JP5701678B2 - 加圧装置および加圧装置の制御方法 - Google Patents
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Description
地球内部の物質の高圧下での挙動を解明する実験に関して説明すると、地球の内部の物質は、地球内部であるゆえ、高温・高圧下の状態に曝されている。したがって、地球内部の構造を解明するためには、地上において、地球内部相当の高温、高圧の清水圧力場を疑似的に作り出す必要がある。そのための実験装置として、超高圧発生装置が使用される。超高圧発生装置により物質(被加工物)を高温、高圧の状態にするためには、長時間にわたる精密な昇圧、加圧維持、減圧を行う必要がある。
プランジャポンプは、直動機構により精密な油の吐出、制御が可能である。その一方、プランジャポンプのストロークは限られているため、長時間の連続した加圧ができないという問題がある。
プランジャポンプがストローク端に達した場合、一旦加圧を中断し、プランジャポンプに作動油を補充し、中断していた加圧を再開することが行われる。この加圧再開時に油圧変動が大きいと被加圧物への負荷変動が起こり、加圧がうまくいかなくなるという問題がある。
しかるに、プランジャポンプをストロークの制約内で使用すると、長時間の連続した加圧ができないという問題がある。
また、複数個のプランジャポンプを切り換えると、切り換え時に被加圧物への負荷変動が起こるという問題がある。
第2発明の加圧装置は、第1発明において、さらに、前記シャットオフバルブの第1状態と第2状態とを切り換え可能な制御手段を備え、該制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を補充している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にさせることを特徴とする。
第3発明の加圧装置は、第2発明において、さらに、前記第1圧力測定手段の測定値と、前記第2圧力測定手段の測定値とを監視する油圧監視手段を備え、前記制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を補充した後に、前記油圧監視手段が前記第1圧力測定手段の測定値と前記第2圧力測定手段の測定値とが略一致したことを検出したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にさせることを特徴とする。
第4発明の加圧装置は、作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段から該シリンダ内に作動油を吸引するプランジャポンプと、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力を測定する第1圧力測定手段と、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を測定する第2圧力測定手段と、作動油が蓄えられたタンクと、を備え、前記プランジャポンプは、前記タンクへ作動油を排出可能であることを特徴とする。
第5発明の加圧装置は、第4発明において、さらに、前記シャットオフバルブの第1状態と第2状態とを切り換え可能な制御手段を備え、該制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を排出している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にさせることを特徴とする。
第6発明の加圧装置は、第5発明において、さらに、前記第1圧力測定手段の測定値と、前記第2圧力測定手段の測定値とを監視する油圧監視手段を備え、前記制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を排出した後に、前記油圧監視手段が前記第1圧力測定手段の測定値と前記第2圧力測定手段の測定値とが略一致したことを検出したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にさせることを特徴とする。
第7発明の加圧装置は、第1、第2、第3、第4、第5または第6発明において、さらに、前記第1圧力測定手段の測定値と、前記第2圧力測定手段の測定値とを監視する油圧監視手段と、該油圧監視手段の監視結果に基づき視覚信号および/または聴覚信号を出力する視聴覚信号出力手段とを備え、前記視聴覚信号出力手段は、前記油圧監視手段が前記第1圧力測定手段の測定値と前記第2圧力測定手段の測定値とが略一致したことを検出したときに、前記視覚信号および/または前記聴覚信号を出力することを特徴とする。
第8発明の加圧装置の制御方法は、作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段に該シリンダ内の作動油を供給するプランジャポンプと、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、作動油が蓄えられたタンクと、を備え、前記プランジャポンプは、前記タンクから作動油を補充可能である加圧装置の制御方法であって、前記プランジャポンプが作動油を補充している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にすることを特徴とする。
第9発明の加圧装置の制御方法は、第8発明において、前記プランジャポンプが作動油を補充した後に、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を上昇させ、前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力と、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にすることを特徴とする。
第10発明の加圧装置の制御方法は、作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段から該シリンダ内に作動油を吸引するプランジャポンプと、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、作動油が蓄えられたタンクと、を備え、前記プランジャポンプは、前記タンクへ作動油を排出可能である加圧装置の制御方法であって、前記プランジャポンプが作動油を排出している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にすることを特徴とする。
第11発明の加圧装置の制御方法は、第10発明において、前記プランジャポンプが作動油を排出した後に、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を上昇させ、前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力と、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にすることを特徴とする。
第12発明の加圧装置の制御方法は、第8、第9、第10または第11発明において、さらに、視覚信号および/または聴覚信号を出力する視聴覚信号出力手段を備える加圧装置の制御方法であって、前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力と前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、前記視聴覚信号出力手段から前記視覚信号および/または前記聴覚信号を出力することを特徴とする。
第2発明によれば、シャットオフバルブで加圧を中断し、プランジャポンプに作動油を補充し、加圧を再開できるので、ストロークに限りが有るプランジャポンプでも長時間の連続した加圧ができる。
第3発明によれば、シャットオフバルブは、第1圧力測定手段の測定値と第2圧力測定手段の測定値とが略一致したときに、加圧手段とプランジャポンプとの間の作動油の流れを開放するので、加圧再開時の被加圧物への負荷変動を低減できる。
第4発明によれば、シャットオフバルブで減圧を中断し、プランジャポンプから作動油を排出し、減圧を再開できるので、ストロークに限りが有るプランジャポンプでも長時間の連続した減圧ができる。また、第1側圧力測定手段と第2圧力測定手段とで圧力監視を行うことで、減圧中断から再開までの処理を、加圧装置を構成する機器の最高速度で動作させることができ、減圧中断から再開までの時間を短くできる。
第5発明によれば、シャットオフバルブで減圧を中断し、プランジャポンプから作動油を排出し、減圧を再開できるので、ストロークに限りが有るプランジャポンプでも長時間の連続した減圧ができる。
第6発明によれば、シャットオフバルブは、第1圧力測定手段の測定値と第2圧力測定手段の測定値とが略一致したときに、加圧手段とプランジャポンプとの間の作動油の流れを開放するので、減圧再開時の被加圧物への負荷変動を低減できる。
第7発明によれば、視聴覚信号を基に、作業員がシャットオフバルブを切り換えれば、第1圧力測定手段の測定値と第2圧力測定手段の測定値とが略一致したときに、加圧手段とプランジャポンプとの間の作動油の流れを開放するので、加圧・減圧再開時の被加圧物への負荷変動を低減できる。
第8発明によれば、シャットオフバルブで加圧を中断し、プランジャポンプに作動油を補充し、加圧を再開できるので、ストロークに限りが有るプランジャポンプでも長時間の連続した加圧ができる。
第9発明によれば、シャットオフバルブは、加圧手段側の作動油の圧力と、プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、加圧手段とプランジャポンプとの間の作動油の流れを開放するので、加圧再開時の被加圧物への負荷変動を低減できる。
第10発明によれば、シャットオフバルブで減圧を中断し、プランジャポンプから作動油を排出し、減圧を再開できるので、ストロークに限りが有るプランジャポンプでも長時間の連続した減圧ができる。
第11発明によれば、シャットオフバルブは、加圧手段側の作動油の圧力と、プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、加圧手段とプランジャポンプとの間の作動油の流れを開放するので、減圧再開時の被加圧物への負荷変動を低減できる。
第12発明によれば、視聴覚信号を基に、作業員がシャットオフバルブを切り換えれば、シャットオフバルブの加圧手段側の作動油の圧力と、プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、加圧手段とプランジャポンプとの間の作動油の流れを開放するので、加圧・減圧再開時の被加圧物への負荷変動を低減できる。
まず、図2に基づき、本実施形態に係る超高圧発生装置Aの全体構造を説明する。なお、超高圧発生装置Aは、特許請求の範囲に記載の加圧装置に相当する。
図2において符号10は超高圧発生装置Aのフレームを示している。このフレーム10には、その中心部に中空な空間12が設けられており、この空間12内に6個のアンビル20が配置されている。各アンビル20は、先端部分が截頭四角錐状に形成されたものであり、図2において、空間12の中心を基準として上下、左右、前後に配置されており、先端面に囲まれた部分には、中心部に試料体を埋設した葉ろう石(パイロフィライト)や半焼結酸化マグネシウム(MgO)等の被加圧物Wが配置される加圧空間11が形成されている。そして、6つのアンビル20は、互いに対向するアンビル20の先端面同士が互いに平行となるように配設されている。つまり、6つのアンビル20は、その先端面に囲まれた加圧空間11が立方体(正六面体)となるように配置されているのである。これら6つのアンビル20によって、加圧空間11内に配置された被加工物Wが加圧される。
なお、アンビル20の数は6個に限られず、また、その先端部の形状も截頭四角錐状に限られない。アンビル20を1つとして1軸プレスとしても良いし、2以上のアンビル20を用いてもよい。また、アンビル20の先端面に囲まれた加圧空間11は、必ずしも正多面体でなくてもよく、被加工物Wの形状に合わせて被加工物Wを加圧することができる空間となっていればよい。
油圧シリンダ30は全て同じ構成を有しており、隣接するアンビル20同士が互いに直交する方向に移動するように配置されている。具体的には、加圧空間11の上下に位置するアンビル20の移動方向は、左右および前後に位置するアンビル20の移動方向と直交し、かつ、左右に位置するアンビル20の移動方向は、前後に位置するアンビル20の移動方向と直交するように配置されているのである。
なお、アンビル20の数が6個、つまり、加圧空間11が立方体となる場合にはアンビル20の移動方向は直交させる必要があるが、アンビル20の数が6個でない場合には、アンビル20の移動方向を隣接するアンビル20の移動方向と直交させる必要はない。アンビル20の数が6個以外であれば、加圧空間11の各面に垂直、言い換えれば、各アンビル20の先端面に垂直にあって、かつ、加圧空間11の中心を通過する軸に沿った方向にアンビル20を移動させることができるように油圧シリンダ30を配設すればよい。
図1に示すように、油圧シリンダ30のピストン側油室33には、給排管41が接続されており、ロッド側油室34には後述する切換弁Vに接続された給排管42が接続されている。給排管41は途中で分岐しており、一方が切換弁Vに接続された給排管41a、他方が後述するプランジャポンプ50に接続された給排管41bとなっている。また、作動油が蓄えられたタンクT1内の作動油を吐出する油圧ポンプPに接続された給排管43と、作動油が蓄えられたタンクT2と切換弁Vとを接続する給排管44と、プランジャポンプ50と後述する切換弁63とを接続する給排管45とが設けられている。給排管43は途中で分岐しており、一方が切換弁Vに接続された給排管43a、他方が切換弁63に接続された給排管43bとなっている。
切換弁VをI位置にし、油圧ポンプPの吐出した圧油をピストン側油室33に供給すると、ピストンロッド32が右方に移動するので、アンビル20を加圧空間11に向けて接近させることができる。また、切換弁VをIII位置にし、油圧ポンプPの吐出した圧油をロッド側油室34に供給すると、ピストンロッド32が左方に移動するので、アンビル20を加圧空間11から離間させることができる。
このプランジャポンプ50により、ピストン側油室33に作動油を供給したり排出したりすることで、油圧シリンダ30における長時間にわたる精密な昇圧、加圧維持、減圧を行うことができる。
油圧シリンダ30側のシャットオフバルブ61をI位置にすると、プランジャポンプ50からピストン側油室33に作動油を給排出することができ、II位置にすると、ピストン側油室33とプランジャポンプ50との間の作動油の流れを遮断できる。また、油圧ポンプP側のシャットオフバルブ62をI位置にすると、油圧ポンプPからプランジャポンプ50へ作動油を補充でき、II位置にすると、プランジャポンプ50への作動油の補充を停止できる。
なお、加圧側圧力計71が特許請求の範囲に記載の第1圧力測定手段に相当し、ポンプ側圧力計72が特許請求の範囲に記載の第2圧力測定手段に相当する。
なお、タンクT1,T2,T3は一般的には同一のタンクであるが、これらを別々のタンクとしてもよい。
このように、被加圧物Wを加圧しない範囲では、油圧ポンプPで油圧シリンダ30を作動させるので、油圧シリンダ30の動作を速くできる。また、後述のごとく、プランジャポンプ50が作動油を補充・排出する回数を少なくできる。
同様に、シャットオフバルブ62および切換弁63はI位置、II位置のどちらでも構わないが、油圧ポンプPから供給される作動油が油圧シリンダ30のみへ送られるような位置にしておくと、油圧シリンダ30の動作をより速くできる。
逆に、シャットオフバルブ61、62および切換弁63を、油圧ポンプPから供給される作動油をプランジャポンプ50に送られるような位置にすれば、プランジャポンプ50内への作動油を補充することができる。
まず、シャットオフバルブ62をII位置にし、油圧ポンプPからプランジャポンプ50への作動油の供給を遮断する。また、シャットオフバルブ61をI位置にし、プランジャポンプ50から油圧シリンダ30のピストン側油室33への作動油の流れを開放する。
そして、プランジャポンプ50により油圧シリンダ30のピストン側油室33へ作動油を供給し、被加圧物Wへの加圧力を昇圧する。このとき、パイロットチェック弁64,65によりプランジャポンプ50側の油圧回路と切換弁VおよびポンプP側の油圧回路とが遮断されているため、プランジャポンプ50により発生する油圧が切換弁VおよびポンプPに伝達されることがない。
プランジャポンプ50は直動機構51によりシリンダ52を直動させることでプランジャ53が作動油を押し出すため、精密な作動油の吐出制御が可能であるから、長時間をかけて除々に昇圧できる。
プランジャポンプ50に作動油を補充するためには、まず、シャットオフバルブ61をII位置にし、油圧シリンダ30のピストン側油室33とプランジャポンプ50との間の作動油の流れを遮断する。これにより、作動油の補充中でも油圧シリンダ30のピストン側油室33の内圧、すなわち加圧力を維持することができる。つぎに、シャットオフバルブ62をI位置にすると共に、切換弁63をI位置にし、プランジャポンプ50内の圧力を開放する。なお、シャットオフバルブ62および切換弁63の切り換えは同時に行ってもよいし、シャットオフバルブ62を切り換えた後に切換弁63を切り換えても良いし、切換弁63を切り換えた後にシャットオフバルブ62を切り換えても良い。つぎに、切換弁63をII位置にし、油圧ポンプPからプランジャポンプ50へ作動油を供給する。このとき、プランジャポンプ50の直動機構51を動作させ、プランジャポンプ50内に作動油を吸引する。
つぎに、プランジャポンプ50の直動機構51を動作させ、プランジャポンプ50の内圧を昇圧させる。このとき、制御装置Sは加圧側圧力計71とポンプ側圧力計72とで圧力監視を行い、ポンプ側圧力計72で測定された油圧が加圧側圧力計71で測定された油圧と略一致したときに、シャットオフバルブ61をI位置にし、油圧シリンダ30とプランジャポンプ50との間の作動油の流れを開放する。すなわち、シャットオフバルブ61の油圧シリンダ30側の油圧とプランジャポンプ50側の油圧とが略一致したときに、油圧シリンダ30のピストン側油室33とプランジャポンプ50との間の作動油の流れが開放されるのである。
なお、制御装置Sは特許請求の範囲に記載の油圧監視手段にも相当する。制御装置Sにより加圧側圧力計71とポンプ側圧力計72とで測定した圧力を監視してもよいし、制御装置Sとは別の圧力監視装置を設けてもよい。
また、油圧監視装置を設けずに、加圧側圧力計71とポンプ側圧力計72とが測定した測定値をそれぞれ表示する表示装置を設け、表示装置に表示された測定値が略一致したら、作業員がシャットオフバルブ61を切り換えるようにしても良い。
なお、再びプランジャポンプ50がストローク端に達した場合には、上記と同様の工程でプランジャポンプ50に作動油を補充し、再び昇圧を開始させる。
加圧維持工程では、理想的には油圧シリンダ30のピストン側油室33に圧油を供給する必要はないが、実際には、油圧シリンダ30のシリンダ31とピストンロッド32とのシールの隙間や、切換弁V等において油漏れがあるため、除々に油圧シリンダ30のピストン側油室33の内圧が下がってくる。これを補うために、プランジャポンプ50で油圧シリンダ30のピストン側油室33に常に少量の圧油を供給し続ける必要がある。
また、加圧維持工程が長時間である場合には、プランジャポンプ50がストローク端に達する場合がある。この場合にも、昇圧工程の場合と同様にプランジャポンプ50に作動油を補充し、再びプランジャポンプ50から油圧シリンダ30への作動油の供給を開始させる。このときのプランジャポンプ50、シャットオフバルブ61、62、切換弁63、加圧側圧力計71およびポンプ側圧力計72の動作も昇圧工程の場合と同様である。
さらに、加圧側圧力計71とポンプ側圧力計72とで圧力監視を行うので、加圧中断から再開までの処理を超高圧発生装置Aを構成する機器の最高速度で動作させることができ、加圧中断から再開までの時間を短くできる。
まず、シャットオフバルブ62をII位置にし、油圧ポンプPからプランジャポンプ50への作動油の供給を遮断する。また、シャットオフバルブ61をI位置にし、プランジャポンプ50から油圧シリンダ30への作動油の流れを開放する。
そして、プランジャポンプ50により油圧シリンダ30のピストン側油室33から作動油を吸引し、被加圧物Wへの加圧力を減圧する。このとき、プランジャポンプ50は精密な作動油の吸引制御が可能であるから、長時間をかけて除々に減圧できる。
プランジャポンプ50から作動油を排出するためには、まず、シャットオフバルブ61をII位置にし、油圧シリンダ30のピストン側油室33とプランジャポンプ50との間の作動油の流れを遮断する。これにより、プランジャポンプ50内の作動油を排出中でも油圧シリンダ30のピストン側油室33の内圧、すなわち加圧力を維持することができる。つぎに、切換弁63をI位置にするとともに、シャットオフバルブ62をI位置にして、プランジャポンプ50の直動機構51を動作させ、プランジャポンプ50から作動油をタンクT3へ排出する。なお、シャットオフバルブ62および切換弁63の切り換えは同時に行ってもよいし、シャットオフバルブ62を切り換えた後に切換弁63を切り換えても良いし、切換弁63を切り換えた後にシャットオフバルブ62を切り換えても良い。
つぎに、プランジャポンプ50の直動機構51を動作させ、プランジャポンプ50の内圧を昇圧させる。このとき、制御装置Sにより加圧側圧力計71とポンプ側圧力計72とで測定した圧力の監視を行い、ポンプ側圧力計72で測定された油圧が加圧側圧力計71で測定された油圧と略一致したときに、シャットオフバルブ61をI位置にし、油圧シリンダ30のピストン側油室33とプランジャポンプ50との間の作動油の流れを開放する。
なお、再びプランジャポンプ50が作動油を限界まで吸引した場合には、上記と同様の工程でプランジャポンプ50から作動油を排出し、再び減圧を開始させる。
さらに、制御装置Sにより加圧側圧力計71とポンプ側圧力計72とで計測する圧力を監視するので、減圧中断から再開までの処理を超高圧発生装置Aを構成する機器の最高速度で動作させることができ、減圧中断から再開までの時間を短くできる。
上記実施形態では、油圧シリンダ30のピストン側油室33の減圧工程において、プランジャポンプ50により油圧シリンダ30のピストン側油室33から積極的に作動油を排出させているが、油圧回路の油漏れによる減圧の速度によっては、プランジャポンプ50による減圧を行わなくてもよい。また、油圧回路の油漏れによる減圧の速度が目的とする減圧の速度よりも速い場合には、プランジャポンプ50により油圧シリンダ30のピストン側油室33に作動油を供給し、減圧の速度を下げる制御を行う必要がある。この様な場合には、プランジャポンプ50により油圧シリンダ30のピストン側油室33から作動油を吸引する必要はなく、逆にプランジャポンプ50により油圧シリンダのピストン側油室33へ作動油を供給することで減圧の速度を制御する。
50 プランジャポンプ
61、62 シャットオフバルブ
71 加圧側圧力計
72 ポンプ側圧力計
Claims (12)
- 作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、
シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段に該シリンダ内の作動油を供給するプランジャポンプと、
前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、
前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力を測定する第1圧力測定手段と、
前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を測定する第2圧力測定手段と、
作動油が蓄えられたタンクと、を備え、
前記プランジャポンプは、前記タンクから作動油を補充可能である
ことを特徴とする加圧装置。 - さらに、前記シャットオフバルブの第1状態と第2状態とを切り換え可能な制御手段を備え、
該制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を補充している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にさせる
ことを特徴とする請求項1記載の加圧装置。 - さらに、前記第1圧力測定手段の測定値と、前記第2圧力測定手段の測定値とを監視する油圧監視手段を備え、
前記制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を補充した後に、前記油圧監視手段が前記第1圧力測定手段の測定値と前記第2圧力測定手段の測定値とが略一致したことを検出したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にさせる
ことを特徴とする請求項2記載の加圧装置。 - 作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、
シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段から該シリンダ内に作動油を吸引するプランジャポンプと、
前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、
前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力を測定する第1圧力測定手段と、
前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を測定する第2圧力測定手段と、
作動油が蓄えられたタンクと、を備え、
前記プランジャポンプは、前記タンクへ作動油を排出可能である
ことを特徴とする加圧装置。 - さらに、前記シャットオフバルブの第1状態と第2状態とを切り換え可能な制御手段を備え、
該制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を排出している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にさせる
ことを特徴とする請求項4記載の加圧装置。 - さらに、前記第1圧力測定手段の測定値と、前記第2圧力測定手段の測定値とを監視する油圧監視手段を備え、
前記制御手段は、前記プランジャポンプが作動油を排出した後に、前記油圧監視手段が前記第1圧力測定手段の測定値と前記第2圧力測定手段の測定値とが略一致したことを検出したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にさせる
ことを特徴とする請求項5記載の加圧装置。 - さらに、前記第1圧力測定手段の測定値と、前記第2圧力測定手段の測定値とを監視する油圧監視手段と、
該油圧監視手段の監視結果に基づき視覚信号および/または聴覚信号を出力する視聴覚信号出力手段とを備え、
前記視聴覚信号出力手段は、前記油圧監視手段が前記第1圧力測定手段の測定値と前記第2圧力測定手段の測定値とが略一致したことを検出したときに、前記視覚信号および/または前記聴覚信号を出力する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の加圧装置。 - 作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、
シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段に該シリンダ内の作動油を供給するプランジャポンプと、
前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、
作動油が蓄えられたタンクと、を備え、
前記プランジャポンプは、前記タンクから作動油を補充可能である
加圧装置の制御方法であって、
前記プランジャポンプが作動油を補充している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にする
ことを特徴とする加圧装置の制御方法。 - 前記プランジャポンプが作動油を補充した後に、
前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を上昇させ、
前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力と、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にする
ことを特徴とする請求項8記載の加圧装置の制御方法。 - 作動油の供給により被加工物を加圧する加圧手段と、
シリンダと、該シリンダ内を摺動可能なプランジャと、該シリンダまたは該プランジャを駆動する駆動機構とを有し、該駆動機構により該シリンダまたは該プランジャを駆動することにより前記加圧手段から該シリンダ内に作動油を吸引するプランジャポンプと、
前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを開放する第1状態と、前記加圧手段と前記プランジャポンプとの間の作動油の流れを遮断する第2状態とを切り換え可能なシャットオフバルブと、
作動油が蓄えられたタンクと、を備え、
前記プランジャポンプは、前記タンクへ作動油を排出可能である
加圧装置の制御方法であって、
前記プランジャポンプが作動油を排出している間は、前記シャットオフバルブを第2状態にする
ことを特徴とする加圧装置の制御方法。 - 前記プランジャポンプが作動油を排出した後に、
前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力を上昇させ、
前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力と、前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、前記シャットオフバルブを第1状態にする
ことを特徴とする請求項10記載の加圧装置の制御方法。 - さらに、視覚信号および/または聴覚信号を出力する視聴覚信号出力手段を備える加圧装置の制御方法であって、
前記シャットオフバルブの前記加圧手段側の作動油の圧力と前記シャットオフバルブの前記プランジャポンプ側の作動油の圧力とが略一致したときに、前記視聴覚信号出力手段から前記視覚信号および/または前記聴覚信号を出力する
ことを特徴とする請求項8、9、10または11記載の加圧装置の制御方法。
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JP2011107959A JP5701678B2 (ja) | 2011-05-13 | 2011-05-13 | 加圧装置および加圧装置の制御方法 |
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