JP5696609B2 - 搬送装置 - Google Patents
搬送装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5696609B2 JP5696609B2 JP2011150715A JP2011150715A JP5696609B2 JP 5696609 B2 JP5696609 B2 JP 5696609B2 JP 2011150715 A JP2011150715 A JP 2011150715A JP 2011150715 A JP2011150715 A JP 2011150715A JP 5696609 B2 JP5696609 B2 JP 5696609B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meandering
- tension
- metal foil
- roller
- transport
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Controlling Rewinding, Feeding, Winding, Or Abnormalities Of Webs (AREA)
- Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
Description
特許文献1乃至特許文献3に記載する蛇行補正方法また装置は、滑り検出センサなどにより、ウエブ状の搬送物の滑り量を検出する。そして、張力制御装置は、検出した滑り量に基づいて、張力を調整することにより、搬送物の蛇行を補正する。
よって、数千メートルの金属箔を搬送する際、金属箔は幅方向において、一定の範囲内で滑りが発生しても、滑り検出センサは、蛇行の発生として判断していない。
すなわち、滑り検出センサは、金属箔が一定の範囲内で滑りを検出する場合、自力で補正できる滑りか、蛇行が発生する前兆滑りか、判断できない。蛇行発生の判断は、検出した滑り量が、一定の範囲を超えるまで、待つしかできない。
例えば、銅箔やアルミ箔のような金属箔ロッドが切り替える時、金属箔と搬送ローラとの摩擦係数が変化する場合があるため、現状の搬送張力は不充分になり、搬送物は蛇行する可能性が高い。
また、時間t=t3になってから、蛇行補正を行うため、図3に示すように、金属箔は、蛇行が発生してから、安定な搬送状態に戻るまで、蛇行補正時間t4が経過した。
したがって、できる限り速やかに搬送物の蛇行傾向を検出し、適切な搬送張力を付与すれば、安定な搬送状態までの蛇行補正時間が短縮でき、使用できない恐れのある金属箔を低減し、大量な無駄な出費がかかることを防止することができ、製品コストを削減することができる。
(1)複数のローラにより搬送されるウエブ状の搬送物に所定の搬送張力を与える張力制
御手段を有する搬送装置において、前記搬送物に強制的に蛇行を付与する強制蛇行発生手
段と、前記強制蛇行手段の下流に配置され、前記搬送物の蛇行量を検出するエッジセンサ
と、前記エッジセンサの出力変動に基づいて、蛇行の発生を検知する蛇行検知手段と、前
記蛇行検知手段が蛇行の発生を検知するときに、前記張力制御手段により前記搬送張力を
変更する張力変更手段と、を有し、前記張力変更手段が、前記搬送物の面粗度と、前記ローラから前記搬送物が離間している空気浮上量との関係を推定する推定手段と、前記面粗度と前記空気浮上量との関係に基づいて、前記搬送物の滑りを抑制するために必要な張力を算出する算出手段と、を有することを有することを特徴とする搬送装置。
(1)複数のローラにより搬送されるウエブ状の搬送物に所定の搬送張力を与える張力制御手段を有する搬送装置において、前記搬送物に強制的に蛇行を付与する強制蛇行発生手段と、前記強制蛇行手段の下流に配置され、前記搬送物の蛇行量を検出するエッジセンサと、前記エッジセンサの出力変動に基づいて、蛇行の発生を検知する蛇行検知手段と、前記蛇行検知手段が蛇行の発生を検知するときに、前記張力制御手段により前記搬送張力を変更する張力変更手段と、を有し、前記張力変更手段が、前記搬送物の面粗度と、前記ローラから前記搬送物が離間している空気浮上量との関係を推定する推定手段と、前記面粗度と前記空気浮上量との関係に基づいて、前記搬送物の滑りを抑制するために必要な張力を算出する算出手段と、を有することを特徴とするので、強制蛇行発生手段により搬送物に蛇行しやすい条件を与えて、搬送物は蛇行しやすくなるため、搬送物の蛇行傾向を迅速に検出し、速やかに蛇行が発生することを判断でき、蛇行が発生してから、安定な搬送状態までの蛇行補正時間を1/2以下に短縮することができ、製品として使用できない恐れがある金属箔を半減することができる。
例えば、銅箔やアルミ箔のような金属箔ロッドが切り替える時、金属箔と搬送ローラとの摩擦係数が変化する場合があるため、現状の搬送張力は不充分になり、搬送物は蛇行する可能性が高い。
また、蛇行の発生を防止するために、予め搬送張力を大きく設定しておくことも考えられる。しかしながら、搬送張力は大きいと、金属箔に影響する恐れがある。
したがって、搬送張力は、大きいことも、小さいこともできないため、一定の範囲内に抑える必要がある。
この場合、強制的に搬送物に蛇行しやすい条件を与えて、できる限り速やかに搬送物の蛇行傾向を検出し、蛇行の発生を判断し、適切な搬送張力を付与することにより、安定な搬送状態までの蛇行補正時間が1/2以下に短縮でき、製品として使用できない恐れのある金属箔を半減し、大量な無駄な出費がかかることを防止することができ、製品コストを削減することができる。
また、搬送物の滑りを抑制するための搬送張力は、搬送物の実際の滑り量により算出することではなく、ウエブ状搬送物の面粗度と空気浮上量との関係を推定し、推定したウエブ状搬送物の面粗度と空気浮上量との関係に基づいて、算出するため、搬送物は実際に蛇行が発生する前に、搬送物の滑りを抑制するための搬送張力を算出し、搬送物に付与でき、蛇行が発生してから、安定な搬送状態までの蛇行補正時間を1/2以下に短縮することができ、製品として使用できない恐れのある金属箔を半減し、無駄な出費を削減することができ、製品コストを削減することができる。
図1は、搬送装置1の全体を示している。搬送装置1の下流には、図示しない塗工装置があり、金属箔10の表面に活物質ペーストを塗工する。搬送装置1により、ウエブ状の金属箔10は、図1における左から右に向かって(矢印Sに示す方向に)搬送される。金属箔10は、アルミ箔や銅箔などで、厚みは数10〜20μmである。
図1に示すように、金属箔10は搬送始め部位と搬送終わり部位の下部に、それぞれに図示しないギアを介してモータと連動する駆動用ローラR4及びR5が設けられている。駆動用ローラR4及びR5は、モータの回転により、矢印W方向に回転する。金属箔10は駆動用ローラR4及びR5の回転により、左から右に向かって(矢印Sに示す方向)搬送される。
また、搬送装置1において、複数の回転フリーのローラR1・・・R3、及びR8・・・R10が設けられている。
ダンサ機構2は、図示しないモータ、トルクローラ21、連動機構22、及び張力制御ローラR11からなる。トルクローラ21及び張力制御ローラR11は連動機構22により連動する。
トーションバネ21aは、一端部がトルクローラ21の中心に固定され、張力制御ローラR11に一定のトルクを与えることにより、張力制御ローラR11に矢印D方向に回転させる力を与える。この回転力により、金属箔10に所定の搬送張力Tが与えられている。
また、トーションバネ21aは、他端部が図示しないモータに連結する。モータの回転により、トーションバネ21aのトルクを変更することができる。よって、トーションバネ21aのトルクを変更することにより、連動機構22を介して、張力制御ローラR11が金属箔10に与える搬送張力Tを調整できる。
よって、搬送装置1は、エッジセンサ3により、金属箔10の蛇行を検出した後、金属箔10の蛇行に応じて、ダンサ機構2により搬送張力Tを制御する。
金属箔10は、ロッド単位で搬送装置1に供給される。金属箔10の搬送工程において、一つのロッドに数千メートルの金属箔10を巻き込んで、一つのロッドの金属箔10が塗工されると、新しいロッドに切り替えて、金属箔10を塗工装置に搬送し続ける。
本発明者は、金属箔10は蛇行が発生する直前に、金属箔10のロッドが切り替えられた場合が多いことを発見した。
また、本発明者は、いろいろな実験を実施した結果、金属箔10の蛇行する原因が、空気浮上量h及び平均面粗度σに関係することを発見した。また、金属箔10の蛇行が発生するか否かは、空気浮上量h及び平均面粗度σの大小関係により決められることを発見した。
ここで、平均面粗度σは、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の粗さを表す。また、空気浮上量hは、金属箔10が搬送されるとき、ローラRの表面と金属箔10の金属面との距離を表す。
ここで、AはローラRのローラ面粗度であり、Bは金属箔10のウエブ面粗度である。数1の式に示すように、平均面粗度σは、ローラRのローラ面粗度A及び金属箔10のウエブ面粗度Bの2乗平均値である。
ローラ面粗度Aは、搬送装置1の既有条件であり、一定である。すなわち、ローラ面粗度Aは、蛇行の発生には直接に関係しない。
よって、平均面粗度σは、ウエブ面粗度Bのみに関係すると考えられる。すなわち、搬送される金属箔10のロッドが変わる次第、ウエブ面粗度Bは変化することにより、平均面粗度σは変化する。
したがって、平均面粗度σは大きい場合、ウエブ面粗度Bは大きいことを推定でき、金属箔10の金属面が粗いと考えられる。
すなわち、平均面粗度σは、ウエブ面粗度Bから一義的に算出されるため、本実施例では、ウエブ面粗度Bの代わりに、平均面粗度σを用いて搬送張力Tを算出する。
金属箔10はローラRにより搬送するとき、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の面粗度が大きい場合、すなわち、ローラRの表面及び金属箔10の金属面が粗い場合、ローラRの表面と金属箔10の金属面は、多数の高い凸状の山同士が衝突することにより、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に発生する滑りを抑える。
それと逆に、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の面粗度が小さい場合、すなわち、ローラRの表面及び金属箔10の金属面が滑らかな場合、ローラRの表面と金属箔10の金属面は、凸状の山の量も少なくし、凸状の山の高さも小さいため、凸状の山同士があまり衝突することがないため、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に滑りが発生しやすいと考えられる。
空気浮上量hは大きい場合、ローラRの表面及び金属箔10の金属面に有する複数の凸状の山には、高い凸状の山同士の衝突も少ない。したがって、この場合、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に、凸状の山同士は衝突することが少なく、滑りが発生しやすいと考えられる。
それと逆に、空気浮上量hが小さい場合、ローラRの表面及び金属箔10の金属面に有する複数の凸状の山には、高い凸状の山同士はもちろん、低い凸状の山同士も衝突する。したがって、この場合、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に、凸状の山同士の衝突が多く、滑りの発生を抑えると考えられる。
よって、搬送張力Tを大きくすると、金属箔10はより強く引っ張られ、金属箔10の金属面は、ローラRの表面に近づく。すなわち、搬送張力Tを大きくすることにより、空気浮上量hは小さくなる。これにより、より多いローラRの表面及び金属箔10の金属面に有する複数の凸状の山同士は衝突するようになって、滑りの発生を抑えられる。これは、従来技術では、蛇行を補正する際に、搬送張力を大きくする要因であると考えられる。
下記、銅箔やアルミ箔のような金属箔を搬送する場合、上記の三つのパターンと蛇行との関係について、それぞれに説明する。
〈第一パターン〉
空気浮上量h<平均面粗度σの場合、すなわち、金属箔10の金属面が、ローラRの表面から離れる距離は、ローラRの表面の凸状の山と金属箔10の金属面の凸状の山との2乗平均値より小さい場合、金属箔10の金属面が、ローラRの表面に密着する状態になり、ローラRの表面の凸状の山及と金属箔10の金属面の凸状の山とが衝突する。このため、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に発生する滑りを抑えることができ、蛇行はほとんど発生しない。
空気浮上量h>(平均面粗度の三倍)3σの場合、すなわち、金属箔10の金属面が、ローラRの表面から離れる距離は、ローラRの表面の凸状の山と金属箔10の金属面の凸状の山との2乗平均値よりかなり大きい場合、金属箔10の金属面が、ローラRの表面から浮く状態になり、ローラRの表面の凸状の山及と金属箔10の金属面の凸状の山とが衝突する割合が少なくなる。このため、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に滑りがすぐに発生し、蛇行はほぼ確実に発生することを実験により確認した。
(平均面粗度の三倍)3σ>空気浮上量h>平均面粗度σの場合、すなわち、金属箔10の金属面が、ローラRの表面から離れる距離は、ローラRの表面の凸状の山と金属箔10の金属面の凸状の山との2乗平均値よりやや大きい場合、金属箔10の金属面が、ローラRの表面から少し浮く状態になるが、ほかの条件により、ローラRの表面の凸状の山及と金属箔10の金属面の凸状の山とが、第一パターンと比較して、衝突が少ないと考えられ、第二パターンと比較して、衝突が多いと考えられる。
このため、ローラRの表面及び金属箔10の金属面の間に、蛇行が発生する場合に、蛇行が発生するまでに、余分な時間がかかる場合がある。したがって、金属箔10はすぐに蛇行が発生しないが、長い時間が経ってから、蛇行が発生する恐れがある。
金属箔10は搬送されるとき、金属箔10のロッドが切り替えることにより、ウエブ面粗度Bが変化し、平均面粗度σも変化するため、空気浮上量h及び平均面粗度σの大小関係は変化する恐れがある。
例えば、切り替えた後のウエブ面粗度B1は、今まで安定に搬送されるウエブ面粗度Bより小さい場合、すなわち、変化後のウエブ面粗度B1<変化前のウエブ面粗度Bの場合、ローラ面粗度Aは一定であるため、変化後の平均面粗度σ1も、変化前の平均面粗度σより小さくなり、変化後の平均面粗度σ1<変化前の平均面粗度σになる。
切り替えた前の金属箔が安定に搬送されることから、空気浮上量h<変化前の平均面粗度σを推定できる。しかしながら、切り替えた後の変化後の平均面粗度σ1が、変化前の平均面粗度σより小さいため、空気浮上量hは、変化後の平均面粗度σ1より大きいか、小さいか、推定できない。
すなわち、空気浮上量hは、変化後の平均面粗度σ1より大きい可能性があるため、蛇行が発生してしまう恐れがある。
本実施例では、金属箔10を強制的に蛇行させる強制蛇行手段である傾斜ローラR2を設ける。傾斜ローラR2により、金属箔10は、前進方向Pと垂直する分力が与えられ、蛇行が発生する傾向が与えられる。特に、第三パターンによる蛇行は、新たな金属箔10のロッドが切り替えてからすぐに発生しなくて、長時間にかけて発生する場合が多い。このため、傾斜ローラR2を設けることにより、早めに蛇行を発生させる。これにより、速やかに空気浮上量hと変化後の平均面粗度σ1との関係を推定でき、短時間に蛇行を補正することができる。
次に、本実施例の金属箔10の蛇行による滑りを推定する推定手段について説明する。
図2に示すように、傾斜ローラR2は、傾斜角度θ=5°を有して配置されている。これにより、金属箔10は、傾斜ローラR2により搬送される際、前進方向に対して移動量Δxを滑る。理論的に、Δx=Ytanθの式より計算する。本実施例では、移動量Δxは、4〜5mmとなるようにしている。
図4(a)に示すように、蛇行が発生しない場合、移動量Δxはほぼ一定であり、長時間を経過しても、大きな変動しない。このため、数千メートルの金属箔10は、移動量Δxを維持しながら、蛇行を発生せず、安定に搬送される。
しかしながら、t=t0において、傾斜角度θを有する傾斜ローラR2により搬送されると、金属箔10は、前進方向Pと垂直する分力が与えられ、蛇行が発生する傾向ができてしまう。これにより、金属箔10の移動量Δxは、一定な数値を維持できず、乱れるようになる。
この場合、蛇行を検出するエッジセンサ3は、移動量Δxの乱れを検出し、蛇行が発生することを検出する。
数2は、空気浮上量hを計算する式である。
数2に示す式において、Rは搬送装置1の傾斜ローラR2の半径であり、Vは搬送装置1の搬送速度であり、Tは搬送張力である。よって、半径R、搬送速度V及び搬送張力Tは、搬送装置1の既有条件である。
よって、上記の数1の式から、空気浮上量hが算出できる。
横軸は、搬送速度Vを表し、縦軸は、空気浮上量hを表す。曲線L1、L2、L3は、傾斜ローラR2の半径Rがそれぞれ15、50、125の場合、空気浮上量hを示す。
図5のグラフから、搬送装置1の搬送速度V及び傾斜ローラR2の半径Rが分かると、金属箔10の空気浮上量hを推定することができる。例えば、搬送速度V40m/minで、ローラ半径R=50の場合、曲線L2と搬送速度V=V1の直線との交叉点から、空気浮上量h=h1を読み取れる。
曲線Z1は、搬送速度V=V1の場合、空気浮上量hと搬送張力Tの関係を示す。図7により、空気浮上量h=h1の場合、搬送張力T=T1を算出できる。しかしながら、エッジセンサ3による検出した乱れた移動量Δxから、蛇行が発生することを検出したため、空気浮上量hは、新たな金属箔10のロッドを搬送した後の平均面粗度σ1より大きいことが推定できる。
よって、金属箔10を蛇行させないため、空気浮上量h=h1を、変化後の平均面粗度σ1より小さくする必要がある。
実際に、平均面粗度σは、測定できない数値である。したがって、空気浮上量hを、確実な数値まで調整できない。
発明者は、評価を行った結果により、最適な空気浮上量hを変化させる量を決めた。本実施例では、空気浮上量hを10%ずつ小さくする。すなわち、変化前の空気浮上量h=h1を、10%小さくして、変化後の空気浮上量h2にする。
図6から、空気浮上量hは、変化前の空気浮上量h1から変化後の空気浮上量h2に変化させるため、変化前の搬送張力T1から変化後の搬送張力T2に増加する必要があると読める。
そして、計算された変化後の搬送張力T2を、ダンサ機構2に伝える。ダンサ機構2は、変化前の搬送張力T1を、変化後の搬送張力T2に大きくする。これにより、変化前の空気浮上量h1は、変化後の空気浮上量h2に小さくなり、蛇行を抑える。
図7に示すように、変化前の搬送張力T1を、変化後の搬送張力T2に大きくすることにより、変化後の空気浮上量h2は小さくなる。よって、変化後の空気浮上量h2は、変化後の平均面粗度σ1より小さくなれば、すなわち、空気浮上量h<平均面粗度σの式が成立すれば、蛇行が補正される。すなわち、図6(a)に示すように、蛇行が発生してから、安定な搬送状態に戻るまで、蛇行補正時間t2が経過した。
よって、本発明によれば、搬送物は実際に蛇行が発生する前に、搬送物の滑りを抑制するための搬送張力を算出し、搬送物に付与でき、蛇行が発生してから、安定な搬送状態までの蛇行補正時間を短縮することができ、製品として使用できない恐れのある金属箔を半減し、無駄な出費を削減することができる。
(1)複数のローラR1・・・R11により搬送される金属箔10に所定の搬送張力Tを与えるダンサ機構2を有する搬送装置1において、金属箔10に強制的に蛇行を付与する傾斜ローラR2と、傾斜ローラR2の下流に配置され、金属箔10の蛇行量を検出するエッジセンサ3と、エッジセンサ3の出力変動に基づいて、蛇行の発生を検知する蛇行検知手段(傾斜ローラR2及びエッジセンサ3)と、蛇行検知手段(傾斜ローラR2とエッジセンサ3)が蛇行の発生を検知するときに、ダンサ機構2により搬送張力Tを変更する張力変更手段(図5のグラフ、図7のグラフ及びダンサ機構2)と、を有することを特徴とするので、強制蛇行発生手段により搬送物に蛇行しやすい条件を与えて、搬送物は蛇行しやすくなるため、搬送物の蛇行傾向を迅速に検出し、速やかに蛇行が発生することを判断でき、蛇行が発生してから、安定な搬送状態までの蛇行補正時間を1/2以下に短縮することができ、製品として使用できない恐れがある金属箔を半減することができる。
例えば、銅箔やアルミ箔のような金属箔ロッドが切り替える時、金属箔と搬送ローラとの摩擦係数が変化する場合があるため、現状の搬送張力は不充分になり、搬送物は蛇行する可能性が高い。
また、蛇行の発生を防止するために、予め搬送張力を大きく設定しておくことも考えられる。しかしながら、搬送張力は大きいと、金属箔に影響する恐れがある。
したがって、搬送張力は、大きいことも、小さいこともできないため、一定の範囲内に抑える必要がある。
この場合、強制的に搬送物に蛇行しやすい条件を与えて、できる限り速やかに搬送物の蛇行傾向を検出し、蛇行の発生を判断し、適切な搬送張力を付与することにより、安定な搬送状態までの蛇行補正時間が1/2以下に短縮でき、製品として使用できない恐れのある金属箔を半減し、大量な無駄な出費がかかることを防止することができ、製品コストを削減することができる。
例えば、本実施例では、空気浮上量h及び平均面粗度σに基づいて、搬送張力Tを算出する。しかしながら、空気浮上量hと平均面粗度σは、密接な関係を有しているため、空気浮上量hまたは平均面粗度σの一方のみに基づいて、搬送張力Tを算出することも考えられる。
図7に示すように、曲線Z2は、搬送速度V=V2の場合、空気浮上量hと搬送張力Tの関係を示す。例えば、変化後の搬送速度V2を、変化前の搬送速度V1の2倍にアップする場合、すなわち、曲線Z1の搬送速度V1から曲線Z2の搬送速度V2に搬送速度をアップする場合、搬送張力Tは変化せず、現状のまま維持すると、空気浮上量h3からh4に大きくなる。上記に説明したように、変化後の空気浮上量h4は、現状の平均面粗度σより大きくなる可能性があり、蛇行が発生する恐れがある。
このため、搬送速度V1から搬送速度V2に速度をアップする場合、図7に示すように、空気浮上量h3を維持するため、現状の搬送張力T3を、変化後の搬送張力T4に大きくする必要がある。これにより、搬送速度V1から搬送速度V2にアップしても、空気浮上量h3は変化しないため、蛇行の発生を防止することができると考えられる。
2 ダンサ機構
3 エッジセンサ
10 金属箔
R2 傾斜ローラ
R4、R5 駆動用ローラ
R6、R7 ニップローラ
R11 張力制御ローラ
P 搬送方向
Q 垂直方向
θ 傾斜角度
h 空気浮上量
V 搬送速度
T 搬送張力
A ローラ面粗度
B 金属箔面粗度
σ 平均面粗度
Claims (2)
- 複数のローラにより搬送されるウエブ状の搬送物に所定の搬送張力を与える張力制御手段を有する搬送装置において、
前記搬送物に強制的に蛇行を付与する強制蛇行発生手段と、
前記強制蛇行手段の下流に配置され、前記搬送物の蛇行量を検出するエッジセンサと、
前記エッジセンサの出力変動に基づいて、蛇行の発生を検知する蛇行検知手段と、
前記蛇行検知手段が蛇行の発生を検知するときに、前記張力制御手段により前記搬送張力を変更する張力変更手段と、を有し、
前記張力変更手段が、
前記搬送物の面粗度と、前記ローラから前記搬送物が離間している空気浮上量との関係を推定する推定手段と、
前記面粗度と前記空気浮上量との関係に基づいて、前記搬送物の滑りを抑制するために必要な張力を算出する算出手段と、
を有することを特徴とする搬送装置。 - 請求項1に記載する搬送装置において、
前記強制蛇行発生手段が、前記搬送物に対して傾斜して配置された傾斜ローラであることを特徴とする搬送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011150715A JP5696609B2 (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | 搬送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011150715A JP5696609B2 (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | 搬送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013018557A JP2013018557A (ja) | 2013-01-31 |
JP5696609B2 true JP5696609B2 (ja) | 2015-04-08 |
Family
ID=47690401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011150715A Active JP5696609B2 (ja) | 2011-07-07 | 2011-07-07 | 搬送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5696609B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110155795B (zh) * | 2019-04-25 | 2024-03-08 | 涿州皓原箔业有限公司 | 一种铝箔反折边装置及加工方法 |
CN111240259B (zh) * | 2020-02-19 | 2020-12-22 | 南通海星电子股份有限公司 | 一种电极箔生产中的放箔自动控制*** |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10059004A1 (de) * | 2000-11-28 | 2002-07-25 | Nexpress Solutions Llc | Vorrichtung zur Erzeugung eines Versatzes von transportiertem biegsamen flächigen Gut |
JP4328043B2 (ja) * | 2001-09-18 | 2009-09-09 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
-
2011
- 2011-07-07 JP JP2011150715A patent/JP5696609B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013018557A (ja) | 2013-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI481511B (zh) | 搬送裝置、印刷裝置及搬送方法 | |
JP4683060B2 (ja) | ウェブ搬送装置及びウェブ搬送制御方法 | |
US8461562B2 (en) | Web carrier, web carrying method, and web carriage control program | |
US8795571B2 (en) | Dual operation de-curler | |
JP2012108467A5 (ja) | ||
US20140291926A1 (en) | Transporting System, Image Forming System, and Controller | |
JP5696609B2 (ja) | 搬送装置 | |
JP2010006597A5 (ja) | ||
JP5198325B2 (ja) | ウェブ搬送装置、ウェブ搬送方法及びウェブ搬送制御プログラム | |
US8876241B2 (en) | Transporting system, image forming system, and controller | |
JP2010265062A (ja) | シート搬送装置およびシート蛇行修正方法 | |
JP2013129464A (ja) | ガイドローラ | |
US20140205355A1 (en) | Media skew reduction | |
JP6028496B2 (ja) | 巻取装置及び鋼板尾端停止位置の制御方法 | |
JP4941449B2 (ja) | フィルムのスリップ検出方法及びフィルムスリップ検出装置、並びにフィルムスリップ検出装置を備えたフィルム搬送型皮膜成膜装置 | |
US9618901B2 (en) | Sheet humidification apparatus and humidification control method | |
JP5649853B2 (ja) | ガイドロール | |
JP2017223863A5 (ja) | ||
JP2012137404A (ja) | 平坦度測定装置及び平坦度測定方法 | |
JP5987932B2 (ja) | 金属帯の塗布方法及び塗布装置 | |
WO2015185119A1 (en) | Media-sheet stacking systems | |
JP2010070377A (ja) | 媒体処理装置 | |
JP2011173665A (ja) | 給紙装置 | |
JP2010143723A (ja) | 印刷装置 | |
JP2013040904A (ja) | シート長計測装置及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140114 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140929 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141007 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150113 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150126 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5696609 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |