JP5698715B2 - アキシャルギャップ型ブラシレスモータ - Google Patents

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Description

本発明は、アキシャルギャップ型ブラシレスモータに関し、特に、略パンケーキ構造のコイルによって等価的に分布巻きを実現したアキシャルギャップ型ブラシレスモータに関する。
ブラシレスモータは、構造の観点から、ラジアルギャップ型ブラシレスモータと、アキシャルギャップ型ブラシレスモータとに大別される。ラジアルギャップ型ブラシレスモータは、固定子と回転子とを径方向に間隔を空けて配置する構造であり、アキシャルギャップ型ブラシレスモータは、固定子と回転子とを軸方向に間隔を空けて配置する構造である。アキシャルギャップ型ブラシレスモータは、ラジアルギャップ型ブラシレスモータに較べて、小径でより大きなトルクを得ることができる利点があり、例えば、自動車用途等に期待されている。
このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。特許文献1に開示のアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、コイルを備える固定子と、永久磁石を備え、前記固定子から軸方向に間隔を空けて配置される回転子とを備え、前記コイルは、帯状の線材であって、前記帯状の線材の幅方向が前記回転子の永久磁石によって形成される磁束の方向と略一致するように、渦巻き状に巻回されて成るものである。また、特許文献2に開示の超伝導モータは、回転子と、前記回転子を挟んで軸方向に間隔を空けて配置される一対の固定子とを備え、前記固定子は、磁界巻線として、帯状の線材が渦巻き状に巻回されて成る超伝導コイルを備えるものである。このような帯状の線材を渦巻き状に巻回すいわゆるパンケーキ構造のコイルは、空間に対する導体の占有率を大きくすることができ(すなわち、コイルの電流密度を大きくすることができ)、そして、固定子から漏洩される磁束による渦電流を抑制して鉄損を低減することができ、さらに、帯の幅方向への放熱性を確保することができる。
特開2012−050312号公報 特開2011−250503号公報
ところで、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータでは、回転位相に対するトルク変動(コギングやリップル等)を低減するために、巻線を複数のスロットに亘って巻く分布巻きが望まれる。しかしながら、前記利点を利用するために、コイルに、前記特許文献1や特許文献2に開示された前記パンケーキ構造を採用しようとすると、コイルの用いられる線材が長尺な帯状の導体部材であるため、従来の巻き方で分布巻きを行うことは、幾何学的に難しい。
特に、帯状の線材に、実用化されている酸化物系の超伝導線材を用いる場合には、分布巻きを行おうとすると、帯状の線材における長手方向にひねることとなり、超伝導線材内に生じる残留応力によって、超伝導特性(クエンチせずに流せる最大電流値)が劣化してしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、略パンケーキ構造のコイルによって等価的に分布巻きを実現することができるアキシャルギャップ型ブラシレスモータを提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、複数の相にそれぞれ対応した複数のコイルを備える固定子と、磁石または誘導コイルを備え、前記固定子から回転軸方向に間隔を空けて配置される回転子とを備え、前記複数のコイルのそれぞれは、内周側から巻初めて外周側で巻き終わるようにコイル状に巻回された、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の導体部材と、前記コイル状に巻回された前記帯状の導体部材における各ターン間に配置される絶縁部材とを備えるシングルパンケーキ構造の複数のサブコイルを備え、前記複数のサブコイルは、回転軸を中心に周方向に配置され、互いに隣接するサブコイル同士は、一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結され、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられており、前記複数のコイルは、周方向に所定の角度ずらして前記複数の相の各サブコイルがコイル軸方向で重ねられることによって、軸方向に重ねられていることを特徴とする。
そして、好ましくは、前記所定の角度は、1個のサブコイルが回転軸の中心を見込んだ角度を相数で除算した角度である。言い換えれば、好ましくは、前記所定の角度は、1個のサブコイルにおいて、周方向一方側で隣接する一方のサブコイルとコイル軸方向で重なる一方の重なり部分における周方向の第1中央位置と回転軸の中心位置とを結ぶ第1線分と、周方向他方側で隣接する他方のサブコイルとコイル軸方向で重なる他方の重なり部分における周方向の第2中央位置と回転軸の中心位置とを結ぶ第2線分との成す角の角度を、相数で除算した角度である。
このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータでは、前記互いに隣接するサブコイル同士は、一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結され、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられており、前記複数のコイルは、周方向に所定の角度ずらして前記複数の相の各サブコイルがコイル軸方向で重ねられることによって、軸方向に重ねられている。このため、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、パンケーキ構造のコイルによって等価的に分布巻きを実現することができる。したがって、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、分布巻きの効果とパンケーキ構造の効果との両方を有する。すなわち、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、コイルが分布巻きと等価であるので、回転位相に対するトルク変動(コギングやリップル等)を低減することができ、そして、サブコイルがパンケーキ構造であるので、空間に対する導体の占有率を大きくすることができ(すなわち、コイルの電流密度を大きくすることができ)、そして、固定子から漏洩される磁束による渦電流を抑制して鉄損を低減することができ、さらに、帯の幅方向への放熱性を確保することができる。
ここで、上記構成のアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、回転子が磁石および誘導コイルのうちの前記磁石を備える場合には、磁石界磁(永久磁石による永久磁石界磁)のブラシレスモータとなり、回転子が磁石および誘導コイルのうちの前記誘導コイルを備える場合には、誘導電動機方式のブラシレスモータとなる。
また、他の一態様では、上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記導体部材は、超伝導材料によって形成された線材であることを特徴とする。
この構成によれば、超伝導材料によって形成された線材を巻回したサブコイルのコイルを備えるアキシャルギャップ型ブラシレスモータが提供される。そして、この構成によれば、前記互いに隣接するサブコイル同士は、一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結されるので、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、コイル12を1本の帯状の長尺な導体部材で形成可能である。そして、この構成によれば、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられているので、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、長手方向のひねりをほぼ無くすことができる。したがって、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、超伝導特性を保つことができる。
また、他の一態様では、上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記回転子は、前記固定子に臨む面とは反対面上に設けられ、磁性体から形成されたヨークをさらに備えることを特徴とする。
このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、回転子がヨークを備えるので、磁束の漏れを低減することができ、磁束がコイルの電流方向と略直交することによって、磁石または誘導コイルの性能をより有効に引き出すことができる。したがって、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、前記ヨークを備えない場合に較べて、より大きな回転トルクを発生することができ、回転トルクを向上することができる。
また、他の一態様では、上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記ヨークは、絶縁皮膜を持つ軟磁性粉末を圧縮形成することによって形成された部材であることを特徴とする。そして、好ましくは、前記軟磁性粉末は、鉄基軟磁性粉末であり、より好ましくは、前記軟磁性粉末は、純鉄粉である。
このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、前記ヨークが前記軟磁性粉末の圧縮形成部材であるので、前記ヨークにおける渦電流損を低減することができる。
また、他の一態様では、上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記ヨークは、コイル状に巻回された、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の純鉄と、前記コイル状に巻回された前記帯状の純鉄における各ターン間に配置される絶縁部材とを備えるシングルパンケーキ構造の部材であることを特徴とする。
このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、前記ヨークが前記シングルパンケーキ構造の部材であるので、前記ヨークにおける渦電流損を低減することができる。
また、他の一態様では、これら上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記誘導コイルは、周方向に配置された複数の1ターンコイルであることを特徴とする。
この構成によれば、複数の1ターンコイルで形成した誘導コイルを持つ誘導電動機方式のアキシャルギャップ型ブラシレスモータが提供される。
また、他の一態様では、これら上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記誘導コイルは、環状の第1導体と、前記第1導体の直径よりも大きい直径の環状の第2導体と、一方端が前記第1導体に接続され他方端が前記第2導体に接続される径方向に配置された直線状の複数の第3導体を備えるかご形コイルであることを特徴とする。
この構成によれば、いわゆるかご形で形成した誘導コイルを持つ誘導電動機方式のアキシャルギャップ型ブラシレスモータが提供される。
また、他の一態様では、これら上述のアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおいて、前記固定子は、回転子の回転軸方向両側に間隔を空けて配置された一対の第1および第2サブ固定子であることを特徴とする。
この構成によれば、ダブルギャップ型のアキシャルギャップ型ブラシレスモータが提供される。したがって、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、シングルギャップ型の場合に較べて、より大きな回転トルクを発生することができ、回転トルクを向上することができる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型ブラシレスモータは、略パンケーキ構造のコイルによって等価的に分布巻きを実現することができる。
第1実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す図である。 図1に示すアキシャルギャップ型ブラシレスモータのコイルを説明するための図である。 図1に示すアキシャルギャップ型ブラシレスモータのコイルを説明するための斜視図である。 第2実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す図である。 第3実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す図である。 第4実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおける固定子の構造を示す正面図である。 第5実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す側面図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す図である。図1(A)は、側面図であり、図1(B)は、アキシャルギャップ型ブラシレスモータにおけるコイルの正面図である。図2は、図1に示すアキシャルギャップ型ブラシレスモータのコイルを説明するための図である。各相のコイルは、同様の構造を持つので、図2には、1相分のコイルが図示されている。図3は、図1に示すアキシャルギャップ型ブラシレスモータのコイルを説明するための斜視図である。図3には、1相分のコイルにおける一部分(サブコイル3個分)が図示されている。図1ないし図3において、○内に×を設けた符号は、コイル(サブコイル)に流れる電流が紙面手前側から紙面奥側へ流れていることを示し、○内に・を設けた符号は、コイル(サブコイル)に流れる電流が紙面奥側から紙面手前側へ流れていることを示す。また、コイル(サブコイル)上に付された矢印付き細線は、コイル(サブコイル)に流れる電流の流れる方向を示し、コイル(サブコイル)に付された矢印付き太線は、帯状の導体部材をコイル状に巻回す場合における巻く方向を示す。
図1において、第1実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、非回転部分である固定子10と、回転部分である回転子20aとを備え、これら固定子10と回転子20aとは、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。固定子10には、回転磁界を発生する複数のコイル12が周方向に配置され、回転子20aには、前記複数のコイル12とは異なる個数(極数)の磁石が前記周方向に配置されている。そして、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaでは、前記複数のコイル12に所定のタイミングで各相の交流電力を供給することで、回転子20aが回転する。
以下、より具体的に説明する。回転子20aは、回転子本体21aと、複数の磁石22と、出力軸23とを備え、図1に示す例では、ヨーク24をさらに備えている。
回転子本体21aは、複数の磁石22を支持し、この支持している複数の磁石22と固定子10の複数のコイル12との間における磁気的な相互作用によって回転する円板状の部材である。回転子本体21aは、例えば、非磁性材の樹脂やステンレス材で形成されてもよいが、好ましくは磁性をもった純鉄系合金で形成すると、磁気ヨークを兼ねて磁界を増強できる。回転子本体21aの中心には、出力軸23を挿通するための貫通開口が形成されており、そして、この貫通開口を中心に周方向に磁石22の個数に応じた個数の凹所が形成されている。
複数の磁石22は、磁界を生じさせ、コイル12の磁界と相互作用することによって力を生じさせるための磁石であり、例えば永久磁石である。複数の磁石22は、回転子本体21aの周方向に形成された複数の前記凹所にそれぞれ嵌め込まれて固定されている。これによって磁石22に生じた力が回転子本体21aに伝達され、出力軸23を回転軸として回転子本体21aが回転する。複数の磁石22のそれぞれは、軸方向(厚さ方向)に着磁されており、互いに隣接する磁石22同士では、各磁極が相互に逆方向となるように配置されている。
出力軸23は、固定子本体21aの回転力(回転トルク)を外部に取り出すための部材であり、例えば、円柱状の棒状のロッド部材である。出力軸23は、回転子本体21aの前記貫通開口に挿通されて固着されており、回転子本体21aの回転に伴って回転する。
ヨーク24は、回転子20a(回転子本体21a)が固定子10に臨む面とは反対面上に設けられ、磁性体から形成された部材である。ヨーク24は、回転子本体21aの直径と同じ直径の円板状の部材であり、その中心には、出力軸23を挿通するための貫通開口が形成されている。
このようなヨーク24は、例えば、絶縁皮膜を持つ軟磁性粉末を圧縮形成することによって形成される部材であってよい。このようなヨーク24は、磁気的に等方性を有する。例えば、透磁率が等方性である。前記軟磁性粉末は、強磁性の金属粉末であり、より具体的には、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末等が挙げられる。これら軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。また、一般に、透磁率が同一である場合に飽和磁束密度が大きいので、軟磁性粉末は、例えば上記純鉄粉、鉄基合金粉末およびアモルファス粉末等の金属系材料であることが特に好ましい。このような絶縁皮膜を持つ軟磁性粉末を圧縮形成したヨーク24は、例えば、いわゆる圧粉コアを製造する場合の圧粉形成等の公知の常套手段によって形成することができる。
また例えば、このようなヨーク24は、コイル状に巻回された、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の純鉄と、前記コイル状に巻回された前記帯状の純鉄における各ターン間に配置される絶縁部材とを備えるシングルパンケーキ構造の部材であってよい。このようなヨーク24は、例えば、片面または両面に絶縁性樹脂等の絶縁被覆を持ち、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の純鉄を、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように巻回すことによって形成されてよい。また例えば、このようなヨーク24は、1層の純鉄層に1層の絶縁層を積層した長尺な帯状の部材を、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように巻回すことによって形成されてよい。また例えば、前記長尺な帯状の純鉄を、長尺な帯状の絶縁部材(例えば樹脂材料製のテープ等)を挟み込みながら、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように巻回すことによって形成されてよい。前記樹脂材料製のテープは、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)等のテープである。
固定子10は、固定子本体11と、複数の相にそれぞれ対応した複数のコイル12とを備えている。
固定子本体11は、複数のコイル12を支持する円板状の部材である。固定子本体11は、駆動コイル電流が作る交流磁界が誘起する渦電流を避けるため、例えば、純鉄粉の成形体、または、純鉄系または珪素鋼系の帯状薄板を絶縁膜とパンケーキ状に巻いた巻鉄芯として形成されていることが望ましい。固定子本体11の中心には、出力軸23を挿通するための貫通開口が形成されている。出力軸23は、この貫通開口を挿通し、この貫通開口で例えばベアリング等によって回転可能に支持されている。なお、固定子本体11の中心には、前記貫通開口に代え、有底の筒状の凹所が形成され、この凹所で出力軸23の端部が回転可能に支持されてもよい。
複数のコイル12は、所定のタイミングで各相の交流電力が供給されることによって回転磁界を発生するものである。図1に示す例では、複数の相は、U相、V相およびW相の三相であり、これに対応して複数のコイル12は、U相のU相コイル12u、V相のV相コイル12vおよびW相のW相コイル12wの3個である。駆動する場合、これらU相コイル12u、V相コイル12vおよびW相コイル12wには、三相交流が供給される。
これら3個のコイル12u、12v、12wのそれぞれは、図1(B)、図2および図3に示すように、内周側から巻初めて外周側で巻き終わるようにコイル状に巻回された、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の導体部材と、前記コイル状に巻回された前記帯状の導体部材における各ターン間に配置される絶縁部材とを備えるシングルパンケーキ構造の複数のサブコイル121を備えている。このようなシングルパンケーキ構造のサブコイル121は、図3に示すように、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の導体部材を、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように、かつ、内周側から巻初めて外周側で巻き終わるように、絶縁部材によって絶縁しつつコイルボビンBBに巻回すことによって形成される。コイルボビンBBは、比較的低い高さの円柱部材である。より具体的には、このようなサブコイル121は、例えば、片面または両面に絶縁性樹脂等の絶縁被覆を持ち、前記長尺な帯状の導体部材を、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように巻回すことによって形成されてよい。また例えば、このようなサブコイル121は、1層の導体層に1層の絶縁層を積層した長尺な帯状の部材を、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように巻回すことによって形成されてよい。また例えば、前記長尺な帯状の導体部材を、長尺な帯状の絶縁部材(例えば樹脂材料製のテープ等)を挟み込みながら、幅方向が前記コイル軸方向と平行となるように巻回すことによって形成されてよい。前記樹脂材料製のテープは、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)等のテープである。
そして、この複数のサブコイル121は、回転軸を中心に周方向に配置され、周方向で互いに隣接するサブコイル121同士は、一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結され、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられている。図1(B)および図2に示す例では、コイル12は、6個のサブコイル121−1〜121−6を備え、これらは、回転軸を中心に周方向に同心円状に均等に配置されている。このように前記互いに隣接するサブコイル121同士が一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結されるので、このようなコイル12は、1本の帯状の長尺な導体部材で形成可能である。そして、このようなコイル12では、前記互いに隣接するサブコイル121同士において、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられているので、このようなコイル12は、長手方向のひねりをほぼ無くすことができる。したがって、このようなコイル12は、例えば実用化されている酸化物系の超伝導材料によって形成された線材を好適に前記1本の帯状の長尺な導体部材として使用可能であり、その超伝導特性を保つことができる。
また、コイル12に通電した場合に、複数のサブコイル121が上述のように構成されているので、前記コイル軸方向に重ねられている、一方のサブコイル121における前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と他方のサブコイル121における前記他方の巻始めの位置のコイル部分とでは、同じ方向に電流を流すことができる。このため、周方向で互いに隣接するサブコイル121同士におけるコイル軸方向に重ねられたこの各コイル部分において、各サブコイル121で生じた磁界が打ち消し合うことが無く、各サブコイル121で生じた磁界を回転トルクに有効に利用することができる。
さらに、これら3個のコイル12u、12v、12wは、周方向に所定の角度ずらしてこれら各相のコイル12u、12v、12wにおける各サブコイル121がコイル軸方向で重ねられることによって、軸方向に重ねられている。
このような本実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaでは、周方向で互いに隣接するサブコイル121同士は、一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結され、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられており、三相に対応した3個のコイル12u、12v、12wは、周方向に所定の角度ずらして前記各相の各サブコイル121がコイル軸方向で重ねられることによって、軸方向に重ねられている。このため、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、パンケーキ構造のコイル12u、12v、12wによって等価的に分布巻きを実現することができる。したがって、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、分布巻きの効果とパンケーキ構造の効果との両方を有する。すなわち、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、コイル12u、12v、12wが分布巻きと等価であるので、回転位相に対するトルク変動(コギングやリップル等)を低減することができ、そして、サブコイル121がパンケーキ構造であるので、空間に対する導体の占有率を大きくすることができ(すなわち、コイルの電流密度を大きくすることができ)、そして、固定子から漏洩される磁束による渦電流を抑制して鉄損を低減することができ、さらに、帯の幅方向への放熱性を確保することができる。
このような回転位相に対するトルク変動を好適に低減する観点から、前記所定の角度は、好ましくは、図1(B)および図2(B)に示すように、1個のサブコイル121が回転軸の中心を見込んだ角度θ1を相数で除算した角度である。言い換えれば、好ましくは、前記所定の角度は、1個のサブコイル121において、周方向一方側で隣接する一方のサブコイル121とコイル軸方向で重なる一方の重なり部分における周方向の第1中央位置CP1と回転軸の中心位置RPとを結ぶ第1線分CP1−RPと、周方向他方側で隣接する他方のサブコイル121とコイル軸方向で重なる他方の重なり部分における周方向の第2中央位置CP2と回転軸の中心位置RPとを結ぶ第2線分CP2−RPとの成す角の角度θ1を、相数で除算した角度である。図1(B)および図2(B)に示す例では、θ1=360度/(コイル12におけるサブコイル121の個数(この例では6個))=60度であり、前記所定の角度θ2、θ3は、θ2=θ3=θ1/相数=60度/3=20度である。したがって、U相コイル12uの配置位置を基準にすると、V相コイル12v(V相コイルの各サブコイル121v)は、U相コイル12u(U相コイルの各サブコイル121u)の配置位置に対して周方向に20度(=θ2)ずれた位置に配置され、W相コイル12w(W相コイルの各サブコイル121w)は、U相コイル12u(U相コイルの各サブコイル121u)の配置位置に対して周方向に40度(=θ2+θ3)ずれた位置に配置される。すなわち、W相コイル12w(W相コイルの各サブコイル121w)は、V相コイル12v(V相コイルの各サブコイル121v)の配置位置に対して周方向に20度(=θ3)ずれた位置に配置される。
また、本実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、回転子20aがヨーク24を備えるので、磁束の漏れを低減することができ、磁束がコイル12(サブコイル)の電流方向と略直交することによって、磁石22の性能をより有効に引き出すことができる。したがって、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、ヨーク24を備えない場合に較べて、より大きな回転トルクを発生することができ、回転トルクを向上することができる。そして、ヨーク24が上述した軟磁性粉末の圧縮形成部材である場合には、ヨーク24における渦電流損を低減することができる。また、ヨーク24が上述したシングルパンケーキ構造の部材である場合には、ヨーク24における渦電流損を低減することができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す図である。図4(A)は、側面図であり、図4(B)は、アキシャルギャップ型ブラシレスモータにおけるコイルの正面図である。
第1実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaは、1個のギャップを有するシングルギャップ型であったが、第2実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbは、2個のギャップを有するダブルギャップ型である。
このような第2実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbは、図4に示すように、非回転部分である第1および第2固定子10−1、10−2と、回転部分である回転子20bとを備え、第1固定子10−1は、回転子20bの一方側に、軸方向に回転子20bから所定の間隔(1つ目の第1ギャップ)を空けて配置され、第2固定子10−2は、回転子20bの他方側に、軸方向に回転子20bから所定の間隔(2つ目の第2ギャップ)を空けて配置されている。すなわち、コイル12を配置した面を互いに対向させて、軸方向に離間して配置された1対の第1および第2固定子10−1、10−2間に、第1および第2固定子10−1、10−2のそれぞれから離間して回転子20bが配置されている。
この回転子20bは、回転子本体21aと、複数の磁石22と、出力軸23とを備えている。これら第2実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbの回転子20bにおける回転子本体21a、複数の磁石22および出力軸23は、それぞれ、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaの回転子20aにおける回転子本体21a、複数の磁石22および出力軸23と同様であるので、その説明を省略する。すなわち、第2実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbにおける回転子20bは、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaにおける回転子20aに対しヨーク24を備えないものと同様の構造である。
また、第2実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbにおける第1および第2固定子10−1、10−2のそれぞれは、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaにおける固定子10と同様であるので、その説明を省略する。なお、第1および第2固定子10−1、10−2は、同構造であるので、図4(B)には、一方のコイルの正面が図示されており、他方のコイルは、図示が省略されている。
このような第2実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbは、シングルギャップ型の場合(すなわち、第1実施形態の場合)に較べて、より大きな回転トルクを発生することができ、回転トルクを向上することができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す図である。図5(A)は、側面図であり、図5(B)は、アキシャルギャップ型ブラシレスモータにおける固定子の構造を示す正面図である。
第1および第2実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMa、Mbは、回転子20a、20bに磁石を備え、磁石界磁(永久磁石による永久磁石界磁)のブラシレスモータであるが、第3実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcは、回転子20cに誘導コイルを備え、誘導電動機方式のブラシレスモータである。
この第3実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcは、図5に示すように、非回転部分である固定子10と、回転部分である回転子20cとを備え、これら固定子10と回転子20cとは、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。固定子10には、回転磁界を発生する複数のコイル12が周方向に配置され、回転子20cには、複数の誘導コイル25が前記周方向に配置されている。複数の誘導コイル25は、前記複数のコイル12と同数であってもよいが、前記複数のコイル12とは異なる個数(極数)であることが好ましい。そして、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcでは、前記複数のコイル12に所定のタイミングで各相の交流電力を供給することで、磁界の変化により誘導コイル25に誘導される電流による磁界との相互作用で、回転子20cが回転する。
より具体的には、回転子20cは、回転子本体21bと、複数の誘導コイル25と、出力軸23とを備え、図5に示す例では、ヨーク24をさらに備えている。
回転子本体21bは、複数の誘導コイル25を支持し、この支持している複数の誘導コイル25と固定子10の複数のコイル12との間における磁気的な相互作用によって回転する円板状の部材である。回転子本体21bの中心には、出力軸23を挿通するための貫通開口が形成されており、そして、この貫通開口を中心に周方向に誘導コイル25の個数に応じた個数であって、誘導コイル25の形状に応じた形状の凹所が一方主面に形成されている。
誘導コイル25は、固定子10のコイル12に交流電力が供給されると生じる磁界の変化によって誘導電流を生じさせ、コイル12の磁界と相互作用することによって力を生じさせるためのコイルである。図5に示す例では、誘導コイル25は、6個の誘導コイル25−1〜25−6である。複数の誘導コイル25のそれぞれは、導体線材を複数回巻回してもよいが、本実施形態では、導体線材を1回巻回した1ターンコイル(ワンターンコイル、1巻きコイル、導体の円環)である。この1ターンコイルは、空芯コイルであってもよいが、より磁束を集中することによってより大きな回転トルクを得るために、本実施形態では、有芯コイルである。より具体的には、複数の誘導コイル25のそれぞれは、1ターンコイル251と、磁性材料で形成され、1ターンコイルの芯部に配置される円板状の磁性体コア252とを備えている。複数の誘導コイル25は、回転子本体21bの周方向に形成された複数の前記凹所にそれぞれ嵌め込まれて固定されている。これによって誘導コイル25に生じた力が回転子本体21bに伝達され、出力軸23を回転軸として回転子本体21bが回転する。前記凹所は、本実施形態では有芯の1ターンコイル25の形状に応じた平面視にて円形状の凹所である。本磁性体は、誘導コイル電流が作る交流磁界が誘起する渦電流を避けるため、例えば、純鉄粉の成形体、または、純鉄系または珪素鋼系の帯状薄板を絶縁膜とパンケーキ状に巻いた巻鉄芯として形成されていることが望ましい。
そして、第3実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcの回転子20cにおける出力軸23およびヨーク24は、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaの回転子20aにおける出力軸23およびヨーク24と同様であるので、その説明を省略する。
また、第3実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcにおける固定子10は、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaにおける固定子10と同様であるので、その説明を省略する。
このように第3実施形態によれば、複数の有芯の1ターンコイル25を誘導コイルとして用いた誘導電動機方式のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcが提供される。そして、この第3実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcは、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaと同様な固定子10を備えるので、分布巻きの効果とパンケーキ構造の効果との両方を有している。
次に、別の実施形態について説明する。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータにおける固定子の構造を示す正面図である。
第4実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdは、第3実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcと同様に、回転子20dに誘導コイルを備えた誘導電動機方式のブラシレスモータである。
この第4実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdは、図6に示すように、非回転部分である固定子10と、回転部分である回転子20dとを備え、これら固定子10と回転子20dとは、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。固定子10には、回転磁界を発生する複数のコイル12が周方向に配置され、回転子20dには、かご形コイル26が前記誘導コイルとして配置されている。そして、このようなアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdでは、前記複数のコイル12に所定のタイミングで各相の交流電力を供給することで、磁界の変化によりかご形コイル26に誘導される電流による磁界との相互作用で、回転子20dが回転する。
より具体的には、回転子20dは、回転子本体21cと、前記誘導コイルとしてかご形コイル26と、出力軸23とを備え、本実施形態では、ヨーク24をさらに備えている。
回転子本体21cは、かご形コイル26を支持し、この支持しているかご形コイル26と固定子10の複数のコイル12との間における磁気的な相互作用によって回転する円板状の部材である。回転子本体21cの中心には、出力軸23を挿通するための貫通開口が形成されており、そして、この貫通開口を中心にその周囲にかご形コイル26の形状に応じた形状の凹所が一方主面に形成されている。
かご形コイル26は、固定子10のコイル12に交流電力が供給されると生じる磁界の変化によって誘導電流を生じさせ、コイル12の磁界と相互作用することによって力を生じさせるためのコイルである。図6に示す例では、かご形コイル26は、径方向内側に配置され周方向全周に延設される環状の第1導体26−1と、径方向外側に配置され周方向全周に延設される、第1導体26−1の直径よりも大きい直径の環状の第2導体26−2と、一方端が第1導体26−1に接続され他方端が第2導体26−2に接続される径方向に延設された直線状の複数の第3導体26−3とを備えている。複数の第3導体26−3は、周方向に等間隔で配置されており、図6に示す例では、6個の第3導体26−3である。そして、本実施形態では、より磁束を集中することによってより大きな回転トルクを得るために、かご形コイル26は、第1導体26−1と、第2導体26−2と、周方向で互いに隣接する1組の第3導体26−3とで囲まれる領域内に配置され、平面視にてこの領域の形状と相似形でより小さい形状の板状の磁性体コア26−4をさらに備えている。この磁性体コア26−4は、磁性材料で形成されている。前記第3導体26−3が6個であることから、第2導体26−2と、周方向で互いに隣接する1組の第3導体26−3とで囲まれる前記領域は、6個であり、これに対応して磁性体コア26−4も6個である。
このような形状のかご形コイル26を回転子20dに配置するために、回転子本体21cに形成される前記凹所は、径方向内側に周方向全周に亘って環状に形成された第1凹所と、径方向外側に周方向全周に亘って環状に形成された第1凹所の直径よりも大きい直径の第2凹所と、一方端が前記第1凹所に連結され他方端が前記第2凹所に連結される径方向に直線状に形成された複数の第3凹所とを備えている。複数の前記第3凹所は、かご形コイル26の第3導体26−3の個数に応じた個数であり、周方向に等間隔で形成されている。そして、本実施形態では、磁性体コア26−4の形状に応じた形状の複数の第4凹所をさらに備えている。複数の前記第4凹所は、かご形コイル26の磁性体コア26−4の個数に応じた個数である。前記第4凹所は、より具体的には、平面視にて、第1扇形から、この第1扇形と同じ中心角であって第1扇形の半径よりも小さい半径の第2扇形を、互いに中心を一致させて取り除いた形状である。このような形状の回転子本体21cに形成される前記凹所において、前記第1凹所には、かご形コイル26の第1導体26−1が嵌め込まれて固定され、前記第2凹所には、かご形コイル26の第2導体26−2が嵌め込まれて固定され、複数の前記第3凹所には、かご形コイル26の複数の第3導体26−3がそれぞれ嵌め込まれて固定され、そして、複数の前記第4凹所には、かご形コイル26の複数の磁性体コア26−4がそれぞれ嵌め込まれて固定されている。これによってかご形コイル26に生じた力が回転子本体21cに伝達され、出力軸23を回転軸として回転子本体21cが回転する。
そして、第4実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdの回転子20dにおける出力軸23およびヨーク24は、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaの回転子20aにおける出力軸23およびヨーク24と同様であるので、その説明を省略する。
また、第4実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdにおける固定子10は、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaにおける固定子10と同様であるので、その説明を省略する。
このように第4実施形態によれば、かご形コイル26を誘導コイルとして用いた誘導電動機方式のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdが提供される。そして、この第4実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdは、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaと同様な固定子10を備えるので、分布巻きの効果とパンケーキ構造の効果との両方を有している。
次に、別の実施形態について説明する。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータの構造を示す側面図である。
第3および第4実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMc、Mdは、誘導電動機方式でシングルギャップ型であったが、第2実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMbと同様に、ダブルギャップ型も可能である。第5実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMeは、誘導電動機方式でダブルギャップ型である。
このような第5実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMeは、図7に示すように、非回転部分である第1および第2固定子10−1、10−2と、回転部分である回転子20eとを備え、第1固定子10−1は、回転子20bの一方側に、軸方向に回転子20eから所定の間隔(1つ目の第1ギャップ)を空けて配置され、第2固定子10−2は、回転子20eの他方側に、軸方向に回転子20eから所定の間隔(2つ目の第2ギャップ)を空けて配置されている。すなわち、コイル12を配置した面を互いに対向させて、軸方向に離間して配置された1対の第1および第2固定子10−1、10−2間に、第1および第2固定子10−1、10−2のそれぞれから離間して回転子20eが配置されている。
この回転子20eは、回転子本体21bと、有芯の1ターンコイルである誘導コイル25と、出力軸23とを備えている。これら第5実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMeの回転子20eにおける回転子本体21b、複数の誘導コイル25および出力軸23は、それぞれ、第3実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcの回転子20cにおける回転子本体21b、複数の誘導コイル25および出力軸23と同様であるので、その説明を省略する。すなわち、第5実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMeにおける回転子20eは、第3実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMcにおける回転子20cに対しヨーク24を備えないものと同様の構造である。
また、第5実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMeにおける第1および第2固定子10−1、10−2のそれぞれは、第1実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMaにおける固定子10と同様であるので、その説明を省略する。
なお、上述では、誘導コイル25を備える回転子20eが用いられたが、回転子20eに代え、誘導コイルとしてかご形コイル26を備える図略の回転子20fが用いられてもよい。このような回転子20fは、回転子本体21cと、前記誘導コイルとしてかご形コイル26と、出力軸23とを備えている。これら回転子20fにおける回転子本体21c、かご形コイル26および出力軸23は、それぞれ、第4実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdの回転子20dにおける回転子本体21c、かご形コイル26および出力軸23と同様であるので、その説明を省略する。すなわち、この回転子20fは、第4実施形態のアキシャルギャップ型ブラシレスモータMdにおける回転子20dに対しヨーク24を備えないものと同様の構造である。
このような第5実施形態におけるアキシャルギャップ型ブラシレスモータMeは、シングルギャップ型の場合(すなわち、第3および第4実施形態の場合)に較べて、より大きな回転トルクを発生することができ、回転トルクを向上することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
Ma、Mb、Mc、Md、Me アキシャルギャップ型ブラシレスモータ
10 固定子
12 コイル
20 回転子
22 磁石
25 1ターンコイル
26 かご形コイル

Claims (8)

  1. 複数の相にそれぞれ対応した複数のコイルを備える固定子と、
    磁石または誘導コイルを備え、前記固定子から回転軸方向に間隔を空けて配置される回転子とを備え、
    前記複数のコイルのそれぞれは、内周側から巻初めて外周側で巻き終わるようにコイル状に巻回された、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の導体部材と、前記コイル状に巻回された前記帯状の導体部材における各ターン間に配置される絶縁部材とを備えるシングルパンケーキ構造の複数のサブコイルを備え、
    前記複数のサブコイルは、回転軸を中心に周方向に配置され、互いに隣接するサブコイル同士は、一方の巻き終わりが他方の巻始めとなって直列に連結され、前記一方の巻き終わり位置のコイル部分と前記他方の巻始めの位置のコイル部分とがコイル軸方向で重ねられており、
    前記複数のコイルは、周方向に所定の角度ずらして前記複数の相の各サブコイルがコイル軸方向で重ねられることによって、軸方向に重ねられていること
    を特徴とするアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  2. 前記導体部材は、超伝導材料によって形成された線材であること
    を特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  3. 前記回転子は、前記固定子に臨む面とは反対面上に設けられ、磁性体から形成されたヨークをさらに備えること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  4. 前記ヨークは、絶縁皮膜を持つ軟磁性粉末を圧縮形成することによって形成された部材であること
    を特徴とする請求項3に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  5. 前記ヨークは、コイル状に巻回された、コイル軸方向の幅がコイル径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の純鉄と、前記コイル状に巻回された前記帯状の純鉄における各ターン間に配置される絶縁部材とを備えるシングルパンケーキ構造の部材であること
    を特徴とする請求項3に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  6. 前記誘導コイルは、周方向に配置された複数の1ターンコイルであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  7. 前記誘導コイルは、環状の第1導体と、前記第1導体の直径よりも大きい直径の環状の第2導体と、一方端が前記第1導体に接続され他方端が前記第2導体に接続される径方向に配置された直線状の複数の第3導体を備えるかご形コイルであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
  8. 前記固定子は、回転子の回転軸方向両側に間隔を空けて配置された1対の第1および第2サブ固定子であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型ブラシレスモータ。
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