以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による携帯電話機100の構成について説明する。なお、第1実施形態では、本発明の「電子機器」および「携帯機器」の一例として、回転部材(回転板31)を備えた携帯電話機100に、本発明を適用した場合について説明する。
本発明の第1実施形態による携帯電話機100は、図1および図2に示すように、入力キー部側本体11(図2参照)と、表示部側本体12とから構成されている。また、携帯電話機100は、図2に示すように、表示部側本体12をX1側にスライドさせることによって、入力キー部側本体11を表示部側本体12の下方(X2側)に引き出すことが可能なように構成されている。
また、入力キー部側本体11には、図2に示すように、「0」から「9」までの数字、「アスタリスク」および「シャープ」が付された複数のキーからなる入力キー部13と、外部音声が入力されるマイク14とが設けられている。
また、表示部側本体12には、図1に示すように、表示画面部15と、表示部側操作キー部16と、音声が出力されるスピーカ17と、回転入力装置200とが設けられている。また、表示画面部15は、後述するメイン制御部18によって、メニュー画面、操作画面、音の高さ、音の長さ、音量およびテンポ(楽曲の速さ)を調整するための画面、楽曲を合成するための画面および楽曲を選択するための画面などが表示されるように構成されている。また、表示部側操作キー部16は、ユーザによって押下されることによりメニュー画面が表示画面部15に表示されるメニューキー16aと、電子メールに関する操作画面が表示画面部15に表示されるメールキー16bと、他の図示しない携帯電話機などとの通話開始に関する通話キー16cと、携帯電話機などとの通話終了に関する終話キー16dと、携帯電話機100の操作が前に戻されるクリアキー16eとからなる。また、回転入力装置200は、ユーザによって時計回り(A方向)および反時計回り(B方向)に回転されることが可能なように構成されているとともに、ユーザによって押下されることが可能なように構成されている。なお、回転入力装置200の具体的な構造については後述する。
また、携帯電話機100には、図3に示すように、メイン制御部18と、フラッシュROM(不揮発性ROMメモリ)19とが設けられている。このメイン制御部18は、携帯電話機100の制御処理を統括する役割を有している。また、フラッシュROM19には、楽曲作成用プログラムが記憶されているとともに、ユーザにより作成された楽曲を記憶することが可能なように構成されている。なお、メイン制御部18は、本発明の「制御手段」および「第2制御部」の一例である。
また、メイン制御部18は、フラッシュROM19に記憶されている楽曲作成用プログラムに基づいて、楽曲を作成可能なように構成されている。具体的には、メイン制御部18には、楽曲を構成する音の高さ、音の長さ、音量およびテンポ(楽曲の速さ)がそれぞれ調整される音の高さ調整モード、音の長さ調整モード、音量調整モードおよびテンポ調整モードと、異なる楽曲を合成して新たな楽曲を作成する曲合成モードとが設定されている。なお、音の高さ調整モード、音の長さ調整モードおよび音量調整モードは、楽曲を作成するモードであり、テンポ調整モードおよび曲合成モードは、作成された楽曲を編曲するモードである。
ここで、第1実施形態では、メイン制御部18は、各々の楽曲を作成するモードにおいて、ユーザによって回転入力装置200の後述する回転板31(図1参照)が回転操作されることによる後述する静電型エンコーダ37が検出した回転板31の状態に基づいて、音の高さ、音の長さおよび音量の程度を選択するとともに、ユーザによって回転板31が押下操作されることによって、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、楽曲を構成する音の高さ、音の長さおよび音量の程度を決定する制御を行うように構成されている。この際、回転板31の回転角度が大きくなるに従って、音の高さ、音の長さおよび音量の程度が大きくなるように構成されている。すなわち、回転板31の回転角度が大きくなるに従って、音の高さが高くなり、音の長さが長くなり、音量が大きくなるように構成されている。なお、メイン制御部18は、回転板31の回転方向(図1に示すA方向およびB方向)には依存せず、回転前の状態と回転後の状態とから算出される回転角度(スカラー量)に基づいて、楽曲を構成する音の高さ、音の長さおよび音量の程度を決定する制御を行うように構成されている。
また、メイン制御部18は、ユーザによって回転板31(図1参照)が1秒以上2秒未満の間押下され続ける押下操作(長押しの押下操作)またはダブルクリック(連続的な2回の押下操作)が行われることによって、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるように構成されている。具体的には、図4に示すように、メイン制御部18は、楽曲を作成するモードが音の高さ調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行するように構成されている。また、メイン制御部18は、楽曲を作成するモードが音の長さ調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行するように構成されている。また、メイン制御部18は、楽曲を作成するモードが音量調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行するように構成されている。
また、メイン制御部18は、音の高さ調整モード、音の長さ調整モードおよび音量調整モードのいずれかにおいて、ユーザによって回転板31が2秒以上の間押下され続けることによって、作成された楽曲をフラッシュROM19に記憶するように構成されている。そして、メイン制御部18は、フラッシュROM19に記憶された楽曲を読み出す際に、ユーザによって楽曲が選択された状態で回転板31が2秒未満押下されることによって、テンポ調整モードに切り替わる一方、ユーザによって回転板31が2秒以上の間押下され続けることによって、曲合成モードに切り替わるように構成されている。
また、メイン制御部18は、テンポ調整モードにおいて、ユーザによって回転板31が回転操作および押下操作されることによって、押下操作された際に選択されている小節をテンポが調整される小節に決定する制御を行うように構成されている。そして、メイン制御部18は、テンポ調整モードにおいて、ユーザによって回転板31が回転操作されることに基づいて、選択された小節のテンポの程度(速さ)を選択するとともに、ユーザによって回転板31が押下操作されることによって、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、選択された小節のテンポの程度を決定する制御を行うように構成されている。この際、回転板31の回転角度が大きくなるに従って、選択された小節のテンポの程度が大きくなるように構成されている。すなわち、回転板31の回転角度が大きくなるに従って、選択された小節のテンポが速くなるように構成されている。なお、メイン制御部18は、回転板31の回転方向(図1に示すA方向およびB方向)には依存せずに、回転前の状態と回転後の状態とから算出される回転角度(スカラー量)に基づいて、テンポの程度を決定する制御を行うように構成されている。
また、メイン制御部18は、曲合成モードにおいて、ユーザによって回転板31が回転操作および押下操作されることによって、押下操作された際に選択されている楽曲が合成される楽曲に決定するとともに、選択された楽曲(1曲目および2曲目)を合成して新たな楽曲を作成するように構成されている。
また、メイン制御部18は、後述する回転入力装置200の制御部21とUSBケーブル(図示せず)などの通信手段で接続されており、ユーザの回転操作に基づく回転角度や押下操作などに関するデータを回転入力装置200から受信することが可能なように構成されている。また、メイン制御部18は、スピーカ17や音声を出力可能な外部機器(図示せず)を介して作成された楽曲を音として出力することが可能なように構成されている。
また、図3に示すように、回転入力装置200には、操作本体部300と、制御部21と、制御部21から操作本体部300に印加される電圧を増幅するアンプ22と、一時的にデータを記憶するためのRAM(読取り書込み可能メモリ)23と、ROM(読取り専用メモリ)24とが設けられている。この制御部21は、回転式入力装置200が備える各種パラメータを変更することが可能なように構成されている。また、RAM23は、制御部21の作業領域として利用されるように構成されている。また、ROM24には、触感付与用プログラムが記憶されており、制御部21は、触感付与用プログラムに基づいて、操作本体部300においてユーザに触感を付与するように構成されている。なお、制御部21は、本発明の「制御手段」および「第1制御部」の一例である。
また、操作本体部300は、図5に示すように、平面的に見て、略円形形状を有する部分の上部において、ユーザにより回転可能に構成されている。また、操作本体部300は、図6に示すように、磁性材料である鉄からなる回転板31と、回転板31の下部側(Y1側)に設けられ、磁性材料である鉄からなる支持台32と、感圧センサ用FPC(フレキシブルプリント基板)33とを備えている。この支持台32は、回転板31を回転可能に支持するように構成されている。また、感圧センサ用FPC33は、支持台32の下部側(Y1側)に配置されている。また、感圧センサ用FPC33には、4つの感圧センサ33aが等角度(90度)間隔で搭載されている。この感圧センサ33aは、ユーザによる回転板31の押下操作を検出することが可能なように構成されている。また、感圧センサ用FPC33は、操作本体部300の外部に延びる配線部33bによって、操作本体部300の外部に配置された制御部21(図3参照)と接続されている。なお、回転板31は、本発明の「回転部材」の一例であり、感圧センサ33aは、本発明の「検出部」および「押下検出部」の一例である。
また、図6に示すように、回転板31は、中央に開口部31aを有する略円板状に形成されている。回転板31の上面は、ユーザが回転操作や押下操作といった入力操作を行う操作面を構成し、この上面には、ユーザが入力操作を行う際の滑り止め等として機能する突起31bが形成されている。また、回転板31の開口部31aには、ワッシャ34が配置されるとともに、ネジ35の頭部が配置される。このネジ35は、ワッシャ34および回転板31の開口部31aを貫通して、支持台32の円筒部32aに形成されたネジ穴に螺合されるように構成されている。これにより、ネジ35は、回転板31の回転軸となるように構成されている。
また、回転板31の下面の側面近傍と支持台32の上面の側面近傍との間には、リング状の摺動部材36が挟まれるように配置されている。この摺動部材36は、接着剤などによって回転板31の下面側に固着されており、回転板31の回転により摺動部材36も回転するように構成されている。また、摺動部材36は、少なくともY方向に弾性変形する部材で形成されている。なお、摺動部材36は、高分子ポリエチレンやシリコンゴムなどからなる。
また、回転板31と支持台32との間には空間が形成されている。この空間には、Y2側から静電型エンコーダ37と、両面テープ38と、励磁コイル39と、両面テープ40とが配置されている。この両面テープ38は、後述するステータ37bの下面と励磁コイル39の上面とを接着している。また、両面テープ40は、励磁コイル39の下面と支持台32とを接着している。
また、静電型エンコーダ37は、回転板31とともに回転するロータ(回転子)37aと、回転板31とともに回転しないステータ(固定子)37bと、ステータ37bから外部に延びる配線部37cとから構成されている。また、ロータ37aの下面には、中心に対して偏心するように略円形形状の電極部137aが設けられている。また、ステータ37bの上面には、4つの電極部137bが設けられている。また、静電型エンコーダ37は、操作本体部300の外部に延びる配線部37cによって、操作本体部300の外部に配置された制御部21(図3参照)と接続されている。
ここで、回転板31が回転すると、ロータ37aに設けられている電極部137aと、ステータ37bに設けられている4つの電極部137bとが相対的に移動することによって、電極部137aと電極部137bとの間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検出することによって、回転板31の回転角度を検出することが可能なように構成されている。なお、静電型エンコーダ37は、本発明の「検出部」および「角度検出部」の一例である。
また、励磁コイル39は、リング状になるように導線が複数回巻かれることにより形成されるコイル部39aと、コイル部39aから外部に延びる配線部39bとから構成されている。この配線部39bによって、励磁コイル39は操作本体部300の外部に配置された制御部21(図3参照)と接続されている。また、励磁コイル39は、制御部21から入力される電圧に応じて、電磁力が発生するように構成されている。この際、励磁コイル39からの電磁力によって、回転板31が吸引されて回転板31の回転方向(図1に示すA方向およびB方向)に抗する抵抗力が付与されるように構成されている。なお、励磁コイル39は、本発明の「触感付与部」の一例である。
また、励磁コイル39は、図7に示すように、回転板31の回転角度領域のうち、回転角度がθ1からθ2の間の回転角度領域、θ3からθ4の間の回転角度領域、θ5からθ6の間の回転角度領域およびθ7からθ8の間の回転角度領域である第1回転角度領域Cにおいては電圧が印加されて通電されるように構成されている。一方、励磁コイル39は、回転板31の回転角度領域のうち、回転角度がθ2からθ3の間の回転角度領域、θ4からθ5の間の回転角度領域およびθ6からθ7の間の回転角度領域である第2回転角度領域Dにおいては通電されないように構成されている。これにより、励磁コイル39が通電されることにより回転板31の回転方向(図1のA方向またはB方向)に抗する抵抗力が付与される状態と、励磁コイル39が通電されないことにより回転板31の回転方向に抗する抵抗力が解除される状態とが第1回転角度領域Cと第2回転角度領域Dとの間で交互に繰り返される。これにより、抵抗力の付与時の回転方向への抵抗感と抵抗力の解除時の回転方向への脱抵抗感とが繰り返されることによって、ユーザの回転部材を把持する指(手)に触感を付与するように構成されている。この結果、携帯電話機100は、制御部21によって、ユーザの回転板31の回転操作に基づいてユーザに触感を付与するとともに、メイン制御部18によって、ユーザによる楽曲を作成可能なように構成されている。
次に、図1、図3、および図7〜図22を参照して、本発明の第1実施形態における携帯電話機100を用いて楽曲を作成する際の制御フローについて説明する。
なお、携帯電話機100の楽曲作成時において、ユーザによって回転板31(図1参照)が回転操作された際には、ユーザに触感を付与するために、制御部21(図3参照)によって、第1回転角度領域C(図7参照)において励磁コイル39(図3参照)が通電され、第2回転角度領域D(図7参照)において励磁コイル39が通電されない制御が行われる。
まず、ユーザにより図1に示す携帯電話機100のメニューキー16aが押下されることにより、メイン制御部18(図3参照)によって、図示しないメニュー画面が表示画面部15に表示される。そして、ユーザにより入力キー部13、表示部側操作キー部16および回転入力装置200が操作されることにより、メイン制御部18によって、フラッシュROM19(図3参照)に記憶されている楽曲作成用プログラムが起動される。これにより、携帯電話機100における楽曲作成の制御がメイン制御部18において行われる。
まず、図8に示すように、ステップS1において、メイン制御部18によって、楽曲作成のモードが音の高さ調整モードに切り替えられる。なお、まだ楽曲が作成されていない場合には、図9に示すように、表示画面部15に音符や休符が表示されていない五線譜が表示される。
次に、ステップS2において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31(図1参照)が1秒以上2秒未満の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS2において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音の長さ調整モードに移行したと判断されて図13に示すステップS21に進む。また、ステップS2において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下されていないと判断された場合には、ステップS3に進み、ユーザにより回転板31がダブルクリックされたか否かが判断される。ステップS3において、回転板31がダブルクリックされたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音量調整モードに移行したと判断されて図18に示すステップS41に進む。また、ステップS3において、回転板31がダブルクリックされていないと判断された場合には、音の高さ調整モードが維持されてステップS4に進む。
次に、ステップS4において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS4において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、ステップS6に進む。また、ステップS4において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS5に進み、回転板31の回転角度に基づいて、音の高さが選択された音符が表示画面部15に表示される。そして、ステップS6に進む。
この際、図10に示すように、回転板31の回転角度がα1である場合には、「ミ」が音の高さとして選択される。また、回転板31の回転角度がα2である場合には、「ファ」が音の高さとして選択される。また、回転板31の回転角度がα3である場合には、「ソ」が音の高さとして選択される。また、回転板31の回転角度がα4である場合には、「ラ」が音の高さとして選択される。また、回転板31の回転角度がα5である場合には、「シ」が音の高さとして選択される。また、回転板31が回転されずに押下された場合には、休符が選択および決定される。
なお、図10は、回転板31の回転角度と音の高さとの関係を部分的にのみ示しており、より大きな回転角度とより高い音を対応させるとともに、より小さな回転角度とより低い音とを対応させることが可能である。また、回転角度によっては、音の高さが半音(シャープまたはフラット)になるように調整することも可能である。
そして、ステップS6では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS6において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS4に戻る。また、ステップS6において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS7に進む。
そして、ステップS7において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転された後に押下されたか否かが判断される。ステップS7において、回転板31が回転された後に押下されたと判断された場合には、ステップS8において、押下された際の回転板31の回転角度に基づいて、表示画面部15に表示されている音符の音の高さが決定される。なお、図11に示すように、回転角度がα4の場合には、「ラ」の位置に音符が配置される。そして、ステップS10に進む。また、ステップS7において、回転板31が回転されない状態で押下されたと判断された場合には、ステップS9において、休符が表示画面部15に表示されるとともに配置される。そして、ステップS10に進む。
ステップS10では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が2秒以上の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS10において、回転板31が2秒以上の間押下され続けていないと判断された場合には、ステップS2に戻り、音の長さ調整モードへの移行、音量調整モードへの移行または音の高さ調整モードにおける新たな音符の高さの調整が行われる。また、ステップS10において、メイン制御部18によって、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、ステップS11において、作成された楽曲がフラッシュROM19に保存される。そして、メイン制御部18による楽曲作成が終了される。
なお、第1実施形態では、図12に示すように、図8に示すステップS2からステップS10が繰り返されることにより4つの音符からなる楽曲が作成された状態で、ステップS2において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたことによって、楽曲作成のモードが音の長さ調整モードへ移行する場合について説明する。
次に、音の高さ調整モードにおいて回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたと判断された場合(図8のステップS2)および後述する音量調整モードにおいて回転板31がダブルクリックされたと判断された場合(図18のステップS46)には、図13に示すように、ステップS21において、メイン制御部18によって、楽曲作成のモードが音の長さ調整モードに切り替えられる。そして、ステップS22において、音の高さ調整モードにおいて音の高さが決定された音符または休符があるか否かが判断される。ステップS22において、音の高さが決定された音符または休符がないと判断された場合には、ステップS23において、図示しないエラー表示が表示画面部15に表示されて、メイン制御部18による楽曲作成が終了される。
また、ステップS22において、メイン制御部18によって、音の高さが決定された音符または休符があると判断された場合には、ステップS24において、表示画面部15に音の長さを調整する音符または休符からなる楽曲が表示されるとともに、音の長さが調整される音符または休符が選択されて、選択された音符または休符が点滅表示される。なお、第1実施形態では、図14に示すように、左端に位置する音符が選択されているとともに、選択された音符が点滅表示されている。
次に、ステップS25において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS25において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音量調整モードに移行したと判断されて図18に示すステップS41に進む。また、ステップS25において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下されていないと判断された場合には、ステップS26に進み、ユーザにより回転板31がダブルクリックされたか否かが判断される。ステップS26において、回転板31がダブルクリックされたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音の高さ調整モードに移行したと判断されて図8に示すステップS1に進む。また、ステップS26において、回転板31がダブルクリックされていないと判断された場合には、音の長さ調整モードが維持されてステップS27に進む。
次に、ステップS27において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS27において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、回転されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。そして、ステップS27において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS28に進み、回転板31の回転角度に基づいて、音の長さが選択された音符および休符が表示画面部15に表示される。そして、ステップS29に進む。
この際、図15に示すように、回転板31の回転角度がβ1である場合には、「8分音符(休符)」が音の長さとして選択される。また、回転板31の回転角度がβ2である場合には、「4分音符(休符)」が音の長さとして選択される。また、回転板31の回転角度がβ3である場合には、「2分音符(休符)」が音の長さとして選択される。また、回転板31の回転角度がβ4である場合には、「全音符(休符)」が音の長さとして選択される。
なお、図15は、回転板31の回転角度と音の長さとの関係を部分的にのみ示しており、より大きな回転角度とより長い音を対応させるとともに、より小さな回転角度とより短い音とを対応させることが可能である。また、回転角度によっては、音の長さが付点(付点4分音符など)になるように調整することも可能である。
そして、ステップS29では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS29において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS27に戻る。また、ステップS29において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS30において、押下された際の回転板31の回転角度に基づいて、表示画面部15に表示されている音符の音の長さが決定される。なお、図16に示すように、回転角度がβ1の場合には、左端の音符が8分音符の長さに決定される。そして、ステップS31に進む。
ステップS31では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が2秒以上の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS31において、回転板31が2秒以上の間押下され続けていないと判断された場合には、ステップS22に戻り、メイン制御部18によって、次に音の長さが調整される音符または休符があるか否かが判断される。そして、音量調整モードへの移行、音の高さ調整モードへの移行または音の長さ調整モードにおける新たに選択された音符または休符の長さの調整が行われる。また、ステップS31において、メイン制御部18によって、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、ステップS32において、作成された楽曲がフラッシュROM19に保存される。そして、メイン制御部18による楽曲作成が終了される。
なお、第1実施形態では、図17に示すように、音の高さ調整モードにおいて作成された4つの音符からなる楽曲の4つの音符すべてにおいて図13に示すステップS22からステップS31が繰り返されることにより音の長さが調整された状態で、ステップS25において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたことによって、楽曲作成のモードが音量調整モードへ移行する場合について説明する。
次に、音の高さ調整モードにおいて回転板31がダブルクリックされたと判断された場合(図8のステップS3)および音の長さ調整モードにおいて回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたと判断された場合(図13のステップS25)には、図18に示すように、ステップS41において、メイン制御部18によって、楽曲作成のモードが音量調整モードに切り替えられる。そして、ステップS42において、音の高さ調整モードにおいて音の高さが決定された音符があるか否かが判断される。ステップS42において、音の高さが決定された音符がないと判断された場合には、ステップS43において、図示しないエラー表示が表示画面部15に表示されて、メイン制御部18による楽曲作成が終了される。
また、ステップS42において、メイン制御部18によって、音の高さが決定された音符があると判断された場合には、ステップS44において、図19に示すように、表示画面部15に音量を調整する音符が含まれる楽曲が表示されるとともに、楽曲が表示された五線譜の下方には、音量をグラフ化して表示するためのグラフ表示領域が表示される。このグラフ表示領域の左端には、音量が数値化して示されており、音量が最も大きい値として「100」と表示されているとともに、音量が最も小さい値として「0」と表示されている。なお、音量が「0」の場合には、音符の音量がないことになるため、音符は実質的に休符になる。なお、第1実施形態では、図19に示すように、表示画面部15に音の高さおよび音の長さが調整された4つの音符からなる楽曲が表示される。また、ステップS44では、メイン制御部18によって、音量が調整される音符が選択される。なお、第1実施形態では、図19に示すように、左端に位置する音符が選択されているとともに、左端に位置する音符の下に位置するグラフ表示領域には、音量調節バーが表示されている。この音量調節バーは、ユーザの回転操作に基づいて、上下方向に移動するように表示される。
次に、ステップS45において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS45において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続けたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音の高さ調整モードに移行したと判断されて図8に示すステップS1に進む。また、ステップS45において、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下されていないと判断された場合には、ステップS46に進み、ユーザにより回転板31がダブルクリックされたか否かが判断される。ステップS46において、回転板31がダブルクリックされたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音の長さ調整モードに移行したと判断されて図13に示すステップS21に進む。また、ステップS46において、回転板31がダブルクリックされていないと判断された場合には、音量調整モードが維持されてステップS47に進む。
次に、ステップS47において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS47において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS48に進み、回転板31の回転角度に基づいて、グラフ表示領域に表示された音量調節バーが、所定の音量に対応する位置に表示される。そして、ステップS49に進む。また、ステップS47において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、ステップS49に進む。
この際、図20に示すように、回転板31が回転されずに押下された場合には、「0」が音量として選択および決定される。また、回転板31の回転角度がγ1である場合には、「40」が音量として選択される。また、回転板31の回転角度がγ2である場合には、「60」が音量として選択される。また、回転板31の回転角度がγ3である場合には、「80」が音量として選択される。
そして、ステップS49では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS49において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS47に戻る。また、ステップS49において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS50において、押下された際の回転板31の回転角度に基づいて、表示画面部15に表示されている音符の音量が決定される。なお、図21に示すように、回転角度がγ1の場合には、左端の音符の音量が「40」に決定される。そして、ステップS51に進む。
ステップS51では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が2秒以上の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS51において、回転板31が2秒以上の間押下され続けていないと判断された場合には、ステップS42に戻り、メイン制御部18によって、次に音量が調整される音符があるか否かが判断される。そして、音の高さ調整モードへの移行、音の長さ調整モードへの移行または音量調整モードにおける新たに選択された音符の音量の調整が行われる。また、ステップS51において、メイン制御部18によって、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、ステップS52において、作成された楽曲がフラッシュROM19に保存される。そして、メイン制御部18による楽曲作成が終了される。
なお、第1実施形態では、図22に示すように、音の高さ調整モードにおいて作成された4つの音符からなる楽曲の4つの音符すべてにおいて音の長さと音量とが調整された状態で、ステップS51において、回転板31が2秒以上の間押下され続けて、ステップS52において、作成された楽曲がフラッシュROM19に保存される。
次に、図1、図3、図7および図23〜図30を参照して、本発明の第1実施形態における携帯電話機100を用いてすでに作曲された楽曲を編曲する際の制御フローについて説明する。
なお、携帯電話機100の編曲時において、回転板31(図1参照)が回転操作された際には、ユーザに触感を付与するために、制御部21(図3参照)によって、第1回転角度領域C(図7参照)において励磁コイル39(図3参照)が通電され、第2回転角度領域D(図7参照)において励磁コイル39が通電されない制御が行われる。
まず、メイン制御部18(図3参照)によって、フラッシュROM19(図3参照)に記憶されている楽曲作成用プログラムが起動されている状態で、ユーザにより入力キー部13、表示部側操作キー部16および回転入力装置200が操作されることにより、図23に示すように、ステップS61において、メイン制御部18によって、フラッシュROM19に記憶されている楽曲を選択する楽曲選択画面が表示される。なお、第1実施形態では、図24に示すように、楽曲データであるデータ1とデータ2とが表示された楽曲選択画面が表示画面部15に表示されている。この際、データ1が枠に囲われており、データ1が選択状態であることを示している。そして、ステップS62に進む。
ステップS62では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS62において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS63に進み、回転板31の回転操作に基づいて、フラッシュROM19に記憶されている楽曲のうち選択される楽曲が変更される。具体的には、ユーザにより回転板31が時計回り(図24のA方向)に回転されることによって、枠が下に位置するデータを囲うように移動する一方、ユーザにより回転板31が反時計回り(図24のB方向)に回転されることによって、枠が上に位置するデータを囲うように移動するように表示される。そして、ステップS64に進む。また、ステップS62において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、ステップS64に進む。
ステップS64では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS64において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS62に戻る。また、ステップS64において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS65に進む。
次に、ステップS65において、ユーザにより回転板31が2秒以上の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS65において、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、楽曲を編曲するモードが曲合成モードに移行したと判断されて図28に示すステップS81に進む。また、ステップS65において、回転板31が2秒以上の間押下され続けていないと判断された場合には、楽曲を編曲するモードがテンポ調整モードに移行したと判断されてステップS66に進み、メイン制御部18によって、テンポ調整モードに切り替えられる。そして、押下された際に選択された楽曲に対してテンポ(楽曲の速さ)調整が行われる。この際、図25に示すように、選択された楽曲の音符および休符が1小節ごとに分けられて表示画面部15に表示される。そして、ステップS67に進む。
ステップS67では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS67において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS68に進み、回転板31の回転操作に基づいて、選択された楽曲のうちテンポ調整される小節が変更される。具体的には、図25に示すように、ユーザにより回転板31が時計回り(A方向)に回転されることによって、楽曲の後方に位置する小節が選択される一方、ユーザにより回転板31が反時計回り(B方向)に回転されることによって、楽曲の前方に位置する小節が選択される。なお、選択されている小節は点滅表示される。そして、ステップS69に進む。また、ステップS67において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、ステップS69に進む。
ステップS69では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS69において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS67に戻る。また、ステップS69において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS70において、押下された際に点滅表示されている小節がテンポ調整される小節に決定される。そして、ステップS71に進む。
ステップS71では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS71において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、回転されたと判断されるまでこの判断が繰り返される。ステップS71において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS72に進み、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS72において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS71に戻る。また、ステップS72において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS73において、押下された際の回転板31の回転角度に基づいて、選択されている小節のテンポ(楽曲の速さ)が決定される。
この際、図26に示すように、回転板31の回転角度がδ1である場合には、1分間に4分音符が100回含まれる速さが小節のテンポとして選択および決定される。また、回転板31の回転角度がδ2である場合には、1分間に4分音符が140回含まれる速さが小節のテンポとして選択および決定される。また、回転板31の回転角度がδ3である場合には、1分間に4分音符が180回含まれる速さが小節のテンポとして選択および決定される。なお、図27に示すように、回転板31の回転角度がδ2の場合には、選択されている小節のテンポ(楽曲の速さ)が1分間に4分音符が140回含まれる速さに決定される。そして、ステップS74に進む。
なお、図26は、回転板31の回転角度とテンポ(楽曲の速さ)との関係を部分的にのみ示しており、より大きな回転角度とより速いテンポを対応させるとともに、より小さな回転角度とより遅いテンポとを対応させることが可能である。
そして、ステップS74では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が2秒以上の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS74において、回転板31が2秒以上の間押下され続けていないと判断された場合には、ステップS67に戻り、選択された楽曲におけるテンポの調整が続けられる。また、ステップS74において、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、ステップS75において、テンポが調整された楽曲がフラッシュROM19に保存される。そして、メイン制御部18による編曲が終了される。
また、図23のステップS65において、メイン制御部18によって、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、楽曲を編曲するモードが曲合成モードに移行したと判断されて図28に示すステップS81に進み、楽曲を編曲するモードが曲合成モードに切り替えられる。この際、回転板31が2秒以上の間押下され続けた際に選択された楽曲が合成される1曲目になる。また、図29に示すように、楽曲データであるデータ2とデータ3とが表示された2曲目を選択するための楽曲選択画面が表示画面部15に表示される。そして、ステップS82に進む。
次に、ステップS82において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS82において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS83に進み、回転板31の回転操作に基づいて、フラッシュROM19に記憶されている楽曲のうち選択される楽曲(2曲目)が変更される。具体的には、ユーザにより回転板31が時計回り(図29のA方向)に回転されることによって、枠が下に位置するデータを囲うように移動する一方、ユーザにより回転板31が反時計回り(図29のB方向)に回転されることによって、枠が上に位置するデータを囲うように移動するように表示される。そして、ステップS84に進む。また、ステップS82において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、ステップS84に進む。
ステップS84では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS84において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS82に戻る。また、ステップS84において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS85に進み、押下された際に選択された楽曲が合成される2曲目となり、選択された1曲目と2曲目とが合成されることによって、図30に示すように、新たな楽曲(データ11)が作成される。そして、ステップS86に進み、合成された新たな楽曲がフラッシュROM19に保存されて、メイン制御部18による編曲が終了される。
第1実施形態では、上記のように、ユーザの回転板31の回転操作による静電型エンコーダ37が検出した回転板31の状態に基づいて、回転入力装置200の制御部21によって、ユーザに触感を付与するとともに、メイン制御部18によって、ユーザによる楽曲を作成可能なように構成することによって、ユーザは、楽曲作成時に、回転板31の操作とともに回転板31側から回転板31を把持する指(手)に触感を受けることができるので、回転板31への操作の結果だけでなく回転板31を操作することによる触感からも、ユーザは携帯電話機100に入力が行われたか否かおよび回転操作の程度を確認することができる。これにより、ユーザによる楽曲作成時に、ユーザに楽曲作成の操作の実感を与えることができる。また、制御部21およびメイン制御部18を1つの制御部に統合する場合と比べて、制御部21およびメイン制御部18に掛かる負荷を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21を、第1回転角度領域Cにおいては励磁コイル39に通電するように構成する一方、第2回転角度領域Dにおいては励磁コイル39に通電しないように構成することによって、励磁コイル39が通電されることにより回転板31の回転方向に抗する抵抗力が付与される状態と、励磁コイル39が通電されないことにより回転板31の回転方向に抗する抵抗力が解除される状態とが交互に繰り返されることにより、ユーザに触感を付与するように構成することによって、ユーザは、楽曲作成時における回転板31の回転操作中に、回転板31の回転方向に抗する抵抗力の付与および解除が交互に繰り返されることにより、抵抗力の付与時の回転方向(A方向またはB方向)への抵抗感と抵抗力の解除時の回転方向への脱抵抗感とが繰り返されることにより生じる明確な触感を受けることができる。これにより、ユーザは、楽曲作成時に楽曲作成の操作の実感をより明確に得ることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、メイン制御部18を、ユーザによって回転入力装置200の回転板31が回転操作されることに基づいて、音の高さ、音の長さ、音量およびテンポ(楽曲の速さ)の程度を選択するとともに、ユーザによって回転板31が押下操作されることによって、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、楽曲を構成する音の高さ、音の長さ、音量およびテンポの程度を決定する制御を行うように構成することによって、ユーザは、回転操作に基づく回転角度と押下操作とにより、楽曲を構成する音の高さ、音の長さ、音量およびテンポを調整することができる。これにより、ユーザの回転操作と押下操作に基づいて、楽曲作成の操作の実感を得ながら調整された音の高さ、音の長さ、音量およびテンポに基づいた楽曲を作成することができる。また、ユーザは、回転板31を操作するだけで楽曲作成の操作の実感を得ながら楽曲を作成することができるので、キーボードなどの楽器操作に不慣れなユーザであっても容易に楽曲を作成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、メイン制御部18を、楽曲を作成するモードが音の高さ調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行するように構成する。また、メイン制御部18を、楽曲を作成するモードが音の長さ調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行するように構成する。また、メイン制御部18を、楽曲を作成するモードが音量調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行するように構成することによって、ユーザは、回転板31を長押しするまたはダブルクリックすることによって、程度が選択および決定される音の高さ、音の長さまたは音量を容易に選択的に切り替えることができるので、程度が選択および決定される音の高さ、音の長さおよび音量を切り替えるための操作を行う際に他のキー(入力キー部13および表示部側操作キー部16)などを操作する必要がない。これにより、ユーザは程度が選択および決定される音の高さ、音の長さまたは音量を選択的に切り替えるための操作を簡素化することができる。また、ユーザは、回転板31を長押しすることとダブルクリックすることとによって切り替え後の内容(切り替え先)を異ならせることができるので、より容易に、ユーザは程度が選択および決定される音の高さ、音の長さまたは音量を選択的に切り替えることができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図3、図7、図18および図31を参照して、本発明の第2実施形態による携帯電話機400について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態と異なり、楽曲作成時に、楽曲を構成する音の高さと音の長さとを同時に選択および決定する例について説明する。
まず、図1および図3を参照して、本発明の第2実施形態における携帯電話機400の構成について説明する。
図3に示すように、第2実施形態による携帯電話機400のメイン制御部18は、フラッシュROM19に記憶されている楽曲作成用プログラムに基づいて、楽曲を作成可能なように構成されている。具体的には、メイン制御部18には、楽曲を構成する音量および楽曲の速さ(テンポ)がそれぞれ調整される音量調整モードおよびテンポ調整モードと、異なる楽曲を合成して新たな楽曲を作成する曲合成モードとが設定されている。さらに、メイン制御部18には、音の高さと音の長さとが同時に調整される音の高さおよび音の長さ調整モードが設定されている。
また、操作本体部300の感圧センサ33aは、ユーザによる回転板31(図1参照)の押下操作と、押下操作された際の押下の強度とを検出することが可能なように構成されている。
また、第2実施形態では、メイン制御部18は、音の高さおよび音の長さモードにおいて、ユーザによって回転入力装置200の回転板31が回転操作されることによる静電型エンコーダ37が検出した回転板31の状態に基づいて、音の高さの程度を選択するように構成されている。さらに、メイン制御部18は、ユーザによって回転板31が押下操作されることによって、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、楽曲を構成する音の高さの程度を決定するとともに、押下操作された際の回転板31の押下の強度に基づいて、楽曲を構成する音の長さの程度を選択および決定する制御を行うように構成されている。なお、第2実施形態の携帯電話機400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図1、図3、図7、図18および図31を参照して、本発明の第2実施形態における携帯電話機400を用いて楽曲を作成する際の制御フローについて説明する。
なお、携帯電話機400の楽曲作成時において、回転板31(図1参照)が回転操作された際には、ユーザに触感を付与するために、制御部21(図3参照)によって、第1回転角度領域C(図7参照)において励磁コイル39(図3参照)が通電され、第2回転角度領域D(図7参照)において励磁コイル39が通電されない制御が行われる。
まず、ユーザにより図1に示す携帯電話機400のメニューキー16aが押下されることにより、メイン制御部18(図3参照)によって、図示しないメニュー画面が表示画面部15に表示される。そして、ユーザにより入力キー部13、表示部側操作キー部16および回転入力装置200が操作されることにより、メイン制御部18によって、フラッシュROM19(図3参照)に記憶されている楽曲作成用プログラムが起動される。これにより、携帯電話機400における楽曲作成の制御がメイン制御部18において行われる。
まず、図31に示すように、ステップS201において、メイン制御部18によって、楽曲作成のモードが音の高さおよび音の長さ調整モードに切り替えられる。そして、ステップS202において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31がダブルクリックされたか否かが判断される。ステップS202において、回転板31がダブルクリックされたと判断された場合には、楽曲作成のモードが音量調整モードに移行したと判断されて図18に示すステップS41に進む。また、ステップS202において、回転板31がダブルクリックされていないと判断された場合には、音の高さおよび音の長さ調整モードが維持されてステップS203に進む。
次に、ステップS203において、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されたか否かが判断される。ステップS203において、回転板31が回転されていないと判断された場合には、ステップS205に進む。また、ステップS203において、回転板31が回転されたと判断された場合には、ステップS204に進み、回転板31の回転角度に基づいて、音の高さが選択された音符が表示画面部15に表示される。そして、ステップS205に進む。
そして、ステップS205では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が押下されたか否かが判断される。ステップS205において、回転板31が押下されていないと判断された場合には、ステップS203に戻る。また、ステップS205において、回転板31が押下されたと判断された場合には、ステップS206に進む。
ステップS206では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が回転されながら押下されたか否かが判断される。ステップS206において、回転板31が回転されながら押下されたと判断された場合には、ステップS207において、押下された際の回転板31の回転角度に基づいて、音符の音の高さが決定されるとともに、押下された際の回転板31へのユーザによる押下の強度に基づいて、音符の音の長さが選択および決定される。そして、ステップS209に進む。また、ステップS206において、回転板31が回転されない状態で押下されたと判断された場合には、ステップS208において、休符に決定されるとともに、押下された際の回転板31へのユーザによる押下の強度に基づいて、休符の音の長さが選択および決定されて表示画面部15に表示される。そして、ステップS209に進む。
ステップS209では、メイン制御部18によって、ユーザにより回転板31が2秒以上の間押下され続けたか否かが判断される。ステップS209において、回転板31が2秒以上の間押下され続けていないと判断された場合には、ステップS202に戻り、音量調整モードへの移行または音の高さおよび音の長さ調整モードにおける新たな音符の音の高さおよび音の長さの調整が行われる。また、ステップS209において、回転板31が2秒以上の間押下され続けたと判断された場合には、ステップS210において、作成された楽曲がフラッシュROM19に保存される。そして、メイン制御部18による楽曲作成が終了される。なお、第2実施形態の携帯電話機400のその他の楽曲を作成する際の制御フローは、図18におけるステップS45が不要であることを除いて、上記第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態の携帯電話機400を用いてすでに作曲された楽曲を編曲する際の制御フローは、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、メイン制御部18を、音の高さおよび音の長さモードにおいて、ユーザによって回転入力装置200の回転板31が回転操作されることに基づいて、音の高さの程度を選択するとともに、ユーザによって回転板31が押下操作されることによって、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、楽曲を構成する音の高さの程度を決定するとともに、押下操作された際の回転板31の押下の強度に基づいて、楽曲を構成する音の長さの程度を選択および決定する制御を行うように構成することによって、ユーザは、1回の回転操作と押下操作とによって、楽曲を構成する音の高さと音の長さとを同時に調整することができる。これにより、1回の回転操作と押下操作によって音の高さまたは音の長さの一方のみが調整される場合と比べて、ユーザは迅速に音の高さおよび音の長さを調整することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の回転部材を有する「電子機器」として携帯電話機100(400)を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、回転部材を有する電子機器であれば、携帯電話機以外の携帯機器にも適用可能であるし、回転部材を有する据え置き型(設置型)の電子機器にも適用可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、メイン制御部18を、テンポ調整モードにおいて、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、選択された小節のテンポ(楽曲の速さ)を決定する制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、テンポ調整モードにおいて、回転操作されながら押下操作された際の回転部材の角速度に基づいて、選択された小節のテンポの程度が選択および決定されるように構成してもよい。この際、静電型エンコーダによって回転部材の角速度を検出するように構成することが可能である。これにより、回転部材の回転速度と楽曲の速さとを対応させることが可能になるので、より感覚的に楽曲の速さの程度をユーザに選択させることが可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、楽曲作成において作成された楽曲を編曲時に合成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、楽曲を構成する1小節ごとに音の高さ、音の長さおよび音量を調整する手順を複数回繰り返して複数の1小節を作成した後に、作成した複数の1小節を合成して、同じタイミングで演奏させることが可能な和音からなる音符を複数含む新たな1小節を作成するように構成してもよい。また、1つの音符ごとに音の高さ、音の長さおよび音量を調整する手順を複数回繰り返して複数の音符を作成した後に、作成した複数の音符を合成して、和音からなる音符を作成するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ユーザに触感を付与する回転角度の間隔と、音の高さ、音の長さ、音量および楽曲の速さの程度が変化する回転角度の間隔とに関係性を付与しない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザに触感を付与する回転角度の間隔と、音の高さ、音の長さ、音量および楽曲の速さの程度が変化する回転角度の間隔とを関連付けることによって、ユーザに触感を付与するタイミングと、音の高さ、音の長さ、音量および楽曲の速さの程度が変化するタイミングとを同期させるように構成してもよい。これにより、ユーザによる楽曲作成時に、ユーザに楽曲作成の操作の実感をより明確に与えることが可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、回転板31に鉄を用いるとともに、励磁コイル39に通電して電磁力を発生させることによって、ユーザに触感を与えるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転部材の材質は鉄に限られず、ニッケル鉄合金などの磁性材料であればよい。また、ユーザに触感を与えるように構成されていれば、回転部材が磁性材料でなくてもよいし、励磁コイルを用いなくてもよい。たとえば、圧電素子を用いて、ユーザに触感を与えるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、回転板31の回転方向に抗する抵抗力を付与したり解除したりすることによって、回転操作を行うユーザに触感を付与するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転部材の押下操作に基づいて励磁コイルに通電して電磁力を発生させることにより、ユーザの押下に対応して回転部材を押下方向に移動させることによって、押下操作を行うユーザに触感を付与するように構成してもよい。これにより、ユーザによる楽曲作成時に、ユーザに楽曲作成の操作の実感をより明確に与えることが可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、回転入力装置200の制御部21によって、ユーザの回転板31の回転操作に基づいてユーザに触感を付与するとともに、メイン制御部18によって、ユーザによる楽曲を作成可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部およびメイン制御部を1つの制御部に統合してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、メイン制御部18を、ユーザによって回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続ける操作(長押しの押下操作)またはダブルクリックされる操作が行われることによって、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、別途モード切替ボタンを設けて、モード切替ボタンの押下操作に基づいて、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、回転板31が連続的な2回の押下操作であるダブルクリックされることによって、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転部材を連続して3回以上押下する操作を行うことによって、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、回転板31が1秒以上2秒未満の間押下され続ける押下操作(長押しの押下操作)が行われることによって、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるとともに、回転板31が2秒以上の間押下され続けることによって、作成された楽曲をフラッシュROM19に記憶するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、回転部材が一定速度で回転された場合に作成された楽曲を記憶するように構成することによって、回転部材が2秒以上の間押下され続けた場合であっても、楽曲を作成するモードを現在選択されているモードから新たなモードに切り替えるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、メイン制御部18を、楽曲を作成するモードが音の高さ調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段を、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、メイン制御部18を、楽曲を作成するモードが音の長さ調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段を、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音量調整モードに移行するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、メイン制御部18を、楽曲を作成するモードが音量調整モードである場合には、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段を、ユーザによって長押しの押下操作が行われることにより楽曲を作成するモードを音の長さ調整モードに移行し、ユーザによってダブルクリックが行われることにより楽曲を作成するモードを音の高さ調整モードに移行するように構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、メイン制御部18を、音の高さおよび音の長さモードにおいて、押下操作された際の回転板31の回転角度に基づいて、楽曲を構成する音の高さを決定するとともに、押下操作された際の回転板31の押下の強度に基づいて、楽曲を構成する音の長さを選択および決定する制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御手段を、押下操作された際の回転部材の回転角度に基づいて、楽曲を構成する音の長さを決定するとともに、押下操作された際の回転部材の押下の強度に基づいて、楽曲を構成する音の高さを選択および決定する制御を行うように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、音の高さ調整モード、音の長さ調整モードおよび音量調整モードの順に楽曲を作成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、音の長さ調整モードおよび音量調整モードの順番は特に限定されず、音の長さ調整モードにおいて音の長さの調整をする前に、音量調整モードにおいて音量の調整をしてもよい。