に吐出する吐出工程と、吐出された該インク組成物に、350nm以上400nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する紫外線を照射して、該インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む、インクジェット記録方法。
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