JP5703601B2 - ナノインプリント方法 - Google Patents

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本発明は、ナノインプリント用モールドに形成された微細な凹凸パターンを、被転写基板上に形成された硬化性樹脂に転写するナノインプリント方法に関し、より詳しくは、モールドの微細な凹凸パターンに樹脂を充填させる技術に関するものである。
近年、特に半導体デバイスについては、微細化の一層の進展により高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化などの高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスのパターンを作製する要となるリソグラフィ技術は、パターンの微細化が進むにつれ、露光装置などが極めて高価になってきており、また、それに用いるマスク価格も高価になっている。
これに対して、1995年Princeton大学のChouらによって提案されたナノインプリント法(インプリント法とも呼ばれる)は、装置価格や使用材料などが安価でありながら、10nm程度の高解像度を有する微細パターン形成技術として注目されている(特許文献1)。
ナノインプリント法は、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したモールド(テンプレート、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、半導体ウエハなどの被転写基板表面に塗布形成された樹脂に押し付けて、前記樹脂を力学的に変形させて前記凹凸パターンを転写し、このパターン転写された樹脂をレジストマスクとして被転写基板を加工する技術である。一度モールドを作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物が少ないナノ加工技術であるため、近年、半導体デバイスに限らず、さまざまな分野への応用が期待されている。
このようなナノインプリント法には、熱可塑性樹脂を用いて熱により凹凸パターンを転写する熱インプリント法や、光硬化性樹脂を用いて紫外線により凹凸パターンを転写する光インプリント法などが知られている(特許文献2)。
上記の光インプリント法は、室温でパターン転写でき、熱インプリント法のような加熱・冷却サイクルが不要でモールドや樹脂の熱による寸法変化が生じないために、解像性、アライメント精度、生産性などの点で優れていると言われている。
ここで、上述のようなナノインプリント法を用いて凹凸パターンを被転写基板に転写する際には、被転写基板上に形成された硬化前の樹脂を、モールドの凹凸パターンの形状に忠実に充填し、樹脂を硬化した後は、硬化した樹脂がモールドから離型されずに付着残留することに起因するパターン欠陥が発生しないように離型する必要がある。硬化前の樹脂充填に必要な時間を短縮するには、モールドと被転写基板の間の押圧力を増大させる方法があり、また、モールドと硬化後の樹脂の離型性を向上させるためには、モールド表面に離型層を形成する方法がある。
特表2004−504718号公報 特開2002−93748号公報
金原寿郎著 「基礎物理学 上巻」裳華房 1963年 J.N.イスラエルアチヴィリ著 近藤保/大島広行訳「分子間力と表面力」朝倉書店 1963第2版 1996年 D.K.Owens et al,J.Appl.Polym.Sci,13,1741−1747(1969)
しかしながら、高い押圧でモールドの微小な凹凸パターンに硬化前の流動性を有する樹脂を充填させる場合、樹脂が被転写基板の所望しない領域まで広がる恐れがある。また、モールドの変形を誘発してしまう恐れや、樹脂の広がりが不均一になるなどの恐れ、さらには、モールドもしくは被転写基板を破損してしまう恐れがあった。
一方、離型性を向上させるべく、表面自由エネルギーの小さい離型層をモールド表面に形成すると、離型する際の剥離力が小さくなるため、硬化後の樹脂がモールドに付着残留することに起因するパターン欠陥の低減には有効であるものの、硬化前における樹脂の充填を阻害してしまうという課題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高い押圧を要することなく、樹脂の充填を阻害することなく、モールドに形成された微小な凹凸パターンに、その形状に忠実に追従して樹脂を充填させることを可能とするナノインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、モールドに形成された微小な凹凸パターンへの樹脂の充填に関して、モールドの表面自由エネルギーと樹脂の表面自由エネルギーの関係や、樹脂の表面自由エネルギーの大きさ、および、モールドと樹脂との付着エネルギーと樹脂の表面自由エネルギーおよびその極性成分との関係等が、特定の条件を満たすものであれば、毛管力を効果的に利用することができ、これにより上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、モールドに形成された凹凸の転写パターンを、被転写基板上に形成された硬化性樹脂に転写するナノインプリント方法であって、前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーが、前記モールドの表面自由エネルギーよりも小さい値であり、前記モールドと前記硬化前の硬化性樹脂との付着エネルギーをW mold/resist とし、前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーをγ resist とした場合に、前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーの極性成分(γ p resist )の値が、W mold/resist /γ resist −1>0.996の範囲を満たす値であることを特徴とするナノインプリント方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーが、10mJ/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント方法である。
本発明によれば、毛管力を効果的に利用することにより、高い押圧を要することなく、モールドに形成された微小な凹凸パターンに、その形状に忠実に追従して硬化前の樹脂を充填させることができる。
ホール状の凹パターンを有するモールドにおける毛管浸透のモデルを示す説明図である。 ホール状の凹パターンを有するモールドにおける樹脂の浸透高さの時間依存性を示す図である。 ホール状の凹パターンを有するモールドのパターンサイズと樹脂の浸透到達高さの関係を示す図である。 樹脂の表面自由エネルギーと樹脂の浸透到達高さの関係を示す図である。 モールドと樹脂との付着エネルギーを説明する図である。 モールド表面の樹脂に働く力を説明する模式図である。 樹脂の表面自由エネルギーの極性成分と接触角との関係を示す図の一例である。 樹脂の表面自由エネルギーの極性成分と接触角との関係を示す図の他の例である。 モールドの表面自由エネルギーと付着エネルギーの最大値との関係を示す図である。 樹脂の表面自由エネルギーの極性成分と付着エネルギーとの関係を示す図の一例である。 樹脂の表面自由エネルギーの極性成分と付着エネルギーとの関係を示す図の他の例である。 毛管浸透の理論式のモデルを示す説明図である。
まず、本発明に係る樹脂の凹パターンにおける浸透到達高さについて説明する。
数式(1)は、円管内定常流の理論式(Hagen−Poiseulleの式)であり、半径r、長さhの円管の定常流の流量Qを、長さh端間の圧力差P、液体の粘性係数ηで記述するものである(非特許文献1)。図12は、そのモデルを示す説明図である。
Figure 0005703601
次に、図1に、ホール状の凹パターン(円柱状の孔パターン)を有するモールド1における毛管浸透のモデルを示す。図1に示す凹パターンは円管の上部が閉じられた系に相当し、流体である硬化前の樹脂2がこの凹パターンに毛管浸透し、凹パターンの底部(閉じられた円管の上部に相当)に気体3が閉じ込められている。図1に示すモデルにおいては、樹脂2と接するモールド1の表面とホール状の凹パターン内に浸透した樹脂表面との圧力差Pは、数式(2)のように表される。ここで、第1項は、ラプラス圧力に起因する成分であり、rはホール状の凹パターンの半径、γは樹脂の表面自由エネルギー、θは樹脂の凹パターン内壁での接触角、ηは樹脂の粘性係数を表す。第2項は、重力に起因する成分であり、ρは樹脂の密度、gは重力加速度、hは樹脂の浸透高さを示す。第3項は、モールドの押圧力の成分である。第4項は、閉じ込められた気体の圧力の成分であり、hは浸透高さ、hmは凹パターンの深さ、pairは大気圧を示す。
Figure 0005703601
上記の数式(1)に、数式(2)を代入したものを数式(3)に示す。
Figure 0005703601
ここで、流量Qは、体積速度であるため、数式(4)のようにも表される。なお、Vは流体の体積を、tは時間を示す。
Figure 0005703601
それゆえ、数式(3)と数式(4)から、次の数式(5)が導き出される。
Figure 0005703601
図2は、X軸を時間(t)、Y軸を浸透高さ(h)として上記数式(5)をプロットした図である。図2に示すように、浸透高さ(h)は、時間(t)の経過に伴って高くなるが、一定の時間を経過すると、変化の小さい安定した値となる。それゆえ、以降、この安定した値を浸透到達高さ(hC)とする。
次に、図1に示すホール状の凹パターンを有するモールドの毛管浸透のモデルにおける、凹パターンの開口サイズ(直径=2×r)と浸透到達高さ(hC)の関係について、以下説明する。なお、凹パターンの深さ(hm)は100nmとして説明する。
図3は、X軸が凹パターンの開口サイズ(直径=2×r)、Y軸が浸透到達高さ(hC)として、接触角(θ)を変化させた場合の上記数式(5)をプロットした図である。
なお、表面自由エネルギー(γ)は25mJ/m2、圧力(p)は3500Paとした。この圧力(p)の値は、モールド裏面側から押圧せずに、モールドを樹脂の上に静置しているだけの状態を想定したものである。
図3に示すように、凹パターンの開口サイズが20nm近傍では毛管力が強く、接触角(θ)が40度以下の樹脂であれば、浸透到達高さ(hC)は95nm以上、すなわち凹パターンの深さ(hm)の95%に達する。
ただし、モールドを押圧しない状態で、被転写基板上の樹脂をモールドの転写領域全体に広げるためには、接触角(θ)は可能な限り小さくする必要がある。モールドの転写領域全体の大きさは、例えば、40mm角程度である。
表1に転写面に各種離型層を設けた石英モールドにおける、純水と硬化性樹脂(東洋合成工業社製、PAK−01)の接触角の測定結果を示す。前記PAK−01は、ナノインプリントに一般的に用いられる硬化性樹脂である。
接触角測定装置としては、協和界面科学社製Drop Masterを用いた。
なお、表1において、Optool(登録商標)とは、フッ素系シラン化合物を主成分とする離型層(ダイキン工業社製、Optool−DSX)を、ODSとは、オクタデシルトリメトキシシラン(CH3(CH217Si(OCH33)をモールド上に気相成長法により形成した離型層を、HMDSとは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)雰囲気に、モールドを曝して、モールド上に形成したHMDSからなる離型層を、それぞれ示す。
Figure 0005703601
表1に示すように、離型層HMDSと樹脂PAK−01の系において接触角(θ)が最も小さい結果となった。しかしながら、このHMDSとPAK−01の系であっても、押圧しない状態では、樹脂はモールドの転写領域全体に広がりきらない場合がある。
それゆえ、樹脂の接触角(θ)は出来るだけ小さい値、例えば5度以下にすることが好ましい。
次に、図1に示すホール状の凹パターンを有するモールドの毛管浸透のモデルにおける、樹脂の表面自由エネルギー(γ)と浸透到達高さ(hC)の関係について、以下説明する。
図4は、X軸が樹脂の硬化前の表面自由エネルギー(γ)、Y軸が浸透到達高さ(hC)として、凹パターンの開口サイズ(直径=2×r)を変化させた場合の上記数式(5)をプロットした図である。なお、接触角(θ)は5度、凹パターンの深さ(hm)は100nm、圧力(p)は3500Paである。
図4に示すように、樹脂の表面自由エネルギー(γ)が小さくなると、浸透到達高さ(h C も小さくなり、この変化は、樹脂の表面自由エネルギー(γ)が10mJ/m2より小さくなると顕著になる。それゆえ、樹脂の表面自由エネルギー(γ)は10mJ/m2以上であることが好ましい。
次に、樹脂の表面自由エネルギー(γ)とモールドの付着エネルギー(Wmold/resist)の関係について、以下説明する。
図5は、モールドと樹脂との付着エネルギーを説明する図である。図面上の凹凸パターンは省略してある。なお、図5において、21はモールド、22は樹脂を示す。
ここで、図5(a)に示すように、接触している2つの媒質であるモールド21と樹脂22の単位面積を、図5(b)に示すように、引き離すのに必要な自由エネルギーの変化を示す付着エネルギーは、樹脂表面からモールドを引き離す付着エネルギーをWmold/resistとし、モールドの表面自由エネルギーをγmold 、樹脂の表面自由エネルギーをγresist、モールドとレジスト間の界面エネルギーをγmold/resistとすると、次の数式(6)で表される。
Figure 0005703601
一方、樹脂とモールドの固体表面との間の現象は、簡単には樹脂の固体表面への濡れの程度で表される。本発明において、表面自由エネルギーを求めるのに用いる接触角は、固体表面上におかれた液滴の表面と固体表面との交点において、液滴に引いた接線と固体表面とのなす角度で、液滴を含む側の角度を示す。
図6は、モールド表面の樹脂に働く力を説明する模式図である。図6に示すように、モールド31の表面に樹脂32が形成されたとき、濡れ性すなわち親水性、疎水性の程度を表す接触角に関して、モールドの表面自由エネルギーをγmold、モールドと樹脂間の界面エネルギーをγmold/resist、樹脂の表面自由エネルギーをγresist、接触角をθとすると、3つの矢印で示す力関係が釣り合い、数式(7)に示すヤング−デュプレ(Young−Dupre)の式(非特許文献2)が成り立つ。
Figure 0005703601
上記の数式(6)、(7)より、付着エネルギー(Wmold/resist)は、次の数式(8)で表される。したがって、樹脂の表面自由エネルギー(γresist)と接触角(θ)がわかれば、樹脂表面からモールドを引き離す付着エネルギー(Wmold/resist)を求めることができる。なお、樹脂の表面自由エネルギー(γresist)と接触角(θ)は計測により求めることができる。
Figure 0005703601
それゆえ、数式(8)から、次の数式(9)が導き出される。
Figure 0005703601

そして、数式(9)から、次の数式(10)に示す範囲において5度以下の接触角(θ)が得られることになる。
Figure 0005703601
一方、数式(11)に示すように、表面自由エネルギーγを分散相互作用による表面自由エネルギーγdと極性相互作用による表面自由エネルギーγpとの和とすると、オーエンス(Owens)の式(非特許文献3)から、下記の数式(12)、(13)が成り立つ。なお、γd resistおよびγp resistは、それぞれレジストの表面自由エネルギーの分散成分と極性成分であり、γd moldおよびγp moldは、それぞれモールド(モールド表面に離型層が設けられている場合は、その離型層)の表面自由エネルギーの分散成分と極性成分である。
Figure 0005703601
Figure 0005703601
Figure 0005703601
数式(13)が示す通り、付着エネルギー(Wmold/resist)は、樹脂とモールドの表面自由エネルギーの分散成分(γd resistおよびγd mold)と極性成分(γp resistおよびγp mold)で決まるが、付着エネルギーの最大値(Wmold/resistmax)は、数式(11)の関係から、分散成分と極性成分に依存せずに、数式(14)のように表される。
Figure 0005703601
図7は、X軸を樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)、Y軸を接触角(θ)として、上記数式(11)、(13)に基づき、上記数式(9)をプロットした図である。接触角は、液体と固体の表面自由エネルギーの分散成分、極性成分によって変わるため、極性成分の関数として示してある。なお、図7においては、樹脂の表面自由エネルギー(γresist)を25mJ/m2、モールドの表面自由エネルギーの極性成分(γp mold)をモールドの表面自由エネルギー(γmold)の1/2としている。
図7に示すように、樹脂の表面自由エネルギー(γresist)が、モールドの表面自由エネルギー(γmold)よりも小さい場合に、接触角(θ)が5度以下になる領域が現れる。
具体的には、図7において、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が20mJ/m2の場合には、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が如何なる値であっても、接触角(θ)は30度以上であるが、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が25mJ/m2の場合には、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が概ね11〜14mJ/m2の範囲で、接触角(θ)は5度以下になり、さらに、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が30mJ/m2の場合には、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が概ね4〜21mJ/m2の範囲で、接触角(θ)は5度以下になる。
図8は、図7におけるモールドの表面自由エネルギーの極性成分(γp mold)を、モールドの表面自由エネルギー(γmold)の1/5にして、図7と同様にプロットした例である。
図8に示すように、モールドの表面自由エネルギーの極性成分(γp mold)が変化すると、接触角(θ)が5度以下になる樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)の範囲も変化する。
具体的には、図7において、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が25mJ/m2の場合には、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が概ね11〜14mJ/m2の範囲で、接触角(θ)は5度以下になっていたが、図8においては、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が概ね4〜6mJ/m2の範囲で、接触角(θ)が5度以下になる。
一方、図9は、X軸をモールドの表面自由エネルギー(γmold)、Y軸を付着エネルギーの最大値(Wmold/resistmax)とし、樹脂の表面自由エネルギー(γresist)をパラメータとして、上記数式(14)をプロットしたものである。図9に示すように、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が小さいほど、及び/又は樹脂の表面自由エネルギー(γresist)が小さいほど、付着エネルギーの最大値(Wmold/resistmax)は小さくなる。したがって、モールドと樹脂の離型性を考えると、各々の表面自由エネルギーを小さくすることが望ましい。
さらに、表面自由エネルギーの極性成分、分散成分に着目して、付着エネルギーの増減を示す。図10は、X軸が樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)、Y軸が付着エネルギー(Wmold/resist)として、上記数式(13)をプロットした図である。なお、図10においては、図7と同様に、樹脂の表面自由エネルギー(γresist)を25mJ/m2、モールドの表面自由エネルギーの極性成分(γp mold)をモールドの表面自由エネルギー(γmold)の1/2としている。
図7、および図10に示すように、接触角(θ)が最小(若しくは、接触角が5度以下となる領域の中心)となる樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)において、付着エネルギー(Wmold/resist)は最大になる。
具体的には、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が25mJ/m2の場合には、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が概ね12mJ/m2の近傍で、接触角(θ)は最小になっており(図7)、付着エネルギー(Wmold/resist)は最大になっている(図10)。
次に、図11は、図10におけるモールドの表面自由エネルギーの極性成分(γp mold)を、モールドの表面自由エネルギー(γmold)の1/5にして、図10と同様にプロットした例である。
図11に示すように、モールドの表面自由エネルギーの極性成分(γp mold)が変化すると、付着エネルギー(Wmold/resist)が最大になる樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)の値も変化する。
そして、上述の図7と図10の関係と同様に、接触角(θ)が最小(若しくは、接触角が5度以下となる領域の中心)となる樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)において、付着エネルギー(Wmold/resist)は最大になる。
具体的には、モールドの表面自由エネルギー(γmold)が25mJ/m2の場合には、樹脂の表面自由エネルギーの極性成分(γp resist)が概ね5mJ/m2の近傍で、接触角(θ)は最小になっており(図8)、付着エネルギー(Wmold/resist)は最大になっている(図11)。
ここで、モールドと樹脂の離型性を考えると、付着エネルギーが最大となる領域は避けるべきである。したがって、硬化前の状態である樹脂の表面自由エネルギーの極性成分の値は、硬化後の樹脂とモールドとの付着エネルギーが最大となる樹脂の表面自由エネルギーの極性成分の値から、離れた値である樹脂であることが望ましいと思われる。
以上、説明したように、モールドに形成された微小な凹凸パターンへの樹脂の充填に関して、モールドの表面自由エネルギーと樹脂の表面自由エネルギーの関係や、樹脂の表面自由エネルギーの大きさ、および、モールドと樹脂との付着エネルギーと樹脂の表面自由エネルギーおよびその極性成分との関係等が、本発明において特定した範囲を満たすものであれば、転写領域の全てに樹脂が広がり、かつ、毛管力を効果的に利用することができるため、高い押圧を要することなく、モールドに形成された微小な凹凸パターン形状に、忠実に追従して樹脂を充填させることができる。
1、21、31・・・モールド
2、22、32・・・樹脂
3・・・気体
42・・・液体

Claims (2)

  1. モールドに形成された凹凸の転写パターンを、被転写基板上に形成された硬化性樹脂に転写するナノインプリント方法であって、
    前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーが、前記モールドの表面自由エネルギーよりも小さい値であり、
    前記モールドと前記硬化前の硬化性樹脂との付着エネルギーをW mold/resist とし、前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーをγ resist とした場合に、
    前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーの極性成分(γ p resist )の値が、
    mold/resist /γ resist −1>0.996
    の範囲を満たす値であることを特徴とするナノインプリント方法。
  2. 前記硬化性樹脂の硬化前の表面自由エネルギーが、10mJ/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント方法。
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