以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に、本発明に適用する固体撮像装置、すなわちMOS型の固体撮像装置の概略構成の一例を示す。本例の固体撮像装置1は、半導体基板11例えばシリコン基板に複数の光電変換部となるフォトダイオードを含む画素2が規則的に2次元的に配列された画素部(いわゆる撮像領域)3と、周辺回路部とを有して構成される。画素2は、フォトダイオードと、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。複数の画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタの3つのトランジスタで構成することができる。その他、選択トランジスタを追加して4つのトランジスタで構成することもできる。
周辺回路部は、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8などを有して構成される。
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。制御回路8は、これらの信号を垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力する。
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成される。垂直駆動回路4は、画素部3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線9を通して各画素2の光電変換素子となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム信号処理回路5に供給する。
カラム信号処理回路5は、画素2の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列ごとに黒基準画素(有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によってノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路5は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。
上記の固体撮像装置1を、表面照射型の固体撮像装置に適用する場合は、画素部3及び周辺回路部が形成された基板の表面側の上方に、層間絶縁膜を介して複数層の配線を有する複数配線層が形成される。画素部3では、複数配線層の上に平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ、さらにその上にオンチップマイクロレンズが形成される。
上記の固体撮像装置1を、裏面照射型の固体撮像装置に適用する場合は、光入射面(いわゆる受光面)側の裏面上には複数配線層はない。複数配線層は受光面と反対側の表面側に形成される。
本発明に係る固体撮像装置は、画素を微細化したときの、最適化された画素部3のレイアウトに特徴を有する。
[参考例1:固体撮像装置の構成例]
図2に、参考例1に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図2は、画素部のレイアウトの要部を示す。図3〜図5は、1層目配線及び2層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。なお、以下の説明で、縦または縦方向とは画素部の垂直方向を指し、横または横方向とは画素部の水平方向を指す。つまり、垂直信号線と平行するのが縦で、それと直交するのが横である。
参考例1に係る固体撮像装置101は、図2に示すように、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]配列を1共有単位21として、この共有単位21を2次元アレイ状に配列して画素部3が構成される。すなわち、1共有単位21としては、横2×縦2の計4つのフォトダイオードPDに対して1つのフローティングディフージョンFDを共有する構成が、縦に2組配列された、いわゆる横2×縦4の8画素共有の形でレイアウトされる。同図において、符号Pは画素ピッチを示す。
1共有単位21は、8つのフォトダイオードと10個の画素トランジスタで構成され、1画素当り1.25個の画素トランジスタで形成される。10個の画素トランジスタの内訳は、本例では、8個の転送トランジスタTr1[Tr11〜Tr18]、1個のリセットトランジスタTr2、1個の増幅トランジスタTr3の計10個である。
1共有単位21内のレイアウトは、第1構成部23と、第2構成部25と、読み出しトランジスタTr11〜Tr18、増幅トランジスタTr3と、リセットトランジスタTr2を有する。さらに、このレイアウトは、8本の読み出し配線26[261〜268]と、リセット配線27と、接続配線28を有する。増幅トランジスタTr3は、ソース領域31Sと、ドレイン領域31Dと、増幅ゲート電極32を有して構成される。リセットトランジスタTr2は、ソース領域33Sと、ドレイン領域33Dと、リセットゲート電極34を有して構成される。
第1構成部23は、4つのフォトダイオードPD1、PD2、PD3及びPD4と、この4つのフォトダイオードPD1〜PD4に対して4つの読み出しゲート電極221〜224と、1つの第1フォトダイオードPD1を有して構成される(図3A参照)。各フォトダイオードPD1〜PD4と、第1フローティングディフージョンFD1と、各読み出しゲート電極221〜224とにより、読み出しトランジスタTr11〜Tr14が構成される。
上側の第1構成部23は、略四角形状の4つのフォトダイオードPD1〜PD4が、所要の間隔、例えば縦横等間隔を置いて縦横2列に配置される。この4つのフォトダイオードPD1〜PD4で囲まれた中央領域に1つの第1フローティングディフージョンFD1が形成される。この第1フローティングディフージョンFD1に接するように、4つのフォトダイオードPD1〜PD4の互いに向き合うコーナ部側に各対応する読み出しゲート電極221〜224が形成される。各読み出しゲート電極221〜224は、一部突出部24を有する略三角形状、あるいは略台形状をなし、底辺側がフォトダイオードPD1側に、頂部側が第1フローティングディフージョンFD1側に位置するように形成される。より詳しくは、4つの読み出しゲート電極221〜224は、同形状に形成されて、互いに対称的に配置される。
第2構成部25は、4つのフォトダイオードPD5、PD6、PD7及びPD8と、この4つのフォトダイオードPD5〜PD8に対して4つの読み出しゲート電極225〜228と、1つの第2フォトダイオードPD2を有して構成される(図3A参照)。各フォトダイオードPD5〜PD8と、第2フローティングディフージョンFD2と、各読み出しゲート電極225〜228とにより、読み出しトランジスタTr15〜Tr18が構成される。
下側の第2構成部25も、上側の第1構成部23と同様に、略四角形状の4つのフォトダイオードPD5〜PD8が、所要の間隔、例えば縦横等間隔を置いて縦横2列に配置される。この4つのフォトダイオードPD5〜PD8で囲まれた中央領域に1つの第2ローティングディフージョンFD2が形成される。この第2フローティングディフージョンFD2に接するように、4つのフォトダイオードPD5〜PD8の互いに向き合うコーナ部側に各対応する読み出しゲート電極225〜228が形成される。各読み出しゲート電極225〜228は、上記の各読み出しゲート電極221〜224と同じ形状に形成される。そして、各読み出しゲート電極225〜228も、その略三角形状、あるいは略台形状の底辺側がフォトダイオードPD2側に、頂部側が第1フローティングディフージョンFD2側に位置するように、かつ互いに対称的に配置される。
8本の読み出し配線261から268は、読み出しトランジスタTr11〜Tr18のそれぞれの読み出しゲート電極221〜228に接続され、それぞれ独立の読み出しパルスが印加され、それぞれ独立に制御されるように形成される。リセット配線27は、リセットトランジスタTr2のリセットゲート電極34に接続され、リセットパルスが印加されるように形成される。接続配線28は、第1フローティングディフージョンFD1と、第2フローティングディフージョンFD2と、増幅トランジスタTr3の増幅ゲート電極32と、リセットトランジスタTr2のソース領域33Sとに接続される。
さらに、共有単位21内には、リセットトランジスタTr2のドレイン領域33Dに接続する電源配線29と、増幅トランジスタTr3のソース領域31Sに接続する垂直信号線35、増幅トランジスタTr3のドレイン領域31Dに接続する電源配線36を有する。
増幅トランジスタTr3は、上側の第1構成部23と、下側の第2構成部25との間に形成される。この増幅トランジスタTr3は、横方向に長いゲート長を有するように増幅ゲート電極32を形成し、この増幅ゲート電極32の両端位置にソース領域31S及びドレイン領域31Dを形成して構成される。増幅ゲート電極32のゲート長方向の長さが画素ピッチP1よりも長く形成される。本例では、増幅ゲート電極32の長さが、横2つのフォトダイオードPD1、PD2にわたる長さに対応し、すなわち2画素ピッチに近い寸法で形成される。
リセットトランジスタTr2は、上側の第1構成部23の上部中央に形成される。すなわち、リセットトランジスタTr2は、横2つのフォトダイオードPD1とPD2間に対応する領域にリセットゲート電極34を挟んで上下にドレイン領域33D及びソース領域33Sを形成して構成される。
そして、参考例1においては、読み出し配線261〜268、リセット配線27、リセットトランジスタTr2のドレイン領域33Dに接続される電源配線29が、2層構造の配線(以下、2層配線という)のうちの第1層目の配線で形成される。2層配線は、図4に示すように、メタル配線M1、M2で形成される。第1層目の配線、つまり第1層メタル配線M1による上記各配線261〜268、27、29は、横方向に配線される(図3B参照)。
なお、図4に示すように、メタル配線M1、M2は、フォトダイオードPD、各画素トランジスタTr1〜Tr3が形成された半導体基板38上に、層間絶縁膜39を介して形成される。40は平坦化膜を示す。メタル配線M1、M2は、例えば下面及び側面をバリアメタル41で囲まれたCu配線で形成される。Cuのメタル配線M1、M2の上面には、Cu拡散を防止するためのSiC膜42が形成される。
第1構成部23側の4本の読み出し配線261〜264は、縦に並ぶ2行のフォトダイオードPD間に対応する領域に配列される。上2つの読み出し配線261及び262は、読み出しゲート電極221及び222に沿うように一部屈曲し、それぞれ対応する読み出しゲート電極221及び222に接続し、互いに平行に配列される。下2つの読み出し配線263及び264は、読み出しゲート電極223及び224に沿うように一部屈曲し、それぞれ対応する読み出しゲート電極223及び224に接続し、互いに平行に配列される。読み出しゲート電極221及び222に接続される上2本の読み出し配線261及び262と、読み出しゲート電極223及び224に接続される下2本の読み出し配線263及び264は、互いに対称のレイアウトで形成される。
第2構成部25側の4本の読み出し配線265〜268も同様に配列される。すなわち、読み出し配線265〜268は、縦に並ぶ2行のフォトダイオードPD間に対応する領域に配列される。上2つの読み出し配線265及び266は、読み出しゲート電極225及び226に沿うように一部屈曲し、それぞれ対応する読み出しゲート電極225及び226に接続し、互いに平行に配列される。下2つの読み出し配線267及び268は、読み出しゲート電極227及び228に沿うように一部屈曲し、それぞれ対応する読み出しゲート電極227及び228に接続し、互いに平行に配列される。読み出しゲート電極225及び226に接続される上2本の読み出し配線265及び266と、読み出しゲート電極227及び228に接続される下2本の読み出し配線267及び268は、互いに対称のレイアウトで形成される。
上下の第1、第2フローティングディフージョンFD1、FD2と、増幅ゲート電極32と、リセットトランジスタTr2のソース領域33Sは、接続配線28により接続される。この接続配線28と、増幅トランジスタTr3のソース領域31Sに接続される垂直信号線35と、増幅トランジスタTr3のドレイン領域31Dに接続される電源配線36は、2層配線のうちの第2層目の配線で形成される。第2層目の配線、つまり第2層メタル配線M2による接続配線28、垂直信号線35及び電源配線36は、縦方向に配線される(図3C参照)。
横方向に配線された4本並列の読み出し配線261〜264、及び4本並列の読み出し配線265〜268は、それぞれ配線間の隙間が回折限界以下の間隔に設定される。従って、4本並列の読み出し配線261〜264、読み出し配線265〜268の領域では、実質的に光が透過せず、遮光領域となる。図2において、30はコンタクト部を示す。コンタクト部30では、層間絶縁膜を貫通する導電プラグを介して相互接続がなされる。この場合、第1層メタル配線M1、第2層メタルM2が、それぞれ、直接導電プラグを介して目的の接続領域に接続される構成、あるいは第2層メタルM2が、導電プラグ、第1層メタルM1を経由して目的の接続領域に接続される構成がとられている。
各フォトダイオードPD1〜PD8、増幅トランジスタTr3、リセットトランジスタTr2の相互間には、素子分離領域20が形成される。この素子分離領域20としては、例えば、図示しないが、不純物拡散領域で形成されこの不純物拡散領域の表面全面にゲート絶縁膜と同程度のフラットな絶縁膜が形成される。不純物拡散領域としては、例えばp型半導体領域で形成される。この場合、画素トランジスタとしてはnチャネル方の画素トランジスタが用いられ、また信号電荷として電子が用いられる。
図3A〜3Cに、1共有単位21の分解平面を示す。図3Aでは、フォトダイオードPD1〜PD8と、第1、第2フローティングディフージョンFD1、FD2と、読み出しゲート電極221〜228と、読み出しトランジスタTr1と、リセットトランジスタTr2と、増幅トランジスタTr3のレイアウトを示す。図3Bでは、第1層メタル配線M1で横方向に配線された読み出し配線261〜268と、リセット配線27と、電源配線29のレイアウトを示す。図3Cでは、第2層メタル配線M2で縦方向に配線された接続配線28と、垂直信号線35と、電源配線36のレイアウトを示す。
なお、第2層メタルM2による各配線と画素トランジスタとの接続は、第2層メタルM2による配線から第1層メタルM1の接続部と経て画素トランジスタの所要部に接続される。
周辺回路部上に層間絶縁膜を介して配置される配線は、配線層数が2層以上である。画素部と周辺回路部の配線層数が異なる場合は、画素部内の最上層配線上の絶縁膜の膜厚が、周辺回路部内の最上層配線上の絶縁膜の膜厚より薄く形成される。
図5に、参考例1の1共有単位21に係る8画素/10トランジスタ構成の等価回路を示す。この回路構成では、第1構成部の4つのフォトダイオードPD[PD11、PD12、PD13、PD14]が、それぞれ4つの読み出しトランジスタTr11、Tr12、Tr13、Tr14のソースに接続される。各読み出しトランジスタTr11〜Tr14 のドレインは、リセットトランジスタTr2のソースに接続される。第2構成部の4つのフォトダイオードPD[PD15、PD16、PD17 、PD18]が、それぞれ4つの読み出しトランジスタTr15、Tr16、Tr17、Tr18 のソースに接続される。各読み出しトランジスタTr15〜Tr18のドレインは、リセットトランジスタTr2のソースに接続される。読み出しトランジスタTr11〜Tr14とリセットトランジスタTr2間の第1フローティングディフージョンFD1が、接続配線28を介して増幅トランジスタTr3の増幅ゲートに接続される。読み出しトランジスタTr15〜Tr18とリセットトランジスタTr2間の第2フローティングディフージョンFD2が、接続配線28を介して増幅トランジスタTr3の増幅ゲートに接続される。増幅トランジスタTr3のソースは垂直信号線35に接続され、そのドレインは電源配線36に接続される。リセットトランジスタTr2のドレインは電源配線29に接続され、そのゲートがリセットパルスが印加されるリセット配線27に接続される。各読み出しトランジスタTr11〜Tr18の読み出しゲートは、それぞれ独立の行読み出しパルスが印加される読み出し配線261〜268に接続される。
第1構成部23及び第2構成部25のそれぞれの4画素でのカラーフィルタは、原色の赤、緑、青(RGB)のベイヤー配列とすることができる。あるいはカラーフィルタとしては、原色の赤、緑、青(RGB)に白色Wを加えたカラーフィルタ、その他の補色系、あるいは補色系と原色系の組み合わせカラーフィルタ等、種々のカラーフィルタを採用できる。
参考例1に係る固体撮像装置によれば、1共有単位21が8画素/10トランジスタ構造であるので、1画素当りの画素トランジスタ数が減り、その分、フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積が広がる。また、2層配線のみで各配線を形成し、しかも第1層メタル配線M1を横方向の配線に用い、第2層メタルM2を縦方向の配線に用い、この縦横配線により、フォトダイオードの開口面積が規定される。この配線レイアウトは複雑にならず、すっきりとしてフォトダイオードの開口を邪魔していない。このように、フォトダイオードの開口面積が広がるので、画素を微細化していっても、感度を向上することができる。高感度、高解像度の固体撮像装置が得られる。
配線層数が2層であり、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続される接続配線28が、半導体基板から離れた第2層メタル配線M2で形成されている。しかも、この接続配線28と交差する第1層メタルM1と重なる領域は、幅の狭い読み出し配線261〜268の交点のみである。接続配線28と半導体基板間の浮遊容量、接続配線28と読み出し配線261〜268間の浮遊容量が少ない。従って、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続された浮遊容量が少なく、画素が微細化されても変換効率は落ちない。感度の向上を図ることができる。
参考例1では、2層配線で各配線を形成している。4層配線から比べれば、2層の配線は、共にフォトダイオードに近い位置に形成される。第1層メタル配線M1、第2層メタル配線M2で発生する回折光は、横への広がりが少ない状態でフォトダイオードに達するので、集光効率が向上する。2層配線構造であるので、製造の歩留まりを上げることができる。配線の層数が増えるほど、製造の歩留まりは下がる。
上例では、横配線を1層目メタル配線M1で形成し、縦配線を2層メタル配線M2で形成したが、縦配線を1層目メタル配線M1で形成し、横配線を2層目メタル配線M2で形成することも可能である。但し、光の回折、フローティングディフージョンFD1、FD2の遮光等を考えると、読み出し配線261〜268を有する横配線を1層目メタル配線M1で形成し、縦配線を2層目メタル配線M2で形成する方がなお良い。
8画素を1共有単位として、読み出しトランジスタTr11〜Tr18の各読み出しゲート電極221〜228に接続した読み出し配線261〜268を介して、それぞれの読み出しトランジスタTr11〜tr18のゲートを独自に制御することができる。この各ゲートが独自に制御できるので、8画素中の所要の画素の加算が容易にできる。この画素加算は、1共有単位21のフローティングディフージョンFD1、FD2内で行える。例えば、RGB画素がベイヤー配列の場合には、8画素内で任意の同色の画素加算ができる。あるいは4画素がホワイト(W)と赤(R)、緑(G)、青(B)配列の場合、8画素内で任意の例えばホワイト(W)と緑(G)の画素加算ができる。その他、どのような画素加算も可能である。第1構成部23の画素と第2構成部25の画素の加算、第1構成部内、第2構成部内での画素加算など、加算の仕方は、種々可能である。また、縦配列の画素の間引きも可能である。
横2画素、縦4画素の共有単位でレイアウトされるので、2列1カラム読み出しとなり、カラム信号処理回路の面積が半分にでき、また色別ゲインが比較的簡単に実現できる。チップ面積が小さくて済む。
因みに、図50の参考例に示す2次元アレイ状に複数の画素114が配列され、画素114の1列毎に垂直信号線116と電源配線117を配置した固体撮像装置118においては、単位カラム信号処理回路119が画素1列毎に配列される。これに対して、本例においては、図49に示すように、横2画素、縦4画素の計8画素114を1共有単位140として1共有単位毎に垂直信号線141及び電源配線142を有し、かつ1共有単位毎に単位カラム信号処理回路143が配列される。すなわち、縦方向の垂直信号線141と電源配線142が画素2列毎に配置されるので、単位カラム信号処理回路143は、画素ピッチの約2倍のピッチ(寸法)でレイアウトが可能になり、縦方向に面積が低減する。
一方、MOS型の固体撮像装置では、増幅トランジスタで信号を増幅する際に、増幅トランジスタのゲート絶縁膜中のトラップ準位が原因で、ノイズのパワースペクトラムが周波数fの逆数に比例する1/fノイズ(フリッカノイズ)が発生する。この増幅トランジスタで発生する1/fノイズは、画質に大きな影響を及ぼす。
参考例1においては、増幅トランジスタTr3の増幅ゲート電極32の長さが1画素ピッチ以上有するので、従ってゲート長が1画素ピッチ以上、本例では2画素ピッチに近い長さを有するので、1/fのイズを低減することができる。数1に1/fノイズを表わす式を示す。
ここで、プロセズ依存の係数(ゲート絶縁膜界面の電子捕獲・放出に関係する係数)をK、ゲート絶縁膜容量をCox、トランジスタのゲート長(チャネル長)をL、ゲート幅(チャネル幅)をWとする。1/fノイズのパワースペクトル(ノイズ電圧の2乗平均)は、上記数1で与えられる。
上記数1から明らかなように、増幅トランジスタTr3の増幅ゲート電極32(すなわちゲート長)が長いので、1/fノイズが低減することがわかる。
増幅トランジスタTr3のドレイン領域31Dを縦配線の電源配線36で接続されるので、選択される行の増幅トランジスタに流す電流は、増大することはなく、適切な電流値ですむ。因みに、増幅トランジスタのドレイン領域31Dを横配線の電源線配線で接続した場合には、選択された1行の全画素の増幅トランジスタに電流を流すことになり、過大なドライブ能力が必要になり、実施不能になる。
横2×縦4画素配列の共有単位を2次元アレイ状に配列しているので、1行目を端から点順次で読み出すことができる。因みに、横4×縦2画素配列の共有単位を2次元アレイ状に配列した場合は、後段処理が難しく、点順次の読み出しができない。
参考例1では、周辺回路部上の配線層数を2層以上とするのが好ましい。また、画素部と周辺回路部の配線層数が異なる場合は、画素部内の最上層配線上の絶縁膜の膜厚を、周辺回路部内の最上層配線上の絶縁膜の膜厚より薄く形成するのが好ましい。周辺回路では、配線層数が増加できると回路面積を縮小させることが出来る。しかしながら、画素領域では、配線層数が増加すると、フォトダイオードに光を集光しづらくなるため、配線層数を低減させる必要がある。また、画素部内の配線層数が少なくても、最上層配線から画素毎に配置したオンチップレンズとの距離が離れると、斜め光に対して集光効率が低下するため、最上層配線上の絶縁膜を薄膜化する方が尚良い。
[参考例2:固体撮像装置の構成例]
図6に、参考例2に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図6は、第1層目メタル配線M1を形成する際の第1層目メタルのレイアウトのみを示す。参考例2に係る固体撮像装置102は、その1共有単位21において、第1層目メタルでフローティングディフージョンFD1、FD2上に遮光部45を形成して構成される。すなわち、固体撮像装置102では、第1層目メタル配線M1により、読み出し配線261〜268、リセット配線27、リセットトランジスタTr2のドレイン領域に接続する電源配線29が形成される。さらに、第1層目メタルM1により、フローティングディフージョンFD1、FD2を被覆するような遮光部45が形成される。その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して説明を省略する。
参考例2の固体撮像装置102によれば、フローティングディフージョンFD1、FD2上に読み出し配線262、263、266、267から少許の間隔を置いて第1メタル配線M1による遮光部45が形成される。これにより、フローティングディフージョンFD1、FD2に対する遮光をより確実にすることができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
上述の参考例1においては、画素の微細化に伴い、4本の読み出し配線261〜264、265〜268における夫々の幅及び隣り合う配線間の隙間が微細化で狭くなると、光が通らなくなる。すなわち、この読み出し配線間の隙間が、狭くなって回折限界以下になると、実質的に光が配線間の隙間を通らなくなる。従って、この4本の読み出し配線261〜264、265〜268が配列された夫々の領域は、遮光部の役割を果たす。微細化が進むと、益々読み出し配線間の隙間が狭くなり、より回折限界以下になる。従って、参考例1では、この読み出し配線の幅及び読み出し配線間の隙間を狭くする程、フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積が広がり、感度が向上する。
回折限界について、図7及び図8を用いて説明する。図7において、配線311間の開口幅をaとする。図7は、光、この例では波長λが530nmの緑光が、開口312を透過してフォトダイオードPDに照射されたときの光強度分布を示す。フォトダイオードPDに到達した光強度は、開口中心Oをピークに、開口中心から離れるに従って低下し、P点でゼロとなる。このP点を第1暗環という。開口312を狭くして行くと、光が回折し、光強度分布の開口中心Oから第1暗環Pまでの距離(OP)が広がり、光強度のピークも下がる。
図8は、この距離(OP)の広がり方を示している。図8は、図7のフォトダイオードPDの中心から端までの寸法Dを600nmとし、波長λ:530nmの緑光Lgを入射しとしたときのグラフである。距離(OP)が最大になる開口幅aが回折限界である。例えば、画素ピッチの1/2よりも距離(OP)が広がるにつれて、フォトダイオードPDに光が集光しにくくなる。回折限界以下の開口幅になると、光が回折してフォトダイオードPDに集光しなくなり、すなわち光がフォトダイオードPDに入らなくなる。
開口312の位置をフォトダイオードPDに近づけて回折させれば、距離(OP)は広がらず、光をフォトダイオードPDに集光させることができる。
多層配線の場合は距離(OP)が広がった分、光が下層配線で蹴られることから、距離(OP)が更に広がりピークも下がる。従って、配線層数が少ない方がフォトダイオードPDに到達した光強度分布での距離(OP)は短くなる。
[参考例3:固体撮像装置の構成例]
図9及び図10に、参考例3に係るMOS型の固体撮像装置を示し、図11に、図9の要部の平面図を示す。図9は、画素部のレイアウトの要部を示す。図10は、第1層目配線のパターンを示す。参考例3に係る固体撮像装置103は、その1共有単位21において、単位画素内の少なくとも1本の読み出し配線がフォトダイオードPDの領域内に存在し、かつこの1本の読み出し配線の両側及び直下にフォトダイオードPDの領域が存して構成される。
本例では、1共有単位21において、画素ピッチP内に配置された同層の複数の読み出し配線のうち、1本の読み出し配線を他の読み出し配線から離して構成される。この1本の読み出し配線は、1共有単位21内に繰り返し存在する同層の読み出し配線間における最小間隔d1よりも離れた距離d2に配置される。最小間隔d1は、実質的に光を透過させない、いわゆる回折限界以下に相当する間隔である。距離(隙間)d2は回折限界を超える距離であり、実質的に光透過が可能な距離である。
換言すれば、固体撮像装置103は、1共有単位21において、各1本の読み出し配線が、他の読み出し配線から回折限界を超える距離だけ離してフォトダイオードPD上に存するように配置された構成とする。すなわち、図9及び図10に示すように、第1構成部23では、4本の読み出し配線261〜264のうち、読み出し配線261がPD1、PD2の例えば中央付近に対応して配置され、読み出し配線264がPD3、PD4の例えば中央付近に対応して配置される。第2構成部25では、4本の読み出し配線265〜268のうち、読み出し配線265がPD5、PD6の例えば中央付近に対応して配置され、読み出し配線268がPD7、PD8の例えば中央付近に対応して配置される。
読み出し配線262及び263間の最小間隔(距離)d1、及び読み出し配線266及び267間の最小間隔(距離)d1は、回折限界以下の距離とする。読み出し配線261及び262間の距離d2、読み出し配線264及び263間の距離d2は、回折限界を超える距離とする。また、読み出し配線265及び266間の距離d2、読み出し配線268及び267間の距離d2は、同じく回折限界を超える距離とする。各読み出し配線261,264,265,268は、回折限界を超える距離だけ離れてフォトダイオードPD上に配置されれば良いが、好ましくはそれぞれフォトダイオードPDの中央付近に配置するようになす。つまり、図12に示すように、好ましくは、画素の光学中心O(もしくは画素ピッチ中心)に読み出し配線261、264、265、268が存在するように読み出し配線のレイアウトがなされる。
読み出し配線261は、延長部261aを介して読み出しゲート電極221に接続される。読み出し配線262及び263は、それぞれ読み出しゲート電極222及び223に接続される。読み出し配線264は、延長部264aを介して読み出しゲート電極224に接続される。読み出し配線265は、延長部265aを介して読み出しゲート電極225に接続される。読み出し配線266及び267は、それぞれ読み出しゲート電極226及び227に接続される。読み出し配線268は、延長部268aを介して読み出しゲート電極228に接続される。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。但し、この例では読み出しゲート電極221〜228の形状が図2の形状と多少異なっているが、図2と同じ形状としてもよい。
参考例3に係る固体撮像装置103によれば、各1本の読み出し配線261、264、265及び268が、それぞれPD1及びPD2、PD3及びPD4、PD5及びPD6、PD7及びPD8上に来るようにずらして配置される。この構成により、フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積は、図2の構成に比べて、読み出し配線間の1つの隙間分だけ広くなる。このとき、フォトダイオードPDの中央付近の読み出し配線の近傍の光は回折により、読み出し配線の裏側に回り込み、フォトダイオードPDに集光する。
この様子を、図12の模式図を用いて説明する。図12は、フォトダイオードPD1の部分を示す。半導体基板70にフォトダイオードPD1が形成され、その上にフォトダイオードPD1の開口を規定するように、第1層目メタル配線M1による読み出し配線262、リセット配線27及び第2層目メタル配線M2が層間絶縁膜39を介して配置される。この2層配線の上に平坦化膜(図示せず)を介してオンチップカラーフィルタ47及びオンチップマイクロレンズ48が形成される。さらに、フォトダイオードPD1の中央付近に、第1層目メタル配線による読み出し配線261が配置される。
読み出し配線261の真上からきた光Laは読み出し配線で反射される。しかし、フォトダイオードPD1の中央付近に配置された読み出し配線261の幅が極めて狭いので、読み出し配線261の近傍に入射した光Lbは、この読み出し配線261で回折して読み出し配線261に裏面側に回り込み、フォトダイオードPD1に集光する。オンチップマイクロレンズ48により入射する光が集光されるため、光の波面としては、フォトダイオードPD1中央に向かう波面49が優勢となる。このため、読み出し配線261での回折の際、裏面中央への光の回り込みが優勢になる。
一方、従来、オンチップマイクロレンズと層内レンズを組み合わせた構成により、集光効率を上げるようにした固体撮像装置が知られている。画素サイズの微細化が進むにつれて、この層内レンズの形成が困難になって来る。参考例3では、読み出し配線の1本をフォトダイオードPDの中央付近に配置し、この読み出し配線による回折で入射光が集光されるので、この中央の読み出し配線が層内レンズの役割を果たし、集光効率を向上することができる。
参考例3では、集光効率が向上するので、さらに感度の向上を図ることができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例4:固体撮像装置の構成例]
参考例4は、その1共有単位21において、単位画素内の少なくとも1本の読み出し配線がフォトダイオードPDの領域内に存在し、かつ、この1本の読み出し配線の両側及び直下にフォトダイオードPDの領域が存して構成される他の例を示す。
画素がさらに微細化してくると、例えば赤、緑、青(RGB)のフォトダイオードそれぞれ深さ方向に異なる位置に配置し、しかも、受光領域を拡大するために、RGBの各フォトダイオードを上面からみて互いに一部重ね合わせたような構成が考えられる。このとき、隣り合う画素のフォトダイオードの間に、フォトダイオードが形成されない領域が存在しないので、画素間に4本の読み出し配線を纏めて配置することが出来なくなる。参考例4は、このような場合に対応した固体撮像装置である。
図13及び図14に、参考例4に係るMOS型の固体撮像装を示す。図13は、画素部のレイアウトの要部を示す。但し、平面図上、フォトダイオードは便宜的に各画素毎に区画して示している。図14は、半導体基板内のフォトダイオードの構成を示す。
参考例4に係る固体撮像装置104は、図13に示すように、前述と同様の1共有単位21において、同層の全ての読み出し配線261〜268を1共有単位21内で相互に上記最小間隔d1(図9参照)よりも離れた距離d3に配置して構成される。換言すれば、固体撮像装置104は、各読み出し配線261〜268を、互いに回折限界を超える距離d3を置いて配置して構成される。読み出し配線261〜268は、回折を考慮したとき、十分に離し、例えば等ピッチの間隔を置いて配置し、配線間の距離を最大にするのが好ましい。また、読み出し配線261〜268は、フォトダイオードPD1及びPD2上、フォトダイオードPD3及びPD4上、フォトダイオードPD5及びPD6上、フォトダイオードPD7及びPD8上に2本ずつ配置される。各読み出し配線261〜268は、図示しないが、参考例3と同様に、それぞれ延長部を介して対応する読み出しゲート電極221〜228に接続される。
一方、例えば、ベイヤー配列のフォトダイオードPDについて説明する。赤(R)、緑(G)及び青(B)の各フォトダイオードPDr,PDg,PDbは、図14に示すように、例えば第1導電型、例えばn型の半導体基板51に形成した第2導電型であるp型の半導体ウェル領域52に形成される。各フォトダイオードPDr,PDg,PDbは、n型半導体領域53とその上のp型半導体領域54とにより形成される。
青の波長光は浅い領域で光吸収されるので、青画素のフォトダイオードPDbは、半導体ウェル領域52の表面側に形成される。緑の波長光は青の波長光よりも深い位置で光吸収されるので、緑画素のフォトダイオードPDgは、半導体ウェル領域表面から一部が青画素のフォトダイオードPDbの直下に延長するように形成される。赤の波長光は最も深い位置で光吸収されるので、赤画素のフォトダイオードPDrは、半導体ウェル領域表面から一部が緑画素のフォトダイオードPDgの直下に延長するように形成される。ここでは、緑画素のフォトダイオードPDgと赤画素のフォトダイオードPDrが、深さ方向で入れ違いとなるように形成される。この図14に示すように、各画素のフォトダイオードPDr、PDg,PDbは、基板深さ方向に関して一部が互いに重なるように形成されるので、隣り合う画素のフォトダイオードの間に、フォトダイオードが形成されない領域が存在しない。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例4に係る固体撮像装置104によれば、半導体基板51の深さ方向の異なる位置にそれぞれの赤、緑及び青の画素のフォトダイオードが形成されているので、色分離は半導体基板内で行われる。すなわち、半導体基板51内で混色防止がなされる。そして、各画素の読み出しトランジスタTr11〜Tr18に接続された読み出し配線261〜268を、互いに回折限界を超える距離をもって離して配置することにより、各フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積をより広げることができる。各読み出し配線261〜268では、図12で説明したと同様の作用が起こる。その結果、画素がより微細化されていっても、感度を向上することができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例5:固体撮像装置の構成例]
図15に、参考例5に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図15は、画素部のレイアウトの要部を示し、同図A、同図Bは、それぞれ1層目配線、2層目配線のパターンを示す分解平面図である。参考例5に係る固体撮像装置105は、1共有単位21における配線の対称性を良くするために、図15Bに示すように、1層目配線及び2層目配線によるダミー配線を形成して構成される。すなわち、同じ1層目メタル配線M1で、横配線である読み出し配線261〜268、リセット配線27及び電源配線29が形成されると共に、各フォトダイオードPD1〜PD8の左右両側に、電圧が与えられない分割されたダミー配線56が形成される。また、同じ2層目メタル配線M2で、縦配線である接続配線28、垂直信号線35、電源配線36が形成されると共に、各フォトダイオードPD1〜PD8の上下両側に、電圧が与えられない分割されたダミー配線57が形成される。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例5に係る固体撮像装置105によれば、上記横配線、及び上記縦配線に加えて、第1層目メタル配線M1及び第2層目メタル配線M2によるダミー配線56及び57を形成して、これら配線で各フォトダイオードPD1〜PD8を囲うようにしている。このため、各フォトダイオードPD1〜PD8が、同層メタル配線により、対称性よく囲まれるので、光の回折による混色を防ぐことができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例6:固体撮像装置の構成例]
図16に、参考例6に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図16は、画素部のレイアウトの要部(1共有単位)を示す。この参考例6は、ダミー配線を配置した他のレイアウトを示す。
参考例6に係る固体撮像装置106は、図16Aに示すように、第2層目メタル配線M2によるダミー配線57を、各フォトダイオードPD1〜PD8を上下で挟むように配置して構成される。このダミー配線57は、第1層目メタル配線M1よる読み出し配線261、263、266,267上に対応する位置、増幅ゲート電極32上に対応する位置、第1層目メタル配線M1によるリセット配線27及び電源配線29上に対応する位置に分割して配置される。
ここで、第1層目メタル配線M1によるリセット配線27は、図16Bに示すように、一方端がリセットゲート電極34に接続されたリセット配線部27Aとリセットゲート電極34に接続されないリセット配線部27Bとの分割されている。このリセット配線部27Aと27Bとを第2層目メタル配線M2による接続線27Cにより接続してリセット配線27が形成される。また、フローティングディフージョンFD1、FD2上を遮光する遮光部45が、フローティングディフージョンFD1、FD2、増幅ゲート電極32及びリセットトランジスタTr2のソース領域33Sを接続する接続配線28と一体に形成される。この遮光部45は、第2層目メタル配線M2で形成され、丁度、接続配線28のフローティングディフージョンFD1、FD2とコンタクト部に対応する部分を広げるようにして形成される。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例6に係る固体撮像装置106によれば、第2層目メタル配線M2によるダミー配線57を配置したので、各フォトダイオードPD1〜PD1の周囲にメタル配線が対称性よく配置される。これにより、参考例5と同じように、各フォトダイオードPD1〜PD8がダミー配線57と他の配線とにより囲まれることにより、光の回折による混色を防ぐことができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例7:固体撮像装置の構成例]
図17に、参考例7に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図17は、画素部のレイアウトの要部(1共有単位)を示す。参考例7に係る固体撮像装置107は、各フォトダイオードPD1〜PD8が、四角形状でなくコーナ部に丸みを帯びた形状に形成して構成される。
フォトダイオードPD1〜PD8をイオン注入法を用いて形成する際には、イオン注入用マスクとしてレジストマスクが用いられる。このレジストマスクは、ホトリソグラフィ技術を用いて形成されるため、開口のコーナ部が丸みを帯び易く、厳密な四角形状になりにくい。このようなレジストマスクを用いることにより、コーナ部に丸みを帯びた略四角形状のフォトダイオードPD1〜PD8を形成することができる。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例7に係る固体撮像装置107によれば、フォトレジストのコーナ部が丸みを帯びるので、フォトダイオードPD1〜PD8として、その各コーナ部が丸みを帯びた構成を有する。この丸みを帯びたコーナ部に囲まれた領域に、増幅トランジスタTr3のソース領域31S及びドレイン領域31D、リセットトランジスタTr2のソース領域33S及びドレイン領域33D等を配置することにより、無効領域を最小化する効果が期待できる。また、イオン注入時のダメージがフォトダイオードに影響しない。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
参考例7におけるフォトダイオードのコーナ部に丸みを付ける構成は、上述した参考例2〜参考例5、さらには後述の構成にも適用することができる。
[参考例8:固体撮像装置の構成例]
図18に、参考例8に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図18は、画素部の要部(1共有単位)を示す。参考例8に係る固体撮像装置108は、1共有単位21において、各フォトダイオードPD1〜PD8上に対応する位置、好ましくは中央付近集光作用を有するドット状体61を形成して構成される。ドット状体61は、配線から回折限界を超える距離だけ離れて、電位が与えられない島状に形成される。ドット状体61は、2層配線としたとき、第1層目メタル配線M1と同層のメタルまたは第2層目メタル配線M2と同層のメタルのいずれか一方で形成される。ドット状体61は、1層目メタル配線M1と同層のメタルで形成するのが好ましい。
ドット状体61は、光が透過する膜厚で形成することが好ましい。ドット状体61は、第1層目メタル配線M1、第2層目メタル配線M2の膜厚より薄い膜厚のメタル薄膜で形成することが好ましい。
ドット状体61は、例えば、四角形、円形、十字形、多角形、その他、任意の幾何学形状で形成することができる。ドット状体61は、1つ、もしくは2つ、もしくはそれ以上の複数個、形成することが可能である。ドットの材料としては、Cu、Al、SiON、SiN、SiC,TiN,ITO,TaN,W,WSi、WN等を用いることができる。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図19に、ドット状体61の形成方法の一例を示す。図19Aに示すように、層間絶縁膜62の表面にドット状体と配線を形成すべき位置に同じ深さの溝63及び64を形成する。この溝63及び64内に例えばバリアメタルを介してCu膜65を埋め込む。次に、平坦化処理の後、図19Bに示すように、ドット状体側の溝63内に埋め込まれたCu膜65をバリアメタルと共に所要の薄さになるように、選択エッチングする。これにより、溝64内にCu配線が形成され、溝63内にCu薄膜によるドット状体61が形成される。
図20に、ドット状体の形成方法の他の例を示す。図20Aに示すように、層間絶縁膜62の表面にドット状体を形成すべき位置に浅い溝67を形成し、配線を形成すべき位置に溝67より深い溝68を形成する。次に、図20Bに示すように、各溝67及び68内にバリアメタルを介してCu膜65を埋め込む。その後、平坦化処理することにより、溝67内にCu薄膜によるドット状体61が形成され、溝68内にCu配線66が形成される。
上記Cu配線66は、例えば第1層目メタル配線による横配線(読み出し配線261〜268、リセット配線27、電源配線29)となる。
参考例8に係る固体撮像装置108によれば、独立してフォトダイオードPD1〜PD8の中央付近に配置されたドット状体61が、前述の参考例3で説明した読み出し配線261、264,265,268の作用と同様の集光作用を有する。図21の模式図に示すように、ドット状体61近傍に光は回折により、ドット状体61の裏側に回り込み、フォトダイオードPDに集光する。ここでは、光の干渉により、ドット状体61直下の光強度が上がる。同時に、この回折光Lcと、ドット状体61を透過した透過光Ldとが加算されることで、さらに光強度が上がる。このドット状体61は、層内レンズの機能を有する。
上例では、ドット状体61を1層メタルで形成したが、その他、同じ位置で層間絶縁膜を介して、2層、3層、4層など複数層のメタルで構成することもできる。ドット状体61を複数層で構成するときは、下層に行くに従ってドット幅を狭くすることが好ましい。ドット状体61を複数層で構成した場合には、光は先ず上層のドット状体で回り込み、さらに下層のドトで回り込むようにして集光して行く。
図22に示すように、1層目Cuメタルによる配線66及びドット状体61と、2層目Cuメタルによる配線67は、それぞれ上面全面にCu拡散防止のための、例えばSiC膜60が形成される。このSiC膜60は、フォトダイオード上に対応する部分にも残して形成することができる。ところで、図22に示すように、SiC膜60が2層に形成されていると、入射光の一部Lfが2層のSiC膜60間で多重反射し、リップルが生じて感度が低下する懼れがある。
このため、図23に示すように、フォトダイオード上に対応する2層目のSiC膜60を選択的に除去することが望ましい。シミュレーションの結果、フォトダイオード上に対応する全ての層のSiC膜60を選択エッチングする必要はなく、2層目のSiC膜60のみ選択エッチングすれば良いことが分かった。これにより、多重反射が低減し、リップルの発生が抑制され、感度が向上する。ここで、2層目のSiC膜60の除去は、直接マスク合わせによるエッチングであるため、フォトダイオードに対応するSiC膜部分を目一杯エッチング除去できる。このため、開口が大きく、ひさし部69の長さw1を小さくでき、その分、多重反射の発生を抑制することができる。
因みに、集光効率を上げる他の手段である導波路を設けた構成の場合は、図24に示すように、フォトダイオード上に対応する部分の全ての層、この場合は第1層目及び第2層目のSiC膜60を選択エッチング除去する必要がある。このとき、1層目と2層目のSiC膜60のエッチング工程では間接マスク合わせのため、合わせずれを考慮し余裕をもってエッチングすることになる。このため、開口が小さくひさし部69の長さw2は長くなり、多重反射の抑制効果が、図22に比較して小さい。
ドット状体61は画素部の中央と周辺で位置をずらす。画素部の中央では光が略真上から入射するので、ドット状体61を中央に配置する。斜め光が入射される周辺のドット状体61は、オンチップマイクロレンズと画素間のずらし量に応じて、画素部の中心側の最適位置にずらして配置するようになす。
[参考例9:固体撮像装置の構成例]
図25に、参考例9に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図25は、画素部の要部(1共有単位)を示す。参考例9に係る固体撮像装置109は、フォトダイオードPD1〜PD8上に対応する位置、好ましくは中央付近を横切るように、配線機能を有さない配線71を配置して構成される。この配線71は、前述した参考例3の読み出し配線261、264、265、268、参考例8のドット状体61と同様に、層内レンズと同等の集光機能を有する。配線71は、図22に示すように、1共有単位21毎に配置してもよく、あるいは1行の全画素のフォトダイオードに共通に配置するようにしても良い。配線71は、読み出し配線261から268と同じメタル配線で同時に形成される。あるいは配線71は、ドット状体61と同様に、読み出し配線よりも薄い膜厚で形成することもできる。
その他の構成は、参考例1と同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例9に係る固体撮像装置109によれば、前述の図12、図21で説明したように、配線71による回折作用で集光されるので、集光効率が向上し、さらに感度の向上を図ることができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例10:固体撮像装置の構成例]
図26に、参考例10に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図26は、1共有単位の赤画素を代表してその断面構造を模式的示した断面図である。他の緑画素、青画素の断面も同様に構成される。
参考例10に係る固体撮像装置110は、図2の参考例1と同様に、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と10個の画素トランジスタの配列を1共有単位21として構成される。各読み出しトランジスタTr11〜Tr18に接続される読み出し配線261〜268、リセットトランジスタTr2に接続されるリセット配線27及び電源配線29は、第1層目メタル配線M1で横方向に配線される。接続配線28、増幅トランジスタTr3に接続される垂直信号線35及び電源配線36は、2層目メタル配線M2で縦方向に配線される。
参考例10においては、図26に示すように、フォトダイオード(赤画素のフォトダイオードで代表する)PDr、各画素トランジスタが形成された半導体基板70上に、2層配線72が形成される。すなわち、層間絶縁膜39を介して第1、第2層目のメタル配線M1、M2が形成される。メタル配線M1、M2は、前述と同様にバリアメタルを介して形成されたCu配線73とCu拡散防止用のSiC膜74を有して形成される。
そして、参考例10では、特に、この2層配線72のフォトダイオードPDr上に対応した層間絶縁膜39内にカラーフィルタ75、図では赤色フィルタを埋め込んで構成される。表面には平坦化されたパシベーション膜76が形成される。パシベーション膜76上にオンチップマイクロレンズを形成しない構成とすることもできる。あるいはパシベーション膜76上にオンチップマイクロレンズを形成する構成とすることもできる。
他の緑画素、青画素の断面も同様に構成される。その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2と同様のレイアウトについては説明を省略する。
参考例10に係る固体撮像装置110によれば、上記各配線を構成する横配線及び縦配線を全体の高さが従来の例えば4層配線に比べて低い2層配線72で形成した構成を利用して、カラーフィルタ75が2層配線72内に埋め込まれる。この構成により、混色が防止される。また、フォトダイオードPDrからカラーフィルタ75の上面までの高さh1が従来の高さより低くなり、集光効率をより向上することができる。オンチップマイクロレンズを省略するときは、より構成の簡略化が図れる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例11:固体撮像装置の構成例]
図27に、参考例11に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図27は、2層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。参考例11に係る固体撮像装置113は、図27に示すように、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、11個の画素トランジスタで1共有単位81として構成される。この共有単位81を2次元アレイ状に配列して画素部3が構成される。すなわち、1共有単位21では、参考例1と同様に、横2×縦2の計4つのフォトダイオードPDに対して1つのフローティングディフージョンFDを共有する構成が、縦に2組配列された、いわゆる横2×縦4の8画素共有の形でレイアウトされる。
1共有単位21では、1画素当り1.375個の画素トランジスタで形成される。11個の画素トランジスタの内訳は、8個の転送トランジスタTr1[Tr11〜Tr18]、1個のリセットトランジスタTr2、1個の増幅トランジスタTr3、1個の選択トランジスタTr4の計11個である。
参考例11に係る固体撮像装置113は、図27に示すように、第1構成部23と第2構成部25との間に、増幅トランジスタTr3と選択トランジスタTr4とを配して構成される。増幅トランジスタTr3は、前述と同様に、ソース領域31S、ドレイン領域31D及び増幅ゲート電極32とを有して形成される。選択トランジスタTr4は、ソース領域83S、ドレイン領域83D及び選択ゲート電極84を有して形成され、増幅トランジスタTr3に接続される。選択トランジスタTr4のソース領域83Sは、増幅トランジスタTr3のドレイン領域31Dと同じ領域である。
垂直信号線35は、増幅トランジスタtr3のソース領域31Sに接続され、電源配線36は、選択トランジスタTr4のドレイン領域83Dに接続される。選択トランジスタTr4の選択ゲート電極84は、選択配線85に接続される。これら垂直信号線35、電源配線36及び選択配線85は、第2層目メタル配線M2より縦方向に延長するように形成される。特に、選択トランジスタTr4の選択ゲート電極84は、第1層目メタルM1による接続線85aを介して第2層目メタル配線M2による選択配線85に接続される。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図28に、参考例11の1共有単位81の等価回路を示す。この等価回路では、図5の等価回路に、電源配線36と増幅トランジスタTr3のドレインとの間に選択トランジスタTr4が接続され、選択ゲートに選択配線85が接続された構成が付加されて成る。それ以外の回路構成は図5の回路構成と同様である。
参考例1に係る固体撮像装置113によれば、1共有単位81が8画素/11トランジスタ構造であるので、1画素当りの画素トランジスタ数が減り、その分、フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積が広がる。また、2層配線のみで各配線を形成し、しかも第1層メタル配線M1を横方向の配線に用い、第2層メタルM2を縦方向の配線に用い、この縦横配線により、フォトダイオードの開口面積が規定される。この配線レイアウトは複雑にならず、すっきりとしてフォトダイオードの開口を邪魔していない。このように、フォトダイオードの開口面積が広がるので、画素を微細化していっても、感度を向上することができる。高感度、高解像度の固体撮像装置が得られる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例12:固体撮像装置の構成例]
図29及び図30に、参考例12に係るMOS固体撮像装置を示す。図29は、2層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。図30A〜Cは、1層目配線、2層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。
参考例12に係る固体撮像装置115は、図29に示すように、参考例1と同様に、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、10個の画素トランジスタで1共有単位21として構成される。この1共有単位21を2次元アレイ状に配列して画素部3が構成される。フォトダイオードPD1〜PD8と、画素トランジスタを構成する読み出しトランジスタTr11〜Tr18と、増幅トランジスタTr3の構成は、参考例1と同様である。
そして、参考例12においては、特に、リセットトランジスタTr2の構成を変えている。すなわち、図30Aに示すように、リセットトランジスタTr2のソース領域33S及びドレイン領域33Dが、リセットゲート電極34に対して、縦方向ではなく、横方向に配置される。しかも、このリセットトランジスタTr2は、隣り合う共有単位21間に跨るように、横方向にずれて形成される。さらに、リセットトランジスタTr2のリセットゲート電極34に接続されるリセット配線27と、ドレイン領域33Dの接続される電源配線29が第1、第2層目メタル配線M1、M2を利用して横方向に平行に配置される。このリセット配線27と電源配線29は、リセットゲート電極34上に配置され、好ましくは電極幅内に入るように形成される。
先ず、図30Aに示すように、横2画素、縦4画素のフォトダイオードPD1〜PD8列と、フローティングディフージョンFD1及びFD2と、読み出しゲート電極221〜228を有する読み出しトランジスタTr11〜Tr18が形成される。さらに、ゲート長を横方向とするようにリセットゲート電極34に対して横方向にソース領域33S及びドレイン領域33Dを有するリセットとトランジスタTR2と、増幅トランジスタTr3が形成される。1共有単位21内で見ると、リセットトランジスタTr2は、ソース領域33Sを有するリセットゲート電極34の一半分と、ドレイン領域33Dを有するリセットゲート電極34の他半分が、分離して形成される。この場合、分離されたリセットゲート電極34は、そのソース領域33Sとドレイン領域33Dとが向かい合う形で形成される。
次に、図30Bに示すように、第1層目メタル配線M1により、横方向に延びる読み出しゲート電極221〜228にそれぞれ接続する読み出し配線261〜268が形成される。また、第1層目メタル配線M1により、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続した接続部116、増幅トランジスタTr3のソース領域31S、及びドレイン領域31Dに接続した接続部117が形成される。第1層目メタル配線M1により、増幅ゲート電極32に接続する接続部118が形成される。また、第1層目メタル配線M1により、リセットトランジスタTr2のソース領域33Sに接続された縦方向に延びる接続配線部281が形成される。さらに、第1層目メタル配線M1により、隣り合う共有単位21に対応するそれぞれのリセットゲート電極34に接続された分離するリセット配線部271と、それぞれのドレイン領域33Dに接続された分離する電源配線部291が横方向に形成される。分離された電源配線部291の端部は、丁度共有単位21の横方向の中央に位置するソース領域33Sを挟む位置に対向して形成される。また第1層目メタル配線により、増幅トランジスタTr3の増幅ゲート電極32上に沿い、かつソース及びドレイン領域33S、33D上の接続部117、増幅ゲート電極32に接続された接続部118を逃げるように、波形の配線121が横方向に沿って形成される。この波形の配線121は、基板電位、すなわちフォトダイオード、画素トランジスタが形成される半導体ウェル領域に所要電位を与えるための配線である。例えば、n型サブストレート(基板)を用いたときには、フォトダイオード、画素トランジスタが形成されるp型半導体ウェル領域に0Vの電位が与えられる。この配線121は、p型半導体ウェル領域に0Vの電位を与える配線であるが、ここでは基板コンタクト用配線とも云う。
次に、図30Cに示すように、第2層目メタル配線M2により、増幅トランジスタTr3のソース領域31Sに接続する垂直信号線35と、ドレイン領域31Dに接続する電源配線36が縦方向に沿って形成される。また、第2層目メタル配線M2により、接続部116、118を介してフローティングディフージョンFD1及びFD2と、増幅ゲート電極32と、リセットトランジスタTr2のソース領域に接続された接続部281とに接続される接続配線28が形成される。さらに、第2層目メタル配線M2により、リセットトランジスタTr2のドレイン領域33Dに接続された電源配線部291同士を接続する接続配線部292が接続される。この第1層目メタル配線M1による電源配線部291と、第2層目メタル配線M2による接続配線部292とのより、水平方向に配列された共有単位21の各リセットトランジスタTr2のドレイン領域33Dに接続される電源配線29が形成される。また、第2層目メタル配線M2により、リセットゲート電極34に接続されたリセット配線部271同士を接続する接続配線部272が横方向に接続される。この第1層目メタル配線M1によるリセット配線部271と、第2層目メタル配線M2による接続配線部272とにより、水平方向に配列された共有単位21の各リセットゲート電極34を接続するリセット配線27が形成される。第2層目メタル配線M2により、増幅トランジスタTr3側において、いわゆる基板電位を与える配線121の一部上に光学的なダミー配線122が形成される。
参考例12に係る固体撮像装置115によれば、リセットトランジスタTr2のソース領域33Sが、フォトダイオードPD1とPD2間の近傍に挿入されず、フォトダイオードPDの上部側に形成される。これにより、図2の参考例1に比べて、ソース領域33Sが邪魔にならず、水平方向(横方向)に並ぶフォトダイオードPD間の間隔を狭くすることが可能になる。その分、フォトダイオードPDの面積を広げることができ、感度をより向上することができる。また、リセットトランジスタTr2に接続されたリセット配線27及び電源配線29もリセットゲート電極34上を這うように形成されるので、垂直方向に隣り合う共有単位21の間隔も狭くすることが可能になる。その分、フォトダイオードPDの面積を広げることができ、感度をより向上することができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例13:固体撮像装置の構成例]
図31に、参考例13に係るMOS型の固体撮像装置の第13を示す。図31は、2層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。
参考例13に係る固体撮像装置130は、参考例12の固体撮像装置115において、基板コンタクト用の配線121及びその上のダミー配線122を省略して構成される。なお、ダミー配線122は鎖線で示すように形成した構成とすることもできる。その他の構成は、参考例12と同様であるので、図29に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例12に係る固体撮像装置130によれば、基板コンタクト用の配線121が省略した構成以外、参考例12と同様であるので、前述した参考例3の固体撮像装置115と同様の効果を奏する。
[参考例14:固体撮像装置の構成例]
図32に、参考例14に係る固体撮像装の形態を示す。図32は、2層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。参考例14に形態に係る固体撮像装置129は、第2層目メタル配線M2によるダミー配線91を配置して構成される。すなわち、図29の参考例12の構成において、さらに、読み出し配線261及び264間、読み出し配線265及び268間、基板コンタクト用の配線121上に一部、フローティングディフージョンFD2の下方に、それぞれダミー配線122、91が形成される。その他の構成は、図29の参考例12で説明したと同様であるので、対応する部分には同一符号を付して、重複説明を省略する。
参考例14に係る固体撮像装置129によれば、第2層目メタル配線M2によるダミー配線91と、垂直信号線35、電源配線36、接続配線とのより、各フォトダイオードPDが対称性よく囲まれる。これにより、光の回折による混色を防ぐことができる。その他、参考例12で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例15:固体撮像装置の構成例]
図33及び図34に、参考例15に係るMOS固体撮像装置を示す。図33は、2層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。図34A〜Cは、1層目配線、2層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。
参考例15に係る固体撮像装置120は、図33に示すように、参考例1と同様に、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、10個の画素トランジスタで1共有単位21として構成される。この1共有単位21を2次元アレイ状に配列して画素部3が構成される。フォトダイオードPD1〜PD8と、画素トランジスタを構成する読み出しトランジスタTr11〜Tr18と、リセットトランジスタTr2と、増幅トランジスタTr3の構成は、参考例1と同様である。
そして、本例においては、特に、読み出し配線261〜268、リセットトランジスタTr2に接続されるリセット配線27及び電源配線29のレイアウトを変えている。すなわち、読み出し配線261〜268は、第1、第2層目メタル配線M1、M2を利用して、読み出しゲート電極221〜228を含む領域上を遮光するように、かつ上面から見て一部2本の配線となるように、レイアウトされる。また、リセットトランジスタTr2に接続されるリセット配線27及び電源配線29は、第1、第2層目メタル配線M1、M2を利用して、一部上から見て1本となるように、レイアウトされる。
まず、図34Aに示すように、横2画素、縦4画素のフォトダイオードPD1〜PD8列と、フローティングディフージョンFD1及びFD2と、読み出しゲート電極221〜228を有する読み出しトランジスタTr11〜Tr18が形成される。さらに、リセットとトランジスタTR2と、増幅トランジスタTr3が形成される。リセットトランジスタTr2は、リセットゲート電極34と、ゲート長を縦方向とするように配置したソース領域33S及びドレイン領域33Dとを有して形成される。増幅トランジスタTr3は、横方向に長い増幅ゲート電極32とその両端に配置したソース領域31S及びドレイン領域31Dとを有して形成される。これらのレイアウトは参考例1と同様である。
次に、図34Bに示すように、第1層目メタル配線M1により、読み出しゲート電極222に接続する読み出し配線262が、直線状に横方向に形成されると共に、読み出しゲート電極221及び222上で逆U字状に屈曲するように形成される。また、第1層目メタル配線M1により、読み出しゲート電極221に接続する読み出し配線の一部を構成するように、直線状の配線部261a、261bが分割して横方向に形成される。配線部261aは、読み出し配線262の逆U字状部分の内側において読み出しゲート電極221と接続し、かつ両読み出しゲート電極221、222に跨って形成される。配線部261bは、読み出し配線262の直線部の上側にあって、共有単位21の横方向の両端に位置するように形成される。
この読み出し配線262、配線部261a、261bのレイアウトと線対称に、読み出しゲート電極223に接続される読み出し配線263、及び読み出し配線264の一部を構成する配線部264a,274bが、第1層目メタル配線M1により形成される。
同様のレイアウトで、第1層目メタル配線M1により、読み出しゲート電極226に接続される読み出し配線266、読み出しゲート電極225に接続される読み出し配線265の一部を構成する配線部265a、265bが形成される。また、読み出しゲート電極227に接続される読み出し配線267、読み出しゲート電極228に接続される読み出し配線268の一部を構成する配線部268a、268bが形成される。
また、第1層目メタル配線M1により、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続される接続部116、増幅トランジスタTr3のソース領域31S、及びドレイン領域31Dに接続した接続部117が形成される。第1層目メタル配線M1により、増幅ゲート電極32に接続する接続部118が形成される。さらに、第1層目メタル配線M1により、リセットトランジスタTr2のリセットゲート電極34に接続されるリセット配線27が横方向に形成され、電源配線29の一部を構成する電源配線部291が共有単位21の横方向の両端に形成される。電源配線部291とリセット配線27は、リセット配線27と平行に形成される。
次に、図34Cに示すように、第2層目メタル配線M2により、増幅トランジスタTr3のソース領域31Sに接続する垂直信号線35と、ドレイン領域31Dに接続する電源配線36が縦方向に沿って形成される。また、第2層目メタル配線M2により、接続部116、118を介してフローティングディフージョンFD1及びFD2、増幅ゲート電極32及びリセットトランジスタTr2のソース領域33Sに接続される接続配線28が縦方向に形成される。
第1構成部23では、第2層目メタル配線M2により、読み出し配線261の一部となる配線部261a及び261bの相互を接続する配線部261c、読み出し配線263の一部となる配線部263a及び263bの相互を接続する配線部263cが形成される。第2層目メタル配線M2による配線部261cは、第1層目メタル配線M1による読み出し配線261の屈曲部を挟む両直線部上に重なり、かつ読み出しゲート電極及びフローティングディフージョンFD1上の配線間の隙間を覆うように屈曲して形成される。第2層目メタル配線M2による配線部263cは、第1層目メタル配線M1による読み出し配線264の屈曲部を挟む両直線部上に重なり、かつ読み出しゲート電極及びフローティングディフージョンFD1上の配線間の隙間を覆うように屈曲して形成される。
第2構成部25では、第2層目メタル配線M2により、読み出し配線265の一部となる配線部265a及び265bの相互を接続する配線部265c、読み出し配線268の一部となる配線部268a及び268bの相互を接続する配線部268cが形成される。第2層目メタル配線M2による配線部265cは、第1層目メタル配線M1による読み出し配線266の屈曲部を挟む両直線部上に重なり、かつ読み出しゲート電極及びフローティングディフージョンFD2上の配線間の隙間を覆うように屈曲して形成される。第2層目メタル配線M2による配線部268cは、第1層目メタル配線M1による読み出し配線267の屈曲部を挟む両直線部上に重なり、かつ読み出しゲート電極及びフローティングディフージョンFD2上の配線間の隙間を覆うように屈曲して形成される。
一方、リセットトランジスタTr2では、第2層目メタル配線M2により、共有単位21の両端側の電源配線部291と、ドレイン領域33Dとを接続する電源配線部292が形成される。この電源配線部291及び292により、電源配線29が構成される。第2層目メタル配線M2による電源配線部292は、一部、第1層目メタル配線M1によるリセット配線27の横方向に延びる直線部上に重なるように形成される。第2層目メタル配線M2により、増幅トランジスタTr3側において、いわゆる基板コンタクト用の配線121の一部上にダミー配線122が形成される。
参考例15に係る固体撮像装置120によれば、第1構成部23において、読み出し配線262と261が重なり、読み出し配線263と264が重なり、上から見た時、主たる横配線部分が2本となる。第2構成部25においても、同様に読み出し配線の主たる横配線部分が上から見て2本になる。このため、画素のフォトダイオードPD1〜PD4の面積を広くとることができ、感度の向上が図れる。また、回折限界以下の間隔で配置された読み出し配線261〜268により、遮光を必要とする領域、すなわち読み出しゲート電極221〜228、フローティングディフージョンFD1、FD2上を遮光することができる。別途、遮光膜を形成する必要がない。すなわち、転送ゲート電極に囲まれたフローティングディフージョンFDがある構成において、読み出しゲート電極の上に読み出し配線を重ねて形成することにより、読み出し配線を遮光膜として兼用できる。なお、フォトダイオードPDとフローティングディフージョンFD巻の読み出しゲート長として、0.3μm程度は維持されるので、読み出しトランジスタTr11〜Tr18における動作は維持される。リセットトランジスタTr2においても、一部電源配線29とリセット配線27が重なり、上から見たとき1本に見えるので、レイアウト的にスッキリしている。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例16:固体撮像装置の構成例]
図35に、参考例16に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図35は、2層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。参考例16に係る固体撮像装置123は、参考例15に係る固体撮像装置120において、そのリセットトランジスタTr2、リセット配線27、電源配線29のレイアウトを、参考例12に示したレイアウトに置き換えて構成される。その他の構成は、参考例12、参考例15で説明したと同様であるので、図29、図30A〜C,図33、図34A〜Cと対応する部分には同一符号を付して、詳細説明を省略する。
参考例16に係る固体撮像装置123によれば、リセットトランジスタTr2のソース領域33SがフォトダイオードPDを邪魔せず、水平方向(横方向)に並ぶフォトダイオードPD間の間隔を狭くすることが可能になる。その分、フォトダイオードPDの面積を広げることができ、感度をより向上することができる。また、リセットトランジスタTr2に接続されたリセット配線27及び電源配線29もリセットゲート電極34上を這うように形成されるので、垂直方向に隣り合う共有単位21の間隔も狭くすることが可能になる。その分、フォトダイオードPDの面積を広げることができ、感度をより向上することができる。
読み出し配線261〜268により、光入射させたくない読み出しゲート電極221〜228、フローティングディフージョンFD1、FD2上を遮光することができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例17:固体撮像装置の構成例]
図36〜図37に、参考例17に係るMOS固体撮像装置を示す。図36は、2層配線を利用し、選択トランジスタを有した画素のレイアウトの要部を示す。図37A〜Cは、1層目配線、2層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。
参考例17に係る固体撮像装置125は、図36に示すように、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、11個の画素トランジスタで1共有単位81として構成される。画素トランジスタは、8つの読み出しトランジスタTr11〜Tr18と、1つのリセットトランジスタTr2と、1つの増幅トランジスタTr3と、1つの選択トランジスタTr4とにより構成される。この固体撮像装置125の等価回路は、前述の図28で説明したと同様である。この共有単位81が2次元アレイ状に配列されて画素部を構成している。
増幅トランジスタTr3と選択トランジスタTr4は、1共有単位81内において、第1構成部23と第2構成部25との間に配置される。選択トランジスタTr4は、ソース領域83Sドレイン領域83D及び選択ゲート電極84を有して形成され、増幅トランジスタTr3に接続される。選択トランジスタTr4のソース領域83Sは、増幅トランジスタTr3のドレイン領域31Dと同じ領域である。
垂直信号線35は、増幅トランジスタTr3のソース領域31Sに接続され、電源配線36は、選択トランジスタTr4のドレイン領域83Dに接続される。選択トランジスタTr4の選択ゲート電極84は、縦方向に延びる選択配線85に接続される。選択トランジスタTr4の選択ゲート電極84は、第1層目メタル配線M1による横方向の接続線85aを介して第2層目メタル配線M2による縦方向の選択配線85に接続される。
図36及び図37A〜Cにおいて、その他の構成は、図33及び図34A〜Cと同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例17に係る固体撮像装置125によれば、選択トランジスタTr4が追加された以外は参考例15の構成と同様であるので、前述の参考例15の固体撮像装置と同様の効果を奏する。
[参考例18:固体撮像装置の構成例]
図38〜図40に、参考例18に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図38は、3層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。図39〜図40は、1層目配線、2層目配線及び3層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。
参考例18に係る固体撮像装置111は、図38に示すように、参考例1で説明したと同様に、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、10個の画素トランジスタとの配列を1共有単位21として、構成される。この共有単位21が2次元アレイ状に配列して画素部3を構成している。このフォトダイオードPD1〜PD8と、画素トランジスタを構成する読み出しトランジスタTr11〜Tr18の構成は、参考例1と同様である。
そして、本例においては、特に、図39A、B及び図40A、Bの示すように、各配線を3層配線、すなわち第1層目メタル配線M1、第2層目メタル配線M2及び第3層目メタル配線M3に振り分けて形成される。先ず、図39Aに示すように、横2画素、縦4画素のフォトダイオードPD1〜PD8列を含む1共有単位21が形成される。即ち、フォトダイオードPD1〜PD8列と、フローティングディフージョンFD1及びFD2と、読み出しゲート電極221〜228を有する読み出しトランジスタTr11〜Tr18と、リセットトランジスタTr2と、増幅トランジスタTr3が形成される。次に、図39Bに示すように、読み出しゲート電極221、224、225、228に接続するよ4本の読み出し配線261、264、265、268が、それぞれ第1層目メタル配線M1により、横方向に延長して形成される。
次に、図40Aに示すように、読み出しゲート電極22[222、223、226、227]に接続するよ4本の読み出し配線26[262、263、266、267]が、それぞれ第2層目メタル配線M2により、横方向に延長して形成される。この第2層目メタル配線M2による読み出し配線26[262、263、266、267]は、それぞれ第1層目メタル配線M1による読み出し配線26[261、264、265、268]に重なるように形成される。従って、上面から見ると、図38に示すように、1行目のフォトダイオードPDと2行目のフォトダイオードPD間、3行目のフォトダイオードPDと4行目のフォトダイオードPD間には、それぞれ2本の読み出し配線26が配置した形になる。各行間に配置される2本の読み出し配線26間の間隔は、回折限界以下の間隔に設定される。また、リセットトランジスタTr2のリセットゲート電極34に接続されるリセット配線27とドレイン領域33Sに接続される電源配線29が、2層目メタル配線M2により横方向に延長して形成される。
次に、図40Bに示すように、接続配線28と、垂直信号線35と、増幅トランジスタのドレイン領域31Dに接続される電源配線36が、3層目メタル配線M3により、縦方向に延長して形成される。接続配線28は、勿論、フローティングディフージョンFD1、FD2、増幅ゲート電極32及びリセットトランジスタのソース領域33Sを接続する配線である。
その他の構成は、参考例1で説明したと同様であるので、図2に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
参考例18では、端子t1より第1層目メタル配線M1による読み出し配線261に第1読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr11がオンし、フォトダイオードPD1が読み出される。端子t2より第2目メタル配線M2による読み出し配線262に第2読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr12がオンし、フォトダイオードPD2が読み出される。端子t3より第2目メタル配線M2による読み出し配線263に第3読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr13がオンし、フォトダイオードPD3が読み出される。端子t4より第1層目メタル配線M1による読み出し配線264に第4読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr14がオンし、フォトダイオードPD4が読み出される。
端子t5より第1層目メタル配線M1による読み出し配線265に第5読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr15がオンし、フォトダイオードPD5が読み出される。端子t6より第2目メタル配線M2による読み出し配線266に第6読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr16がオンし、フォトダイオードPD6が読み出される。端子t7より第2目メタル配線M2による読み出し配線267に第7読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr17がオンし、フォトダイオードPD7が読み出される。端子t8より第1層目メタル配線M1による読み出し配線268に第8読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr18がオンし、フォトダイオードPD8が読み出される。
参考例18に係る固体撮像装置111によれば、各配線を、3層配線を構成する第1層目、第2層目、第3層目のメタル配線M1、M2、M3に振り分けて形成するので、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続される寄生容量が低減する。すなわち、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続される接続配線28が第3層目メタル配線M3で形成されるので、接続配線28と半導体基板間の間隔が離れ、その間で形成される寄生容量が低減し、変換効率が向上する。また、上面から見て、行間に配置される読み出し配線26が2本であるため、各フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積が、参考例1より広がる。よって、固体撮像装置111の感度を向上することができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[参考例19:固体撮像装置の構成例]
図41〜図44に、参考例19に係るMOS型の固体撮像装置を示す。図41は、4層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。図42〜図44は、1層目配線、2層目配線、3層目配線及び4層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。
参考例19に係る固体撮像装置112は、図41に示すように、参考例1で説明したと同様に、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、10個の画素トランジスタとの配列を1共有単位21として構成される。この共有単位21が2次元アレイ状に配列して画素部3を構成している。このフォトダイオードPD1〜PD8と、画素トランジスタを構成する読み出しトランジスタTr11〜Tr18の構成は、参考例1と同様である。
そして、本例においては、特に、図42〜図44に示すように、各配線を4層配線、すなわち第1層目メタル配線M1、第2層目メタル配線M2、第3層目メタル配線M3及び第4層目メタル配線M4に振り分けて形成される。先ず、図42Aに示すように横2画素、縦4画素のフォトダイオードPD1〜PD8列と、読み出しゲート電極221〜228を有する読み出しトランジスタTr11〜Tr18が形成される。さらに、リセットトランジスタTr2と、増幅トランジスタTr3が形成されて、ここに1共有単位21が構成される。
次に、図42Bに示すように、接続配線28と、垂直信号線35と、増幅トランジスタのドレイン領域31Dに接続される電源配線36が、1層目メタル配線M1により、縦方向に延長して形成される。接続配線28は、勿論、フローティングディフージョンFD1、FD2、増幅ゲート電極32及びリセットトランジスタのソース領域33Sを接続する配線である。
次に、図43Aに示すように、フォトダイオードPD2の読み出し用の読み出し配線262、フォトダイオードPD4の読み出し用の読み出し配線264、フォトダイオードPD8の読み出し用の読み出し配線268を、第2層目のメタル配線M2により形成する。この各読み出し配線262,264,268は、各行間に1本となるように横方向に延長して形成される。読み出し配線262は、読み出しゲート電極222に接続される。読み出し配線268は、読み出しゲート電極に接続される。読み出し配線264は、中央に接続部264aを図において上側に突出するように形成される。さらに、リセットゲート電極34に接続するリセット配線27が、第2層目メタル配線M2により横方向に延長して形成される。
次に、図43Bに示すように、フォトダイオードPD3の読み出し用の読み出し配線263、フォトダイオードPD6の読み出し用の読み出し配線266、フォトダイオードPD7の読み出し用の読み出し配線267が、第3層目メタルは配線M3により形成される。この各読み出し配線263、266,267は、上記第2層目メタル配線M2による読み出し配線262,264,268と重なるように、各行間に1本宛て横方向に延長して形成される。読み出し配線263は、読み出しゲート電極223に接続される。読み出し配線267は、読み出しゲート電極227に接続される。読み出し配線266は、中央に接続部266aを図において下側に突出するように形成される。さらに、リセットトランジスタTr2のドレイン領域33Dに接続する電源配線29が、第3層目メタル配線M3により横方向に延長して形成される。
次に、図44に示すように、第4層目メタル配線M4により、フォトダイオードPD1の読み出し用の読み出し配線261及びフォトダイオードPD5の読み出し用の読み出し配線265が形成される。読み出し配線261は、第2層目メタル配線M2による読み出し配線262、第3層目メタル配線M3による読み出し配線263と重なるように横方向に延長して形成される。この読み出し配線261は、第3層目メタルM3、第2層目メタルM2の接続部を経て読み出しトランジスタTr11の読み出しゲート電極221に接続される。また、第4層目メタル配線M4により、基板コンタクト部50aに接続される基板コンタクト用配線50が形成される。この基板コンタクト用配線50は、基板電位、すなわちフォトダイオード、画素トランジスタが形成される半導体ウェル領域に所要電位を与えるための配線である。例えば、n型サブストレート(基板)を用いたときには、フォトダイオード、画素トランジスタが形成されるp型半導体ウェル領域に0Vの電位が与えられる。
読み出し配線265は、第2層目メタル配線M2による読み出し配線268、第3層目メタル配線M3による読み出し配線267と重なるように横方向に延長して形成される。この読み出し配線265は、第3層目メタルM3、第2層目メタルM2の接続部を経て読み出しトランジスタTr15の読み出しゲート電極225に接続される。
また、第4層目メタル配線M4により、トランジスタTr14の読み出しゲート電極224と、第2層目メタル配線M2による読み出し配線264の接続部264aとを接続する接続線264Bが形成される。接続線264Bの一端は、第3層目メタルM3、第2層目メタルM2、第1層目メタルM1の接続部を経て読み出しゲート電極224に接続される。接続線264B他端は、第3層目メタルM3の接続部を経て第2層目メタルM2の読み出し配線264の接続線264aに接続される。この接続線264Bは、第1層目メタル配線M1による接続配線28と重なるように形成される。また、第4層目メタル配線M4により、トランジスタTr16の読み出しゲート電極226と、第3層目メタル配線M3による読み出し配線266の接続部266aとを接続する接続線266Bが形成される。接続線266Bの一端は、第3層目メタルM3、第2層目メタルM2、第1層目メタルM1の接続部を経て読み出しゲート電極226に接続される。接続線266Bの他端は、第3層目メタルM3の読み出し配線266の接続部266aに接続される。この接続線266Bは、第1層目メタル配線M1による接続配線28と重なるように形成される。参考例12では、上面から見て、フォトダイオードPDの各行間にそれぞれ1本の読み出し配線が配置された形となる。
参考例19では、端子t1より第4層目メタル配線M4による読み出し配線261に第1読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr1がオンし、フォトダイオードPD1が読み出される。端子t2より第2層目メタル配線M2による読み出し配線262に第2読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr2がオンし、フォトダイオードPD2が読み出される。端子t3より第3層目メタル配線M3による読み出し配線263に第3読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr3がオンし、フォトダイオードPD3が読み出される。
端子t4より第2層目メタル配線M2による読み出し配線264に第4読み出しパルスが印加されることにより、第4層目メタルM4による接続線264Bを通じて読み出しトランジスタTr4がオンし、フォトダイオードPD4が読み出される。端子t6より第3層目メタル配線M3による読み出し配線266に第6読み出しパルスが印加することにより、第4層目メタルM4による接続線266Bを通じて読み出しトランジスタTr6がオンし、フォトダイオードPD6が読み出される。
端子5より第4層目メタル配線M4による読み出し配線265に第5読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr5がオンし、フォトダイオードPD5が読み出される。端子t7より第3層目メタル配線M3による読み出し配線267に第7読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr7がオンし、フォトダイオードPD7が読み出される。端子t8より第2層目メタル配線M2による読み出し配線268に第8読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr8オンし、フォトダイオードPD8が読み出される。
画素の読み出し順序は変わるが、後段の処理回路で、行毎に画素を読み出せるように並び変えられる。
参考例19に係る固体撮像装置112によれば、上面から見て、行間に配置される読み出し配線26が1本であるため、各フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積が、参考例1より広がる。また、各配線を、4層配線で形成し、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続される第1層目メタル配線M1の接続配線28上には、これと最も離れた第4層目メタルM4の接続線264B、266Bが形成される。このため、接続配線28と接続線264B及び266Bとの間の寄生容量が低減し、変換効率が向上する。よって、固体撮像装置112の感度を向上することができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
[第1の実施形態:固体撮像装置の構成例]
図45及び図47に、本発明に係る固体撮像装置、すなわちMOS固体撮像装置の第1の実施形態を示す。図45は、4層配線を利用した画素部のレイアウトの要部を示す。図46A〜B、図47C〜Dは、1層目配線、2層目配線、3層目配線、4層目配線のパターンを理解するための、分解平面図である。
第1の実施形態に係る固体撮像装置127は、図45に示すように、横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PD1〜PD8]と、11個の画素トランジスタとの配列を1共有単位81として構成される。画素トランジスタは、8つの読み出しトランジスタTr11〜Tr18と、1つのリセットトランジスタTr2と、1つの増幅トランジスタTr3と、1つの選択トランジスタTr4とにより構成される。この固体撮像装置125の等価回路は、前述の図33で説明したと同様である。この共有単位81が2次元アレイ状に配列されて画素部を構成している。
増幅トランジスタTr3と選択トランジスタTr4は、1共有単位81内において、第1構成部23と第2構成部25との間に配置される。選択トランジスタTr4は、ソース領域83S、ドレイン領域83D及び選択ゲート電極84を有して形成され、増幅トランジスタTr3に接続される。選択トランジスタTr4のソース領域83Sは、増幅トランジスタTr3のドレイン領域31Dと同じ領域である。
そして、本実施の形態においては、図46〜図47に示すように、選択トランジスタTr4を除いて、略参考例19と同様に構成される。
先ず、図46Aに示すように、横2画素、縦4画素のフォトダイオードPD1〜PD8列と、読み出しゲート電極221〜228を有する読み出しトランジスタTr11〜Tr18と、リセットトランジスタTr2が形成される。さらに、増幅トランジスタTr3と、選択トランジスタTr4が形成されて、ここに1共有単位21が構成される。そして、第1層目メタル配線M1により、フローティングディフージョンFD1、FD2、増幅ゲート電極32及びリセットトランジスタのソース領域33Sを接続する接続配線28が形成される。
また、第1層目メタル配線M1による各配線が形成される。すなわち、増幅トランジスタTr3のソース領域31Sに接続される垂直信号線35、及び選択トランジスタTr4のドレイン領域83Dに接続される電源配線36が、縦方向に延長して形成される。また、電源配線36に平行するように、選択配線85が縦方向に形成される。同時に、第1層目メタル配線M1により、読み出しゲート電極221〜228に接続する接続部131、リセットゲート電極34に接続する接続部132、選択ゲート電極84に接続する接続部133、基板コンタク用の接続部134が形成される。
次に、図46Bに示すように、第2層目メタル配線M2による各配線が形成される。すなわち、接続部132を介してリセットゲート電極34に接続するリセット配線27が形成される。また、接続部133を介して選択ゲート電極84と選択配線85とに接続する接続線85aが横方向に形成される。接続線85aは1共有単位21の幅に形成される。また、接続部131を介して読み出しゲート電極222に接続する読み出し配線262、接続部131を介して読み出しゲート電極228に接続する読み出し配線268が横方向に形成される。読み出し配線268は、第1構成部23の縦方向に隣り合う画素間に形成される。読み出し配線268は、第2構成部25の縦方向に隣り合う画素間に形成される。
次に、図47Cに示すように、第3層目メタル配線M3による各配線が形成される。すなわち、リセット配線27上に重なるように、第2層目、第3層目のメタルM1、M2の接続部(図示せず)を介して、リセットトランジスタTr2のドレイン領域33Dに接続する電源配線29が形成される。また、読み出し配線262上に重なるように、第1層目メタルM1の接続部131、第2層目メタルM2の接続部(図示せず)を介して、読み出しゲート電極223に接続する読み出し配線263が形成される。また、読み出し配線268上に重なるように、第1層目メタルM1の接続部131、第2層目メタルM2の接続部(図示せず)を介して、読み出しゲート電極227に接続する読み出し配線267が形成される。さらに、増幅トランジスタTr3上の接続線85aに重なるように、一部フォトダイオードPD5及びPD6間に延長し、後工程で読み出しゲート電極226と接続される読み出し配線266が形成される。
次に、図47Dに示すように、第4層目メタル配線M4による各配線が形成される。すなわち、読み出し配線263上に重なるように、第1層目メタルM1の接続部131、第2層目、第3層目のメタルM2、M3の接続部(図示せず)を介して読み出しゲート電極221に接続する読み出し配線261が形成される。また、読み出し配線268上に重なるように、第1層目メタルM1の接続部131、第2層目、第3層目の接続部(図示せず)を介して、読み出しゲート電極225に接続する読み出し配線265が形成される。また、接続配線28上に重なるように、第1層目メタルM1の接続部131、第2層目、第3層目の接続部(図示せず)を介して、読み出しゲート電極226と第3層目メタルM3による読み出し配線266とを接続する接続線266aが形成される。また、読み出し配線266上と接続配線28上に重なるように、第1層目メタルM1の接続部131、第2層目、第3層目のメタルM2、M3の接続部(図示せず)を介して、読み出しゲート電極224に接続する読み出し配線264が形成される。
さらに、第1層目メタルM1の接続部134、第2層目、第3層目のM2、M3の接続部(図示せず)を介して基板コンタクト用配線50が形成される。また、配線のバランスを考慮して、フローティングディフージョンFD1とリセットトランジスタTr2のソース領域33Sに渡る間に接続配線28上に重なるダミー配線89、リセットトランジスタTr2上に電源配線29上に重なるダミー配線90が形成される。
第1の実施形態では、端子t1より第4層目メタル配線M4による読み出し配線261に第1読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr1がオンし、フォトダイオードPD1が読み出される。端子t2より第2層目メタル配線M2による読み出し配線262に第2読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr2がオンし、フォトダイオードPD2が読み出される。端子t3より第3層目メタル配線M3による読み出し配線263に第3読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr3がオンし、フォトダイオードPD3が読み出される。
端子t4より第4層目メタル配線M4による読み出し配線264に第4読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr4がオンし、フォトダイオードPD4が読み出される。端子t6より第3層目メタル配線M3による読み出し配線266に第6読み出しパルスが印加することにより、第4層目メタルM4による接続線266aを通じて読み出しトランジスタTr6がオンし、フォトダイオードPD6が読み出される。
端子5より第4層目メタル配線M4による読み出し配線265に第5読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr5がオンし、フォトダイオードPD5が読み出される。端子t7より第3層目メタル配線M3による読み出し配線267に第7読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr7がオンし、フォトダイオードPD7が読み出される。端子t8より第2層目メタル配線M2による読み出し配線268に第8読み出しパルスが印加されることにより、読み出しトランジスタTr8オンし、フォトダイオードPD8が読み出される。
画素の読み出し順序は変わるが、後段の処理回路で、行毎に画素を読み出せるように並び変えられる。
第1の実施形態に係る固体撮像装置127によれば、前述の参考例19と同様に、上面から見て、行間に配置される読み出し配線26が1本であるため、各フォトダイオードPD1〜PD8の開口面積が、参考例1より広がる。また、各配線を、4層配線で形成し、フローティングディフージョンFD1、FD2に接続される第1層目メタル配線M1の接続配線28上には、これと最も離れた第4層目メタルM4の接続線264B、266Bが形成される。このため、接続配線28と接続線264B及び266Bとの間の寄生容量が低減し、変換効率が向上する。よって、固体撮像装置127の感度を向上することができる。
ダミー配線89及び90を形成して、読み出し配線261,264、266a、225と共に、各フォトダイオードPD1〜PD8をコ字状に囲うようにしている。このため、各フォトダイオードPD1〜PD8が、同層メタル配線により、対称性よく囲まれるので、光の回折による混色を防ぐことができる。その他、参考例1で説明したと同様の効果を奏する。
上述の横2画素、縦4画素の計8画素のフォトダイオードPD[PG1〜PD8]と10個の画素トランジスタで1共有単位21を構成する固体撮像装置においては、図48に示すような、縦方向の配線レイアウトを有する。すなわち、本実施の形態の固体撮像装置では、8画素のフォトダイオードPD列の中央に縦方向の1本の接続配線28が配置され、隣り合う共有単位21間に垂直信号線35及び電源配線36の2本の配線が配置されたレイアウトを有する。配線レイアウトとしては、極めて簡潔である。
[増幅トランジスタの変形例]
図51〜図57に第1構成部23及び第2構成部25の間に配置される増幅トランジスタTr3の変形例を示す。
図51に示す増幅トランジスタTr3は、ソース領域31からチャネル領域を経てドレイン領域31Dに至る活性領域87を直角に折り曲げて形成し、この折り曲げ部を含む領域上に増幅ゲート電極32を形成して構成される。直角に押し曲げられたL字形状の活性領域87は、一方がフォトダイオードPDの行間に横方向に形成され、他方がフォトダイオードPDの列間に縦方向に形成される。増幅ゲート電極32は、フォトダイオードPDの行間に横方向に直線状に形成される。
図51の増幅トランジスタTr3によれば、活性領域87が直角に折り曲げられて形成されるので、ゲート長Lgが大きくなり、1/fノイズを抑制することができる。
図52に示す増幅トランジスタTr3は、ソース領域31からチャネル領域を経てドレイン領域31Dに至る活性領域87を直角に折り曲げて形成し、この折り曲げられた活性領域87に沿うように、直角に折り曲げられた増幅ゲート電極32を形成して構成される。直角に押し曲げられたL字形状の活性領域87は、一方がフォトダイオードPDの行間に横方向に形成され、他方がフォトダイオードPDの列間に縦方向に形成される。同様に、直角に折り曲げられたL字形状の増幅ゲート電極32も、一方がフォトダイオードPDの行間に横方向に形成され、他方がフォトダイオードPDの列間に縦方向に形成される。
図52の増幅トランジスタTr3によれば、活性領域87が直角に折り曲げられ、この活性領域87に沿って増幅ゲート電極32を直角に折り曲げて形成されるので、ゲート長Lgがより長くなり、1/fノイズを抑制することができる。ここで、活性領域87の周囲の素子分離領域として、前述したように、不純物拡散領域、例えばp型半導体領域で形成し、表面にフラットな絶縁膜を形成したフラット型の素子分離領域を用いることにより、活性領域87のL字折曲部での応力集中は抑制される。すなわち、応力集中に起因したノイズの発生が抑制される。因みに、素子分離領域をSTI構造としたときには、活性領域87のL字折曲部での応力集中が発生し応力集中に起因するノイズが発生する懼れがある。
図53に示す増幅トランジスタTr3は、ソース領域31S、チャネル領域及びドレイン領域31Dを含む活性領域87を十字形状に形成し、その十字の縦のチャネル領域上に増幅ゲート電極を形成して構成される。
図53の増幅トランジスタTr3によれば、ゲート幅Wgが大きくなり、1/fノイズを抑制することができる。
図54に示す増幅トランジスタtr3は、ソース領域31S、チャネル領域及びドレイン領域31Dを含む活性領域87が、フォトダイオードPDの列間に位置して縦方向に直線状に形成される。この増幅ゲート電極32は、活性領域87から延びるソース領域31S及びドレイン領域31DをフォトダイオードPDの行間に位置して横方向に直線状に形成して構成される。
図55に示す増幅トランジスタTr3は、フォトダイオードPDの行間に位置して、ソース領域31S、チャネル領域及びドレイン領域31Dを含む活性領域87を2画素ピッチの長さで形成し、増幅ゲート電極32を2画素ピッチより短い長さで形成して構成される。増幅ゲート電極32のゲート長方向の長さとしては、1画素ピッチ以上で形成することが好ましいが、1画素ピッチより短く形成することも可能である。
図56に示す増幅トランジスタTr3は、フォトダイオードPDの行間に位置して、ソース領域31S、チャネル領域及びドレイン領域31Dを含む活性領域87を2画素ピッチの長さより短く形成し、このチャネル領域上に増幅ゲート電極32を形成して構成される。ソース領域31S及びドレイン領域31Dに接続する垂直信号線35及び電源配線36は、一部フォトダイオードPDの行間に延長して形成される。
図57に示す増幅トランジスタTr3は、ソース領域31S、チャネル領域及びドレイン領域31Dを含む活性領域87を2画素ピッチの長さで横方向に形成し、活性領域と直交するように増幅ゲート電極32を縦方向に形成して構成される。活性領域87は、フォトダイオードPDの行間に形成され、増幅ゲート電極32は、フォトダイオードPDの列間に形成される。
これら図51〜図57に示す増幅トランジスタTr3のレイアウトは、上述の本発明の実施の形態に係る固体撮像装置に適用することができる。そして、増幅トランジスタTr3は1共有単位の中央部分に形成することにより、図2、図51〜図57に示すように、増幅トランジスタTr3のレイアウトの自由度が上がる。
[リセットトランジスタの変形例]
図58〜図59に、リセットトランジスタTr3の変形例を示す。図58に示すリセットトランジスタTr2は、ソース領域33S、チャネル領域及びドレイン領域33Dを含む活性領域88を縦方向に形成し、リセットゲート電極34を活性領域88と直交するように横方向に2画素ピッチの長さに形成して構成される。
図58のリセットトランジスタTr2によれば、そのリセットゲート電極34が2画素ピッチの長さに形成される。このリセットトランジスタTr2は、2画素ピッチの長さの増幅ゲート電極32を有する増幅トランジスタTr3と組み合わせるときには、増幅トランジスタTR3とのバランスが取れる。
図59に示すリセットトランジスタTr2は、チャネル領域が横方向に有し、ソース領域33S及びドレイン領域33Dが縦方向に有する十字形状の活性領域88を形成し、リセットゲート電極34を横方向に2画素ピッチの長さに形成して構成される。
図59のリセットトランジスタTr2によれば、チャネル幅Wgを大きく取ることができる。また、リセットゲート電極34が2画素ピッチの長さに形成されるので、2画素ピッチの長さの増幅ゲート電極32を有する増幅トランジスタTr3と組み合わせるときには、増幅トランジスタTR3とのバランスが取れる。
これら図58〜図59に示すリセットトランジスタTr2レイアウトは、上述の本発明の実施の形態に係る固体撮像装置に適用することができる。そして、リセットトランジスタTr2は1共有単位の上部側の中央部分に形成することにより、図2、図31、図58〜図59に示すように、リセットトランジスタTr2のレイアウトの自由度が上る。
本発明においては、図示しないが、上述の実施の形態の特徴的構成を相互に組み合わせて固体撮像装置を構成とすることが可能である。
上例では増幅トランジスタTr3を共有単位21の中央に配置し、リセットトランジスタTr2を共有単位21の上部側に配置した。その他、逆の配置、すなわちリセットトランジスタTr2を共有単位21の中央に、増幅トランジスタTr3を共有単位の上部側に、配置した構成としても良い。但し、共有単位の21の中央に増幅トランジスタTr3を、上部側にリセットトランジスタTr2を、配置した方が接続配線がリセット配線と交差しない分、フローティングディフージョンに付加される浮遊容量が少なくなり有利である。
上例では、横2×縦4(画素)計8画素のフォトダイオード配列を1共有画素とした。しかし、その他、横2×縦6(画素)の計12画素のフォトダイオード配列、横2×縦8(画素)の計16画素のフォトダイオード配列等、横2×縦4n画素(nは正の整数)のフォトダイオード配列を1共有単位として構成することもできる。
[第2の実施形態:電子機器の構成例]
本発明に係る固体撮像装置は、固体撮像装置を備えたカメラ、カメラ付き携帯機器、固体撮像装置を備えたその他の機器、等の電子機器に適用することができる。特に、微細な画素ができるので、小型の固体撮像装置を備えたカメラを製造することができる。
図60に、本発明の電子機器の一例としてカメラに適用した実施の形態を示す。本実施の形態に係るカメラ300は、光学系(光学レンズ)92と、固体撮像装置93と、信号処理回路94とを備えてなる。固体撮像装置93は、上述した各実施の形態のいずれか1つの固体撮像装置が適用される。光学系92は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置93の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置93の光電変換部であるフォトダイオードにおいて一定期間信号電荷が蓄積される。信号処理回路94は、固体撮像装置93の出力信号に対して種々の信号処理を施して出力する。本実施の形態のカメラ300は、光学系92、固体撮像装置93、信号処理回路94がモジュール化したカメラモジュールの形態を含む。
本発明は、図60のカメラ、あるいはカメラモジュールを備えた例えば携帯電話に代表されるカメラ300の構成は、光学系92、固体撮像装置93、信号処理回路94がモジュール化した撮像機能を有するモジュール、いわゆる撮像機能モジュ−ルとして構成することができる。本発明は、このような撮像機能モジュールを備えた電子機器を構成することができる。
本実施の形態に係る電子機器によれば、固体撮像装置において、高精度に画素の微細化、それに伴う小型化が進んでも、感度を向上することができ、高画質、高解像度が得られ、高品質の電子機器を提供することができる。