JP5708348B2 - 筐体のスライド装置及び該スライド装置が設置された電子機器 - Google Patents

筐体のスライド装置及び該スライド装置が設置された電子機器 Download PDF

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Description

本出願は筐体のスライド装置及び該スライド装置が設置された電子機器に関する。以下に説明される実施の形態では、実施例として重なり合った2つの筐体の可動筐体を固定筐体に対してスライドさせる場合に、スライド後に固定筐体の重なっていた面が全て露出する、或いは2つの筐体がフラットになる筐体のスライド装置が説明される。また、本出願の筐体のスライド装置を備えた製品として、特に、スライド式の電子機器として情報端末が説明される。
近年、携帯電話等の情報端末の小型、薄型化に伴い、携帯性、操作性、表示の見やすさを良くする理由で、キーボード部等の固定部に対し、ディスプレイ部等の可動部をスライドさせる製品がある。図1(a)は固定筐体(下側筐体)1に対して、可動筐体(上側筐体)2が重なり合った状態の情報端末3を示すものである。この情報端末3は図1(b)に示すように、固定筐体1に対して、可動筐体2がスライドさせられて使用される。このような形態の情報端末3としては、例えば、携帯電話機、携帯端末(小型コンピュータ)、或いはゲーム機等がある。
ところが、このような情報端末3では、図1(b)に示されるように、固定筐体1に対して、可動筐体2をスライドさせる際に、筐体の構造上、固定筐体1と可動筐体2とが開き切った状態(フルスライド状態)で両者の間に重なり代Lが必要であった。このため、可動筐体2の固定筐体1に対するスライド量は、スライドする方向の筐体長さの3分の2程度までであった。この構造は、下側の固定筐体1をキーボードにする場合は良かったが、下側の固定筐体1もディスプレイ部にする場合は、重なり代Lがあるために充分なディスプレイの広さを得ることができなかった。
これに対して、図1(c)に示すような、フルスライド時に固定筐体1に対して可動筐体2が平坦(フルフラット)になる構造の情報端末4が、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1では、固定筐体(第1筐体)と可動筐体(第2筐体)の側面を連結する連結駒があり、連結駒にある2本のピンの一方が可動筐体に枢支され、他方が固定筐体にスライド可能に係合している。また、特許文献2では、固定筐体(第2筐体)と可動筐体(第1筐体)がリンク機構で接続されており、可動筐体が固定筐体に対してフルスライドして表示面がフルフラットになるようになっている。
特開2009−71588号公報(図1)
特開2010−154149号公報(図11,12、16,20)
しかしながら、特許文献1に記載のフルフラット機構は、固定筐体と可動筐体とがピンと連結駒で結合されているのでガタがあり、スムーズな開閉動作が行えなかった。また、特許文献2に記載のフルフラット機構は、4本のアームを備えたリンク機構の構造が複雑であり、フルフラット機構が厚くなって小型化ができなかった。
一方、情報端末において相対的に位置が変わる2つの筐体、例えばディスプレイ側筐体とキーボード側筐体を、スライド移動または回転移動させる場合、操作の快適性のため、2つの筐体の移動両端付近で移動終了位置に近づく方向のアシスト力が求められている。
本出願は、スライドしてフルフラットになる情報端末などの電子機器において、スライド時にガタつきがない筐体のスライド装置及び該スライド装置が設置された電子機器を提供することを目的としている。また、開く動作の終了付近では開く方向に、閉じる動作の終了付近では閉じる方向にアシスト力が働くことにより、スムーズな開閉動作とスライド装置の小型化を実現できる筐体のスライド装置及び該スライド装置が設置された電子機器の提供を目的としている。
前記目的を達成する本出願の筐体のスライド装置の第1の形態は、スライド開閉する装置の固定筐体と可動筐体の、スライド方向に垂直な方向の側面に跨って設置され、可動筐体の最大スライド時に固定筐体の重なり面の全露出が可能な筐体のスライド装置であり、側面側に底面を備える凹部が形成されたスライド装置本体と、凹部内に収納されて固定筐体に取り付けられる所定長の第1のスライド部材と、凹部内に収納されて可動筐体に取り付けられる所定長の第2のスライド部材と、伸び縮み可能な柱状の弾性体と、弾性体の両端部にそれぞれ揺動可能に連結された弾性体の横幅よりも大きな横幅を備えた駒部材とを有し、凹部内に収納されるアシストばね部材、及び第1と第2のスライド部材が1つの環状部品となるように両者を接続する接続部材とから構成され、凹部の底面には、第1と第2のスライド部材をそれぞれ固定筐体と可動筐体に取り付けると共に、スライド装置本体を固定筐体と可動筐体に対して相対的に移動さるための平行な第1と第2のスリット、第1と第2のスリットの間の部分にスリットの延伸方向に沿って突設されたスライドガイド、及び凹部の両端部において接続部材の凹部内での移動のガイド部材が設けられており、アシストばね部材の弾性体は、第1と第2のスライド部材とスライドガイドの隙間の何れか一方に挿入され、駒部材はスライドガイドの一端とスライドガイドの他端側に位置する第1又は第2のスライド部材の端部によって係止されており、固定筐体と前記可動筐体が重なり合った状態と、前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした状態では、駒部材を係止するスライドガイドの端部と第1又は第2のスライド部材の端部が共に反対側の端部に変化することを特徴としている。
また、前記目的を達成する本出願の筐体のスライド装置の第2の形態は、固定筐体に対して可動筐体が最大限スライドした時に、可動筐体と固定筐体の端面に形成されたテーパー面によって可動筐体が固定筐体に対して下降し、固定筐体の露出面と可動筐体の上面とが同一面になるようにスライド開閉する装置に取り付けられ、固定筐体と可動筐体の筐体のスライド装置に対向する側面にそれぞれ第1の取付板と第2の取付板が固着されており、第1と第2のスライド部材は、ねじによって第1の取付板と第2の取付板にそれぞれ取り付けられる筐体のスライド装置であって、第2の取付板を、可動筐体の側面の形状と同形状に形成して可動筐体の側面及び第2のスライド部材に取り付け、第1の取付板を、取付板本体とスライド板とから構成し、取付板本体を、可動筐体の側面の形状と同形状に形成すると共に、その本体内に固定筐体に設けられたテーパー面とは逆方向の傾斜を有する溝部を設けて固定筐体の側面に取り付け、スライド板を溝部と同形状に形成し、溝部内をスライド可能に構成すると共に第1のスライド部材に取り付け、スライド板と取付板本体との間には、スライド板を溝部から押し出す方向に付勢力を作用させる弾性体を取り付けたことを特徴としている。
更に、前記目的を達成する本出願の筐体のスライド装置が設置された電子機器は、固定筐体に対して可動筐体がスライド開閉し、固定筐体と前記可動筐体のスライド方向に垂直な方向の側面に跨って、本出願の何れかの筐体のスライド装置が取り付けられたことを特徴とする電子機器である。
本出願の筐体のスライド装置によれば、スライドする2つの筐体のスライド方向に垂直な方向の端面の少なくとも一方に取り付けた装置のスライド部品の位置関係が一意に決まるためガタがない。また、本出願の筐体のスライド装置によれば、開く動作の終了付近では開く方向に、閉じる動作の終了付近では閉じる方向にアシスト力が働くことにより、スムーズな開閉動作とスライド装置の小型化を実現できる。本出願の筐体のスライド装置が設置された電子機器においても同様の効果がある。
(a)は従来のスライド型情報端末の閉じた状態を示す斜視図、(b)は(a)に示した情報端末がフルスライドした状態を示す斜視図、(c)はフルフラット機構を備えた従来のスライド型情報端末のフルスライドした状態を示す斜視図である。 (a)は本出願の第1の形態の筐体のスライド装置を設置したスライド型情報端末の閉じた状態を示す斜視図、(b)は(a)に示した情報端末がスライドして開く途中の状態を示す斜視図、(c)は(a)に示した情報端末がフルスライドした状態を示す斜視図である。 図2に示した本出願の第1の形態の筐体のスライド装置の第1の実施例の構成を示す組み立て斜視図である。 (a)は図3に示した引っ張りばねの両端に取り付ける駒部材の一実施例の構成を示す斜視図、(b)は(a)に示した引っ張りばねとその両端部に取り付けられる駒部材の構成を示す平面図である。 本出願の第1の形態の筐体のスライド装置を設置したスライド型情報端末の可動筐体を固定筐体に対して開く場合の、第1の実施例の筐体のスライド装置の動作を、段階(1)から段階(6)の6つの段階に分けて説明する遷移図である。 図5に段階(1)から段階(6)で示したアシストばね部材のスライドアシスト動作において、アシストばね部材が可動筐体に対して与えるアシスト力の変化を示す特性図である。 (a)は図2に示した本出願の第1の形態の筐体のスライド装置の第2の実施例が取り付けられたスライド型情報端末の閉じた状態を示す側面図、(b)は図2に示した本出願の第1の形態の筐体のスライド装置の第3の実施例が取り付けられたスライド型情報端末の開いた状態を示す側面図である。 (a)は本出願の第2の形態の筐体のスライド装置を設置したスライド型情報端末の閉じた状態を示す斜視図、(b)は(a)に示した情報端末がスライドして開く途中の状態を示す斜視図、(c)は(a)に示した情報端末がフルスライドした状態を示す斜視図である。 図8に示した本出願の第2の形態の筐体のスライド装置の一実施例の構成を示す組み立て斜視図である。 本出願の第2の形態の筐体のスライド装置を設置したスライド型情報端末の可動筐体を固定筐体に対して開く場合の、一実施例の筐体のスライド装置の動作を、段階(1)から段階(6)の6つの段階に分けて説明する遷移図である。 (a)は図9に示した本出願の第2の形態の筐体のスライド装置を設置したスライド装置のフルフラット時における固定筐体と可動筐体の接触面であるテーパー面に作用する力の大きさと方向を説明する図、(b)は表示面をフルフラットにできる固定筐体と可動筐体におけるデッドスペースを説明する図である。 図11に示した固定筐体と可動筐体のフルフラット時の接触面であるテーパー面が垂線に対してなす角度とデッドスペースとの関係を示す図である。 図11に示した固定筐体側の取付板と可動筐体のフルフラット時の接触面であるテーパー面が垂線に対してなす角度とデッドスペースとの関係を示す図である。 図11に示した固定筐体側の取付板と可動筐体のフルフラット時の接触面であるテーパー面が垂線に対してなす角度とスライド部材の移動軸方向に作用する力との関係を示す図である。 図11に示した固定筐体と可動筐体のフルフラット時の接触面であるテーパー面が垂線に対してなす角度を45度とした場合の、図12に示した固定筐体側の取付板と可動筐体のフルフラット時の接触面であるテーパー面が垂線に対してなす角度とスライド部材の移動軸方向に作用する力との関係を示す図である。
以下、添付図面を用いて筐体のスライド装置に係る本出願の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図2(a)は本出願の第1の形態の筐体のスライド装置10を設置したスライド型情報端末5の閉じた状態を示すものである。本出願の筐体のスライド装置10は、スライド開閉する情報端末5の固定筐体1と可動筐体2の、スライド方向に垂直な方向の側面に跨って設置され、この実施形態では情報端末5の両側に筐体のスライド装置10が設置されている。図2(b)は情報端末5の可動筐体2が固定筐体1に対してスライドして開く途中の状態を示しており、図2(c)は情報端末5の可動筐体2が固定筐体1に対してフルスライドして、可動筐体2が完全に開き切った状態を示している。本出願の第1の形態の筐体のスライド装置10は、可動筐体2が固定筐体1に対してフルスライドした状態で、固定筐体1と可動筐体2の重なり代Lを0にすることができる。
図3は、図2に示した本出願の第1の形態の筐体のスライド装置10の第1の実施例の構成を示す組み立て斜視図である。この実施例の筐体のスライド装置10は、スライド装置本体30と環状部品24及びアシストばね部材18とを備えて構成される。なお、この実施例では、スライド装置本体30と固定筐体1の側面1Sとの間に第1の取付板として固定筐体側取付板41が挿入され、スライド装置本体30と可動筐体2の側面2Sとの間に第2の取付板として可動筐体側取付板42が挿入されているが、これらがない実施例も可能である。固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42の形状は、固定筐体1と可動筐体2の側面1S、2Sの形状と同じである。
スライド装置本体30には、固定筐体1と可動筐体2の側面1S、2S側に底面33を備える凹部34が形成されている。凹部34の形状は長円状であり、底面33の両端部に半円柱状のガイド部材35が突設されている。ガイド部材35の湾曲面と凹部34の両端部との間には隙間が形成されており、この隙間は後述する環状部品24の接続部材27を移動させるための移動通路37となる。2つのガイド部材35に挟まれた矩形状の底面33には、スライド装置本体30の長手方向に平行に第1のスリット31と第2のスリット32が設けられている。また、底面33の第1のスリット31と第2のスリット32に挟まれた部分には、第1と第2のスリット31,32の長さよりも短い長さを備えた直線状の突条36が、スライドガイド36として第1と第2のスリット31,32に平行に突設されている。
環状部品24は、同じ長さで直方体状をした第1のスライド部材25と第2のスライド部材26及び第1と第2のスライド部材25,26を接続する接続部材27から構成されていて、全体が環状になっている。第1と第2のスライド部材25,26の長さはスライドガイド36の長さよりも短い。接続部材27はこの実施例では帯状部材であるが、ワイヤ等を使用した線状部材でも良い。環状部品24は、第1と第2のスライド部材25,26及び接続部材27の部分を合成樹脂の板から切り出すことによって一体的に作ることができる。また、第1と第2のスライド部材25,26と、接続部材27とを別体で作成しておいて、第1と第2のスライド部材25,26に接続部材27を接続することによっても作ることができる。第1と第2のスライド部材25,26と接続部材27を合わせた全長は、凹部34の内周の長さと同じであり、接続部材27が移動通路37に挿入された状態で、第1と第2のスライド部材25,26が凹部34内に収納される。第1と第2のスライド部材25,26の短手方向の長さは、第1と第2のスリット31,32の短手方向の幅よりも大きい。
スライド装置本体30の凹部34内に収納された環状部品24の第1と第2のスライド部材25,26は、そのねじ孔28にねじ29が挿通されて、固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42に取り付けられる。ねじ29は、ねじ孔28に挿通された後に、第1と第2のスリット31,32を通過して固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42に設けられたねじ穴49に螺着される。固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42に第1と第2のスライド部材25、26が取り付けられると、固定筐体1と可動筐体2が閉じた状態で、第1と第2のスライド部材25、26は、凹部34内で2つのガイド部材35にそれぞれ隣接した位置になる。なお、第1と第2のスライド部材25,26と固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42との接続は、固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42側からねじ29を挿通して行うこともできる。
アシストばね部材18は、弾性体である引っ張りばね19とこの引っ張りばね19の両端部に揺動可能に取り付けられた駒部材20とから構成される。駒部材20の直径は引っ張りばね19の短手方向の幅よりも大きい。駒部材20は、例えば図4(a)に示すように、円板状の本体23の一部を円弧状に切り欠いて切欠部21を形成し、この切欠部21の本体23の外周部近傍にポスト22を突設したものである。このポスト22に、引っ張りばね19のフック部19Hが取り付けられる。図4(b)は図4(a)に示した引っ張りばね19とその両端部に取り付けられた駒部材20の構成を示すものである。引っ張りばね19のフック部19Hは、駒部材20のポスト22に外れないように引っ掛けられているだけなので、駒部材20は引っ張りばね19に対して揺動が可能である。このように、駒部材20としては、一部にばね19のフック部19Hを係止可能な引っ掛け部(ポスト22)を持ち、また、後述するように駒部材20を係止する部分が入れ替わる際に、転がりが良いように円形状等が良い。
固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42に第1と第2のスライド部材25、26が取り付けられた状態では、この実施例では、スライドガイド36と第1のスライド部材25との間に、引っ張りばね19が挿入できる隙間がある。スライドガイド36と第2のスライド部材26との間には、引っ張りばね19を挿入できる隙間はない。この実施例のアシストばね部材18は、駒部材20の一方をスライドガイド36の一端hに係止させ、他方を第1のスライドガイド25の端部Mに係止させ、引っ張りばね19をスライドガイド36と第1のスライド部材25の間の隙間に挿入して凹部34内に取り付ける。
図5は、図3に示した構造の筐体のスライド装置10をスライド型情報端末5に設置して、可動筐体2が固定筐体1に対して開く場合の筐体のスライド装置10の動作を、段階(1)から段階(6)の6つの段階に分けて説明するものである。この説明においては、固定筐体1と可動筐体2及び筐体のスライド装置10の位置を明確に示すために、筐体のスライド装置10の高さ方向の長さを実際よりも小さく描いてある。実際には、固定筐体1と可動筐体2が閉じた状態では、筐体のスライド装置10は固定筐体1と可動筐体2の側面と同じ大きさに形成される。
また、図3で説明した固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42はそれぞれ固定筐体1と可動筐体2と一体になって移動するので、ここでは図面に固定筐体側取付板41と可動筐体側取付板42の符号の記載を省略してある。更に、段階(1)から段階(6)まで固定筐体1に対して可動筐体2が開いていくが、この説明では筐体のスライド装置10の動作を分かり易くするために、スライド装置本体30の位置を固定している。そして、この固定したスライド装置本体30に対して固定筐体1と可動筐体2とが左右に移動していく様子を段階(1)から段階(6)に示してある。
図5の段階(1)に示すように、固定筐体1と可動筐体2が閉じた初期状態では、引っ張りばね19の両端部に取り付けられた駒部材20は、その一方がスライドガイド36の端部hに係止され、他方が第1のスライド部材25の一方の端部Mに係止されている。この状態では、引っ張りばね19は引っ張られた状態にあり、駒部材20はスライドガイド36の端部hと第1のスライド部材25の端部Mを押している。このため、固定筐体1に可動筐体2が重なった状態では、可動筐体2は第1のスライド部材25、接続部材27及び第2のスライド部材26を通じて閉じる方向の力を引っ張りばね19から受けており、可動筐体2は固定筐体1に対して開かない方向の付勢力を受ける。即ち、固定筐体1と可動筐体2が閉じた初期状態では、引っ張りばね19と駒部材20を備えたアシストばね部材18により、固定筐体1に対して可動筐体が閉じようとするアシスト力が働く。
段階(2)は、可動筐体2が固定筐体1に対して開く方向に動いた開動作初期状態を示すものである。開動作初期状態では、駒部材20の一方がスライドガイド36の端部hに係止され、他方が第1のスライド部材25の端部Mに係止されたままである。しかし、第1のスライド部材25の開方向への移動により引っ張りばね19が伸ばされ、駒部材20から第1のスライド部材25の端部Mに印加される付勢力が大きくなる。この時の付勢力は、引っ張りばね19の初期状態の張力による閉じる向きの力に引っ張りばね19のばね定数×伸び量の付勢力が加わったものとなる。
段階(3)は、可動筐体2が固定筐体1に対して更に開く方向に動き、スライドガイド36の端部hに係止された駒部材20の一方が、他方の駒部材20を係止する第1のスライド部材25の端部Mの反対側の端部Hの位置に来た過渡状態を示すものである。過渡状態は、引っ張りばね19の両端部にある駒部材20が第1のスライド部材25の両端部H,Mに係止されるようになる直前の状態である。引っ張りばね19は最大限伸ばされるが、過渡状態では、駒部材20の一方はスライドガイド36の端部hと、これに隣接する第1のスライド部材25の端部Hの両方に係止される。この結果、駒部材20から第1のスライド部材25の端部Mに加わる付勢力は半減する。
段階(3)の過渡状態から可動筐体2が固定筐体1に対して開く方向に更に動いた段階(4)では、駒部材20の一方はスライドガイド36の端部hから第1のスライド部材25の端部Hに係止されるようになる。駒部材20の他方は第1のスライド部材25の端部Mに係止されたままである。したがって、引っ張りばね19の付勢力は駒部材20を通じて第1のスライド部材25の両端部に印加されるようになり、第1のスライド部材25とスライド装置本体30との間には引っ張りばね19の付勢力が作用しなくなる。この状態を中立状態と呼ぶこととする。中立状態では、可動筐体2はアシストばね部材18からの付勢力を受けることなく固定筐体1に対して開いていく。実際には駒部材20とスライドガイド36との間に摩擦力が発生するが、ここでは摩擦力は無視するものとする。
段階(4)の中立状態から可動筐体2が固定筐体1に対して開く方向に更に動いた段階(5)では、第1のスライド部材25の端部Mがスライドガイド36の反対側の端部mに並ぶ位置に達して第2の過渡状態となる。第2の過渡状態では、駒部材20の一方が第1のスライド部材25の端部Mと、これに隣接するスライドガイド36の反対側の端部mの両方に係止される。この結果、駒部材20から第1のスライド部材25の端部Hに付勢力が印加されるようになる。この付勢力により、第1のスライド部材25、接続部材27及び第2のスライド部材26を通じて、可動筐体2には固定筐体1に対して開く方向の付勢力が印加されるようになる。即ち、固定筐体1に対して可動筐体2が完全に開く直前の状態では、引っ張りばね19と駒部材20を備えたアシストばね部材18により、固定筐体1に対して可動筐体2が開く方向のアシスト力が働く。
段階(5)の第2の過渡状態から可動筐体2が固定筐体1に対して開く方向に更に動くと、駒部材20の一方がスライドガイド36の端部mに係止され、駒部材20の他方が第1のスライド部材25の端部Hに係止される。引っ張りばね19は最大伸張状態よりは縮むが、初期状態よりは伸びており、初期状態とは逆の方向にアシスト力が働くので、可動筐体2が固定筐体1に対してスムーズに開いて開動作終了状態に向かう。
段階(6)は、開動作終了状態であり、固定筐体1に対して可動筐体2が完全に開いた状態を示すものである。段階(6)では、駒部材20の一方がスライドガイド36の端部mに係止され、駒部材20の他方が第1のスライド部材25の端部Hに係止され、引っ張りばね19は初期状態に戻る。開動作終了状態では、固定筐体1に対して可動筐体2に開く方向のアシスト力が印加されているので、固定筐体1に対して可動筐体2が容易に閉じない。
図6は、図5に示した段階(1)から段階(6)におけるアシストばね部材18によるスライドアシスト動作の付勢力の変化を示すものである。段階(1)では可動筐体2に対して右向きの付勢力、即ち閉じる方向の付勢力が作用している。この付勢力は段階(2)では大きくなり、段階(3)の過渡状態において0になり、段階(4)では可動筐体2に対して付勢力は加わらない(摩擦力は無視する)。そして段階(5)では第2の過渡状態になり、今度は可動筐体2に対して左向きの付勢力、即ち開く方向の付勢力が作用し、この状態が可動筐体2が固定筐体1に対して全開する段階(6)まで続く。
このように、第1の実施例の筐体のスライド装置10によれば、固定筐体1に対して可動筐体2がフルスライドする時に、スライド装置本体30内で第1と第2のスライド部材25、26の位置関係が一意に決まるためガタがない。また、第1の実施例の筐体のスライド装置10によれば、開く動作の終了付近では開く方向に、閉じる動作の終了付近では閉じる方向にアシストばね部材18によるアシスト力が働くことにより、スムーズな開閉動作を行うことができる。
図7(a)は、図2に示した本出願の第1の形態の筐体のスライド装置10の第2の実施例が取り付けられたスライド型情報端末5Aの閉じた状態を示すものである。第2の実施例の筐体のスライド装置10では、スライド装置本体30A内に収納する第1のスライド部材25と第2のスライド部材26とを板ばねのような強固な接続部材27Aで接続している。この場合は、第1と第2のスライド部材25,26及び接続部材27Aを環状部品とする必要がない。これは、接続部材27Aを強固にすることにより、第1のスライド部材25の左右の動作が接続部材27Aによってそのまま第2のスライド部材26に伝わるからである。
また、筐体のスライド装置10の第2の実施例における接続部材27Aを第1の実施例における接続部材27のような柔軟な部材で構成することもできる。この場合は、スライド型情報端末5Aの両側に筐体のスライド装置10を取り付ける。そして、一方の筐体のスライド装置10では、接続部材27Aを第1と第2のスライド部材25、26の端部M−N間に接続し、他方の筐体のスライド装置10では、接続部材27Aを第1と第2のスライド部材25、26の端部G−H間に接続する。この構成では、固定筐体1に対する可動筐体2の開閉動作時に、何れか一方の筐体のスライド装置10にある接続部材27Aに引っ張り力が作用するので、筐体のスライド装置10がスムーズに動作する。
図7(b)は、図2に示した本出願の第1の形態の筐体のスライド装置10の第3の実施例が取り付けられたスライド型情報端末5Bの開いた状態を示すものである。第1の実施例の筐体のスライド装置10では、スライド装置本体30内に収納する引っ張りばね19と駒部材20を備えたアシストばね部材18がスライドガイド36と第1のスライド部材25との間に取り付けられていた。一方、第3の実施例の筐体のスライド装置10では、スライド装置本体30内Bに収納する引っ張りばね19と駒部材20を備えたアシストばね部材18がスライドガイド36と第2のスライド部材26との間に取り付けられている。第3の実施例の筐体のスライド装置10の動作は、第1の実施例の筐体のスライド装置10と変わりないのでここではその説明を省略する。
図8(a)は、本出願の第2の形態の筐体のスライド装置11を設置したスライド型情報端末6の閉じた状態を示すものである。本出願の筐体のスライド装置11は、スライド開閉する情報端末6の固定筐体1Aと可動筐体2Aの、スライド方向に垂直な方向の側面に跨って設置され、この実施形態では情報端末6の両側に筐体のスライド装置11が設置されている。図8(b)は情報端末6の可動筐体2Aが固定筐体1Aに対してスライドしてフルフラットになる直前の状態を示しており、図8(c)は情報端末6の可動筐体2Aが固定筐体1Aに対して下降してフルフラットになった状態を示している。スライド型情報端末6では、可動筐体2Aを固定筐体1Aに対して下降させてフルフラットにするために、固定筐体1Aの後端部と可動筐体2Aの前端部にはそれぞれテーパー面7,8が設けられている。なお、この可動筐体2Aの固定筐体1Aに対する下降動作は、筐体のスライド装置11から見れば、後述するように、固定筐体1Aの可動筐体2Aに対する上昇動作(リフト)である。
図9は、図8に示した本出願の第2の形態の筐体のスライド装置11の一実施例の構成を示す組み立て斜視図である。筐体のスライド装置11では、図3に示した第1の形態の筐体のスライド装置10における第1の取付板である固定筐体側取付板41と第2の取付板である可動筐体側取付板42を変形させて、固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aとしている。そして、筐体のスライド装置11は、固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aが、第1の形態の筐体のスライド装置10に取り付けられて構成される。筐体のスライド装置10の構成には変わりがないので、図9には筐体のスライド装置10として、スライド装置本体30と、これに収納される第1と第2のスライド部材25,26と接続部材27を備えた環状部品24のみが示してある。
固定筐体側取付板41Aは、固定筐体1Aに取り付けられる取付板本体40と、取付板本体40に対してスライドするスライド板43とから構成される。取付板本体40は、固定筐体1Aの側面の形状と同形状に形成されると共に、固定筐体1Aの側面に固着される。また、取付板本体40には、固定筐体1Aと取付板本体40に設けられたテーパー面7、47とは逆方向の傾斜を有する溝部44が所定位置に設けられている。溝部44の中にはスライド板43を保持するための段差部46がある。スライド板43は溝部44と同形状に形成されており、溝部44の中の段差部46の上にスライド可能に収納される。
スライド板43にはねじ穴43Hが設けられており、スライド板43と、スライド装置本体30に収納される環状部品24の第1のスライド部材25とが、第1のスリット31を挿通するねじ29によって接続される。ねじ29はねじ穴43Hに螺着される。ねじ29はスライド板43から挿通してスライド板43に第1のスライド部材25を接続することもできる。更に、スライド板43と取付板本体40との間には、スライド板43を溝部44から押し出す方向に付勢力を作用させる弾性体45が取り付けられる。弾性体45は圧縮ばね等で構成することができる。
可動筐体側取付板42は、可動筐体2の側面の形状と同形状に形成されており、可動筐体2の側面に取り付けられる。また、可動筐体2に設けられたねじ穴42Hには、スライド装置本体30に収納される環状部品24の第2のスライド部材26が、第2のスリット32を挿通するねじ29によって接続される。ねじ29はねじ穴42Hに螺着される。ねじ29は可動筐体側取付板42挿通して、可動筐体側取付板42に第2のスライド部材25を接続することもできる。
図10は、本出願の第2の形態の筐体のスライド装置11を設置したスライド型情報端末6の可動筐体2Aを固定筐体1Aに対して開く場合の、図9に示した実施例の筐体のスライド装置11の動作を、段階(1)から段階(6)の6つの段階に分けて説明するものである。この説明においては、固定筐体1Aと可動筐体2Aの図示は省略し、固定筐体1Aと可動筐体2Aと同じ動きをする固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aのみが示してある。また、固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42A及び筐体のスライド装置11の位置を明確に示すために、スライド装置本体30の高さ方向の長さを実際よりも小さく描いてある。
図10の段階(1)に示すように、スライド型情報端末6が閉じた初期状態では、固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aとは上下方向に重なった状態にあり、スライド板43は溝部44内に収納されている。段階(2)から段階(4)は、段階(1)の状態から固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aとが次第に開いていく状態を示しているが、この説明では筐体のスライド装置11の動作を分かり易くするために、スライド装置本体30の位置を固定している。そして、この固定したスライド装置本体30に対して固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aとが、固定筐体1Aと可動筐体2Aの開く動作に応じて左右に移動していく様子を段階(1)から段階(6)に示してある。
段階(2)から段階(4)は、段階(1)の状態から固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aとが次第に開いていく状態であるが、この状態では、スライド板43は溝部44内に収納されたままである。一方、段階(5)に示すように、固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aとが開き切ると、固定筐体側取付板41Aのテーパー面47の上を可動筐体側取付板42Aのテーパー面48が滑り降りる。この時、同時に、溝部44内に収納されたスライド板43が、溝部44内を下降する。溝部44内に収納されたスライド板43は、圧縮ばね等の弾性体45によって溝部44から出る方向に付勢されているので、スライド板43はスムーズに溝部44内を下降する。
スライド板43が溝部44内を下降する状態は、スライド装置本体30から見れば、スライド板43の位置は変わらないので、固定筐体側取付板41Aの取付板本体40が、弾性体45による付勢力によってスライド装置本体30に対して上昇することになる。取付板本体40が、スライド装置本体30に対して上昇し切った状態が段階(6)であり、この状態では固定筐体側取付板41Aの上面と可動筐体側取付板42Aの上面が一致し、スライド型情報端末6が図8(c)に示したようにフルフラットになる。この実施例では、固定筐体側取付板41Aのテーパー面47と可動筐体側取付板42Aのテーパー面48の傾斜角度αは垂線に対して45度であり、溝部44の傾斜角度βは垂線に対して反対側に30度である。
このように、本出願の筐体のスライド装置11を設置したスライド型情報端末6の可動筐体2Aを固定筐体1Aに対して開く場合、可動筐体2Aが開き切った状態で、可動筐体2Aが固定筐体1Aに対して筐体のスライド装置11と共に下降してフルフラットになる。即ち、固定筐体1Aがリフトアップして、フルフラットになる。これは図9、図10に示すように、取付板本体40の溝部44内にリフトアップ用ばね(弾性体)45があるためであり、可動筐体2Aのスライド閉時は抑制されているが、スライド開時には解放されてリフトアップする。
一方、可動筐体2Aを開いた状態から閉じるスライド開時には、固定筐体1Aと可動筐体2Aが接触するテーパー面7,8と、溝部44のスライド板43の移動方向の両方に傾斜角度を持たせたので、スムーズに閉じることができる。即ち、固定筐体1Aと可動筐体2Aが接触するテーパー面7,8で、可動筐体2Aが上側になるように斜面角度を与えているために、可動筐体2Aを横方向にスライドさせて閉じる動作で、固定筐体1Aに押し下げる方向の力を与えることができる。
この時、テーパー面7,8の傾斜角度が楔のように鋭角なほど、固定筐体1Aを下方向に押し下げる力は大きいが、固定筐体1Aと可動筐体2Aのテーパー面7,8の部分の筐体高さが薄くなり、端までディスプレイ等の内部部品を配置することが困難になる。一方、テーパー面7,8の傾斜角度を大きくすると、可動筐体2Aを閉じる時に固定筐体1Aを下方向に押し下げる力が弱くなってしまう。しかし本実施例では、取付板本体40に設けた溝部44におけるスライド板43のスライド方向(リフト軸)にも傾斜角度を持たせている。このため、テーパー面7,8の傾斜角度が比較的大きくても(45度)でも、リフト軸(30〜45度)との差分(15〜0度)が小さくなり、可動筐体2Aを閉じる時に、固定筐体1Aを効率良く押し下げる力を与えてスムーズに閉じることができる。
ここで、本出願の第2の形態におけるフルフラット構造の角度について説明する。図11(a)に示すように、フルフラット時に接触する固定筐体側取付板41Aと可動筐体側取付板42Aのテーパー面47,48の角度をα、リフトアップする固定筐体側取付板41Aのリフト軸の垂直軸とのなす角度をβとする。前述のように、固定筐体側取付板41Aは固定筐体1Aと一体であり、可動筐体側取付板42Aは可動筐体2Aと一体であるので、固定筐体側取付板41Aは固定筐体1Aを示し、可動筐体側取付板42Aは可動筐体2Aを示すものとする。
また、スライドさせて閉じる時に可動筐体側取付板42Aを押す力をA、これのテーパー面48で固定筐体側取付板41Aに働く力をB、力Bにより固定筐体側取付板41Aが押し下げられるリフト軸方向の力の大きさをCとすると以下の式が成り立つ。
B=A cosα・・・・・・・(式1)
C=B cos(α−β)・・・(式2)
図11(b)に示すように、可動筐体側取付板42Aの厚みをPとすると、テーパー面48の角度αにより、鋭角部分ができ、部品を端まで配置できないデッドスペースQが生じる。同様に固定筐体側取付板41Aもスライド板43の溝部44内の移動軸(リフト軸)が傾斜しているためリフトアップ時に固定筐体側取付板41Aが横にずれるデッドスペースRが生じる。これらは角度α、βにより決まり、下記のようになる。
Q=P/tanα・・・・・・・(式3)
R=Ptanβ・・・・・・・・(式4)
図12から図13は、上記式(1)〜(4)をそれぞれ角度0〜90度の範囲でグラフにしたものである。簡略化のため、A=1、P=1とした。図12のグラフから分かるように、デッドスペースQは小さい方が良く、厚み同等以下が好ましく、Q≦1とすると、α=45〜90度が好ましい。また、図13から分かるように、デッドスペースRも小さい方が良く、R≦1とすると、β=0〜45度の範囲が好ましい。
更に、図14に示すグラフは、α=75度、80度、45度、30度、15度について、β=0〜90度の範囲でグラフにしたものであるが、固定筐体側取付板41Aを押し下げる時に働く力は大きい方が良いので、角度αは小さい方が良いことがわかる。ただし、図12から角度αが鋭角になるとデッドスペースQが大きくなってしまう。両方の兼ね合いから、角度α=45度近傍が適当である。図15に示すグラフは、図14におけるα=45の時の角度βと力Cのグラフを拡大したものである。図14から、力Cが最大値の95%の範囲が好ましいとすると、β=30〜60度とすれば良いことがわかる。
以上図12から図15に示される条件を合わせると、角度α、βは下記の範囲が好ましいことが分かる。
α=45度近傍
β=30〜45度の範囲
以上のことから、図10に示した実施例では角度αを45度、角度βを30度として筐体のスライド装置11を構成した。
以上、本出願を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本出願の容易な理解のために、本出願の具体的な形態を以下に付記する。
(付記1) スライド開閉する装置の固定筐体と可動筐体の、スライド方向に垂直な方向の側面に跨って設置され、前記可動筐体の最大スライド時に前記固定筐体の重なり面の全露出が可能な筐体のスライド装置であり、
前記側面側に底面を備える凹部が形成されたスライド装置本体と、
前記凹部内に収納され、前記固定筐体に取り付けられる所定長の第1のスライド部材と、
前記凹部内に収納され、前記可動筐体に取り付けられる所定長の第2のスライド部材と、
伸び縮み可能な柱状の弾性体と、該弾性体の両端部にそれぞれ揺動可能に連結された前記弾性体の横幅よりも大きな横幅を備えた駒部材とを有し、前記凹部内に収納されるアシストばね部材、及び
前記第1と第2のスライド部材が連動して移動するように両者を接続する接続部材とから構成され、
前記凹部の底面には、前記第1と第2のスライド部材をそれぞれ前記固定筐体と前記可動筐体に取り付けると共に、前記スライド装置本体を前記固定筐体と前記可動筐体に対して相対的に移動させるための平行な第1と第2のスリット、前記第1と第2のスリットの間の部分に前記スリットの延伸方向に沿って突設されたスライドガイド、及び前記凹部の両端部において前記接続部材の前記凹部内での移動のガイド部材が設けられており、
前記アシストばね部材の前記弾性体は、前記第1と第2のスライド部材と前記スライドガイドの隙間の何れか一方に挿入され、前記駒部材は前記スライドガイドの一端と前記スライドガイドの他端側に位置する前記第1又は第2のスライド部材の端部によって係止されており、
前記固定筐体と前記可動筐体が重なり合った状態と、前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした状態では、前記駒部材を係止する前記スライドガイドの端部と前記第1又は第2のスライド部材の端部が共に反対側の端部に変化することを特徴とする筐体のスライド装置。
(付記2) 前記第1と第2のスライド部材は同じ長さを備えており、前記スライドガイドは前記第1と第2のスライド部材よりも長く形成されており、前記固定筐体と前記可動筐体が重なり合った状態と、前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした状態では、前記第1と第2のスライド部材は前記スライドガイドの一端側と他端側にそれぞれ位置するように前記固定筐体と前記可動筐体に取り付けられていることを特徴とする付記1に記載の筐体のスライド装置。
(付記3) 前記弾性体が引っ張りばねであり、前記固定筐体と前記可動筐体が重なり合った状態及びその近傍の状態と、前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした状態とその近傍の状態では、前記駒部材は前記スライドガイドの一端と前記スライドガイドの他端側に位置する前記第1又は第2のスライド部材の端部とを近づける方向に付勢力を作用させ、前記可動筐体が前記固定筐体に対してスライドしている途中の状態において、前記駒部材が前記スライドガイドに対して付勢力を作用させない状態が存在することを特徴とする付記2に記載の筐体のスライド装置。
(付記4) 前記第1と第2のスライド部材の幅は前記第1と第2のスリットの幅よりも大きく、前記第1と第2のスライド部材は、前記第1と第2のスリットを通過するねじによって前記固定筐体と前記可動筐体に取り付けられていることを特徴とする付記1から3の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記5) 前記固定筐体と前記可動筐体の前記筐体のスライド装置に対向する側面にはそれぞれ、前記側面形状と同形状の第1の取付板と第2の取付板が固着されており、前記第1と第2のスライド部材は、前記ねじによって前記第1の取付板と第2の取付板にそれぞれ取り付けられることを特徴とする付記4に記載の筐体のスライド装置。
(付記6) 前記第1と第2のスライド部材は前記接続部材によって1つの環状部品となるように接続されていることを特徴とする付記1から5の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記7)前記第1と第2のスライド部材を接続する前記接続部材は押されても変形しない強固な部材で作られており、前記第1と第2のスライド部材の片側同士を接続することを特徴とする付記1から5の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記8) 前記凹部の形状が長円状であり、前記接続部材は帯状部材であり、前記凹部の両端部に位置する前記ガイド部材の前記凹部の両端部に対向する外周面は円周面であり、前記凹部の両端部と前記ガイド部材の前記外周面との間には、前記帯状部材が移動可能な移動通路が形成されていることを特徴とする付記6に記載の筐体のスライド装置。
(付記9) 前記スライド装置本体の外形は、前記固定筐体と前記可動筐体が重なり合った時の側面の外形と同じ形状に形成されていることを特徴とする付記1から8の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記10) 前記筐体のスライド装置は、前記スライド開閉する装置の固定筐体と可動筐体の、スライド方向に垂直な方向の両側の側面に取り付けられることを特徴とする付記1から9の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記11) 前記筐体のスライド装置は、前記スライド開閉する装置の固定筐体と可動筐体の、スライド方向に垂直な方向の何れか一方の側面に取り付けられることを特徴とする付記1から9の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記12) 前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした時に、前記可動筐体と前記固定筐体の端面に形成されたテーパー面によって前記可動筐体が前記固定筐体に対して移動し、前記固定筐体の露出面と前記可動筐体の上面とが同一面になるようにスライド開閉する装置に取り付けられる付記5に記載の筐体のスライド装置であって、
前記第2の取付板は、前記可動筐体の前記側面の形状と同形状に形成して前記可動筐体の前記側面及び前記第2のスライド部材に取り付け、
前記第1の取付板を、前記固定筐体に取り付ける取付板本体と、前記取付板本体に対してスライドするスライド板とから構成し、
前記取付板本体は、前記固定筐体の前記側面の形状と同形状に形成すると共に、所定位置に前記固定筐体に設けられた前記テーパー面とは逆方向の傾斜を有する溝部を設け、
前記スライド板は、前記溝部と同形状に形成して前記第1のスライド部材に取り付け、
前記スライド板と前記取付板本体との間には、前記スライド板を前記溝部から押し出す方向に付勢力を作用させる弾性体を取り付けたことを特徴とする筐体のスライド装置。
(付記13) 前記弾性体が圧縮ばねであることを特徴とする付記12に記載の筐体のスライド装置。
(付記14) 前記テーパー面の傾斜角度が前記スライド方向に対して45度であり、前記溝部の傾斜角度が前記スライド方向に対して60度であることを特徴とする付記12から13の何れかに記載の筐体のスライド装置。
(付記15) 前記ねじは、前記凹部の開口側から前記第1と第2のスライド部材に取り付けられることを特徴とする付記4又は5に記載の筐体のスライド装置。
(付記16)固定筐体に対して可動筐体がスライド開閉し、前記固定筐体と前記可動筐体のスライド方向に垂直な方向の側面に跨って、付記1〜15の何れかに記載の筐体のスライド装置が取り付けられたことを特徴とする電子機器。
1 固定筐体
2 可動筐体
3,4 情報端末
5,6 本出願の情報端末
7,8,47,48 テーパー面
10,11 本出願の筐体のスライド装置
18 アシストばね部材
19、45 引っ張りばね(弾性体)
20 駒部材
24 環状部品
25,26 スライド部材
27 接続部材(帯状部材)
30 スライド装置本体
31,32 スリット
35 ガイド部材
36 スライドガイド
37 移動通路
40 取付板本体
41,41A 第1の取付板
42,42A 第2の取付板
43 スライド板
44 溝部

Claims (6)

  1. スライド開閉する装置の固定筐体と可動筐体の、スライド方向に垂直な方向の側面に跨って設置され、前記可動筐体の最大スライド時に前記固定筐体の重なり面の全露出が可能な筐体のスライド装置であり、
    前記側面側に底面を備える凹部が形成されたスライド装置本体と、
    前記凹部内に収納され、前記固定筐体に取り付けられる所定長の第1のスライド部材と、
    前記凹部内に収納され、前記可動筐体に取り付けられる所定長の第2のスライド部材と、
    伸び縮み可能な柱状の弾性体と、該弾性体の両端部にそれぞれ揺動可能に連結された前記弾性体の横幅よりも大きな横幅を備えた駒部材とを有し、前記凹部内に収納されるアシストばね部材、及び
    前記第1と第2のスライド部材が1つの環状部品となるように両者を接続する接続部材とから構成され、
    前記凹部の底面には、前記第1と第2のスライド部材をそれぞれ前記固定筐体と前記可動筐体に取り付けると共に、前記スライド装置本体を前記固定筐体と前記可動筐体に対して相対的に移動させるための平行な第1と第2のスリット、前記第1と第2のスリットの間の部分に前記スリットの延伸方向に沿って突設されたスライドガイド、及び前記凹部の両端部において前記接続部材の前記凹部内での移動のガイド部材が設けられており、
    前記アシストばね部材の前記弾性体は、前記第1と第2のスライド部材と前記スライドガイドの隙間の何れか一方に挿入され、前記駒部材は前記スライドガイドの一端と前記スライドガイドの他端側に位置する前記第1又は第2のスライド部材の端部によって係止されており、
    前記固定筐体と前記可動筐体が重なり合った状態と、前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした状態では、前記駒部材を係止する前記スライドガイドの端部と前記第1又は第2のスライド部材の端部が共に反対側の端部に変化することを特徴とする筐体のスライド装置。
  2. 前記第1と第2のスライド部材は同じ長さを備えており、前記スライドガイドは前記第1と第2のスライド部材よりも長く形成されており、前記固定筐体と前記可動筐体が重なり合った状態と、前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした状態では、前記第1と第2のスライド部材は前記スライドガイドの一端側と他端側にそれぞれ位置するように前記固定筐体と前記可動筐体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の筐体のスライド装置。
  3. 前記第1と第2のスライド部材の幅は前記第1と第2のスリットの幅よりも大きく、前記第1と第2のスライド部材は、前記第1と第2のスリットを通過するねじによって前記固定筐体と前記可動筐体に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の筐体のスライド装置。
  4. 前記固定筐体と前記可動筐体の前記筐体のスライド装置に対向する側面にはそれぞれ、前記側面形状と同形状の第1の取付板と第2の取付板が固着されており、前記第1と第2のスライド部材は、前記ねじによって前記第1の取付板と第2の取付板にそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の筐体のスライド装置。
  5. 前記固定筐体に対して前記可動筐体が最大限スライドした時に、前記可動筐体と前記固定筐体の端面に形成されたテーパー面によって前記可動筐体が前記固定筐体に対して下降し、前記固定筐体の露出面と前記可動筐体の上面とが同一面になるようにスライド開閉する装置に取り付けられる請求項4に記載の筐体のスライド装置であって、
    前記第2の取付板は、前記可動筐体の前記側面の形状と同形状に形成して前記可動筐体の前記側面及び前記第2のスライド部材に取り付け、
    前記第1の取付板を、前記固定筐体に取り付ける取付板本体と、前記取付板本体に対してスライドするスライド板とから構成し、
    前記取付板本体は、前記固定筐体の前記側面の形状と同形状に形成すると共に、所定位置に前記固定筐体に設けられた前記テーパー面とは逆方向の傾斜を有する溝部を設け、
    前記スライド板は、前記溝部と同形状に形成して前記第1のスライド部材に取り付け、
    前記スライド板と前記取付板本体との間には、前記スライド板を前記溝部から押し出す方向に付勢力を作用させる弾性体を取り付けたことを特徴とする筐体のスライド装置。
  6. 固定筐体に対して可動筐体がスライド開閉し、前記固定筐体と前記可動筐体のスライド方向に垂直な方向の側面に跨って、請求項1〜5の何れか1項に記載の筐体のスライド装置が取り付けられたことを特徴とする電子機器。
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