以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す側断面図である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング10と、この本体ハウジング10内に収容される給紙部20、画像形成部30、定着部40及びトナーコンテナ50と、を含む。
本体ハウジング10の前面側には前カバー11が、後面側には後カバー12が各々備えられている。前カバー11が開放されることで、トナーコンテナ50が前面側に露出する。これにより、ユーザーは、トナー切れの際にトナーコンテナ50を本体ハウジング10の前面側から取り出すことができる。後カバー12は、シートジャムやメンテナンスの際に開放されるカバーである。画像形成部30及び定着部40の各ユニットは、後カバー12が開放されることで、本体ハウジング10の後面側から取り出し可能となる。また、本体ハウジング10の側面には、左カバー12L(図1)と、左カバー12Lとは反対側の右カバー12R(図1には表れていない)とが、それぞれ鉛直方向に延伸するように配設されている。左カバー12Lの前側部分には、本体ハウジング10内に空気を取り込むための吸気口12Laが配設されている。また、本体ハウジング10の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部13が備えられている。前カバー11と、後カバー12と、左カバー12Lと、右カバー12Rと、排紙部13とによって画定される内部空間S(図2)に、画像形成を実行するための各種装置が内装される。
給紙部20は、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット21を含む(図2)。この給紙カセット21は、その一部が本体ハウジング10の前面からさらに前方に突出している。給紙カセット21のうち、本体ハウジング10内に収容されている部分の上面は、給紙カセット天板21Uによって覆われている。給紙カセット21には、前記シートの束が収容されるシート収容空間、前記シートの束を給紙のためにリフトアップするリフト板等が備えられている。給紙カセット21の後端側の上部にはシート繰出部21Aが設けられている。このシート繰出部21Aには、給紙カセット21内のシート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すための給紙ローラー21Bが配置されている。
画像形成部30は、給紙部20から送り出されるシートにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部30は、感光体ドラム31(像担持体)と、この感光体ドラム31の周囲に配置された、帯電装置32、露光装置(図2には表れていない)、現像装置70、転写ローラー34及びクリーニング装置35とを含む。画像形成部30は、左カバー12Lと右カバー12Rとの間に、配設される。
感光体ドラム31は、不図示の回転軸と、回転軸回りに回転する円筒面と、を備える。前記円筒面には、静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー像が前記円筒面に担持される。感光体ドラム31としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。
帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を均一に帯電するものであって、感光体ドラム31に当接する帯電ローラーを含む。
クリーニング装置35は、不図示のクリーニングブレードを有し、トナー像転写後の感光体ドラム31の円筒面に付着したトナーを清掃するとともに、不図示の回収装置に該トナーを搬送する。また、感光体ドラム31と、帯電装置32と、クリーニング装置35とは、不図示のドラムユニットとして一体的に構成されている。
露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム31の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。現像装置70は、感光体ドラム31上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム31の周面にトナーを供給する。現像装置70は、感光体ドラム31に供給するトナーを担持する現像ローラー71と、不図示の現像ハウジングの内部で現像剤を攪拌しながら循環搬送する第1搬送スクリュー72及び第2搬送スクリュー73とを含む。なお、現像装置70については、後記で詳述する。
転写ローラー34は、感光体ドラム31の円筒面に形成されたトナー像をシート上に転写させるためのローラーである。転写ローラー34は、感光体ドラム31の円筒面に当接し、転写ニップ部を形成している。この転写ローラー34には、トナーと逆極性の転写バイアスが与えられる。
定着部40は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部40は、加熱源を内部に備えた定着ローラー41と、この定着ローラー41に対して圧接され、定着ローラー41との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー41による加熱および加圧ローラー42による押圧により、シート上に定着される。
トナーコンテナ50は、現像装置70に補給するトナーを貯留する。トナーコンテナ50は、トナーの主な貯留箇所となるコンテナ本体51と、コンテナ本体51の一側面の下部から突設された筒状部52と、コンテナ本体51の他の側面を覆う蓋部材53と、コンテナ内部に収容されトナーを搬送する回転部材54とを含む。トナーコンテナ50内に貯留されたトナーは、回転部材54が回転駆動されることによって、筒状部52の先端下面に設けられたトナー排出口521から現像装置70内に供給される。また、トナーコンテナ50の上方を覆うコンテナ天板50Hは、排紙部13の下方に位置する。
本体ハウジング10内には、シートを搬送するために、主搬送路22F及び反転搬送路22Bが備えられている。主搬送路22Fは、給紙部20のシート繰出部21Aから画像形成部30及び定着部40を経由して、本体ハウジング10上面の排紙部13に対向して設けられている排紙口14まで延びている。反転搬送路22Bは、シートに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートを主搬送路22Fにおける画像形成部30の上流側に戻すための搬送路である。
主搬送路22Fは、感光体ドラム31および転写ローラー34によって形成される転写ニップ部を、下方から上方に向かって、通過するように延設される。また、主搬送路22Fの、転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対23が配置されている。シートは、レジストローラー対23にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路22F及び反転搬送路22Bの適所には、シートを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口14の近傍には排紙ローラー対24が配置されている。
反転搬送路22Bは、反転ユニット25の外側面と、本体ハウジング10の後カバー12の内面との間に形成されている。なお、反転ユニット25の内側面には転写ローラー34及びレジストローラー対23の一方のローラーが搭載されている。後カバー12及び反転ユニット25は、それらの下端に設けられた支点部121の軸回りに各々回動可能である。反転搬送路22Bにおいてシートジャムが発生した場合、後カバー12が開放される。主搬送路22Fでシートジャムが発生した場合、或いは感光体ドラム31のユニットや現像装置70が外部に取り出される場合には、後カバー12に加えて反転ユニット25も開放される。
<現像装置の詳細構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る現像装置70の構成について、詳述する。図3(A)は、現像装置70内に配置される第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73の断面図であり、図3(B)は、現像装置70の現像ハウジング70Aの平面図である。なお、図3(B)は、現像装置70の蓋部70D(図9参照)が取り外された状態を示している。
現像装置70は、該現像装置70の内部空間を画定する現像ハウジング70A(ハウジング)を含む。また、現像装置70は、現像ハウジング70Aの上方を覆う蓋部70Dを備える。現像ハウジング70Aは、一対の壁部である第1壁部70B、第2壁部70Cを備える。
この現像ハウジング70Aには、磁性体のトナーからなる現像剤を貯留するキャビティであって、現像剤を攪拌しつつ搬送することが可能とされた現像剤貯留部74が備えられている。また、現像ハウジング70Aの内部には、現像ローラー71と、現像ローラー71に対向配置された現像剤規制ブレード75(図2)と、現像剤を攪拌及び搬送する第1搬送スクリュー72(第2搬送部材)および第2搬送スクリュー73(第1搬送部材)とが配設されている。
現像剤貯留部74は、第1壁部70Bと第2壁部70Cとの間において、現像装置70の長手方向に延設される2つの隣り合う第1搬送部74a(現像剤搬送路)および第2搬送部74b(現像剤供給路)を含む。第1搬送部74aおよび第2搬送部74bは、現像ハウジング70Aの前記底部に一体に形成され長手方向に延びる仕切り板701によって互いに仕切られている。また、第1搬送部74aおよび第2搬送部74bは、長手方向における両端部において、第1連通路704および第2連通路705によって互いに連通されている(図3参照)。第1連通部704および第2連通部705は、一対の第1壁部70Bおよび第2壁部70Cと、仕切り板701との間に配置される。
第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73は、第1搬送部74aおよび第2搬送部74bにそれぞれ収容され、軸回りに回転されることにより現像剤を攪拌及び搬送する。すなわち、第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73は、第1壁部70Bおよび第2壁部70Cに回転可能に支持される。図3において、第1搬送スクリュー72は、矢印D2方向に回転駆動される。この結果、第1搬送スクリュー72は、第1搬送部74a内を、矢印Da方向(第2の方向)に現像剤を搬送する。一方、第2搬送スクリュー73は、矢印D3方向に回転駆動される。この結果、第2搬送スクリュー73は、第2搬送部74b内を、矢印Db方向(第1の方向)に現像剤を搬送する。すなわち、第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73は、軸方向において、現像剤の搬送方向が互いに逆向き(反対の方向)となるように設定されている。これにより、現像剤は、図3に矢印Da、Dbで示すように、第1搬送部74aおよび第2搬送部74b間を攪拌されつつ循環搬送される。
現像ローラー71は、現像装置70の長手方向に沿って配設されている。現像ローラー71は、第2搬送スクリュー73に沿って、配置される。現像ローラー71は、図3において、矢印D1方向に回転駆動される。現像ローラー71の内部には、固定式の所謂磁石ロールが配置されている。磁石ロールは複数の磁極を有する。第2搬送スクリュー73から、現像ローラー71の周面に現像剤が供給される。そして、現像ローラー71の周面上に担持された現像剤は、現像ローラー71の回転に伴って、現像ローラー71の回転方向下流側に搬送される。
現像規制ブレード75(図2)は、現像ローラー71の周方向において、現像ローラー71と第2搬送スクリュー73とが対向する領域よりも、現像ローラー71の回転方向下流側に配置される。現像規制ブレード75は、現像ハウジング70Aの不図示の蓋部において、現像ローラー71の軸方向に延設される。現像規制ブレード75は、先端部が、現像ローラー71の周面と所定の間隔をおいて配置される板状部材である。現像ローラー71上に担持された現像剤は、現像規制ブレード75によって層規制される。現像規制ブレード75によって層規制された現像ローラー71上の現像剤は、現像ローラー71と感光体ドラム31との対向部に搬送され、感光体ドラム31上に形成された静電潜像に応じて、感光体ドラム31の円筒面に供給される。
次に、図3に加え、図4乃至図7を参照して、本実施形態に係る現像装置70に配置される第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73について、詳述する。図4は、第1搬送スクリュー72の正面図であり、図5は、第2搬送スクリュー73の平面図である。また、図6および図7は、それぞれ、第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73の斜視図である。
<第1搬送スクリュー72について>
図3および図4、図6を参照して、第1搬送スクリュー72(第2搬送部材)について説明する。前述のとおり、第1搬送スクリュー72は、第1搬送部74aに配置される。第1搬送スクリュー72は、第11軸部726と、第12軸部727と、第11リブ722(リブ部材)と、第12リブ723(リブ部材)と、第11連設片724(支持部材)と、第12連設片725と、第1スクリュー721(スクリュー部材)と、第1シール727Sと、を備える。
第11軸部726および第12軸部727は、それぞれ、第2壁部70Cおよび第1壁部70Bに回転可能に支持される。第11軸部726および第12軸部727は、第1搬送スクリュー72の回転軸となる軸部分である。第11軸部726および第12軸部727は、第1搬送スクリュー72の軸方向における一端側と他端側において、それぞれ、第1搬送スクリュー72を回転可能に支持する。第11軸部726は、内部に円筒形状の軸受部を備える。現像ハウジング70Aの第2壁部70Cから、第1搬送部74aに向かって突設される不図示の突起部が、前記第11軸部726の軸受部に挿通される。同様に、第12軸部727は、内部に円筒形状の軸受部を備える。そして、現像ハウジング70Aの第1壁部70Bから、第1搬送部74aに向かって突設される不図示の突起部が、前記第12軸部727の軸受部に挿通される。この結果、第1搬送スクリュー72が、現像ハウジング70Aに、回転可能に軸支される。この際、第1搬送スクリュー72の軸方向において、第11軸部726と第12軸部727との間に、第1搬送スクリュー72の仮想的な回転軸が形成される。
第11リブ722および第12リブ723は、前記第1搬送スクリュー72の一端側から他端側にかけて、それぞれ延設される板状部材である。また、第11リブ722および第12リブ723は、第1搬送スクリュー72の周方向に、所定の幅をもった板状部材である。第11リブ722および第12リブ723は、第1搬送スクリュー72の回転軸を中心に、互いに対向して平行に配置される。換言すれば、第11リブ722および第12リブ723は、第1搬送スクリュー72の周方向に180度の間隔をおいて配置されている。第11リブ722および第12リブ723は、第1搬送スクリュー72の軸方向において、第11軸部726の近傍から第12軸部727の近傍まで、延設される。第11リブ722および第12リブ723は、後記の第1スクリュー721を支持するとともに、第1搬送部74a内の現像剤を攪拌する機能を備える。
第11連設片724は、第2壁部70Cに対向して配置され、第11リブ722および第12リブ723の一端側の端部を、第1搬送スクリュー72の径方向において、連設させる。また、前述の第11軸部726が、第11連設片724の中心部分から、第1搬送スクリュー72の軸方向外側に向かって突設される。換言すれば、第11連設片724は、第11リブ722および第12リブ723の搬送方向の端部と、第11軸部726とを連設させる。同様に、第12連設片725は、第11リブ722および第12リブ723の他端側の端部を、第1搬送スクリュー72の径方向において、連設させる。また、前述の第12軸部727が、第12連設片725の中心部分から、第1搬送スクリュー72の軸方向外側に向かって突設される。
第11リブ722は、第11連設片724よりも第1搬送スクリュー72の軸方向外側に第11先端部722A(突起部)を備える。第11先端部722Aは、第11リブ722の一端が、第11連設片724よりも、軸方向外側に(第2壁部70Cに向かって)突出することで形成される。また、第11リブ722は、第12連設片725よりも第1搬送スクリュー72の軸方向外側に第11後端部722Bを備える。第11後端部722Bは、第11リブ722の他端が、第12連設片725よりも、軸方向外側に(第1壁部70Bに向かって)突出することで形成される。
同様に、第12リブ723は、第11連設片724よりも第1搬送スクリュー72の軸方向外側に第12先端部723A(突起部)を備える。第12先端部723Aは、第12リブ723の一端が、第11連設片724よりも、軸方向外側に突出することで形成される。また、第12リブ723は、第12連設片725よりも第1搬送スクリュー72の軸方向外側に第12後端部723Bを備える。第12後端部723Bは、第12リブ723の他端が、第12連設片725よりも、軸方向外側に突出することで形成される。
第1スクリュー721(スパイラル部材)は、現像剤の搬送方向にスパイラル状に延設され、第1搬送スクリュー72の外周縁を形成する。すなわち、第1スクリュー721は、一周のスパイラルを作るスパイラル片が、前記搬送方向に連設されてなる。そして、第1スクリュー721は、前記連設されるスパイラル片によって形成される中空内部を備える。換言すれば、第1スクリュー721は、第11軸部726と第12軸部727との間において、第1搬送スクリュー72の仮想的な回転軸から径方向にギャップを置いて配置され、中空形状を備えたスパイラル状の搬送部材である。前述の第11リブ722および第12リブ723が、第1スクリュー721の隣接する前記スパイラル片を橋絡する。第1スクリュー721、第11リブ722、第12リブ723の構成を、更に換言すると、第1スクリュー721は複数の前記スパイラル片からなり、一対の第11リブ722および第12リブ723により、これら複数のスパイラル片が一体化され、その結果として、軸心側に中空部を備えたスパイラル状の第1スクリュー721が形成されている。なお、図3(B)、図4および図6に示されるように、第11リブ722および第12リブ723の軸方向の両端部には、第1スクリュー721が配置されていない領域が存在する。
図4を参照して、第1スクリュー721のスパイラル部分は、第1搬送スクリュー72の回転軸を含む断面視において、第1スクリュー721の最大径となる外周縁を形成する稜線部分721Rと、前記稜線部分721Rから、それぞれ軸方向の一端側と他端側に向かって面される一対の斜面721P、721Qとから構成される。
更に、第1スクリュー721のスパイラル部分の内側には、第1搬送スクリュー72の周方向において連設される複数の平面部が配置される。すなわち、第1スクリュー721のうち、前記稜線部分721Rの内側(裏側)において、前記一対の斜面721P、721Qは、前記平面部によって連設される。そして、前記平面部は、第1搬送スクリュー72の軸方向に沿って、所定の角度をもって屈曲されながら、前記稜線部分721Rの内側に配置される。
上記について換言すれば、図3(A)を参照して、第1スクリュー721の内周部分には、第1内壁部721Sが配置される。第1内壁部721Sは、第1スクリュー721の中空内部に対向し、複数の平面部が、周方向において、所定の角度をもって連設されて形成される。第1内壁部721Sは、第11内壁面721A、第12内壁面721B、第13内壁面721C、第14内壁面721D、第15内壁面721E、第16内壁面721F、第17内壁面721G、第18内壁面721H、からなる。これらは、図3(A)に示されるように、第1搬送スクリュー72の軸方向と交差する断面視において、略正八角形をなす。すなわち、これらの内壁面は、周方向において、一定の角度をもって、連設される。なお、第13内壁面721Cおよび第17内壁面721Gは、それぞれ、第12リブ723および第11リブ722の内面部に相当する。すなわち、板状の第12リブ723および第11リブ722のうち、中空内部に対向する内面部が、第1スクリュー721の複数の内壁面の一部を形成する。
第1シール727Sは、第12軸部727の径方向外側に配置される円環状の弾性部材である。第1シール727Sは、第1スクリュー721が、現像ハウジング70Aに装着された状態において、現像ハウジング70Aの第1壁部70Bの内壁部に当接される。この結果、第1シール727Sは、第1搬送スクリュー72の回転に伴って、第12軸部727と第1壁部70Bの内壁部との間で、現像剤が凝集することを抑止する。
更に、第1スクリュー721は、第11突起部728および第12突起部729(突出部材)を備える。
第11突起部728は、第11リブ722および第12リブ723の径方向外側の外壁部分から、径方向に向かって突設される壁部である。第11突起部728は、第1搬送スクリュー72の径方向において、第1スクリュー721の外周縁よりも僅かに内側となる高さまで、突設される。また、第1搬送スクリュー72の軸方向において、第11突起部728の基端部は、第1スクリュー721の一の羽根部分に連設される。そして、第11突起部728の他端部は、前記第1スクリュー721の一の羽根に隣接して配置される他の羽根部分と、前記一の羽根部分との間に配置される。換言すれば、第11突起部728は、第1搬送部74aにおいて、第1搬送スクリュー72が現像剤を搬送する方向(図3の矢印Da、図4の矢印D42)に向かって、第1スクリュー721の一の羽根部分から、延設される。この際、第11突起部728の延設方向における先端部は、前記一の羽根部分に隣接して配置される他の羽根部分に連設されることなく、上記2つの羽根部分の略中央部分に配置される。
同様に、第12突起部729(図6)は、第11リブ722の径方向外側の外壁部分から、径方向に向かって突設される壁部である。第12突起部729は、第11リブ722の第11軸部726側の端部において、軸方向に所定の長さをもって配置される。第12突起部729の軸方向外側の端部は、第11先端部722Aの軸方向外側の端部と、面一に配置される。
<第2搬送スクリュー73について>
次に、図3および図5、図7を参照して、第2搬送スクリュー73(第1搬送部材)について説明する。なお、第2搬送スクリュー73の形状は、第1搬送スクリュー72の形状に類似するため、第1搬送スクリュー72と共通な部分の説明は省略し、主に、第1搬送スクリュー72との相違点について詳述する。前述のとおり、第2搬送スクリュー73は、第2搬送部74bに配置される。第2搬送スクリュー73は、第21軸部736と、第22軸部737と、第21リブ732と、第22リブ733と、第21連設片734と、第22連設片735と、パドル737Pと、第2スクリュー731と、第2シール737Sと、を備える。
第21軸部736および第22軸部737は、第1搬送スクリュー72の第11軸部726および第12軸部727に相当する。第21軸部736および第22軸部737によって、第2搬送スクリュー73が、現像ハウジング70Aに、回転可能に軸支される。この際、第2搬送スクリュー73の軸方向において、第21軸部736と第22軸部737との間に、第2搬送スクリュー73の仮想的な回転軸が形成される。
第21リブ732および第22リブ733は、第1搬送スクリュー72の第11リブ722および第12リブ723に相当する。第21連設片734および第22連設片735は、第1搬送スクリュー72の第11連設片724および第12連設片725に相当する。なお、図5に示されるように、第22連設片735は、第22軸部737よりも、軸方向内側に、所定の間隔をおいて配置される。そして、第21リブ732および第22リブ733も、第22軸部737よりも、軸方向内側に所定の間隔をおいた領域まで延設され、第22連設片735によって、互いに連設される。
第21リブ732は、第21連設片734よりも第2搬送スクリュー73の軸方向外側に第21先端部732Aを備える。第21先端部732Aは、第21リブ732の一端が、第21連設片734よりも、軸方向外側に(第2壁部70Cに向かって)突出することで形成される。同様に、第22リブ733は、第21連設片734よりも第2搬送スクリュー73の軸方向外側に第22先端部733Aを備える。第22先端部733Aは、第22リブ733の一端が、第21連設片734よりも、軸方向外側に突出することで形成される。なお、第2搬送スクリュー73の第21リブ732および第22リブ733は、第22連設片735と交差する部分まで、延設されており、第1搬送スクリュー72のように、第22連設片735よりも軸方向外側に延設されてはいない。
パドル737Pは、第22連設片735の軸方向外側に配置される板状部材である。パドル737Pは、第2搬送スクリュー73の回転軸から、径方向に向かって延設される。本実施形態では、パドル737Pは、第2搬送スクリュー73の周方向において、第21リブ732が配置される方向に向かって、突設される。パドル737Pの軸方向外側の部分には、第22軸部737が連設される。また、後記の第2シール737Sが、パドル737Pの軸方向外側の端縁に連設される。パドル737Pは、第1連通部704を介して、第2搬送部74bから第1搬送部74aに現像剤を受け渡す機能を備える。
第2スクリュー731は、第1搬送スクリュー72の第1スクリュー721に相当する。第1搬送スクリュー72の軸方向を含む断面視における、第2スクリュー731の形状についても、第1搬送スクリュー72と同様である。
特に、図3(A)を参照して、第2スクリュー731の内周部分には、第2内壁部731Sが配置される。第2内壁部731Sは、複数の平面部が、所定の角度をもって連設されて形成される。第2内壁部731Sは、第21内壁面731A、第22内壁面731B、第23内壁面731C、第24内壁面731D、第25内壁面731E、第26内壁面731F、第27内壁面731G、第28内壁面731H、からなる。これらは、図3(A)に示されるように、第2搬送スクリュー73の軸方向と交差する断面視において、略正八角形をなす。なお、第24内壁面731Dおよび第28内壁面731Hは、それぞれ、板状の第22リブ733および第21リブ732の内面部に相当する。
第2シール737Sは、第22軸部737の径方向外側に配置される円環状の弾性部材である。第2シール737Sは、第2搬送スクリュー73が、現像ハウジング70Aに装着された状態において、現像ハウジング70Aの第1壁部70Bの内壁部に当接される。この結果、第2シール737Sは、第2搬送スクリュー73の回転に伴って、第22軸部737と第1壁部70Bの内壁部との間で、現像剤が凝集することを抑止する。
更に、第2搬送スクリュー73は、第21突起部738および第22突起部739を備える。第21突起部738は、第1搬送スクリュー72の第11突起部728に相当する。
一方、第22突起部739は、第21リブ732および第22リブ733の径方向外側の外壁部分から、径方向に向かって突設される一対の壁部である。第22突起部739は、第21リブ732および第22リブ733の第21軸部736側の端部において、軸方向に所定の長さをもって配置される。なお、第21先端部732Aおよび第22先端部733Aの軸方向外側の端部は、第22突起部739の軸方向外側の端部よりも、僅かに、軸方向外側に突出される。また、第22突起部739の軸方向の長さは、第21突起部738の軸方向の長さよりも、長く設定される。
<第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73の作用効果について>
第11連設片724から、軸方向外側に向かって突出された第11先端部722Aおよび第12先端部723Aは、第1搬送スクリュー72の回転に伴って、第2壁部70C近傍に滞留した現像剤を積極的に攪拌する。なお、第11連設片724が、第11先端部722Aおよび第12先端部723Aの軸方向の先端部を連設させる場合(第11先端部722Aおよび第12先端部723Aが軸方向外側に突出していない場合)、第11連設片724が、第11連設片724と第2壁部70Cとの間に滞留した現像剤を、第2壁部70C側に強く押圧してしまう。この場合、第11連設片724と第2壁部70Cとの間に滞留した現像剤が、凝集しやすくなる。したがって、第11連設片724から軸方向外側に向かって突出するように、第11先端部722Aおよび第12先端部723Aが配置されることによって、前記現像剤が効果的に攪拌される。そして、前記攪拌された現像剤の流動性が増すことによって、前記現像剤は、第2連通部705から第2搬送部74b側に、移動される。この際、第1搬送スクリュー72の第12突起部729の回転によって、第1搬送部74aから第2搬送部74b への前記現像剤の移動が、より促進される。
高温環境や現像剤の劣化に伴い、現像剤の流動性が低下されると、第1スクリュー721の中空内部において、現像剤が滞留しやすくなる。この結果、第1スクリュー721の内壁部分を最大外径とした円筒形状をもって、現像剤が凝集する場合がある。このような凝集は、一成分現像剤の場合に顕著となる。これは、トナーとキャリアからなる二成分現像剤の場合、キャリアが、トナーの凝集を抑止する作用を備えるためである。また、第1スクリュー721の内壁が、周方向において連続的な曲面から構成される場合、前記内壁よりも内側に配置される現像剤が、より円筒状に凝集されやすい。一方、前述のとおり、本実施形態に係る第1搬送スクリュー72は、第1内壁部721Sを備える。すなわち、第1内壁部721Sは、複数の平面部が、所定の角度をもって連設されて形成される。第1内壁部721Sは、図3(A)に示されるように、第1搬送スクリュー72の軸方向と交差する断面視において、略正八角形をなす。前記断面視において、第1搬送スクリュー72の仮想的な回転軸部分から、第1スクリュー721の内壁を見た場合、第1スクリュー721の回転に伴って、第1スクリュー721の内壁の軌跡が、第11内壁面721Aに代表される面部分と、前記複数の面同士の交点部分との間で変動される。換言すれば、第1内壁部721Sの断面形状は、内径が均一な円形ではなく、異径となる。異径ゆえに回転されると、第1スクリュー721の中空内部に配置される現像剤の塊状体を切り崩しやすい。この結果、現像剤の流動性が低下した場合であっても、第1内壁部721Sが第1スクリュー721の内側のトナーを崩す機能を備える。このため、前述のように、第1スクリュー721の内部において、現像剤が、円筒状に凝集することが抑止される。
第11突起部728および第21突起部738は、第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73の軸方向における現像剤の搬送性能を部分的に抑制する機能を備える。図4において、第1搬送スクリュー72が、矢印D41方向に回転駆動される。第1搬送部74a内の現像剤のうち、第1スクリュー721と第11突起部728との間の楔形部分に配置される現像剤は、第1スクリュー721によって、図4の矢印D43方向に移動される。しかしながら、前記現像剤は、第11突起部728に衝突し、矢印D44方向に移動される。すなわち、第1スクリュー721によって軸方向にもたらされた現像剤の移動は、第11突起部728によって、周方向への移動に転換される。この結果、第1スクリュー721と第11突起部728との間に配置される現像剤の軸方向の搬送力が、低下される。すなわち、第1搬送スクリュー72の軸方向において、第11突起部728が配置される部分に対応して、第1搬送スクリュー72の軸方向の搬送性能が部分的に抑制される。なお、第2搬送スクリュー73の第21突起部738においても、同様の効果が発現される。
現像装置70は、更に、トナーセンサ80を備える。図8は、図3と同様に、現像装置70の現像ハウジング70Aを上方から見た平面図である。現像装置70は、第2壁部70Cの第1搬送部74aに対向する領域にトナーセンサー80を備える。トナーセンサー80は、渦電流型のセンサーである。トナーセンサ80は、第1搬送部74aの搬送方向下流側において、第11先端部722Aおよび第12先端部723Aに対向して、第2壁部70Cに配置され、現像ハウジング70A内を循環搬送される現像剤の現像剤量を検出する。すなわち、トナーセンサー80は、第1搬送部74aの第2壁部70Cの内側に分布される現像剤(トナー)が、第2壁部70Cに付与する圧力に応じた電圧値を出力する。この結果、トナーセンサー80によって、現像ハウジング70Aの現像剤貯留部74内に貯留される現像剤量が検出される。
<現像剤の劣化に伴うトナーセンサーの課題について>
前述のように、本実施形態では、第1搬送スクリュー72および第2搬送スクリュー73は、中空形状を備える。このため、軸方向に延伸された軸部のまわりにスパイラル形状を備える公知の搬送部材と比較して、軸方向における現像剤の搬送性能が低くなりやすい。図8において、使用される現像剤が新しく、現像剤の流動性が高い場合、現像剤は、現像剤貯留部74内を、粘性の低い流体のように搬送される。したがって、現像剤の喫水面は、現像剤貯留部74内において、略均一に分布される。すなわち、第1搬送部74a内を第1搬送スクリュー72によって搬送された現像剤の一部は、仕切り板701の搬送方向(矢印Da)下流側付近から、第2連通部705を介して、第2搬送部74b側に流入される。更に、第1搬送部74a内のその他の現像剤は、第2壁部70Cの内壁部分まで到達された後、第2連通部705を介して、第2搬送部74b側に流入される。したがって、トナーセンサ80によって、現像剤貯留部74内の現像剤量が好適に検出される。一方、現像剤が劣化し、現像剤の流動性が低下した場合、第1搬送スクリュー72の軸方向への搬送性能が低いため、多くの現像剤は、仕切り板701に沿って搬送された後、第2連通部705を介して、第2搬送部74b側に流入される。換言すれば、トナーセンサ80が配置される第2壁部70C側に、現像剤が到達されにくい。この場合、仕切り板701に沿った領域の方が、第2壁部70Cの内壁部分と比較して、現像剤の喫水面が高くなる。したがって、トナーセンサ80は、実際に現像剤貯留部74内に貯留される現像剤量よりも、低い現像剤量に応じた電圧値を、出力する。このように、現像装置70に、中空形状を備えた第1搬送スクリュー72が、使用された場合、トナーセンサ80による現像剤量の検出が不安定となる課題があった。
本実施形態では、上記のような課題を解決するために、現像装置70に補助仕切り板90が配置される。図9は、現像装置70の蓋部70Dの斜視図である。また、図10は、現像ハウジング70Aに蓋部70Dが装着された状態の断面斜視図である。
図9を参照して、蓋部70Dは、現像ハウジング70Aの上方を覆うように、長方形形状を備えた板状部材である。蓋部70Dは、長辺70E、第1側辺70F、第2側辺70G、天板70H、を備える。蓋部70Dが、現像ハウジング70Aの上方に装着された状態において、長辺70Eは、現像ローラー71の上方に配置される。また、第1側辺70Fおよび第2側辺70Gは、第1壁部70Bおよび第2壁部70Cの上方に配置される。長辺70E、第1側辺70F、第2側辺70Gによって囲まれた天板70Hが、現像ハウジング70Aの現像剤貯留部74を上方から覆う。
更に、蓋部70Dは、補助仕切り板90を備える。補助仕切り板90は、蓋部70Dの天板70Hから、略垂直方向に突設された板状部材である。補助仕切り板90は、一対の側辺である連設辺901および連通部対向辺902と、天板70Hとは反対側の下端辺903とを備える。
図10を参照して、蓋部70Dが現像ハウジング70Aに装着されると、補助仕切り板90は、現像ハウジング70Aの仕切り板701のうち、第2壁部70C側の端部に連設される。すなわち、補助仕切り板90のうち、連設辺901が、現像ハウジング70Aの仕切り板701の端縁に連設される。また、補助仕切り板90の連通部対向辺902が、第2壁部70Cに対向して配置される。この結果、補助仕切り板90は、第2連通部705の仕切り板701側の端部705A(図8)において、現像ハウジング70Aの底部の上方に間隔をおいて、配置される。この際、補助仕切り板90の下端辺903が、前記現像ハウジング70Aの底部に、間隔をおいて対向して、配置される。そして、補助仕切り板90は、第2連通部705のうち、第1搬送スクリュー72の搬送方向の上流側の領域の上方を塞ぐ。図10を参照して、このように、補助仕切り板90の下方に形成される間隙が、補助連通部DGと定義される。
<補助連通部DGの作用について>
次に、図11乃至図14を参照して、本実施形態に係る補助仕切り板90によって形成される補助連通部DGの作用について説明する。図11および図12は、現像装置70内の現像剤の流れを示す模式的な斜視図である。また、図13および図14、現像装置70内の現像剤の流れを示す平面図である。図11および図13は、現像剤貯留部74内の現像剤が新しく、現像剤の流動性が高い場合の図であり、図12および図14は、現像剤が劣化し、現像剤の流動性が低い場合の図である。
図11および図13を参照して、現像剤が新しく、現像剤の流動性が高い場合、前述のように、現像剤の喫水面は、現像剤貯留部74の全体にわたって、略一定とされる。そして、第1搬送部74aの下流側において、現像剤の一部は、補助仕切り板90の下方を潜るように(補助連通部DGを通過するように)、第2搬送部74b側に移動される(図11の矢印D111、図13の矢印D131)。また、その他の現像剤は、第2壁部70Cの内壁近傍まで、搬送された後、第2搬送部74b側に移動される(図11の矢印D112、図13の矢印D132)。この際、トナーセンサ80が、第2壁部70Cの内壁部分を搬送される現像剤を、検出する。この結果、トナーセンサ80が、現像剤貯留部74内の現像剤量を、好適に検出する。なお、図13を参照して、第1搬送部74aの下流側では、現像剤は、仕切り板701と第2壁部70Cとの間に配置された第2連通部705の全域を、通過する(矢印D133)。また、第2搬送部74bの下流側においても、現像剤は、仕切り板701と第1壁部70Bとの間に配置された第1連通部704の全域を、通過する。このため、現像剤貯留部74内における現像剤の循環が安定して維持される。
一方、図12および図14を参照して、現像剤が劣化し、現像剤の流動性が低下した場合、現像剤の粘性が高まる。この結果、図12に示すように、本来の第2連通部705よりも上下方向の高さが低く設定された補助連通部DGにおいて、現像剤が氷柱状に凝集しやすくなる。この結果、補助連通部DGが、現像剤の凝集TBによって塞がれる。前述のように、現像剤の流動性が低下した場合、多くの現像剤は、仕切り板701に沿って移動されながら、仕切り板701の搬送方向下端部から、第2搬送部74b側に移動されやすい。しかしながら、本実施形態では、上記のように、補助連通部DGが塞がれている為、これらの現像剤は、補助連通部DGよりも、搬送方向下流側に移動される。この結果、図12の矢印D121およびD122に示すように、現像剤は、第2連通部705のうち、補助連通部DG(補助仕切り板90)よりも下流側の領域から、第2搬送部74b側に移動される。この際、流動性が低下した現像剤が、第2壁部70Cのうち、トナーセンサ80が対向する領域を、好適に通過する。このため、現像剤の劣化に伴い、現像剤の流動性が低下した場合であっても、トナーセンサ80によって、現像剤貯留部74内の現像剤量が好適に検出される。なお、図14を参照して、第1搬送部74aの下流側では、上記のように、現像剤は、第2連通部705のうち、補助連通部DGの下流側の領域を、通過する。換言すれば、擬似的に、第2連通部705の現像剤が通過する幅が狭くなっている。一方、第2搬送部74bの下流側では、現像剤は、仕切り板701と第1壁部70Bとの間に配置された第1連通部704の全域を、通過可能である(矢印D143)。このため、一見、第2連通部705と第1連通部704とでは、現像剤が通過する幅が異なることとなり、現像剤の循環が不安定となることが懸念される。しかしながら、本実施形態では、元々、第1搬送スクリュー72の搬送性能よりも、第2搬送スクリュー73の搬送性能が、僅かに高く設定されている。このため、現像剤が劣化し、現像剤の流動性が低下した場合であっても、第2搬送スクリュー73の搬送性能の高さに起因して、第1連通部704において、現像剤が僅かに滞留しやすい。したがって、現像剤が通過する幅が、擬似的に狭くなった第2連通部705と、上記のように現像剤が僅かに滞留される第1連通部704との間で、現像剤の通過量が近似する。この結果、補助連通部DGが設けられることによって、第2連通部705が擬似的に狭くなった場合であっても、現像剤貯留部74内の現像剤の循環が安定して維持される。
図15は、本実施形態に係る補助連通部DG(補助仕切り板90)が装着された場合のトナーセンサ80の出力電圧を示すグラフである。図15(A)は、補助仕切り板90を備えない場合のグラフであり、図15(B)は、補助仕切り板90を備える場合のグラフである。いずれも、横軸は、現像ハウジング70Aの現像剤貯留部74内に貯留される現像剤量(g)を示しており、縦軸は、トナーセンサ80の出力電圧(V)を示している。すなわち、現像剤量(g)とトナーセンサ80の出力電圧(V)の関係が、線形に近い方が、トナーセンサ80の検出精度が高くなる。
図15(A)に示されるように、現像装置70が補助仕切り板90を備えない場合、現像剤の劣化に伴い、現像剤量とトナーセンサ80の出力電圧の関係が不安定となる。特に、現像剤量が100gから220gまでの範囲では、現像剤量が増加しても、トナーセンサ80の出力電圧が上昇しない傾向が確認される。これは、前述のように、流動性が低下した現像剤が、第2壁部70Cの内壁部まで到達されず、前記現像剤が、トナーセンサ80によって検出されないためである。
一方、図15(B)に示されるように、現像装置70が補助仕切り板90を備える場合、現像剤が劣化しても、現像剤量とトナーセンサ80の出力電圧との間に、一定の相関関係が維持される。これは、前述のように、現像剤が劣化し、現像剤の流動性が低下した場合に、補助連通部DGが現像剤の凝集TBによって塞がれ、結果的に、現像剤が、第2壁部70Cの内壁部まで到達されるためである。
以上、本実施形態によれば、現像装置70の第1搬送部74aの第2の方向の下流側において、第2壁部70Cには、トナーセンサ80が配置される。また、仕切り板701の第2の方向の下流側端部には、第2連通部705の第2の方向の上流側の領域の上方を塞ぐ補助仕切り板90が連設される。第2搬送部74bおよび第1搬送部74aを循環搬送される現像剤が劣化し、前記現像剤の流動性が低下した場合、中空スパイラル形状を備える第1搬送スクリュー72によって搬送された現像剤は、トナーセンサ80が配置される第2壁部70Cまで到達されにくい。このような場合であっても、上記の構成によれば、現像剤の流動性が低下した場合、補助仕切り板90の下端部分に、現像剤が付着する。やがて、補助仕切り板90よりも下方の領域が、前記現像剤によって塞がれる。このため、第1搬送部74aを搬送される現像剤は、補助仕切り板90よりも下流側の領域まで、搬送される。この結果、前記現像剤が、トナーセンサ80が対向する領域を通過し、トナーセンサ80によって、現像剤量が好適に検出される。
また、上記の実施形態では、補助仕切り板90は、現像装置70の蓋部70Dに配置される。このため、現像ハウジング70Aと蓋部70Dとの組み合わせによって、補助仕切り板90を、現像ハウジング70Aに配置させることが可能となる。
また、上記の実施形態によれば、第1搬送スクリュー72に加え、第2搬送スクリュー73も、回転軸心の周辺が中空とされた中空スパイラル形状を有する。したがって、第1搬送部74aと第2搬送部74bにおける現像剤の搬送性能が、近似される。このため、第1搬送部74aおよび第2搬送部74bを循環する現像剤の流れが、安定して維持される。
また、上記の実施形態によれば、第1搬送スクリュー72の第11先端部722Aは、第11連設片724よりも第2壁部70C側に突出するように、第11リブ722の端部から突設される。このため、第1搬送部74aの第2の方向の下流側において、第1搬送スクリュー72の回転に伴って、第11先端部722Aが、第11連設片724と第2壁部70Cとの間に位置する現像剤を、好適に攪拌する。したがって、トナーセンサ80によって、前記現像剤量が、更に、精度良く検出される。
また、上記の実施形態によれば、第11リブ722および第12リブ723が、第2搬送部材の回転における周方向において、間隔をおいて配置される。また、第11先端部722Aおよび第12先端部723Aは、第11リブ722および第12リブ723の端部から、それぞれ突設される。このため、前記複数の先端部によって、第11連設片724と第2壁部70Cとの間に位置する現像剤が、更に、好適に攪拌される。
また、上記の実施形態によれば、第11リブ722の第2の方向の下流側端部において、第2連通部705に対向して、第1搬送スクリュー72の回転における径方向に向かって、第12突起部729が、突設される。このため、第1搬送スクリュー72の回転に伴って、第12突起部729が、現像剤を、第1搬送部74aから第2搬送部74bに、好適に受け渡す。この結果、第1搬送部74aと第2搬送部74bとの間の現像剤の循環が安定して維持される。
また、上記の実施形態によれば、現像装置70において使用される現像剤が、一成分トナーであり、前記トナーが劣化した場合であっても、トナーセンサ80によって、現像装置70内のトナー量が好適に検出される。
また、上記の実施形態によれば、画像形成装置1は、周面に静電潜像が形成され、前記現像ローラー71に対向して配置される感光体ドラム31と、上記に記載の現像装置70と、を備える。そして、現像剤の流動性が低下した場合であっても、第1搬送部74aを搬送される現像剤は、補助仕切り板90よりも下流側の領域まで、搬送される。この結果、前記現像剤が、トナーセンサ80が対向する領域を通過し、トナーセンサ80によって、現像剤量が好適に検出される。したがって、現像ハウジング70A内の現像剤量が、好適に管理された状態で、感光体ドラム31に画像が形成される。
以上、本発明の実施形態に係る現像装置70、およびこれを備える画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、補助仕切り90は、蓋部70Dに配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。補助仕切り板90は、現像ハウジング70A側に配置されるものであってもよい。また、補助仕切り板90は、仕切り板701の一部として、配置されてもよい。
(2)また、上記の実施形態では、トナーセンサ80は、第1搬送部74aの搬送方向下流側において、第2壁部70Cに配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナーセンサ80は、第2壁部70Cにおいて、第1搬送部74aおよび現像剤貯留部74bに跨って配置されてもよく、その他、第2連通部705の周辺の壁部に配置されてもよい。