JP5704065B2 - 放電イオン化電流検出器 - Google Patents

放電イオン化電流検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP5704065B2
JP5704065B2 JP2011275922A JP2011275922A JP5704065B2 JP 5704065 B2 JP5704065 B2 JP 5704065B2 JP 2011275922 A JP2011275922 A JP 2011275922A JP 2011275922 A JP2011275922 A JP 2011275922A JP 5704065 B2 JP5704065 B2 JP 5704065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
gas flow
gas
electrode
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011275922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013125022A (ja
JP2013125022A5 (ja
Inventor
品田 恵
恵 品田
重吉 堀池
重吉 堀池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2011275922A priority Critical patent/JP5704065B2/ja
Priority to US13/714,070 priority patent/US9784713B2/en
Priority to CN201210548770.0A priority patent/CN103163256B/zh
Publication of JP2013125022A publication Critical patent/JP2013125022A/ja
Publication of JP2013125022A5 publication Critical patent/JP2013125022A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5704065B2 publication Critical patent/JP5704065B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
    • G01N27/68Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using electric discharge to ionise a gas
    • G01N27/70Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using electric discharge to ionise a gas and measuring current or voltage
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/60Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrostatic variables, e.g. electrographic flaw testing
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/62Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode
    • G01N27/64Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using wave or particle radiation to ionise a gas, e.g. in an ionisation chamber
    • G01N27/66Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating the ionisation of gases, e.g. aerosols; by investigating electric discharges, e.g. emission of cathode using wave or particle radiation to ionise a gas, e.g. in an ionisation chamber and measuring current or voltage
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N30/64Electrical detectors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Description

本発明は、主としてガスクロマトグラフ(GC)用の検出器として好適な放電イオン化電流検出器に関し、更に詳しくは、低周波バリア放電を利用した放電イオン化電流検出器に関する。
GC用の検出器としては、熱伝導度検出器(TCD)、エレクトロンキャプチャ検出器(ECD)、水素炎イオン化検出器(FID)、炎光光度検出器(FPD)、フレームサーミオニック検出器(FTD)など、様々な方式の検出器が従来から実用に供されている。こうした検出器の中で最も一般的に、特に有機物を検出するために使用されているのはFIDである。FIDは、水素炎により試料ガス中の試料成分をイオン化し、そのイオン電流を測定するものであり、6桁程度の広いダイナミックレンジを達成している。しかしながら、FIDは、(1)イオン化効率が低いため十分に低い最小検出量が得られない、(2)アルコール類、芳香族、塩素系物質に対するイオン化効率が低い、(3)危険性の高い水素を必要とするため防爆設備等の特別な設備を設置する必要があり、取扱いも面倒である、といった欠点を有している。
一方、無機物から低沸点有機化合物までを高い感度で検出可能な検出器として、パルス放電イオン化電流検出器(PDD:Pulsed Discharge Detector)が従来知られている(例えば特許文献1を参照)。PDDでは、高圧のパルス放電によってヘリウム分子などを励起し、その励起状態にある分子が基底状態に戻る際に発生する光エネルギーを利用して分析対象の分子をイオン化する。そして、生成されたイオンによるイオン電流を検出し、分析対象の分子の量(濃度)に応じた検出信号を得る。
上記PDDでは一般的に、FIDよりも高いイオン化効率を達成することができる。一例を挙げると、プロパンに対するFIDのイオン化効率は0.0005%程度にすぎないのに対し、PDDでは0.07%程度のイオン化効率が得られている。しかしながら、それにも拘わらずPDDのダイナミックレンジはFIDに及ばず、1桁程度以上低いのが実状である。これが、PDDがFIDほど普及しない一つの原因である。
従来のPDDにおけるダイナミックレンジの制約要因は、イオン化のためのプラズマの不安定性やプラズマ状態の周期的変動であると考えられる。これに対し、プラズマ状態を安定化・定常化するために、低周波交流励起誘電体バリア放電(以下「低周波バリア放電」と称す)を利用した放電イオン化電流検出器が提案されている(例えば特許文献2を参照)。低周波バリア放電により生成されるプラズマは大気圧非平衡プラズマであり、高周波放電によるプラズマのような高温にはなりにくい。また、パルス高電圧励起によるプラズマのような印加電圧の状態の遷移に伴う周期的な変動も抑制され、安定した定常的なプラズマ状態が得られ易い。こうしたことから、本願発明者は低周波バリア放電を利用した放電イオン化電流検出器に関する様々な検討や提案を行ってきている(例えば特許文献3、4を参照)。
こうした低周波バリア放電を利用した放電イオン化電流検出器の従来構成の一例を図5に示す。
この放電イオン化電流検出器は、石英などの誘電体から成る円筒管41を備え、この内部が第1ガス流路42となっている。円筒管41の外壁面には、それぞれ所定距離離して、金属(例えばSUS、銅など)製の環状のプラズマ生成用電極43、44、45が周設されている。プラズマ生成用電極43、44、45と第1ガス流路42との間には円筒管41の壁面が存在するから、誘電体であるこの壁面自体が電極43、44、45の表面を被覆する誘電体被覆層として機能し、誘電体バリア放電を可能としている。
3個のプラズマ生成用電極43、44、45のうち、中央の電極43には低周波の高圧交流電圧を発生する励起用高圧電源55が接続され、この電極43の上下に配置された電極44、45はいずれも接地されている。
円筒管41の下部には、反跳電極50、バイアス電極52、及びイオン収集電極53が、絶縁部材51を間に介挿して配置されている。これらはいずれも同一内径の円筒形状体であり、それらの内側には円筒管41中の第1ガス流路42に連続した第2ガス流路49が形成されるから、電極50、52、53はこの第2ガス流路49中のガスに直接晒される。反跳電極50は接地されており、プラズマ中の荷電粒子がイオン収集電極53に到達することを防止する。これによって、ノイズを低減し、S/N比を改善することができる。バイアス電極52はバイアス直流電源61に接続され、イオン収集電極53はイオン電流検出部62に含まれる電流アンプ63に接続されている。第2ガス流路49中でバイアス電極52とイオン収集電極53の内側及びその間が実質的な電流収集領域である。
円筒管41の上端にはガス供給管46が接続されており、該ガス供給管46を通して図示しないガス供給源から所定のガスが第1ガス流路42中に供給される。第1ガス流路42と第2ガス流路49との接続部に位置する反跳電極50には第1ガス排出管47が接続され、第2ガス流路49の終端には第2ガス排出管48が接続されている。更に、第2ガス流路49中には細径の試料導入管54が挿入されており、試料導入管54を通して測定対象である試料成分を含む試料ガスが、第2ガス流路49中に供給される。
この放電イオン化電流検出器による検出動作を説明する。図5中に右向き矢印で示すように、ガス供給管46を通して第1ガス流路42中に希釈ガスを兼ねるプラズマガスが供給される。前記希釈ガスを兼ねるプラズマガスは第1ガス流路42中を下向きに流れる。そして、第1ガス流路42の下端でその一部が分岐されて第1ガス排出管47を経て外部へと排出され、残りのプラズマガスが希釈ガスとして試料ガスと混合され、電流収集領域に流れる。
上述したようにプラズマガスが第1ガス流路42中に流通している状態で、励起用高圧電源55は駆動され、励起用高圧電源55は低周波の高圧交流電圧をプラズマ生成用の電極43と電極44、45との間に印加する。これにより、第1ガス流路42中で電極44及び電極45で挟まれるプラズマ生成領域に放電が起こる。この放電は誘電体被覆層(円筒管41)を通して行われるため誘電体バリア放電である。この誘電体バリア放電によって、第1ガス流路42中を流れるプラズマガスが広く電離されてプラズマ(大気圧非平衡マイクロプラズマ)が発生する。
大気圧非平衡マイクロプラズマから放出された励起光は、第1ガス流路42及び第2ガス流路49中を通って試料ガスが存在する部位まで到達し、その試料ガス中の試料成分分子(又は原子)をイオン化する。こうして生成された試料イオンは、バイアス電極52に印加されているバイアス直流電圧の作用により、イオン収集電極53で電子を授受する。これにより、生成された試料イオンの量、つまりは試料成分の量に応じたイオン電流が電流アンプ63に入力され、電流アンプ63はこれを増幅して検出信号として出力する。このようにして、この放電イオン化電流検出器では、導入された試料ガスに含まれる試料成分の量(濃度)に応じた検出信号が出力される。
米国特許第5394092号明細書 米国特許第5892364号明細書 国際公開第2009/119050号パンフレット 特開2011-158357号公報
上記のような放電イオン化電流検出器をGCの検出器として用いる場合、一般に、第2ガス流路49の電流収集領域には沸点の高い有機物成分を含む試料ガスが導入される。そこで、こうした高沸点成分を気体状態に保つため、第2ガス流路49は、外部ヒータ(図示略)によって高温(最大450℃程度)に維持される。
上記の放電イオン化電流検出器では、バイアス電極52に100〜200 Vの電圧が印加される一方、イオン収集電極53では数fA程度の微少電流をも検出できる必要がある。そのため、バイアス電極52とイオン収集電極53の間の絶縁部材51の抵抗は、上述のような高温下で数TΩ以上であることが要求される。しかし、一般的なセラミックの抵抗率は高温になると急激に低下するため、このような要求に耐えられる材料は限られている。そのため、前記絶縁部材51には高純度アルミナ・サファイアなどの高価な材料を使用せざるを得ず、製造コスト増大の一因となっていた。
また、大気からのガス混入(リーク)を防ぐため、電流収集領域の周辺は高気密構造とする必要がある。そのため、各絶縁部材51と各電極(即ち、反跳電極50、バイアス電極52、イオン収集電極53)との接触面は、上述のような高温に耐え、且つ十分な気密となるような構造、例えば金ワッシャーなどによる気密シールを作る必要があった。
更に、こうした円筒形の絶縁部材51と電極50、52、53の積層構造では、絶縁体と金属という熱膨張率の異なる材料の接合部分が温度サイクルに晒されることによる応力発生や、高温の電極から室温の回路に電気配線を接続することによる熱流出や配線部の熱酸化など、長期的な耐久性を低下させる問題も有していた。
本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、低コストに製造することができ、且つ耐久性に優れた放電イオン化電流検出器を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明の放電イオン化電流検出器の第1の態様のものは、
内部にプラズマ生成用ガスが流通される第1ガス流路と、前記第1ガス流路の下流側に連通する第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路中での放電により前記プラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、第2ガス流路中にて該流路中に供給された試料ガス中の試料成分を前記プラズマの作用によってイオン化し、該イオン化された試料成分によるイオン電流を検出する放電イオン化電流検出器であって、
a)前記第1ガス流路の少なくとも一部を形成する誘電体管と、
b)前記誘電体管の外周に取り付けられたプラズマ生成用励起電極と、
c)前記第2ガス流路内に前記試料ガスと接触するように配置された金属電極と、
d)前記第1ガス流路内に挿入された電極構造体と、
を有し、
前記電極構造体が、誘電体で被覆された金属管と、絶縁体で被覆され前記金属管内に挿入された金属線とを含み、
前記金属管は、その一端が前記第1ガス流路の上流側で電気的に接地され、その他端が少なくともプラズマ生成用励起電極と対向する位置まで延伸し、
前記金属線は、その一端が前記第1ガス流路の上流側から外部に引き出されると共に、その他端に絶縁体被覆がない領域が形成されて該領域が第2ガス流路内に前記試料ガスと接触するように配置されており、
前記金属線の一端及び前記金属電極のいずれか一方がバイアス電源に接続され、他方がイオン電流検出用回路に接続されていることを特徴としている。
なお、前記の「誘電体で被覆された金属管」は、金属管の表面に誘電体から成る層を形成したものであってもよく、誘電体から成る管の内部に金属管を挿入したものであってもよい。同様に前記の「絶縁体で被覆され前記金属管内に挿入された金属線」は、金属線の表面に絶縁体から成る層を形成したものであってもよく、絶縁体から成る管の内部に金属線を挿入したものであってもよい。
上記構成から成る放電イオン化電流検出器では、前記金属線の絶縁体被覆がない領域が上述のバイアス電極又はイオン収集電極として機能する。この金属線は第1ガス流路の上流側から外部に引き出されており、該第1ガス流路の上流側は上述の電流収集領域に比べて低温に維持される。そのため、上記本発明の第1態様に係る放電イオン化電流検出器によれば、バイアス電極又はイオン収集電極の外部への引き出し部分に従来のような高耐熱性の気密シールや絶縁部材を用いる必要がなくなり、製造コストの低減を図ることができる
上記本発明の第1態様に係る放電イオン化電流検出器は、
前記金属電極が、両端が開放された筒型形状から成る筒状部と該筒状部の外周から径方向外側に延びる突出部とを有しており、前記筒状部が、前記第2ガス流路内にて前記金属線の絶縁体被覆がない領域を囲繞するように配置されると共に、前記突出部が、前記領域よりも下流側にて前記第2ガス流路の外部に引き出されて前記バイアス電源又はイオン電流検出用回路に接続されているものとすることが望ましい。
このような構成によれば、筒状部の先端付近にて試料ガス中の試料成分のイオン化及び該イオンの検出を行うと共に、それよりも下流側に配置された突出部にて金属電極を外部に引き出して電気配線と接続することができる。これにより、前記金属電極の引き出し部は試料成分のイオン化及び該イオンの検出が行われる領域(即ち、電流収集領域)よりも下流側に配置される。そのため、仮に該引き出し部から僅かに大気のリークがあったとしても、第2ガス流路内に混入した大気はガスの流れによって下流側に押し流され、電流収集領域に進入する虞がない。従って、このような構成によれば、前記引き出し部に厳密な気密性は要求されず、従来用いられていた金ワッシャーのような高気密性のシール部材に代えて、比較的安価な汎用の気密シールを使用することが可能となる。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る放電イオン化電流検出器の第2の態様のものは、
内部にプラズマ生成用ガスが流通される第1ガス流路と、前記第1ガス流路の下流側に連通する第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路中での放電により前記プラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、第2ガス流路中にて該流路中に供給された試料ガス中の試料成分を前記プラズマの作用によってイオン化し、該イオン化された試料成分によるイオン電流を検出する放電イオン化電流検出器であって、
a)前記第1ガス流路の少なくとも一部を形成する誘電体管と、
b)前記誘電体管の外周に取り付けられたプラズマ生成用励起電極と、
c)前記第1ガス流路内に挿入された複数の電極構造体と、
を有し、
前記各電極構造体が、誘電体で被覆された金属管と、絶縁体で被覆され前記金属管内に挿入された金属線とを含み、
前記金属管は、その一端が前記第1ガス流路の上流側で電気的に接地され、その他端が少なくともプラズマ生成用励起電極と対向する位置まで延伸し、
前記金属線は、その一端が前記第1ガス流路の上流側から外部に引き出されると共に、その他端に絶縁体被覆がない領域が形成されて該領域が第2ガス流路内に前記試料ガスと接触するように配置されており、
前記複数の電極構造体のうち、少なくとも1つに含まれる前記金属線の一端がバイアス電源に接続され、残りの電極構造体に含まれる前記金属線の一端がイオン電流検出用回路に接続されていることを特徴としている。
このような構成によれば、バイアス電極及びイオン収集用電極の外部への引き出し部をいずれも第1ガス流路の上流側に配置することができる。これにより、前記各電極の引き出し部を高温となる電流収集領域からなくすことができるため、高い耐熱性を備えた高価なシール部材や絶縁部材が不要となり、製造コストを一層低減することが可能となる。
上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る放電イオン化電流検出器は、
前記金属管の他端に誘電体被覆がない領域が形成され、該領域が前記プラズマ生成用励起電極よりも下流側で且つ前記金属線の絶縁体被覆がない領域よりも上流側に配置されているものとすることが望ましい。
前記金属管の一端は、上述の通り第1ガス流路の上流側にて電気的に接地されており、該金属管の他端に設けられた誘電体被覆がない領域は、プラズマ中の荷電粒子がイオン収集電極に到達するのを防ぐための反跳電極として機能する。そのため、上記構成によれば、前記プラズマ中の荷電粒子によるノイズを低減し、S/N比を改善することができる。
以上で説明した通り、本発明に係る放電イオン化電流検出器によれば、バイアス電極の外部への引き出し部及びイオン収集電極の外部への引き出し部のいずれか一方又は両方を比較的低温の領域に配置することができる。このため、金属から成る電極と絶縁部材との接触部や該電極と外部回路との接続部を高温領域に配置することによる耐久性の低下を抑えることができ、更に、上述の金ワッシャーや高純度アルミナ・サファイアなどの高価なシール部材や絶縁部材の使用量を抑えて製造コストの低減を図ることができる。
本発明の第1実施例による放電イオン化電流検出器の概略構成図。 本発明の第2実施例による放電イオン化電流検出器の概略構成図。 同実施例における電極形状の別の例を示す模式図。 同実施例における電極形状の更に別の例を示す模式図。 従来の放電イオン化電流検出器の概略構成図。
以下、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明する。
本発明の一実施例(第1実施例)による放電イオン化電流検出器について図1を参照して説明する。図1は第1実施例による放電イオン化電流検出器の概略構成図である。
本実施例の放電イオン化電流検出器は、石英などの誘電体から成る外部誘電体管10(本発明における「誘電体管」に相当)を備えている。外部誘電体管10としては、例えば外径が7 mm、内径が5 mmの石英管を用いることができる。外部誘電体管10の外周面には金属(例えばSUS、銅など)から成る環状電極11(本発明における「プラズマ生成用励起電極」に相当)が周設されている。
外部誘電体管10の上部には、上面が閉鎖され下面が開放された円筒形状を有する上側アダプタ12が取り付けられており、外部誘電体管10と上側アダプタ12の間はフッ素ゴム等から成るOリング13によって気密にシールされている。上側アダプタ12の周面にはガス供給管14が接続されている。なお、これら上側アダプタ12及びガス供給管14は、例えばSUS等の金属で構成されている。
外部誘電体管10の内部には石英などの誘電体から成る内部誘電体管15が配置されており、該内部誘電体管15の内部にはSUS等の金属から成る金属管16(本発明における「誘電体で被覆された金属管」に相当)が挿通されている。更に、該金属管16の内部にはアルミナ等から成る絶縁管17が挿通され、更にその内部にはSUS等の金属から成る金属線18(本発明における「絶縁体で被覆され金属管内に挿入された金属線」に相当)が挿通されている。これらの部材は、内部誘電体管15、金属管16、絶縁管17、金属線18の順に長くなっており、内部誘電体管15の上下端からは金属管16の上下端が突出し、金属管16の上下端からは絶縁管17の上下端が突出している。更に絶縁管17の上下端からは金属線18の上下端が突出している。以下、この内部誘電体管15、金属管16、絶縁管17、金属線18から成る構造物を電極構造体19と称する。
上側アダプタ12の上部には貫通孔が設けられており、該貫通孔には金属管16の上端部が溶接又は蝋付けによって固定されている。また、前記絶縁管17と金属線18は上側アダプタ12上部の前記貫通孔から外部に引き出され、上側アダプタ12の上面にて気密性接着剤20によって封止・固定されている。
上側アダプタ12は、電気配線(又はガス供給管14)によって電気的に接地されており、これにより、上述の金属管16も該上側アダプタ12を介して接地される。一方、環状電極11には励起用高圧電源21が接続されている。つまり本実施例の放電イオン化電流検出器では、これら金属管16と環状電極11とがプラズマ生成用の電極として機能する。環状電極11の内周面と金属管16の外周面の一部とは、外部誘電体管10と内部誘電体管15の壁面を挟んで対向している。そのため、誘電体であるこれらの壁面自体がプラズマ生成用の電極(即ち、環状電極11と金属管16)の表面を被覆する誘電体被覆層として機能し、誘電体バリア放電を可能としている。なお、励起用高圧電源21は、低周波の高圧交流電圧を発生するものであり、その周波数は1 [kHz] 〜100 [kHz] の範囲、更に好ましくは5 [kHz] 〜50 [kHz] の範囲とするとよい。また、交流電圧の波形形状は、正弦波、矩形波、三角波、鋸歯状などのいずれでもよい。
外部誘電体管10の下端は円筒状の中間アダプタ22に挿入されており、両者の間はフッ素ゴム等から成るOリング23によって気密にシールされている。また、中間アダプタ22の周面にはSUS等の金属から成る第1ガス排出管24が設けられている。
中間アダプタ22の下部には、円筒状の絶縁部材25、フランジ付金属管28、円筒状の絶縁部材29、及び下側アダプタ30がこの順に配置されている。フランジ付金属管28は、円筒部26と、該円筒部26の下端に形成され、該円筒部26の径方向外側に延びるフランジ部27とを有している。なお、このフランジ付金属管28が本発明における金属電極に相当し、円筒部26及びフランジ部27がそれぞれ本発明における筒状部及び突出部に相当する。円筒部26は外部誘電体管10の内径よりも小さな外径を有しており、外部誘電体管10の内部に下側から挿入される。一方、フランジ部27は前記中間アダプタ22、絶縁部材25、29及び下側アダプタ30の外径とほぼ同一の外径を有しており、絶縁部材25、29を介して中間アダプタ22の下端及び下側アダプタ30の上端によって挟持される。なお、前記中間アダプタ22、下側アダプタ30、及びフランジ付金属管28は、いずれもSUS等の金属で構成されており、中間アダプタ22、絶縁部材25、フランジ付金属管28、絶縁部材29、及び下側アダプタ30は、それぞれセラミック系の耐熱接着剤によって隣接する部材と接着されている。
下側アダプタ30は、上面が開放された有底円筒形状の部材であり、その周面にはSUS等の金属から成る第2ガス排出管31が接続される。下側アダプタ30の下面には貫通孔が設けられ、該貫通孔にはGCカラムの出口端に接続された試料導入管32が挿入される。試料導入管32はフランジ付金属管28の円筒部26内に引き込まれ、該試料導入管32の上端(即ち、試料ガス出口)は該円筒部26の上端と下端の間の高さ位置に配置される。
電極構造体19に含まれる金属線18の下端には、上述の通り、絶縁管17で被覆されない部分(露出部)が設けられている。該露出部はフランジ付金属管28の円筒部26の内側に上方から挿入され、該円筒部26の上端付近に配置される。これにより、試料ガス出口の直上に前記金属線18の露出部が配置されることとなる。更に、該金属線18は、上側アダプタ12から外部に引き出されてバイアス直流電源33に接続されており、フランジ付金属管28はイオン電流検出部34(本発明における「イオン電流検出用回路」に相当)に含まれる電流アンプ35に接続されている。つまり、本実施例の放電イオン化電流検出器では、前記金属線18下端の露出部がバイアス電極として機能し、フランジ付金属管28の円筒部26がイオン収集電極として機能する。つまり円筒部26の内壁と金属線18の露出部との間の空間が実質的な電流収集領域となる。
また、電極構造体19に含まれる金属管16は、上述の通り、上側アダプタ12を介して接地されており、更に該金属管16の下端には内部誘電体管15で被覆されない部分(露出部)が設けられている。この露出部は、フランジ付金属管28の直上に位置しており、プラズマ中の荷電粒子がイオン収集電極(即ち、円筒部26)に到達するのを防ぐための反跳電極として機能する。
なお、本実施例では、上側アダプタ12及び外部誘電体管10の内部空間であって内部誘電体管15の下端よりも上側の領域が本発明における第1ガス流路に相当し、外部誘電体管10、中間アダプタ22、及び下側アダプタ30の内部空間であって内部誘電体管15の下端よりも下側の領域が本発明における第2ガス流路に相当する。第2ガス流路は、試料ガスの気化状態を保つため、図示しない外部ヒータによって最大450℃程度まで加熱される。
この放電イオン化電流検出器による検出動作を説明する。図1中に右向き矢印で示すように、ガス供給管14を通して上側アダプタ12内に希釈ガスを兼ねるプラズマガスが供給される。プラズマガスは電離され易いガスであり、例えばヘリウム、アルゴン、窒素、ネオン、キセノンなどのうちの1種又はそれらを2種以上混合したガスを用いることができる。
上記希釈ガスを兼ねるプラズマガスは外部誘電体管10の内壁と内部誘電体管15の外壁の間を下向きに流れ、フランジ付金属管28の円筒部26の上端でその一部が分岐される。分岐されたプラズマガスは、外部誘電体管10の内壁と円筒部26の外壁の間を下向きに流れた後、外部誘電体管10の下端で外側上方に折り返す。そして、外部誘電体管10の外壁と中間アダプタ22の内壁の間を上向きに流れた後、第1ガス排出管24を経て外部に排出される。一方、残りのプラズマガスは、円筒部26の内壁で囲まれた空間に流入し、希釈ガスとして試料ガスと混合される。
上述したようにプラズマガスが外部誘電体管10の内壁と内部誘電体管15の外壁の間を流通している状態で、励起用高圧電源21が駆動され、励起用高圧電源21は低周波の高圧交流電圧をプラズマ生成用の電極である環状電極11と金属管16との間に印加する。これにより、環状電極11と金属管16で挟まれるプラズマ生成領域に放電が起こる。この放電は誘電体被覆層(外部誘電体管10及び内部誘電体管15)を通して行われるため誘電体バリア放電である。この誘電体バリア放電によって、外部誘電体管10の内壁と内部誘電体管15の外壁の間(即ち、第1ガス流路)を流れるプラズマガスが電離されてプラズマ(大気圧非平衡マイクロプラズマ)が発生する。
大気圧非平衡マイクロプラズマから放出された励起光は、外部誘電体管10の内壁と内部誘電体管15の外壁の間を通って試料ガスが存在する部位まで到達し、その試料ガス中の試料成分分子(又は原子)をイオン化する。こうして生成された試料イオンは、試料ガス出口の直上にあるバイアス電極(即ち、金属線18の露出部)の電界によってイオン収集電極(即ち、フランジ付金属管28の円筒部26)に集められ、電流出力として検出される。これにより、生成された試料イオンの量、つまりは試料成分の量に応じたイオン電流が電流アンプ35に入力され、電流アンプ35はこれを増幅して検出信号として出力する。このようにして、この放電イオン化電流検出器では、導入された試料ガスに含まれる試料成分の量(濃度)に応じた検出信号が出力される。
本実施例の構成により得られる効果を以下に説明する。本実施例の放電イオン化電流検出器では、バイアス電極の役割を果たす金属線18が希釈ガスを兼ねるプラズマガスの流れ(以下、プラズマガス流と呼ぶ)の上流側、即ち上側アダプタ12の上部から外部に引き出されている。この領域はプラズマガス流の下流側の領域、即ち第2ガス流路と違って試料ガスが流通しないため、試料成分の気化状態を維持できるほどの高温とする必要がない。そのため、本実施例では、バイアス電極と検出器の筐体の間(即ち、金属線18と上側アダプタ12の間)の気密シールに従来ほどの高い耐熱性が要求されない。その結果、バイアス電極用の気密シールとして、従来用いられていた金ワッシャーのような高価な高耐熱性シールに代えて、上記の気密性接着剤20のように比較的耐熱性が低く安価なシール部材を用いることが可能となる。なお、この部分には、気密性接着剤の他に、フッ素系Oリングによる気密シール等を採用することもできる。
また、本実施例の放電イオン化電流検出器では、バイアス電極(即ち金属線18)が、電気的に接地された金属管16の内部に挿入されてプラズマガス流の上流側から第1ガス流路及び第2ガス流路の内部に挿入されるため、絶縁管17の先端部が高温になることで抵抗が下がり、バイアス電極(金属線18)からのリーク電流が増加したとしても、その電流は接地された金属管16に流れるだけであり、イオン収集電極に流れ込むことはない。したがって、従来のようにバイアス電極とイオン収集電極の間を絶縁するための高抵抗セラミック(例えば高純度アルミナ・サファイア等)が不要になるという効果も得られる。このように絶縁管17の役割は、接地された金属管16とバイアスされた金属線18を高抵抗で分離することであるので、絶縁管17が金属線18表面を完全に被覆する必要はない。具体的には、短いアルミナスリーブなどを複数個、金属管16内に挿入し、金属線18と金属管16が接触しないように配置して、絶縁管17を構成することも可能である。
一方、イオン収集電極の役割を果たすフランジ付金属管28は、プラズマガス流の下流側(即ち第2ガス流路)に設けられている。上述の通り、第2ガス流路は高温になるため、フランジ付金属管28のフランジ部27と絶縁部材25、29の間の気密シールには従来と同様に比較的高い耐熱性が要求される。但し、フランジ付金属管28は、円筒部26がフランジ部27から上方に突き出した構造となっており、試料ガスのイオン化及びイオン化電流の検出は円筒部26の上端付近で行われる。つまり本実施例の構成では、前記フランジ部27と絶縁部材25、29との接触部が、試料ガスのイオン化及びイオン電流の検出が行われる領域(即ち電流収集領域)よりもプラズマガス流の下流側に位置することとなる。従って、前記接触部から僅かに大気のリークがあったとしても、第2ガス流路内に混入した大気はガスの流れよって下流側に押し流されて電流収集領域には到達しないため、ベースラインの上昇やノイズの増大を招来することはない。そのため、本実施例では、イオン収集電極と検出器の筐体との接続部(即ち、フランジ付金属管28のフランジ部27が絶縁部材25、29を介して中間アダプタ22及び下側アダプタ30と隣接する部分)に従来ほどの厳密な気密性は要求されない。その結果、該接続部には、従来用いられていた金ワッシャー等の高価な耐熱気密シールを使う必要がなくなり、例えば、上述のようにセラミック系の耐熱接着剤によって各部材同士を接着するだけで十分な気密性を達成可能となる。
また、本実施例において、フランジ付金属管28のフランジ部27が絶縁部材25、29を介して隣接しているのは中間アダプタ22と下側アダプタ30であり、これらはいずれも接地されている。そのため、絶縁部材25、29を構成する絶縁体の抵抗率が比較的低くても、リーク電流は殆ど流れない。従って、本実施例の放電イオン化電流検出器では、イオン収集電極と検出器の筐体の間の絶縁部材として従来用いられていた高抵抗セラミック等を使用する必要がなく、例えば、アルミナ等から成る比較的安価な絶縁部材を用いることができる。
なお、上記の例では、金属線18をバイアス電極として機能させ、フランジ付金属管28をイオン収集電極として機能させるものとしたが、これらは逆にしてもよい。即ち、金属線18を電流アンプ35に接続し、フランジ付金属管28をバイアス直流電源33に接続してもよい。
また、フランジ付金属管28に代わり、従来と同様の円筒状の金属電極を設け、これをイオン収集電極又はバイアス電極として機能させるようにしてもよい。但し、この場合には電流収集領域への大気の影響が無視できないため、該電極と検出器の筐体との接続部は従来と同様の高気密構造とする必要がある。
本発明の他の実施例(第2実施例)による放電イオン化電流検出器について図2を参照して説明する。図2は第2実施例による放電イオン化電流検出器の概略構成図である。同図において、第1実施例と同一の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施例に係る放電イオン化電流検出器は、電極構造体を2つ有している点、及びフランジ付金属管を有さず、中間アダプタと下側アダプタが一体部品(以下、下側アダプタ30と呼ぶ)になっている点で第1実施例と異なっている。
本実施例における2つの電極構造体(それぞれ、第1電極構造体19a、第2電極構造体19bと呼ぶ)は、いずれも第1実施例の電極構造体19と同一の構成を有している。即ち、内部誘電体管15a、15bの内部に金属管16a、16bが挿通され、該金属管16a、16bの内部には絶縁管17a、17bが、更にその内部には金属線18a、18bが挿通されている。そして、内部誘電体管15a、15bの上下端からは金属管16a、16bの上下端が突出し、金属管16a、16bの上下端からは絶縁管17a、17bの上下端が、更にその上下端からは金属線18a、18bの上下端が突出している。
上側アダプタ12の上部には2つの貫通孔が形成され、各貫通孔に金属管16a、16bの上端部を溶接又は蝋付けすることによって第1電極構造体19a及び第2電極構造体19bが外部誘電体管10の内部に固定されている。そして、前記絶縁管17a、17bと金属線18a、18bは前記貫通孔から外部に引き出され、それぞれ上側アダプタ12の上面にて気密性接着剤20によって封止・固定されている。
上述の通り、各電極構造体19a、19bに含まれる金属線18a、18bの下端には、それぞれ絶縁管17a、17bで被覆されない部分(露出部)が設けられている。これらの露出部は、いずれも下側アダプタ30の内部に上方から挿入され、試料導入管32の上端とほぼ同じ高さに配置される。更に、これらの金属線18a、18bのうち、第1電極構造体19aに含まれる金属線18aの上端は、バイアス直流電源33に接続されており、第2電極構造体19bに含まれる金属線18bの上端は、イオン電流検出部34に含まれる電流アンプ35に接続されている。つまり、本実施例の放電イオン化電流検出器では、前記金属線18a下端の露出部がバイアス電極として機能し、金属線18bの下端の露出部がイオン収集電極として機能する。従って、該金属線18a、18bの下端の周囲の空間が実質的な電流収集領域となる。
また、各電極構造体19a、19bに含まれる金属管16a、16bは、上側アダプタ12を介して電気的に接地されており、更にこれらの金属管16a、16bの下端には、それぞれ内部誘電体管15a、15bで被覆されない部分(露出部)が設けられている。これらの露出部は、前記電流収集領域の直上に配置され、プラズマ中の荷電粒子がイオン収集電極に到達するのを防ぐための反跳電極として機能する。なお、本実施例においても、上側アダプタ12及び外部誘電体管10の内部空間であって内部誘電体管15a、bの下端よりも上側の領域が本発明における第1ガス流路に相当し、外部誘電体管10及び下側アダプタ30の内部空間であって内部誘電体管15a、bの下端よりも下側の領域が本発明における第2ガス流路に相当する。また、第2ガス流路は、試料ガスの気化状態を保つため、図示しない外部ヒータによって最大450℃程度まで加熱される。
以上のような構成によれば、バイアス電極と検出器の筐体の接触部、及びイオン収集電極と検出器の筐体との接触部をいずれもプラズマガス流の上流側に配置することができる。これにより、従来、高温部(即ち、第2ガス流路)に設けられていた絶縁部材−金属電極間の気密シール部をなくすことができる。その結果、高耐熱性の気密シールや高温下で高い絶縁性を発揮し得る絶縁部材が不要となり、製造コストを一層低減することが可能となる。
なお、本実施例の放電イオン化電流検出器において、バイアス電極又はイオン収集電極として機能する部分(即ち、金属線18a、18bの下端)は、図2に示したような形状に限らず、例えば、図3、4に示すように、一方の電極を筒状やコイル状にして表面積を増大させたものとしてもよい。例えば、イオン収集電極として機能する側の金属線18bの下端形状を筒状又はコイル状にし、その筒又はコイルの内部にバイアス電極として機能する金属線18aの下端を配置することにより、イオン電流を効率よく収集することが可能となる。
また、図2の例では、電極構造体を2つ設ける構成を示したが、これに限らず電極構造体を3つ以上備えた構成としてもよい。これにより、例えば、1つのバイアス電極を取り囲むように複数のイオン収集電極を配置してイオン電流の収集効率を向上することが可能となる。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容されるものである。例えば、上記実施例では第1ガス流路と第2ガス流路の境界付近に第1ガス排出管24を設け、第2ガス流路の下流側に第2ガス排出管31を設けた構成としたが、第1ガス排出管24を有しない構成とすることもできる。また、上記実施例に係る放電イオン化電流検出器では反跳電極として機能する部分(金属管16、16a、16b下端の露出部)を設けたが、これを有しない(即ち金属管がその下端部まで誘電体で被覆されている)構成とすることも可能である。
10…外部誘電体管
11…環状電極
12…上側アダプタ
14…ガス供給管
15、15a、15b…内部誘電体管
16、16a、16b…金属管
17、17a、17b…絶縁管
18、18a、18b…金属線
19…電極構造体
19a…第1電極構造体
19b…第2電極構造体
20…気密性接着剤
21…励起用高圧電源
22…中間アダプタ
24…第1ガス排出管
25、29…絶縁部材
26…円筒部
27…フランジ部
28…フランジ付金属管
30…下側アダプタ
31…第2ガス排出管
32…試料導入管
33…バイアス直流電源
34…イオン電流検出部
35…電流アンプ

Claims (4)

  1. 内部にプラズマ生成用ガスが流通される第1ガス流路と、前記第1ガス流路の下流側に連通する第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路中での放電により前記プラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、第2ガス流路中にて該流路中に供給された試料ガス中の試料成分を前記プラズマの作用によってイオン化し、該イオン化された試料成分によるイオン電流を検出する放電イオン化電流検出器であって、
    a)前記第1ガス流路の少なくとも一部を形成する誘電体管と、
    b)前記誘電体管の外周に取り付けられたプラズマ生成用励起電極と、
    c)前記第2ガス流路内に前記試料ガスと接触するように配置された金属電極と、
    d)前記第1ガス流路内に挿入された電極構造体と、
    を有し、
    前記電極構造体が、誘電体で被覆された金属管と、絶縁体で被覆され前記金属管内に挿入された金属線とを含み、
    前記金属管は、その一端が前記第1ガス流路の上流側で電気的に接地され、その他端が少なくともプラズマ生成用励起電極と対向する位置まで延伸し、
    前記金属線は、その一端が前記第1ガス流路の上流側から外部に引き出されると共に、その他端に絶縁体被覆がない領域が形成されて該領域が第2ガス流路内に前記試料ガスと接触するように配置されており、
    前記金属線の一端及び前記金属電極のいずれか一方がバイアス電源に接続され、他方がイオン電流検出用回路に接続されていることを特徴とする放電イオン化電流検出器。
  2. 前記金属電極が、両端が開放された筒型形状から成る筒状部と該筒状部の外周から径方向外側に延びる突出部とを有しており、前記筒状部が、前記第2ガス流路内にて前記金属線の絶縁体被覆がない領域を囲繞するように配置されると共に、前記突出部が、前記領域よりも下流側にて前記第2ガス流路の外部に引き出されて前記バイアス電源又はイオン電流検出用回路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の放電イオン化電流検出器。
  3. 内部にプラズマ生成用ガスが流通される第1ガス流路と、前記第1ガス流路の下流側に連通する第2ガス流路とを有し、前記第1ガス流路中での放電により前記プラズマ生成用ガスからプラズマを生成させ、第2ガス流路中にて該流路中に供給された試料ガス中の試料成分を前記プラズマの作用によってイオン化し、該イオン化された試料成分によるイオン電流を検出する放電イオン化電流検出器であって、
    a)前記第1ガス流路の少なくとも一部を形成する誘電体管と、
    b)前記誘電体管の外周に取り付けられたプラズマ生成用励起電極と、
    c)前記第1ガス流路内に挿入された複数の電極構造体と、
    を有し、
    前記各電極構造体が、誘電体で被覆された金属管と、絶縁体で被覆され前記金属管内に挿入された金属線とを含み、
    前記金属管は、その一端が前記第1ガス流路の上流側で電気的に接地され、その他端が少なくともプラズマ生成用励起電極と対向する位置まで延伸し、
    前記金属線は、その一端が前記第1ガス流路の上流側から外部に引き出されると共に、その他端に絶縁体被覆がない領域が形成されて該領域が第2ガス流路内に前記試料ガスと接触するように配置されており、
    前記複数の電極構造体のうち、少なくとも1つに含まれる前記金属線の一端がバイアス電源に接続され、残りの電極構造体に含まれる前記金属線の一端がイオン電流検出用回路に接続されていることを特徴とする放電イオン化電流検出器。
  4. 前記金属管の他端に誘電体被覆がない領域が形成され、該領域が前記プラズマ生成用励起電極よりも下流側で且つ前記金属線の絶縁体被覆がない領域よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電イオン化電流検出器。
JP2011275922A 2011-12-16 2011-12-16 放電イオン化電流検出器 Active JP5704065B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011275922A JP5704065B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 放電イオン化電流検出器
US13/714,070 US9784713B2 (en) 2011-12-16 2012-12-13 Discharge ionization current detector
CN201210548770.0A CN103163256B (zh) 2011-12-16 2012-12-17 放电离子化电流检测器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011275922A JP5704065B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 放電イオン化電流検出器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013125022A JP2013125022A (ja) 2013-06-24
JP2013125022A5 JP2013125022A5 (ja) 2014-05-08
JP5704065B2 true JP5704065B2 (ja) 2015-04-22

Family

ID=48586515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011275922A Active JP5704065B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 放電イオン化電流検出器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9784713B2 (ja)
JP (1) JP5704065B2 (ja)
CN (1) CN103163256B (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104756334B (zh) * 2012-07-13 2017-05-10 Sp技术有限公司 在电极上设有导电体突出部的介质阻挡放电式的等离子产生电极结构
US11002684B2 (en) * 2012-10-25 2021-05-11 Agilent Technologies, Inc. Chemiluminescent detector having coating to reduce excited species adsorption
US9448177B2 (en) 2012-10-25 2016-09-20 Agilent Technologies, Inc. Flame photometric detector
CH707685A1 (de) * 2013-03-06 2014-09-15 Inficon Gmbh Ionisations-Vakuummesszelle mit Abschirmvorrichtung.
CN103776893B (zh) * 2014-02-17 2016-09-21 哈尔滨工业大学(威海) 一种介质阻挡放电电离源离子迁移谱仪
JP6350391B2 (ja) * 2015-05-22 2018-07-04 株式会社島津製作所 放電イオン化検出器
WO2017050361A1 (de) 2015-09-23 2017-03-30 Inficon ag Ionisations-vakuummesszelle
JP6775141B2 (ja) * 2016-09-08 2020-10-28 株式会社島津製作所 誘電体バリア放電イオン化検出器
JP6747197B2 (ja) * 2016-09-08 2020-08-26 株式会社島津製作所 誘電体バリア放電イオン化検出器
JP6743599B2 (ja) 2016-09-08 2020-08-19 株式会社島津製作所 誘電体バリア放電イオン化検出器
JP6675709B2 (ja) 2016-09-08 2020-04-01 株式会社島津製作所 誘電体バリア放電イオン化検出器
JP6747198B2 (ja) * 2016-09-08 2020-08-26 株式会社島津製作所 誘電体バリア放電イオン化検出器
KR102046637B1 (ko) * 2018-01-30 2019-11-19 한국기계연구원 공정 모니터링을 위한 플라즈마 반응기

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3447071A (en) * 1965-09-22 1969-05-27 Webb James E Probes having guard ring and primary sensor at same potential to prevent collection of stray wall currents in ionized gases
US3526828A (en) * 1967-08-07 1970-09-01 Univ Minnesota Method and apparatus for measuring particle concentration
SU1048395A1 (ru) * 1982-04-19 1983-10-15 Московский Ордена Октябрьской Революции И Ордена Трудового Красного Знамени Институт Стали И Сплавов Ионизационный детектор дл хроматографа
US5594346A (en) * 1991-02-28 1997-01-14 Valco Instruments Co., Inc. Apparatus and methods for identifying and quantifying compounds using a plurality of pulsed rare gas photoionization detectors
US5394092A (en) 1991-02-28 1995-02-28 Valco Instruments Co., Inc. System for identifying and quantifying selected constituents of gas samples using selective photoionization
US5394090A (en) * 1991-02-28 1995-02-28 Wentworth; Wayne E. Improved system for detecting compounds in a gaseous sample using induced photoionizations and electron capture detection
JPH10307123A (ja) * 1997-05-07 1998-11-17 Hitachi Ltd 光イオン化検出方法及び光イオン化検出器
US5892364A (en) 1997-09-11 1999-04-06 Monagle; Matthew Trace constituent detection in inert gases
US6333632B1 (en) * 1999-09-16 2001-12-25 Rae Systems, Inc. Alternating current discharge ionization detector
US6448777B1 (en) * 2001-08-20 2002-09-10 Agilent Technologies, Inc. Hermetically-sealed miniaturized discharge ionization detector
US6842008B2 (en) * 2003-03-11 2005-01-11 Stanley D. Stearns Gas detector with modular detection and discharge source calibration
US7812614B2 (en) * 2004-10-27 2010-10-12 Hitachi High-Tech Science Systems Corporation Electron capture detector and nonradiative electron capture detector
CN200968949Y (zh) * 2006-07-10 2007-10-31 尹俊荣 脉冲放电氦离子化气相色谱仪
JP4936492B2 (ja) * 2008-03-25 2012-05-23 国立大学法人大阪大学 放電イオン化電流検出器
JP5136300B2 (ja) * 2008-09-02 2013-02-06 株式会社島津製作所 放電イオン化電流検出器
CN101770924B (zh) * 2008-12-30 2013-07-03 株式会社岛津制作所 一种解吸电离装置
JP2011117854A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Osaka Univ 放電イオン化電流検出器
JP5423439B2 (ja) * 2010-02-01 2014-02-19 株式会社島津製作所 放電イオン化電流検出器

Also Published As

Publication number Publication date
US20130154658A1 (en) 2013-06-20
JP2013125022A (ja) 2013-06-24
US9784713B2 (en) 2017-10-10
CN103163256B (zh) 2015-04-01
CN103163256A (zh) 2013-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5704065B2 (ja) 放電イオン化電流検出器
US8421470B2 (en) Discharge ionization current detector
JP5470544B2 (ja) 放電イオン化電流検出器
JP6747198B2 (ja) 誘電体バリア放電イオン化検出器
CN107807196B (zh) 电介质阻挡放电离子化检测器
CN107807167B (zh) 电介质阻挡放电离子化检测器
JP6675709B2 (ja) 誘電体バリア放電イオン化検出器
JP5423439B2 (ja) 放電イオン化電流検出器
JP2013125022A5 (ja)
CN107807195B (zh) 电介质阻挡放电离子化检测器
JP5987969B2 (ja) 放電イオン化電流検出器
JP6350391B2 (ja) 放電イオン化検出器
JP2018040719A5 (ja)
JP5853914B2 (ja) 放電イオン化電流検出器およびガスクロマトグラフ
JP7408097B2 (ja) 放電イオン化検出器およびガスクロマトグラフ分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140326

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150209

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5704065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151